説明

樹脂成形品

【課題】 防汚性能に優れ、特に撥水性とともに撥油性、換言すると油汚れの除去性能に優れ、かつ同時に、優れた摩擦耐久性を実現した樹脂成形品を提供すること。
【解決手段】 硬化性樹脂成分を主成分として含み、かつ少なくとも1個のパーフルオロアルキル基を分子中に有するウレタン系及び(又は)エステル系フッ素化合物が配合されている硬化性樹脂組成物から樹脂成形品を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂成形品に関し、さらに詳しく述べると、少なくとも硬化性樹脂成分を含む硬化性樹脂組成物から成形された、防汚性能及び摩擦耐久性に優れるとともに、撥水性に加えて撥油性が改善された樹脂成形品に関する。本発明の樹脂成形品は、繊維強化プラスチック(FRP)成形品、とりわけ人工大理石成形品として有用であり、あるいはかかる成形品の表面コート層としても有用である。
【背景技術】
【0002】
周知の通り、民生用品、工業用品などの多くは、硬化性樹脂成分を含む硬化性樹脂組成物からいろいろな成形法によって製造されている。また、最近では、硬化性樹脂成分及び無機充填材を主成分として含む硬化性樹脂組成物から、浴槽、洗面台、流し台、内装材などとして使用可能な人工大理石(人造大理石ともいう)が製造されている。人工大理石は、天然の大理石に近い外観、高級感を有するとともに、強度、加工性、施工性に優れ、しかも比較的に安価に製造することができるので、上記のような用途において利用頻度が増加しつつある。
【0003】
しかし、現在一般的に入手可能な人工大理石には、その材料が親油性であるため、特に油汚れが付きやすく広がりやすいという問題が残されている。また、この問題に対処するため、いろいろな防汚対策がとられているけれども、満足し得る結果が得られていない。
例えば特許文献1は、ゲルコート層、レジンコンクリート層及びFRP層を積層した人工大理石浴槽において、そのゲルコート層にフッ素系ポリマーを配合することを開示している。また、特許文献2は、樹脂成分と、無機充填剤と、表面自由エネルギーが樹脂成分のそれよりも小さい有機フッ素化合物とを含んでなる人工大理石成形体を開示している。また、特許文献3は、熱硬化性樹脂に、充填剤、硬化剤、及びフッ素パウダーを配合してなることを特徴とする人造大理石用樹脂組成物を開示している。さらに、特許文献4は、熱硬化性樹脂からなる樹脂成分と充填材とを含有する樹脂組成物を成形硬化させて得られる人造大理石に、撥水性の樹脂(フッ素系樹脂)を含浸させてなることを特徴とする人造大理石を開示している。しかしながら、これらの特許文献において教示されている防汚対策では、人工大理石の表面に高められた撥油性を付与することができないので、油汚れを十分に落としにくいという問題が依然として残されている。
【0004】
さらに、特許文献5は、樹脂板の表面に特定構造の含フッ素シラン化合物からなる層が形成された防汚性サニタリー用樹脂板を開示している。また、特許文献6及び7は、樹脂成分と無機充填剤を含んで、成形加工した人工大理石表面に、一端に−CF3基を有し他端にクロロシリル基又はアルコキシシリル基を有するシラン系界面活性剤が化学結合した人工大理石を開示している。さらに、特許文献8は、防汚剤(フッ素系化合物)及び硬化剤を含有する人工大理石用樹脂液を成形型内の表面に塗布し、次いで、該成形型中に防汚剤は含有せず硬化剤を含有する人工大理石用樹脂液を注入して加熱硬化させることを特徴とする防汚性人工大理石の製造方法を開示している。しかしながら、これらの特許文献において教示されている防汚対策では、表面だけに限った防汚加工になるため、人工大理石に本来要求されている摩擦耐久性をあわせて実現しないという問題がある。
【0005】
【特許文献1】特開平6−154118号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】特開平11−343350号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】特開2001−207065号公報(特許請求の範囲)
【特許文献4】特開2001−270786号公報(特許請求の範囲)
【特許文献5】特開平10−7950号公報(特許請求の範囲)
【特許文献6】特開平11−92251号公報(特許請求の範囲)
【特許文献7】特開2001−190344号公報(特許請求の範囲)
【特許文献8】特開2002−28935号公報(特許請求の範囲)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような従来の人工大理石の問題点を解決して、防汚性能に優れ、特に撥水性とともに撥油性、換言すると油汚れの除去性能に優れ、かつ同時に、優れた摩擦耐久性を実現した、典型的には人工大理石成形品である樹脂成形品を提供することにある。
【0007】
本発明のこの目的やその他の目的は、以下の詳細な説明から容易に理解することができるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、硬化性樹脂成分を主成分として含み、かつ少なくとも1個のパーフルオロアルキル基を分子中に有するウレタン系及び(又は)エステル系フッ素化合物が配合されている硬化性樹脂組成物から成形された樹脂成形品が提供される。ここで、樹脂成形品は、所望に応じていろいろな形態で提供することができ、例えば、それ自体所定の形状をもった物品の形態であってもよく、さもなければ、任意の物品の表面に被覆された、所定の厚さをもった層状薄膜であってもよい。
【0009】
1つの面において、本発明による樹脂成形品は、本発明の樹脂成形品とは異なる第2の樹脂成形品の表面に、その樹脂成形品に一体的に結合せしめられて複合樹脂成形品を構成している樹脂成形品にあり、この樹脂成形品を、本発明では特に「第1の樹脂成形品」と呼ぶ。
【0010】
第1の樹脂成形品は、好ましくは、繊維強化プラスチック成形品の表面に一体的に被覆されたコート層あるいは人工大理石成形品の表面に一体的に被覆されたコート層である。また、コート層は、好ましくは、ゲルコート層である。
【0011】
もう1つの面において、本発明による樹脂成形品は、硬化性樹脂成分及び無機充填材を主成分として含み、かつ少なくとも1個のパーフルオロアルキル基を分子中に有するウレタン系及び(又は)エステル系フッ素化合物が配合されている硬化性樹脂組成物から成形された樹脂成形品にある。
【0012】
この樹脂成形品は、好ましくは、強化繊維を無機充填材として含む繊維強化プラスチック成形品あるいは人工大理石の形成に必須の成分を硬化性樹脂成分として含む人工大理石成形品である。
【発明の効果】
【0013】
以下の詳細な説明から理解されるように、本発明によれば、防汚性能に優れ、特に撥水性とともに撥油性、換言すると油汚れの除去性能に優れ、かつ同時に、優れた摩擦耐久性を実現した人工大理石成形品やかかる成形品に類似の樹脂成形品を提供することができる。
【0014】
従来の人工大理石では、くすみや滲みが外観不良の原因となるので、特に油汚れが発生しないように万全の注意を払わなければならなかったけれども、本発明の場合、配合した特定のフッ素化合物に由来して樹脂成形品の表面に十分に高められた撥油性が付与されているので、油汚れ表面を簡単に拭き取るだけで、外観不良を発生させることなく油汚れを除去することができる。
【0015】
また、本発明で使用する特定のフッ素化合物は、従来のフッ素化合物では摩擦耐久性を改善できなかったところを、そのフッ素化合物の特性とフッ素化合物を成形品全体に均一に分散できていることに由来して、防汚性能と同時に摩擦耐久性を改善することができ、用途の拡大及び寿命の延長を図ることができる。
【0016】
さらに、本発明では、樹脂成形品を成形する前の段階で、特定のフッ素化合物を成形原料に配合して均一に分散させた後、得られた混練物を所望の形状に成形することができるので、使用する成形法に限定を被ることなく、任意の形状の成形品を容易に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、上記したように、単一もしくは複合の樹脂成形品、典型的には繊維強化プラスチック成形品あるいは人工大理石成形品にあり、また、かかる樹脂成形品の製造方法、換言すると、かかる樹脂成形品の防汚加工方法を包含する。以下、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0018】
本発明による樹脂成形品は、硬化性樹脂成分を主成分として含む硬化性樹脂組成物に由来するものであり、したがって、硬化性樹脂成分の硬化によって、予め定められた形状の樹脂成形品を得ることができる。硬化性樹脂成分は、樹脂成形品の硬化手段に応じて、光硬化性であってもよく、さもなければ、熱硬化性であってもよい。製造プロセスの利便性などを考慮すると、本発明の実施には、以下に詳細に説明するけれども、熱硬化性の樹脂成分の使用が有利である。
【0019】
また、本発明で使用する硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂成分に加えて、樹脂成形品の種類、構成、特性、製造条件などにファクタに応じて常用の添加剤を任意に含有することができるけれども、上記のような本発明に特有の効果を保証するため、以下に詳細に説明するけれども、少なくとも1個のパーフルオロアルキル基を分子中に有するウレタン系又はエステル系フッ素化合物が配合されていることが必須である。ウレタン系フッ素化合物及びエステル系フッ素化合物は、それぞれ、独立して使用されるのが一般的であるけれども、必要であるならば、これらのフッ素化合物を組み合わせて使用してもよい。
【0020】
本発明による樹脂成形品は、大別して、単一の樹脂成形品の形態あるいは複合の樹脂成形品の形態をとることができる。複合の樹脂成形品は、2種類もしくはそれ以上の異なる樹脂成形品が一体的に結合した複合体を意味し、本発明の樹脂成形品は、通常、かかる複合体の最外部を構成することができる。例えば、最外部のコート層が、本発明でいう樹脂成形品に相当することができる。
【0021】
さらに詳しく述べると、複合樹脂成形品は、好ましくは、本発明に係る樹脂成形品とは異なる第2の樹脂成形品と、この第2の樹脂成形品の表面に、その樹脂成形品に一体的に結合せしめられた本発明に係る第1の樹脂成形品とから構成される。第2の樹脂成形品は、1個もしくはそれ以上の樹脂成形品からなることができ、また、第1の樹脂成形品は、本発明の範囲において、いろいろな形態の樹脂成形品からなることができる。
【0022】
1つの好ましい態様によると、複合樹脂成形品において、第2の樹脂成形品が繊維強化プラスチック成形品であり、第1の樹脂成形品がその繊維強化プラスチック成形品の表面に被覆されたコート層であることができる。繊維強化プラスチック成形品は、その構成、形状などが限定されるものではない。なお、繊維強化プラスチック成形品については、以下の詳細な説明を参照されたい。
【0023】
もう1つの好ましい態様によると、人工大理石も見方によっては繊維強化プラスチック成形品の範囲に包含されるけれども、複合樹脂成形品において、第2の樹脂成形品が人工大理石成形品であり、第1の樹脂成形品がその人工大理石成形品の表面に被覆されたコート層、好ましくはゲルコート層であることができる。ゲルコート層は、人工大理石成形品において所望の性質や外観などを発現させるため、いろいろな添加剤を任意に含有することができる。適当な添加剤の例は、以下に列挙するものに限定されわけではないけれども、着色剤、光輝剤、耐候剤、抗菌剤、防カビ剤、紫外線吸収剤、安定剤などを包含する。例えば、コート層に光輝剤を添加した場合、人工大理石の質感を高め、高級感を付与することができる。これらの添加剤は、単独で使用してもよく、2種類以上の添加剤を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0024】
図1は、本発明による複合された樹脂成形品10の1つの好ましい形態を示したものであり、ゲルコート層11を表面に有する人工大理石成形体12の例である。ゲルコート層11は、その内部に本発明に必須の特定のフッ素化合物1が分散せしめられている。なお、図中、フッ素化合物1は説明のために便宜的に粉末の如く示されているけれども、均一にかつ微細に溶解し、分布せしめられているのが一般的である。人工大理石成形体12の表面にゲルコート層11を被覆することで人工大理石成形体に由来する人工大理石本来の効果に加えて、質感の調整、高級感の発現、意匠性の向上、耐水性、耐薬品性等の向上といった追加の効果を得ることができる。
【0025】
また、人工大理石成形体12は、図示の無機充填材2に加えて、その他の必須成分及び任意成分を含有することができる。無機充填材は、例えば、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、石灰石粉、シリカ粉、ケイソウ土、ガラス粉、ホウ砂、炭酸カルシウム、ニッケル粉、亜鉛粉などである。これらの充填材は、単独で使用してもよく、2種類以上の充填材を任意に組み合わせて使用してもよい。とりわけ水酸化アルミニウムが、無機充填材として有用である。
【0026】
また、無機充填材に併用することのできる必須及び任意の添加成分は、人工大理石の組成や所望の性質などに応じて多種多様であり、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、低収縮剤、硬化剤、内部離型剤、増粘剤、着色剤、強化剤、抗菌剤、防カビ剤、紫外線吸収剤、安定剤などを包含する。無機充填材に、少なくとも低収縮剤、硬化剤、内部離型剤、増粘剤及び強化剤を併用して人工大理石成形品を製造することが推奨される。
【0027】
本発明による樹脂成形品は、通常、例えば図2に示されるように単一の樹脂成形品の形態で提供される。この場合、本発明の樹脂成形品20は、硬化性樹脂成分を主成分として含み、かつ少なくとも1個のパーフルオロアルキル基を分子中に有するウレタン系及び(又は)エステル系フッ素化合物1が配合されている硬化性樹脂組成物の成形体12から成形され、また、好ましくは、硬化性樹脂成分に加えて無機充填材2も主成分として含有する。
【0028】
本発明の樹脂成形品において、硬化性樹脂組成物に主成分として含まれる硬化性樹脂成分は、樹脂成形品の硬化手段に応じて、光硬化性であってもよく、さもなければ、熱硬化性であってもよい。製造プロセスの利便性などを考慮すると、本発明の実施には、以下に詳細に説明するけれども、熱硬化性の樹脂成分の使用が有利である。
【0029】
また、硬化性樹脂成分と一緒に使用する無機充填材は、目的とする樹脂成形品の構成などに応じて最適の材料を選択し、使用することができる。例えば、目的とする樹脂成形品が繊維強化プラスチック(FRP)成形品であるある場合、無機充填材として強化繊維を使用し、強化繊維を含む繊維強化プラスチック組成物から樹脂成形品を製造することができる。FRP成形品の製造には、常用の成形法、例えばハンドレイアップ(HL)法、SMC(Sheet Molding Compound)法、BMC(Bulk Molding Compound)法などを任意に使用することができる。
【0030】
また、FRP成形品のための強化繊維も、FRPの分野で常用の強化繊維を任意に使用することができる。適当な強化繊維の例は、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などを包含する。これらの強化繊維は、単独で使用してもよく、2種類以上の強化繊維を任意に組み合わせて使用してもよい。なお、必要ならば、強化繊維に代えて、あるいは強化繊維と一緒に、その他のタイプの強化材、例えば金属フレークなどを使用してもよい。
【0031】
一方、目的とする樹脂成形品が人工大理石成形品である場合、人工大理石の形成に必須の硬化性樹脂成分及び無機充填材を少なくとも含む人工大理石組成物を硬化性樹脂組成物として用意し、この人工大理石組成物を成形して人工大理石成形品を提供することができる。
【0032】
本発明の実施において、人工大理石組成物に含ませるべき硬化性樹脂成分は、人工大理石の製造に一般的に使用されている硬化性樹脂であることができる。適当な硬化性樹脂の例は、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、人工大理石の製造に常用の樹脂、例えば不飽和ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ビスフェノール系樹脂、ビニルエステル系樹脂、エポキシ樹脂などを包含する。これらの硬化性樹脂は、単独で使用してもよく、2種類以上の硬化性樹脂を組み合わせて使用してもよい。
【0033】
本発明の実施において、不飽和ポリエステル系樹脂を硬化性樹脂成分として有利に使用することができる。不飽和ポリエステル系樹脂は、高分子化学の分野でよく知られているように、不飽和の多塩基酸又はその無水物(例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸など)や芳香族カルボン酸又はその無水物(例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸など)などの酸成分と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール成分を重縮合させることによって調製することができる。かかる樹脂成分はさらに、重合触媒、重合促進剤などを含有することができる。
【0034】
また、硬化性樹脂成分と一緒に人工大理石成形品の製造に使用される無機充填材も、人工大理石の製造に一般的に使用されている無機充填材であることができる。適当な無機充填材の例は、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、金属酸化物又は水酸化物、例えば水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等、石灰石粉、シリカ粉、ケイソウ土、ガラス粉、ホウ砂、炭酸カルシウム、ニッケル粉、亜鉛粉などを包含する。これらの無機充填材は、単独で使用してもよく、2種類以上の充填材を組み合わせて使用してもよい。
【0035】
さらに、硬化性樹脂成分及び無機充填材に加えて、人工大理石の製造に一般的に使用されている添加剤も任意に使用することができる。適当な添加剤の例は、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、低収縮剤、硬化剤、内部離型剤、増粘剤、着色剤、強化材、抗菌剤、防カビ剤、紫外線吸収剤、安定剤などを包含する。一例を示すと、低収縮剤の例は、ポリスチレンなどである。硬化剤の例は、アゾビスイソブチルニトリル等のアゾビス系化合物、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート等の有機過酸化物などである。内部離型剤の例は、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどである。増粘剤の例は、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどである。強化材の例は、FRPなどで常用されている強化材、例えばガラス繊維、カーボン繊維などである。抗菌剤の例は、硝酸銀、スズ担持ゼオライト、フェニルエーテル誘導体などである。紫外線吸収剤の例は、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物などである。本発明の実施の場合、無機充填材に、少なくとも低収縮剤、硬化剤、内部離型剤、増粘剤及び強化剤を併用して人工大理石成形品を製造することが推奨される。
【0036】
本発明の実施において、パーフルオロアルキル基を分子中に有するウレタン系及びエステル系フッ素化合物は、それぞれ、いろいろなフッ素系化合物を包含し、また、これらのフッ素系化合物は、単独で使用してもよく、2種類以上のフッ素系化合物を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0037】
例えば、本発明で使用されるフッ素系化合物中に含まれるべきパーフルオロアルキル基は、分子中の任意の位置に存在することができ、例えば、主鎖部分にあっても、主鎖部分から分岐していてもよく、さもなければ、末端部分おいて置換されていてもよい。なお、「パーフルオロアルキル基」なる語は、それを本願明細書において使用した場合、アルキル基であって、そのアルキル基のすべてが実質的にフッ素原子によって置換されているアルキル基を意味する。また、「アルキル基」なる語は、1〜約12個の炭素原子を有する直鎖の一価飽和炭化水素基あるいは3〜約12個の炭素原子を有する分枝鎖の一価飽和炭化水素基を意味し、典型的には、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、ペンチル基などである。パーフルオロアルキル基の典型例は、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、パーフルオロプロピル、パーフルオロブチル、パーフルオロオクチルなどを包含する。
【0038】
パーフルオロアルキル基を分子中に有するウレタン系フッ素化合物は、本発明の範囲において各種のウレタン系フッ素化合物を包含することができる。本発明の実施に有利に使用することのできるかかるウレタン系フッ素化合物の例は、例えば、出願人によって平成16年8月10日に出願された特願2003−552829号の明細書に記載されている。
【0039】
具体例を示すと、本発明の実施に有用なウレタン系フッ素化合物の例は、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、ヘキシレンジイソシアネートトリイソシアヌレート/ポリエチレングリコール/3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミン/2−(N−メチル−パーフルオロブチルスルホニルアミノ)エタノール反応生成物、ポリアロマティックポリイソシアネート/2−エチルヘキシルアルコール/2−(N−エチル−パーフルオロオクチルスルホニルアミノ)エタノール反応生成物などを包含する。
【0040】
同様に、パーフルオロアルキル基を分子中に有するエステル系フッ素化合物も、本発明の範囲において各種のエステル系フッ素化合物を包含することができる。本発明の実施に使用することのできるかかるエステル系フッ素化合物の例は、例えば、出願人による特表平7−501838号公報に記載されている。
【0041】
具体例を示すと、本発明の実施に有用なエステル系フッ素化合物の例は、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、不飽和脂肪酸(C=18)三量体/2−(N−エチル−パーフルオロオクチルスルホニルアミノ)エタノール反応生成物などを包含する。
【0042】
上記したウレタン系及びエステル系フッ素化合物は、通常、約1000〜5000の重量平均分子量を有することが好ましく、さらに好ましくは約1500〜3000の重量平均分子量である。
【0043】
また、上記したウレタン系及びエステル系フッ素化合物は、かかる化合物を溶解又は分散させるため、有機溶剤をさらに有していることが好ましい。適当な有機溶剤の例は、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、酢酸エチルなどを包含する。
【0044】
さらに、上記したウレタン系及びエステル系フッ素化合物は、硬化性樹脂組成物においていろいろな量で使用することができるけれども、通常、組成物の全量を基準にして約0.1〜30重量%の量で使用することが好ましく、さらに好ましくは約0.5〜3重量%の量である。
【0045】
本発明の樹脂成形品、特に人工大理石成形品は、人工大理石の製造において常用の成形法、例えばSMC(Sheet Molding Compound)法、BMC(Bulk Molding Compound)法などを任意に使用することができる。
【0046】
具体的に説明すると、例えばSMC法では、本発明の硬化性樹脂組成物からシート状成形材料であるSMCを調製した後、そのSMCを金型内で加熱圧縮成形、圧縮成形などの常用の成形法を使用して成形して、所望の形状をもった人工大理石成形品となすことができる。また、BMC法では、本発明の硬化性樹脂組成物からブロック状成形材料であるBMCを調製した後、そのBMCを金型内で圧縮成形、トランスファー成形、射出成形などの常用の成形法を使用して成形して、所望の形状をもった人工大理石成形品となすことができる。
【0047】
別法によれば、例えばゲルコート層及び基材層を順次注型成形する方法を使用して、ゲルコート(仕上げ加工)タイプの人工大理石成形品を製造することもできる。また、SMC法やBMC法によって人工大理石成形品を形成した後、その成形品の表面にゲルコート形成性組成物をスプレーコートするなどしてゲルコートタイプの人工大理石成形品を製造することもできる。
【0048】
本発明による樹脂成形品は、上記したように広範な成形品を包含することができるけれども、典型的な例は、ゲルコート層を有するかもしくは有しない人工大理石成形品である。本発明による人工大理石成形品は、天然石に類似の外観、風合いを有することに加えて、低価格であり、模様の均質性、高い強度や摩擦耐久性、優れた防汚性能などを有するので、例えば、キッチンカウンター、洗面台、浴槽、床材、内装材などとして有利に利用することができる。
【実施例】
【0049】
引き続いて、本発明をその実施例を参照して説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものでないことは言うまでもない。
【0050】
また、下記の実施例で使用した材料をまとめて説明すると、次の通りである。
硬化性樹脂:イソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂
低収縮剤: ポリスチレン
硬化剤: ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート
内部離型剤:ステアリン酸亜鉛
増粘剤: 酸化マグネシウム
強化材:ガラス繊維
ウレタン系フッ素化合物1:
ヘキシレンジイソシアネートトリイソシアヌレート/ポリエチレングリコール/3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミン/2−(N−メチル−パーフルオロブチルスルホニルアミノ)エタノール反応生成物(平均分子量:約3000)
ウレタン系フッ素化合物2:
ポリアロマティックポリイソシアネート/2−エチルヘキシルアルコール/2−(N−エチル−パーフルオロオクチルスルホニルアミノ)エタノール反応生成物(平均分子量:約1500)
エステル系フッ素化合物:
不飽和脂肪酸(C=18)三量体/2−(N−エチル−パーフルオロオクチルスルホニルアミノ)エタノール反応生成物(平均分子量:約2500)
フッ素系アクリル樹脂1:
メタクリル酸オクタデシル/メタクリル酸2−[N−パーフルオロオクチルスルホニル)−N−メチルアミノ]エチル/塩化ビニリデン/ジアクリル酸1,4−ブタンジオール共重合体(平均分子量:約21000)
フッ素系アクリル樹脂2:
2−エチル−2−(ヒドロキシエチル)−1,3−プロパンジオール/アクリル酸/2−イソシアノ−4−(2−{[N−エチル−N(パーフルオロオクチル)スルホニル]アミノ}エチレンカルボキサミド)トルエン反応生成物/メタクリル酸イソブチル/アクリル酸トリエチルアンモニウム共重合体(平均分子量:約150000)
オレフィン系含フッ素樹脂:
ポリテトラフロロエチレン(商品名「TF−1620」、ダイニオン社製)
【0051】
さらに、これらの材料の使用量は、特に断りのある場合を除いて、「重量部」である。
【0052】
実施例1
下記の第1表に記載するように、85部の不飽和ポリエステル樹脂(硬化性樹脂成分)、15部のポリスチレン(低収縮剤)、200部の水酸化アルミニウム(充填材)、1部のジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート(硬化剤)、5部のステアリン酸亜鉛亜鉛(内部離型剤)、1部の酸化マグネシウム(増粘剤)及び10部のガラス繊維(強化材)の混合物に、ウレタン系フッ素化合物1:ヘキシレンジイソシアネートトリイソシアヌレート/ポリエチレングリコール/3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミン/2−(N−メチル−パーフルオロブチルスルホニルアミノ)エタノール反応生成物(平均分子量:約3000)の65%酢酸エチル溶液を2.5部の量で配合した後、得られた混合物を攪拌機(商品名「THINKY AR−250」、シンキー社製)で入念に混練した。得られた硬化性樹脂組成物を40℃のオーブン中で一晩放置した後、翌日、SMC成形法に従い、145℃の温度で3分間にわたってプレス成形(圧力:50kgf/cm2)した。天然石に似た外観をもった10cm角の人工大理石成形板(厚さ2mm)が得られた。
【0053】
対照例
評価試験の基準として使用するため、前記実施例1に記載の手法を繰り返して天然石に似た外観をもった10cm角の人工大理石成形板(厚さ2mm)を作製した。但し、本例の場合、硬化性樹脂組成物の調製時にウレタン系フッ素化合物1の配合を省略した。
【0054】
実施例2
前記実施例1に記載の手法を繰り返して天然石に似た外観をもった10cm角の人工大理石成形板(厚さ2mm)を作製した。但し、本例の場合、下記の第1表に記載するように、ウレタン系フッ素化合物1の配合量を2.5部から5部に増量した。
【0055】
実施例3
前記実施例1に記載の手法を繰り返して天然石に似た外観をもった10cm角の人工大理石成形板(厚さ2mm)を作製した。但し、本例の場合、下記の第1表に記載するように、ウレタン系フッ素化合物1の配合量を2.5部から10部に増量した。
【0056】
実施例4
前記実施例1に記載の手法を繰り返して天然石に似た外観をもった10cm角の人工大理石成形板(厚さ2mm)を作製した。但し、本例の場合、下記の第1表に記載するように、ウレタン系フッ素化合物1の配合量を2.5部から15部に増量した。
【0057】
実施例5
前記実施例1に記載の手法を繰り返して天然石に似た外観をもった10cm角の人工大理石成形板(厚さ2mm)を作製した。但し、本例の場合、下記の第1表に記載するように、ウレタン系フッ素化合物1に代えてウレタン系フッ素化合物2:ポリアロマティックポリイソシアネート/2−エチルヘキシルアルコール/2−(N−エチル−パーフルオロオクチルスルホニルアミノ)エタノール反応生成物(平均分子量:約1500)を使用し、かつその配合量を2.5部から5部に増量した。
【0058】
実施例6
前記実施例1に記載の手法を繰り返して天然石に似た外観をもった10cm角の人工大理石成形板(厚さ2mm)を作製した。但し、本例の場合、下記の第1表に記載するように、ウレタン系フッ素化合物1に代えてエステル系フッ素化合物:不飽和脂肪酸(C=18)三量体/2−(N−エチル−パーフルオロオクチルスルホニルアミノ)エタノール反応生成物(平均分子量:約2500)を使用し、かつその配合量を2.5部から5部に増量した。
【0059】
実施例7
下記の第1表に記載するように、85部のゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂(硬化性樹脂成分)及び1部のジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート(硬化剤の混合物に、ウレタン系フッ素化合物1:ヘキシレンジイソシアネートトリイソシアヌレート/ポリエチレングリコール/3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミン/2−(N−メチル−パーフルオロブチルスルホニルアミノ)エタノール反応生成物(平均分子量:約3000)の65%酢酸エチル溶液を5部の量で配合してゲルコート組成物を調製した。
【0060】
前記対照例で作製した人工大理石成形板の表面に上記のゲルコート組成物を約0.5mmの湿潤厚さでスプレーコートし、145℃のオーブン中で30分間にわたって乾燥し、ゲルコート層を硬化させた。天然石に似た外観をもった10cm角のゲルコート仕上げ人工大理石成形板(厚さ2.3mm)が得られた。
【0061】
比較例1
前記実施例1に記載の手法を繰り返して天然石に似た外観をもった10cm角の人工大理石成形板(厚さ2mm)を作製した。但し、本例の場合、比較のため、下記の第1表に記載するように、ウレタン系フッ素化合物1に代えてフッ素系アクリル樹脂1:メタクリル酸オクタデシル/メタクリル酸2−[N−パーフルオロオクチルスルホニル)−N−メチルアミノ]エチル/塩化ビニリデン/ジアクリル酸1,4−ブタンジオール共重合体(平均分子量:約21000)を使用し、かつその配合量を2.5部から15部に増量した。
【0062】
比較例2
前記実施例1に記載の手法を繰り返して天然石に似た外観をもった10cm角の人工大理石成形板(厚さ2mm)を作製した。但し、本例の場合、比較のため、下記の第1表に記載するように、ウレタン系フッ素化合物1に代えてフッ素系アクリル樹脂2:2−エチル−2−(ヒドロキシエチル)−1,3−プロパンジオール/アクリル酸/2−イソシアノ−4−(2−{[N−エチル−N(パーフルオロオクチル)スルホニル]アミノ}エチレンカルボキサミド)トルエン反応生成物/メタクリル酸イソブチル/アクリル酸トリエチルアンモニウム共重合体(平均分子量:約150000)を使用し、かつその配合量を2.5部から5部に増量した。
【0063】
比較例3
前記実施例1に記載の手法を繰り返して天然石に似た外観をもった10cm角の人工大理石成形板(厚さ2mm)を作製した。但し、本例の場合、比較のため、下記の第1表に記載するように、ウレタン系フッ素化合物1に代えてオレフィン系含フッ素樹脂:ポリテトラフロロエチレン(商品名「TF−1620」)を使用し、かつその配合量を2.5部から5部に増量した。
【0064】
比較例4
前記実施例1に記載の手法を繰り返して天然石に似た外観をもった10cm角の人工大理石成形板(厚さ2mm)を作製した。但し、本例の場合、比較のため、下記の第1表に記載するように、硬化性樹脂組成物の調製時にウレタン系フッ素化合物1の配合を省略し、その代わりとして、得られた人工大理石成形板をウレタン系フッ素化合物1の2%酢酸エチル溶液中で1秒間浸漬加工し、風乾した。
【0065】
比較例5
前記実施例7に記載の手法を繰り返して天然石に似た外観をもった10cm角のゲルコート仕上げ人工大理石成形板(厚さ2mm)を作製した。但し、本例の場合、比較のため、下記の第1表に記載するように、ゲルコート組成物の調製時にウレタン系フッ素化合物1の配合を省略した。
【0066】
評価試験
上記した実施例1〜7、比較例1〜5及び対照例のそれぞれにおいて作製した人工大理石成形板について、その撥水性、撥油性、防汚性及び耐久性を下記の試験で評価した。
【0067】
[撥水性試験]
得られた人工大理石成形板の表面の撥水性を蒸留水の滴下によって接触角から評価した。接触角(度)は、接触角計(商品名「Drоpmaster」、協和界面科学社製)で測定した。下記の第1表に記載するような評価結果(接触角、度)が得られた。
【0068】
[撥油性試験]
得られた人工大理石成形板の表面の撥油性をヘキサデカンの滴下によって接触角から評価した。接触角(度)は、接触角計(商品名「Drоpmaster」、協和界面科学社製)で測定した。下記の第1表に記載するような評価結果(接触角、度)が得られた。
【0069】
[防汚試験]
得られた人工大理石成形板の表面にサラダ油(市販品)を滴下した後、ティッシュペーパーで拭き取った。人工大理石成形板の表面の汚れの拭き取り具合を下記の基準に基づいて目視判定した。
○:サラダ油が取れて、拭き取り跡がわからない。
×:拭き取り難いため、拭き取り跡が僅かに残る。
下記の第1表に記載するような評価結果が得られた。
【0070】
[耐久性試験]
得られた人工大理石成形板の表面を紙やすり(#240)で15秒間擦り続けた。その後、防汚試験の場合と同様に、人工大理石成形板の粗面化した表面にサラダ油(市販品)を滴下し、ティッシュペーパーで拭き取った。人工大理石成形板の表面の汚れの拭き取り具合を防汚試験の場合と同様に目視判定したところ、下記の第1表に記載するような評価結果が得られた。
【0071】
【表1】

【0072】
上記第1表に記載の評価結果から理解できるように、本発明に従って不飽和ポリエステル樹脂(硬化性樹脂)に特定のウレタン系又はエステル系フッ素化合物を併用して人工大理石成形板を作製した場合、ゲルコート層を表面に被覆した成形板も含めて、従来の人工大理石成形板に比較して優れた特性、特に撥水性、撥油性、防汚性及び耐久性を同時に達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明による樹脂成形品の好ましい1形態を示した断面図である。
【図2】本発明による樹脂成形品のもう1つの好ましい形態を示した断面図である。
【符号の説明】
【0074】
1 フッ素化合物
2 無機充填材
10 複合樹脂成形品
11 ゲルコート層
12 人工大理石
20 樹脂成形品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬化性樹脂成分を主成分として含み、かつ少なくとも1個のパーフルオロアルキル基を分子中に有するウレタン系及び(又は)エステル系フッ素化合物が配合されている硬化性樹脂組成物から成形された樹脂成形品。
【請求項2】
当該樹脂成形品とは異なる第2の樹脂成形品の表面に、その樹脂成形品に一体的に結合せしめられて複合樹脂成形品を構成している第1の樹脂成形品であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形品。
【請求項3】
前記第2の樹脂成形品が繊維強化プラスチック成形品であり、前記第1の樹脂成形品がその繊維強化プラスチック成形品の表面に被覆されたコート層であることを特徴とする請求項2に記載の樹脂成形品。
【請求項4】
前記第2の樹脂成形品が人工大理石成形品であり、前記第1の樹脂成形品がその人工大理石成形品の表面に被覆されたコート層であることを特徴とする請求項2に記載の樹脂成形品。
【請求項5】
前記硬化性樹脂組成物がさらに無機充填材を主成分として含むことを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形品。
【請求項6】
前記硬化性樹脂組成物が、前記無機充填材として強化繊維を含む繊維強化プラスチック組成物であり、かつ当該樹脂成形品が繊維強化プラスチック成形品であることを特徴とする請求項5に記載の樹脂成形品。
【請求項7】
前記硬化性樹脂組成物が、人工大理石の形成に必須の成分を前記硬化性樹脂成分として含む人工大理石組成物であり、かつ当該樹脂成形品が人工大理石成形品であることを特徴とする請求項6に記載の樹脂成形品。
【請求項8】
前記硬化性樹脂成分が、不飽和ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ビスフェノール系樹脂、ビニルエステル系樹脂、エポキシ樹脂及びその混合物からなる群から選ばれた樹脂であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂成形品。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−152189(P2006−152189A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−347993(P2004−347993)
【出願日】平成16年12月1日(2004.12.1)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】