説明

樹脂板の製造方法

【課題】積層樹脂板の製造時に出る端材をリサイクル利用することができると共に、着色が十分に抑制された樹脂板を製造することのできる製造方法を提供する。
【解決手段】この発明の製造方法は、透明樹脂(A)を含有してなる基層の少なくとも片面に、透明樹脂(B)を含有してなる表面層を積層して積層板を得た後、該積層板の周縁部の少なくとも一部を裁断して端材として分別する端材取得工程と、透明樹脂(A)と前記端材を混合して得られた樹脂組成物又は前記端材を原料に用いて樹脂板を製造する工程と、を包含し、前記透明樹脂(A)のSP値と前記透明樹脂(B)のSP値の差の絶対値を「Δδ」とし、前記透明樹脂(A)の屈折率と前記透明樹脂(B)の屈折率の差の絶対値を「Δn」としたとき、Δδ×Δn≦0.42の関係式が成立することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、積層樹脂板の製造時に出る端材(耳材)をリサイクル利用しつつ着色が十分に抑制された樹脂板を製造する製造方法に関する。
【0002】
なお、この明細書において、「SP値」の語は、Hansenの溶解度パラメーター(Solubility Parameter)を意味する。
【背景技術】
【0003】
液晶表示装置としては、例えば液晶セルを備えた液晶パネル(画像表示部)の背面側に面光源装置がバックライトとして配置された構成のものが公知である。前記バックライト用の面光源装置としては、ランプボックス(筐体)内に複数の光源が配置されると共にこれら光源の前面側に光拡散板が配置された構成の面光源装置が知られている。
【0004】
前記光拡散板としては、ポリスチレンからなる基層にスチレン−メタクリル酸メチル共重合体及び紫外線吸収剤を含有した表面層が積層されてなる多層光拡散板が公知である(特許文献1参照)。このように、光拡散板としては、光拡散性能以外にもその用途に応じて様々な特性を具備していることが求められることから、基層の少なくとも片面に、基層を構成する樹脂とは異なる樹脂からなる表面層が積層されてなる積層板が多く用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−292977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年、地球環境保全の観点から、樹脂材料をリサイクル利用することが求められるようになってきている。そこで、本発明者は、これに応ずるべく、積層樹脂板を製造する際に出る端材(耳材)を、成形材料の少なくとも一部として再利用して新たな樹脂板を製造する方法を着想した。
【0007】
しかしながら、例えば基層にポリスチレンを用い、表面層にスチレン−メタクリル酸メチル共重合体(スチレン単位40質量%、メタクリル酸メチル単位60質量%)を用いた構成の積層板の周縁部を裁断して端材を取得した後、この端材を用いて又はこの端材を構成材料の一部として用いて光拡散板を成形すると、この光拡散板は、ポリスチレンにスチレン−メタクリル酸メチル共重合体(スチレン単位40質量%、メタクリル酸メチル単位60質量%)が混合された組成になるが、このような混合組成では光拡散板が少し黄色がかった色合いになるという問題があった。
【0008】
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、積層樹脂板の製造時に出る端材をリサイクル利用することができると共に、着色が十分に抑制された樹脂板を製造することのできる製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
【0010】
[1]透明樹脂(A)を含有してなる基層の少なくとも片面に、透明樹脂(B)を含有してなる表面層を積層して積層板を得た後、該積層板の周縁部の少なくとも一部を裁断して端材として分別する端材取得工程と、
透明樹脂(A)と前記端材を混合して得られた樹脂組成物又は前記端材を原料に用いて樹脂板を製造する工程と、を包含し、
前記透明樹脂(A)のSP値と前記透明樹脂(B)のSP値の差の絶対値を「Δδ」とし、前記透明樹脂(A)の屈折率と前記透明樹脂(B)の屈折率の差の絶対値を「Δn」としたとき、Δδ×Δn≦0.42の関係式が成立することを特徴とする樹脂板の製造方法。
【0011】
[2]透明樹脂(A)を含有してなる基層の少なくとも片面に、透明樹脂(B)を含有してなる表面層を積層して第1積層板を得た後、該第1積層板の周縁部の少なくとも一部を裁断して第1端材として分別する第1端材取得工程と、
透明樹脂(A)と前記第1端材を混合して得られた樹脂組成物からなる又は前記第1端材からなる(前記第1端材を原料に用いてなる)基層の少なくとも片面に、透明樹脂(B)を含有してなる表面層を積層して第2積層板を得た後、該第2積層板の周縁部の少なくとも一部を裁断して第2端材として分別する第2端材取得工程と、
透明樹脂(A)と前記第2端材を混合して得られた樹脂組成物又は前記第2端材を原料に用いて樹脂板を製造する工程と、を包含し、
前記透明樹脂(A)のSP値と前記透明樹脂(B)のSP値の差の絶対値を「Δδ」とし、前記透明樹脂(A)の屈折率と前記透明樹脂(B)の屈折率の差の絶対値を「Δn」としたとき、Δδ×Δn≦0.42の関係式が成立することを特徴とする樹脂板の製造方法。
【0012】
[3]前記積層板における基層の厚さを表面層の厚さの9〜100倍の範囲に設定すると共に、前記透明樹脂(A)と前記端材を混合する際、前記透明樹脂(A)と前記端材の合計量に対する前記端材の含有率が1質量%以上100質量%未満になるように混合する前項1または2に記載の樹脂板の製造方法。
【0013】
[4]0.03≦Δn≦0.15の関係式が成立する前項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂板の製造方法。
【0014】
[5]前記透明樹脂(A)がスチレン系樹脂であり、前記透明樹脂(B)がスチレン系樹脂又はアクリル系樹脂である前項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂板の製造方法。
【0015】
[6]透明樹脂(A)100質量部に対し、透明樹脂(B)を0.01〜20質量部含有した樹脂組成物からなり、
前記透明樹脂(A)のSP値と前記透明樹脂(B)のSP値の差の絶対値を「Δδ」とし、前記透明樹脂(A)の屈折率と前記透明樹脂(B)の屈折率の差の絶対値を「Δn」としたとき、Δδ×Δn≦0.42の関係式が成立することを特徴とする樹脂板。
【0016】
[7]前記樹脂組成物は、前記透明樹脂(A)100質量部に対し、前記透明樹脂(B)を0.01〜20質量部及び光拡散粒子を0.01〜10質量部含有してなる前項6に記載の樹脂板。
【0017】
[8]前記透明樹脂(A)がスチレン系樹脂であり、前記透明樹脂(B)がスチレン系樹脂又はアクリル系樹脂である前項6または7に記載の樹脂板。
【0018】
[9]前項6〜8のいずれか1項に記載の樹脂板からなる光拡散板と、該光拡散板の背面側に配置された複数の光源とを備えることを特徴とする面光源装置。
【0019】
[10]前項6〜8のいずれか1項に記載の樹脂板からなる光拡散板と、該光拡散板の背面側に配置された複数の光源と、前記光拡散板の前面側に配置された液晶パネルとを備えることを特徴とする液晶表示装置。
【発明の効果】
【0020】
[1][2]の発明(製造方法)では、積層樹脂板の製造工程で出る端材を樹脂板の構成材料の少なくとも一部として再利用するので、資源の有効利用に繋がり、社会的要請である地球環境保全に貢献できる。また、透明樹脂(A)のSP値と透明樹脂(B)のSP値の差の絶対値を「Δδ」とし、透明樹脂(A)の屈折率と透明樹脂(B)の屈折率の差の絶対値を「Δn」としたとき、Δδ×Δn≦0.42の関係式が成立するものであるから、積層板の端材を樹脂板の構成材料の少なくとも一部として再利用する比率を増大させても(即ち端材のリサイクル含有比率を増大させても)、黄色等の着色が十分に抑制された樹脂板(光拡散板等)を製造することができる。
【0021】
[3]の発明では、積層板における基層の厚さを表面層の厚さの9〜100倍の範囲に設定すると共に、透明樹脂(A)と端材を混合して樹脂板用材料を得る際に、透明樹脂(A)と端材の合計量に対する端材の含有率が1質量%以上100質量%未満になるように混合するので、黄色等の着色がより十分に抑制された樹脂板(光拡散板等)を製造できる。
【0022】
[4]の発明では、0.03≦Δn≦0.15の関係式が成立する構成であるが、このような透明樹脂(A)と透明樹脂(B)の屈折率差が大きい構成であっても、(Δδ×Δn≦0.42の関係式が成立する構成であるので)黄色等の着色が十分に抑制された樹脂板(光拡散板等)を製造できる。
【0023】
[5]の発明では、透明樹脂(A)がスチレン系樹脂であり、透明樹脂(B)がスチレン系樹脂又はアクリル系樹脂であるから、黄色等の着色がより十分に抑制された樹脂板(光拡散板等)を製造できる。
【0024】
[6]の発明は、[1]〜[5]の製造方法で得られる樹脂板のうち好適な構成に相当するものであり、透明樹脂(A)100質量部に対し透明樹脂(B)を0.01〜20質量部含有した樹脂組成物からなると共に、Δδ×Δn≦0.42の関係式が成立する構成であるから、黄色等の着色が十分に抑制された樹脂板が提供される。
【0025】
[7]の発明では、前記樹脂組成物は、さらに光拡散粒子を含有してなる構成であるが、このような光拡散粒子を含有してなる構成であっても黄色等の着色が十分に抑制されたものとなる。即ち、樹脂板中に光拡散粒子が存在した場合には、樹脂板中を通過する光路長が長くなるために、通常は、光拡散粒子が存在しない場合と比べて着色が特に目立ちやすくなるのであるが、本発明では、樹脂板中に光拡散粒子が存在した場合においても黄色等の着色が十分に抑制されたものとなる。即ち、光拡散粒子を含有するにもかかわらず、黄色等の着色が十分に抑制された光拡散性樹脂板が提供される。
【0026】
[8]の発明では、透明樹脂(A)がスチレン系樹脂であり、透明樹脂(B)がスチレン系樹脂又はアクリル系樹脂であるから、黄色等の着色がより十分に抑制された樹脂板(光拡散板等)が提供される。
【0027】
[9]の発明では、実質的に黄色がかっていない白色度の高い拡散光を出射できる面光源装置が提供される。
【0028】
[10]の発明では、黄色味を帯びることなく自然で高品位なカラー表示を実現できる液晶表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明に係る樹脂板の一実施形態を示す断面図である。
【図2】積層板の一実施形態を示す断面図である(積層樹脂板の断面図でもある)。
【図3】この発明の製造方法の一例の概略を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
この発明に係る樹脂板(1)の製造方法について図1〜3を参照しつつ説明する。なお、以下の説明及び図3において「ステップ」を「S」と略記する。
【0031】
まず、透明樹脂(A)を含有してなる基層(8)の少なくとも片面に、透明樹脂(B)を含有してなる表面層(9)を積層して第1積層板(7)を得る(S1)。本実施形態では、基層(8)の両面に表面層(9)(9)を積層して第1積層板(3)を得る(図2参照)。
【0032】
ここで、前記透明樹脂(A)、透明樹脂(B)としては、互いに下記式(1)が成立するものを用いる。即ち、前記透明樹脂(A)のSP値と前記透明樹脂(B)のSP値の差の絶対値を「Δδ」とし、前記透明樹脂(A)の屈折率と前記透明樹脂(B)の屈折率の差の絶対値を「Δn」としたとき、
Δδ×Δn≦0.42 …(1)
互いに上記式(1)が成立する関係にある透明樹脂(A)と透明樹脂(B)を用いる。
【0033】
次に、得られた第1積層板(7)の周縁部の少なくとも一部を裁断し、所定の大きさの製品(第1積層樹脂板)(7)を得ると共に、裁断された部分を第1端材として分別する(S2)。このS1、S2が第1端材取得工程である。
【0034】
こうして得られた第1積層樹脂板(7)は、透明樹脂(A)を含有してなる基層(8)の両面に透明樹脂(B)を含有してなる表面層(9)(9)が積層された構成である。
【0035】
次に、前記第1端材と透明樹脂(A)を混合することによって、基層用樹脂を調製する(S3)。この時、透明樹脂(A)と第1端材の合計量に対する第1端材の含有率が1質量%以上100質量%未満になるように混合して基層用樹脂の組成物を調製するのが好ましい。
【0036】
この後、前記基層用樹脂からなる基層(8)の片面又は両面に、透明樹脂(B)を含有してなる表面層(9)を積層して第2積層板(7)を得る(S4)。
【0037】
次に、前記得られた第2積層板(7)の周縁部の少なくとも一部を裁断し、所定の大きさの製品(第2積層樹脂板)(7)を得ると共に、裁断された部分を第2端材として分別する(S5)。これらS3、S4、S5が第2端材取得工程である。
【0038】
こうして得られた第2積層樹脂板(7)は、透明樹脂(A)及び透明樹脂(B)を含有してなる基層(8)の両面に透明樹脂(B)を含有してなる表面層(9)(9)が積層された構成であるが、透明樹脂(A)と透明樹脂(B)との間にΔδ×Δn≦0.42の関係式が成立する構成であるから、第1端材を基層(8)の構成材料の一部として再利用するにもかかわらず、黄色等の着色が十分に抑制された第2積層樹脂板(7)を製造できる。また、第1端材を基層(8)の構成材料の一部として再利用する比率を増大させても(即ち端材のリサイクル含有比率を増大させても)、黄色等の着色を十分に抑制できる。
【0039】
次に、S5の裁断工程で出た前記第2端材と透明樹脂(A)とを混合することによって、成形用樹脂を調製する(S6)。この時、前記同様に、透明樹脂(A)と第2端材の合計量に対する第2端材の含有率が1質量%以上100質量%未満になるように混合して成形用樹脂の組成物を調製するのが好ましい。
【0040】
この後、前記成形用樹脂を原料に用いて成形を行うことによって樹脂板(1)を得る(S7)。
【0041】
次に、前記得られた樹脂板の周縁部の少なくとも一部を裁断し、所定の大きさの製品(単層樹脂板)(1)を得る(S8)。
【0042】
こうして得られた単層樹脂板(1)は、透明樹脂(A)及び透明樹脂(B)を含有してなる構成である。ここで、S6で再利用された第2端材は、そもそもその基層中に前のS3で再利用された第1端材が混合されてなるものであり、いわば2度目の再利用に供されているものであり、従ってS6で得られた成形用樹脂組成物における前記透明樹脂(B)の含有率は、前のS3で得られた基層用樹脂組成物における前記透明樹脂(B)の含有率よりも増大しているのであるが、透明樹脂(A)と透明樹脂(B)との間にΔδ×Δn≦0.42の関係式が成立する構成であるから、着色が十分に抑制された樹脂板(1)を得ることができる。
【0043】
なお、上記実施形態では、S1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8の各ステップ(工程)を順に経て製品としての樹脂板(1)を得たものであるが、特にこのような構成に限定されるものではなく、例えば、S4、S5、S6のステップをこの順で複数回繰り返した後にS7、S8の各ステップ(工程)を実施するようにしても良いし(図3参照)、或いはS1、S2、S3、S7、S8の各ステップ(工程)を順に経て(即ちS3からS7に進む;S4〜6を省略する)樹脂板(1)を製造するようにしても良い。これらいずれの形態であっても、透明樹脂(A)と透明樹脂(B)との間にΔδ×Δn≦0.42の関係式が成立する構成を採用しているから、積層板(7)の端材を1ないし複数回再利用に供しても、黄色等の着色が十分に抑制された樹脂板(1)を得ることができる。このように、本製造方法では、積層板(7)の端材を1回再利用に供した場合は勿論のこと、積層板(7)の端材を複数回再利用に供した場合でも、黄色等の着色が十分に抑制された樹脂板(1)を製造できるので、本製造方法は工業生産に適している。
【0044】
なお、前記基層(8)と前記表面層(9)とを積層する手法としては、特に限定されるものではないが、例えば共押出成形法、貼合法、熱接着法、溶剤接着法、重合接着法、キャスト重合法、表面塗布法等の方法が挙げられる。中でも、作業が容易で製造効率が高く、接着剤等の他の材料を使う必要のない共押出成形法が好ましい。
【0045】
また、前記端材を透明樹脂(A)に混合する際に、傷付き、汚れ、割れ等が存在するために製品として提供できない品質不良品(品質不良の積層樹脂板)を前記端材と共に透明樹脂(A)に混合しても良い。
【0046】
また、上記実施形態では、樹脂調製工程において(S3、S6)、透明樹脂(A)と端材とを混合して基層用樹脂又は成形用樹脂を調製していたが、特にこれに限定されるものではなく、前記端材を(溶融せしめたものを)基層用樹脂又は成形用樹脂として用いても良い(透明樹脂(A)を混合せしめないものとしても良い)。
【0047】
この発明において、前記透明樹脂(A)、前記透明樹脂(B)としては、透明樹脂(A)のSP値と透明樹脂(B)のSP値の差の絶対値を「Δδ」とし、透明樹脂(A)の屈折率と透明樹脂(B)の屈折率の差の絶対値を「Δn」としたとき、互いにΔδ×Δn≦0.42の関係式が成立する透明樹脂同士であればどのようなものでも使用できる。下記表1は、2つの樹脂の組み合わせにおける「Δδ×Δn」の数値を表にして記載したものであるが、例えばこのような組み合わせにおいてΔδ×Δnが0.42以下である組み合わせになる樹脂の一方を透明樹脂(A)として用い、他方を透明樹脂(B)として用いることができる。なお、表1において、「*」が付された組み合わせではΔδ×Δnが0.42を超えているので、本発明における透明樹脂(A)と透明樹脂(B)の組み合わせとして採用できない(本願発明の効果を達成できない)。
【0048】
【表1】

【0049】
なお、表1の「Δδ×Δn」の算出の基礎となる「Δδ」の値を表2に示し、表1の「Δδ×Δn」の算出の基礎となる「Δn」の値を表3に示す。また、「Δδ」の算出の基礎となる各樹脂のSP値および「Δn」の算出の基礎となる各樹脂の屈折率nの値を表4に示す。
【0050】
【表2】

【0051】
【表3】

【0052】
【表4】

【0053】
ここで、前記屈折率は、株式会社アタゴ製の屈折率計「多波長アッベ屈折計DR−M4」を用いてJIS K7142−1996に準拠して測定した値である(定義)。
【0054】
但し、表3のΔnの算出及び表4の各樹脂の屈折率nについては、便宜的に、下記文献1に記載の当該樹脂の屈折率を用い、文献1に記載のない樹脂については下記文献2の当該樹脂の屈折率を用いた。なお、これら文献1、2に共重合体の屈折率の記載がない場合には、既知の樹脂の屈折率と各単位単量体の成分のモル比率により算出した、即ち共重合体の屈折率は、各単位単量体の屈折率と各成分モル比率の積を合計することによって算出した。これらの点は、後述する実施例においても同様である。
文献1:「POLYMER HANDBOOK(THIRD EDITION)」、著者:J.BRANDRUP and E.H.IMMERGUT、発行所:A WILEY−INTERSCIENCE PUBLICATION、1989年発行、p.VI/453〜VI/461
文献2:「光時代の透明性樹脂」、監修者:井出文雄、発行所:CMC出版、2004年6月30日発行、第1版、第10章、p.128〜137。
【0055】
また、前記SP値は、Hansenの溶解度パラメーター(Hansenの方法により計算して求められた溶解度パラメーター)である。Hansenによれば、溶解度パラメーターδは、(δd、δp、δh)の3次元のパラメーターで定義されている、即ち次式(2)で定義されている。なお、Hansenが提唱したこの考え方(理論)は、「PROPERTIES OF POLYMERS」(著者:D.W.VAN KREVELEN、発行所:ELSEVIER SCIENTIFIC PUBLISHING COMPANY、1989年発行、第5版)に記載されている。
δ2=(δd)2+(δp)2+(δh)2 …(2)
δd:London分散力項
δp:分子分極項(双極子間力項)
δh:水素結合項
従って、本発明において、「Δδ」は、次式(3)で定義される。
(Δδ)2=(δd1−δd22+(δp1−δp22+(δh1−δh22 …(3)
δd1:透明樹脂(A)のLondon分散力項
δd2:透明樹脂(B)のLondon分散力項
δp1:透明樹脂(A)の分子分極項
δp2:透明樹脂(B)の分子分極項
δh1:透明樹脂(A)の水素結合項
δh2:透明樹脂(B)の水素結合項。
【0056】
本発明において、Hansenの溶解度パラメーター(SP値)は、具体的には、次のようにして求める。
【0057】
1)各官能基のグループモル牽引定数(Fdi、Fpi、Ehi)及びモル体積(Vi)を、「PROPERTIES OF POLYMERS」(著者:D.W.VAN KREVELEN、発行所:ELSEVIER SCIENTIFIC PUBLISHING COMPANY、1989年発行、第5版)の「CHAPTER7 COHESIVE PROPERTIES AND SOLUBILITY」(129〜158頁)の記載事項、手法により算出する。
【0058】
2)ポリマー(樹脂)の単位グループモル牽引定数は、上記1)で求めた各官能基のグループモル牽引定数(Fdi、Fpi、Ehi)及びモル体積(Vi)から、
δd=ΣFdi/ΣVi …(4)
δp=(Σ(Fpi)21/2/ΣVi …(5)
δh=(ΣEhi/ΣVi)1/2 …(6)
上記式(4)、式(5)、式(6)によりそれぞれ算出する。
【0059】
3)複数個の単量体単位を含むポリマー(共重合体)については、各単位単量体の存在モル比率を掛けて算出する。
【0060】
前記透明樹脂(A)、前記透明樹脂(B)としては、互いにΔδ×Δn≦0.30の関係式が成立する透明樹脂同士を用いるのが好ましく、特に好ましいのは互いにΔδ×Δn≦0.20の関係式が成立する透明樹脂同士である。このように「Δδ×Δn」の値がより小さい場合には、積層板の端材を樹脂板の構成材料の一部としてより多く使用しても或いは積層板の端材を樹脂板の構成材料の全部として用いても、黄色等の着色が十分に抑制された樹脂板(光拡散板等)(1)を製造できる。
【0061】
また、透明樹脂(A)の屈折率と透明樹脂(B)の屈折率の差の絶対値は、即ちΔnは、0.03以上0.15以下であるのが好ましく、さらに0.032以上0.13以下であるのがより好ましい。
【0062】
また、透明樹脂(A)のSP値と透明樹脂(B)のSP値の差の絶対値は、即ちΔδは、0以上12.0以下であるのが好ましく、この場合には積層板(7)の端材を樹脂板(1)の構成材料の少なくとも一部として再利用する比率をより増大させても、黄色等の着色を十分に抑制することができる。中でも、Δδは0以上10.0以下であるのがより好ましい。
【0063】
なお、表1に示した透明樹脂(A)と透明樹脂(B)の組み合わせは一例に過ぎず、特にこれら例示のものに限定されるものではない。即ち、前記透明樹脂(A)、前記透明樹脂(B)としては、互いにΔδ×Δn≦0.42の関係式が成立する限りにおいて、例えば次のような透明樹脂の中から組み合わせて用いることができる。例えば、メタクリル樹脂、MS樹脂(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体)、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、ポリスチレン、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状オレフィン樹脂等が挙げられる。
【0064】
これらの中でも、前記透明樹脂(A)としてスチレン系樹脂を用い、前記透明樹脂(B)としてスチレン系樹脂又はアクリル系樹脂を用いるのが好ましい。勿論、この場合にも、透明樹脂(A)であるスチレン系樹脂と、透明樹脂(B)であるスチレン系樹脂又はアクリル系樹脂とは、互いにΔδ×Δn≦0.42の関係式が成立するものでなければならない。
【0065】
前記スチレン系樹脂とは、スチレン系単量体単位の含有率が50〜100質量%である樹脂である。前記スチレン系単量体としては、スチレンの他、例えば置換スチレン類などを用いることもできる。前記置換スチレン類としては、特に限定されるものではないが、例えば、クロロスチレン、ブロモスチレン等のハロゲン化スチレン類、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のアルキルスチレン類などが挙げられる。前記スチレン系単量体は、単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0066】
前記スチレン系樹脂に単量体単位として含ませ得る、スチレン系単量体以外の単量体としては、特に限定されるものではないが、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸アダマンチル、メタクリル酸トリシクロデシル、メタクリル酸フェンチル、メタクリル酸ノルボルニル、メタクリル酸ノルボルニルメチル等のメタクリル酸エステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸トリシクロデシル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸、アクリル酸等の不飽和酸類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、無水グルタル酸、グルタルイミドなどが挙げられ、これらの2種以上を含んでいても良い。
【0067】
前記アクリル系樹脂とは、単量体単位としてメタクリル酸メチルを50質量%以上含有する樹脂であり、実質的にメタクリル酸メチルの単独重合体であっても良いし、メタクリル酸メチルを50質量%以上とこれと共重合可能な他の単量体50質量%以下とを共重合して得られる共重合体であっても良い。
【0068】
前記アクリル系樹脂に単量体単位として含ませ得る、メタクリル酸メチル以外の他の単量体(メタクリル酸メチルと共重合可能な他の単量体)としては、特に限定されるものではないが、例えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸アダマンチル、メタクリル酸トリシクロデシル、メタクリル酸フェンチル、メタクリル酸ノルボルニル、メタクリル酸ノルボルニルメチル等のメタクリル酸エステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸トリシクロデシル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸、アクリル酸等の不飽和酸類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、無水グルタル酸、グルタルイミド、スチレン系単量体などが挙げられ、これらの2種以上を含んでいても良い。前記スチレン系単量体としては、スチレンの他、上記の置換スチレン類を用いても良い。また、前記アクリル系樹脂には、無水グルタル酸単位やグルタルイミド単位が含まれていても良い。
【0069】
前記樹脂板(1)や前記基層(8)に光拡散粒子を含有せしめても良い。この場合には、光拡散板として好適なものとなる。前記光拡散粒子としては、前記樹脂板(1)や前記基層(8)を構成する樹脂又は混合樹脂と屈折率が異なる粒子であって、該粒子を分散させて含有させることにより樹脂板(1)や積層樹脂板(7)を透過する光を拡散し得るものであれば、特に限定されない。例えば、ガラス粒子、ガラス繊維、シリカ粒子、水酸化アルミニウム粒子、炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子、酸化チタン粒子、タルク等の無機粒子であっても良いし、スチレン系重合体粒子、アクリル系重合体粒子、シロキサン系重合体粒子等の有機粒子であっても良い。
【0070】
また、前記樹脂板(1)に、この発明の効果を阻害しない範囲において、紫外線吸収剤、熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、光安定剤、蛍光増白剤、加工安定剤、造核剤等の添加剤を含有せしめても良い。
【0071】
同様に、この発明の効果を阻害しない範囲において、前記基層(8)や前記表面層(9)に、紫外線吸収剤、熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、光安定剤、蛍光増白剤、加工安定剤、造核剤等の添加剤を含有せしめても良い。
【0072】
前記基層(8)の厚さ(R)は、通常50〜2990μmである。50μm以上であることで十分な強度を確保できると共に、2990μm以下であることでコスト増大を抑制できる。中でも、前記基層(8)の厚さ(R)は好ましくは100μm以上2980μm以下、より好ましくは2500μm以下である。
【0073】
また、前記表面層(9)の厚さ(T)は、通常10〜300μmである。10μm以上であることで安定した厚さの表面層が得られると共に、300μm以下であることでコスト増大を抑制できる。中でも、前記表面層(9)の厚さ(T)は好ましくは20μm以上200μm以下である。
【0074】
前記基層(8)の厚さは前記表面層(9)の厚さ(片面)の9〜100倍の範囲に設定されるのが好ましい。9以上であることでコスト増大を抑制できると共に100以下であることで安定した厚さの表面層が得られる。中でも、前記基層(8)の厚さは前記表面層(9)の厚さの10〜80倍の範囲に設定されるのがより好ましい。
【0075】
前記樹脂板(1)の厚さは、通常0.05mm〜5mm、好ましくは0.1〜4mmの範囲、より好ましくは0.2〜3mmの範囲に設定される。
【0076】
なお、上記実施形態では、積層板(7)としては、基層(8)の両面に表面層(9)(9)を積層一体化した構成が採用されていたが(図2参照)、特にこのような構成に限定されるものではなく、基層(8)の片面に表面層(9)を積層一体化した構成を採用しても良い。
【0077】
この発明の製造方法により得られる樹脂板(1)として好適な構成は、透明樹脂(A)100質量部および透明樹脂(B)0.01〜20質量部を含有した樹脂組成物からなる構成である。このような構成の樹脂板(1)は、着色が十分に抑制されたものとなっている。
【0078】
前記樹脂板(1)の表面は、平滑面に形成されていても良いし、或いはマット形状、レンズ形状等に形成されていても良く、特に限定されない。
【0079】
なお、この発明に係る樹脂板(1)の製造方法は、上記例示の実施形態のものに特に限定されるものではなく、請求の範囲内であれば、その精神を逸脱するものでない限りいかなる設計的変更をも許容するものである。
【実施例】
【0080】
次に、この発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれら実施例のものに特に限定されるものではない。
【0081】
<参考例1>
スチレン−メタクリル酸共重合体(スチレン単位の含有率:約90.5質量%、メタクリル酸単位の含有率:約9.5質量%)(東洋スチレン社製「T080」)99.50質量部、シリコーンゴム粒子(東レ・ダウコーニング社製「DY33−719」)0.36質量部、スミソーブ200(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、住友化学社製)0.10質量部をスクリュー径40mmの押出機に供給して250℃で溶融混練した後、マルチマニホールドダイに供給して温度245〜250℃で押出成形を行うことによって、厚さ2.0mmの単層の樹脂板からなる光拡散板を作製した。
【0082】
この参考例1は、樹脂板の構成材料として積層板(7)の端材を全く使用しなかった場合に相当する。
【0083】
<実施例1>
スチレン−メタクリル酸共重合体(スチレン単位の含有率:約90.5質量%、メタクリル酸単位の含有率:約9.5質量%)(東洋スチレン社製「T080」)99.10質量部、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(スチレン単位の含有率:約80質量%、メタクリル酸メチル単位の含有率:約20質量%)(新日鐵化学社製「MS200」)0.50質量部、シリコーンゴム粒子(東レ・ダウコーニング社製「DY33−719」)0.36質量部、スミソーブ200(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、住友化学社製)0.10質量部をスクリュー径40mmの押出機に供給して250℃で溶融混練した後、マルチマニホールドダイに供給して温度245〜250℃で押出成形を行うことによって、図1に示すような厚さ2.0mmの単層の樹脂板(1)からなる光拡散板を作製した。
【0084】
なお、上記スチレン−メタクリル酸共重合体(スチレン単位の含有率:約90.5質量%、メタクリル酸単位の含有率:約9.5質量%)(透明樹脂(A))と、上記スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(スチレン単位の含有率:約80質量%、メタクリル酸メチル単位の含有率:約20質量%)(透明樹脂(B))との間におけるΔδ×Δnは0.088であるから(表1参照)、これら両樹脂の間にはΔδ×Δn≦0.42の関係式が成立する。
【0085】
前記スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(透明樹脂(B))は、積層板(7)における表面層形成用樹脂に相当するものである。
【0086】
即ち、この実施例1で得られた樹脂板(1)は、透明樹脂(A)製の基層の厚さが1.9mm、透明樹脂(B)製の表面層の厚さが0.05mm(両側合計で0.10mm)である積層板(7)の周縁部を裁断して端材として分別し、この端材10質量部と透明樹脂(A)90質量部とを混合して得られた樹脂組成物を押出成形して製造した単層の樹脂板(1)に相当する。
【0087】
<実施例2>
スチレン−メタクリル酸共重合体(スチレン単位の含有率:約90.5質量%、メタクリル酸単位の含有率:約9.5質量%)(東洋スチレン社製「T080」)98.10質量部、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(スチレン単位の含有率:約80質量%、メタクリル酸メチル単位の含有率:約20質量%)(新日鐵化学社製「MS200」)1.50質量部、シリコーンゴム粒子(東レ・ダウコーニング社製「DY33−719」)0.36質量部、スミソーブ200(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、住友化学社製)0.10質量部をスクリュー径40mmの押出機に供給して250℃で溶融混練した後、マルチマニホールドダイに供給して温度245〜250℃で押出成形を行うことによって、図1に示すような厚さ2.0mmの単層の樹脂板(1)からなる光拡散板を作製した。
【0088】
なお、上記スチレン−メタクリル酸共重合体(スチレン単位の含有率:約90.5質量%、メタクリル酸単位の含有率:約9.5質量%)(透明樹脂(A))と、上記スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(スチレン単位の含有率:約80質量%、メタクリル酸メチル単位の含有率:約20質量%)(透明樹脂(B))との間におけるΔδ×Δnは0.088であるから(表1参照)、これら両樹脂の間にはΔδ×Δn≦0.42の関係式が成立する。
【0089】
前記スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(透明樹脂(B))は、積層板(7)における表面層形成用樹脂に相当するものである。
【0090】
即ち、この実施例2で得られた樹脂板(1)は、透明樹脂(A)製の基層の厚さが1.9mm、透明樹脂(B)製の表面層の厚さが0.05mm(両側合計で0.10mm)である積層板(7)の周縁部を裁断して端材として分別し、この端材30質量部と透明樹脂(A)70質量部とを混合して得られた樹脂組成物を押出成形して製造した単層の樹脂板(1)に相当する。
【0091】
<実施例3>
スチレン−メタクリル酸共重合体(スチレン単位の含有率:約90.5質量%、メタクリル酸単位の含有率:約9.5質量%)(東洋スチレン社製「T080」)97.10質量部、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(スチレン単位の含有率:約80質量%、メタクリル酸メチル単位の含有率:約20質量%)(新日鐵化学社製「MS200」)2.50質量部、シリコーンゴム粒子(東レ・ダウコーニング社製「DY33−719」)0.36質量部、スミソーブ200(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、住友化学社製)0.10質量部をスクリュー径40mmの押出機に供給して250℃で溶融混練した後、マルチマニホールドダイに供給して温度245〜250℃で押出成形を行うことによって、図1に示すような厚さ2.0mmの単層の樹脂板(1)からなる光拡散板を作製した。
【0092】
なお、上記スチレン−メタクリル酸共重合体(スチレン単位の含有率:約90.5質量%、メタクリル酸単位の含有率:約9.5質量%)(透明樹脂(A))と、上記スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(スチレン単位の含有率:約80質量%、メタクリル酸メチル単位の含有率:約20質量%)(透明樹脂(B))との間におけるΔδ×Δnは0.088であるから(表1参照)、これら両樹脂の間にはΔδ×Δn≦0.42の関係式が成立する。
【0093】
前記スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(透明樹脂(B))は、積層板(7)における表面層形成用樹脂に相当するものである。
【0094】
即ち、この実施例3で得られた樹脂板(1)は、透明樹脂(A)製の基層の厚さが1.9mm、透明樹脂(B)製の表面層の厚さが0.05mm(両側合計で0.10mm)である積層板(7)の周縁部を裁断して端材として分別し、この端材50質量部と透明樹脂(A)50質量部とを混合して得られた樹脂組成物を押出成形して製造した単層の樹脂板(1)に相当する。
【0095】
<実施例4>
スチレン−メタクリル酸共重合体(スチレン単位の含有率:約90.5質量%、メタクリル酸単位の含有率:約9.5質量%)(東洋スチレン社製「T080」)97.10質量部、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(スチレン単位の含有率:約50質量%、メタクリル酸メチル単位の含有率:約50質量%)(日本A&L社製「MM50」)2.5質量部、シリコーンゴム粒子(東レ・ダウコーニング社製「DY33−719」)0.36質量部、スミソーブ200(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、住友化学社製)0.10質量部をスクリュー径40mmの押出機に供給して250℃で溶融混練した後、マルチマニホールドダイに供給して温度245〜250℃で押出成形を行うことによって、図1に示すような厚さ2.0mmの単層の樹脂板(1)からなる光拡散板を作製した。
【0096】
なお、上記スチレン−メタクリル酸共重合体(スチレン単位の含有率:約90.5質量%、メタクリル酸単位の含有率:約9.5質量%)(透明樹脂(A))と、上記スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(スチレン単位の含有率:約50質量%、メタクリル酸メチル単位の含有率:約50質量%)(透明樹脂(B))との間におけるΔδ×Δnは0.243であるから(表1参照)、これら両樹脂の間にはΔδ×Δn≦0.42の関係式が成立する。
【0097】
前記スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(透明樹脂(B))は、積層板(7)における表面層形成用樹脂に相当するものである。
【0098】
即ち、この実施例4で得られた樹脂板(1)は、透明樹脂(A)製の基層の厚さが1.9mm、透明樹脂(B)製の表面層の厚さが0.05mm(両側合計で0.10mm)である積層板(7)の周縁部を裁断して端材として分別し、この端材50質量部と透明樹脂(A)50質量部とを混合して得られた樹脂組成物を押出成形して製造した単層の樹脂板(1)に相当する。
【0099】
<実施例5>
スチレン−メタクリル酸共重合体(スチレン単位の含有率:約90.5質量%、メタクリル酸単位の含有率:約9.5質量%)(東洋スチレン社製「T080」)97.10質量部、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)(住友化学社製「MG5」)2.5質量部、シリコーンゴム粒子(東レ・ダウコーニング社製「DY33−719」)0.36質量部、スミソーブ200(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、住友化学社製)0.10質量部をスクリュー径40mmの押出機に供給して250℃で溶融混練した後、マルチマニホールドダイに供給して温度245〜250℃で押出成形を行うことによって、図1に示すような厚さ2.0mmの単層の樹脂板(1)からなる光拡散板を作製した。
【0100】
なお、上記スチレン−メタクリル酸共重合体(スチレン単位の含有率:約90.5質量%、メタクリル酸単位の含有率:約9.5質量%)(透明樹脂(A))と、上記ポリメチルメタアクリレート(PMMA)(透明樹脂(B))との間におけるΔδ×Δnは0.330であるから(表1参照)、これら両樹脂の間にはΔδ×Δn≦0.42の関係式が成立する。
【0101】
前記ポリメチルメタアクリレート(PMMA)(透明樹脂(B))は、積層板(7)における表面層形成用樹脂に相当するものである。
【0102】
即ち、この実施例5で得られた樹脂板(1)は、透明樹脂(A)製の基層の厚さが1.9mm、透明樹脂(B)製の表面層の厚さが0.05mm(両側合計で0.10mm)である積層板(7)の周縁部を裁断して端材として分別し、この端材50質量部と透明樹脂(A)50質量部とを混合して得られた樹脂組成物を押出成形して製造した単層の樹脂板(1)に相当する。
【0103】
【表5】

【0104】
<参考例2>
スチレン−メタクリル酸共重合体(スチレン単位の含有率:約83.5質量%、メタクリル酸単位の含有率:約16.5質量%)(大日本インキ化学社製「A14」)99.50質量部、シリコーンゴム粒子(東レ・ダウコーニング社製「DY33−719」)0.36質量部、スミソーブ200(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、住友化学社製)0.10質量部をスクリュー径40mmの押出機に供給して250℃で溶融混練した後、マルチマニホールドダイに供給して温度245〜250℃で押出成形を行うことによって、厚さ2.0mmの単層の樹脂板からなる光拡散板を作製した。
【0105】
この参考例2は、樹脂板の構成材料として積層板(7)の端材を全く使用しなかった場合に相当する。
【0106】
<実施例6>
スチレン−メタクリル酸共重合体(スチレン単位の含有率:約83.5質量%、メタクリル酸単位の含有率:約16.5質量%)(大日本インキ化学社製「A14」)97.10質量部、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(スチレン単位の含有率:約80質量%、メタクリル酸メチル単位の含有率:約20質量%)(新日鐵化学社製「MS200」)2.50質量部、シリコーンゴム粒子(東レ・ダウコーニング社製「DY33−719」)0.36質量部、スミソーブ200(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、住友化学社製)0.10質量部をスクリュー径40mmの押出機に供給して250℃で溶融混練した後、マルチマニホールドダイに供給して温度245〜250℃で押出成形を行うことによって、図1に示すような厚さ2.0mmの単層の樹脂板(1)からなる光拡散板を作製した。
【0107】
なお、上記スチレン−メタクリル酸共重合体(スチレン単位の含有率:約83.5質量%、メタクリル酸単位の含有率:約16.5質量%)(透明樹脂(A))と、上記スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(スチレン単位の含有率:約80質量%、メタクリル酸メチル単位の含有率:約20質量%)(透明樹脂(B))との間におけるΔδ×Δnは0.081であるから(表1参照)、これら両樹脂の間にはΔδ×Δn≦0.42の関係式が成立する。
【0108】
前記スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(透明樹脂(B))は、積層板(7)における表面層形成用樹脂に相当するものである。
【0109】
即ち、この実施例6で得られた樹脂板(1)は、透明樹脂(A)製の基層の厚さが1.9mm、透明樹脂(B)製の表面層の厚さが0.05mm(両側合計で0.10mm)である積層板(7)の周縁部を裁断して端材として分別し、この端材50質量部と透明樹脂(A)50質量部とを混合して得られた樹脂組成物を押出成形して製造した単層の樹脂板(1)に相当する。
【0110】
<実施例7>
スチレン−メタクリル酸共重合体(スチレン単位の含有率:約83.5質量%、メタクリル酸単位の含有率:約16.5質量%)(大日本インキ化学社製「A14」)97.10質量部、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(スチレン単位の含有率:約50質量%、メタクリル酸メチル単位の含有率:約50質量%)(日本A&L社製「MM50」)2.5質量部、シリコーンゴム粒子(東レ・ダウコーニング社製「DY33−719」)0.36質量部、スミソーブ200(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、住友化学社製)0.10質量部をスクリュー径40mmの押出機に供給して250℃で溶融混練した後、マルチマニホールドダイに供給して温度245〜250℃で押出成形を行うことによって、図1に示すような厚さ2.0mmの単層の樹脂板(1)からなる光拡散板を作製した。
【0111】
なお、上記スチレン−メタクリル酸共重合体(スチレン単位の含有率:約83.5質量%、メタクリル酸単位の含有率:約16.5質量%)(透明樹脂(A))と、上記スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(スチレン単位の含有率:約50質量%、メタクリル酸メチル単位の含有率:約50質量%)(透明樹脂(B))との間におけるΔδ×Δnは0.214であるから(表1参照)、これら両樹脂の間にはΔδ×Δn≦0.42の関係式が成立する。
【0112】
前記スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(透明樹脂(B))は、積層板(7)における表面層形成用樹脂に相当するものである。
【0113】
即ち、この実施例7で得られた樹脂板(1)は、透明樹脂(A)製の基層の厚さが1.9mm、透明樹脂(B)製の表面層の厚さが0.05mm(両側合計で0.10mm)である積層板(7)の周縁部を裁断して端材として分別し、この端材50質量部と透明樹脂(A)50質量部とを混合して得られた樹脂組成物を押出成形して製造した単層の樹脂板(1)に相当する。
【0114】
<実施例8>
スチレン−メタクリル酸共重合体(スチレン単位の含有率:約83.5質量%、メタクリル酸単位の含有率:約16.5質量%)(大日本インキ化学社製「A14」)97.10質量部、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)(住友化学社製「MG5」)2.50質量部、シリコーンゴム粒子(東レ・ダウコーニング社製「DY33−719」)0.36質量部、スミソーブ200(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、住友化学社製)0.10質量部をスクリュー径40mmの押出機に供給して250℃で溶融混練した後、マルチマニホールドダイに供給して温度245〜250℃で押出成形を行うことによって、図1に示すような厚さ2.0mmの単層の樹脂板(1)からなる光拡散板を作製した。
【0115】
なお、上記スチレン−メタクリル酸共重合体(スチレン単位の含有率:約83.5質量%、メタクリル酸単位の含有率:約16.5質量%)(透明樹脂(A))と、上記ポリメチルメタアクリレート(PMMA)(透明樹脂(B))との間におけるΔδ×Δnは0.289であるから(表1参照)、これら両樹脂の間にはΔδ×Δn≦0.42の関係式が成立する。
【0116】
前記ポリメチルメタアクリレート(PMMA)(透明樹脂(B))は、積層板(7)における表面層形成用樹脂に相当するものである。
【0117】
即ち、この実施例8で得られた樹脂板(1)は、透明樹脂(A)製の基層の厚さが1.9mm、透明樹脂(B)製の表面層の厚さが0.05mm(両側合計で0.10mm)である積層板(7)の周縁部を裁断して端材として分別し、この端材50質量部と透明樹脂(A)50質量部とを混合して得られた樹脂組成物を押出成形して製造した単層の樹脂板(1)に相当する。
【0118】
【表6】

【0119】
上記のようにして得られた各光拡散板について下記評価法に従い評価を行った。評価結果を表5、6に示す。
【0120】
<全光線透過率測定法>
JIS K7361−1997に準拠して光拡散板の全光線透過率(%)を測定した。
【0121】
<拡散光線透過率測定法>
JIS K7136−2000に準拠して光拡散板の拡散光線透過率(%)を測定した。
【0122】
<曇価測定法>
JIS K7136−2000に準拠して光拡散板の曇価(%)を測定した。
【0123】
<分光透過率測定による黄色度YIの測定法>
積分球を備えた自記分光光度計(日立製作所製「UV−4000」)を用いて光拡散板の380〜780nmの波長範囲の分光透過率を測定し、これに基づいて黄色度YIを算出した。
【0124】
<拡散率の測定法>
自動変角光度計(株式会社村上色彩技術研究所製「GP−1R」)を用い、光拡散板に対して、法線方向から光を入射させた時の透過光のうち、法線方向に対して5°の角度への透過光の強度I5、法線方向に対して20°の角度への透過光の強度I20、法線方向に対して70°の角度への透過光の強度I70をそれぞれ測定し、
D=100×(I20+I70)/(2×I5
上記算出式により拡散率D(%)を求めた。
【0125】
表5、6から明らかなように、この発明の製造方法で製造された実施例1〜8の光拡散板は、黄色度YIが小さくて着色が十分に抑制されている。即ち、例えば参考例1と実施例1〜5のYI値の対比、参考例2と実施例6〜8のYI値の対比から明らかなように、樹脂板(光拡散板)における表面層形成用樹脂の混合比率が大きくても(即ち端材のリサイクル含有比率が大きくても)黄色度YIは小さく抑制されていた。即ち、積層板の端材の再利用を行ったものに相当する実施例1〜5の光拡散板のYI値は、積層板の端材の再利用をしなかったものに相当する参考例1の光拡散板のYI値と同等であり、積層板の端材の再利用を行ったものに相当する実施例6〜8の光拡散板のYI値は、積層板の端材の再利用をしなかったものに相当する参考例2の光拡散板のYI値と同等であった。
【0126】
また、これら実施例1〜8の光拡散板では、表面層形成用樹脂の混合比率が大きくても(即ち積層板の端材のリサイクル含有比率が大きくても)、全光線透過率及び拡散光線透過率はいずれも殆ど変化がなくほぼ一定のレベルであった。
【0127】
本発明の製造方法において端材を複数回再利用に供した場合には、端材の再利用を繰り返す毎に、樹脂板における端材のリサイクル含有比率が少しづつ増大していくことになるが、このような場合においても、黄色度YIは小さく抑制されるし、全光線透過率及び拡散光線透過率はいずれも殆ど変化がなく、従って本発明の製造方法を採用すれば、積層板の端材を再利用しながら、安定した品質を備えた樹脂板を製造することができる。
【産業上の利用可能性】
【0128】
この発明の製造方法で製造された樹脂板は、例えば、光拡散板として好適であり、中でも液晶表示装置用のバックライト等として用いられる面光源装置用の光拡散板として特に好適に用いられるが、このような用途に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0129】
1…樹脂板(光拡散板)
7…積層板(第1積層板、第2積層板)、積層樹脂板(第1積層樹脂板、第2積層樹脂板)
8…基層
9…表面層
R…基層の厚さ
T…表面層の厚さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明樹脂(A)を含有してなる基層の少なくとも片面に、透明樹脂(B)を含有してなる表面層を積層して積層板を得た後、該積層板の周縁部の少なくとも一部を裁断して端材として分別する端材取得工程と、
透明樹脂(A)と前記端材を混合して得られた樹脂組成物又は前記端材を原料に用いて樹脂板を製造する工程と、を包含し、
前記透明樹脂(A)のSP値と前記透明樹脂(B)のSP値の差の絶対値を「Δδ」とし、前記透明樹脂(A)の屈折率と前記透明樹脂(B)の屈折率の差の絶対値を「Δn」としたとき、Δδ×Δn≦0.42の関係式が成立することを特徴とする樹脂板の製造方法。
【請求項2】
透明樹脂(A)を含有してなる基層の少なくとも片面に、透明樹脂(B)を含有してなる表面層を積層して第1積層板を得た後、該第1積層板の周縁部の少なくとも一部を裁断して第1端材として分別する第1端材取得工程と、
透明樹脂(A)と前記第1端材を混合して得られた樹脂組成物からなる又は前記第1端材からなる基層の少なくとも片面に、透明樹脂(B)を含有してなる表面層を積層して第2積層板を得た後、該第2積層板の周縁部の少なくとも一部を裁断して第2端材として分別する第2端材取得工程と、
透明樹脂(A)と前記第2端材を混合して得られた樹脂組成物又は前記第2端材を原料に用いて樹脂板を製造する工程と、を包含し、
前記透明樹脂(A)のSP値と前記透明樹脂(B)のSP値の差の絶対値を「Δδ」とし、前記透明樹脂(A)の屈折率と前記透明樹脂(B)の屈折率の差の絶対値を「Δn」としたとき、Δδ×Δn≦0.42の関係式が成立することを特徴とする樹脂板の製造方法。
【請求項3】
前記積層板における基層の厚さを表面層の厚さの9〜100倍の範囲に設定すると共に、前記透明樹脂(A)と前記端材を混合する際、前記透明樹脂(A)と前記端材の合計量に対する前記端材の含有率が1質量%以上100質量%未満になるように混合する請求項1または2に記載の樹脂板の製造方法。
【請求項4】
0.03≦Δn≦0.15の関係式が成立する請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂板の製造方法。
【請求項5】
前記透明樹脂(A)がスチレン系樹脂であり、前記透明樹脂(B)がスチレン系樹脂又はアクリル系樹脂である請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂板の製造方法。
【請求項6】
透明樹脂(A)100質量部に対し、透明樹脂(B)を0.01〜20質量部含有した樹脂組成物からなり、
前記透明樹脂(A)のSP値と前記透明樹脂(B)のSP値の差の絶対値を「Δδ」とし、前記透明樹脂(A)の屈折率と前記透明樹脂(B)の屈折率の差の絶対値を「Δn」としたとき、Δδ×Δn≦0.42の関係式が成立することを特徴とする樹脂板。
【請求項7】
前記樹脂組成物は、前記透明樹脂(A)100質量部に対し、前記透明樹脂(B)を0.01〜20質量部及び光拡散粒子を0.01〜10質量部含有してなる請求項6に記載の樹脂板。
【請求項8】
前記透明樹脂(A)がスチレン系樹脂であり、前記透明樹脂(B)がスチレン系樹脂又はアクリル系樹脂である請求項6または7に記載の樹脂板。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか1項に記載の樹脂板からなる光拡散板と、該光拡散板の背面側に配置された複数の光源とを備えることを特徴とする面光源装置。
【請求項10】
請求項6〜8のいずれか1項に記載の樹脂板からなる光拡散板と、該光拡散板の背面側に配置された複数の光源と、前記光拡散板の前面側に配置された液晶パネルとを備えることを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−79168(P2011−79168A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−231475(P2009−231475)
【出願日】平成21年10月5日(2009.10.5)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】