説明

横引きシャッター

【課題】 横引シャッターのシャッター本体の開成をスムーズ且つ確実に行うようにする。
【解決手段】 シャッター本体30の戸先側から偶数番目に位置する各パネル33上端にガイドローラー34と固定ブロック35を配置する一方,上位ガイドレール10の切欠部12に,ガイドレール10内方に向けてガイドローラー34を傾斜誘導する導入ガイド18とその近傍に蹴り出し部材19を配置する。シャッター本体30は,偶数番目のパネル33が導入ガイド18によるガイドローラー34の誘導を受けるためスムーズに伸張閉成され,また偶数番目のパネル33が蹴り出し部材19による固定ブロック35の蹴り出しを受けるためスムーズに折畳み開成されて,パネル33が突っ張り状にロックされるような開閉障害を解消して常時スムーズな開閉を行うものとすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建物開口部に設置して上位及び下位のガイドレールによってシャッター本体を蛇腹状折畳み自在に上吊した横引きシャッターに関する。
【背景技術】
【0002】
この種横引きシャッターは,上位及び下位のガイドレールに走行自在の上吊蝶番枠と該上吊蝶番枠間の脱出蝶番枠とにパネルを回動自在に連結したシャッター本体を,その幅方向端部に配置した上位ガイドレールの切欠部において脱出蝶番枠を順次内外方向一方に脱出することによって蛇腹状折畳み自在としたものとされている。
【0003】
この場合,開成することによって上位ガイドレールの切欠部に蛇腹状に折畳み収納したシャッター本体を,ガイドレールにより伸張閉成するには,シャッター本体の戸先框を引いて順次パネルを上位ガイドレール内に導入する必要があるところ,該導入時に切欠部の端部にパネルが当ってスムーズな導入をなし得なくなるために,例えば実際の製品にあっては,上位ガイドレールの切欠部,特にその端部に導入ガイドを配置して,パネルの上框を上位ガイドレール側に向けて誘導するようにしてあり,該導入ガイドは,例えば上位ガイドレールに設置した基部と,該基部から吊元側に突出した板バネと,該板バネの先端に膨出するように設置したガイドブロックとを備えたものとされる。
【0004】
【特許文献1】特開平6−33660号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし乍ら,この場合,シャッター本体の戸先框を引くと,例えば戸先框に連結した戸先側先行のパネルを含めた奇数番目のパネルと,該パネルに脱出蝶番枠を介して連結した次のパネル,即ち偶数番目のパネルが平面V字状に途中まで開くとともにシャッター本体のその余のパネルも戸先側先行のパネルに引かれて,シャッター本体が半開き状態となり,この半開き状態で奇数番目のパネルが上記ガイドブロックに対接すると,シャッター本体が該ガイドブロックと吊元側縦枠との間で突っ張り状の固定状態となって,例えば戸先側先行のパネルがロックされる如くに定位置に固定される結果,シャッター本体の伸張閉成が阻害されることがある。このようにロックが生じると,そのままでは伸張閉成できないことから,シャッター本体を元の折畳み状態に戻して,再度戸先框を引くように伸張閉成の動作をやり直すことが必要となり,開閉,特に伸張閉成に際して煩雑な動作が求められるに至ることになる。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので,その解決課題とするところは,可及的に簡易な構造によってシャッター本体に生じることのあるシャッター本体の突っ張り状態とこれによる伸張閉成の阻害を解消して,常にスムーズな開閉をなし得るようにした横引きシャッターを提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題に沿って本発明は,戸先側先行のパネルを含めて戸先側から奇数番目のパネルを遣り過ごす一方,偶数番目のパネルを上位ガイドレールに導入するように案内することによって,奇数番目のパネルに対して偶数番目のパネルを上位ガイドレール側に押圧して,該2枚のパネルを強制拡開することによって切欠部と吊元側縦枠間でシャッター本体が突っ張り状になるのを防止したものであって,即ち請求項1に記載の発明を,上位及び下位のガイドレールに走行自在の上吊蝶番枠と該上吊蝶番枠間の脱出蝶番枠とにパネルを回動自在に連結したシャッター本体を,その幅方向端部に配置した上位ガイドレールの切欠部において脱出蝶番枠を順次内外方向一方に脱出することによって蛇腹状折畳み自在とした横引シャッターであって,戸先側から偶数番目に位置するパネル上面の上吊蝶番枠側中間位置に配置してパネルの導入を誘導する誘導部材と,上位ガイドレールの切欠部における幅方向中間位置に内外方向一方に突出配置して上記誘導部材のガイドレールへの導入を案内する導入ガイドを備えてなることを特徴とする横引シャッターとしたものである。
【0008】
請求項2に記載の発明は,上記に加えて,上記偶数番目のパネルの上位ガイドレール側への押圧とこれによる2枚のパネルの強制拡開を確実に行なうとともに可及的低コストにしてトラブルを生じる可能性のない形態のものとするように,これを,上記誘導部材をガイドローラーとし,導入ガイドを該ガイドローラーの回動軌跡を先端で受止めて傾斜誘導するガイド面を有する厚肉プレート乃至ブロックとしてなることを特徴とする請求項1に記載の横引きシャッターとしたものである。
【0009】
請求項3に記載の発明は,同じく上記に加えて,上位ガイドレールとシャッター本体間に,開成,即ち蛇腹状の折畳みを確実に行うシャッター本体脱出用の衝接部材とその蹴り出し部材を配置し,該偶数番目のパネルを強制折曲して,偶数番目のパネルを上位ガイドレールから脱出することによって,シャッター本体の開閉を更にスムーズ且つ確実に行うものとするように,これを,上記誘導部材を配置したパネル上面の脱出蝶番枠側中間位置に配置してパネルを内外方向一方に向けて脱出する衝接部材と,上位ガイドレールの切欠部における幅方向中間位置のガイドレール内に配置して上記衝接部材を内外方向一方に向けて蹴り出す蹴り出し部材を追加的に備えてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の横引きシャッターとしたものである。
【0010】
請求項4に記載の発明は,同じく上記に加えて,上記誘導部材と衝接部材の配置形態を規制するとともにシャッター本体の確実な開閉を確保し得るものとするように,これを,上記パネル上面の誘導部材を上位に,衝接部材を下位に配置し且つ上記上位ガイドレールの切欠部をその長手方向全長で上記衝接部材を脱出自在に,その長手方向における導入ガイドの吊元側位置で誘導部材を脱出自在としてなることを特徴とする請求項3に記載の横引きシャッターとしたものである。
【0011】
請求項5に記載の発明は,同じく上記に加えて,下位ガイドレールに,切欠部を配置することなく,該切欠部を上位ガイドレールのみに配置した横引きシャッターとするように,これを,上記下位のガイドレールをその長手方向全長に亘って脱出蝶番枠を脱出自在に形成してなることを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載の横引きシャッターとしたものである。
【0012】
本発明はこれらをそれぞれ発明の要旨として上記課題解決の手段としたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は以上のとおりに構成したから,請求項1に記載の発明は,戸先側先行のパネルを含めて戸先側から奇数番目のパネルを遣り過ごす一方,偶数番目のパネルを上位ガイドレールに導入するように案内することによって,奇数番目のパネルに対して偶数番目のパネルを上位ガイドレール側に押圧して,該2枚のパネルを強制拡開することによって切欠部と吊元側縦枠間でシャッター本体が突っ張り状になるのを防止することによって,可及的に簡易な構造によりシャッター本体に生じることのあるシャッター本体の突っ張り状態とこれによる閉成阻害を解消して,常にスムーズな開閉をなし得るようにした横引きシャッターを提供することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は,上記に加えて,上記偶数番目のパネルの上位ガイドレール側への押圧とこれによる2枚のパネルの強制拡開を確実に行なうとともに可及的低コストにしてトラブルを生じる可能性のない形態のものとすることができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は,同じく上記に加えて,上位ガイドレールとシャッター本体間に,開成,即ち蛇腹状の折畳みを確実に行うシャッター本体脱出用の衝接部材とその蹴り出し部材を配置し,該偶数番目のパネルを強制折曲して,偶数番目のパネルを上位ガイドレールから脱出することによって,シャッター本体の開閉を更にスムーズ且つ確実に行うものとすることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は,同じく上記に加えて,上記誘導部材と衝接部材の配置形態を規制するとともにシャッター本体の確実な開閉を確保し得るものとすることができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は,同じく上記に加えて,下位のガイドレールに,切欠部を配置することなく,該切欠部を上位のガイドレールのみに配置した横引きシャッターとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下図面の例に従って本発明を更に具体的に説明すれば,Aは横引きシャッターであり,該横引きシャッターAは,上位及び下位のガイドレール10,22に走行自在の上吊蝶番枠37と該上吊蝶番枠37間の脱出蝶番枠40とにパネル33を回動自在に連結したシャッター本体30を,その幅方向端部に配置した上位ガイドレール10の切欠部12において脱出蝶番枠を順次内外方向一方,本例にあっては室外側に脱出することによって蛇腹状折畳み自在としたものとしてある。このとき該横引きシャッターAは,戸先側から偶数番目に位置するパネル33上面の上吊蝶番枠37側中間位置に配置してパネル33の導入を誘導する誘導部材34と,上位ガイドレール10の切欠部12における幅方向中間位置に室外側に突出配置して上記誘導部材34の上位ガイドレール10への導入を案内する導入ガイド18を備えたものとしてあり,本例にあって該横引シャッターAは,上記誘導部材34を配置したパネル33上面の脱出蝶番枠40側中間位置に配置してパネル33を室外側に向けて脱出する衝接部材35と,上位ガイドレール10の切欠部12における幅方向中間位置のガイドレール10内に配置して上記衝接部材35を室外側に向けて蹴り出す蹴り出し部材19を備えたものとしてある。一方,本例にあって上記下位ガイドレール22は,これをその長手方向全長に亘って脱出蝶番枠40を脱出自在に形成したものとしてある。
【0019】
即ち本例の上位ガイドレール10は,シャッター本体30を上吊する上吊スライダー38のローラー走行用前後一対のレール11と,該前後一対のレール11下位に,該レール11幅分を狭小化したシャッター本体30の受入ガイド溝とを備えた天付用の矩形断面をなすものとしてあり,その長手方向一方又は双方の端部,本例にあっては長手方向一方の端部の室外側にシャッター本体30折畳み用の切欠部12を配置してある。該切欠部12は,例えばシャッター本体30のパネル33幅の略3枚分の長さをなすように形成してあり,このとき本例の切欠部12は,戸先側から吊元側に向けて高さを変化した第1及び第2段差部14,15を備えたものとしてあり,本例にあって該切欠部12は,上位ガイドレール10を切欠いた切欠き部位の戸先側に添設部材13を長手方向部分的に配置して切欠き高さの小さな第1段差部14としてある。該添設部材13は断面下向きC字状として上記シャッター本体30の誘導部材34をその溝ガイド内に受入れてガイドレール10,22長手方向に沿って案内するとともに該第1段差部14において上記シャッター本体30の衝接部材35を脱出可能とし,また添設部材13非配置の,即ち上位ガイドレール10を切欠いた切欠き部位による,切欠き高さの大きな第2段差部15において上記シャッター本体30の誘導部材40を脱出可能としてある。添設部材13の固定は,ネジ止めや接着,割型とした場合にはスナップイン,スライド等を用いた固定によってこれを行ったものとしてある。図中16は,該脱出蝶番枠40を脱出可能とした部位において,上位ガイドレール10を更に部分的に切欠いてシャッター本体30の吊元側の終端パネル33の上面に配置した該終端パネルの直列用係合ブロック36を受入れるようにした部分切欠部である。
【0020】
また下位ガイドレール22は,シャッター本体30の振止めを行う振止スライダー39のスラシ乃至ローラー走行用のレールを備えた内枠23と,該内枠23を着脱自在に嵌着した外枠24とを備えた床面埋込用の矩形断面のものとして,該下位ガイドレール22が床面上に大きく突出するのを防止してあり,このとき該下位ガイドレール22は,そのシャッター本体30との関係を,その下位に突出した振止スライダー39を部分的に受入れることにより,その長手方向全長でパネル33と同一高さの脱出蝶番枠40が該下位ガイドレール22上端より常に上位に位置するようにして,該脱出蝶番枠40の長手方向全長における脱出を自在としてある。
【0021】
本例のシャッター本体30は,戸先框31及び吊元框32の一対の框間に,同幅,例えば30cm乃至50cm程度の幅にして,アルミ材を框組みしてガラス,樹脂,アルミ等の面材を嵌着固定した多数のパネル33を,その各縦框に形成した軸又は軸受を,パネル33間介設の蝶番枠37,40の両側に形成した軸受又は軸と回動自在に嵌合して蝶番連結,即ちヒンジ連結して,幅方向にガイドレール10,22の全長を閉成するものとしてある。このとき上記戸先框31,吊元框32並びに該戸先框31,吊元框32間の一つ置きの蝶番枠,即ち戸先框31,吊元框32から偶数番目に位置する上吊蝶番枠37には,それぞれその上端に上吊スライダー38を,下端に振止スライダー39を設置して,これらを上吊用とする一方,戸先框31,吊元框32から奇数番目に位置する脱出蝶番枠40には,該スライダーを設置することなく,これらを脱出用としてあり,これら上吊蝶番枠37及び脱出蝶番枠40を交互に介設してパネル33をヒンジ連結することによって,シャッター本体30は,これを蛇腹状折畳み自在として,上記上位及び下位のガイドレール10,22及びこれらの長手方向端部を連結するように配置した戸先側及び吊元側の縦枠25,26によるシャッター枠に配置してある。
【0022】
シャッター本体30は,その戸先側から偶数番目のパネル33上面に,上記パネル33の導入を誘導する誘導部材34とパネル33を内外方向一方,本例にあっては室外側に向けて脱出する衝接部材35を配置し,蛇腹状折畳み状態のシャッター本体30の伸張,即ちシャッター本体30の閉成に際して,誘導部材34を導入ガイド18によって偶数番目のパネル33を上位ガイドレール10に誘導する一方,伸張状態のシャッター本体30の折畳み,即ち折畳み開成に際して衝接部材35を蹴り出し部材19によって内外方向一方,本例にあっては室外側に脱出するようにして,そのスムーズな開閉をなし得るようにしてある。
【0023】
上記誘導部材34は,これをガイドローラー乃至スラシによるものとすることができるが,本例にあって該誘導部材34は,これをガイドローラーとし,導入ガイド18は,これを該ガイドローラーの回動軌跡を先端で受止めて上位ガイドレール10側に傾斜誘導するガイド面を有する厚肉プレート乃至ブロックとする一方,衝接部材35は,硬質のブロック,例えば硬質樹脂,金属鋳物等による固定ブロックとしてある。また蹴り出し部材19は,これを,上記上吊スライダー38走行用のレール11下位に,ガイドレール10内方突出を常態とするように回動自在に配置し,上記固定ブロックの戸先側への移動に際してその押圧力を受けてケース内,即ち上位ガイドレール10外方に回動没入し,固定ブロックの吊元側への移動に際して突出状態を維持して該固定ブロックを室外側に蹴り出すようにした,同じく硬質樹脂,金属鋳物等による突没ブロックとしてある。このとき上記パネル上面の誘導部材34,本例にあってはガイドローラーを上位に,衝接部材35,本例にあっては固定ブロックを下位に配置し且つ上記上位ガイドレール10の切欠部をその長手方向全長で上記衝接部材35を脱出自在に,その長手方向における導入ガイド18の吊元側位置において誘導部材34を脱出自在としたものとしてある。
【0024】
即ち誘導部材34のガイドローラーは,上記戸先側から偶数番目に位置するパネル33の上面,特に戸先側近傍位置に,該上面から正面側に突出するように配置するとともに衝接部材35の固定ブロックは,該ガイドローラーを配置したパネル33の上面,特に吊元側近傍位置に,該上面から背面側に,その外周端部を部分的に突出するように配置してある。該ガイドローラーは,これを,上記上位ガイドレール10の第1段差部14の溝ガイドに係合し,第2段差部15において脱出し得る高さに上方突出して,該溝ガイドによる走行案内を行うようにする一方,固定ブロックを該第1段差部14より下位にして,該第1段差部14において常時脱出し得る低高さに上方突出してあり,これらガイドローラー及び固定ブロックは,例えばパネル33上面にネジ止め等の固定手段によって長手方向一対の固定片を固定した台座上にそれぞれ高さを異ならしめるように,ガイドローラーを上記正面側に突出して回転自在に軸支し,固定ブロックを上記背面側に突出しそれぞれ固定してある。
【0025】
上位ガイドレール10,特にその切欠部12には導入ガイド18の厚肉プレート乃至ブロック,本例にあっては厚肉プレート及び蹴り出し部材19の突没ブロックを配置してある。本例の厚肉プレートは,その上記ガイドローラーを傾斜誘導するガイド面を,室外側から上位ガイドレール10に向けて,該ガイドレール10と,例えば30〜40度,本例にあっては35度の鋭角をなすように傾斜配置し,例えばガイドローラーの受止めを安定且つ確実とするために,必要に応じて該傾斜面を折曲片によって形成した平面台形をなすものとし,その室外側端部を,上位ガイドレール10の切欠部12における上記添設部材13の吊元側に連なるように上位ガイドレール10の切欠部12下面に同じくネジ止め等の固定手段によって固定してある。
【0026】
また蹴り出し部材19の突没ブロックは,例えば直交する2辺の壁板部に天板部及び底板部を配置することによって他の1辺,即ち斜辺を開放した,斜辺開放ボックス状の,例えば平面三角形のブロックケース20を用いて,該ブロックケース20に軸支し,その開放した斜辺から上位ガイドレール10内方に突出して首振り状に回動自在とするとともに該上位ガイドレール10内方への首振り突出を常態するように突出方向に付勢したものとしてある。上記ブロックケース20は,これを,上記開放した斜辺を戸先側に向けて,突没ブロックが戸先側への押圧力を受けたときに没入し,吊元側への押圧力を受けたときに突出状態を維持して,その蹴り出し機能を発揮するように上位ガイドレール10に固定してあり,該固定は,上記切欠部12における導入ガイド18近傍位置にしてその背面側に位置する垂下片に,上位ガイドレール10内に先端を突出するように,ブロックケース20を同じくネジ止め等の固定手段を用いて行ってある。
【0027】
切欠部12,その第1段差部14,第2段差部15の長さ,導入ガイド18及び蹴り出し部材19の配置位置は,パネル33の幅,その合計枚数等によって可変であり,例えば図示した例は,パネル33の幅を30cm,枚数を6枚としたときの切欠部12の長さ及び導入ガイド18等の位置関係を示したものであり,このとき導入ガイド18と蹴り出し部材19は,上位ガイドレール10の正面側の導入ガイド18に対してこれと重なる位置に蹴り出し部材19を配置してあるが,例えばパネル33の幅を50cmとしたとき,蹴り出し部材19は,導入ガイド18から更に戸先側に変位した位置に配置するものとしてある。即ち導入ガイド18と蹴り出し部材19の距離は,これをシャッター本体30の折畳み開成に際して,偶数番目のパネル33の誘導部材34,即ちガイドローラーが導入ガイド18を通過したときに,衝接部材35,即ち固定ブロックが蹴り出し部材19に衝接して,該固定ブロックを室外側に向けて蹴り出すように,該偶数番目の誘導部材34と衝接部材35の距離と一致するように配置するものとしてあり,これによって,シャッター本体30の折畳みをスムーズ且つ確実に行うようにしてある。
【0028】
図中17は上位ガイドレール10の部分切欠部16に設置して上記終端パネル33の直列用係合ブロック36を受止めする固定ブロック,21は伸張したシャッター本体30を折畳み開成するに際して,吊元側の終端パネル33を上位ガイドレール10から脱出する終端パネル用の蹴り出し部材を示す。
【0029】
以上のように構成した本例の横引きシャッターAにあって,シャッター本体30は,その伸張閉成に際して,戸先框31に隣接した最先パネル33を含めて戸先側から奇数番目のパネル33が導入ガイド18の下をくぐり抜ける一方,導入部材34が導入ガイド18に当って該導入ガイド18が導入部材34を案内して,偶数番目のパネル33を誘導して,奇数番目のパネル33に対して該偶数番目のパネル33を強制拡開し,これを上位ガイドレール11内に導入する結果,シャッター本体30に生じることのあるその突っ張り状態とこれによる伸張閉成の阻害を解消して,該伸張閉成を常にスムーズに行うものとすることができ,本例にあっては導入部材34をガイドローラーとしたことによって,導入ガイド34の案内を更に確実になし得るものとすることができる。
【0030】
またシャッター本体30の折畳み開成に際して,衝接部材35が蹴り出し部材19に当って蹴り出されて,偶数番目のパネル33を室外側に蹴り出すために,該偶数番目のパネル33を強制折曲し,これを上位ガイドレール10から脱出する結果,その蛇腹状折畳みの開成をスムーズ且つ確実に行うものとすることができる。本例にあっては蹴り出し部材19は,これを上位ガイドレール10に戸先側に向けて回動自在の突没ブロックとしたから,シャッター本体30の折畳み開成に際して偶数番目のパネル33の脱出を行う一方で,シャッター本体30の伸張閉成に際して,該突没ブロックが回動して偶数番目のパネル33の進行を妨げて,その伸張閉成を阻害することがなく,簡単な構造で伸張閉成と折畳み開成の双方に対応する蹴り出し部材19とすることができる。
【0031】
図示した例は以上のとおりとしたが,本発明の実施に当って,ガイドレール,切欠部,誘導部材,導入ガイド,必要に応じて用いるガイドローラー,厚肉プレート乃至ブロック,衝接部材,蹴り出し部材等の各具体的形状,構造,材質,これらの関係,これらに対する付加等は,上記発明の要旨に反しない限り,様々な形態のものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】横引きシャッターの正面図である。
【図2】横引きシャッターの横断面図である。
【図3】横引きシャッターの縦断面図である。
【図4】シャッター本体の折畳み開成状態を示す横断面図である。
【図5】シャッター本体開閉の中間状態を示す横断面図である。
【図6】上位ガイドレールとシャッター本体上部の縦断面図である。
【図7】上位ガイドレールと誘導部材の関係を示す平面図である。
【図8】衝接部材と蹴り出し部材の関係を示す縦断面図である。
【図9】衝接部材と蹴り出し部材の関係を示す平面図である。
【図10】脱出蝶番枠と上位ガイドレールの関係を示す縦断面図である。
【図11】終端パネルと上位ガイドレールの関係を示す縦断面図である。
【図12】終端パネルと上位ガイドレールの関係を示す平面図である。
【符号の説明】
【0033】
A 横引きシャッター
10 上位ガイドレール
11 レール
12 切欠部
13 添設部材
14 第1段差部
15 第2段差部
16 部分切欠部
17 固定ブロック
18 導入ガイド
19 蹴り出し部材
20 ブロックケース
21 終端パネル用蹴り出し部材
22 下位ガイドレール
23 内枠
24 外枠
25 戸先側縦枠
26 吊元側縦枠
30 シャッター本体
31 戸先框
32 吊元框
33 パネル
34 誘導部材
35 衝接部材
36 直列用係合ブロック
37 上吊蝶番枠
38 上吊スライダー
39 振止スライダー
40 脱出蝶番枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上位及び下位のガイドレールに走行自在の上吊蝶番枠と該上吊蝶番枠間の脱出蝶番枠とにパネルを回動自在に連結したシャッター本体を,その幅方向端部に配置した上位ガイドレールの切欠部において脱出蝶番枠を順次内外方向一方に脱出することによって蛇腹状折畳み自在とした横引シャッターであって,戸先側から偶数番目に位置するパネル上面の上吊蝶番枠側中間位置に配置してパネルの導入を誘導する誘導部材と,上位ガイドレールの切欠部における幅方向中間位置に内外方向一方に突出配置して上記誘導部材の上位ガイドレールへの導入を案内する導入ガイドを備えてなることを特徴とする横引シャッター。
【請求項2】
上記誘導部材をガイドローラーとし,導入ガイドを該ガイドローラーの回動軌跡を先端で受止めて傾斜誘導するガイド面を有する厚肉プレート乃至ブロックとしてなることを特徴とする請求項1に記載の横引きシャッター。
【請求項3】
上記誘導部材を配置したパネル上面の脱出蝶番枠側中間位置に配置してパネルを内外方向一方に向けて脱出する衝接部材と,上位ガイドレールの切欠部における幅方向中間位置のガイドレール内に配置して上記衝接部材を内外方向一方に向けて蹴り出す蹴り出し部材を追加的に備えてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の横引きシャッター。
【請求項4】
上記パネル上面の誘導部材を上位に,衝接部材を下位に配置し且つ上記上位ガイドレールの切欠部をその長手方向全長で上記衝接部材を脱出自在に,その長手方向における導入ガイドの吊元側位置で誘導部材を脱出自在としてなることを特徴とする請求項3に記載の横引きシャッター。
【請求項5】
上記下位のガイドレールをその長手方向全長に亘って脱出蝶番枠を脱出自在に形成してなることを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載の横引きシャッター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−52208(P2009−52208A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−217449(P2007−217449)
【出願日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(000107882)スワン商事株式会社 (6)
【Fターム(参考)】