説明

歩行型作業機

【課題】 歩行型作業機において、右及び左のクラッチ操作部と右及び左のサイドクラッチとの対応関係を変更する接続切換機構を備えた場合、接続切換機構を全体的に小さなものに構成する。
【解決手段】 右第2ワイヤ25に補助係合部37を接続する。右及び左第1ワイヤ23,24の係合部33,34を並設方向に沿って一方に横移動させることにより、補助係合部37を残して、右及び左第1ワイヤ23,24の係合部33,34と右及び左第2ワイヤ25,26の係合部35,36とが係合することにより正接続状態及び逆接続状態の一方が現出される。右及び左第1ワイヤ23,24の係合部33,34を並設方向に沿って他方に横移動させることにより、右及び左第1ワイヤ23,24の係合部33,34と右及び左第2ワイヤ25,26の係合部35,36とのうちの一つを残し、残りの3つと補助係合部37とが係合することにより正接続状態及び逆接続状態の他方が現出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操縦ハンドルを後方及び前方に向き変更自在に構成した歩行型作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
歩行型作業機では一般に、走行用の右及び左の車輪、右の車輪に動力を伝動及び遮断自在な右のサイドクラッチ、左の車輪に動力を伝動及び遮断自在な左のサイドクラッチを備えており、後方に向く操縦ハンドルに右及び左のクラッチ操作部(握り操作されるレバー等)が備えられ、右及び左のクラッチ操作部と、右及び左のサイドクラッチとがワイヤによって接続されている。これにより、右及び左のサイドクラッチを伝動状態に操作していると、右及び左の車輪に動力が伝達されて、歩行型作業機は直進するのであり、例えば右のクラッチ操作部を操作して右のサイドクラッチを遮断状態に操作すると、右の車輪への動力が遮断されて、歩行型作業機は右に向きを変える。
【0003】
前述のような歩行型作業機において、操縦ハンドルを後方及び前方に向き変更自在に構成した場合に、操縦ハンドルを持つ作業者にとって、操縦ハンドルを前方に向くように設定すると、右及び左のクラッチ操作部と右及び左のサイドクラッチとの対応関係が逆になる。つまり、操縦ハンドルを前方に向くように設定した場合、操縦ハンドルを持つ作業者から見ると、右のサイドクラッチが左のサイドクラッチとなり、左のサイドクラッチが右のサイドクラッチとなるので、この状態で作業者が右のクラッチ操作部を操作すると、作業者にとって左のサイドクラッチが遮断状態に操作されるようになるからである。
【0004】
この場合、操縦ハンドルを持つ作業者にとって右及び左のクラッチ操作部と右及び左のサイドクラッチとの対応関係が逆になる状態を解消する構造として、特許文献1に開示されているように、右及び左のクラッチ操作部と右及び左のサイドクラッチとの対応関係を変更する接続切換機構を備えたものがあり、特許文献1の接続切換機構は以下のように構成されている。
【0005】
右のクラッチ操作部(特許文献1の第1図の右の9)に接続された右第1ワイヤ(特許文献1の第2図の右の10)、及び揺動自在な右のアーム(特許文献1の第9図及び第10図の右の23)が備えられ、左のクラッチ操作部(特許文献1の第1図の左の9)に接続された左第1ワイヤ(特許文献1の第2図の左の10)、及び揺動自在な左のアーム(特許文献1の第9図及び第10図の左の23)が備えられている。
右のサイドクラッチに接続された右第2ワイヤ(特許文献1の第2図の右の12)、及び右のスライドピース(特許文献1の第9図及び第10図の右の15)が備えられ、左のサイドクラッチに接続された左第2ワイヤ(特許文献1の第2図の左の12)、及び左のスライドピース(特許文献1の第9図及び第10図の左の15)が備えられている。
【0006】
右及び左のスライドピース(特許文献1の第9図及び第10図の右及び左の15)が、半円筒状に構成されており、操縦ハンドルを後方に向くように設定すると(特許文献1の第10図参照)、右のアームが右のスライドピースに係合し、左のアームが左のスライドピースに係合する。これによって、右のクラッチ操作部と右のサイドクラッチとが接続され、左のクラッチ操作部と左のサイドクラッチとが接続された状態となる。
【0007】
次に操縦ハンドルを前方に向くように設定すると(特許文献1の第12図参照)、右及び左第1ワイヤ、右及び左のアームが右及び左のスライドピースの周囲を180°回転して(特許文献1の第10図から第12図参照)、右のアームが左のスライドピースに係合し、左のアームが右のスライドピースに係合する。これによって、右のクラッチ操作部と左のサイドクラッチとが接続され、左のクラッチ操作部と右のサイドクラッチとが接続された状態となる。
従って、操縦ハンドルを前方に向くように設定し、操縦ハンドルを持つ作業者から見た場合、右のサイドクラッチが左のサイドクラッチとなり、左のサイドクラッチが右のサイドクラッチとなっても、この状態で作業者が右のクラッチ操作部を操作すれば、作業者にとって右のサイドクラッチが遮断状態に操作されるようになる。
【0008】
【特許文献1】特公昭62−26946号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1の接続切換機構では、右及び左のスライドピース(特許文献1の第9図及び第10図の右及び左の15)が半円筒状に構成され、右及び左のスライドピースで一つの円筒が構成されるようにしており、右及び左第1ワイヤ、右及び左のアームが右及び左のスライドピースの周囲を180°回転することによって、右及び左のクラッチ操作部と右及び左のサイドクラッチとの対応関係を変更可能に構成している。このように右及び左のスライドピースを半円筒状に構成することにより、右及び左のスライドピースが半径方向(横方向)に大きなものとなっているので、接続切換機構が全体的に大きなものとなり、接続切換機構を配置する為のスペースが大きなものとなっている。
【0010】
特許文献1の接続切換機構では、右及び左第1ワイヤと右及び左のスライドピースとを接続するものとして、右及び左のアーム(特許文献1の第9図及び第10図の右及び左の23)を使用しており、右及び左のアームが揺動自在に構成されている。これにより、右及び左のアーム、並びに、右及び左のアームを揺動自在に支持する支持軸(特許文献1の第3図及び第9図の22)等が必要になるので、接続切換機構の構造が複雑なものとなっている。
【0011】
本発明は、操縦ハンドルを後方及び前方に向き変更自在に構成した歩行型作業機において、右及び左のクラッチ操作部と右及び左のサイドクラッチとの対応関係を変更する接続切換機構を備えた場合、接続切換機構を全体的に小さなものに構成し、接続切換機構を配置する為のスペースが小さなものとなるようにすることを目的としており、接続切換機構の構造の簡素化を図ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
[I]
(構成)
本発明の第1特徴は、走行用の右及び左の車輪と、右の車輪に動力を伝動及び遮断自在な右のサイドクラッチと、左の車輪に動力を伝動及び遮断自在な左のサイドクラッチとを備え、人為的に操作される右及び左のクラッチ操作部を操縦ハンドルに備えて、操縦ハンドルを後方及び前方に向き変更自在に構成し、右のクラッチ操作部と右のサイドクラッチとが接続され且つ左のクラッチ操作部と左のサイドクラッチとが接続された正接続状態、及び、右のクラッチ操作部と左のサイドクラッチとが接続され且つ左のクラッチ操作部と右のサイドクラッチとが接続された逆接続状態を現出可能な接続切換機構を備えた歩行型作業機において、接続切換機構を次のように構成することにある。
【0013】
右のクラッチ操作部に接続された右第1ワイヤと、左のクラッチ操作部に接続された左第1ワイヤとを備えて、右第1ワイヤの端部に接続された係合部と左第1ワイヤの端部に接続された係合部とを並設する。
右のサイドクラッチに接続された右第2ワイヤと、左のサイドクラッチに接続された左第2ワイヤとを備えて、右第2ワイヤの端部に接続された係合部と左第2ワイヤの端部に接続された係合部とを並設する。
右及び左第1ワイヤ、右及び左第2ワイヤのうちの一つに補助係合部を接続し、補助係合部を右及び左第1ワイヤの係合部又は右及び左第2ワイヤの係合部に並設する。
右及び左第1ワイヤの係合部又は右及び左第2ワイヤの係合部を並設方向に沿って一方に横移動させることにより、補助係合部を残して、右及び左第1ワイヤの係合部と右及び左第2ワイヤの係合部とが係合することにより正接続状態及び逆接続状態の一方が現出されるように構成する。
右及び左第1ワイヤの係合部又は右及び左第2ワイヤの係合部を並設方向に沿って他方に横移動させることにより、右及び左第1ワイヤの係合部と右及び左第2ワイヤの係合部とのうちの一つを残し、残りの3つと補助係合部とが係合することにより正接続状態及び逆接続状態の他方が現出されるように構成する。
【0014】
(作用)
本発明の第1特徴において、例えば図5に示すように、左第1ワイヤ25に補助係合部37を接続し、右及び左第1ワイヤ23,24の係合部33,34を並設方向(図5の紙面上下方向)に横移動させるように構成したとする。
この場合、例えば図5に示すように、右及び左第1ワイヤ23,24の係合部33,34を並設方向の一方(図5の紙面上方)に横移動させると、右第1ワイヤ23の係合部33と右第2ワイヤ25の係合部35とが係合し、左第1ワイヤ24の係合部34と左第2ワイヤ26の係合部36とが係合して、正接続状態が設定される。
これにより、例えば図9に示すように、右のクラッチ操作部を操作すると、右第1ワイヤ23が引き操作され、右第1及び第2ワイヤ23,25の係合部33,35を介して、右第2ワイヤ25が引き操作されて、右のサイドクラッチが遮断状態に操作される。例えば図10に示すように、左のクラッチ操作部を操作すると、左第1ワイヤ24が引き操作され、左第1及び第2ワイヤ24,26の係合部34,36を介して、左第2ワイヤ26が引き操作されて、左のサイドクラッチが遮断状態に操作される。
【0015】
例えば図11に示すように、右及び左第1ワイヤ23,24の係合部33,34を並設方向の他方(図11の紙面下方)に横移動させると、右第1ワイヤ23の係合部33と左第2ワイヤ26の係合部36とが係合し、左第1ワイヤ24の係合部34と補助係合部37とが係合して、逆接続状態が設定される。
これにより、例えば図12に示すように、右のクラッチ操作部を操作すると、右第1ワイヤ23が引き操作され、右第1及び左第2ワイヤ23,26の係合部33,36を介して、左第2ワイヤ26が引き操作されて、左のサイドクラッチが遮断状態に操作される。例えば図13に示すように、左のクラッチ操作部を操作すると、左第1ワイヤ24が引き操作され、左第1ワイヤ24の係合部34により補助係合部37が引き操作され、右第2ワイヤ25が引き操作されて、右のサイドクラッチが遮断状態に操作される。
【0016】
以上のように、本発明の第1特徴によると、右及び左第1ワイヤの係合部(右及び左第2ワイヤの係合部)を並設方向に沿って一方及び他方に横移動させることにより、正及び逆接続状態を設定することができるのであり、この横移動のストロークも右及び左第1ワイヤ(右及び左第2ワイヤの係合部)の並設方向での間隔程度でよい。これにより、特許文献1のように、右及び左第1ワイヤ、右及び左のアームが右及び左のスライドピースの周囲を180°回転することによって、正及び逆接続状態を設定する接続切換機構に対して、本発明の第1特徴によると、接続切換機構を全体的に小さなものに構成することができる。
【0017】
本発明の第1特徴によると、接続切換機構を構成するにあたり、必要な部材であると考えられる右及び左第1ワイヤの係合部、右及び左第2ワイヤの係合部に加えて、補助係合部を追加する程度でよい。これにより、特許文献1のように、揺動自在な右及び左のアーム、右及び左のアームを揺動自在に支持する支持軸等が必要な接続切換機構に対して、本発明の第1特徴によると、接続切換機構の部品を少なくすることができる。
【0018】
(発明の効果)
本発明の第1特徴によると、操縦ハンドルを後方及び前方に向き変更自在に構成した歩行型作業機において、右及び左のクラッチ操作部と右及び左のサイドクラッチとの対応関係を変更する接続切換機構を備えた場合、接続切換機構を全体的に小さなものに構成することができ、接続切換機構の部品を少なくすることができるようになって、接続切換機構を配置する為のスペースの省スペース化、及び接続切換機構の構造の簡素化の面で有利なものとなった。
【0019】
[II]
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の歩行型作業機において次のように構成することにある。
正接続状態及び逆接続状態の中間状態が設定されると、右及び左第1ワイヤの操作を阻止する牽制手段を備える。
【0020】
(作用)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
前項[I]に記載のように、右及び左第1ワイヤの係合部(右及び左第2ワイヤの係合部)を並設方向に沿って一方及び他方に横移動させることにより、正及び逆接続状態を設定するように構成すると、正接続状態及び逆接続状態の中間状態が誤って設定されることが考えられる。
【0021】
本発明の第2特徴によれば、正接続状態及び逆接続状態の中間状態が設定されると、牽制手段によって右及び左第1ワイヤの操作が阻止され、右及び左のサイドクラッチの遮断状態への操作が行えなくなるので、正接続状態及び逆接続状態の中間状態で、右及び左のサイドクラッチが無理に遮断状態に操作される状態を防止することができる。
本発明の第2特徴によれば、前述のように牽制手段によって右及び左第1ワイヤの操作が阻止されると、これに伴って右及び左第1ワイヤに接続された右及び左のクラッチ操作部の操作が行えなくなるので、右及び左のクラッチ操作部を操作することができないことにより、作業者は正接続状態及び逆接続状態の中間状態が設定されたことを認識することができる。
【0022】
(発明の効果)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、正接続状態及び逆接続状態の中間状態において、右及び左のサイドクラッチが無理に遮断状態に操作される状態を防止することができて、これに伴う破損を防止することができるようになった。
本発明の第2特徴によれば、正接続状態及び逆接続状態の中間状態が設定されると、作業者に正接続状態及び逆接続状態の中間状態が設定されたことを認識させることができるので、作業者の注意を喚起すると言う面で有利なものとなった。
【0023】
[III]
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第1又は第2特徴の歩行型作業機において次のように構成することにある。
接続切換機構を操縦ハンドルの基部に備える。
【0024】
(作用)
本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
操縦ハンドルを後方及び前方に向き変更自在に構成した歩行型作業機において、接続切換機構を備える場合、右及び左のクラッチ操作部と右及び左のサイドクラッチとの間の中継点として、操縦ハンドルの基部は適切な位置である。
本発明の第3特徴によると、前項[I]に記載のように、接続切換機構を全体的に小さなものに構成することができるので、操縦ハンドルの基部が小さなものであっても、操縦ハンドルの基部に接続切換機構を備えることが容易に行える。
【0025】
(発明の効果)
本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第3特徴によると、操縦ハンドルの基部が小さなものであっても、操縦ハンドルの基部に接続切換機構を備えることが容易に行えるようになって、操縦ハンドルの基部の付近のコンパクト化と言う面で有利なものとなった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
[1]
図1及び図2に示すように、縦向きのミッションケース1の下部に走行用の右及び左の車輪2が支持され、ミッションケース1の前部に固定された支持フレーム3にエンジン4が支持されており、ミッションケース1の上部の操縦ハンドル5が支持され、ミッションケース1とエンジン4との間に燃料タンク6が支持されて、歩行型作業機が構成されている。
【0027】
図1及び図2に示すように、エンジン4の出力軸7の動力が伝動ベルト9を介して、ミッションケース1の入力軸8に伝達されており、出力軸7及び入力軸8、伝動ベルト9を覆うカバー10が備えられている。入力軸8の動力がミッションケース1に内装された走行用の変速装置(図示せず)で変速操作され、右及び左のサイドクラッチ11(図4参照)を介して右及び左の車輪2に伝達される。
【0028】
次に、右及び左のサイドクラッチ11について説明する。
図4に示すように、右及び左の車輪2が固定された右及び左の車軸12が、ミッションケース1の下部に支持軸13を介して同芯状に回転自在に支持されており、支持軸13にスプロケット14が外嵌され、スプロケット14に伝動チェーン15が巻回されて、走行用の変速装置(図示せず)の動力が伝動チェーン15を介してスプロケット14に伝達されている。
【0029】
図4に示すように、スプロケット14から横向きの円筒状の右及び左の伝動部14aが延出され、右及び左の伝動部14aの円周方向に沿って所定間隔を置いて複数の開口部14bが形成されており、開口部14bに球状の伝動体16が配置されている。右及び左の車軸12の外周部に複数の溝部12aが長手方向に沿って形成されており、溝部12aはスプロケット14の開口部14b及び伝動体16と同じ所定間隔を置いて、右及び左の車軸12の円周方向に沿って配置されている。スプロケット14の右及び左の伝動部14aに、円筒状の右及び左の操作部材17がスライド自在に外嵌されており、右及び左の操作部材17をスプロケット14から離れる方向に付勢するバネ18が備えられている。
以上のようにして、スプロケット14と右の車軸12との間に右のサイドクラッチ11が構成され、スプロケット14と左の車軸12との間に左のサイドクラッチ11が構成されている。
【0030】
図4に示す左のサイドクラッチ11の状態は、左の操作部材17がバネ18によりスプロケット14から離れる方向(図4の紙面左方)に操作され、左の操作部材17により伝動体16が、スプロケット14の開口部14bに押し込まれて左の車軸12の溝部12aに入り込んでいる状態であり、左のサイドクラッチ11が伝動状態に操作された状態である。これにより、スプロケット14と左の車軸12とが伝動体16によって連結された状態となって、左の車軸12(左の車輪2)に動力が伝達される。
【0031】
図4に示す右のサイドクラッチ11の状態は、右の操作部材17がバネ18に抗してスプロケット14に接近する方向(図4の紙面左方)に操作された状態であり、スプロケット14の回転に伴って伝動体16が右の車軸12の溝部12aから弾き出された状態であり、右のサイドクラッチ11が遮断状態に操作された状態である。これにより、スプロケット14と右の車軸12との連結が解除された状態となって、右の車軸12(右の車輪2)への動力が遮断される。
【0032】
[2]
次に、右及び左のサイドクラッチ11の操作系について説明する。
図1及び図2に示すように、操縦ハンドル5に後部に右及び左のグリップ部5aが備えられ、右及び左のグリップ部5aの下側に右及び左のグリップレバー19(クラッチ操作部に相当)が備えられており、作業者が操縦ハンドル5の右及び左のグリップ部5a(右及び左のグリップレバー19)を持つ。
【0033】
図1,2,3に示すように、後方に向くように設定した正姿勢(図1の実線参照)、及び前方に向くように設定した逆姿勢(図1の二点鎖線参照)に、操縦ハンドル5がミッションケース1の上部に固定されたブラケット20の縦軸芯P1周りに向き変更自在に支持されている。ブラケット20にロックレバー31が備えられており、ロックレバー31により操縦ハンドル5を正及び逆姿勢で固定するのであり、ロックレバー31によって固定解除することにより、操縦ハンドル5をブラケット20の縦軸芯P1周りに向き変更することができる。
【0034】
図1,2,3に示すように、ブラケット20の縦軸芯P1周りに向き変更自在に支持された操縦ハンドル5の基部5bにおいて、操縦ハンドル5の基部5bの上面に接続切換機構21が固定されており、操縦ハンドル5の基部5b及び接続切換機構21を覆うカバー22が備えられている。右のグリップレバー19に右第1ワイヤ23(インナーワイヤ23a)が接続され、左のグリップレバー19に左第1ワイヤ24(インナーワイヤ24a)が接続されており、右及び左第1ワイヤ23,24が操縦ハンドル5に沿って延出されて接続切換機構21に接続されている。
【0035】
図3及び図4に示すように、ミッションケース1の内部の横軸芯P2周りに右及び左の操作アーム27が揺動自在に支持され、右及び左の操作アーム27が右及び左の操作部材17に接当している。ミッションケース1の上下中間部に右及び左の操作アーム32が揺動自在に支持され、右及び左の操作アーム27と右及び左の操作アーム32とに亘って右及び左の操作ロッド28が接続されている。
【0036】
図3及び図4に示すように、右及び左の操作部材17はバネ18によって、スプロケット14から離れる方向(右及び左のサイドクラッチ11を伝動状態に操作する方向)に付勢されており、右及び左の操作アーム27によりバネ18に抗して右及び左の操作部材17をスプロケット14に接近する方向に操作して、右及び左のサイドクラッチ11を遮断状態に操作する。右の操作アーム32に右第2ワイヤ25(インナーワイヤ25a)が接続され、左の操作アーム32に左第2ワイヤ26(インナーワイヤ26a)が接続されており、右及び左第2ワイヤ25,26が上方に延出されて接続切換機構21に接続されている。
【0037】
[3]
次に、接続切換機構21について説明する。
図5,6,8に示すように、所定間隔を置いて配置された3つの縦壁部29aと、3つの縦壁部29aに亘る後壁部29bとを備えて、切換部材29が合成樹脂により一体的に構成されており、右の縦壁部29aに棒状の右の操作部29cが備えられ、左の縦壁部29aに棒状の左の操作部29dが備えられて、右の操作部29cに一対の凸部29eが形成され、左の操作部29dに一対の凸部29fが形成されている。平面視で長方形状の枠状のフレーム30が備えられ、フレーム30の内部に切換部材29が配置されて、切換部材29が横移動自在(図5の紙面上下方向)にフレーム30に支持されており、切換部材29の右及び左の操作部29c,29dがフレーム30の横壁部の切欠き部30dから横外方に出ている。
【0038】
図5,6,8に示すように、切換部材29の横移動の方向に沿って横長の開口部30aがフレーム30に形成されており、右及び左第1ワイヤ23,24がフレーム30の開口部30aに挿入されて、右及び左第1ワイヤ23,24のアウターワイヤ23b,24bの端部が切換部材29の後壁部29bの切欠き部29gに挿入されて固定されている。フック状の係合部33,34が右及び左第1ワイヤ23,24のインナーワイヤ23a,24aの端部に接続されて、切換部材29の右及び中央の縦壁部29aの間に、右第1ワイヤ23のインナーワイヤ23a及び係合部33が配置され、切換部材29の左及び中央の縦壁部29aの間に、左第1ワイヤ24のインナーワイヤ24a及び係合部34が配置されている。
【0039】
これにより、図5及び図8に示すように、切換部材29の縦壁部29aに沿って、右及び左第1ワイヤ23,24の係合部33,34が切換部材29の横移動と交差する方向(図5の紙面左右方向)に移動自在に案内されるのであり、右及び左第1ワイヤ23,24の係合部33,34の位置が、切換部材29に対して切換部材29の横移動の方向に変位しない(右第1ワイヤ23の端部に接続された係合部33と左第1ワイヤ24の端部に接続された係合部34とを並設した状態に相当)。
【0040】
図5,6,8に示すように、右及び左第2ワイヤ25,26のアウターワイヤ25b,26bの端部が、フレーム30における開口部30aとは反対側の壁部の切欠き部30eに挿入されて固定されている。右及び左第2ワイヤ25,26のインナーワイヤ25a,26aがフレーム30の内部に配置されており、フック状の係合部35,36が右及び左第2ワイヤ25,26のインナーワイヤ25a,26aの端部に接続されている。
【0041】
図5,6,7,8に示すように、フレーム30の内部に2個のガイド部30bが備えられている。これにより、フレーム30のガイド部30bに沿って、右及び左第2ワイヤ25,26の係合部35,36が切換部材29の横移動と交差する方向(図5の紙面左右方向)に移動自在に案内されるのであり、右及び左第2ワイヤ25,26の係合部35,36の位置が、フレーム30に対して切換部材29の横移動の方向に変位しない(右第2ワイヤ25の端部に接続された係合部35と左第2ワイヤ26の端部に接続された係合部36とを並設した状態に相当)。
【0042】
図5,6,7,8に示すように、フック状の補助係合部37がフレーム30の内部に配置されて、補助係合部37がフレーム30のカイド部30bに沿って切換部材29の横移動と交差する方向(図5の紙面左右方向)に移動自在に案内されている。補助係合部37の連係部37aがフレーム30のガイド部30b及び左第2ワイヤ26の係合部36の下側を延出されて、右第2ワイヤ25の係合部35の基部に接続(係合)されている(補助係合部37を右及び左第1ワイヤ23,24の係合部33,34又は右及び左第2ワイヤ25,26の係合部35,36に並設した状態に相当)。この場合、補助係合部37の連係部37aを右第2ワイヤ25のインナーワイヤ25aに直接に固定してもよい。
【0043】
図5,6,8に示すように、2個の平板状の突起板30c(牽制手段に相当)が、フレーム30の上壁部に備えられて下方に延出されている。フレーム30の突起板30cは切換部材29の縦壁部29aと略同じ厚みを備えており、右及び左第2ワイヤ25,26の係合部35,36の間に対向する位置に備えられ、左第2ワイヤ26の係合部36と補助係合部37との間に対向する位置に備えられている。この場合に、切換部材29を横移動させても、切換部材29の縦壁部29aがフレーム30の突起板30cに干渉しないように、フレーム30の突起板30cが通過する切欠き部28hが切換部材29の縦壁部29aに形成されている。
【0044】
[4]
次に、接続切換機構21を正接続状態に設定した状態について説明する。
図1の実線及び図2に示すように、操縦ハンドル5を後方に向く正姿勢に設定した場合に、図5及び図6に示すように、切換部材29の左の操作部29dを押し操作し、切換部材29を横移動させることにより(図5の紙面上方)、接続切換機構21を正接続状態に設定する。この場合、切換部材29の凸部29eがフレーム30の横壁部の切欠き部30dを通過して係合し、切換部材29の右の縦壁部29aと凸部29eとの間にフレーム30の横壁部が挟まれることにより、切換部材29が図5に示す位置に保持される。
【0045】
接続切換機構21の正接続状態において、図5に示すように、切換部材29の左の操作部29dがカバー22の内部に入り込み、切換部材29の右の操作部29cがカバー22から横外方に出るのであり、操縦ハンドル5を持つ作業者が切換部材29の右の操作部29cを目視することによって、接続切換機構21が正接続状態に設定された状態であることを認識することができる。右第1ワイヤ23の係合部33と右第2ワイヤ25の係合部35とが係合し、左第1ワイヤ24の係合部34と左第2ワイヤ26の係合部36とが係合する。フレーム30の突起板30cが切換部材29の縦壁部29aの切欠き部29hに入り込み、フレーム30の突起板30cが切換部材29の縦壁部29aに位置する。
【0046】
接続切換機構21の正接続状態において、図9に示すように、右のグリップレバー19を握り操作すると、右第1ワイヤ23のインナーワイヤ23aが引き操作され、右第1及び第2ワイヤ23,25の係合部33,35を介して、右第2ワイヤ25のインナーワイヤ25aが引き操作されて、右のサイドクラッチ11が遮断状態に操作される。この場合に、右第2ワイヤ25の係合部35が移動しても、補助係合部37は移動しない。
【0047】
接続切換機構21の正接続状態において、図10に示すように、左のグリップレバー19を握り操作すると、左第1ワイヤ24のインナーワイヤ24aが引き操作され、左第1及び第2ワイヤ24,26の係合部34,36を介して、左第2ワイヤ26のインナーワイヤ26aが引き操作されて、左のサイドクラッチ11が遮断状態に操作される。
【0048】
[5]
次に、接続切換機構21を逆接続状態に設定した状態について説明する。
図1の二点鎖線に示すように、操縦ハンドル5を前方に向く逆姿勢に設定した場合、図11に示すように、切換部材29の右の操作部29cを押し操作し、切換部材29を横移動させることにより(図11の紙面下方)、接続切換機構21を逆接続状態に設定する。この場合、切換部材29の凸部29fがフレーム30の横壁部の切欠き部を通過して係合し、切換部材29の左の縦壁部29aと凸部29fとの間にフレーム30の横壁部が挟まれることにより、切換部材29が図11に示す位置に保持される。
【0049】
接続切換機構21の逆接続状態において、図11に示すように、切換部材29の右の操作部29cがカバー22の内部に入り込み、切換部材29の左の操作部29dがカバー22から横外方に出るのであり、操縦ハンドル5を持つ作業者が切換部材29の左の操作部29dを目視することによって、接続切換機構21が逆接続状態に設定された状態であることを認識することができる。右第1ワイヤ23の係合部33と左第2ワイヤ26の係合部36とが係合し、左第1ワイヤ24の係合部34と補助係合部37とが係合する。フレーム30の突起板30cが切換部材29の縦壁部29aの切欠き部29hに入り込み、フレーム30の突起板30cが切換部材29の縦壁部29aに位置する。
【0050】
接続切換機構21の逆接続状態において、図12に示すように、右のグリップレバー19を握り操作すると、右第1ワイヤ23のインナーワイヤ23aが引き操作され、右第1及び左第2ワイヤ23,26の係合部33,36を介して、左第2ワイヤ26のインナーワイヤ26aが引き操作されて、左のサイドクラッチ11が遮断状態に操作される。
【0051】
接続切換機構21の逆接続状態において、図13に示すように、左のグリップレバー19を握り操作すると、左第1ワイヤ24のインナーワイヤ24aが引き操作され、左第1ワイヤ24の係合部34により補助係合部37が引き操作されて、補助係合部37の連係部37a及び右第2ワイヤ25の係合部35を介して、右第2ワイヤ25のインナーワイヤ25aが引き操作されて、右のサイドクラッチ11が遮断状態に操作される。
【0052】
[6]
図14に示すように、切換部材29を誤って図5に示す位置と図11に示す位置との中間位置に操作してしまった場合(接続切換機構21が正接続状態及び逆接続状態の中間状態に設定された場合)、フレーム30の突起板30cが切換部材29の縦壁部29aの間に位置し、フレーム30の突起板30cが右及び左第1ワイヤ23,24の係合部33,34に対向する。
【0053】
従って、図14に示す状態で、右及び左グリップレバー19を握り操作しようとしても(右及び左第1ワイヤ23,24のインナーワイヤ23a,24aが引き操作されようとしても)、右及び左第1ワイヤ23,24の係合部33,34が、フレーム30の突起板30cに接当するので、右及び左グリップレバー19を握り操作することができない(右及び左第1ワイヤ23,24のインナーワイヤ23a,24aが引き操作されない)。これにより、作業者は、切換部材29を誤って図5に示す位置と図11に示す位置との中間位置に操作してしまった状態(接続切換機構21を正接続状態及び逆接続状態の中間状態に操作してしまった状態)であることを認識することができる。
【0054】
[発明の実施の第1別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]に代えて、図15に示すように、補助係合部37の連係部37aを左第2ワイヤ26のインナーワイヤ26a又は係合部36に接続(係合)し、補助係合部37を右第2ワイヤ25の係合部35に対して左第2ワイヤ26とは反対側に配置してもよい。
この構成によると、図15に示す位置に切換部材29を操作した状態で、接続切換機構21が正接続状態に設定された状態となる。切換部材29を図15に示す位置から紙面上方に横移動させると、右第1ワイヤ23の係合部33と補助係合部37(左第2ワイヤ26の係合部36)とが係合し、左第1ワイヤ24の係合部34と右第2ワイヤ25の係合部35とが係合して、接続切換機構21が逆接続状態に設定される。
【0055】
[発明の実施の第2別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態]に代えて、図16に示すように、補助係合部37の連係部37aを左第1ワイヤ24のインナーワイヤ24a又は係合部34に接続(係合)し、補助係合部37を右第1ワイヤ23の係合部33に対して左第1ワイヤ24とは反対側に配置してもよい。
この構成によると、図16に示す位置に切換部材29を操作した状態で、接続切換機構21が正接続状態に設定された状態となる。切換部材29を図16に示す位置から紙面下方に横移動させると、右第1ワイヤ23の係合部33と左第2ワイヤ26の係合部36とが係合し、補助係合部37(左第1ワイヤ24の係合部34)と右第2ワイヤ25の係合部35とが係合して、接続切換機構21が逆接続状態に設定される。
【0056】
[発明の実施の第3別形態]
前述の[発明の実施の第2別形態]において、図16に示す補助係合部37の連係部37aを右第1ワイヤ23のインナーワイヤ23a又は係合部33に接続(係合)し、補助係合部37を左第1ワイヤ24の係合部34に対して右第1ワイヤ23とは反対側に配置してもよい。
【0057】
[発明の実施の第4別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態](図5)、及び[発明の実施の第1別形態](図15)において、右及び左第1ワイヤ23,24のアウターワイヤ23b,24bの端部をフレーム30に固定し、切換部材29に右及び左第2ワイヤ25,26、右及び左第2ワイヤ25,26の係合部35,36、補助係合部37を支持させて、切換部材29を図5及び図11の紙面上下方向に横移動させることにより、接続切換機構21が正接続状態及び逆接続状態に設定されるように構成してもよい。
【0058】
[発明の実施の第5別形態]
前述の[発明の実施の第2別形態](図16)、及び[発明の実施の第3別形態]において、右及び左第1ワイヤ23,24のアウターワイヤ23b,24bの端部をフレーム30に固定し、切換部材29に右及び左第2ワイヤ25,26、右及び左第2ワイヤ25,26の係合部35,36、補助係合部37を支持させて、切換部材29を図16の紙面上下方向に横移動させることにより、接続切換機構21が正接続状態及び逆接続状態に設定されるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】歩行型作業機の全体側面図
【図2】歩行型作業機の全体平面図
【図3】操縦ハンドルの基部及び接続切換機構の付近の縦断側面図
【図4】右及び左のサイドクラッチの付近を示すミッションケースの縦断正面図
【図5】接続切換機構(正接続状態)の横断平面図
【図6】図5におけるA−A方向から見た断面図
【図7】図5におけるB−B方向から見た断面図
【図8】接続切換機構の分解斜視図
【図9】接続切換機構(正接続状態)において、右のグリップレバーにより右第1ワイヤのインナーワイヤが引き操作された状態を示す横断平面図
【図10】接続切換機構(正接続状態)において、左のグリップレバーにより左第1ワイヤのインナーワイヤが引き操作された状態を示す横断平面図
【図11】接続切換機構(逆接続状態)の横断平面図
【図12】接続切換機構(逆接続状態)において、右のグリップレバーにより右第1ワイヤのインナーワイヤが引き操作された状態を示す横断平面図
【図13】接続切換機構(逆接続状態)において、左のグリップレバーにより左第1ワイヤのインナーワイヤが引き操作された状態を示す横断平面図
【図14】接続切換機構が正接続状態及び逆接続状態の中間状態に設定された状態を示す接続切換機構の横断平面図
【図15】発明の実施の第1別形態における接続切換機構(正接続状態)の横断平面図
【図16】発明の実施の第2別形態における接続切換機構(正接続状態)の横断平面図
【符号の説明】
【0060】
2 右及び左の車輪
5 操縦ハンドル
5b 操縦ハンドルの基部
11 右及び左のサイドクラッチ
19 右及び左のクラッチ操作部
21 接続切換機構
23 右第1ワイヤ
24 左第1ワイヤ
25 右第2ワイヤ
26 左第2ワイヤ
30c 牽制手段
33 右第1ワイヤの端部に接続された係合部
34 左第1ワイヤの端部に接続された係合部
35 右第2ワイヤの端部に接続された係合部
36 左第2ワイヤの端部に接続された係合部
37 補助係合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行用の右及び左の車輪と、右の車輪に動力を伝動及び遮断自在な右のサイドクラッチと、左の車輪に動力を伝動及び遮断自在な左のサイドクラッチとを備え、
人為的に操作される右及び左のクラッチ操作部を操縦ハンドルに備えて、前記操縦ハンドルを後方及び前方に向き変更自在に構成し、
前記右のクラッチ操作部と右のサイドクラッチとが接続され且つ左のクラッチ操作部と左のサイドクラッチとが接続された正接続状態、及び、前記右のクラッチ操作部と左のサイドクラッチとが接続され且つ左のクラッチ操作部と右のサイドクラッチとが接続された逆接続状態を現出可能な接続切換機構を備えた歩行型作業機であって、
前記右のクラッチ操作部に接続された右第1ワイヤと、前記左のクラッチ操作部に接続された左第1ワイヤとを備えて、前記右第1ワイヤの端部に接続された係合部と左第1ワイヤの端部に接続された係合部とを並設し、
前記右のサイドクラッチに接続された右第2ワイヤと、前記左のサイドクラッチに接続された左第2ワイヤとを備えて、前記右第2ワイヤの端部に接続された係合部と左第2ワイヤの端部に接続された係合部とを並設し、
前記右及び左第1ワイヤ、右及び左第2ワイヤのうちの一つに補助係合部を接続し、前記補助係合部を右及び左第1ワイヤの係合部又は右及び左第2ワイヤの係合部に並設して、
前記右及び左第1ワイヤの係合部又は右及び左第2ワイヤの係合部を並設方向に沿って一方に横移動させることにより、前記補助係合部を残して、前記右及び左第1ワイヤの係合部と右及び左第2ワイヤの係合部とが係合することにより正接続状態及び逆接続状態の一方が現出され、
前記右及び左第1ワイヤの係合部又は右及び左第2ワイヤの係合部を並設方向に沿って他方に横移動させることにより、前記右及び左第1ワイヤの係合部と右及び左第2ワイヤの係合部とのうちの一つを残し、残りの3つと前記補助係合部とが係合することにより正接続状態及び逆接続状態の他方が現出されるように、
前記接続切換機構を構成してある歩行型作業機。
【請求項2】
正接続状態及び逆接続状態の中間状態が設定されると、前記右及び左第1ワイヤの操作を阻止する牽制手段を備えてある請求項1に記載の歩行型作業機。
【請求項3】
前記接続切換機構を操縦ハンドルの基部に備えてある請求項1又は2に記載の歩行型作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−52557(P2008−52557A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−229232(P2006−229232)
【出願日】平成18年8月25日(2006.8.25)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【出願人】(592242327)日本フレックス工業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】