機密書類管理方法及び機密書類管理システム
【課題】機密書類管理方法において、利用者に負担をかけずに機密書類の入出庫セキュリティを高めること。
【解決手段】機密書類管理方法は、出庫された保管バケット8に係るバケット識別ラベル及びホルダー識別ラベルを出庫者端末4で読取ってバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を含む出庫情報を生成して出庫者端末4から管理センタサーバに送信する工程と、入庫する保管バケット8に係るバケット識別ラベル及びホルダー識別ラベルを入庫者端末5で読取ってバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を含む入庫指示を生成して管理センタサーバに送信する工程と、この送信された入庫指示に含まれたバケット識別ラベル情報とホルダー識別ラベル情報との組合せが以前に送信された出庫情報の組合せと同じであるか管理センタサーバで判定する工程と、その判定結果を管理センタサーバから入庫者端末5に送信する工程とを有する。
【解決手段】機密書類管理方法は、出庫された保管バケット8に係るバケット識別ラベル及びホルダー識別ラベルを出庫者端末4で読取ってバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を含む出庫情報を生成して出庫者端末4から管理センタサーバに送信する工程と、入庫する保管バケット8に係るバケット識別ラベル及びホルダー識別ラベルを入庫者端末5で読取ってバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を含む入庫指示を生成して管理センタサーバに送信する工程と、この送信された入庫指示に含まれたバケット識別ラベル情報とホルダー識別ラベル情報との組合せが以前に送信された出庫情報の組合せと同じであるか管理センタサーバで判定する工程と、その判定結果を管理センタサーバから入庫者端末5に送信する工程とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機密書類管理方法及び機密書類管理システムに係り、特に、機密書類を自動倉庫に保管して必要に応じて入出庫する機密書類管理方法及び機密書類管理システムに好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来の機密書類の保管・移送用セキュリティシステムとして、特開平6−263204号公報(特許文献1)に示されたものがある。この機密書類の保管・移送用セキュリティシステムは、機密書類の保管倉庫での保管はもとより、ユーザ(利用者)のオフィス内の保管を厳重にし、かつアクセス情報をも管理可能とし、さらに、ユーザ側保管システムと保管倉庫との間の機密書類の移送も厳重に管理するためになされたものである。
【0003】
この保管・移送用セキュリティシステムは、ユーザが機密書類を保管するためのユーザ側保管システムと、倉庫側制御コンピュータにより制御される格納装置が保管倉庫内に設置されてなる保管倉庫システムと、ユーザ側保管システムから保管倉庫システム側へ重要機密書類を移送するため、該機密書類を搭載可能な車載用トランクを有する移送車と、セキュリティキャビネットへのアクセスデータ及びセキュリティボックスの保管・移送状況のデータ等を管理する統合コンピュータと、を備えてなり、該機密書類を特定者のみがアクセス可能な状況下で保管しかつ移送するものである。
【0004】
前記ユーザ側保管システムは、機密書類を収容可能であって特定者のみが開閉可能に構成されたセキュリティボックスと、ユーザ近傍の適宜箇所で不動に固定されると共に、機密書類を収容したセキュリティボックスを又は機密書類を直接格納して特定者のみが個別に出し入れ可能な複数の格納部を有するセキュリティキャビネットと、ユーザ用コンピュータと、を備えて構成されている。
【0005】
また、前記保管倉庫システムは、保管倉庫内にセキュリティボックスを格納可能な格納装置と、該格納装置の制御が可能な倉庫側制御コンピュータと、保管倉庫の出入口付近に配設されて入出庫されるセキュリティボックスのチェックをするゲート装置と、備えて構成されている。この倉庫側制御コンピュータは、上記ゲート装置及び格納装置とケーブルを介して結ばれており、暗証番号等のキーワードを入力することにより所定の画面が表示され、倉庫側担当者のみが使用可能に構成されている。すなわち、ゲート装置及び格納装置の動作は、セキュリティボックスの搬入状況に応じてこの倉庫側制御コンピュータにより電子的に自動制御される。
【0006】
さらに、前記統合コンピュータは、ユーザ用コンピュータ及び倉庫側制御コンピュータのそれぞれと回線を介して結ばれ、かつ移送車に搭載される通信装置と交信可能な通信手段を有している。
【0007】
【特許文献1】特開平6−263204号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、かかる従来の機密書類の保管・移送用セキュリティシステムでは、セキュリティボックスに対する機密書類の格納作業及び取出し作業をユーザ自身がユーザ側保管システムの中で行なうものであるため、ユーザが機密書類の閲覧や複写等を必要とする度に、保管倉庫システムからユーザ側保管システムへ移送車で移送しなければならないという面倒があると共に、それに伴うユーザ側の作業負担が大きくなるという問題があった。
【0009】
そこで、セキュリティボックスに対する機密書類の格納作業及び取出し作業を倉庫側担当者が保管倉庫システムの中で行なうようにすることが考えられる。しかし、その場合には、倉庫側担当者の作業に対するセキュリティ体制を確立することが必要となる。
【0010】
本発明の目的は、利用者に負担をかけずに機密書類の入出庫セキュリティを高められる機密書類管理方法及び機密書類管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述の目的を達成するための本発明の第1の態様は、機密書類を格納する格納部と読取り可能に貼着されたホルダー識別ラベルとを備えるホルダーと、前記ホルダーを格納する格納部と読取り可能に貼着されたバケット識別ラベルとを備える保管バケットと、前記保管バケットを倉庫内の任意の位置に保管するフリーロケーション型の自動倉庫と、出庫者が管理する出庫者端末と、前記出庫者端末と独立して設置されると共に入庫者が管理する入庫者端末と、前記出庫者端末、前記入庫者端末及び前記自動倉庫に通信回線を介して接続される管理センタサーバとを備える機密書類管理システムを用いて、前記機密書類を管理する機密書類管理方法において、出庫された前記保管バケットに係るバケット識別ラベル及びホルダー識別ラベルを前記出庫者端末で読取ってバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を含む出庫情報を生成して前記出庫者端末から前記管理センタサーバに送信する工程と、入庫する前記保管バケットに係るバケット識別ラベル及びホルダー識別ラベルを前記入庫者端末で読取ってバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を含む入庫指示を生成して前記管理センタサーバに送信する工程と、この送信された入庫指示に含まれたバケット識別ラベル情報とホルダー識別ラベル情報との組合せが以前に送信された出庫情報の組合せと同じであるかを前記管理センタサーバで判定する工程と、その判定結果を前記管理センタサーバから前記入庫者端末に送信する工程とを有する。
【0012】
前述の目的を達成するための本発明の第2の態様は、機密書類を格納する格納部と読取り可能に貼着されたホルダー識別ラベルとを備えるホルダーと、前記ホルダーを格納する格納部と読取り可能に貼着されたバケット識別ラベルとを備える保管バケットと、前記保管バケットを倉庫内の任意の位置に保管するフリーロケーション型の自動倉庫と、出庫者が管理する出庫者端末と、前記出庫者端末と独立して設置されると共に入庫者が管理する入庫者端末と、前記出庫者端末、前記入庫者端末及び前記自動倉庫に通信回線を介して接続される管理センタサーバとを備える機密書類管理システムにおいて、前記出庫者端末は出庫された前記保管バケットに係るバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を含む出庫情報を生成して前記管理センタサーバに出す機能を有し、前記入庫者端末は、入庫する前記保管バケットに係るバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を含む入庫指示を生成して前記管理センタサーバに出す機能を有し、前記管理センタサーバは、前記入庫者端末からの入庫指示に含まれたバケット識別ラベル情報とホルダー識別ラベル情報との組合せが以前に出庫した前記保管バケットに係る組合せと同じであるかを判定する機能と、その判定結果を前記入庫者端末に出す機能とを有する
構成にしたことにある。
【0013】
係る本発明の第2の態様におけるより好ましい具体的な構成例は次の通りである。
(1)前記入庫者端末からの入庫指示に含まれたバケット識別ラベル情報とホルダー識別ラベル情報との組合せと以前に出庫した前記保管バケットに係る組合せとが同じである判定の場合に、前記入庫者端末からの当該入庫指示に基づく前記自動倉庫への入庫指示を出さないようにする機能を備えること。
(2)前記出庫者端末は前記識別ラベル及び前記ホルダー識別ラベルを読取る機能を有する出庫者ハンディターミナルを付属して備え、前記入庫者端末は前記識別ラベル及び前記ホルダー識別ラベルを読取る機能を有する入庫者ハンディターミナルを付属して備えること。
(3)出庫者ハンディターミナルは前記自動倉庫への出庫指示を入力する機能を備え、前記入庫者ハンディターミナルは前記自動倉庫への入庫指示を入力する機能を備えること。
【0014】
前述の目的を達成するための本発明の第3の態様は、機密書類を格納する格納部と読取り可能に貼着されたホルダー識別ラベルとを備えるホルダーと、前記ホルダーを格納する格納部と読取り可能に貼着されたバケット識別ラベルとを備える保管バケットと、前記保管バケットを倉庫内の任意の位置に保管するフリーロケーション型の自動倉庫と、庫者が管理する出庫者端末と、前記出庫者端末と独立して設置されると共に入庫者が管理する入庫者端末と、前記出庫者端末及び前記入庫者端末が設置され且つ前記機密書類を用いた作業が行なわれる作業場を監視する監視装置と、前記出庫者端末、前記入庫者端末、前記自動倉庫及び利用者端末に通信回線を介して接続される管理センタサーバとを備える機密書類管理システムにおいて、前記ホルダーは読取り可能に貼着されたホルダー識別ラベルを備え、前記保管バケットは、前記ホルダーを格納する格納部と、読取り可能に貼着されたバケット識別ラベルとを備え、前記自動倉庫は前記保管バケットを倉庫内の任意の位置に保管するフリーロケーション型自動倉庫で構成され、前記出庫者端末は、前記バケット識別ラベル及び前記ホルダー識別ラベルを読取る機能と、前記管理センタサーバからの指示に基づいて出庫者が入力した出庫指示を前記管理センタサーバに出す機能と、出庫された前記保管バケットに係るバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を含む出庫情報を生成して前記管理センタサーバに出す機能とを有し、前記入庫者端末は、前記バケット識別ラベル及び前記ホルダー識別ラベルを読取る機能と、入庫する前記保管バケットに係るバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を含む入庫指示を生成して前記管理センタサーバに出す機能とを有し、前記管理センタサーバは、前記保管バケットの保管を委任した利用者が管理する前記利用者端末からの指示に基づいて前記出庫者端末に指示を出す機能と、前記出庫者端末からの出庫指示に基づいて前記自動倉庫に当該保管バケットの出庫指示を出す機能と、前記入庫者端末からの入庫指示に含まれたバケット識別ラベル情報とホルダー識別ラベル情報との組合せが以前に出庫した前記保管バケットに係る組合せと同じであるかを判定する機能と、その判定結果が同じ組合せでない場合に前記自動倉庫に当該保管バケットの入庫指示を出すと共にその判定結果が同じ組合せである場合に前記入庫者端末に入庫不許可通知を出す機能とを有する構成である。
【0015】
係る本発明の第3の態様におけるより好ましい具体的構成例は次の通りである。
(1)前記監視装置は、前記作業場の作業状況を撮影する複数の監視カメラと、前記監視カメラを制御する制御装置とを備えること。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、利用者に負担をかけずに機密書類の入出庫セキュリティを高められる機密書類管理方法及び機密書類管理システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る機密書類管理方法及び機密書類管理システムの一実施例を図1から図10を用いて説明する。
【0018】
まず、本実施例の機密書類管理システム10の概要について、図1から図3を参照しながら説明する。
【0019】
機密書類管理システム10は、図1及び図2に示すように、契約書などの機密書類11を格納するホルダー9と、ホルダー9を格納する保管バケット8と、保管バケット8を自動入出庫する自動倉庫7と、出庫者が管理する出庫者端末4と、入庫者が管理する入庫者端末5と、作業場12を監視する監視装置6と、管理センタが管理する管理センタサーバ3と、を備えて構成されている。
【0020】
管理センタサーバ3、出庫者端末4、入庫者端末、自動倉庫7及び利用者端末2は、それぞれ通信回線1を介して接続され、これらの間の送受信は全てこの通信回線1を介して行なわれる。通信回線1には、有線及び無線による通信回線が含まれると共に、携帯電話回線、電話回線、インターネット網及び通信衛星回線等の通信回線も含まれる。本実施例では、図1に示すように、出庫者端末4、入庫者端末5及び自動倉庫7及び管理センタサーバ3の間は有線ネットワークLANの通信回線1aで接続され、利用者端末2と管理センタサーバ3との間はインターネットの通信回線1bで接続されており、通信回線1aと通信回線1bにより通信回線1が構成されている。
【0021】
利用者端末2は、自動倉庫7に機密書類11の保管を委任する利用者が管理する端末であって、管理センタサーバ3に多数接続される。
【0022】
保管バケット8は、図3に示すように、ホルダー9を格納するものであり、読取り可能に貼着されたバケット識別ラベル8aと、複数のホルダー9を格納する格納部8bとを備えている。バケット識別ラベル8aは、保管バケット8の前面部に貼着されており、ホルダー9を格納した状態で出庫者ハンディターミナル4aにより読取り可能となっている。
【0023】
ホルダー9は、機密書類11を収納して保持するものであり、読取り可能に貼着されたホルダー識別ラベル9a、施錠部とを備えている。ホルダー識別ラベル9aは、ホルダー9の上縁に設けられた耳部9bに貼着されており、機密書類11を収納した状態で出庫者ハンディターミナル4aにより読取り可能となっている。本実施例では、バケット識別ラベル情報とホルダー識別ラベル情報とが直接的に関連付けられることなく独立した情報となっている。
【0024】
自動倉庫7は、保管バケット8を倉庫内の任意の位置に保管するフリーロケーション型自動倉庫であり、保管棚、移送装置及び制御装置を備えている。自動倉庫7は、図2に示すように、作業場12と隣接されているが、作業者は自動倉庫7内に出入りできないように仕切られている。保管バケット8は自動倉庫7からコンベア装置13を通して入出庫される。このコンベア装置13は、自動倉庫7から作業場12に延び、作業場12から自動倉庫7に戻るように敷設されている。コンベア装置13は、図示例では1つのラインで構成されているが、1つの出庫口と複数の作業ラインと1つの入庫口とで構成されていてもよい。
【0025】
作業場12には出庫者端末4及び入庫者端末5が設置され、作業場12で出庫作業、入庫作業及び且つ機密書類11を用いた作業などが行なわれる。監視装置6は、作業場12で行なわれる作業状況を撮影する複数の監視カメラ6aと、この監視カメラ6aを制御する制御装置6bとを備えている。制御装置6bは通信回線1aを介して管理センタサーバ3と接続されている。監視装置6による作業状況の撮影により、後述する機密書類管理システム10のセキュリティ機能をより一層高めることができる。
【0026】
管理センタサーバ3は、主な機能として、利用者端末2からの指示に基づいて出庫者端末4に指示を出す機能と、出庫者端末4からの出庫指示に基づいて自動倉庫7に当該保管バケット8の出庫指示を出す機能と、入庫者端末5からの入庫指示に含まれたバケット識別ラベル情報とホルダー識別ラベル情報との組合せが以前に出庫した保管バケットに係る組合せと同じであるかを判定する機能と、その判定結果が同じ組合せでない場合に自動倉庫7に当該保管バケット8の入庫指示を出しその判定結果が同じ組合せである場合に入庫者端末5に入庫不許可通知を出す機能とを有している。判定に用いるバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報は、バケット識別ラベル8a及びホルダー識別ラベル9aの一部の情報であってもよく、それらを加工した情報であってもよい。
【0027】
出庫者端末4は、保管バケット8を自動倉庫7から出庫するための出庫指示を出すものであり、作業場12への出庫口の近傍に設置されると共に、バケット識別ラベル8a及びホルダー識別ラベル9aを読取るための出庫者ハンディターミナル4aを付属して備えている。出庫者端末4は、主な機能として、管理センタサーバ3からの指示に基づいて出庫者が入力した出庫指示を管理センタサーバ3に出す機能と、出庫された保管バケット8及びホルダー9に係るバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報の情報を管理センタサーバ3に出す機能とを有している。このバケット識別ラベル情報は出庫された保管バケット8のバケット識別ラベル8aを出庫者ハンディターミナル4aで読取ることにより得られる。また、このホルダー識別ラベル情報はその保管バケット8から取出したホルダー9のホルダー識別ラベル9aを出庫者ハンディターミナル4aで読取ることにより得られる。
【0028】
入庫者端末5は、保管バケット8を自動倉庫7に入庫するための入庫指示を出すものであり、出庫者端末4と独立して設けられ、作業場12の入庫口の近傍に設置されると共に、バケット識別ラベル8a及びホルダー識別ラベル9aを読取る入庫者ハンディターミナルを付属して備えている。入庫者端末5は、主な機能として、バケット識別ラベル8a及びホルダー識別ラベル9aを読取る機能と、入庫する保管バケット8に係るバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を管理センタサーバ3に出す機能と有している。このバケット識別ラベル情報は入庫される保管バケット8のバケット識別ラベル8aを入庫者ハンディターミナル4aで読取ることにより得られる。また、このホルダー識別ラベル情報はその保管バケット8に格納するホルダー9のホルダー識別ラベル9aを入庫者ハンディターミナル4aで読取ることにより得られる。
【0029】
次に、管理センタサーバ3、出庫者端末4及び入庫者端末5の具体的構成について、図4から図9を参照しながら説明する。
【0030】
管理センタサーバ3は、図4に示すように、入力部31、制御部32、表示部33、記憶部34、及び通信部35を有する。入力部31は、キーボードなどの入力部を有し、制御部32に接続される。制御部32は、マイコンなどにより構成され、この機密書類管理システム10における主要な処理を行なう。表示部33は、CRT表示装置、液晶表示装置などにより構成され、制御部32に接続され、システム運営に必要な送受信画面および入力画面などを表示する。記憶部34は、制御部32の処理に必要な情報を記憶するもので、制御部32に接続される。通信部35は、制御部32を通信回線1a、1bに送受信を可能にする機能を有し、通信回線1a、1bと制御部22との間に接続される。
【0031】
上述した記憶部34内のファイル構造は、図5に示すように、サーバ制御用ソフトウエア34a、入出庫管理ソフトウエア34b及び入出庫管理データベース34cを有する。サーバ制御用ソフトウエア34aは制御部32の基本的な制御を司るソフトウエアである。入出庫管理ソフトウエア34bは、機密書類管理システム10に係る主な機能をさせるために、入出庫管理データベース34cを用いて制御部32の制御を司るソフトウエアである。入出庫管理データベース34cは、管理センタサーバ3で生成した入出庫に係る情報と、出庫者端末4、入庫者端末5、監視装置6及び自動倉庫7から送信された入出庫に係る情報とが記憶される。
【0032】
出庫者端末4は、図6に示すように、パソコンなどで構成され、入力部41、制御部42、表示部43、記憶部44、通信部45、及びプリンタ46、及び出庫用ハンディターミナル4aを有する。入力部41は、キーボード等よりなる文字入力部を有し、この入力結果を制御部44に入力するように接続される。制御部42は、マイコン等より構成され、所定の制御を行なう。表示部43は、液晶表示装置等により構成され、制御部42に接続されて入力内容や受信内容や制御結果等を表示する。記憶部44は、制御部42に接続され、入力部41及び出庫用ハンディターミナル4aより入力された情報や、通信回線1aを通して送信された情報などを一時的に記憶する。出庫用ハンディターミナル4aは、図7に示すように、キー入力部4a1、スキャナ読取り入力部4a2、表示部4a3を有し、出庫者端末4の通信部45を介して制御部42と送受信する。出庫者端末4は、作業ライン数に応じて複数台設置される。
【0033】
入庫者端末5は、図8に示すように、パソコンなどで構成され、入力部51、制御部52、表示部53、記憶部54、通信部55、プリンタ56、及び入庫用ハンディターミナル5aを有する。入力部51は、キーボード等よりなる文字入力部を有し、この入力結果を制御部54に入力するように接続される。制御部52は、マイコン等より構成され、所定の制御を行なう。表示部53は、液晶表示装置等により構成され、制御部52に接続されて入力内容や受信内容や制御結果等を表示する。記憶部54は、制御部52に接続され、入力部51及び入庫用ハンディターミナル5aより入力された情報や、通信回線1aを通して送信された情報などを一時的に記憶する。この入庫用ハンディターミナル5aは、図9に示すように、テンキー入力部5a1、スキャナ読取り入力部5a2、表示部5a3を有し、入庫者端末5の通信部55を介して制御部52と送受信する。入庫者端末5は、入庫検収を複数回行なうことに伴って複数台設置される。
【0034】
次に、機密書類管理システム10を用いた機密書類管理方法について、図2及び図10を参照しながら説明する。
【0035】
利用者が機密書類11を自動倉庫7に新規保管を依頼する場合について、図2及び図10Aを参照しながら説明する。この場合には、利用者は、利用者端末2に新規保管指示を入力し、利用者端末2より管理センタサーバ3に機密書類11の新規保管指示を送信すると共に(ステップS1)、利用者の手元から作業場12に機密書類11を搬送する。管理センタサーバ3は、この新規保管指示を受信すると、入庫者端末5に自動倉庫への新規入庫指示を送信する(ステップS2)。
【0036】
入庫者端末5は、この新規入庫指示を受信すると、この新規入庫指示を表示部53に表示する(ステップS3)。この新規入庫指示の表示は、他の新規入庫指示や他の作業指示と共に一覧形式で表示される。一次検収入庫者は、この新規入庫指示に基づいて、搬送された機密書類11を整理してホルダー9に格納すると共に、入庫者端末5にホルダー識別ラベル情報を入力する(ステップS4)。これらの作業は、表示部53に表示された新規入庫指示に基づいて行なわれるので、確実に且つ容易に行なうことができる。一次検収入庫者は、入力したホルダー識別ラベル情報を用いて、ホルダー識別ラベル9aを出力する(ステップS5)。一次検収入庫者は、出力されたホルダー識別ラベル9aをホルダー9の耳部9bに貼着した後、予めバケット識別ラベル8aが貼着された保管バケット8に格納する。
【0037】
一次検収入庫者は、この状態の保管バケット8より一次検収ロケーション情報を収集し、その一次検収ロケーション情報を表示部53に表示すると共に、問題がない場合にその一次検収ロケーション情報を管理センタサーバ3に送信する(ステップS6)。即ち、一次検収入庫者は表示された収集結果と実際の状態とを比較して検収し、問題がない場合には当該保管バケット8をコンベア装置13に載せて次の二次検収へ移動させると共に、管理センタサーバ3への送信を行なう。問題がある場合には、一次検収をやり直す。この一次検収ロケーション情報の収集には、一次検収入庫者が当該保管バケット8に係るバケット識別ラベル8a及びホルダー識別ラベル9aを入庫者ハンディターミナル5aで読取ってバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を生成することが含まれる。
【0038】
管理センタサーバ3は、その収集結果を受信すると、その一次検収ロケーション情報を記憶部34に記憶する(ステップS7)。
【0039】
次いで、出庫者及び一次検収入庫者とは別人である二次検収入庫者が当該保管バケット8より二次検収ロケーション情報を収集し、その二次検収ロケーション情報を表示部53に表示し、問題がない場合にはその二次検収ロケーション情報を管理センタサーバ3に送信する(ステップS8)。即ち、二次検収入庫者は、表示された二次検収ロケーション情報と実際の状態とを比較すると共に、表示部53に表示されたロケーション情報とも比較して二次検収し、問題がない場合には管理センタサーバ3への送信を行ない、問題がある場合には二次検収をやり直す。この二次検収ロケーション情報の収集には、二次検収入庫者が当該保管バケット8に係るバケット識別ラベル8a及びホルダー識別ラベル9aを入庫者ハンディターミナル5aで読取ったバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を含む入庫指示を生成することが含まれる。このように、入庫に際して複数回の検収を行なうことにより、信頼性の高い入庫を実現できる。
【0040】
管理センタサーバ3は、その二次検収ロケーション情報を受信すると、その二次検収ロケーション情報を記憶部34に記憶し(ステップS9)、自動倉庫7へ入庫指示を出す(ステップS10)。自動倉庫7は、この入庫指示を受信すると、コンベア装置13の入庫口に置かれた保管バケット8を入庫して任意の位置に保管し(ステップS10a)、その保管位置を管理センタサーバ3に送信する(ステップS10b)。管理センタサーバ3は、その保管位置を受信すると、記憶部34に記憶する(ステップS10c)。
【0041】
利用者が機密書類11を閲覧する場合について、図2、図10B及び図10Cを参照しながら説明する。利用者は、機密書類11を閲覧する場合には、利用者端末2に閲覧指示を入力し、利用者端末2より管理センタサーバ3に機密書類11の閲覧指示を送信する(ステップS11)。管理センタサーバ3は、この閲覧指示を受信すると、該当する機密書類11が格納された保管バケット8を出庫可能とするための閲覧出庫指示を生成して出庫者端末4に送信する(ステップS12)。
【0042】
出庫者端末4は、この閲覧出庫指示を受信すると、この閲覧出庫指示を表示部53に表示する(ステップS13)。この閲覧出庫指示の表示は、新規入庫指示や他の作業指示と共に一覧形式で表示される。出庫者は、閲覧出庫指示に基づく指定作業が可能な時を見計らって当該閲覧出庫指示を出庫者ハンディターミナル4aで選択することにより、管理センタサーバ3に閲覧出庫指示を送信する(ステップS14)。出庫者端末4は、この閲覧出庫指示を受信すると、自動倉庫7に転送する(ステップS15)。自動倉庫7は、この閲覧出庫指示を受信すると、作業場12のコンベア装置13に当該保管バケット8を自動出庫する(ステップS16)。
【0043】
出庫者は、出庫された保管バケット8のバケット識別ラベル8aを出庫者ハンディターミナル4aで読取り(ステップS17)、保管バケット8から該当するホルダー9を取出し、出庫者端末4でバケット識別ラベル8aを読取る。出庫者端末4は、この読取りによりバケット識別ラベル情報を生成して出庫情報の一部として管理センタサーバ3に送信する(ステップS18)。管理センタサーバ3は、そのバケット識別ラベル情報を受信すると、そのバケット識別ラベル情報を出庫情報の一部として記憶部34に記憶する(ステップS19)。
【0044】
次いで、出庫者は、取出されたホルダー9のホルダー識別ラベル9aを出庫者ハンディターミナル4aで読取り(ステップS20)、ホルダー9から機密書類11を取出し、出庫者端末4でホルダー識別ラベル9aを読取る。出庫者端末4は、この読取りによりホルダー識別ラベル情報を生成して出庫情報の一部として管理センタサーバ3に送信する(ステップS21)。管理センタサーバ3は、そのホルダー識別ラベル情報を受信すると、そのホルダー識別ラベル情報を先に記憶したバケット識別ラベル情報と関連付けて出庫情報として記憶部34に記憶する(ステップS22)。
【0045】
次いで、出庫者は、取出された機密書類11を出庫者ハンディターミナル4aで読取る(ステップS23)。出庫者端末4は、機密書類11を読取り機密書類情報生成して管理センタサーバ3に送信する(ステップS24)。その後、出庫者は、機密書類11をホルダー9に格納し他状態で一次入庫者に渡す。
【0046】
利用者端末2は、機密書類情報を受信すると、その表示部に表示する(ステップS26)。これにより、利用者端末2は、自動倉庫7に出向くことなく、或いは、自動倉庫7から車両などによる搬送を待つことなく、短時間に容易に機密書類11の閲覧をすることができる。
【0047】
送信が終了した機密書類11を格納したホルダー9を受取った一次検収入庫者は、直ちに、そのホルダー識別ラベル9aを入庫者ハンディターミナル5aで読取る(ステップS27)。出庫者端末4は、ホルダー識別ラベル9aを読取ると、そのホルダー識別ラベル情報を管理センタサーバ3に送信する(ステップS28)。管理センタサーバ3は、そのホルダー識別ラベル情報を受信すると、そのホルダー識別ラベル情報を記憶部34に記憶し(ステップS29)、ステップS22で記録した時刻からステップS29で記憶した時刻までの作業時間を算出し、その作業時間が予め定められた制限時間t1内であるかを判定し(ステップS30)、その判定結果を出庫者端末4及び入庫者端末5に送信する(ステップS31)。
【0048】
出庫者端末4は、この判定結果を受信すると、その判定結果を表示部43に表示する(ステップS32)。入庫者端末5は、この判定結果を受信すると、その判定結果を表示部53に表示する(ステップS33)。この判定結果が制限時間t1を超えている場合には、出庫者はその理由及び対応状況を管理センタサーバ3へ報告し、入庫者はより一層入念な入庫検収を行なうように定めておく。このようにすることによって、より一層セキュリティの高いものとすることができる。
【0049】
次いで、一次検収入庫者は、出庫された際に格納されていた保管バケット8とは異なる保管バケット8にホルダー9を格納する。一次検収入庫者は、この状態の保管バケット8より一次検収ロケーション情報を収集し、その一次検収ロケーション情報を表示部53に表示すると共に、問題がない場合にその一次検収ロケーション情報を管理センタサーバ3に送信する(ステップS34)。一次検収入庫者は表示された一次検収ロケーション情報と実際の状態とを比較して検収し、問題がない場合には管理センタサーバ3への送信を行ない、問題がある場合には一次検収をやり直す。この一次検収ロケーション情報の収集には、一次検収入庫者が当該保管バケット8に係るバケット識別ラベル8a及びホルダー識別ラベル9aを入庫者ハンディターミナル5aで読取ったバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を生成することが含まれる。
【0050】
管理センタサーバ3は、その収集結果を受信すると、その一次検収ロケーション情報を記憶部34に記憶し(ステップS35)、ステップ19で記憶したバケット識別ラベル情報と今回記憶した一次検収ロケーション情報のバケット識別ラベル情報とを比較して保管バケット8の適否判定を行ない(ステップS36)、そのバケット判定結果を記憶部34に記憶すると共に入庫者端末5に送信する(ステップS37)。なお、このバケット判定結果が「否」判定の場合には、自動倉庫7へ当該保管バケット8を格納できないように管理センタサーバ3を制御する。入庫者端末5は、バケット判定結果を受信すると、そのバケット判定結果を表示部53に表示する(ステップS38)。一次検収入庫者は、表示された否判定に基づいて保管バケット8を取り替えてホルダー9を格納し、ステップ34に戻って同様の動作を行なう。このようにバケット判定をすることにより、機密書類11の閲覧作業をした出庫者はその機密書類11を格納した保管バケット8を認識することができず、ホルダー9を格納した一次検収入庫者は機密書類11の内容を把握できないこととなり、セキュリティを格段に高めることができる。
【0051】
一次入庫検収が終了した後、出庫者及び一次検収入庫者とは別人である二次検収入庫者が当該保管バケット8より二次検収ロケーション情報を収集し、その二次検収ロケーション情報を表示部53に表示し、問題がない場合にその二次検収ロケーション情報を管理センタサーバ3に送信する(ステップS39)。即ち、二次検収入庫者は、表示された二次検収ロケーション情報と実際の状態とを比較すると共に、表示部53に表示されたロケーション情報とも比較して二次検収し、問題がない場合には管理センタサーバ3への送信を行ない、問題がある場合には二次検収をやり直す。この二次検収ロケーション情報の収集には、二次検収入庫者が当該保管バケット8に係るバケット識別ラベル8a及びホルダー識別ラベル9aを入庫者ハンディターミナル5aで読取ったバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を含む入庫指示を生成することが含まれる。このように、入庫に際して複数回の検収を行なうことにより、信頼性の高い入庫を実現できる。
【0052】
管理センタサーバ3は、その二次検収ロケーション情報を受信すると、その二次検収ロケーション情報を記憶部34に記憶し(ステップS40)、自動倉庫7へ入庫指示を出す(ステップS41)。自動倉庫7は、この入庫指示を受信すると、コンベア装置13の入庫口に置かれた保管バケット8を入庫して任意の位置に保管し(ステップS42)、その保管位置を管理センタサーバ3に送信する(ステップS43)。管理センタサーバ3は、その保管位置を受信すると、記憶部34に記憶する(ステップS44)。
【0053】
本実施例によれば、利用者に負担をかけずに機密書類の入出庫セキュリティを高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施例の機密書類管理システムの構成図である。
【図2】本実施例の機密書類管理システム及び管理方法の概要説明図である。
【図3】本実施例の保管バスケットの斜視図である。
【図4】本実施例の管理センタサーバのハード構成図である。
【図5】本実施例の管理センタサーバの記憶部内ファイル構造図である。
【図6】本実施例の出庫者端末のハード構成図である。
【図7】本実施例の出庫者端末に付属する出庫者ハンディターミナルの斜視図である。
【図8】本実施例の入庫者端末のハード構成図である。
【図9】本実施例の入庫者端末に付属する入庫者ハンディターミナルの斜視図である。
【図10A】本実施例の機密書類管理方法の動作フローチャート図である。
【図10B】本実施例の機密書類管理方法の動作フローチャート図(続き)である。
【図10C】本実施例の機密書類管理方法の動作フローチャート図(続き)である。
【符号の説明】
【0055】
1、1a、1b…通信回線、2…利用者端末、3…管理センタサーバ、4…出庫者端末、4a…出庫者ハンディターミナル、5…入庫者端末、6…監視装置、7…自動倉庫、8…保管バケット、8a…バケット識別ラベル、8b…格納部、9…ホルダー、9a…ホルダー識別ラベル、9b…耳部、10…機密書類管理システム、11…機密書類、12…作業場、13…コンベア装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、機密書類管理方法及び機密書類管理システムに係り、特に、機密書類を自動倉庫に保管して必要に応じて入出庫する機密書類管理方法及び機密書類管理システムに好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来の機密書類の保管・移送用セキュリティシステムとして、特開平6−263204号公報(特許文献1)に示されたものがある。この機密書類の保管・移送用セキュリティシステムは、機密書類の保管倉庫での保管はもとより、ユーザ(利用者)のオフィス内の保管を厳重にし、かつアクセス情報をも管理可能とし、さらに、ユーザ側保管システムと保管倉庫との間の機密書類の移送も厳重に管理するためになされたものである。
【0003】
この保管・移送用セキュリティシステムは、ユーザが機密書類を保管するためのユーザ側保管システムと、倉庫側制御コンピュータにより制御される格納装置が保管倉庫内に設置されてなる保管倉庫システムと、ユーザ側保管システムから保管倉庫システム側へ重要機密書類を移送するため、該機密書類を搭載可能な車載用トランクを有する移送車と、セキュリティキャビネットへのアクセスデータ及びセキュリティボックスの保管・移送状況のデータ等を管理する統合コンピュータと、を備えてなり、該機密書類を特定者のみがアクセス可能な状況下で保管しかつ移送するものである。
【0004】
前記ユーザ側保管システムは、機密書類を収容可能であって特定者のみが開閉可能に構成されたセキュリティボックスと、ユーザ近傍の適宜箇所で不動に固定されると共に、機密書類を収容したセキュリティボックスを又は機密書類を直接格納して特定者のみが個別に出し入れ可能な複数の格納部を有するセキュリティキャビネットと、ユーザ用コンピュータと、を備えて構成されている。
【0005】
また、前記保管倉庫システムは、保管倉庫内にセキュリティボックスを格納可能な格納装置と、該格納装置の制御が可能な倉庫側制御コンピュータと、保管倉庫の出入口付近に配設されて入出庫されるセキュリティボックスのチェックをするゲート装置と、備えて構成されている。この倉庫側制御コンピュータは、上記ゲート装置及び格納装置とケーブルを介して結ばれており、暗証番号等のキーワードを入力することにより所定の画面が表示され、倉庫側担当者のみが使用可能に構成されている。すなわち、ゲート装置及び格納装置の動作は、セキュリティボックスの搬入状況に応じてこの倉庫側制御コンピュータにより電子的に自動制御される。
【0006】
さらに、前記統合コンピュータは、ユーザ用コンピュータ及び倉庫側制御コンピュータのそれぞれと回線を介して結ばれ、かつ移送車に搭載される通信装置と交信可能な通信手段を有している。
【0007】
【特許文献1】特開平6−263204号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、かかる従来の機密書類の保管・移送用セキュリティシステムでは、セキュリティボックスに対する機密書類の格納作業及び取出し作業をユーザ自身がユーザ側保管システムの中で行なうものであるため、ユーザが機密書類の閲覧や複写等を必要とする度に、保管倉庫システムからユーザ側保管システムへ移送車で移送しなければならないという面倒があると共に、それに伴うユーザ側の作業負担が大きくなるという問題があった。
【0009】
そこで、セキュリティボックスに対する機密書類の格納作業及び取出し作業を倉庫側担当者が保管倉庫システムの中で行なうようにすることが考えられる。しかし、その場合には、倉庫側担当者の作業に対するセキュリティ体制を確立することが必要となる。
【0010】
本発明の目的は、利用者に負担をかけずに機密書類の入出庫セキュリティを高められる機密書類管理方法及び機密書類管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述の目的を達成するための本発明の第1の態様は、機密書類を格納する格納部と読取り可能に貼着されたホルダー識別ラベルとを備えるホルダーと、前記ホルダーを格納する格納部と読取り可能に貼着されたバケット識別ラベルとを備える保管バケットと、前記保管バケットを倉庫内の任意の位置に保管するフリーロケーション型の自動倉庫と、出庫者が管理する出庫者端末と、前記出庫者端末と独立して設置されると共に入庫者が管理する入庫者端末と、前記出庫者端末、前記入庫者端末及び前記自動倉庫に通信回線を介して接続される管理センタサーバとを備える機密書類管理システムを用いて、前記機密書類を管理する機密書類管理方法において、出庫された前記保管バケットに係るバケット識別ラベル及びホルダー識別ラベルを前記出庫者端末で読取ってバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を含む出庫情報を生成して前記出庫者端末から前記管理センタサーバに送信する工程と、入庫する前記保管バケットに係るバケット識別ラベル及びホルダー識別ラベルを前記入庫者端末で読取ってバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を含む入庫指示を生成して前記管理センタサーバに送信する工程と、この送信された入庫指示に含まれたバケット識別ラベル情報とホルダー識別ラベル情報との組合せが以前に送信された出庫情報の組合せと同じであるかを前記管理センタサーバで判定する工程と、その判定結果を前記管理センタサーバから前記入庫者端末に送信する工程とを有する。
【0012】
前述の目的を達成するための本発明の第2の態様は、機密書類を格納する格納部と読取り可能に貼着されたホルダー識別ラベルとを備えるホルダーと、前記ホルダーを格納する格納部と読取り可能に貼着されたバケット識別ラベルとを備える保管バケットと、前記保管バケットを倉庫内の任意の位置に保管するフリーロケーション型の自動倉庫と、出庫者が管理する出庫者端末と、前記出庫者端末と独立して設置されると共に入庫者が管理する入庫者端末と、前記出庫者端末、前記入庫者端末及び前記自動倉庫に通信回線を介して接続される管理センタサーバとを備える機密書類管理システムにおいて、前記出庫者端末は出庫された前記保管バケットに係るバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を含む出庫情報を生成して前記管理センタサーバに出す機能を有し、前記入庫者端末は、入庫する前記保管バケットに係るバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を含む入庫指示を生成して前記管理センタサーバに出す機能を有し、前記管理センタサーバは、前記入庫者端末からの入庫指示に含まれたバケット識別ラベル情報とホルダー識別ラベル情報との組合せが以前に出庫した前記保管バケットに係る組合せと同じであるかを判定する機能と、その判定結果を前記入庫者端末に出す機能とを有する
構成にしたことにある。
【0013】
係る本発明の第2の態様におけるより好ましい具体的な構成例は次の通りである。
(1)前記入庫者端末からの入庫指示に含まれたバケット識別ラベル情報とホルダー識別ラベル情報との組合せと以前に出庫した前記保管バケットに係る組合せとが同じである判定の場合に、前記入庫者端末からの当該入庫指示に基づく前記自動倉庫への入庫指示を出さないようにする機能を備えること。
(2)前記出庫者端末は前記識別ラベル及び前記ホルダー識別ラベルを読取る機能を有する出庫者ハンディターミナルを付属して備え、前記入庫者端末は前記識別ラベル及び前記ホルダー識別ラベルを読取る機能を有する入庫者ハンディターミナルを付属して備えること。
(3)出庫者ハンディターミナルは前記自動倉庫への出庫指示を入力する機能を備え、前記入庫者ハンディターミナルは前記自動倉庫への入庫指示を入力する機能を備えること。
【0014】
前述の目的を達成するための本発明の第3の態様は、機密書類を格納する格納部と読取り可能に貼着されたホルダー識別ラベルとを備えるホルダーと、前記ホルダーを格納する格納部と読取り可能に貼着されたバケット識別ラベルとを備える保管バケットと、前記保管バケットを倉庫内の任意の位置に保管するフリーロケーション型の自動倉庫と、庫者が管理する出庫者端末と、前記出庫者端末と独立して設置されると共に入庫者が管理する入庫者端末と、前記出庫者端末及び前記入庫者端末が設置され且つ前記機密書類を用いた作業が行なわれる作業場を監視する監視装置と、前記出庫者端末、前記入庫者端末、前記自動倉庫及び利用者端末に通信回線を介して接続される管理センタサーバとを備える機密書類管理システムにおいて、前記ホルダーは読取り可能に貼着されたホルダー識別ラベルを備え、前記保管バケットは、前記ホルダーを格納する格納部と、読取り可能に貼着されたバケット識別ラベルとを備え、前記自動倉庫は前記保管バケットを倉庫内の任意の位置に保管するフリーロケーション型自動倉庫で構成され、前記出庫者端末は、前記バケット識別ラベル及び前記ホルダー識別ラベルを読取る機能と、前記管理センタサーバからの指示に基づいて出庫者が入力した出庫指示を前記管理センタサーバに出す機能と、出庫された前記保管バケットに係るバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を含む出庫情報を生成して前記管理センタサーバに出す機能とを有し、前記入庫者端末は、前記バケット識別ラベル及び前記ホルダー識別ラベルを読取る機能と、入庫する前記保管バケットに係るバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を含む入庫指示を生成して前記管理センタサーバに出す機能とを有し、前記管理センタサーバは、前記保管バケットの保管を委任した利用者が管理する前記利用者端末からの指示に基づいて前記出庫者端末に指示を出す機能と、前記出庫者端末からの出庫指示に基づいて前記自動倉庫に当該保管バケットの出庫指示を出す機能と、前記入庫者端末からの入庫指示に含まれたバケット識別ラベル情報とホルダー識別ラベル情報との組合せが以前に出庫した前記保管バケットに係る組合せと同じであるかを判定する機能と、その判定結果が同じ組合せでない場合に前記自動倉庫に当該保管バケットの入庫指示を出すと共にその判定結果が同じ組合せである場合に前記入庫者端末に入庫不許可通知を出す機能とを有する構成である。
【0015】
係る本発明の第3の態様におけるより好ましい具体的構成例は次の通りである。
(1)前記監視装置は、前記作業場の作業状況を撮影する複数の監視カメラと、前記監視カメラを制御する制御装置とを備えること。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、利用者に負担をかけずに機密書類の入出庫セキュリティを高められる機密書類管理方法及び機密書類管理システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る機密書類管理方法及び機密書類管理システムの一実施例を図1から図10を用いて説明する。
【0018】
まず、本実施例の機密書類管理システム10の概要について、図1から図3を参照しながら説明する。
【0019】
機密書類管理システム10は、図1及び図2に示すように、契約書などの機密書類11を格納するホルダー9と、ホルダー9を格納する保管バケット8と、保管バケット8を自動入出庫する自動倉庫7と、出庫者が管理する出庫者端末4と、入庫者が管理する入庫者端末5と、作業場12を監視する監視装置6と、管理センタが管理する管理センタサーバ3と、を備えて構成されている。
【0020】
管理センタサーバ3、出庫者端末4、入庫者端末、自動倉庫7及び利用者端末2は、それぞれ通信回線1を介して接続され、これらの間の送受信は全てこの通信回線1を介して行なわれる。通信回線1には、有線及び無線による通信回線が含まれると共に、携帯電話回線、電話回線、インターネット網及び通信衛星回線等の通信回線も含まれる。本実施例では、図1に示すように、出庫者端末4、入庫者端末5及び自動倉庫7及び管理センタサーバ3の間は有線ネットワークLANの通信回線1aで接続され、利用者端末2と管理センタサーバ3との間はインターネットの通信回線1bで接続されており、通信回線1aと通信回線1bにより通信回線1が構成されている。
【0021】
利用者端末2は、自動倉庫7に機密書類11の保管を委任する利用者が管理する端末であって、管理センタサーバ3に多数接続される。
【0022】
保管バケット8は、図3に示すように、ホルダー9を格納するものであり、読取り可能に貼着されたバケット識別ラベル8aと、複数のホルダー9を格納する格納部8bとを備えている。バケット識別ラベル8aは、保管バケット8の前面部に貼着されており、ホルダー9を格納した状態で出庫者ハンディターミナル4aにより読取り可能となっている。
【0023】
ホルダー9は、機密書類11を収納して保持するものであり、読取り可能に貼着されたホルダー識別ラベル9a、施錠部とを備えている。ホルダー識別ラベル9aは、ホルダー9の上縁に設けられた耳部9bに貼着されており、機密書類11を収納した状態で出庫者ハンディターミナル4aにより読取り可能となっている。本実施例では、バケット識別ラベル情報とホルダー識別ラベル情報とが直接的に関連付けられることなく独立した情報となっている。
【0024】
自動倉庫7は、保管バケット8を倉庫内の任意の位置に保管するフリーロケーション型自動倉庫であり、保管棚、移送装置及び制御装置を備えている。自動倉庫7は、図2に示すように、作業場12と隣接されているが、作業者は自動倉庫7内に出入りできないように仕切られている。保管バケット8は自動倉庫7からコンベア装置13を通して入出庫される。このコンベア装置13は、自動倉庫7から作業場12に延び、作業場12から自動倉庫7に戻るように敷設されている。コンベア装置13は、図示例では1つのラインで構成されているが、1つの出庫口と複数の作業ラインと1つの入庫口とで構成されていてもよい。
【0025】
作業場12には出庫者端末4及び入庫者端末5が設置され、作業場12で出庫作業、入庫作業及び且つ機密書類11を用いた作業などが行なわれる。監視装置6は、作業場12で行なわれる作業状況を撮影する複数の監視カメラ6aと、この監視カメラ6aを制御する制御装置6bとを備えている。制御装置6bは通信回線1aを介して管理センタサーバ3と接続されている。監視装置6による作業状況の撮影により、後述する機密書類管理システム10のセキュリティ機能をより一層高めることができる。
【0026】
管理センタサーバ3は、主な機能として、利用者端末2からの指示に基づいて出庫者端末4に指示を出す機能と、出庫者端末4からの出庫指示に基づいて自動倉庫7に当該保管バケット8の出庫指示を出す機能と、入庫者端末5からの入庫指示に含まれたバケット識別ラベル情報とホルダー識別ラベル情報との組合せが以前に出庫した保管バケットに係る組合せと同じであるかを判定する機能と、その判定結果が同じ組合せでない場合に自動倉庫7に当該保管バケット8の入庫指示を出しその判定結果が同じ組合せである場合に入庫者端末5に入庫不許可通知を出す機能とを有している。判定に用いるバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報は、バケット識別ラベル8a及びホルダー識別ラベル9aの一部の情報であってもよく、それらを加工した情報であってもよい。
【0027】
出庫者端末4は、保管バケット8を自動倉庫7から出庫するための出庫指示を出すものであり、作業場12への出庫口の近傍に設置されると共に、バケット識別ラベル8a及びホルダー識別ラベル9aを読取るための出庫者ハンディターミナル4aを付属して備えている。出庫者端末4は、主な機能として、管理センタサーバ3からの指示に基づいて出庫者が入力した出庫指示を管理センタサーバ3に出す機能と、出庫された保管バケット8及びホルダー9に係るバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報の情報を管理センタサーバ3に出す機能とを有している。このバケット識別ラベル情報は出庫された保管バケット8のバケット識別ラベル8aを出庫者ハンディターミナル4aで読取ることにより得られる。また、このホルダー識別ラベル情報はその保管バケット8から取出したホルダー9のホルダー識別ラベル9aを出庫者ハンディターミナル4aで読取ることにより得られる。
【0028】
入庫者端末5は、保管バケット8を自動倉庫7に入庫するための入庫指示を出すものであり、出庫者端末4と独立して設けられ、作業場12の入庫口の近傍に設置されると共に、バケット識別ラベル8a及びホルダー識別ラベル9aを読取る入庫者ハンディターミナルを付属して備えている。入庫者端末5は、主な機能として、バケット識別ラベル8a及びホルダー識別ラベル9aを読取る機能と、入庫する保管バケット8に係るバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を管理センタサーバ3に出す機能と有している。このバケット識別ラベル情報は入庫される保管バケット8のバケット識別ラベル8aを入庫者ハンディターミナル4aで読取ることにより得られる。また、このホルダー識別ラベル情報はその保管バケット8に格納するホルダー9のホルダー識別ラベル9aを入庫者ハンディターミナル4aで読取ることにより得られる。
【0029】
次に、管理センタサーバ3、出庫者端末4及び入庫者端末5の具体的構成について、図4から図9を参照しながら説明する。
【0030】
管理センタサーバ3は、図4に示すように、入力部31、制御部32、表示部33、記憶部34、及び通信部35を有する。入力部31は、キーボードなどの入力部を有し、制御部32に接続される。制御部32は、マイコンなどにより構成され、この機密書類管理システム10における主要な処理を行なう。表示部33は、CRT表示装置、液晶表示装置などにより構成され、制御部32に接続され、システム運営に必要な送受信画面および入力画面などを表示する。記憶部34は、制御部32の処理に必要な情報を記憶するもので、制御部32に接続される。通信部35は、制御部32を通信回線1a、1bに送受信を可能にする機能を有し、通信回線1a、1bと制御部22との間に接続される。
【0031】
上述した記憶部34内のファイル構造は、図5に示すように、サーバ制御用ソフトウエア34a、入出庫管理ソフトウエア34b及び入出庫管理データベース34cを有する。サーバ制御用ソフトウエア34aは制御部32の基本的な制御を司るソフトウエアである。入出庫管理ソフトウエア34bは、機密書類管理システム10に係る主な機能をさせるために、入出庫管理データベース34cを用いて制御部32の制御を司るソフトウエアである。入出庫管理データベース34cは、管理センタサーバ3で生成した入出庫に係る情報と、出庫者端末4、入庫者端末5、監視装置6及び自動倉庫7から送信された入出庫に係る情報とが記憶される。
【0032】
出庫者端末4は、図6に示すように、パソコンなどで構成され、入力部41、制御部42、表示部43、記憶部44、通信部45、及びプリンタ46、及び出庫用ハンディターミナル4aを有する。入力部41は、キーボード等よりなる文字入力部を有し、この入力結果を制御部44に入力するように接続される。制御部42は、マイコン等より構成され、所定の制御を行なう。表示部43は、液晶表示装置等により構成され、制御部42に接続されて入力内容や受信内容や制御結果等を表示する。記憶部44は、制御部42に接続され、入力部41及び出庫用ハンディターミナル4aより入力された情報や、通信回線1aを通して送信された情報などを一時的に記憶する。出庫用ハンディターミナル4aは、図7に示すように、キー入力部4a1、スキャナ読取り入力部4a2、表示部4a3を有し、出庫者端末4の通信部45を介して制御部42と送受信する。出庫者端末4は、作業ライン数に応じて複数台設置される。
【0033】
入庫者端末5は、図8に示すように、パソコンなどで構成され、入力部51、制御部52、表示部53、記憶部54、通信部55、プリンタ56、及び入庫用ハンディターミナル5aを有する。入力部51は、キーボード等よりなる文字入力部を有し、この入力結果を制御部54に入力するように接続される。制御部52は、マイコン等より構成され、所定の制御を行なう。表示部53は、液晶表示装置等により構成され、制御部52に接続されて入力内容や受信内容や制御結果等を表示する。記憶部54は、制御部52に接続され、入力部51及び入庫用ハンディターミナル5aより入力された情報や、通信回線1aを通して送信された情報などを一時的に記憶する。この入庫用ハンディターミナル5aは、図9に示すように、テンキー入力部5a1、スキャナ読取り入力部5a2、表示部5a3を有し、入庫者端末5の通信部55を介して制御部52と送受信する。入庫者端末5は、入庫検収を複数回行なうことに伴って複数台設置される。
【0034】
次に、機密書類管理システム10を用いた機密書類管理方法について、図2及び図10を参照しながら説明する。
【0035】
利用者が機密書類11を自動倉庫7に新規保管を依頼する場合について、図2及び図10Aを参照しながら説明する。この場合には、利用者は、利用者端末2に新規保管指示を入力し、利用者端末2より管理センタサーバ3に機密書類11の新規保管指示を送信すると共に(ステップS1)、利用者の手元から作業場12に機密書類11を搬送する。管理センタサーバ3は、この新規保管指示を受信すると、入庫者端末5に自動倉庫への新規入庫指示を送信する(ステップS2)。
【0036】
入庫者端末5は、この新規入庫指示を受信すると、この新規入庫指示を表示部53に表示する(ステップS3)。この新規入庫指示の表示は、他の新規入庫指示や他の作業指示と共に一覧形式で表示される。一次検収入庫者は、この新規入庫指示に基づいて、搬送された機密書類11を整理してホルダー9に格納すると共に、入庫者端末5にホルダー識別ラベル情報を入力する(ステップS4)。これらの作業は、表示部53に表示された新規入庫指示に基づいて行なわれるので、確実に且つ容易に行なうことができる。一次検収入庫者は、入力したホルダー識別ラベル情報を用いて、ホルダー識別ラベル9aを出力する(ステップS5)。一次検収入庫者は、出力されたホルダー識別ラベル9aをホルダー9の耳部9bに貼着した後、予めバケット識別ラベル8aが貼着された保管バケット8に格納する。
【0037】
一次検収入庫者は、この状態の保管バケット8より一次検収ロケーション情報を収集し、その一次検収ロケーション情報を表示部53に表示すると共に、問題がない場合にその一次検収ロケーション情報を管理センタサーバ3に送信する(ステップS6)。即ち、一次検収入庫者は表示された収集結果と実際の状態とを比較して検収し、問題がない場合には当該保管バケット8をコンベア装置13に載せて次の二次検収へ移動させると共に、管理センタサーバ3への送信を行なう。問題がある場合には、一次検収をやり直す。この一次検収ロケーション情報の収集には、一次検収入庫者が当該保管バケット8に係るバケット識別ラベル8a及びホルダー識別ラベル9aを入庫者ハンディターミナル5aで読取ってバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を生成することが含まれる。
【0038】
管理センタサーバ3は、その収集結果を受信すると、その一次検収ロケーション情報を記憶部34に記憶する(ステップS7)。
【0039】
次いで、出庫者及び一次検収入庫者とは別人である二次検収入庫者が当該保管バケット8より二次検収ロケーション情報を収集し、その二次検収ロケーション情報を表示部53に表示し、問題がない場合にはその二次検収ロケーション情報を管理センタサーバ3に送信する(ステップS8)。即ち、二次検収入庫者は、表示された二次検収ロケーション情報と実際の状態とを比較すると共に、表示部53に表示されたロケーション情報とも比較して二次検収し、問題がない場合には管理センタサーバ3への送信を行ない、問題がある場合には二次検収をやり直す。この二次検収ロケーション情報の収集には、二次検収入庫者が当該保管バケット8に係るバケット識別ラベル8a及びホルダー識別ラベル9aを入庫者ハンディターミナル5aで読取ったバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を含む入庫指示を生成することが含まれる。このように、入庫に際して複数回の検収を行なうことにより、信頼性の高い入庫を実現できる。
【0040】
管理センタサーバ3は、その二次検収ロケーション情報を受信すると、その二次検収ロケーション情報を記憶部34に記憶し(ステップS9)、自動倉庫7へ入庫指示を出す(ステップS10)。自動倉庫7は、この入庫指示を受信すると、コンベア装置13の入庫口に置かれた保管バケット8を入庫して任意の位置に保管し(ステップS10a)、その保管位置を管理センタサーバ3に送信する(ステップS10b)。管理センタサーバ3は、その保管位置を受信すると、記憶部34に記憶する(ステップS10c)。
【0041】
利用者が機密書類11を閲覧する場合について、図2、図10B及び図10Cを参照しながら説明する。利用者は、機密書類11を閲覧する場合には、利用者端末2に閲覧指示を入力し、利用者端末2より管理センタサーバ3に機密書類11の閲覧指示を送信する(ステップS11)。管理センタサーバ3は、この閲覧指示を受信すると、該当する機密書類11が格納された保管バケット8を出庫可能とするための閲覧出庫指示を生成して出庫者端末4に送信する(ステップS12)。
【0042】
出庫者端末4は、この閲覧出庫指示を受信すると、この閲覧出庫指示を表示部53に表示する(ステップS13)。この閲覧出庫指示の表示は、新規入庫指示や他の作業指示と共に一覧形式で表示される。出庫者は、閲覧出庫指示に基づく指定作業が可能な時を見計らって当該閲覧出庫指示を出庫者ハンディターミナル4aで選択することにより、管理センタサーバ3に閲覧出庫指示を送信する(ステップS14)。出庫者端末4は、この閲覧出庫指示を受信すると、自動倉庫7に転送する(ステップS15)。自動倉庫7は、この閲覧出庫指示を受信すると、作業場12のコンベア装置13に当該保管バケット8を自動出庫する(ステップS16)。
【0043】
出庫者は、出庫された保管バケット8のバケット識別ラベル8aを出庫者ハンディターミナル4aで読取り(ステップS17)、保管バケット8から該当するホルダー9を取出し、出庫者端末4でバケット識別ラベル8aを読取る。出庫者端末4は、この読取りによりバケット識別ラベル情報を生成して出庫情報の一部として管理センタサーバ3に送信する(ステップS18)。管理センタサーバ3は、そのバケット識別ラベル情報を受信すると、そのバケット識別ラベル情報を出庫情報の一部として記憶部34に記憶する(ステップS19)。
【0044】
次いで、出庫者は、取出されたホルダー9のホルダー識別ラベル9aを出庫者ハンディターミナル4aで読取り(ステップS20)、ホルダー9から機密書類11を取出し、出庫者端末4でホルダー識別ラベル9aを読取る。出庫者端末4は、この読取りによりホルダー識別ラベル情報を生成して出庫情報の一部として管理センタサーバ3に送信する(ステップS21)。管理センタサーバ3は、そのホルダー識別ラベル情報を受信すると、そのホルダー識別ラベル情報を先に記憶したバケット識別ラベル情報と関連付けて出庫情報として記憶部34に記憶する(ステップS22)。
【0045】
次いで、出庫者は、取出された機密書類11を出庫者ハンディターミナル4aで読取る(ステップS23)。出庫者端末4は、機密書類11を読取り機密書類情報生成して管理センタサーバ3に送信する(ステップS24)。その後、出庫者は、機密書類11をホルダー9に格納し他状態で一次入庫者に渡す。
【0046】
利用者端末2は、機密書類情報を受信すると、その表示部に表示する(ステップS26)。これにより、利用者端末2は、自動倉庫7に出向くことなく、或いは、自動倉庫7から車両などによる搬送を待つことなく、短時間に容易に機密書類11の閲覧をすることができる。
【0047】
送信が終了した機密書類11を格納したホルダー9を受取った一次検収入庫者は、直ちに、そのホルダー識別ラベル9aを入庫者ハンディターミナル5aで読取る(ステップS27)。出庫者端末4は、ホルダー識別ラベル9aを読取ると、そのホルダー識別ラベル情報を管理センタサーバ3に送信する(ステップS28)。管理センタサーバ3は、そのホルダー識別ラベル情報を受信すると、そのホルダー識別ラベル情報を記憶部34に記憶し(ステップS29)、ステップS22で記録した時刻からステップS29で記憶した時刻までの作業時間を算出し、その作業時間が予め定められた制限時間t1内であるかを判定し(ステップS30)、その判定結果を出庫者端末4及び入庫者端末5に送信する(ステップS31)。
【0048】
出庫者端末4は、この判定結果を受信すると、その判定結果を表示部43に表示する(ステップS32)。入庫者端末5は、この判定結果を受信すると、その判定結果を表示部53に表示する(ステップS33)。この判定結果が制限時間t1を超えている場合には、出庫者はその理由及び対応状況を管理センタサーバ3へ報告し、入庫者はより一層入念な入庫検収を行なうように定めておく。このようにすることによって、より一層セキュリティの高いものとすることができる。
【0049】
次いで、一次検収入庫者は、出庫された際に格納されていた保管バケット8とは異なる保管バケット8にホルダー9を格納する。一次検収入庫者は、この状態の保管バケット8より一次検収ロケーション情報を収集し、その一次検収ロケーション情報を表示部53に表示すると共に、問題がない場合にその一次検収ロケーション情報を管理センタサーバ3に送信する(ステップS34)。一次検収入庫者は表示された一次検収ロケーション情報と実際の状態とを比較して検収し、問題がない場合には管理センタサーバ3への送信を行ない、問題がある場合には一次検収をやり直す。この一次検収ロケーション情報の収集には、一次検収入庫者が当該保管バケット8に係るバケット識別ラベル8a及びホルダー識別ラベル9aを入庫者ハンディターミナル5aで読取ったバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を生成することが含まれる。
【0050】
管理センタサーバ3は、その収集結果を受信すると、その一次検収ロケーション情報を記憶部34に記憶し(ステップS35)、ステップ19で記憶したバケット識別ラベル情報と今回記憶した一次検収ロケーション情報のバケット識別ラベル情報とを比較して保管バケット8の適否判定を行ない(ステップS36)、そのバケット判定結果を記憶部34に記憶すると共に入庫者端末5に送信する(ステップS37)。なお、このバケット判定結果が「否」判定の場合には、自動倉庫7へ当該保管バケット8を格納できないように管理センタサーバ3を制御する。入庫者端末5は、バケット判定結果を受信すると、そのバケット判定結果を表示部53に表示する(ステップS38)。一次検収入庫者は、表示された否判定に基づいて保管バケット8を取り替えてホルダー9を格納し、ステップ34に戻って同様の動作を行なう。このようにバケット判定をすることにより、機密書類11の閲覧作業をした出庫者はその機密書類11を格納した保管バケット8を認識することができず、ホルダー9を格納した一次検収入庫者は機密書類11の内容を把握できないこととなり、セキュリティを格段に高めることができる。
【0051】
一次入庫検収が終了した後、出庫者及び一次検収入庫者とは別人である二次検収入庫者が当該保管バケット8より二次検収ロケーション情報を収集し、その二次検収ロケーション情報を表示部53に表示し、問題がない場合にその二次検収ロケーション情報を管理センタサーバ3に送信する(ステップS39)。即ち、二次検収入庫者は、表示された二次検収ロケーション情報と実際の状態とを比較すると共に、表示部53に表示されたロケーション情報とも比較して二次検収し、問題がない場合には管理センタサーバ3への送信を行ない、問題がある場合には二次検収をやり直す。この二次検収ロケーション情報の収集には、二次検収入庫者が当該保管バケット8に係るバケット識別ラベル8a及びホルダー識別ラベル9aを入庫者ハンディターミナル5aで読取ったバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を含む入庫指示を生成することが含まれる。このように、入庫に際して複数回の検収を行なうことにより、信頼性の高い入庫を実現できる。
【0052】
管理センタサーバ3は、その二次検収ロケーション情報を受信すると、その二次検収ロケーション情報を記憶部34に記憶し(ステップS40)、自動倉庫7へ入庫指示を出す(ステップS41)。自動倉庫7は、この入庫指示を受信すると、コンベア装置13の入庫口に置かれた保管バケット8を入庫して任意の位置に保管し(ステップS42)、その保管位置を管理センタサーバ3に送信する(ステップS43)。管理センタサーバ3は、その保管位置を受信すると、記憶部34に記憶する(ステップS44)。
【0053】
本実施例によれば、利用者に負担をかけずに機密書類の入出庫セキュリティを高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施例の機密書類管理システムの構成図である。
【図2】本実施例の機密書類管理システム及び管理方法の概要説明図である。
【図3】本実施例の保管バスケットの斜視図である。
【図4】本実施例の管理センタサーバのハード構成図である。
【図5】本実施例の管理センタサーバの記憶部内ファイル構造図である。
【図6】本実施例の出庫者端末のハード構成図である。
【図7】本実施例の出庫者端末に付属する出庫者ハンディターミナルの斜視図である。
【図8】本実施例の入庫者端末のハード構成図である。
【図9】本実施例の入庫者端末に付属する入庫者ハンディターミナルの斜視図である。
【図10A】本実施例の機密書類管理方法の動作フローチャート図である。
【図10B】本実施例の機密書類管理方法の動作フローチャート図(続き)である。
【図10C】本実施例の機密書類管理方法の動作フローチャート図(続き)である。
【符号の説明】
【0055】
1、1a、1b…通信回線、2…利用者端末、3…管理センタサーバ、4…出庫者端末、4a…出庫者ハンディターミナル、5…入庫者端末、6…監視装置、7…自動倉庫、8…保管バケット、8a…バケット識別ラベル、8b…格納部、9…ホルダー、9a…ホルダー識別ラベル、9b…耳部、10…機密書類管理システム、11…機密書類、12…作業場、13…コンベア装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機密書類を格納する格納部と読取り可能に貼着されたホルダー識別ラベルとを備えるホルダーと、前記ホルダーを格納する格納部と読取り可能に貼着されたバケット識別ラベルとを備える保管バケットと、前記保管バケットを倉庫内の任意の位置に保管するフリーロケーション型の自動倉庫と、出庫者が管理する出庫者端末と、前記出庫者端末と独立して設置されると共に入庫者が管理する入庫者端末と、前記出庫者端末、前記入庫者端末及び前記自動倉庫に通信回線を介して接続される管理センタサーバとを備える機密書類管理システムを用いて、前記機密書類を管理する機密書類管理方法において、
出庫された前記保管バケットに係るバケット識別ラベル及びホルダー識別ラベルを前記出庫者端末で読取ってバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を含む出庫情報を生成して前記出庫者端末から前記管理センタサーバに送信する工程と、
入庫する前記保管バケットに係るバケット識別ラベル及びホルダー識別ラベルを前記入庫者端末で読取ってバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を含む入庫指示を生成して前記管理センタサーバに送信する工程と、
この送信された入庫指示に含まれたバケット識別ラベル情報とホルダー識別ラベル情報との組合せが以前に送信された出庫情報の組合せと同じであるかを前記管理センタサーバで判定する工程と、
その判定結果を前記管理センタサーバから前記入庫者端末に送信する工程とを有する
ことを特徴とする機密書類管理方法。
【請求項2】
機密書類を格納する格納部と読取り可能に貼着されたホルダー識別ラベルとを備えるホルダーと、
前記ホルダーを格納する格納部と読取り可能に貼着されたバケット識別ラベルとを備える保管バケットと、
前記保管バケットを倉庫内の任意の位置に保管するフリーロケーション型の自動倉庫と、
出庫者が管理する出庫者端末と、
前記出庫者端末と独立して設置されると共に入庫者が管理する入庫者端末と、
前記出庫者端末、前記入庫者端末及び前記自動倉庫に通信回線を介して接続される管理センタサーバとを備える機密書類管理システムにおいて、
前記出庫者端末は出庫された前記保管バケットに係るバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を含む出庫情報を生成して前記管理センタサーバに出す機能を有し、
前記入庫者端末は、入庫する前記保管バケットに係るバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を含む入庫指示を生成して前記管理センタサーバに出す機能を有し、
前記管理センタサーバは、前記入庫者端末からの入庫指示に含まれたバケット識別ラベル情報とホルダー識別ラベル情報との組合せが以前に出庫した前記保管バケットに係る組合せと同じであるかを判定する機能と、その判定結果を前記入庫者端末に出す機能とを有する
ことを特徴とする機密書類管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の機密書類管理システムにおいて、前記入庫者端末からの入庫指示に含まれたバケット識別ラベル情報とホルダー識別ラベル情報との組合せと以前に出庫した前記保管バケットに係る組合せとが同じである判定の場合に、前記入庫者端末からの当該入庫指示に基づく前記自動倉庫への入庫指示を出さないようにする機能を備えることを特徴とする機密書類管理システム。
【請求項4】
請求項2に記載の機密書類管理システムにおいて、前記出庫者端末は前記識別ラベル及び前記ホルダー識別ラベルを読取る機能を有する出庫者ハンディターミナルを付属して備え、前記入庫者端末は前記識別ラベル及び前記ホルダー識別ラベルを読取る機能を有する入庫者ハンディターミナルを付属して備えることを特徴とする機密書類管理システム。
【請求項5】
請求項3に記載の機密書類管理システムにおいて、出庫者ハンディターミナルは前記自動倉庫への出庫指示を入力する機能を備え、前記入庫者ハンディターミナルは前記自動倉庫への入庫指示を入力する機能を備えることを特徴とする機密書類管理システム。
【請求項6】
機密書類を格納する格納部と読取り可能に貼着されたホルダー識別ラベルとを備えるホルダーと、
前記ホルダーを格納する格納部と読取り可能に貼着されたバケット識別ラベルとを備える保管バケットと、
前記保管バケットを倉庫内の任意の位置に保管するフリーロケーション型の自動倉庫と、
出庫者が管理する出庫者端末と、
前記出庫者端末と独立して設置されると共に入庫者が管理する入庫者端末と、
前記出庫者端末及び前記入庫者端末が設置され且つ前記機密書類を用いた作業が行なわれる作業場を監視する監視装置と、
前記出庫者端末、前記入庫者端末、前記自動倉庫及び利用者端末に通信回線を介して接続される管理センタサーバとを備える機密書類管理システムにおいて、
前記ホルダーは読取り可能に貼着されたホルダー識別ラベルを備え、
前記保管バケットは、前記ホルダーを格納する格納部と、読取り可能に貼着されたバケット識別ラベルとを備え、
前記自動倉庫は前記保管バケットを倉庫内の任意の位置に保管するフリーロケーション型自動倉庫で構成され、
前記出庫者端末は、前記バケット識別ラベル及び前記ホルダー識別ラベルを読取る機能と、前記管理センタサーバからの指示に基づいて出庫者が入力した出庫指示を前記管理センタサーバに出す機能と、出庫された前記保管バケットに係るバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を含む出庫情報を生成して前記管理センタサーバに出す機能とを有し、
前記入庫者端末は、前記バケット識別ラベル及び前記ホルダー識別ラベルを読取る機能と、入庫する前記保管バケットに係るバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を含む入庫指示を生成して前記管理センタサーバに出す機能とを有し、
前記管理センタサーバは、前記保管バケットの保管を委任した利用者が管理する前記利用者端末からの指示に基づいて前記出庫者端末に指示を出す機能と、前記出庫者端末からの出庫指示に基づいて前記自動倉庫に当該保管バケットの出庫指示を出す機能と、前記入庫者端末からの入庫指示に含まれたバケット識別ラベル情報とホルダー識別ラベル情報との組合せが以前に出庫した前記保管バケットに係る組合せと同じであるかを判定する機能と、その判定結果が同じ組合せでない場合に前記自動倉庫に当該保管バケットの入庫指示を出すと共にその判定結果が同じ組合せである場合に前記入庫者端末に入庫不許可通知を出す機能とを有する、
機密書類管理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の機密書類管理システムにおいて、前記監視装置は、前記作業場の作業状況を撮影する複数の監視カメラと、前記監視カメラを制御する制御装置とを備えることを特徴とする機密書類管理システム。
【請求項1】
機密書類を格納する格納部と読取り可能に貼着されたホルダー識別ラベルとを備えるホルダーと、前記ホルダーを格納する格納部と読取り可能に貼着されたバケット識別ラベルとを備える保管バケットと、前記保管バケットを倉庫内の任意の位置に保管するフリーロケーション型の自動倉庫と、出庫者が管理する出庫者端末と、前記出庫者端末と独立して設置されると共に入庫者が管理する入庫者端末と、前記出庫者端末、前記入庫者端末及び前記自動倉庫に通信回線を介して接続される管理センタサーバとを備える機密書類管理システムを用いて、前記機密書類を管理する機密書類管理方法において、
出庫された前記保管バケットに係るバケット識別ラベル及びホルダー識別ラベルを前記出庫者端末で読取ってバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を含む出庫情報を生成して前記出庫者端末から前記管理センタサーバに送信する工程と、
入庫する前記保管バケットに係るバケット識別ラベル及びホルダー識別ラベルを前記入庫者端末で読取ってバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を含む入庫指示を生成して前記管理センタサーバに送信する工程と、
この送信された入庫指示に含まれたバケット識別ラベル情報とホルダー識別ラベル情報との組合せが以前に送信された出庫情報の組合せと同じであるかを前記管理センタサーバで判定する工程と、
その判定結果を前記管理センタサーバから前記入庫者端末に送信する工程とを有する
ことを特徴とする機密書類管理方法。
【請求項2】
機密書類を格納する格納部と読取り可能に貼着されたホルダー識別ラベルとを備えるホルダーと、
前記ホルダーを格納する格納部と読取り可能に貼着されたバケット識別ラベルとを備える保管バケットと、
前記保管バケットを倉庫内の任意の位置に保管するフリーロケーション型の自動倉庫と、
出庫者が管理する出庫者端末と、
前記出庫者端末と独立して設置されると共に入庫者が管理する入庫者端末と、
前記出庫者端末、前記入庫者端末及び前記自動倉庫に通信回線を介して接続される管理センタサーバとを備える機密書類管理システムにおいて、
前記出庫者端末は出庫された前記保管バケットに係るバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を含む出庫情報を生成して前記管理センタサーバに出す機能を有し、
前記入庫者端末は、入庫する前記保管バケットに係るバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を含む入庫指示を生成して前記管理センタサーバに出す機能を有し、
前記管理センタサーバは、前記入庫者端末からの入庫指示に含まれたバケット識別ラベル情報とホルダー識別ラベル情報との組合せが以前に出庫した前記保管バケットに係る組合せと同じであるかを判定する機能と、その判定結果を前記入庫者端末に出す機能とを有する
ことを特徴とする機密書類管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の機密書類管理システムにおいて、前記入庫者端末からの入庫指示に含まれたバケット識別ラベル情報とホルダー識別ラベル情報との組合せと以前に出庫した前記保管バケットに係る組合せとが同じである判定の場合に、前記入庫者端末からの当該入庫指示に基づく前記自動倉庫への入庫指示を出さないようにする機能を備えることを特徴とする機密書類管理システム。
【請求項4】
請求項2に記載の機密書類管理システムにおいて、前記出庫者端末は前記識別ラベル及び前記ホルダー識別ラベルを読取る機能を有する出庫者ハンディターミナルを付属して備え、前記入庫者端末は前記識別ラベル及び前記ホルダー識別ラベルを読取る機能を有する入庫者ハンディターミナルを付属して備えることを特徴とする機密書類管理システム。
【請求項5】
請求項3に記載の機密書類管理システムにおいて、出庫者ハンディターミナルは前記自動倉庫への出庫指示を入力する機能を備え、前記入庫者ハンディターミナルは前記自動倉庫への入庫指示を入力する機能を備えることを特徴とする機密書類管理システム。
【請求項6】
機密書類を格納する格納部と読取り可能に貼着されたホルダー識別ラベルとを備えるホルダーと、
前記ホルダーを格納する格納部と読取り可能に貼着されたバケット識別ラベルとを備える保管バケットと、
前記保管バケットを倉庫内の任意の位置に保管するフリーロケーション型の自動倉庫と、
出庫者が管理する出庫者端末と、
前記出庫者端末と独立して設置されると共に入庫者が管理する入庫者端末と、
前記出庫者端末及び前記入庫者端末が設置され且つ前記機密書類を用いた作業が行なわれる作業場を監視する監視装置と、
前記出庫者端末、前記入庫者端末、前記自動倉庫及び利用者端末に通信回線を介して接続される管理センタサーバとを備える機密書類管理システムにおいて、
前記ホルダーは読取り可能に貼着されたホルダー識別ラベルを備え、
前記保管バケットは、前記ホルダーを格納する格納部と、読取り可能に貼着されたバケット識別ラベルとを備え、
前記自動倉庫は前記保管バケットを倉庫内の任意の位置に保管するフリーロケーション型自動倉庫で構成され、
前記出庫者端末は、前記バケット識別ラベル及び前記ホルダー識別ラベルを読取る機能と、前記管理センタサーバからの指示に基づいて出庫者が入力した出庫指示を前記管理センタサーバに出す機能と、出庫された前記保管バケットに係るバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を含む出庫情報を生成して前記管理センタサーバに出す機能とを有し、
前記入庫者端末は、前記バケット識別ラベル及び前記ホルダー識別ラベルを読取る機能と、入庫する前記保管バケットに係るバケット識別ラベル情報及びホルダー識別ラベル情報を含む入庫指示を生成して前記管理センタサーバに出す機能とを有し、
前記管理センタサーバは、前記保管バケットの保管を委任した利用者が管理する前記利用者端末からの指示に基づいて前記出庫者端末に指示を出す機能と、前記出庫者端末からの出庫指示に基づいて前記自動倉庫に当該保管バケットの出庫指示を出す機能と、前記入庫者端末からの入庫指示に含まれたバケット識別ラベル情報とホルダー識別ラベル情報との組合せが以前に出庫した前記保管バケットに係る組合せと同じであるかを判定する機能と、その判定結果が同じ組合せでない場合に前記自動倉庫に当該保管バケットの入庫指示を出すと共にその判定結果が同じ組合せである場合に前記入庫者端末に入庫不許可通知を出す機能とを有する、
機密書類管理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の機密書類管理システムにおいて、前記監視装置は、前記作業場の作業状況を撮影する複数の監視カメラと、前記監視カメラを制御する制御装置とを備えることを特徴とする機密書類管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【公開番号】特開2006−176234(P2006−176234A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−368986(P2004−368986)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【出願人】(000153546)株式会社日立物流 (23)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【出願人】(000153546)株式会社日立物流 (23)
【Fターム(参考)】
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