説明

機器

【課題】 タッチパネルの操作性が改善された機器を提供する。
【解決手段】 タッチパネルを備え、コマンドが定義されたアイコンを表示画面上に表示し表示画面上の該アイコンの表示位置への指の接触を受けて該アイコンに応じたコマンドを実行する機器において、表示画面にアイコンを表示する通常モードと、表示画面に押し当てられた指のサイズを検知する指サイズ検知モードと、通常モードと指サイズ検知モードとの間でモード切替を行うモード切替手段と、指サイズ検知モードでの指サイズの検知後に前記モード切替手段によって切り替えられた通常モードでのアイコンを、検知した指サイズに応じた表示サイズで表示するアイコンサイズ表示部とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を表示する表示画面と、この表示画面上の、指で触れた位置を認識するセンサとを有するタッチパネルを備え、コマンドが定義されたアイコンをこの表示画面上に表示し表示画面上のアイコンの表示位置への指の接触を受けてそのアイコンに応じたコマンドを実行する機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、液晶表示画面など、撮影した画像を表示する表示画面を備えたカメラが知られている。
【0003】
また、表示画面を備えたカメラには、表示画面と、この表示画面上の、指で触れた位置を認識するセンサとが組み合わされた、いわゆるタッチパネルを備え、コマンドが定義されたアイコンを撮影画像と共に表示し、表示画面上のアイコンの表示位置への指の接触を受けてそのアイコンに応じたコマンドを実行することにより撮影画像の表示エリア等を変更するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−289484号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、指の大きさには個人差があり、タッチパネルの表示画面に表示されたアイコンのサイズが指のサイズに比べ小さい場合にはアイコンへの操作がし難いという問題がある。
【0005】
尚、上記問題は、タッチパネルを備えたカメラに限って発生する問題ではなく、タッチパネルを備えた機器であれば同様に発生する問題である。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、タッチパネルの操作性が改善された機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明の機器は、
画像を表示する表示画面と、この表示画面上の、指で触れた位置を認識するセンサとを有するタッチパネルを備え、コマンドが定義されたアイコンをこの表示画面上に表示しこの表示画面上のこのアイコンの表示位置への指の接触を受けてこのアイコンに応じたコマンドを実行する機器において、
上記表示画面にアイコンを表示する通常モードと、上記表示画面に押し当てられた指のサイズを検知する指サイズ検知モードとの間でモード切替を行うモード切替手段と、
上記指サイズ検知モードでの指サイズの検知後に上記モード切替手段によって切り替えられた上記通常モードでの上記アイコンを、検知した指サイズに応じた表示サイズで表示するアイコン表示部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の機器では、指サイズ検知モードで検知された指サイズに応じた表示サイズでアイコンを表示することができる。したがって、本発明の機器によれば、表示画面上のアイコンを、ユーザの指のサイズに応じたサイズで表示することができ、これにより、タッチパネルの操作性を改善することができる。
【0009】
ここで、上記通常モードは、複数のアイコンを上記表示画面に表示するモードであって、
上記アイコン表示部が、上記複数のアイコンを、検知した指サイズに応じた表示サイズで、かつ検知した指サイズに応じた表示間隔で表示するものであることが好ましい。
【0010】
複数のアイコンを、検知した指サイズに応じた表示サイズで、かつ検知した指サイズに応じた表示間隔で表示することにより、タッチパネルの操作性を一層改善することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の機器によれば、タッチパネルの操作性を改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を説明する。
【0013】
図1は、本発明の機器の一実施形態の背面図である。
【0014】
本実施形態のカメラ1は、画像を表示する表示画面とこの表示画面上の、指で触れた位置を認識する感圧センサとを有するタッチパネル10を背面側に備えたデジタルカメラであり、静止画モードと、動画モードと、これらモードで撮影された撮影画像を再生する静止画再生モードおよび動画再生モードと、詳しくは後述する指サイズ検知モードとを有している。尚、カメラ1の側面には、これらモードの切替を行うためのモードダイヤル11が備えられている。
【0015】
図1(a)には、動画モードで撮影した撮影画像を再生すべく、モードが動画再生モードに切り替えられた直後の画像表示が示されており、ここには、人物P、および、この人物Pの下方にアイコン群Qが示されている。アイコン群Qは、左から順に巻き戻し用のアイコンQ1、再生停止用のアイコンQ2、再生開始用のアイコンQ3、および早送り用のアイコンQ4で構成されている。
【0016】
図1(b)には、前述した指サイズ検知モードに切り替えられた直後の画面表示が示されており、ここには、ユーザが、指を押し当てるエリアRが点線で示されている。
【0017】
ここで、この指サイズ検知モードは、エリアRに押し当てられた指のサイズを検知するモードであり、カメラ1では、モードがこの指サイズ検知モードの場合には、エリアRにおける感圧範囲である指サイズに関するデータを記憶するようになっている。
【0018】
図1(c)には、図1(b)に示す指サイズ検知モードにおける指サイズ検知後にモードダイヤル11によってモードが再び動画再生モードに切り替えられた直後の画面表示が示されている。
【0019】
また、図1(c)には、図1(b)に示す指サイズ検知モードにおいて検知した指サイズがそれまでに検知していた指サイズよりもサイズがアップしたことで、アイコンの表示サイズがアップされていると共にアイコン同士の間隔が広げられている様子が示されている。
【0020】
図2は、本実施形態のカメラの内部ブロック図である。
【0021】
図2に示すカメラ1は、このカメラ1全体の動作を制御するCPU100、モードダイヤル11で選択された撮影モードに応じた撮影をおこなう撮像部101、撮像部101から出力される画像信号を処理する信号処理部102、信号処理部102で処理された画像データを記録するメモリ104、信号処理部102から入力される画像データをアナログ信号に変換するD/Aコンバータ103、D/Aコンバータ103でアナログ変換されて入力されてきた画像信号を表示する表示画面10aとこの表示画面10aに組み合わされて配備されたセンサ10bとからなるタッチパネル10、および、指サイズ検知モードにおいてエリアRにおいて検知した指サイズに応じたデータや、処理された画像信号等が記憶されるメモリ104で構成されている。
【0022】
モードダイヤル11によって指検知モードが選択されると、CPU100は、信号処理部102に、表示画面10aにおけるエリアRの表示を指示し、信号処理部102では、エリアRの基となる画像データをメモリ104から読み出すと共にD/Aコンバータ103を通じて表示画面10aに入力する。これにより、表示画面10aでは、エリアRが表示される。その後、このエリアRにユーザが指を押し当てると、感圧したセンサ範囲に応じた信号がCPU100に送信され、CPU100は、送信されてきた指のサイズに関する信号を信号処理部102を通じてメモリ104に記録する。その後、モードダイヤル11により動画再生モードが選択されると、一連の動画像の先頭の画像が表示画面10aに表示されるとともに再生用のアイコン等からなるアイコン群が表示画面10aに表示されるが、このアイコン群は、メモリに記録されている、直近の指サイズ検知モードで検知された指のサイズに関するデータに応じたサイズおよび間隔で表示される。この様に、本実施形態のカメラ1では、表示画面上のアイコンを、ユーザの指のサイズに応じたサイズで表示することができ、これにより、タッチパネル10の操作性を改善することができる。
【0023】
図3は、本実施形態において起動されるルーチンのフローチャートである。
【0024】
図3に示すルーチンは、このカメラ1において静止画もしくは動画再生モードがモードダイヤル11により選択された際のアイコン表示のために起動されるルーチンであり、ステップS1では、メモリ104に記録されているアイコンの表示サイズおよび表示間隔に関するデータの読み出しを行う。ステップS2では、読み出しデータに応じたサイズおよび間隔でのアイコン表示を指示する。ステップS3では、現在のモードが指サイズ検知モードか否かを判定する。ステップS3において、現在選択されているモードが指サイズ検知モードではないと判定すると、ステップS2に戻り、ステップS3において、指サイズ検知モードであると判定すると、ステップS4に進み、指サイズの検知を行い、ステップS5では、検知結果をメモリ104に記憶する。その後、ステップS1に戻る。
【0025】
尚、以上に説明した実施形態では、デジタルカメラを例に挙げて説明したが、タッチパネルを備えるものであればビデオカメラであってもよい。また、アイコンを、指サイズ検知モードで検知した指サイズに応じた表示サイズおよび表示間隔で表示する例を挙げて説明したが、本発明では、これが表示サイズのみを、検知した指サイズに応じたものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の機器の一実施形態の背面図である。
【図2】本実施形態のカメラの内部ブロック図である。
【図3】本実施形態において起動されるルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
【0027】
1 カメラ
10 タッチパネル
10a 表示画面
10b センサ
11 モードダイヤル
100 CPU
101 撮像部
102 信号処理部
103 D/Aコンバータ
104 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示画面と、該表示画面上の、指で触れた位置を認識するセンサとを有するタッチパネルを備え、コマンドが定義されたアイコンを該表示画面上に表示し該表示画面上の該アイコンの表示位置への指の接触を受けて該アイコンに応じたコマンドを実行する機器において、
前記表示画面にアイコンを表示する通常モードと、前記表示画面に押し当てられた指のサイズを検知する指サイズ検知モードとの間でモード切替を行うモード切替手段と、
前記指サイズ検知モードでの指サイズの検知後に前記モード切替手段によって切り替えられた前記通常モードでの前記アイコンを、検知した指サイズに応じた表示サイズで表示するアイコン表示部とを備えたことを特徴とする機器。
【請求項2】
前記通常モードは、複数のアイコンを前記表示画面に表示するモードであって、
前記アイコン表示部が、前記複数のアイコンを、検知した指サイズに応じた表示サイズで、かつ検知した指サイズに応じた表示間隔で表示するものであることを特徴とする請求項1記載の機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−4660(P2007−4660A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−186148(P2005−186148)
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【出願人】(000005201)富士フイルムホールディングス株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】