説明

樹脂組成物、塗料、接着剤及び印刷インキ

【課題】合成樹脂、特に、ポリアミド樹脂の表面の付着性を改善する樹脂組成物並びにこの樹脂組成物を用いた樹脂溶液、塗料、接着剤及び印刷インキを提供する。
【解決手段】二価以上のフェノール類100重量部と、ポリイソシアネート0.1〜5重量部とを含有することを特徴とする樹脂組成物。この樹脂組成物を汎用の塗料に添加することによって、合成樹脂、特にポリアミド樹脂の表面への付着性に優れた樹脂塗膜を形成することができる塗料を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂の表面の付着性を改善する樹脂組成物並びにこの樹脂組成物を用いた樹脂溶液、塗料、接着剤及び印刷インキに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、合成樹脂は、生産性が高く種々の形状に容易に成形することができると共に軽量性や防錆性にも優れていることから、自動車部品、電器製品、建築材料などの種々の用途に幅広く用いられている。そして、ポリアミド樹脂は、エンジニアリングプラスチックとして、自動車、電気、機械部品用の射出成形品、フィルム、シート、電線被覆用の押出成形品などとして広く使用されている。
【0003】
そして、ポリアミド樹脂中のアミド基は、分子間水素結合を形成しやすく、しかも、アミド基は二重結合的性質を有しているために分子は剛直であり、その結果、ポリアミド樹脂は結晶化し易く、融点も高く、ポリアミド樹脂の表面への塗装や接着が困難であるといった問題点があった。
【0004】
そこで、特許文献1には、ポリアミド樹脂からなる既成形品を成形型にセットして、該既成形品の一部が臨んでいるキャビティに、加熱溶融されたポリアミド樹脂を射出充填して、前記既成形品の一部に付加成形部を一体成形する方法であって、前記既成形品における前記付加成形部の一体化成形予定部位に、1,3−ジヒドロキシベンゼンを20〜25重量%と、ポリアミド樹脂を10〜20重量%と、メタノールを60〜70重量%とを含むプライマーを塗布して、既成形品を成形型にセットするポリアミド樹脂成形品の射出成形方法が提案されている。
【0005】
しかしながら、上記プライマーは、ポリアミド樹脂同士の接着を改善するものであるが、ポリアミド樹脂同士の接着にしか対応することができないといった問題点を有しており、ポリアミド樹脂とこれ以外の合成樹脂との間の接着性の改善が望まれていた。
【0006】
【特許文献1】特開2003−89131号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、合成樹脂、特に、ポリアミド樹脂の表面の付着性を改善し、ポリアミド樹脂同士、或いは、ポリアミド樹脂とポリアミド以外の合成樹脂との間の付着性を改善し或いは接着する樹脂組成物並びにこの樹脂組成物を用いた樹脂溶液、塗料、接着剤及び印刷インキを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の樹脂組成物は、二価以上のフェノール類100重量部と、ポリイソシアネート0.1〜5重量部とを含有することを特徴とする。
【0009】
上記二価以上のフェノール類は、分子中にフェノール性水酸基を二個以上有する化合物をいい、ポリアミド樹脂を溶解することができれば、特に限定されず、例えば、1,3−ジヒドロキシベンゼン、3,5−ジヒドロキシ安息香酸などの二価のフェノール類;1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼンなどの三価のフェノール類などが挙げられ、二価のフェノール類が好ましく、1,3−ジヒドロキシベンゼンがより好ましい。
【0010】
そして、ポリイソシアネートとは、分子中に二個以上のイソシアネート基を有する化合物であって、例えば、有機ジイソシアネート化合物、有機トリイソシアネート化合物などが挙げられる。なお、ポリイソシアネートは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0011】
上記有機ジイソシアネート化合物としては、分子中にイソシアネート基を二つ有しておれば、特に限定されず、例えば、イソホロンジイソシアネート、へキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等が挙げられ、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(式1)が好ましい。
【0012】
【化1】

【0013】
又、上記有機トリイソシアネート化合物としては、分子中にイソシアネート基を三つ有しておれば、特に限定されず、例えば、トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート、トリス(p−イソシアネートフェニル)チオホスフェート、リジンエステルトリイソシアネート、ヘキサメチレントリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネートなどが挙げられる。
【0014】
又、ポリイソシアネートは、アクリルポリオール、アルキドポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール若しくはこれらポリオールの変性物、又は、これらの混合物などからなるポリオールと、上記有機ジイソシアネート化合物又は上記有機トリイソシアネート化合物とを反応させて得られる、両末端にイソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマーであってもよい。
【0015】
更に、有機ジイソシアネート化合物として、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体であるビュレット体やイソシアヌレート体、或いは、トリメチロールプロパンへのへキサメチレンジイソシアネートの付加物を主成分とする有機ジイソシアネート化合物を用いてもよい。
【0016】
そして、ポリイソシアネートの樹脂組成物中における含有量は、少ないと、ポリアミド樹脂の表面の付着性を改善する効果が発現しない一方、多いと、樹脂組成物を保存しておくとゲル化するので、二価以上のフェノール類100重量部に対して0.1〜5重量部に限定され、1〜4重量部が好ましい。
【0017】
本発明の樹脂組成物は、上記二価以上のフェノール類及びポリイソシアネートを溶媒に溶解させることによって樹脂溶液として得ることができる。このような溶媒としては、二価以上のフェノール類及びポリイソシアネートを溶解させることができれば、特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、プロパン−1−オール、プロパン−2−オール、ブタン−1−オール、ブタン−2−オール、2−メチル−ブタン−1−オールなどのアルコール、メチルエチルケトン、アセトンなどのケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジクロロメタン、ヘキサン、トルエンなどが挙げられ、アルコールが好ましく、メタノールとプロパン−2−オールとの混合物が好ましい。
【0018】
更に、溶媒としてメタノールとプロパン−2−オールとの混合物を用いる場合、溶媒中におけるメタノールの含有量は、少ないと、樹脂溶液の乾燥に長時間を要することがある一方、多いと、フェノール類の溶解に時間を要して製造効率が低下する虞れがあるので、70〜99重量%が好ましく、94〜98重量%がより好ましい。同様の理由で、溶媒としてメタノールとプロパン−2−オールとの混合物を用いる場合、溶媒中におけるプロパン−2−オールの含有量は、1〜30重量%が好ましく、2〜6重量%がより好ましい。
【0019】
なお、各化合物を異なる溶媒に別々に溶解させた後、これら得られた溶液を混合することによって樹脂組成物(樹脂溶液)を作製してもよいし、一つの溶媒に各化合物を添加し溶解させて樹脂組成物(樹脂溶液)を作製してもよい。
【0020】
本発明の樹脂組成物を溶媒中に溶解させて得られる樹脂溶液において、樹脂組成物の含有量は、10〜50重量%が好ましく、20〜45重量%がより好ましい。これは、少ないと、樹脂溶液を多量に用いないと、合成樹脂、特に、ポリアミド樹脂の表面への付着性を改善する効果が発現せず、樹脂組成物の取り扱い性が低下することがある一方、多いと、樹脂溶液の粘度が上がって取り扱い性が低下し或いは樹脂組成物を溶媒中に完全に溶解させることができないことがあるからである。
【0021】
次に、本発明の樹脂組成物の使用要領について説明する。本発明の樹脂組成物は、例えば、汎用の塗料、印刷インキ、接着剤などに含有させて用いられる。
【0022】
本発明の樹脂組成物を含有させる塗料としては、従来から汎用の塗料であれば、特に限定されず、例えば、ウレタン系樹脂塗料、アクリル系樹脂塗料、セルロース誘導体塗料、アルキド樹脂塗料、不飽和ポリエステル樹脂塗料、アミノ樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、フェノール系樹脂塗料、オレフィン系樹脂塗料などが挙げられ、ウレタン系樹脂塗料、アクリル系樹脂塗料が好ましく、アクリルウレタン系樹脂塗料がより好ましい。
【0023】
上記ウレタン系樹脂塗料としては、従来から汎用されているものであれば、特に限定されず、例えば、加熱又は常温乾燥方法、蒸気アミン浸透法、蒸気アミン触媒噴霧方法などに用いられるものが挙げられる。
【0024】
具体的には、ウレタン系樹脂塗料としては、例えば、アクリルポリオール、アルキドポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール若しくはこれらポリオールの変性物、又は、これらの混合物などからなるポリオールと、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソポンジイソシアネート(IPDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI、トリジンジイソシアネート(TODI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)若しくはこれらの水素添加物、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、リジンジイソシアネート、又は、これらの混合物などからなるポリイソシアネートとからなる二液型ウレタン樹脂塗料、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールのポリイソシアネート付加物に代表される一液湿気硬化型ウレタン樹脂塗料などが挙げられる。
【0025】
又、アクリルウレタン系樹脂塗料とは、アクリルポリオールとポリイソシアネートとからなる二液型ウレタン樹脂塗料である。上記アクリルポリオールとは、アクリル系樹脂からなる主鎖に側鎖として多数の水酸基を有する化合物であり、通常は、アクリル系モノマーと水酸基含有ビニルモノマーとを共重合させることによって得ることができる。
【0026】
そして、上記接着剤としては、汎用の接着剤であれば、特に限定されず、例えば、尿素系接着剤、メラミン系接着剤、フェノール系接着剤、レゾルシノール系樹脂接着剤、エポキシ系樹脂接着剤、酢酸ビニル系樹脂接着剤、ウレタン系樹脂接着剤、アミド系樹脂接着剤、塩化ビニル系樹脂接着剤、ポリビニルアルコール系樹脂接着剤、アクリル系樹脂接着剤などが挙げられる。
【0027】
更に、上記印刷インキとしては、汎用の印刷インキであれば、特に限定されず、例えば、アマニ油型インキ、アマニ油ワニス、安全インキ、液晶カプセルインキ、オフ輪インキ、グロスインキ、蛍光インキ、ゲルニス、号外ニス、紫外線硬化型インキ、大豆油インキ、デルファイインキ、特練りインキ、凸版インキ、グラビアインキ、ヒートセットインキ、ブリキインキ、フレキソインキ、枚葉インキ、UVインキ、レジストインキ、オレフィン系樹脂インキ、ロジン変性フェノール系樹脂インキ、ウレタン系樹脂インキ、マレイン酸系樹脂インキ、スチレン−マレイン酸系樹脂インキ、アクリル系樹脂インキなどが挙げられる。
【0028】
そして、上記樹脂組成物を添加して得られた塗料、接着剤、印刷インキは、合成樹脂、特にポリアミド樹脂に対して優れた付着性を有する。上記合成樹脂としては、特に限定されず、ポリアミド樹脂;エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂などのオレフィン系樹脂;オレフィン系熱可塑性エラストマー;ポリ塩化ビニル;エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA);ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂などが挙げられる。
【0029】
上記ポリアミド樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド11(PA11)、ポリアミド12(PA12)、ポリアミド610(PA610)、ポリアミド46(PA46)などが挙げられる。
【0030】
又、上記エチレン系樹脂としては、エチレンの単独重合体、又は、エチレンとα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。このα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられる。
【0031】
そして、上記プロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体、又は、プロピレンとα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。このα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられる。
【0032】
更に、オレフィン系熱可塑性エラストマーとは、常温でゴム弾性を示し、180℃以上の高温で可塑化されて各種の成形加工が可能なものであり、一般に、分子中にエントロピー弾性を有するゴム成分(ソフトセグメント)が、ポリエチレン、エチレンと少量のジエンとの共重合体、又はこれらの部分架橋されたもので構成されている一方、塑性変形を防止するための分子拘束成分(ハードセグメント)がポリプロピレンで構成されたものをいう。
【0033】
又、上記では、本発明の樹脂組成物を塗料、接着剤、印刷インキに含有させて用いる場合を説明したが、本発明の樹脂組成物を含有する樹脂溶液を上記合成樹脂の表面に塗布して乾燥させてプライマー層を形成してもよい。
【0034】
そして、このプライマー層上に塗料を塗布することによって、合成樹脂、特に、ポリアミド樹脂の表面に、付着性に優れ合成樹脂の表面から剥離することない樹脂塗膜を形成することができ、又、上記プライマー層上に印刷インキを塗布することによって、合成樹脂、特に、ポリアミド樹脂の表面に容易に印刷を施すことができる。更に、上記プライマー層上に接着剤を塗布して、合成樹脂、特にポリアミド樹脂の表面に、ポリアミド樹脂を含む合成樹脂からなる成形品を接着一体化することができる。
【0035】
更に、本発明の樹脂組成物は、それ自体を接着剤として用いることもでき、この樹脂組成物を含有する樹脂溶液を合成樹脂、特にポリアミド樹脂の表面に塗布し、この塗布面に合成樹脂、特に、ポリアミド樹脂を接触させることによって、合成樹脂同士を接着一体化させることができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明の樹脂組成物は、二価以上のフェノール類100重量部と、ポリイソシアネート0.1〜5重量部とを含有することを特徴とし、この樹脂組成物を汎用の塗料に添加することによって、合成樹脂、特にポリアミド樹脂の表面への付着性に優れた樹脂塗膜を形成することができる塗料を得ることができる。
【0037】
又、本発明の樹脂組成物を接着剤に添加することによって、合成樹脂、特にポリアミド樹脂に対する接着性に優れた接着剤を得ることができる。又、本発明の樹脂組成物を印刷インキに添加することによって、合成樹脂、特にポリアミド樹脂に対する付着性に優れた印刷インキを得ることができる。
【0038】
更に、本発明の樹脂組成物は溶媒に溶解させて樹脂溶液とした上で、この樹脂溶液を合成樹脂、特にポリアミド樹脂の表面に塗布、乾燥させて、合成樹脂の表面にプライマー層を形成することにより、合成樹脂の表面にプライマー層を介して樹脂塗膜、印刷層を確実に形成することができると共に、合成樹脂の表面にプライマー層及び接着剤層を介して別の合成樹脂製の部材を強固に接着一体化させることができる。
【0039】
又、本発明の樹脂組成物は溶媒に溶解させて樹脂溶液とした上で、この樹脂溶液を合成樹脂、特にポリアミド樹脂の表面に塗布し、この塗布面に合成樹脂、特にポリアミド樹脂を接触させた状態で乾燥させることにより、合成樹脂同士、特にポリアミド樹脂と、ポリアミド樹脂或いはポリアミド樹脂以外の合成樹脂とを強固に接着一体化させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
(実施例1〜6、比較例1〜4)
1,3−ジヒドロキシベンゼン、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート溶液(フォーフロント社製 商品名「フロント#303」、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート:38重量%、ジクロロメタン:62重量%)、変性ポリイソシアネート溶液(日本ポリウレタン社製 商品名「コロネートL」、変性ポリイソシアネート:75重量%、酢酸エチル:25重量%)、並びに、メタノール96.77重量%及びプロパン−2−オール3.23重量%からなる混合溶媒を表1,2に示した所定量づつ混合して均一に攪拌し、樹脂組成物を混合溶媒に溶解させてなる樹脂溶液を得た。
【0041】
ここで、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート溶液は、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートをジクロロメタンに溶解させたものであり、変性ポリイソシアネート溶液は、変性ポリイソシアネートを酢酸エチルに溶解させたものである。
【0042】
なお、表1,2に示した各化合物量(重量部)は、溶液から溶媒を除いた量、即ち、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、変性ポリイソシアネート自体の量(重量部)を示した。
【0043】
〔アクリルウレタン系樹脂塗料A〕
アクリルウレタン系樹脂塗料(ロックペイント社製 商品名「ブライトメタリック079−0088」)100重量部に、塗料硬化剤(ロックペイント社製 商品名「プラスチック用硬化剤051−4015」)15重量部を添加して均一に混合した。
【0044】
〔アクリルウレタン系樹脂塗料B〕
アクリルウレタン系樹脂塗料(ロックペイント社製 商品名「ブライトメタリック079−0088」)100重量部に、塗料硬化剤(ロックペイント社製 商品名「プラスチック用硬化剤051−4015」)15重量部及び樹脂溶液15重量部を添加して均一に混合した。
【0045】
上記樹脂組成物の貯蔵安定性、及び、上記アクリルウレタン系樹脂塗料A,Bを用いた付着性を下記の要領で測定し、その結果を表1,2に示した。
【0046】
〔貯蔵安定性〕
樹脂溶液を25℃に保持された雰囲気下に2週間に亘って放置した後、樹脂溶液を目視観察し、下記基準に基づいて判断した。
◎・・・放置前後で変化はなかった。
○・・・ややゲル化した。
△・・・ゲル化した。
×・・・固化してしまった。
【0047】
〔付着性(混合)〕
縦100mm×横50mm×厚み2mmのポリアミド66板(東レ社製 商品名「アミランCM3001−N」)の表面をトルエンを用いて油分を除去した。次に、上記ポリアミド66板の表面に、塗布装置(RK PRINT−COAT INSTRUMENT LTD.製 商品名「K コントロールコーター」、ワイヤー径310μm〔密接巻、ウェット膜圧24μm〕)を用いて、塗布直後の塗膜が24μmとなるようにアクリルウレタン系樹脂塗料Bを塗布した後、ポリアミド66板を100℃に保持した熱風乾燥機中に30分間に亘って放置して焼き付けを行った。
【0048】
そして、焼き付けが終了してから24時間が経過した後にJIS K5600−5−6に準拠してクロスカット法に基づいて、塗膜の付着性を測定し、JIS K5600−5−6の表1試験結果の分類で規定された分類に従って下記基準に基づいて評価した。
【0049】
◎・・・試験結果の分類の「0」「1」であった。
○・・・試験結果の分類の「2」であった。
×・・・試験結果の分類の「3」「4」であった。
【0050】
〔付着性(プライマー処理)〕
縦100mm×横50mm×厚み2mmのポリアミド66板(東レ社製 商品名「アミランCM3001−N」)の表面をトルエンを用いて油分を除去した。次に、上記ポリアミド66板の表面に、塗布装置(RK PRINT−COAT INSTRUMENT LTD.製 商品名「K コントロールコーター」、ワイヤー径310μm〔密接巻、ウェット膜圧24μm〕)を用いて、塗布直後の塗膜が24μmとなるように樹脂溶液を塗布し、常温にて30秒間に亘って乾燥させて、ポリアミド66板の表面にプライマー層を形成した。
【0051】
次に、ポリアミド66板のプライマー層上に、塗布装置(RK PRINT−COAT INSTRUMENT LTD.製 商品名「K コントロールコーター」、ワイヤー径310μm〔密接巻、ウェット膜圧24μm〕)を用いて、塗布直後の塗膜が24μmとなるようにアクリルウレタン系樹脂塗料Aを塗布した後、ポリアミド66板を100℃に保持した熱風乾燥機中に30分間に亘って放置して焼き付けを行った。
【0052】
そして、焼き付けが終了してから24時間が経過した後に、上記付着性(混合)と同様の要領で上記基準に基づいて評価した。
【0053】
【表1】

【0054】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
二価以上のフェノール類100重量部と、ポリイソシアネート0.1〜5重量部とを含有することを特徴とする樹脂組成物。
【請求項2】
フェノール類が二価のフェノール類であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
フェノール類が1,3−ジヒドロキシベンゼンであることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
ポリイソシアネートが、有機ジイソシアネート化合物及び/又は有機トリイソシアネート化合物であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の樹脂組成物を溶媒に溶解させてなり、上記樹脂組成物を10〜50重量%含有することを特徴とする樹脂溶液。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の樹脂組成物を含有することを特徴とする塗料。
【請求項7】
請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の樹脂組成物を含有することを特徴とする接着剤。
【請求項8】
請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の樹脂組成物を含有することを特徴とする印刷インキ。

【公開番号】特開2007−23159(P2007−23159A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−207288(P2005−207288)
【出願日】平成17年7月15日(2005.7.15)
【出願人】(501272328)株式会社 フォーフロント (1)
【Fターム(参考)】