説明

機器動作設定装置

【課題】機器を利用する利用者の簡単な入力操作により、利用者毎にその特性に応じた最適な機器の動作設定を行わせる。
【解決手段】操作データと得点分布と属性分類とを操作属性記憶手段12と、応答データと得点分布と属性分類とを記憶する認知的負荷属性記憶手段13と、クラスター分析により操作データ及び応答データに相関の高い操作属性及び認知的負荷属性の属性分類を決定する属性決定手段11と、操作データ及び応答データのうち決定された操作属性又は認知的負荷属性の属性分類と近似する近似項目データを抽出し、因子分析により因子負荷量が大きい1又は複数の代表近似項目データを抽出する近似項目抽出手段14と、この代表近似項目データが示す特性が最も類似するグループをクラスター分析により決定するユーザカテゴライズ手段15と、このグループに基づいて、利用者の特性に応じた機器の設定を行う動作設定部16とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者による機器の操作及び機器の動作に対する利用者の応答に基づいて利用者の特性を特定し、この利用者の特性に応じた機器の動作設定を行う機器動作設定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、機器のデジタル化やネットワーク化により、利用者は機器に搭載された多種多様な機能を利用することができ、利便性が飛躍的に向上している。一方、機器の多機能化等によって、利用者にとっては機器の操作が複雑になっている。そのため、利用者は機器の操作に対して抵抗感を抱いたり、正しく操作ができなかったりする場合が増え、これにより、利用者は大きなストレスを感じる場合があった。よって、利用者にとっては、イメージどおりに操作でき、また利用したい機能を簡単に操作できることが望ましい。
【0003】
そこで、機器のメニューに関する従来技術として、初心者用・熟達者用に分類し、分類に応じて機器の設定を行う方法がある。しかし、これら2種程度の分類では、利用者の要求を十分に満たすことができない。また、この利用者の分類方法を補完する技術として、利用者が使い方や嗜好にあわせて自らカスタマイズするという方法もある。しかしながら、この方法では、利用者の機器に対するリテラシー(熟練度)が高く、利用者が各機能について周知の状態であることが要求される。更に、機器の各種設定値に関しても、機器に対するリテラシーが高い利用者でなければ、自分のイメージどおりに動作させるための最適な値を設定することは困難であった。
【0004】
上記のような従来技術を補う手法として非特許文献1では、アンケート調査により利用者をグループ分けし、事前にターゲットとなる利用者を絞り込み、絞り込んだターゲットとなる利用者に合わせた機器を設計する手法が提案されている。
【0005】
また、特許文献1では、ユーザ属性のデータベースを内部、または外部サーバなどに備え、利用者の選択について他の複数の利用者の選択との類似性を多変量解析により解析することにより、利用者の嗜好により合致した情報提供をするという提供情報決定システムが提案されている。
【0006】
さらに、特許文献2では、入力装置により生成されるユーザ入力データをカストマイズ化して適応入力プロファイルを生成し、生成した適応入力プロファイルに従い、ユーザ入力データをフィルタリングする提供情報決定方法が提案されている。
【非特許文献1】田平 博嗣・峯 淳子、「製品との関わり方でユーザを分類する尺度 ―カーナビゲーション版の開発―」、ヒューマンインタフェースシンポジウム2003発表論文、2003年
【特許文献1】特開2004−206256号公報
【特許文献2】特開2000−231428号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、非特許文献1に記載の利用者に合わせた機器を設計する手法では、ターゲットとなる利用者を絞り込んで機器を設計する場合に、ターゲットとなる利用者以外の利用者が機器を利用した際のリスクが想定されていないという問題があった。
【0008】
また、特許文献1に記載の提供情報決定システムでは、複数の利用者との類似性を分析して利用者の嗜好に合わせた情報を提示するので、利用者がある程度機器を使い続ける必要があった。更に、初期段階でアンケートを実施し利用者の属性の分類を行っても、最終的には利用者が設定値を決定しなければならない場合があった。そのため、初期段階での使用における利用者にとっての認知的負荷を十分に補うものであるとはいえなかった。
【0009】
さらに、特許文献2に記載の提供情報決定方法では、入力装置により生成されるユーザ入力データをカストマイズ化して適応入力プロファイルを生成し、生成した適応入力プロファイルに従い、ユーザ入力データをフィルタリングするので、利用者の特性を特定する上で、利用者操作により入力されたユーザ入力データのみが反映される。このような方法では、機器が表示する表示画面に対する利用者の認知的負荷が考慮されていないので、利用者の特性を正確に特定することができなかった。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、機器を利用する利用者の簡単な入力操作により、利用者毎にその特性に応じた最適な機器の動作設定を行う機器動作設定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を解決するため、本発明に係る機器動作設定装置の第1の特徴は、利用者による機器の操作及び機器の動作に対する利用者の応答に基づき、因子分析及びクラスター分析によって利用者についての所定の特性を特定し、この特性に応じた機器の動作設定を行う機器動作設定装置であって、利用者の入力に基づく機器の複数の操作データと、各操作データに対して複数に区分された階級のうち該操作データがいずれの階級に属するかを示す得点分布とを関連づけると共に、これら複数の操作データと得点分布とを複数の属性分類に分類し操作属性データとして記憶する操作属性記憶手段と、機器の動作に対する利用者の複数の応答データと、各応答データに対して複数に区分された階級のうち該応答データがいずれの階級に属するかを示す得点分布とを関連づけると共に、これら複数の応答データと得点分布とを複数の属性分類に分類し認知的負荷属性データとして記憶する認知的負荷属性記憶手段と、それぞれ記憶された操作属性データ及び認知的負荷属性データを読み出し、クラスター分析により、複数の操作データに相関の高い操作属性の属性分類と複数の応答データに相関の高い認知的負荷属性の属性分類とを決定する属性決定手段と、複数の操作データ及び複数の応答データのうち、属性決定手段により決定された操作属性の属性分類又は認知的負荷属性の属性分類に近似する近似項目データを抽出し、因子分析により抽出された近似項目データのうち因子負荷量が大きい1つ又は複数の代表近似項目データを抽出する近似項目抽出手段と、予め利用者についての所定の特性毎に分類されたグループのうち、抽出された代表近似項目データにより示される特性が最も類似するグループをクラスター分析により決定するユーザカテゴライズ手段と、決定されたグループに基づいて、利用者についての所定の特性に応じた機器の設定を行う動作設定手段とを備えたことにある。
【0012】
上記目的を解決するため、本発明に係る機器動作設定装置の第2の特徴は、操作データ毎に複数の階級に区分し、これら区分された階級のうち操作データがいずれの階級に属するかを示す得点分布を算出すると共に、応答データ毎に複数の階級に区分し、これら区分された階級のうち応答データがいずれの階級に属するかを示す得点分布を算出する得点化手段と、算出された操作データ及び応答データそれぞれの得点分布に基づいて、操作属性及び認知的負荷属性をそれぞれ複数の属性分類に分類し、操作属性の属性分類毎に操作データとこの操作データに対応する得点分布とを関連づけて操作属性データとして操作属性記憶手段に記憶させると共に、認知的負荷属性の属性分類毎に応答データとこの応答データに対応する得点分布とを関連づけて認知的属性データとして認知的負荷属性記憶手段に記憶させる記憶制御手段とを更に備えたことにある。
【0013】
上記目的を解決するため、本発明に係る機器動作設定装置の第3の特徴は、利用者による機器の使い方に関する回答データに基づく因子分析により、複数の属性分類に分類した因子を使い方属性データとして記憶する使い方属性記憶手段をさらに備え、属性決定手段は、それぞれ記憶された操作属性データ、認知的負荷属性データ、及び使い方属性データを読み出し、クラスター分析により操作データ、応答データ、及び回答データに相関の高い操作属性、認知的負荷属性、及び使い方属性それぞれの属性分類を決定し、近似項目抽出手段は、操作データ、応答データ、及び回答データのうち属性決定手段により決定された操作属性、認知的負荷属性、又は使い方属性の属性分類と近似する近似項目データを抽出し、因子分析により抽出された近似項目データのうち因子負荷量が大きい1つ又は複数の代表近似項目データを抽出するようにしたことにある。
【0014】
上記目的を解決するため、本発明に係る機器動作設定装置の第4の特徴は、回答データから因子分析により因子を抽出する因子抽出手段を更に備え、記憶制御手段は、更に抽出された因子に基づいて、使い方属性を複数の属性分類に分類し、この使い方属性の属性分類毎に因子とこの因子に対応する因子得点とを関連付けて使い方属性データとして使い方属性記憶手段に記憶させるようにしたことにある。
【0015】
上記目的を解決するため、本発明に係る機器動作設定装置の第5の特徴は、利用者の嗜好に関する回答データに基づく因子分析により、複数の属性分類に分類した因子を嗜好属性データとして記憶する嗜好属性記憶手段をさらに備え、属性決定手段は、それぞれ記憶された操作属性データ、認知的負荷属性データ、及び嗜好属性データを読み出し、クラスター分析により操作データ、応答データ、及び回答データに相関の高い操作属性、認知的負荷属性、及び嗜好属性それぞれの属性分類を決定し、近似項目抽出手段は、操作データ、応答データ、及び回答データのうち属性決定手段により決定された操作属性、認知的負荷属性、又は嗜好属性の属性分類と近似する近似項目データを抽出し、因子分析により抽出された近似項目データのうち因子負荷量が大きい1つ又は複数の代表近似項目データを抽出するようにしたことにある。
【0016】
上記目的を解決するため、本発明に係る機器動作設定装置の第6の特徴は、回答データから因子分析により因子を抽出する因子抽出手段を更に備え、記憶制御手段は、更に抽出された因子に基づいて、嗜好属性を複数の属性分類に分類し、この嗜好属性の属性分類毎に因子とこの因子に対応する因子得点とを関連付けて嗜好属性データとして嗜好属性記憶手段に記憶させるようにしたことにある。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る機器動作設定装置によれば、機器を利用する利用者の簡単な入力操作により、利用者毎にその特性に応じた最適な機器の動作設定を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0019】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態である機器動作設定装置の構成を示した構成図である。
【0020】
図1に示すように、機器動作設定装置1は、入力インタフェース部2と、機器制御部3と接続されており、入力インタフェース部2にはさらに入力部4と検出部5とが接続されている。
【0021】
入力部4は、例えば、静電センサ、感圧センサ、操作ボタン等を備えており、利用者の入力操作により機器の動作設定を要求する動作設定指示信号を生成し、機器動作設定装置1へ供給する。また、利用者の入力操作により操作命令信号を生成すると共に、加圧重量、加圧角度、操作角度、操作時間等の操作データを生成し、これらを入力インタフェース部2を介して機器動作設定装置1へ供給する。
【0022】
検出部5は、例えば、利用者を撮影するカメラを備えており、このカメラにより撮影された画像を解析することにより利用者の視線位置を検出する。そして、検出した利用者の視線位置から利用者の視線移動面積、視線移動回数、視線移動時間、及び注視時間等を算出し、これらのデータを応答データとして生成し入力インタフェース部2を介して機器動作設定装置1へ供給する。
【0023】
図2は、入力部4及び検出部5により、生成される操作データ及び応答データの一例を説明するための図である。
【0024】
図2に示すように、T1時に、例えば表示装置の画面に質問とその質問に対応する回答選択肢が表示されると、利用者はこの画面に表示された質問を読み、この質問の回答となる選択肢を視線を移動して探し出す。そして、利用者は質問の回答となる選択肢を認識したとき、その選択肢を凝視すると推測できる。そこで、検出部5は、上述したように利用者の視線を検出し、この視線の移動が停止した時点をT2とし、T1時点からT2時点までの時間を視線移動時間306として算出する。
【0025】
そして、検出部5は、T2時点において、T1時点からT2時点の間に移動した利用者の視線に基づいて、視線移動面積302及び視線移動回数304を算出する。ここで、視線移動面積302とは、利用者が表示画面上の操作しようとする操作対象物を決定するまでの間に利用者の視線が移動した面積である。例えば、表示画面をマトリックス状に分割し、分割されたマトリックスのうち利用者の視線が通ったマトリックスの積算面積として算出された値である。視線移動回数304とは、利用者の視線が表示画面上の所定のエリアを通った回数である。
【0026】
また、利用者は質問の回答となる選択肢を視線を移動して探し出したT2時点の後、この選択肢を質問回答として決定する。そのとき、利用者は操作を行うために表示画面から視線を外すと推測できる。そこで、検出部5は、検出した利用者の視線の移動が停止したT2時点から、検出した利用者の視線が表示画面から外れたT3時点までの時間を、注視時間308として算出する。
【0027】
さらに、利用者は質問回答を決定したT3時点の後、入力部4から入力操作を行う。そこで、検出部5は、質問回答を決定したT3時点の時刻データを入力部4へ供給し、入力部4は供給された時刻データに基づいて、質問回答を決定したT3時点から利用者により入力部4が操作されたT4までの時間を操作時間208として算出する。
【0028】
ここで、入力部4は、T4時点において、操作時間208を算出すると共に、加圧重量202、加圧角度204、及び操作角度206を算出する。ここで、加圧重量204とは、利用者が入力部4に押しボタン操作を行った際に検出された操作ボタンへの加圧の重量である。加圧角度204とは、利用者が入力部4に押しボタン操作を行った際に検出された操作ボタンへの操作された角度である。操作角度206は、例えば入力部4に備えられた静電パネルや感圧パネルへの指やタッチペン等によりタッチ操作を行われた際に検出されたタッチ面積に基づいて算出され、利用者の指や利用者により操作されたタッチペンの角度を示す。
【0029】
このようにして、入力部4は、利用者の入力操作により加圧重量202、加圧角度204、操作角度206、操作時間208等の操作データを生成し、機器動作設定装置1へ供給する。そして、検出部5は、検出した利用者の視線位置から利用者の視線移動面積302、視線移動回数304、視線移動時間305、及び注視時間308等を算出し、これらのデータを応答データとして生成して機器動作設定装置1へ供給する。
【0030】
機器制御部3は、機器動作設定装置1により決定された利用者のグループに基づいて、利用者に応じた機器の動作設定を行う。
【0031】
機器動作設定装置1は、属性決定手段11と、操作属性記憶手段12と、認知的負荷属性記憶手段13と、近似項目抽出手段14と、ユーザカテゴライズ手段15と、動作設定部16と、得点化手段17と、記憶制御手段18とを備える。
【0032】
属性決定手段11は、入力インタフェース部2を介して操作データと応答データとが供給されたときに、後述する操作属性記憶手段12に記憶された操作属性データと認知的負荷属性記憶手段13に記憶された認知的負荷属性データとを読み出し、読み出した操作属性データ及び認知的負荷属性データに基づいて、クラスター分析により操作データに相関の高い操作属性の属性分類及び応答データに相関の高い認知的負荷属性の属性分類を決定する。
【0033】
操作属性記憶手段12は、操作データ及び応答データを採取するためのシミュレーションプログラムを記憶する。また、利用者の入力による機器の操作データと、この操作データ毎に複数に区分された階級のうち操作データがいずれの階級に属するかを示す得点分布とを関連づけ、これら操作データと得点分布とを複数の属性分類に分類して操作属性データとして記憶する。
【0034】
図3は、操作属性記憶手段12が記憶する操作属性データの一例を示した図である。
【0035】
図3に示すように、操作属性データは、利用者ID201に、加圧重量202と、加圧重量202の得点分布203と、加圧角度204と、加圧角度204の得点分布205と、操作角206と、操作角206の得点分布207と、操作時間208と、操作時間208の得点分布209と、属性分類210とが関連づけられて記憶されている。
【0036】
ここで、上述したように、加圧重量202とは、利用者が入力部4の操作を行った際に検出された操作ボタンへの加圧重量である。加圧角度204とは、例えば入力部4に押しボタン操作を行われた際に検出された操作ボタンへの操作角度である。操作角度206は、例えば入力部4に備えられた静電パネルへのタッチ操作を行った際に検出されたタッチ面積に基づいて算出された利用者により操作された角度である。操作時間208は、検出部5により利用者の視線が画面外に外れたと認識された時点から操作データを受信するまでの時間である。
【0037】
得点分布203,205,207,209は、操作データである加圧重量202と、加圧角度204と、操作角206と、操作時間208とのそれぞれの得点分布値を表しており、加圧重量202、加圧角度204、操作角206、及び操作時間208毎に、例えば2〜7程度に区分された階級のうちどの階級に属するかを示した値である。
【0038】
属性分類210は、得点分布203,205,207,209に基づいて、類似する属性毎に複数に分類された属性分類である。
【0039】
認知的負荷属性記憶手段13は、機器の動作に対する利用者の応答データと、この応答データ毎に複数に区分された階級のうち応答データがいずれの階級に属するかを示す得点分布とを関連づけ、これら応答データと得点分布とを複数の属性分類に分類して認知的負荷属性データとして記憶する。
【0040】
図4は、認知的負荷属性記憶手段13が記憶する認知的負荷属性データの一例を示した図である。
【0041】
図4に示すように、認知的負荷属性データは、利用者ID201に、視線移動面積302と、視線移動面積302の得点分布303と、視線移動回数304と、視線移動回数304の得点分布305と、視線移動時間306と、視線移動時間306の得点分布307と、注視時間308と、注視時間308の得点分布309と、属性分類310とが関連づけられて記憶されている。
【0042】
ここで、上述したように視線移動面積302は、利用者が表示画面上の操作しようとする操作対象物を決定するまでの間に利用者の視線が移動した面積である。視線移動回数304は、利用者の視線が表示画面上の所定のエリアを通った回数である。視線移動時間306は、表示画面が表示された時点から利用者の視線移動が停止した時点までの時間である。注視時間307は、利用者が表示画面上の操作しようとする操作対象物を認識した時点から利用者の視線が画面外に外れたと認識された時点までの時間である。
【0043】
得点分布303,305,307,309は、応答データである視線移動面積302と、視線移動回数304と、視線移動時間306と、注視時間308とのそれぞれの得点分布値を表しており、視線移動面積302、視線移動回数304、視線移動時間306、及び注視時間308毎に、例えば2〜7程度に分割された階級のうちどの階級に属するかを示した値である。
【0044】
属性分類310は、得点分布303,305,307,309に基づいて、類似する属性毎に複数に分類された属性分類である。
【0045】
近似項目抽出手段14は、操作データ及び認知的負荷データのうち属性決定手段11により決定された操作属性又は認知的負荷属性の属性分類と近似する近似項目データを抽出し、因子分析により抽出された近似項目データのうち因子負荷量が大きい1又は複数の代表近似項目データを抽出する。
【0046】
ユーザカテゴライズ手段15は、予め利用者の特性毎に設定されたグループのうち、近似項目抽出手段14により抽出された代表近似項目データにより示される特性が最も類似するグループをクラスター分析により決定する。
【0047】
動作設定部16は、ユーザカテゴライズ手段15により決定されたグループに基づいて、利用者に応じた機器の設定を行う。具体的には、動作設定部16に備えられたメニュー切り替え手段16aが、利用者が属するグループに該当するメニューを生成したり、デフォルト値設定手段16bが、利用者が属するグループに該当するデフォルト値を設定したりする。
【0048】
得点化手段17は、入力部4から受信した操作データ毎に複数の階級に区分し、この区分された階級のうち操作データがいずれの階級に属するかを示す得点分布を算出する。また、検出部5から受信した応答データ毎に複数の階級に区分し、この区分された階級のうち応答データがいずれの階級に属するかを示す得点分布を算出する。
【0049】
記憶制御手段18は、得点化手段17により算出された操作データの得点分布に基づいて、操作属性を複数の属性分類に分類し、操作属性の属性分類毎に操作データとこの操作データに対応する得点分布とを関連づけて操作属性データとして操作属性記憶手段12に記憶させる。また、記憶制御手段18は、得点化手段17により算出された応答データの得点分布に基づいて、認知的負荷属性を複数の属性分類に分類し、認知的負荷属性の属性分類毎に応答データとこの応答データに対応する得点分布とを関連づけて認知的属性データとして認知的負荷属性記憶手段13に記憶させる。
【0050】
≪作用≫
次に、第1の実施形態である機器動作設定装置1の作用について、図面を参照しながら説明する。
【0051】
図5は、第1の実施形態である機器動作設定装置1の操作属性記憶手段12に記憶される操作属性データ、及び認知的負荷属性記憶手段13に記憶される認知的負荷属性データの生成処理手順を示すフローチャートである。
【0052】
まず、機器動作設定装置1は、操作データ及び応答データを採取するためのシミュレーションプログラムの実行を開始する(ステップS101)。具体的には、操作属性記憶手段12に記憶されたシミュレーションプログラムを読み出し、読み出したシミュレーションプログラムを実行する。これにより、機器動作設定装置1は、例えば、利用者に操作を促すような表示画面を表示する。ここで、表示させる表示画面は、例えば、簡単な質問を表示すると共に、利用者が表示画面に表示された複数の選択肢の中から1つを選択できるような画面である。また、選択肢を選択する際、利用者の視線が移動するように、各選択肢間に所定の間隔を設けたりする等、各選択肢を分散して表示させる方が望ましい。
【0053】
そして、ステップS101で表示させた表示画面に出力された質問に対して、利用者が入力部4より操作を行うと、機器動作設定装置1は、操作データを入力部4から入力インタフェース部2を介して受信する(ステップS102)。具体的には、機器動作設定装置1は、操作データとして、加圧重量202、加圧角度204、操作角度206、及び操作時間208のデータを受信し、これらの操作データを一意に識別する利用者ID201とを関連づけて操作属性記憶手段12に記憶する。
【0054】
次に、機器動作設定装置1の得点化手段17は、ステップS102で相当数の操作データを受信したと判定した場合に、得点化処理を行う(ステップS103)。具体的には、得点化手段17は、操作データ毎に平均値を算出し、算出した平均値を中心に各操作データの値を例えば2〜7階級程度に区分する。そして、利用者ID201毎の操作データそれぞれが区分されたどの段階に属するかを判定する。
【0055】
そして、機器動作設定装置1の記憶制御手段18は、ステップS103において判定した判定結果、即ち得点分布に基づいて、操作属性を複数の属性分類に分類し、この属性分類毎に操作データとこの操作データに対応する得点分布とを関連づけて操作属性データとして操作属性記憶手段12に記憶させる(ステップS104)。
【0056】
一方、ステップS101において、機器動作設定装置1は、シミュレーションプログラムの実行を開始すると、検出部5は、ステップS101で表示させた表示画面に出力された質問に対する利用者の応答を検出し、検出した応答データを入力インタフェース部2を介して機器動作設定装置1へ送信する(ステップS105)。具体的には、機器動作設定装置1は、応答データとして、視線移動面積302、視線移動回数304、視線移動時間306、及び注視時間308のデータを受信し、これらの応答データを一意に識別する利用者ID201とを関連づけて認知的負荷属性記憶手段13に記憶する。
【0057】
次に、機器動作設定装置1の得点化手段17は、ステップS105で相当数の応答データを受信したと判定した場合に、得点化処理を行う(ステップS106)。具体的には、得点化手段17は、応答データ毎に平均値を算出し、算出した平均値を中心に各応答データの値を例えば2〜7階級程度に区分する。そして、利用者ID毎の応答データそれぞれが区分されたどの階級に属するかを判定する。
【0058】
そして、機器動作設定装置1の記憶制御手段18は、ステップS106において判定した判定結果、即ち得点分布に基づいて、認知的負荷属性を複数の属性分類に分類し、この属性分類毎に応答データとこの応答データに対応する得点分布とを関連づけて認知的負荷属性データとして認知的負荷属性記憶手段13に記憶させる(ステップS107)。
【0059】
以上により、第1の実施形態である機器動作設定装置1は、後述する機器動作設定処理を実行するために必要な操作属性データを操作属性記憶手段12に記憶し、認知的負荷属性データを認知的負荷属性記憶手段13に記憶させることができる。
【0060】
図6は、第1の実施形態である機器動作設定装置1における機器動作設定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0061】
まず、機器動作設定装置1は、動作設定対象である機器に電源が投入されたとき、その機器が初期設定されているか否かを判定する(ステップS201)。
【0062】
そして、ステップS201において、動作設定対象である機器が初期設定されていると判定された場合は、機器に通常動作を行わせる(ステップS202)。
【0063】
一方、ステップS201において、動作設定対象である機器が初期設定されていないと判定された場合、又は、動作対象機器が通常動作中であるときに入力部4から動作設定指示信号が供給された場合(ステップS203)には、処理をステップS205に移行する。
【0064】
次に、機器動作設定装置1は、操作データ及び応答データを採取するためのシミュレーションプログラムの実行を開始する(ステップS205)。具体的には、操作属性記憶手段12に記憶されたシミュレーションプログラムを読み出し、読み出したシミュレーションプログラムを実行する。これにより、機器動作設定装置1は、例えば、利用者に操作を促すような表示画面を表示する。ここで、表示させる表示画面は、例えば、簡単な質問を表示すると共に、利用者が表示画面に表示された複数の選択肢の中から1つを選択できるような画面とし、また、選択肢を選択する際、利用者の視線が移動するように、各選択肢間に所定の間隔を設けたりする等、各選択肢を分散して表示させる方が望ましい。
【0065】
そして、ステップS205で表示させた表示画面に出力された質問に対して、利用者が入力部4から操作を行うと、機器動作設定装置1は、操作データを入力部4から入力インタフェース部2を介して受信し、応答データを検出部5から入力インタフェース部2を介して受信する(ステップS206)。具体的には、機器動作設定装置1は、操作データとして、加圧重量202、加圧角度204、操作角度206、及び操作時間208のデータを受信し、応答データとして、視線移動面積302、視線移動回数304、視線移動時間306、及び注視時間308のデータを受信する。
【0066】
次に、属性決定手段11は、ステップS206において操作データ及び応答データを受信すると、操作属性記憶手段12に記憶された操作属性データと認知的負荷属性記憶手段13に記憶された認知的負荷属性データとを読み出す。
【0067】
そして、属性決定手段11は、読み出した操作属性データに基づいてクラスター分析を行うことにより、ステップS206において受信した操作データに相関の高い操作属性の属性分類を決定する(ステップS207、S208)。同様に、属性決定手段11は、読み出した認知的負荷属性データに基づいてクラスター分析を行うことにより、ステップS202において受信した応答データに相関の高い認知的負荷属性の属性分類を決定する(ステップS207、S208)。
【0068】
次に、近似項目抽出手段14は、ステップS206において受信した操作データのうち、属性決定手段11により決定された操作属性の属性分類と近似する近似項目データを抽出する。同様に、近似項目抽出手段14は、応答データのうち、属性決定手段11により決定された認知的属性の属性分類と近似する近似項目データを抽出する。(ステップS209)。
【0069】
そして、近似項目抽出手段14は、ステップS209において抽出された操作属性の近似項目データ及び認知的負荷属性の近似項目データを統合し、因子分析を行い(ステップS210)、統合した近似項目データのうち因子負荷量が大きい1又は複数の代表近似項目データを抽出する(ステップS211)。
【0070】
次に、ユーザカテゴライズ手段15は、近似項目抽出手段14により抽出された代表近似項目データについて、クラスター分析を行う(ステップS212)。これにより、予め利用者の特性毎に分類されたグループのうち、ステップS211において抽出された代表近似項目データにより示される特性が最も類似するグループを決定する(ステップS213)。ここで、予め利用者の特性毎に分類されたグループは、それぞれ操作・認知的負荷に特徴があり、機器動作設定装置1の提供者又は利用者によって任意のグループ数に分類されている。
【0071】
このように、ステップS211で抽出された代表近似項目データについてクラスター分析を行うことにより、操作属性と認知的負荷属性という多次元の属性を統合した上で利用者の特性が属するグループを決定するので、利用者をその特性に応じた最適なグループに割り当てることが可能となる。
【0072】
次に、動作設定部16が、ユーザカテゴライズ手段15により決定されたグループに基づいて、利用者の特性に応じた機器の設定を行う。具体的には、メニュー切り替え手段16aが、利用者の特性に最も類似するグループに適したメニューを生成したり、デフォルト値設定手段16bが、利用者の特性に最も類似するグループに適したデフォルト値を設定する(ステップS214)。
【0073】
このように、最適に割り当てられたグループに応じて機器を設定するので、利用者の特性に応じた最適な機器の動作設定を行うことができる。また、利用者による操作データ、及び応答データに基づいて機器の動作設定を行うので、この機器を複数の利用者が利用する場合においても、各々の利用者の特性に応じて最適な機器の動作設定を行うことができる。
【0074】
図7は、第1の実施形態である機器動作設定装置1をHDDレコーダに適用した場合における機器動作設定処理の一例を説明するための図である。
【0075】
まず、機器動作設定装置1は、動作設定対象である機器(HDDレコーダ)が初期設定されていないと判定された場合、又は、動作対象機器が通常動作中であるときに入力部4から入力インタフェース部2を介して動作設定指示信号が供給された場合、操作データ及び応答データを採取するため画面を表示させる。
【0076】
そして、機器動作設定装置1は、利用者の操作により、入力部4から入力インタフェース部2を介して操作データ401として加圧重量202、加圧角度204、操作角度206、及び操作時間208を受信し、検出部5から入力インタフェース部2を介して応答データ402として視線移動面積302、視線移動回数304、視線移動時間306、及び注視時間308を受信する。
【0077】
次に、属性決定手段11は、操作データ401を受信すると、操作属性記憶手段12に記憶された操作属性データを読み出し、読み出した操作属性データに基づいてクラスター分析を行うことにより、受信した操作データ401に相関の高い操作属性403の属性分類を決定する。
【0078】
図7に示した例では、クラスター分析によって、操作データ401に相関の高い操作属性403の属性分類として属性3が決定されている。
【0079】
同様に、属性決定手段11は、応答データ402を受信すると、認知的負荷属性記憶手段13に記憶された認知的負荷属性データを読み出し、読み出した認知的負荷属性データに基づいてクラスター分析を行うことにより、受信した応答データ402に相関の高い認知的負荷属性404の属性分類を決定する。
【0080】
図7に示した例では、クラスター分析によって、応答データ402に相関の高い認知的負荷属性404の属性分類として属性1が決定されている。
【0081】
次に、近似項目抽出手段14は、受信した操作データ401及び応答データ402のうち属性決定手段11により決定された操作属性403の属性分類又は認知的負荷属性404の属性分類と近似する近似項目データを抽出し、因子分析により抽出された近似項目データのうち因子負荷量が大きい1又は複数の代表近似項目データを抽出する。
【0082】
そして、ユーザカテゴライズ手段15が、予め利用者の特性毎に分類されたグループのうち、近似項目抽出手段14により抽出された代表近似項目データにより示される特性が最も類似するグループをクラスター分析により決定する。
【0083】
図7の405に示すように、操作データから操作属性403の属性3に近似する近似項目データと、応答データから認知的負荷属性404の属性1に近似する近似項目データとを抽出し、抽出した近似項目データのうち因子負荷量が大きい1又は複数の代表近似項目データを抽出する。そして、抽出された代表近似項目データにより示される特性が最も類似するグループとしてグループ5が決定される。
【0084】
このように、機器動作設定装置1は、操作属性のみならず、認知的負荷属性を加味した上で、利用者の特定に類似するグループを決定するので、より的確に利用者の特性に応じたグループを決定することができる。
【0085】
なお、図7に示した例では、グループ数を6つとしているが、この数は6つに限らず、事前に任意の数のグループが設定される。設定されたグループは、それぞれ操作・認知的負荷に特徴があり、設計者側で、「どのような操作特性及び認知性を持つ利用者であるのか」という想定利用者を事前に多数設定し、この想定利用者をグループとして設定する。ここでは、グループ5として設定された想定利用者は、「あまり機器には強くなく、入力部4の操作も不得意であり、画面上の情報量が少なければ表示された情報に対する理解が可能である利用者」と設定されている。
【0086】
このように、抽出された因子負荷量が大きい1又は複数の代表近似項目データに対してクラスター分析を行うことにより、操作属性と認知的負荷属性という多次元の属性を統合した上で利用者の特性が属するグループを決定するので、利用者をその特性に応じた最適なグループに割り当てることが可能となる。
【0087】
次に、動作設定部16が、ユーザカテゴライズ手段15により決定されたグループに基づいて、利用者に応じた機器の設定を行う。
【0088】
図7に示した例では、グループ5に対応する機器動作設定207として、「基本メニューのみ表示」、「画質ノーマル」、及び「カーソル移動遅い」が関連付けされているので、動作設定部16が、この設定内容に従ってHDDレコーダの動作設定を行う。なお、図7に示したグループ406と機器動作設定407とを結ぶ矢印は、グループ406の各グループに適した機器動作設定を示している。
【0089】
これにより、動作設定部16は、「基本メニューのみ表示」の設定で必要最小限の機能だけを表示して機能を把握しやすくし、「画質ノーマル」の設定で利用者がわざわざ設定することなく使用でき、「カーソル移動遅い」の設定で表示されたカーソルに対する利用者の認知的負荷を低くすることができる。
【0090】
また、各グループにおいて想定される操作に合わせ、事前に設計者側で設定しておいた初期メニューや初期設定値や、他の利用者の実際の使用状況からフィードバックされたデータにより更新した最適値を、利用者に対し提供することができる。
【0091】
このように、第1の実施形態である機器動作設定装置1では、利用者は簡単な質問に答えることで、自分の機器に対する操作及び機器の動作に対する自分自身の応答にあったメニューとシステム設定値(デフォルト値)について最適なものを得ることができる。また、その際、グループ化およびグループ化した複数グループからの統合的類似性判断による取捨選択を機器動作設定装置が行うことにより、利用者の操作や応答に合ったメニューとシステム設定値(デフォルト値)について最適なものを得ることができる。
【0092】
以上のように、第1の実施形態である機器動作設定装置1によれば、最適に割り当てられたグループに応じて機器を設定するので、利用者の特性に応じた最適な機器の動作設定を行うことができる。
【0093】
<第2の実施形態>
第1の実施形態である機器動作設定装置1は、利用者による機器の操作及び機器の動作に対する利用者の応答に基づいて、利用者についての所定の特性を特定し、この特性に応じた機器の動作設定を行う。
【0094】
第2の実施形態である機器動作設定装置は、利用者による機器の操作及び機器の動作に対する利用者の応答に加え、利用者による機器の使い方に基づいて、利用者についての所定の特性を特定し、この特性に応じた機器の動作設定を行う。
【0095】
図8は、本発明の第2の実施形態である機器動作設定装置の構成を示した構成図である。
【0096】
図8に示すように、機器動作設定装置101は、入力インタフェース部2と、機器制御部3と接続されており、入力インタフェース部2にはさらに入力部4と検出部5とが接続されている。
【0097】
入力部4は、例えば、静電センサ、感圧センサ、操作ボタン等を備えており、利用者の入力操作により機器の動作設定を要求する動作設定指示信号を生成し、機器動作設定装置101へ供給する。また、利用者の入力操作により表示装置等に表示された機器の使い方に関する質問に対する回答データを生成すると共に、加圧重量、加圧角度、操作角度、操作時間等の操作データを生成し、これらを入力インタフェース部2を介して機器動作設定装置101へ供給する。
【0098】
検出部5は、本発明の第1の実施形態である機器動作設定装置1の検出部5と同一の構成を有するので、説明を省略する。
【0099】
機器制御部3は、機器動作設定装置101により決定された利用者のグループに基づいて、利用者に応じた機器の動作設定を行う。
【0100】
機器動作設定装置101は、属性決定手段11と、操作属性記憶手段12と、認知的負荷属性記憶手段13と、近似項目抽出手段14と、ユーザカテゴライズ手段15と、動作設定部16と、得点化手段17と、記憶制御手段18と、使い方属性記憶手段19と、因子抽出手段21とを備える。
【0101】
属性決定手段11は、操作データ、応答データ、及び機器の使い方に関する質問に対する回答データが供給されたときに、後述する操作属性記憶手段12に記憶された操作属性データと認知的負荷属性記憶手段13に記憶された認知的負荷属性データと使い方属性記憶手段19に記憶された使い方属性データとを読み出す。そして、読み出した操作属性データ、認知的負荷属性データ、及び使い方属性データに基づいて、クラスター分析により操作データに相関の高い操作属性の属性分類、応答データに相関の高い認知的負荷属性の属性分類、及び回答データに相関の高い使い方属性の属性分類を決定する。
【0102】
操作属性記憶手段12及び認知的負荷属性記憶手段13は、本発明の第1の実施形態である機器動作設定装置1の操作属性記憶手段12及び認知的負荷属性記憶手段13と同一の構成を有するので、説明を省略する。
【0103】
近似項目抽出手段14は、操作データ、応答データ、及び回答データのうち属性決定手段11により決定された操作属性の属性分類、認知的負荷属性の属性分類、又は使い方属性の属性分類と近似する近似項目データを抽出し、因子分析により抽出された近似項目データのうち因子負荷量が大きい1又は複数の代表近似項目データを抽出する。
【0104】
ユーザカテゴライズ手段15、動作設定部16、及び得点化手段17は、本発明の第1の実施形態である機器動作設定装置1のユーザカテゴライズ手段15、動作設定部16、及び得点化手段17と同一の構成を有するので、説明を省略する。
【0105】
因子抽出手段21は、入力部4から供給された機器の使い方に関する質問に対する回答データから、因子分析により因子を抽出する。
【0106】
記憶制御手段18は、得点化手段17により算出された操作データの得点分布に基づいて、操作属性を複数の属性分類に分類し、操作属性の属性分類毎に操作データとこの操作データに対応する得点分布とを関連づけて操作属性データとして操作属性記憶手段12に記憶させる。また、記憶制御手段18は、得点化手段17により算出された応答データの得点分布に基づいて、認知的負荷属性を複数の属性分類に分類し、認知的負荷属性の属性分類毎に応答データとこの応答データに対応する得点分布とを関連づけて認知的属性データとして認知的負荷属性記憶手段13に記憶させる。さらに、記憶制御手段18は、因子抽出手段21により抽出された因子に基づいて、使い方属性を複数の属性分類に分類し、この属性分類毎に因子とこの因子に対応する因子得点とを関連付けて使い方属性記憶手段19に記憶させる。
【0107】
≪作用≫
次に、第2の実施形態である機器動作設定装置101の作用について、図面を参照しながら説明する。
【0108】
図9は、第2の実施形態である機器動作設定装置101の操作属性記憶手段12に記憶される操作属性データ、認知的負荷属性記憶手段13に記憶される認知的負荷属性データ、及び使い方属性記憶手段19に記憶される使い方属性データの生成処理手順を示すフローチャートである。
【0109】
まず、機器動作設定装置101は、使い方属性記憶手段19に記憶された機器の使い方に関する質問を読み出し、読み出した質問を例えば表示装置等に表示させる(ステップS301)。ここで、表示させる表示画面は、例えば、簡単な使い方に関する質問を表示すると共に、複数の中から1つを選択できるような選択肢を表示する。また、利用者が選択肢を選択する際、利用者の視線が移動するように、各選択肢間に所定の間隔を設けたりする等、各選択肢を分散して表示させる方が望ましい。
【0110】
そして、ステップS301で表示させた表示画面に出力された質問に対して、利用者が入力部4より操作を行うと、機器動作設定装置101は、操作データを入力部4から入力インタフェース部2を介して受信する(ステップS302)。具体的には、機器動作設定装置101は、操作データとして、加圧重量202、加圧角度204、操作角度206、及び操作時間208のデータを受信し、これらの操作データを一意に識別する利用者ID201とを関連づけて操作属性記憶手段12に記憶する。
【0111】
次に、機器動作設定装置101の得点化手段17は、ステップS302で相当数の操作データを受信したと判定した場合に、得点化処理を行う(ステップS303)。具体的には、得点化手段17は、操作データ毎に平均値を算出し、算出した平均値を中心として各操作データの値を例えば2〜7階級程度に区分する。そして、利用者ID201毎の操作データそれぞれが区分されたどの段階に属するかを判定する。
【0112】
そして、機器動作設定装置101の記憶制御手段18は、ステップS303において判定した判定結果、即ち得点分布値に基づいて、操作属性を複数の属性分類に分類し、この属性分類毎に操作データとこの操作データに対応する得点分布値とを関連づけて操作属性データとして操作属性記憶手段12に記憶させる(ステップS304)。
【0113】
一方、ステップS301において、機器動作設定装置101は、機器の使い方に関する質問を表示装置に表示させた後、検出部5は、ステップS301で表示させた表示画面に出力された質問に対する利用者の応答を検出し、検出した応答データを入力インタフェース部2を介して機器動作設定装置101へ送信する(ステップS305)。具体的には、機器動作設定装置101は、応答データとして、視線移動面積302、視線移動回数304、視線移動時間306、及び注視時間308のデータを受信し、これらの応答データを一意に識別する利用者ID201とを関連づけて認知的負荷属性記憶手段13に記憶する。
【0114】
次に、機器動作設定装置101の得点化手段17は、ステップS305で相当数の応答データを受信したと判定した場合に、得点化処理を行う(ステップS306)。具体的には、得点化手段17は、応答データ毎に平均値を算出し、算出した平均値を中心に各応答データの値を例えば2〜7階級程度に区分する。そして、利用者ID毎の応答データそれぞれが区分されたどの階級に属するかを判定する。
【0115】
そして、機器動作設定装置101の記憶制御手段18は、ステップS306において判定した判定結果、即ち得点分布値に基づいて、認知的負荷属性を複数の属性分類に分類し、この属性分類毎に応答データとこの応答データに対応する得点分布値とを関連づけて認知的負荷属性データとして認知的負荷属性記憶手段13に記憶させる(ステップS307)。
【0116】
さらに、ステップS301において、機器動作設定装置101は、機器の使い方に関する質問を表示装置に表示させた後、機器動作設定装置101は、ステップS301で表示させた機器の使い方に関する質問の回答データを入力部4から受信する(ステップS308)。回答データは、例えば「あてはまる〜あてはまらない」の二者択一や例えば3〜7段階程度の多段階評定のデータ形式となる。
【0117】
次に、因子抽出手段21は、ステップS308で相当数の回答データを受信したと判定した場合に、因子分析を行うことにより、属性分類に有効となる因子を抽出する(ステップS309)。
【0118】
次に、因子抽出手段21は、ステップS301において読み出した質問の中から、ステップS309において抽出した各因子に対応する代表質問を決定し、決定した代表質問を使い方属性記憶手段19に記憶させる(ステップS310)。
【0119】
次に、記憶制御手段18は、因子抽出手段21により抽出された因子に基づいて、使い方属性を複数の属性分類に分類する。そして、記憶制御手段18は、この属性分類毎に因子とこの因子に対応する因子得点とを関連付けて使い方属性記憶手段19に記憶させる(ステップS311)。
【0120】
以上により、第2の実施形態である機器動作設定装置101は、後述する機器動作設定処理を実行するために必要な使い方属性データを使い方属性記憶手段19に記憶させると共に、操作属性データを操作属性記憶手段12に記憶させ、認知的負荷属性データを認知的負荷属性記憶手段13に記憶させることができる。
【0121】
図10は、第2の実施形態である機器動作設定装置101における機器動作設定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0122】
まず、機器動作設定装置101は、動作設定対象である機器に電源が投入されたとき、その機器が初期設定されているか否かを判定する(ステップS401)。
【0123】
そして、ステップS401において、動作設定対象である機器が初期設定されていると判定された場合は、通常動作を行う(ステップS402)。
【0124】
一方、ステップS401において、動作設定対象である機器が初期設定されていないと判定された場合、又は、動作対象機器が通常動作中であるときに入力部4から動作設定指示信号が供給された場合(ステップS403)には、処理をステップS405に移行する。
【0125】
次に、機器動作設定装置101は、使い方質問画面を表示部等に表示させる。具体的には、機器動作設定装置101は、使い方属性記憶手段19に記憶された機器の使い方に関する代表質問を読み出し、読み出した代表質問を例えば表示装置等に表示させる。(ステップS405)。ここで、表示させる表示画面は、例えば、簡単な機器の使い方に関する代表質問を表示すると共に、この代表質問への回答として複数の選択肢の中から1つを選択できるような回答データを表示する。また、利用者が選択肢を選択する際、利用者の視線が移動するように、各選択肢間に所定の間隔を設けたりする等、各選択肢を分散して表示させる方が望ましい。
【0126】
そして、ステップS405で表示させた表示画面に出力された代表質問に対して、利用者が入力部4から操作を行うと、機器動作設定装置101は、回答データと操作データとを入力部4から入力インタフェース部2を介して受信し、応答データを検出部5から入力インタフェース部2を介して受信する(ステップS406)。具体的には、機器動作設定装置101は、回答データとして、例えば「あてはまる〜あてはまらない」の二者択一や例えば3〜7段階程度の多段階評定のデータを受信する。また、操作データとして、加圧重量202、加圧角度204、操作角度206、及び操作時間208のデータを受信し、応答データとして、視線移動面積302、視線移動回数304、視線移動時間306、及び注視時間308のデータを受信する。
【0127】
次に、属性決定手段11は、ステップS406において操作データ、応答データ、及び回答データを受信すると、操作属性記憶手段12に記憶された操作属性データと、認知的負荷属性記憶手段13に記憶された認知的負荷属性データと、使い方属性記憶手段19に記憶された使い方属性データを読み出す。
【0128】
そして、属性決定手段11は、読み出した操作属性データに基づいてクラスター分析を行うことにより、ステップS406において受信した操作データに相関の高い操作属性の属性分類を決定する(ステップS407、S408)。また、属性決定手段11は、読み出した認知的負荷属性データに基づいてクラスター分析を行うことにより、ステップS402において受信した応答データに相関の高い認知的負荷属性の属性分類を決定する(ステップS407、S408)。さらに、属性決定手段11は、読み出した使い方属性データに基づいてクラスター分析を行うことにより、ステップS402において受信した回答データに相関の高い使い方属性の属性分類を決定する(ステップS407、S408)。
【0129】
次に、近似項目抽出手段14は、ステップS406において受信した操作データのうち、属性決定手段11により決定された操作属性の属性分類と近似する近似項目データを抽出する。また、近似項目抽出手段14は、受信した応答データのうち、属性決定手段11により決定された認知的属性の属性分類と近似する近似項目データを抽出する。さらに、近似項目抽出手段14は、受信した回答データのうち、属性決定手段11により決定された使い方属性の属性分類と近似する近似項目データを抽出する。(ステップS409)。
【0130】
そして、近似項目抽出手段14は、ステップS409において抽出された操作属性の近似項目データ、認知的負荷属性の近似項目データ、及び使い方属性の近似項目データを統合し、因子分析を行い(ステップS410)、統合した近似項目データのうち因子負荷量が大きい1又は複数の代表近似項目データを抽出する(ステップS411)。
【0131】
次に、ユーザカテゴライズ手段15は、近似項目抽出手段14により抽出された代表近似項目データについて、クラスター分析を行う(ステップS412)。これにより、予め利用者の特性毎に分類されたグループのうち、ステップS411において抽出された代表近似項目データにより示される特性が最も類似するグループを決定する(ステップS413)。ここで、予め利用者の特性毎に分類されたグループは、それぞれ操作・認知的負荷・使い方に特徴があり、機器動作設定装置101の提供者又は利用者によって任意のグループ数に分類されている。
【0132】
このように、ステップS411で抽出された代表近似項目データについてクラスター分析を行うことにより、操作属性、認知的負荷属性、使い方属性という多次元の属性を統合した上で利用者の特性が属するグループを決定するので、利用者をその特性に応じた最適なグループに割り当てることが可能となる。
【0133】
次に、動作設定部16が、ユーザカテゴライズ手段15により決定されたグループに基づいて、利用者の特性に応じた機器の設定を行う。具体的には、メニュー切り替え手段16aが、利用者の特性に最も類似するグループに適したメニューを生成したり、デフォルト値設定手段16bが、利用者の特性に最も類似するグループに適したデフォルト値を設定する(ステップS414)。
【0134】
このように、最適に割り当てられたグループに応じて機器を設定するので、利用者の特性に応じた最適な機器の動作設定を行うことができる。また、利用者による操作データ、応答データ、及び質問に対する回答データに基づいて機器の動作設定を行うので、この機器を複数の利用者が利用する場合においても、各々の利用者の特性に応じて最適な機器の動作設定を行うことができる。
【0135】
図11は、第2の実施形態である機器動作設定装置101をHDDレコーダに適用した場合における機器動作設定処理の一例を説明するための図である。
【0136】
まず、機器動作設定装置101は、動作設定対象である機器(HDDレコーダ)が初期設定されていないと判定された場合、又は、動作対象機器が通常動作中であるときに入力部4から入力インタフェース部2を介して動作設定指示信号が供給された場合、使い方に関する代表質問を表示させる。
【0137】
図11に示した例では、機器動作設定装置101は、使い方に関する代表質問503として、「面倒な設定をせずに使いたいか?」、「色々な機能を簡単に使いたいか?」、「自分で設定を行いながら使いたいか?」、「一番きれいに撮れるように使いたいか?」等の代表質問を表示する。
【0138】
そして、機器動作設定装置101は、利用者の操作により、入力部4から入力インタフェース部2を介して使い方に関する代表質問503に対する回答データを受信すると共に、操作データ501として加圧重量202、加圧角度204、操作角度206、及び操作時間208を受信する。さらに、検出部5から入力インタフェース部2を介して応答データ502として視線移動面積302、視線移動回数304、視線移動時間306、及び注視時間308を受信する。
【0139】
次に、属性決定手段11は、回答データを受信すると、使い方属性記憶手段19に記憶された使い方属性データを読み出し、読み出した使い方属性データに基づいてクラスター分析を行うことにより、受信した回答データに相関の高い使い方属性506の属性分類を決定する。
【0140】
図11に示した例では、クラスター分析によって、使い方に関する代表質問503に対する回答データに相関の高い使い方属性506の属性分類として属性1が決定されている。
【0141】
同様に、属性決定手段11は、操作データ501を受信すると、操作属性記憶手段12に記憶された操作属性データを読み出し、読み出した操作属性データに基づいてクラスター分析を行うことにより、受信した操作データ501に相関の高い操作属性504の属性分類を決定する。
【0142】
図11に示した例では、クラスター分析によって、操作データ501に相関の高い操作属性504の属性分類として属性1が決定されている。
【0143】
同様に、属性決定手段11は、応答データ502を受信すると、認知的負荷属性記憶手段13に記憶された認知的負荷属性データを読み出し、読み出した認知的負荷属性データに基づいてクラスター分析を行うことにより、受信した応答データ502に相関の高い認知的負荷属性505の属性分類を決定する。
【0144】
図11に示した例では、クラスター分析によって、応答データ502に相関の高い認知的負荷属性505の属性分類として属性2が決定されている。
【0145】
次に、近似項目抽出手段14は、受信した回答データ、操作データ、及び応答データのうち属性決定手段11により決定された操作属性504の属性分類、認知的負荷属性505の属性分類、及び使い方属性506の属性分類と近似する近似項目データを抽出し、因子分析により抽出された近似項目データのうち因子負荷量が大きい1又は複数の代表近似項目データを抽出する。
【0146】
そして、ユーザカテゴライズ手段15が、予め利用者の特性毎に分類されたグループのうち、近似項目抽出手段14により抽出された代表近似項目データにより示される特性が最も類似するグループをクラスター分析により決定する。
【0147】
図11の507に示すように、操作データから操作属性504の属性1に近似する近似項目データと、応答データから認知的負荷属性505の属性2に近似する近似項目データと、回答データから使い方属性506の属性1に近似する近似項目データを抽出する。そして、抽出した近似項目データのうち因子負荷量が大きい1又は複数の代表近似項目データを抽出し、抽出された代表近似項目データにより示される特性が最も類似するグループとしてグループ2が決定される。
【0148】
なお、図11に示した例では、グループ数を6つとしているが、この数は6つに限らず、事前に任意の数のグループが設定される。設定されたグループは、それぞれ操作・認知的負荷・使い方に特徴があり、設計者側で、「どのような操作特性及び認知特性を持つ利用者であり、かつどのように機器を使う利用者であるか」という想定利用者を事前に多数設定し、この想定利用者をグループとして設定する。ここでは、グループ2として設定された想定利用者は、「機器に明るいため使いこなしたい気持ちが強く、多くの情報から必要な情報を素早く見つけだすことができる利用者であり、毎週放送されるドキュメンタリー番組を録画するような利用者のグループ」と設定される。
【0149】
このように、抽出された因子負荷量が大きい1又は複数の代表近似項目データに対してクラスター分析を行うことにより、操作属性、認知的負荷属性、及び使い方属性という多次元の属性を統合した上で利用者の特性が属するグループを決定するので、利用者をその特性に応じた最適なグループに割り当てることが可能となる。
【0150】
次に、動作設定部16が、ユーザカテゴライズ手段15により決定されたグループに基づいて、利用者に応じた機器の設定を行う。
【0151】
図11に示した例では、グループ2に対応する機器動作設定509として、「全メニューのみ表示」、「毎週録画に設定」、及び「録画画質任意に設定」が関連付けされているので、動作設定部16が、この設定内容に従ってHDDレコーダの動作設定を行う。なお、図11に示したグループ508と機器動作設定509とを結ぶ矢印は、グループ508の各グループに適した機器動作設定を示している。
【0152】
これにより、動作設定部16は、「全メニューのみ表示」の設定で全ての機能を表示して使いこなせるようにし、「毎週録画」に自動設定し、画質設定を「任意に設定」に設定することにより、利用者は、記憶媒体の残り残量を考慮し、記録画質を利用者が調節しながら毎週ドラマを記憶させることができる。
【0153】
また、各グループにおいて想定される操作に合わせ、事前に設計者側で設定しておいた初期メニューや初期設定値や、他の利用者の実際の使用状況からフィードバックされたデータにより更新した最適値を、利用者に対し提供することができる。
【0154】
このように、第2の実施形態である機器動作設定装置101では、利用者は簡単な使い方に関する質問に答えることで、機器の使い方、自分の機器に対する操作、及び機器の動作に対する自分自身の応答にあったメニューとシステム設定値(デフォルト値)について最適なものを得ることができる。また、その際、グループ化およびグループ化した複数グループからの統合的類似性判断による取捨選択を機器動作設定装置101が行うことにより、利用者の操作や応答に合ったメニューとシステム設定値(デフォルト値)について最適なものを得ることができる。
【0155】
以上のように、第2の実施形態である機器動作設定装置101によれば、最適に割り当てられたグループに応じて機器を設定するので、利用者の特性に応じた最適な機器の動作設定を行うことができる。
【0156】
<第3の実施形態>
第1の実施形態である機器動作設定装置1は、利用者による機器の操作及び機器の動作に対する利用者の応答に基づいて、利用者についての所定の特性を特定し、この特性に応じた機器の動作設定を行う。
【0157】
第3の実施形態である機器動作設定装置は、利用者による機器の操作及び機器の動作に対する利用者の応答に加え、利用者による嗜好に基づいて、利用者についての所定の特性を特定し、この特性に応じた機器の動作設定を行う。
【0158】
図12は、本発明の第3の実施形態である機器動作設定装置の構成を示した構成図である。
【0159】
図12に示すように、機器動作設定装置102は、入力インタフェース部2と、機器制御部3と接続されており、入力インタフェース部2にはさらに入力部4と検出部5とが接続されている。
【0160】
入力部4は、例えば、静電センサ、感圧センサ、操作ボタン等を備えており、利用者の入力操作により機器の動作設定を要求する動作設定指示信号を生成し、機器動作設定装置101へ供給する。また、利用者の入力操作により表示装置等に表示された利用者の嗜好に関する質問に対する回答データを生成すると共に、加圧重量、加圧角度、操作角度、操作時間等の操作データを生成し、これらを入力インタフェース部2を介して機器動作設定装置102へ供給する。
【0161】
検出部5は、本発明の第1の実施形態である機器動作設定装置1の検出部5と同一の構成を有するので、説明を省略する。
【0162】
機器制御部3は、機器動作設定装置102により決定された利用者のグループに基づいて、利用者に応じた機器の動作設定を行う。
【0163】
機器動作設定装置102は、属性決定手段11と、操作属性記憶手段12と、認知的負荷属性記憶手段13と、近似項目抽出手段14と、ユーザカテゴライズ手段15と、動作設定部16と、得点化手段17と、記憶制御手段18と、嗜好属性記憶手段20と、因子抽出手段21とを備える。
【0164】
属性決定手段11は、操作データ、応答データ、及び嗜好に関する質問に対する回答データが供給されたときに、後述する操作属性記憶手段12に記憶された操作属性データと認知的負荷属性記憶手段13に記憶された認知的負荷属性データと嗜好属性記憶手段20に記憶された嗜好属性データとを読み出し、読み出した操作属性データ、認知的負荷属性データ、及び嗜好属性データに基づいて、クラスター分析により操作データに相関の高い操作属性の属性分類、応答データに相関の高い認知的負荷属性の属性分類、及び回答データに相関の高い嗜好属性の属性分類を決定する。
【0165】
操作属性記憶手段12及び認知的負荷属性記憶手段13は、本発明の第1の実施形態である機器動作設定装置1の操作属性記憶手段12及び認知的負荷属性記憶手段13と同一の構成を有するので、説明を省略する。
【0166】
近似項目抽出手段14は、操作データ、応答データ、及び回答データのうち属性決定手段11により決定された操作属性の属性分類、認知的負荷属性の属性分類、又は嗜好属性の属性分類と近似する近似項目データを抽出し、因子分析により抽出された近似項目データのうち因子負荷量が大きい1又は複数の代表近似項目データを抽出する。
【0167】
ユーザカテゴライズ手段15、動作設定部16、及び得点化手段17は、本発明の第1の実施形態である機器動作設定装置1のユーザカテゴライズ手段15、動作設定部16、及び得点化手段17と同一の構成を有するので、説明を省略する。
【0168】
因子抽出手段21は、入力部4から供給された利用者の嗜好に関する質問に対する回答データから、因子分析により因子を抽出する。
【0169】
記憶制御手段18は、得点化手段17により算出された操作データの得点分布に基づいて、操作属性を複数の属性分類に分類し、操作属性の属性分類毎に操作データとこの操作データに対応する得点分布とを関連づけて操作属性データとして操作属性記憶手段12に記憶させる。また、記憶制御手段18は、得点化手段17により算出された応答データの得点分布に基づいて、認知的負荷属性を複数の属性分類に分類し、認知的負荷属性の属性分類毎に応答データとこの応答データに対応する得点分布とを関連づけて認知的属性データとして認知的負荷属性記憶手段13に記憶させる。さらに、記憶制御手段18は、因子抽出手段21により抽出された因子に基づいて、嗜好属性をそれぞれ複数の属性分類に分類し、この属性分類毎に因子とこの因子に対応する因子得点とを関連付けて嗜好属性記憶手段20に記憶させる。
【0170】
≪作用≫
次に、第3の実施形態である機器動作設定装置102の作用について、図面を参照しながら説明する。
【0171】
図13は、第3の実施形態である機器動作設定装置102の操作属性記憶手段12に記憶される操作属性データ、認知的負荷属性記憶手段13に記憶される認知的負荷属性データ、及び嗜好属性記憶手段20に記憶される嗜好属性データの生成処理手順を示すフローチャートである。
【0172】
まず、機器動作設定装置102は、嗜好属性記憶手段20に記憶された利用者の嗜好に関する質問を読み出し、読み出した質問を例えば表示装置等に表示させる(ステップS501)。ここで、表示させる表示画面は、例えば、簡単な嗜好に関する質問を表示すると共に、複数の中から1つを選択できるような選択肢を表示する。また、利用者が選択肢を選択する際、利用者の視線が移動するように、各選択肢間に所定の間隔を設けたりする等、各選択肢を分散して表示画面中に表示させる方が望ましい。
【0173】
そして、機器動作設定装置102は、ステップS502〜S507の処理により、操作属性データを操作属性記憶手段12に記憶し、認知的負荷属性データを認知的負荷属性記憶手段13に記憶する。このステップS502〜S507の処理については、図9に示したステップS302〜S307の処理と同一であるので、説明を省略する。
【0174】
ステップS301において、機器動作設定装置102は、機器の嗜好に関する質問を表示装置に表示させた後、機器動作設定装置102は、ステップS301で表示させた利用者の嗜好に関する質問の回答データを入力部4から受信する(ステップS508)。回答データは、例えば「あてはまる〜あてはまらない」の二者択一や例えば3〜7段階程度の多段階評定のデータ形式となる。
【0175】
次に、因子抽出手段21は、ステップS508で相当数の回答データを受信したと判定した場合に、因子分析を行うことにより、属性分類に有効となる因子を抽出する(ステップS509)。
【0176】
次に、因子抽出手段21は、ステップS501において読み出した質問の中から、ステップS509において抽出した各因子に対応する代表質問を決定し、決定した代表質問を嗜好属性記憶手段20に記憶させる(ステップS510)。
【0177】
次に、記憶制御手段18は、因子抽出手段21により抽出された因子に基づいて、嗜好属性をそれぞれ複数の属性分類に分類する。そして、記憶制御手段18は、この属性分類毎に因子とこの因子に対応する因子得点とを関連付けて嗜好属性記憶手段20に記憶させる(ステップS511)。
【0178】
以上により、第3の実施形態である機器動作設定装置102は、後述する機器動作設定処理を実行するために必要な嗜好属性データを嗜好属性記憶手段20に記憶させると共に、操作属性データを操作属性記憶手段12に記憶させ、認知的負荷属性データを認知的負荷属性記憶手段13に記憶させることができる。
【0179】
図14は、第3の実施形態である機器動作設定装置102における機器動作設定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0180】
まず、機器動作設定装置102は、動作設定対象である機器に電源が投入されたとき、その機器が初期設定されているか否かを判定する(ステップS601)。
【0181】
そして、ステップS601において、動作設定対象である機器が初期設定されていると判定された場合は、通常動作を行う(ステップS602)。
【0182】
一方、ステップS601において、動作設定対象である機器が初期設定されていないと判定された場合、又は、動作対象機器が通常動作中であるときに入力部4から動作設定指示信号が供給された場合(ステップS603)には、処理をステップS605に移行する。
【0183】
次に、機器動作設定装置102は、嗜好質問画面を表示部等に表示させる。具体的には、機器動作設定装置102は、嗜好属性記憶手段20に記憶された利用者の嗜好に関する代表質問を読み出し、読み出した代表質問を例えば表示装置等に表示させる。(ステップS605)。ここで、表示させる表示画面は、例えば、簡単な利用者の嗜好に関する代表質問を表示すると共に、この代表質問への回答として複数の選択肢の中から1つを選択できるような回答データを表示する。また、利用者が選択肢を選択する際、利用者の視線が移動するように、各選択肢間に所定の間隔を設けたりする等、各選択肢を分散して表示させる方が望ましい。
【0184】
そして、ステップS605で表示させた表示画面に出力された代表質問に対して、利用者が入力部4から操作を行うと、機器動作設定装置102は、回答データと操作データとを入力部4から入力インタフェース部2を介して受信し、応答データを検出部5から入力インタフェース部2を介して受信する(ステップS606)。具体的には、機器動作設定装置102は、回答データとして、例えば「あてはまる〜あてはまらない」の二者択一や例えば3〜7段階程度の多段階評定のデータを受信する。また、操作データとして、加圧重量202、加圧角度204、操作角度206、及び操作時間208のデータを受信し、応答データとして、視線移動面積302、視線移動回数304、視線移動時間306、及び注視時間308のデータを受信する。
【0185】
次に、属性決定手段11は、ステップS606において操作データ、応答データ、及び回答データを受信すると、操作属性記憶手段12に記憶された操作属性データと認知的負荷属性記憶手段13に記憶された認知的負荷属性データと、嗜好属性記憶手段20に記憶された嗜好属性データを読み出す。
【0186】
そして、属性決定手段11は、読み出した操作属性データに基づいてクラスター分析を行うことにより、ステップS606において受信した操作データに相関の高い操作属性の属性分類を決定する(ステップS607、S608)。また、属性決定手段11は、読み出した認知的負荷属性データに基づいてクラスター分析を行うことにより、ステップS602において受信した応答データに相関の高い認知的負荷属性の属性分類を決定する(ステップS607、S608)。さらに、属性決定手段11は、読み出した嗜好属性データに基づいてクラスター分析を行うことにより、ステップS602において受信した回答データに相関の高い嗜好属性の属性分類を決定する(ステップS607、S608)。
【0187】
次に、近似項目抽出手段14は、ステップS606において受信した操作データのうち、属性決定手段11により決定された操作属性の属性分類と近似する近似項目データを抽出する。また、近似項目抽出手段14は、受信した応答データのうち、属性決定手段11により決定された認知的属性の属性分類と近似する近似項目データを抽出する。さらに、近似項目抽出手段14は、受信した回答データのうち、属性決定手段11により決定された嗜好属性の属性分類と近似する近似項目データを抽出する。(ステップS609)。
【0188】
そして、近似項目抽出手段14は、ステップS609において抽出された操作属性の近似項目データ、認知的負荷属性の近似項目データ、及び嗜好属性の近似項目データを統合し、因子分析を行い(ステップS610)、統合した近似項目データのうち因子負荷量が大きい1又は複数の代表近似項目データを抽出する(ステップS611)。
【0189】
次に、ユーザカテゴライズ手段15は、近似項目抽出手段14により抽出された代表近似項目データについて、クラスター分析を行う(ステップS612)。これにより、予め利用者の特性毎に分類されたグループのうち、ステップS611において抽出された代表近似項目データにより示される特性が最も類似するグループを決定する(ステップS613)。ここで、予め利用者の特性毎に分類されたグループは、それぞれ操作・認知的負荷・嗜好に特徴があり、機器動作設定装置102の提供者又は利用者によって任意のグループ数に分類されている。
【0190】
このように、ステップS611で抽出された代表近似項目データについてクラスター分析を行うことにより、操作属性、認知的負荷属性、及び嗜好属性という多次元の属性を統合した上で利用者の特性が属するグループを決定するので、利用者をその特性に応じた最適なグループに割り当てることが可能となる。
【0191】
次に、動作設定部16が、ユーザカテゴライズ手段15により決定されたグループに基づいて、利用者の特性に応じた機器の設定を行う。具体的には、メニュー切り替え手段16aが、利用者の特性に最も類似するグループに適したメニューを生成したり、デフォルト値設定手段16bが、利用者の特性に最も類似するグループに適したデフォルト値を設定する(ステップS414)。
【0192】
このように、最適に割り当てられたグループに応じて機器を設定するので、利用者の特性に応じた最適な機器の動作設定を行うことができる。また、利用者による操作データ、応答データ、及び代表質問に対する回答データに基づいて機器の動作設定を行うので、この機器を複数の利用者が利用する場合においても、各々の利用者の特性に応じて最適な機器の動作設定を行うことができる。
【0193】
図15は、第3の実施形態である機器動作設定装置102をオーディオプレーヤに適用した場合における機器動作設定処理の一例を説明するための図である。
【0194】
まず、機器動作設定装置102は、動作設定対象である機器(オーディオプレーヤ)が初期設定されていないと判定された場合、又は、動作対象機器が通常動作中であるときに入力部4から入力インタフェース部2を介して動作設定指示信号が供給された場合、嗜好に関する代表質問を表示させる。
【0195】
図15に示した例では、機器動作設定装置102は、嗜好に関する代表質問503として、「とにかくシンプルなものが好きか?」、「機能が充実しているものが好きか?」、「趣味で音楽ソフトを収集しているか?」、「音質にはこがわらないか?」等の代表質問を表示する。
【0196】
そして、機器動作設定装置102は、利用者の操作により、入力部4から入力インタフェース部2を介して嗜好に関する代表質問603に対する回答データを受信すると共に、操作データ601として加圧重量202と、加圧角度204、操作角度206、及び操作時間208を受信する。さらに、検出部5から入力インタフェース部2を介して応答データ602として視線移動面積302、視線移動回数304、視線移動時間306、及び注視時間308を受信する。
【0197】
次に、属性決定手段11は、回答データを受信すると、嗜好属性記憶手段20に記憶された嗜好属性データを読み出し、読み出した嗜好属性データに基づいてクラスター分析を行うことにより、受信した回答データに相関の高い嗜好属性606の属性分類を決定する。
【0198】
図15に示した例では、クラスター分析によって、嗜好に関する代表質問603に対する回答データに相関の高い嗜好属性606の属性分類として属性1が決定されている。
【0199】
同様に、属性決定手段11は、操作データ601を受信すると、操作属性記憶手段12に記憶された操作属性データを読み出し、読み出した操作属性データに基づいてクラスター分析を行うことにより、受信した操作データ601に相関の高い操作属性604の属性分類を決定する。
【0200】
図15に示した例では、クラスター分析によって、操作データ601に相関の高い操作属性604の属性分類として属性2が決定されている。
【0201】
同様に、属性決定手段11は、応答データ602を受信すると、認知的負荷属性記憶手段13に記憶された認知的負荷属性データを読み出し、読み出した認知的負荷属性データに基づいてクラスター分析を行うことにより、受信した応答データ602に相関の高い認知的負荷属性605の属性分類を決定する。
【0202】
図15に示した例では、クラスター分析によって、応答データ602に相関の高い認知的負荷属性605の属性分類として属性1が決定されている。
【0203】
次に、近似項目抽出手段14は、受信した回答データ、操作データ、及び応答データのうち属性決定手段11により決定された操作属性604の属性分類、認知的負荷属性605の属性分類、及び嗜好属性606の属性分類と近似する近似項目データを抽出し、因子分析により抽出された近似項目データのうち因子負荷量が大きい1又は複数の代表近似項目データを抽出する。
【0204】
そして、ユーザカテゴライズ手段15が、予め利用者の特性毎に分類されたグループのうち、近似項目抽出手段14により抽出された代表近似項目データにより示される特性が最も類似するグループをクラスター分析により決定する。
【0205】
図15の607に示すように、操作データから操作属性604の属性2に近似する近似項目データと、応答データから認知的負荷属性605の属性1に近似する近似項目データと、回答データから嗜好属性606の属性1に近似する近似項目データを抽出する。そして、抽出した近似項目データのうち因子負荷量が大きい1又は複数の代表近似項目データを抽出し、抽出された代表近似項目データにより示される特性が最も類似するグループとしてグループ3が決定される。
【0206】
なお、図15に示した例では、グループ数を6つとしているが、この数は6つに限らず、事前に任意の数のグループが設定される。設定されたグループは、それぞれ操作・認知的負荷・使い方に特徴があり、設計者側で、「どのような操作特性及び認知特性を持つ利用者であり、かつどのような嗜好を持つ利用者であるか」という想定利用者を事前に多数設定し、この想定利用者をグループとして設定する。ここでは、グループ3として設定された想定利用者は、「あまり機器には強くなく、入力部4の操作も不得意であり、画面上の情報量が少なければ表示された情報に対する理解が可能である利用者であり、かつ機器を使用する上で、新しい発見を求めデザインにもこだわりがあるが、できるだけ簡単に機器を使いたい利用者のグループ」と設定される。
【0207】
このように、抽出された因子負荷量が大きい1又は複数の代表近似項目データに対してクラスター分析を行うことにより、操作属性、認知的負荷属性、及び嗜好属性という多次元の属性を統合した上で利用者の特性が属するグループを決定するので、利用者をその特性に応じた最適なグループに割り当てることが可能となる。
【0208】
次に、動作設定部16が、ユーザカテゴライズ手段15により決定されたグループに基づいて、利用者に応じた機器の設定を行う。
【0209】
図15に示した例では、グループ2に対応する機器動作設定609として、「基本メニューのみ表示」、「画面表示をモダンに設定」、及び「シャッフル再生に設定」が関連付けされているので、動作設定部16が、この設定内容に従ってオーディオプレーヤの動作設定を行う。なお、図15に示したグループ608と機器動作設定609とを結ぶ矢印は、グループ608の各グループに適した機器動作設定を示している。
【0210】
これにより、動作設定部16は、「基本メニューのみ表示」の設定で必要最小限の機能だけを表示して機能を把握しやすくし、「画面表示をモダンに設定」の設定でデザイン性を強調し、「シャッフル再生に設定」の設定で普段自ら選択して聴くことの少ない音楽に出会いやすいようにすることができる。
【0211】
また、各グループにおいて想定される操作に合わせ、事前に設計者側で設定しておいた初期メニューや初期設定値や、他の利用者の実際の使用状況からフィードバックされたデータにより更新した最適値を、利用者に対し提供することができる。
【0212】
このように、第3の実施形態である機器動作設定装置102では、利用者は簡単な嗜好に関する質問に答えることで、利用者の嗜好、自分の機器に対する操作、及び機器の動作に対する自分自身の応答にあったメニューとシステム設定値(デフォルト値)について最適なものを得ることができる。また、その際、グループ化およびグループ化した複数グループからの統合的類似性判断による取捨選択を機器動作設定装置102が行うことにより、利用者の操作や応答に合ったメニューとシステム設定値(デフォルト値)について最適なものを得ることができる。
【0213】
以上のように、第3の実施形態である機器動作設定装置102によれば、最適に割り当てられたグループに応じて機器を設定するので、利用者の特性に応じた最適な機器の動作設定を行うことができる。
【0214】
<第4の実施形態>
図16は、本発明の第4の実施形態である機器動作設定装置の構成を示した構成図である。
【0215】
図16に示すように、機器動作設定装置103は、入力インタフェース部2と、機器制御部3と接続されており、入力インタフェース部2にはさらに入力部4と検出部5とが接続されている。
【0216】
入力部4は、例えば、静電センサ、感圧センサ、操作ボタン等を備えており、利用者の入力操作により機器の動作設定を要求する動作設定指示信号を生成し、機器動作設定装置103へ供給する。また、利用者の入力操作により表示装置等に表示された機器の使い方及び利用者の嗜好に関する質問に対する回答データを生成すると共に、加圧重量、加圧角度、操作角度、操作時間等の操作データを生成し、これらを機器動作設定装置103へ供給する。
【0217】
検出部5は、本発明の第1の実施形態である機器動作設定装置1の検出部5と同一の構成を有するので、説明を省略する。
【0218】
機器制御部3は、機器動作設定装置103により決定された利用者のグループに基づいて、利用者に応じた機器の動作設定を行う。
【0219】
機器動作設定装置103は、属性決定手段11と、操作属性記憶手段12と、認知的負荷属性記憶手段13と、近似項目抽出手段14と、ユーザカテゴライズ手段15と、動作設定部16と、得点化手段17と、記憶制御手段18と、使い方属性記憶手段19と、嗜好属性記憶手段20と、因子抽出手段21とを備える。
【0220】
属性決定手段11は、操作データ、応答データ、及び使い方と嗜好に関する質問に対する回答データが供給されたときに、後述する操作属性記憶手段12に記憶された操作属性データと、認知的負荷属性記憶手段13に記憶された認知的負荷属性データと、使い方属性記憶手段19に記憶された使い方属性データと、嗜好属性記憶手段20に記憶された嗜好属性データとを読み出す。そして、読み出した操作属性データ、認知的負荷属性データ、使い方属性データ、及び嗜好属性データに基づいて、クラスター分析により操作データに相関の高い操作属性の属性分類、応答データに相関の高い認知的負荷属性の属性分類、回答データに相関の高い使い方属性の属性分類、及び回答データに相関の高い嗜好属性の属性分類を決定する。
【0221】
操作属性記憶手段12及び認知的負荷属性記憶手段13は、本発明の第1の実施形態である機器動作設定装置1の操作属性記憶手段12及び認知的負荷属性記憶手段13と同一の構成を有するので、説明を省略する。
【0222】
近似項目抽出手段14は、操作データ、応答データ、及び回答データのうち属性決定手段11により決定された操作属性の属性分類、認知的負荷属性の属性分類、使い方属性の属性分類、又は嗜好属性の属性分類と近似する近似項目データを抽出し、因子分析により抽出された近似項目データのうち因子負荷量が大きい1又は複数の代表近似項目データを抽出する。
【0223】
ユーザカテゴライズ手段15、動作設定部16、及び得点化手段17は、本発明の第1の実施形態である機器動作設定装置1のユーザカテゴライズ手段15、動作設定部16、及び得点化手段17と同一の構成を有するので、説明を省略する。
【0224】
因子抽出手段21は、入力部4から供給された機器の使い方に関する質問及び利用者の嗜好に関する質問に対する回答データから、因子分析により因子を抽出する。
【0225】
使い方属性記憶手段19は、使い方に関する質問データやこの質問データから選択され、表示装置等に表示させるための使い方に関する代表質問データを記憶する。また、利用者の使い方に関する回答データに基づく因子分析により、複数の属性分類毎に分類された因子を使い方属性データとして記憶する。
【0226】
嗜好属性記憶手段20は、嗜好に関する質問データやこの質問データから選択され、表示装置等に表示させるための嗜好に関する代表質問データを記憶する。また、利用者の嗜好に関する回答データに基づく因子分析により、複数の属性分類毎に分類された因子を嗜好属性データとして記憶する。
【0227】
記憶制御手段18は、得点化手段17により算出された操作データの得点分布に基づいて、操作属性を複数の属性分類に分類し、操作属性の属性分類毎に操作データとこの操作データに対応する得点分布とを関連づけて操作属性データとして操作属性記憶手段12に記憶させる。また、記憶制御手段18は、得点化手段17により算出された応答データの得点分布に基づいて、認知的負荷属性を複数の属性分類に分類し、認知的負荷属性の属性分類毎に応答データとこの応答データに対応する得点分布とを関連づけて認知的属性データとして認知的負荷属性記憶手段13に記憶させる。さらに、因子抽出手段21により抽出された因子に基づいて、使い方属性及び嗜好属性をそれぞれ複数の属性分類に分類し、この属性分類毎に因子とこの因子に対応する因子得点とを関連付けて使い方属性記憶手段19及び嗜好属性記憶手段20に記憶させる。
【0228】
図17は、第4の実施形態である機器動作設定装置103をHDDレコーダに適用した場合における機器動作設定処理の一例を説明するための図である。
【0229】
まず、機器動作設定装置103は、動作設定対象である機器が初期設定されていないと判定された場合、又は、動作対象機器が通常動作中であるときに入力部4から入力インタフェース部2を介して動作設定指示信号が供給された場合、使い方及び嗜好に関する代表質問を表示させる。
【0230】
図17に示した例では、機器動作設定装置103は、使い方に関する代表質問701として、「面倒な設定をせずに使いたいか?」、「色々な機能を簡単に使いたいか?」、「自分で設定を行いながら使いたいか?」、「一番きれいに撮れるように使いたいか?」等の代表質問を表示する。また、嗜好に関する代表質問702として、「とにかくシンプルなものが好きか?」、「機能が充実しているものが好きか?」、「趣味で動画を収集しているか?」、「画質にはこがわらないか?」等の代表質問を表示する。
【0231】
そして、機器動作設定装置103は、利用者の操作により、入力部4から入力インタフェース部2を介して、使い方に関する代表質問701に対する回答データと嗜好に関する代表質問702に対する回答データを受信すると共に、操作データ703として加圧重量202、加圧角度204、操作角度206、及び操作時間208を受信する。さらに、検出部5から入力インタフェース部2を介して応答データ704として視線移動面積302、視線移動回数304、視線移動時間306、及び注視時間308を受信する。
【0232】
次に、属性決定手段11は、回答データを受信すると、使い方属性記憶手段19に記憶された使い方属性データを読み出し、読み出した使い方属性データに基づいてクラスター分析を行うことにより、受信した回答データに相関の高い使い方属性705の属性分類を決定する。
【0233】
図17に示した例では、クラスター分析によって、使い方に関する代表質問701に対する回答データに相関の高い使い方属性705の属性分類として属性3が決定されている。
【0234】
同様に、属性決定手段11は、回答データを受信すると、嗜好属性記憶手段20に記憶された嗜好属性データを読み出し、読み出した嗜好属性データに基づいてクラスター分析を行うことにより、受信した回答データに相関の高い嗜好属性706の属性分類を決定する。
【0235】
図17に示した例では、クラスター分析によって、嗜好に関する代表質問702に対する回答データに相関の高い嗜好属性706の属性分類として属性1が決定されている。
【0236】
さらに、属性決定手段11は、操作データ703を受信すると、操作属性記憶手段12に記憶された操作属性データを読み出し、読み出した操作属性データに基づいてクラスター分析を行うことにより、受信した操作データ703に相関の高い操作属性707の属性分類を決定する。
【0237】
図17に示した例では、クラスター分析によって、操作データ703に相関の高い操作属性707の属性分類として属性2が決定されている。
【0238】
同様に、属性決定手段11は、応答データ704を受信すると、認知的負荷属性記憶手段13に記憶された認知的負荷属性データを読み出し、読み出した認知的負荷属性データに基づいてクラスター分析を行うことにより、受信した応答データ704に相関の高い認知的負荷属性708の属性分類を決定する。
【0239】
図17に示した例では、クラスター分析によって、応答データ704に相関の高い認知的負荷属性708の属性分類として属性3が決定されている。
【0240】
次に、近似項目抽出手段14は、受信した回答データ、操作データ、及び応答データのうち属性決定手段11により決定された使い方属性705の属性分類、嗜好属性706の属性分類、操作属性707の属性分類、及び認知的負荷属性708の属性分類と近似する近似項目データを抽出し、因子分析により抽出された近似項目データのうち因子負荷量が大きい1又は複数の代表近似項目データを抽出する。
【0241】
次に、近似項目抽出手段14は、受信した使い方に関する代表質問に対する回答データのうち属性決定手段11により決定された使い方属性705の属性分類と近似する近似する近似項目データを抽出し、受信した嗜好に関する代表質問に対する回答データのうち属性決定手段11により決定された嗜好属性706の属性分類と近似する近似する近似項目データを抽出し、受信した操作データのうち属性決定手段11により決定された操作属性707の属性分類と近似する近似する近似項目データを抽出し、受信した応答データのうち属性決定手段11により決定された認知的負荷属性708の属性分類と近似する近似する近似項目データを抽出する。そして、近似項目抽出手段14は、因子分析により抽出されたこれらの近似項目データのうち因子負荷量が大きい1又は複数の代表近似項目データを抽出する。
【0242】
そして、ユーザカテゴライズ手段15が、予め利用者の特性毎に分類されたグループのうち、近似項目抽出手段14により抽出された代表近似項目データにより示される特性が最も類似するグループをクラスター分析により決定する。
【0243】
図17の709に示すように、使い方に関する質問に対する回答データから使い方属性705の属性3に近似する近似項目データと、嗜好に関する質問に対する回答データから嗜好属性706の属性1に近似する近似項目データと、操作データから操作属性707の属性2に近似する近似項目データと、応答データから認知的負荷属性708の属性3に近似する近似項目データと、を抽出する。そして、抽出した近似項目データのうち因子負荷量が大きい1又は複数の代表近似項目データを抽出し、抽出された代表近似項目データにより示される特性が最も類似するグループとしてグループ5が決定される。
【0244】
なお、図17に示した例では、グループ数を9つとしているが、この数は9つに限らず、事前に任意の数のグループが設定される。設定されたグループは、それぞれ操作・認知的負荷・使い方に特徴があり、設計者側で、「どのような操作特性及び認知特性を持つ利用者であり、かつどのように機器を使い、どのような嗜好を持つ利用者であるか」という想定利用者を事前に多数設定し、この想定利用者をグループとして設定する。ここでは、グループ5として設定された想定利用者は、「あまり機器には強くなく、入力部4の操作も不得意であり、画面上の情報量が少なければ表示された情報に対する理解が可能である利用者であり、かつ高画質で動画を記憶させる実用的な使い方よりも趣味的に多くの動画の収集を求め、風景を撮影する機会が多い利用者のグループ」と設定される。
【0245】
このように、抽出された因子負荷量が大きい1又は複数の代表近似項目データに対してクラスター分析を行うことにより、操作属性、認知的負荷属性、使い方属性、及び嗜好属性という多次元の属性を統合した上で利用者の特性が属するグループを決定するので、利用者をその特性に応じた最適なグループに割り当てることが可能となる。
【0246】
次に、動作設定部16が、ユーザカテゴライズ手段15により決定されたグループに基づいて、利用者に応じた機器の設定を行う。
【0247】
図17に示した例では、グループ5に対応する機器動作設定711として、「基本メニューのみ表示」、「カーソル移動速度“遅い”」、「画質ノーマルに設定」及び「デジタルズーム100倍に設定」が関連付けされているので、動作設定部16が、この設定内容に従ってHDDレコーダの動作設定を行う。なお、図17に示したグループ710と機器動作設定711とを結ぶ矢印は、グループ710の各グループに適した機器動作設定を示している。
【0248】
これにより、動作設定部16は、「基本メニューのみ表示」の設定で必要最小限の機能だけを表示して機能を把握しやすくし、「カーソル移動速度“遅い”」でカーソルの移動速度を遅く設定して入力部4の操作の確実性を高め、「画質ノーマルに設定」で記憶容量を気にせず余裕を持って撮影画像を記憶させることができ、「デジタルズーム100倍に設定」で急な遠景の撮影時などでも高倍率でのズーム撮影を行えるようにすることができる。
【0249】
また、各グループにおいて想定される操作に合わせ、事前に設計者側で設定しておいた初期メニューや初期設定値や、他の利用者の実際の使用状況からフィードバックされたデータにより更新した最適値を、利用者に対し提供することができる。
【0250】
このように、第4の実施形態である機器動作設定装置103では、利用者は簡単な使い方及び嗜好に関する質問に答えることで、機器の使い方、利用者の嗜好、自分の機器に対する操作、及び機器の動作に対する自分自身の応答にあったメニューとシステム設定値(デフォルト値)について最適なものを得ることができる。また、その際、グループ化およびグループ化した複数グループからの統合的類似性判断による取捨選択を機器動作設定装置103が行うことにより、利用者の操作や応答に合ったメニューとシステム設定値(デフォルト値)について最適なものを得ることができる。
【0251】
以上のように、第4の実施形態である機器動作設定装置103によれば、最適に割り当てられたグループに応じて機器を設定するので、利用者の特性に応じた最適な機器の動作設定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0252】
【図1】本発明の第1の実施形態である機器動作設定装置1の構成を示した構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態である機器動作設定装置1の入力部4及び検出部5により、生成される操作データ及び応答データの一例を説明するための図である。
【図3】本発明の第1の実施形態である機器動作設定装置1の操作属性記憶手段12が記憶する操作属性データの一例を示した図である。
【図4】本発明の第1の実施形態である機器動作設定装置1の認知的負荷属性記憶手段13が記憶する認知的負荷属性データの一例を示した図である。
【図5】本発明の第1の実施形態である機器動作設定装置1の操作属性記憶手段12に記憶される操作属性データ、及び認知的負荷属性記憶手段13に記憶される認知的負荷属性データの生成処理手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態である機器動作設定装置1における機器動作設定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施形態である機器動作設定装置1をHDDレコーダに適用した場合における機器動作設定処理の一例を説明するための図である。
【図8】本発明の第2の実施形態である機器動作設定装置101の構成を示した構成図である。
【図9】本発明の第2の実施形態である機器動作設定装置101の操作属性記憶手段12に記憶される操作属性データ、認知的負荷属性記憶手段13に記憶される認知的負荷属性データ、及び使い方属性記憶手段19に記憶される使い方属性データの生成処理手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施形態である機器動作設定装置101における機器動作設定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施形態である機器動作設定装置101をHDDレコーダに適用した場合における機器動作設定処理の一例を説明するための図である。
【図12】本発明の本発明の第3の実施形態である機器動作設定装置102の構成を示した構成図である。
【図13】本発明の第3の実施形態である機器動作設定装置102の操作属性記憶手段12に記憶される操作属性データ、認知的負荷属性記憶手段13に記憶される認知的負荷属性データ、及び嗜好属性記憶手段20に記憶される嗜好属性データの生成処理手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第3の実施形態である機器動作設定装置102における機器動作設定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第3の実施形態である機器動作設定装置102をオーディオプレーヤに適用した場合における機器動作設定処理の一例を説明するための図である。
【図16】本発明の第4の実施形態である機器動作設定装置103の構成を示した構成図である。
【図17】本発明の第4の実施形態である機器動作設定装置103をHDDレコーダに適用した場合における機器動作設定処理の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0253】
1,101,102,103…機器動作設定装置
2…入力インタフェース部
3…機器制御部
4…入力部
5…検出部
11…属性決定手段
12…操作属性記憶手段
13…認知的負荷属性手段
13…認知的負荷属性記憶手段
14…近似項目抽出手段
15…ユーザカテゴライズ手段
16…動作設定部(動作設定手段)
16a…メニュー切り替え手段
16b…デフォルト値設定手段
17…得点化手段
18…記憶制御手段
19…使い方属性記憶手段
20…嗜好属性記憶手段
21…因子抽出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者による機器の操作及び前記機器の動作に対する利用者の応答に基づき、因子分析及びクラスター分析によって前記利用者についての所定の特性を特定し、この特性に応じた前記機器の動作設定を行う機器動作設定装置であって、
前記利用者の入力に基づく前記機器の複数の操作データと、各操作データに対して複数に区分された階級のうち該操作データがいずれの階級に属するかを示す得点分布とを関連づけると共に、これら複数の操作データと前記得点分布とを複数の属性分類に分類し操作属性データとして記憶する操作属性記憶手段と、
前記機器の動作に対する前記利用者の複数の応答データと、各応答データに対して複数に区分された階級のうち該応答データがいずれの階級に属するかを示す得点分布とを関連づけると共に、これら複数の応答データと前記得点分布とを複数の属性分類に分類し認知的負荷属性データとして記憶する認知的負荷属性記憶手段と、
前記それぞれ記憶された操作属性データ及び認知的負荷属性データを読み出し、クラスター分析により、前記複数の操作データに相関の高い操作属性の属性分類と前記複数の応答データに相関の高い認知的負荷属性の属性分類とを決定する属性決定手段と、
前記複数の操作データ及び前記複数の応答データのうち、前記属性決定手段により決定された操作属性の属性分類又は認知的負荷属性の属性分類に近似する近似項目データを抽出し、因子分析により前記抽出された近似項目データのうち因子負荷量が大きい1つ又は複数の代表近似項目データを抽出する近似項目抽出手段と、
予め前記利用者についての所定の特性毎に分類されたグループのうち、前記抽出された代表近似項目データにより示される特性が最も類似するグループをクラスター分析により決定するユーザカテゴライズ手段と、
前記決定されたグループに基づいて、前記利用者についての所定の特性に応じた機器の設定を行う動作設定手段と、
を備えたことを特徴とする機器動作設定装置。
【請求項2】
前記操作データ毎に複数の階級に区分し、これら区分された階級のうち前記操作データがいずれの階級に属するかを示す得点分布を算出すると共に、前記応答データ毎に複数の階級に区分し、これら区分された階級のうち前記応答データがいずれの階級に属するかを示す得点分布を算出する得点化手段と、
前記算出された操作データ及び応答データそれぞれの得点分布に基づいて、操作属性及び認知的負荷属性をそれぞれ複数の属性分類に分類し、前記操作属性の属性分類毎に前記操作データとこの操作データに対応する得点分布とを関連づけて操作属性データとして前記操作属性記憶手段に記憶させると共に、前記認知的負荷属性の属性分類毎に前記応答データとこの応答データに対応する得点分布とを関連づけて認知的属性データとして前記認知的負荷属性記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の機器動作設定装置。
【請求項3】
前記利用者による前記機器の使い方に関する回答データに基づく因子分析により、複数の属性分類に分類した因子を使い方属性データとして記憶する使い方属性記憶手段をさらに備え、
前記属性決定手段は、
前記それぞれ記憶された操作属性データ、認知的負荷属性データ、及び使い方属性データを読み出し、クラスター分析により前記操作データ、前記応答データ、及び前記回答データに相関の高い操作属性、認知的負荷属性、及び使い方属性それぞれの属性分類を決定し、
前記近似項目抽出手段は、
前記操作データ、前記応答データ、及び前記回答データのうち前記属性決定手段により決定された操作属性、認知的負荷属性、又は使い方属性の属性分類と近似する近似項目データを抽出し、因子分析により前記抽出された近似項目データのうち因子負荷量が大きい1つ又は複数の代表近似項目データを抽出する
ようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の機器動作設定装置。
【請求項4】
前記回答データから因子分析により因子を抽出する因子抽出手段を更に備え、
前記記憶制御手段は、更に
前記抽出された因子に基づいて、使い方属性を複数の属性分類に分類し、この使い方属性の属性分類毎に前記因子とこの因子に対応する因子得点とを関連付けて使い方属性データとして前記使い方属性記憶手段に記憶させる
ようにしたことを特徴とする請求項3記載の機器動作設定装置。
【請求項5】
前記利用者の嗜好に関する回答データに基づく因子分析により、複数の属性分類に分類した因子を嗜好属性データとして記憶する嗜好属性記憶手段をさらに備え、
前記属性決定手段は、
前記それぞれ記憶された操作属性データ、認知的負荷属性データ、及び嗜好属性データを読み出し、クラスター分析により前記操作データ、前記応答データ、及び前記回答データに相関の高い操作属性、認知的負荷属性、及び嗜好属性それぞれの属性分類を決定し、
前記近似項目抽出手段は、
前記操作データ、前記応答データ、及び前記回答データのうち前記属性決定手段により決定された操作属性、認知的負荷属性、又は嗜好属性の属性分類と近似する近似項目データを抽出し、因子分析により前記抽出された近似項目データのうち因子負荷量が大きい1つ又は複数の代表近似項目データを抽出する
ようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の機器動作設定装置。
【請求項6】
前記回答データから因子分析により因子を抽出する因子抽出手段を更に備え、
前記記憶制御手段は、更に
前記抽出された因子に基づいて、嗜好属性を複数の属性分類に分類し、この嗜好属性の属性分類毎に前記因子とこの因子に対応する因子得点とを関連付けて嗜好属性データとして前記嗜好属性記憶手段に記憶させる
ようにしたことを特徴とする請求項5記載の機器動作設定装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2009−75937(P2009−75937A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−245441(P2007−245441)
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】