説明

構造物、杭打ち基礎および拡大底盤設置用ゴム風船向け杭打ち基礎設置方法

本発明は構造物、杭打ち基礎並びに拡大底盤提供用ゴム風船向けの杭打ち基礎設置方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は構造物向け単独杭打ち基礎の提供方法ならびに構造物向け複数杭打ち基礎の提供方法に関する。
【0002】
本発明は単独杭打ち基礎ならびに複数杭打ち基礎とともに前記両方の基礎の拡大底盤提供用のゴム風船に関する。
【背景技術】
【0003】
例えば、住宅、壁、塔要素ならびに類似建物構造といった大型構造物が構築される場合、多数の基礎杭に支持される基礎が通常採用され、該杭は基礎が支持されると同時に風荷重および構造物の死荷重によって生ずる圧縮力と引張力が吸収される地盤に設置される。
【0004】
圧縮力が吸収されるためには、通常、すべり基礎杭が採用され、これらが硬い下層土にぶつかるまで地中に打ち込まれる。これにより基礎杭の底が硬い地層に到達するまでに場所によっては長さの長い基礎杭が必要とされることになる。従って、これは建築構造物が築造されるのに極めて費用のかかる方法である場合がある。
【0005】
地質学的解析により硬い下層土まで深さが深いことが示される区域の築造に関しては、該基礎杭に基礎杭自身の直径よりも大きな直径をもつ底盤要素がその下端に設置される別タイプの基礎杭が採用される。つまり、これは、基礎杭に圧力が分布する広い区域が設置されると同時に、底盤要素のせいで建物構造物の死荷重によって生ずる圧力により基礎杭が地盤中にさらに押し下げられるのは困難になることを意味する。
【0006】
拡大底盤要素を有する基礎杭が下に打ち込まれるとかこのような基礎杭が事前にドリルで穴明けされた穴を通じて押し下げられるのは不可能であるので、拡大補強部品の設置前に望ましい位置で基礎杭が打設されるように様々な解決策が提案されてきた。
【0007】
日本国特許JP-A2-01017924号には、杭が配置されると同時に空洞部に配置されると同時に凝固液体により充填される袋に接合される杭用拡大底盤への膨張袋の設置方法が説明されている。
【0008】
韓国特許SE-C2-515 997号には、コンクリート材料杭用の穴下端の膨張袋の設置方法ならびに該袋のコンクリートの充填によるコンクリート杭用の拡大底盤の製作方法が説明されている。
【0009】
米国特許US-A-4,661,021号には、地盤に設置される杭あるいは支柱のような構造用の膨張体が説明されている。該膨張体は小型形状で挿入されてから配置時に膨張するよう対応されている。
(特許文献1)日本国特許JP-A2-01017924号(特許文献2)韓国特許SE-C2-515 997号(特許文献3)米国特許US-A-4,661,021号(特許文献4)国際特許WO-Al- 03062539
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
拡大底盤としてこの膨張部材が採用される場合の欠点は、これらの膨張部材は一度利用可能なだけであると同時にこれらには内部補強がない点にある。
【0011】
本発明の目的は新型の杭基礎の設置方法の提供であり、該杭基礎は現場での簡単な工程によって提供されると同時に、より良好な安定性と風荷重や構造体の死荷重によって生ずる圧縮および引張力に対してより高い強度を有する。
【0012】
さらに、本発明の目的は膨張部材の再利用が可能であって、それ故、杭基礎のコストが削減される杭基礎の設置方法の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
これは、基礎パイプ用の穴が最初の螺旋状オーガーによりドリルで穴明けされると同時に基礎パイプが前記穴に配置され、さらに配置された基礎パイプの下端部分の更なる下部区間がドリルで穴明けされ、スクレーパーと水圧によって前記区間に空洞部が設置され、前記空洞部からの緩んだ材料が前記最初の螺旋状オーガーにより除去され、工具据付パイプが前記区間の下部部分に前記基礎パイプを通って下に降ろされるとともに、前記工具据付パイプに追加の螺旋状オーガーおよび前記追加螺旋状オーガーの下部部分を取り囲む弾力性のあるゴム風船が含まれ、前記ゴム風船に圧力がかけられると同時に鋳込み材料が前記空洞部の壁に注入され、これと同時に移動した材料がすべて前記追加螺旋状オーガーにより除去され、前記鋳込み材料の硬化後、前記ゴム風船が収縮すると同時に前記基礎パイプを通じて除去され、補強部品が前記基礎パイプを通じて下に下げられ、コンクリート材料が前記基礎パイプを通じて下に流し込まれ、前記空洞部が充填されるとともに、前記補強部品が前記コンクリートに埋め込まれて前記基礎パイプ用の拡大底盤が提供されるという創意工夫に富んだ方法、あるいはまた、基礎パイプ用の穴が最初の螺旋状オーガーにより穴明けされるとともに基礎パイプが前記穴に配置され、配置された基礎パイプの下端部分下の追加区間がドリルで穴明けされ、空洞部が前記区間にスクレーパーと水圧によって設置され、緩んだ材料が前記空洞部から前記最初の螺旋状オーガーにより除去され、工具据付パイプが前記基礎パイプを通じて前記区間の下部部分に下に降ろされるとともに、前記工具据付パイプに追加の螺旋状オーガーおよび前記追加螺旋状オーガーの下部部分を取り囲む弾力性のあるゴム風船が含まれ、前記ゴム風船に圧力がかけられると同時に鋳込み材料が前記空洞部の壁に注入され、これと同時にすべての移動した材料が前記追加螺旋状オーガーにより除去され、前記鋳込み材料の硬化後、前記ゴム風船は収縮すると同時に前記基礎パイプを通じて除去され、多数の穴が前記空洞部の上部部分にドリルで穴明けされ、前記各穴が前記空洞部に突き出る多数の補強部品とともにさらに別の杭基礎が受入れられるよう対応され、補強部品が前記基礎パイプを通じて下に下げられ、コンクリート材料が前記基礎パイプを通じて下に流し込まれるとともに前記空洞部が充填されると同時に、多数の前記補強部品が前記コンクリートに埋め込まれて前記基礎パイプ用の拡大底盤が提供されるという点で特別な方法のどちらかによって達成される。
【0014】
本発明のさらなる目的は構造物の風荷重および死荷重によって生ずる圧縮および引張力に対して極めて高い強度を有する杭基礎の提供である。
【0015】
これは前記拡大底盤に鋳込み材料の外側層と補強部品が埋め込まれると同時に前記補強部品が多数の接合手段を経由して前記構造物に接合されるコンクリートの芯材が含まれる単独杭打ち基礎か、あるいは前記拡大底盤に鋳込み材料の外側層と多数の補強部品が埋め込まれると同時に前記各補強部品が前記最初のあるいは追加のどちらかの基礎パイプを通って延びる接合手段によって前記構造物と接合されるコンクリートの芯材が含まれる複数杭打ち基礎のどちらかによって達成される。
【0016】
本発明のさらなる目的は前記基礎の十分に拡大される底盤が提供されるゴム風船の提供である。これは外側面にある前記ゴム風船に多数の注入溝が設置されるゴム風船によって達成される。
(発明の概要)
【0017】
以降に、風力タービン築造向けの多数の補強部品によって補強される底盤要素を持つ杭打ち基礎が説明されると同時に、この杭打ち基礎の設置方法が説明される。しかしながら、本発明で説明される杭打ち基礎と方法はまたその他の種類の塔要素、例えば、煙突、大型旗棹、柱、電力鉄塔、及びアンテナ向け基礎の設置にも採用され得る。さらに、該基礎杭は、また、住宅、橋梁、オフショアプラットフォーム等下部の基礎設置向けに採用されても良い。
【0018】
前述の現場打ち構造物向けの単独杭打ち基礎の設置方法には次の段階が含まれる。
i)基礎パイプ用穴が最初の螺旋状オーガーによりドリルで穴明けされると同時に基礎パイプが前記穴に配置される。
ii)配置された基礎パイプの下端部下の追加区間がドリルで穴明けされ、
iii)スクレーパーと水圧によって前記区間に空洞部が設置される。
iv)前記空洞部から緩んだ材料が前記最初の螺旋状オーガーにより除去される。
v)工具据付パイプが前記基礎パイプを通って前記区間の下部中で下方に降ろされると同時に、前記据付パイプに追加の螺旋状オーガーと前記追加螺旋状オーガーの下部部分を取り囲む弾力性のあるゴム風船が含まれる。
vi)前記ゴム風船に圧が加えられると同時に前記空洞部の壁の中に鋳込み材料が注入され、これと同時に移動した材料が前記追加螺旋状オーガーにより除去される。
vii)前記鋳込み材料の硬化後、前記ゴム風船が収縮すると同時に前記基礎パイプを通って除去される。
viii)補強部品は前記基礎パイプを通って下方に降ろされる。
ix)コンクリート材料が前記基礎パイプを通って下方に流しこまれ、前記空洞部が充填されると同時に前記補強部品が前記コンクリートに埋め込まれて基礎パイプ向けの拡大底盤が提供される。
【0019】
あるいは、穴に例えば前進ノズルといったその他の種類の土工事工具が設置される。
【0020】
本発明のある実施例では、螺旋状部材には内側に凹んだ山形鋼が設置されて、粘着性の緩んだ材料が常に螺旋状オーガーの内側に誘導されると同時に螺旋状部材によって除去される。
【0021】
基礎杭は作業工具とゴム風船付きの据付パイプ、鋳込み材料、補強部品、接合手段およびコンクリートに基礎杭を通過させる円管である。
【0022】
配置された基礎パイプの下部において拡大底盤の設置が容易になるためには、配置された基礎パイプ下部の下方区間にドリル穴が明けられる必要がある。空洞部が設置されるには、縮められたスクレーパー手段が基礎杭の下方に降ろされるとともに配置された基礎パイプの下部下方の区間で拡げられると同時に回転されて、周辺材料が緩められると同時に円状の空洞部ができる。
【0023】
緩んだ材料の除去が可能になるため、基礎パイプとこれに横たわる穴が水で充填されると同時に圧がかけられる。その後、これによりスクレーパーの回転がより容易になると同時に、緩んだ材料により最初の螺旋状オーガーによって除去可能な粘土質のペーストが形成される。
【0024】
最初の螺旋状オーガーは粘土質ペーストが除去され次第、スクレーパーの除去後に基礎杭中に配置される。
【0025】
空洞部の形状はスクレーパーの形状によってまた膨張ゴム風船の形状によって決定される。工具据付パイプの配置直後、ゴム風船は好ましくは1〜5バールの圧の空気により膨張させられて、ゴム風船が膨張すると同時に空洞部が形成される。
【0026】
ゴム風船の膨張により空洞部周辺の地盤材料が再配分される結果、緩んだ材料が追加螺旋状オーガーまで下方に無理矢理押しやられてから除去される。
【0027】
空洞部の大きさはゴム風船のサイズと形状により決定される。ゴム風船の膨張については、例えば、空気あるいは水が採用される。従って、望まれる大きさの空洞部の正確な提供とゴム風船に入る水あるいは空気の量の制御による正確な形成が可能である。
【0028】
コンクリートの硬化中に空洞部の崩壊と同時に拡大底盤の変形もなしに拡大底盤が鋳込み可能になるには、空洞部の形状がコンクリートの硬化中に維持される外側層が鋳込まれる必要がある。その外側面にはゴム風船に多数の注入溝が設置され、ここから空洞部の周辺地盤への鋳込み材料の注入が可能である。
【0029】
本発明のある実施例では、ゴム風船にパルス状に圧がかけられる間に鋳込み材料の注入が行われ、これによって鋳込み材料が周辺地盤に押し込まれると同時に均等に分散されかつ締め固められるので、拡大底盤が形成されるコンクリートが硬化している間の外側層が崩壊防止に十分な強度となることが確保される。
【0030】
ゴム風船がパルス状に脈動すると同時に鋳込み材料が注入される時に、周辺の地盤は圧縮されると共に外側層は緻密な外皮構造となる。さらに、周辺地盤の全体量が移動すると同時に、従って、該工具据付パイプには過剰な地盤材料および/または鋳込み材料を除去する追加の螺旋状オーガーが含まれる。
【0031】
あるいは、空洞部周辺地盤を圧縮するためにゴム風船をパルスで脈動させるには、例えばソナーといった音波が採用可能である。こうして地盤は圧縮される一方で同時に空洞部周辺地盤への鋳込み材料の注入が可能となる。
【0032】
ゴム風船は弾力性のある材料製であるので基礎杭を通って下に誘導される時、鋳込み材料の硬化時にはゴム風船の縮小と同時にゴム風船の除去が可能である。
【0033】
拡大底盤が補強されるため補強部品が前記基礎パイプを通って下に降ろされる。この補強部品はコンクリート中に入るとともにこれと接合可能である多数の突起要素付きの装置であり得るので、拡大底盤をさらに強固にする。
【0034】
好ましい実施例では、補強部品は国際特許WO-Al- 03062539に説明される装置であって、該補強部品には拡大底盤が底盤全体にわたりほぼ均等に補強される多数のアームが空洞部中に折り畳まれるための膨張部材が設置される
【0035】
本発明のある実施例では、補強アームがメッシュ状の棒および/またはワイヤーによって形成される。これは軽量かつ安価であると同時に、これにより一平面だけに限らず複数の面にて底盤要素が補強される補強部材の製作が可能であることになる。
【0036】
基礎杭の引張力が吸収されるためには、本発明によると、基礎杭によりその補強部品への締結が維持される結果、補強部品が1つ以上の接合部材により基礎杭に接合されることが重要である。
【0037】
拡大底盤の外側層の形成のために周辺地盤中にポンプ注入される/押し込まれる/注入される鋳込み材料は、センメント混合物、センメントゲル、コンクリート、グラウト、スラリーあるいは配置用プラスチック材料であり得る。
【0038】
外側層からのゴム風船の除去が容易になるため、使用前に外側面はオイル、例えばアースオイルにより被覆され、これにより鋳込み材料がゴム風船に固着するのが防止される。
【0039】
前述の現場打ち構造物向けの複数杭打ち基礎の設置のためには、該方法に次の段階が含まれる。すなわち、
i)基礎パイプ用ドリル穴が最初の螺旋状オーガーにより明けられると同時に基礎パイプが前記穴に配置される。
ii)配置された基礎パイプの下端部下方の追加区間がドリルで穴明けされる。
iii)空洞部がスクレーパーと水圧によって前記区間に設置される。
iv)前記空洞部から緩んだ材料が前記最初の螺旋状オーガーが利用されて除去される。
v)工具据付パイプが前記基礎パイプを通って前記区間の下部部分の中に下方に降ろされると同時に、前記工具据付パイプに追加の螺旋状オーガーおよび前記追加螺旋状オーガーの下部部分を取り囲む弾力性のあるゴム風船が含まれる。
vi)前記ゴム風船に圧がかけられると同時に前記空洞部の壁に鋳込み材料が注入され、これと同時に移動した材料はすべて追加螺旋状オーガーが使用されて除去される。
vii)前記鋳込み材料の硬化後に、前記ゴム風船は収縮すると同時に前記基礎パイプを通って除去される。
viii)多数の穴が前記空洞部の上部部分に形成され、前記各穴は前記空洞部中に突き出る多数の補強部品を利用して追加の基礎杭を受入れるよう対応される。
ix)補強部品が前記基礎パイプを通って下方に降ろされる。
x)コンクリート材料が前記基礎パイプを通って下方に流し込まれると同時に前記空洞部が充填され、かつ前記補強部品が前記コンクリートに埋め込まれて前記基礎パイプ向けに拡大底盤が提供される。
【0040】
複数杭打ち基礎の設置と単独杭打ち基礎の設置間の唯一の違いは、前述の段階viii) からx)までであって、鋳込み外側層に多数の穴が設置されて、同一拡大底盤に対して複数基礎杭の設置が可能である。これにより、複数杭打ち基礎に作用するいずれの力も複数の基礎パイプに分散されると同時に、各拡大底盤の上部土量が増して複数杭打ち基礎がさらに安定的でかつ剛性があるようになる。
【0041】
基礎に多数の単独杭打ち基礎かあるいは多数の複数杭打ち基礎あるいは多数の両種の杭打ち基礎かのいずれかが含まれる基礎の設置が構造物に可能である点が注目されなくてはならない。単独杭打ち基礎には補強部品が埋め込まれると同時に、前記補強部品が多数の接合手段を通じて前記構造物に接合される鋳込み材料の外側層とコンクリート芯材を伴う拡大底盤が含まれる。従って、引張力が伝達可能であると同時に杭打ち基礎に分散される。
【0042】
複数杭打ち基礎には、鋳込み材料の外側層およびコンクリート芯材を伴った拡大底盤が含まれ、多数の補強部品が埋め込まれるとともに前記各補強部品は前記の最初のあるいは前記追加の基礎パイプかのどちらかを通じて延びる接合手段によって前記構造物と接合されて、任意の引張りおよび圧縮力が伝達されると同時に杭基礎に分散され得る。
【0043】
拡大底盤に接合される複数基礎パイプが使用された複数基礎が採用されて、構造物により基礎杭の基礎に例えば風による圧縮力が生じ、他方では同時に反対側基礎杭に同程度の引張力が生じるので、理論上、極めて安定的な構造物向け基礎が入手可能となる。圧縮力および引張力は相互に均衡するので、基礎に実際に累積される力はごくわずかである。
【0044】
ゴム風船はその膨張かつ収縮が可能である弾力性のある材料製である。さらにその外側面のゴム風船にはゴム風船の膨張時に周辺地盤に鋳込み材料の注入可能な多数の注入溝が設置されている。これらの注入溝は、例えば、接着化合物によってゴム風船と一体化されるかあるいは外部の部材であり得る。例えば、ゴム風船の注入溝までのホースが工具据付パイプと一緒に設置される。
【0045】
延長部材および空洞部に突き出る棒付きの側面補強部品を伴う部品の形の中央補強部品を有することに対する代替えの案として、側面補強部品が基礎パイプを通って下りると同時に別の基礎パイプを通って上るワイヤーであっても良い。このように、空洞部内にまた最初の基礎パイプ下にワイヤーメッシュの設置が可能である。メッシュを拡げるために、最初の基礎パイプに設置される補強部品は、拡大底盤が製作される一方で、ワイヤーが掴まれると同時にこれらが定位置に固定される端部部分により形成可能であるか、あるいはメッシュの押下げが可能な端部部分により形成可能であるかのどちらかである。
【0046】
空洞部設置用ゴム風船が採用される代案としては、例えば、スリーブがプラスチックあるいはガラス繊維製でかつ加熱によって形状が維持される層からなる、下水系統で使用されるプラスチックスリーブのようなスリーブか、あるいは、例えば、空洞部周囲遮断用の内側ゴム膜が組合みあわされたスリーブ、スリーブが空洞部周囲の外皮構造に硬化する時に外側層の形状が鋳込みされ、補強されかつ維持される、鋳込み材料の周辺地盤への注入が組合わせられたスリーブあるいはメッシュか、のいずれかが採用可能である。
(本発明の詳細説明)
【0047】
図1a〜図1hには単独杭打ち基礎1の建設工程が示され、基礎パイプ3用のドリル穴2が最初の螺旋状オーガー4により明けられると同時に、基礎パイプ3が穴2に配置され、また、配置された基礎パイプ3の下端部分6下部の追加区間5が穴明けされ、空洞部7がスクレーパー8と水圧とによって該区間5に設置され、空洞部7からの緩んだ材料が螺旋状オーガー4を使用して除去され、工具据付パイプ9が該基礎パイプ3を通って区間5の下部部分10の下方に下げられ、該工具据付パイプ9に螺旋状オーガー11および該螺旋状オーガー11の下端部13を取り囲む弾力性のあるゴム風船12が含まれ、ゴム風船12に圧がかけられると同時に、鋳込み材料14が空洞部7の壁15に注入され、これと同時に移動した材料が工具据付パイプ9を通って螺旋状オーガー11によりすべて除去され、鋳込み材料14の硬化後、ゴム風船12は収縮すると同時に基礎パイプ3を通って除去され、補強部品16が基礎パイプ3を通って下方に下げられ、コンクリート材料17が基礎パイプ3を通って注ぎ込まれると同時に空洞部7が充填されるとともに、補強部品16が基礎パイプ3向けの拡大底盤18が設置される該コンクリート17に埋め込まれる。
【0048】
図2a〜図2jには複数杭打ち基礎20の建設工程が示され、基礎パイプ3用ドリル穴2が最初の螺旋状オーガー4が使用されて明けられると同時に、該基礎パイプ3が穴2に配置されるとともに、配置された基礎パイプ3の下部端部6下部の追加区間5がドリルで穴明けされ、空洞部7がスクレーパー8および水圧によって区間5に設置され、空洞部7から緩んだ材料が螺旋状オーガー4により除去され、工具据付パイプ9が基礎パイプ3を通って区間5の下部10まで下方に下げられ、工具据付パイプ9に螺旋状オーガー11および螺旋状オーガー11の下部部分13を取り囲む弾力性のあるゴム風船12が含まれ、ゴム風船12に圧がかけられると同時に鋳込み材料14が空洞部7の壁15に注入され、これと同時に移動した材料が工具据付パイプ9を通ってすべて螺旋状オーガー11により除去され、鋳込み材料14の硬化後、ゴム風船12は収縮すると同時に基礎パイプ3を通って除去され、多数のドリル穴21が前記空洞部7の上部部分22に明けられ、この場合に前記各穴21は前記空洞部7に突き出た多数の補強部品23が利用されて追加の基礎杭24が受入れられるよう対応され、補強部品16が基礎パイプ3を通って下方に下げられ、コンクリート材料17が前記基礎パイプ3,24まで注ぎ込まれるとともに、空洞部7が充填されるとともに、前記補強部品16,23が前記基礎パイプ3,24向けに拡大底盤25が提供される前記コンクリート17に埋め込まれる。
【0049】
図3には単独杭打ち基礎1の鋳込みが示され、補強部品16が基礎パイプ3の底でかつ空洞部7の定位置におかれる。空洞部7にはプレキャストの外側層30がある。コンクリート17は基礎パイプ3を通って下方に流し込まれる。補強部品16は基礎パイプ3を通って延びる多数の接合手段31と接合される。
【0050】
図4には複数杭打ち基礎20の鋳込みが示され、補強部品16,23は基礎パイプ3,24の底の定位置でかつ空洞部7にある。空洞部7にはプレキャストの外側層40がある。コンクリート17が基礎パイプ3を通って流し込まれる。補強部品16,23が基礎パイプ3,24を通って延びる多数の接合手段41によって接合される。
【0051】
図5には単独杭打ち基礎1と複合杭打ち基礎2の両方が採用された基礎50が示され、構造物(示されず)が基礎パイプ3,24の上端に接合される。
【0052】
図6には5本の基礎杭3,24の複数杭打ち基礎2が示される。本発明の代替え実施例によると、5本の基礎パイプ3,24は補強材料のトラスと接合可能であり、これによって複数の杭打ち基礎2はオフショア構造物向けの基礎として採用可能である。
【0053】
図7には多数の単独杭打ち基礎1に設置される風力タービン70が示され、補強部品16が基礎パイプに加えて風力タービン塔の最初の床レベルまでの接合手段の延長によって風力タービン70の第2床レベルまで接合される。
【発明の効果】
【0054】
基礎が第2床レベルに接合される利点は以降に挙げられる。すなわち、塔の固定点が1つの床レベルだけ上昇するので理論上の塔構造物のモーメント力が相当減少し、基礎と塔構造物のフランジ接合により極端に大きな力が伝達される必要が無くなると同時に、従って、サイズが少し小さくできる。塔構造物は、塔の下部部分が基礎の一部として計算されるので、塔の固有振動の危険が減少するのでより小型にできる。最初のおよび第2床間のフランジは基礎構造物内部に配置され、これによって接合手段の塔構造物への容易な接合が可能となる。さらに、接合部のメンテナンスが減少する。
【0055】
図8a〜8cには空洞部7が示され、外側鋳込み層80には基礎杭82,83,84用の穴が設置される。1本のワイヤー81が基礎杭82を通って下方にまた基礎杭84を通って上方まで設置され、一方、保持部品85が基礎杭83を通って下方に設置される。保持部品85によりワイヤー81が空洞部7まで引き延ばされ、一方、コンクリート材料86が拡大底盤87の提供のためワイヤー81並びに保持部品85周辺に鋳込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
本発明は次の付録図面を参照して説明される。
【0057】
【図1a−h】単独杭打ち基礎の建設工程が示される。
【図2a−j】複数杭打ち基礎の建設工程が示される。
【図3】単独杭打ち基礎の鋳込みが示される。
【図4】複数杭打ち基礎の鋳込みが示される。
【図5】単独杭打ちおよび複数杭打ちの両方を伴う基礎が示される。
【図6】複数杭打ち基礎が示される。
【図7】多数の単独杭打ち基礎に設置される風力タービンが示される。
【図8a−c】補強部品として多数のワイヤーが使用された杭打ち基礎が示される。
【図1a】

【図1b】

【図1c】

【図1d】

【図1e】

【図1f】

【図1g】

【図1h】

【図2a】

【図2b】

【図2c】

【図2d】

【図2e】

【図2f】

【図2g】

【図2h】

【図2i】

【図2j】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
前記杭打ち基礎が次の段階、すなわち、
i)基礎パイプ用ドリル穴が最初の螺旋状オーガーを使用して穴明けされると同時に基礎パイプが前記穴に配置され、
ii)配置された該基礎パイプの下端部分下の追加区間がドリル穴明けされ、
iii)空洞部がスクレーパーと水圧によって前記区間に設置され、
iv)前記空洞部から緩んだ材料が前記最初の螺旋状オーガーで除去され
v)工具据付パイプが前記区間の下部部分中に前記基礎パイプを通って降ろされるとともに、前記工具据付パイプに追加の螺旋状オーガーおよび前記追加の螺旋状オーガーの下部部分を取り囲む弾力性のあるゴム風船が含まれ、
vi)前記ゴム風船に圧がかけられると同時に鋳込み材料が前記空洞部の壁に注入され、この時にいずれの移動した材料も前記追加の螺旋状オーガーにより除去され、
vii)前記鋳込み材料が硬化した後に前記ゴム風船が収縮すると同時に前記基礎パイプを通じて除去され、
viii)補強部品が前記基礎パイプを通って下げられ、
ix)コンクリート材料が前記基礎パイプを通って注ぎ込まれると同時に、前記空洞部が埋められるとともに前記補強部品が前記基礎パイプ用の拡大底盤を提供する前記コンクリートに埋め込まれる、
段階によって現場で提供される構造物向け杭打ち基礎設置方法
【請求項2】
杭打ち基礎が次の段階、すなわち
i)基礎パイプ用穴が最初の螺旋状オーガーが使用されてドリル孔明けされると同時に、基礎パイプが前記穴に配置され、
ii)配置された該基礎パイプの下端部分下の追加区間がドリルで穴明けされ、
iii)空洞部がスクレーパーと水圧によって前記区間に設置され、
iv)前記空洞部からの緩んだ材料が前記最初の螺旋状オーガーにより除去され、
v)工具据付パイプが前記基礎パイプを通って前記区間の下部部分に降ろされると同時に、前記工具設置パイプに追加の螺旋状オーガーおよび前記追加の螺旋状オーガーの下部部分を取り囲む弾力性のあるゴム風船が含まれ
Vi)前記ゴム風船に圧がかけられると同時に鋳込み材料が前記空洞部の壁に注入され、この時にいずれの移動した材料も前記追加螺旋状オーガーにより除去され、
vii)前記鋳込み材料の硬化後、前記ゴム風船は収縮すると同時に前記基礎パイプを通って除去され、
viii)多数の穴が前記空洞部の上部部分に形成され、前記各穴が前記穴に突き出る多数の補強部品が使用されて追加の基礎杭が受入れられるよう対応され、
ix)該補強部品は前記基礎パイプを通って下げられ、
x)コンクリート材料が前記基礎パイプを通って注ぎ込まれると同時に前記空洞部が埋められるとともに、前記補強部品が前記基礎パイプ用の拡大底盤を提供する前記コンクリートに埋め込まれる、
段階によって現場で設置される構造物向け杭打ち基礎設置方法
【請求項3】
前記拡大底盤に鋳込み材料の外側層および補強部品が埋め込まれるコンクリート芯材が含まれると同時に、前記補強部品が多数の接合手段を通じて前記構造に接合されることを特徴とする請求項1による方法によって提供される杭打ち基礎
【請求項4】
前記拡大底盤に鋳込み材料の外側層および多数の補強部品が埋め込められるコンクリート芯材が含まれると同時に、前記の各補強部品が前記最初のあるいは追加の基礎パイプのどちらかを通って延びる接合手段によって前記構造と接合されることを特徴とする請求項2による方法によって提供される杭打ち基礎
【請求項5】
外側面の前記ゴム風船に多数の注入溝が提供されることを特徴とする請求項1および請求項2による前記基礎の前記拡大底盤を提供するゴム風船

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【公表番号】特表2008−511772(P2008−511772A)
【公表日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−528598(P2007−528598)
【出願日】平成16年8月30日(2004.8.30)
【国際出願番号】PCT/DK2004/000571
【国際公開番号】WO2006/024294
【国際公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(507055866)フット ファウンデーション エー/エス (1)
【Fターム(参考)】