止水リングの製造方法
【課題】十分な止水性能を備えるとともに、小径のスリーブ管などの管体に装着可能な無端環形状の止水リングを得ることの可能な止水リングの製造方法を提供する。
【解決手段】非水膨張性ゴムよりなり発泡状態の発泡部3を有し、発泡部3の外周を水膨張性ゴムにて被覆するように水膨張部5を一体形成し、所定の断面形状とされる無端環状の止水リング1の製造方法であって、発泡部3となる発泡剤を含有する非水膨張性ゴム素材を芯とし、その周囲を水膨張性ゴム素材が覆い水膨張部5となるように、金型にて一体とし、未加硫,未発泡の状態で断面所定形状の紐状体として押出成形し、紐状体を所定の長さで切断し、切断面よりなる端面7,7同士を接着剤で接合して環状体13とし、環状体13をリング状金型15に装入し、環状体13をリング状金型15内にて加熱し、加硫及び発泡させ、無端環形状の止水リング1を得る。
【解決手段】非水膨張性ゴムよりなり発泡状態の発泡部3を有し、発泡部3の外周を水膨張性ゴムにて被覆するように水膨張部5を一体形成し、所定の断面形状とされる無端環状の止水リング1の製造方法であって、発泡部3となる発泡剤を含有する非水膨張性ゴム素材を芯とし、その周囲を水膨張性ゴム素材が覆い水膨張部5となるように、金型にて一体とし、未加硫,未発泡の状態で断面所定形状の紐状体として押出成形し、紐状体を所定の長さで切断し、切断面よりなる端面7,7同士を接着剤で接合して環状体13とし、環状体13をリング状金型15に装入し、環状体13をリング状金型15内にて加熱し、加硫及び発泡させ、無端環形状の止水リング1を得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート構造物とスリーブ管との打継部などに配設されスリーブ管の外周面を通じた漏水を防止する止水リングの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンクリート構造物に穿設される貫通穴と、この貫通穴に挿着されるスリーブ管との打継部には止水リングが介設され、スリーブ管の外周面を通じるコンクリート構造物内部への浸水、或いはコンクリート構造物の外への漏水などが防止される。この止水リングは、押出成形にて得られる断面所定形状の加硫ゴム製品を、所定長さで切断し、両端面同士を加硫ゴム接着剤にてリング状に加硫接合して構成され、スリーブ管の外周面に装着される。また、止水リングは、下記特許文献1に示すように、水膨張性ゴムを素材として構成されるものもあり、コンクリート構造物とスリーブ管の隙間で浸水等にて膨張し、その隙間を完全に閉塞して水密性を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−299112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の止水リングは、外径が100mmや200mmなどの比較的大きな管径のスリーブ管は容易に対応可能であるが、外径が50mm未満などの比較的小径なスリーブ管の場合に装着が難しいという欠点がある。すなわち、押出成形で得られる加硫ゴム製品は、その素材自体のゴム弾性により反発力を有することで、所定長さに切断された後の略紐状の形状から、端面同士を接着しリング形に製作することが難しく、成形不良となってしまうことでスリーブ管への装着を困難なものとし、また装着しても良好な止水性能を得られない、さらには脱落する虞のある欠点を有している。
【0005】
そこで本発明は、上記問題点を解消するために、十分な止水性能を備えるとともに、小径のスリーブ管などの管体に装着可能な無端環形状の止水リングを得ることの可能な止水リングの製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載の止水リングの製造方法は、非水膨張性ゴムよりなり発泡状態の発泡部3を有し、該発泡部3の外周を水膨張性ゴムにて被覆するように水膨張部5を一体形成し、所定の断面形状とされる無端環状の止水リング1の製造方法であって、
前記発泡部3となる発泡剤を含有する非水膨張性ゴム素材を芯とし、その周囲を水膨張性ゴム素材が覆い前記水膨張部5となるように、金型にて一体とし、未加硫,未発泡の状態で断面所定形状の紐状体として押出成形し、
該紐状体を所定の長さで切断し、
切断面よりなる端面7,7同士を接着剤で接合して環状体13とし、
該環状体13をリング状金型15に装入し、
前記環状体13を前記リング状金型15内にて加熱し、加硫及び発泡させ、
無端環形状の止水リング1を得ることを特徴としている。
【0007】
この止水リング1の製造方法では、押出成形後に所定長さで切断し、切断面よりなる端面7,7同士を接着剤にて接合して環状体13を形成した後に、加硫及び発泡する手順としたことで、加硫前の柔軟な状態で接着による環状の形成が行えることとなり、加硫によって弾性反発力が大きくなる以前とされることから、容易に無端環状に形成される。
【0008】
本発明の請求項2記載の止水リングの製造方法は、非水膨張性ゴムよりなる発泡状態の発泡部3を有し、該発泡部3の外周を水膨張性ゴムにて被覆するように水膨張部5を一体形成するとともに、外周面の一部に非水膨張性ゴムよりなる翼状片43を有する所定の断面形状とされる無端環状の止水リング41の製造方法であって、
前記翼状片43となる非水膨張性ゴム素材と、前記発泡部3となる発泡剤を含有する非水膨張性ゴム素材と、前記水膨張部5となる水膨張性ゴム素材とを、金型にて一体とし、未加硫,未発泡の状態で断面所定形状の紐状体として押出成形し、
該紐状体を所定の長さで切断し、
切断面よりなる端面7,7同士を接着剤で接合して環状体13とし、
該環状体13をリング状金型15に装入し、
前記環状体13を前記リング金型15内にて加熱し、加硫及び発泡させ、
無端環形状の止水リング41を得ることを特徴としている。
【0009】
この止水リングの製造方法では、押出成形後に所定長さで切断し、切断面よりなる端面同士を接着剤にて接合して環状体13を形成した後に、加硫及び発泡する手順としたことで、加硫前の柔軟な状態で接着による環状の形成が行えることとなり、加硫によって弾性反発力が大きくなる以前とされることから、容易に無端環状に形成され、翼状片43を備えた止水リング41が得られる。
【0010】
本発明の請求項3の止水リングの製造方法は、非水膨張性ゴムよりなる中空管状体又は中実体を芯体27とし、該芯体27の外周を非水膨張性ゴムよりなり発泡状態の発泡部3で被覆形成するとともに、該発泡部3を覆う外面を水膨張性ゴムとして水膨張部5を一体に形成されて所定の断面形状とされる無端環状の止水リングの製造方法であって、
前記芯体27となる非水膨張性ゴム素材と、前記発泡部3となる発泡剤を含有する非水膨張性ゴム素材と、前記水膨張部5となる水膨張性ゴム素材とを、金型にて一体とし、未加硫,未発泡の状態で断面所定形状の紐状体として押出成形し、
該紐状体を所定の長さで切断し、
切断面よりなる端面7,7同士を接着剤で接合して環状体13とし、
該環状体13をリング状金型15に装入し、
前記環状体13を前記リング状金型15内にて加熱し、加硫及び発泡させ、
無端環形状の止水リング41を得ることを特徴としている。
【0011】
この止水リングの製造方法では、ホース状に押出成形した後に所定長さで切断し、切断面よりなる端面同士を接着剤にて接合して環状体13を形成した後に、加硫及び発泡する手順としたことで、加硫前の柔軟な状態で接着による環状の形成が行えることとなり、加硫によって弾性反発力が大きくなる以前とされることから、容易に無端環状に形成され、中空部分を備えた止水リング41が得られる。
【0012】
本発明の請求項4記載の止水リングの製造方法は、請求項1又は2又は3記載の止水リングの製造方法であって、前記切断面よりなる端面7,7を、長さ方向に直交する面に対して傾斜する傾斜面7A,7Aにて形成し、該傾斜面7A,7A同士を接着剤にて接合することを特徴とする。
【0013】
この止水リングの製造方法では、切断面を傾斜面7Aとし、これら傾斜面7A,7A同士の接着とされ、接着面積が大きく採れることで接合強度を向上できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る請求項1記載の止水リングの製造方法によれば、水膨張性ゴムや非水膨張性ゴム、発泡剤を含有する非水膨張性ゴムを押出成形後に、所定長さで切断し、切断面よりなる端面同士を接着剤にて接合して環状体を形成した後に、リング状金型内で加熱し加硫及び発泡する手順としたことで、加硫前の柔軟な状態で接着による環状の形成が行えることとなり、加硫によって弾性反発力が大きくなる以前とされ、また発泡剤が発泡する以前であり気泡による接着不良なども発生しないことから、接着剤による接合が確実なものとなり、容易に且つ確実に無端環状に形成させて止水リングを得ることができる。製品となった止水リングは、無端環形状で十分なゴム弾性及び発泡ゴムによる弾性を備えるとともに、水膨張性能を備え、十分な止水性能を有することとなる。
【0015】
また、弾性反発力が大きくなる加硫後ではなく、加硫前に環状に接合形成を行うので、紐状に形成され短尺な状態でも容易に環状に形成でき、止水リング自体の幅長や厚みに比べて周長が短くなってしまう直径50mm未満などの小径の塩ビ管や鋼管、電線管などにも装着可能な小径の止水リングを得ることが可能となる。さらに、水膨張性ゴムと非水膨張性ゴムとが複合され一体化された押出成形により得られる高い止水性能を有する止水材にて形成される無端環形状の止水リングを得ることができ、小径管が配置される場合でも漏水などを確実に防止できる。
【0016】
また、従来では、押出成形で発泡部と発泡部を覆う水膨張性ゴムよりなる水膨張部を同時押出で成形する場合に、押出金型からでた後は規制の無い空間で発泡部が自由に発泡し成形されて、形状が安定せず、すなわち断面形状が一定ではない低品質な止水リングであったが、本発明の製造方法によれば、リング状金型内で発泡と加硫を同時に行うので、この金型内面の形状である一定の形状、すなわち断面形状が略均一に連続する形状となる良品質な製品が得られるものである。
【0017】
本発明に係る請求項2記載の止水リングの製造方法によれば、水膨張性ゴムや非水膨張性ゴム、発泡剤を含有する非水膨張性ゴムを押出成形後に、所定長さで切断し、切断面よりなる端面同士を接着剤にて接合して環状体を形成した後に、リング状金型内で加熱して加硫及び発泡する手順としたことで、加硫前の柔軟な状態で接着による環状の形成が行えることとなり、加硫によって弾性反発力が大きくなる以前とされることから、容易に無端環状に形成することができ、翼状片を備えた止水リングが得ることができる。
【0018】
本発明に係る請求項3記載の止水リングの製造方法によれば、中空なホース状に押出成形した後に所定長さで切断し、切断面よりなる端面同士を接着剤にて接合して環状体を形成した後に、リング状金型内で加熱して加硫及び発泡する手順としたことで、加硫前の柔軟な状態で接着による環状の形成が行えることとなり、加硫によって弾性反発力が大きくなる以前とされることから、容易に無端環状に形成することができ、中空部分を備えた止水リングが得ることが可能となる。
【0019】
本発明に係る請求項4記載の止水リングの製造方法によれば、押出成型後の紐状体を切断する際に、その切断面よりなる端面を傾斜面とし、これら傾斜面同士を接着剤にて接合することとしたので、接着面積を大きく採れることとなり、互いの接合強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明による止水リングの製造方法にて得られる止水リングの平面図である。
【図2】図1に示すA−A線断面図である。
【図3】止水リングの製造工程を(a)(b)(c)に示した概略平面図である。
【図4】同製造工程を示す断面図である。
【図5】他の実施形態における止水リングの製造工程を(a)(b)(c)に示した概略平面図である。
【図6】他の実施の形態の止水リングの製造工程における紐状体の断面図を(a)に止水リングの断面図を(b)に示した図である。
【図7】同止水リングの一部破断斜視図である。
【図8】他の実施の形態の止水リングの製造工程における紐状体の断面図を(a)に止水リングの断面図を(b)に示した図である。
【図9】同止水リングの一部破断斜視図である。
【図10】他の実施の形態の止水リングの製造工程における紐状体の断面図を(a)に止水リングの断面図を(b)に示した図である。
【図11】他の実施の形態の止水リングの製造工程における紐状体の断面図を(a)に止水リングの断面図を(b)に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は本発明による止水リングの製造方法にて得られる止水リングの平面図、図2は図1に示すA−A線断面図である。
本発明の止水リング1は、図2に示すように、断面円形とされる発泡部3と、この発泡部3の外周を覆う水膨張部5とを一体化した構造とされ、発泡部3を芯として外表面が水膨張部5で被覆され、図1に示すように無端リング状に形成される。
【0022】
発泡部3は、非水膨張性ゴムよりなり、例えば、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、エピクロヒドリンゴム、シリコーンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、フッ素系ゴム等を、単独もしくは2種以上のブレンドで使用し、その配合組成等を調整するとともに、発泡剤を含有させることで製造過程にて気泡を発生させて所謂スポンジ状に形成されるもので、上記発泡剤としては、永和化成社製のセルラーD(商品名)、三協化成社製のセルマイクS(商品名)、永和化成社製のセルペーストH(商品名)、和光純薬社製のアゾビスイソブチロニトリル(商品名)、或いは、発泡助剤として永和化成社製のセルペーストKS(商品名)などを用いる。本実施の形態では、東ソー社製のクロロプレンゴムであるスカイプレンE−20(商品名)100重量部に対して、ニトロソ系発泡剤を2重量部、酸化亜鉛5重量部、酸化マグネシウム4重量部、チオウレア系加硫促進剤1重量部を配合した発泡性ゴムが好適に用いられる。
【0023】
水膨張部5は、水膨張性ゴムよりなり、上記非水膨張性ゴムと同様のゴム物質に、水膨張性樹脂、及び、充填剤、加硫剤、加硫促進剤、可塑剤、着色剤、老化防止剤、加工助剤などを加え混練して得られるものであり、水膨張性樹脂としては、例えば、アクリル酸系、アクリレート系、無水マレイン酸系、ウレタン系、ポリビニルアルコール系等の架橋された各種の水膨張性樹脂を挙げることができる。本実施の形態では、東ソー社製のクロロプレンゴムであるスカイプレンE−20(商品名)100重量部に対して、変性アクリル酸系の水膨張性樹脂50重量部、酸化亜鉛5重量部、酸化マグネシウム4重量部、チオウレア系加硫促進剤1重量部を配合した水膨張性ゴムが好適に用いられる。なお、この水膨張性ゴムとしては、水膨張性樹脂を配合して、30〜40%の体積膨張率を有するものが好適とされる。
【0024】
発泡部3及び水膨張部5は、上記組成物を、ローラーミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー等の機械でそれぞれに混練されて、本実施の形態では2台の押出機にそれぞれ供給されて、ダイスより共押出成形することにより発泡部3と水膨張部5とが一体化されて、連続した紐状の複合構造とされる。
【0025】
本発明の止水リング1は、上記押出機にて押出成形された紐状複合構造体を所定の長さに切断し、その長手方向両端の各切断面である各端面7,7同士を接着することで所望の内径を有する無端環状のリング体とする。図1中、符号9は端面7,7同士を接続した接合部を示す。
【0026】
端面同士を接着する接着剤は、ゴム系硬化型接着剤が好ましく、例えば、塩素化天然ゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリブタジエンゴム等のゴム成分と、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等の低温硬化剤、フェノール樹脂、レゾール樹脂、ポリイソシアネート等の硬化剤成分からなる2液の溶剤タイプのものを挙げることができる。これらの中でも、ゴム成分としてクロロプレンゴムが10〜20重量%となるように溶剤で希釈されたものと、硬化剤がMDI、TDI等のポリイソシアネート10〜40重量%となるように溶剤で希釈された2液タイプのものが好ましい。このような2液タイプのクロロプレンゴム・ポリイソシアネート系のゴム系硬化型接着剤としては、各種の市販品を使用することが可能で、具体的には、チップトップジャパン社製のSC2000(商品名)が好適に用いられ、その他に、横浜ゴム社製のQパック(商品名)、バンドー化学社製のサンパットS(商品名)、パング社製のPANGOFOLHARTER(商品名)等を挙げることができる。
【0027】
次に、止水リングの製造方法について説明する。図3は止水リングの製造工程を(a)(b)(c)に示した概略平面図、図4は同製造工程を示す断面図である。
発泡部3となる組成物である上記非水膨張性ゴムと発泡剤等とが、ローラーミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー等の機械で混練されて、発泡部用の押出機へと送られ、同時に水膨張部5となる組成物である上記ゴム物質と水膨張性樹脂等とが、ローラーミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー等の機械で混練されて、水膨張部用の押出機へと送られる。各押出機から共押出されてダイスを通して成形される各部は、発泡部3が芯となり水膨張部5がその周囲を被覆するように一体化されて連続的に押し出され、断面円形の複合構造となって紐状体となる。
【0028】
押出機により押し出された紐状体は、未発泡・未加硫の状態のまま巻き取られる。
次に、紐状体は、所定の長さに切断され短冊体11となる(図3(a)参照)。切断長さは、リング状に成型された後の取付対象であるスリーブ管の外径に対応され、すなわちスリーブ管の外周長と略同等の長さとされ、両端の切断面は長手方向に直交する面となる。
【0029】
次に、所定の長さに形成された短冊体11は、未発泡・未加硫状態で、長手方向両端の切断面よりなる両端面7,7に、接着剤が塗布され、これら端面7,7同士が対向するように円形に曲げられる(図3(b)参照)。そして、これら端面7,7同士が接着剤によって接合される。なお、この接着剤による接着の際は、発泡部3となる芯部分が未だ気泡の無い状態である。そして、この接合によって略真直な短冊体11は、無端な環状体13に形成される(図3(c)参照)。
【0030】
接着剤の乾燥後、環状体13をリング状金型15に装入する。リング状金型15は、例えば図4に示すように、上下に二分割構造とされ、対向する分割面17に断面半円形の凹溝型19が略正円形に形成されて、開閉可能な上型21と下型23とで形成されるキャビティ25が断面円形で無端環形状となる。リング状金型15に装入された環状体15は、加熱手段によって加熱が施される。
【0031】
リング状金型15内の環状体13は、熱プレス型内に封じ込められるような状態となり、所定温度及び所定時間の加熱、本実施の形態では、170〜190℃、10〜15分間の加熱によって加硫されるとともに、この加熱により発泡剤が発泡ガスを発生させて非水膨張性ゴムがスポンジ状の発泡ゴムとなる。
所定時間経過後、上下型21,23を分割し脱型することで製品である止水リング1(図1参照)が完成される。
【0032】
したがって、本発明の止水リングの製造方法では、未加硫・未発泡の状態で押出成形後に所定長さで切断し、切断面よりなる端面7,7同士を接着剤にて接合して環状体13を形成した後に、加硫及び発泡する手順としたことで、加硫前の柔軟な状態で接着による環状の形成が行えることとなり、弾性反発力が大きくなる以前とされ、容易に環状に形成することが可能となる。そして、環状に形成された後に、環状金型で加熱され、加硫及び発泡となり、製品となる工程とされることで、無端環形状であって十分なゴム弾性及び発泡ゴムによる弾性を備えた止水リング1が得られることとなる。
【0033】
特に、弾性反発力が大きくなる加硫後ではなく、加硫前に環状に接合形成を行うもので、例えば断面形状の外径が10mmの紐状に形成され短冊体11として短尺な状態でも容易に環状に形成でき、直径50mm未満などの小径の塩ビ管や鋼管、電線管などにも装着可能な小径の止水リング1を得ることができるとともに、水膨張性ゴムと非水膨張性ゴムとが複合され一体化された押出成形により得られる高い止水性能を有する止水材にて形成される無端環形状の止水リング1を得ることができ、漏水などを確実に防止できることとなる。
【0034】
なお、上述した実施の形態での止水リングの製造方法は、押出機にて押出成形された紐状複合構造体を所定の長さに切断する際、長手方向に直交する面となるように切断成形し、端面7,7とする例について述べたが、図5(a)に示すように、この切断面を長さ方向に直交する面に対して傾斜する傾斜面7A,7Aとなるよう切断形成することとしてもよい。
【0035】
図5に示すように、端面を傾斜面7A,7Aにて形成することで、上記実施の形態の端面(切断面)7,7よりも面積が大きくなり、これら端面7A,7A同士の接合の際に、接着面を大きく採れ、素材自体の弾性反発力に対する接着面における引張力が斜め方向となって、互いの接合力を大きくすることが可能となり、図5(c)に示すように、接合部9が斜めとなって環状体13となる。
【0036】
また、上述した実施の形態では、止水リング1の外形状として、断面が円形に形成される例を示したが、押出機のダイスを変更するとともに、リング状金型15のキャビティ25の形状を変更することで異なる形状での成形も可能であり、例えば図6(a)に示すように、扁平な略三角形に押出成形した後に、図7に示すように外周面が突条状となるようにリング状金型15で図6(b)に示すように断面略三角形状に成形することとしても良く、また、図8(a)に示すように、断面を扁平な略楕円形に押出成形した後に、図9に示すように外周面の一部に突条が配置されるようにリング状金型15で図8(b)に示すような形状に成形することとしても良い。このような形状の異なる例の場合に、図8(b),図9に示すように、非水膨張性ゴム部分の一部3aが内周面1aに表出する構造として良い。
【0037】
さらに、上述した実施の形態では、中実構造の止水リング1の例を示したが、図10に示すように、ホース形状となる中空構造の止水リング31を得ることも可能である。この止水リング31では、押出機にて中空管状の芯体27、発泡部3、水膨張部5のそれぞれを共押出成形して一体化し、所定長さで切断後、両端を接着剤にて接合し加熱することで得られる。
【0038】
具体的には、各部の素材は、断面環状の内側面となる中空管状体である芯体27を非水膨張性ゴムとし、この芯体27の外周の発泡部3を発泡剤を含有する非水膨張性ゴムとし、この発泡部3を覆って最外面の水膨張部5を水膨張性ゴムとする。これら非水膨張性ゴム、発泡剤を含む非水膨張性ゴム、および水膨張性ゴムは、押出機にて、上記同様にダイスを介し共押出されて連続的に一体化成形が行われ、紐状体とされて未発泡・未加硫状態で巻き取られる。次に、製品となる止水リング31の大きさに合せた長さ、すなわち外周長に合せて切断され、短冊体33とされる(図10(a)参照)。次に、長さ方向両端の切断面よりなる各端面に、ゴム系硬化型接着剤を塗布・乾燥して、粘着性がある状態で固定し接合して環状体とする。次に、リング状金型に環状体を装入し、熱プレス状態として170〜190℃、10〜15分間加熱して、発泡及び加硫を行う。これによりリング状金型内の内面形状に成形され、脱型することで完成となる。
【0039】
このような構造の止水リング31とすれば、中空部分を有する略ホース状構造となり、中実構造の上記止水リング1に比べ弾性が向上され、また水膨張性ゴムの膨張による変形を発泡部3と中空部分29とで緩衝状態とすることが可能となる。
【0040】
なお、上記した中空管状体よりなる芯体27は素材の非水膨張性ゴムを水膨張性ゴムに置き換えて構成させることも可能であり、上記同様の手順で製作を行うことで止水リング31を得ることが可能である。また、芯体27は、上記した中空な構造とせず、すなわち空間(中空部分29)のない、中実体として構成することとしても良い。この中実体とした芯体27による構成とすれば、加硫後の成形状態が芯体27の弾性力を備えたものとなる。
【0041】
また、図11に示すように、側縁部分に、スリーブ管外面に沿って密着する翼状片43が延設される構造とした止水リング41としても良い。この止水リング41では、断面形状を略矩形状とした本体部45と翼状片43とで構成され、この翼状片43は非水膨張性ゴムよりなり、本体部45は発泡部3を芯に、その外周を被覆するように水膨張部5で構成している。この止水リング41の例では、上記同様、押出機のダイスの形状にて所定の断面形状が略形成され、押出成形による一体形成後、所定の長さに切断して短冊体47とし、切断面よりなる端面同士を接着剤にて接合して環状体を形成、その後リング状金型に装入して加熱し、加硫及ぶ発泡を行う。リング状金型のキャビティ内での加熱により、図11(b)に示すような断面形状の止水リング41が得られる。このような断面構造の止水リング41においても、本発明の製造方法によれば、小径管対応の止水リング41を製造可能であり、小径のスリーブ管などにおける十分な止水性能を得ることが可能である。
【符号の説明】
【0042】
1,31,41…止水リング
3…発泡部
5…水膨張部
7…端面
7A…傾斜面
13…環状体
15…リング状金型
27…芯体
43…翼状片
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート構造物とスリーブ管との打継部などに配設されスリーブ管の外周面を通じた漏水を防止する止水リングの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンクリート構造物に穿設される貫通穴と、この貫通穴に挿着されるスリーブ管との打継部には止水リングが介設され、スリーブ管の外周面を通じるコンクリート構造物内部への浸水、或いはコンクリート構造物の外への漏水などが防止される。この止水リングは、押出成形にて得られる断面所定形状の加硫ゴム製品を、所定長さで切断し、両端面同士を加硫ゴム接着剤にてリング状に加硫接合して構成され、スリーブ管の外周面に装着される。また、止水リングは、下記特許文献1に示すように、水膨張性ゴムを素材として構成されるものもあり、コンクリート構造物とスリーブ管の隙間で浸水等にて膨張し、その隙間を完全に閉塞して水密性を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−299112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の止水リングは、外径が100mmや200mmなどの比較的大きな管径のスリーブ管は容易に対応可能であるが、外径が50mm未満などの比較的小径なスリーブ管の場合に装着が難しいという欠点がある。すなわち、押出成形で得られる加硫ゴム製品は、その素材自体のゴム弾性により反発力を有することで、所定長さに切断された後の略紐状の形状から、端面同士を接着しリング形に製作することが難しく、成形不良となってしまうことでスリーブ管への装着を困難なものとし、また装着しても良好な止水性能を得られない、さらには脱落する虞のある欠点を有している。
【0005】
そこで本発明は、上記問題点を解消するために、十分な止水性能を備えるとともに、小径のスリーブ管などの管体に装着可能な無端環形状の止水リングを得ることの可能な止水リングの製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載の止水リングの製造方法は、非水膨張性ゴムよりなり発泡状態の発泡部3を有し、該発泡部3の外周を水膨張性ゴムにて被覆するように水膨張部5を一体形成し、所定の断面形状とされる無端環状の止水リング1の製造方法であって、
前記発泡部3となる発泡剤を含有する非水膨張性ゴム素材を芯とし、その周囲を水膨張性ゴム素材が覆い前記水膨張部5となるように、金型にて一体とし、未加硫,未発泡の状態で断面所定形状の紐状体として押出成形し、
該紐状体を所定の長さで切断し、
切断面よりなる端面7,7同士を接着剤で接合して環状体13とし、
該環状体13をリング状金型15に装入し、
前記環状体13を前記リング状金型15内にて加熱し、加硫及び発泡させ、
無端環形状の止水リング1を得ることを特徴としている。
【0007】
この止水リング1の製造方法では、押出成形後に所定長さで切断し、切断面よりなる端面7,7同士を接着剤にて接合して環状体13を形成した後に、加硫及び発泡する手順としたことで、加硫前の柔軟な状態で接着による環状の形成が行えることとなり、加硫によって弾性反発力が大きくなる以前とされることから、容易に無端環状に形成される。
【0008】
本発明の請求項2記載の止水リングの製造方法は、非水膨張性ゴムよりなる発泡状態の発泡部3を有し、該発泡部3の外周を水膨張性ゴムにて被覆するように水膨張部5を一体形成するとともに、外周面の一部に非水膨張性ゴムよりなる翼状片43を有する所定の断面形状とされる無端環状の止水リング41の製造方法であって、
前記翼状片43となる非水膨張性ゴム素材と、前記発泡部3となる発泡剤を含有する非水膨張性ゴム素材と、前記水膨張部5となる水膨張性ゴム素材とを、金型にて一体とし、未加硫,未発泡の状態で断面所定形状の紐状体として押出成形し、
該紐状体を所定の長さで切断し、
切断面よりなる端面7,7同士を接着剤で接合して環状体13とし、
該環状体13をリング状金型15に装入し、
前記環状体13を前記リング金型15内にて加熱し、加硫及び発泡させ、
無端環形状の止水リング41を得ることを特徴としている。
【0009】
この止水リングの製造方法では、押出成形後に所定長さで切断し、切断面よりなる端面同士を接着剤にて接合して環状体13を形成した後に、加硫及び発泡する手順としたことで、加硫前の柔軟な状態で接着による環状の形成が行えることとなり、加硫によって弾性反発力が大きくなる以前とされることから、容易に無端環状に形成され、翼状片43を備えた止水リング41が得られる。
【0010】
本発明の請求項3の止水リングの製造方法は、非水膨張性ゴムよりなる中空管状体又は中実体を芯体27とし、該芯体27の外周を非水膨張性ゴムよりなり発泡状態の発泡部3で被覆形成するとともに、該発泡部3を覆う外面を水膨張性ゴムとして水膨張部5を一体に形成されて所定の断面形状とされる無端環状の止水リングの製造方法であって、
前記芯体27となる非水膨張性ゴム素材と、前記発泡部3となる発泡剤を含有する非水膨張性ゴム素材と、前記水膨張部5となる水膨張性ゴム素材とを、金型にて一体とし、未加硫,未発泡の状態で断面所定形状の紐状体として押出成形し、
該紐状体を所定の長さで切断し、
切断面よりなる端面7,7同士を接着剤で接合して環状体13とし、
該環状体13をリング状金型15に装入し、
前記環状体13を前記リング状金型15内にて加熱し、加硫及び発泡させ、
無端環形状の止水リング41を得ることを特徴としている。
【0011】
この止水リングの製造方法では、ホース状に押出成形した後に所定長さで切断し、切断面よりなる端面同士を接着剤にて接合して環状体13を形成した後に、加硫及び発泡する手順としたことで、加硫前の柔軟な状態で接着による環状の形成が行えることとなり、加硫によって弾性反発力が大きくなる以前とされることから、容易に無端環状に形成され、中空部分を備えた止水リング41が得られる。
【0012】
本発明の請求項4記載の止水リングの製造方法は、請求項1又は2又は3記載の止水リングの製造方法であって、前記切断面よりなる端面7,7を、長さ方向に直交する面に対して傾斜する傾斜面7A,7Aにて形成し、該傾斜面7A,7A同士を接着剤にて接合することを特徴とする。
【0013】
この止水リングの製造方法では、切断面を傾斜面7Aとし、これら傾斜面7A,7A同士の接着とされ、接着面積が大きく採れることで接合強度を向上できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る請求項1記載の止水リングの製造方法によれば、水膨張性ゴムや非水膨張性ゴム、発泡剤を含有する非水膨張性ゴムを押出成形後に、所定長さで切断し、切断面よりなる端面同士を接着剤にて接合して環状体を形成した後に、リング状金型内で加熱し加硫及び発泡する手順としたことで、加硫前の柔軟な状態で接着による環状の形成が行えることとなり、加硫によって弾性反発力が大きくなる以前とされ、また発泡剤が発泡する以前であり気泡による接着不良なども発生しないことから、接着剤による接合が確実なものとなり、容易に且つ確実に無端環状に形成させて止水リングを得ることができる。製品となった止水リングは、無端環形状で十分なゴム弾性及び発泡ゴムによる弾性を備えるとともに、水膨張性能を備え、十分な止水性能を有することとなる。
【0015】
また、弾性反発力が大きくなる加硫後ではなく、加硫前に環状に接合形成を行うので、紐状に形成され短尺な状態でも容易に環状に形成でき、止水リング自体の幅長や厚みに比べて周長が短くなってしまう直径50mm未満などの小径の塩ビ管や鋼管、電線管などにも装着可能な小径の止水リングを得ることが可能となる。さらに、水膨張性ゴムと非水膨張性ゴムとが複合され一体化された押出成形により得られる高い止水性能を有する止水材にて形成される無端環形状の止水リングを得ることができ、小径管が配置される場合でも漏水などを確実に防止できる。
【0016】
また、従来では、押出成形で発泡部と発泡部を覆う水膨張性ゴムよりなる水膨張部を同時押出で成形する場合に、押出金型からでた後は規制の無い空間で発泡部が自由に発泡し成形されて、形状が安定せず、すなわち断面形状が一定ではない低品質な止水リングであったが、本発明の製造方法によれば、リング状金型内で発泡と加硫を同時に行うので、この金型内面の形状である一定の形状、すなわち断面形状が略均一に連続する形状となる良品質な製品が得られるものである。
【0017】
本発明に係る請求項2記載の止水リングの製造方法によれば、水膨張性ゴムや非水膨張性ゴム、発泡剤を含有する非水膨張性ゴムを押出成形後に、所定長さで切断し、切断面よりなる端面同士を接着剤にて接合して環状体を形成した後に、リング状金型内で加熱して加硫及び発泡する手順としたことで、加硫前の柔軟な状態で接着による環状の形成が行えることとなり、加硫によって弾性反発力が大きくなる以前とされることから、容易に無端環状に形成することができ、翼状片を備えた止水リングが得ることができる。
【0018】
本発明に係る請求項3記載の止水リングの製造方法によれば、中空なホース状に押出成形した後に所定長さで切断し、切断面よりなる端面同士を接着剤にて接合して環状体を形成した後に、リング状金型内で加熱して加硫及び発泡する手順としたことで、加硫前の柔軟な状態で接着による環状の形成が行えることとなり、加硫によって弾性反発力が大きくなる以前とされることから、容易に無端環状に形成することができ、中空部分を備えた止水リングが得ることが可能となる。
【0019】
本発明に係る請求項4記載の止水リングの製造方法によれば、押出成型後の紐状体を切断する際に、その切断面よりなる端面を傾斜面とし、これら傾斜面同士を接着剤にて接合することとしたので、接着面積を大きく採れることとなり、互いの接合強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明による止水リングの製造方法にて得られる止水リングの平面図である。
【図2】図1に示すA−A線断面図である。
【図3】止水リングの製造工程を(a)(b)(c)に示した概略平面図である。
【図4】同製造工程を示す断面図である。
【図5】他の実施形態における止水リングの製造工程を(a)(b)(c)に示した概略平面図である。
【図6】他の実施の形態の止水リングの製造工程における紐状体の断面図を(a)に止水リングの断面図を(b)に示した図である。
【図7】同止水リングの一部破断斜視図である。
【図8】他の実施の形態の止水リングの製造工程における紐状体の断面図を(a)に止水リングの断面図を(b)に示した図である。
【図9】同止水リングの一部破断斜視図である。
【図10】他の実施の形態の止水リングの製造工程における紐状体の断面図を(a)に止水リングの断面図を(b)に示した図である。
【図11】他の実施の形態の止水リングの製造工程における紐状体の断面図を(a)に止水リングの断面図を(b)に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は本発明による止水リングの製造方法にて得られる止水リングの平面図、図2は図1に示すA−A線断面図である。
本発明の止水リング1は、図2に示すように、断面円形とされる発泡部3と、この発泡部3の外周を覆う水膨張部5とを一体化した構造とされ、発泡部3を芯として外表面が水膨張部5で被覆され、図1に示すように無端リング状に形成される。
【0022】
発泡部3は、非水膨張性ゴムよりなり、例えば、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、エピクロヒドリンゴム、シリコーンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、フッ素系ゴム等を、単独もしくは2種以上のブレンドで使用し、その配合組成等を調整するとともに、発泡剤を含有させることで製造過程にて気泡を発生させて所謂スポンジ状に形成されるもので、上記発泡剤としては、永和化成社製のセルラーD(商品名)、三協化成社製のセルマイクS(商品名)、永和化成社製のセルペーストH(商品名)、和光純薬社製のアゾビスイソブチロニトリル(商品名)、或いは、発泡助剤として永和化成社製のセルペーストKS(商品名)などを用いる。本実施の形態では、東ソー社製のクロロプレンゴムであるスカイプレンE−20(商品名)100重量部に対して、ニトロソ系発泡剤を2重量部、酸化亜鉛5重量部、酸化マグネシウム4重量部、チオウレア系加硫促進剤1重量部を配合した発泡性ゴムが好適に用いられる。
【0023】
水膨張部5は、水膨張性ゴムよりなり、上記非水膨張性ゴムと同様のゴム物質に、水膨張性樹脂、及び、充填剤、加硫剤、加硫促進剤、可塑剤、着色剤、老化防止剤、加工助剤などを加え混練して得られるものであり、水膨張性樹脂としては、例えば、アクリル酸系、アクリレート系、無水マレイン酸系、ウレタン系、ポリビニルアルコール系等の架橋された各種の水膨張性樹脂を挙げることができる。本実施の形態では、東ソー社製のクロロプレンゴムであるスカイプレンE−20(商品名)100重量部に対して、変性アクリル酸系の水膨張性樹脂50重量部、酸化亜鉛5重量部、酸化マグネシウム4重量部、チオウレア系加硫促進剤1重量部を配合した水膨張性ゴムが好適に用いられる。なお、この水膨張性ゴムとしては、水膨張性樹脂を配合して、30〜40%の体積膨張率を有するものが好適とされる。
【0024】
発泡部3及び水膨張部5は、上記組成物を、ローラーミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー等の機械でそれぞれに混練されて、本実施の形態では2台の押出機にそれぞれ供給されて、ダイスより共押出成形することにより発泡部3と水膨張部5とが一体化されて、連続した紐状の複合構造とされる。
【0025】
本発明の止水リング1は、上記押出機にて押出成形された紐状複合構造体を所定の長さに切断し、その長手方向両端の各切断面である各端面7,7同士を接着することで所望の内径を有する無端環状のリング体とする。図1中、符号9は端面7,7同士を接続した接合部を示す。
【0026】
端面同士を接着する接着剤は、ゴム系硬化型接着剤が好ましく、例えば、塩素化天然ゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリブタジエンゴム等のゴム成分と、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等の低温硬化剤、フェノール樹脂、レゾール樹脂、ポリイソシアネート等の硬化剤成分からなる2液の溶剤タイプのものを挙げることができる。これらの中でも、ゴム成分としてクロロプレンゴムが10〜20重量%となるように溶剤で希釈されたものと、硬化剤がMDI、TDI等のポリイソシアネート10〜40重量%となるように溶剤で希釈された2液タイプのものが好ましい。このような2液タイプのクロロプレンゴム・ポリイソシアネート系のゴム系硬化型接着剤としては、各種の市販品を使用することが可能で、具体的には、チップトップジャパン社製のSC2000(商品名)が好適に用いられ、その他に、横浜ゴム社製のQパック(商品名)、バンドー化学社製のサンパットS(商品名)、パング社製のPANGOFOLHARTER(商品名)等を挙げることができる。
【0027】
次に、止水リングの製造方法について説明する。図3は止水リングの製造工程を(a)(b)(c)に示した概略平面図、図4は同製造工程を示す断面図である。
発泡部3となる組成物である上記非水膨張性ゴムと発泡剤等とが、ローラーミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー等の機械で混練されて、発泡部用の押出機へと送られ、同時に水膨張部5となる組成物である上記ゴム物質と水膨張性樹脂等とが、ローラーミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー等の機械で混練されて、水膨張部用の押出機へと送られる。各押出機から共押出されてダイスを通して成形される各部は、発泡部3が芯となり水膨張部5がその周囲を被覆するように一体化されて連続的に押し出され、断面円形の複合構造となって紐状体となる。
【0028】
押出機により押し出された紐状体は、未発泡・未加硫の状態のまま巻き取られる。
次に、紐状体は、所定の長さに切断され短冊体11となる(図3(a)参照)。切断長さは、リング状に成型された後の取付対象であるスリーブ管の外径に対応され、すなわちスリーブ管の外周長と略同等の長さとされ、両端の切断面は長手方向に直交する面となる。
【0029】
次に、所定の長さに形成された短冊体11は、未発泡・未加硫状態で、長手方向両端の切断面よりなる両端面7,7に、接着剤が塗布され、これら端面7,7同士が対向するように円形に曲げられる(図3(b)参照)。そして、これら端面7,7同士が接着剤によって接合される。なお、この接着剤による接着の際は、発泡部3となる芯部分が未だ気泡の無い状態である。そして、この接合によって略真直な短冊体11は、無端な環状体13に形成される(図3(c)参照)。
【0030】
接着剤の乾燥後、環状体13をリング状金型15に装入する。リング状金型15は、例えば図4に示すように、上下に二分割構造とされ、対向する分割面17に断面半円形の凹溝型19が略正円形に形成されて、開閉可能な上型21と下型23とで形成されるキャビティ25が断面円形で無端環形状となる。リング状金型15に装入された環状体15は、加熱手段によって加熱が施される。
【0031】
リング状金型15内の環状体13は、熱プレス型内に封じ込められるような状態となり、所定温度及び所定時間の加熱、本実施の形態では、170〜190℃、10〜15分間の加熱によって加硫されるとともに、この加熱により発泡剤が発泡ガスを発生させて非水膨張性ゴムがスポンジ状の発泡ゴムとなる。
所定時間経過後、上下型21,23を分割し脱型することで製品である止水リング1(図1参照)が完成される。
【0032】
したがって、本発明の止水リングの製造方法では、未加硫・未発泡の状態で押出成形後に所定長さで切断し、切断面よりなる端面7,7同士を接着剤にて接合して環状体13を形成した後に、加硫及び発泡する手順としたことで、加硫前の柔軟な状態で接着による環状の形成が行えることとなり、弾性反発力が大きくなる以前とされ、容易に環状に形成することが可能となる。そして、環状に形成された後に、環状金型で加熱され、加硫及び発泡となり、製品となる工程とされることで、無端環形状であって十分なゴム弾性及び発泡ゴムによる弾性を備えた止水リング1が得られることとなる。
【0033】
特に、弾性反発力が大きくなる加硫後ではなく、加硫前に環状に接合形成を行うもので、例えば断面形状の外径が10mmの紐状に形成され短冊体11として短尺な状態でも容易に環状に形成でき、直径50mm未満などの小径の塩ビ管や鋼管、電線管などにも装着可能な小径の止水リング1を得ることができるとともに、水膨張性ゴムと非水膨張性ゴムとが複合され一体化された押出成形により得られる高い止水性能を有する止水材にて形成される無端環形状の止水リング1を得ることができ、漏水などを確実に防止できることとなる。
【0034】
なお、上述した実施の形態での止水リングの製造方法は、押出機にて押出成形された紐状複合構造体を所定の長さに切断する際、長手方向に直交する面となるように切断成形し、端面7,7とする例について述べたが、図5(a)に示すように、この切断面を長さ方向に直交する面に対して傾斜する傾斜面7A,7Aとなるよう切断形成することとしてもよい。
【0035】
図5に示すように、端面を傾斜面7A,7Aにて形成することで、上記実施の形態の端面(切断面)7,7よりも面積が大きくなり、これら端面7A,7A同士の接合の際に、接着面を大きく採れ、素材自体の弾性反発力に対する接着面における引張力が斜め方向となって、互いの接合力を大きくすることが可能となり、図5(c)に示すように、接合部9が斜めとなって環状体13となる。
【0036】
また、上述した実施の形態では、止水リング1の外形状として、断面が円形に形成される例を示したが、押出機のダイスを変更するとともに、リング状金型15のキャビティ25の形状を変更することで異なる形状での成形も可能であり、例えば図6(a)に示すように、扁平な略三角形に押出成形した後に、図7に示すように外周面が突条状となるようにリング状金型15で図6(b)に示すように断面略三角形状に成形することとしても良く、また、図8(a)に示すように、断面を扁平な略楕円形に押出成形した後に、図9に示すように外周面の一部に突条が配置されるようにリング状金型15で図8(b)に示すような形状に成形することとしても良い。このような形状の異なる例の場合に、図8(b),図9に示すように、非水膨張性ゴム部分の一部3aが内周面1aに表出する構造として良い。
【0037】
さらに、上述した実施の形態では、中実構造の止水リング1の例を示したが、図10に示すように、ホース形状となる中空構造の止水リング31を得ることも可能である。この止水リング31では、押出機にて中空管状の芯体27、発泡部3、水膨張部5のそれぞれを共押出成形して一体化し、所定長さで切断後、両端を接着剤にて接合し加熱することで得られる。
【0038】
具体的には、各部の素材は、断面環状の内側面となる中空管状体である芯体27を非水膨張性ゴムとし、この芯体27の外周の発泡部3を発泡剤を含有する非水膨張性ゴムとし、この発泡部3を覆って最外面の水膨張部5を水膨張性ゴムとする。これら非水膨張性ゴム、発泡剤を含む非水膨張性ゴム、および水膨張性ゴムは、押出機にて、上記同様にダイスを介し共押出されて連続的に一体化成形が行われ、紐状体とされて未発泡・未加硫状態で巻き取られる。次に、製品となる止水リング31の大きさに合せた長さ、すなわち外周長に合せて切断され、短冊体33とされる(図10(a)参照)。次に、長さ方向両端の切断面よりなる各端面に、ゴム系硬化型接着剤を塗布・乾燥して、粘着性がある状態で固定し接合して環状体とする。次に、リング状金型に環状体を装入し、熱プレス状態として170〜190℃、10〜15分間加熱して、発泡及び加硫を行う。これによりリング状金型内の内面形状に成形され、脱型することで完成となる。
【0039】
このような構造の止水リング31とすれば、中空部分を有する略ホース状構造となり、中実構造の上記止水リング1に比べ弾性が向上され、また水膨張性ゴムの膨張による変形を発泡部3と中空部分29とで緩衝状態とすることが可能となる。
【0040】
なお、上記した中空管状体よりなる芯体27は素材の非水膨張性ゴムを水膨張性ゴムに置き換えて構成させることも可能であり、上記同様の手順で製作を行うことで止水リング31を得ることが可能である。また、芯体27は、上記した中空な構造とせず、すなわち空間(中空部分29)のない、中実体として構成することとしても良い。この中実体とした芯体27による構成とすれば、加硫後の成形状態が芯体27の弾性力を備えたものとなる。
【0041】
また、図11に示すように、側縁部分に、スリーブ管外面に沿って密着する翼状片43が延設される構造とした止水リング41としても良い。この止水リング41では、断面形状を略矩形状とした本体部45と翼状片43とで構成され、この翼状片43は非水膨張性ゴムよりなり、本体部45は発泡部3を芯に、その外周を被覆するように水膨張部5で構成している。この止水リング41の例では、上記同様、押出機のダイスの形状にて所定の断面形状が略形成され、押出成形による一体形成後、所定の長さに切断して短冊体47とし、切断面よりなる端面同士を接着剤にて接合して環状体を形成、その後リング状金型に装入して加熱し、加硫及ぶ発泡を行う。リング状金型のキャビティ内での加熱により、図11(b)に示すような断面形状の止水リング41が得られる。このような断面構造の止水リング41においても、本発明の製造方法によれば、小径管対応の止水リング41を製造可能であり、小径のスリーブ管などにおける十分な止水性能を得ることが可能である。
【符号の説明】
【0042】
1,31,41…止水リング
3…発泡部
5…水膨張部
7…端面
7A…傾斜面
13…環状体
15…リング状金型
27…芯体
43…翼状片
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非水膨張性ゴムよりなり発泡状態の発泡部を有し、該発泡部の外周を水膨張性ゴムにて被覆するように水膨張部を一体形成し、所定の断面形状とされる無端環状の止水リングの製造方法であって、
前記発泡部となる発泡剤を含有する非水膨張性ゴム素材を芯とし、その周囲を水膨張性ゴム素材が覆い前記水膨張部となるように、金型にて一体とし、未加硫,未発泡の状態で断面所定形状の紐状体として押出成形し、
該紐状体を所定の長さで切断し、
切断面よりなる端面同士を接着剤で接合して環状体とし、
該環状体をリング状金型に装入し、
前記環状体を前記リング状金型内にて加熱し、加硫及び発泡させ、
無端環形状の止水リングを得ることを特徴とする止水リングの製造方法。
【請求項2】
非水膨張性ゴムよりなる発泡状態の発泡部を有し、該発泡部の外周を水膨張性ゴムにて被覆するように水膨張部を一体形成するとともに、外周面の一部に非水膨張性ゴムよりなる翼状片を有する所定の断面形状とされる無端環状の止水リングの製造方法であって、
前記翼状片となる非水膨張性ゴム素材と、前記発泡部となる発泡剤を含有する非水膨張性ゴム素材と、前記水膨張部となる水膨張性ゴム素材とを、金型にて一体とし、未加硫,未発泡の状態で断面所定形状の紐状体として押出成形し、
該紐状体を所定の長さで切断し、
切断面よりなる端面同士を接着剤で接合して環状体とし、
該環状体をリング状金型に装入し、
前記環状体を前記リング金型内にて加熱し、加硫及び発泡させ、
無端環形状の止水リングを得ることを特徴とする止水リングの製造方法。
【請求項3】
非水膨張性ゴムよりなる中空管状体又は中実体を芯体とし、該芯体の外周を非水膨張性ゴムよりなり発泡状態の発泡部で被覆形成するとともに、該発泡部を覆う外面を水膨張性ゴムとして水膨張部を一体に形成されて所定の断面形状とされる無端環状の止水リングの製造方法であって、
前記芯体となる非水膨張性ゴム素材と、前記発泡部となる発泡剤を含有する非水膨張性ゴム素材と、前記水膨張部となる水膨張性ゴム素材とを、金型にて一体とし、未加硫,未発泡の状態で断面所定形状の紐状体として押出成形し、
該紐状体を所定の長さで切断し、
切断面よりなる端面同士を接着剤で接合して環状体とし、
該環状体をリング状金型に装入し、
前記環状体を前記リング状金型内にて加熱し、加硫及び発泡させ、
無端環形状の止水リングを得ることを特徴とする止水リングの製造方法。
【請求項4】
前記切断面よりなる端面を、長さ方向に直交する面に対して傾斜する傾斜面にて形成し、該傾斜面同士を接着剤にて接合することを特徴とする請求項1又は2又は3記載の止水リングの製造方法。
【請求項1】
非水膨張性ゴムよりなり発泡状態の発泡部を有し、該発泡部の外周を水膨張性ゴムにて被覆するように水膨張部を一体形成し、所定の断面形状とされる無端環状の止水リングの製造方法であって、
前記発泡部となる発泡剤を含有する非水膨張性ゴム素材を芯とし、その周囲を水膨張性ゴム素材が覆い前記水膨張部となるように、金型にて一体とし、未加硫,未発泡の状態で断面所定形状の紐状体として押出成形し、
該紐状体を所定の長さで切断し、
切断面よりなる端面同士を接着剤で接合して環状体とし、
該環状体をリング状金型に装入し、
前記環状体を前記リング状金型内にて加熱し、加硫及び発泡させ、
無端環形状の止水リングを得ることを特徴とする止水リングの製造方法。
【請求項2】
非水膨張性ゴムよりなる発泡状態の発泡部を有し、該発泡部の外周を水膨張性ゴムにて被覆するように水膨張部を一体形成するとともに、外周面の一部に非水膨張性ゴムよりなる翼状片を有する所定の断面形状とされる無端環状の止水リングの製造方法であって、
前記翼状片となる非水膨張性ゴム素材と、前記発泡部となる発泡剤を含有する非水膨張性ゴム素材と、前記水膨張部となる水膨張性ゴム素材とを、金型にて一体とし、未加硫,未発泡の状態で断面所定形状の紐状体として押出成形し、
該紐状体を所定の長さで切断し、
切断面よりなる端面同士を接着剤で接合して環状体とし、
該環状体をリング状金型に装入し、
前記環状体を前記リング金型内にて加熱し、加硫及び発泡させ、
無端環形状の止水リングを得ることを特徴とする止水リングの製造方法。
【請求項3】
非水膨張性ゴムよりなる中空管状体又は中実体を芯体とし、該芯体の外周を非水膨張性ゴムよりなり発泡状態の発泡部で被覆形成するとともに、該発泡部を覆う外面を水膨張性ゴムとして水膨張部を一体に形成されて所定の断面形状とされる無端環状の止水リングの製造方法であって、
前記芯体となる非水膨張性ゴム素材と、前記発泡部となる発泡剤を含有する非水膨張性ゴム素材と、前記水膨張部となる水膨張性ゴム素材とを、金型にて一体とし、未加硫,未発泡の状態で断面所定形状の紐状体として押出成形し、
該紐状体を所定の長さで切断し、
切断面よりなる端面同士を接着剤で接合して環状体とし、
該環状体をリング状金型に装入し、
前記環状体を前記リング状金型内にて加熱し、加硫及び発泡させ、
無端環形状の止水リングを得ることを特徴とする止水リングの製造方法。
【請求項4】
前記切断面よりなる端面を、長さ方向に直交する面に対して傾斜する傾斜面にて形成し、該傾斜面同士を接着剤にて接合することを特徴とする請求項1又は2又は3記載の止水リングの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−250392(P2012−250392A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123518(P2011−123518)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(000106726)シーアイ化成株式会社 (267)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(000106726)シーアイ化成株式会社 (267)
【Fターム(参考)】
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