説明

様々な密度を有するポリオレフィン組成物ならびに該組成物の製造方法および使用方法

【課題】様々な密度を有する新規なポリオレフィン組成物ならびに同組成物の製造方法および使用方法を提供する。
【解決手段】ポリマーマトリックス中に分散された1つ以上の密度調節剤を含み、前記マトリックスがルテニウムもしくはオスミウム金属カルベン触媒を用いたオレフィンモノマーのメタセシスによって製造される組成物が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々な密度特性を有するポリオレフィン組成物、ならびに同組成物の製造方法および使用方法に関する。詳細には本発明は、密度調節剤の使用に関するものであり、好ましい形態においては、そのような密度調節剤を含むジシクロペンタジエン(DCPD)および他の環状オレフィン類に基づくポリマー系組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
過去25年間における研究努力の成果として、遷移金属錯体が触媒するオレフィンメタセシスが解明された。詳細には、ある種のルテニウムおよびオスミウムカルベン化合物が、例えば開環メタセシス重合(ROMP)などのオレフィンメタセシス反応における有効な触媒であることが確認されている。そのようなメタセシス反応触媒の例は、例えば米国特許5,312,940号、同5,342,909号、同5,728,917号、同5,710,298号、同5,831,108号および同6,001,909号;特許協力条約に基づく国際特許公開公報WO97/20865号、同WO97/29135号および同WO99/51344号;「イミダゾリジン系金属カルベンメタセシス反応触媒を用いるROMP反応(ROMP Reactions Using Imidazolidine−Based Metal Carbene Metathesis Catalyst)」)と題される1999年7月7日出願の米国仮特許出願60/142713号、および1998年発行のChemical Communications、1315〜1316頁、においてファルストナー(Fuerstner)、ピケ(Piequet)、ブリュノー(Bruneau)及びディズヌフ(Dixnenf)により開示されている。上記の各開示は本願に援用される。
【0003】
密度調節ポリマー組成物は、各種用途、特にはポリマー部品またはポリマー製品の「重量」または「バランス」が非常に重要な検討項目である用途において有利である可能性がある。例えば、密度調節ポリマーは、スポーツ、レクリエーションおよび船舶産業用の設備の製造において、特に高密度で重い物品または低密度で軽量の発泡品が所望される場合に、有用な材料であると考えられる。従来、多くの密度調節添加剤がこれらの変化をもたらすために用いられてきた。しかしながら、そのような従来の密度調節剤を代表的な熱硬化性または熱可塑性樹脂と組み合わせて使用した場合、多くの制限や不都合が生じていた。従来の熱硬化性樹脂系には、固有靱性が不足しており、従来の密度調節剤を加えると、性質がさらに脆いものとなってしまう。さらに、そのような従来の樹脂は粘度が高いことから、密度調節剤を多量に添加したり、空隙のない物品を製造したりすることができない。そこで、製造される物品の脆さや空隙含有率が増加することにより実用上の価値が大幅に低下することなく、ポリマーのある種の物理的特性によって得られる性能上の利点と、広範囲にわたってポリマー組成物の密度を変化させる能力とを組み合わせることは不可能であった。
【0004】
前述の内容を考慮すると、広範囲の商業的用途、特にスポーツ、レクリエーションおよび船舶に関係する用途で使用するために、様々な密度を有するように製剤され得るポリマー組成物およびその組成物から製造される物品が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、様々な密度を有する新規なポリオレフィン組成物ならびに同組成物の製造方法および使用方法に関する。詳細には本発明は、ポリオレフィン樹脂に添加され得る密度調節剤を備える。本発明者らは、これら密度調節剤によって、選択された範囲のポリマー材料とともに用いた場合に、得られるポリオレフィン製品の密度または「重量」を制御可能に調節し得ることを見出した。そのような調節ポリオレフィン組成物は、各種の用途および製品において有用であり、特にはスポーツ、レクリエーションおよび船舶の分野での製品において有用である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ある好ましい実施態様において本発明のポリオレフィン組成物は、金属触媒系で重合されるジシクロペンタジエン(DCPD)および関連する環状オレフィン類の開環メタセシス重合(ROMP)によって調製される。ルテニウムおよびオスミウムのカルベン化合物が、例えばROMPなどのオレフィンメタセシス反応において有効な触媒であることが確認されている。そのような金属カルベンメタセシス触媒は、例えば米国特許5,312,940号、同5,342,909号、同5,728,917号、同5,710,298号、同5,831,108号および同6,001,909号;特許協力条約に基づく国際特許公開公報WO97/20865号、同WO97/29135号および同WO99/51344号;「イミダゾリジン系金属カルベンメタセシス反応触媒を用いるROMP反応(ROMP Reactions Using Imidazolidine−Based Metal Carbene Metathesis Catalyst)」)と題される1999年7月7日出願の米国仮特許出願60/142713号、および1998年発行のChemical Communications、1315〜1316頁、においてファルストナー(Fuerstner)、ピケ(Piequet)、ブリュノー(Bruneau)及びディズヌフ(Dixnenf)により開示されている。上記の各開示は本願に援用される。
【0007】
上記のメタセシス触媒を用いて重合させることができるオレフィンモノマーの例としては、ジシクロペンタジエン(DCPD)などがあり、他の環状オレフィン化合物もある。ポリマー組成物ならびに同組成物から製造される物品または部品は、その特有の物理的特性および成形加工の容易さから、非常に多様な用途において有用である。詳細にはDCPDに基づくポリマー(ポリ−DCPD)組成物は、靱性、硬度、様々な密度および/または耐腐食性の組合せが必要な用途において有望である。さらに、DCPDに基づく組成物は低粘度であることから、その樹脂は複雑な形状および複合品の作製に特に適している。
【0008】
好ましい実施態様において、本発明は、オレフィン組成物(DCPD樹脂など)を製品鋳型に入れて鋳造するか、または繊維プレフォームに注入する場合におけるROMP反応を伴う。ある種の用途においては、ポリオレフィン組成物には、添加剤の中でも特に顔料、染料、酸化防止剤、難燃剤、靱性調節剤、硬度調節剤が任意に含有され得る。好ましい形態において、本発明は、(1)未変性のポリオレフィン樹脂より低密度または軽量であるポリオレフィン組成物と、(2)未変性のポリオレフィン樹脂より高密度または高重量であるポリオレフィン組成物とからなる2つの主要な変性ポリオレフィン組成物群を有する。調節添加剤はポリオレフィン樹脂マトリックスに分散させて、在来のポリオレフィンの各種物理的特性を変化させる。
【0009】
特に好ましい密度調節剤には、例えば、金属系密度調節剤(密度が増加したポリオレフィン組成物の場合)、ミクロスフィアなどの微粒子系密度調節剤(密度上昇または降下ポリオレフィン組成物の場合)ならびにガラスもしくはセラミックビーズなどの巨視的粒子系密度調節剤(密度が増加または低下したポリオレフィン組成物の場合)などがある。金属系密度調節剤には、粉末状金属、焼結金属、削片状金属、フレーク状金属、磨き屑状金属、微粒子状金属または粒状金属、金属酸化物、金属窒化物、および/または金属炭化物などがあるが、これらに限定されるものではない。微粒子系密度調節剤には、ガラス、金属、熱可塑性(発泡性または予備発泡済み)、または熱硬化性、および/または、セラミック/ケイ酸塩ミクロスフィアなどがあるが、これらに限定されるものではない。巨視的粒子系密度調節剤には、ガラスビーズ、プラスチックビーズまたはセラミックビーズ;金属のロッド、塊、細片または粒状物;中空のガラス、セラミック、プラスチックまたは金属の球体、ボールまたはチューブなどがあるが、これらに限定されるものではない。本発明の密度調節剤は、サイジング剤、仕上げ剤、コーティング剤および/または表面処理剤を任意に含んで、ポリオレフィンマトリックス樹脂との適合性および/または同樹脂への付着性を増強し得る。
【0010】
本発明の一態様は、密度調節剤を加えることによって様々な密度を有する新規なポリオレフィン組成物である。本発明の別の態様は、そのような様々な密度のポリオレフィン組成物を調製するための方法であり、前記方法はポリオレフィン樹脂に各種密度調節剤を添加する工程を有する。本発明のさらに別の態様は、上記のポリオレフィン組成物を含む、成型部品などの製造品である。本発明の上記および他の態様は、好ましい実施態様についての以下の詳細な説明を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、密度可変性を有するポリオレフィン組成物、ならびに同組成物の製造方法および使用方法に関する。特定の実施態様において、本発明は、様々な物理的特性を変更するためにポリオレフィン樹脂に添加され得る密度調節剤を提供する。より具体的には、密度調節剤を加えることによって、ポリオレフィン製造品の密度または「重量」を制御可能に調節することが可能である。そのような変性ポリオレフィン組成物は、非常に多様な用途、特にスポーツ、レクリエーションおよび船舶用の設備製品での使用において有用である。
【0012】
本発明のポリオレフィン組成物は、金属触媒系で重合されたDCPDおよび関連する環状オレフィン類などのオレフィンモノマーのメタセシスによって調製され得る。ルテニウムおよびオスミウムのカルベン化合物は、例えば開環メタセシス重合(ROMP)などのオレフィンメタセシス反応における有効な触媒であることが確認されており、同化合物はは当業界で公知である上記の特許および他の参考文献に記載されている。
【0013】
任意の適当なメタセシス触媒が使用され得る。本発明において使用され得るルテニウムまたはオスミウム金属カルベン触媒の一例は、形式上は+2の酸化状態であって、電子数16であり、5配位であり、かつ下記一般式からなる金属中心を有する。
【0014】
【化1】

式中、
Mはルテニウムまたはオスミウムであり、
XおよびX1はそれぞれ独立して陰イオン配位子であり、
LおよびL1はそれぞれ独立して中性の電子供与配位子であり、
RおよびR1はそれぞれ独立して、水素またはC1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、アリール、C1〜C20カルボキシレート、C1〜C20アルコキシ、C2〜C20アルケニルオキシ、C2〜C20アルキニルオキシ、アリールオキシ、C2〜C20アルコキシカルボニル、C1〜C20アルキルチオ、C1〜C20アルキルスルホニルおよびC1〜C20アルキルスルフィニルから選択される置換基である。任意に、R置換基またはR1置換基のそれぞれは、さらに各々がハロゲン、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシおよびフェニルから選択される1つ以上の基で置換され得るC1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシおよびアリールのうちから選択される1つ以上の部分で置換され得る。さらに、触媒配位子はいずれも、1つ以上の官能基をさらに有し得る。適当な官能基の例としては、水酸基、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カーバメイトおよびハロゲンがあるが、これらに限定されるものではない。
【0015】
これら触媒の好ましい実施態様においては、R置換基は水素であり、R1置換
基はC1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニルおよびアリールのうちから選択される。さらにより好ましい実施態様では、R1置換基は、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、フェニルおよび官能基のうちから選択される1つ以上の部分で任意に置換されたフェニルまたはビニルである。特に好ましい実施態様において、R1は、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素、−NO2、−NMe2、メチル、メトキシおよびフェニルのうちから選択される1つ以上の部分で置換されたフェニルまたはビニルである。最も好ましい実施態様において、R1置換基はフェニルである。
【0016】
これら触媒の好ましい実施態様において、LおよびL1はそれぞれ独立して、ホスフィン、スルホン化ホスフィン、ホスファイト、ホスフィナイト、ホスホナイト、アルシン、スチビン、エーテル、アミン、アミド、イミン、スルホキシド、カルボキシル、ニトロシル、ピリジンおよびチオエーテルのうちから選択される。より好ましい実施態様において、LおよびL1は、それぞれ式PR345のホスフィンであり、前記式中、R3、R4およびR5はそれぞれ独立してアリールまたはC1〜C10アルキル、特に、1級アルキル、2級アルキルまたはシクロアルキルである。最も好ましい実施態様において、LおよびL1配位子はそれぞれ、−P(シクロヘキシル)3、−P(シクロペンチル)3、−P(イソプロピル)3および−P(フェニル)3のうちから選択される。触媒の別の好ましい実施態様は、Lが中性電子供与体であり、L1がイミダゾリジン配位子であるものである。ある実施態様において、L1は、下記一般式を有し得る。
【0017】
【化2】

式中、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立して、水素またはC1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、アリール、C1〜C20カルボキシレート、C1〜C20アルコキシ、C2〜C20アルケニルオキシ、C2〜C20アルキニルオキシ、アリールオキシ、C2〜C20アルコキシカルボニル、C1〜C20アルキルチオ、C1〜C20アルキルスルホニルおよびC1〜C20アルキルスルフィニルから選択される置換基である。R3とR4が一緒に、シクロアルキルまたはアリール部分を形成してもよい。好ましい実施態様は、R3およびR4がいずれも水素またはフェニルであり、R2およびR5がそれぞれ独立して置換アリールもしくは未置換アリールであるものである。さらに、LおよびL1が共に、二座配位子を有していてもよい。
【0018】
これら触媒の好ましい実施態様において、XおよびX1はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン化物、またはC1〜C20アルキル、アリール、C1〜C20アルコキシド、アリールオキシド、C3〜C20アルキルジケトネート、アリールジケトネート、C1〜C20カルボキシレート、アリールスルホネート、C1〜C20アルキルスルホネート、C1〜C20アルキルチオ、C1〜C20アルキルスルホニル、またはC1〜C20アルキルスルフィニルの基のうちの1つである。任意に、XおよびX1は、それぞれがさらにハロゲン、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシおよびフェニルから選択される1つ以上の基で置換され得るC1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシおよびアリールのうちから選択される1つ以上の部分で置換され得る。より好ましい実施態様において、XおよびX1は、ハロゲン化物、ベンゾエート、C1〜C5カルボキシレート、C1〜C5アルキル、フェノキシ、C1〜C5アルコキシ、C1〜C5アルキルチオ、アリールおよびC1〜C5アルキルスルホネートである。さらに好ましい実施態様において、XおよびX1はそれぞれ、ハロゲン化物、CF3CO2、CH3CO2、CFH2CO2、(CH33CO、(CF32(CH3)CO、(CF3)(CH32CO、PhO、MeO、EtO、トシレート、メシレートまたはトリフルオロメタンスルホネートである。最も好ましい実施態様においてXおよびX1はそれぞれ塩素である。さらにXおよびX1は共に二座配位子を有し得る。
【0019】
本発明においける触媒:オレフィンモノマー比は好ましくは、約1:100〜約1:1,000,000の範囲である。より好ましくは,触媒:モノマー比は、約1:1,000〜約1:150,000の範囲であり。最も好ましくは約1:3,000〜約1:60,000の範囲である。特に好ましい金属触媒には、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリド、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリド、(トリシクロヘキシルホスフィン)(1,3−ジメシチル−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(トリシクロペンチルホスフィン)(1,3−ジメシチル−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリド、(トリシクロヘキシルホスフィン)(1,3−ジメシチル−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリド、(トリシクロヘキシルホスフィン)(1,3−ジメシチルイミダゾール−2−イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(トリシクロペンチルホスフィン)(1,3−ジメシチルイミダゾール−2−イリデン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリド、および(トリシクロヘキシルホスフィン)(1,3−ジメシチルイミダゾール−2−イリデン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリドがあるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
本発明には、(1)未変性のポリオレフィン樹脂より低密度または軽量であるポリオレフィン組成物と、(2)未変性のポリオレフィン樹脂より高密度または高重量であるポリオレフィン組成物という2種類の主要な変性ポリオレフィン組成物がある。調節添加剤はポリオレフィン樹脂マトリックスに分散されて、在来のポリオレフィンの様々な物理的特性を変化させる。密度調節剤を含むポリオレフィン組成物の場合、密度調節剤の物質および量を変更することによって、物品の密度または「重量」を制御可能に変化させて、特定の用途に適合させ得る。硬度調節剤および/または靱性調節剤を含むポリオレフィン組成物の場合、硬度、靱性、弾性および表面の「感触」などの物品の様々な物理的特性を変化させて、所与の用途に適合させ得る。硬度および/または靱性が調節されたポリオレフィン組成物については、「様々な硬度および/または靱性を任意に有するポリオレフィン組成(Polyolefin Compositions Optionally Having Variable Toughness and/or Hardness)」と題される、1999年5月17日出願の米国特許出願題09/312,811号に記載されており、その全容は本明細書に援用される。ある種の用途および製品(例:加重ゴルフクラブヘッド)については、密度調節剤、硬度調節剤および靱性調節剤を含むポリオレフィン混成物が好ましい場合もある。混成物調節ポリ−DCPD品は、例えば高密度と高靱性とを兼ね備えることが可能である。
【0021】
密度調節剤には、例えば、金属系密度調節剤(密度が増加されたポリオレフィン組成物の場合)、例えばミクロスフィアなどの微粒子系密度調節剤(密度が増加または低減されたポリオレフィン組成物の場合)、ならびにガラスもしくはセラミックビーズなどの巨視的粒子系密度調節剤(密度が増加または低減されたポリオレフィン組成物の場合)がある。金属系密度調節剤には、粉末状、焼結、削片状、フレーク状、磨き屑状、微粒子状または粒状の金属、金属酸化物、金属窒化物、および/または金属炭化物があるが、これらに限定されるものではない。好ましい金属系密度調節剤としては、特に、タングステン、炭化タングステン、アルミニウム、チタン、鉄、鉛、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、炭化ホウ素、および炭化ケイ素がある。微粒子系密度調節剤には、ガラス、金属、熱可塑性(膨張可能、または予備膨張済み)または熱硬化性、および/または、セラミック/ケイ酸塩ミクロスフィアがあるが、これらに限定されるものではない。巨視的粒子系密度調節剤には、ガラス、プラスチックまたはセラミックのビーズ、金属のロッド、塊、細片または粒状物、中空のガラス、セラミック、プラスチックまたは金属の球体、ボールまたはチューブなどがあるが、これらに限定されるものではない。本発明の密度調節剤は、サイジング剤、仕上げ剤、コーティング剤、および/または表面処理剤を任意に含有して、ポリオレフィンマトリックス樹脂との適合性、および/または同樹脂への付着性を高め得る。特に好ましくは、接着剤を用いて、密度調節剤とポリオレフィン樹脂との間の接着性を高める。そのような接着剤は、例えば、1999年2月5日出願の米国仮特許出願第60/118864号、および「表面へのポリマー接着を増強するためのメタセシス活性接着剤及び方法(Metathesis−Active Adhesion Agents and Methods for Enhancing Polymer Adhesion to Surfaces)」と題される、2000年2月4日出願の米国特許出願第 号に記載されており、これらの各出願の内容は本明細書に援用される。
【0022】
密度調節剤のポリオレフィン樹脂マトリックス中への分散は、オレフィンモノマーと混合し、次に得られた混合物をメタセシス触媒または金属カルベン触媒を用いて重合させることによって行い得る。別法として、オレフィンモノマーを密度調節剤の層またはプレフォームに注入し、次にメタセシス触媒または金属カルベン触媒を用いて重合させ得る。密度調節ポリ−DCPD組成物の密度、耐摩耗性、および/または「感触」は、制御可能に変化され得る。例えば、金属アルミニウム粉末を含むポリ−DCPD組成物は柔らかい表面の「感触」を有するが、酸化アルミニウムを含むポリ−DCPD組成物は粗い表面を有しており、極めて耐摩耗性が高い。同様に、熱可塑性ミクロスフィアを含むポリ−DCPD組成物は柔らかい「感触」を有して非常に強靭であり、ガラスミクロスフィアを含むポリ−DCPD組成物はより硬く、より堅牢である。密度調節ポリ−DCPD組成物樹脂の場合、該組成物から製造される物品または部品は、密度調節剤が物品または部品全体に均一に分散している等方性を有するように製造され得るか、または密度調節剤が不均一に分散している異方性を有するように製造され得る(積層構造または密度勾配を用いることで)。ある種の物品の場合、密度調節組成物が表面に純粋な樹脂の薄層(または外皮)を有して、外観、靱性、耐腐食性その他の特性を高めることが好ましいであろう。
【0023】
本発明のポリオレフィン組成物に含まれる金属系密度調節剤の量は、約1体積%〜約99体積%である。好ましくは、密度調節剤の量は、約20体積%〜約90体積%であり、最も好ましくは、約30体積%〜約80体積%である。厳密な密度調節が最も重要である場合、密度調節剤の量は、好ましくは約60体積%〜約95体積%である。体積パーセントを用いた場合、当業者は、使用する樹脂および密度調節剤の既知の密度に基づいて、使用すべき適切な重量分率を求めることができる。例えば、本発明のポリオレフィン組成物に含まれる金属系密度調節剤の量は、好ましくは、重量で樹脂100部当たり約1〜約17000部(phr)である。より好ましくは、金属系密度調節剤の量は約50〜約7500phr、最も好ましくは約100〜約1000phrである。本発明のポリオレフィン組成物に含まれる微粒子系密度調節剤の量は、好ましくは、約1〜約1000重量phrである。より好ましくは微粒子系密度調節剤の量は、約10〜約500重量phrであり。最も好ましくは約20〜約250重量phrである。本発明のポリオレフィン組成物に含まれる巨視的粒子系密度調節剤の量は好ましくは、約1〜約5000重量phrである。より好ましくは巨視的粒子系密度調節剤の量は、約10〜約1000重量phrであり、最も好ましくは約20〜約500重量phrである。
【0024】
微粒子系密度調節剤の場合、本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、低密度ないし中密度シンタクチックフォームの作製において、従来の熱硬化性ポリマー(例:エポキシ類、ビニルエステル類、不飽和ポリエステル類、ウレタン類およびシリコーン類)と比較して多くの利点を有する。シンタクチックフォームは当業者には公知であるが、微細粒子を流体ポリマー中に分散させ、次に系を安定化させることによって生成されるセルラーポリマーを指す。具体的には、これらのポリオレフィン樹脂は、低粘度(例:<20センチポアズ)、長いゲル化時間(例:>20分間)、高い固有靱性および高い引張強度を兼ね備える。本発明のポリオレフィン樹脂が低密度かつ低粘度であることによって、現在の最新技術である従来の樹脂系と比較して、ミクロスフィアの濡れ(wetout)および充填性を高めることが可能であり、物理的特性の向上と同時に、密度の低減(好ましくは約5%〜30%の低下)がもたらされる。
【0025】
本発明で用いられる最も好ましいオレフィンモノマーはジシクロペンタジエン(DCPD)である。リオンデル(Lyondell)108(純度94.6%)、ベリスコール(Veliscol)UHP(99+%純度)、ビー・エフ・グッドリッチ・ウルトレン(B. F. Goodrich Ultrene、登録商標)(97%および99%純度)およびヒタチ(Hitachi)(99+%純度)などの様々なDCPD供給業者および純度を用い得る。他の好ましいオレフィンモノマーには、3量体、4量体、5量体などを含む他のシクロペンタジエンオリゴマー類;シクロオクタジエン(COD;DuPont);シクロオクテン(COE、Alfa Aesar);シクロヘキセニルノルボルネン(Shell);ノルボルネン(Aldrich);ノルボルネンジカルボン酸無水物(ナド酸無水物(nadic acid));ノルボルナジエン(Elf Atochem);ならびにブチルノルボルネン、ヘキシルノルボルネン、オクチルノルボルネン、デシルノルボルネンなどを含む置換ノルボルネン類などがある。好ましくは、オレフィン部分には、炭素数3〜200の一置換またはニ置換のオレフィン類およびシクロオレフィン類などがある。最も好ましくは、メタセシス活性オレフィン部分には、環状または多環式のオレフィン類があり、例えばシクロプロペン類、シクロブテン類、シクロヘプテン類、シクロオクテン類、[2.2.1]ビシクロヘプテン類、[2.2.2]ビシクロオクテン類、ベンゾシクロブテン類、シクロペンテン類、3量体、4量体、5量体などを含むシクロペンタジエンオリゴマー類、シクロヘキセン類がある。さらに、そのような組成物には、1つ以上の炭素原子がハロゲン類、擬似ハロゲン類、アルキル、アリール、アシル、カルボキシル、アルコキシ、アルキルチオレートおよびアリールチオレート、アミノ、アミノアルキルを含むラジカルフラグメントから誘導された置換基を保持する骨格、または1つ以上の炭素原子が、例えばケイ素、酸素、硫黄、窒素、リン、アンチモンまたはホウ素によって置き換わった骨格を含むことが理解される。例えば、前記オレフィンは、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、ホスフェート、ホスファイト、サルフェート、サルファイト、スルホニル、カルボイイミド(corboiimide)、カルボアルコキシ、カーバメイト、ハロゲンまたは擬似ハロゲンなどの1つ以上の基で置換されていてもよい。同様に、前記オレフィンは、C1〜C20アルキル、アリール、アシル、C1〜C20アルコキシド、アリールオキシド、C3〜C20アルキルジケトネート、アリールジケトネート、C1〜C20カルボキシレート、アリールスルホネート、C1〜C20アルキルスルホネート、C1〜C20アルキルチオ、アリールチオ、C1〜C2 0アルキルスルホニル、およびC1〜C20アルキルスルフィニル、C1〜C20アルキルホスフェート、アリールホスフェートなどの1つ以上の基で置換されていてもよく、それらの部分は置換されていても未置換であってもよい。
【0026】
これらのオレフィンモノマーは単独で使用されるか、またはオレフィンモノマー組成物の特性を調節するために様々な組合せで互いに混合して使用され得る。例えば、シクロペンタジエンの2量体および3量体の混合物によって、融点が低下し、純粋なポリ−DCPDと比較して物理的強度および剛性の高い硬化オレフィン共重合体が得られる。別の例として、COD、ノルボルネンまたはアルキルノルボルネンコモノマーを組み合わせることにより、比較的柔軟で弾力性のある硬化オレフィン共重合体が得られる傾向がある。本発明のポリオレフィン樹脂は、熱硬化性となり易く、添加剤、安定剤、速度調節剤、硬度調節剤および/または靱性調節剤、充填材ならびにカーボン、ガラス、アラミド(例:ケブラー(Kevlar;登録商標)およびトワロン(Twaron;登録商標))、ポリエチレン(例:スペクトラ(Spectra;登録商標)およびダイニーマ(Dyneema;登録商標))、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(例:ザイロン(Zylon;登録商標))、ポリベンゾアミダゾール(PBI)を含むが、これらに限定されない繊維、およびこれらの混成物、ならびに他のポリマー繊維(これらに限定されるものではない)に対する耐性を有する。
【0027】
本発明において、製剤されたオレフィンモノマー(例:添加剤、安定剤または密度調節剤などの調節剤、充填剤または繊維と組み合わせたオレフィンモノマー類)の粘度は代表的には、室温付近の温度(例:約25〜35℃)で約2000センチポアズ未満である。好ましくは製剤されたオレフィンモノマーの粘度は約500センチポアズ未満であり、より好ましくは約200センチポアズ未満であり、最も好ましくは約75センチポアズ未満である。製剤されるオレフィンモノマーの粘度は、使用するモノマーならびに添加剤、安定剤および調節剤の組合せを選択することで制御することができる。
【0028】
好ましい硬度調節剤には、例えば、ポリブタジエン類、ポリイソプレン類などのエラストマー添加剤がある。本発明においては、ゴム状硬度調節剤として、様々な入手源、ならびに様々な数平均分子量(Mn)または重量平均分子量(Mw)のポリブタジエン類およびポリイソプレン類を用い得る。期せずして、本発明のポリ−DCPD樹脂は、ポリブタジエンを含む組成物を不透明ではなく透明にさせる。ポリオレフィン樹脂組成物に加えた場合、本発明の硬度調節剤は、未変性または在来のポリオレフィンと比較して、組成物の硬度、靱性および/または表面の「感触」を変化させる。ブタジエン系およびイソプレン系のエラストマーに加えて、他の硬度調節剤には、フタル酸ジオクチルおよび様々な分子量の炭化水素など、ゼリー、グリースおよびロウ、カルボン酸類およびそれの塩などの可塑化剤、ならびにノルボルネン、シクロオクタジエン、シクロオクテン、シクロヘキセニルノルボルネン、ノルボルナジエン、シクロペンテンおよび/またはメチルシクロペンテンなどのコモノマーなどがある。本発明のポリオレフィン組成物に含まれる硬度調節剤の量は好ましくは、それを添加するオレフィンモノマーの約0.1重量%〜20重量%である。より好ましくは、硬度調節剤の量は、オレフィンモノマーの約1重量%〜10重量%であり、最も好ましくは約2.5%〜7.5%である。
【0029】
特に好ましい靱性調節剤は、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−エチレン/ブチレン類−スチレン、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンなどのゴムトリブロック共重合体である。他の好ましい靱性調節剤としては、得られるポリオレフィン組成物において、付随して熱変形温度(HDT)を大幅に低下させることなく、靱性を相当に増加させることから、ポリシロキサン類がある。本発明のポリオレフィン組成物に含まれる靱性調節剤の量は好ましくは、それを添加するオレフィンモノマーの約0.1重量%〜10重量%である。より好ましくは靱性調節剤の量はオレフィンモノマーの約0.5重量%〜6重量%であり、最も好ましくは約2%〜4%である。例えば、低分子量(MW)ポリ(ジメチルシロキサン)(シンエツ(Shin Etsu)DMF−50)を100部当たり3部含むポリ−DCPD樹脂は、214.5J/m(4フィート−ポンド/インチ)を超えるノッチ付アイゾット衝撃値および130℃を超えるHDT値を有する。
【0030】
本発明のポリオレフィン組成物の耐UV性および耐酸化性は、一次酸化防止剤(例:立体障害フェノールなど)、二次酸化防止剤(例:有機亜リン酸化合物、チオエステル類など)、光安定剤(例:ヒンダードアミン系光安定剤、すなわちHALS)、UV光吸収剤(例:ヒドロキシベンゾフェノン系吸収剤、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール系吸収剤など)などの様々な安定化添加剤を添加することにより増強され得る。好ましくは、ポリオレフィン樹脂組成物に1つ以上の安定化添加剤を、約0.01〜15phrのレベルで含有させる。より好ましくは、酸化防止剤を、約0.05〜10phrのレベル、最も好ましくは0.1〜8phrのレベルで存在させる。一次酸化防止剤の例としては、例えば、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)(エタノックス(Ethanox)702(登録商標);Albemarle Corporation)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(エタノックス330(登録商標);Albemarle Corporation)、オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(イルガノックス(Irganox)1076(登録商標);Ciba−Geigy)、およびペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)(イルガノックス(登録商標)1010;Ciba Geigy)などがある。二次酸化防止剤の例としては、トリス(2,4−ditert−ブチルフェニル)ホスファイト(イルガフォス(Igrafos;登録商標)168;Ciba−Geigy)、1:11(3,6,9−トリオキサウデシル)ビス(ドデシルチオ)プロピオネート(ウィングステイ(Wingstay(登録商標))SN−1;Good year)などがある。光安定剤および吸収剤の例としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート(チヌビン(Tinuvin;登録商標)144HALS;Ciba−Geigy)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ditertペンチルフェノール(チヌビン(登録商標)328吸収剤;Ciba−Geigy)、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル(チヌビン(登録商標)327吸収剤;Ciba Geigy)、2−ヒドロキシ−2−(オクチルオキシ)ベンゾフェノン(チマソルブ(Chimassorb;登録商標)81吸収剤;Ciba−Geigy)などがある。
【0031】
さらに、例えば、トリフェニルホスフィン(TPP)、トリシクロペンチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリアルキルホスファイト類、トリアリールホスファイト類、混合ホスファイト類、ピリジンその他のルイス塩基などの適当な速度調節剤をオレフィンモノマーに加えて、必要に応じて重合速度を遅延または促進させることができる。TPP速度調節剤の場合、好ましくは、オレフィンモノマー64g当たり約10〜200mgの量で含有される。より好ましくは、TPPの量は、オレフィンモノマー64g当たり約20〜100mg、最も好ましくはオレフィンモノマー64g当たり約30〜80mgである。アルキルホスフィン類およびピリジンなどの他の速度調節剤の場合、速度調節剤の量は好ましくは、オレフィンモノマー64g当たり約0.1〜50mg、より好ましくはオレフィンモノマー64g当たり約1〜40mg、最も好ましくはオレフィンモノマー64g当たり約1〜30mgである。
【0032】
さらに、着色が望まれる用途の場合には、様々な顔料または染料を本発明のポリオレフィン樹脂組成物に含有させてもよい。好ましい顔料は、ポリオレフィン樹脂100部当たり約0.05〜2部の量のフェロ(Ferro)およびデイグロ(Dayglo)製品を含む。特に好ましい種類の染料はフォトクロミック染料である。
【0033】
前記ポリオレフィン組成物、ならびに同組成物から製造される部品もしくは物品は、例えば反応射出成形(RIM)、樹脂トランスファー成形(RTM)、およびVARTM(真空補助RMT)およびSCRIMP(シーマン(Seemann)複合樹脂注入成形法)などの真空補助の別法、オープン鋳造、回転成形、遠心鋳造、フィラメントワインディングおよび機械加工などの様々な方法で加工され得る。これらの加工組成物は当業界では公知である。様々な成型および加工法については、例えば、特許協力条約に基づく国際特許公開公報第WO97/20865号に記載されており、この開示内容は、本明細書に援用される。成型鋳造法では鋳型は、例えばアルミニウム、テフロン、デルリン、高密度および低密度ポリエチレン(それぞれHDPEおよびLDPE)、シリコーン、エポキシ、アルミニウム充填エポキシ、ポリウレタンおよびアルミニウム充填ポリウレタン、石膏、ポリ塩化ビニル(PVC)ならびに様々なステンレス鋼合金などの様々な材料から形成され得る。鋳型温度は、好ましくは約20〜100℃であり、より好ましくは約30〜80℃、最も好ましくは約40〜60℃である。本発明の成形ポリオレフィンの部品または製造品については、後硬化加熱工程を受けさせ得る。好ましくは、後硬化は、約60〜160℃まで、約10分間〜3時間にわたる加熱を伴う。より好ましくは、後硬化は、約80〜150℃まで、約30分間〜2時間にわたる加熱を伴う。最も好ましくは約100〜140℃まで約45分間〜約90分間にわたる加熱を伴う。
【0034】
本発明のポリオレフィン組成物は、スポーツ、レクリエーションおよび船舶用の製品および設備の製造に有用である。そのような製品および用途の例としては、ゴルフ用のティー、クラブ(加重クラブヘッドなど)、シャフト、グラジエントシャフト(製剤または密度がクラブシャフトの長手方向で変化する)、ボールおよびカート;バスケットボール用バックボード;テニスラケット、スカッシュラケット、ラケットボールラケットおよびバドミントンラケット;スノーボード、サーフボード、ブギーボード、スキー、バックボード、ソリ、トボガン、スノーシューズ;野球用のバット、バットコーティングおよびエンドキャップ、ボールおよびヘルメット;フットボール用ヘルメット;ホッケー用のヘルメット、スティック、パッドおよびパック;ローラーブレート用のシューズ、ホイール、パッドおよびヘルメット;自転車の部品、フレーム、ヘルメットおよびトリスポーク;船舶用途(例:船体、コーティング、オール、プロペラ、舵、キール、マスト、ジェットスキー、ボート用の膜、ジェットスキー、カバー、カヤックおよびカヌー);キャンプ設備(例:テントかけ金および支持棒、タブ、マッチ、クーラー、裂けた木材用の楔、斧、ハッチ、ハンドル、シャベルおよびピック);ビリヤード用キュー、ビリヤード台およびビリヤードボール;踏み切り板、プール用ライナー、湖用ライナー(lake liner)、梯子、階段、船内ラウンジ用椅子およびテーブル、プール清掃設備およびラウンジ椅子;自動二輪車、自動二輪車部品、ヘルメットおよびシールド;アーチェリーの弓および矢;銃、ライフルケース、標的、弾丸、散弾銃用散弾、デコイ、弾薬および薬莢;武道用防具および武器;サッカー用ゴールポストおよびパッド;自動車レース用ヘルメット、自動車部品および車体;ポロマレット、クロッケット用マレットおよびボール、クリケットのバット;遊戯用付帯物(例:ポーカー用チップ、サイコロおよび耐候性ゲーム板);ボーリングのボールおよびピン;テザーボールポール、バレーボール用ネット支持棒;全地形車(ATV);ローンダーツ、輪投げ用輪および蹄鉄;ナイフ、ナイフの柄および剣などがあるが、これらに限定されるものではない。特に、様々な密度のフォームは、重量、浮力、音響インピーダンス、防腐、防汚および低水分吸収などの特性を考慮すべき多くの用途において有用である。
【0035】
本発明における他の商業的用途には、例えば、弾道学よび爆風の遮蔽、工業的コーティング、建築コーティングおよび他の耐引っ掻き性コーティング、接着剤、インク、塗料およびゲルコートなどがある。さらに、本発明の組成物は、特にポリマー混合物、相互貫入重合体網目構造、複合材(繊維または鉱物で強化された)、混合物、合金、エラストマー、イオノマーおよびデンドリマー(dendrimer)において有用である。
【0036】
本発明の組成物はさらに、ウェハキャリア、および他の半導体ホンドリング装置、ならびに壁、幕面、シンクおよび敷板などの半導体製造施設の建設用の部品の製造においても有用である。さらにこれらの材料は、化学的/機械的平面化(CMP)用の低k誘電体および構成部材としても有用である。
【0037】
さらに、ポリオレフィン樹脂は、例えば基体表面と相互作用するための適合化機能を有するメタセシス活性接着剤などの接着剤とともに用いられ得る。
金属系密度調節剤を含むポリオレフィン組成物または部品の場合、本発明は、バランス、重量および密度の局在化について有利な制御を可能とする。これらの能力は、金属系密度調節剤の選択的添加および局在化により、例えばゴルフクラブヘッドおよびパターおよび複合材工作具などの性能を増強させる。
【0038】
微粒子系密度調節剤(すなわちシンタクチックフォーム)を含むポリオレフィン組成物または部品の場合、本発明の組成物の利点は、アーチェリー弓、バット、スティックおよびシャフトなどのスポーツ設備の軽量支持体および屈曲促進において明らかである。本発明のシンタクチックフォームにおける他の好ましい用途には、ボートおよび潜水艇の船体および他の構成部分、スキーおよびサーフボード、スノーボードおよびスケートボード用のコア材、パッドおよびヘルメットなどの安全具の軽量補強材などがある。
【0039】
実施例
例1
ポリ−DCPDゴルフパターヘッド
DCPD樹脂50g、トリフェニルホスフィン0.05g、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリド触媒0.062g、フタル酸ジオクチル7.2g、ポリブタジエン5.5g、およびエタノックス(登録商標)702(Albemarle)一次酸化防止剤1.5gの混合物を室温で混和し、予めゴルフパターヘッドの形状に形成して、約50℃に予熱しておいた鋳型に注ぎ込んだ。前記混合物を鋳型中で2時間硬化させ、さらに130℃で1時間にわたって後硬化させた。脱型したパターヘッドは良好な形状および品質のものであったが、重量はわずか約60gであり、300〜350gという所望の重量よりはるかに小さい重量であった。
【0040】
例2
密度調節ポリ−DCPDゴルフパターヘッド
実施例1同様に、DCPD樹脂50g、トリフェニルホスフィン0.05g、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリド触媒0.062g、ポリブタジエン5g、エタノックス(登録商標)702(Albemarle)一次酸化防止剤1.5g、およびタングステン粉末350gの混合物を室温で混和し、予めゴルフパターヘッドの形状に形成して、約75℃に予熱しておいた鋳型に注ぎ込んだ。鋳型を5分間真空として、気泡を除去した。その混合物を鋳型中において50℃で1時間硬化させ、さらに130℃で1時間にわたって後硬化させた。脱型したパターヘッドは良好な形状および品質のものであり、重量は約350gであって、所望の範囲内であった。
【0041】
例3
密度調節ポリ−DCPDゴルフパターヘッド
例2同様に、DCPD樹脂50g、トリフェニルホスフィン0.05g、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリド触媒0.062g、エタノックス(登録商標)702(Albemarle)一次酸化防止剤1.5g、およびタングステン粉末315gの混合物を室温で混和し、濃縮し、予めゴルフパターヘッドの形状に成形して、約75℃に予熱しておいた鋳型に注ぎ込んだ。その混合物を鋳型中において80℃で30分間硬化させた。脱型したパターヘッドは良好な形状および品質のものであり、重量は約313gであり、所望の範囲内であった。
【0042】
例4
密度調節ポリ−DCPDゴルフパターヘッド
例3の全体手順に従って、DCPD樹脂65g、トリフェニルホスフィン0.05g、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリド触媒0.124g、エタノックス(登録商標)702(Albemarle)一次酸化防止剤3g、黒色顔料(フェロ)0.25g、タングステン粉末100gおよび鉄粉末217.4gの混合物からゴルフパターヘッドを作製した。脱型したパターヘッドは良好な形状および品質のものであり、重量は約352gであり、それは所望の範囲の上限であった。
【0043】
例5
密度調節ポリ−DCPDゴルフパターヘッド
例3の全体手順に従って、DCPD樹脂75g、トリフェニルホスフィン0.75g、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリド触媒0.093g、エタノックス(登録商標)702(Albemarle)一次酸化防止剤2.25g、黒色顔料(フェロ)0.375g、アルミニウム粉末96g、およびタングステン粉末245gの混合物からゴルフパターヘッドを作製した。脱型したパターヘッドは良好な形状および品質のものであり、重量は約350gであって、それは所望の範囲の上限であり、かつ、例2〜例4で作製したパターヘッドより「よりソフトな」音を有した。
【0044】
例6
面(Face)加重混成ゴム/タングステン金属−ポリ−DCPD
ゴルフパターヘッド
上記の例1に記載のものと同じ全体手順を用いて、以下を含む2種類のバッチの樹脂、すなわち、DCPDモノマー(B.F.Goodrich)67g、ポリブタジエン(Aldrich;分子量3000)28g、シスシクロオクテン(Avocado)2.8g、t−ブチルペルオキシド(Aldrich)1g、黒色顔料(フェロ)0.33g、トリフェニルホスフィン0.1g、および(ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリドメタセシス触媒(45メッシュサイズの篩でふるい分けたもの)0.124gを含む樹脂と;DCPDモノマー(B.F.Goodrich)50g、エタノックス(登録商標)702(Albemarle Corp.)1.5g、黒色顔料(フェロ)0.33g、タングステン粉末(Teledyne Advanced Materials;150メッシュ)300g、トリフェニルホスフィン0.05g、および(ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリドメタセシス触媒(45メッシュサイズの篩でふるい分けたもの)0.124gを含む樹脂とを調製した。
【0045】
予めゴルフパターヘッドの形状に形成した鋳型を約50℃に加熱した。黒色液体樹脂Aを鋳型に注入し、それを最上部(パターヘッド面)の約2.54cm(約1インチ)以内まで充填した。30分以内に樹脂Aはゲル化したように見え、1時間以内に粘稠な黒色液体である樹脂Bを、鋳型中でゲル化した樹脂A上に注いで、鋳型を完全に満たした。1時間後、ゴルフパターヘッドを脱型し、12時間放冷した。次に、ゴルフパターヘッドに130℃で1時間にわたって後硬化を受けさせ、外界温度まで冷却させた。得られた面加重パターヘッドの重量は350gであり、表面硬度D50(ショア硬度)を示した。
【0046】
例7
基部/先端周囲−加重混成ゴム/タングステン−ポリ−DCPD
ゴルフパターヘッド
上記の例6におけるのと同様に樹脂AおよびBを調製した。しかしながらこの場合、ゴルフパター鋳型を樹脂Aで完全に充填し、鋳型中で1時間ゲル化させた後、パターヘッドを脱型し、12時間放冷した。パターの基部および先端領域それぞれの一部を除去し、その部分の残部を鋳型に再度挿入して、約50℃に予熱した。次に、その鋳型に樹脂Bを注ぎ込み、パターヘッドの基部および先端部分の除去によって生じた空隙部を充填した。1時間後、その部分を脱型し、12時間放冷した。次に、パターヘッドに130℃で1時間にわたり後硬化を受けさせ、外界温度まで冷却した。得られた基部/先端周囲加重パターヘッドは300gの重量を有し、表面硬度D50(ショア硬度)を示した。
【0047】
例8
基部/先端周囲加重アルミニウム金属−ポリ−DCPDゴルフパターヘッド
上記の例7に記載されたようにパターヘッドを作製したが、後硬化は行わなかった。脱型後、タングステン未充填プラスチック約2.54cm(約1インチ)をパター面から除去した。パターヘッドを再度鋳型に挿入し、鋳型を約50℃に加熱した。100mLのRBフラスコで、DCPDモノマー(B.F.Goodrich)50g、エタノックス(登録商標)702(Albemarle Corp.)1.5g、アルミニウム粉末(Alfar Aesar;3ミクロン)10g、トリフェニルホスフィン0.05g、および(ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリドメタセシス触媒(45メッシュサイズの篩でふるい分けたもの)0.062gを含む樹脂を調製した。得られた新鮮な樹脂を鋳型に注入することにより、事前にパター面からタングステン未充填プラスチック材料を除去することにより生じた空隙部を充填した。30分以内に、アルミニウム充填樹脂がゲル化したように見え、1時間以内に成形パターヘッドを鋳型から取り出し、12時間放冷した。次に、パターヘッドを130℃で1時間にわたって後硬化させ、冷却して外界温度とした後に、該パターヘッドにシャフトを取り付けた。得られたパターの全体の重量および加重特性は、例6におけるパターのものと同様であったが、ゴルフボールを打つ(パット)のに使用した際には、相当に柔らかく、かつ、より中実な(solid)音および感触を有した。
【0048】
例9
ガラスミクロスフィア−ポリ−DCPDシンタクチックフォームパネル
磁気攪拌子およびガス導入アダプターを取り付けた5リットルのRBフラスコに、DCPDモノマー(B.F.Goodrich)2250g、エタノックス(登録商標)702(Albemarle Corp.)67.5g、トリフェニルホスフィン4.5g、および(ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリドメタセシス触媒(45メッシュサイズの篩でふるい分けたもの)2.497gを充填した。130℃で6時間乾燥させておいたガラスミクロスフィア(3M;K25級、720g)を、撹拌しながら5リットルRBフラスコ中の前記樹脂に徐々に加えたところ、軽く泡立てたクリームのような粘度を有する淡黄色混合物が得られた。その樹脂混合物を真空下で脱気して、捕捉されていた気泡を除去し(約20分間)、40℃に予熱しておいた矩形鋳型に注入した。その部品を40℃で12時間硬化させ、鋳型内において130℃で40分間後硬化させ、その後150℃でさらに20分間後硬化させた。外気温度まで冷却した後、脱型したパネルは、ほぼ空隙を有さず、約543kg/m3(約34ポンド/ft3)の密度を有することが判明した。適切な機械加工およびコンディショニング後、その材料は、130℃のDTUL(約1.82MPa(264psi))、約51.510J/m(0.965ft.−lb/in)(ノッチなし)および約17.562J/m(0.329ft.−lb/in)(ノッチ付)のアイゾット強度、約68.9MPa(約10000psi)の圧縮強度、および250,000の圧縮係数を示した。
【0049】
例10
ガラスミクロスフィア−ポリ(ジメチルシロキサン)変性−ポリ−DCPDシンタクチックフォームパネル
例9と同様にして、DCPDモノマー(B. F. Goodrich)200g、エタノックス(登録商標)702(Albemarle Corp.)6g、ポリ(ジメチルシロキサン)(Shin EtsuDMF−50)6g、トリフェニルホスフィン0.4g、(ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリドメタセシス触媒(45メッシュサイズの篩でふるい分けたもの)0.22g,およびガラスミクロスフィア(3M;K25級)74gを含む樹脂を調製した。本例のシンタクチックフォームは、ノッチなしアイゾット強度約128.1J/m(2.4ft.−lb/in)を示した。
【0050】
例11
低密度シンタクチックフォーム
DCPD樹脂(B.F.Goodrichからのウルトレン(Ultrene;登録商標))300g、トリフェニルホスフィン1.0g、エタノックス(登録商標)702(Albemarle)一次酸化防止剤9g、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリド触媒1.0gおよび96の混合物を矩形鋳型に入れ、硬化させた。脱型したフォーム試料を観察したところ品質が良好であり、測定によって320kg/m3(20pcf)という非常に低い密度を有しており、その密度は他の熱硬化性組成物では得ることは困難なものである。本例のシンタクチックフォームの試料は、平均圧縮強度約5.93MPa(860psi)および平均圧縮係数約475.7MPa(69,000psi)を示した。
【0051】
例12
溶媒補助シンタクチックフォーム形成組成物
DCPD樹脂100g、トリフェニルホスフィン0.1g、エタノックス(登録商標)702(Albemarle)一次酸化防止剤3g、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリド触媒0.124g、ガラスミクロスフィア(3M、スコッチライト(Scotchlite:登録商標)K25)75g、およびアセトン100gの混合物を室温で混和し、矩形鋳型に注入し、混合物の粘度が上がってゲル状態となるまで放置した。前記鋳型を60℃に予熱した対流式の炉に40分間入れて、硬化を完了させ、ほとんどのアセトン溶媒を蒸発させた。次に試料を炉から取り出し、脱型し、数個の試料片に薄く切断した。これらの試料片を対流式の炉中40℃で一晩保持して、残留アセトン溶媒を除去した。これら試料の測定された密度は192kg/m3(12pcf)であり、アセトン溶媒を用いない場合に予想される理論上の密度802,717kg/m3(29pci)よりかなり低かった。
【0052】
例13
広い密度変化の実例
DCPD樹脂200g、トリフェニルホスフィン0.2g、エタノックス(登録商標)702(Albemarle)一次酸化防止剤6g、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリド触媒0.248gの混合物を、示した密度調節剤それぞれと混和した。硬化および脱型後、得られた試料の密度を測定して、表1に示した。
【0053】
【表1】

例14
DCPD樹脂400g、トリフェニルホスフィン0.8g、エタノックス(登録商標)702(Albemarle)一次酸化防止剤12g、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリド触媒0.496gおよびガラスミクロスフィア(3M、スコッチライト(登録商標)K1)108gの混合物を、室温で濃厚ペーストとして調製した。このペーストを外径約6.67cm(2.625インチ)および壁厚約0.13cm(0.05インチ)のアルミニウム製野球バットシェルに、該シェルが満たされるまで少量ずつ滴下した。床でバットの柄を叩き、プランジャーを用いて、シェル内でシンタクチックフォームペーストを固めた。フォーム混合物を固体となるまで室温で硬化させ、次に140℃で1時間後硬化させた。得られたフォームコアは密度約400kg/m3(25pcf)およびショアD硬度55であった。得られた野球用バットは重量感を有し、約0.231kg・m・m(789 lb・in・in)(一般的には、約0.176〜0.220kg・m・m(600〜750 lb・in・in)の範囲が最も望ましい)という比較的高い慣性モーメントを有した。野球のボールを打つのに使用した場合、完成したバットは木のような感触および音を有すると報告され、非常に耐久性が高く、破損することなく500打以上に耐えた。
【0054】
例15
壁厚わずか約0.091〜0.094cm(0.036〜0.037インチ)のアルミニウム製野球バットシェルを用いた以外、例14の手順に従った。得られた野球用バットは比較的軽量で、MOIが約0.223kg・m・m(763 lb・in・in)に低下した。野球のボールを打つのに使用した場合、得られたバットは木のような感触および音を有すると報告され、非常に耐久性が高く、破損することなく2000打以上に耐えた。同様の密度の他のシンタクチックフォーム材料製の同様のバットは、わずか数打後に窪む傾向があった。
【0055】
例16
硬化フォームコアの中心に約30.5cm(約12インチ)の深さまで約1.91cm(3/4インチ)の径の穴を開けた以外、例15の手順に従った。得られた野球バットはかなり軽量で、MOIがわずか約0.216kg・m・m(737ポンド・インチ・インチ)であった。しかしながら、野球のボールを打つと、得られたバットは数回打っただけで窪んだ。
【0056】
例17
DCPD樹脂200g、トリフェニルホスフィン0.2g、エタノックス(登録商標)702(Albemarle)一次酸化防止剤6g、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリド触媒0.248g、およびガラスミクロスフィア(3M、スコッチライト(商標)K1)50gの混合物を、室温で濃厚ペーストとして調製し、矩形鋳型内に広げた。鋳型の開放面に真空袋およびブリーダークロスを掛け、樹脂がブリーダークロスに浸透するのを認めることができるまで減圧した。混合物を乾燥機中40℃で9時間硬化させ、次に140℃で70分間後硬化させた。通常のブロック形状に機械加工した後、得られたシンタクチックフォームの測定を行ったところ、392.5kg/m3(24.5pcf)の密度を有した。この材料をコア材として用いたアルミニウム面サンドイッチパネルは、ボール速度が100mphに達するまで、発射装置から飛び出す野球ボールの衝撃によって窪むことはなかった。
【0057】
例18
例17の手順に従い、DCPD樹脂225g、トリフェニルホスフィン0.45g、エタノックス(登録商標)702(Albemarle)一次酸化防止剤6.75g、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリド触媒0.279gおよびガラスミクロスフィア(3M、スコッチライト(登録商標)K1)50gの混合物を用いて、密度360.4kg/m3(22.5pcf)のシンタクチックフォームブロックを調製した。この
材料をコア材として用いたアルミニウム面サンドイッチパネルは、ボール速度が80mphに達するまで、発射装置から飛び出す野球ボールの衝撃によって窪むことはなかった。
【0058】
例19
例17の手順に従い、DCPD樹脂325g、トリフェニルホスフィン0.65g、エタノックス(登録商標)702(Albemarle)一次酸化防止剤9.75g、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリド触媒0.403gおよびガラスミクロスフィア(3M、スコッチライト(登録商標)K1)50gの混合物を用いて、密度424.5kg/m3(26.5pcf)のシンタクチックフォームブロックを製造した。この材料をコア材として用いたアルミニウム面サンドイッチパネルは、ボール速度が140mphに達するまで、発射装置から飛び出す野球ボールの衝撃によっては窪まなかった。
【0059】
例20
例17の手順に従い、DCPD樹脂2,000g、トリフェニルホスフィン4g、エタノックス(登録商標)702(Albemarle)一次酸化防止剤60g、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリド触媒2.48gおよびガラスミクロスフィア(3M、スコッチライト(登録商標)K25)640gの混合物を用いて、密度545kg/m3(34pcf)のシンタクチックフォームブロックを製造した。この材料をコア材として用いたアルミニウム面サンドイッチパネルは、ボール速度が180mphに達するまで、発射装置から飛び出す野球ボールの衝撃によって窪むことはなかった。
【0060】
例21
DCPD樹脂200g、トリフェニルホスフィン0.1g、エタノックス(登録商標)702(Albemarle)一次酸化防止剤6g、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリド触媒0.248g、および未膨張熱可塑性ミクロスフィア(エクスパンセル(Expancel:登録商標)091DU80)25gの混合物を室温で調製し、高さ約10.2cm(4インチ)および直径約6.00cm(2.35インチ)の円筒形鋳型に注入した。発熱硬化反応によって混合物は、熱可塑性ミクロスフィアを膨張させるのに十分な高温になった。硬化および脱型後、得られた構成部材の全体密度は約561〜577kg/m3(35〜36pcf)であった。検査したところ、その構成要素は泡状のコアを有していたが、約0.32cm(約1/8インチ)の厚さの未発泡外皮を有した。
【0061】
例22
DCPD樹脂200g、トリフェニルホスフィン0.2g、エタノックス(登録商標)702(Albemarle)一次酸化防止剤6gおよびビス(トリシクロペンチルホスフィン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリド触媒0.248gの混合物を炭化ホウ素粉末(Alfa−Aesar、22〜59ミクロン)400gと混和し、矩形鋳型に入れる。これを40℃で8時間硬化させ、140℃で1時間後硬化させる。脱型されたブロックの密度は約1.6〜1.7g/cm3であり、それは特に衝撃保護および爆発遮蔽用の防護構造物において有用である。
【0062】
例23
矩形の鋳型に、炭化ホウ素ホイスカー(Alfa Aesar、平均径約5〜8μm、長さ300μm)500gを充填し、ブリーダークロスと真空装置を取り付ける。鋳型を減圧してホイスカを圧縮した。次に鋳型に、DCPD樹脂200g、トリフェニルホスフィン0.2g、エタノックス(登録商標)702(Albemarle)一次酸化防止剤6gおよびビス(トリシクロペンチルホスフィン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリド触媒0.248gの混合物を注入する。完全に飽和した後、部品を40℃で8時間硬化させ、140℃で1時間後硬化させる。脱型されたブロックの密度は約1.7〜1.8g/cm3であり、それは特に衝撃保護および爆発遮蔽用の防護構造物において有用である。
【0063】
例24
樹脂状外皮を有する密度調節装甲パネル
矩形の鋳型に、炭化ケイ素小板(Alfa Aesar、−100/+200メッシュ)500gを充填する。DCPD樹脂200g、トリフェニルホスフィン0.2g、エタノックス(登録商標)702(Albemarle)一次酸化防止剤6g、およびビス(トリシクロペンチルホスフィン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリド触媒0.248gの混合物を鋳型に注入し、炭化ケイ素小板を介して沈降させて、固体の上に樹脂が薄く被るようにする。完全に飽和した後、部品を40℃で8時間硬化させ、140℃で1時間後硬化させる。脱型されたブロックの密度は約2g/cm3である。その製造品は、片面に樹脂状の外皮を有しており、特に衝撃保護および爆発遮蔽用の防護構造物において有用である。
【0064】
例25
極めて収縮性の小さいシンタクチックフォームコア材料
DCPD樹脂200g、トリフェニルホスフィン0.1g、エタノックス(登録商標)702(Albemarle)一次酸化防止剤6g、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリド触媒0.248g、スコッチライト(商標)K1ガラスミクロバルーン33.4gおよび未膨張熱可塑性ミクロスフィア(エクスパンセル(登録商標)091DU80)3.4gの混合物を室温で調製し、高さ約10.2cm(4インチ)および直径約6.00cm(2.35インチ)の円筒形鋳型に注入した。発熱硬化反応によって混合物は、熱可塑性ミクロスフィアを膨張させるのに十分な高温となったことから、硬化後に該部品は鋳型壁から縮退していなかった。得られた構成部材の全体密度は約497kg/m3(31pcf)であった。
【0065】
例26
繊維補強衝撃用フォームパネルの1段階成形
約15.2×約15.2×約2.54cm(6×6×1インチ)の矩形鋳型の2つの対向する約15.2×約15.2(6×6インチ)の壁にそれぞれ2層のボランサイジングした7781E−ガラス繊維を置いた。DCPD樹脂500g、ポリブタジエン(Aldrich、Mw=5000)50g、トリフェニルホスフィン0.125g、エタノックス(登録商標)702(Albemarle)一次酸化防止剤15g、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリド触媒0.62gおよび未膨張熱可塑性ミクロスフィア(エクスパンセル(登録商標)091DU80)90gの混合物を室温で調製し、前記鋳型に注入した。発熱硬化反応によって混合物は、熱可塑性ミクロスフィアを膨張させて、重合樹脂が繊維プレフォームに侵入させるのに十分な高温となった。検査してみると、この構成要素はフォーム状のコアを有し、未発泡ガラス繊維複合材の外皮を有する。このパネルは、約4.57m(約15フィート)の距離から発射された.38特殊弾を止めた。得られた構成部材の全体密度は約545kg/m3(34pcf)であった。
【0066】
例27
稠密シンタクチックフォーム
DCPD樹脂100g、トリフェニルホスフィン0.1g、エタノックス(登録商標)702(Albemarle)一次酸化防止剤3g、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリド触媒0.1g、およびジーオスフィア(Zeeosphere(商標))G−600セラミックミクロスフィア(3M)150gを室温で調製し、平パネル鋳型に注入した。前記部品を40℃で1時間、室温で2時間、140℃で1時間硬化させた。得られた暗灰色シンタクチックフォームは密度1714kg/m3(107pcf)を有した。
【0067】
例28
小型低密度シンタクチックフォームバット
DCPD樹脂250g、トリフェニルホスフィン0.75g、エタノックス(登録商標)702(Albemarle)一次酸化防止剤7.5g、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリド触媒0.310g、および未膨張熱可塑性ミクロスフィア(エクスパンセル(登録商標)551−DU−20)112.5gの混合物を調製し、ミクロスフィア沈降が認められなくなるまで濃厚化させた。濃厚化した樹脂を、胴部径約3.81cm(1.5インチ)、握り部径約1.8cm(0.7インチ)、長さ約42.5cm(16.75インチ)の野球用バットの形状にある270cm3の鋳型に注入した。その部品を鋳型中で、ゲル化するまで約1時間にわたって70℃の炉内で硬化させた。炉の温度を90℃に上昇させて、ゲル化した部品を鋳型から取り出した。得られた部品を炉に戻し、120℃に昇温した。この温度で部品を15分間硬化させてから室温まで冷却した。この最終硬化の間に、混合物は、熱可塑性ミクロスフィアが膨張するのに十分な高温となり、胴部径が約32.3cm(2.7インチ;80%)、握り部径が約3.3cm(1.3インチ;85%)、長さが約81.3cm(32インチ;94%)に増大した。得られた構成部材の全体の密度は約160kg/m3(10pcf)であった。
【0068】
例29
樹脂−低シンタクチックフォーム製造の真空法
DCPD樹脂225g、トリフェニルホスフィン0.45g、エタノックス(登録商標)702(Albemarle)一次酸化防止剤6.75g、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリド触媒0.279g、およびスコッチライト(商標)K1ガラスミクロバルーン50gの混合物を室温で調製して、面積約15.2×15.2cm(約6×6インチ)および深さ約2.54cm(1インチ)の鋳型キャビティ中に注入した。鋳型を穴あき放出フィルム、ブリーダーフェルトおよびバギングフィルムという3種類の連続層で包んだ。包んだ鋳型を真空とし、過剰な液体樹脂をブリーダーフェルト中に流出させた。成形パネルを40℃で9時間、真空下で硬化させ、140℃で1時間10分にわたって後硬化させた。得られた構成部材の全体の密度は約360.4kg/m3(22.5pcf)であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーマトリックス中に分散された1つ以上の密度調節剤を含み、前記マトリックスがルテニウムもしくはオスミウム金属カルベン触媒を用いたオレフィンモノマーのメタセシスによって製造される組成物。
【請求項2】
前記触媒が下記式のものである請求項1に記載の組成物。
【化1】

(式中、
Mはルテニウムまたはオスミウムであり;
XおよびX1は同一でも異なっていてもよく、任意の陰イオン配位子であり;
LおよびL1は同一でも異なっていてもよく、任意の中性の電子供与体であり

RおよびR1は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して水素またはC1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、アリール、C1
〜C20カルボキシレート、C1〜C20アルコキシ、C2〜C20アルケニルオキシ、C2〜C20アルキニルオキシ、アリールオキシ、C2〜C20アルコキシカルボニル、C1〜C20アルキルチオ、C1〜C20アルキルスルホニルおよびC1〜C20アル
キルスルフィニルのうちから選択される置換基であり;前記置換基はそれぞれ、置換されているか未置換である。)
【請求項3】
前記置換基が、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシおよびアリールのうちから選択される1つ以上の置換されている部分または未置換の部分で置換されている請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記部分が、ハロゲン、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシおよびフェニルのうちから選択される1つ以上の基で置換されている請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
Rが水素であり;R1がC1〜C20アルキル、C2〜C10アル
ケニル、アリール、未置換フェニル、置換フェニル、未置換ビニルおよび置換ビニルのうちから選択され;前記置換フェニルおよび置換ビニルがそれぞれ独立して、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、フェニル、水酸基、チオール、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシおよびハロゲンのうちから選択される1つ以上の基で置換されている請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
LおよびL1がそれぞれ独立して、ホスフィン、スルホン化
ホスフィン、ホスファイト、ホスフィナイト、ホスホナイト、アルシン、スチビン、エーテル、アミン、アミド、イミン、スルホキシド、カルボキシル、ニトロシル、ピリジンおよびチオエーテルのうちから選択される請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
LおよびL1がそれぞれ式PR345のホスフィンであり;R3、R4およびR5がそれぞれ独立してアリールおよびC1〜C10アルキルのうちから選択される請求項2に記載の組成物。
【請求項8】
3、R4およびR5がそれぞれ独立して一級アルキル、二級
アルキルおよびシクロアルキルのうちから選択される請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
LおよびL1がそれぞれ独立して、P(シクロヘキシル)3、P(シクロペンチル)3、P(イソプロピル)3およびP(フェニル)3のうちか
ら選択される請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
LおよびL1が二座配位子からなる請求項2に記載の組成
物。
【請求項11】
Lが任意の中性電子供与体であり、L1がイミダゾリジン
配位子である請求項2に記載の組成物。
【請求項12】
1が下記一般式の構造を有する請求項11に記載の組成
物。
【化2】

(式中、
2、R3、R4およびR5はそれぞれ独立して、水素またはC1〜C20アルキル
、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、アリール、C1〜C20カルボキ
シレート、C1〜C20アルコキシ、C2〜C20アルケニルオキシ、C2〜C20アル
キニルオキシ、アリールオキシ、C2〜C20アルコキシカルボニル、C1〜C20アルキルチオ、C1〜C20アルキルスルホニルおよびC1〜C20アルキルスルフィニルのうちから選択される置換基である。)
【請求項13】
3とR4が一緒にシクロアルキル部分またはアリール部分を形成する請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
3とR4がいずれも水素またはフェニルであり;R2およ
びR5がそれぞれ独立して置換アリールもしくは未置換アリールである請求項1
2に記載の組成物。
【請求項15】
XおよびX1がそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、置換
部分および未置換部分のうちから選択され;前記部分が、C1〜C20アルキル、
アリール、C1〜C20アルコキシド、アリールオキシド、C3〜C20アルキルジケトネート、アリールジケトネート、C1〜C20カルボキシレート、アリールスル
ホネート、C1〜C20アルキルスルホネート、C1〜C20アルキルチオ、C1〜C20アルキルスルホニルおよびC1〜C20アルキルスルフィニルのうちから選択され;前記部分の置換がC1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシおよびアリールのうちから選択される請求項2に記載の組成物。
【請求項16】
前記部分の置換が、ハロゲン、C1〜C5アルキル、C1
5アルコキシおよびフェニルのうちから選択される1つ以上の基で置換されて
いる請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
XおよびX1がそれぞれ独立して、ハロゲン化物、ベンゾエート、C1〜C5カルボキシレート、C1〜C5アルキル、フェノキシ、C1〜C5アルコキシ、C1〜C5アルキルチオ、アリールおよびC1〜C5アルキルスルホネートのうちから選択される請求項2に記載の組成物。
【請求項18】
XおよびX1がそれぞれ独立して、ハロゲン化物、CF3CO2、CH3CO2、CFH2CO2、(CH33CO、(CF32(CH3)CO、(CF3)(CH32CO、PhO、MeO、EtO、トシレート、メシレート
およびトリフルオロメタンスルホネートのうちから選択される請求項2に記載の組成物。
【請求項19】
XおよびX1がいずれも塩化物である請求項17に記載の
組成物。
【請求項20】
XおよびX1が二座配位子からなる請求項2に記載の組成
物。
【請求項21】
前記1つ以上の密度調節剤が、金属系密度調節剤、微粒子系密度調節剤および巨視的粒子系密度調節剤のうちから選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
前記密度調節剤が、約1体積%〜約99体積%の量で存在する請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
前記密度調節剤が、約20体積%〜約90体積%の量で存在する請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
前記密度調節剤が、約30体積%〜約80体積%の量で存在する請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
前記密度調節剤が、約60体積%〜約95体積%の量で存在する請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
前記金属系密度調節剤が、粉末状金属、焼結金属、削片状金属、フレーク状金属、磨き屑状金属、微粒子状金属、粒状金属、金属酸化物、金属窒化物および金属炭化物のうちから選択される請求項21に記載の組成物。
【請求項27】
前記金属系密度調節剤が、タングステン、炭化タングステン、アルミニウム、チタン、鉄、鉛、酸化ケイ素および酸化アルミニウムのうちから選択される請求項21に記載の組成物。
【請求項28】
前記微粒子系密度調節剤が、ガラスミクロスフィア類、熱可塑性ミクロスフィア類、熱硬化性ミクロスフィア類およびセラミック/ケイ酸塩ミクロスフィア類のうちから選択される請求項21に記載の組成物。
【請求項29】
前記熱可塑性ミクロスフィアが膨張性であるか、予備膨張させたものである請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
前記巨視的粒子系密度調節剤が、ガラスビーズ、プラスチックビーズ、セラミックビーズ、金属ロッド、金属塊、金属細片、金属粒状物、中空ガラス球体、中空セラミック球体、中空プラスチック球体、中空ガラスボール、中空セラミックボール、中空プラスチックボール、中空ガラスチューブ、中空セラミックチューブおよび中空ガラスチューブのうちから選択される請求項21に記載の組成物。
【請求項31】
前記オレフィンモノマーが、シクロオクタジエン、シクロオクテン、シクロヘキセニルノルボルネン、シクロプロペン、シクロブテン、ベンゾシクロブテン、シクロペンテン、シクロペンタジエンオリゴマー類、シクロヘキセン、シクロヘプテン、ノルボルネン、ノルボルネンジカルボン酸無水物、ノルボルナジエン、[2.2.1]ビシクロヘプテン、および[2.2.2]ビシクロオクテンのうちから選択され;前記モノマーは置換されているか、未置換である請求項1に記載の組成物。
【請求項32】
前記オレフィンモノマーがジシクロペンタジエンである請求項1に記載の組成物。
【請求項33】
少なくとも1つの添加剤をさらに含む請求項1に記載の組成物。
【請求項34】
前記添加剤が、顔料、染料、酸化防止剤、難燃剤、靱性調節剤および硬度調節剤のうちから選択される請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
少なくとも1つの充填材をさらに含む請求項1に記載の組成物。
【請求項36】
少なくとも1つの繊維をさらに含む請求項1に記載の組成物。
【請求項37】
前記繊維が、炭素、ガラス、アラミド、ポリエチレン、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール、ポリベンゾアミダゾールおよびそれらの混成物のうちから選択される請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
少なくとも1つの酸化防止剤をさらに含む請求項1に記載の組成物。
【請求項39】
前記酸化防止剤が、樹脂100部当たり約0.01〜約15部の量で存在する請求項38に記載の組成物。
【請求項40】
前記酸化防止剤が、樹脂100部当たり約0.05〜約10部の量で存在する請求項39に記載の組成物。
【請求項41】
前記酸化防止剤が、樹脂100部当たり約0.1〜約8部の量で存在する請求項40に記載の組成物。
【請求項42】
前記酸化防止剤が、立体障害フェノール類、有機亜リン酸化合物(organophosphites)、チオエステル類、立体障害アミン光安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン系吸収剤,およびヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール系吸収剤のうちから選択される請求項38に記載の組成物。
【請求項43】
前記酸化防止剤が、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン,およびオクタデシル−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネートのうちから選択される請求項38に記載の組成物。
【請求項44】
速度調節剤をさらに含む請求項1に記載の組成物。
【請求項45】
前記速度調節剤がルイス塩基である請求項44に記載の組成物。
【請求項46】
前記速度調節剤が、トリフェニルホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、アルキルホスファイト、アリールホスファイトおよびピリジンのうちから選択され;前記速度調節剤は置換されているか、未置換である請求項44に記載の組成物。
【請求項47】
顔料をさらに含む請求項1に記載の組成物。
【請求項48】
前記顔料が樹脂100部当たり約0.05〜約2.0部の量で存在する請求項47に記載の組成物。
【請求項49】
さらに染料を含有する請求項1に記載の組成物。
【請求項50】
前記染料がフォトクロミック染料である請求項49に記載の組成物。
【請求項51】
前記触媒がモノマーに対してある比率で存在し、前記触媒:モノマー比が約1:100〜約1:1,000,000の範囲にある請求項1に記載の組成物。
【請求項52】
前記触媒:モノマー比が約1:1,000〜約1:150,000の範囲にある請求項51に記載の組成物。
【請求項53】
前記触媒:モノマー比が約1:3,000〜約1:60,000の範囲にある請求項52に記載の組成物。
【請求項54】
前記触媒が、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリド、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリド、(トリシクロヘキシルホスフィン)(1,3−ジメシチル−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(トリシクロペンチルホスフィン)(1,3−ジメシチル−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリド、(トリシクロヘキシルホスフィン)(1,3−ジメシチル−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリド、(トリシクロヘキシルホスフィン)(1,3−ジメシチルイミダゾール−2−イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(トリシクロペンチルホスフィン)(1,3−ジメシチルイミダゾール−2−イリデン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリドおよび(トリシクロヘキシルホスフィン)(1,3−ジメシチルイミダゾール−2−イリデン)ジメチルビニルメチリデンルテニウムジクロリドのうちから選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項55】
ポリオレフィン組成物を含む製造品において、前記組成物がポリマーマトリックス中に分散された1つ以上の密度調節剤を含み、前記ポリマーマトリックスがルテニウムもしくはオスミウム金属カルベン触媒を用いたオレフィンモノマーのメタセシスによって調製される製造品。
【請求項56】
ポリマーマトリックス中に分散した1つ以上の微粒子系密度調節剤を含むシンタクチックフォーム組成物において、前記ポリマーマトリックスがルテニウムもしくはオスミウム金属カルベン触媒を用いたオレフィンモノマーのメタセシスによって調製されるシンタクチックフォーム組成物。

【公開番号】特開2011−140670(P2011−140670A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−95489(P2011−95489)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【分割の表示】特願2000−597325(P2000−597325)の分割
【原出願日】平成12年2月4日(2000.2.4)
【出願人】(501308867)マテリア インコーポレイテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】MATERIA,INC.
【Fターム(参考)】