説明

樹脂ホース補強用繊維及びそれを用いてなる樹脂ホース

【課題】樹脂ホースとした場合に品位に優れ、耐熱性や耐久性に優れる樹脂ホース補強用繊維、およびそれを用いた樹脂ホースを提供すること。
【解決手段】主たる繰り返し単位がエチレンナフタレートで有り、強度が6〜10cN/dtexかつ融点が275〜315℃である樹脂ホース補強用ポリエチレンナフタレート繊維。さらには、100℃におけるモジュラスE’(100℃)と20℃におけるモジュラスE’(20℃)の比E’(100℃)/E’(20℃)が0.6以上であることや、180℃、1000時間処理後の強力維持率が70%以上であることが好ましい。また、リン原子をエチレンナフタレート単位に対して0.1〜300mmol%含有するものであることや、該繊維が、金属元素を含むものであり、該金属元素が周期律表における第4〜5周期かつ3〜12族の金属元素およびMgの群より選ばれる少なくとも1種以上の金属元素であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は樹脂ホース補強用繊維に関し、さらに詳しくは耐熱性及び耐久性に優れるポリエチレンナフタレートからなる繊維及びそれを用いてなる樹脂ホースに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエチレンテレフタレートで代表されるポリエステルからなる繊維は機械的性質、熱的安定性、寸法安定性、耐久性、経済性に優れる物性を有するため産業用途に幅広く利用されている。このポリエステル繊維を生かす用途の1つとして樹脂ホース用の補強用繊維がある。樹脂ホースの内部に補強用繊維を入れ込むことにより、樹脂層の厚みや材質を変更することなく、機械的強度や耐熱性を向上させるのである。
【0003】
ところでこのような繊維によって補強された樹脂ホースは通常、補強繊維を中心に内外2層構造を構成している。その製造方法は、まず溶融した樹脂を中空形態で吐出し、形状維持のため冷却固化して内層部を形成する。次にその内層部表面に補強用繊維を巻き付けた後、その表面をさらに溶融した樹脂で被覆し、外層部樹脂層とするのである。この溶融した樹脂で被覆する工程では、内層樹脂の表面に巻き付けた補強用繊維が通常約200℃前後に熱せられた高温の外層樹脂にさらされることになる。このとき、繊維の熱収縮率や熱収縮応力に少しでもバラツキが発生すると、締め付け力のバラツキからホースに歪が発生する。結果的には、ホースの耐圧性が低下したり、高熱により補強繊維が劣化するためホース自身の耐熱性が低下するという課題があった。
【0004】
そこでこれらの課題の対策として、たとえば特許文献1のようにポリエステル繊維の熱応力の温度や応力ピークを規定したり、また特許文献2のように固有粘度(IV)、熱収縮率や熱収縮応力を規定することで、ホースの品位や耐圧性を改善する案が提案されている。しかしまだ繊維の物性が低く、補強繊維の熱劣化に対しては十分に解決策が示されているとはいえなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−171822号公報
【特許文献2】特開2000−239920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、樹脂ホースとした場合に品位に優れ、耐熱性や耐久性に優れる樹脂ホース補強用繊維、およびそれを用いた樹脂ホースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の樹脂ホース補強用ポリエチレンナフタレート繊維は、主たる繰り返し単位がエチレンナフタレートで有り、強度が6〜10cN/dtexかつ融点が275〜315℃であることを特徴とする。
さらには、100℃におけるモジュラスE’(100℃)と20℃におけるモジュラスE’(20℃)の比E’(100℃)/E’(20℃)が0.6以上であることや、180℃、1000時間処理後の強力維持率が70%以上であることが好ましい。
【0008】
また、リン原子をエチレンナフタレート単位に対して0.1〜300mmol%含有するものであることや、該繊維が、金属元素を含むものであり、該金属元素が周期律表における第4〜5周期かつ3〜12族の金属元素およびMgの群より選ばれる少なくとも1種以上の金属元素であることが好ましい。
またもう一つの本発明の樹脂ホースは、上記いずれかに記載の樹脂ホース補強用ポリエチレンナフタレート繊維を用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、樹脂ホースとした場合に品位に優れ、耐熱性や耐久性に優れる樹脂ホース補強用繊維、およびそれを用いた樹脂ホースを提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の樹脂ホース補強用ポリエチレンナフタレート繊維は、主たる繰り返し単位がエチレンナフタレートで有り、強度が6〜10cN/dtexかつ融点が275〜315℃であるものである。
【0011】
ここで本発明のポリエチレンナフタレート繊維は、主たる繰返し単位がエチレンナフタレートであるポリマーであり、好ましくはエチレン−2,6−ナフタレート単位を80%以上、特には90%以上含むポリエチレンナフタレートであることが好ましい。他に少量であれば、適当な第3成分を含む共重合体であっても差し支えない。
【0012】
一般にこのようなポリエチレンナフタレート繊維は、ポリエチレンナフタレートの重合体を、溶融紡糸することにより繊維化される。そしてポリエチレンナフタレートの重合体は、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸またはその機能的誘導体を触媒の存在下で、適当な反応条件の下に重合することができる。また、ポリエチレンナフタレートの重合完結前に、適当な1種または2種以上の第3成分を添加すれば、共重合ポリエチレンナフタレートが合成される。
【0013】
また、前記ポリエチレンナフタレート中には、各種の添加剤、たとえば二酸化チタンなどの艶消剤、熱安定剤、消泡剤、整色剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、蛍光増白剤、可塑剤、耐衝撃剤の添加剤、または補強剤としてモンモリナイト、ベントナイト、ヘクトライト、板状酸化鉄、板状炭酸カルシウム、板状ベーマイト、あるいはカーボンナノチューブなどの添加剤が含まれていてもよい。
【0014】
また本発明で用いられるポリエチレンナフタレート繊維は、リン原子をエチレンナフタレート単位に対して0.1〜300mmol%含有するものであることが好ましい。リン化合物により結晶性をコントロールすることが容易になるからである。逆に多すぎる場合には紡糸時の異物欠点が発生するために製糸性が低下し、併せて物性が低下する傾向にある。さらにはリン化合物の含有量が10〜200mmol%の範囲であることが好ましい。
【0015】
また、通常ポリエチレンナフタレート繊維は触媒としての金属元素を含むものであるが、この繊維に含まれる金属元素が周期律表における第4〜5周期かつ3〜12族の金属元素およびMgの群より選ばれる少なくとも1種以上の金属元素であることが好ましい。さらには二価の金属であることが好ましい。特には繊維に含まれる金属元素が、Zn、Mn、Co、Mgの群から選ばれる少なくとも1種以上の金属元素であることが好ましい。理由は定かではないが、これらの金属元素をリン化合物と併用した場合に特に結晶体積のばらつきが少ない均一な結晶が得られやすくなる。
【0016】
このような金属元素の含有量としては、エチレンナフタレート単位に対して10〜1000mmol%含有するものであることが好ましい。そして前述のリン元素Pと金属元素Mの存在比であるP/M比としては0.8〜2.0の範囲であることが好ましい。P/M比が小さすぎる場合には、金属濃度が過剰となり、過剰金属成分がポリマーの熱分解を促進し、熱安定性を損なう傾向にある。逆にP/M比が大きすぎる場合には、リン化合物が過剰のため、ポリエチレンナフタレートポリマーの重合反応を阻害し、繊維物性が低下する傾向にある。さらに好ましいP/M比としては0.9〜1.8であることが好ましい。
【0017】
そして本発明の樹脂ホース補強用ポリエチレンナフタレート繊維は、上記のようなポリエチレンナフタレートからなる繊維であり、強度が6〜10cN/dtexかつ融点が275〜315℃であることを必須とする繊維である。さらには強度としては、一般には高強度であるほど好ましいが、強度が低すぎる場合には、樹脂ホースとした場合の耐久性が低下する。また樹脂ホースとしては所定強度を得る必要があり、そのために使用する繊維量が多くなるとコストアップとなるばかりでなく、樹脂ホースの重量が増す傾向に有る。逆に強度が高すぎる場合には、繊維生産工程での歩留まりの低下や、単糸切れによる品位の低下が発生する傾向にあり好ましくない。強度としては7〜9cN/dtexであることがより好ましい。
【0018】
融点は、樹脂ホースの耐熱性に直接影響を与えるため、一般には高融点であるほど好ましい。そして通常のホース用樹脂の加工温度が200℃前後であることから、樹脂ホース補強用繊維としては、加工時の熱劣化による強度低下を抑えるため、融点としては275℃以上であること必要である。一方、融点は高ければ高いほど熱安定性は向上するが、融点が高すぎる場合、溶融紡糸が困難となり生産性が低下する。本発明の樹脂ホース補強用ポリエチレンナフタレート繊維の融点としては275℃〜315℃であることが必要である。さらには280℃以上、特には290℃以上であることが好ましい。
【0019】
また、本発明の樹脂ホース補強用ポリエチレンナフタレート繊維としては、100℃におけるモジュラスE’(100℃)と20℃におけるモジュラスE’(20℃)の比E’(100℃)/E’(20℃)が0.6以上であることが好ましい。さらには0.65〜0.9の範囲であることが好ましい。
【0020】
通常、樹脂ホースの使用は常温の水を流す場合ばかりでなく、高温の水が流される場合が多い。特に、夏場や高温の工場内における機械の冷却水用のホースでは、50〜80℃の高温の水と、常温の水が頻繁に繰り返し使用される場合がある。このような場合、温度差によりホースが繰り返し変形を受けるため、樹脂ホースと補強用繊維との接着面が剥離し、ホース寿命が著しく低下することになる。そこで本発明では、補強用繊維の高温時のモジュラスと低温時のモジュラスの比を低く抑えることにより、より耐疲労性を向上させることができるようになったのである。本発明の樹脂ホース補強用ポリエチレンナフタレート繊維の高温(100℃)と低温(20℃)のモジュラス比E‘(100℃)/E’(20℃)としては、0.6以上であることが好ましい。また、このように高温でのモジュラスを高くすることにより、高温での補強効果をより高いレベルに保持することが可能となる。ただしモジュラス比は高い方がよいが、高温化によるモジュラスの低下は高分子では避けることはできないため、0.9程度が上限となる。
【0021】
また樹脂ホース補強用のポリエチレンナフタレート繊維としては、固有粘度は0.65〜1.00の範囲であることが好ましい。固有粘度が小さい場合には疲労性や耐久性が劣る傾向があり、高すぎる場合は溶融工程でのポリマー発熱が大きくなり安定した生産が難しくなる。また180℃での乾熱収縮率は0.4〜7.0%が好ましい。さらには1.0〜3.5%であることが好ましい。乾熱収縮率が大きすぎると繊維・樹脂複合体での成形性が悪化するため、取り扱いが困難となり樹脂ホースに歪みが発生しやすくなるため樹脂ホースとしての品位が低下する恐れがある。
【0022】
ポリエチレンナフタレート繊維の単糸繊度には特に限定は無いが、製糸性の観点から0.1〜100dtex/フィラメントであることが好ましい。特に補強用の繊維としては、強力、耐熱性や接着性の観点から、1〜20dtex/フィラメントである、マルチフィラメントであることが好ましい。
【0023】
さらに本発明の樹脂ホース補強用ポリエチレンナフタレート繊維としては、マルチフィラメントからなるコードの形態とすることが好ましい。さらには撚りを掛けることが望ましく、マルチフィラメントに撚りをかけることで強力利用率が平均化し、疲労性は向上する。撚り数としては50〜1000回/mの範囲が好ましく、下撚りと上撚りを行い合糸したコードであることが好ましい。マルチフィラメント糸条を構成する場合の総繊度としては、250〜10000dtexの範囲であることが好ましく、特には500〜4000dtexであることが好ましい。合糸する前の糸条を構成するフィラメント数としては50〜3000フィラメントであることが好ましい。このようなマルチフィラメントとすることにより耐疲労性や柔軟性がより向上する。繊度が小さすぎる場合には強度が不足する傾向にある。逆に繊度が大きすぎる場合には太くなりすぎて柔軟性が得られない問題や、紡糸時に単糸間の膠着が起こりやすく安定した繊維の製造が困難となる傾向にある。
【0024】
また、本発明の樹脂ホース補強用ポリエチレンナフタレート繊維の表面には従来公知の接着剤を塗布することも好ましい。さらに本発明の樹脂ホース補強用ポリエチレンナフタレート繊維は、樹脂ホースとした後に、180℃、1000時間処理後の強力維持率が70%以上であることが好ましい。
【0025】
このような物性を有する本発明の樹脂ホース補強用ポリエチレンナフタレート繊維は、例えば以下の製造方法により得ることが可能である。すなわち、主たる繰り返し単位がエチレンナフタレートであるポリマーを溶融し、紡糸口金から吐出するポリエチレンナフタレート繊維の製造方法であって、溶融時のポリマー中に下記一般式(1)であらわされる少なくとも1種類のリン化合物添加した後に紡糸口金から吐出し、紡糸口金から吐出後の紡糸ドラフト比が100〜5000であり、紡糸口金から吐出直後に溶融ポリマー温度のプラスマイナス50℃以内の温度の保温紡糸筒を通過し、かつ延伸する製造方法により得ることできる。
【0026】
【化1】

[上の式中、Arは炭素数6〜20個の炭化水素基であるアリール基であり、Rは水素原子又は炭素数の1〜20個の炭化水素基であるアルキル基、アリール基又はベンジル基、Xは、水素原子または−OH基である。]
【0027】
製造に用いられる主たる繰返し単位がエチレンナフタレートであるポリマーは、従来公知のポリエチレンナフタレートの製造方法に従って製造することができる。すなわち、酸成分として、ナフタレン−2,6―ジメチルカルボキシレート(NDC)に代表される2,6−ナフタレンジカルボン酸のジアルキルエステルとグリコール成分であるエチレングリコールとでエステル交換反応させた後、この反応の生成物を減圧下で加熱して、余剰のジオール成分を除去しつつ重縮合させることによって製造することができる。あるいは、酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸とジオール成分であるエチレングリコールとでエステル化させることにより、従来公知の直接重合法により製造することもできる。
【0028】
エステル交換反応を利用した方法の場合に用いるエステル交換触媒としては、特に限定されるものではないが、ポリエチレンナフタレートの溶融安定性、色相、ポリマー不溶異物の少なさ、紡糸の安定性の観点から、マンガン、マグネシウム、亜鉛化合物が好ましい。また重合触媒も、特に限定されるものではないが、ポリエチレンナフタレートの重合活性、固相重合活性、溶融安定性、色相に優れ、かつ得られる繊維が高強度で、優れた製糸性、延伸性を有する点で、アンチモン化合物が特に好ましい。
【0029】
溶融時のポリマー中に含まれるリン化合物である一般式(1)の好ましい化合物としては、例えばフェニルホスホン酸やフェニルホスフィン酸を挙げることができる。
さらに一般式(1)中で用いられているRの炭化水素基としては、アルキル基、アリール基、ベンジル基であるが、それらは未置換のもしくは置換されたものであっても良い。このときRの置換基としては立体構造を阻害しないのであることが好ましく、例えば、ヒドロキシル基、エステル基、アルコキシ基等で置換されているものが好ましい。また上記(1)のArで示されるアリール基は、例えば、アルキル基、アリール基、ベンジル基、アルキレン基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子で置換されていても良い。
【0030】
中でも結晶性を向上させるためにはこのリン化合物としては、下記一般式(2)で表されたフェニルホスホン酸およびその誘導体であることが好ましい。
【化2】

[上の式中、Arは炭素数6〜20個の炭化水素基であるアリール基であり、Rは水素原子又は未置換もしくは置換された1〜20個の炭素元素を有する炭化水素基である。]
【0031】
本発明で用いられるポリエチレンナフタレート繊維では、これら特有のリン化合物を溶融ポリマー中に直接添加することにより、ポリエチレンナフタレートの結晶性が向上し、その後の製造条件の下で結晶化度を高く保ちながら、結晶体積の大きいポリエチレンナフタレート繊維を得ることができたのである。これはこの特有のリン化合物が、紡糸及び延伸工程で生じる粗大な結晶成長を抑制し結晶を微分散化させる効果であると考えられる。また従来ポリエチレンナフタレート繊維を高速紡糸することは非常に困難であったが、これらのリン化合物が添加されることにより、紡糸安定性が飛躍的に向上し、かつ断糸が起きない点から実用的な延伸倍率を高めることによって繊維を高強度化することができるようになった。
【0032】
また安定生産のためには、式(1)を例に説明すると、Xが水素原子または水酸基であるため、工程中の真空下では飛散しにくい効果がある。また、高い結晶性向上の効果を示すためには、Arのアリール基が、さらにはベンジル基やフェニル基であることが好ましく、本発明の製造方法では、リン化合物がフェニルホスフィン酸またはフェニルホスホン酸であることが特に好ましい。中でもフェニルホスホン酸およびその誘導体であることが最適であり、作業性の面からもフェニルホスホン酸が最も好ましい。フェニルホスホン酸は水酸基を有するため、そうでは無いフェニルホスホン酸ジメチルなどのアルキルエステルに比べて沸点が高く、真空下で飛散しにくいというメリットもある。つまり、添加したリン化合物のうちポリエチレンナフタレート中に残存する量が増え、添加量対比の効果が高くなる。また真空系の閉塞が発生しにくい点からも有利である。
【0033】
このような製造方法にて本発明で用いられるポリエチレンナフタレート繊維は得られるが、ポリエチレンナフタレート繊維に対するリン化合物の添加量としては、ポリエチレンナフタレートを構成するジカルボン酸成分のモル数に対して0.1〜300ミリモル%であることが好適である。リン化合物の量が不十分であると結晶性向上効果が不十分になる傾向にあり、多すぎる場合には紡糸時の異物欠点が発生するために製糸性が低下する傾向にある。リン化合物の含有量はポリエチレンナフタレートを構成するジカルボン酸成分のモル数に対して1〜100ミリモル%の範囲がより好ましく、10〜80ミリモル%の範囲がさらに好ましい。
【0034】
また、このようなリン化合物と共に、金属元素が添加されていることが好ましく、さらには二価金属であることが好ましい。また周期律表における第4〜5周期かつ3〜12族の金属元素およびMgの群より選ばれる少なくとも1種以上の金属元素が溶融ポリマー中に添加されていることが好ましい。特には繊維に含まれる金属元素が、Zn、Mn、Co、Mgの群から選ばれる少なくとも1種以上の金属元素であることが好ましい。理由は定かではないが、これらの金属元素を上記リン化合物と併用した場合に特に結晶体積のばらつきが少ない均一な結晶が得られやすくなる。これらの金属元素は、エステル交換触媒や重合触媒として添加しても良いし、別途添加することも可能である。
【0035】
このような金属元素の含有量としては、エチレンナフタレート単位に対して10〜1000mmol%含有するものであることが好ましい。そして前述のリン元素Pと金属元素Mの存在比であるP/M比としては0.8〜2.0の範囲であることが好ましい。P/M比が小さすぎる場合には、金属濃度が過剰となり、過剰金属成分がポリマーの熱分解を促進し、熱安定性を損なう傾向にある。逆にP/M比が大きすぎる場合には、リン化合物が過剰のため、ポリエチレンナフタレートポリマーの重合反応を阻害し、繊維物性が低下する傾向にある。さらに好ましいP/M比としては0.9〜1.8であることが好ましい。
【0036】
リン化合物の添加時期は、特に限定される物ではなく、ポリエチレンナフタレート製造の任意の工程において添加することができる。好ましくは、エステル交換反応又はエステル化反応の開始当初から重合終了する間である。さらに均一な結晶を形成させるためにはエステル交換反応又はエステル化反応の終了した時点から重合反応の終了時点の間であることがより好ましい。
【0037】
また、ポリエチレンナフタレートの重合後に、混練機を用いて、リン化合物を練り込む方法を採用することもできる。混練する方法は特に限定されるものではないが、通常の一軸、二軸混練機を使用することが好ましい。さらに好ましくは、得られるポリエチレンナフタレート組成物の重合度の低下を抑制するために、ベント式の一軸、二軸混練機を使用する方法を例示できる。
【0038】
この混練時の条件は特に限定されるものではないが、例えばポリエチレンナフタレートの融点以上、滞留時間は1時間以内、好ましくは1分〜30分である。また、混練機へのリン化合物、ポリエチレンナフタレートの供給方法は特に限定されるものではない。例えばリン化合物、ポリエチレンナフタレートを別々に混練機に供給する方法、高濃度のリン化合物を含有するマスターチップとポリエチレンナフタレートを適宜混合して供給する方法などを挙げることができる。ただし溶融ポリマー中に本発明で用いられる特有のリン化合物を添加する際には、他の化合物とあらかじめ反応させることなく、直接ポリエチレンナフタレートポリマーに添加することが好ましい。リン化合物を他の化合物、例えばチタン化合物とあらかじめ反応させてできた反応生成物が粗大粒子となり、ポリエチレンナフタレートポリマー中で構造欠陥や結晶の乱れを誘起することを防ぐためである。
【0039】
繊維の製造に用いられるポリエチレンナフタレートのポリマーは、樹脂チップの極限粘度として、公知の溶融重合や固相重合を行うことにより0.65〜1.2の範囲にすることが好ましい。樹脂チップの極限粘度が低すぎる場合には溶融紡糸後の繊維を高強度化させることが困難となる。また極限粘度が高すぎると固相重合時間が大幅に増加し、生産効率が低下するため工業的観点から好ましくない。極限粘度としては、さらには0.7〜1.0の範囲であることが好ましい。
【0040】
本発明の強度が6〜10cN/dtexかつ融点が275〜315℃である樹脂ホース補強用ポリエチレンナフタレート繊維は、上記のようなポリエチレンナフタレートポリマーを溶融し、紡糸口金から吐出後の紡糸ドラフト比が100〜5000であり、紡糸口金から吐出直後に溶融ポリマー温度のプラスマイナス50℃以内の範囲内に設定された保温紡糸筒を通過し、かつ延伸することなどによって得ることができる。
【0041】
さらには溶融時のポリエチレンナフタレートポリマーの温度としては285〜335℃であることが好ましい。特には290〜330℃の範囲であることが好ましい。ここで紡糸口金としてはキャピラリーを具備したものを用いることが一般的である。そして紡糸ドラフトとしては100〜5000で行うことが、さらには500〜3000のドラフト条件であることが好ましい。
【0042】
ここで紡糸ドラフトとは、紡糸巻取速度(紡糸速度)と紡糸吐出線速度の比として定義され、下記の(数式1)で表されるものである。
紡糸ドラフト=πDV/4W (数式1)
(式中、Dは口金の孔径、Vは紡糸引取速度、Wは単孔あたりの体積吐出量を示す)
【0043】
紡糸ドラフト比を大きくすることによって、ポリマー中の結晶体積や結晶化度を上げることができる。このような高紡糸ドラフトとするためには、紡糸速度が高いことが好ましく、1500〜6000m/分、さらには2000〜5000m/分であることが好ましい。
【0044】
さらにこのようなポリエチレンナフタレート繊維を得るためには、紡糸口金から吐出直後に溶融ポリマー温度のプラスマイナス50℃以内の範囲内に設定された保温紡糸筒を通過することが好ましい。さらには保温紡糸筒の設定温度は溶融ポリマー温度以下であることが好ましい。また、保温紡糸筒の長さとしては10〜300mmであることが好ましく、さらには30〜150mmであることが好ましい。保温紡糸筒の通過時間としては、0.2秒以上であることが好ましい。
【0045】
通常ポリエチレンナフタレート繊維の製造方法においては、上記のように高ドラフト条件を採用した場合、溶融ポリマー温度よりも数十度高い加熱紡糸筒を使用している。剛直なポリマーであるポリエチレンナフタレートポリマーは、紡糸口金から吐出された直後にすぐに配向しやすく、単糸切れを発生しやすいため、加熱紡糸筒をもちいて遅延冷却させる必要があったからである。そして紡糸筒温度が溶融ポリマー温度付近の場合には、吐出するポリマーの速度が速いために、遅延冷却状態とならないからである。
【0046】
しかし本発明で用いられるポリエチレンナフタレート繊維では、上記のような特定のリン化合物を用いて微小結晶を形成させることにより、同じ配向度であっても均一な構造とすることが可能となった。そして均一構造であるがゆえに加熱紡糸筒を用いなくても単糸切れが発生せず、高い製糸性を確保することが可能となったのである。そして、このような低温の保温紡糸筒を用いることによりポリエチレンナフタレート繊維の結晶体積をより有効に大きくすることができるようになった。高温の紡糸筒ではポリマー中の分子運動が激しく、大きな結晶の生成が阻害されるためである。そして大きな結晶体積を有することにより、得られる繊維の強度や融点をより有効に高めることができるようになったのである。
【0047】
保温紡糸筒を通過した紡出糸条は、次いで30℃以下の冷風を吹き付けて冷却することが好ましい。さらには25℃以下の冷風であることが好ましい。冷却風の吹出量としては2〜10Nm/分、吹出長さとしては100〜500mm程度であることが好ましい。次いで、冷却された糸状については、油剤を付与することが好ましい。
【0048】
次に延伸を行うが、紡糸工程で均一な結晶を有する繊維が得られているために、断糸が有効に防止される。延伸は、引取りローラーから一旦巻取って、いわゆる別延伸法で延伸してもよく、あるいは引取りローラーから連続的に延伸工程に未延伸糸を供給する、いわゆる直接延伸法で延伸しても構わない。また延伸条件としては1段ないし多段延伸であり、延伸負荷率としては60〜95%であることが好ましい。延伸負荷率とは繊維が実際に断糸する張力に対する、延伸を行う際の張力の比である。延伸倍率や延伸負荷率を上げることによって、結晶体積や結晶化度を有効に大きくすることができる。
【0049】
延伸時の予熱温度としては、ポリエチレンナフタレート未延伸糸のガラス転移点以上、結晶化開始温度の20℃以上低い温度以下で行うことが好ましく、120〜160℃が好適である。延伸倍率は紡糸速度に依存するが、破断延伸倍率に対し延伸負荷率60〜95%となる延伸倍率で延伸を行うことが好ましい。また、繊維の強度を維持し寸法安定性を向上させるためにも、延伸工程で170℃から繊維の融点以下の温度で熱セットを行うことが好ましい。さらには延神時の熱セット温度が170〜270℃の範囲であることが好ましい。このような高温での熱セットにより、有効に延伸倍率を上げることができ結晶体積を大きくし、物性を向上させることができるようになる。
【0050】
上記の製造方法では、特定のリン化合物を用いることによって、高ドラフト率かつ保温紡糸筒による冷却条件を採用することができ、高い製糸性の製造方法でありながら、高い強度と融点を有する本発明の繊維を得ることができたのである。ちなみに上記の特定のリン化合物を用いない場合には、紡糸するためにドラフト率を下げるか、加熱紡糸筒を用いて遅延冷却させる必要があり、本発明で必要とされる高強度、高融点の繊維を得ることはできないのである。
【0051】
このような製造方法にて得られた本発明の樹脂ホース補強用ポリエチレンナフタレート繊維を用いた樹脂ホースは、繊維・樹脂複合体とすることにより本発明のポリエチレンナフタレート繊維の特性が最も発揮できる。この繊維と樹脂弾性体との複合体は、補強に用いられたポリエチレンナフタレート繊維の物性が耐熱性や機械強力に優れているため、複合体としても耐久性に非常に優れたものとなるのである。
【実施例】
【0052】
本発明をさらに下記実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例により限定されるものではない。また各種特性は下記の方法により測定した。
【0053】
(1)極限粘度IVf
チップまたは繊維をフェノールとオルトジクロロベンゼンとの混合溶媒(容量比6:4)に溶解し、35℃でオストワルド型粘度計を用いて測定して求めた。
【0054】
(2)強度、伸度
JIS L1013に準拠して測定した。
【0055】
(3)乾熱収縮率(乾収)
JIS L1013 B法(フィラメント収縮率)に準拠し、180℃で30分間の収縮率とした。
【0056】
(4)モジュラスE’比(E’(100℃)/E’(20℃))
オリエンテック社製 RHEOVIBRON DDV−25FPを用いて、糸長3cmの試料を、初荷重0.4g/de、振幅0.04g/de、周波数10Hzの条件で、10〜270℃の温度範囲について5℃/分の昇温速度で貯蔵弾性率E’を測定した。
100℃における貯蔵弾性率E’(100℃)を20℃における貯蔵弾性率E’(20℃)の比を「E’(100℃)/E’(20℃)」とした。
【0057】
(5)融点Tm
TAインスツルメンツ社製Q10型示差走査熱量計を用い、試料量10mgの繊維を窒素気流下、20℃/分の昇温条件で320℃まで加熱して現れた吸熱ピークの温度を融点Tmとした。
【0058】
(6)樹脂ホースの均一性
樹脂ホース製品の概観を目視にて評価し、歪み、引きつれ等の変形が無いかを確認し、製品として合格レベルを○、不合格を×とした。
【0059】
(7)耐圧性能
樹脂ホースを1mの長さに切断して一端を封鎖してエアー漏れが無いように止め、もう一端から圧縮空気を吹き込みホースの破裂強力を測定した。耐圧合格値は30kg/cm以上とした。
【0060】
(8)高温耐久性
180℃雰囲気下に樹脂ホースを1000時間暴露した後、樹脂中から補強繊維を取り出し強度を測定し、暴露前(処理前)の樹脂ホースの補強繊維との強力比を求めた。
【0061】
[実施例1]
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル100重量部とエチレングリコール50重量部との混合物に酢酸マンガン四水和物0.030重量部、酢酸ナトリウム三水和物0.0056重量部を攪拌機、蒸留搭及びメタノール留出コンデンサーを設けた反応器に仕込み、150℃から245℃まで徐々に昇温しつつ、反応の結果生成するメタノールを反応器外に留出させながら、エステル交換反応を行い、引き続いてエステル交換反応が終わる前にフェニルホスホン酸(PPA)を0.03重量部(50ミリモル%)を添加した。その後、反応生成物に三酸化二アンチモン0.024重量部を添加して、攪拌装置、窒素導入口、減圧口及び蒸留装置を備えた反応容器に移し、305℃まで昇温させ、30Pa以下の高真空下で縮合重合反応を行い、常法に従ってチップ化して極限粘度0.62のポリエチレンナフタレート樹脂チップを得た。このチップを65Paの真空度下、120℃で2時間予備乾燥した後、同真空下240℃で10〜13時間固相重合を行い、極限粘度0.74のポリエチレンナフタレート樹脂チップを得た。
このチップを、孔数249ホール、孔径0.7mm、ランド長3.5mmの円形紡糸孔を有する紡糸口金からポリマー温度310℃で吐出し、紡糸速度2,500m/分、紡糸ドラフト962の条件で紡糸を行った。紡出した糸状は口金直下に設置した長さ50mm、雰囲気温度330℃の保温紡糸筒を通じ、さらに、保温紡糸筒の直下から長さ450mmにわたって、25℃の冷却風を6.5Nm/分の流速で吹き付けて、糸状の冷却を行った。その後、油剤付与装置にて一定量計量供給した油剤を付与した後、引取りローラーに導き、巻取機で巻取った。
この未延伸糸は断糸や単糸切れの発生がなく製糸性良好に得ることができ、その未延伸糸の極限粘度IVfは0.70、複屈折率(ΔnUD)0.179、密度(ρUD)1.357であった。
【0062】
次いでこの未延伸糸を用い、以下の通り延伸を行った。なお延伸倍率は破断延伸倍率に対し延伸負荷率92%となるように設定した。すなわち、未延伸糸に1%のプリストレッチをかけた後、130m/分の周速で回転する150℃の加熱供給ローラーと第一段延伸ローラーとの間で第一段延伸を行い、次いで180℃に加熱した第一段延伸ローラーと180℃に加熱した第二段延伸ローラーとの間で230℃に加熱した非接触式セットバス(長さ70cm)を通し定長熱セットを行った後、巻取機に巻き取った。このときの全延伸倍率(TDR)は1.08であり、延伸時に断糸や単糸切れの発生なく製糸性は良好であった。
得られた樹脂ホース補強用ポリエチレンナフタレート繊維(延伸糸)は繊度1,080dtex、強度、7.4cN/dtex、180℃乾熱収縮率2.6%、融点297℃、と高耐熱性かつ低収縮性に優れたものであった。得られた物性を表1に示す。
得られた繊維(延伸糸)を撚り数15T/10cmとなるよう撚糸し、70℃の飽和水蒸気中で1時間撚り止めセットしたものにイソシアネート系接着剤(大日本インキ(株)製)をディップ後乾燥したものを樹脂ホース用コードとした。そのコードを用いて内径15φ、肉厚1.5mm、コードピッチ3mm、コード角度45°になる塩ビ樹脂ホースを作成した。
得られたホースは歪みや引きつれもなく製品として良好な概観であり、耐圧性能も良好で、高温耐久性は85%と非常に耐熱性に優れたものであった。表1に評価結果を示す。
【0063】
[実施例2]
実施例1の紡糸速度を2500m/分から5500m/分に、紡糸ドラフト比でいうと962から2700に変更するとともにその他の条件を変更した。すなわち得られる繊維の繊度をあわせるためにキャップ口金口径を0.7mmから1.2mmに変更し、そのままでは製糸が困難なために実施例1の口金直下の紡糸筒の温度を330度から400度の溶融ポリマー温度よりも90℃高い温度に、長さを50mmから350mmに変更した加熱紡糸筒を用い、未延伸糸を得た。またその後の延伸倍率を1.22倍に変更し強度の優れた樹脂ホース補強用ポリエチレンナフタレート繊維(延伸糸)を得た。得られたポリエチレンナフタレート繊維(延伸糸)の強度は8.5cN/dtex、180℃乾熱収縮率6.3%、融点280℃であった。
さらにその繊維を実施例1と同様にして処理コード及び樹脂ホースを作成した。得られた物性を表1に併せて示す。
【0064】
[比較例1]
ポリエチレンー2,6−ナフタレートの重合において、エステル交換反応が終わる前にリン化合物であるフェニルホスホン酸(PPA)の代わりに正リン酸を40mmol%添加したこと以外は、実施例1と同様に実施してポリエチレンナフタレート樹脂チップを得た。続いて固相重合で極限粘度0.74に調整し、口金孔径を1.7mmに、紡糸速度を380m/分に、ただし繊度をあわせるために紡糸ドラフト比を550に変更した。また断糸を防ぐために口金直下の紡糸筒の温度を溶融ポリマー温度よりも60℃高い370度の加熱紡糸筒とし、長さを400mmに変更して、未延伸糸を得た。またその後の延伸倍率は6.85倍にし延伸糸を得た。リン化合物としてフェニルホスホン酸(PPA)を添加しなかったため、製糸性に難があり、延伸での断糸が多発し、得られた延伸糸にも単糸切れが非常に多かった。
得られたポリエチレンナフタレート繊維の強度は8.3cN/dtex、180℃乾熱収縮率5.0%、融点273℃と強度は高いものの、耐熱性が劣ったものであった。
さらにその繊維(延伸糸)を実施例1と同様にして処理コード及び樹脂ホースを作成した。得られた物性を表1に併せて示す。得られた樹脂ホースは実施例1,2に比べて均一性、耐圧性、耐久性に劣るものであった。
【0065】
[比較例2]
ポリエチレンテレフタレート繊維(PET、帝人ファイバー製テトロン、1100dtex、192フィラメント、強度7.8cN/dtex、180℃乾熱収縮率4.8%、融点257℃)を用いて、樹脂ホースを作成した。
得られたホースは、実施例1,2に比べて高温耐久性に劣るものであった。
【0066】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
主たる繰り返し単位がエチレンナフタレートで有り、強度が6〜10cN/dtexかつ融点が275〜315℃であることを特徴とする樹脂ホース補強用ポリエチレンナフタレート繊維。
【請求項2】
100℃におけるモジュラスE’(100℃)と20℃におけるモジュラスE’(20℃)の比E’(100℃)/E’(20℃)が0.6以上である請求項1記載の樹脂ホース補強用ポリエチレンナフタレート繊維。
【請求項3】
180℃、1000時間処理後の強力維持率が70%以上である請求項1または2記載の樹脂ホース補強用ポリエチレンナフタレート繊維。
【請求項4】
リン原子をエチレンナフタレート単位に対して0.1〜300mmol%含有するものである請求項1〜3のいずれか1項記載の樹脂ホース補強用ポリエチレンナフタレート繊維。
【請求項5】
該繊維が、金属元素を含むものであり、該金属元素が周期律表における第4〜5周期かつ3〜12族の金属元素およびMgの群より選ばれる少なくとも1種以上の金属元素である請求項1〜4のいずれか1項記載の樹脂ホース補強用ポリエチレンナフタレート繊維。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項記載の樹脂ホース補強用ポリエチレンナフタレート繊維を用いることを特徴とする樹脂ホース。

【公開番号】特開2011−58126(P2011−58126A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−209434(P2009−209434)
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【出願人】(302011711)帝人ファイバー株式会社 (1,101)
【Fターム(参考)】