説明

極端紫外光源装置

【課題】チャンバ内に滞留及び蓄積したデブリがチャンバを汚染して集光ミラー等の重要光学コンポーネントの性能を低下させることを防止し、長期間安定に極端紫外光を発生することが可能な極端紫外光源装置を提供する。
【解決手段】極端紫外光源装置は、ターゲットにレーザビームを照射することにより極端紫外光を発生する極端紫外光源装置であって、極端紫外光の生成が行われるチャンバと、チャンバ内の所定の位置に供給されるターゲットにレーザビームを照射することによりプラズマを生成するドライバレーザと、チャンバ内に設置され、プラズマから放射される極端紫外光を集光して出射する集光ミラーと、チャンバと連通し、排気装置と接続されてチャンバ内を一定の圧力に維持する排気経路と、排気経路に備えられ、プラズマから発生するデブリを捕集する捕集装置と、捕集されたデブリをチャンバ外に回収する回収装置とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光装置の光源として用いられる極端紫外(EUV:extreme ultra violet)光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体プロセスの微細化に伴って光リソグラフィにおける微細化が急速に進展しており、次世代においては、100nm〜70nmの微細加工、更には50nm以下の微細加工が要求されるようになる。そのため、例えば、50nm以下の微細加工の要求に応えるべく、波長13nm程度のEUV光源と縮小投影反射光学系(reduced projection reflective optics)とを組み合わせた露光装置の開発が期待されている。
【0003】
EUV光源としては、ターゲットにレーザビームを照射することによって生成されるプラズマを用いたLPP(laser produced plasma:レーザ励起プラズマ)光源(以下において、「LPP式EUV光源装置」ともいう)と、放電によって生成されるプラズマを用いたDPP(discharge produced plasma)光源と、軌道放射光を用いたSR(synchrotron radiation)光源との3種類がある。これらの内でも、LPP光源は、プラズマ密度をかなり大きくできるので黒体輻射に近い極めて高い輝度が得られ、ターゲット物質を選択することにより必要な波長帯のみの発光が可能であり、ほぼ等方的な角度分布を持つ点光源であるので光源の周囲に電極等の構造材がなく、2πsteradianという極めて大きな捕集立体角の確保が可能であること等の利点から、数十ワット以上のパワーが要求されるEUVリソグラフィ用の光源として有力であると考えられている。
【0004】
ここで、LPP方式によるEUV光の生成原理について説明する。真空チャンバ内に供給されるターゲット物質に対してレーザビームを照射することにより、ターゲット物質が励起してプラズマ化する。このプラズマから、EUV光を含む様々な波長成分が放射される。そこで、所望の波長成分(例えば、13.5nmの波長を有する成分)を選択的に反射する集光ミラーを用いてEUV光が反射集光され、露光機に出力される。
【0005】
このようなLPP式EUV光源装置においては、特にレーザビームをターゲットに照射することによってプラズマを生成する際に、プラズマから放出される高速イオン、中性粒子、及び、残渣飛沫を含むデブリ(debris)を放置すると、EUV光源装置の動作に支障を生じる。すなわち、高速イオンは、集光ミラー、ターゲット供給装置のノズル等のチャンバ内の構造物を削り取り(スパッタリングし)、それらの構造物の形状を変化させてしまう。集光ミラーの形状が変化すると、集光ミラーの反射率が低下し、EUV光源としての出力が低下する。また、他の構造物についても、形状変化により機能が低下し、EUV光源としての動作が妨げられる。また、中性粒子及びターゲットの残渣飛沫は、集光ミラーを含むチャンバ内の構造物に堆積し、EUV光源装置の機能を低下させる。例えば、チャンバ内の真空度を維持するターボ分子ポンプにおいて、タービンブレードに中性粒子及び残渣飛沫が堆積すると、排気速度が低下して行き、最悪の場合には、ブレード同士が衝突、破損して、ターボ分子ポンプが故障し、EUV光源装置が動作しなくなる。
【0006】
これらの高速イオン、中性粒子、及び/又は、残渣飛沫からチャンバ内の構造物を防御する技術は、ミティゲーション技術と称され、EUV光源の開発の過程で多様な技術が提案され、実施されてきた。特許文献1には、チャンバ内に磁場を印加して、中性粒子をイオン化して帯電粒子として印加された磁場によりトラップして集光ミラーを防御する技術が開示されている。特許文献2には、EUV光源装置において、反応性ガスをチャンバ内に導入し、集光ミラー等への付着物と反応性ガスとを反応させて排気することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−80255号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0091109号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来から用いられているミティゲーション技術は、プラズマから飛来するデブリの付着やデブリによるスパッタリングにより、集光ミラー等の主要光学コンポーネントの性能が劣化するのを防ぐことを意図としている。従って、集光ミラー等の主要光学コンポーネントへのデブリの到達を防ぐことができたとしても、LPP方式EUV光源装置を安定に長時間稼動させることはできない。すなわち、EUV光源装置において、EUV光生成のためにターゲットにレーザ光を照射してプラズマを生成することに伴い、プラズマから発生したデブリはチャンバ内に滞留して徐々に蓄積し、蓄積したデブリがチャンバ内を汚染する。このため、一定時間毎にEUV光の生成を停止してチャンバ内を清掃することが必要になっていた。いずれにせよ、チャンバ内に拡散し長期にわたって滞留するデブリによって、LPP方式EUV光源装置の長期動作安定性が損なわれるので、これらの問題の解決が課題となっていた。
【0009】
従って、蓄積したデブリが主要光学コンポーネントに堆積し、主要光学コンポーネントの反射率又は透過率を低下させて、主要光学コンポーネントの性能を劣化させたり、チャンバ内に徐々に滞留するデブリの増加によってレーザ光やEUV光が散乱されて、効率の良いEUV光の生成と集光が阻害されたりするという問題がある。さらに、滞留するデブリが、チャンバの真空排気のために取り付けられたポンプ内に進入し、ポンプの排気能力を著しく低下させ、ポンプのメインテナンスのために装置の稼働時間が短くなるという問題も発生する。いずれにせよ、チャンバ内に拡散し長期にわたって滞留するデブリによって、LPP方式EUV光源装置の長期動作安定性が損なわれるので、これらの問題の解決が課題となっていた。
【0010】
本発明は、上記のような事情を考慮してなされたものであり、チャンバ内に滞留して蓄積したデブリが、チャンバを汚染したり、集光ミラー等の重要光学コンポーネントの性能を低下させたり、真空給排気装置の性能を低下させたりすることを防止し、長期間安定に極端紫外光を発生することが可能な極端紫外光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明の1つの観点に係る極端紫外光源装置は、ターゲットにレーザビームを照射することにより極端紫外光を発生する極端紫外光源装置であって、極端紫外光の生成が行われるチャンバと、チャンバ内の所定の位置に供給されるターゲットにレーザビームを照射することによりプラズマを生成するドライバレーザと、チャンバ内に設置され、プラズマから放射される極端紫外光を集光して出射する集光ミラーと、チャンバと連通し、排気装置と接続されてチャンバ内を一定の圧力に維持する排気経路と、排気経路に備えられ、プラズマから発生するデブリを捕集する捕集装置と、捕集されたデブリをチャンバ外に回収する回収装置とを具備する。
【0012】
本発明の他の1つの観点に係る極端紫外光源装置は、ターゲットにレーザビームを照射することにより極端紫外光を発生する極端紫外光源装置であって、極端紫外光の生成が行われるチャンバと、チャンバ内の所定の位置に供給されるターゲットにレーザビームを照射することによりプラズマを生成するドライバレーザと、チャンバ内に設置され、プラズマから放射される極端紫外光を集光して出射する集光ミラーと、チャンバと連通し、排気装置と接続されてチャンバ内を一定の圧力に維持する排気経路と、排気経路に備えられ、プラズマから発生するデブリを捕集し、捕集されたデブリを反応性ガスと反応させて反応生成ガスを生成する捕集反応装置と、排気経路に接続され、反応生成ガスを処理することにより、捕集されたデブリをチャンバ外に回収する回収装置とを具備する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、EUV光の発生を停止することなく、チャンバ内のデブリを排気経路で捕集し、捕集したデブリをチャンバ外に回収又は排出することにより、投入したターゲット物質を回収又は除外することが可能となり、真空を解除してチャンバ内を清掃する作業の間隔を大幅に伸ばすことが可能となり、EUV光源装置を実用的なレベルで連続して稼動することが可能となるとともに、ターゲット材料を有効に活用してEUV光源装置の稼動コストを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るEUV光源装置の内部構造を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係るEUV光源装置の内部構造を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るEUV光源装置の隔壁を上から見た図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係るEUV光源装置の下流側の内部構造を示す図である。
【図5】本発明の第4の実施形態に係るEUV光源装置の内部構造を示す図である。
【図6】ハロゲンガスと錫の反応生成物の1気圧における沸点を表にして示す図である。
【図7】本発明の第5の実施形態に係るEUV光源装置の内部構造を示す図である。
【図8】本発明の第6の実施形態に係るEUV光源装置の内部構造を示す図である。
【図9】本発明の第7の実施形態に係るEUV光源装置の内部構造を示す図である。
【図10】本発明の第7の実施形態に係るEUV光源装置のコートワイヤの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1は、本発明の第1の実施形態を説明するための図である。図1を参照しながら、本実施形態に係るEUV光源装置の基本的な構成とその動作について説明する。図1に示すEUV光源装置は、レーザビームをターゲット物質に照射して励起させることによりEUV光を生成するレーザ励起プラズマ(LPP)方式を採用している。
【0016】
図1に示すように、このEUV光源装置は、EUV光の生成が行われるチャンバ8と、チャンバ8内の所定の位置にターゲット1を供給するターゲット供給装置7と、ターゲット1に照射される励起用レーザビーム2を生成するドライバレーザ5と、ドライバレーザ5によって生成される励起用レーザビーム2を集光するレーザ集光光学系6と、ターゲット1に励起用レーザビーム2が照射されることによって発生するプラズマ3から放出されるEUV光4を集光して出射する集光ミラー10とを備えている。
【0017】
このEUV光源装置においては、例えば、ターゲット1として、金属(液体又は固体の錫(Sn)が用いられ、ドライバレーザ5として、比較的波長の長い光を生成することができる炭酸ガス(CO)レーザが用いられる。錫がターゲット1として使用されるのは、レーザ光エネルギーからEUV光エネルギーへの変換効率が高いからである。錫のターゲットに炭酸ガスレーザが照射された場合には、この変換効率が2〜4%程度となる。他方、他の物質、例えば、キセノン(Xe)がターゲット1として使用される場合には、この変換効率は1%程度である。ターゲットの形態として、溶融錫のジェット又はドロップレット、あるいは、錫コーティングされたワイヤ又は回転ディスクが使用される。以下においては、錫のターゲットに炭酸ガスレーザが照射される場合を例として説明する。しかしながら、本発明において、ターゲット材料及びレーザ光源の種類はこれらに限定されることがなく、様々な種類のターゲット材料及びレーザ光源を用いることができる。
【0018】
レーザ集光光学系6は、少なくとも1つのレンズ及び/又は少なくとも1つのミラーで構成される。レーザ集光光学系6は、図1に示すように、真空チャンバ8の内側に配置しても良く、あるいは、真空チャンバ8の外側に配置しても良い。
【0019】
集光ミラー10は、プラズマ3から放射される様々な波長成分の内から、所定の波長成分(例えば、13.5nm付近のEUV光)を選択的に反射することにより集光する集光光学系である。集光ミラー10は凹状の反射面を有しており、この反射面には、例えば、波長が13.5nm付近のEUV光を選択的に反射するためのモリブデン(Mo)及びシリコン(Si)の多層膜が形成されている。
【0020】
さらに、本発明の第1の実施形態に係るEUV光源装置の詳細について説明する。ターゲット1は、溶融錫をドロップレット化してドロップレットターゲット1aとなり、ターゲット供給装置7のノズルから射出される。通常使用されるコンテニュアスジェット法によるドロップレット生成においては、例えば、直径20μm程度のドロップレットが射出される場合、ドロップレットが数十MHzで生成される。このドロップレットをターゲット供給装置内部で間引くことにより、100kHzのドロップレット列がノズルから射出される。ドロップレットが射出される場合の初速は、例えば、100m/秒程度である。
【0021】
このドロップレット列に、繰り返し周波数100kHz、エネルギー数十mJ、パルス幅数十nSの炭酸ガスレーザが集光照射されることにより、プラズマが生成される。その際、1個のドロップレットに付き1パルスのレーザ光が照射されるように、レーザ光とターゲット射出とは、図示しない同期制御装置により同期制御される。
【0022】
プラズマから放射される放射光のうち波長13.5nmの光が、集光ミラーにより集光されて、露光機に投射される。このプラズマが生成される空間は、チャンバにより大気と隔絶され、ターボ分子ポンプ(TMP)により数Pa以下の真空度が維持される。このような真空度が維持されるのは、残留するガスによるEUV光の吸収を防止するためと、後で説明する磁場の作用と効果を有効に利用するためである。すなわち、チャンバ内のガス圧が高いと平均自由行程が短くなり、荷電粒子が衝突することなく磁場の作用を受けながら移動する時間が短くなり、磁場による荷電粒子の偏向効果又は集束効果が弱くなるからである。
【0023】
電磁石等により構成される磁場発生装置により、チャンバ内部に定常磁場が印加される。本実施形態においては、例えば、チャンバ8のプラズマ生成空間の上下にそれぞれコイル15、16が配置され、これらのコイルによりミラー型の磁場が形成される。また、チャンバ8には、磁場中の中性粒子を帯電するための帯電装置17が設けられている。帯電装置17としては、電子ビーム装置が使用されても良く、高周波装置、又は、マイクロ波装置が使用されても良い。また、マイクロ波装置として、電子サイクロトロン共鳴(ECR)装置が使用されても良い。
【0024】
プラズマ生成時には、プラズマ生成に伴って、高速イオン、中性粒子、残渣飛沫を含むデブリが生成される。高速イオンは、チャンバ8の内部に生成されたミラー磁場により偏向されて、チャンバ8の上方及び下方方向に移動する。これらのうち、チャンバ8の上方方向に移動した高速イオンは、ターゲット供給装置7のノズル付近に集束し、ターゲット供給装置7のノズルから噴出する錫蒸気、高速イオン、及び/又は、高速イオン同士の衝突によって生じた中性粒子と衝突して、エネルギー及び電荷を失い中性粒子となる。他方、チャンバ8の下方方向に移動した高速イオンは、ミラー磁場の中心軸方向に集束し、高速イオン、高速イオン同士の衝突によって生じた中性粒子と衝突して、エネルギー及び電荷を失い中性粒子となる。このチャンバ下方に存在する中性粒子は、帯電装置17により再度帯電されて、磁場の作用により、さらにチャンバ8の下方方向に導出される。
【0025】
ここで、炭酸ガスレーザと錫ターゲットの組み合わせにより生成されたプラズマから発生する粒子の多くが、直径数〜数10nmの中性のナノ粒子であることが発明者の実験により確認された。ターゲット物質は、100m/秒程度の初速を有し、初期運動量を有する。このため、発生したナノ粒子も、同様に初期運動量を保持している。発生したナノ粒子は、プラズマ生成時の圧力により拡散しながら、初期の射出運動量、及び磁場の偏向、収束作用により、チャンバ下方方向の中心軸方向に集束する。
【0026】
残渣飛沫は、直径数μm以上の比較的大きな粒子であり、質量が比較的大きいので、帯電しても磁場による偏向の影響を相対的に受けにくい。しかしながら、残渣飛沫も初期運動量を保持している。また、残渣飛沫は、質量が比較的大きいのでプラズマ生成に伴う拡散速度も中性粒子より小さい。したがって、残渣飛沫も、チャンバ下方方向に移動する。
【0027】
以上説明したように、プラズマ生成に伴う高速イオン、中性粒子、残渣飛沫等のデブリは、その大部分がチャンバの下方方向に集束して捕集される。このため、これらのデブリが、チャンバ内の構造物に衝突、付着する量は少なく、EUV光源としての機能が低下することが防止される。
【0028】
チャンバの下方方向に移動するデブリは、排気経路20に移動する。排気経路20において、デブリは、デブリ排気TMP(ターボ分子ポンプ)21により、チャンバ8と接続される排気室22に導かれる。排気室22に導かれたデブリは、チャンバ下方に移動するために必要とされる運動量を保持している。また、デブリは、この運動量と重力により、排気室22の下側に設けられている捕集室23のデブリ通過穴24を通過して捕集室23に到達する。図1に示されるように、デブリ通過穴24がロート状に形成されているのは、デブリを捕集室23の中央に集め、デブリが捕集室23の壁面に付着するのを防止するためである。
【0029】
捕集室23の下部には、回収装置25が設けられている。回収装置25は、ゲートバルブ26と、排気装置27と、回収容器接続部28と、回収容器29とを有する。捕集室23は、回収装置25の下部にゲートバルブ26を介して設けられた回収容器29と連接される。捕集室23に捕集されたデブリが一定量に達したら、ゲートバルブ26と連接した回収容器29内を、排気装置27により真空に排気した状態で、ゲートバルブ26を開く。これにより、捕集室23に捕集されたデブリは、回収容器29に落下する。次に、ゲートバルブ26を閉じ、図示しないリークバルブにより、回収容器29に大気を導入する。そして、回収容器接続部28から回収容器29を切り離すと、デブリを取り出すことができる。回収容器29からデブリを取り出した後に、回収容器29を清掃して、回収容器29を回収容器接続部28に再び接続し使用することが可能である。デブリの堆積量は、ターゲット物質の放出時間、及び/又は、プラズマの発生回数を、図示しないタイマ、カウンタ等により測定することにより検出されるようにするのが良い。
【0030】
以上説明したように、本実施例によれば、EUV光発生に伴って生じる高速イオン、中性粒子、残渣飛沫の殆ど全てを、EUV光源動作中に回収することを可能としたので、チャンバの汚染が低減され、チャンバ清掃作業間隔を大幅に伸ばすことが可能となる。これにより、実用レベルで必要とされるEUV光源の稼動時間が達成される。
【0031】
次に、図2を参照しながら、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態において、プラズマ生成から排気経路30にデブリを導入する直前までの動作は、第1の実施形態の動作と同様である。チャンバ8の下部に捕集された中性粒子、残渣飛沫等のデブリは、排気経路30において、スキマー18の穴を通してデブリ排気TMP(ターボ分子ポンプ)31によって、チャンバ下部にある排気室32に導かれる。排気室32の圧力は、デブリ排気TMP31によってチャンバ8内の圧力よりも低く保たれている。スキマー18の穴の直径は、数十μm〜数mmである。スキマー18の穴の直径は、プラズマからの生成物の中で最も大きい残留飛沫が通過できるように定められる。残留飛沫の大きさは、ドロップレットの直径、及びレーザ強度によって変化する。本実施形態においては、例えば、ドロップレットの直径を20μmとし、レーザ強度を10W/cm以下として、スキマー18の穴の直径を100μmとしている。また、図2に示されるように、スキマー18の形状は、下方に突き出したコーン形状に形成されるのが好ましい。これは、捕集されたデブリを可能なだけ排気室32の壁から離して中心軸方向に集束させるためである。排気室32に導かれたデブリは、チャンバ下方方向に移動するために必要な運動量を保持している。デブリは、この運動量、重力、及びスキマー18を通過する際の圧力差によって、排気室32の下部に設けられる捕集反応室33の上部に設けられた隔壁34のデブリ通過穴35を通過して、捕集反応室33に到達し、捕集される。また、スキマー18によって、排気室32はチャンバ8よりも常に低圧に保たれるので、後に説明する反応性ガスがチャンバ8に拡散することが防止される。
【0032】
捕集反応室33は、ターゲット物質と反応してガス生成物を生じるような反応性ガスにより一定の圧力に満たされる。反応性ガスは、反応性ガス供給装置38により供給される。ターゲット物質として錫(Sn)が使用される場合には、捕集反応室33は、例えば、常温で、大気圧の水素ガス(H)により満たされ、錫と水素ガスが反応して、SnHガスが生成される。SnHガスが生成されるのは、SnHの沸点は大気圧で−52℃だからである。捕集反応室33内において、錫のデブリが十分な時間、反応性ガスにさらされると、錫のデブリは全て水素と反応してSnHとなり気体化される。捕集反応室33内の圧力は、排気室内の圧力より高いので、捕集反応室33から排気室32へのガス流が発生する。
【0033】
図3は、隔壁34を上から見た図である。図2に示されるように、隔壁34の中心部には、デブリ通過穴35が設けられ、隔壁34の外周部には、排気ガス通気穴36が設けられる。図2に示されるように、隔壁34は、コーン形状に形成される。排気室32にあるデブリは、デブリ通過穴35を通って捕集反応室33に移動し、捕集反応室33で反応性ガスと反応してガス化し反応生成ガスとなり、排気ガスとして排気ガス通気穴36を通って、排気室32に入り、デブリ排気TMP31により排気される。
【0034】
図3に示される隔壁34において、外周部に設けられる排気ガス通気穴36の開口断面積は、デブリ通過穴35の開口断面積より十分大きく形成される。捕集反応室33を反応性ガスによって一定圧に保ち、捕集反応室33と排気室32との間に十分な圧力差を保つことができるように、排気ガス通気穴36の開口断面積とデブリ通過穴35の開口断面積との比と全体の圧力損失が定められる。他方、デブリ通過穴35からの反応性ガスの流出量は、非常に小さな値とされるので、デブリはデブリ通過穴35を通って捕集反応室33に移動することができる。このときの各室の圧力の大小関係は、捕集反応室の圧力>チャンバ内の圧力>排気室の圧力とされる。このように、反応性ガスが、チャンバに拡散するのを防止しながら、デブリの捕集が可能とされる。
【0035】
排気室32に導かれた反応性ガスとSnHを含む反応生成ガスは、デブリ排気TMP31により回収装置45に導かれる。回収装置45は、希釈装置46と、排気装置47と、除外装置48とを有する。排気室32に導かれた反応性ガスと反応生成ガスは、最初にデブリ排気TMP31により回収装置45の希釈装置46に導かれる。排気室32に導かれた反応性ガスと反応生成ガスをそのまま後段の除外装置48等で処理させることが困難なので、希釈装置46では、反応性ガスと反応生成ガスが不活性ガスで希釈され、後段の除外装置48等での除外処理を容易にしている。希釈ガスとしては、窒素(N)、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)等が使用される。希釈された反応性ガスと反応生成ガスは、排気装置47を通して除外装置48に導かれる。排気装置47は、希釈されたガスを除外装置48に送るためのポンプを備える。また、除外装置48では、反応生成ガスを吸着、又は、さらに反応させることにより、光源装置から除外し、デブリを回収可能とする。
【0036】
除外装置48では、活性炭ろ過等により、反応性ガスとSnHを含む反応生成ガスとが吸着される。このため、反応性ガスとターゲット物質を含む反応生成ガスが、除外装置48の外に流出することはない。活性炭ろ過の他に、他の材料、例えば、発泡金属や機能性セラミックビーズに、反応性ガスと反応生成ガスが吸着されるようにしても良い。また、酸化又は還元反応によって、反応性ガスとSnHを含む反応生成ガスとを他の物質と化学反応させて回収を容易としても良い。
【0037】
本発明の第2の実施形態においては、デブリを反応性ガスと反応させて反応生成ガスとして回収するため、ガス化されたデブリの輸送及び処理に関して選択の自由度が大きい。例えば、希釈装置46より後段の装置46、47を、EUV光源が設置されるクリーンルームの外に設置しても、回収動作を行うことができる。このようにすることにより、クリーンルームが、回収されたデブリにより汚染されることを防止することが可能となる。
【0038】
次に、図4を参照しながら、本発明の第3の実施形態について説明する。本発明の第3の実施形態は、排気室32までは、図2に示される本発明の第2の実施形態と同様であり、図4は、本発明の第2の実施形態と相違する本発明の第3の実施形態のスキマー18と排気室32から下流側のみを図示している。本発明の第3の実施形態においては、回収装置55が、希釈装置56と、排気装置57と、除外装置58と、排気装置59とを有し、捕集反応室53とデブリ排気TMP51とに接続される。すなわち、捕集反応室53に希釈装置56、排気装置57が接続され、希釈装置56により反応性ガスとSnHを含む反応生成ガスとが希釈され、排気装置57により除外装置58に送られる。デブリ排気TMP51からの排気も、排気装置59を介して除外装置58に送られる。これは、圧力バランスを維持するために、捕集反応室53から排気室32に、反応性ガスと反応生成ガスとが流入するのは不可避であるので、捕集反応室53から排気室32を経由してデブリ排気TMP51に到る反応性ガスと反応生成ガスとを全く無くすことはできないからである。
【0039】
以上説明したように、本発明の第3の実施形態においては、デブリ排気TMP51が排気する反応性ガスと反応生成ガスの量を低減できる。デブリ排気TMP51の排気量が低減するので、デブリ排気TMP51の低容量化が可能となり、コストダウンが可能となる。排気装置の総数は増加するが、通常のポンプの価格はTMPの価格の数分の1であり、デブリ排気TMP51の低容量化によるコストダウンの効果が大きい。
【0040】
次に、図5を参照しながら、本発明の第4の実施形態について説明する。本発明の第4の実施形態は、本発明の第2の実施形態と同様の構成を有するが、捕集反応室63に加熱装置65が設けられる。すなわち、捕集反応室63を加熱することにより、デブリと反応性ガスとの反応に要する反応時間を短縮し、デブリから効率的に反応生成ガスを生成することができる。加熱装置65は、捕集反応室63の外壁にヒータを設けることにより構成されても良く、また、赤外線ランプ又はプラズマ源を設けることにより構成されても良い。
【0041】
また、本発明の第4の実施形態においては、捕集反応室63を加熱することにより、デブリ、反応性ガス、及び、反応生成ガスの温度を高くすることが可能となり、使用できる反応性ガスの種類を増加することができる。水素ガス以外について、例えば、ハロゲンガスと錫との反応生成物の1気圧における沸点を表にして図6に示す。
【0042】
反応性ガスをあらかじめ加熱して、錫との反応の結果生じた反応生成物を沸点以上の温度とすることにより、デブリを反応生成ガスとして取り出すことができる。ターボ分子ポンプについては、数百℃の高温で使用できるものも開発されているが、実用的には沸点250℃以下の反応生成物が使用される。例えば、塩素や臭素を反応性ガスとして使用して錫のデブリと反応させることにより、錫のデブリを反応生成ガスSnCl、SnBrとして取り出すことができる。水素ガスは、濃度4%で爆発限界に達し、爆発しやすく危険性を伴う。このため、排気系全体における水素濃度管理が不可欠となり、排気系を構成する際の制約が多い。例えば、塩素や臭素を使用することにより、水素を使用することに伴う制約を取り除くことが可能となる。
【0043】
次に、図7を参照しながら、本発明の第5の実施形態について説明する。本発明の第5の実施形態においては、反応性ガスの存在する排気経路とチャンバ8との間に切替えバルブ70が設けられ、この切替えバルブ70により、排気経路とチャンバ8との間が常に仕切られている。レーザ生成からデブリ捕集までの動作は、本発明の第1〜第4の実施形態と同様である。但し、本発明の第5の実施形態においては、排気経路とチャンバとの間が、切替えバルブ70により常に仕切られているので、スキマーは本実施形態の必須の構成要件とはならず、スキマーの設置を省略しても良い。
【0044】
本発明の第5の実施形態において、複数の排気経路が設けられても良い。図7に示すように、2個の排気経路A71a、排気経路B71bが設けられた場合を例として、本実施形態を説明する。チャンバ下方で軸方向に集束されたデブリは、切替えバルブ70及び排気経路B71bを通り、TMPB72bに到達する。ここで、デブリは、TMPB72b内のブレード及び壁面に堆積される。一定量以上のデブリの微粒子が、TMPのブレード及び壁面に堆積されると、TMPの排気流量が低下する。そこで、タイマやカウンタによりターゲット物質の放出時間や、プラズマの発生回数を検出することにより、TMPの排気流量が低下する前に、切替えバルブ70を切替えて新たな排気経路に接続される。
【0045】
チャンバ下方のデブリが、排気経路B71bを通してTMPB72bに捕集されている間に、排気経路A71aでは、TMPA72aに堆積したデブリが、反応性ガス供給装置73aから供給される反応性ガスと反応してガス化し、反応生成ガスが生成される。この反応生成ガスは、回収装置75aに導かれ、回収装置75aにおいて、希釈装置76a、排気装置77aを経由して、除外装置78aにより回収される。これにより、TMPA72aを再生して再使用することが可能となる。この際、排気経路A71a及び/又はTMPA72aを加熱装置により加熱してデブリと反応性ガスとの反応を促進しても良い。また、水素の代わりに、塩素、臭素等を反応性ガスとして使用しても良い。デブリの反応処理が終了して、TMPA72aを再使用することが可能となったなら、反応性ガスの供給を停止し、希釈装置76aを停止する。加熱装置を使用している場合は、加熱装置も停止する。但し、排気装置77aは停止せず、背圧ポンプとして動作させ続ける。
【0046】
バルブ70が切替えられると、チャンバ下方のデブリは、デブリ処理が終了してTMPA72aの再生再使用が可能となった排気経路A71aに導かれ、TMPA72aに堆積される。これと同時に、デブリが堆積した排気経路B71bとTMPB72bに、反応性ガスが導かれ、デブリの反応処理とそれに伴うTMPB72bの再生が行われ、TMPB72bが再使用可能とされる。この際、加熱装置を使用して、デブリの反応処理を促進しても良い。この動作を繰り返し行うことにより、デブリを回収しながらEUV光源装置を連続動作させることが可能となる。
【0047】
本発明の第5の実施形態においては、デブリを堆積及び蓄積する動作とデブリをガス化し排出及び回収する動作とを同時にかつ独立に行うことが可能となるという利点が得られる。また、本実施形態においては、第2〜第4の実施形態と異なり、チャンバ、排気室、及び、反応室との間で圧力バランスを取る必要がなくなり、反応性ガスについて、圧力バランスを維持するために必要とされる圧力と温度の制約がなくなる。このため、反応性ガスの圧力と温度を、TMPに堆積したデブリを反応させてガス化するために最も適した条件に設定することが可能となる。
【0048】
図8を参照しながら、本発明の第6の実施形態について説明する。本発明の第6の実施形態の基本的な構成は、第2の実施形態の構成と同様であるが、磁場配置が異なる。すなわち、電磁石の下側のコイル86の径を、上側のコイル85の径より大きくしている。これにより、チャンバ下側の磁場が、チャンバ上側の磁場より小さくなり、この磁場の作用により、帯電粒子がチャンバ下方に移動し、帯電粒子の排出が促進される。本実施形態の基本的な動作は、第2の実施形態の動作と同様であるが、磁場の配置が変更されることにより、チャンバ下方でのデブリの捕集効率が高められる。
【0049】
次に、図9を参照しながら、本発明の第7の実施形態について説明する。本実施形態においては、ターゲットとして、ドロップレットターゲットの替わりに、ワイヤターゲットが使用される。図9に示すように、第1の実施形態におけるドロップレットターゲットの替わりに、ワイヤターゲット1bを使用する場合を例として本実施形態を説明する。ワイヤターゲットを使用する場合には、錫材から形成されるワイヤをワイヤターゲット移動装置(図示せず)によりチャンバ内に導入し、連続的にスライドさせることにより、ワイヤの新しい面に常にレーザが照射されるようにすると良い。また、レーザ照射面に錫をコーティングすることによりコートワイヤを形成し、ターゲットとして使用しても良い。コートワイヤを使用することにより、ターゲット母材の強度が保持することが容易となり、ターゲットの機械的強度を保持することが可能となる。さらに、図10は、コートワイヤターゲットの変形例を示す。図10に示されるコートワイヤターゲット91において、ターゲット母材92のレーザ照射部に溝93を形成し、この溝93の部分に錫コーティングを施すことにより、コートワイヤターゲット91が形成される。
【0050】
本発明の第7の実施形態の動作及び作用は、第1の実施形態の動作及び作用と同様であるが、以下の点で第1の実施形態の動作及び作用と大きく相違する。すなわちワイヤターゲット1b、特に、錫のコートワイヤ91を用いることにより、磁場の作用が働きにくい残渣飛沫を低減することが可能となる。これは、錫コートの厚さを、炭酸ガスレーザによるアブレーションにより除去される厚さとほぼ等しくすることにより、照射によって飛散する錫の容積を最小にすることができるからである。通常球形となるドロップレットターゲットを使用する場合には、レーザを照射することにより飛散する厚さより深い部分にある錫の全体積は全て残渣飛沫となる。これに対して、錫のコートワイヤ91を用いる場合には、錫コートの厚さを適当な値にすることにより、残渣飛沫の発生を低減することができる。残渣飛沫が低減されると、デブリの残りは、ほとんど微粒子となり、この微粒子を帯電することにより磁場によるデブリの捕集効率が飛躍的に増加する。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、露光装置の光源として用いられる極端紫外光源装置において利用することが可能である。
【符号の説明】
【0052】
1…ターゲット、1a…ドロップレットターゲット、1b…ワイヤターゲット、2…レーザビーム、3…プラズマ、4…EUV光、5…ドライバレーザ、6…レーザ集光光学系、7…ターゲット供給装置、8…真空チャンバ、10…集光ミラー、15、16…コイル、17…帯電装置、18…スキマー、20…排気経路、21…デブリ排気ターボ分子ポンプ(TMP)、22…排気室、23…捕集室、24…デブリ通過穴、25…回収装置、26…ゲートバルブ、27…排気装置、28…回収容器接続部、29…回収容器、30…排気経路、31…デブリ排気ターボ分子ポンプ(TMP)、32…排気室、33…捕集反応室、34…隔壁、35…デブリ通過穴、36…排気ガス通気穴、38…反応性ガス供給装置、45…回収装置、46…希釈装置、47…排気装置、48…除外装置、51…デブリ排気ターボ分子ポンプ(TMP)、53…捕集反応室、55…回収装置、56…希釈装置、57…排気装置、58…除外装置、59…排気装置、64…捕集反応室、65…加熱装置、70…切替バルブ、71a、71b…排気経路、72a、72b…デブリ排気ターボ分子ポンプ(TMP)、73a、73b…反応性ガス供給装置、75a、75b…回収装置、76a、76b…希釈装置、77a、77b…排気装置、78a、78b…除外装置、85、86…コイル、91…コートワイヤ、92…ターゲット母材、93…溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲットにレーザビームを照射することにより極端紫外光を発生する極端紫外光源装置であって、
極端紫外光の生成が行われるチャンバと、
前記チャンバ内の所定の位置に供給されるターゲットにレーザビームを照射することによりプラズマを生成するドライバレーザと、
前記チャンバ内に設置され、プラズマから放射される極端紫外光を集光して出射する集光ミラーと、
前記チャンバと連通し、排気装置と接続されて前記チャンバ内を一定の圧力に維持する排気経路と、
前記排気経路に備えられ、プラズマから発生するデブリを捕集する捕集室と、
捕集されたデブリを前記チャンバ外に回収する回収装置と、
を具備する極端紫外光源装置。
【請求項2】
ターゲットにレーザビームを照射することにより極端紫外光を発生する極端紫外光源装置であって、
極端紫外光の生成が行われるチャンバと、
前記チャンバ内の所定の位置に供給されるターゲットにレーザビームを照射することによりプラズマを生成するドライバレーザと、
前記チャンバ内に設置され、プラズマから放射される極端紫外光を集光して出射する集光ミラーと、
前記チャンバと連通し、排気装置と接続されて前記チャンバ内を一定の圧力に維持する排気経路と、
前記排気経路に備えられ、プラズマから発生するデブリを捕集し、捕集されたデブリを反応性ガスと反応させて反応生成ガスを生成する捕集反応室と、
前記排気経路に接続され、反応生成ガスを処理することにより、捕集されたデブリを前記チャンバ外に回収する回収装置と、
を具備する極端紫外光源装置。
【請求項3】
前記チャンバと前記排気経路との間に、前記チャンバから前記排気経路にデブリを通過させるデブリ通過穴を有するスキマーと、
前記排気経路と前記捕集反応室との間に、前記排気経路から前記捕集反応室にデブリを通過させるデブリ通過穴と、前記捕集反応室から前記排気経路に反応性ガスと反応生成ガスとを通過させる排気ガス通気穴とを有する隔壁と、
を備える、請求項2記載の極端紫外光源装置。
【請求項4】
前記回収装置が、前記排気経路と前記捕集反応室とに接続される、請求項2記載の極端紫外光源装置。
【請求項5】
前記チャンバと連通する切替バルブを有し、前記排気経路が、それぞれ回収装置と連通する複数の排気経路を含み、前記切替バルブによって前記チャンバと連通する複数の排気経路が切替えられる、請求項2記載の極端紫外光源装置。
【請求項6】
前記捕集反応室に前記反応性ガスを加熱する加熱装置を備える、請求項2〜5のいずれか1項記載の極端紫外光源装置。
【請求項7】
中性粒子を帯電させる帯電装置を備える、請求項1〜6のいずれか1項記載の極端紫外光源装置。
【請求項8】
帯電したデブリを集束させ前記排気経路に導く磁場を発生するコイルを含む磁場発生装置を備える、請求項1〜7のいずれか1項記載の極端紫外光源装置。
【請求項9】
帯電したデブリを集束させ前記排気経路に導く磁場を発生する少なくとも2個のコイルを含む磁場発生装置を備え、前記排気経路の側にあるコイルの径が、前記排気経路と反対側にあるコイルの径より大きい、請求項1〜8のいずれか1項記載の極端紫外光源装置。
【請求項10】
前記ターゲットが錫(Sn)を含む、請求項1〜9のいずれか1項記載の極端紫外光源装置。
【請求項11】
前記ターゲットがドロップレットターゲットを含む、請求項1〜10のいずれか1項記載の極端紫外光源装置。
【請求項12】
前記ターゲットがワイヤターゲットを含む、請求項1〜10のいずれか1項記載の極端紫外光源装置。
【請求項13】
前記ワイヤターゲットがコートワイヤターゲットを含む、請求項12記載の極端紫外光源装置。
【請求項14】
前記ドライバレーザが炭酸ガス(CO)レーザを含む、請求項1〜13のいずれか1項記載の極端紫外光源装置。

【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図10】
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【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−182497(P2012−182497A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−135330(P2012−135330)
【出願日】平成24年6月15日(2012.6.15)
【分割の表示】特願2008−59179(P2008−59179)の分割
【原出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成19年度 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「極端紫外線(EUV)露光システムの基盤開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【出願人】(300073919)ギガフォトン株式会社 (227)
【Fターム(参考)】