説明

機能単位連携対応機器ネットワーク

【課題】情報管理などの機能を持つネットワーク機器およびネットワークサービスを提供する。
【解決手段】他のネットワーク端末と通信を行う通信手段1と、現在のネットワークを構成している機器に関する情報を管理する機器情報管理部7と、他のネットワーク機器へ送信するための自端末に関する情報を保存する端末情報保存部15と、ネットワークに接続された機器を制御する機器制御部5と、ネットワークを通じて送られてきた要求、負荷状況を監視するネットワーク監視部3と、を有する。要求されたサービス内容に応じて、ネットワークに接続されている機器の所有している機能単位でコントロールを行う。ネットワーク上に接続されている機器の機能単位での連携を可能とし、消費電力の削減、リソースの有効活用、ネットワーク負荷、機器の処理負荷を最適にすることができる機器及びネットワークサービスである

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに接続される機器を機能単位で制御し、効率的にユーザーからの要求を処理できるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家庭内に設けられるさまざまな機器がネットワークで接続され、互いに連携して動作したり、離れた場所からリモートで機器を操作することができるネットワーク端末が増えてきている。従来の技術では、ユーザーからの要求を実現するために別の機器からネットワークに接続されたある機器を機器単位で制御していた。要求を処理するための機器の電源操作についても、すべての機器をONにするか、決まった時間に電源が入るようにユーザーが事前に設定しなければならなかった。
【0003】
また、下記特許文献1に記載の技術では、不要なモジュールの電源を操作することを開示している。
【0004】
【特許文献1】特開平11−143594号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のような、機器単位の制御では、不要な機能も動作してしまうため、その分だけ消費電力が無駄になり、また、機器内のひとつの機能が動いているために他の機能が使えないなどの多機能な機器でも単機能として動いてしまうという問題があった。また、上記の特許文献1に記載の技術は、あくまでユーザー操作による電源の操作に関するものであり、ユーザーから発行される様々な要求に対して、適時、対応するものではない。
【0006】
本発明では、よりきめ細かな制御を行うことができるネットワーク端末制御を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のネットワーク端末は、他のネットワーク端末と通信を行う通信手段と、現在のネットワークを構成している機器に関する情報を管理する機器情報管理部と、他のネットワーク機器へ送信するための自端末に関する情報を保存する端末情報保存部と、ネットワークに接続された機器を制御する機器制御部と、ネットワークを通じて送られてきた要求、負荷状況を監視するネットワーク監視部を有するネットワーク端末であって、自端末に関する情報として、機能リストと、その機能を実現するために必要なリソース情報を保存しているネットワーク端末である。
【0008】
このようなネットワーク端末で構成されたネットワークにおいて、ユーザーからの要求に応じて電源の入っている機器間で役割を適宜分散し、要求を実行するために必要最低限の機器の機能だけを使用する。1台で可能な処理ならば1台だけで処理を行う。
電源が入っている機器で対応できない要求を処理する必要が発生した場合は、管理しているネットワーク機器の情報から要求を実行できる機能を持つ機器を一時的に電源を入れ処理を行い、処理完了後に再び電源を切る。要求を実現できる機能を持つ機器を管理できない端末は、それを管理しているサーバに処理をお願いし代理実行してもらうことで、要求を実行する。
【0009】
このようなやり取りを実行するための機器の機能情報として、処理能力や機能、消費電力を管理するが、それらの管理情報を相互に交換することで、ネットワークを構成している機器の機能について認識することができる。
【0010】
新しくネットワークに追加された機器は、初めて接続された時点で、これらの情報を互いにやり取りすることで、本発明の機能を実行することができる。また、ネットワークに追加された時点で、サーバにこれらの情報を登録、更新する機能も持つ。
【発明の効果】
【0011】
機器単位での制御ではなく、機器が持っている機能単位での制御を行うことで、機器が持つ機能を有効に活用し、かつ、消費電力もできる限り抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態による機能単位連携対応機器ネットワークシステムについて図面を参照しながら説明を行う。図1は、本発明の第1の実施の形態によるシステムに用いられているネットワーク端末の一構成例を簡略化して示す機能ブロック図である。図1に示すように、ネットワーク端末Aは、自己のネットワークに属する機器に加えて他のネットワークに属する機器群との間でも通信を行うことができる通信手段1と、ネットワークの状態を監視するネットワーク監視部3と、ネットワーク内の機器の制御を行う機器制御部5と、ネットワークを構成する機器の情報を管理する機器情報管理部7と、ユーザ操作と操作の確認等を行うための入出力手段11と、自端末の情報を保存する端末情報保存部15と、端末における各処理を行うためのプログラム等を格納するメモリ17と、全体を制御するCPU21と、を有している。
【0013】
図2は、機器情報管理部7に格納されているネットワーク機器(端末)の情報例を示すネットワーク機器リストである。図3は、ネットワークの一構成例を示す図である。図3に示すように、本実施の形態によるネットワークは、例えば、家庭内に設置されている複数の機器を接続する家庭内LAN41と、LAN41により接続されている冷蔵庫43、ノート型パーソナルコンピュータ(ノートPC)45と、DVDレコーダ47と、デスクトップPC51と、サーバ53と、を有しており、家庭内ネットワーク41と外部との間にゲートウェイGW35が設けられている。一方、インターネット31などの外部ネットワークと、ゲートウェイGW35と、を介して、上記各種の機器と携帯端末33と、が通信可能に構成されている。携帯端末33は、詳細に関する説明は省略するが、一般的な通信部と、表示部と、記憶部と、制御部と、入力部と、を有していれば良い。
【0014】
図2に示すように、ネットワーク機器リストは、少なくともネットワーク内において機器をユニークに識別する機器IDと、機器名と、電源情報と、機能情報(処理能力)と、リソース情報(リソース、消費電力等)と、を有している。
【0015】
尚、リソースとは、本明細書においては、各端末が持っている機能を実現するために必要なリソースのことあり、図2に例示されているが、消費電力もそのうちの1つである。その他、CPUの処理能力(どれくらいの処理能力が必要であるか)、記憶装置(ハードディスプレイHDD、メモリカード)の有無及び容量等、消費電力(最大・最小、待機時、省エネモード時など詳細になっているケースがある)、情報資源(温度、湿度)などが挙げられる。
【0016】
例えば、機器IDが0001の冷蔵庫では、電源情報が常時オンであり、機能情報が、冷却、通信、温度制御、内容物、ネットワークへの接続機能などであり、平均消費電力が150Wである。機器IDが0002のパーソナルコンピュータ(PC)では、電源情報が随時オンであり、機能情報が動画再生機能の場合には、リソース情報が、ネットワークへの接続、CPU能力、メモリ容量、動作時平均電力が150Wである。一方、機能情報が動画記録の場合には、リソース情報が、CPU能力、メモリ容量、記憶装置、ネットワークへの接続であり、消費電力が150Wである。以下、同様のデータ構造を有している。
【0017】
この消費電力は、動作時において平均150Wであることを示している。デスクトップPC(0002)は、電源情報が随時オン、すなわち、ユーザ操作によりオンされたりオフされたりするため、基本的にはオン時間を特定することはできない。その他の機器についても、同様であり、本実施の形態による機能単位連携対応機器ネットワークシステムにおいては、あるネットワーク機器がネットワークに接続された場合、後述する処理シーケンスを行うことにより、自身が持つ機能情報をネットワーク機器リストに登録されるようになっている。
尚、ネットワーク機器リストは、機器情報管理部に所持されているのが好ましい。
【0018】
図3に示すように、本実施の形態による機能単位連携対応機器ネットワークシステムでは、何も要求がない場合(これを「通常状態」と呼ぶ。)には、要求を受け付けることができる機器(斜線を付された機器、図3の例では、GW35(常時オン)の他には冷蔵庫43)だけの電源をONにしておくだけでよい。尚、もし、このような機能を持つ機器が複数台あった場合には、例えば、最も消費電力の小さい機器又は常時オンの機器のみの電源をONにすることで消費電力を抑えたり、要求受付を見逃さないようにすることができる。すなわち、図3に示すように、ネットワークが通常状態にある時に、ユーザーから1つの要求があった場合、図3のようなネットワーク構成をしているネットワークでは、通常状態時に電源の入っている冷蔵庫43がネットワークを監視しており、その冷蔵庫がユーザーからの要求を受け付けることになる。この冷蔵庫のようにネットワークを監視する主体となる機器(端末)を主管理機器と称する。
【0019】
ここで、図4に示すように、ユーザーが外部の携帯端末33からネットワーク内にあるサーバ53に対して1つの動作再生要求を行った場合を考える。まず、その要求は、ネットワークを常時監視している冷蔵庫43が受け付ける。要求を受け付けた冷蔵庫43は、動作再生が、自身では実行することができない要求であることを判断し、そこで、その要求が実行できる機能を持つ機器を、ネットワークを管理しているネットワーク機器管理情報リスト内から探す処理を行う。尚、冷蔵庫43自身には、ネットワーク機器管理情報リストが記憶されていない場合には、リストを管理しているネットワーク上の機器であるサーバ53に機器の選定を依頼することもできる。ネットワーク機器管理情報リストに基づいて、ユーザーの携帯端末33からの要求を実行することができ、かつ、最も使用するリソース又は消費電力が小さい機器を選択して、その機器の電源とファイルが保管されているサーバ53の電源をONにする。ここでは、再生機能を有するDVDレコーダ47が選択され(斜線参照)、DVDレコーダ47に対して動画のデコード処理が要求される。デコードされたデータは、冷蔵庫43が受け取り、GW35を介してそれを携帯端末33へ転送される。処理が完了すると、再び通常状態へ戻り(図3)、ユーザーからの要求を待つ。
【0020】
次に、複数の動画再生要求があった場合は考える(図5)。上述した1つの動画再生要求があった場合で、DVDレコーダ47が選択され、DVDレコーダ47に対してデコード処理が実行されている時に、同じくサーバ53に保管されている別のファイルの再生がノートPC45から要求された場合、要求を受け付けた冷蔵庫43は、使用中のDVDレコーダ47以外で要求された処理を実行できる機器をネットワーク機器管理情報リストから探す。または、サーバ53に管理されているリストから選択する。ここではPC51が選択され、PC51に対して動画のデコード処理を要求するか、または、サーバ53から要求してもらう。今度は、同じネットワーク内にある機器からの要求であるため、冷蔵庫43はPC51に対して、デコードしたデータを要求元であるノートPC45に送信するように指示する。デコード処理が完了すると、処理が終了し不要となったPC51の電源はOFFにされ、もう1つの動画再生要求(DVDレコーダへの)も完了していれば、通常状態へ戻る。
【0021】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する、第1の実施の形態では、冷蔵庫43が要求を受け付けていたが、第2の実施の形態では、ネットワーク付加が高くなり、要求のハンドリングにより高性能な機器が必要となった場合を説明する、その場合には、要求を受け付ける機器を冷蔵庫43から別の機器へ変更することで要求の処理に問題が発生しないようにする。
【0022】
本実施の形態では、複数の異なる要求があった場合を考える。図5では、動画再生要求が複数あったために、動作を再生できる機器のうち、消費電力が小さいものを下から選び、それらの機器を用いて要求を処理した。
【0023】
ここでは、動作再生要求と録画要求が同時に来た場合を考える。1つめの動作再生要求は要求を実現する最小のリソース構成となる図4の形態で実行される。この状態で、新規の動画録画要求が行われると、ネットワークを監視している冷蔵庫43は、録画機能を持つ機器を探し、図4の構成では、DVDレコーダ47、PC51、ノートPC45があるとすると(図2とは異なる構成である)、このうちで消費電力が75Wと最低のDVDレコーダ47を選択する。DVDレコーダ47は、動画再生処理を実行中であるが、本実施の形態による機器では、機能単位での制御が可能であるため、動画再生処理とは異なる録画機能に関する電源をONにし、録画を開始する。ここで、再生要求が先に終了した場合、冷蔵庫43は、再生機能についてはDVDレコーダ47の電源OFFを要求し、DVDレコーダ47は再生機能に関するリソースのみを解放し、その電源を落とす。その後、録画要求が終了すると、冷蔵庫43は、DVDレコーダ47に対しては、他に要求を投げていないために、全体の電源を落とすように要求し、DVDレコーダ47は機器を維持するための最低限の状態に戻る。
【0024】
このように、機能単位で制御できるようにすることで、ネットワークを構成している機器の持つ複数の機能を有効に活用でき、かつ、消費電力の面でも有利にすることができる。
【0025】
以下、処理の詳細について、図6から図11までのフローチャート図を参照しながら説明する。図6に示すように、機器のネットワークへの登録処理を開始し(スタート:ステップS1)、ステップS2においてネットワーク機器(端末)をネットワークに接続すると、ステップS3において、接続するネットワーク機器に保存しているネットワーク機器管理情報をネットワークの例えばGW又は冷蔵庫などの主管理機器に送信する。次いで、ステップS4において、GW又は主管理機器において、ネットワークに参加したい他のネットワーク機器からのネットワーク機器情報を保管できるかどうかを判定し、YESであれば、ステップS5に進み、ネットワークに参加したい他のネットワーク機器(端末)からネットワーク機器管理情報の一部又は全部を受信し、リストに加えることにより、登録処理を終了する(ステップS6)。このようにして、ネットワークに新たな機器を登録することができる。
【0026】
次に、図7を参照して、ネットワーク構成における、処理要求があった場合にその処理要求を受付ける手順について説明する。まず、ステップS11の通常状態にある場合において、要求を受け付け可能な機器があるか否かを判定する(ステップS12)。要求を受け付け可能な機器がない場合には、ある時間だけそのような機器を検索することになる。要求を受け付け可能な機器がある場合には(YES)、ステップS13に進み要求を受け付け可能な機器が1台か複数台かを判定する。複数台の場合には(NO)、ステップS14に進み、例えば消費電力が最小の機器1を選択する。次いで、ステップS13でYESの場合とともに、ステップS15において、ユーザが所持する外部携帯端末からの要求を受付けるための上記主管理機器を特定し(例では冷蔵庫)、主管理機器特定処理を終了する(ステップS16)。この状態が図3の状態である。
【0027】
次いで、図8に示すように、外部携帯端末からの処理要求を受けると(ステップS21)、ステップS22において、要求受付機器である主管理機器に対してGWが要求を送信する。ステップS23において、主管理機器自身で要求された処理を主管理機器自身で実行可能であるか否かを判定する(ステップS23)。YESであればステップS24でその処理を実行して、その結果をGW経由で外部携帯端末へ返す。NOであれば、ステップS25において、ネットワークを構成する他の機器のうちから、ネットワーク機器リストを参照して実行可能な機器を検索する。その結果、ステップS26において、機器がなければ(NO)、ステップS33に進み処理が終了し、例えば実行できない旨のメッセージを外部携帯端末へ返す。
【0028】
YESであれば、ステップS27に進み、機器が2台以上あるか否かを判定し、YESであれば、ステップS28において、例えば使用するリソース・消費電力が小さき機器を選択し、NOの場合とともに、ステップS29に進む。ステップS29において、検索機器に処理依頼を行い、ステップS30において、処理結果を主管理機器が取得し、ステップS31でGWを介して外部携帯端末に送信し、処理を終了する。
【0029】
図9は同種の処理要求があった場合の処理の流れを示すフローチャート図である。図9に示すように、ステップS41において、外部携帯端末から複数の同種の処理要求が一度に又は連続してあった場合に、ステップS42において処理可能な機器が2台以上あるか否かを判定する。NOの場合には、処理中の機器があるか否かを判定し(ステップS43)、NOの場合にはその処理を行わせる(ステップS46)。YESの場合には、処理終了まで待つか否かを判定するための外部端末への選択を促すメッセージを送り(ステップS45)、待つ場合(YES)にはステップステップS46へ、待たない場合にはステップS47で処理を終了する。
【0030】
ステップS48に進む場合には、処理中でない機器がない場合には(NO)ステップS45に進む。処理中でない機器がある場合には(YES)ステップS49に進み、その機器に処理を依頼する。次いで、ステップS50において、処理結果を取得し、ステップS51においてその結果をGW経由で外部携帯端末へ返し、処理を終了する(ステップS52)。
【0031】
図10は異種の処理要求があった場合の処理の流れを示すフローチャート図である。図10に示すように、ステップS61において、外部携帯端末から複数の異種の処理要求が一度に又は連続してあった場合に、ステップS62において、それぞれの処理可能な機器が2台以上あるか否か(或いは、異なる処理をできる機器が1台ずつあっても良い)、ステップS63で処理依頼を行う。YESの場合には、ステップS64において最小のリソース又は消費電力の機器から選択する。ステップS65において、選択した機器が処理を実行中であるか否かを判定する。NOの場合には、処理以来を行う(ステップS66)。YESの場合には、ステップS67に進み、機能単位で実行可能であるか否かを判定し、NOである場合には、処理を終了する(ステップS68)。
【0032】
YESの場合には、ステップS67に進み、機能単位で実行可能か否かを判定し、NOの場合には、処理を終了する。YESの場合には、ステップS69に進み処理依頼を行う。次いで、ステップS70において、処理依頼された機器は、処理が終了した毎にリソースを解除し、機器の電源をOFFする。次いで、処理終了の知らせを取得し(ステップS71)、ステップS72において、GWを介して外部携帯端末へ処理結果を送信し、ステップS73において処理を終了する(エンド)。
【0033】
図11は、現在の主管理機器が処理要求の条件に沿ったハンドリングすることができなくなった場合における処理の流れを示すフローチャート図である。図11に示すように、ステップS81において、外部端末から複数の処理要求が一度に又は連続してあった場合に、ステップS82において、GWは主管理機器へ受け取った要求を送信する。そのとき、S83において、自身が受け取った要求の条件を満たしたハンドリングをすることが可能であるか否かを判断し、YESであれば処理を依頼する。NOの場合には、ステップS85において、管理しているネットワーク機器リスト(またはサーバで管理されているネットワーク機器リスト)から自身よりもCPU能力の高い主管理機器になれる主管理機器候補を検索し、ステップS86において変更可能な主管理機器候補が存在すれば、ステップS87において、受けている要求は、その主管理機器候補に対してすべて送信するようにして主管理機器を変更し処理を終了する(ステップS88)。この際、新たに主管理機器になったネットワーク端末が、自分が主管理機器になったことをネットワーク上の各機器にブロードキャストする。ステップS86でNOの場合には、ステップS89に進み、要求条件を変更すれば自己が実行可能か否かを判定する。NOの場合には、ステップS90に進みエラーを返す。YESの場合には、ステップS91に進み、現行の主管理機器が継続して主管理機器として要求をハンドリングする(ステップS91)。この際、要求条件を満たせない場合であるため、要求条件を低くして(例えば、処理時間を長くしたりする)、自己処理を行う(ステップS92)。
【0034】
このように、本実施の形態では、ユーザーは、所有しているネットワーク機器の機能を無駄にすることなく、共有することができる。機能単位での機器制御が可能なため、不要な機能は休止することができ、また利用したい機能についても、その機能を実現するために消費電力かからないものから優先的に使用することで消費電力も抑えることができるという利点を有する。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、ホームネットワークシステムに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるシステムに用いられているネットワーク端末の一構成例を簡略化して示す機能ブロック図である。
【図2】機器情報管理部7に格納されているネットワーク機器の情報例を示すネットワーク機器リストである。図3は、ネットワークの一構成例を示す図である。
【図3】図1に示すネットワーク端末を含んで構成されるネットワークにおいて、ユーザーからの要求がない通常状態を示す系統図である。
【図4】図1に示すネットワーク端末を含んで構成されるネットワークにおいて、ユーザーから1つの動画再生要求があった状態を示す系統図である。
【図5】図1に示すネットワーク端末で構成されるネットワークにおいて、ユーザーから複数の動画再生要求があった状態を示す系統図である。
【図6】機器のネットワークへの登録処理の流れを示すフローチャート図である。
【図7】ネットワーク構成における、処理要求があった場合にその処理要求を受付ける手順を示すフローチャート図である。
【図8】外部携帯端末からの処理要求を受けた際における処理の流れを示すフローチャート図である。
【図9】同種の処理要求があった場合の処理の流れを示すフローチャート図である。
【図10】異種の処理要求があった場合の処理の流れを示すフローチャート図である。
【図11】主管理機器が要求をハンドリングできなくなった場合の処理の流れを示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0037】
1…通信手段、3…ネットワーク監視部、5…機器制御部、7…機器情報管理部、15…端末情報保存部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己のネットワークに属する第1の機器群と通信を行うとともに、他のネットワークに属する第2の機器群とも通信を行う通信部と、
前記第1の機器群に含まれる機器の機器情報を管理する機器情報管理部と、
前記第2の機器群に属する前記第2の機器群へ送信するための自己の機器情報を保存する端末情報保存部と、
第1のネットワークに接続された前記第1の機器群を制御する機器制御部と、
ネットワークを通じて送られてきた要求と、負荷状況と、を監視するネットワーク監視部と、を有し、
前記自端末に関するネットワーク機器の管理情報として、それぞれの機器の有する機能情報と、該機能を実現するために必要なリソース情報と、の組を保存していることを特徴とする機能単位連携対応機器。
【請求項2】
前記機能情報は、機器が有している機能と、該機器の該機能に関する処理能力を保管し、前記リソース情報として、各機能を実現するために必要なリソース、消費電力の情報を保管していることを特徴とする請求項1に記載の機能単位連携対応機器。
【請求項3】
保管されている前記ネットワークに接続されている各機器の機器情報に基づいて、各機器を制御することができる機器制御部によって、要求された処理すべき機能を現行のネットワーク構成で最適に制御する機器制御部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の機能単位連携対応機器。
【請求項4】
前記機能情報と前記リソース情報とに基づいて、前記自己のネットワークを監視する主体となる機器を前記自己のネットワークの主管理機器として定めることを特徴とする請求項3に記載の機能単位連携対応機器。
【請求項5】
前記ネットワーク内における電源オンの時間が長い機器を前記自己のネットワークの主管理機器として定めることを特徴とする請求項3に記載の機能単位連携対応機器。
【請求項6】
同種の機能の複数の処理要求があった場合に、該同種の機能を処理可能な機器が複数存在するか否かを判定し、存在する場合には、それぞれの機能の処理を振り分けることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の機能単位連携対応機器。
【請求項7】
異種の複数の機能の処理要求があった場合に、該異種の機能を処理可能な機器が存在するか否かを判定し、存在する場合には、それぞれの機能の処理を振り分けることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の機能単位連携対応機器。
【請求項8】
処理が終了すると、該処理を行っていた機器のリソースを開放することを特徴とする請求項6又は7に記載の機能単位連携対応機器。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか1項に記載の機能単位連携対応機器を含むネットワークシステムであって、
該ネットワーク内外から送信される情報を集中管理し、必要に応じて管理している情報を用いて、前記ネットワーク機器を制御する機能を有するサーバ装置を有することを特徴とするネットワークシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−123041(P2009−123041A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−297433(P2007−297433)
【出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】