説明

機器管理装置、機器管理方法および機器管理用プログラム

【課題】機器と当該機器が接続されているソケットとを関連付けることを課題とする。
【解決手段】機器管理サーバ20に、複数のソケットS1〜Snの夫々における電力使用量に係る情報を取得する電力使用量取得部25と、ネットワーク2に接続された機器90のうち、対象機器に対して、対象機器の電力使用量を変化させるための通信を行う通信部26と、電力使用量取得部25によって取得された情報に基づいて、通信に係る時間帯において電力使用量が変化したソケットを特定するソケット特定部27と、対象機器を、ソケット特定部27によって特定されたソケットに関連付ける関連付け部24と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器管理装置、機器管理方法および機器管理用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、接続されている機器の起動を検知し、コンセントの設置場所を機器管理サーバヘ通知するコンセントと、機器からの起動の通知を受ける機器管理サーバとを備え、所定時間内にコンセントと機器の両方から通知があった場合に、当該コンセントに接続された機器と起動の通知に係る機器とを同一と判断する、機器管理方法が提案されている(特許文献1を参照)。
【0003】
また、従来、コンセントに関連する情報をネットワーク経由で送信するための技術が種々提案されている(特許文献2から4を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4321774号公報
【特許文献2】特許第3843894号公報
【特許文献3】特開2004−23497号公報
【特許文献4】特開2010−114967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
オフィス等において節電の意識が高まる中、電力使用量や節電効果を測定するために、機器単位で電力使用量を把握することの重要性が高まっている。このような機器単位での電力使用量の把握に用いることが出来る装置として、電力使用量の測定が可能であり、且つネットワーク経由で電力使用量を取得可能なコンセント(壁付けコンセント、延長ケーブル付きコンセント等)がある。
【0006】
しかし、従来のコンセントでは、コンセント毎の電力使用量を取得することは出来るものの、コンセントにどのような機器が接続されているかを把握することは困難であった。また、オフィス等で機器を一元的に管理するための資産管理システムがあるが、このようなシステムでは、ネットワークを介して機器の稼働状態を把握することはできるものの、正確な電力使用量を把握することは出来ない。
【0007】
本発明は、上記した問題に鑑み、機器と当該機器が接続されているソケットとを関連付けることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、上記課題を解決するために、電力使用量が変化する機器を、ネットワークを介した通信に基づいて特定し、この機器を、前記通信に係る時間帯において電力使用量が変化したソケットに関連付けることとした。即ち、本発明は、複数のソケットの夫々における電力使用量に係る情報を取得する電力使用量取得手段と、ネットワークに接続された機器のうち、対象機器に対して、該対象機器の電力使用量を変化させるための通信を行う通信手段と、前記電力使用量取得手段によって取得された情報に基づいて、前記通信に係る時間帯において電力使用量が変化したソケットを特定するソケット特定手段と、前記対象機器を、前記ソケット特定手段によって特定されたソケットに関連付ける関連付け手段と、を備える機器管理装置である。
【0009】
また、本発明は、複数のソケットの夫々における電力使用量に係る情報を取得する電力使用量取得手段と、ネットワークに接続された機器による通信を取得することで、電力使用量の変化が伴う通信を行っている対象機器を特定する対象機器特定手段と、前記電力使用量取得手段によって取得された情報に基づいて、前記通信に係る時間帯において電力使用量が変化したソケットを特定するソケット特定手段と、前記対象機器を、前記特定手段によって特定されたソケットに関連付ける関連付け手段と、を備える機器管理装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、機器と当該機器が接続されているソケットとを関連付けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態に係る機器管理システムの構成を示す概略図である。
【図2】実施形態に係るコンセント装置の構成の概略を示す図である。
【図3】実施形態に係る機器管理サーバの機能構成の概略を示す図である。
【図4】実施形態に係る機器管理処理の流れを示すシーケンス図である。
【図5】実施形態に係る、機器へのネットワークアクセスによる関連付け処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】実施形態に係る、機器からのネットワークアクセスによる関連付け処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】実施形態に係る、ユーザ入力による関連付け処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】実施形態に係る機器管理サーバの機能構成のバリエーションを示す図である。
【図9】機器管理システムのバリエーションを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を機器管理システムにおいて実施する場合の実施の形態について、図面に基づいて説明する。但し、本発明は、機器と当該機器が接続されているソケットとを関連付ける目的に広く用いることが可能であり、本発明の適用対象は、以下に説明する機器管理システムに限定されない。
【0013】
<システムの構成>
図1は、本実施形態に係る機器管理システム1の構成を示す概略図である。本実施形態に係る機器管理システム1は、ネットワーク2と、ネットワーク2に接続されて管理対象となる複数の情報処理装置90(以下、「機器90」と称する)と、機器90を管理する機器管理サーバ20と、機器90に電源を提供するコンセント装置80と、を備える。なお、管理対象となる機器90には、例えば、PC(Personal Computer)やプリンタ等が含まれる。
【0014】
機器管理サーバ20は、それぞれ、CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)13、ROM(Read Only Memory)12、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置14、NIC(Network Interface Card)15等の通信ユニット、等を備えるコンピュータである。
【0015】
図2は、本実施形態に係るコンセント装置80の構成の概略を示す図である。コンセント装置80は、プラグを挿入した機器に対して電力を供給する複数のソケットと、ソケットから供給されている電力の量を測定する電力使用量測定部81と、電力使用量測定部81によって測定されたソケット毎の電力使用量をネットワーク2に送信するネットワーク通信部82と、を備える。即ち、本実施形態におけるコンセント装置80は、電力使用量測定部81およびネットワーク通信部82を備える点で、通常のコンセントに付加的な機能を備えるものである。また、本実施形態では、各機器のプラグが挿入される構成をソケットと称し、1または複数のソケットをまとめて筐体に収めることで、1または複数の機器に対して電源を提供するものをコンセント装置80と称する。
【0016】
電力使用量測定部81は、ソケットから供給されている電力の量、換言すれば、ソケットにプラグインされている機器の電力使用量を、ソケット毎に測定する。
【0017】
ネットワーク通信部82は、機器管理サーバ20から送信された電力使用量要求を受信すると、電力使用量測定部81によって測定されたソケット毎の電力使用量を、当該コンセント装置80のコンセントIDおよび要求に係るソケットのソケットIDに関連付けて、機器管理サーバ20宛に送信する。
【0018】
なお、コンセントIDは、少なくともネットワーク2内でコンセントを一意に識別可能な識別情報であり、本実施形態では、コンセントIDとして、コンセント装置80のMACアドレスが用いられる。また、ソケットIDは、少なくとも当該ソケットが備えられたコンセント装置80においてソケットを一意に識別可能な識別情報であり、本実施形態では、コンセント装置80においてソケットに割り当てられたソケット番号S1〜Snが用いられる。
【0019】
図3は、本実施形態に係る機器管理サーバ20の機能構成の概略を示す図である。機器管理サーバ20は、記憶装置14に記録されているプログラムが、RAM13に読み出され、CPU11によって実行されることで、機器検知部21と、機器情報取得部22と、コンセント情報取得部23と、関連付け部24と、電力使用量取得部25と、通信部26と、ソケット特定部27と、対象機器特定部28と、機器情報データベース29と、ネットワーク制御部30と、利用申請処理部31と、を備える機器管理装置として機能し、機器の情報やコンセント装置80から取得した電力使用量を一元管理する。なお、本実施形態では、機器管理サーバ20の備える各機能は、汎用プロセッサであるCPU11によって実行されるが、これらの機能の一部または全部は、1または複数の専用プロセッサによって実行されてもよい。
【0020】
機器検知部21は、機器がネットワーク2に接続されたことを検知し、機器情報データベース29に機器が接続された旨を記録する。なお、接続された機器が初めてネットワーク2に接続された機器である場合、機器検知部21は、検知された機器の情報を機器情報データベース29に登録する。機器情報データベース29に登録された機器は、機器IDを用いて識別されるが、本実施形態では、機器IDとしてMACアドレスが用いられる。機器検知部21は、ARP(Address Resolution Protocol
)パケットの監視や、DNSやDHCP等の特定のプロトコルに係るブロードキャストパケットの監視を行うことで、機器の接続を検知する。なお、機器検知部21は、コンセント装置80も管理対象の情報処理装置の1つとして検知し、コンセント装置80のMACアドレスをコンセントID(コンセント装置80に係る機器ID)として用いる。
【0021】
機器情報取得部22は、機器検知部21によって検知された機器の情報を様々な手段を用いて取得し、機器情報データベース29に蓄積する。機器情報は、SNMP(Simple Network Management Protocol)やWMI(Wind
ows(登録商標) Management Instrumentation)、ブロードキャストパケットの解析、ARPスプーフィングによって機器管理サーバ20に引き込んだ通信の解析(具体的には、HTTPヘッダ情報や特定プロトコルの解析)、等によって取得することが出来る。また、機器情報は、取得された情報に基づいて推測されてもよい。例えば、取得した情報に含まれるワードや、機器に対するポートスキャンによって特定された、接続を受け入れているポート等に基づいて、機器種別(PC、プリンタ、コンセント装置80等)を推測することが出来る。
【0022】
なお、ここで行われるARPスプーフィングとは、ネットワーク2上の機器90に対して、ネットワーク2内の他の端末やルータ(図示は省略する)のMACアドレスとして、機器管理サーバ20等、誘導先のMACアドレス(以下、「偽装アドレス」とも称する)を通知することで、機器90から送信される通信を機器管理サーバ20等に誘導する技術である。
【0023】
コンセント情報取得部23は、コンセント装置80が公開するAPI(例えば、SNMPやSOAP等)を使用し、コンセント装置80からコンセントIDおよびコンセント装置80に属するソケットのソケットIDを含む、コンセント情報(コンセント装置80の機器情報)を取得する。取得された情報は、後述する機器情報データベース29に蓄積される。
【0024】
関連付け部(機器/コンセント紐付け部)24は、機器IDとコンセントIDおよびソケットIDとを関連付けて(紐付けて)機器情報データベース29に記録することで、機器と当該機器が使用しているコンセント装置80およびソケットとを関連付ける。
【0025】
電力使用量取得部25は、コンセント装置80が公開するAPI(例えば、SNMPやSOAP等)を使用し、指定されたソケットの電力使用量を、当該ソケットが備えられたコンセント装置80から取得する。取得された電力使用量は、後述する機器情報データベース29に蓄積される。
【0026】
通信部26は、ネットワーク2に接続された機器のうち、選択された対象機器に対して、当該機器の電力使用量を変化させるための通信を行う。ここで、機器の電力使用量を変化させるための通信としては、例えば、当該機器に対して負荷をかけるための通信が挙げられる。このような通信としては、パケットの連続送信や、プリンタへの印刷指示、対象機器への起動指示、等が例示できる。また、機器に対して負荷をかけるための通信は、当該機器に予めインストールされた連携機能であって、当該通信を受けて当該機器の電力使用量を変化させる連携機能への指示のための通信であってもよい。このような通信としては、CPUの負荷調整機能への指示を行うための通信や、省電力モードの設定のための通信、ディスクアクセス制御機能への指示を行うための通信、等が例示できる。
【0027】
ソケット特定部27は、電力使用量取得部25によって取得された情報に基づいて、通信に係る時間帯において電力使用量が変化したソケットを特定する。
【0028】
対象機器特定部28は、ネットワーク2に接続された機器による通信を取得することで、電力使用量の変化が伴う通信を行っている機器を特定する。ここで、対象機器の特定のための通信としては、プリンタへの印刷指示のための通信や、機器がネットワーク2に接続した際に発生する通信(ARP等)、ネットワーク2上の2装置間の通常の通信、等が挙げられる。
【0029】
機器情報データベース29は、機器の情報を格納するデータベースであり、機器を一意に識別するための機器ID(本実施形態では、当該機器のMACアドレス)に関連付けて
、当該機器のIPアドレス、機器種別、その他の情報を格納する。
【0030】
なお、本実施形態では、コンセント装置80も管理対象の情報処理装置の1つとして扱われる。このため、コンセント情報は、機器情報データベース29に、機器情報として格納され、機器90に係る機器情報と、コンセント装置80に係るコンセント情報(コンセント装置80の機器情報)とは、機器情報データベース29において統合的に管理される。機器情報としてコンセント情報が格納される場合、機器情報には、機器種別として当該機器がコンセント装置であることを示す情報が格納され、その他の情報には、当該コンセント装置が有するソケットのソケットID、およびソケット毎の時間毎の電力使用量、等が格納される。
【0031】
但し、このような実施の形態に代えて、コンセント情報を、機器情報データベース29とは異なるデータベース(例えば、コンセント情報データベース)において管理することとしてもよい。
【0032】
<処理の流れ>
次に、本実施形態に係る機器管理システム1によって実行される処理の流れを、シーケンス図およびフローチャートを用いて説明する。なお、以下に説明する処理の具体的な内容および処理順序は、本発明を実施するための一例である。具体的な処理内容および処理順序は、本発明の実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
【0033】
図4は、本実施形態に係る機器管理処理の流れを示すシーケンス図である。機器管理処理において、機器管理サーバ20の機器検知部21は、コンセント装置80がネットワーク2に接続されると、コンセント装置80を検知し、機器情報データベース29に登録する。機器管理サーバ20によるコンセント装置80の検知は、コンセント装置80から機器管理サーバ20宛に送信される要求に従って行われてもよいし、コンセント装置80によるその他の通信(ARP等)を機器管理サーバ20が検出することによって行われてもよい。
【0034】
また、コンセント装置80は、上述の通り、ソケットごとの電力使用量を測定する。即ち、コンセント装置80のソケットに接続された機器(換言すれば、コンセント装置80から給電される機器)の電源が投入されると、コンセント装置80は、これらの機器へのソケットからの給電量を測定することで、これらの機器の電力使用量を測定する。機器管理サーバ20のコンセント情報取得部23は、コンセント装置80から、ネットワーク2を介してコンセント情報を取得し、機器情報データベース29に蓄積する。コンセント情報には、コンセント装置80に備えられたソケット毎の電力使用量が含まれている。
【0035】
ネットワーク2に接続された機器の電源が投入され、これらの機器がネットワーク2において通信を行うと、機器管理サーバ20の機器検知部21は、機器による通信を検知する。更に、機器管理サーバ20の機器情報取得部22は、検知された機器から、ネットワーク2に属する個々の機器90を識別可能な機器IDを取得し、機器情報データベース29に蓄積する。本実施形態では、機器IDとして、機器90のMACアドレスが用いられる。機器管理サーバ20の機器検知部21は、ネットワーク2を流れるパケットを、自身のMACアドレス宛でないものも含めて全て取得することで、機器90によって送信されたARPのアドレス解決要求等のブロードキャストパケット等を取得し、機器90のMACアドレスを取得する。
【0036】
より具体的には、機器管理サーバ20の機器検知部21は、ネットワーク2を流れるパケットを、自身のMACアドレス宛でないものも含めて全て取得し、取得されたパケットの送信元MACアドレスと、機器情報データベース29に保持されているMACアドレス
とを照合する。照合の結果、取得されたパケットの送信元MACアドレスが機器情報データベース29の何れにも含まれていない場合、機器検知部21は、ネットワーク2に新たな機器90が接続されたと判断し、新たな機器90のMACアドレスおよびIPアドレスを取得する。
【0037】
そして、機器管理サーバ20の関連付け部24は、関連付け処理を実行することで、機器から取得された機器情報、およびコンセント装置80から取得された電力使用量に基づいて、コンセントおよびソケットと、当該コンセントおよびソケットに接続されている機器とを関連付ける。ここで実行される関連付け処理の詳細については、図5から図7を用いて後述する。
【0038】
その後、機器管理サーバ20の電力使用量取得部25は、コンセント装置80から定期的(例えば、1分おき)に電力使用量を取得し、ソケットに対応する機器の電力使用量として機器情報データベース29に蓄積する。この処理は繰り返し実行されるため、機器情報データベース29には、機器IDによって一意に識別可能な機器毎に、電力使用量に関するデータが蓄積される。本実施形態に係る機器管理システム1によれば、このようにして、一意に特定された機器毎の電力使用量を正確に把握することが可能となり、また、把握された情報を、エコロジー対策やコスト削減に役立てることが出来る。
【0039】
次に、図5から図7を用いて、本実施形態に係る関連付け処理を説明する。なお、本実施形態では、関連付け処理として、(1)機器へのネットワークアクセスによる関連付け処理、(2)機器からのネットワークアクセスによる関連付け処理、および(3)ユーザ入力による関連付け処理、の3種類の関連付け処理の何れかが実行される。上記(1)から(3)の関連付け処理は、何れか1つのみが実行されてもよいし、2以上が複合的に実行されてもよい。たとえば、「(3)ユーザ入力による関連付け処理」は、(1)および(2)の自動的な関連付け処理の後で実行されることで、(1)および(2)の関連付け処理を補完することが出来る。
【0040】
図5は、本実施形態に係る、機器へのネットワークアクセスによる関連付け処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートは、図4に示された関連付け処理を、より詳細に説明するものである。
【0041】
ステップS101では、関連付け未完了の機器が存在するか否かが判定される。機器管理サーバ20は、機器情報データベース29を参照し、機器情報が蓄積されている機器のうち、当該機器が使用しているコンセント装置およびソケットのコンセントIDおよびソケットIDが判明していない(即ち、ソケットおよびコンセントと機器との関連付けが完了していない)機器があるか否かを判定する。関連付け未完了の機器が存在しない場合、換言すれば、機器情報を有する全ての機器についてコンセントIDおよびソケットIDが判明している場合、本フローチャートに示された処理は終了する。一方、関連付け未完了の機器が存在する場合、処理はステップS102へ進む。
【0042】
ステップS102およびステップS103では、関連付け未完了の機器が選択され、当該機器のIPアドレスが取得される。以下、ここで選択され、ソケットとの関連付け処理の対象となる当該機器を「対象機器」と称する。機器管理サーバ20は、機器情報データベース29から、関連付け未完了の機器を対象機器として選択し(ステップS102)、対象機器のIPアドレスを、機器情報データベース29から取得する(ステップS103)。その後、処理はステップS104へ進む。
【0043】
ステップS104では、コンセントIDおよびソケットIDが取得される。機器管理サーバ20は、対象機器のIPアドレスと同じサブネットのコンセント装置80に属するソ
ケットのコンセントIDおよびソケットIDを全て取得する。同一サブネットであるかどうかの判断に用いるためのコンセント装置80のIPアドレスは、機器情報データベース29から取得される。但し、同一サブネットであるかどうかのチェックは行わず、機器情報データベース29に記録されている全てのソケットIDを取得することとしてもよい。その後、処理はステップS105へ進む。
【0044】
ステップS105では、ソケット毎の電力使用量が取得される。電力使用量取得部25は、ステップS104において取得されたコンセントIDおよびソケットIDに係るソケットの最新の電力使用量を、機器情報データベース29から、またはコンセント装置80から取得する。なお、最新の電力使用量をコンセント装置80から取得する場合、機器管理サーバ20は、当該ソケットが属するコンセント装置に対して電力使用量要求を送信する。その後、処理はステップS106へ進む。
【0045】
ステップS106では、対象機器に対して、対象機器の電力使用量を変化させるための通信が行われる。通信部26は、ステップS103において取得されたIPアドレス(対象機器のIPアドレス)宛に、対象機器の電力使用量を変化させるための通信を行う。対象機器の電力使用量を変化させるための通信としては、例えば、(1)Well−knownポートへの、当該ポートに対応するプロトコルでの連続アクセス、(2)機器情報の連続取得、(3)プリンタに対する印刷指示、および(4)ネットワーク経由での電源操作、等が挙げられる。
【0046】
ここで、「(1)Well−knownポートへの、当該ポートに対応するプロトコルでの連続アクセス」としては、例えば、対象機器においてHTTPアクセスを受け付けている(Webサーバが動作している)場合に、連続してHTTPアクセス(80番ポート等へのアクセス)を行うことが挙げられる。
【0047】
また、「(2)機器情報の連続取得」としては、例えば、対象機器においてSNMPマネージャが動作している場合に、対象機器に対してMIB(Management Information Base)取得を連続して行うことが挙げられる。
【0048】
また、「(3)プリンタに対する印刷指示」とは、機器情報から得られる対象機器の機器種別がプリンタである場合に、このプリンタに対して少量または空白ページの印刷指示を行い、プリンタのスリープモードの解除およびウォームアップを行わせることである。
【0049】
また、「(4)ネットワーク経由での電源操作」としては、例えば、対象機器の電源がOFFである場合に、対象機器に対してWakeOnLANパケットを送信することで対象機器の電源をONにすることが挙げられる。また、ネットワーク経由での電源操作は、ネットワーク2経由で対象機器の電源をOFFにする操作であってもよい。
【0050】
但し、本ステップにおいて行われる通信は、対象機器の電力使用量を変化させるための通信であればよく、ここに具体例が挙げられた通信以外の通信であってもよい。その後、処理はステップS107へ進む。
【0051】
ステップS107では、ソケット毎の電力使用量が取得される。電力使用量取得部25は、ステップS106に示された処理の実行と並行して、ステップS104において取得されたソケットIDに係るソケットの最新の電力使用量を、機器情報データベース29から、またはコンセント装置80から取得する。その後、処理はステップS108へ進む。
【0052】
ステップS108では、電力使用量情報に基づいて、通信に係る時間帯において電力使用量が変化したソケットが特定される。ソケット特定部27は、ソケット毎に、ステップ
S105において取得された電力使用量とステップS107において取得された電力使用量とを比較することで、ステップS106における通信が行われた期間において電力使用量が通信の内容に応じた変化を見せたソケットを特定する。即ち、ステップS106における通信が電力使用量を増加させるための通信であった場合、電力使用量が増加したソケットを特定する。一方、ステップS106における通信が電力使用量を減少させるための通信であった場合、電力使用量が減少したソケットを特定する。
【0053】
ソケットが特定されなかった場合、処理はステップS105へ進む。即ち、本フローチャートに示された処理では、ステップS102において選択された対象機器に対応するソケットが特定されるまで、ステップS105からステップS108に示された処理が繰り返される。一方、ソケットが特定された場合、処理はステップS109へ進む。
【0054】
ステップS109では、ソケットおよびコンセントと機器とが関連付けられる。関連付け部24は、ステップS108において特定されたソケットのコンセントIDおよびソケットIDと、ステップS102において選択された対象機器の機器IDとを関連付ける。具体的には、関連付け部24は、機器情報データベース29の、機器ごとのレコードに、対応するソケットのコンセントIDおよびソケットIDを記録することで、対象機器とコンセント装置80およびソケットとを関連付ける。
【0055】
その後、処理はステップS101へ進む。即ち、本フローチャートに示された処理では、機器情報データベース29に蓄積された全ての機器についてソケットとの関連付けが完了するまで、ステップS101からステップS109までの処理が繰り返される。
【0056】
図6は、本実施形態に係る、機器からのネットワークアクセスによる関連付け処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートは、図4に示された関連付け処理を、より詳細に説明するものである。
【0057】
ステップS201では、関連付け未完了の機器が存在するか否かが判定される。処理の詳細については、図5のステップS101において説明した処理と同様であるため、説明を省略する。関連付け未完了の機器が存在しない場合、本フローチャートに示された処理は終了する。一方、関連付け未完了の機器が存在する場合、処理はステップS202へ進む。
【0058】
ステップS202では、ソケット毎の電力使用量が取得される。電力使用量取得部25は、定期的に、機器情報データベース29にコンセントIDおよびソケットIDが記録されている全てのソケットの最新の電力使用量を、機器情報データベース29から、またはコンセント装置80から取得する。なお、最新の電力使用量をコンセント装置80から取得する場合、機器管理サーバ20は、当該ソケットが属するコンセント装置に対して電力使用量要求を送信する。その後、処理はステップS203へ進む。
【0059】
ステップS203およびステップS204では、ネットワーク2における通信が監視され、機器の電力使用量の変化に関わる通信を特定する。対象機器特定部28は、ネットワーク2を流れるパケットを、自身のMACアドレス宛でないものも含めて全て取得(キャプチャ)する(ステップS203)。そして、対象機器特定部28は、キャプチャされたパケットが特定の種類のパケットであるか否か、またはキャプチャされたパケットが特定の種類のプロトコルに係るものであるか否か、を判定することで、ステップS203で取得された通信から、ネットワーク2内の何れかの機器の電力使用量の変化に関わる通信を特定する(ステップS204)。
【0060】
例えば、ステップS203において取得されたパケットに、ARPパケットや、DNS
やDHCPのブロードキャストパケット等、機器のネットワーク接続に伴って送信されるパケットがある場合、対象機器特定部28は、パケットの送信元アドレスに示された機器の電源が投入された(電力使用が発生し、電力使用量が略ゼロから増加する)と判断し、この通信を、機器の電力使用量の変化に関わる通信として特定する。
【0061】
また、ステップS203において取得されたパケットに、印刷プロトコルに係るパケットがある場合、対象機器特定部28は、パケットの宛先に示された機器(プリンタ)の電力使用量が増加すると判断し、この通信を、機器の電力使用量の変化に関わる通信として特定する。
【0062】
なお、本発明に係る対象機器特定部28は、ARPスプーフィングにより、通信を機器管理サーバ20に誘導することでネットワーク2上のパケットをキャプチャしてもよい。
【0063】
機器の電力使用量の変化に関わる通信が特定されなかった場合、処理はステップS202へ進む。即ち、本フローチャートに示された処理では、機器の電力使用量の変化に関わる通信が特定されるまで、ステップS202からステップS204の処理が繰り返される。一方、機器の電力使用量の変化に関わる通信が特定された場合、処理はステップS205へ進む。
【0064】
ステップS205では、通信に係る機器が特定される。対象機器特定部28は、ステップS203において取得され、ステップS204において機器の電力使用量の変化に関わる通信として特定された通信について、当該通信に係る機器を特定する。より具体的には、対象機器特定部28は、当該通信に係るパケットの送信元MACアドレスや宛先MACアドレスを参照し、このMACアドレスをもって機器情報データベース29を検索する。なお、当該通信が、送信元の電力使用量を変化させる通信である場合には、送信元MACアドレスが参照され、宛先の電力使用量を変化させる通信である場合には、宛先MACアドレスが参照される。そして、対象機器特定部28は、索出されたレコードから、当該通信に係る機器の機器IDを取得する。その後、処理はステップS206へ進む。
【0065】
ステップS206では、電力使用量情報に基づいて、通信に係る時間帯において電力使用量が変化したソケットが特定される。ソケット特定部27は、ソケット毎に、ステップS203において取得された電力使用量を時系列で比較することで、ステップS204において特定された通信が行われた期間において電力使用量が通信の内容に応じた変化を見せたソケットを特定する。即ち、ステップS204において特定された通信が通信に係る機器における電力使用量の増加を示唆する通信であった場合、電力使用量が増加したソケットを特定する。一方、ステップS204において特定された通信が電力使用量の減少を示唆する通信であった場合、電力使用量が減少したソケットを特定する。
【0066】
ソケットが特定されなかった場合、処理はステップS202へ進む。即ち、本フローチャートに示された処理では、ステップS205において取得された機器IDに係る機器に対応するソケットが特定されるまで、ステップS202からステップS206に示された処理が繰り返される。一方、ソケットが特定された場合、処理はステップS207へ進む。
【0067】
ステップS207では、ソケットおよびコンセントと機器とが関連付けられる。関連付け部24は、ステップS206において特定されたソケットのコンセントIDおよびソケットIDと、ステップS205において取得された機器IDとを関連付ける。処理の詳細については、図5のステップS109において説明した処理と同様であるため、説明を省略する。その後、処理はステップS201へ進む。即ち、本フローチャートに示された処理では、機器情報データベース29に蓄積された全ての機器についてソケットとの関連付
けが完了するまで、ステップS201からステップS207までの処理が繰り返される。
【0068】
なお、ステップS202において示された電力使用量の定期的な取得と、ステップS203からステップS205において示された対象機器の特定とは、図6に示された順序で処理されなくてもよい。対象機器の特定が先に処理されてもよいし、電力使用量の定期的な取得と対象機器の特定とが同時並行的に処理されてもよい。
【0069】
図7は、本実施形態に係る、ユーザ入力による関連付け処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートは、図4に示された関連付け処理を、より詳細に説明するものである。なお、本フローチャートに示された処理は、ユーザにコンセント装置80およびソケットと機器との対応関係を入力させるためのものであり、図5および図6に示された関連付け処理の結果を、ユーザに確認および必要に応じて修正させるために実行されてもよい。
【0070】
ステップS301では、ネットワーク2の利用申請が完了していない端末による通信が遮断される。機器管理サーバ20のネットワーク制御部30は、図4に示された機器管理処理において検知された機器90がネットワーク2の利用申請が完了していない端末であった場合、機器90に対して、ネットワーク2内の他の端末やルータ(図示は省略する)のMACアドレスとして、自身(機器管理サーバ20)のMACアドレス(以下、「偽装アドレス」とも称する)を通知することで、ARPスプーフィングを行う(ステップS301)。
【0071】
例えば、ネットワーク2に参加した機器90は、所望の相手方端末と通信を行うために、ARPのアドレス解決要求をブロードキャスト送信する。ここで、一般的なネットワークであれば、相手方端末が自身のMACアドレスを機器90に対して通知することとなる。しかし、本実施形態に係るネットワーク構成では、ネットワーク2には機器管理サーバ20が接続されており、この機器管理サーバ20のネットワーク制御部30は、機器90によるアドレス解決要求に対して、自身(機器管理サーバ20)のMACアドレス(偽装アドレス)を機器90へ通知する。
【0072】
なお、機器管理サーバ20のネットワーク制御部30から機器90に対する偽装アドレスの通知は、機器90から送信されたアドレス解決要求への応答としてではなく、機器管理サーバ20からのARP要求として送信されてもよい。
【0073】
いずれにしても、ここで機器90へ通知されるMACアドレスは、デフォルトルータやネットワーク2内の他の端末のMACアドレスを、機器管理サーバ20のMACアドレスで偽装するものである。このため、本実施形態に係る機器管理サーバ20によれば、未利用申請の機器90は、ネットワーク2外の端末やネットワーク2内の他の端末等のMACアドレスとして機器管理サーバ20のMACアドレスをアドレスリストに登録することとなる。
【0074】
このため、未利用申請の機器90は、ネットワーク2外の端末やネットワーク2内の他の端末等へのアクセスを試みる場合に、機器管理サーバ20のネットワーク制御部30によって偽装されたMACアドレス宛にパケットを送信することとなる。換言すれば、ネットワーク制御部30は、機器90に対して、他の装置のMACアドレスとして、機器管理サーバ20のMACアドレスを通知することで、機器90から送信される情報を機器管理サーバ20に誘導する。そして、機器管理サーバ20のネットワーク制御部30は、後述する利用申請のために必要な通信を除いて、利用申請が完了していない機器90から送信されたパケットの一部または全部を破棄する(転送しない)。上記したような方法によって、機器管理サーバ20のネットワーク制御部30は、未利用申請の機器90による通信
の一部または全部を遮断する。
【0075】
なお、ネットワーク制御部30は、未利用申請の機器90が保持するアドレスリストが、正しい通信相手のMACアドレスを保持することを防止するため、偽装のためのARP応答を、時間をおいて複数回送信することが好ましい。その後、処理はステップS302へ進む。
【0076】
ステップS302およびステップS303では、機器90に対して利用申請ページが送信される。機器管理サーバ20の通信部26は、機器90から通信を受信する(ステップS302)。そして、通信部26は、受信した通信がHTTP通信であった場合、HTTPの接続要求に指定された通信相手に拘らず、利用申請用のWebページを、機器90に対して送信する(ステップS303)。利用申請用のWebページを受信した機器90は、利用申請用のWebページを表示する。本実施形態に係る利用申請システム1では、利用申請用のWebページには、機器90のユーザまたは機器90によるネットワーク2の利用を申請するための利用申請用情報(例えば、ユーザIDやパスワード等)を入力するための入力フィールドが含まれる。但し、実施の形態によっては、利用申請の方法にその他の方法が採用されてもよい。
【0077】
なお、機器管理サーバ20のネットワーク制御部30は、通信遮断中の機器90から取得した通信がHTTP通信であった場合、機器管理サーバ20とは別に用意された利用申請サーバ(図示は省略する)へ接続するようリダイレクトしてもよい。機器90は、リダイレクトの要求を受信すると、機器管理サーバ20から通知された所定の利用申請サーバへ接続する。この際、機器90から送信されるパケットの宛先MACアドレスには機器管理サーバ20のMACアドレスが設定されているが、機器管理サーバ20は、宛先IPアドレスが利用申請サーバであるパケットについては遮断(パケット廃棄)することなく転送する。以後、機器90の利用申請が完了するまでの間、機器管理サーバ20は、宛先IPアドレスが利用申請サーバであるパケットについては転送を行い、それ以外のパケットは転送することなく廃棄(通信遮断)する。このような処理によって、機器90は、ネットワーク2のセキュリティを確保しつつ、利用申請サーバによる利用申請サービスを受けることが出来る。なお、パケット転送の要否は宛先IPアドレスを参照することで判断出来るが、その他の方法が採用されてもよい。例えば、宛先IPアドレスに加えて、通信プロトコルの種類やポート番号、URL等を参照して、転送の要否が判断されてもよい。
【0078】
また、本実施形態において、利用申請用のWebページには、機器90の使用するコンセント装置80およびソケットを特定可能な情報(本実施形態では、コンセントIDおよびソケットID)を入力するための入力フィールドが含まれる。ユーザは、機器90の入力装置(キーボードやマウス等)を用いて利用申請用の情報を入力することで利用申請を行う。ここで、入力フィールドには、予め、図5または図6に示した関連付け処理によって関連付けられたコンセントIDおよびソケットIDが記入されていてもよい。このようにすることで、図5または図6に示した関連付け処理による関連付けの結果をユーザに確認させ、誤りがある場合にはユーザに修正させることが出来る。
【0079】
また、利用申請用のWebページには、コンセント装置80およびソケットを特定可能な情報が、コンセント装置80のどこに記載されているかの案内を含めることが好ましい。このような案内に従って、ユーザは、案内によって指定されたコンセント装置80の所定箇所を見てコンセントIDおよびソケットIDを得、入力フィールドに入力することが出来る。機器90に対して利用申請ページが送信されると、処理はステップS304へ進む。
【0080】
ステップS304では、機器90から利用申請が受信され、処理される。機器90は、
ユーザによって入力された利用申請用の情報(ユーザIDやパスワード等)を含む利用申請を、機器管理サーバ20に送信する。利用申請を受信した機器管理サーバ20の利用申請処理部31は、受信した情報に含まれるユーザIDやパスワード等を、予め保持しているユーザ情報に照会することで、ユーザまたは機器90によるネットワーク2の利用申請を処理する(ステップS304)。その後、処理はステップS305へ進む。
【0081】
ステップS305では、機器90によるネットワーク2の利用が許可される。利用申請が処理され、利用申請を行った機器に対してネットワーク2の利用が認められると、機器管理サーバ20のネットワーク制御部30は、利用申請に係る機器IDに係る機器に対する、ARPスプーフィングを用いた通信遮断を解除することで、機器によるネットワーク2の利用を許可する(ステップS305)。なお、ARPスプーフィングを用いた通信遮断は、機器90に対して通信の相手方端末の正しいMACアドレスを伝える方法や、ARPスプーフィングによって機器管理サーバ20に誘導されたパケットを通信の相手方端末に転送する方法、等によって解除することが出来る。その後、処理はステップS306へ進む。
【0082】
ステップS306では、ソケットおよびコンセントと機器とが関連付けられる。機器90によって送信され、ステップS304において受け付けられた利用申請には、ユーザによって入力されたコンセントIDおよびソケットIDが含まれ得る。関連付け部24は、ステップS304において受け付けられた利用申請に含まれるコンセントIDおよびソケットIDと、利用申請の送信元である機器90の機器IDとを関連付ける。具体的には、関連付け部24は、機器情報データベース29の、機器ごとのレコードに、対応するソケットのコンセントIDおよびソケットIDを記録することで、対象機器とコンセント装置80およびソケットとを関連付ける。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
【0083】
<効果>
本実施形態に示された機器管理システム1によれば、ネットワーク2に接続された機器の検出、検出された機器の情報を取得、および検出された機器の一元的な管理が可能な機器管理サーバ20が、ソケット毎に電力使用量の測定が可能なコンセント装置80から、ネットワーク2経由で電力使用量の情報を取得し、これら2つの情報を関連付けることで、一意に特定された機器毎の電力使用量を正確に把握することが可能となる。
【0084】
<変形例>
次に、機器管理システムのバリエーションを説明する。
【0085】
図8は、本発明の実施を行うにあたって採用されてよい機器管理サーバの機能構成のバリエーションを示す図である。図7を用いて説明した関連付け処理は、図5および図6に示された関連付け処理を行わない機器管理サーバ20aによって実行されてもよい。この場合、機器管理サーバ20aは、図5および図6に示された関連付け処理においてのみ必要となる機能部(具体的には、ソケット特定部27および対象機器特定部28)を省略することが出来る。なお、各機能部が有する機能の詳細については、上記実施形態において説明した機器管理サーバ20の各機能部が有する機能と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
【0086】
図9は、本発明の実施を行うにあたって採用されてよい機器管理システムのバリエーションを示す図である。図9に示す機器管理システム1bにおいて、上記説明した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。図9に示す例では、コンセント80bは、プラグを挿入した機器に対して電力を供給する複数のソケットS1〜Snと、ソケットから供給されている電力の量を測定する電力使用量測定部81と、を備え
る。そして、コンセント80bは、USB(Universal Serial Bus)等のインターフェースを介して中継器80cに接続される。中継器80cは、上記実施形態において説明したコンセント装置80のネットワーク通信部82に相当する機能を有する。即ち、中継器80cは、コンセント80bの電力使用量測定部81によって測定されたソケット毎の電力使用量を、USB等のインターフェースを介して取得し、ネットワーク2に送信する。また、中継器80cは、複数のコンセントから電力使用量を取得し、ネットワーク2に送信することが可能である。
【0087】
また、図5から図7において説明した関連付け処理において、関連付けは、機器情報データベース29にコンセントIDおよびソケットIDを記録することによって行われるが、関連付けはその他の方法で行われてもよい。例えば、コンセントIDおよびソケットIDと機器IDとの組み合わせを蓄積するためのその他のデータベース(コンセント情報データベース等)が用意され、ここにコンセントIDおよびソケットIDと機器IDとの組み合わせを蓄積することとしてもよい。
【0088】
なお、本発明は、方法、又はコンピュータによって実行されるプログラムとしても把握することが可能である。また、本発明は、そのようなプログラムをコンピュータその他の装置、機械等が読み取り可能な記録媒体に記録したものでもよい。ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。
【符号の説明】
【0089】
1 機器管理システム
20 機器管理サーバ(機器管理装置)
80 コンセント装置
90 機器(情報処理装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のソケットの夫々における電力使用量に係る情報を取得する電力使用量取得手段と、
ネットワークに接続された機器のうち、対象機器に対して、該対象機器の電力使用量を変化させるための通信を行う通信手段と、
前記電力使用量取得手段によって取得された情報に基づいて、前記通信に係る時間帯において電力使用量が変化したソケットを特定するソケット特定手段と、
前記対象機器を、前記ソケット特定手段によって特定されたソケットに関連付ける関連付け手段と、
を備える機器管理装置。
【請求項2】
前記通信手段は、前記対象機器の電力使用量を変化させるための通信として、該対象機器に対して負荷をかけるための通信を行う、
請求項1に記載の機器管理装置。
【請求項3】
前記通信手段は、前記対象機器の電力使用量を変化させるための通信として、該対象機器に予めインストールされ、該通信を受けて該対象機器の電力使用量を変化させる、連携機能への指示のための通信を行う、
請求項1または2に記載の機器管理装置。
【請求項4】
複数のソケットの夫々における電力使用量に係る情報を取得する電力使用量取得手段と、
ネットワークに接続された機器による通信を取得することで、電力使用量の変化が伴う通信を行っている対象機器を特定する対象機器特定手段と、
前記電力使用量取得手段によって取得された情報に基づいて、前記通信に係る時間帯において電力使用量が変化したソケットを特定するソケット特定手段と、
前記対象機器を、前記ソケット特定手段によって特定されたソケットに関連付ける関連付け手段と、
を備える機器管理装置。
【請求項5】
前記対象機器特定手段は、前記対象機器の特定のための通信として、プリンタへの印刷指示のための通信を取得する、
請求項4に記載の機器管理装置。
【請求項6】
前記対象機器特定手段は、前記対象機器の特定のための通信として、機器がネットワークに接続した際に発生する通信を取得する、
請求項4または5に記載の機器管理装置。
【請求項7】
コンピュータに、
複数のソケットの夫々における電力使用量に係る情報を取得する電力使用量取得ステップと、
ネットワークに接続された機器のうち、対象機器に対して、該対象機器の電力使用量を変化させるための通信を行う通信ステップと、
前記電力使用量取得ステップにおいて取得された情報に基づいて、前記通信に係る時間帯において電力使用量が変化したソケットを特定するソケット特定ステップと、
前記対象機器を、前記ソケット特定ステップにおいて特定されたソケットに関連付ける関連付けステップと、
を実行させる機器管理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
複数のソケットの夫々における電力使用量に係る情報を取得する電力使用量取得ステップと、
ネットワークに接続された機器による通信を取得することで、電力使用量の変化が伴う通信を行っている対象機器を特定する対象機器特定ステップと、
前記電力使用量取得ステップにおいて取得された情報に基づいて、前記通信に係る時間帯において電力使用量が変化したソケットを特定するソケット特定ステップと、
前記対象機器を、前記ソケット特定ステップにおいて特定されたソケットに関連付ける関連付けステップと、
を実行させる機器管理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
複数のソケットの夫々における電力使用量に係る情報を取得する電力使用量取得手段と、
ネットワークに接続された機器のうち、対象機器に対して、該対象機器の電力使用量を変化させるための通信を行う通信手段と、
前記電力使用量取得手段によって取得された情報に基づいて、前記通信に係る時間帯において電力使用量が変化したソケットを特定するソケット特定手段と、
前記対象機器を、前記ソケット特定手段によって特定されたソケットに関連付ける関連付け手段と、
として機能させるための機器管理用プログラム。
【請求項10】
コンピュータを、
複数のソケットの夫々における電力使用量に係る情報を取得する電力使用量取得手段と、
ネットワークに接続された機器による通信を取得することで、電力使用量の変化が伴う通信を行っている対象機器を特定する対象機器特定手段と、
前記電力使用量取得手段によって取得された情報に基づいて、前記通信に係る時間帯において電力使用量が変化したソケットを特定するソケット特定手段と、
前記対象機器を、前記ソケット特定手段によって特定されたソケットに関連付ける関連付け手段と、
として機能させるための機器管理用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−29965(P2013−29965A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165243(P2011−165243)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000136136)株式会社PFU (354)
【Fターム(参考)】