説明

止水用環状スプリングの取付構造及び取付方法

【課題】 放水口閉鎖部材に対して止水用環状スプリングを強固に固定し得る取付構造を提供し、スプリンクラーヘッドにおいて均等な散水を実現とすること。
【解決手段】 スプリンクラーヘッドの放水口閉鎖部材8のスプリング保持用突起8aに大径のスプリング保持部8dを設け、上記スプリング保持部8dに止水用環状スプリング11を嵌合装着した状態で、固定具12によりスプリング保持部8dの段部8e上面を下方向に切り込むことにより、上記スプリング保持部8dの上端部8d’周囲を外周方向に屈曲し、外周方向に屈曲した上記保持部上端部8d’と上記放水口閉鎖部材上面8c”により、止水用環状スプリング11の内周縁11aをカシメ状態で挟持することにより、当該止水用環状スプリング11を上記スプリング保持部8dに強固に固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスプリンクラーヘッドに用いられるバルブキャップ等の放水口閉鎖部材に対する止水用環状スプリングの取付構造及び取付方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、スプリンクラーヘッドの放水口閉鎖部材は、その上面に止水用環状スプリングを装着し、当該環状スプリングの周縁をスプリンクラーヘッド内部中央の放水口に宛がって該放水口を閉鎖し、その状態で放水口閉鎖部材の下方に可溶体支持部材を配置し、当該支持部材を上記放水口閉鎖部材下面に当接させると共に上記閉鎖部材に上向きの圧力をかけ、当該圧力により上記止水用環状スプリングを上向きに附勢することで該スプリング周縁を上記放水口周縁に強く圧着させることにより止水する構造であった。
【0003】
そして、上記止水用環状スプリングの放水口閉鎖部材への取り付けは、その内周縁を上記放水口閉鎖部材中央の突起に嵌着するか、或いは放水口閉鎖部材の中央周囲に設けた環状溝に、スプリングの内周縁を単に嵌合することにより取り付けていた(特許文献1,2)。
【0004】
【特許文献1】実開平5−33745号(図6)
【特許文献2】実開平4−25761号(第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来のスプリンクラーヘッドでは、火災による熱により可溶体が溶融、又はグラスバルブが破裂すると可溶体支持部材が脱落等して放水口閉鎖部材が止水用環状スプリングと共に一定距離下降して放水口が開放され、該放水口から下向きに消火水が散水されることになる。このとき、スプリンクラーヘッドとしては、放水口を中心として放射状にできるだけ均一に散水することが求められる。
【0006】
通常は、放水口から下向きに放射される消火水は、放水口閉鎖部材の中央部に当たって放射状に散水されることになるが、上記放水口閉鎖部材中央部には止水用環状スプリングが取り付けられたままの状態であるため、消火水はこの止水用環状スプリングに直接当たりながら散水される。
【0007】
よって、消火水の均一な放射状の散水を実現するためには、スプリンクラーヘッドの開放時において、止水用環状スプリングは、上方から相当の圧力を以って流れ落ちてくる消火水を直接受けても、振動したり、傾いたり、がたついたりすることがない構造が求められる。
【0008】
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、スプリンクラーヘッドの放水口閉鎖部材に止水用環状スプリングを強固に固定し得る止水用環状スプリングの取付構造及び取付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため本発明は、
第1に、スプリンクラーヘッドの放水口閉鎖部材の中央のスプリング保持用突起に止水用環状スプリングの内周縁を嵌合装着する止水用環状スプリングの取付構造であって、上記スプリング保持用突起の外周に当該突起の直径より大径のスプリング保持部を設け、上記スプリング保持用突起の外周と上記スプリング保持部との間に段部を形成し、上記スプリング保持部に上記止水用環状スプリングを嵌合装着した状態で、上記段部上面においてその内周部を下方向に切り込むことにより、上記スプリング保持部の上端部周囲を外周方向に屈曲し、外周方向に屈曲した上記保持部上端部と上記放水口閉鎖部材上面により、上記止水用環状スプリングの内周縁をカシメ状態で挟持することにより、当該止水用環状スプリングを上記スプリング保持部に固定するものであることを特徴とする止水用環状スプリングの取付構造により構成される。
【0010】
上記放水口閉鎖部材は、例えばバルブキャップ(8)により構成することができるが、これに限定されずグラスバルブ以外の感熱体(例えば可溶体)を使用する場合の放水口閉鎖部材も含む概念である。上記放水口閉鎖部材上面は例えば水平部(8c”)により構成することができる。このように構成すると、スプリング保持用突起に止水用環状スプリングを水平状態に強固に固定することができるので、上記放水口閉鎖部材の止水用環状スプリングで放水口を閉鎖し開放時に放水口閉鎖部材が放水口から離間して放水口下方位置に移動して開放するタイプのスプリンクラーヘッドにおいて、開放時に消火水が止水用環状スプリングに直接当たっても当該スプリングは放水口閉鎖部材に対して傾いたり振動等することがないので、消火水を放射状に均等に散布することができる。
【0011】
第2に、先端部周囲に先細状に形成された刃部を有する円筒状の固定具を設け、当該固定具を上記スプリング保持用突起に被覆装着し、上記刃部を上記段部上面に当接した状態で上記段部方向に加圧することにより上記段部の切り込みを形成するものであることを特徴とする上記第1記載の止水用環状スプリングの取付構造により構成される。
【0012】
このように構成すると、固定具により、止水用環状スプリングを放水口閉鎖部材に水平にカシメ状態で強固に固定することができる。
【0013】
第3に、上記放水口閉鎖部材は、上記スプリング保持用突起の周囲に中央部から周囲に向けて下り傾斜の傾斜面が形成されたホルダー盤を有しているものであることを特徴とする請求項1又は2記載の止水用環状スプリングの取付構造により構成される。
【0014】
このように構成すると、上記放水口閉鎖部材で放水口を閉鎖し開放時に放水口閉鎖部材が放水口から離間して放水口下方位置に移動して開放するタイプのスプリンクラーヘッドにおいて、下方に移動した放水口閉鎖部材のホルダー盤の傾斜面に沿って消火水を下方に誘導することができ、消火水を放射状に均等に散布することができる。
【0015】
第4に、上記放水口閉鎖部材は、スプリンクラーヘッド内のグラスバルブの先端部に装着されるバルブキャップであることを特徴とする上記第1〜3の何れかに記載の止水用環状スプリングの取付構造により構成される。
【0016】
第5に、上記止水用環状スプリングは樹脂で被覆されているものであることを特徴とする上記第1〜4の何れかに記載の止水用環状スプリングの取付構造により構成される。
【0017】
よって、上記止水用環状スプリングを、そのスプリングの附勢力に抗して樹脂(例えば樹脂膜)を介してスプリンクラーヘッドの放水口に所定圧力で圧着させることにより、スプリンクラーヘッドの放水口を効果的に止水し得る。
【0018】
第6に、上記第1〜5の何れかに記載の止水用環状スプリングの取付構造により、止水用環状スプリングを取り付けた放水口閉鎖部材を以って上記放水口を閉鎖したものであることを特徴とするスプリンクラーヘッド。
【0019】
このように構成すると、上記放水口閉鎖部材で放水口を閉鎖し開放時に放水口閉鎖部材が放水口から離間して放水口下方位置に移動して開放するタイプのスプリンクラーヘッドにおいて、開放時に消火水が止水用環状スプリングに直接当たっても当該スプリングは放水口閉鎖部材に対して傾いたり振動等することがないので、消火水を放射状に均等に散布することができるスプリンクラーヘッドを実現できる。
【0020】
第7に、スプリンクラーヘッドの放水口閉鎖部材の中央のスプリング保持用突起に止水用環状スプリングの内周縁を嵌合装着する止水用環状スプリングの取付方法であって、上記スプリング保持用突起の外周に当該突起の直径より大径のスプリング保持部を設け、上記スプリング保持用突起の外周と上記スプリング保持部との間に段部を形成し、先端部周囲に先細状に形成された刃部を有する円筒状の固定具を設け、上記スプリング保持部に上記止水用環状スプリングを嵌合装着した状態で、上記固定具を上記スプリング保持用突起に被覆装着し、上記刃部を上記段部の上面内周部に当接した状態で上記段部方向に加圧することにより上記段部内周部に下方向の切り込みを形成し、これにより上記スプリング保持部の上端部周囲を外周方向に屈曲し、外周方向に屈曲した上記保持部上端部と上記放水口閉鎖部材上面により、上記止水用環状スプリングの内周縁をカシメ状態で挟持することにより、当該止水用環状スプリングを上記スプリング保持部に固定するものであることを特徴とする止水用環状スプリングの取付方法により構成される。
【0021】
このように構成すると、固定具により、止水用環状スプリングを放水口閉鎖部材に水平にカシメ状態で強固に固定することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は上述のように構成したので、スプリング保持用突起に止水用環状スプリングを水平に強固に固定することができるので、消火水を放射状に均等に散布することが可能なスプリンクラーヘッドの止水用環状スプリングの取付構造を実現し得るものである。
【0023】
よって、このような取付構造の放水口閉鎖部材を用いることにより、消火水を放射状に均等に散布し得るスプリンクラーヘッドを実現し得る。
【0024】
また、本発明に係る止水用環状スプリングの取付方法によると、スプリング保持用突起に止水用環状スプリングを水平に強固に固定することができるため、当該方法により止水用環状スプリングを取り付けた放水口閉鎖部材を使用することにより、消火水を放射状に均等に散布し得るスプリンクラーヘッドを実現し得るものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、添付図面に基づいて本発明に係る止水用環状スプリングの取付構造を詳細に説明する。
【0026】
図1、図2は本発明に係る取付構造による止水用環状スプリングを使用したスプリンクラーヘッド1を示すものであり、これらの図において、2は上記ヘッド1の本体であり、図示しないスプリンクラー配管に螺合するための雄螺子2a’が形成された円筒状雄螺子部2aと、該雄螺子部2aの下端に設けられ当該雄螺子部2aよりも大径の水平螺子部2bとから構成されている。この本体2はその中心部に上下方向に貫通する通水路2cが形成されており(図2参照)、上記本体2の下面2d中央部にはボス部2eが下方向けて突出形成され、上記通水路2cは該ボス部2e中央を下向きに貫通している。
【0027】
この通水路2c下端のボス部2eに放水口2fが形成されている。また、この放水口2fの開口面2f’には、該開口面2f’より小径の環状凹部2gが形成されており、当該環状凹部2gに後述の止水用環状スプリング11の外周縁11bが圧着する(図3参照)。
【0028】
また、上記水平螺子部2bの内周には、上記下面2dに至る雌螺子部2b’が形成されており、当該雌螺子部2b’には後述のデフレクター3が螺合される。
【0029】
3はデフレクターであり、上部側のデフレクター部3aと、4本のグラスバルブ支持フレーム3cからなる下部側のフレーム部3bとから構成されている。上記デフレクター部3aは、上下開口の円筒状をなし、上側開口部3c’の上端外周面に雄螺子部3a’が形成されており、該雄螺子部3a’を以って上記水平螺子部2bの上記雌螺子部2b’に螺合され、これにより上記デフレクター3は、上記本体2に一体的に結合されている。
【0030】
このデフレクター部3aの内周の下端には水平方向段状の水平環状底面3eが形成されており、当該底面3eの中央側に円形の中央開口部3dが開口形成されている(図2、図8)。よって当該中央開口部3dの直径は上記上側開口部3c’の直径より小であるが、上記本体2の上記放水口2fの直径より大径になるように形成されている。
【0031】
また、後述のグラスバルブ9の破壊時には放水口2fを閉鎖していたバルブキャップ8が落下してくるが、上記底面3eは上記バルブキャップ8のホルダー盤8cの周縁を支持して当該バルブキャップ8を受け止める作用を有している(図7参照)。
【0032】
4は、上記デフレクター部3aの下端部外周に一定間隔をおいて全周に亙り複数個設けられた放水用の開口部である。これらの開口部4は、その1個の形状に着目すると、外周方向に開口した側面開口部4aと、下向きに開口した下向開口部4bにより構成されている(図2、図8参照)。上記側面開口部4aは、上記外周面に上下方向に略縦長の長方形状に貫通して設けられており、当該開口部4aの上縁は、上記デフレクター部3aの下半部側に位置している。
【0033】
上記下向開口部4bは、上記デフレクター部3aの環状下面3fにおいて下向きに略長方形状に開口しており、さらに当該下向開口部4bは上記下面3fを上記デフレクター部3aの中心部方向に開口され、その奥部側面4b’は下面3fの半径方向の幅の略中央部まで至っている(図2、図8参照)。
【0034】
そして上記開口部4は上記デフレクター部3aの全周に亙り一定間隔を以って複数個形成されている。
【0035】
上記4本のグラスバルブ支持フレーム3cは、上記下面3fにおいて90度毎の間隔をおいた位置より下向きに設けられており、各フレーム3cはその途中で中心部方向に若干屈曲し、各フレーム3cの下端はデフレクター3の中央位置において一体的に集合して下端中央部5を形成している。この下端中央部5の中心には上下方向貫通孔が形成されその貫通孔内周には雌螺子部5aが形成されている。
【0036】
6は、グラスバルブ受部材であり、周囲に雄螺子部6aが形成されると共に上面に凹部6bが形成されている。このグラスバルブ受部材6は、その雄螺子部6aを以って上記中央部5の雌螺子部5aに螺着され、その凹部6bを上記下端中央部5の上面5bに臨出させている。このグラスバルブ受部材6の下端には六角レンチの係合孔6cが凹設されており、図2に示すようにグラスバルブ9の装着状態で上記雌螺子部5aに螺合することにより、グラスバルブ9を介してバルブキャップ8に上方向きの圧力をかけ、上記環状スプリング11を以って上記放水口2fを閉鎖し得るように構成されている。
【0037】
8は円盤状のバルブキャップ(放水口閉鎖部材)であり(図4参照)、上面中央にスプリング保持用突起8aが突出形成されると共に、下面側の中央にはグラスバルブ保持用ボス8bが下向きに突出形成されており、火災警戒時においては該ボス8bの中心穴8b’内にグラスバルブ9の上端部が位置するように構成されている。上記スプリング保持用突起8aには、止水用環状スプリング11がその内周縁11aを以って嵌着されており、上記スプリング11の外周縁11bを上記放水口2fの環状凹部2gに圧着することで、当該バルブキャップ8により上記放水口2fを止水状態に閉鎖し得るように構成されている。
【0038】
また、上記バルブキャップ8のスプリング保持用突起8aの上端部は、円錐形状の円錐部8a”が形成されており、後述の発砲時(開放時)に、消火水が当該円錐部8a”に当接して放射状に広がるように構成されている。
【0039】
当該バルブキャップ8の上記スプリング保持用突起8aの周囲には、上記放水口2fの直径よりも大径の円盤状のホルダー盤(盤状部)8cが形成されている。このホルダー盤8cの上面側は、その断面図(図2)に示すように、盤面中央部から周縁にいくにつれて外周方向に下り傾斜となる下り傾斜面(傾斜面)8c’が形成されており、水平な下面8’に対して周縁に行くにつれてその厚みが徐々に薄くなるように形成されている。なお、上記ホルダー盤8cの直径は上記デフレクター部3aの内周3c’の直径より若干小さく形成され、当該バルブキャップ8が上記デフレクター部3a内で上下に移動可能に構成されている。
【0040】
上記下り傾斜面8c’は、グラスバルブ9が破壊されて当該バルブキャップ8が上記環状底面3e上に落下したとき(図7)、上記デフレクター部3a中央部から各開口部4の方向に下り傾斜となるような傾斜面により構成されている。これにより、放水口2fから当該下り傾斜面8c’を介して各開口部4へ向かう放水経路Cが形成される(図7参照)。
【0041】
10は上記バルブキャップ8のホルダー盤8cの盤面に貫通形成された円形の通水小孔であり、等間隔で4個形成されている。この4つの通水小孔10の直径は、図7に示すように、グラスバルブ9が破壊してバルブキャップ8が上記底面3e上に落下したとき、上記中央開口部3dの周縁より内側に開口10’が形成されるような大きさ(直径)に形成される。これにより、上記バルブキャップ8が上記底面3eに落下してその周縁を支持された状態において、消火水が上記通水小孔10の開口10’を介して下向きの放水経路Dが形成されるように構成されている。即ち、上記通水小孔10の大きさは、上記中央開口部3dの周縁より内側に開口10’が形成されるような大きさであればよく、円形には限定されないし、その数も4個に限定されない。
【0042】
このホルダー盤8cにおける通水小孔10の数の増減により、下向きの放水量を加減することができる。即ち、同一高さからの放水する場合においては、通水小孔10の数を増やすと下向きの放水量が増加して上記開口部4から半径方向への放水量(矢印C方向)が減少するため散水エリアE(図9参照)の面積が小さくなる。一方、通水小孔10の数を減らすと上記開口部4から半径方向への放水量が増加して散水エリアEの面積を大きくし得る。
【0043】
次に、上記止水用環状スプリング11のスプリング保持用突起8aへの取付構造についてより詳細に説明する。
【0044】
上記スプリング保持用突起8aの下半部にはその中央部8a’の直径より大径のスプリング保持部8dが形成されており、これにより上記中央部8a’と保持部8dとの間には拡径段部(段部)8eが形成されている。また、上記ホルダー盤8cにおける上記スプリング保持用突起8aの下端周縁(保持部8dの下端部)には所定範囲に亙り環状の水平部8c”が設けられており、上記止水用環状スプリング11は、その内周縁11aが上記スプリング保持用突起8aの上記保持部8dに嵌合状態で、かつ上記水平部8c”上に当接した状態で当該突起8aに嵌合装着される(図5(b)参照)。
【0045】
上記止水用環状スプリング11は、図4に示すようにそれ自体は、全体的に逆円錐形の本体の中央部分に同心的に円形開口部11’を設けた形状をなし、よって縦断面形状は、内周縁11aより外周縁11bに向けて末広がり状のテーパ面11c(図5(a)参照)が形成されている。ここで、上記スプリング保持用突起8aに未装着の状態において、上記テーパ面11cの水平線とのなす角度をθ度(以下、「開き角度」という)とする。このスプリング11は、その材質は金属(例えばニッケルベリリウム(Ni−Be)鋼)であり、その表裏面に樹脂(例えば四フッ化エチレン(PTFE))による樹脂膜11”を設けており、その内周縁11a及び外周縁11bにおいて上記表裏の樹脂膜11”の余部分を接合して接合部11a’、11b’を形成している(図5(a))。尚、上記止水用環状スプリング11における上記放水口2fに対向する面を表面、上記バブルキャップ8に対向する面を裏面という。
【0046】
この止水用環状スプリング11を上記バルブキャップ8に取り付けるには、以下の方法による。即ち、まず上記止水用環状スプリング11の内周縁11aをその裏面側から上記バルブキャップ11のスプリング保持用突起8aに宛がい、上記内周縁11aを上記スプリング保持用突起8aの下半部のスプリング保持部8dに嵌合状態で装着する(図5(b))。この時点では、上記スプリング8の上記開き角度θは変化しない。尚、かかる嵌合状態では、上記スプリング11は上記保持部8aに単に嵌合されている状態であるから、当該スプリング11を上記保持部8aから比較的容易にとり外すことができる。
【0047】
図4において、12は上記スプリング11を上記バルブキャップ8にカシメ状態に固定するための固定具であり、下端開放の円筒状をなし、その先端部は、図5(b)に示すように、全周に亙り先端側ほど小径(先細状)となるようなテーパ部12a(円錐部)が形成されており、その先端は内周面に対して鋭角的な刃部12bが形成されている。この固定具12の内周の直径は上記スプリング保持用突起8aの中央部8a’の直径より若干大きく形成されており、該固定具12の先端部内に上記スプリング保持用突起8aを被覆装着し得るように構成されている(図6(a)参照)。
【0048】
よって、上記バルブキャップ8を水平に固定した状態で、上記固定具12を水平面に直交状態で、その先端部より上記保持用突起8aに被せていくと(図5(b))、上記保持用突起8aの中央部8a’に嵌合し、さらに固定具12を下降させると、その刃部12bが上記段部8e上面における上記中央部8a’の下端部(段部8e上面における最内周部8e’)に当接するように構成されている(図5(b)、図6(a)参照)。
【0049】
そして、上記スプリング保持部8dに上記スプリング11を嵌合装着した状態で、上記固定具12を上記スプリング保持用突起8aに図6(a)のように装着し、その刃部12bを上記段部8e上面の最内周部8e’に当接し(図5(b))、さらに油圧、水圧、空気圧等により下方に加圧することにより、当該刃部12bが上記段部8e最内周部8e’を下方に切り込み(図6(a))、この切り込み8e”によって、上記段部8bを外周方向に倒れ込むように屈曲させ、同時に保持部8dの上端部8d’を外周方向に倒れ込むように屈曲させるように構成している。即ち、上記固定具12の刃部12bはその内周12c側が垂直で外周12c’側が内周12c面に対して鋭角の傾斜面を形成しているので(図5(b))、上記段部8eに対して圧入すると、上記刃部12bの外周12c’側の面が上記保持部8dの上端部8d’を外周方向に倒すように屈曲させる(図5(b)、図6(a)参照)。
【0050】
そして、上記段部8e及び保持部8dの上端部8d’の倒れ込みにより、上記止水用スプリング11の内周縁11aが上記水平部8c”と上記外周方向に倒れ込んだ上記上端部8d’により上下方向に強固に挟持され、上記止水用スプリング11は、上記スプリング保持用突起8aの保持部8dに強固に固定されるように構成している(図6(b))。この固定状態は、上記スプリング11の内周縁11aが、上記水平部8c”と上記段部8e及び上記上端部8d’によって、いわばカシメ状態で固定されていることになり、当該固定後は、上記止水用環状スプリング11は、図6(b)に示す状態で内周縁11a全周に亙り強固に固定され、上記止水用スプリング11を上記保持部8dから取り外すことはできないのは勿論、図6(b)の状態から傾けたり、ずらしたりすることはできない状態に固定される。
【0051】
また、上記固定具12による固定は、上記環状スプリング11の内周縁11aの上下を上記上端部8d’と上記水平部8c”で全周に亙り均等に締め付けることができるので、固定操作に関連して環状スプリング11に歪みが生じたり、水平状態から傾いたりすることはなく、水平に確実に取り付けることができる。なお、スプリンクラーヘッドの開放時には消火水が上記環状スプリング11に直接当たるので、この止水用環状スプリング11のバルブキャップ8に対する取り付け位置が水平から僅かに傾いても、均等な散水ができない。本発明に係る止水用環状スプリング8は上記取付構造によるため、取り付け時に水平から傾くことはない。
【0052】
よって、上記挟持状態(カシメ状態)では、上記止水用スプリング11はその内周縁11aをその全周に亙り強固に固定されているので、グラスバルブ9の発砲後にバルブキャップ8が上記水平底面3eに落下した開放状態において、放水口から流出する消火水が上記スプリング11に強く当たっても該スプリング11が上記バブルキャップ8に対して傾いたり振動したりすることはなく、当初の水平のカシメ状態(図6(b)の状態)を維持し得る。よって、上記スプリング11は上記バルブキャップ8に対して消火水によって取り付け位置がずれたり振動したりがたついたりすることはない。
【0053】
止水用環状スプリング11の挟着されたバブルキャップ8は、その突起8aを放水口2f内に挿入し、上記スプリング11の外周縁11bを上記放水口2fの上記環状凹部2gに嵌合して上記ホルダー盤8と共に上記放水口2fを下側から閉止する(図2)。
【0054】
上記グラスバルブ9は、上記バルブキャップ8により上記放水口2fを閉鎖した状態で、その上端部を上記バルブキャップ8のボス8bで支持されると共に、その下端部を上記グラスバルブ受部材6の上記凹部6bに支持されており、これにより上記ボス8bと上記凹部6bとの間に立設した状態で支持される。この状態においては、上記止水用環状スプリング11の外周縁11bは上記放水口2fの環状凹部2gに当接しており、かかる状態で、グラスバルブ受部材6の係合孔6cに六角レンチを挿入し、上記止水用環状スプリング11の矢印a方向の附勢力に抗して当該受部材6を下端中央部5にねじ込んで行く。
【0055】
すると、上記グラスバルブ9共々、上記バルブキャップ8が上記止水用環状スプリング11の上記附勢力(矢印a方向)に抗して徐々に上方に移動して行き、上記止水用環状スプリング9の上記開き角度θが当初の上記角度より小さい開き角度θ’度(図3参照)となるまで、当該環状スプリング9に圧力を加える。かかる加圧状態においては、上記止水用環状スプリング11の外周縁11bが上記環状凹部2gに強く圧着し、樹脂膜11”(接合部11b’)を介して放水口2fが止水された状態となる(図3)。尚、火災警戒状態では、上記スプリンクラー配管内の消火水が上記本体2内に充満し、上記バルブキャップ8を介して上記グラスバルブ9に所定圧力が印加された状態となっている。
【0056】
上記フレーム部3bの4本のグラスバルブ保持フレーム3cは90度の間隔をおいて設けられており、各フレーム3c間には十分な間隔を有するように構成されている。さらに上記支持フレーム3cは、上記デフレクター部3aの下側に設けられている。これは、グラスバルブ9が破壊されたとき、その破片がデフレクター部3aの開口部4に極力入り込まないようにすると共に、上記破片が各フレーム3c間から容易に落下して当該破片が散水の障害とならないように考慮したものである。
【0057】
13は、上記中央受部5の下面側に設けられた集熱板であり、火災の熱を集熱する作用を有すると共に上記グラスバルブ9の保護並びに上記グラスバルブ9を隠して天井面の景観を良好に維持するためのものである。
【0058】
本発明のスプリンクラーヘッド1は上述のように構成されるものであるため、該ヘッド1を組み立てるには、まず、バブルキャップ8を図4に示すようにそのスプリング保持用突起8aを上向きにして治具(図示せず)等に水平に載置固定し、上記突起8aに止水用環状スプリング11をその裏面側から上記突起8aに宛がい、その内周縁11aを上記突起8aのスプリング保持部8dに嵌合装着する(図5(a)(b)参照)。このとき止水用環状スプリング11の内周縁11a下端はバブルキャップ8の水平部8c”に当接している。
【0059】
その後、固定具12をその先端(刃部12b側)から上記保持用突起8aに被覆装着し、その下端の刃部12bが上記突起8aの段部8e上面に当接するまで下降し、さらに当該固定具12を所定の圧力を以って下方向(段部方向)に移行(加圧)し、上記段部8eの内周縁部8e’(上記段部の上面内周部)に下方向の切り込み8e”を形成する(図6(a)(b)、図3参照)。
【0060】
すると、上記切り込み8e”の形成と同時に上記段部8eが全周に亙り外周方向に倒れ込むように屈曲し、これにより上記スプリング保持部8d上端部8d’周囲が全周に亙りり外周方向に倒れ込むように屈曲し、当該倒れ込んだ上端部8d’と上記水平部(放水口閉鎖部材上面)8c”とにより、上記スプリング11の内周縁11aをその全周に亙りカシメ状態で強固に挟持固定する(図6(b))。なお、このとき上記開き角度はθ度(図5(a))を維持している。
【0061】
かかる状態においては、上記止水用環状スプリング11はその内周縁11aをその全周に亙り上記上端部8d’と上記水平部8c”によって挟持された状態(カシメ状態)で水平に強固に固定され、当該スプリング11はもはや上記スプリング保持部8dから取り外し不能な状態となる。かかる挟持状態では上記止水用環状スプリング11は、その内周縁11a下端全周が上記水平部8c”に圧接され、水平方向には傾きのない状態(水平状態)で固定される。この状態では上記止水用環状スプリング11を傾けたり、ずらしたりすることはできない。
【0062】
次に、上記バブルキャップ8の上記止水用環状スプリング11の外周縁11bを上記本体2の放水口2fの環状段部2gに宛がうことで同キャップ8を同本体2内に装着し、上記本体2の雌螺子部2b’にデフレクター3の雄螺子部3a’をねじ込んで該デフレクター3を本体2と一体的に固定し、さらに上記バルブキャップ8のボス部8bの中央孔8b’にグラスバルブ9の上端を挿入し、かかる状態で上記グラスバルブ支持フレーム部3cの下端中央部5にグラスバルブ受部材6をねじ込んで行き、グラスバルブ9の下端を上記凹部6b上に載置した状態とする。
【0063】
その後、六角レンチを上記受部材6の挿入孔6cに挿入し回転させることにより、上記受部材6を上記中央部5にねじ込んで行き、上記止水環状スプリング11の矢印a方向の附勢力に抗して上記グラスバルブ9を介して上記バルブキャップ8を上方に移動させることで、上記スプリング11に上方(矢印b方向)の圧力をかけて行く。すると、上記スプリング11はバルブキャップ8によりその内周縁11aを上方に押されるため、その開き角度θが徐々に小さくなり、所定の圧力のかかった状態(開き角度θ’度(θ’<θ))で上記六角レンチの回転を停止する(図3、図2参照)。
【0064】
かかる状態では、上記止水用環状スプリング11は、その外周縁11bが上記放水口2fの環状段部2gに強く圧着し、止水状態を維持する。より詳しくは、図3において、止水用環状スプリング11の外周縁11bの上記環状凹部2gとの当接部に樹脂膜11”(接合部11b’)が圧着し、及び内周縁11aの上記挟持部に樹脂膜11”(接合部11a’)が圧着することにより放水口2fが止水される。
【0065】
次に、スプリンクラーヘッド1の動作を説明する。上記スプリンクラーヘッド1は天井面に固定されると共にその本体2の雄螺子部2a’に天井裏に配管されたスプリンクラー配管(図示せず)の端部が接続される。なお、天井面からはデフレクター部3aの開口部4から下側が露出する。かかる状態で、火災警戒状態においては、上記スプリンクラー配管を介して上記スプリンクラーヘッド1の本体2の通水路2c内には消火水が充満しており、上記止水用環状スプリング11で止水された状態となっている。
【0066】
火災が発生した場合は、火災による熱がフレーム3cの間、及びデフレクター部3aの複数の開口部4からグラスバルブ9に伝達され、所定の温度に達すると、上記グラスバルブ9が破裂する。すると、上記止水用環状スプリング11の矢印a方向の附勢力によりバルブキャップ8は下方に落下して行き、図7に示すように、デフレクター部3a内の環状底面3e上に水平に載置された状態となる。
【0067】
すると、本体2の通水路2c内の消火水は放水口2fから止水用環状スプリング11の表面に直接落下し、これにより消火水が反射し放射状に拡散する。このとき、上記環状スプリング11は上記スプリング保持部8dにおいて水平に強固に挟持固定されているので、消火水が直接当たっても傾いたり、振動したりがたついたりすることはない。よって、当該環状スプリング11の傾斜、振動、がたつき等によって放水範囲が偏ることはなく、消火水は均等に放射状に拡散する。
【0068】
また、上記消火水は、ホルダー盤8cの上面の下り傾斜面8c’を伝わって、上記デフレクター部3aの開口部4から360度の全周に亙り放水される。このとき上記下り傾斜面8c’により上記放水口2fから落下する消火水の反射が抑えられ、消火水を円滑に開口部4方向に導くことができる。即ち、上記ホルダー盤8の上面は上記複数の開口部4の方向に向かう下り傾斜面8c’が形成されているので、消火水は上記下り傾斜面8c’によりデフレクター部3aの各開口部4方向に360度に亙って略均等に導かれる。
【0069】
そして上記スプリング11は上記スプリング保持部8dにおいて水平に固定された状態を維持するので、上記傾斜面8c’と相俟って消火水を当該スプリンクラーヘッド1を中心として360度の全周に亙り、途切れることなく略均等に円形状に放水することができる(図9)。
【0070】
さらに、上記放水口2fから放水された消火水は、ホルダー盤8cの4つの通水小孔10の開孔10’から下方向けて放水される(矢印D方向)。この消火水は、上記フレーム3cの間から略下方向けて放水され、また通水小孔10が均等間隔で設けられているので、散水エリアEの内側にも均一に放水することができ、火災を確実に消火することができる(図9)。
【0071】
本発明は、上述のように、止水用環状スプリング11をバルブキャップ8に固定具12によりカシメ状態で水平に強固に挟持固定し得るので、スプリンクラーヘッド1の発砲時に消火水が止水用環状スプリング11に直接当たっても、該スプリング11が傾いたり、振動したり、がたついたりせず、水平な固定状態を維持する。よって、消火水の散水範囲がスプリンクラーヘッド1を中心として均等な円形となり、消火水の散水範囲が途切れたり、偏ったりすることはない。
【0072】
また、バルブキャップ8に下り傾斜面8c’を設けたので、落下してくる消火水の反射を抑えて、消火水を下り傾斜面8c’を介して開口部4方向に誘導することができ、デフレクター部3aの全周から均一な散水を行うことができる。
【0073】
また、バルブキャップ8に設けられた通水小孔10を介して下方にも散水することができ、効果的な消火を行うことができる。また、通水小孔10の大きさ或は数を調整することにより、散水エリアEの大きさを調整することもできる。
【0074】
また、スプリング保持用突起8aに止水用環状スプリング11を水平状態で強固に固定することができるので、上記バルブキャップ8で放水口2fを閉鎖し開放時にバルブキャップ8が放水口2fから離間して放水口下方位置に移動し、環状段部3e上に水平に載置されることにより開放するタイプのスプリンクラーヘッドにおいて、開放時に消火水が止水用環状スプリング11に直接当たっても当該スプリング11はバルブキャップ8に対して傾いたり振動等することがない。よって、消火水を放射状に均等に散布することを可能とするスプリンクラーヘッドの止水用環状スプリングの取付構造を実現することができる。
【0075】
よって、このような取付構造の放水口閉鎖部材(バルブキャップ8)を用いることにより、消火水を放射状に均等に散布し得るスプリンクラーヘッドを実現し得るものである。
【0076】
また、本発明に係るスプリンクラーヘッドの止水用環状スプリングの取付方法によると、スプリング保持用突起8aに止水用環状スプリング11を水平状態に強固に固定することができるため、当該方法により止水用環状スプリング11を取り付けたバルブキャップ8を使用することにより、消火水を放射状に均等に散布し得るスプリンクラーヘッドを実現し得る。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明に係る水用環状スプリングの取付構造は、グラスバルブを使用したスプリンクラーヘッドの止水用環状スプリングの取付構造としてだけでなく、グラスバルブ以外の感熱体、例えば可溶体を使用したスプリンクラーヘッドの止水用環状スプリングの取付構造としても用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の止水用環状スプリングの取付構造を適用したスプリンクラーヘッドの側面図である。
【図2】同上スプリンクラーヘッドの断面図である。
【図3】同上スプリンクラーヘッドの止水用環状スプリング近傍の断面図である。
【図4】本発明の止水用環状スプリングの取付構造により止水用環状スプリングを取り付ける状態を示す分解斜視図である。
【図5】同上取付構造により止水用環状スプリングを取り付ける状態を示すバルブキャップの側面図であり、(a)は止水用環状スプリングの装着前、(b)は止水用環状スプリングを装着し固定具の装着前の状態を示す。
【図6】同上取付構造により止水用環状スプリングを取り付ける状態を示すバルブキャップの一部断面側面図であり、(a)は固定具の装着状態、(b)はカシメ状態を示す。
【図7】同上スプリンクラーヘッドの開放時(発砲時)の断面図である。
【図8】同上スプリンクラーヘッドの斜視図である。
【図9】同上スプリンクラーヘッドの散水エリアを示す図である。
【符号の説明】
【0079】
1 スプリンクラーヘッド
2f 放水口
8 バルブキャップ
8a スプリング保持用突起
8c ホルダー盤
8c” 水平部
8d スプリング保持部
8d’ 上端部
8e 段部
8e” 切り込み
9 グラスバルブ
11 止水用環状スプリング
11” 樹脂膜
11a 内周縁
12 固定具
12b 刃部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプリンクラーヘッドの放水口閉鎖部材の中央のスプリング保持用突起に止水用環状スプリングの内周縁を嵌合装着する止水用環状スプリングの取付構造であって、
上記スプリング保持用突起の外周に当該突起の直径より大径のスプリング保持部を設け、上記スプリング保持用突起の外周と上記スプリング保持部との間に段部を形成し、
上記スプリング保持部に上記止水用環状スプリングを嵌合装着した状態で、上記段部上面においてその内周部を下方向に切り込むことにより、上記スプリング保持部の上端部周囲を外周方向に屈曲し、
外周方向に屈曲した上記保持部上端部と上記放水口閉鎖部材上面により、上記止水用環状スプリングの内周縁をカシメ状態で挟持することにより、当該止水用環状スプリングを上記スプリング保持部に固定するものであることを特徴とする止水用環状スプリングの取付構造。
【請求項2】
先端部周囲に先細状に形成された刃部を有する円筒状の固定具を設け、当該固定具を上記スプリング保持用突起に被覆装着し、上記刃部を上記段部上面に当接した状態で上記段部方向に加圧することにより上記段部の切り込みを形成するものであることを特徴とする請求項1記載の止水用環状スプリングの取付構造。
【請求項3】
上記放水口閉鎖部材は、上記スプリング保持用突起の周囲に中央部から周囲に向けて下り傾斜の傾斜面が形成されたホルダー盤を有しているものであることを特徴とする請求項1又は2記載の止水用環状スプリングの取付構造。
【請求項4】
上記放水口閉鎖部材は、スプリンクラーヘッド内のグラスバルブの先端部に装着されるバルブキャップであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の止水用環状スプリングの取付構造。
【請求項5】
上記止水用環状スプリングは樹脂で被覆されているものであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の止水用環状スプリングの取付構造。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載の止水用環状スプリングの取付構造により、止水用環状スプリングを取り付けた放水口閉鎖部材を以って上記放水口を閉鎖したものであることを特徴とするスプリンクラーヘッド。
【請求項7】
スプリンクラーヘッドの放水口閉鎖部材の中央のスプリング保持用突起に止水用環状スプリングの内周縁を嵌合装着する止水用環状スプリングの取付方法であって、
上記スプリング保持用突起の外周に当該突起の直径より大径のスプリング保持部を設け、上記スプリング保持用突起の外周と上記スプリング保持部との間に段部を形成し、
先端部周囲に先細状に形成された刃部を有する円筒状の固定具を設け、
上記スプリング保持部に上記止水用環状スプリングを嵌合装着した状態で、上記固定具を上記スプリング保持用突起に被覆装着し、上記刃部を上記段部の上面内周部に当接した状態で上記段部方向に加圧することにより上記段部内周部に下方向の切り込みを形成し、これにより上記スプリング保持部の上端部周囲を外周方向に屈曲し、
外周方向に屈曲した上記保持部上端部と上記放水口閉鎖部材上面により、上記止水用環状スプリングの内周縁をカシメ状態で挟持することにより、当該止水用環状スプリングを上記スプリング保持部に固定するものであることを特徴とする止水用環状スプリングの取付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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