説明

樹脂組成物の製造方法およびその製造方法によって製造された樹脂組成物を使用した樹脂製品

【課題】粒子径の小さい充填剤を凝集させることなく樹脂に分散させることにより、優れた機械特性、成形加工性を有し、さらに充填剤として難燃剤を使用した場合には高い難燃性を有する樹脂組成物を得ることを目的とする。
【解決手段】充填剤を溶媒とともに混合することにより分散された充填剤の平均粒子径が0.4μm以下のスラリーを得る工程(ア)と、前記スラリー中の溶媒を実質的に揮発することなく、前記スラリーをベース樹脂と混合する工程(イ)により製造することを特徴とする樹脂組成物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は樹脂組成物の製造方法に関し、さらに詳しくは、従来の充填剤を配合した樹脂組成物と比較して優れた機械特性を有し、さらに充填剤として難燃剤を使用した場合には高い難燃性を有する樹脂組成物の製造方法および、前記製造法にて製造された樹脂組成物を使用した樹脂製品に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、樹脂の成形品には耐候性、着色、硬度、難燃性など様々な特性が求められ、各種の充填剤を配合することで、前記特性を付与している。しかし、樹脂中に各種充填剤を配合していくと、得られた成形品の機械特性や成形加工性が低下するという問題がある。
【0003】
特に、難燃性においては、環境への配慮から非ハロゲン系難燃剤である、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の無機充填剤が多く使用されてきている。しかしながら、前述した非ハロゲン系難燃剤は、ハロゲン系難燃剤と比較して、多量に配合しないと所望の難燃性を発現することが難しく、成形品の機械特性、成形加工性などの低下が大きい。
【0004】
近年、充填剤を樹脂に配合することによる機械特性の低下を防止するために、配合する充填剤の粒子径を低下させ、分散性を向上させる試みが行われている。たとえば、ヒドロキシ錫酸亜鉛、水酸化マグネシウムなどを湿式粉砕した後に乾燥させることで、粒子径の小さい充填剤を得る方法が検討されている。(特許文献1および特許文献2)。
【特許文献1】特開平10−297920号公報
【特許文献2】特開2002−167219号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1および2に記載されているように湿式粉砕した後に乾燥させる方法で製造された充填剤は、粉砕時に粒子径を低下させても、空気中で容易に二次凝集を生じてしまうことが明らかとなった。さらに二次凝集してしまった充填剤は凝集力が強いため、樹脂中での分散性が悪く、結果的に粒子径が大きい充填剤と同様に、樹脂組成物の機械特性や、成形加工性を向上させることが難しいことが明らかとなった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は前記の問題を全て解決し、粒子径の小さい充填剤を凝集させることなく樹脂に分散させることにより、優れた機械特性、成形加工性を有し、さらに充填剤として難燃剤を使用した場合には高い難燃性を有する樹脂組成物を得ることを目的とする。
【0007】
本発明者らは、樹脂組成物に配合されている充填剤の粒子径をサブミクロンもしくはナノオーダーまで低下させ、かつ、充填剤を凝集することなく樹脂組成物中に均一に分散させる方法を種々検討し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明においては、
(1)充填剤を溶媒に混合しながら粉砕し、分散された充填剤の平均粒子径が0.4μm以下のスラリーを得る工程(ア)と、前記スラリー中の溶媒を実質的に揮発することなく、前記スラリーをベース樹脂と混合する工程(イ)を含むことを特徴とする樹脂組成物の製造方法、
(2)前記工程(ア)において、分散剤を前記スラリーに配合することを特徴とする(1)に記載の樹脂組成物の製造方法、
(3)前記工程(ア)において、下記一般式(A)で示されるポリオキシアルキレン化合物およびマレイン酸誘導体(B)を必須単量体として含み、かつ質量平均分子量が500〜100000である共重合体(C)を前記スラリーに配合することを特徴とする(1)または(2)に記載の樹脂組成物の製造方法、
(A): R1−O(AO)n−R2
(但し、AOは炭素数4のオキシアルキレン基を必須として含む炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、R1は炭素数2〜5のアルケニル基、R2は炭素数1〜24のアルキル基、nはオキシアルキレンの平均付加モル数で1〜100である)、
(4)前記工程(ア)において、脂肪酸を有するノニオン性分散剤を前記スラリーに添加することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法、
(5)前記充填剤が、金属水和物、スズ酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、三酸化アンチモン、メラミンシアヌレート、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウムからなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法、
(6)(1)〜(5)のいずれか1項に記載の製造方法によって製造された樹脂組成物を使用した樹脂製品、
が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の樹脂組成物の製造方法によれば、粒子径を著しく低下させた充填剤を凝集することなく樹脂組成物中に均一に分散させることが可能なため、優れた機械特性、成形加工性および耐摩耗性を有し、さらに充填剤として難燃剤を使用した場合には高い難燃性を有する樹脂組成物を得ることが可能である。
【0010】
また、本発明の樹脂組成物を使用した樹脂製品は、粒子径を著しく低下させた充填剤が樹脂組成物中に均一に分散しているので、優れた機械特性、耐摩耗性を有し、さらに充填剤として難燃剤を使用した場合には高い難燃性を有する樹脂製品である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
まず、本発明の樹脂組成物の製造方法について詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、工程(ア)および工程(イ)よりなる。
本発明における工程(ア)は、充填剤を溶媒と共に混合することにより分散された充填剤の粒子径が0.4μm以下のスラリーを得る工程である。
【0012】
工程(ア)において充填剤と溶媒とを混合・分散する方法としては、媒体撹拌型湿式微粉砕機(以下、ビーズミルという)の使用が好ましい。ビーズミルとは、容器の中へビーズを充填しておき、アジテータディスクもしくはピンを回転させることによりビーズに動きを与えるとともに、ここに原料を送り込み、ビーズで摺りつぶすことにより粉砕、分散を行うものである。
【0013】
本発明では、前記ビーズを充填した前記容器内に、溶媒に混合した充填剤を送り込む。そしてアジテータディスクもしくはピンを回転させることにより、ビーズ間にせん断力を発生させ充填剤を微粉砕しながら溶媒中に混合、分散させる。
【0014】
本発明においては、ビーズミルは従来公知のものを使用できるが、例えば、アジテータミル LMZ(商品名、アシザワ(株)製)、SUPER APEX MILL(商品名、コトブキ技研工業(株)製)を好適に使用することができる。
【0015】
本発明において、使用するビーズとしては、金属、ガラス、セラミック等を好適に使用することが出来る。特にセラミックの使用が好ましい。使用するビーズの充填量としては、容器に対して90%以下が好ましく、更に好ましくは70〜80%である。充填量が少ないと分散効率が低下し、多すぎると攪拌されたスラリーの発熱や分散効率の低下が考えられる。使用するビーズのビーズ径は、好ましくは0.05〜1mmであり、さらに好ましくは0.1〜0.5mmである。粒子径が大きすぎると分散効率の低下やスラリー中の粒子を破壊し、粘度上昇を招く可能性があり、小さすぎると衝撃力がなくなり分散効率が低下してしまう可能性がある。
【0016】
本発明において、アジテータディスクもしくはピンの回転速度は、5〜15m/秒が好ましい。さらに好ましくは8.5〜12.5m/秒である。回転速度が速すぎると攪拌されたスラリーの発熱が大きくなり、また粒子を破壊して粘度上昇を招く可能性があり、遅すぎると分散効率が低下する可能性がある。
【0017】
本発明で使用される充填剤としては、通常樹脂の充填剤として使用されるものならば特に限定されず、例えば従来より使用されている各種の無機充填剤、有機充填剤等を使用することができる。
【0018】
無機充填剤としては例えば、カーボン、クレー、酸化錫、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、三酸化アンチモン、石英、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ほう酸亜鉛、ホワイトカーボン、スズ酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン等のほか、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水和珪酸アルミニウム、水和珪酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、オルト珪酸アルミニウム、ハイドロタルサイトなどの金属水和物を挙げることができる。
【0019】
また有機充填剤としては、メラミンシアヌレート、樹脂、ゴム、などを挙げることが出来る。中でも、金属水和物、スズ酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、三酸化アンチモン、メラミンシアヌレート、酸化亜鉛、酸化チタンおよび炭酸カルシウムの使用が好ましい。これらの材料は単独でも、2種以上を組み合わせてもよい。
【0020】
これらの充填剤は、工程(ア)をおこなう前の段階で、その粒子径が10μm以下、好ましくは5μm以下が好ましい。また、表面処理を施していないものが好ましい。
【0021】
工程(ア)にて溶媒中に混合・分散された充填剤の平均粒子径は、使用するビーズのビーズ径、粉砕時間などによって調整することが可能である。本発明においては、充填剤の平均粒子径は0.4μm以下が好ましく、さらに好ましくは0.2μm以下、さらに好ましくは0.1μm以下である。粒子径が大きすぎると機械特性の低下が起きたり、所望の難燃性が得られなくなる恐れがある。
【0022】
本発明における充填剤の平均粒子径の測定は、通常微粒子の測定に用いられる方法で特に制限はないが、例えば、レーザ回折による散乱式粒度測定装置(マイクロトラック)等を使用して測定することが可能である。
【0023】
使用する溶媒としては、前記ビーズミルにて充填剤を混合・分散することができるものであれば特に限定されないが、例えば水やアルコール、プロセスオイルなどが挙げられる。中でも水が好ましい。
【0024】
本発明においては、工程(ア)において、分散剤の添加が好ましい。分散剤を添加することにより、工程(ア)においては、スラリー粘度を低下させ、さらに充填剤の微粉砕、分散の効率を向上させることが可能となる。また、工程(イ)においては、分散された充填剤を再凝集させることなく樹脂中に分散させることが可能となる。
【0025】
分散剤としては、通常用いられるアニオン系分散剤、ノニオン系分散剤が適宜使用できるが、一般式(A)(R1−O(AO)n−R2)で示されるポリオキシアルキレン化合物およびマレイン酸誘導体(B)を必須単量体として含み、かつ質量平均分子量が500〜100,000である共重合体(C)(以下、単に共重合体(C)ともいう)が、スラリーの粘度を低下させ、粒子の再凝集を抑制する点で好ましい。
【0026】
本発明の共重合体(C)とは、一般式(A)(R1−O(AO)n−R2)で示されるポリオキシアルキレン化合物およびマレイン酸誘導体(B)を必須単量体として含み、かつ質量平均分子量が500〜100000のものである。前記共重合体(C)は、充填剤の表面に吸着し保護コロイド効果と電荷により、溶媒中においては分散した充填剤を安定させる効果があり、樹脂中においては樹脂への分散性を向上させる効果がある。
【0027】
本発明の共重合体(C)において、一般式(A)で示される必須単量体のポリオキシアルキレン化合物は、下記の式で表される。
(A): R1−O(AO)n−R2
ここで、AOは炭素数4のオキシアルキレン基を必須として含む炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、R1は炭素数2〜5のアルケニル基、R2は炭素数1〜24のアルキル基、nはオキシアルキレンの平均付加モル数で1〜100である。
【0028】
炭素数2〜4のオキシアルキレン基としては例えば、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、1,2−オキシブチレン基、2,3−オキシブチレン基、オキシテトラメチレン基などがあげられる。好ましくは、オキシプロピレン基、1,2−オキシブチレン基、2,3−オキシブチレン基、オキシテトラメチレン基であり、さらに好ましくは1,2−オキシブチレン基である。
【0029】
前記オキシアルキレン基は、単独でも2種類以上を含んでも良いが、炭素数4のオキシアルキレン基を必須として含む。中でもオキシブチレン基の含有量が10モル%以上であることが好ましく、30モル%以上であることがさらに好ましい。またオキシエチレン基の含有量は、50モル%以下であることが好ましい。
【0030】
前記オキシアルキレン基の平均付加モル数nは、1〜100である。nが100を超えると化合物の粘度が高くなり取り扱いが困難となるので好ましくない。前記オキシアルキレン基の付加形態はランダム状付加あるいはブロック状付加のどちらでもよい。
【0031】
R1で示される炭素数2〜5のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、2,3−ジメチル−1−プロペニル基、3−メチル−1−ブテニル基などがあり、好ましくはアリル基およびメタリル基である。
【0032】
R2は炭素数1〜24の炭化水素基で、炭化水素基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、2−エチルへキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イソステアリル基、オレイル基、オクチルドデシル基、ドコシル基、デシルテトラデシル基、ベンジル基、クレジル基、ブチルフェニル基、ジブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、ドデシルフェニル基、ジオクチルフェニル基、ジノニルフェニル基などがあるが、好ましくはヘキシル基、2−エチルへキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イソステアリル基、オレイル基、オクチルドデシル基、ドコシル基、デシルテトラデシル基、ベンジル基、クレジル基、ブチルフェニル基、ジブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、ドデシルフェニル基、ジオクチルフェニル基、ジノニルフェニル基等の炭素数6〜24の炭化水素基であり、これらは1種類または2種類以上を混合して用いてもよい。
【0033】
共重合体のもう一つの必須単量体は、マレイン酸誘導体(B)である。マレイン酸誘導体としては、マレイン酸、無水マレイン酸等があげられる。なかでも無水マレイン酸が好ましい。
【0034】
共重合体における必須単量体(A)と(B)の組成比は、モル比で(A):(B)=3:7〜7:3であり、好ましくは4:6〜6:4である。
【0035】
必須単量体(A)および(B)のほかに共重合可能な単量体を共重合させることも可能である。共重合可能な単量体としては、スチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、イソブチレンなどのα−オレフイン類、アクリル酸メチルなどのアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチルなどのメタクリル酸エステル類などがあげられるが、スチレンなどの水溶性が極めて低いものが好ましい。
【0036】
また、共重合体(C)の分子量は、質量平均分子量で500〜100000であり、好ましくは2000〜80000であり、さらに好ましくは5000〜50000である。
【0037】
本発明におけるアニオン系分散剤としては、例えば、脂肪族モノカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、N−アシルサルコシン塩、N−アシルグルタミン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルファオレフィンスルホン酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル(分岐鎖)ベンゼンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩−ホルムアルデヒド縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸塩、N−メチル−N−アシルタウリン塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、油脂硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩が挙げられる。
【0038】
本発明におけるノニオン系分散剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、脂肪酸ポリエチレングリコール、脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、脂肪酸アルカノールアミドなどが挙げられる。脂肪酸としては、炭素数8以上の飽和または不飽和脂肪酸が好ましく、このようなものとしては、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソノナン酸、アラキン酸や、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸、大豆油脂肪酸、パーム油脂肪酸、硬化油脂肪酸などがあげられる。
【0039】
本発明において、工程(イ)は、工程(ア)で得られたスラリーの溶媒を実質的に揮発することなくベース樹脂と混合する工程であれば特に限定されない。工程(イ)で使用できる工程として、例えば、押出機(単軸、二軸)に供給ポンプなどを使用してスラリーを供給することにより、工程(ア)で得られたスラリーをそのままベース樹脂と混練する方法等を使用することができる。
【0040】
本発明の工程(イ)においては、ベース樹脂とスラリーが混合され、ベース樹脂中に充填剤が均一に分散した後であれば、スラリーに含まれていた溶媒を除去することも可能である。溶媒を除去する方法としては、例えば押出機を用いた場合には、押出機の出口付近に脱気装置を併設し脱気を行う方法等があげられる。特に、溶媒として水もしくはアルコールを使用した場合には、脱気装置の使用が好ましい。スラリーに含まれる水もしくはアルコールが樹脂組成物に過剰に残存すると、得られた樹脂組成物が発泡してしまう場合があるためである。本発明の工程(イ)における混練装置の一例を図1に示す。
【0041】
本発明で使用されるベース樹脂としては、特に限定されないが例えば、ポリエチレン、エチレン・αオレフィン共重合体、ポリプロピレン、プロピレン・αオレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、アイオノマー、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリスチレンなどの熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーのほか、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンターポリマー、ブチルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴムなどのゴムがあげられる。中でもエチレン・酢酸ビニル共重合体の使用が好ましい。
【0042】
本発明においては、ベース樹脂100質量部に対する充填剤の配合量は5〜60質量部が好ましく、さらに好ましくは10〜50質量部である。
【0043】
本発明の樹脂組成物は、溶媒に分散された充填剤を得る工程(ア)と、それをベース樹脂と混練する工程(イ)により作成される。
【0044】
前記2つの工程で作成された本発明の樹脂組成物は、含有する微細な粒子径の充填剤が再凝集することなく均一に樹脂中に分散しているため、優れた機械特性を示すことが可能となる。これは、粒子径0.4μm以下の微細な充填剤が樹脂組成物中で分散したことにより、樹脂強度の補強効果が増加したためであると考えられる。また、充填剤として難燃剤を用いた場合、本発明の樹脂組成物は、機械的特性の向上に加え優れた難燃性を示すことが可能となる。これは、充填剤を粒子径0.4μm以下の微細なものとしたことにより、充填剤の比表面積が増加し、分解反応が起こりやすくなったためと考えられる。
【0045】
本発明において樹脂組成物中の充填剤の粒子径を測定する手段としては特に限定しないが、例えば、複数のTEM写真を測定し、その像から粒子径を算出する方法などが使用できる。
【0046】
また、工程(ア)および工程(イ)によって得られた樹脂組成物をマスターバッチとして、さらに他の樹脂に配合することで、適用範囲の広い樹脂複合材料の提供が可能となる。
【0047】
本発明の樹脂複合材料として使用することができる樹脂としては、熱可塑性、熱硬化性のいずれも使用でき、特に制限はない。樹脂として熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーやゴムを使用した場合には、押出機(単軸、二軸)、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど通常用いられる溶融混練装置で前記樹脂とともに本発明の樹脂組成物を供給し、ともに溶融混練することにより製造することが可能である。また、熱硬化性樹脂を使用した場合には、例えば硬化前に、あらかじめ熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーにスラリーを混練した樹脂組成物を熱硬化性樹脂に配合させた後、通常の硬化処理を行うことで製造することが可能である。
【0048】
本発明の製造方法によって得られた樹脂組成物には、各種の材料(難燃剤、難燃助剤、充填剤、酸化防止剤、金属不活性剤、紫外線吸収剤、架橋剤、架橋助剤、顔料など)を添加することも可能である。
【0049】
また、本発明の樹脂組成物は必要に応じて架橋してもよい。架橋を行う場合の方法として、常法による電子線照射架橋法や化学架橋法が採用できる。電子線架橋法の場合は、本発明の樹脂組成物を成形した後に常法により電子線を照射することにより架橋をおこなう。化学架橋法の場合は、樹脂組成物に有機パーオキサイドを架橋剤として配合し、成形した後に常法により加熱処理により架橋をおこなう。
【0050】
本発明の樹脂製品としては、その形状は制限されるものではなく、例えば、電源プラグ、コネクター、スリーブ、ボックス、テープ基材、チューブ、シート、等を挙げることができる。また、電線やケーブル、光ファイバ等の被覆材としても好適に用いることが出来る。
【0051】
本発明の樹脂製品は、通常の押出成形や射出成形等の成形方法により本発明の樹脂組成物から成形することが可能である。
【実施例】
【0052】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0053】
実施例1
水酸化マグネシウム(商品名:キスマ5、協和化学(株)製)を蒸留水に浸漬、撹拌して、粉体量20質量%のスラリーを作成し、これに分散剤として、一般式 R1−O(AO)n−R2 で示されるポリオキシアルキレン化合物およびマレイン酸誘導体を必須単量体として含み、かつ質量平均分子量が21,000である共重合体(商品名:マリアリムAKM0531、日本油脂(株)製)を水酸化マグネシウムに対して5質量%となるように添加した。
【0054】
次に、このスラリーを媒体撹拌型湿式微粉砕機(LMZ2、アシザワ(株)製)に投入し、φ0.3mmジルコニアビーズを使用して、粉砕、分散処理した水酸化マグネシウムスラリーを作成した。
【0055】
このスラリー中の水酸化マグネシウムについて、レーザー回折/散乱式粒度測定装置(LA−700、(株)堀場製作所製)で平均粒子径を測定した結果、その平均粒子径は0.30μmであった。
【0056】
このスラリーを、ポンプを使用して二軸押出機途中から注入し、ホッパーから供給されるエチレン・酢酸ビニル共重合体(商品名:エバフレックスV523、三井デュポンポリケミカル(株)製)と表1の配合で溶融混練することで、本発明の樹脂組成物を作成した。
【0057】
実施例2
水酸化マグネシウム(商品名:250、神島化学(株)製)を蒸留水に浸漬、撹拌して、粉体量20質量%のスラリーを作成し、これに分散剤として、一般式 R1−O(AO)n−R2 で示されるポリオキシアルキレン化合物およびマレイン酸誘導体を必須単量体として含み、かつ質量平均分子量が20,000である共重合体(商品名:マリアリムAFB1521、日本油脂(株)製)を水酸化マグネシウムに対して10質量%となるように添加した。
【0058】
次に、このスラリーを媒体撹拌型湿式微粉砕機(LMZ2、アシザワ(株)製)に投入し、φ0.1mmジルコニアビーズを使用して、粉砕、分散処理した水酸化マグネシウムスラリーを作成した。
【0059】
このスラリー中の水酸化マグネシウムについて、レーザー回折/散乱式粒度測定装置(LA−700、(株)堀場製作所製)で平均粒子径を測定した結果、その平均粒子径は0.15μmであった。
【0060】
このスラリーを、ポンプを使用して二軸押出機途中から注入し、ホッパーから供給されるエチレン・酢酸ビニル共重合体(商品名:エバフレックスV523、三井デュポンポリケミカル(株)製)と表1の配合で溶融混練することで、本発明の樹脂組成物を作成した。
【0061】
実施例3
水酸化マグネシウム(商品名:250、神島化学(株)製)を蒸留水に浸漬、撹拌して、粉体量20質量%のスラリーを作成し、これに分散剤として、ポリアクリル酸ナトリウム(商品名:ポリスターA1060、日本油脂(株)製)を水酸化マグネシウムに対して5質量%となるように添加した。
【0062】
次に、このスラリーを媒体撹拌型湿式微粉砕機(SAM1、コトブキ技研(株)製)に投入し、φ0.1mmジルコニアビーズを使用して、粉砕、分散処理し、途中、一般式 R1−O(AO)n−R2 で示されるポリオキシアルキレン化合物および無水マレイン酸またはマレイン酸を必須単量体として含み、かつ質量平均分子量が20,000である共重合体(商品名:マリアリムAFB1521、日本油脂(株)製)を水酸化マグネシウムに対して5質量%、さらにポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(商品名:ニッサンノニオンLT221、日本油脂(株)製)を水酸化マグネシウムに対して5質量%となるように添加し、スラリーを作成した。
【0063】
このスラリー中の水酸化マグネシウムについて、レーザー回折/散乱式粒度測定装置(LA−700、(株)堀場製作所製)で平均粒子径を測定した結果、その平均粒子径は0.15μmであった。
【0064】
このスラリーを、ポンプを使用して二軸押出機途中から注入し、ホッパーから供給されるエチレン・酢酸ビニル共重合体(商品名:エバフレックスV523、三井デュポンポリケミカル(株)製)と表1の配合で溶融混練することで、本発明の樹脂組成物を作成した。
【0065】
実施例4
水酸化マグネシウム(商品名:250、神島化学(株)製)をイオン交換水に浸漬、撹拌して、粉体量20質量%のスラリーを作成し、これに分散剤として、一般式 R1−O(AO)n−R2 で示されるポリオキシアルキレン化合物およびマレイン酸誘導体を必須単量体として含み、かつ質量平均分子量が21,000である共重合体(商品名:マリアリムAKM0531、日本油脂(株)製)を水酸化マグネシウムに対して5質量%となるように添加した。
【0066】
次に、このスラリーを媒体撹拌型湿式微粉砕機(SAM1、コトブキ技研(株)製)に投入し、φ0.1mmジルコニアビーズを使用して、粉砕、分散処理した水酸化マグネシウムスラリーを作成した。
【0067】
このスラリー中の水酸化マグネシウムについて、レーザー回折/散乱式粒度測定装置(LA−700、(株)堀場製作所製)で平均粒子径を測定した結果、その平均粒子径は0.135μmであった。
【0068】
このスラリーを、ポンプを使用して二軸押出機途中から注入し、ホッパーから供給されるエチレン・酢酸ビニル共重合体(商品名:エバフレックスEV450、三井デュポンポリケミカル(株)製)と表1の配合で溶融混練することで、本発明の樹脂組成物を作成した。
【0069】
実施例5
水酸化マグネシウム(商品名:キスマ5、協和化学(株)製)をイオン交換水に浸漬、撹拌して、粉体量20質量%のスラリーを作成し、これに分散剤として、一般式 R1−O(AO)n−R2 で示されるポリオキシアルキレン化合物およびマレイン酸誘導体を必須単量体として含み、かつ質量平均分子量が21,000である共重合体(商品名:マリアリムAKM0531、日本油脂(株)製)を水酸化マグネシウムに対して5質量%となるように添加した。
【0070】
次に、このスラリーを媒体撹拌型湿式微粉砕機(SAM1、コトブキ技研(株)製)に投入し、φ0.1mmジルコニアビーズを使用して、粉砕、分散処理した水酸化マグネシウムスラリーを作成した。
【0071】
このスラリー中の水酸化マグネシウムについて、レーザー回折/散乱式粒度測定装置(LA−700、(株)堀場製作所製)で平均粒子径を測定した結果、その平均粒子径は0.248μmであった。
【0072】
このスラリーを、ポンプを使用して二軸押出機途中から注入し、ホッパーから供給されるエチレン・酢酸ビニル共重合体(商品名:エバフレックスV523、三井デュポンポリケミカル(株)製)と表1の配合で溶融混練することで、本発明の樹脂組成物を作成した。
【0073】
比較例1
水酸化マグネシウム(商品名:キスマ5、協和化学(株)製)を蒸留水に浸漬、撹拌して、粉体量20質量%のスラリーを作成し、これに分散剤として、一般式 R1−O(AO)n−R2 で示されるポリオキシアルキレン化合物およびマレイン酸誘導体を必須単量体として含み、かつ質量平均分子量が21,000である共重合体(商品名:マリアリムAKM0531、日本油脂(株)製)を水酸化マグネシウムに対して5質量%となるように添加した。
【0074】
このスラリー中の水酸化マグネシウムについて、レーザー回折/散乱式粒度測定装置(LA−700、(株)堀場製作所製)で平均粒子径を測定した結果、その平均粒子径は0.80μmであった。
【0075】
このスラリーを、ポンプを使用して二軸押出機途中から注入し、ホッパーから供給されるエチレン・酢酸ビニル共重合体(商品名:エバフレックスV523、三井デュポンポリケミカル(株)製)と表2の配合で溶融混練し、実施例1で作成した樹脂組成物と同比重の樹脂組成物を作成した。
【0076】
比較例2、3
二軸押出機を使用して、水酸化マグネシウム(商品名:250、神島化学(株)製)とエチレン・酢酸ビニル共重合体(商品名:エバフレックスV523、三井デュポンポリケミカル(株)製)を表2の配合で溶融混練し、樹脂組成物を作成した。
【0077】
比較例4
水酸化マグネシウム(商品名:250、神島化学(株)製)をイオン交換水に浸漬、撹拌して、粉体量20質量%のスラリーを作成し、これに分散剤として、一般式 R1−O(AO)n−R2 で示されるポリオキシアルキレン化合物およびマレイン酸誘導体を必須単量体として含み、かつ質量平均分子量が21,000である共重合体(商品名:マリアリムAKM0531、日本油脂(株)製)を水酸化マグネシウムに対して5質量%となるように添加した。
【0078】
このスラリー中の水酸化マグネシウムについて、レーザー回折/散乱式粒度測定装置(LA−700、(株)堀場製作所製)で平均粒子径を測定した結果、その平均粒子径は3.298μmであった。
【0079】
このスラリーを、ポンプを使用して二軸押出機途中から注入し、ホッパーから供給されるエチレン・酢酸ビニル共重合体(商品名:エバフレックスEV450、三井デュポンポリケミカル(株)製)と表2の配合で溶融混練し、樹脂組成物を作成した。
【0080】
比較例5
水酸化マグネシウム(商品名:キスマ5、協和化学(株)製)をイオン交換水に浸漬、撹拌して、粉体量20質量%のスラリーを作成し、これに分散剤として、一般式 R1−O(AO)n−R2 で示されるポリオキシアルキレン化合物およびマレイン酸誘導体を必須単量体として含み、かつ質量平均分子量が21,000である共重合体(商品名:マリアリムAKM0531、日本油脂(株)製)を水酸化マグネシウムに対して5質量%となるように添加した。
【0081】
このスラリー中の水酸化マグネシウムについて、レーザー回折/散乱式粒度測定装置(LA−700、(株)堀場製作所製)で平均粒子径を測定した結果、その平均粒子径は0.525μmであった。
【0082】
このスラリーを、ポンプを使用して二軸押出機途中から注入し、ホッパーから供給されるエチレン・酢酸ビニル共重合体(商品名:エバフレックスV523、三井デュポンポリケミカル(株)製)と表2の配合で溶融混練し、樹脂組成物を作成した。
【0083】
比較例6
エチレン・酢酸ビニル共重合体(商品名:エバフレックスEV450、三井デュポンポリケミカル(株)製)のみを使用して、各種評価をおこなった。
【0084】
比較例7
エチレン・酢酸ビニル共重合体(商品名:エバフレックスV523、三井デュポンポリケミカル(株)製)のみを使用して、各種評価を行った。
【0085】
作成した樹脂組成物について、以下の評価をおこなった。
【0086】
○ 機械特性(引張強度、伸び)
厚さ1mmのプレスシートを作成し、JIS K7113 2号ダンベルで打ち抜いた試料について、引張強度(MPa)、伸び(%)を、標線25mm、引張速度200mm/min.で測定した。
【0087】
○ 難燃性(酸素指数)
厚さ3mmのプレスシートを作成し、JIS K7201に則り、酸素指数を測定した。
【0088】
○外観/色
厚さ1mmのプレスシートを作成し、外観、色を観察した。
【0089】
○耐摩耗性
実施例4、5および比較例4〜7について、0.8mmの導体上に厚さ0.2mmで各組成物を被覆した電線を作成した。得られた各電線を、JASO D611に規定されるブレード往復試験機による耐磨耗性の評価を行った。ブレード先端φ0.45mm、荷重2.45Nで、導体が露出するまでの磨耗回数を測定した。
【0090】
【表1】

【0091】
実施例、比較例の樹脂組成物の配合量、充填剤の粒子径、および得られた組成物の特性について表1に示した。
表1から明らかなように、実施例1〜5はいずれも良好な値を示しているのに対し、比較例1〜5は、充填剤を工程(ア)を行わずに樹脂に添加していたり、また、充填剤の平均粒子径が大きすぎるために機械特性や耐摩耗性が劣り、色も白色となっている。また、充填剤の添加をしていない比較例6、7については機械特性、耐摩耗性が劣った結果となっている。
【0092】
以上のように、本発明の樹脂組成物の製造方法によれば、粒子径を著しく低下させた充填剤を凝集することなく樹脂組成物中に均一に分散させることが可能なため、優れた機械特性、成形加工性および耐摩耗性を有し、さらに充填剤として難燃剤を使用した場合には高い難燃性を有する樹脂組成物を得ることが可能である。
【0093】
また、本発明の樹脂組成物を使用した樹脂製品は、粒子径を著しく低下させた充填剤が樹脂組成物中に均一に分散しているので、優れた機械特性、耐摩耗性を有し、さらに充填剤として難燃剤を使用した場合には高い難燃性を有する樹脂製品である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】工程(イ)の混練装置の一例である。
【符号の説明】
【0095】
1:押出機
2:ベース樹脂投入口
3:スラリー供給ポンプ
4:脱気装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填剤を溶媒に混合しながら粉砕し、分散された充填剤の平均粒子径が0.4μm以下のスラリーを得る工程(ア)と、前記スラリー中の溶媒を実質的に揮発することなく、前記スラリーをベース樹脂と混合する工程(イ)を含むことを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
【請求項2】
前記工程(ア)において、分散剤を前記スラリーに配合することを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項3】
前記工程(ア)において、下記一般式(A)で示されるポリオキシアルキレン化合物およびマレイン酸誘導体(B)を必須単量体として含み、かつ質量平均分子量が500〜100000である共重合体(C)を前記スラリーに配合することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂組成物の製造方法。
(A): R1−O(AO)n−R2
(但し、AOは炭素数4のオキシアルキレン基を必須として含む炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、R1は炭素数2〜5のアルケニル基、R2は炭素数1〜24のアルキル基、nはオキシアルキレンの平均付加モル数で1〜100である)
【請求項4】
前記工程(ア)において、脂肪酸を有するノニオン性分散剤を前記スラリーに添加することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項5】
前記充填剤が、金属水和物、スズ酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、三酸化アンチモン、メラミンシアヌレート、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウムからなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法によって製造された樹脂組成物を使用した樹脂製品。

【図1】
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【公開番号】特開2006−111703(P2006−111703A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−299650(P2004−299650)
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】