正確な到着時間差を推定すべく基準信号を生成する方法と装置
基地局は、位置決定基準信号(PRS)を第1送信リソース集合に符号化し、他の情報を第2送信リソース集合に符号化する。第1リソース集合は、基地局に関連する識別子に基づき、第1直交周波数分割多重化(OFDM)シンボル集合のうちの少なくとも一部に多重化される。第2リソース集合は、第2OFDMシンボル集合に多重化されるように、2つのリソース集合をサブフレーム内に多重化することによって、無線通信システムにおいてダウンリンクを介してPRSを無線通信装置に通信する。サブフレームを受信すると無線通信装置は、どの送信リソース集合が、サブフレームを送信した基地局に関連する識別子に基づくPRSを含有するか判定し、さらにPRSを含有するリソース集合を処理することによって、タイミング(たとえば到着時間)情報を推定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、主に無線通信ネットワークに関する。より詳細にはサブフレームを送信する基地局に関連する識別子に基づき、ダウンリンクサブフレーム内の位置決定基準信号を通信および処理する装置と方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信ネットワークは周知であり、いくつかのネットワークは、完全に私有性であるが、他のネットワークは、様々な製造供給元が共通システムの機器を製造できるようにすべく一つあるいは複数の標準の影響下にある。そのような1つの標準に基づくネットワークは、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)である。UMTSは、国際電気通信連合(ITU)の世界共通次世代携帯電話2000プロジェクトの範囲で世界共通の第3世代(3G)携帯電話システム仕様を作成すべく、通信協会団体間でのコラボレーションである第3世代携帯プロジェクト(3GPP)によって標準化される。一般にUMTSロングタームエボリューション(LTE)または進化型UMTS地上無線アクセス(E−UTRA)と称される進化型UMTS標準を開発する取組みが、目下進行中である。
【0003】
E−UTRAまたはLTE標準化仕様のリリース(Release)8にしたがって、基地局(「拡張ノードB」または簡単に「eノードB」あるいはeNBと称される)から、無線通信装置(「ユーザ装置」(ユーザ機器)または「UE」と称される)へのダウンリンク通信は、直交周波数分割多重(OFDM)を利用する。OFDMにおいて、直交サブキャリアは、OFDMシンボル集合を形成するために、データ、制御情報、または他の情報を含み得るデジタルストリームで変調される。サブキャリアは、連続性または断続性であり、ダウンリンクデータ変調は、四位相偏移変調(QPSK)、16変数直交振幅変調(16QAM)、または64QAMを用いることによって実行され得る。OFDMシンボルは、基地局から送信するダウンリンクサブフレーム内に構成される。それぞれOFDMシンボルは、時間分を有すると共に、巡回プレフィックス(CP)に関連する。巡回プレフィックスは、本質的にサブフレーム内における連続OFDMシンボル間の保護期間である。E−UTRA仕様にしたがって、ノーマル巡回プレフィックスは、約5マイクロ秒であり、拡張巡回プレフィックスは、16.67マイクロ秒である。
【0004】
ダウンリンクとは対照的に、ユーザ装置からeノードBへのアップリンク通信は、E−UTRA標準にしたがう単一キャリア周波数分割多重アクセス(SC−FDMA)を利用する。SC−FDMAにおいて、QAMデータシンボルのブロック送信は、第1離散フーリエ変換(DFT)拡散(またはプリコーディング)、続いて従来型OFDMモジュレータへのサブキャリアマッピングによって実行される。DFTプリコーディングを使用することによって、ユーザ装置電力増幅器のコスト、サイズおよび電力消費の削減につながる適度な立方計量(cubic metric)/ピーク対平均電力比(PAPR)が可能になる。SC−FDMAにしたがって、アップリンク送信に用いられるそれぞれサブキャリアは、入力データストリームが広がる送信変調信号全ての情報を含む。ダウンリンク制御チャネルを介して送られたスケジューリング要求(およびスケジューリング情報)の送信を含む、アップリンクにおけるデータ送信は、eノードBによって制御される。アップリンク送信のスケジューリンググラントは、ダウンリンク上でeノードBによって提供されると共に、数ある中でも特にリソース割当(たとえば1ミリ秒(ms)間隔当りのリソースブロックサイズ)とアップリンク送信に用いられるべき変調の同定を含む。より高次の変調と適応変調符号化(AMC)を付加して、好みのチャネル条件でユーザをスケジューリングすることによって、大きなスペクトル効率が、可能である。
【0005】
またE−UTRAシステムは、容量を増やすべく、ダウンリンク上での多重入力多重出力(MIMO)アンテナシステムの使用を促進する。公知のように、MIMOアンテナシステムは、多重送信アンテナを利用したeノードBと多重受信アンテナを利用したユーザ装置で採用される。ユーザ装置は、報告用のチャネル推定、順次データ復調、およびリンク品質測定のために、eノードBから送られたパイロットまたは基準シンボル(RS)に依存し得る。フィードバックのリンク品質測定には、そのようなランクインジケータとしての空間パラメータ、または同じリソースで送られたデータストリーム数;プレコーディング行列インデックス(PMI);およびたとえば変調符号化スキーム(MCS)などの符号化パラメータまたはチャネル品質インジケータ(CQI)が含まれ得る。たとえばリンクが1よりも大きなランクをサポートできるとユーザ装置が、判定すると、ユーザ装置は、多重CQI値(たとえばランク=2の場合、2個のCQI値)を報告し得る。さらにリンク品質測定値は、サポートフィードバックモードのうちの1つでeノードBによって命令されると、定期的または非定期的に報告され得る。レポートは、パラメータの広帯域かサブバンドの周波数選択情報を含み得る。eノードBは、アップリンクとダウンリンクのチャネルでユーザ装置に提供すべく、ランク情報、CQI、およびアップリンク品質情報などの他のパラメータを使用し得る。
【0006】
同様に公知のように、今日のセル方式携帯電話機は、緊急時の装置および装置の所有者の位置検索を助けると共に、連邦通信委員会(FCC)からのE−911勧告にしたがうべく全地球測位システム(GPS)受信機を含む。大部分の環境下において、電話機のGPS受信機は、適当量のGPS衛星から信号を受信し、さらに無線ネットワークに連結されるかそのネットワークのうちの一部を形成する、たとえば位置サーバによって装置の位置を判定するセル方式システムのインフラにその情報を伝達することが可能である。しかし、GPS受信機が無効であるいくつかの環境が存在する。たとえばユーザおよびユーザの携帯電話が、建物内に位置する場合、GPS受信機は、位置サーバが装置の位置を判定できる信号を適当量のGPS衛星から受信することができない。さらに私的システムの無線装置は、FCC E−911勧告を満たすよう要求されないので、GPS受信機を含めなくてもよい。しかし、そのようなシステムにおいて動作する無線装置の位置を判定することが、必要になり得る環境が、生じるかもしれない。
【0007】
GPSシステムの断続的な無効性を補うと共に、私的システムにおいて位置判定機能を提供するため、多くの無線システムは、シグナリングを利用すると共に、無線装置の位置が推定され得るプロセスを含む。たとえば多くのシステムにおいて、基地局は、無線装置によって受信されると共に、たとえば位置サーバなどのインフラ装置が、無線装置の位置を算出(たとえば三角測量と三辺測量のうちの少なくとも一方)できる情報を測定するか、無線装置の位置を自律的に(すなわち無線装置自体で)判定するかのいずれかに用いられる位置決定基準信号を定期的に送信する。位置サーバが、無線装置の位置を算出するように意図される場合、無線装置は、位置決定基準信号を受信すると、到着時間(TOA)または到着時間差(TDOA)情報を決定し、サービング基地局(すなわち無線通信サービスを無線装置に提供する基地局)を介してTOAまたはTDOAを位置サーバに通信し得る。TOAまたはTDOA情報は一般に、公知技術にしたがって無線装置の局部発振器によって構築されるような無線装置の内部クロックに基づき判定される。
【0008】
3GPP無線アクセスネットワーク(RAN)作業グループ1(3GPP RAN1)のコントリビューション(Contribution)R1−090353は、E−UTRAシステムにおいて位置決定基準信号をユーザ装置に伝達するのに用いるダウンリンクサブフレームを開発する1つの方法を提供する。コントリビューションR1−090353にしたがって、位置決定基準信号を含むQPSKシンボルは、2リソース要素/リソースブロック/OFDMシンボルが、位置決定基準シンボルを保有するように、制御情報に割当てられないOFDMシンボル全体に分配される。図1は、ユーザ装置が現在運用中のセルに隣接するセルを提供するeノードBによって送信される模範的ダウンリンクサブフレーム101,103を例示する。例示されるように、それぞれサブフレーム101,103は、12個のサブキャリア(sub0〜sub11)のリソースブロックを含む。それぞれサブキャリアは、12個の時間セグメントに分割される(t0〜t11)。特定のサブキャリア上のそれぞれ時間セグメントは、デジタル処理で変調された(たとえばQPSK,16QAMまたは64QAM)シンボルを含むリソース要素102,104である。特定の時間セグメントまたは時間分の間にサブキャリア全体に広がるリソース要素102,104集合は、OFDMシンボルを形成する。OFDMシンボル集合(図1において例示されるように12個)は、それぞれサブフレーム101,103を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特表2009−522947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
例示サブフレーム101,103において、それぞれサブフレーム101,103の最初の2つのOFDMシンボルは、セル特異的基準シンボル(サブフレーム101,103において「CRS」で示される)と他の制御情報(サブフレーム101,103において「C」で示される)を含み、残りのOFDMシンボルは、それぞれOFDMシンボルのうちの2つのリソース要素102内にシンボルとして符号化される位置決定基準信号を含む。位置決定基準信号を含むリソース要素102,104は、サブフレーム101,103において「PRS」で示される。サブフレーム101,103を送信するeノードBは、位置決定基準信号シンボルが、非重複リソース要素102,104に多重化されるよう保証することによって、サブフレーム101,103のうちの非制御部分内の位置決定基準信号の配列の直交性を維持しようと、一つあるいは複数のコントローラによって制御される。このようにして直交性を維持するそのような目的にもかかわらず、提案サブフレーム構造は、特定の条件下で直交性の損失をもたらし得る。たとえば模範的サブフレーム101,103においてそれぞれOFDMシンボルに対してノーマル巡回プレフィックス(ノーマルCP)を用いる場合、1.5kmのサイト間距離(ISD)と5マイクロ秒のチャネル遅延拡散は、図1に例示されるような非重複リソース要素102,104で送信するとしても、互いに異なるeノードB送信機間で直交性の損失が生じ得る。直交性の損失は、ユーザ装置から見てダウンリンクチャネルの全体の遅延拡散(すなわち伝播遅延プラスマルチパス遅延拡散)が、ノーマル巡回プレフィックスの巡回プレフィックス長を超え(約5マイクロ秒)、その結果DFTプリコーディングが直交性でないために生じる。拡張巡回プレフィックス(約16.67マイクロ秒)展開の場合には、4.5kmのサイト間距離と5マイクロ秒のチャネル遅延拡散によって、サブキャリア送信の直交性に損失が生じる虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一般的に、本発明は、基地局に関連する識別子に基づき位置決定基準信号を通信する装置と方法を含む。一実施形態にしたがって、装置はとりわけ、受信機とプロセッサを含む無線通信装置である。受信機は、一つあるいは複数の基地局(たとえば無線通信装置が位置するサービス範囲エリアに隣接するサービス範囲エリア(たとえばセル)に無線通信サービスを提供する)から、同時期であるか同時期でないかもしれない一つあるいは複数のサブフレームのうちの少なくとも1つのセクションを受信するよう作動する。それぞれサブフレームは、複数の直交周波数分割多重化(OFDM)シンボルを形成すべく、複数のサブキャリアにわたるシンボルの通過時間で分割される送信リソース(たとえばE−UTRAリソース要素)を含む。それぞれ送信リソースは、OFDMシンボル内のサブキャリアのうちのそれぞれ1つで所定量の時間に送信される。OFDMシンボルは、位置決定基準信号(たとえば観測到着時間差(OTDOA)波形)を含む少なくとも第1OFDMシンボル集合と、位置決定基準信号を含まないが、任意にセル特異的基準信号、および制御情報(たとえば物理的ダウンリンク制御チャネルまたはPDCCH)を含み得る第2OFDMシンボル集合とに配列される。
【0012】
一実施形態において、プロセッサは、特定の基地局からの送信に対応する基準タイミング情報(たとえば無線装置の局部発振器から生成される)に基づき位置決定基準信号の到着信号(TOA)を決定するように作動する。さらにプロセッサは、基準タイミング情報に基づき第2基地局から送信された位置決定基準信号の到着時間を決定すると共に、第1基地局に対する第2基地局から位置決定基準信号の到着時間差(TDOA)を算出するように作動する。そのような実施形態において、無線通信装置は、無線通信装置に無線通信サービスを提供している基地局を介して、少なくとも1つの到着時間と到着時間差を位置サーバに通信するように作動する送信機をさらに含み得る。
【0013】
別の実施形態において、装置は、位置決定基準信号、セル特異的基準信号、および任意に、たとえば制御情報などの他の情報を含有するダウンリンクサブフレームを符号化、多重化、および送信するように作動する基地局であり得る。そのような実施形態において、基地局はとりわけ、プロセッサと送信機を含む。基地局プロセッサは、位置決定基準信号を第1送信リソース集合(たとえばE−UTRAリソース要素)に符号化し、位置決定基準信号以外の情報を第2送信リソース集合に符号化し、さらに第1送信リソース集合と第2送信リソース集合を複数のOFDMシンボルを含むサブフレーム内に多重化するように作動する。基地局送信機は、基地局のサービス範囲内の無線通信装置にサブフレームを送信するように作動する。
【0014】
一実施形態にしたがって、第1送信リソース集合が、基地局に関連する識別子に基づくサブフレームの第1OFDMシンボル集合(たとえば制御情報の送信に用いられないサブフレームのうちの一部分を形成するOFDMシンボル集合(たとえばPDCCH領域を形成しない))のうちの一部分(すなわち全てではないが、いくつかのOFDMシンボル)内に多重化され、第2送信リソース集合は、サブフレームの第2OFDMシンボル集合(たとえば制御情報(たとえばPDCCH)の送信に用いられるOFDMシンボル)内に多重化される。さらに第1送信リソース集合は、送信リソースが、第1OFDMシンボル集合のうちの一つあるいは複数のOFDMシンボルを形成するサブキャリア部分集合に多重化されるように、第1OFDMシンボル集合内に多重化され得る。たとえば第1送信リソース集合は、OFDMシンボルを形成するサブキャリアの6分の1に多重化され得る(たとえば全ての6番目のサブキャリアが、位置決定基準信号に対応する送信リソースを保有するのに用いられ得る)。
【0015】
本開示の様々な態様、特徴および利点は、以下に記載の添付図面とその詳細な説明を慎重に考慮することによって、当業者にはより完全に明白になるだろう。
類似の参照数字が、下方の詳細な説明と一緒に明細書に組入れられると共に、その一部を形成する個別の図を通して同じか機能的に類似した要素を示す添付図面は、様々な実施形態をさらに例示し、本開示の一つあるいは複数の実施形態にしたがう様々な原理と利点全てを説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】E−UTRA標準にしたがって、基地局から無線通信装置に位置決定基準信号を送信する模範的ダウンリンクサブフレーム。
【図2】本発明の模範的実施形態にしたがって無線通信装置に無線通信サービスを提供する無線通信システムの電気ブロック線図。
【図3】本発明の模範的実施形態にしたがう、図2の無線通信システムと無線通信装置において使用できる模範的基地局の電気ブロック線図。
【図4】本発明の模範的実施形態にしたがって、無線通信装置に位置決定基準信号を送信するダウンリンクサブフレームを生成すべく基地局によって実行される段階の論理フローチャート。
【図5】単一コスタス配列からの位置決定基準シンボルに対する多重リソース要素の割当を定義する方法のブロック線図。
【図6】12個未満の非制御シンボルを有するリソースブロック上で位置決定基準シンボルに対するリソース要素割当を定義するため、12×12コスタス配列の列をプルーニングする方法のブロック線図。
【図7】疑似ランダムに選択された順列行列を用いることによって、位置決定基準シンボルにリソース要素位置を割当てる方法のブロック線図。
【図8】対角か反対角行列の循環シフトである行列を用いることによって、位置決定基準シンボルにリソース要素位置を割当てる方法のブロック線図。
【図9】対角か反対角行列の循環シフトである行列の最終列をプルーニングすることによって、12個未満の非制御シンボルを有するリソースブロックにおいて位置決定基準シンボルにリソース要素位置を割当てる方法のブロック線図。
【図10】行列のうちのそれぞれ行に対して列をランダムに選択することによって、位置決定基準シンボルにリソース要素位置を割当てる方法のブロック線図。
【図11】時間領域単一キャリア直接シーケンス拡散スペクトル信号からタイミング基準信号を生成すべく、高速フーリエ変換と逆高速フーリエ変換を行う方法のブロック線図。
【図12】共通基準シンボルを含有するユニキャストサブフレーム上に位置決定基準シンボルをマッピングする方法のブロック線図。
【図13】キャリア周波数から最も離れたリソースブロックが、データの送信に用いられ、残りのリソースブロックが、位置決定基準シンボルの送信に用いられる、同じサブフレーム内の位置決定基準シンボルにおいてユニキャストまたはマルチキャストデータを結合する方法のブロック線図。
【図14】本発明の模範的実施形態にしたがって、位置決定基準信号を含有するダウンリンクサブフレームを処理すべく、無線通信装置によって実行される段階の論理フローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
熟練者は、本図面の要素が、簡単および明確にするために例示されているのであって、必ずしも縮尺通りに、あるいは要素の全成分を含めるべく描かれていないことはわかるであろう。たとえば図面におけるいくつかの寸法は、単独または他の要素に対して誇張され得るか、要素のうちのいくつかと可能な限り多くの成分が、本発明の様々な実施形態を理解し易くすべく、要素から除外され得る。
【0018】
本発明の実施形態は、図2〜5を参照すればより容易く理解することが可能である。図2〜5において類似の参照数字は、類似の品目を指定する。図2は、本発明の模範的実施形態にしたがって一つあるいは複数の無線通信装置201に無線通信サービスを提供する無線通信システム200の電気ブロック線図である。無線システム200はとりわけ複数の基地局203〜205(3つが例示目的で示される)、一つあるいは複数の無線通信装置201(例示目的で1つが示される)、および任意の位置サーバ207を含む。一般に、無線システムは、多くの他の基地局および無線通信装置を含むだろう。しかし、本発明の様々な特徴の説明に関して簡素化するため、図2は、3つの基地局203〜205と1つの無線通信装置201のみを示す。一実施形態において、無線通信システム200は、E−UTRA標準を実装するシステムである。別に、無線システム200は、直交周波数分割多重を用いると共に、無線装置201がシステム200内のそれらの場所または位置を自律的または絶対的に判定できるようにするか、たとえばタイミング情報(たとえば到着時間(TOA)または到着時間差(TDOA)情報)を位置サーバ207に報告することによって、そのような位置判定を支援できるようにする任意のシステムであり得る。
【0019】
無線通信装置201は、携帯電話、スマートフォン、テキストメッセージ装置、ハンドヘルドコンピュータ、無線通信カード、携帯端末(PDA)、ノートパソコンかラップトップコンピュータ、顧客端末(CPE)、または本発明の機能性を含めるべく改変または組立てられた任意の他の通信装置として実装され得る。スマートフォンは、付加的なアプリケーション処理機能を有する携帯電話である。たとえば一実施形態において、スマートフォンは、(i)ポケットパソコン(PC)、ハンドヘルドPC、パームトップPC、またはPDA、および(ii)携帯電話の組合せである。模範的スマートフォンは、アップル社、クパチーノ、カリフォルニア州(Apple,Inc. of Cupertino,Calfornia)から入手可能なアイフォーン(登録商標)(iPHONETM)とモトローラ社、シャウボーグ、イリノイ州(Motorola,Inc. of Schaumburg,Illinois)から入手可能なモトローラ キュウ(登録商標)(MOTOROLA QTM)である。一実施形態における無線通信カードは、PCまたはラップトップコンピュータ内にあるか、それらに挿入できる。本明細書と添付の特許請求の範囲において用いられるような用語「無線通信装置」は、無線通信システムで動作可能な、信号の受信と送信のうちの少なくとも一方を行い得る多くの様々な種類の装置を広く対象とするように意図される。限定としてではなく、たとえば無線通信装置は、以下の:セル方式携帯電話、携帯電話、スマートフォン、送受信兼用無線機、双方向ポケベル、無線メッセージ装置、ラップトップ/コンピュータ、自動車用ゲートウェイ、住居用ゲートウェイ、パソコン、サーバ、PDA,CPE、ルータ、コードレス電話、無線Eメール装置、内蔵無線モデムを含む携帯ゲーム装置、その他のうちのいずれか1つか組合せを含むことが可能である。模範的無線通信装置201の電気ブロック線図は、図3において例示される。
【0020】
基地局203〜205は、それぞれの地理的サービスエリア(たとえばセル)内で無線通信サービスを提供する。基地局203〜205は、共同設置または様々に設置され得る。共同設置の場合、基地局203〜205は、単一サービス範囲エリア(たとえばセル)のうちのそれぞれの部分(たとえばセクタ)に無線サービスを提供し得る。一実施形態において、基地局は、E−UTRA標準にしたがって動作するeノードBである。
【0021】
位置サーバ207は、周知であり、無線通信システム200内の無線通信装置207の位置の決定に用いられる。一実施形態において、位置サーバ207は、基地局203〜205からの位置決定基準信号209〜211を保有するサブフレームの受信に応じて、無線通信装置201によって作成および報告された到着時間または到着時間差測定値と共に、三角測量か三辺測量を用いることによって、システム200内の基地局203〜205の公知の位置に基づき無線通信装置201の位置を決定する。位置サーバ207によって決定された位置は、そのような装置がGPS機能性を含まない場合かGPS機能性がいずれかの理由で動作しないか損なわれている場合に、緊急電話がかけられた無線装置の位置を決定するためなどの様々な理由で用いられ得る。位置サーバ207は、基地局203〜205とは異なる構成要素として示されるが、特定の基地局は、位置サーバ207の論理的機能性も提供できるので必須ではない。
【0022】
図3は、図2の無線通信システム200において使用できる無線通信装置201と模範的基地局301の電気ブロック線図を例示する。基地局301は、図2の無線通信システム200の基地局203〜205のうちのいずれかを実行するために用いられ得る。それぞれ基地局301は、とりわけ一つあるいは複数の送信アンテナ304〜307(例示目的で4つが示される)、一つあるいは複数の受信アンテナ309,310(例示目的で2つが示される)、一つあるいは複数の送信機312(例示目的で1つが示される)、一つあるいは複数の受信機314(例示目的で1つが示される)、一つあるいは複数のプロセッサ316(例示目的で1つが示される)、およびメモリ318を含む。個別に例示されているが、送信機312と受信機314は、当該分野においてよく理解されるような一つあるいは複数の送受信機に組込まれ得る。当業者によって理解され得るような多重送信アンテナ304〜307および他の適当なハードウエアとソフトウエアを含めることによって、基地局301は、ダウンリンク(基地局から無線通信装置)通信の多重入力多重出力(MIMO)アンテナシステムの使用をサポートし得る。MIMOシステムは、たとえば無線通信装置201によって示されるような、あるいは基地局301によって好まれるようなチャネルランクに依存して多重送信アンテナ304〜307からのダウンリンクデータストリームの同時送信を促進する。無線通信装置201によって供給されるランクは、基地局301をアシストするか、基地局301が現行のダウンリンクチャネル状態を考慮してダウンリンク送信に対する適当な多重アンテナ構成(たとえば送信ダイバーシティ、開ループ空間多重、閉ループ空間多重など)の決定を支援するか、決定できるようにする。
【0023】
送信機312、受信機314、およびメモリ318に動作自在に連結されるプロセッサ316は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、状態機械、論理回路、その任意の組合せ、あるいはメモリ318に保存された動作またはプログラミング命令に基づき情報を処理する任意の他の装置か装置の組合せのうちの一つあるいは複数であり得る。当業者は、プロセッサ316が、本発明の処理要件および基地局301の他の様々な機能の取扱いに要求され得るような多重処理装置を用いることによって実装され得ることを理解するだろう。当業者は、プロセッサ316が状態機械または論理回路系によって実行される一つあるいは複数の機能を有する場合、対応動作命令を含むメモリは、プロセッサ316の外にあるのとは対照的に状態機械または論理回路系内に組込まれる得ることをさらに認識するだろう。
【0024】
図3に示されるような別個の要素であり得るか、プロセッサ316に組込まれ得るメモリ318は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、FLASHメモリ、電気的消去可能ROM(EEPROM)、着脱式メモリ、ハードディスク、および当該分野において周知のような他の様々な形態のメモリのうちの少なくとも1つを含むことが可能である。メモリ318は、たとえばプロセッサ316によって実行可能なプログラミング命令を保存する一つあるいは複数のプログラムメモリ要素、基地局301に関連する識別子を保存すると共に基地局301と目下通信している無線通信装置のアドレスを保存する一つあるいは複数のアドレスメモリ要素、および様々なデータ記憶要素などの様々な要素を含むことが可能である。識別子は、基地局に特異的なオフセット識別子、基地局識別子、セルサイト識別子、物理セル識別子、グローバルセル識別子、スロットインデックス、サブフレームインデックス、システムフレーム番号、および無線ネットワーク取引識別子のうちの少なくとも一方のうちの少なくとも1つから導かれ得る。メモリ318のプログラムメモリ要素は、システム200のデータチャネルと制御チャネルのうちの少なくとも一方を介してプロセッサ316によって生成される情報の転送を制御するプロトコルスタックを含み得る。様々なメモリ要素は、それぞれが全体または集約メモリ318において別個に位置するメモリ領域群であり得ることと、メモリ318が、一つあるいは複数の個々のメモリ要素を含み得ることは、当業者には明白であろう。
【0025】
一実施形態において、基地局送信機312、受信機314、およびプロセッサ316は、たとえばユニバーサルモバイルテレコミュニケーションズシステム(UMTS)プロトコル、E−UTRAプロトコル、3GPPロングタームエボリューション(LTE)プロトコル、または様々な様式のチャネルを介して基地局301と無線通信装置201間でたとえばユーザデータ(音声、テキスト、ビデオ、および画像データのうちの少なくとも1つを含み得る)と制御情報のうちの少なくとも一方などのデジタル情報を通信するように作動する専用プロトコルなどの広域帯無線プロトコルを実行およびサポートするように設計される。E−UTRAシステムにおいて、アップリンクデータチャネルは、PUSCHであり、アップリンク制御チャネルは、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)であり、ダウンリンク制御チャネルは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)であり、さらにダウンリンクデータチャネルは、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)であり得る。アップリンク制御情報は、PUCCHとPUSCHのうちの少なくとも一方を介して通信され得るが、ダウンリンク制御情報は、一般にPDCCHを介して通信される。
【0026】
基地局301が、E−UTRA標準を実装する場合、基地局プロセッサ316は、一実施形態においてダウンリンクサブフレーム340を介する送信の対象とされる制御情報と位置決定基準信号を符号化および多重化するチャネルを実装する論理チャネル符号化および多重化部分を含む。チャネル符号化および多重化部分は、メモリ318に保存されたプログラミング命令に応じて符号化および多重化を実行する、基地局プロセッサ316の論理部分である。チャネル符号化および多重化部分は、制御チャネル情報(たとえばチャネル品質インジケータ、セル特異的基準シンボル(CRS)、ランクインジケータ、およびハイブリッド自動再送要求承認(HARQ−ACK/NACK))を関連送信リソース(たとえば時間周波数リソース要素)内に符号化する1チャネル符号化ブロックと、位置決定基準信号と一般に1次/2次同期チャネル(たとえばP/S−SCH)を介して通信される他の情報を関連送信リソースに符号化する別のブロックとを含み得る。プロセッサ316のチャネル符号化および多重化部分は、復調およびダウンリンクチャネル品質測定のため、無線通信装置201によって用いられる他の様々な種類の情報と基準シンボルのうちの少なくとも一方を符号化するさらに別の符号化ブロックを含み得る。プロセッサ316のチャネル符号化および多重化部分はまた、ダウンリンク送信すべく送信機312に供給されるサブフレーム内に様々なチャネル符号化ブロックによって生成される符号化情報を多重化するチャネル多重化ブロックを含む。
【0027】
それぞれ無線通信装置201は、とりわけ一つあるいは複数の送信アンテナ320(例示目的で1つが示される)、一つあるいは複数の受信アンテナ322,323(例示目的で2つが示される)、一つあるいは複数の送信機325(例示目的で1つが示される)、一つあるいは複数の受信機327(例示目的で1つが示される)、プロセッサ329、メモリ331、局部発振器332、任意のディスプレイ333、任意のユーザインタフェース335、および任意の警報機構337を含む。別個に例示された送信機325と受信機327は、当該分野において十分理解されるような一つあるいは複数の送受信機に組込まれ得る。多重受信アンテナ322,323および当業者によって理解され得るような他の適当なハードウエアとソフトウエアを含めることによって、無線通信装置201は、ダウンリンク通信にMIMOアンテナシステムを用いることを促進し得る。
【0028】
無線通信装置送信機325、受信機327、およびプロセッサ329は、たとえばUMTSプロトコル、E−UTRAプロトコル、3GPP LTEプロトコルなどの広域帯無線プロトコルまたは、ユーザデータ(音声、テキスト、ビデオ、および画像データのうちの少なくとも1つを含み得る)などのデジタル情報と制御情報のうちの少なくとも一方を制御およびデータチャネルを介して無線通信装置201とサービング基地局301間で通信するように作動する専用プロトコルを実装およびサポートするように設計される。E−UTRAシステムにおいて、アップリンクデータチャネルは、PUSCHであり得るが、アップリンク制御チャネルは、PUCCHであり得る。制御情報は、PUSCHとPUCCHのうちの少なくとも一方を介して通信され得る。データは、主にPUSCHを介して通信される。
【0029】
プロセッサ329は、送信機325、受信機327、メモリ331、局部発振器332、任意のディスプレイ333、任意のユーザインタフェース335、および任意の警報機構337に動作自在に連結される。プロセッサ329は、受信機327によって受信された通信信号の処理と送信機325を介して送信するデータと制御情報の処理に従来型の信号処理技術を用いる。プロセッサ329は、位相ロックループ発振器、周波数合成器、遅延ロックループ、または他の高精度発振器であり得る局部発振器332からその局部タイミングとクロックを受信する。プロセッサ329は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP、状態機械、論理回路系、またはメモリ331内に保存された動作またはプログラミング命令に基づき情報を処理する任意の他の装置か装置の組合わせのうちの一つあるいは複数であることが可能である。当業者は、プロセッサ329が、本発明の処理要件と無線通信装置201の他の様々な包含機能を処理するのに要求され得るような多重プロセッサを用いて実装され得ることを理解するだろう。当業者は、プロセッサ329が、状態機械または論理回路系によって実行されるその機能のうちの一つあるいは複数を有する場合、対応動作命令を含有するメモリが、プロセッサ329の外にあるのと対照的に状態機械または論理回路系内に組込まれることが可能であることをさらに認識するだろう。
【0030】
図3に示されるような別個の要素であり得るか、プロセッサ329に組込まれ得るメモリ331は、RAM,ROM,FLASHメモリ、EEPROM、着脱式メモリ(たとえば加入者識別モジュール(SIM)カードまたは任意の他の様式の着脱式メモリ)、および当該分野において周知のような様々な他の様式のメモリのうちの少なくとも一方を含むことが可能である。メモリ331は、たとえばプロセッサ329によって実行可能なプログラミング命令を保存する一つあるいは複数のプログラムメモリ要素と、無線通信装置201と基地局203〜205のうちの少なくとも一方に関連するアドレスと他の識別子のうちの少なくとも一方を保存する一つあるいは複数のアドレスメモリ要素などの様々な要素を含むことが可能である。メモリ331のプログラムメモリ要素は、システム200のデータチャネルと制御チャネルのうちの少なくとも一方を介してプロセッサ329によって生成される情報の転送の制御と、基地局203〜205によって送信されるデータ、制御、および他の情報の受信の制御とを行うプロトコルスタックを含み得る。様々なメモリ要素は、それぞれが全体または集約メモリ331において別個に位置するメモリ領域群であり得ることと、メモリ331が、一つあるいは複数の個々のメモリ要素を含み得ることは、当業者にとって明白であろう。
【0031】
ディスプレイ333、ユーザインタフェース335、および警報機構337は、全て周知な無線通信装置の要素である。たとえばディスプレイ333は、液晶ディスプレイ(LCD)か光発光ダイオード(LED)ディスプレイおよび関連ドライバ回路系であり得るか、任意の他の公知のディスプレイ技術か未来発展型ディスプレイ技術を用い得る。ユーザインタフェース335は、キーパッド、キーボード、タッチパッド、タッチスクリーン、あるいはその任意の組合せであり得るか、音声作動式であり得るか、任意の他の公知または未来発展型のユーザインタフェース技術を利用し得る。警報機構337は、無線通信装置302のユーザに警告すべく、音響スピーカか変換器、触覚警報、および一つあるいは複数のLEDか他の視覚警報要素のうちの少なくとも一方、および関連ドライバ回路系を含み得る。ディスプレイ333、ユーザインタフェース335、および警報機構337は、プロセッサ329の制御下で作動する。
【0032】
ここで図2〜13を参照すると、基地局301(模範的無線システム200の基地局203〜205のうちのいずれかであり得る)の動作は、実質的に本発明にしたがって以下のように生じる。所定の時間に(たとえば定期か不定期に)、基地局プロセッサ316は任意に、送信に割当てられた送信リソースの基準ブロックの第1送信リソース集合に制御情報を符号化する(ステップS401)。基地局301が、E−UTRAかLTE標準を実装する場合、送信リソースの割当ブロックは、一つあるいは複数の送信チャネルを形成するOFDMシンボルのサブフレーム内に多重化されるべき時間周波数リソース要素を含む。それぞれ送信アンテナに対して、送信リソース集合は、時間と周波数の二次元リソース要素グリッドを形成する。周波数において、送信リソースは、一般に送信帯幅全体にわたるそれぞれOFDMシンボル内の互いに異なるサブキャリア内にマッピングされる。そのような多重OFDMシンボルは、サブフレームを含む。E−UTRA標準において、少なくとも2つのサブフレーム構造が定義される。具体的には1つは、「ノーマル巡回プレフィックスサブフレーム」と称される14個のOFDMシンボルを有し、もう1つは、「拡張巡回プレフィックスサブフレーム」と称される12個のOFDMシンボルを有する。サブフレームは、二等分か、等数のOFDMシンボルを有する2個のスロットにさらに分割され得る。サブフレームは、たとえば制御チャネル(たとえばPDCCH,PCFICH,PHICH)、データチャネル(たとえばPDSCH)、放送チャネル(たとえばPBCH)、同期チャネル(たとえばP/S−SCH)、または任意の他のチャネルなどの一つあるいは複数の送信チャネルを保有し得る。これらのチャネルに加えて、サブフレームは、セル特異的基準信号、専用またはユーザ装置特異的基準信号、位置決定基準信号、あるいは任意の他の基準信号を含み得る。
【0033】
E−UTRAにおいて、2つの様式のサブフレームが存在し、これらのうちの1つは、セル特異的基準シンボルが、サブフレームの両スロットで送信されるユニキャストサブフレームである。いくつかの他のサブフレームは、特別サブフレームか非ユニキャストサブフレームとして特徴付けられることもある。そのようなサブフレームの実施例は、単一周波数ネットワークを介するマルチメディア放送マルチキャストサービス(MBSFN)サブフレームである。そのサブフレーム構造は、ユニキャストサブフレームとは異なる。特別サブフレームまたは非ユニキャストサブフレームにおいて、最初の1個か2個(または場合によりゼロ)のOFDMシンボルは、PDCCHと基準シンボルを含み得るが、RS構造を含む残りのサブフレームは、ユニキャストサブフレームとは異なり得る。たとえば単一周波数ネットワークを介するマルチメディアマルチキャスト放送(MBSFN)サブフレームは、非ユニキャストサブフレーム型である。残りのサブフレームは、空白にされるか空であり得るが、これらの空リソースは、位置決定基準シンボルの送信に用いられることが可能である。非ユニキャスト(あるいは特別サブフレーム)シグナリングパターンは、システム構成またはシステム情報放送(SIB)メッセージのうちの部分であり得ると共に、無線フレームレベル(10サブフレーム)で定義され得るか、無線フレームレベル群に対して定義され得る。一実施形態において、基地局プロセッサ316は、サブフレームの最初の2個のOFDMシンボルのうちの一部に多重化されるべきリソース要素内に制御情報を符号化する。
【0034】
符号化制御情報は、ダウンリンク割当かアップリンクグラント、制御チャネル持続期間、およびハイブリッド自動再送要求承認(HARQ−ACK/NACK)を含み得る。制御情報に加えて、セル特異的基準信号に対応するシンボル集合は、サブフレーム内に含まれ得る。セル特異的基準信号は、チャネル推定、復調、遅延トラッキング、移動性関連測定、および無線装置201による他の目的に用いられ得る。含められる場合、セル特異的基準信号に対応する一連のシンボルとシンボルによって占められる時間周波数位置は、基地局301に関連する識別子から導かれ得る。そのような識別子は、全てが、特にE−UTRA標準に関して当該分野において周知である物理セル識別子(PCID)、スロットインデックスとシンボルインデックスのうちの少なくとも一方を含み得る。さらにOFDMシンボルへのセル特異的基準信号のシンボルのマッピングに用いられるサブキャリアオフセットは、物理セル識別子から導かれ得る。
【0035】
制御情報およびセル特異的基準信号を送信リソースに任意に符号化することに加えて、基地局プロセッサ316は、位置決定基準信号を第2送信リソース集合に符号化する(ステップS403)。基地局プロセッサ316は、複数のリソースブロックのうちの一部に位置決定基準信号を符号化する。それぞれリソースブロックは、周波数においてほぼ12の連続サブキャリアと、時間においてサブフレームの全OFDMシンボルの二次元グリッドを含み、それぞれOFDMシンボルは、E−UTRA標準において記載されるようなノーマルまたは拡張巡回プレフィックスに関連する。図示するために、典型的なリソースブロックは、12サブキャリアとサブフレームの全OFDMシンボルにおいて利用可能なリソースとして定義される。リソースブロックの次元は、OFDMシンボルのサブキャリアのうちのいくつかが、たとえば所定の制御一次放送チャネル、または同期チャネル、その他の送信などの他の目的に用いられ得るので、様々であり得ることが知られている。ダウンリンク(すなわち基地局301と無線装置201間のリンク)での送信に利用可能なリソースブロック数は、送信帯幅に依存し得る。基地局プロセッサ316は、サブフレーム内の利用可能なOFDMシンボルの部分集合内に位置決定基準信号を符号化するようにプログラミングされ得る。一模範的実施形態において、基地局プロセッサ316は、ダウンリンク送信帯幅が10MHzの場合、サブフレームのOFDMシンボルの600個のリソース要素のうちの一部に位置決定基準信号を符号化する。さらにこれらのOFDMシンボル上の全てではないサブキャリアは、位置決定基準信号に対応する送信リソースを伝えるのに用いられ得る。一実施例において、全ての6番目のサブキャリアが、位置決定基準信号のシンボルの送信に用いられる。送信リソースのブロック全体が、サブフレーム内に多重化された後、基地局送信機は、アンテナ304〜307のうちの一つあるいは複数を介してサブフレームを送信する(ステップS415)。
【0036】
まず図5を参照すると、そのような図は、サブフレームを受信する無線通信装置201が位置するサービス範囲エリアに隣接するか、その近隣のサービス範囲エリア(たとえばセルまたはセルセクタ)に通信サービスを提供する基地局によって生成および送信されるサブフレーム501,502を示す。たとえば図2において例示される無線システム200において、基地局204が、無線装置201に無線サービスを供給している場合(すなわち無線装置201は、基地局204のサービス範囲エリアに位置するので、基地局204は、無線装置201に対するサービング局である)、基地局203と205によって提供されるサービス範囲エリアは、隣接サービス範囲エリアと考えられ得るので、基地局203と205は、隣接基地局と考えられ得る。当業者は、隣接サービス範囲エリアと基地局の量が、図2に例示される2つを超え得ることを容易に理解および認識するだろう。したがって、サブフレームの作成について本明細書において開示される取組みは、適用可能な無線システムにおいてどの基地局によっても使用され得る。なぜなら、ある時点で、それぞれ基地局は、少なくとも1つの無線通信装置が位置するサービス範囲エリアに隣接するサービス範囲エリアを提供するからである。
【0037】
位置決定基準信号が含められるべき場合、位置決定基準信号を保有するリソース要素は、所定の方法(たとえばE−UTRAまたはLTE標準において定義されるような)、放送(たとえばマスタ情報ブロック(MIB)かシステム情報ブロック(SIB)におけるシグナリングを介して)を通じて半静的に、あるいはユーザ特異的メッセージ(たとえば無線リソース制御測定構成メッセージ)において動的に(たとえばPDCCHにおける制御チャネルシグナリングを介して)、あるいはより高層シグナリング(たとえば位置サーバプロトコルデータユニット)によってかのいずれかで割当てられ得る。一実施形態において、サブフレーム501,502のOFDMシンボルが、位置決定基準信号を含有するマッピングは、システム200における基地局の位置およびサブフレームのOFDMシンボルの生成に用いられる様々なサブキャリアの再使用パターンを考慮し得る基地局203,205に関連する識別子に基づく。識別子は、オフセット識別子、基地局識別子、セルサイト識別子、物理セル識別子(PCID)、グローバルセル識別子(GCID)、シンボルインデックス、スロットインデックス、サブフレームインデックス、システムフレーム番号(SFN)、および無線ネットワーク取引識別子(RNTI)のうちの少なくとも一方のうちの一つあるいは複数であり得る。
【0038】
計画された展開において、位置決定基準シンボルに同じ周辺のリソース要素集合のeノードBを割当てることが望ましくなり得る。前記集合は、位置決定基準シンボルを送信すべく第1eノードBに割当てられた集合のリソース要素が、その隣接eノードBに割当てられたリソース要素集合のうちのいずれにも属さないという意味で互いに素の集合である。互いに素の集合である2つのリソース要素集合は、直交性とも称されることが可能である。場合によっては、特定領域においてeノードB数と等しいか、これを超えるいくつかのリソース要素の互いに素の集合を定義することは、不可能である。ある場合には、領域は、ユーザ装置によって「可聴な」eノードBの集合として定義されることが可能である。これらの例において、最低限の重複を有すると共に、特定領域においてeノードB数と同じか、これを超える数的に十分なリソース要素集合を位置決定基準シンボルに対して定義することが望ましい。注目すべきは、これに関して、2つのリソース要素集合間の重複度は、両集合に共通なリソース要素の数に等しいことである。
【0039】
計画外の展開において、1つのeノードBの位置決定基準シンボルに割当てられたリソース要素集合が、その近隣のうちの1つに割当てられたリソース要素集合と直交またはほぼ直交し得ることを保証することは一般的にできない。重複が大きな2つの互いに異なるリソース要素集合が固定的に割当てられないようにするため、それぞれ位置決定サブフレームを送信する前に、それぞれeノードBによって、位置決定基準シンボルの送信に用いられるべきリソース要素集合をランダムまたは疑似ランダムに再選択するのが、望ましくなり得る。許容リソース割当集合の数が小さな場合、2つの隣接eノードBが、位置決定基準シンボルの送信に対して同じリソース割当を選択し得る有意な可能性があり、そのような例において、その結果として生じる干渉のため、ユーザ装置によるタイミング情報の抽出が難しくなるであろう。任意の2つのeノードBが、位置決定基準シンボルの送信に同じリソース要素集合を選択し得る可能性を最小限に抑えるため、許容リソース要素集合の数は、可能なかぎり最大程度に大きくすべきであり、これらの集合は、直交(重複無し)またはほぼ直交(小さな重複)すべきである。
【0040】
位置決定基準シンボルを送信する目的でリソース要素集合を定義する場合に考慮すべき多くのパラメータおよび問題が存在し、これらには、(限定ではないが)全てが下記で討議される以下の(i)位置決定基準シンボルを含む位置決定サブフレーム内のOFDMシンボルの数;(ii)位置決定基準シンボルを含有するリソースブロック内のサブキャリアの数;(iii)サブフレーム内の位置決定基準シンボルに割当てられたリソース要素の総数;および(iv)位置決定サブフレームの信号生成と検出の複雑さが含まれる。
【0041】
TDOAに基づく位置の重要な問題は、同じ位置にない少なくとも3つのeノードBの送信を「聴く」ことができるユーザ装置を必要とすることであり、そしてほとんどの試験は、「可聴性」問題がTDOAに基づく位置の性能を制限しているので、これは、位置決定基準シンボルを含む基準シンボルの数(i)と密接に結び付いていることを示している。一般的に、位置決定サブフレーム内の位置決定基準シンボルの送信に関連するエネルギ量は、位置決定基準シンボルを含む位置決定サブフレーム内のOFDMシンボルの数に比例する。したがって、位置決定基準シンボルを送信する目的でリソース要素集合を定義する場合、それぞれ集合が、それぞれシンボル由来のリソース要素を含むことを保証することは、有益であると思われる。
【0042】
位置決定リソース要素に割当てられるべきリソース要素集合を定義する場合に考慮すべき別の問題は、結果として生じる時間推定の解明であり、これは、位置決定基準シンボルを含むサブキャリア数(ii)とそれらのサブフレーム全体にわたる分布に関連する。自己相関ピーク幅と自己相関ピーク対最強サイドローブの比率の両方を含む、いくつかの因子は、その解明に貢献する。一般的に、自己相関ピーク幅を最小限に抑えるため、最外部のリソースブロック(最高と最低周波数リソースブロック)における位置決定基準シンボルに基準要素を割当てれば十分であることが判明し得る。しかし、自己相関ピークの大きさ対サイドローブの大きさの比率を最小限に抑えるため、帯幅全体にわたる位置決定基準シンボルにリソース要素を割当てることが、望ましい。より詳細には、これらのリソース要素のうちの少なくとも1つを含むそれぞれリソースブロック内のサブキャリア数が、最大化されるように、位置決定基準シンボルに対してリソース要素集合を選択することが望ましい。一般的に、干渉とノイズの存在下で誤った自己相関ピークが選択される(間違ったタイミング推定が生じる)可能性を最小限にし得るように、自己相関ピークの大きさ対サイドローブの大きさの比率を最大化することが望ましい。
【0043】
位置決定基準シンボルに割当てられたリソース要素集合内のリソース要素の総数(iii)は、この同じリソース要素集合か、この第1集合と重複する別のリソース要素集合のいずれかに割当てられる別のeノードBに対して得られるゲインを拡張するか、処理するかを決定する。一般的に、ランダムまたは疑似ランダム拡張またはスクランブリングは、この拡散系列かスクランブリング系列の知識を有するユーザ装置が、常にある程度の正確さでそれぞれeノードBから信号の到着時間を抽出できるように、位置決定基準シンボルに適用され得る。位置決定基準シンボルに割当てられたリソース要素の総数が増えるにつれて、位置決定基準シンボルに対する同じリソース割当か重複リソース割当を問わず他のeノードBに対して達成可能な処理ゲインが増加する。しかし、注目すべきは、位置決定基準シンボルに割当てられたリソース要素数が増加するにつれて、定義され得るリソース要素の直交割当数が減少し、非直交割当間の重複量が増加することである。したがって、位置決定基準シンボルに割当てられたリソース要素数が増加すると、達成可能な処理ゲインと、直交かほぼ直交リソース要素集合数との間に明らかなトレードオフが存在する。計画外のシステムでは、それは、2つの近接するeノードBが、位置決定基準シンボルの送信に同じリソース要素集合を選択する可能性を決定し得るそのようなリソース要素集合の数である。
【0044】
位置決定基準シンボルの送信に用いられるべきリソース要素集合の定義において考慮すべき最後の問題は、信号生成と検出の複雑さである。それは、一般的にアーキテクチャに依存するので、簡単な複雑度の尺度は、存在しない。複雑度のトレードオフは、送信機と受信機に対して別個に定義されることが可能であると共に、メモリ要件を含み得る。さらに別の考慮すべき問題は、シグナリングサポートが、実際的に実施するのに要求されるか否かであり、そうでなければ、シグナリングサポートのある場合とない場合での複雑度の差である。
【0045】
図5〜12において、様々な方法が、位置決定サブフレーム内の位置決定基準シンボルの送信に用いられるべきリソース要素集合の定義付けに与えられる。図5〜12において示されると共に下述される方法は、上記のように(i〜iv)において同定される設計と性能のトレードオフを考慮に入れる。
【0046】
位置決定フレーム内の位置決定基準シンボルの送信に用いられるべきリソース要素集合の説明を簡素化するため、我々は、テンプレート行列の行数が、リソース要素ブロックのサブキャリア数に等しく、列数が、サブフレーム内のOFDMシンボル数に等しいように、0−1入力を有するテンプレート行列を定義する。位置決定基準シンボルの送信に割当てられ得るリソースブロック内のリソース要素集合は、テンプレート行列内のゼロ以外の入力の位置によって示される。テンプレート行列において、特定のゼロ以外の入力の行は、サブキャリアを示し、入力の列は、サブフレーム内のシンボルを示す。
【0047】
図5は、基礎コスタス配列由来の位置決定基準シンボルに対する多重リソース要素割当を定義する方法のブロック線図である。0−1に評価された第1中間行列は、水平と垂直にN×Nの次元の基礎コスタス配列を循環シフトすることによって得られる。この第1中間行列は、次にK個のゼロ行をそれぞれK個の連続行群間に挿入し、さらにK個のゼロ行を行列の上端または下端に加えることによって、第2中間行列を生成するように変更される。この場合、K>1であり、Kは、Nの整除数である。次に、位置決定基準シンボルの送信に用いられるべきリソース要素集合の定義に使用されるテンプレート行列は、第2中間行列の循環シフトに等しく設定される。その場合、第1中間行列を生成するための基礎コスタス配列のそれぞれ次元における循環シフト数と第2中間行列の垂直シフトは、以下の:基地局のサイト識別子;基地局の物理セル識別子;基地局のグローバルセル識別子;システムフレーム番号;スロット番号;サブフレーム番号;シンボルインデックス;リソース要素ブロックインデックス;無線ネットワーク取引識別子;またはサービング基地局によって信号が送られた情報のうちのいずれか1つから決定される。
【0048】
図6は、12個未満の非制御シンボルを有するリソースブロック上の位置決定基準シンボルに対するリソース要素割当を定義するため、12×12コスタス配列の列をプルーニングする方法のブロック線図である。この方法に関して、我々は、コスタス配列を水平か垂直のいずれかに循環シフトすることによって、相互に直交する12個のリソース要素集合を定義する。対応テンプレート行列は、循環シフトされた12×12コスタス行列のうちの最後の2列をプルーニングすることによって生成される。この方法の利点は、単一基礎12×12コスタス配列が、コスタス配列を水平か垂直のいずれかに循環シフトすることによって、直交する12個のリソース要素集合を生成するのに用いられ得ることである。別に、N<12が、サブフレーム内の非制御シンボル数に匹敵するN×Nコスタス配列が仮に用いられるとすると、位置決定基準シンボルの送信に用いられるべき相互に直交するK個のリソース要素集合を定義付けることのみが可能であろう。より一般的には、12×12コスタス配列は、それぞれが、最後の2列のプルーニング後、位置決定基準シンボルを送信するリソース要素集合の定義に用いられ得る144個の互いに異なる行列を定義すべく、水平および垂直に循環シフトされることが可能である。反対に、N<12では、基礎N×Nコスタス配列は、基準シンボルを送信するリソース要素集合の定義に用いられ得る多くても121の互いに異なる行列の生成に用いられることが可能である。
【0049】
図7は、疑似ランダムに選択される順列行列を用いることによって、位置決定基準シンボルにリソース要素位置を割当てる方法のブロック線図である。この実施形態において、0−1テンプレート行列は、疑似ランダム順列行列(それぞれ行と列において正確に1個のゼロ以外の要素を有する正方行列、ゼロ以外の要素は、1に等しい)である。特定の順列行例(N×N行列に対してN!順列行列が存在する)は、疑似ランダム乱数発生器のマッピング機能と、以下の:基地局のサイト識別子;基地局の物理セル識別子;基地局のグローバルセル識別子;システムフレーム番号;スロット番号;サブフレーム番号;シンボルインデックス;リソース要素ブロックインデックス;無線ネットワーク取引識別子;またはサービング基地局により信号が送られた情報のうちのいずれか1つから決定される。
【0050】
図8は、対角行列の水平または垂直循環シフト行列を用いることによって、位置決定基準シンボルにリソース要素位置を割当てる方法のブロック線図である。この実施形態において、0−1テンプレート行列は、循環シフト対角行列か循環シフト反対角行列である。循環シフト量は、基地局のサイト識別子;基地局の物理セル識別子;基地局のグローバルセル識別子;システムフレーム番号;サブフレーム番号;リソース要素ブロックインデックス;無線ネットワーク取引識別子;またはサービング基地局によって信号が送られた情報のうちのいずれか1つから決定される。注目すべきは、この方法によって生成される直交行列の数が、対角行列の次元に等しいことである。
【0051】
図9は、対角行列または反対角行列の循環シフト行列の最終列をプルーニングすることによって、12個未満の非制御シンボルを有するリソースブロックにおいて位置決定基準シンボルにリソース要素位置を割当てる方法のブロック線図である。この実施形態において、0−1テンプレート行列は、循環シフトされた対角行列か最終列がプルーニングされた循環シフト対角行列である。またテンプレート行列は、対角行列または反対角行列の下端に2個のゼロ行を加え、さらに可能な全ての垂直循環シフトを行うことによって、生成されることが可能である。この実施例において、生成された直交行列数は、12であるが、シフトされる対角行列の次元は、10である。
【0052】
図10は、行列のそれぞれ行に対して1つの列を疑似ランダムに選択することによって、位置決定基準シンボルにリソース要素位置を割当て、さらにこの位置に1を置く方法のブロック線図である。前記行列における他の位置は全て、ゼロに評価される。この実施形態において、0−1テンプレート行列は、示されるような方法で疑似ランダム乱数発生器を用いることによって決定される。その場合、さらに疑似ランダム乱数発生器は、その入力として、基地局のサイト識別子;基地局の物理セル識別子;基地局のグローバルセル識別子;システムフレーム番号;サブフレーム番号;リソース要素ブロックインデックス;無線ネットワーク取引識別子;またはサービング基地局によって信号が送られた情報のうちのいずれか1つを用いる。
【0053】
図11は、時間領域単一キャリア直接シーケンススペクトラム拡散信号からタイミング基準信号を生成すべく、高速フーリエ変換と逆高速フーリエ変換を用いる方法のブロック線図である。この実施例において、第1OFDMシンボル集合の基準信号は、疑似ランダム系列発生器から得られた時間領域系列の高速フーリエ変換を行うことによって得られる。疑似ランダム乱数発生器の初期化は、基地局のサイト識別子;基地局の物理セル識別子;基地局のグローバルセル識別子;システムフレーム番号;サブフレーム番号;リソース要素ブロックインデックス;無線ネットワーク取引識別子;またはサービング基地局によって信号が送られた情報のうちのいずれか1つから決定される。
【0054】
図12は、共通基準シンボルを含むユニキャストサブフレームに位置決定基準シンボルをマッピングする方法のブロック線図である。この特定の実施形態において、CRSを含むOFDMシンボルのリソース要素は、位置決定基準シンボルの送信に割当てられない。一般的に、CRSを含有するOFDMシンボルのリソース要素は、位置決定基準シンボルに割当てられ得るが、CRSの送信に用いられるリソース要素は、用いられることができない。別の実施形態において、位置決定基準信号とCRSのいずれの送信にも用いられないリソース要素は、データリソース要素の送信に用いられ得る。データリソース要素は、PDSCH送信の一連のシンボルに対応し得る。
【0055】
図13は、同じサブフレーム内のユニキャストデータかマルチキャストデータと位置決定基準シンボルを組合わせる方法のブロック線図である。前記サブフレームにおいてキャリア周波数から最も離れたリソースブロックが、データの送信に用いられ、残りのリソースブロックは、位置決定基準シンボルの送信に用いられる。この特定の実施例において、位置決定の600個の中央リソース要素(中央50個のリソースブロック)は、位置決定基準シンボルに割当てられ得るだけであるが、この領域の外方のリソースブロックのリソース要素は、PDSCH送信に用いられることが可能である。
【0056】
図7、図8および図10における実施形態は、ノーマル巡回プレフィックスまたは拡張巡回プレフィックスのいずれかによる非MBSFNサブフレーム(または標準サブフレーム)のケースに拡張されることが可能である。PRSは、セル特異的基準信号(CRS)と同じシンボルで送信される場合、PRSは、最大出力で送信されることができない。さらにPRSは、実装の観点から望ましくないかもしれない同じサブフレーム内の互いに異なるシンボルによって互いに異なる出力で伝送されなくてはならないかもしれない。したがって、1つの選択肢は、CRS保有OFDMシンボルでPRSを送信しないことである。制御シンボル数が、2個であると仮定すると、CRSを保有しないノーマル巡回プレフィックスサブフレーム内と拡張巡回プレフィックスサブフレーム内に、それぞれ9個のシンボルと7個のシンボルが存在する。これらの場合では、配列N×Nの疑似ランダムに生成された順列行列は、PRSを追加するのに用いられることが可能である。Nは、それぞれ場合において、利用可能なOFDMシンボル(すなわちCRS無し)数に等しい。ノーマル巡回プレフィックスではN=9、拡張巡回プレフィックスではN=7である。瞬時に時間に対応する特定のPCIDに対して行列が選択されると、PRSパターンは、N個のサブキャリアごとに1度、周波数領域において繰り返される。利用可能なOFDMシンボル数は、サブフレーム内の制御シンボル数とeノードBによって用いられる送信アンテナ数の両方に依存する。表1は、様々なケースのPRS送信に利用可能なOFDMシンボル数を要約する。表中のNCtrlは、サブフレーム内の制御シンボル数に相当する。
【0057】
【表1】
【0058】
図7の実施形態では、疑似ランダム乱数発生器は、可能な全てのN!順列行列集合から要素を選ぶ。図8の実施形態では、疑似ランダム乱数発生器は、対角行列と反対角行列の互いに異なる循環シフトによって形成された2Nの互いに異なる行列の集合から要素を選ぶ。図10の実施形態では、疑似ランダム乱数発生器は、可能な全てのNN0−1行列の集合から要素を選ぶ。図7、図8および図10の実施形態では、パターンの次元(すなわちN)は、制御シンボルの固定数(たとえばNCtrl=1またはNCtrl=2)に対応する表1に示されるような所定構成(たとえば非MBSFNサブフレーム、拡張巡回プレフィックス、2Txアンテナ)の仕様で固定され得る。
【0059】
位置決定基準信号の送信では、「位置決定サブフレーム」として指定される可能な全てのサブフレームの特定部分集合が、リザーブされ得る。利用可能な全ての位置決定サブフレームのうちから、基地局は、時間の再利用を可能にすべく、これらのサブフレームのうちの1つの部分集合でPRS信号を送信することを選び得る。基地局は、(i)基地局のサイト識別子;基地局の物理セル識別子;基地局のグローバルセル識別子;システムフレーム番号;サブフレーム番号;または無線ネットワーク取引識別子のうちのいずれか1つを用いる疑似ランダム乱数発生器、または(ii)別の基地局と交換された基地局間調整メッセージのいずれかに基づきPRSサブフレームでPRSを送信すべきか否か判定し得る。選択肢(i)では、疑似ランダム乱数は、列挙されたパラメータに加えて、PRSサブフレーム内のPRS送信に利用可能なOFDMシンボル数の関数として構成され得る。位置決定基準信号が、より少数のシンボル(たとえば4Txの場合では拡張巡回プレフィックス非MBSFNサブフレームは、10個を有する1Tx/2TxMBSFNサブフレームと比較して利用可能な6個のシンボルを有する)で送信される場合、直交パターン数は、より少ない。PRSを送信する頻度を減らすことが、有用であり得るので、疑似ランダム乱数発生器は、リザーブサブフレーム内のPRS信号の送信回数を減らすように構成され得る。
【0060】
図7、図8および図10における実施形態では、位置決定基準信号リソース要素の送信にテンプレート行列を用いる別の方法が、以下で概略されるように用いられ得る。位置決定サブフレーム内にN個の非制御OFDMシンボルが、存在すると考える。またサブフレーム内の非制御OFDMシンボル中にはCRS保有OFDMシンボルは存在しないと考える。N×Nテンプレート行列は、(i)図7の実施形態では順列行列、(ii)図8の実施形態ではシフト対角またはシフト反対角行列、あるいは(iii)図10の実施形態では疑似ランダム行/列選択による0−1行列として生成される。テンプレート行列の行と列からそれぞれ位置決定サブフレーム内のリソース要素のサブキャリアと非制御OFDMシンボルへの対応が、確立される。位置決定基準信号リソース要素は、そのシフトがそれぞれシンボルに対するテンプレート行列のゼロ以外の要素の行インデックスに等しいサブキャリアで送信される。次に、サブフレームの非制御領域内にGRS保有OFDMシンボルが、存在すると考える。所定シンボルで位置決定基準信号に決定されたサブキャリア位置が、そのシンボルでCRS送信に割当てられるリソース要素と重複する場合、PRS送信に用いられないことを除いて、前述の手順は、再使用されることが可能である。すなわちPRS送信は、CRSに指定されたリソース要素上にパンクチャリングされる。この方法に関する1つの問題は、いくつかのシンボルがCRSとPRSの両方を保有するので、送信電力は、CRSとPRSの両方に対応するリソース要素間で共有されなければならないことである。可能な限り最良の可聴性を獲得すべくCRSを保有しないシンボルによって可能な最大送信電力でPRSを送信することが望ましいであろう。したがって、パンクチャードマッピング方法は、(a)第1電力レベルでCRSを保有しないOFDMシンボルによるPRS送信と、(b)第2電力レベルでCRS保有OFDMシンボルによるPRS送信とで位置決定サブフレームの送信が生じ得る。そのようなシナリオにおいて、ユーザ機器が、仮に2つの電力レベルの差を認識するなら、それは有益であろう。一実施形態において、電力Δ(第1と第2の電力レベル間の差に相当する)は、システム情報放送または専用制御メッセージ(たとえば無線リソース制御メッセージ)でサービング基地局によって信号で送られることが可能である。ユーザ機器は、この情報を用いることによって、到着時間差の推定に関してその受信機の処理を支援し得る。
【0061】
隣接基地局203,205からの位置決定基準信号(たとえば観測到着時間差(OTDOA)波形)は、隣接基地局203,205由来のそのような信号の送信間に時間領域分離が存在するように、共に用いられることが可能である。さらに位置決定基準信号を保有するOFDMシンボルの全てではないサブキャリアまたはリソース要素は、送信に用いられ得る。OFDMシンボルにおいて位置決定基準信号を保有するリソース要素集合は、物理セル識別子(PCID)、基地局識別子、セルサイトID、グローバルセル識別子(GCID)、システムフレーム番号(SFN)、シンボルインデックス、スロットインデックス、サブフレームインデックス、無線ネットワーク取引識別子(RNTI)または任意の適用可能な他の識別子のうちの少なくとも1つから導かれ得る送信基地局に関連する識別子の関数として決定され得る。位置決定基準信号からのタイミング抽出サポートを強化するため、位置決定基準信号に対応する送信リソースの符号化に用いられるシンボル系列は、二次的な相互相関ピークを回避する方法で生成され得る。ゴールド系列発生器は、同相(I)ストリームと直角位相(Q)ストリームの生成に用いられ得る。さらにQPSK系列は、I−Qストリームから構築され得る。ゴールド系列発生器におけるレジスタの初期化またはシードは、基地局に関連する識別子から導かれ得る。識別子は、物理セル識別子(PCID)、基地局識別子、セルサイトID、グローバルセル識別子(GCID)、システムフレーム番号(SFN)、シンボルインデックス、スロットインデックス、サブフレームインデックス、無線ネットワーク取引識別子(RNTI)または任意の適用可能な他の識別子のうちの少なくとも1つから導かれ得る。さらにそのような識別子は、そのように導かれたQPSK系列から部分系列を抽出する開始点として用いられるオフセットの誘導に使用され得る。このQPSK系列は、次に位置決定基準信号の送信に用いられる送信リソースの符号化に使用され得る。別の実施例において、位置決定基準シンボル(PRS)を送信する直交時間周波数リソース集合が、調整基地局集合において用いるために同定され得る。したがって調整基地局は、直交時間周波数リソース集合に異なるインデックスを選択することによって、それらのPRS送信を直交させることが可能であり、このインデックスは、識別子のうちの一部としても考えられ得る。
【0062】
当業者は、重複または非重複時間リソースにおける位置決定基準信号を通信する様々な他の時間周波数再利用方法が、図5〜13において例示されるサブフレーム構造に関して本明細書、特に上方で記載される原理を考慮に入れて想定され得ることを容易に理解し、認識するだろう。したがって、図5〜13に関して上述される模範的サブフレーム構造は、本来、単なる例示にすぎなく、添付の特許請求の範囲によって定義されるような本発明を限定すべく解釈および使用されるべきではない。
【0063】
ここで図2,図3および図5〜図13に関して、(本発明の一実施形態にしたがって位置決定基準信号を含む)サブフレームを処理する模範的無線通信装置201の動作が、記載されることになる。位置決定基準信号を含むサブフレームを受信する前に、無線装置受信機327は、無線装置201が位置するサービス範囲エリアを提供する基地局(サービング基地局)から、サブフレーム、特に無線通信装置201が現在位置するサービス範囲エリアに隣接するサービス範囲エリア(たとえばセルかセクタ)を提供する基地局に関連する識別子を送信し得る基地局に関連する一つあるいは複数の識別子を受信する(801)。識別子は、たとえばビーコン符号または識別子、オフセット識別子、基地局識別子、セルサイト識別子、PCID、GCID、サブフレームインデックス、SFN、およびRNTIのうちの少なくとも一方であり得ると共に、サービング基地局から、たとえばMIBかSIBなどの放送制御メッセージのうちの一部として受信されたのかもしれない。たとえば近接サービス範囲エリアを提供する基地局203,205に関連する識別子は、無線装置のサービング基地局204から送信された隣接セルリストのうちの一部として通信されたのかもしれない(たとえば無線装置201が、図2において基地局204によって提供されていると仮定して)。また識別子は、位置決定基準信号(たとえばPDCCHまたはサブフレーム内に含まれる他の制御情報)を含むサブフレーム内に符号化され得る。
【0064】
隣接サービス範囲エリアを提供する基地局(隣接基地局)に関連する識別子の受信に加えて、無線通信装置受信機327は、一つあるいは複数の基地局(たとえば基地局203と205)から位置決定基準信号を含有する一つあるいは複数のサブフレームを受信する(ステップS803)。
【0065】
たとえば無線装置201は、図5〜図7において例示されるようなサブフレームを受信し得る。受信機327は、本発明にしたがって処理するプロセッサ329にベースバンドバージョンの受信サブフレームを提供する。プロセッサ329は、まず基地局識別子か基地局に関連する別の識別子を抽出した後、位置決定基準信号を保有するサブフレームを受信することが可能である。プロセッサ329は、隣接セルリストか他のリストの隣接基地局に関連する識別子と共に識別子を受信し得る。
【0066】
サブフレームを受信すると、無線装置プロセッサ329は、基地局を起源とするサブフレームから無線装置プロセッサ329が、無線装置201の位置の判定に有用なタイミング情報(たとえば到着時間情報)を推定すべく、位置決定基準信号を処理できるか否かと、サブフレームが、位置決定基準信号を含有するか否かを決定する(ステップS805)。位置決定基準信号は、全てのサブフレームで送信されるわけでもなく、むしろ基地局による送信に用いられる全サブフレームのうちの特定部分集合内で送信され得る。基地局は、どのサブフレームが、位置決定基準信号を含むかを無線装置201に示し得る。基地局は、どのサブフレームが、基地局に関連する第2識別子による位置決定基準信号送信に用いられるかを示し得る。この第2識別子は、予め定められ得るか(たとえば3GPP仕様において規定される)、別にシステム放送メッセージまたは基地局によるユーザ装置特異的制御メッセージ(たとえば無線リソース制御測定構成メッセージ)内に含められ得る。続いて、無線装置プロセッサ329は、サブフレームが位置決定基準信号を含有するかしないか判定することが可能である。さらに無線装置201の位置の決定に有用なタイミング情報(たとえば基地局からの第1マルチパス要素の到着時間)を推定すべく、そのような信号を保有するサブフレームで位置決定基準信号を処理することが可能である。サブフレームが位置決定基準信号を含有しないか、またはサブフレーム内の情報(たとえば位置決定基準信号)が、位置関連タイミング情報の測定に用いられ得ないか(たとえば識別子が、所望の基地局に対応しない)のいずれかをどちらかの識別子が示す場合、プロセッサ329は、受信サブフレームを無視する(ステップS807)。他方ではサブフレーム内の情報(たとえば位置決定基準信号)が、位置関連タイミング情報(たとえば識別子が先に受信された隣接セルリストに関する)の測定に用いられ得ることを識別子が示す場合、プロセッサ329は、無線装置201の位置の決定に用いられ得るタイミング情報(たとえば到着時間か観測到着時間差情報)を最終的に推定すべく、サブフレームとその中の特定送信リソース集合を処理する。
【0067】
受信サブフレームが、位置関連タイミング情報が測定され得る基地局由来の場合、無線装置プロセッサ329は、位置決定基準信号(たとえばOTDOA波形)が基地局に関連した識別子に基づき送信された受信サブフレームのうちの非制御チャネル部分の送信リソース集合を測定する(ステップS809)。たとえば無線装置メモリ331は、OFDMシンボル位置と特性(たとえばシンボル持続期間と関連巡回プレフィックスのうちの少なくとも一方)に関する識別子をマッピングするテーブルを保存し得る。テーブルは、無線装置201が新しい隣接セルリストを現行サービングサイトかセルから受信するごとか、新セルが検出され、隣接セルリストが、自律方法で無線装置201によって更新される場合に、更新され得る。
【0068】
サブフレームが受信された基地局に関連する識別子(たとえばPCID)に基づき、無線装置プロセッサ329は、位置決定基準信号を保有する送信リソース集合(たとえば時間周波数リソース要素)を抽出すべくサブフレームを逆多重化する。すなわちサブフレームを送信した基地局に関連する識別子と、無線装置メモリ331に保存されたシンボルマッピングとに基づき、プロセッサ329は、そのフレームのうちの非制御チャネル部分におけるどのOFDMシンボルが、位置決定基準信号を含有するか判定する。さらにプロセッサ329は、保存マッピングに基づき、位置決定基準信号を含有するOFDMシンボルが、E−UTRAまたはLTE標準下で標準持続期間またはノーマルか拡張巡回プレフィックスを有するか、特別持続期間または関連巡回プレフィックス(たとえば多重の標準持続期間か特別長期巡回プレフィックス)を有するか否か判定する。つぎにプロセッサ329は、基準タイミング情報に基づき位置決定基準信号に関連する到着時間情報を推定すべく、位置決定基準信号を含有する送信リソース集合を処理する(ステップS811)。たとえば無線装置プロセッサ329は、無線装置の局部発振器332によって供給される基準時間かクロックに基づき位置決定基準信号の到着時間を判定し得る。さらに無線装置プロセッサ329は、基準クロックに基づきそれぞれの位置決定基準信号送信から少なくとも2つの基地局からの到着時間を判定し得る。その上、装置プロセッサ329は、基準としての1基地局の到着時間とそのような基地局のうちの少なくとも部分集合に対応する到着の時間差を算出し得る。
【0069】
一実施形態において、位置決定基準信号を含有する送信リソースが処理され、タイミング情報が推定された後、無線装置プロセッサ329は、無線装置201が自律的位置測定モードであるか否か判定する(ステップS813)。前記自律的位置測定モードで無線装置プロセッサ329が、無線装置の位置を判定する。無線装置201が、そのような自律的位置モードである場合、無線装置プロセッサ329は、隣接サービス範囲エリアを提供する多重(2つ以上の)基地局から受信されたサブフレームに対して算出されたタイミング情報に基づき無線装置の位置を判定する(ステップS815)。この場合において、無線装置メモリ331は、システム基地局の固定位置を保存し、それらの固定位置を到着時間情報と共に用いることによって、その位置を公知の三角測量か三辺測量方法を用いて判定する。別に無線装置201が、自律的位置測定モードではなく、その位置が、たとえば無線システムの位置サーバ207などの別の装置によって判定されるべき場合、無線装置は、無線装置のサービング基地局を介してタイミング情報(たとえば2つ以上の隣接基地局から受信された位置決定基準信号の推定到着時間)を位置測定装置に通信する(ステップS817)。無線装置201は、特定のキャリア周波数で新たに検出可能なセルを自律的に同定し得ると共に、連結された基地局に測定レポートを送信し得る。別に、基地局は、隣接セルリスト再構成メッセージをユーザ装置に送信し得る。どちらにしても、無線装置201は、その隣接セルリストを更新し得る。基地局は、隣接基地局の部分集合に対応する観測到着時間差を測定すると共にそれらを送信するよう無線装置201に要求するユーザ装置特異的構成メッセージ(たとえば無線リソース制御測定構成メッセージ)を送信し得る。無線装置201が、そのようなメッセージを受信および復号し得る場合、それに応じて、構成された隣接基地局のうちの部分集合に対応する観測到着時間差を測定し得る。無線装置は、次に連結される基地局にこれらの測定値を報告し得る。
【0070】
無線装置の位置測定において支援する無線装置プロセッサ329動作のさらに別の実施例を提供すべく、基地局204が無線サービスを無線装置201に提供していると共に、基地局203と205が、基地局204によって提供されたサービス範囲エリアに隣接するサービス範囲エリア(たとえばセルかセクタ)に無線サービスを提供している環境下にある図2のシステム200を検討する。この場合、無線装置は、隣接基地局203,205の両方からサブフレームを受信し得る。この実施形態において、それぞれサブフレームは、OFDMシンボルを形成すべく、サブキャリア群全体にわたって時間で分割されたリソース要素の1ミリ秒(1ms)ブロックを含む。それぞれリソース要素は、そのそれぞれのサブキャリア上で所定量の時間(たとえば約70ミリ秒)を占める。それぞれサブフレームのOFDMシンボルは、制御情報が符号化されている第1OFDMシンボル集合と、制御情報以外の情報が符号化されている第2OFDMシンボル集合内に配列される。そのような他の情報には、位置決定基準信号が含まれる。すなわちそれぞれサブフレームは、制御チャネル(たとえばPDCCH)と同期チャネル(たとえばP/S−SCH)をサポートするように構成され得る。
【0071】
サブフレームの受信後、無線装置プロセッサ329は、それぞれサブフレームに対して、特定のサブフレームが受信された基地局203,205に関連する識別子に基づき位置決定基準信号が送信されたリソース要素集合(および類似的にOFDMシンボル集合)を判定する。基地局203由来の位置決定基準信号を保有するOFDMシンボル集合は、基地局205由来の位置決定基準信号を保有するOFDMシンボル集合と直交することが好ましい。時間または周波数のいずれかでの位置決定基準信号リソース要素とOFDMシンボルのうちの少なくとも一方の位置決定における差は、無線装置メモリ331に保存され、さらにサービング基地局204からの更新隣接セルリストの受信に関連して定期的に更新され得る。その結果、無線装置プロセッサ329は、位置決定基準信号を保有するリソース要素とOFDMシンボルのうちの少なくとも一方の位置決定に基地局に関連する識別子をマッピングする保存情報にサブフレームを送信した基地局203,205の識別子をマッピングすることによって、特定の受信フレーム内のそのようなリソース要素とOFDMシンボルのうちの少なくとも一方の位置と特性(たとえば持続期間と巡回プレフィックスのうちの少なくとも一方)のうちの少なくとも一方を決定し得る。
【0072】
無線プロセッサ329が、基地局203,205に関連する識別子に基づき基地局203,205から受信されたサブフレーム内に位置決定基準信号が送信されたリソース要素集合を判定した後、無線装置プロセッサ329は、リソース要素集合を処理することによって、無線装置の局部発振器332の局部発振器周波数に基づきそれぞれの位置決定基準信号の到着時間を推定する。次に、無線装置プロセッサ329は、推定到着時間をメッセージで(たとえばアップリンクで無線装置201によって送信された無線リソース制御測定レポートメッセージで)無線装置送信機325に提供する。前記送信機は、前記推定到着時間をサービング基地局204に送信し、最終的に無線装置の位置を決定する位置サーバ207に通信する。別に、上述したように、無線装置プロセッサ329が、無線装置の位置を自律的に推定するようにプログラムされている場合、無線装置プロセッサ329は、推定到着時間と、無線装置201への提供と無線装置メモリ331内への保存のうちの少なくとも一方が行われ得るような他の情報(たとえば当該分野において公知なような基地局位置、サブフレームの送信時間、チャネル条件、その他)とに基づきそれ自体の位置を算出し得る。
【0073】
基地局プロセッサ316の動作を制御する図7において例示される命令(たとえばステップS401〜413)論理フローブロックは、基地局メモリ318に保存されると共に、基地局プロセッサ316によって適当な時期に実行されるプログラミング命令として実装され得る。同様に、無線装置プロセッサ329の動作を制御する図8において例示される命令(たとえば論理フローブロックであるステップS805〜815)は、無線装置メモリ331に保存されると共に、無線装置プロセッサ329によって適切な時期に実行されるプログラミング命令として実装される。
【0074】
上方で詳述されるように、本開示の実施形態は主として、無線通信装置の地理的な位置の判定を助ける位置決定基準信号の通信に関連する方法段階と装置要素の組合わせに存在する。したがって、本明細書における記載の恩恵を受ける当業者には見て直ぐに理解され得る詳細さで、本開示を曖昧にしないようにするために本発明の実施形態の理解に関する具体的な詳細のみを示す装置要素と方法段階が、必要に応じて、図面において従来の記号によって示されている。
【0075】
本開示において、たとえば「第1」および「第2」、「上端」および「下端」その他の関係語は、任意の実際のそのような関係またはそのような構成要素か動作間の順序を必ずしも要求または暗示することなく、別の構成要素または動作から1つの構成要素または動作を単に区別するのに用いられ得る。用語「comprises,」「comprising,」およびその任意の他の変形は、列挙の要素を備えるプロセス、方法、物品、または装置が、それらの要素しか含まないのではなく、明確に列挙されてはいない、もしくはこのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有の他の要素を含んでもよいような、非排他的な包含を網羅するように意図される。任意の物体または動作と関連して用いられるような用語「複数の」は、2つ以上のそのような物体または動作を意味する。冠詞「a」または「an」から始まる請求要素は、より多くの制約を受けることなく、要素を含むプロセス、方法、物品、または装置において同一要素がさらに存在することを排除するものではない。
【0076】
当然のことながら、本明細書において記載される基地局301と無線通信装置201の実施形態は、特定の非プロセッサ回線と併せて、基地局301と無線通信装置201の機能のうちのいくつか、大部分、または全てと本明細書において記載されるそれらの動作方法を実行すべく、一つあるいは複数の在来プロセッサと、プロセッサを制御する固有の保存プログラム命令から構成され得る。非プロセッサ回路には、限定するものではないが、上記のような送信機312,325,受信機314,327、アンテナ304〜307,309〜310,320,322〜323、局部発振器332、ディスプレイ333、ユーザインタフェース335、メモリ318,331、および警報機構337、ならびにフィルタ、信号ドライバ、クロック回路、電源回路、ユーザ入力装置、および様々な他の非プロセッサ回路が含まれ得る。そのため、これらの非プロセッサ回路の機能は、本発明の一つあるいは複数の実施形態にしたがう方法の段階として解釈され得る。別に、いくつかあるいは全ての機能は、保存プログラム命令を有さない状態機械によってか、一つあるいは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)において実行され得る。ASICにおいて、それぞれ機能または特定の機能のいくつかの組合わせが、カスタム論理として実行される。もちろん、2つの方法の組合わせは、使用され得るだろう。したがってこれらの機能の方法と手段は、本明細書において全般的に記載されている。さらにたとえば利用可能な時間、現行技術、および経済的配慮によって動機付けられた恐らく有意な努力と多くの設計上の選択にもかかわらず、当業者は、本明細書において開示されたコンセプトと原理によって誘導されるとき、過度の実験無しに、そのようなソフトウエア命令またはプログラムと集積回路を容易に生成でき得ると予想される。
【0077】
本開示およびその最良の態様は、所有権を確立すると共に、当業者が前記を作成および使用できるようにするやり方で記載されてきたが、本明細書において開示される模範的実施形態の等価物が存在することと、模範的実施形態によってではなく、添付の特許請求の範囲によって制限されるべき本発明の範囲と趣旨から逸脱することなく改変および変形が行われ得ることは、理解および評価されるだろう。
【技術分野】
【0001】
本開示は、主に無線通信ネットワークに関する。より詳細にはサブフレームを送信する基地局に関連する識別子に基づき、ダウンリンクサブフレーム内の位置決定基準信号を通信および処理する装置と方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信ネットワークは周知であり、いくつかのネットワークは、完全に私有性であるが、他のネットワークは、様々な製造供給元が共通システムの機器を製造できるようにすべく一つあるいは複数の標準の影響下にある。そのような1つの標準に基づくネットワークは、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)である。UMTSは、国際電気通信連合(ITU)の世界共通次世代携帯電話2000プロジェクトの範囲で世界共通の第3世代(3G)携帯電話システム仕様を作成すべく、通信協会団体間でのコラボレーションである第3世代携帯プロジェクト(3GPP)によって標準化される。一般にUMTSロングタームエボリューション(LTE)または進化型UMTS地上無線アクセス(E−UTRA)と称される進化型UMTS標準を開発する取組みが、目下進行中である。
【0003】
E−UTRAまたはLTE標準化仕様のリリース(Release)8にしたがって、基地局(「拡張ノードB」または簡単に「eノードB」あるいはeNBと称される)から、無線通信装置(「ユーザ装置」(ユーザ機器)または「UE」と称される)へのダウンリンク通信は、直交周波数分割多重(OFDM)を利用する。OFDMにおいて、直交サブキャリアは、OFDMシンボル集合を形成するために、データ、制御情報、または他の情報を含み得るデジタルストリームで変調される。サブキャリアは、連続性または断続性であり、ダウンリンクデータ変調は、四位相偏移変調(QPSK)、16変数直交振幅変調(16QAM)、または64QAMを用いることによって実行され得る。OFDMシンボルは、基地局から送信するダウンリンクサブフレーム内に構成される。それぞれOFDMシンボルは、時間分を有すると共に、巡回プレフィックス(CP)に関連する。巡回プレフィックスは、本質的にサブフレーム内における連続OFDMシンボル間の保護期間である。E−UTRA仕様にしたがって、ノーマル巡回プレフィックスは、約5マイクロ秒であり、拡張巡回プレフィックスは、16.67マイクロ秒である。
【0004】
ダウンリンクとは対照的に、ユーザ装置からeノードBへのアップリンク通信は、E−UTRA標準にしたがう単一キャリア周波数分割多重アクセス(SC−FDMA)を利用する。SC−FDMAにおいて、QAMデータシンボルのブロック送信は、第1離散フーリエ変換(DFT)拡散(またはプリコーディング)、続いて従来型OFDMモジュレータへのサブキャリアマッピングによって実行される。DFTプリコーディングを使用することによって、ユーザ装置電力増幅器のコスト、サイズおよび電力消費の削減につながる適度な立方計量(cubic metric)/ピーク対平均電力比(PAPR)が可能になる。SC−FDMAにしたがって、アップリンク送信に用いられるそれぞれサブキャリアは、入力データストリームが広がる送信変調信号全ての情報を含む。ダウンリンク制御チャネルを介して送られたスケジューリング要求(およびスケジューリング情報)の送信を含む、アップリンクにおけるデータ送信は、eノードBによって制御される。アップリンク送信のスケジューリンググラントは、ダウンリンク上でeノードBによって提供されると共に、数ある中でも特にリソース割当(たとえば1ミリ秒(ms)間隔当りのリソースブロックサイズ)とアップリンク送信に用いられるべき変調の同定を含む。より高次の変調と適応変調符号化(AMC)を付加して、好みのチャネル条件でユーザをスケジューリングすることによって、大きなスペクトル効率が、可能である。
【0005】
またE−UTRAシステムは、容量を増やすべく、ダウンリンク上での多重入力多重出力(MIMO)アンテナシステムの使用を促進する。公知のように、MIMOアンテナシステムは、多重送信アンテナを利用したeノードBと多重受信アンテナを利用したユーザ装置で採用される。ユーザ装置は、報告用のチャネル推定、順次データ復調、およびリンク品質測定のために、eノードBから送られたパイロットまたは基準シンボル(RS)に依存し得る。フィードバックのリンク品質測定には、そのようなランクインジケータとしての空間パラメータ、または同じリソースで送られたデータストリーム数;プレコーディング行列インデックス(PMI);およびたとえば変調符号化スキーム(MCS)などの符号化パラメータまたはチャネル品質インジケータ(CQI)が含まれ得る。たとえばリンクが1よりも大きなランクをサポートできるとユーザ装置が、判定すると、ユーザ装置は、多重CQI値(たとえばランク=2の場合、2個のCQI値)を報告し得る。さらにリンク品質測定値は、サポートフィードバックモードのうちの1つでeノードBによって命令されると、定期的または非定期的に報告され得る。レポートは、パラメータの広帯域かサブバンドの周波数選択情報を含み得る。eノードBは、アップリンクとダウンリンクのチャネルでユーザ装置に提供すべく、ランク情報、CQI、およびアップリンク品質情報などの他のパラメータを使用し得る。
【0006】
同様に公知のように、今日のセル方式携帯電話機は、緊急時の装置および装置の所有者の位置検索を助けると共に、連邦通信委員会(FCC)からのE−911勧告にしたがうべく全地球測位システム(GPS)受信機を含む。大部分の環境下において、電話機のGPS受信機は、適当量のGPS衛星から信号を受信し、さらに無線ネットワークに連結されるかそのネットワークのうちの一部を形成する、たとえば位置サーバによって装置の位置を判定するセル方式システムのインフラにその情報を伝達することが可能である。しかし、GPS受信機が無効であるいくつかの環境が存在する。たとえばユーザおよびユーザの携帯電話が、建物内に位置する場合、GPS受信機は、位置サーバが装置の位置を判定できる信号を適当量のGPS衛星から受信することができない。さらに私的システムの無線装置は、FCC E−911勧告を満たすよう要求されないので、GPS受信機を含めなくてもよい。しかし、そのようなシステムにおいて動作する無線装置の位置を判定することが、必要になり得る環境が、生じるかもしれない。
【0007】
GPSシステムの断続的な無効性を補うと共に、私的システムにおいて位置判定機能を提供するため、多くの無線システムは、シグナリングを利用すると共に、無線装置の位置が推定され得るプロセスを含む。たとえば多くのシステムにおいて、基地局は、無線装置によって受信されると共に、たとえば位置サーバなどのインフラ装置が、無線装置の位置を算出(たとえば三角測量と三辺測量のうちの少なくとも一方)できる情報を測定するか、無線装置の位置を自律的に(すなわち無線装置自体で)判定するかのいずれかに用いられる位置決定基準信号を定期的に送信する。位置サーバが、無線装置の位置を算出するように意図される場合、無線装置は、位置決定基準信号を受信すると、到着時間(TOA)または到着時間差(TDOA)情報を決定し、サービング基地局(すなわち無線通信サービスを無線装置に提供する基地局)を介してTOAまたはTDOAを位置サーバに通信し得る。TOAまたはTDOA情報は一般に、公知技術にしたがって無線装置の局部発振器によって構築されるような無線装置の内部クロックに基づき判定される。
【0008】
3GPP無線アクセスネットワーク(RAN)作業グループ1(3GPP RAN1)のコントリビューション(Contribution)R1−090353は、E−UTRAシステムにおいて位置決定基準信号をユーザ装置に伝達するのに用いるダウンリンクサブフレームを開発する1つの方法を提供する。コントリビューションR1−090353にしたがって、位置決定基準信号を含むQPSKシンボルは、2リソース要素/リソースブロック/OFDMシンボルが、位置決定基準シンボルを保有するように、制御情報に割当てられないOFDMシンボル全体に分配される。図1は、ユーザ装置が現在運用中のセルに隣接するセルを提供するeノードBによって送信される模範的ダウンリンクサブフレーム101,103を例示する。例示されるように、それぞれサブフレーム101,103は、12個のサブキャリア(sub0〜sub11)のリソースブロックを含む。それぞれサブキャリアは、12個の時間セグメントに分割される(t0〜t11)。特定のサブキャリア上のそれぞれ時間セグメントは、デジタル処理で変調された(たとえばQPSK,16QAMまたは64QAM)シンボルを含むリソース要素102,104である。特定の時間セグメントまたは時間分の間にサブキャリア全体に広がるリソース要素102,104集合は、OFDMシンボルを形成する。OFDMシンボル集合(図1において例示されるように12個)は、それぞれサブフレーム101,103を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特表2009−522947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
例示サブフレーム101,103において、それぞれサブフレーム101,103の最初の2つのOFDMシンボルは、セル特異的基準シンボル(サブフレーム101,103において「CRS」で示される)と他の制御情報(サブフレーム101,103において「C」で示される)を含み、残りのOFDMシンボルは、それぞれOFDMシンボルのうちの2つのリソース要素102内にシンボルとして符号化される位置決定基準信号を含む。位置決定基準信号を含むリソース要素102,104は、サブフレーム101,103において「PRS」で示される。サブフレーム101,103を送信するeノードBは、位置決定基準信号シンボルが、非重複リソース要素102,104に多重化されるよう保証することによって、サブフレーム101,103のうちの非制御部分内の位置決定基準信号の配列の直交性を維持しようと、一つあるいは複数のコントローラによって制御される。このようにして直交性を維持するそのような目的にもかかわらず、提案サブフレーム構造は、特定の条件下で直交性の損失をもたらし得る。たとえば模範的サブフレーム101,103においてそれぞれOFDMシンボルに対してノーマル巡回プレフィックス(ノーマルCP)を用いる場合、1.5kmのサイト間距離(ISD)と5マイクロ秒のチャネル遅延拡散は、図1に例示されるような非重複リソース要素102,104で送信するとしても、互いに異なるeノードB送信機間で直交性の損失が生じ得る。直交性の損失は、ユーザ装置から見てダウンリンクチャネルの全体の遅延拡散(すなわち伝播遅延プラスマルチパス遅延拡散)が、ノーマル巡回プレフィックスの巡回プレフィックス長を超え(約5マイクロ秒)、その結果DFTプリコーディングが直交性でないために生じる。拡張巡回プレフィックス(約16.67マイクロ秒)展開の場合には、4.5kmのサイト間距離と5マイクロ秒のチャネル遅延拡散によって、サブキャリア送信の直交性に損失が生じる虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一般的に、本発明は、基地局に関連する識別子に基づき位置決定基準信号を通信する装置と方法を含む。一実施形態にしたがって、装置はとりわけ、受信機とプロセッサを含む無線通信装置である。受信機は、一つあるいは複数の基地局(たとえば無線通信装置が位置するサービス範囲エリアに隣接するサービス範囲エリア(たとえばセル)に無線通信サービスを提供する)から、同時期であるか同時期でないかもしれない一つあるいは複数のサブフレームのうちの少なくとも1つのセクションを受信するよう作動する。それぞれサブフレームは、複数の直交周波数分割多重化(OFDM)シンボルを形成すべく、複数のサブキャリアにわたるシンボルの通過時間で分割される送信リソース(たとえばE−UTRAリソース要素)を含む。それぞれ送信リソースは、OFDMシンボル内のサブキャリアのうちのそれぞれ1つで所定量の時間に送信される。OFDMシンボルは、位置決定基準信号(たとえば観測到着時間差(OTDOA)波形)を含む少なくとも第1OFDMシンボル集合と、位置決定基準信号を含まないが、任意にセル特異的基準信号、および制御情報(たとえば物理的ダウンリンク制御チャネルまたはPDCCH)を含み得る第2OFDMシンボル集合とに配列される。
【0012】
一実施形態において、プロセッサは、特定の基地局からの送信に対応する基準タイミング情報(たとえば無線装置の局部発振器から生成される)に基づき位置決定基準信号の到着信号(TOA)を決定するように作動する。さらにプロセッサは、基準タイミング情報に基づき第2基地局から送信された位置決定基準信号の到着時間を決定すると共に、第1基地局に対する第2基地局から位置決定基準信号の到着時間差(TDOA)を算出するように作動する。そのような実施形態において、無線通信装置は、無線通信装置に無線通信サービスを提供している基地局を介して、少なくとも1つの到着時間と到着時間差を位置サーバに通信するように作動する送信機をさらに含み得る。
【0013】
別の実施形態において、装置は、位置決定基準信号、セル特異的基準信号、および任意に、たとえば制御情報などの他の情報を含有するダウンリンクサブフレームを符号化、多重化、および送信するように作動する基地局であり得る。そのような実施形態において、基地局はとりわけ、プロセッサと送信機を含む。基地局プロセッサは、位置決定基準信号を第1送信リソース集合(たとえばE−UTRAリソース要素)に符号化し、位置決定基準信号以外の情報を第2送信リソース集合に符号化し、さらに第1送信リソース集合と第2送信リソース集合を複数のOFDMシンボルを含むサブフレーム内に多重化するように作動する。基地局送信機は、基地局のサービス範囲内の無線通信装置にサブフレームを送信するように作動する。
【0014】
一実施形態にしたがって、第1送信リソース集合が、基地局に関連する識別子に基づくサブフレームの第1OFDMシンボル集合(たとえば制御情報の送信に用いられないサブフレームのうちの一部分を形成するOFDMシンボル集合(たとえばPDCCH領域を形成しない))のうちの一部分(すなわち全てではないが、いくつかのOFDMシンボル)内に多重化され、第2送信リソース集合は、サブフレームの第2OFDMシンボル集合(たとえば制御情報(たとえばPDCCH)の送信に用いられるOFDMシンボル)内に多重化される。さらに第1送信リソース集合は、送信リソースが、第1OFDMシンボル集合のうちの一つあるいは複数のOFDMシンボルを形成するサブキャリア部分集合に多重化されるように、第1OFDMシンボル集合内に多重化され得る。たとえば第1送信リソース集合は、OFDMシンボルを形成するサブキャリアの6分の1に多重化され得る(たとえば全ての6番目のサブキャリアが、位置決定基準信号に対応する送信リソースを保有するのに用いられ得る)。
【0015】
本開示の様々な態様、特徴および利点は、以下に記載の添付図面とその詳細な説明を慎重に考慮することによって、当業者にはより完全に明白になるだろう。
類似の参照数字が、下方の詳細な説明と一緒に明細書に組入れられると共に、その一部を形成する個別の図を通して同じか機能的に類似した要素を示す添付図面は、様々な実施形態をさらに例示し、本開示の一つあるいは複数の実施形態にしたがう様々な原理と利点全てを説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】E−UTRA標準にしたがって、基地局から無線通信装置に位置決定基準信号を送信する模範的ダウンリンクサブフレーム。
【図2】本発明の模範的実施形態にしたがって無線通信装置に無線通信サービスを提供する無線通信システムの電気ブロック線図。
【図3】本発明の模範的実施形態にしたがう、図2の無線通信システムと無線通信装置において使用できる模範的基地局の電気ブロック線図。
【図4】本発明の模範的実施形態にしたがって、無線通信装置に位置決定基準信号を送信するダウンリンクサブフレームを生成すべく基地局によって実行される段階の論理フローチャート。
【図5】単一コスタス配列からの位置決定基準シンボルに対する多重リソース要素の割当を定義する方法のブロック線図。
【図6】12個未満の非制御シンボルを有するリソースブロック上で位置決定基準シンボルに対するリソース要素割当を定義するため、12×12コスタス配列の列をプルーニングする方法のブロック線図。
【図7】疑似ランダムに選択された順列行列を用いることによって、位置決定基準シンボルにリソース要素位置を割当てる方法のブロック線図。
【図8】対角か反対角行列の循環シフトである行列を用いることによって、位置決定基準シンボルにリソース要素位置を割当てる方法のブロック線図。
【図9】対角か反対角行列の循環シフトである行列の最終列をプルーニングすることによって、12個未満の非制御シンボルを有するリソースブロックにおいて位置決定基準シンボルにリソース要素位置を割当てる方法のブロック線図。
【図10】行列のうちのそれぞれ行に対して列をランダムに選択することによって、位置決定基準シンボルにリソース要素位置を割当てる方法のブロック線図。
【図11】時間領域単一キャリア直接シーケンス拡散スペクトル信号からタイミング基準信号を生成すべく、高速フーリエ変換と逆高速フーリエ変換を行う方法のブロック線図。
【図12】共通基準シンボルを含有するユニキャストサブフレーム上に位置決定基準シンボルをマッピングする方法のブロック線図。
【図13】キャリア周波数から最も離れたリソースブロックが、データの送信に用いられ、残りのリソースブロックが、位置決定基準シンボルの送信に用いられる、同じサブフレーム内の位置決定基準シンボルにおいてユニキャストまたはマルチキャストデータを結合する方法のブロック線図。
【図14】本発明の模範的実施形態にしたがって、位置決定基準信号を含有するダウンリンクサブフレームを処理すべく、無線通信装置によって実行される段階の論理フローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
熟練者は、本図面の要素が、簡単および明確にするために例示されているのであって、必ずしも縮尺通りに、あるいは要素の全成分を含めるべく描かれていないことはわかるであろう。たとえば図面におけるいくつかの寸法は、単独または他の要素に対して誇張され得るか、要素のうちのいくつかと可能な限り多くの成分が、本発明の様々な実施形態を理解し易くすべく、要素から除外され得る。
【0018】
本発明の実施形態は、図2〜5を参照すればより容易く理解することが可能である。図2〜5において類似の参照数字は、類似の品目を指定する。図2は、本発明の模範的実施形態にしたがって一つあるいは複数の無線通信装置201に無線通信サービスを提供する無線通信システム200の電気ブロック線図である。無線システム200はとりわけ複数の基地局203〜205(3つが例示目的で示される)、一つあるいは複数の無線通信装置201(例示目的で1つが示される)、および任意の位置サーバ207を含む。一般に、無線システムは、多くの他の基地局および無線通信装置を含むだろう。しかし、本発明の様々な特徴の説明に関して簡素化するため、図2は、3つの基地局203〜205と1つの無線通信装置201のみを示す。一実施形態において、無線通信システム200は、E−UTRA標準を実装するシステムである。別に、無線システム200は、直交周波数分割多重を用いると共に、無線装置201がシステム200内のそれらの場所または位置を自律的または絶対的に判定できるようにするか、たとえばタイミング情報(たとえば到着時間(TOA)または到着時間差(TDOA)情報)を位置サーバ207に報告することによって、そのような位置判定を支援できるようにする任意のシステムであり得る。
【0019】
無線通信装置201は、携帯電話、スマートフォン、テキストメッセージ装置、ハンドヘルドコンピュータ、無線通信カード、携帯端末(PDA)、ノートパソコンかラップトップコンピュータ、顧客端末(CPE)、または本発明の機能性を含めるべく改変または組立てられた任意の他の通信装置として実装され得る。スマートフォンは、付加的なアプリケーション処理機能を有する携帯電話である。たとえば一実施形態において、スマートフォンは、(i)ポケットパソコン(PC)、ハンドヘルドPC、パームトップPC、またはPDA、および(ii)携帯電話の組合せである。模範的スマートフォンは、アップル社、クパチーノ、カリフォルニア州(Apple,Inc. of Cupertino,Calfornia)から入手可能なアイフォーン(登録商標)(iPHONETM)とモトローラ社、シャウボーグ、イリノイ州(Motorola,Inc. of Schaumburg,Illinois)から入手可能なモトローラ キュウ(登録商標)(MOTOROLA QTM)である。一実施形態における無線通信カードは、PCまたはラップトップコンピュータ内にあるか、それらに挿入できる。本明細書と添付の特許請求の範囲において用いられるような用語「無線通信装置」は、無線通信システムで動作可能な、信号の受信と送信のうちの少なくとも一方を行い得る多くの様々な種類の装置を広く対象とするように意図される。限定としてではなく、たとえば無線通信装置は、以下の:セル方式携帯電話、携帯電話、スマートフォン、送受信兼用無線機、双方向ポケベル、無線メッセージ装置、ラップトップ/コンピュータ、自動車用ゲートウェイ、住居用ゲートウェイ、パソコン、サーバ、PDA,CPE、ルータ、コードレス電話、無線Eメール装置、内蔵無線モデムを含む携帯ゲーム装置、その他のうちのいずれか1つか組合せを含むことが可能である。模範的無線通信装置201の電気ブロック線図は、図3において例示される。
【0020】
基地局203〜205は、それぞれの地理的サービスエリア(たとえばセル)内で無線通信サービスを提供する。基地局203〜205は、共同設置または様々に設置され得る。共同設置の場合、基地局203〜205は、単一サービス範囲エリア(たとえばセル)のうちのそれぞれの部分(たとえばセクタ)に無線サービスを提供し得る。一実施形態において、基地局は、E−UTRA標準にしたがって動作するeノードBである。
【0021】
位置サーバ207は、周知であり、無線通信システム200内の無線通信装置207の位置の決定に用いられる。一実施形態において、位置サーバ207は、基地局203〜205からの位置決定基準信号209〜211を保有するサブフレームの受信に応じて、無線通信装置201によって作成および報告された到着時間または到着時間差測定値と共に、三角測量か三辺測量を用いることによって、システム200内の基地局203〜205の公知の位置に基づき無線通信装置201の位置を決定する。位置サーバ207によって決定された位置は、そのような装置がGPS機能性を含まない場合かGPS機能性がいずれかの理由で動作しないか損なわれている場合に、緊急電話がかけられた無線装置の位置を決定するためなどの様々な理由で用いられ得る。位置サーバ207は、基地局203〜205とは異なる構成要素として示されるが、特定の基地局は、位置サーバ207の論理的機能性も提供できるので必須ではない。
【0022】
図3は、図2の無線通信システム200において使用できる無線通信装置201と模範的基地局301の電気ブロック線図を例示する。基地局301は、図2の無線通信システム200の基地局203〜205のうちのいずれかを実行するために用いられ得る。それぞれ基地局301は、とりわけ一つあるいは複数の送信アンテナ304〜307(例示目的で4つが示される)、一つあるいは複数の受信アンテナ309,310(例示目的で2つが示される)、一つあるいは複数の送信機312(例示目的で1つが示される)、一つあるいは複数の受信機314(例示目的で1つが示される)、一つあるいは複数のプロセッサ316(例示目的で1つが示される)、およびメモリ318を含む。個別に例示されているが、送信機312と受信機314は、当該分野においてよく理解されるような一つあるいは複数の送受信機に組込まれ得る。当業者によって理解され得るような多重送信アンテナ304〜307および他の適当なハードウエアとソフトウエアを含めることによって、基地局301は、ダウンリンク(基地局から無線通信装置)通信の多重入力多重出力(MIMO)アンテナシステムの使用をサポートし得る。MIMOシステムは、たとえば無線通信装置201によって示されるような、あるいは基地局301によって好まれるようなチャネルランクに依存して多重送信アンテナ304〜307からのダウンリンクデータストリームの同時送信を促進する。無線通信装置201によって供給されるランクは、基地局301をアシストするか、基地局301が現行のダウンリンクチャネル状態を考慮してダウンリンク送信に対する適当な多重アンテナ構成(たとえば送信ダイバーシティ、開ループ空間多重、閉ループ空間多重など)の決定を支援するか、決定できるようにする。
【0023】
送信機312、受信機314、およびメモリ318に動作自在に連結されるプロセッサ316は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、状態機械、論理回路、その任意の組合せ、あるいはメモリ318に保存された動作またはプログラミング命令に基づき情報を処理する任意の他の装置か装置の組合せのうちの一つあるいは複数であり得る。当業者は、プロセッサ316が、本発明の処理要件および基地局301の他の様々な機能の取扱いに要求され得るような多重処理装置を用いることによって実装され得ることを理解するだろう。当業者は、プロセッサ316が状態機械または論理回路系によって実行される一つあるいは複数の機能を有する場合、対応動作命令を含むメモリは、プロセッサ316の外にあるのとは対照的に状態機械または論理回路系内に組込まれる得ることをさらに認識するだろう。
【0024】
図3に示されるような別個の要素であり得るか、プロセッサ316に組込まれ得るメモリ318は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、FLASHメモリ、電気的消去可能ROM(EEPROM)、着脱式メモリ、ハードディスク、および当該分野において周知のような他の様々な形態のメモリのうちの少なくとも1つを含むことが可能である。メモリ318は、たとえばプロセッサ316によって実行可能なプログラミング命令を保存する一つあるいは複数のプログラムメモリ要素、基地局301に関連する識別子を保存すると共に基地局301と目下通信している無線通信装置のアドレスを保存する一つあるいは複数のアドレスメモリ要素、および様々なデータ記憶要素などの様々な要素を含むことが可能である。識別子は、基地局に特異的なオフセット識別子、基地局識別子、セルサイト識別子、物理セル識別子、グローバルセル識別子、スロットインデックス、サブフレームインデックス、システムフレーム番号、および無線ネットワーク取引識別子のうちの少なくとも一方のうちの少なくとも1つから導かれ得る。メモリ318のプログラムメモリ要素は、システム200のデータチャネルと制御チャネルのうちの少なくとも一方を介してプロセッサ316によって生成される情報の転送を制御するプロトコルスタックを含み得る。様々なメモリ要素は、それぞれが全体または集約メモリ318において別個に位置するメモリ領域群であり得ることと、メモリ318が、一つあるいは複数の個々のメモリ要素を含み得ることは、当業者には明白であろう。
【0025】
一実施形態において、基地局送信機312、受信機314、およびプロセッサ316は、たとえばユニバーサルモバイルテレコミュニケーションズシステム(UMTS)プロトコル、E−UTRAプロトコル、3GPPロングタームエボリューション(LTE)プロトコル、または様々な様式のチャネルを介して基地局301と無線通信装置201間でたとえばユーザデータ(音声、テキスト、ビデオ、および画像データのうちの少なくとも1つを含み得る)と制御情報のうちの少なくとも一方などのデジタル情報を通信するように作動する専用プロトコルなどの広域帯無線プロトコルを実行およびサポートするように設計される。E−UTRAシステムにおいて、アップリンクデータチャネルは、PUSCHであり、アップリンク制御チャネルは、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)であり、ダウンリンク制御チャネルは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)であり、さらにダウンリンクデータチャネルは、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)であり得る。アップリンク制御情報は、PUCCHとPUSCHのうちの少なくとも一方を介して通信され得るが、ダウンリンク制御情報は、一般にPDCCHを介して通信される。
【0026】
基地局301が、E−UTRA標準を実装する場合、基地局プロセッサ316は、一実施形態においてダウンリンクサブフレーム340を介する送信の対象とされる制御情報と位置決定基準信号を符号化および多重化するチャネルを実装する論理チャネル符号化および多重化部分を含む。チャネル符号化および多重化部分は、メモリ318に保存されたプログラミング命令に応じて符号化および多重化を実行する、基地局プロセッサ316の論理部分である。チャネル符号化および多重化部分は、制御チャネル情報(たとえばチャネル品質インジケータ、セル特異的基準シンボル(CRS)、ランクインジケータ、およびハイブリッド自動再送要求承認(HARQ−ACK/NACK))を関連送信リソース(たとえば時間周波数リソース要素)内に符号化する1チャネル符号化ブロックと、位置決定基準信号と一般に1次/2次同期チャネル(たとえばP/S−SCH)を介して通信される他の情報を関連送信リソースに符号化する別のブロックとを含み得る。プロセッサ316のチャネル符号化および多重化部分は、復調およびダウンリンクチャネル品質測定のため、無線通信装置201によって用いられる他の様々な種類の情報と基準シンボルのうちの少なくとも一方を符号化するさらに別の符号化ブロックを含み得る。プロセッサ316のチャネル符号化および多重化部分はまた、ダウンリンク送信すべく送信機312に供給されるサブフレーム内に様々なチャネル符号化ブロックによって生成される符号化情報を多重化するチャネル多重化ブロックを含む。
【0027】
それぞれ無線通信装置201は、とりわけ一つあるいは複数の送信アンテナ320(例示目的で1つが示される)、一つあるいは複数の受信アンテナ322,323(例示目的で2つが示される)、一つあるいは複数の送信機325(例示目的で1つが示される)、一つあるいは複数の受信機327(例示目的で1つが示される)、プロセッサ329、メモリ331、局部発振器332、任意のディスプレイ333、任意のユーザインタフェース335、および任意の警報機構337を含む。別個に例示された送信機325と受信機327は、当該分野において十分理解されるような一つあるいは複数の送受信機に組込まれ得る。多重受信アンテナ322,323および当業者によって理解され得るような他の適当なハードウエアとソフトウエアを含めることによって、無線通信装置201は、ダウンリンク通信にMIMOアンテナシステムを用いることを促進し得る。
【0028】
無線通信装置送信機325、受信機327、およびプロセッサ329は、たとえばUMTSプロトコル、E−UTRAプロトコル、3GPP LTEプロトコルなどの広域帯無線プロトコルまたは、ユーザデータ(音声、テキスト、ビデオ、および画像データのうちの少なくとも1つを含み得る)などのデジタル情報と制御情報のうちの少なくとも一方を制御およびデータチャネルを介して無線通信装置201とサービング基地局301間で通信するように作動する専用プロトコルを実装およびサポートするように設計される。E−UTRAシステムにおいて、アップリンクデータチャネルは、PUSCHであり得るが、アップリンク制御チャネルは、PUCCHであり得る。制御情報は、PUSCHとPUCCHのうちの少なくとも一方を介して通信され得る。データは、主にPUSCHを介して通信される。
【0029】
プロセッサ329は、送信機325、受信機327、メモリ331、局部発振器332、任意のディスプレイ333、任意のユーザインタフェース335、および任意の警報機構337に動作自在に連結される。プロセッサ329は、受信機327によって受信された通信信号の処理と送信機325を介して送信するデータと制御情報の処理に従来型の信号処理技術を用いる。プロセッサ329は、位相ロックループ発振器、周波数合成器、遅延ロックループ、または他の高精度発振器であり得る局部発振器332からその局部タイミングとクロックを受信する。プロセッサ329は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP、状態機械、論理回路系、またはメモリ331内に保存された動作またはプログラミング命令に基づき情報を処理する任意の他の装置か装置の組合わせのうちの一つあるいは複数であることが可能である。当業者は、プロセッサ329が、本発明の処理要件と無線通信装置201の他の様々な包含機能を処理するのに要求され得るような多重プロセッサを用いて実装され得ることを理解するだろう。当業者は、プロセッサ329が、状態機械または論理回路系によって実行されるその機能のうちの一つあるいは複数を有する場合、対応動作命令を含有するメモリが、プロセッサ329の外にあるのと対照的に状態機械または論理回路系内に組込まれることが可能であることをさらに認識するだろう。
【0030】
図3に示されるような別個の要素であり得るか、プロセッサ329に組込まれ得るメモリ331は、RAM,ROM,FLASHメモリ、EEPROM、着脱式メモリ(たとえば加入者識別モジュール(SIM)カードまたは任意の他の様式の着脱式メモリ)、および当該分野において周知のような様々な他の様式のメモリのうちの少なくとも一方を含むことが可能である。メモリ331は、たとえばプロセッサ329によって実行可能なプログラミング命令を保存する一つあるいは複数のプログラムメモリ要素と、無線通信装置201と基地局203〜205のうちの少なくとも一方に関連するアドレスと他の識別子のうちの少なくとも一方を保存する一つあるいは複数のアドレスメモリ要素などの様々な要素を含むことが可能である。メモリ331のプログラムメモリ要素は、システム200のデータチャネルと制御チャネルのうちの少なくとも一方を介してプロセッサ329によって生成される情報の転送の制御と、基地局203〜205によって送信されるデータ、制御、および他の情報の受信の制御とを行うプロトコルスタックを含み得る。様々なメモリ要素は、それぞれが全体または集約メモリ331において別個に位置するメモリ領域群であり得ることと、メモリ331が、一つあるいは複数の個々のメモリ要素を含み得ることは、当業者にとって明白であろう。
【0031】
ディスプレイ333、ユーザインタフェース335、および警報機構337は、全て周知な無線通信装置の要素である。たとえばディスプレイ333は、液晶ディスプレイ(LCD)か光発光ダイオード(LED)ディスプレイおよび関連ドライバ回路系であり得るか、任意の他の公知のディスプレイ技術か未来発展型ディスプレイ技術を用い得る。ユーザインタフェース335は、キーパッド、キーボード、タッチパッド、タッチスクリーン、あるいはその任意の組合せであり得るか、音声作動式であり得るか、任意の他の公知または未来発展型のユーザインタフェース技術を利用し得る。警報機構337は、無線通信装置302のユーザに警告すべく、音響スピーカか変換器、触覚警報、および一つあるいは複数のLEDか他の視覚警報要素のうちの少なくとも一方、および関連ドライバ回路系を含み得る。ディスプレイ333、ユーザインタフェース335、および警報機構337は、プロセッサ329の制御下で作動する。
【0032】
ここで図2〜13を参照すると、基地局301(模範的無線システム200の基地局203〜205のうちのいずれかであり得る)の動作は、実質的に本発明にしたがって以下のように生じる。所定の時間に(たとえば定期か不定期に)、基地局プロセッサ316は任意に、送信に割当てられた送信リソースの基準ブロックの第1送信リソース集合に制御情報を符号化する(ステップS401)。基地局301が、E−UTRAかLTE標準を実装する場合、送信リソースの割当ブロックは、一つあるいは複数の送信チャネルを形成するOFDMシンボルのサブフレーム内に多重化されるべき時間周波数リソース要素を含む。それぞれ送信アンテナに対して、送信リソース集合は、時間と周波数の二次元リソース要素グリッドを形成する。周波数において、送信リソースは、一般に送信帯幅全体にわたるそれぞれOFDMシンボル内の互いに異なるサブキャリア内にマッピングされる。そのような多重OFDMシンボルは、サブフレームを含む。E−UTRA標準において、少なくとも2つのサブフレーム構造が定義される。具体的には1つは、「ノーマル巡回プレフィックスサブフレーム」と称される14個のOFDMシンボルを有し、もう1つは、「拡張巡回プレフィックスサブフレーム」と称される12個のOFDMシンボルを有する。サブフレームは、二等分か、等数のOFDMシンボルを有する2個のスロットにさらに分割され得る。サブフレームは、たとえば制御チャネル(たとえばPDCCH,PCFICH,PHICH)、データチャネル(たとえばPDSCH)、放送チャネル(たとえばPBCH)、同期チャネル(たとえばP/S−SCH)、または任意の他のチャネルなどの一つあるいは複数の送信チャネルを保有し得る。これらのチャネルに加えて、サブフレームは、セル特異的基準信号、専用またはユーザ装置特異的基準信号、位置決定基準信号、あるいは任意の他の基準信号を含み得る。
【0033】
E−UTRAにおいて、2つの様式のサブフレームが存在し、これらのうちの1つは、セル特異的基準シンボルが、サブフレームの両スロットで送信されるユニキャストサブフレームである。いくつかの他のサブフレームは、特別サブフレームか非ユニキャストサブフレームとして特徴付けられることもある。そのようなサブフレームの実施例は、単一周波数ネットワークを介するマルチメディア放送マルチキャストサービス(MBSFN)サブフレームである。そのサブフレーム構造は、ユニキャストサブフレームとは異なる。特別サブフレームまたは非ユニキャストサブフレームにおいて、最初の1個か2個(または場合によりゼロ)のOFDMシンボルは、PDCCHと基準シンボルを含み得るが、RS構造を含む残りのサブフレームは、ユニキャストサブフレームとは異なり得る。たとえば単一周波数ネットワークを介するマルチメディアマルチキャスト放送(MBSFN)サブフレームは、非ユニキャストサブフレーム型である。残りのサブフレームは、空白にされるか空であり得るが、これらの空リソースは、位置決定基準シンボルの送信に用いられることが可能である。非ユニキャスト(あるいは特別サブフレーム)シグナリングパターンは、システム構成またはシステム情報放送(SIB)メッセージのうちの部分であり得ると共に、無線フレームレベル(10サブフレーム)で定義され得るか、無線フレームレベル群に対して定義され得る。一実施形態において、基地局プロセッサ316は、サブフレームの最初の2個のOFDMシンボルのうちの一部に多重化されるべきリソース要素内に制御情報を符号化する。
【0034】
符号化制御情報は、ダウンリンク割当かアップリンクグラント、制御チャネル持続期間、およびハイブリッド自動再送要求承認(HARQ−ACK/NACK)を含み得る。制御情報に加えて、セル特異的基準信号に対応するシンボル集合は、サブフレーム内に含まれ得る。セル特異的基準信号は、チャネル推定、復調、遅延トラッキング、移動性関連測定、および無線装置201による他の目的に用いられ得る。含められる場合、セル特異的基準信号に対応する一連のシンボルとシンボルによって占められる時間周波数位置は、基地局301に関連する識別子から導かれ得る。そのような識別子は、全てが、特にE−UTRA標準に関して当該分野において周知である物理セル識別子(PCID)、スロットインデックスとシンボルインデックスのうちの少なくとも一方を含み得る。さらにOFDMシンボルへのセル特異的基準信号のシンボルのマッピングに用いられるサブキャリアオフセットは、物理セル識別子から導かれ得る。
【0035】
制御情報およびセル特異的基準信号を送信リソースに任意に符号化することに加えて、基地局プロセッサ316は、位置決定基準信号を第2送信リソース集合に符号化する(ステップS403)。基地局プロセッサ316は、複数のリソースブロックのうちの一部に位置決定基準信号を符号化する。それぞれリソースブロックは、周波数においてほぼ12の連続サブキャリアと、時間においてサブフレームの全OFDMシンボルの二次元グリッドを含み、それぞれOFDMシンボルは、E−UTRA標準において記載されるようなノーマルまたは拡張巡回プレフィックスに関連する。図示するために、典型的なリソースブロックは、12サブキャリアとサブフレームの全OFDMシンボルにおいて利用可能なリソースとして定義される。リソースブロックの次元は、OFDMシンボルのサブキャリアのうちのいくつかが、たとえば所定の制御一次放送チャネル、または同期チャネル、その他の送信などの他の目的に用いられ得るので、様々であり得ることが知られている。ダウンリンク(すなわち基地局301と無線装置201間のリンク)での送信に利用可能なリソースブロック数は、送信帯幅に依存し得る。基地局プロセッサ316は、サブフレーム内の利用可能なOFDMシンボルの部分集合内に位置決定基準信号を符号化するようにプログラミングされ得る。一模範的実施形態において、基地局プロセッサ316は、ダウンリンク送信帯幅が10MHzの場合、サブフレームのOFDMシンボルの600個のリソース要素のうちの一部に位置決定基準信号を符号化する。さらにこれらのOFDMシンボル上の全てではないサブキャリアは、位置決定基準信号に対応する送信リソースを伝えるのに用いられ得る。一実施例において、全ての6番目のサブキャリアが、位置決定基準信号のシンボルの送信に用いられる。送信リソースのブロック全体が、サブフレーム内に多重化された後、基地局送信機は、アンテナ304〜307のうちの一つあるいは複数を介してサブフレームを送信する(ステップS415)。
【0036】
まず図5を参照すると、そのような図は、サブフレームを受信する無線通信装置201が位置するサービス範囲エリアに隣接するか、その近隣のサービス範囲エリア(たとえばセルまたはセルセクタ)に通信サービスを提供する基地局によって生成および送信されるサブフレーム501,502を示す。たとえば図2において例示される無線システム200において、基地局204が、無線装置201に無線サービスを供給している場合(すなわち無線装置201は、基地局204のサービス範囲エリアに位置するので、基地局204は、無線装置201に対するサービング局である)、基地局203と205によって提供されるサービス範囲エリアは、隣接サービス範囲エリアと考えられ得るので、基地局203と205は、隣接基地局と考えられ得る。当業者は、隣接サービス範囲エリアと基地局の量が、図2に例示される2つを超え得ることを容易に理解および認識するだろう。したがって、サブフレームの作成について本明細書において開示される取組みは、適用可能な無線システムにおいてどの基地局によっても使用され得る。なぜなら、ある時点で、それぞれ基地局は、少なくとも1つの無線通信装置が位置するサービス範囲エリアに隣接するサービス範囲エリアを提供するからである。
【0037】
位置決定基準信号が含められるべき場合、位置決定基準信号を保有するリソース要素は、所定の方法(たとえばE−UTRAまたはLTE標準において定義されるような)、放送(たとえばマスタ情報ブロック(MIB)かシステム情報ブロック(SIB)におけるシグナリングを介して)を通じて半静的に、あるいはユーザ特異的メッセージ(たとえば無線リソース制御測定構成メッセージ)において動的に(たとえばPDCCHにおける制御チャネルシグナリングを介して)、あるいはより高層シグナリング(たとえば位置サーバプロトコルデータユニット)によってかのいずれかで割当てられ得る。一実施形態において、サブフレーム501,502のOFDMシンボルが、位置決定基準信号を含有するマッピングは、システム200における基地局の位置およびサブフレームのOFDMシンボルの生成に用いられる様々なサブキャリアの再使用パターンを考慮し得る基地局203,205に関連する識別子に基づく。識別子は、オフセット識別子、基地局識別子、セルサイト識別子、物理セル識別子(PCID)、グローバルセル識別子(GCID)、シンボルインデックス、スロットインデックス、サブフレームインデックス、システムフレーム番号(SFN)、および無線ネットワーク取引識別子(RNTI)のうちの少なくとも一方のうちの一つあるいは複数であり得る。
【0038】
計画された展開において、位置決定基準シンボルに同じ周辺のリソース要素集合のeノードBを割当てることが望ましくなり得る。前記集合は、位置決定基準シンボルを送信すべく第1eノードBに割当てられた集合のリソース要素が、その隣接eノードBに割当てられたリソース要素集合のうちのいずれにも属さないという意味で互いに素の集合である。互いに素の集合である2つのリソース要素集合は、直交性とも称されることが可能である。場合によっては、特定領域においてeノードB数と等しいか、これを超えるいくつかのリソース要素の互いに素の集合を定義することは、不可能である。ある場合には、領域は、ユーザ装置によって「可聴な」eノードBの集合として定義されることが可能である。これらの例において、最低限の重複を有すると共に、特定領域においてeノードB数と同じか、これを超える数的に十分なリソース要素集合を位置決定基準シンボルに対して定義することが望ましい。注目すべきは、これに関して、2つのリソース要素集合間の重複度は、両集合に共通なリソース要素の数に等しいことである。
【0039】
計画外の展開において、1つのeノードBの位置決定基準シンボルに割当てられたリソース要素集合が、その近隣のうちの1つに割当てられたリソース要素集合と直交またはほぼ直交し得ることを保証することは一般的にできない。重複が大きな2つの互いに異なるリソース要素集合が固定的に割当てられないようにするため、それぞれ位置決定サブフレームを送信する前に、それぞれeノードBによって、位置決定基準シンボルの送信に用いられるべきリソース要素集合をランダムまたは疑似ランダムに再選択するのが、望ましくなり得る。許容リソース割当集合の数が小さな場合、2つの隣接eノードBが、位置決定基準シンボルの送信に対して同じリソース割当を選択し得る有意な可能性があり、そのような例において、その結果として生じる干渉のため、ユーザ装置によるタイミング情報の抽出が難しくなるであろう。任意の2つのeノードBが、位置決定基準シンボルの送信に同じリソース要素集合を選択し得る可能性を最小限に抑えるため、許容リソース要素集合の数は、可能なかぎり最大程度に大きくすべきであり、これらの集合は、直交(重複無し)またはほぼ直交(小さな重複)すべきである。
【0040】
位置決定基準シンボルを送信する目的でリソース要素集合を定義する場合に考慮すべき多くのパラメータおよび問題が存在し、これらには、(限定ではないが)全てが下記で討議される以下の(i)位置決定基準シンボルを含む位置決定サブフレーム内のOFDMシンボルの数;(ii)位置決定基準シンボルを含有するリソースブロック内のサブキャリアの数;(iii)サブフレーム内の位置決定基準シンボルに割当てられたリソース要素の総数;および(iv)位置決定サブフレームの信号生成と検出の複雑さが含まれる。
【0041】
TDOAに基づく位置の重要な問題は、同じ位置にない少なくとも3つのeノードBの送信を「聴く」ことができるユーザ装置を必要とすることであり、そしてほとんどの試験は、「可聴性」問題がTDOAに基づく位置の性能を制限しているので、これは、位置決定基準シンボルを含む基準シンボルの数(i)と密接に結び付いていることを示している。一般的に、位置決定サブフレーム内の位置決定基準シンボルの送信に関連するエネルギ量は、位置決定基準シンボルを含む位置決定サブフレーム内のOFDMシンボルの数に比例する。したがって、位置決定基準シンボルを送信する目的でリソース要素集合を定義する場合、それぞれ集合が、それぞれシンボル由来のリソース要素を含むことを保証することは、有益であると思われる。
【0042】
位置決定リソース要素に割当てられるべきリソース要素集合を定義する場合に考慮すべき別の問題は、結果として生じる時間推定の解明であり、これは、位置決定基準シンボルを含むサブキャリア数(ii)とそれらのサブフレーム全体にわたる分布に関連する。自己相関ピーク幅と自己相関ピーク対最強サイドローブの比率の両方を含む、いくつかの因子は、その解明に貢献する。一般的に、自己相関ピーク幅を最小限に抑えるため、最外部のリソースブロック(最高と最低周波数リソースブロック)における位置決定基準シンボルに基準要素を割当てれば十分であることが判明し得る。しかし、自己相関ピークの大きさ対サイドローブの大きさの比率を最小限に抑えるため、帯幅全体にわたる位置決定基準シンボルにリソース要素を割当てることが、望ましい。より詳細には、これらのリソース要素のうちの少なくとも1つを含むそれぞれリソースブロック内のサブキャリア数が、最大化されるように、位置決定基準シンボルに対してリソース要素集合を選択することが望ましい。一般的に、干渉とノイズの存在下で誤った自己相関ピークが選択される(間違ったタイミング推定が生じる)可能性を最小限にし得るように、自己相関ピークの大きさ対サイドローブの大きさの比率を最大化することが望ましい。
【0043】
位置決定基準シンボルに割当てられたリソース要素集合内のリソース要素の総数(iii)は、この同じリソース要素集合か、この第1集合と重複する別のリソース要素集合のいずれかに割当てられる別のeノードBに対して得られるゲインを拡張するか、処理するかを決定する。一般的に、ランダムまたは疑似ランダム拡張またはスクランブリングは、この拡散系列かスクランブリング系列の知識を有するユーザ装置が、常にある程度の正確さでそれぞれeノードBから信号の到着時間を抽出できるように、位置決定基準シンボルに適用され得る。位置決定基準シンボルに割当てられたリソース要素の総数が増えるにつれて、位置決定基準シンボルに対する同じリソース割当か重複リソース割当を問わず他のeノードBに対して達成可能な処理ゲインが増加する。しかし、注目すべきは、位置決定基準シンボルに割当てられたリソース要素数が増加するにつれて、定義され得るリソース要素の直交割当数が減少し、非直交割当間の重複量が増加することである。したがって、位置決定基準シンボルに割当てられたリソース要素数が増加すると、達成可能な処理ゲインと、直交かほぼ直交リソース要素集合数との間に明らかなトレードオフが存在する。計画外のシステムでは、それは、2つの近接するeノードBが、位置決定基準シンボルの送信に同じリソース要素集合を選択する可能性を決定し得るそのようなリソース要素集合の数である。
【0044】
位置決定基準シンボルの送信に用いられるべきリソース要素集合の定義において考慮すべき最後の問題は、信号生成と検出の複雑さである。それは、一般的にアーキテクチャに依存するので、簡単な複雑度の尺度は、存在しない。複雑度のトレードオフは、送信機と受信機に対して別個に定義されることが可能であると共に、メモリ要件を含み得る。さらに別の考慮すべき問題は、シグナリングサポートが、実際的に実施するのに要求されるか否かであり、そうでなければ、シグナリングサポートのある場合とない場合での複雑度の差である。
【0045】
図5〜12において、様々な方法が、位置決定サブフレーム内の位置決定基準シンボルの送信に用いられるべきリソース要素集合の定義付けに与えられる。図5〜12において示されると共に下述される方法は、上記のように(i〜iv)において同定される設計と性能のトレードオフを考慮に入れる。
【0046】
位置決定フレーム内の位置決定基準シンボルの送信に用いられるべきリソース要素集合の説明を簡素化するため、我々は、テンプレート行列の行数が、リソース要素ブロックのサブキャリア数に等しく、列数が、サブフレーム内のOFDMシンボル数に等しいように、0−1入力を有するテンプレート行列を定義する。位置決定基準シンボルの送信に割当てられ得るリソースブロック内のリソース要素集合は、テンプレート行列内のゼロ以外の入力の位置によって示される。テンプレート行列において、特定のゼロ以外の入力の行は、サブキャリアを示し、入力の列は、サブフレーム内のシンボルを示す。
【0047】
図5は、基礎コスタス配列由来の位置決定基準シンボルに対する多重リソース要素割当を定義する方法のブロック線図である。0−1に評価された第1中間行列は、水平と垂直にN×Nの次元の基礎コスタス配列を循環シフトすることによって得られる。この第1中間行列は、次にK個のゼロ行をそれぞれK個の連続行群間に挿入し、さらにK個のゼロ行を行列の上端または下端に加えることによって、第2中間行列を生成するように変更される。この場合、K>1であり、Kは、Nの整除数である。次に、位置決定基準シンボルの送信に用いられるべきリソース要素集合の定義に使用されるテンプレート行列は、第2中間行列の循環シフトに等しく設定される。その場合、第1中間行列を生成するための基礎コスタス配列のそれぞれ次元における循環シフト数と第2中間行列の垂直シフトは、以下の:基地局のサイト識別子;基地局の物理セル識別子;基地局のグローバルセル識別子;システムフレーム番号;スロット番号;サブフレーム番号;シンボルインデックス;リソース要素ブロックインデックス;無線ネットワーク取引識別子;またはサービング基地局によって信号が送られた情報のうちのいずれか1つから決定される。
【0048】
図6は、12個未満の非制御シンボルを有するリソースブロック上の位置決定基準シンボルに対するリソース要素割当を定義するため、12×12コスタス配列の列をプルーニングする方法のブロック線図である。この方法に関して、我々は、コスタス配列を水平か垂直のいずれかに循環シフトすることによって、相互に直交する12個のリソース要素集合を定義する。対応テンプレート行列は、循環シフトされた12×12コスタス行列のうちの最後の2列をプルーニングすることによって生成される。この方法の利点は、単一基礎12×12コスタス配列が、コスタス配列を水平か垂直のいずれかに循環シフトすることによって、直交する12個のリソース要素集合を生成するのに用いられ得ることである。別に、N<12が、サブフレーム内の非制御シンボル数に匹敵するN×Nコスタス配列が仮に用いられるとすると、位置決定基準シンボルの送信に用いられるべき相互に直交するK個のリソース要素集合を定義付けることのみが可能であろう。より一般的には、12×12コスタス配列は、それぞれが、最後の2列のプルーニング後、位置決定基準シンボルを送信するリソース要素集合の定義に用いられ得る144個の互いに異なる行列を定義すべく、水平および垂直に循環シフトされることが可能である。反対に、N<12では、基礎N×Nコスタス配列は、基準シンボルを送信するリソース要素集合の定義に用いられ得る多くても121の互いに異なる行列の生成に用いられることが可能である。
【0049】
図7は、疑似ランダムに選択される順列行列を用いることによって、位置決定基準シンボルにリソース要素位置を割当てる方法のブロック線図である。この実施形態において、0−1テンプレート行列は、疑似ランダム順列行列(それぞれ行と列において正確に1個のゼロ以外の要素を有する正方行列、ゼロ以外の要素は、1に等しい)である。特定の順列行例(N×N行列に対してN!順列行列が存在する)は、疑似ランダム乱数発生器のマッピング機能と、以下の:基地局のサイト識別子;基地局の物理セル識別子;基地局のグローバルセル識別子;システムフレーム番号;スロット番号;サブフレーム番号;シンボルインデックス;リソース要素ブロックインデックス;無線ネットワーク取引識別子;またはサービング基地局により信号が送られた情報のうちのいずれか1つから決定される。
【0050】
図8は、対角行列の水平または垂直循環シフト行列を用いることによって、位置決定基準シンボルにリソース要素位置を割当てる方法のブロック線図である。この実施形態において、0−1テンプレート行列は、循環シフト対角行列か循環シフト反対角行列である。循環シフト量は、基地局のサイト識別子;基地局の物理セル識別子;基地局のグローバルセル識別子;システムフレーム番号;サブフレーム番号;リソース要素ブロックインデックス;無線ネットワーク取引識別子;またはサービング基地局によって信号が送られた情報のうちのいずれか1つから決定される。注目すべきは、この方法によって生成される直交行列の数が、対角行列の次元に等しいことである。
【0051】
図9は、対角行列または反対角行列の循環シフト行列の最終列をプルーニングすることによって、12個未満の非制御シンボルを有するリソースブロックにおいて位置決定基準シンボルにリソース要素位置を割当てる方法のブロック線図である。この実施形態において、0−1テンプレート行列は、循環シフトされた対角行列か最終列がプルーニングされた循環シフト対角行列である。またテンプレート行列は、対角行列または反対角行列の下端に2個のゼロ行を加え、さらに可能な全ての垂直循環シフトを行うことによって、生成されることが可能である。この実施例において、生成された直交行列数は、12であるが、シフトされる対角行列の次元は、10である。
【0052】
図10は、行列のそれぞれ行に対して1つの列を疑似ランダムに選択することによって、位置決定基準シンボルにリソース要素位置を割当て、さらにこの位置に1を置く方法のブロック線図である。前記行列における他の位置は全て、ゼロに評価される。この実施形態において、0−1テンプレート行列は、示されるような方法で疑似ランダム乱数発生器を用いることによって決定される。その場合、さらに疑似ランダム乱数発生器は、その入力として、基地局のサイト識別子;基地局の物理セル識別子;基地局のグローバルセル識別子;システムフレーム番号;サブフレーム番号;リソース要素ブロックインデックス;無線ネットワーク取引識別子;またはサービング基地局によって信号が送られた情報のうちのいずれか1つを用いる。
【0053】
図11は、時間領域単一キャリア直接シーケンススペクトラム拡散信号からタイミング基準信号を生成すべく、高速フーリエ変換と逆高速フーリエ変換を用いる方法のブロック線図である。この実施例において、第1OFDMシンボル集合の基準信号は、疑似ランダム系列発生器から得られた時間領域系列の高速フーリエ変換を行うことによって得られる。疑似ランダム乱数発生器の初期化は、基地局のサイト識別子;基地局の物理セル識別子;基地局のグローバルセル識別子;システムフレーム番号;サブフレーム番号;リソース要素ブロックインデックス;無線ネットワーク取引識別子;またはサービング基地局によって信号が送られた情報のうちのいずれか1つから決定される。
【0054】
図12は、共通基準シンボルを含むユニキャストサブフレームに位置決定基準シンボルをマッピングする方法のブロック線図である。この特定の実施形態において、CRSを含むOFDMシンボルのリソース要素は、位置決定基準シンボルの送信に割当てられない。一般的に、CRSを含有するOFDMシンボルのリソース要素は、位置決定基準シンボルに割当てられ得るが、CRSの送信に用いられるリソース要素は、用いられることができない。別の実施形態において、位置決定基準信号とCRSのいずれの送信にも用いられないリソース要素は、データリソース要素の送信に用いられ得る。データリソース要素は、PDSCH送信の一連のシンボルに対応し得る。
【0055】
図13は、同じサブフレーム内のユニキャストデータかマルチキャストデータと位置決定基準シンボルを組合わせる方法のブロック線図である。前記サブフレームにおいてキャリア周波数から最も離れたリソースブロックが、データの送信に用いられ、残りのリソースブロックは、位置決定基準シンボルの送信に用いられる。この特定の実施例において、位置決定の600個の中央リソース要素(中央50個のリソースブロック)は、位置決定基準シンボルに割当てられ得るだけであるが、この領域の外方のリソースブロックのリソース要素は、PDSCH送信に用いられることが可能である。
【0056】
図7、図8および図10における実施形態は、ノーマル巡回プレフィックスまたは拡張巡回プレフィックスのいずれかによる非MBSFNサブフレーム(または標準サブフレーム)のケースに拡張されることが可能である。PRSは、セル特異的基準信号(CRS)と同じシンボルで送信される場合、PRSは、最大出力で送信されることができない。さらにPRSは、実装の観点から望ましくないかもしれない同じサブフレーム内の互いに異なるシンボルによって互いに異なる出力で伝送されなくてはならないかもしれない。したがって、1つの選択肢は、CRS保有OFDMシンボルでPRSを送信しないことである。制御シンボル数が、2個であると仮定すると、CRSを保有しないノーマル巡回プレフィックスサブフレーム内と拡張巡回プレフィックスサブフレーム内に、それぞれ9個のシンボルと7個のシンボルが存在する。これらの場合では、配列N×Nの疑似ランダムに生成された順列行列は、PRSを追加するのに用いられることが可能である。Nは、それぞれ場合において、利用可能なOFDMシンボル(すなわちCRS無し)数に等しい。ノーマル巡回プレフィックスではN=9、拡張巡回プレフィックスではN=7である。瞬時に時間に対応する特定のPCIDに対して行列が選択されると、PRSパターンは、N個のサブキャリアごとに1度、周波数領域において繰り返される。利用可能なOFDMシンボル数は、サブフレーム内の制御シンボル数とeノードBによって用いられる送信アンテナ数の両方に依存する。表1は、様々なケースのPRS送信に利用可能なOFDMシンボル数を要約する。表中のNCtrlは、サブフレーム内の制御シンボル数に相当する。
【0057】
【表1】
【0058】
図7の実施形態では、疑似ランダム乱数発生器は、可能な全てのN!順列行列集合から要素を選ぶ。図8の実施形態では、疑似ランダム乱数発生器は、対角行列と反対角行列の互いに異なる循環シフトによって形成された2Nの互いに異なる行列の集合から要素を選ぶ。図10の実施形態では、疑似ランダム乱数発生器は、可能な全てのNN0−1行列の集合から要素を選ぶ。図7、図8および図10の実施形態では、パターンの次元(すなわちN)は、制御シンボルの固定数(たとえばNCtrl=1またはNCtrl=2)に対応する表1に示されるような所定構成(たとえば非MBSFNサブフレーム、拡張巡回プレフィックス、2Txアンテナ)の仕様で固定され得る。
【0059】
位置決定基準信号の送信では、「位置決定サブフレーム」として指定される可能な全てのサブフレームの特定部分集合が、リザーブされ得る。利用可能な全ての位置決定サブフレームのうちから、基地局は、時間の再利用を可能にすべく、これらのサブフレームのうちの1つの部分集合でPRS信号を送信することを選び得る。基地局は、(i)基地局のサイト識別子;基地局の物理セル識別子;基地局のグローバルセル識別子;システムフレーム番号;サブフレーム番号;または無線ネットワーク取引識別子のうちのいずれか1つを用いる疑似ランダム乱数発生器、または(ii)別の基地局と交換された基地局間調整メッセージのいずれかに基づきPRSサブフレームでPRSを送信すべきか否か判定し得る。選択肢(i)では、疑似ランダム乱数は、列挙されたパラメータに加えて、PRSサブフレーム内のPRS送信に利用可能なOFDMシンボル数の関数として構成され得る。位置決定基準信号が、より少数のシンボル(たとえば4Txの場合では拡張巡回プレフィックス非MBSFNサブフレームは、10個を有する1Tx/2TxMBSFNサブフレームと比較して利用可能な6個のシンボルを有する)で送信される場合、直交パターン数は、より少ない。PRSを送信する頻度を減らすことが、有用であり得るので、疑似ランダム乱数発生器は、リザーブサブフレーム内のPRS信号の送信回数を減らすように構成され得る。
【0060】
図7、図8および図10における実施形態では、位置決定基準信号リソース要素の送信にテンプレート行列を用いる別の方法が、以下で概略されるように用いられ得る。位置決定サブフレーム内にN個の非制御OFDMシンボルが、存在すると考える。またサブフレーム内の非制御OFDMシンボル中にはCRS保有OFDMシンボルは存在しないと考える。N×Nテンプレート行列は、(i)図7の実施形態では順列行列、(ii)図8の実施形態ではシフト対角またはシフト反対角行列、あるいは(iii)図10の実施形態では疑似ランダム行/列選択による0−1行列として生成される。テンプレート行列の行と列からそれぞれ位置決定サブフレーム内のリソース要素のサブキャリアと非制御OFDMシンボルへの対応が、確立される。位置決定基準信号リソース要素は、そのシフトがそれぞれシンボルに対するテンプレート行列のゼロ以外の要素の行インデックスに等しいサブキャリアで送信される。次に、サブフレームの非制御領域内にGRS保有OFDMシンボルが、存在すると考える。所定シンボルで位置決定基準信号に決定されたサブキャリア位置が、そのシンボルでCRS送信に割当てられるリソース要素と重複する場合、PRS送信に用いられないことを除いて、前述の手順は、再使用されることが可能である。すなわちPRS送信は、CRSに指定されたリソース要素上にパンクチャリングされる。この方法に関する1つの問題は、いくつかのシンボルがCRSとPRSの両方を保有するので、送信電力は、CRSとPRSの両方に対応するリソース要素間で共有されなければならないことである。可能な限り最良の可聴性を獲得すべくCRSを保有しないシンボルによって可能な最大送信電力でPRSを送信することが望ましいであろう。したがって、パンクチャードマッピング方法は、(a)第1電力レベルでCRSを保有しないOFDMシンボルによるPRS送信と、(b)第2電力レベルでCRS保有OFDMシンボルによるPRS送信とで位置決定サブフレームの送信が生じ得る。そのようなシナリオにおいて、ユーザ機器が、仮に2つの電力レベルの差を認識するなら、それは有益であろう。一実施形態において、電力Δ(第1と第2の電力レベル間の差に相当する)は、システム情報放送または専用制御メッセージ(たとえば無線リソース制御メッセージ)でサービング基地局によって信号で送られることが可能である。ユーザ機器は、この情報を用いることによって、到着時間差の推定に関してその受信機の処理を支援し得る。
【0061】
隣接基地局203,205からの位置決定基準信号(たとえば観測到着時間差(OTDOA)波形)は、隣接基地局203,205由来のそのような信号の送信間に時間領域分離が存在するように、共に用いられることが可能である。さらに位置決定基準信号を保有するOFDMシンボルの全てではないサブキャリアまたはリソース要素は、送信に用いられ得る。OFDMシンボルにおいて位置決定基準信号を保有するリソース要素集合は、物理セル識別子(PCID)、基地局識別子、セルサイトID、グローバルセル識別子(GCID)、システムフレーム番号(SFN)、シンボルインデックス、スロットインデックス、サブフレームインデックス、無線ネットワーク取引識別子(RNTI)または任意の適用可能な他の識別子のうちの少なくとも1つから導かれ得る送信基地局に関連する識別子の関数として決定され得る。位置決定基準信号からのタイミング抽出サポートを強化するため、位置決定基準信号に対応する送信リソースの符号化に用いられるシンボル系列は、二次的な相互相関ピークを回避する方法で生成され得る。ゴールド系列発生器は、同相(I)ストリームと直角位相(Q)ストリームの生成に用いられ得る。さらにQPSK系列は、I−Qストリームから構築され得る。ゴールド系列発生器におけるレジスタの初期化またはシードは、基地局に関連する識別子から導かれ得る。識別子は、物理セル識別子(PCID)、基地局識別子、セルサイトID、グローバルセル識別子(GCID)、システムフレーム番号(SFN)、シンボルインデックス、スロットインデックス、サブフレームインデックス、無線ネットワーク取引識別子(RNTI)または任意の適用可能な他の識別子のうちの少なくとも1つから導かれ得る。さらにそのような識別子は、そのように導かれたQPSK系列から部分系列を抽出する開始点として用いられるオフセットの誘導に使用され得る。このQPSK系列は、次に位置決定基準信号の送信に用いられる送信リソースの符号化に使用され得る。別の実施例において、位置決定基準シンボル(PRS)を送信する直交時間周波数リソース集合が、調整基地局集合において用いるために同定され得る。したがって調整基地局は、直交時間周波数リソース集合に異なるインデックスを選択することによって、それらのPRS送信を直交させることが可能であり、このインデックスは、識別子のうちの一部としても考えられ得る。
【0062】
当業者は、重複または非重複時間リソースにおける位置決定基準信号を通信する様々な他の時間周波数再利用方法が、図5〜13において例示されるサブフレーム構造に関して本明細書、特に上方で記載される原理を考慮に入れて想定され得ることを容易に理解し、認識するだろう。したがって、図5〜13に関して上述される模範的サブフレーム構造は、本来、単なる例示にすぎなく、添付の特許請求の範囲によって定義されるような本発明を限定すべく解釈および使用されるべきではない。
【0063】
ここで図2,図3および図5〜図13に関して、(本発明の一実施形態にしたがって位置決定基準信号を含む)サブフレームを処理する模範的無線通信装置201の動作が、記載されることになる。位置決定基準信号を含むサブフレームを受信する前に、無線装置受信機327は、無線装置201が位置するサービス範囲エリアを提供する基地局(サービング基地局)から、サブフレーム、特に無線通信装置201が現在位置するサービス範囲エリアに隣接するサービス範囲エリア(たとえばセルかセクタ)を提供する基地局に関連する識別子を送信し得る基地局に関連する一つあるいは複数の識別子を受信する(801)。識別子は、たとえばビーコン符号または識別子、オフセット識別子、基地局識別子、セルサイト識別子、PCID、GCID、サブフレームインデックス、SFN、およびRNTIのうちの少なくとも一方であり得ると共に、サービング基地局から、たとえばMIBかSIBなどの放送制御メッセージのうちの一部として受信されたのかもしれない。たとえば近接サービス範囲エリアを提供する基地局203,205に関連する識別子は、無線装置のサービング基地局204から送信された隣接セルリストのうちの一部として通信されたのかもしれない(たとえば無線装置201が、図2において基地局204によって提供されていると仮定して)。また識別子は、位置決定基準信号(たとえばPDCCHまたはサブフレーム内に含まれる他の制御情報)を含むサブフレーム内に符号化され得る。
【0064】
隣接サービス範囲エリアを提供する基地局(隣接基地局)に関連する識別子の受信に加えて、無線通信装置受信機327は、一つあるいは複数の基地局(たとえば基地局203と205)から位置決定基準信号を含有する一つあるいは複数のサブフレームを受信する(ステップS803)。
【0065】
たとえば無線装置201は、図5〜図7において例示されるようなサブフレームを受信し得る。受信機327は、本発明にしたがって処理するプロセッサ329にベースバンドバージョンの受信サブフレームを提供する。プロセッサ329は、まず基地局識別子か基地局に関連する別の識別子を抽出した後、位置決定基準信号を保有するサブフレームを受信することが可能である。プロセッサ329は、隣接セルリストか他のリストの隣接基地局に関連する識別子と共に識別子を受信し得る。
【0066】
サブフレームを受信すると、無線装置プロセッサ329は、基地局を起源とするサブフレームから無線装置プロセッサ329が、無線装置201の位置の判定に有用なタイミング情報(たとえば到着時間情報)を推定すべく、位置決定基準信号を処理できるか否かと、サブフレームが、位置決定基準信号を含有するか否かを決定する(ステップS805)。位置決定基準信号は、全てのサブフレームで送信されるわけでもなく、むしろ基地局による送信に用いられる全サブフレームのうちの特定部分集合内で送信され得る。基地局は、どのサブフレームが、位置決定基準信号を含むかを無線装置201に示し得る。基地局は、どのサブフレームが、基地局に関連する第2識別子による位置決定基準信号送信に用いられるかを示し得る。この第2識別子は、予め定められ得るか(たとえば3GPP仕様において規定される)、別にシステム放送メッセージまたは基地局によるユーザ装置特異的制御メッセージ(たとえば無線リソース制御測定構成メッセージ)内に含められ得る。続いて、無線装置プロセッサ329は、サブフレームが位置決定基準信号を含有するかしないか判定することが可能である。さらに無線装置201の位置の決定に有用なタイミング情報(たとえば基地局からの第1マルチパス要素の到着時間)を推定すべく、そのような信号を保有するサブフレームで位置決定基準信号を処理することが可能である。サブフレームが位置決定基準信号を含有しないか、またはサブフレーム内の情報(たとえば位置決定基準信号)が、位置関連タイミング情報の測定に用いられ得ないか(たとえば識別子が、所望の基地局に対応しない)のいずれかをどちらかの識別子が示す場合、プロセッサ329は、受信サブフレームを無視する(ステップS807)。他方ではサブフレーム内の情報(たとえば位置決定基準信号)が、位置関連タイミング情報(たとえば識別子が先に受信された隣接セルリストに関する)の測定に用いられ得ることを識別子が示す場合、プロセッサ329は、無線装置201の位置の決定に用いられ得るタイミング情報(たとえば到着時間か観測到着時間差情報)を最終的に推定すべく、サブフレームとその中の特定送信リソース集合を処理する。
【0067】
受信サブフレームが、位置関連タイミング情報が測定され得る基地局由来の場合、無線装置プロセッサ329は、位置決定基準信号(たとえばOTDOA波形)が基地局に関連した識別子に基づき送信された受信サブフレームのうちの非制御チャネル部分の送信リソース集合を測定する(ステップS809)。たとえば無線装置メモリ331は、OFDMシンボル位置と特性(たとえばシンボル持続期間と関連巡回プレフィックスのうちの少なくとも一方)に関する識別子をマッピングするテーブルを保存し得る。テーブルは、無線装置201が新しい隣接セルリストを現行サービングサイトかセルから受信するごとか、新セルが検出され、隣接セルリストが、自律方法で無線装置201によって更新される場合に、更新され得る。
【0068】
サブフレームが受信された基地局に関連する識別子(たとえばPCID)に基づき、無線装置プロセッサ329は、位置決定基準信号を保有する送信リソース集合(たとえば時間周波数リソース要素)を抽出すべくサブフレームを逆多重化する。すなわちサブフレームを送信した基地局に関連する識別子と、無線装置メモリ331に保存されたシンボルマッピングとに基づき、プロセッサ329は、そのフレームのうちの非制御チャネル部分におけるどのOFDMシンボルが、位置決定基準信号を含有するか判定する。さらにプロセッサ329は、保存マッピングに基づき、位置決定基準信号を含有するOFDMシンボルが、E−UTRAまたはLTE標準下で標準持続期間またはノーマルか拡張巡回プレフィックスを有するか、特別持続期間または関連巡回プレフィックス(たとえば多重の標準持続期間か特別長期巡回プレフィックス)を有するか否か判定する。つぎにプロセッサ329は、基準タイミング情報に基づき位置決定基準信号に関連する到着時間情報を推定すべく、位置決定基準信号を含有する送信リソース集合を処理する(ステップS811)。たとえば無線装置プロセッサ329は、無線装置の局部発振器332によって供給される基準時間かクロックに基づき位置決定基準信号の到着時間を判定し得る。さらに無線装置プロセッサ329は、基準クロックに基づきそれぞれの位置決定基準信号送信から少なくとも2つの基地局からの到着時間を判定し得る。その上、装置プロセッサ329は、基準としての1基地局の到着時間とそのような基地局のうちの少なくとも部分集合に対応する到着の時間差を算出し得る。
【0069】
一実施形態において、位置決定基準信号を含有する送信リソースが処理され、タイミング情報が推定された後、無線装置プロセッサ329は、無線装置201が自律的位置測定モードであるか否か判定する(ステップS813)。前記自律的位置測定モードで無線装置プロセッサ329が、無線装置の位置を判定する。無線装置201が、そのような自律的位置モードである場合、無線装置プロセッサ329は、隣接サービス範囲エリアを提供する多重(2つ以上の)基地局から受信されたサブフレームに対して算出されたタイミング情報に基づき無線装置の位置を判定する(ステップS815)。この場合において、無線装置メモリ331は、システム基地局の固定位置を保存し、それらの固定位置を到着時間情報と共に用いることによって、その位置を公知の三角測量か三辺測量方法を用いて判定する。別に無線装置201が、自律的位置測定モードではなく、その位置が、たとえば無線システムの位置サーバ207などの別の装置によって判定されるべき場合、無線装置は、無線装置のサービング基地局を介してタイミング情報(たとえば2つ以上の隣接基地局から受信された位置決定基準信号の推定到着時間)を位置測定装置に通信する(ステップS817)。無線装置201は、特定のキャリア周波数で新たに検出可能なセルを自律的に同定し得ると共に、連結された基地局に測定レポートを送信し得る。別に、基地局は、隣接セルリスト再構成メッセージをユーザ装置に送信し得る。どちらにしても、無線装置201は、その隣接セルリストを更新し得る。基地局は、隣接基地局の部分集合に対応する観測到着時間差を測定すると共にそれらを送信するよう無線装置201に要求するユーザ装置特異的構成メッセージ(たとえば無線リソース制御測定構成メッセージ)を送信し得る。無線装置201が、そのようなメッセージを受信および復号し得る場合、それに応じて、構成された隣接基地局のうちの部分集合に対応する観測到着時間差を測定し得る。無線装置は、次に連結される基地局にこれらの測定値を報告し得る。
【0070】
無線装置の位置測定において支援する無線装置プロセッサ329動作のさらに別の実施例を提供すべく、基地局204が無線サービスを無線装置201に提供していると共に、基地局203と205が、基地局204によって提供されたサービス範囲エリアに隣接するサービス範囲エリア(たとえばセルかセクタ)に無線サービスを提供している環境下にある図2のシステム200を検討する。この場合、無線装置は、隣接基地局203,205の両方からサブフレームを受信し得る。この実施形態において、それぞれサブフレームは、OFDMシンボルを形成すべく、サブキャリア群全体にわたって時間で分割されたリソース要素の1ミリ秒(1ms)ブロックを含む。それぞれリソース要素は、そのそれぞれのサブキャリア上で所定量の時間(たとえば約70ミリ秒)を占める。それぞれサブフレームのOFDMシンボルは、制御情報が符号化されている第1OFDMシンボル集合と、制御情報以外の情報が符号化されている第2OFDMシンボル集合内に配列される。そのような他の情報には、位置決定基準信号が含まれる。すなわちそれぞれサブフレームは、制御チャネル(たとえばPDCCH)と同期チャネル(たとえばP/S−SCH)をサポートするように構成され得る。
【0071】
サブフレームの受信後、無線装置プロセッサ329は、それぞれサブフレームに対して、特定のサブフレームが受信された基地局203,205に関連する識別子に基づき位置決定基準信号が送信されたリソース要素集合(および類似的にOFDMシンボル集合)を判定する。基地局203由来の位置決定基準信号を保有するOFDMシンボル集合は、基地局205由来の位置決定基準信号を保有するOFDMシンボル集合と直交することが好ましい。時間または周波数のいずれかでの位置決定基準信号リソース要素とOFDMシンボルのうちの少なくとも一方の位置決定における差は、無線装置メモリ331に保存され、さらにサービング基地局204からの更新隣接セルリストの受信に関連して定期的に更新され得る。その結果、無線装置プロセッサ329は、位置決定基準信号を保有するリソース要素とOFDMシンボルのうちの少なくとも一方の位置決定に基地局に関連する識別子をマッピングする保存情報にサブフレームを送信した基地局203,205の識別子をマッピングすることによって、特定の受信フレーム内のそのようなリソース要素とOFDMシンボルのうちの少なくとも一方の位置と特性(たとえば持続期間と巡回プレフィックスのうちの少なくとも一方)のうちの少なくとも一方を決定し得る。
【0072】
無線プロセッサ329が、基地局203,205に関連する識別子に基づき基地局203,205から受信されたサブフレーム内に位置決定基準信号が送信されたリソース要素集合を判定した後、無線装置プロセッサ329は、リソース要素集合を処理することによって、無線装置の局部発振器332の局部発振器周波数に基づきそれぞれの位置決定基準信号の到着時間を推定する。次に、無線装置プロセッサ329は、推定到着時間をメッセージで(たとえばアップリンクで無線装置201によって送信された無線リソース制御測定レポートメッセージで)無線装置送信機325に提供する。前記送信機は、前記推定到着時間をサービング基地局204に送信し、最終的に無線装置の位置を決定する位置サーバ207に通信する。別に、上述したように、無線装置プロセッサ329が、無線装置の位置を自律的に推定するようにプログラムされている場合、無線装置プロセッサ329は、推定到着時間と、無線装置201への提供と無線装置メモリ331内への保存のうちの少なくとも一方が行われ得るような他の情報(たとえば当該分野において公知なような基地局位置、サブフレームの送信時間、チャネル条件、その他)とに基づきそれ自体の位置を算出し得る。
【0073】
基地局プロセッサ316の動作を制御する図7において例示される命令(たとえばステップS401〜413)論理フローブロックは、基地局メモリ318に保存されると共に、基地局プロセッサ316によって適当な時期に実行されるプログラミング命令として実装され得る。同様に、無線装置プロセッサ329の動作を制御する図8において例示される命令(たとえば論理フローブロックであるステップS805〜815)は、無線装置メモリ331に保存されると共に、無線装置プロセッサ329によって適切な時期に実行されるプログラミング命令として実装される。
【0074】
上方で詳述されるように、本開示の実施形態は主として、無線通信装置の地理的な位置の判定を助ける位置決定基準信号の通信に関連する方法段階と装置要素の組合わせに存在する。したがって、本明細書における記載の恩恵を受ける当業者には見て直ぐに理解され得る詳細さで、本開示を曖昧にしないようにするために本発明の実施形態の理解に関する具体的な詳細のみを示す装置要素と方法段階が、必要に応じて、図面において従来の記号によって示されている。
【0075】
本開示において、たとえば「第1」および「第2」、「上端」および「下端」その他の関係語は、任意の実際のそのような関係またはそのような構成要素か動作間の順序を必ずしも要求または暗示することなく、別の構成要素または動作から1つの構成要素または動作を単に区別するのに用いられ得る。用語「comprises,」「comprising,」およびその任意の他の変形は、列挙の要素を備えるプロセス、方法、物品、または装置が、それらの要素しか含まないのではなく、明確に列挙されてはいない、もしくはこのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有の他の要素を含んでもよいような、非排他的な包含を網羅するように意図される。任意の物体または動作と関連して用いられるような用語「複数の」は、2つ以上のそのような物体または動作を意味する。冠詞「a」または「an」から始まる請求要素は、より多くの制約を受けることなく、要素を含むプロセス、方法、物品、または装置において同一要素がさらに存在することを排除するものではない。
【0076】
当然のことながら、本明細書において記載される基地局301と無線通信装置201の実施形態は、特定の非プロセッサ回線と併せて、基地局301と無線通信装置201の機能のうちのいくつか、大部分、または全てと本明細書において記載されるそれらの動作方法を実行すべく、一つあるいは複数の在来プロセッサと、プロセッサを制御する固有の保存プログラム命令から構成され得る。非プロセッサ回路には、限定するものではないが、上記のような送信機312,325,受信機314,327、アンテナ304〜307,309〜310,320,322〜323、局部発振器332、ディスプレイ333、ユーザインタフェース335、メモリ318,331、および警報機構337、ならびにフィルタ、信号ドライバ、クロック回路、電源回路、ユーザ入力装置、および様々な他の非プロセッサ回路が含まれ得る。そのため、これらの非プロセッサ回路の機能は、本発明の一つあるいは複数の実施形態にしたがう方法の段階として解釈され得る。別に、いくつかあるいは全ての機能は、保存プログラム命令を有さない状態機械によってか、一つあるいは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)において実行され得る。ASICにおいて、それぞれ機能または特定の機能のいくつかの組合わせが、カスタム論理として実行される。もちろん、2つの方法の組合わせは、使用され得るだろう。したがってこれらの機能の方法と手段は、本明細書において全般的に記載されている。さらにたとえば利用可能な時間、現行技術、および経済的配慮によって動機付けられた恐らく有意な努力と多くの設計上の選択にもかかわらず、当業者は、本明細書において開示されたコンセプトと原理によって誘導されるとき、過度の実験無しに、そのようなソフトウエア命令またはプログラムと集積回路を容易に生成でき得ると予想される。
【0077】
本開示およびその最良の態様は、所有権を確立すると共に、当業者が前記を作成および使用できるようにするやり方で記載されてきたが、本明細書において開示される模範的実施形態の等価物が存在することと、模範的実施形態によってではなく、添付の特許請求の範囲によって制限されるべき本発明の範囲と趣旨から逸脱することなく改変および変形が行われ得ることは、理解および評価されるだろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線端末の動作方法としての無線端末動作方法であって、前記無線端末動作方法は、
サービング基地局からまたは基地局に関連する識別子から信号で送られた情報に基づき、サブフレームの時間位置を判定することであって、サブキャリアOFDMシンボルグリッド上に配列されたリソース要素に送信が対応するOFDMシンボルを、前記サブフレームは含むことと;
前記サービング基地局からまたは前記基地局に関連する識別子から信号で送られた情報に基づき位置決定基準信号に対応するリソース要素を、前記サブフレームが含有するか否か判定することと;
前記サブフレームを受信することと
を含む、無線端末動作方法。
【請求項2】
前記無線端末動作方法はさらに、
第1基地局から位置決定基準信号を受信することと;
前記位置決定基準信号の基準クロックに関連して、前記第1基地局からの前記送信の到着時間を推定することと;
第2基地局からの前記送信の到着時間を推定することと;
前記第2基地局からの前記送信に対する、前記第1基地局からの前記送信の到着時間差を算出することと;
少なくとも前記到着時間差と、前記第1基地局に関連する識別子とを含む測定レポートを、前記第2基地局に送信することと
を含む、
請求項1記載の無線端末動作方法。
【請求項3】
前記無線端末動作方法はさらに、
送信リソースが、リソース要素ブロックとして配列される第1OFDMシンボル集合で、前記基地局から位置決定基準信号を受信することと;
テンプレート行列の行数が、リソース要素ブロックのサブキャリア数に等しく、列数が、前記第1OFDMシンボル集合のシンボル数に等しいように、0−1テンプレート行列を生成することと;
前記テンプレート行列のうちの部分行列の対応列上のゼロ以外の入力の行インデックスに等しい整数としてシンボルで、リソース要素ブロック内の位置決定基準信号リソース要素のサブキャリア位置を判定することと;
前記サブキャリア位置の送信に対応する前記基地局から、前記位置決定基準信号を受信することと
を含む、
請求項1記載の無線端末動作方法。
【請求項4】
前記0−1テンプレート行列は、順列行列であり、
前記テンプレート行列のうちのそれぞれ列におけるゼロ以外の入力は、前記基地局のサイト識別子;前記基地局の物理セル識別子;前記基地局のグローバルセル識別子;システムフレーム番号;スロット番号;サブフレーム番号;シンボルインデックス;リソース要素ブロックインデックス;無線ネットワーク取引識別子;または前記サービング基地局によって信号が送られた情報のうちのいずれか1つを用いてマッピング機能から決定される、
請求項3記載の無線端末動作方法。
【請求項5】
0−1中間行列を得るために、まず次元N×Nのコスタス配列を1または両次元に循環シフトさせ;
次にK>1およびKがNの因数になるように、シフトされたコスタス配列のそれぞれK個の連続行群の中間に、およびシフトされたコスタス配列の上端または下端のいずれかに、K個のゼロ行を挿入することによって、前記0−1中間行列は得られ、
テンプレートは、前記中間行列の垂直シフトに等しく設定され、
コスタス配列の一つあるいは両次元における循環シフト量と、前記中間行列の垂直シフトとは、前記基地局のサイト識別子;前記基地局の物理セル識別子;前記基地局のグローバルセル識別子;システムフレーム番号;スロット番号;サブフレーム番号;シンボルインデックス;リソース要素ブロックインデックス;無線ネットワーク取引識別子;または前記サービング基地局によって信号が送られた情報のうちのいずれか1つから決定される、
請求項3記載の無線端末動作方法。
【請求項6】
前記0−1テンプレート行列は、循環シフトされた対角行列であるか、あるいは循環シフトされた反対角行列であり、
循環シフトの量は、前記基地局のサイト識別子;前記基地局の物理セル識別子;前記基地局のグローバルセル識別子;システムフレーム番号;サブフレーム番号;リソース要素ブロックインデックス;無線ネットワーク取引識別子;または前記サービング基地局によって信号が送られた情報のうちのいずれか1つから判定される、
請求項3記載の無線端末動作方法。
【請求項7】
前記0−1テンプレート行列のうちのそれぞれ列における前記ゼロ以外の入力は、疑似ランダム乱数発生器から決定され、
疑似ランダム乱数発生器は、前記基地局のサイト識別子;前記基地局の物理セル識別子;前記基地局のグローバルセル識別子;システムフレーム番号;サブフレーム番号;リソース要素ブロックインデックス;無線ネットワーク取引識別子;または前記サービング基地局によって信号が送られた情報のうちのいずれか1つをその入力として用いる、
請求項3記載の無線端末動作方法。
【請求項8】
前記位置決定基準信号リソース要素の前記送信は、ゴールド系列発生器から生成される4次位相シフト配置のシンボルに対応し、
初期化されるゴールド系列発生器の量は、前記基地局のサイト識別子;前記基地局の物理セル識別子;前記基地局のグローバルセル識別子;システムフレーム番号;サブフレーム番号;リソース要素ブロックインデックス;無線ネットワーク取引識別子;または前記サービング基地局によって信号が送られた情報のうちのいずれか1つから判定される、
請求項3記載の無線端末動作方法。
【請求項9】
前記位置決定基準信号リソース要素の送信は、循環シフトされるZadoff−Chu系列のシンボルに対応し、
前記Zadoff−Chu系列のルートと循環シフト量とは、前記基地局のサイト識別子;前記基地局の物理セル識別子;前記基地局のグローバルセル識別子;システムフレーム番号;サブフレーム番号;リソース要素ブロックインデックス;無線ネットワーク取引識別子;または前記サービング基地局によって信号が送られた情報のうちのいずれか1つから決定される、
請求項3記載の無線端末動作方法。
【請求項10】
前記無線端末動作方法はさらに、疑似ランダム系列発生器から得られた時間領域系列の高速フーリエ変換を行うことによって前記位置決定基準信号リソース要素が得られる第1OFDMシンボル集合で、位置決定基準信号を受信することを含み、
疑似ランダム乱数発生器の初期化は、前記基地局のサイト識別子;前記基地局の物理セル識別子;前記基地局のグローバルセル識別子;システムフレーム番号;サブフレーム番号;リソース要素ブロックインデックス;無線ネットワーク取引識別子;または前記サービング基地局によって信号が送られた情報のうちのいずれか1つから決定される、
請求項1記載の無線端末動作方法。
【請求項11】
前記0−1テンプレート行列は、ゼロまたは1のいずれかに等しい要素からなるM×N行列であり、前記MとNは、共に正の整数である、
請求項3記載の無線端末動作方法。
【請求項12】
無線通信装置における動作方法としての通信装置動作方法であって、前記通信装置動作方法は、
前記無線通信装置でサブフレームを受信することであって、前記サブフレームは、時間次元と周波数次元とを含み、前記周波数次元は、中央周波数のサブキャリアを有することを含み、
前記サブフレームは、複数の時間周波数リソースブロックを含み、第1リソースブロック部分集合は、位置決定基準シンボルの送信に割当てられ、第2リソースブロック部分集合は、前記位置決定基準信号の送信には割当てられず、
前記第1リソースブロック部分集合は、中央周波数の最も近くに配置され、前記第2リソースブロック部分集合は、前記第1リソースブロック集合よりも前記中央周波数から遠くに配置され、
前記サブフレームは、前記第1リソースブロック部分集合上に多重化された複数の位置決定基準シンボルを含み、
前記無線通信装置は、前記第1リソースブロック部分集合上に多重化された前記位置決定基準シンボルを逆多重化する、
通信装置動作方法。
【請求項13】
前記サブフレームは、前記第2リソースブロック部分集合上に多重化されたデータを含み、
前記無線通信装置は、前記第2リソースブロック部分集合上に多重化された前記データを逆多重化する、
請求項12記載の通信装置動作方法。
【請求項14】
前記サブフレームは、前記第1リソースブロック部分集合上と前記第2リソースブロック部分集合上とに多重化されたセル特異的基準シンボル(CRS)を含み、
前記無線通信装置は、前記第1リソースブロック部分集合上と前記第2リソースブロック部分集合上とに多重化された前記セル特異的基準シンボルを、逆多重化する、
請求項12記載の通信装置動作方法。
【請求項15】
前記サブフレームは、前記第1リソースブロック部分集合上に多重化された一次と二次の同期チャネル(P/S−SCH)を含み、
前記無線通信装置は、前記第1リソースブロック部分集合上に多重化された前記一次と二次の同期チャネルを逆多重化する、
請求項12記載の通信装置動作方法。
【請求項16】
前記サブフレームは、前記第1リソースブロック部分集合上に多重化された放送チャネル(PBCH)を含み、
前記無線通信装置は、前記第1リソースブロック部分集合上で前記放送チャネルを逆多重化する、
請求項12記載の通信装置動作方法。
【請求項1】
無線端末の動作方法としての無線端末動作方法であって、前記無線端末動作方法は、
サービング基地局からまたは基地局に関連する識別子から信号で送られた情報に基づき、サブフレームの時間位置を判定することであって、サブキャリアOFDMシンボルグリッド上に配列されたリソース要素に送信が対応するOFDMシンボルを、前記サブフレームは含むことと;
前記サービング基地局からまたは前記基地局に関連する識別子から信号で送られた情報に基づき位置決定基準信号に対応するリソース要素を、前記サブフレームが含有するか否か判定することと;
前記サブフレームを受信することと
を含む、無線端末動作方法。
【請求項2】
前記無線端末動作方法はさらに、
第1基地局から位置決定基準信号を受信することと;
前記位置決定基準信号の基準クロックに関連して、前記第1基地局からの前記送信の到着時間を推定することと;
第2基地局からの前記送信の到着時間を推定することと;
前記第2基地局からの前記送信に対する、前記第1基地局からの前記送信の到着時間差を算出することと;
少なくとも前記到着時間差と、前記第1基地局に関連する識別子とを含む測定レポートを、前記第2基地局に送信することと
を含む、
請求項1記載の無線端末動作方法。
【請求項3】
前記無線端末動作方法はさらに、
送信リソースが、リソース要素ブロックとして配列される第1OFDMシンボル集合で、前記基地局から位置決定基準信号を受信することと;
テンプレート行列の行数が、リソース要素ブロックのサブキャリア数に等しく、列数が、前記第1OFDMシンボル集合のシンボル数に等しいように、0−1テンプレート行列を生成することと;
前記テンプレート行列のうちの部分行列の対応列上のゼロ以外の入力の行インデックスに等しい整数としてシンボルで、リソース要素ブロック内の位置決定基準信号リソース要素のサブキャリア位置を判定することと;
前記サブキャリア位置の送信に対応する前記基地局から、前記位置決定基準信号を受信することと
を含む、
請求項1記載の無線端末動作方法。
【請求項4】
前記0−1テンプレート行列は、順列行列であり、
前記テンプレート行列のうちのそれぞれ列におけるゼロ以外の入力は、前記基地局のサイト識別子;前記基地局の物理セル識別子;前記基地局のグローバルセル識別子;システムフレーム番号;スロット番号;サブフレーム番号;シンボルインデックス;リソース要素ブロックインデックス;無線ネットワーク取引識別子;または前記サービング基地局によって信号が送られた情報のうちのいずれか1つを用いてマッピング機能から決定される、
請求項3記載の無線端末動作方法。
【請求項5】
0−1中間行列を得るために、まず次元N×Nのコスタス配列を1または両次元に循環シフトさせ;
次にK>1およびKがNの因数になるように、シフトされたコスタス配列のそれぞれK個の連続行群の中間に、およびシフトされたコスタス配列の上端または下端のいずれかに、K個のゼロ行を挿入することによって、前記0−1中間行列は得られ、
テンプレートは、前記中間行列の垂直シフトに等しく設定され、
コスタス配列の一つあるいは両次元における循環シフト量と、前記中間行列の垂直シフトとは、前記基地局のサイト識別子;前記基地局の物理セル識別子;前記基地局のグローバルセル識別子;システムフレーム番号;スロット番号;サブフレーム番号;シンボルインデックス;リソース要素ブロックインデックス;無線ネットワーク取引識別子;または前記サービング基地局によって信号が送られた情報のうちのいずれか1つから決定される、
請求項3記載の無線端末動作方法。
【請求項6】
前記0−1テンプレート行列は、循環シフトされた対角行列であるか、あるいは循環シフトされた反対角行列であり、
循環シフトの量は、前記基地局のサイト識別子;前記基地局の物理セル識別子;前記基地局のグローバルセル識別子;システムフレーム番号;サブフレーム番号;リソース要素ブロックインデックス;無線ネットワーク取引識別子;または前記サービング基地局によって信号が送られた情報のうちのいずれか1つから判定される、
請求項3記載の無線端末動作方法。
【請求項7】
前記0−1テンプレート行列のうちのそれぞれ列における前記ゼロ以外の入力は、疑似ランダム乱数発生器から決定され、
疑似ランダム乱数発生器は、前記基地局のサイト識別子;前記基地局の物理セル識別子;前記基地局のグローバルセル識別子;システムフレーム番号;サブフレーム番号;リソース要素ブロックインデックス;無線ネットワーク取引識別子;または前記サービング基地局によって信号が送られた情報のうちのいずれか1つをその入力として用いる、
請求項3記載の無線端末動作方法。
【請求項8】
前記位置決定基準信号リソース要素の前記送信は、ゴールド系列発生器から生成される4次位相シフト配置のシンボルに対応し、
初期化されるゴールド系列発生器の量は、前記基地局のサイト識別子;前記基地局の物理セル識別子;前記基地局のグローバルセル識別子;システムフレーム番号;サブフレーム番号;リソース要素ブロックインデックス;無線ネットワーク取引識別子;または前記サービング基地局によって信号が送られた情報のうちのいずれか1つから判定される、
請求項3記載の無線端末動作方法。
【請求項9】
前記位置決定基準信号リソース要素の送信は、循環シフトされるZadoff−Chu系列のシンボルに対応し、
前記Zadoff−Chu系列のルートと循環シフト量とは、前記基地局のサイト識別子;前記基地局の物理セル識別子;前記基地局のグローバルセル識別子;システムフレーム番号;サブフレーム番号;リソース要素ブロックインデックス;無線ネットワーク取引識別子;または前記サービング基地局によって信号が送られた情報のうちのいずれか1つから決定される、
請求項3記載の無線端末動作方法。
【請求項10】
前記無線端末動作方法はさらに、疑似ランダム系列発生器から得られた時間領域系列の高速フーリエ変換を行うことによって前記位置決定基準信号リソース要素が得られる第1OFDMシンボル集合で、位置決定基準信号を受信することを含み、
疑似ランダム乱数発生器の初期化は、前記基地局のサイト識別子;前記基地局の物理セル識別子;前記基地局のグローバルセル識別子;システムフレーム番号;サブフレーム番号;リソース要素ブロックインデックス;無線ネットワーク取引識別子;または前記サービング基地局によって信号が送られた情報のうちのいずれか1つから決定される、
請求項1記載の無線端末動作方法。
【請求項11】
前記0−1テンプレート行列は、ゼロまたは1のいずれかに等しい要素からなるM×N行列であり、前記MとNは、共に正の整数である、
請求項3記載の無線端末動作方法。
【請求項12】
無線通信装置における動作方法としての通信装置動作方法であって、前記通信装置動作方法は、
前記無線通信装置でサブフレームを受信することであって、前記サブフレームは、時間次元と周波数次元とを含み、前記周波数次元は、中央周波数のサブキャリアを有することを含み、
前記サブフレームは、複数の時間周波数リソースブロックを含み、第1リソースブロック部分集合は、位置決定基準シンボルの送信に割当てられ、第2リソースブロック部分集合は、前記位置決定基準信号の送信には割当てられず、
前記第1リソースブロック部分集合は、中央周波数の最も近くに配置され、前記第2リソースブロック部分集合は、前記第1リソースブロック集合よりも前記中央周波数から遠くに配置され、
前記サブフレームは、前記第1リソースブロック部分集合上に多重化された複数の位置決定基準シンボルを含み、
前記無線通信装置は、前記第1リソースブロック部分集合上に多重化された前記位置決定基準シンボルを逆多重化する、
通信装置動作方法。
【請求項13】
前記サブフレームは、前記第2リソースブロック部分集合上に多重化されたデータを含み、
前記無線通信装置は、前記第2リソースブロック部分集合上に多重化された前記データを逆多重化する、
請求項12記載の通信装置動作方法。
【請求項14】
前記サブフレームは、前記第1リソースブロック部分集合上と前記第2リソースブロック部分集合上とに多重化されたセル特異的基準シンボル(CRS)を含み、
前記無線通信装置は、前記第1リソースブロック部分集合上と前記第2リソースブロック部分集合上とに多重化された前記セル特異的基準シンボルを、逆多重化する、
請求項12記載の通信装置動作方法。
【請求項15】
前記サブフレームは、前記第1リソースブロック部分集合上に多重化された一次と二次の同期チャネル(P/S−SCH)を含み、
前記無線通信装置は、前記第1リソースブロック部分集合上に多重化された前記一次と二次の同期チャネルを逆多重化する、
請求項12記載の通信装置動作方法。
【請求項16】
前記サブフレームは、前記第1リソースブロック部分集合上に多重化された放送チャネル(PBCH)を含み、
前記無線通信装置は、前記第1リソースブロック部分集合上で前記放送チャネルを逆多重化する、
請求項12記載の通信装置動作方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2012−523183(P2012−523183A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503786(P2012−503786)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/030516
【国際公開番号】WO2010/118305
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(510284071)モトローラ モビリティ インコーポレイテッド (50)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA MOBILITY,INC.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/030516
【国際公開番号】WO2010/118305
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(510284071)モトローラ モビリティ インコーポレイテッド (50)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA MOBILITY,INC.
【Fターム(参考)】
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