説明

楽曲データ記録方法および楽曲データ記録装置

【課題】 再生時にユーザが違和感を感じない楽曲データを、容易かつ確実に記録することができる楽曲データ記録方法および楽曲データ記録装置を提供する
【解決手段】 システムコントローラ5がDVD・CDデッキ2に挿入されたCDからトラック情報を取得し、挿入されたCDに記録されている音響データが、ノンストップCDデータかどうかを判断する。ノンストップCDデータかどうかは、トラック間に記録されるトラック0の音声データが無音データであるかどうかで判断する。ノンストップCDデータであれば、DVD・CDデッキ2に挿入されたCDに記録されている全楽曲の楽曲データを、記録されている曲順通りに並べて結合した1つの仮想的な楽曲データとして記録装置3に記録する。また、取得したトラック情報に基づいて楽曲情報を作成し、記録したノンストップ記録データに関連付けて楽曲情報を記録装置3に記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部記録媒体に記録された楽曲データを記録装置に記録する楽曲データ記録方法および楽曲データ記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
音響システムにおいては、ユーザは、音響データ、たとえば好みの楽曲データを、デジタルデータ放送などの放送媒体を介して受信したり、CD(Compact Disk)などのディスク型記録媒体に予め記録されている楽曲データを読み込むなどして、HDD(Hard Disk
Drive)などの楽曲データ記録装置に記録し、自由に再生して楽しむことができる。
【0003】
楽曲データは、たとえばCDなどに1枚のアルバムとして複数の楽曲データが予め定められた曲順で記録されており、記録装置に記録する場合も、曲ごとの区切りを明確にし、記録されている曲順通りに記録されることになる。
【0004】
楽曲間には、区切りがわかるように、たとえば無音部分がトラックとして記録されている。この無音部分のトラック(以下では「無音トラック」という)は、CDなどの記録媒体に記憶されている状態で既に無音トラックとして記録されている場合もあるし、記録媒体から楽曲データ記録装置へと楽曲データの記録を行う際に、記録用のソフトウェアであるリッピングソフトウェアによって、楽曲間に無音トラックを付加して曲ごとの区切り情報を明確にする場合もある。
【0005】
また、楽曲データ記録装置に楽曲データを記録するには、通常データ圧縮を行うが、一定サンプル数のフレームに分割してフレームごとに圧縮するような圧縮処理の場合、楽曲の最終フレームにおいて、サンプル数が不足すると、無音データを追加することで不足分を補う。
【0006】
楽曲ごとに予め区切られているデータを記録するような場合は、無音トラックや無音データが付加されても、曲間の無音再生時間がわずかに長くなるに過ぎず、楽曲再生時にユーザが感じる違和感はほとんどない。
【0007】
しかしながら、演出上の効果を狙って、複数の楽曲が記録されているにもかかわらず、曲間に無音再生時間がなく、連続再生されることを前提とした楽曲データ、いわゆるノンストップリミックスなどと呼ばれる楽曲データを記録装置に記録する場合に、楽曲データ間に無音トラックや無音データが付加されてしまうと、再生したときに原曲には存在しない無音再生時間が発生し、演出上の効果が発揮されずユーザが感じる違和感は非常に大きなものとなる。また、ライブ盤などの楽曲データの場合も同様に、複数の楽曲が記録されているにもかかわらず、曲間に無音再生時間がないので、無音トラックや無音データが付加されてしまうと、記録装置に記録された楽曲データを再生した場合、ユーザは大きな違和感を感じることになる。
【0008】
特許文献1記載のオーディオデータ圧縮方法は、符号化対象の曲の終端部のサンプル数が足りない場合に、次の曲の先頭部分のデータ列を挿入して符号化することにより、原曲と変わらない聞こえ方を保持することができる。
【0009】
特許文献2記載の記録システムは、ディスク再生中に曲と曲の間の一定レベル以下の小信号を検出し、その部分の再生信号を出力せず、小信号が録音されないように制御することにより、ディスクダビング時に曲間に無音部のない録音を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2005−122034号公報
【特許文献2】特開平2−302979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1記載の発明は、フレーム分割による圧縮方法で記録する場合には効果があるが、非圧縮で記録する場合や異なる圧縮方法によって圧縮する場合には、必ずしも効果がるとはいえない。特許文献2記載の発明は、ディスク再生中の小信号を検出するため、録音に長時間を要し、一定レベル以下の小信号が無音データでなかった場合には、誤って必要なデータまで省いてしまうおそれがある。
【0012】
本発明の目的は、再生時にユーザが違和感を感じない楽曲データを、容易かつ確実に記録することができる楽曲データ記録方法および楽曲データ記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明(1)は、外部記録媒体に記録された楽曲データを記録装置に記録する楽曲データ記録方法であって、
外部記録媒体に記録されている複数の楽曲データのトラック情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得したトラック情報に基づいて、楽曲データ間に無音情報が記録されているかどうかを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにおいて楽曲データ間に無音情報が記録されていないと判断された場合、前記外部記録媒体に記録されている複数の楽曲データを結合された1つの楽曲データとして記録装置に記録する記録ステップとを有することを特徴とする楽曲データ記録方法である。
【0014】
また本発明(3)は、外部記録媒体に記録された楽曲データを記録する楽曲データ記録装置であって、
外部記録媒体に記録されている複数の楽曲データのトラック情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたトラック情報に基づいて、楽曲データ間に無音情報が記録されているかどうかを判断する判断手段と、
前記判断手段により楽曲データ間に無音情報が記録されていないと判断された場合、前記外部記録媒体に記録されている複数の楽曲データを結合された1つの楽曲データとして記録する記録手段とを有することを特徴とする楽曲データ記録装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明(1)によれば、楽曲データ間に無音情報が記録されていないときは、外部記録媒体に記録されている複数の楽曲データが結合された1つの楽曲データとして記録装置に記録するので、無音トラックや無音データが付加されることがなく、再生時にユーザが違和感を感じない楽曲データを記録する楽曲データ記録方法が実現できる。
【0016】
またこの楽曲データ記録方法では、前記外部記録媒体に記録されている複数の楽曲データのトラック情報に基づいて判断を行うので、圧縮方法や再生信号などに影響を受けず、容易かつ確実に違和感のない楽曲データを記録することができる。
【0017】
また本発明(3)によれば、楽曲データ間に無音情報が記録されていないと判断された場合、前記外部記録媒体に記録されている複数の楽曲データを結合された1つの楽曲データとして記録装置に記録するので、無音トラックや無音データが付加されることがなく、再生時にユーザが違和感を感じない楽曲データを記録する楽曲データ記録装置が実現できる。
【0018】
またこの楽曲データ記録装置では、外部記録媒体に記録されている複数の楽曲データのトラック情報に基づいて判断を行うので、圧縮方法や再生信号などに影響を受けず、容易かつ確実に違和感のない楽曲データを記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態である楽曲データ記録方法を実現するための楽曲データ記録装置100の構成を示すブロック図である。
【図2】システムコントローラ5によるCDからのリッピング処理を示すフローチャートである。
【図3】楽曲情報20の例を示す図である。
【図4】楽曲情報30の例を示す図である。
【図5】楽曲リスト40の画面表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の実施形態である楽曲データ記録方法を実現するための楽曲データ記録装置100の構成を示すブロック図である。
【0021】
楽曲データ記録装置100は、ラジオ・テレビチューナ1、DVD・CDデッキ2、記録装置3、データデコーダ4、システムコントローラ5、映像処理回路6、表示装置7、音声処理回路8、音声出力装置9および入力装置10を有する。
【0022】
ラジオ・テレビチューナ1は、アンテナ1aを介して、地上デジタルテレビジョン放送の1セグメント部分を用いたデジタル放送(いわゆるワンセグ放送)、地上デジタルテレビジョン放送の12セグメント部分を用いたデジタル放送(いわゆるフルセグ放送)、地上デジタル音声放送(いわゆるデジタルラジオ放送)など、各種のデジタルデータ放送の放送信号を複数受信し、受信した複数の放送信号から所定の放送信号を検出し、その中に含まれる音響データや映像データなどをシステムコントローラ5に送る。
【0023】
DVD・CDデッキ2は、DVD(Digital Versatile Disk)やCDなどのディスク型の外部記録媒体に記録されている音響データや映像データを読み取り、システムコントローラ5に送る。記録装置3は、ハードディスクドライブや、メモリーカードなどの記録媒体で実現され、ラジオ・テレビチューナ1で受信した音響データや映像データ、DVDやCDなどに記録されている音響データや映像データを記録する。データデコーダ4は、DVD・CDデッキ2で読み取られた音響データおよび映像データのデコードを行う。システムコントローラ5は、CPU(中央演算処理装置)などの集積回路により実現され、ラジオ・テレビチューナ1およびDVD・CDデッキ2から送られてくる音響データに対して、楽曲データ間に無音データがない連続した複数の楽曲データで構成される音響データ(以下では「ノンストップCDデータ」という)であるかどうかを判断し、判断結果に応じて記録装置3への音響データの記録内容を変更したり、音響データおよび映像データを映像処理回路6または音声処理回路8に送るなど、音響データおよび映像データの記録管理および送り先の選択を行う。
【0024】
映像処理回路6は、システムコントローラ5を介して、ラジオ・テレビチューナ1およびDVD・CDデッキ2から送られてくる映像データを、デジタル/アナログ変換処理などによって、表示装置7に応じた形式の映像データに変換する。表示装置7は、CRT(
Cathode Ray Tube)や、液晶ディスプレイなどで実現され、映像処理回路6で変換された映像データを表示する。また、楽曲データ記録装置100の設定画面やメニュー画面など、システムコントローラ5が作成した映像データも表示する。
【0025】
音声処理回路8は、システムコントローラ5を介して、ラジオ・テレビチューナ1およびDVD・CDデッキ2から送られてくる音響データを、デジタル/アナログ変換処理などによって、音声出力装置9に応じた形式の音響データに変換する。音声出力装置9は、スピーカなどで実現され、音声処理回路8で変換された音響データを出力する。入力装置10は、キーボードやタッチパネルなどで構成され、ユーザが操作することで、楽曲データ記録装置100の各種設定やメニュー画面の入力操作を行う。
【0026】
取得手段、判断手段、記録手段は、システムコントローラ5によって実現される。
以下では、CDに記録されている音響データを記録装置3に記録する場合を例として、リッピング方法について説明する。
【0027】
主に音響データを記録するCDは、CD−DA(Compact Disc Digital Audio)規格に則って楽曲データを記録している。CDに記録されている音響データは、たとえば1つの曲に対して1つのトラックが割り当てられ、記録されている曲順にしたがって1曲目の楽曲データはトラック1,2曲目の楽曲データにはトラック2が割り当てられたトラック構造を有している。
【0028】
また、楽曲データと楽曲データとの間には、曲間の区切りを明確にするために無音データがトラック0として記録されている。
【0029】
これらのトラック構造は、楽曲データの記録状態を示すトラック情報として、CDから取得することができる。
【0030】
1枚のアルバムとして複数の楽曲データが予め定められた曲順で記録され、曲間に無音データが予め記録されているような音響データ(以下では「一般CDデータ」という)をCDから読み取って記録装置3に記録する場合には、予め記録されているトラック0の無音トラック、圧縮処理により作成される無音データが付加されても、再生時に問題は発生しない。
【0031】
しかしながら、ノンストップCDデータを、CDから読み取って記録装置3に記録する場合に、無音トラック、無音データが付加されると原曲にはない無音再生時間が発生するため、ユーザにとって大きな違和感を感じることになる。
【0032】
したがって、本発明では、まずリッピングしようとする音響データが、ノンストップCDデータであるかどうかを判断し、ノンストップCDデータであった場合には、トラック構造を保持せず、全ての楽曲データを結合し、仮想的に1つの楽曲データ(以下では「ノンストップ記録データ」という)として記録する。
【0033】
これにより、1枚のCDに記録されている音響データを楽曲ごとに区別して記録するのではなく1つの楽曲データ(1枚のアルバムデータ)として記録できるので、楽曲間に無音トラックや無音データが付加されることがない。したがって、ノンストップ記録データの再生時に、楽曲間に無音再生時間が発生しないので、原曲通りに再生され、ユーザが違和感を感じることもない。
【0034】
CDに記録されているノンストップCDデータでは、トラック構造として複数の楽曲データを含んでいるが、ノンストップ記録データは、記録装置3に記録される音響データとしては1つの楽曲データであって、トラック構造を保持していない。記録装置3に記録されているノンストップ記録データの再生を考えると、CDに記録されているノンストップCDデータを再生する場合と同様に、現在再生中の曲が何曲目であるか、その曲名などの情報が、表示可能に構成されるほうが好ましい。
【0035】
このような情報を表示するには、ノンストップ記録データの楽曲ごとの区切りがわかるような情報を含む楽曲情報をテーブル化し、記録装置3にノンストップ記録データと関連付けて記録しておく。
【0036】
ノンストップ記録データの再生時には、システムコントローラ5が、再生しようとするノンストップ記録データに関連付けられた楽曲情報を参照し、再生中の曲の曲名、曲順などを表示装置7に表示する。
【0037】
図2は、システムコントローラ5によるCDからのリッピング処理を示すフローチャートである。
【0038】
DVD・CDデッキ2に、DVDまたはCDが挿入されると、システムコントローラ5は、挿入されたディスクがDVDであるか、CDあるか、記録されているデータの規格などを検出し、検出結果に応じた処理を開始する。
【0039】
たとえば、CD−DA規格のディスクが挿入されたことを検出すると、記録されているトラック情報を取得し、楽曲データの再生を行う。
【0040】
また、DVD・CDデッキ2に初めて挿入されたCDの場合は、楽曲データの再生を行うとともに、ユーザによる記録の指示が入力されなくとも楽曲データの記録装置3への記録もバックグランド処理として実行することもできる。DVD・CDデッキ2に初めて挿入されたCDかどうかは、一度再生したCDに関する情報を記録装置3に記録しておき、挿入されたCDの情報と照合すればよい。
【0041】
また、ユーザによる記録の指示の入力を待って、挿入されたCDの楽曲データの記録を行うようにしてもよい。指示の入力を待って記録する場合は、たとえば、システムコントローラ5が、表示装置7に記録指示の入力を受け付ける旨を表示させ、ユーザによって入力装置10が操作され、指示が入力されると、DVD・CDデッキ2に挿入されたCDから記録装置3への楽曲データの記録を開始する。
【0042】
このとき、システムコントローラ5が、DVD・CDデッキ2に挿入されたCDから取得したトラック情報に基づいて、楽曲リストを表示装置7に表示し、楽曲リストからユーザが記録装置3に記録したい楽曲を選択することで、選択した楽曲の楽曲データのみを記録装置3に記録するように構成することが好ましい。ユーザは、入力装置10を操作して、表示装置7に表示した楽曲リストから、記録したい楽曲を選択する。
【0043】
図2のフローチャートで示すリッピング処理は、CDがDVD・CDデッキ2に挿入された時点で開始される。また、このリッピング処理は、上記のように挿入されたCDの再生中にバックグランド処理として実行することができる。
【0044】
ステップS1では、システムコントローラ5が、DVD・CDデッキ2に挿入されたCDからトラック情報を取得し、ステップS2では、挿入されたCDに記録されている音響データが、ノンストップCDデータかどうかを判断する。ノンストップCDデータであれば、ステップS3に進み、ノンストップCDデータでなければ、すなわち一般CDデータであればステップS5に進む。
【0045】
ノンストップCDデータかどうかは、状態情報としてCDからトラック情報を取得し、トラック間に記録されるトラック0の音声データが無音データであるかどうかで判断する。トラック0が無音データでない場合は、曲間に無音再生時間が設定されているので、ノンストップCDデータではなく、楽曲ごとに区切られた一般CDデータであることがわかる。トラック0が無音データである場合は、曲間に無音再生時間がなく、ノンストップCDデータであることがわかる。
【0046】
本来CDに記録されているトラック情報に基づいて、ノンストップCDデータかどうかの判断を行うので、従来技術のように圧縮方法や再生信号などに影響を受けず、容易かつ確実に違和感のないノンストップ記録データを記録することができる。
【0047】
ステップS3では、DVD・CDデッキ2に挿入されたCDに記録されている全楽曲の楽曲データを、記録されている曲順通りに並べて結合した1つの仮想的な楽曲データ(ノンストップ記録データ)として記録装置3に記録してステップS4に進む。
【0048】
ステップS4では、ステップS1で取得したトラック情報に基づいて、ステップS3で記録したノンストップ記録データに関する楽曲情報を作成し、記録したノンストップ記録データに関連付けて楽曲情報を記録装置3に記録する。
【0049】
図3は、楽曲情報20の例を示す図である。
楽曲情報20は、曲順21、演奏開始時刻22、演奏終了時刻23、演奏時間24の各情報が、テーブル構造を有して構成される。
【0050】
曲順21は、ノンストップ記録データにおける曲順を示す。演奏開始時刻22は、ノンストップ記録データの1曲目の開始時刻を0としたときの各楽曲の演奏が開始される時刻を示す。演奏終了時刻は、ノンストップ記録データの1曲目の開始時刻を0としたときの各楽曲の演奏が終了される時刻を示す。演奏時間24は、各楽曲の演奏時間を示す。
【0051】
たとえば、楽曲情報20に示す例では、1曲目の演奏開始時刻は「0:00:00」であり、演奏終了時刻は「0:03:00」であり、演奏時間は「0:03:00」である。
【0052】
ノンストップ記録データは、トラック構造を保持していないので、楽曲の区切りが不明な楽曲データとなっている。システムコントローラ5は、記録装置3に記録されているノンストップCDデータを再生するときには、楽曲情報20を参照し、曲順を表示装置7に表示する。
【0053】
ノンストップ記録データの演奏開始時刻を0として演奏時間の計時を開始し、楽曲情報20に示す例では、演奏時間が0:03:00となったときに1曲目が終了し、同時に2曲目が開始される。したがって、演奏時間が0:03:00となったときに曲順の表示を1曲目から2曲目に変更すればよい。その後も同様に、演奏時間の経過に応じて、3曲目、4曲目の表示を行えばよい。
【0054】
これにより、CDに記録されているノンストップCDデータを再生したときと同様に、現在再生中の曲を特定することができ、曲順などの情報をユーザに知らせることができる。
【0055】
図4は、楽曲情報30の例を示す図である。
本例では、図3に示した楽曲情報20に含まれる曲順21、演奏開始時刻22、演奏終了時刻23、演奏時間24の各情報に加え、再生スキップフラグ25、曲名26、アーチスト名27も含まれる。
【0056】
再生スキップフラグ25は、後述する選択楽曲記録処理によって選択された楽曲かどうかを示すフラグであり、「0」であれば選択されなかったものとして、ノンストップ記録データの再生時にその楽曲はスキップされ、「1」であれば選択されたものとして、ノンストップ記録データの再生時にその楽曲は再生される。曲名26およびアーチスト名27は、トラック情報取得時にCD−Textに記録されていた楽曲ごとの曲名および演奏しているアーチスト名のテキストデータを取得した情報である。
【0057】
楽曲情報30には、曲名26およびアーチスト名27が含まれているので、上記のように、現在再生中の楽曲を特定することで、再生中の曲の曲名およびアーチスト名を表示装置7に表示することができる。
【0058】
選択楽曲記録処理は、前述のように、ノンストップCDデータのうち、楽曲リストからユーザが記録装置3に記録したい楽曲を選択することで、選択した楽曲の楽曲データのみを記録装置3に記録する処理である。
【0059】
図5は、楽曲リスト40の画面表示例を示す図である。ノンストップCDデータを記録したCDが、DVD・CDデッキ2に挿入された時点でトラック情報およびCD−Textに記録されている情報を取得し、取得した曲名およびアーチスト名を、楽曲情報30に記載するとともに、CDに記録されている曲順に並べた楽曲リストを作成し、表示装置7に画面表示する。このとき、楽曲ごとにチェックボックス41を設け、チェックボックス41に対して曲名42およびアーチスト名43を表示する。
【0060】
ユーザは、タッチパネルやカーソルキーなどの入力装置10を用いて、記録装置3に記録したい楽曲を選択してチェックボックス41をチェックする。図5に示した例では、1〜3曲目、5〜7曲目、9,10曲目がチェックされているので、これら8曲の楽曲データをノンストップ記録データとして記録装置3に記録する。
【0061】
このとき、選択されなかった4曲目および8曲目の楽曲データを除く全8曲の楽曲データを1つの楽曲データとしてノンストップ記録データを記録する構成であってもよいし、全楽曲の楽曲データを1つの楽曲データとしてノンストップ記録データを記録し、ノンストップ記録データの再生時に選択された楽曲のみを再生する構成であってもよい。図4に示した楽曲情報30は、後者の選択楽曲のみを再生する構成の実施形態の場合の楽曲情報を示している。楽曲情報30の再生スキップフラグ25に記録されたフラグに応じて、フラグに「1」が記録されている楽曲のみを再生する。図5に示した例では、1〜3曲目、5〜7曲目、9,10曲目がチェックされているので、図4に示した楽曲情報30の再生スキップフラグ25では、1〜3曲目、5〜7曲目、9,10曲目に「1」が記録され、4曲目および8曲目に「0」が記録されている。
【0062】
システムコントローラ5は、ノンストップ記録データを再生するときに、再生するノンストップ記録データに関連付けられている楽曲情報30を参照し、4曲目および8曲目は再生せずにスキップし、1〜3曲目、5〜7曲目、9,10曲目のみを再生すればよい。これによって、1〜3曲目、5〜7曲目、9,10曲目のみが再生されるので、あたかも4曲目および8曲目が記録されていないかのように、ノンストップ記録データを再生することができる。
【0063】
さらに、ノンストップ記録データに含まれる楽曲の一部を削除しようとする場合、記録装置3から削除対象の楽曲データを削除してもよいが、楽曲情報30を用いて、再生スキップフラグ25を書き換えるだけで疑似的に削除を実行することができる。すなわち、ユーザによって、削除対象の楽曲が指示されたときは、該当楽曲に対応する再生スキップフラグ25を「1」から「0」に書き換える。これにより、システムコントローラ5は、ノンストップ記録データを再生するときに、再生するノンストップ記録データに関連付けられている楽曲情報30を参照すれば、削除対象の楽曲の再生をスキップするので、実際に削除されたかのように再生される。
【0064】
なお、一部の楽曲の再生をスキップする場合、スキップする曲数が多くなると、次に再生すべき楽曲データをシークするためのシークタイムが長くなり、再生時に音の途切れが発生するおそれがある。再生時に音の途切れが発生したとしても、ユーザが認識できない程度の短時間の途切れであればユーザは違和感を感じないので、問題はない。もし、ユーザに認識されてしまうような音の途切れが発生する場合は、スキップ再生を行わず、再生スキップフラグ25に「0」が記載されているスキップ対象の楽曲データを記録装置3から削除し、残余の楽曲データを結合して新たなノンストップ記録データを作成する。また、HDDのシーク能力に基づいて、楽曲データをスキップした場合に要するシークタイムすなわち、音が途切れる時間を推定し、推定時間が人間が認識できる音の途切れ時間以上となる場合は、再生スキップフラグ25の書き換えではなく、楽曲データの削除または、選択された楽曲データのみの記録を実行する。
【0065】
すでに記録装置3に記録されているノンストップ記録データ全体を削除する場合は、削除対象のノンストップ記録データに関連付けられている楽曲情報も削除することが好ましい。
【符号の説明】
【0066】
1 ラジオ・テレビチューナ
2 DVD・CDデッキ
3 記録装置
4 データデコーダ
5 システムコントローラ
6 映像処理回路
7 表示装置
8 音声処理回路
9 音声出力装置
10 入力装置
100 楽曲データ記録装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部記録媒体に記録された楽曲データを記録装置に記録する楽曲データ記録方法であって、
外部記録媒体に記録されている複数の楽曲データのトラック情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得したトラック情報に基づいて、楽曲データ間に無音情報が記録されているかどうかを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにおいて楽曲データ間に無音情報が記録されていないと判断された場合、前記外部記録媒体に記録されている複数の楽曲データを結合された1つの楽曲データとして記録装置に記録する記録ステップとを有することを特徴とする楽曲データ記録方法。
【請求項2】
前記記録ステップでは、前記トラック情報に基づいて、楽曲データの区切りを特定することが可能な情報である楽曲情報を、前記結合された1つの楽曲データに関連付けて記録装置に記録することを特徴とする請求項1記載の楽曲データ記録方法。
【請求項3】
外部記録媒体に記録された楽曲データを記録する楽曲データ記録装置であって、
外部記録媒体に記録されている複数の楽曲データのトラック情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたトラック情報に基づいて、楽曲データ間に無音情報が記録されているかどうかを判断する判断手段と、
前記判断手段により楽曲データ間に無音情報が記録されていないと判断された場合、前記外部記録媒体に記録されている複数の楽曲データを結合された1つの楽曲データとして記録する記録手段とを有することを特徴とする楽曲データ記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−160856(P2010−160856A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−2964(P2009−2964)
【出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】