説明

樹脂粒状材料を輸送コンテナに積み下ろしするための方法

【課題】樹脂粒状材料を輸送コンテナに積み下ろしするための方法を提供する。
【解決手段】柔軟な樹脂のインライナが輸送コンテナに入れられる。インライナの前面部が、樹脂粒状材料を前記インライナに積み込むための少なくとも1つの受入れ用の柔軟なホース接続部と、吹き入れられた運搬空気を前記インライナから排出するための少なくとも1つの排出用ホース接続部と、樹脂粒状材料を前記インライナから出すための少なくとも1つの荷下ろし用ホース接続部とを含む。また、前記前面部は保護ライナを含む。キャビンと輸送コンテナが注入ステーションに位置合わせされ、キャビンは、注入ステーションから樹脂粒状材料を移し、該移された樹脂粒状材料を前記輸送コンテナへ前記受入れ用ホース接続部を通して注ぐようにしてある。輸送コンテナには、キャビンを利用して樹脂粒状材料が積み込まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、樹脂粒状材料を輸送コンテナに積み下ろしするための方法、積み下ろしシステム、積み下ろしされる輸送コンテナに使用されるインライナ、及びその利用である。
【背景技術】
【0002】
異物で汚染されることを避けるために高純度のポリカーボネート粒状材料を大きな袋に移すこと、又は、その袋から前記粒状材料を他のコンテナへ出すことが知られている。例えば、インライナと積み下ろし用のホースを備えた袋型の折りたたみ可能なコンテナが、独国公報DE−A3539619号明細書に記載されており、このコンテナは、輸送される材料を、注入、輸送及び積み下ろしの作業中における不純物による汚染から保護する。そのような大きな袋の欠点は、約800〜1000kgという比較的小さな容量であること、及び不都合な積み重ねの容量、及び/又は、結果的に20フィートの外洋コンテナにおいて生じる約4トンの粒状材料の積載量の損失である。なぜなら、20フィートのコンテナにおいて、袋に入れずに積載した場合は20トン積載されるところ、大きな袋を積み重ねて積載すると約16トンしか積載されないためである。
【0003】
従来、こうした輸送コンテナの容量の損失の問題について適切な解決法を探る試みが十分になされていなかった。例えば、国際公開公報WO−A2000/41950には、比較的大きな量のポリカーボネート粒状材料をバルク輸送するためのサイロ車両が記載されており、これにより、異物による汚染を避けつつ粒状材料を取り扱うことができる。このサイロ車両は、海外輸送や長距離輸送での使用に関しては経済的に実現不可能である。また、このタイプの輸送は、サイロコンテナが、同じ商品のためのケースにのみ使用可能であり、輸送される材料が変わると、面倒で費用のかかるクリーニングが必要となる欠点を有する。このことは、特に海外運輸に関して、輸送手段の調達および展開を著しく困難にする。
【0004】
したがって、輸送コンテナの内部における交換式の保護スリーブなどの、専門家の間で所謂「インライナ」として知られる、安価なライナを使用することが提案されている。インライナは、あらゆる所望の形状を備えることができ、インライナを用いることで上記の欠点を克服することができる。バルク商品を輸送するためのコンテナにおいてインライナを使用することが、米国特許公報US3696952号明細書に記載されている。この文献には、インライナにバルク商品を積み込み、外部に空気を排出し、荷下ろし用開口部に挿入されたシュートを経由して傾斜したコンテナから荷下ろしする技術が記載されている。積み込み作業では、インライナの出口開口部に挿入されて積み込み作業後に取り除かれるパイプが使用され、残った開口部は輸送のために厚手の紙でシールされる。このようにしてシールされる開口部は、汚染に対して密封して確実に排除することに関する現在の厳しい要求を保証することができない。
【0005】
欧州公報EP−A627368号明細書には、インライナのフィルムの損傷を避けつつ輸送コンテナのインライナから荷下ろしする方法が記載されている。この方法では、水平に配置されたコンテナのインライナ内に高圧下で輸送ガスが吹かれ、出口開口部において、減圧された圧力を提供することにより、バルク商品が、輸送ガスとともにパイプ接続部を通してインライナから排出される。コンテナを傾斜させる必要がないため、重力下の排出と同様、荷下ろし作業中にインライナがスリップせず、これにより損傷しない。しかし、減圧を利用すると、パイプラインの接続が僅かに密閉されていないだけでも、周囲から空気を引き込むリスクがあり、これにより、高純度の粒状材料が、好ましくない異物で汚染されるリスクがある。したがって、減圧を使用する方法では、使用されるパイプラインの密閉に関して、極めて高い要求がもたらされる。
【0006】
米国特許公報US5639188号明細書及び米国特許公報US5868528号明細書には、例えば、周囲から不純物が入ることで流動性を有する製品が汚染されることを避けるための設備における鉄道貨車などの、輸送手段から見下ろしする方法が記載されている。使用される前記設備は、この関連において十分に大きく、これにより、輸送手段全体(鉄道貨車、輸送コンテナ)を設備内に収容できる。循環システムによりろ過され、浄化された空気を吹き入れることにより、輸送装置が開けられて粒状材料が周囲の空気に接触するとき、異物による汚染が生じない。材料の運搬は、減圧下で清浄な空気を用いて行われる。この方法に必要な前記設備は非常に大きく、ろ過される空気の設備は非常にコストが高いため、粒状材料の排出と注入の多くの装置にかかる費用が非常に高くなる。したがって、技術的に簡素化する必要があり、それでもなお確かな問題がある。
【0007】
製品の品質に影響を及ぼし得る、注入作業における不純物による汚染を回避しつつ、例えば、CD、DVD及び他の光学データ媒体の製造に使用される高純度の樹脂粒状材料、特にポリカーボネート粒状材料を注入するための経済的に有利で確実な方法を開発する必要があった。そのような汚染は、物流チェーン全体において生じ得るため、積み込み作業と荷下ろし作業に適し、使用される輸送手段に適した方法を提供する必要もあった。この関連において、汚染物質との接触は、全ての注入作業中及び輸送中において特に避けられるべきである。この技術的な問題は、顧客により行われる適切な測定を必要とするため、それは、簡単かつ確実に実行できるようにすべきであり、安価であるべきである。また、最適なスペースの利用、必要な設備、及び外洋コンテナの配置を考慮に入れるべきである。
【0008】
そのため、本発明の目的は、粒状材料の注入作業のための経済的に有利で確実な方法、並びに、従来技術の欠点を有さず前記方法に使用するための必要な技術的なシステム及び設備を提供することである。
【発明の開示】
【0009】
本発明は、樹脂粒状材料を輸送コンテナに積み下ろしする方法とシステムに関する。任意の大きさの外洋コンテナに、特別な保護ライナを備えた適切な交換可能なインライナを装備する。さらに、コンテナ積み込みシステムとコンテナ荷下ろしシステムは、後述のように構成され、後述のように外洋コンテナに使用される。このように、一方で、不純物と粒状材料の残留物を除去するためのコンテナのクリーニングが回避され、他方で、インライナにおける高純度のポリカーボネート粒状材料が不純物から適切に保護される。そのように適合するインライナを使用することにより、積み重ねられる小さな袋を使用する場合に比べて、外洋コンテナの容量を最適かつ良好にすることができる。また、輸送される商品を備えた輸送コンテナは汚染が生じないため、何らかの別の手段を用いなくても、輸送される樹脂粒状材料に関する製品を変えることができる。
【0010】
したがって、樹脂粒状材料を輸送コンテナに積み込むための方法は、
柔軟な樹脂のインライナであって、該インライナの前面部が、樹脂粒状材料を前記インライナに積み込むための少なくとも1つの受入れ用の柔軟なホース接続部と、吹き入れられた運搬空気を前記インライナから排出するための少なくとも1つの排出用ホース接続部と、樹脂粒状材料を前記インライナから出すための少なくとも1つの荷下ろし用ホース接続部とを含むものであるインライナを、輸送コンテナ内に入れるステップと、
注入ステーションから樹脂粒状材料を移し、該移された樹脂粒状材料を前記輸送コンテナへ前記受入れ用ホース接続部を通して注ぐようにしてあるキャビンと、前記輸送コンテナとを前記注入ステーションに位置合わせするステップと、
前記キャビンを利用して前記輸送コンテナに樹脂粒状材料を積み込むステップと、を備える。
【0011】
この関連において、輸送コンテナに積み込むためのキャビンは、徒歩でアクセスできる可搬式のキャビンであることが好ましく、この目的のため、前記キャビンには、出入り用の開口部を設けられる。好ましくは、キャビンにクリーンルーム条件が使用される。この開示に関して、クリーンルーム条件は、VDI 2083 Luftstromにおけるクラス5の清浄空気が、好ましくは層状の気流として、キャビン内に吹き込まれることを意味するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
好ましい実施形態において、周囲全体が閉ざされた、運転可能なキャビンが、輸送コンテナの積み込みに使用される。キャビンは、作業の開始前に、粒状材料用の既存の注入サイトの真下に配置されることができ、これにより、ラインの相互の全ての必要な接続が何ら問題なく達成され得る。雰囲気からの横断風から保護するために、キャビンと注入サイトとの間のドッキング領域は、横方向に掛かる、閉じられたカーテンによって保護されることが好ましい。これらのカーテンの背後に、頂部から下方に向かう層状の埃のない気流、すなわち、好ましくはクリーンルーム条件に準じる気流が、周囲の空気から塵粒子が入ることを防ぐ。
【0013】
そのようなキャビンの屋根は、複数の閉鎖可能な開口部を含み、その開口部が閉じた状態において、運転可能なキャビンの対応する接続ピースに対する、注入サイトの粒状材料運搬ラインと圧縮空気のラインの好ましくは柔軟性のある接続が実行され得る。これらの接続ピースは、好ましい実施形態において、キャビンに設置された粒状材料運搬装置、好ましくは注入装置(インジェクタ)、より好ましくは圧縮空気を使った注入装置(インジェクタ)に、好ましくは直接接続され得る。粒状材料運搬装置は、粒状材料が流れ通る出口開口部がキャビンの前壁部に配置されて輸送コンテナの積み込み開口部に対向するように、組み込まれることが好ましい。
【0014】
キャビンの前壁部、すなわち輸送コンテナとの対向面における閉鎖可能な開口部により、すぐ後に対向する輸送コンテナとの好ましくは柔軟な接続が実行され得る。したがって、例えば、好ましくは大きなノズル形状の、粒状材料運搬装置の出口開口部が輸送コンテナのインライナに積み込むためのホース接続部に接続される。好ましい実施形態において、粒状材料は、注入サイトから、好ましくは柔軟なホース接続部を経由して粒状材料運搬装置に運搬される。インライナから出る圧縮空気は、好ましくは空気圧を使った運搬作業の間に、インライナにおける好ましくは2つ、可能であれば1つ又は3つ以上の別のホース接続部を通って、前記運転可能なキャビンに排出される。この目的において、前記キャビンには、好ましくは大きなノズル形状を有する、さらに別の接続ピースが設けられ、この接続ピースに、前記の排気用のホースの端部が、締め付けリングにより固定される。
【0015】
前記キャビンは、下方へ導かれる層状の気流が生じるように、注入ステーションからの埃のない圧縮空気が入れられることが好ましく、これにより、周囲の空気からの異物が、樹脂粒状材料に接触しないようにすることができる。
【0016】
このようなキャビンの好ましい実施形態が、図1の例により記載される。図1に係るキャビン10は、ラインの相互の全ての必要な接続が何の問題もなく行われるように、粒状材料用の既存の注入サイト1の真下に配置されており、横方向に掛けられた、閉じたカーテン2により周囲の空気から保護されている。キャビンの屋根には、キャビンに設置された空気圧式注入装置5に直接接続される粒状材料運搬ライン3と注入サイトの圧縮空気のライン4との柔軟な接続のための、閉鎖可能な開口部が配置されている。注入装置の出口開口部は、輸送コンテナ9内のインライナ8に積み込むためのホース接続部6に接続されている。インライナ7のさらなるホース接続部により、インライナから抜ける圧縮空気は、キャビンのダクトを通って外部に排出される。遠近法の理由により、保護ライナは図1において図示されていないが、勿論、本発明の範囲内にある。
【0017】
注入ステーションと注入装置の間にあるライン、例えば、粒状材料運搬ラインと圧縮空気ラインは、柔軟性があることが好ましい。それらは種々の材料で形成することができるが、粒状材料に対して耐摩耗性がある材料で形成することが好ましい。そのような材料は例えばステンレス鋼である。好ましくは、前記ラインは、ステンレス鋼のメッシュ(織物)と、内側のステンレス鋼チューブとで形成することが好ましい。特に、それらはフランジタイプの接続部により接合することが好ましい。輸送コンテナとキャビンとの接続部は、同様に、種々の材料から形成することができる。これらの接続部はまた、柔軟性があることが好ましい。これらはインライナのホース接続部であることが好ましく、樹脂のホース端部ピースとしてインライナの材料から形成され、好ましくはノズルとして形成された、キャビン上の対応するピースの周囲で滑り、所定の位置に締め付けリングで締め付けられる。
【0018】
樹脂粒状材料は、種々の粒状材料運搬装置によって既存の注入装置からインライナへ運搬され得る。例えば、いわゆる粒状材料排出装置若しくは遠心分離機のベルト等のコンベヤベルト、又は注入装置が、この目的に適している。
【0019】
例えば、いわゆる粒状材料排出装置又は遠心分離機のベルト等のコンベヤベルトは、当業者にとって公知であり、市販されている。それらは、例えばSSB Wagetechnik GmbH社によって市販されている。
【0020】
好ましくは、樹脂粒状材料は、注入装置により空気圧で既存の注入装置から輸送コンテナのインライナに運搬される。特に好ましくは、乾燥した、ほこりのない圧縮空気が、運搬に使用される。ここで使用されるように、乾燥した圧縮空気は、好ましくは、露点が−15℃未満の圧縮空気であると理解され、埃のない圧縮空気は、好ましくは、H13のフィルタと下流に接続された30μmのキャンドルフィルタでろ過された圧縮空気であると理解される。
【0021】
空気圧を使った粒状材料の運搬は、原理的に当業者に公知であり、市販の注入装置で運搬することができる。材料の選択に関して、注入装置は、対応する樹脂粒状材料の特有の性質に適応可能である。例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼などといった種々の材料が、注入装置の材料に適している。樹脂粒状材料の特に好ましいタイプである、ポリカーボネート粒状材料にとって適切な材料は、ポリカーボネートに対して耐摩耗性がある材料が好ましい。この目的にとってステンレス鋼が特に適した材料である。
【0022】
輸送コンテナのインライナの満足な積み込みを保証するためには、好ましくは移動可能に配置可能な注入装置が用いられる。使用される圧縮空気は、乾燥していて埃がないことが好ましく、例えば、フィルタサイズがF6、F9及びF13である薄い濾紙からなる3段階のフィルタユニットで浄化することができる。粒状材料の単位キログラム当たりの運搬空気量は、0.8〜2.5Nmであることが好ましく、1.0〜2.0Nmであることがさらに好ましく、1.5〜1.6Nmであることが特に好ましい。注入装置の注入口における運搬空気の圧力は、0.5〜2.0barであることが好ましく、0.8〜1.5barであることがさらに好ましく、0.8〜1.0bar(bar=bar excess pressure)であることが特に好ましい。
【0023】
インライナからキャビンに再循環される運搬空気は、外部に排出されることが好ましい。
【0024】
特に好ましい実施形態において、樹脂粒状材料にポリカーボネート粒状材料が使用され、このことは、粒状材料と接触するキャビンの全構成物質、すなわち、特に、注入ステーションと注入装置との間の粒状材料運搬ライン、及び注入装置自身の抗生物質がステンレス鋼からなる場合に特に有利である。
【0025】
輸送コンテナは、樹脂粒状材料を輸送するのに適した任意のコンテナであってよい。海外輸送に適した大容量のコンテナが好ましい。好ましくは、コンテナは、前面に積み込み開口部があり、20フィート(6メートル)の長さを有する標準的な外洋コンテナである。樹脂材料からなる柔軟性のある所謂「インライナ」は、コンテナの空き容量全体を実質的に満たし、積み込み作業の前に輸送コンテナ内に入れられる。
【0026】
インライナは、あらゆる適切な柔軟性のある樹脂材料で形成することができる。運搬される粒状材料に対して耐摩耗性のある樹脂材料が好ましい。好ましくは、インライナは、ポリエチレン材料からなる。
【0027】
輸送される樹脂粒状材料に要求される純度に依存するが、粒状材料がインライナからの異物で汚染されるのを防ぐために、好ましくはクリーンルーム条件下においてインライナを加工して結合することが有利である。
【0028】
インライナは複数のホース接続部を有し、これらはすべて同一の前面に配置されることが好ましい。インライナにコンテナを挿入するとき、前記前面は、コンテナの積み込み開口部が配置される面に対向する。ホース接続部は、好ましくはホースとピースの形状に設計され、特に好ましくは、インライナと同じ材料からなる。これらのホース接続部は、粒状材料の吹き入れ、運搬空気の除去のための積み込み作業と、積み込まれたインライナの荷下ろし作業とに役立つ。
【0029】
インライナの好ましい実施形態において、インライナは、その前面に少なくとも4つのホース接続部を有する。この接続部において、前記ホース接続部のうち3つは、前記前面の上部領域に配置され、粒状材料を吹き入れて運搬空気を除去するための積み込み作業に使用される。通常は、この場合、1つのホース接続部が、粒状材料を吹き入れることに役立ち、2つの接続部が、運搬空気を除去するのに役立つ。4つ目のホース接続部は、好ましくは、インライナの前面の下部領域に配置され、目的物を出すために使用される。このようなインライナは公知であり、市販されており、引用された従来技術にも記載されている。米国特許US6481598B1号明細書、米国特許US5531361号明細書、欧州公報EP−A1101712号明細書を参照されたい。
【0030】
インライナには、さらなる保護ライナが設けられている。この保護ライナは、同様に、インライナに密封して結合されることが好ましい。この接続部において、インライナは、
例えば接着又は溶接により前記保護ライナに確実に結合されるか、又は、好ましくは、そのような確実な接続を形成することなく、単に、対応するコンテナに設置されるようにしてもよい。例えば、インライナをコンテナ内に導入した後に、保護ライナが、インライナの前面の前のホース接続部に取り付けられ、例えばコンテナの内側に固定される場合、上記のような設置が行われ得る。したがって、積み込み、輸送及び荷下ろしの作業中に外れることを避けることができる。
【0031】
保護ライナは、好ましくは、樹脂の織物からなる。この目的に適しているのは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリエステルの織物である。好ましい実施形態において、これはポリエチレンの織物である。そのような樹脂の織物、特にポリエチレンの織物は、当業者にとって公知である。この接続部において、それらは、例えば、マルチフィラメントの織物であってもよい。好ましい実施形態において、これらはマルチフィラメントの織物、特にポリエチレンの織物であり、スレッド強度が130〜200g/mであり、特に好ましくは150〜190g/mである。スレッド強度は、この接続において、好ましくは、±3%〜±8%の変動範囲、特に好ましくは±5%の変動範囲を有する。
【0032】
保護ライナはインライナを保護するのに役立つ。とりわけ、保護ライナは、インライナの積み込み及び/又は荷下ろしする際に、少なくとも1つのホース接続部を保護するのに役立ち、例えば屋外での注入過程の間に、インライナとキャビンとの間で、積み込み及び/又は荷下ろしする作業の間にそこに接続されるホース接続部を、外部の天候の影響から保護するのに役立つ。そのため、保護ライナは、好ましくは、少なくとも1つの接続ピースを含み、その接続ピースは、少なくとも1つのホース接続部を囲んでこれにより保護し、積み込み及び/又は荷下ろしする作業中にインライナとキャビンとの間において接続されるホース接続部を囲んでこれにより保護する。そのような保護ライナの好ましい実施形態を以下に説明する。好ましい実施形態において、そのような接続ピースは、荷下ろしする間にホース接続部を囲み、荷下ろしの作業中にインライナとキャビンとの間で接続されたホース接続部を囲む。接続ピースは、好ましくは積み込み及び/又は荷下ろしする作業の前に、荷下ろし用キャビンに固定され、前述の好ましい実施形態によれば、荷下ろし作業の前に固定される。これは、積み込み及び/又は荷下ろしする作業のためのインライナの対応するホース接続部であって初めて有利であり、荷下ろしする作業のための前述の好ましい実施形態によれば、キャビンから開口部を通り、保護ライナの接続ピースにより形成されたダクトを通り、キャビン内の対応する、積み込み又は荷下ろしする運搬装置に固定され、具体的には、例えば、積み込みしているキャビン内の注入装置の出口開口部、又は、荷下ろししているキャビン内の回転羽根エアロックに固定される。積み込み又は荷下ろしする作業の完了後にホース接続部を締め付けることが、保護ライナの接続ピースがさらにキャビンに固定される限り行われる。このようにして、周囲の異物が、ホース接続部の締め付け作業の間に入り込むことが防止される。
【0033】
さらに好ましい実施形態において、保護ライニングはさらにフラップを含み、フラップは、積み込み作業のためのホース接続部を保護するのに役立つ。この目的のために、フラップは、好ましくは、対応するホース接続部を経由した輸送のために揺動し、適切な安全装置、好ましくは、例えばバリタイプのクロージャなどの保護ライナを損傷させない装置で捕まえられる。さらに好ましい実施形態において、保護ライナは、1つ又は複数の、好ましくは4つのパネルを4つのエッジに備え、パネルは、インライナの前面の寸法を超えて突出している。これらのパネルは、荷下ろしする作業において粒状材料の重量により、また積み込み作業においては圧縮空気によりコンテナの壁面に対して押されるため、インライナの積み込み及び/又は荷下ろしする作業中の密封に関して有利である。
【0034】
インライナはさらに、好ましい実施形態において、圧縮空気で膨張される少なくとも2つのチャンバを含み、荷下ろしする作業中の膨張により、長方形のインライナの他の通常のコーナーが前記前面に傾斜面を形成することが保証され、これにより、傾斜した状態においてコンテナを完全に荷下ろしすることが可能になる。これらのチャンバを膨張させるために、この好ましい実施形態において、圧縮空気用の対応するさらなるホース接続部がインライナに設けられる。
【0035】
図3は、上述の保護ライナ14を備えたインライナ8の好ましい実施形態を図示している。インライナは、圧縮空気で膨張可能な2つのチャンバ16と、前面において4つのホース接続部6,7A,7B,17を備え、ホース接続部6は、インライナに樹脂粒状材料を積み込むために役立ち、ホース接続部7A,7Bは、余分な圧縮空気のために役立ち、ホース接続部17は、インライナを荷下ろしするのに役立つ。保護インライナの接続ピース13は、ホース接続部17を囲み、フラップ18は、上方へ揺動可能であり、輸送のために(中に)ホース接続部6,7A,7Bを保護する位置でロックされる。さらに、保護ライナ13は、エッジにおいてパネル15を備える。図3において、接続ピースの形状は断面長方形状で示されているが、他の実施形態において、接続ピースは、例えば円形又は長円形など、任意の断面形状を有してもよく、インライナの方向に随意に増大又は減少してもよい。
【0036】
さらなる保護ライナを備えた上述のインライナは、これまで従来技術に記載されていない。インライナは通常、使い捨ての包装のように使用され、使用後、処分されるか又は他の目的で使用され、そのような厳しい要求は複数の輸送商品になされない。
【0037】
輸送の間、インライナのホース接続部は、適切な取付け金具の接続によりしっかりとシールされており、保護ライナにより汚れや汚染から保護される。
【0038】
粒状材料にとっての不純物の発生源となる可能性がある源は、物流チェーン全体に沿って存在し、生産者から顧客へ粒状材料の純度を確保することが、特に有利であり、また望ましい。このことは、粒状材料の製造業者又は供給者で注入する間に前述の粒状材料を扱う段階と、輸送手段を通して購入者により粒状材料が受け取られること、すなわち、輸送コンテナから出すことを含む。驚いたことに、以上に記載した方法は、購入者によりコンテナから出すための単純な手段によりそれが補われるとき、上述の作業に適している。
【0039】
輸送コンテナにおける樹脂粒状材料の積み込み及び荷下ろしするための方法は、積み込み作業が前述の方法により実行され、輸送コンテナの荷下ろしは、輸送コンテナの柔軟樹脂のインライナの少なくとも1つのホース接続部からの樹脂粒状材料の移動のための装置と、移動された樹脂粒状材料のさらなる運搬のための装置を備えたキャビンにより実行され、荷下ろしする作業中に輸送コンテナが傾斜される、ことに特徴を有する。
【0040】
輸送コンテナを荷下ろしするためのキャビンは、この接続(部)において、徒歩で到達できる可搬型のキャビンであり、この目的のために、出入り用の開口部が設けられている。特に好ましくは、クリーンルーム条件がキャビンに適用される。
【0041】
好ましい実施形態において、周囲全体が閉じられた運転可能なキャビンが、輸送コンテナからの荷下ろしに使用され、相互のラインの全ての必要な接続が何の問題もなく達成されるように、作業の開始前に、粒状材料用の既存の積み込みサイトの真下に配置可能である。
【0042】
輸送コンテナの荷下ろしのためのキャビンは、好ましくは回転羽根エアロックを備え、回転羽根エアロックを経由して、コンテナから降ろされる粒状材料が、好ましくは貯蔵サイロへ空気圧で運搬される。好ましくは、圧縮空気用及び粒状材料運搬用の柔軟なホースが接続される、固定されたフランジ接続部が、キャビンの壁面に配置されている。荷下ろしキャビンの前壁面は、35〜60度、好ましくは40〜50度、特に好ましくは約45度の角度で傾斜し、これにより、前面の荷下ろし開口部が同様に35〜60度、好ましくは45〜50度、特に好ましくは45度以下の角度で傾斜した状態で輸送コンテナがそこに結合される。それに続いて、コンテナに固定されていないインライナがスライドすることで、圧力の均等化を目的とする空気の膨張が不要であり、インライナが損傷することを回避できる。
【0043】
上述のような荷下ろしキャビンの好ましい実施形態は、図2の例により説明される。図2に係るキャビン11は、上部において45度の角度で傾斜した前壁部を有し、この前壁部に対して輸送コンテナ9が結合されている。荷下ろしキャビン11は、コンテナ9からの粒状材料の空気圧による運搬のための回転羽根エアロックを備えている。コンテナはインライナ8に設けられている。コンテナにはインライナ8が設けられている。保護ライナの接続ピース13は、荷下ろしキャビンに対するコンテナのホース接続部を囲む。
【0044】
インライナのホース接続部が保護ライナの接続ピースにより囲まれた、好ましい実施形態では、これは、荷下ろし作業の前に荷下ろしキャビンに固定される。
【0045】
荷下ろしの間、キャビンは常に傾斜されることが好ましく、最終的には35〜60度、好ましくは45〜50度、特に好ましくは45度の角度で傾斜し、これにより、インライナの出口が常に粒状材料が補填される。
【0046】
好ましい実施形態において、圧縮空気が入れられるインライナの少なくとも2つのチャンバが、さらに、圧縮空気で満たされる。このチャンバのチャージングは、前記前面において長方形のインライナの他の通常のエッジから傾斜面が形成されているため、荷下ろし作業の間、傾斜した状態でコンテナからの荷下ろしの完了を促進する。
【0047】
好ましい実施形態において、荷下ろしキャビンの傾斜した前壁は、外部において、輸送コンテナからの保護ライナの接続ピースを固定するための、固定された、好ましくはノズル形状の、好ましくは長円形の装置を含む。インライナから荷下ろしするためのホース接続部は、好ましくは回転羽根エアロックにより、キャビンの内部に接続されている。このように、粒状材料は、輸送コンテナから、インライナから荷下ろしするためのホース接続部に取付け金具でしっかりと固定されたホース接続部を通って、好ましくは回転羽根エアロックと、さらには注入装置、貯蔵サイロへの閉じたホースのライン又はパイプラインを通る運搬ベルトを経由して、運搬される。インライナから荷下ろしするためのホース接続部接続されたホース接続部は、保護ライナの接続ピースにより周囲からの不純物に対して保護されることが好ましい。保護ライナの接続ピースは、特に、注入処置が屋外で実行されるときに周囲からの不純物による汚染を防ぐために役立ち、実際の荷下ろしホース、すなわちホース接続部の接続前に元の位置にすでにしっかりと設置されている。圧縮空気が入れられる全ての他の柔軟性があるホースは、好ましくは、フランジ接続部をしっかりと閉じることにより相互に結合され、キャビンの壁を通る通路は、外部から密封してシールされている。好ましくは、徒歩で到達できるキャビンの内部は、連続的な、好ましくは乾燥した埃のない気流とともに、上方からチャージされ、これにより、外部からの塵粒子の侵入を避けることができ、前記気流は、キャビンの下部領域から外部へ抜ける。
【0048】
大容量の輸送コンテナの積み込み及び荷下ろしの方法は、製造業者から顧客へ輸送される粒状材料の純度を確保するのに特に有効である。顧客により採用されるべき手段は、簡単且つ確実に実行され、安価である。また、前記方法は、輸送コンテナ内の空間を最も適切に利用できる可能性を提供する。
【0049】
保護ライナを備えた、大容量の輸送コンテナとインライナの積み込み、又は積み下ろしの方法はさらに、海外輸送での使用に特に適している。減圧の使用は、いずれの段階においても不要であり、また、輸送される商品が変えられるとき、コンテナの面倒なクリーニングを免れることができる。
【0050】
大容量の輸送コンテナの積み込み、又は積み下ろしの方法は、あらゆるタイプの樹脂粒状材料に適している。そのような樹脂粒状材料は、大きく異なる顆粒サイズの、あらゆるポリマーの粒状材料である。そのような樹脂粒状材料の具体例は、ポリカーボネート粒状材料、ポリプロピレンの粒状材料であり、好ましい樹脂粒状材料は、ポリカーボネート粒状材料である。前記方法は、例えばCD、DVD及び他の光学的な用途のための、高純度の樹脂粒状材料の輸送に使用されることが特に好ましい。この場合もやはり、ポリカーボネート粒状材料が特に好ましい。
【0051】
また、輸送コンテナの荷下ろし及び積み込みのシステムが開示されている。
輸送コンテナの荷下ろし及び積み込みのシステムは、
樹脂粒状材料を既存の注入装置から移す装置と、前記移された樹脂粒状材料を注入する装置とを備えた、積み込み作業のためのキャビンと、
柔軟な樹脂のインライナを備えた輸送コンテナであって、前記インライナの前面部が、樹脂粒状材料を積み込むための少なくとも1つのホース接続部と、吹き入れられた運搬空気を前記輸送コンテナから排出するための少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの柔軟なホース接続部と、前記内容物を荷下ろしするための少なくとも1つのホース接続部とを含むものである輸送コンテナと、
前記輸送コンテナの柔軟な樹脂のインライナの少なくとも1つのホース接続部から樹脂粒状材料を移す装置と、前記移された樹脂粒状材料のさらなる運搬のための装置とを備えた、荷下ろし作業のためのキャビンと、を備え、
前記柔軟な樹脂のインライナは、前記前面部に設けられ、前述のホース接続部を備え、保護ライナをさらに備える。
【0052】
輸送コンテナの積み込みの本発明の方法のための前述の好ましい範囲と、輸送コンテナの積み下ろしの本発明の方法の前述の好ましい範囲とは、この場合も同様に適用される。
【0053】
次の実施例は、本発明を説明するためだけに役立つものであり、限定的に見なされるべきではない。
【0054】
[実施例1]
20トンのポリカーボネート樹脂材料(顆粒サイズ2.5×3.0mm)を、図1の積み込みキャビンを経由して、本発明に係るインライナが設けられた20フィートのコンテナ内に積み込んだ。この目的のために、圧縮空気のライン4と粒状材料搬送ライン3を、キャビンの屋根の開口部を通してキャビン内の注入装置5に直接接続した。また、注入装置の出口開口部と、インライナ8の積み込み用ホース接続部6を、移動可能な空気ホースの形状で接続した。2つの排気ホース7を、キャビン内の2つの長円形状の排気パイプに配管し、外へ出る気流によりパイプの壁面に押圧した。この外へ出て行く運搬気流は、2つの横方向の排気フラップを通って、積み込みキャビン10から出る。外部からの埃の侵入を防止するために、清浄な空気を、ルーフハッチを通して積み込みキャビン10内へ流した。
【0055】
コンテナ9の積み込みは、注入装置5を準備した後に開始した。この目的のため、運搬空気のバルブは、1400〜1800Nm/hourに調整し、0.5〜0.8barの圧力、10〜15トン/hourの処理量で、ポリカーボネート粒状材料をコンテナのインライナへ運搬した。
【0056】
インライナから粒状材料を荷下ろしするために、図2の荷下ろしキャビンを使用した。バルクコンテナ9内のインライナ8から粒状材料を荷下ろしするために、本発明に係る荷下ろしキャビン11に対してコンテナを正確に配置した。荷下ろしキャビンの前面を45度の角度に傾斜させ、この角度の傾斜にバルクコンテナが揺動できるようにした。前記傾斜面に長円形状の接続ピースを配置し、その接続ピースに、バルクコンテナからのインライナの保護ライナ13を、デスタコスパナを用いて外部から固定した。積み込みホース17(図3)を、荷下ろしキャビンの内部から引き延ばし、回転羽根エアロック12の接続ピースに固定した。このように、バルクコンテナのインライナと、荷下ろしキャビンとの接続を形成し、好ましくない環境条件下においても外部から完全に密封してシールした。バルクコンテナから柔軟性のあるステンレス鋼のホースを経由する(図2の矢印参照)、0.5〜0.8barの圧力で1000〜1400Nm/hourの量の圧縮空気で、粒状材料を回転羽根エアロックから運搬ラインを通して貯蔵サイロへ運搬した。
【0057】
荷下ろし作業の間、クリーンルーム条件を確保するために、外部からの空気の侵入を防止するための約400Nm/hourの圧縮空気をラインを通して荷下ろしキャビンに入れた。入れた空気は、フィルタユニットを経由して中間ドアに抜き出した。要求された圧縮空気は全て乾燥し、埃がなかった。
【0058】
注入されたポリカーボネート粒状材料におけるごく少量の埃を、European Norm FEM 2482(樹脂粒状材料において微粒子と繊維を測定するための測定方法)により測定した。粒状材料の品質特性値(QK)を、スキャナテストにより測定した。これのために、サンプリングサイトを、荷下ろしキャビンからの運搬ラインの端部とした。QKが2であり、ごく少量の埃が87〜88mg/kgであることが測定された。
【0059】
[品質特性値(QK)の説明]
QKは、テストのためにPC粒状材料から製造された最終的な射出成型品(この場合はCDディスク)上で測定される。金属化されていないオーディオCDが、レーザースキャナ(ミュンヘンのDr Schenk社製のHRD5スキャナ装置)を用いて測定される。光照射野、暗視野における検出信号、及び複屈折の測定値を評価する。測定結果を参照データのセットと比較する。PC粒状材料のさらなる過程のために必要な清浄度に関して、値が全ての参照データのセットのデータよりも低く低下すること、すなわち100%よりも低いことが必要不可欠である。実際の測定データが50〜99%の範囲にある場合、QKは2であり、データが50%である場合QKは1であり、データが100%よりも大きい場合QKは3である。参照データのセットは、20階級の欠陥の定義に基づいている。それらの欠陥の階級における個々の測定限度値は、統計的方法である。
【0060】
[比較使用例1]
20トンのポリカーボネート粒状材料(顆粒サイズ2.5×3.0mm)を、本発明に使用される積み込みキャビンを使用せずに、輸送の目的で大きな袋に積み込んだ。この目的のため、適切な注入装置によって、また、1400〜1800Nm/hourの量で0.5〜0.8barの圧力の運搬空気を用いて、40トン/hourの処理量で、対応する個数の大きな袋へ粒状材料を積み込んだ。
【0061】
実施例1のように、注入した粒状材料のごく少量の埃とQKを測定した。この場合、サンプリングサイトは、大きな袋への搬送地点とした。QKが2であり、ごく少量の埃が90mg/kgであることが測定された。
【0062】
[実施例2]
別の一団の20トンのポリカーボネート粒状材料(実施例1と同じ顆粒サイズ)を、実施例1と同じ条件下で20フィートのコンテナに運搬し、コンテナから荷下ろしした。
【0063】
注入した粒状材料のごく少量の埃とQKを実施例1と同様に測定した。QKが2であり、ごく少量の埃が77mg/kgであることが測定された。
【0064】
[比較使用例2]
実施例2と同じ一団の20トンのポリカーボネートを、比較例1と同様の大きな袋に積み込んだ。
【0065】
注入した粒状材料のごく少量の埃とQKを実施例1と同様に測定した。QKは2であり、ごく少量の埃が77mg/kgであることが測定された。
【0066】
しかしながら、比較例に係る、注入された大きな袋からの注入された20トンのポリカーボネート粒状材料は、好ましくない積み込み量を有するため、その全てを1つの20フィートのコンテナに詰めることができなかった。したがって、実施例は、
輸送コンテナの貯蔵用量の最適な利用に関して、一方では本発明に係る方法の利点を示し、必要なコンテナ数の低減により、輸送コストの改善に反映される。
【0067】
さらに、実施例は、本発明に係る方法により、従来の大きな袋の積み込みと比較して、ダスト負荷が同じ高品質に維持されるか又は改善されるように、ポリカーボネート粒状材料を輸送コンテナに積み込むことができることを示す。
【0068】
実施例1と2に対応する本発明の方法に係る荷下ろし作業の完了後、圧縮空気のホースと粒状材料運搬ホースを減圧し、切り離した。インライナのホース接続部は、接続作業と逆の順序で接続を切り、シールした。荷下ろしされたインライナは、バルクコンテナから完全に取り外すことができ、別のバルクコンテナでの輸送に再利用したり、又は、同じバルクコンテナでの新たな輸送に再利用したりすることができる。
【0069】
上述の全ての参考文献は、有用な目的のためにそのまま参照することにより引用される。
【0070】
本発明を具体化する特定の詳細な構成について図示して説明したが、根本的な発明の概念の精神と範囲から逸脱しない限り、部分的な種々の変更や再配置がなされ得ること、及び、本発明が本明細書に示されて説明された特定の形状に限定されないことは、当業者にとって明白である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】積み込み装置の図表示である。
【図2】荷下ろし装置の図表示である。
【図3】保護ライナを備えたインライナの図表示である。
【符号の説明】
【0072】
1:既存の注入サイト、2:カーテン、3:粒状材料運搬ライン、4:圧縮空気ライン、5:空気圧式注入装置、6:積み込み用ホース接続部、8:インライナ、9:輸送コンテナ、10:積み込み用キャビン、11:荷下ろし用キャビン、13:接続ピース、14:保護ライナ、15:パネル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂粒状材料を輸送コンテナに積み込むための方法であって、
柔軟な樹脂のインライナであって、該インライナの前面部が、樹脂粒状材料を前記インライナに積み込むための少なくとも1つの受入れ用の柔軟なホース接続部と、吹き入れられた運搬空気を前記インライナから排出するための少なくとも1つの排出用ホース接続部と、樹脂粒状材料を前記インライナから出すための少なくとも1つの荷下ろし用ホース接続部とを含むものであるインライナを、輸送コンテナ内に入れるステップと、
注入ステーションから樹脂粒状材料を移し、該移された樹脂粒状材料を前記輸送コンテナへ前記受入れ用ホース接続部を通して注ぐようにしてあるキャビンと、前記輸送コンテナとを前記注入ステーションに位置合わせするステップと、
前記キャビンを利用して前記輸送コンテナに樹脂粒状材料を積み込むステップと、を備えた方法。
【請求項2】
前記キャビンは、徒歩でアクセスできる可搬型のキャビンである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記キャビンにクリーンルーム条件が使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記インライナの前記ホース接続部を前記キャビンの対応するノズルを覆うように滑り込ませるステップと、締め付けリングを用いて前記ホース接続部を前記対応するノズルに固定するステップとをさらに備えた、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記輸送コンテナに積み込むステップが、前記受入れ用の柔軟なホース接続部に接続された空気圧式の注入装置を用いて前記樹脂粒状材料を前記インライナへ運搬するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記の運搬するステップに、乾燥した埃のない圧縮空気が使用される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
下方に導かれる層状の気流が生じるように、前記乾燥した埃のない圧縮空気を前記注入ステーションから前記キャビンに供給するステップをさらに備えた、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
樹脂粒状材料を輸送コンテナから荷下ろしするための方法であって、
樹脂粒状材料が積み込まれた柔軟な樹脂のインライナであって、該インライナの前面部が、樹脂粒状材料を前記インライナに積み込むための少なくとも1つの受入れ用の柔軟なホース接続部と、吹き入れられた運搬空気を前記インライナから排出するための少なくとも1つの排出用ホース接続部と、樹脂粒状材料を前記インライナから出すための少なくとも1つの荷下ろし用ホース接続部とを含むものであるインライナを、内部に有する輸送コンテナを用意するステップと、
前記荷下ろし用ホース接続部に接続され、前記樹脂粒状材料を前記輸送コンテナから外へ移すようにしてあるキャビンと、前記輸送コンテナとを荷下ろしステーションに位置合わせするステップと、
荷下ろし作業中に前記輸送コンテナを傾斜させ、前記キャビンを利用して前記輸送コンテナから荷下ろしするステップと、を備えた方法。
【請求項9】
前記荷下ろし作業用の前記キャビンは、徒歩でアクセスできる可搬型のキャビンである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記保護ライナは、前記荷下ろし作業の前に前記荷下ろしキャビンに固定される少なくとも1つの接続ピースを備えている、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
輸送コンテナの内部を覆うようにした保護スリーブを備え、樹脂粒状材料を前記スリーブに積み込むための少なくとも1つの受入れ用の柔軟なホース接続部と、吹き入れられた運搬空気を前記スリーブから排出するための少なくとも1つの排出用ホース接続部と、樹脂粒状材料を前記スリーブから出すための少なくとも1つの荷下ろし用ホース接続部と、を含む前面部を前記スリーブが有する、柔軟な樹脂のインライナ。
【請求項12】
樹脂粒状材料を注入装置から移し、該移された樹脂粒状材料を注ぐようにしてある、積み込み作業用の第1のキャビンと、
柔軟な樹脂のインライナを含む輸送コンテナであって、前記インライナの前面部が、樹脂粒状材料を前記第1のキャビンから受けるための少なくとも1つの受入れ用の柔軟なホース接続部と、吹き入れられた運搬空気を前記インライナから排出するための少なくとも1つの排出用ホース接続部と、樹脂粒状材料を前記インライナから出すための少なくとも1つの荷下ろし用ホース接続部と、保護ライナとを含むものである輸送コンテナと、
前記少なくとも1つの荷下ろし用ホース接続部を通して前記輸送コンテナから樹脂粒状材料を移し、該移された樹脂粒状材料を運搬するようにしてある、荷下ろし作業用の第2のキャビンと、を備えた輸送コンテナの積み下ろしシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−285232(P2008−285232A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−129466(P2008−129466)
【出願日】平成20年5月16日(2008.5.16)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】