説明

歯の白色化を維持または向上するための組成物、方法、デバイスおよびキット

被験体における歯の白さを維持または高めるための組成物、方法、デバイスおよびキットが開示される。この方法は、第1の歯の白色化組成物をこの被験体の歯に所定の期間にわたって塗布する工程、第2の歯の白色化組成物を所定の間隔でこの被験体の歯に塗布する工程を包含し、ここで、この第1の歯の白色化組成物および第2の歯の白色化組成物のうちの少なくとも一方は、歯科用送達デバイスから分与される。キットは、第1の歯の白色化組成物および第2の歯の白色化組成物を含み、各組成物は、酸化剤を含む。第1の歯の白色化組成物の酸化剤は、第2の歯の白色化組成物より多い量で存在し、第2の歯の白色化組成物は、第1の歯の白色化組成物の歯の白色化効果を維持するかまたは高める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
歯の白色化を維持または向上するための組成物、方法、デバイスおよびキットが開示される。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
白い歯は、美的に望ましいと久しくみなされてきた。残念ながら、血液のような内的原因、アマルガム修復材およびテトラサイクリンのような抗生物質に加えて、食物中、飲料中、タバコ中および唾液中の色素形成性(色を与える)物質の存在により、介入なしには、歯はほとんど常に変色する。一般的に、染色した外見を示すことの原因となる歯の構造は、エナメル質、象牙質、および獲得被膜である。
【0003】
歯の染色を除去および破壊するために利用可能な化学的戦略の中でも最も効果的な組成物は、色素形成性分子を、無色にさせるか、水溶性にさせるか、もしくは両方のような方法で攻撃するための、酸化剤(例えば、過酸化水素)を含む。患者の歯を白色化するための最もよく知られたアプローチの1つにおいて、歯科の専門家は、患者のために、その患者の生歯から作られた型穴から特注の歯の漂白用トレイを構築し、そして、その歯の漂白用トレイ中に分注されて歯の染色の重症度に依存して約2週間〜約6ヶ月の範囲の期間にわたって断続的に装着されるべき、酸化ゲルの使用を処方する。これらの酸化用組成物は、通常、小さなプラスチックシリンジ中に装填され、患者によって、特注の歯の漂白用トレイ中に直接的に分注され、約60分より長い接触時間の間、および、ときには8〜12時間程の長さで、口中で所定の位置に配置される。この漂白の遅い速度は、大部分、正に、酸化用組成物の安定性を維持するために開発された処方物の性質の結果である。
【0004】
現在行われているように、漂白用組成物へ歯を長く曝露することは、歯の感受性という有害作用に加えて、多くの有害作用を有する。これらの有害作用としては、以下が挙げられる:5.5未満のpHでの、脱塩を伴うエナメル質層からのカルシウムの可溶化;漂白剤によるインタクトなエナメル質および象牙質の穿孔、これは結果として生きた歯の髄質へと達し、それによって歯髄組織に損傷を与える危険がある;そして、唾液による漂白用組成物の希釈、これは歯科用トレイからの浸出およびその後の摂取という結果となる。
【0005】
曝露時間を短縮するため、歯科の専門家は、歯科医院の設定において患者の歯の表面に直接的に塗布される酸化用組成物を使用した歯の白色化処置(一般的に、比較的高濃度の酸化剤による処置)を提供し始めた。理論的に、このような歯の白色化の戦略は、より迅速な結果および全体的な患者の満足をもたらすという利点を有する。所内手順は、より速やかでより効果的であることが見出されたが、ときには、患者は、この所内手順の前の元の歯のくすみへと速やかに後戻りしてしまうことに不満を有する。維持生成物が、歯の白色化効果を延長するのを助けるために提供される。しかし、これらの生成物は、多くの場合、歯科用トレイの使用を必要とする。しかし、上記のように、歯科用トレイはわずらわしいものであり、患者のコンプライアンスは、多くの場合よくない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、上記の先行技術の制限を克服する、歯を白色化するための改良された組成物、方法、デバイスおよびキットに対する必要性が存在する。特に、歯を迅速かつ安全に白色化し得る一方で患者が容易に遵守できる維持プログラムを提供し得る、歯の白色化組成物および方法に対する必要性が存在する。本明細書に記載される本発明の組成物、方法、デバイス、およびキットは、これらおよび他の必要性を満たす。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
本発明は、歯を白色化するための組成物、方法、デバイス、およびキットに関する。このキットは、所定の時間の間被験体の歯に塗布される第1の歯の白色化組成物、および所定の間隔で被験体の歯に塗布される第2の歯の白色化組成物を備える。ここで、第1の白色化用組成物および第2の白色化用組成物のうちの少なくとも1つは、歯科用送達デバイス中に分注される。
【0008】
本発明の他の組成物、キット、方法、デバイス、特徴、および利点は、以下の図面および詳細な説明を精査することで当業者に明らかになる。このような、さらなる組成物、キット、方法、デバイス、特徴、および利点の全てが本記載中に含まれ、本発明の範囲内であり、そして付随する特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
【0009】
(図面の詳細な説明)
本節は、本発明の好ましい実施形態を詳述する。これらの実施形態は、本発明を説明するために示されるものであり、限定として解釈されるべきではない。本開示は当業者に対するものであり、そして歯の白色化組成物の製造もしくはその使用、またはこのような組成物を使用するためにデバイスにおける手引書ではないので、当業者に公知の基本概念および標準的特徴は、詳しくは示されない。適当な構築材料および成分の選択、操作条件または製造技術などのような概念の詳細は、当業者に公知であり、そして当業者に容易に決定され得る。本発明の実施において必要とされ得るこれらおよび他の概念に関する詳細についての、当業者に公知の適当な教科書および参考文献に注意が向けられる;例えば、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,第4版,第4巻(1992),第13巻(1995),第18巻(1996),John Wiley & Sons,NY;GoldsteinおよびGarber,Complete Dental Bleaching,Quintessence Publishing Co.1995;ならびに上述のJournal of the American Dental Association,第128号,Special Supplement,April 1997。
【0010】
本明細書において使用される場合、語句「歯科従事者」とは、歯科医、他の有資格歯科専門家(例えば、認定された歯科衛生士もしくは認定された歯科助手)、または、歯を白色化するサービスを行うこともしくは歯科の患者に対して指示を与えることを認められた、他の任意の歯科業務の従事者を指す。
【0011】
用語「マトリクス」は、本明細書において、被験体に投与されるための、中に酸化剤が入ったゲル、ペースト、または液体として定義される。
【0012】
本明細書において称される用語「被験体」とは、哺乳動物を意味し、これはヒトおよび家畜動物を包含するが、これらに限定されない。
【0013】
語句「歯の表面」とは、歯の染色された外見に直接的に関与する歯の部分を意味する。用語「歯の表面」とは、一般的に、歯の獲得被膜、プラーク、エナメル質、およびこれらの組み合わせを意味する。
【0014】
本明細書で開示される歯の白色化組成物、方法およびキットは、先行技術の方法およびキットよりも長期の有効な結果を提供する。本発明の一局面において、最初の高強度な歯の白色化組成物が被験体の歯の表面に塗布され、次いでその後、より低い強度の歯の白色化組成物がその処置された歯の表面に塗布される。この第一および第2の歯の白色化組成物は、各々、歯の白色化を引き起こす酸化剤を含む。この第1の歯の白色化組成物は、第2の歯の白色化組成物よりも高濃度の酸化剤を含み得る。第1の歯の白色化組成物の塗布は、最初の有効な歯の白色化処置を提供し得、これは、その後の第2の歯の白色化組成物の塗布によって維持される。あるいは、この第2の歯の白色化組成物は、第1の歯の白色化組成物単独の塗布よりも向上した歯の白色化効果をもたらし得る。
【0015】
本発明の一局面において、上記第1の歯の白色化組成物および/または第2の歯の白色化組成物は、デバイスから分注され得る反応性のゲル中に分散され得る。この歯の白色化組成物は、手の中に保持され得、歯を白色化する必要のある患者によって、または歯科医のような別の人物によって使用されて、患者の口腔に塗布され得る。患者が自身で使用する場合、口中における歯の白色化組成物の配置および接触をガイドする鏡を使用することによって、歯に酸化剤を塗布するために歯の白色化組成物を使用することは、患者にとって都合良いが、必要ではない。
【0016】
歯の白色化組成物は、患者または歯科医によって直接保持され得るか、またあるいは歯の白色化組成物は、ホルダーもしくはそのようなデバイス中に配置され得る。いずれの場合も、歯の白色化組成物は、歯の表面に直接的に接触して配置され得るか。またあるいは、それは最初に送達デバイス(例えば、歯科用トレイまたは歯科用ストリップ)中またはその上に配置され得る。次いで、この送達デバイスは、歯の白色化組成物を口腔中に運んで歯の表面と接触させるために使用される。別の実施形態において、歯の白色化組成物は、歯の表面に直接的に塗布され得、そして、その歯の表面上もしくはそれが塗布された表面上の範囲にその組成物を閉じ込めるため、直ちに送達デバイス(例えば、歯科用トレイもしくはプラスチックストリップ)によって覆われる。なお別の実施形態において、歯の白色化組成物は、口腔表面への塗布の前には比較的低い粘性を有し、送達デバイスからの分注を容易にする。歯の白色化組成物は、口腔表面に塗布される場合、歯の表面と接触するときに粘性を増し、より希釈に耐性のあるゲルを提供する。酸化剤は、時間をかけてゲルから放出される。
【0017】
一実施形態において、本発明の第1の歯の白色化組成物および/または第2の歯の白色化組成物は、反応性のゲルキャリア(responsive gel carrier)およびこのキャリア全体に分散された少なくとも1種の酸化剤から構成される。この酸化剤は、この反応性ゲルキャリア中に溶解され得るか、または単に、不要性の懸濁固体粒子としてこのキャリア中に均一に分散され得る。この酸化剤はまた、この反応性ゲルによって乳化され得、組成物内にそれぞれ別のキャリア相と酸化剤相とを生成する。このエマルジョンは、水中油エマルジョンもしくは油中水エマルジョンのような、キャリア中薬剤エマルジョンもしくは薬剤中キャリアエマルジョンのいずれかであり得る。
【0018】
一実施形態において、上記第1の歯の白色化組成物および/または第2の歯の白色化組成物は、以下を含む:(1)薬学的に受容可能な、反応性ゲルキャリア、(2)この反応性ゲルキャリアに溶解されているか、分散されているか、またはそれ以外の場合には、この反応性ゲルキャリア全体にわたって均一に分布した、歯の表面を白色化するための酸化剤、そして(3)必要に応じて、補助剤(例えば、香料、湿潤剤、甘味料、表面活性剤、pH調整剤、安定剤、二次治療剤(secondary therapeutic agent)、不透明化剤、着色料、および他の生成物改変成分もしくは生成物増強成分)。
【0019】
反応性ゲルキャリアの使用は、歯の表面に塗布される場合、歯の白色化組成物の粘性を増加させ、それによって、より粘性のゲルを形成し、そして酸化剤の歯の表面との接触を増大させる。一旦歯の表面に接触すると、歯の白色化組成物は、唾液中の水分によって、キャリア中に分散された酸化剤を溶解するか、移動させるかまたは活性化することによって、活性化される。したがって、酸化剤は、粘性のゲルから歯の表面へとゆっくりと出て行き、歯を白色化する効果を発揮する。
【0020】
反応性のゲルキャリアによって、先行技術のより粘性の低い、もしくは非反応性の組成物を上回る、より長い酸化剤の歯の表面との接触時間が達成される。したがって、口腔中に分注された後および/もしくは唾液中に溶解された後に歯の表面からすぐ移動してなくなる、より粘性の低い組成物中の酸化剤の濃度のような、より粘性の低い、もしくは非反応性の組成物で考えられる濃度よりも、酸化剤の濃度を低くできる。
【0021】
酸化剤:上記第1の歯の白色化組成物および/または第2の歯の白色化組成物は、同じかまたは異なる酸化剤を含み得る。本発明の第一および/または第2の歯の白色化組成物で使用され得る有用な酸化剤としては、好ましくは、公知の過酸化物、アルカリ金属過炭酸塩、アルカリ金属過ホウ酸塩、またはペルオキシ酸が挙げられる。このような酸化剤としては、過酸化水素、過酸化カルバミド、過酸化カルシウム、過酸化マグネシウム、過酸化亜鉛、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、一過リン酸二ナトリウム、一過リン酸二カリウム、ペルオキシ酸、ペルオキシフタル酸マグネシウム、過ホウ酸ナトリウム、二酸化塩素、および亜塩素酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。他の酸化剤としては、酸化還元酵素およびその対応する基質(例えば、グルコースオキシダーゼおよびグルコース)のような、水と接触して過酸化水素を放出する材料が挙げられる。オゾンもまた、単独、または1種以上の本明細書で列挙される酸化剤と組み合わせて使用され得る。多くの場合、歯の白色化組成物にペルオキシ酢酸のようなペルオキシ酸化合物を使用することが(例えば、テトラサイクリンによって生じた非常に難治性の歯の染色を除去するために試みる場合)所望され得る。ペルオキシ酸は、酸化用組成物内に直接含まれ得る。あるいは、ペルオキシ酸は、歯の表面への塗布の前に、2つ以上の別個の相(その1つは、グリセリルトリアセテートのようなペルオキシ酸前駆体を含み、二番目は上記に列挙した酸化剤のうちの1つを含む)を組み合わせることによって形成され得る。好ましくは、ペルオキシ酸は、酸化剤の塗布の前に歯の表面とペルオキシ酸前駆体とを接触させることによって、インサイチュで形成される。したがって、ペルオキシ酸は、染色された歯の構造上および構造内でのみ形成される。このことは、歯を白色化するプロセスにとって最も有益である。適切なペルオキシ酸前駆体としては、グリセリルトリアセテート、アセチル化アミノ酸、アセチルサリチル酸、ならびにN,N,N’,N’−テトラアセチルエチレンジアミン、酢酸ビニルポリマーおよびコポリマー、アセチルコリン、そして他の生物学的に受容可能なアセチル化化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
酸化剤は、第1の歯の白色化組成物中に以下の量で存在し得る:第1の歯の白色化組成物の重量に対して、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.06重量%、約0.07重量%、約0.08重量%、約0.09重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約7.5重量%、約8.0重量%、約8.5重量%、約9.0重量%、約9.5重量%、約10.0重量%、約10.5重量%、約11.0重量%、約11.5重量%、約12.0重量%、約12.5重量%、約13.0重量%、約13.5重量%、約14.0重量%、約14.5重量%、約15.0重量%、約15.5重量%,16.0重量%、約16.5重量%,17.0重量%、約17.5重量%、約18.0重量%、約18.5重量%、約19.0重量%、約19.5重量%、約20.0重量%、約20.5重量%、約21.0重量%、約21.5重量%、約22.0重量%、約22.5重量%、約23.0重量%、約23.5重量%、約24.0重量%、約24.5重量%、約25重量%、約25.5重量%、約26.0重量%、約26.5重量%、約27.0重量%、約27.5重量%、約28.0重量%、約28.5重量%、約29.0重量%、約29.5重量%、約30.0重量%、約30.5重量%、約31.0重量%、約31.5重量%、約32.0重量%、約32.5重量%、約33.0重量%、約33.5重量%、約34.0重量%、約34.5重量%、約35.0重量%、約35.5重量%、約36.0重量%、約36.5重量%、約37.0重量%、約37.5重量%、約38.0重量%、約38.5重量%、約39.0重量%、約39.5重量%、約40.0重量%、約40.5重量%、約41.0重量%、約41.5重量%、約42.0重量%、約42.5重量%、約43.0重量%、約43.5重量%、約44.0重量%、約44.5重量%、約45.0重量%、約45.5重量%、約46.0重量%、約46.5重量%、約47.0重量%、約47.5重量%、約48.0重量%、約48.5重量%、約49.0重量%、約49.5重量%、50重量%。
【0023】
酸化剤は、第2の歯の白色化組成物中に以下の量で存在し得る:第2の歯の白色化組成物の重量に対して、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.06重量%、約0.07重量%、約0.08重量%、約0.09重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約7.5重量%、約8.0重量%、約8.5重量%、約9.0重量%、約9.5重量%、約10.0重量%、約10.5重量%、約11.0重量%、約11.5重量%、約12.0重量%、約12.5重量%、約13.0重量%、約13.5重量%、約14.0重量%、約14.5重量%、約15.0重量%、約15.5重量%、約16.0重量%、約16.5重量%、約17.0重量%、約17.5重量%、約18.0重量%、約18.5重量%、約19.0重量%、約19.5重量%、約20.0重量%、約20.5重量%、約21.0重量%、約21.5重量%、約22.0重量%、約22.5重量%、約23.0重量%、約23.5重量%、約24.0重量%、約24.5重量%、約25重量%、約25.5重量%、約26.0重量%、約26.5重量%、約27.0重量%、約27.5重量%、約28.0重量%、約28.5重量%、約29.0重量%、約29.5重量%、約30.0重量%、約30.5重量%、約31.0重量%、約31.5重量%、約32.0重量%、約32.5重量%、約33.0重量%、約33.5重量%、約34.0重量%、約34.5重量%、約35.0重量%、約35.5重量%、約36.0重量%、約36.5重量%、約37.0重量%、約37.5重量%、約38.0重量%、約38.5重量%、約39.0重量%、約39.5重量%、約40.0重量%、約40.5重量%、約41.0重量%、約41.5重量%、約42.0重量%、約42.5重量%、約43.0重量%、約43.5重量%、約44.0重量%、約44.5重量%、約45.0重量%、約45.5重量%、約46.0重量%、約46.5重量%、約47.0重量%、約47.5重量%、約48.0重量%、約48.5重量%、約49.0重量%、約49.5重量%、約50重量%。
【0024】
本発明の一局面において、第1の歯の白色化組成物は、第2の歯の白色化組成物よりも高いパーセンテージで酸化剤を含む。例えば、第1の歯の白色化組成物は、この第1の歯の白色化組成物の重量に対して約10.0重量%〜約36.0重量%の量で第1の酸化剤を含み得、そして第2の歯の白色化組成物の重量に対して約1.0重量%〜約10.0重量%の量で第2の酸化剤を含み得る。一実施形態において、上記第1の酸化剤は、第1の歯の白色化組成物の重量に対して約15.0重量%の量の過酸化水素であり、そして上記第2の酸化剤は、第2の歯の白色化組成物の重量に対して約5.0重量%の量の過酸化水素である。
【0025】
上記第1の酸化剤は、第1のマトリクス中の第1の歯の白色化組成物全体に分散される。同様に、上記第2の酸化剤は、第2のマトリクス中の第2の歯の白色化組成物全体に分散される。上記第1のマトリクスおよび第2のマトリクスは、キャリア、そして必要に応じて、二次治療剤および/または補助剤を含む。
【0026】
キャリア:上記第一および第2の歯の白色化組成物は、キャリア中において、歯の表面へと送達される。本発明の組成物を生成するのに採用され得るキャリア材料は、口腔衛生において一般的に使用される任意の賦形剤であり、そして酸化剤との適合性および所望の送達形態の放出プロフィール特性に基づいて選択されるべきである。
【0027】
濃化剤(thickener)(例えば、中和されたカルボキシポリメチレンおよび他のポリアクリル酸ポリマーおよびポリアクリル酸コポリマー、ヒドロキシプロピルセルロースおよび他のセルロースエーテル、ポリ(メチルビニルエーテル−co−マレイン酸無水物)の塩、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリ(ビニルピロリドン−co−ビニル酢酸)、二酸化ケイ素、溶融シリカ、ステアリン酸エステルなど)は、第1の歯の白色化組成物および第2の白色化組成物のキャリアとして、有用性を有することが見出される。濃化剤として使用されるポリマーはまた、歯の表面全体にわたる歯の白色化組成物の一様な分布を提供する、被膜形成剤(film−forming agent)として作用し得る。さらなる有用な濃化剤は、本明細書中の開示に基づいて当業者には明らかになることが、理解されるべきである。
【0028】
濃化剤が存在する場合、その濃化剤の量は、選択される型に非常に依存するが、一般的には、組成物の約0.1重量%〜約20.0重量%以上の濃度で、好ましくは組成物の約0.1重量%〜約5重量%の濃度で、組成物中に含まれる。
【0029】
水もまた、第一歯の白色化組成物および/または第二歯の白色化組成物中でキャリアとして作用し得る。水は、第一歯の白色化組成物および/または第二歯の白色化組成物中に、組成物の約60.0重量%〜約99.99重量%の量で存在し得る。より特には、水は、第一歯の白色化組成物および/または第二歯の白色化組成物の約70.0重量%〜約95.0重量%を構成し得る。
【0030】
あるいは、キャリアは、水分の存在に応じて、または温度変化、pH変化、および/もしくはイオン強度変化に応じて、組成物の粘度を変化させる多数の成分を含む、応答性ゲルキャリアであり得る。本発明のキャリアは、水分の存在に対して、または温度変化、pH変化、もしくはイオン強度変化に対して、感受性である1種以上の成分を含み得る。水分の存在に対して感受性である成分の例は、高分子量酸性機能性ポリマーを、ビニルピロリドンポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン(PVP))およびビニルピロリドンコポリマーと組み合わせた、複合体である。驚くべきことに、高濃度のカルボキシポリメチレン水溶液は、PVPの存在下で、約4.0と7.0との間のpH範囲へと調整された場合に通常観察される高い粘性を達成しないことが、見出された。しかし、水で希釈した場合、これらのカルボキシポリメチレン/PVP複合体は、驚くべきことに、ほとんどの水性組成物について予期されるような粘性の減少ではなく、粘性の増加を示す。特に、そのようなカルボキシポリメチレン/PVP複合体は、水溶性塩(アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩およびカリウム塩および/またはアンモニウム塩が挙げられるが、これらに限定されない)の存在下で思いもかけず低い粘性を達成する。水分(例えば、唾液からの水分、または歯表面もしくは歯肉表面に被膜として存在する水分)と接触した際のこの新規な複合体の粘性の増加は、本発明の歯の白色化組成物中に含まれる水分応答性歯科キャリアを処方する際に非常に有用である。
【0031】
水に暴露される前に、応答性ゲルキャリアは、低い粘性を有し、送達デバイスから第一歯の白色化組成物および/または第二歯の白色化組成物の容易な分配を可能にする。カルボキシポリメチレン/PVP複合体キャリアの粘性抑制効果(viscosity depressive effect)は、水溶性塩の存在に依存する。水溶性塩が存在しない場合、複合体キャリアは、高い粘性を示す。本発明の歯の白色化組成物のキャリアにおいて低い粘性を維持する際に使用され得る水溶性塩としては、サッカリンナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムが挙げられるが、これらに限定されず、塩化アンモニウムが、本発明において水溶性塩の供給源として使用され得る。
【0032】
水分感受性ポリマーまたは水分感受性ポリマー複合体は、第一歯の白色化組成物および/または第二歯の白色化組成物の約0.01%(w/w)〜約20%(w/w)の量で存在し得る。より特には、歯の白色化組成物における水分感受性ポリマーまたは水分感受性ポリマー複合体の濃度は、その歯の白色化組成物の約0.01%(w/w)、約0.02%(w/w)、約0.03%(w/w)、約0.04%(w/w)、約0.05%(w/w)、約0.06%(w/w)、約0.07%(w/w)、約0.08%(w/w)、約0.09%(w/w)、約0.1%(w/w)、約0.2%(w/w)、約0.3%(w/w)、約0.4%(w/w)、約0.5%(w/w)、約0.6%(w/w)、約0.7%(w/w)、約0.8%(w/w)、約0.9%(w/w)、約1.0%(w/w)、約1.5%(w/w)、約2.0%(w/w)、約2.5%(w/w)、約3.0%(w/w)、約3.5%(w/w)、約4.0%(w/w)、約4.5%(w/w)、約5.0%(w/w)、約5.5%(w/w)、約6.0%(w/w)、約6.5%(w/w)、約7.0%(w/w)、約7.5%(w/w)、約8.0%(w/w)、約8.5%(w/w)、約9.0%(w/w)、約9.5%(w/w)、約10.0%(w/w)、約10.5%(w/w)、約11.0%(w/w)、約11.5%(w/w)、約12.0%(w/w)、約12.5%(w/w)、約13.0%(w/w)、約13.5%(w/w)、約14.0%(w/w)、約14.5%(w/w)、約15.0%(w/w)、約15.5%(w/w)、約16.0%(w/w)、約16.5%(w/w)、約17.0%(w/w)、約17.5%(w/w)、約18.0%(w/w)、約18.5%(w/w)、約19.0%(w/w)、約19.5%(w/w)、約20.0%(w/w)、約20.5%(w/w)、約21.0%(w/w)、約21.5%(w/w)、約22.0%(w/w)、約23.0%(w/w)、約23.5%(w/w)、約24.0%(w/w)、約24.5%(w/w)、約25%(w/w)、約25.5%(w/w)、約26.0%(w/w)、約26.5%(w/w)、約27.0%(w/w)、約27.5%(w/w)、約28.0%(w/w)、約28.5%(w/w)、約29.0%(w/w)、約29.5%(w/w)、約30.0%(w/w)であり得る。
【0033】
本明細書中で使用される場合、pH感受性ポリマーとは、pHの増加に応じてゲル化する任意のポリマーを意味する。pHおよびイオン強度に対して感受性である水溶性成分の例としては、カルボキシポリメチレン(Carbopol(登録商標)、Noveon)、加水分解されたかまたは加水分解されていないPVP/マレイン酸無水物コポリマー(Gantrez,ISP)、ポリカルボキシレート、ゲランガム(gellan gum)(Gelrite,CP Kelco)、ポリ(メチルメタクリレート−co−メタクリル酸)(例えば、Eudragit,Rohm Pharma)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、およびセルロースアセテートフタレートが挙げられるが、これらに限定されない。適切なポリカルボキシレートとしては、以下の酸のポリマーおよびコポリマー、およびそれらの可溶性塩が挙げられるが、これらに限定されない:アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸(またはマレイン酸無水物)、フマル酸、イタコン酸、アコニチン酸、メサコン酸(mesaconic acid)、シトラコニン酸(citraconic acid)、およびメチレンマロン酸、メリト酸、コハク酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸。
【0034】
本明細書中で使用される場合、温度感受性ポリマーとは、約30℃を超える温度の増加に応答してゲル化する任意のポリマーを意味する。温度感受性成分としては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチル(ヒドロキシエチル)セルロース(イオン性界面活性剤の存在下)、およびポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー(例えば、Pluronic F−127およびF−108、BASF)が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0035】
pH感受性成分またはイオン感受性成分は、第一歯の白色化組成物および/または第二歯の白色化組成物の約0.01%〜約20%の量で存在し得、より好ましくは、歯の白色化組成物の約0.01%〜約10%の量で存在し得る。より特には、歯の白色化組成物におけるpH感受性成分またはイオン感受性成分の濃度は、その歯の白色化組成物の約0.01%(w/w)、約0.02%(w/w)、約0.03%(w/w)、約0.04%(w/w)、約0.05%(w/w)、約0.06%(w/w)、約0.07%(w/w)、約0.08%(w/w)、約0.09%(w/w)、約0.1%(w/w)、約0.2%(w/w)、約0.3%(w/w)、約0.4%(w/w)、約0.5%(w/w)、約0.6%(w/w)、約0.7%(w/w)、約0.8%(w/w)、約0.9%(w/w)、約1.0%(w/w)、約1.5%(w/w)、約2.0%(w/w)、約2.5%(w/w)、約3.0%(w/w)、約3.5%(w/w)、約4.0%(w/w)、約4.5%(w/w)、約5.0%(w/w)、約5.5%(w/w)、約6.0%(w/w)、約6.5%(w/w)、約7.0%(w/w)、約7.5%(w/w)、約8.0%(w/w)、約8.5%(w/w)、約9.0%(w/w)、約9.5%(w/w)、約10.0%(w/w)、約10.5%(w/w)、約11.0%(w/w)、約11.5%(w/w)、約12.0%(w/w)、約12.5%(w/w)、約13.0%(w/w)、約13.5%(w/w)、約14.0%(w/w)、約14.5%(w/w)、約15.0%(w/w)、約15.5%(w/w)、約16.0%(w/w)、約16.5%(w/w)、約17.0%(w/w)、約17.5%(w/w)、約18.0%(w/w)、約18.5%(w/w)、約19.0%(w/w)、約19.5%(w/w)、約20.0%(w/w)、約20.5%(w/w)、約21.0%(w/w)、約21.5%(w/w)、約22.0%(w/w)、約23.0%(w/w)、約23.5%(w/w)、約24.0%(w/w)、約24.5%(w/w)、約25%(w/w)、約25.5%(w/w)、約26.0%(w/w)、約26.5%(w/w)、約27.0%(w/w)、約27.5%(w/w)、約28.0%(w/w)、約28.5%(w/w)、約29.0%(w/w)、約29.5%(w/w)、約30.0%(w/w)であり得る。
【0036】
温度感受性成分は、第一歯の白色化組成物および/または第二歯の白色化組成物の約0.01%〜約20%の量で存在し得、より好ましくは、歯の白色化組成物の約0.01%〜約10%の量で存在し得る。より特には、歯の白色化組成物における温度感受性成分の濃度は、その歯の白色化組成物の約0.01%(w/w)、約0.02%(w/w)、約0.03%(w/w)、約0.04%(w/w)、約0.05%(w/w)、約0.06%(w/w)、約0.07%(w/w)、約0.08%(w/w)、約0.09%(w/w)、約0.1%(w/w)、約0.2%(w/w)、約0.3%(w/w)、約0.4%(w/w)、約0.5%(w/w)、約0.6%(w/w)、約0.7%(w/w)、約0.8%(w/w)、約0.9%(w/w)、約1.0%(w/w)、約1.5%(w/w)、約2.0%(w/w)、約2.5%(w/w)、約3.0%(w/w)、約3.5%(w/w)、約4.0%(w/w)、約4.5%(w/w)、約5.0%(w/w)、約5.5%(w/w)、約6.0%(w/w)、約6.5%(w/w)、約7.0%(w/w)、約7.5%(w/w)、約8.0%(w/w)、約8.5%(w/w)、約9.0%(w/w)、約9.5%(w/w)、約10.0%(w/w)、約10.5%(w/w)、約11.0%(w/w)、約11.5%(w/w)、約12.0%(w/w)、約12.5%(w/w)、約13.0%(w/w)、約13.5%(w/w)、約14.0%(w/w)、約14.5%(w/w)、約15.0%(w/w)、約15.5%(w/w)、約16.0%(w/w)、約16.5%(w/w)、約17.0%(w/w)、約17.5%(w/w)、約18.0%(w/w)、約18.5%(w/w)、約19.0%(w/w)、約19.5%(w/w)、約20.0%(w/w)、約20.5%(w/w)、約21.0%(w/w)、約21.5%(w/w)、約22.0%(w/w)、約23.0%(w/w)、約23.5%(w/w)、約24.0%(w/w)、約24.5%(w/w)、約25%(w/w)、約25.5%(w/w)、約26.0%(w/w)、約26.5%(w/w)、約27.0%(w/w)、約27.5%(w/w)、約28.0%(w/w)、約28.5%(w/w)、約29.0%(w/w)、約29.5%(w/w)、約30.0%(w/w)であり得る。
【0037】
さらに、応答性ゲルキャリアは、歯の白色化組成物の約1.0%〜約99.9%の量、より好ましくは、歯の白色化組成物の約10.0%〜約98.7%の量の、水を含み得る。応答性ゲルキャリアは、さらに、歯白色化組成物の水保持および/またはゲル化温度の改変を補助する、ポリオールを含み得る。ポリオールの例としては、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、マンニトール、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、ラクチトールなどが挙げられるが、これらに限定されない。ポリオールは、歯の白色化組成物中に、約1.0%(w/w)〜約50.0%(w/w)の量で存在し得る。
【0038】
第1の歯の白色化組成物および/または第2の歯の白色化組成物における応答性ゲルキャリアの濃度は、その歯の白色化組成物の約10%(w/w)、約15%(w/w)、約20%(w/w)、約25%(w/w)、約30%(w/w)、約40%(w/w)、約45%(w/w)、約50%(w/w)、約55%(w/w)、約60%(w/w)、約65%(w/w)、約70%(w/w)、約75%(w/w)、約80%(w/w)、約85%(w/w)、約90%(w/w)、約95%(w/w)、約96%(w/w)、約97%(w/w)、約98%(w/w)、約99%(w/w)であり得る。
【0039】
(二次治療剤)
本発明の歯の白色化組成物中に含まれることが企図される二次治療剤としては、抗菌剤、抗炎症剤、歯の減感作剤(tooth desensitizer)、抗う食剤、歯石制御剤、歯表面保護剤および歯肉保護剤、歯着色防止剤、ならびに歯苔に対して有効な因子、口臭に対して有効な因子、歯肉炎に対して有効な因子、歯周病に対して有効な因子、口の潰瘍に対して有効な因子、および口腔の他の疾患に対して有効な因子、口腔の他の病気に対して有効な因子もしくは口腔の他の症状に対して有効な因子が挙げられる。
【0040】
本発明の組成物において有用性を有することが既知であるかまたは予期される適切な抗菌剤としては、口腔において見出される微生物に対して阻害活性を有する化合物が挙げられる。トリクロサン、クロルへキシジン塩(例えば、クロルヘキシジンジグルコネート)、塩化セチルピリジニウム、および臭化ドミフェンなどの化合物が、本発明の組成物において有用な適切な抗菌剤である。
【0041】
適切な抗う食剤としては、フッ素イオン源が挙げられるが、これに限定されない。フッ素源としては、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化カルシウム、フッ化アミン、フッ化第一スズ、モノフルオロリン酸スズが挙げられる。これらの供給源は、約25ppm〜約350ppmのどこかのフッ素イオンを放出するはずである。抗う食剤は、歯の白色化組成物の約0.05重量%〜約3.0重量%、好ましくは約0.2重量%〜約1.0重量%の量で存在し得る。
【0042】
適切な歯石制御剤としては、亜鉛塩(例えば、クエン酸亜鉛三水和物)、および複数のリン酸部分を含む薬剤(例えば、トリポリリン酸ナトリウム)が挙げられるが、これらに限定されない。無機ポリリン酸歯石制御剤としては、ピロリン酸塩(例えば、ピロリン酸二ナトリウム、ピロリン酸二カリウム、ピロリン酸テトラカリウム、ピロリン酸テトラナトリウムおよびその混合物)、ならびに高次ポリリン酸塩(例えば、トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、およびそれらの混合物)が挙げられ得る。う食制御剤として作用し得る有機リン化合物としては、ポリリン酸塩(例えば、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−二リン酸二ナトリウム(EHDP)、メタンジホスホン酸、および2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸)が挙げられる。上記ポリリン酸塩の量は、本発明の歯の白色化組成物の約0.5重量%〜約20.0重量%、好ましくは約1.0重量%〜約8.0重量%、最適には約1.2重量%〜約4.5重量%の範囲であり得る。リン酸塩の代替物として、亜鉛塩が、抗う食剤として使用され得る。最も好ましいのは、クエン酸亜鉛三水和物である。上記亜鉛塩の量は、歯の白色化組成物の約0.5重量%〜約20重量%、好ましくは約1.0重量%〜約8.0重量%、最適には約2.0重量%〜約6.0重量%の範囲であり得る。
【0043】
歯の白色化組成物における二次治療剤の濃度は、歯の白色化組成物の約0.01%(w/w)、約0.02%(w/w)、約0.03%(w/w)、約0.04%(w/w)、約0.05%(w/w)、約0.06%(w/w)、約0.07%(w/w)、約0.08%(w/w)、約0.09%(w/w)、約0.1%(w/w)、約0.2%(w/w)、約0.3%(w/w)、約0.4%(w/w)、約0.5%(w/w)、約0.6%(w/w)、約0.7%(w/w)、約0.8%(w/w)、約0.9%(w/w)、約1.0%(w/w)、約1.5%(w/w)、約2.0%(w/w)、約2.5%(w/w)、約3.0%(w/w)、約3.5%(w/w)、約4.0%(w/w)、約4.5%(w/w)、約5.0%(w/w)、約5.5%(w/w)、約6.0%(w/w)、約6.5%(w/w)、約7.0%(w/w)、約7.5%(w/w)、約8.0%(w/w)、約8.5%(w/w)、約9.0%(w/w)、約9.5%(w/w)、約10.0%(w/w)、約10.5%(w/w)、約11.0%(w/w)、約11.5%(w/w)、約12.0%(w/w)、約13.0%(w/w)、約13.5%(w/w)、約14.0%(w/w)、約14.5%(w/w)、約15.0%(w/w)、約15.5%(w/w)、約16.0%(w/w)、約16.5%(w/w)、約17.0%(w/w)、約17.5%(w/w)、約18.0%(w/w)、約18.5%(w/w)、約19.0%(w/w)、約19.5%(w/w)、約20.0%(w/w)、約20.5%(w/w)、約21.0%(w/w)、約21.5%(w/w)、約22.0%(w/w)、約23.0%(w/w)、約23.5%(w/w)、約24.0%(w/w)、約24.5%(w/w)、約25%(w/w)、約25.5%(w/w)、約26.0%(w/w)、約26.5%(w/w)、約27.0%(w/w)、約27.5%(w/w)、約28.0%(w/w)、約29.0%(w/w)、約29.5%(w/w)、約30.0%(w/w)、約30.5%(w/w)、約31.0%(w/w)、約31.5%(w/w)、約32.0%(w/w)、約32.5%(w/w)、約33.0%(w/w)、約33.5%(w/w)、約34.0%(w/w)、約34.5%(w/w)、約35.0%(w/w)、約35.5%(w/w)、約36.0%(w/w)、約36.5%(w/w)、約37.0%(w/w)、約37.5%(w/w)、約38.0%(w/w)、約38.5%(w/w)、約39.0%(w/w)、約39.5%(w/w)、約40.0%(w/w)、約40.5%(w/w)、約41.0%(w/w)、約41.5%(w/w)、約42.0%(w/w)、約42.5%(w/w)、約43.0%(w/w)、約43.5%(w/w)、約44.0%(w/w)、約44.5%(w/w)、約45.0%(w/w)、約45.5%(w/w)、約46.0%(w/w)、約46.5%(w/w)、約47.0%(w/w)、約47.5%(w/w)、約48.0%(w/w)、約48.5%(w/w)、約49.0%(w/w)、約49.5%(w/w)、約50(w/w)であり得る。
【0044】
(補助成分)
本発明の歯の白色化組成物中に含まれることが企図される補助成分としては、矯味矯臭剤、湿潤剤、甘味剤、界面活性剤、pH調整剤、安定化剤、乳白剤、着色剤、および他の製品改質成分または製品増強成分が挙げられる。
【0045】
適切な矯味矯臭剤としては、植物に由来する油および果実に由来する油(例えば、柑橘油、果実エッセンス、ミント、ペパーミント油、カプサイシン、チョウジ油、ウィンターグリーン油、アニス、パイナップル、ブドウ、イチゴ、ブルーベリー、果実エキス(tutti frutti)、サリチル酸メチル、Hagelin香味料番号640047、Hagelin香味料番号640057、Hagelin香味料番号6710009、Hagelin香味料番号671010などが挙げられるが、これらに限定されない。天然の矯味矯臭剤および人工の矯味矯臭剤が、独立して使用され得るか、または感覚的に受容可能な任意の混合物中で組み合わされ得ることを、当業者は、認識する。
【0046】
適切な湿潤剤としては、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、ラクチトール、マルチトール、および他の糖アルコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、および他の食用ポリ多価アルコール、およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
適切な甘味料としては、スクロース、ラクトース、デキストロース、マルトース、デキストリン、乾燥転化糖、フルクトース、レブロース、ガラクトース、トウモロコシシロップおよびそれらの固形物、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、水素添加デンプン加水分解産物、マルチトール、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファーム、アリテーム、サッカリンおよびその塩、シクラミン酸およびその塩、グリチルリジン、ジヒドロカルコン、タウマチン、モネリン、唾液抽出物などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
適切な界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタンモノオレエートと約20モル〜約60モルのエチレンオキシドとの縮合物(例えば、Tweens」,ICI United States,Inc.の商標)、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの縮合物、およびプロピレングリコールの縮合物(「Pluronics」、BASF−Wyandotte Corp.の商標)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
適切なpH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、二塩基性リン酸ナトリウムおよび三塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸カリウムおよび三塩基性リン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(「TRIS」)、トリエタノールアミン、およびポリエチレンイミンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
第1の歯の白色化組成物および第2の歯の白色化組成物はまた、安定化剤を含み得る。適切な安定化剤としては、1−ヒドロキシエチルジエン−1,1−二リン酸(Dequest 2010)、スズ酸ナトリウム三水和物、スズ酸カリウム三水和物、ピロリン酸ナトリウム(sodium acid pyrophosphate)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DETPA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、アルカリ金属ピロリン酸塩、およびアルカリ金属ポリリン酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。特定の処方物において、1つの成分が、カルシウムキレート剤もしくは安定化剤のいずれかとして作用し得るか、または両方の機能を果たし得る。カルシウムキレート剤は、特に約5.5よりも高い歯表面pHレベルでは、カルシウムイオンの沈殿を防ぐ。カルシウムキレート剤の例としては、当該分野で公知であるカルシウムキレート剤のいずれかが挙げられ、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、およびジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、NTA、DEPTA、EDTAおよびその塩、クエン酸およびその塩、グルコン酸およびその塩、アルカリ金属ピロリン酸塩およびアルカリ金属ポリリン酸塩が挙げられる。いかなる特定の理論にも拘束されないが、リン酸カルシウムの形態でのカルシウム沈殿が、増加したpHにおいて歯の結晶内間隙で生じ、これは、歯の中へのその過酸化物の移動をブロックして、歯の漂白に対して生じる負の影響を伴うことが、提唱される。カルシウムキレート剤は、歯の漂白効果についての関連する観察される改善を伴って、このカルシウムイオン沈殿を防ぎ得る。
【0051】
適切な乳白剤としては、二酸化チタンおよび酸化亜鉛が挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
適切な着色剤としては、FD−C型の色素およびレーキ、果実抽出物および野菜抽出物、二酸化チタンなどが、単独でかまたは組み合わせて挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
本発明において有用なさらなるキャリア、治療剤および補助成分は、Remington’s,The Science and Practice of Pharmacy(2000);Liebermanら、Pharmaceutical Dosage Forms(第2版、1989);Merck Index(第13版)に列挙される。
【0054】
本発明の第1の歯の白色化組成物および/または第2の歯の白色化組成物としてまた利用され得る適切な組成物はまた、米国特許第5,922,307号;同第6,162,055号;同第6,221,341号;および同第6,479,037号;ならびに米国特許出願番号10/434,597(2003年5月9日出願);米国特許出願番号TBA(2003年9月25日出願;発明の名称「Therapeutic Responsive Dental Gel Composition」);および米国仮出願番号60/472,427(2003年5月16日出願)において開示される。
【0055】
第1の歯の白色化組成物および第2の歯の白色化組成物の各々は、一構成要素デバイスまたは多構成要素デバイス(例えば、シリンジ、チューブ、または容器))から、あるいは歯科用送達デバイス(例えば、塗布具(例えば、フェルトペン、ブラシ、ローラーボール、もしくは不織パッド)を備えたペン、ペンシル、または液体スティック)から、投与され得る。第1の歯の白色化組成物および第2の歯の白色化組成物の各々は、送達デバイスから歯科用トレイもしくはストリップ中に分配され得るか、または歯の表面に直接供給され得る。
【0056】
2構成要素デバイスにおいて、1つの歯の白色化組成物からの上記2つの成分の混合が、バッフルを備える多構成要素チューブ(あるいは当該分野ではスタティックミキサーとして公知である)を、チューブを圧迫した際に、上記の区画の各々からの物質が、米国特許第6,536,628号に開示されるように、スタティックミキサーを通るように力を付与され、そしてチューブの1つの出口から出る前に一緒に混合されるように使用して、容易に達成され得る。
【0057】
第1の歯の白色化組成物および/または第2の歯の白色化組成物は、好ましくは、アプリケーター12(例えば、フェルトペン14(図3)、ブラシ16(図14)、ローラーボールまたは不織パッド)を備える分与チューブ、ペンシル、ペンまたは液状スティックのような送達デバイス10(例えば、図2〜4、9および10)中に配置される。1つの実施形態において、送達デバイス10は、1つより多くのアプリケーター12を備え、これはそのデバイス10と取り外し可能に係合され得る。デバイス10がペンまたはペンシルである実施形態において、アプリケーター12は、引込み式であり得、そして/またはキャップ18に格納され得る。本発明の歯の白色化組成物は、デバイス10のレザバ20内に直接格納されても、レザバ20内の取り外し可能なカートリッジ(示さず)(これは、交換または再充填され得る)中に供給されてもよい。送達デバイス10は、歯の白色化組成物を、処置を必要とする口腔表面に、移動路21を(例えば、ペンを通る流動における)毛管現象を通して、または(例えば、クリック機構、ねじりボタンとラチェット機構、もしくはプッシュボタン機構を有する機械的ピストンのような)アクチュエータ22を通して、または放出の真空法を通して、またはデバイスから組成物を移動させるための他の機械的手段を通して分与し得る。アクチュエータ22は、デバイス10の第1の端部24およびデバイス10の第2の端部26におけるアプリケーターに存在し得るか、あるいはアクチュエータ22は、デバイスの側壁28に存在し得る。1つの実施形態において、送達デバイス10は、フェルトペン14アプリケーター12またはブラシ16アプリケーター12備え、本発明の組成物はアクチュエータ22(例えば、クリック機構またはねじり機構)の作用を通してアプリケーター12に分与される。Kotobuke Pencil(日本)は、このような型の送達デバイス10の一製造業者である(例えば、米国特許第第6,176,632号を参照のこと)。
【0058】
好ましくは、デバイス10は、金属要素を含まず(例えば、図10)、より好ましくは、プラスチック要素またはプラスチックでコーティングされた金属要素で作製されたものである。1つの実施形態において、デバイスは、フッ素ポリマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、または本発明の組成物の成分と適合性の他のポリマーから作製される。好ましい実施形態において、歯の白色化組成物と接触するすべてのデバイス要素(すなわち、プランジャー30、レザバ20、移動路21およびアプリケーター12)は、ペルオキシドを含む歯の白色化組成物と密に接触するデバイス10要素の適合性を改善するために、すべてプラスチック要素で(図10を参照のこと)、または歯の白色化組成物と接触する表面をプラスチックでコーティングされた金属要素で(図9を参照のこと)構成される。(図9、10を参照のこと)。
【0059】
レザバ20から組成物を放出させるためにアクチュエータ22に外部圧を適用する際に、歯の白色化組成物は、外部圧により導入される剪断力を受け、粘度が一時的に減少してレザバ20から移動路21を通してアプリケーター12へ組成物の移動が容易にされる。一旦、組成物がアプリケーター12に配置されると、使用者は、歯および/または歯肉に組成物を塗布し分配するためにアプリケーター12を使用して、歯または歯肉の表面に組成物を塗布する。必要に応じて、特定の塗布方法または塗布プロトコルが組成物の作用を最大限に利用するために歯および/または歯肉にデバイス10から組成物を塗布するために使用されるように、指示書のセットが使用者に提供され得る。ねじり機構を用いて、使用者は、送達デバイス10の第1の端部24でアクチュエータ22をねじり、歯の白色化組成物がレザバ20から移動路21を通して他方の端部におけるアプリケーター12へ移動する。プッシュボタンアクチュエータ22を用いて、歯の白色化組成物は、第1の端部24または側壁28のボタンアクチュエータ22を押すこと(これが、組成物をレザバ20から移動路21を通してアプリケーター12へ移動させる)で、口腔表面に送達される。
【0060】
本発明の送達デバイス10は、例えば、アクチュエータ機構22の各クリックまたはねじりによる口腔表面への各塗布の際に、一定用量の歯の白色化組成物を送達し得る。その用量としては、組成物のうちの約0.01ml〜約3.0ml、好ましくは約0.1ml〜約1.0ml、より好ましくは約0.1ml〜0.5ml、そして最も好ましくは組成物のうちの約0.2ml〜約0.3mlが挙げられる。1つの実施形態において、デバイス10から分与される用量は、使用者によって調節され得る。
【0061】
歯の白色化組成物は、上記のような任意の適切な送達デバイス10から分与され得る。例えば、歯の白色化組成物は、オリフィスを通して液体またはゲルの所定量を放出する推進ピストン機構を有するプッシュボタンまたはねじりで作用するペンから、液体または粘性の低いゲルとして分与され得る。まさに記載されているペン型送達デバイス10はまた、必要に応じて、治療用歯科用液体またはゲルが放出されるオリフィスの付近もしくは周囲に有利に配置される一組のブリスル(bristle)を含み得る。治療用液体またはゲルをオリフィスを通しかつ上記ブリスルに放出して、使用者は歯の白色化組成物を歯に直接適用し、それにより、塗布の際に肥厚性のゲルを形成する。あるいは、歯の白色化組成物は、ブラシ(図4)またはフェルトペン(図3)を使用して、口腔表面でこすられ得、このブラシまたはフェルトペンは、それを上記組成物を含むレザバに戻すかまたはレザバの分与部分をクリックもしくはねじることによって、歯の白色化組成物で再び満たされる。
【0062】
本発明はさらに、被験体の歯を白色化する方法に関し、その方法は、第1の歯の白色化組成物を被験体の歯に最初の所定の期間にわたって塗布し、その後第2の歯の白色化組成物を被験体の歯に所定の間隔で塗布する工程を包含する。第1の組成物は、最初の歯の白色化効果を提供し、その効果はそれに続く第2の歯の白色化組成物の塗布により維持または増大される。第1の歯の白色化組成物は、被験体の歯の白色化のための最初の処置として塗布される。第1の歯の白色化組成物は、被験体の歯の表面に、約30秒間〜約2時間、好ましくは約15分間〜約40分間、より好ましくは約25分間〜約35分間、そして最も好ましくは約30分間塗布され得る。第1の歯の白色化組成物は、被験体の歯の表面に1回塗布されても間隔を置いて塗布されてもよい。例えば、第1の歯の白色化組成物は、被験体の歯の表面に3回の20分間隔の間に塗布され得る。1つの実施形態において、第1の歯の白色化組成物は、歯科医院の設備で歯科従事者により、被験体の歯の表面に塗布される。別の実施形態において、被験体は、第1の歯の白色化組成物を被験体自身の歯の表面に塗布する。
【0063】
次いで、第2の歯の白色化組成物が、第1の歯の白色化組成物の歯の白色化効果を維持または増大するために使用され得る。歯科従事者は、第2の歯の白色化組成物を被験体の歯の表面に塗布しても、第1の歯の白色化組成物による最初の処置後にその被験体に第2の歯の白色化組成物を塗布するように指示してもよい。第2の歯の白色化組成物の塗布は、例えば、1回のみ行われても、あるいは定期的に(例えば、1日1回で14日間)行われてもよい。さらに、組成物の塗布は、1日1回より多く、延長された期間にわたって行われ得る。例えば、第2の歯の白色化組成物は、被験体に1日1〜6回、1日間〜180日間の範囲の期間にわたって塗布され得る。1つの実施形態において、その組成物は、1日2回で14日間塗布される。別の実施形態において、その組成物は、1日1回で30日間塗布される。また、本発明の組成物が毎日使用され得ることも意図される。
【0064】
本発明の方法は、歯科従事者が第1の歯の白色化組成物および/または第2の歯の白色化組成物を被験体の歯の表面に塗布することを必要とし得る。あるいは、歯科従事者または指示マニュアルは、被験体に第1の歯の白色化組成物および/または第2の歯の白色化組成物をその被験体の歯の表面に塗布するように指示する。1つの実施形態において、歯科従事者は、歯科医院で第1の歯の白色化組成物を被験体の歯の表面に塗布する。続いて、歯科従事者は、その被験体に第2の歯の白色化組成物を歯科医院の外でその被験体の歯の表面に塗布するように指示する。第1の歯の白色化組成物および/または第2の歯の白色化組成物が歯科医院で塗布される場合、歯科従事者は、組成物の塗布前に、口角鈎および咬合阻止器を被験体の口に配置し得る。さらに、歯科従事者は、特に、その組成物の重量に対して約10.0重量%よりも高い酸化因子濃度を使用する場合、歯肉縁をその酸化因子から保護するために、口腔に防護物質を適用し得る。
【0065】
本発明の方法はさらに、第1の歯の白色化組成物を塗布する前に、被験体が白色化前用の歯磨き粉で歯を磨くことを必要とし得る。
【0066】
本発明の1つの実施形態は、以下の各工程を包含する:
(1)酸化因子から歯肉を保護するための保護物質(BriteSmile,Inc.,Walnut Creek,CAにより供給される)が、まず、歯肉線から始まる上部の第1の小臼歯の歯肉部および第2の小臼歯の歯肉部に塗布され、3秒間硬化される。保護物質は、いかなるピンク色の歯肉組織も曝露されないように十分に厚くあるべきである。隔離範囲の各インチにわたって、標準的な硬化線が任意の所定のスポットあたりわずか3秒間使用されて保護物質が固められ得る。保護物質の塗布は、上部アーチにわたって続けられ、次いで下部アーチに対して繰り返される。
(2)第1の歯の白色化組成物が、歯に1mm〜2mmの厚さで塗布され、必要な場合、任意の余分な唾液が吸引される。約30分後、第1の白色化組成物が、患者の歯から吸引される。
(3)一旦、その手順が終了すると、余分な物質(例えば、コットンロール、隔離物質、光学位置調整装置、余分な保護物質および口角鈎)が、患者から取り除かれる。次いで、歯が、水で十分に洗い流される。
(4)処置中に患者が任意の不快感を感じた場合、または若年成人患者の場合、白色発泡体を用いる無色のフッ化ナトリウム処置または透明無色のフッ化ナトリウムが塗布され得る。
(5)患者は第2の歯の白色化組成物を与えられ、1日2回で14日間その第2の歯の白色化組成物を歯の表面に塗布するように指示される。
【0067】
上記の第1の歯の白色化組成物および第2の歯の白色化組成物は、2成分の歯の白色化システムまたは歯を白色化するためのキットに含まれ得る。1つの実施形態において、そのキットは、組成物の約15.0%(重量/重量)を過酸化水素が占める第1の歯の白色化組成物、および組成物の約5.0%(重量/重量)を過酸化水素が占める第2の歯の白色化組成物、および指示書のセットを備える。指示書のセットは、歯科従事者に第1の歯の白色化組成物を被験体の歯の表面に約30分間塗布するように指示する。その後、その指示書は、歯科従事者に、被験体に第2の歯の白色化組成物を1日2回で14日間塗布するように指示することを提供する。あるいは、その指示書は、歯科従事者の介入を必要とせずに、被験体に塗布手順を直接指示し得る。上記キットの第1の歯の白色化組成物および第2の歯の白色化組成物は、1成分のデバイスまたは多成分のデバイス(例えば、シリンジ、チューブ、または容器)あるいは上記の歯科用送達デバイス中に供給され得る。
【0068】
当業者は、本明細書中の記載に基づいて、本発明を最大限に利用し得ると考えられる。従って、以下の特定の実施例は、単なる例示だえると解釈され、いかなる手段でも本開示の残りの部分を限定するものでない。
【実施例】
【0069】
(実施例1)
以下の第1の歯の白色化組成物を調製した。その組成物は、約15重量%の過酸化水素および1.0重量%の光感作物質の1−ヒドロキシエチリジン−1,1−ジホスホン酸(Dequest 2010、Monsanto Corp.、St.Louis,MO)を含んだ。保管中にその組成物の良好な安定性を維持するために、高純度の水(18.2メガオーム、0.2ミクロンフィルターで濾過した)を使用した。その組成物を、カルボキシポリメチレンポリマー(Carbopol 974P、B.F.Goodrich Co.,Cleveland,Ohio)を用いて、光に関して一貫性のある、流れないゲル状にまで粘性を高めた。グリセリンを、湿潤剤および安定化剤(フリーラジカルスカベンジャーとして)として少量添加し、Carbopol 947Pを水酸化アンモニウムで5.5のpHまで中性にし、透明なチキソトロープゲルの構成物を得た。
【0070】
【化1】


【0071】
プラスチック製の混合チャンバー中で、蒸留水、1−ヒドロキシエチリジン−1,1−ジホスホン酸およびグリセリンを、透明な溶液になるまでテフロン(登録商標)コーティングした混合用へらを用いる攪拌下で混合することにより、上記組成物を得た。次いで、Carbopol 947Pを、混合用へらによりできた渦にゆっくりと入れ、均一なポリマーのスラリーが得られるまで混合させた。最後に、水酸化アンモニウムを、一定の滴下様式で約5分間にわたって、スラリーの粘性が高まりかつ清澄化が生じるまで添加した。pHプローブを定期的に挿入し、正確な5.5のpHが得られるまで水酸化アンモニウムの添加を行った。得られたゲルは、15重量%の過酸化水素を含み、透明度が高くチキソトロープ性(スランピングしない)であった。
【0072】
(実施例2)
以下の第1の歯の白色化組成物を、実施例1の手順に従って調製した。
【0073】
【化2】


【0074】
(実施例3)
虫歯がなく、アマルガムも樹脂ベースの修復材料を含まない、摘出したヒトの歯(HE)を使用して、実施例1の組成物がヒトのエナメル質および象牙質からステインを除去する能力を研究した。その歯を、実施例1の第1の歯の白色化組成物の1mm〜2mm厚保の被膜でコーティングした。歯の色に生じた変化(Δくすみ)を、元のベースラインVITA(登録商標)くすみ値と最終的なVITA(登録商標)くすみ値との間のVITA(登録商標)くすみ差の数値として記録した。
【0075】
【表1−1】

【0076】
【表1−2】


【0077】
(実施例4)
第2の歯の白色化組成物を、以下の式に従って調製した:
【0078】
【化3】


【0079】
(製造方法)
水およびグリセリンを混合し、Dequest 2010、ズス酸カリウム三水和物およびサッカリンナトリウムを添加する;完全に溶解するまで混合する。過酸化水素溶液を添加し、十分に混合する。Carbopolを一度に添加し、強く攪拌して分散させ溶解させる。プラネタリ混合器に移し、滑らかになるまで混合を続ける。水酸化アンモニウムで、少なくとも10分間にわたり滴下し、pHを5.2〜5.5に調整する。PVPwpすべて一度に添加し、滑らかになるまで混合する(Carbopolが中性になった後に現れる粘性のほとんどがなくなるほど十分に混合する)。Cremophor RH−60を加熱して溶解させ、香料を添加し混合する。Cremophor/香料のブレンドを添加し十分に混合し汚す(desecrate)。大きい容器に移すか、あるいはシリンジ、ブラシ、フェルトペンもしくはペン、または他の適切な送達デバイスに充填する。
【0080】
(実施例5)
生活歯(vital tooth)の漂白のために、ブラシ装着ペン(brush−on pen)で供給される、実施例4に提供される処方物である5%過酸化水素ゲルの効能および安全性を研究するために、臨床試験を44人の被験体に行なった。この研究の目的は、白色化ペンの効能ならびに使用の容易さに起因する患者のコンプライアンスを試験することであった。第2の目的は、歯の任意の感受性または口腔の組織に対する生じ得る効果を評価することである。
【0081】
(方法)
調査は、被験体を二つの群AおよびBにわけ、各群は、22人の被験体を含んでいた。群Aおよび群Bの被験体とも病歴および歯の病歴を完了し、インフォームドコンセントの様式も完了していた。この後、インタビュー、口腔試験およびVita Pan Shade Guideを用いた歯のくすみの評価を行なった。Vita Pan Shade Guideに基づいて測定した場合、平均A−3(タブ9)の白色化前のくすみを有する多数を用いてランダムな集団を選択した。妊娠した女性または授乳している女性、ならびに重篤または中程度の歯周病および他のいずれかの医学的合併症または歯の合併症を有する被験体は、除外した。登録すると、陰を記録し、Polaroid SLR 5カメラを使用して写真を撮影した。同じ手術室で、一定の光を維持すること、ならびにカメラの同じ設定を維持することに特別の注意を払った。
【0082】
群Aの患者に、二週間の間、日曜日を除いて毎日、一日に二回ゲルを塗布するという使用説明書を備えたブラシ装着ペンを与えた。群Aの患者には、歯の表面上に薄い被膜を適用することを指示した。この患者は、適用後少なくとも15分間何も飲食しないことを要求した。群Aには、何らかの感受性の問題または他の何らかのコンプライアンスの問題がある場合には、センターと連絡を取ることを指示した。
【0083】
群Bの患者に、二週間の間、日曜日を除いて(これは、センターが閉まっているからである)毎日二回La Jolla BriteSmile Centerを訪れることを指示した。群Bの患者は、La Jolla BriteSmile Centerで臨床調査者によってゲルを配置され、適用後少なくとも15分間は、何も飲食しないという同じ指示書を与えられた。群Bの患者を、感受性および口の過敏の任意の徴候について毎日評価した。
【0084】
群Aおよび群Bに対するくすみの変化を、研究の最後に、以下:B1、A1、B2、D2、A2、C1、C2、D4、A3、D3、B3、A3.5、B4、C3、A4、C4の最も明るいから最も暗いへの順序のVita Pan Shadeを使用して評価した。次いで、これらのくすみに1〜16の数を割り当てた。B1は、数1である。
【0085】
(結果)
この研究は、Vita Shade Guideに基づいて測定した場合、平均5のくすみの改善を示した。感受性、他のいかなる合併症も、いずれの被験体にも表れなかった。
【0086】
効能の結果を、1〜16の数値を用いてVita Pan Shade Guideを使用して分析した。
【0087】
表2は、群Aおよび群Bの平均のくすみの変化の統計値を示す。
【0088】
【表2】

P値は、この集団が、類似していないのではなく、より類似していそうであることおよび患者のコンプライアンスが高かったことを示唆している。
【0089】
表2に示され、図6および7に描かれるように、これらの結果は、実施例4の処方物が、A3およびより暗い患者に対して平均5のくすみを生じ、全サンプルに対して4.5のくすみを生じたことを実証する。
【0090】
口の組織に対する効果を評価し、報告されている感受性を測定することにより安全性を分析した。最後の口腔試験は、唇、口蓋、歯肉粘膜および周辺組織および腺ならびに完全な口腔癌検診を評価した。感受性を、なし、軽度、中程度または重度を、それぞれ0〜3の数値(重度は3である)を与えて報告することにより評価した(図8)。
【0091】
(考察)
ブラシ装着ペンにおける実施例4の5% 過酸化水素の効能を、Vita Pan Guideスコアを使用して群Aおよび群Bの両方に対して測定した。平均のくすみの改善は、両群の間で有意に違わず、A3の患者は、平均5およびそれより暗いくすみであり、全サンプルは、平均4.5のくすみであった。両群とも感受性は、報告されなかった。研究における全ての参加者は、主観的に改善に気が付き、何人かは、ブラシ装着ペンを使用して数日以内に改善に気づき始めたことを示した。
【0092】
任意の他の入手可能な歯のホエアイトニング製品と比較した場合、その結果は、効能および低い割合の感受性に関して有意である。両群のくすみの改善における類似性を仮定すると、このことは、良好な患者のコンプライアンスを示している可能性がある。出口での面接では、患者は、ブラシ装着ペンを1−10の段階(10が最も高い)で8+と評価した。
【0093】
(実施例6)
表3における歯の治療組成物の粘度に対する種々の塩の存在の効果を評価した。
【0094】
【表3】

測定は、約25℃でBrookfield Cone−Plate Viscometerを用いて行なった。その結果を表4に示す。表4に示したように、処方物3および4(それぞれ5.0% Carbopol/5.0% PVPおよび5.0% Carbopol/10.0% PVPを含有する)は、アルカリ金属イオンの存在が有意に減少した。しかし、アルカリ金属イオンは、処方物1および2(これらは、1.0%のPVPと組み合わせたか、またはPVPを含まない5.0% Carbopolを含有する)における粘度に対して有意な効果は有さなかった。
【0095】
【表4】


【0096】
(実施例7)
第2の歯の白色化組成物を、表5の指針に従って調製する。
【0097】
【表5】


【0098】
(実施例8)
実施例7の歯の治療組成物の希釈粘度を、7個の異なるゲルと比較した。測定は、約25℃でBrookfield Cone−Plate Viscometerを用いて行なった。結果を図5に示す。図5において、「BTG」は、実施例7の本発明の組成物を表し、それに対してSWおよびSW Night(Simply WhiteおよびSimply White Night)は、Colgateの市販のブラシ装着製品であって、BSML 15%は、現行のBriteSmile 15% Procedure Gelである。図5に示すように、BTGの粘度は、その組成物を約30%まで希釈するにつれて、約65,000cPのピークまで増加するのに対して、先行技術の組成物の粘度は、希釈するにつれて減少する。
【0099】
(実施例9)
本発明の第2の歯の白色化組成物としての使用に適した1つの成分の歯の白色化処方物の組成物。
【0100】
以下の処方物は、金属イオンの夾雑により引き起こされる不安定化を回避するために、超純粋な成分を利用した。ここで、使用したキレート物質は、EDTA二ナトリウム(9C)、クエン酸(9B)およびピロリン酸ナトリウム(9F)のうちの1つである。pHは、水酸化ナトリウム一水和物(9A、9B、9C)、水酸化アンモニウム(9F、9G)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(9D)およびトリエタノールアミン(9E)のうちの1つを使用して変化させる。Carbopolは、高分子量の架橋ポリアクリル酸濃化剤である。過酸化水素は、酸化剤として使用される。
【0101】
【表6】

1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸およびスズ酸ナトリウム三水和物を、Kynarを被覆したプロペラ型攪拌器を使用して蒸留水に溶解する(必要な場合、最終工程で中和物を溶解するために、十分な水を残しておく)ことにより、上記処方物を調製した。次いで、過酸化水素をこの混合物にゆっくりと添加した。次いで、Carbopol974Pを、攪拌器の羽根を用いて渦を形成しながら、蒸留水/安定剤/過酸化水素混合物にゆっくりと添加した。次いで、この分散物をKynarを被覆した真空二重軌道混合器中に入れ、pH調節剤をゆっくりと添加し、Carbopol974Pの中和に作用させ、最終組成物のpHを調整した。生じた組成物は、透明で、粘稠なゲルであり、ポリエチレン製品のコンタクトライナーを有するホイル/プラスチックラミネートチューブにパッケージングした。
【0102】
(実施例10)
(歯の漂白のインビボでの証明)
25歳〜43歳の6人の志願者を、二つの群に分け、あつらえた歯用のトレイを研究の各参加者に対して作った。
【0103】
1つの群には、実施例9Bの組成物を含む、印をつけていない2オンスのチューブを与え、少量の歯の漂白物質をトレイに配置し、トレイを歯の上に位置づけ、そしてトレイを20分間配置しておくように指示した。患者に、一日二回、一週間の間、合計で14回の処置および280分間の歯の漂白剤曝露時間この手順を繰り返すことを指示した。
【0104】
2番目の群には、10%のカルバミド過酸化物の歯の漂白ゲルを含むオパールのような光彩を放つ、印をつけてない2オンスのチューブを与え、漂白手順の継続時間が60分間であることを除いて上記のように指示した。患者に、一日二回、一週間の間、合計で14回の処置および840分間の歯の漂白剤曝露時間この手順を繰り返すことを指示した。
【0105】
直接的な歯の表面(上側の左側の中央の切歯)の色の測定の結果(処置前および処置後の両方)を、以下の表7に記録する。
【0106】
【表7】

実施例9B群に対する平均ΔEは、7.32であったのに対して、オパールのような光彩を放つ群に対する平均ΔEは、4.73であった。
【0107】
(実施例11)
被験体の歯の表面は、効果的に漂白され、その白さは、以下のプロトコルに従うと、先行技術より長い期間維持した。
【0108】
(材料および方法)
少なくともA3またはそれより暗い約40人の被験体を含む約50人の被験体を、この研究に参加させるために選択する。第1の歯の白色化組成物は、実施例2の処方物を含有する。第2の歯の白色化組成物は、実施例4の処方物を含有し、ペンデバイスで投与される。
【0109】
第1の歯の白色化組成物の塗布は、歯科医院で歯科従事者により行なわれる。くすみの測定は、この研究の開始の前に行い、VITA(登録商標)くすみガイドによって評価する。この被験体は、最初に、白色化前用の歯磨き粉で歯を磨く。次いで、歯科従事者は、被験体の口の中に口角鈎および咬合阻止器を配置する。次に、歯科従事者は、被験体の口腔に障壁材を適用し、第1の歯の白色化組成物中の酸化剤(過酸化水素)から歯肉縁を保護する。第1の歯の白色化組成物は、歯科従事者により被験体の歯の表面に塗布され、約30分間歯の上に残存する。30分後、歯科従事者は、歯の表面から第1の歯の白色化組成物を除去し、口腔から障壁材、口角鈎および咬合阻止器を取り除く。くすみの測定は、その後すぐに再度行なう。最後に、歯科従事者は、被験体に第2の歯の白色化組成物を提供し、被験体に、在宅で一日二回、14日間、第2の歯の白色化組成物を使用するように指示する。被験体は、第1の歯の白色化組成物を用いた最初の処置の後1週間および2週間でさらなるくすみの測定のために、歯科に戻る。
【0110】
本発明の多数の実施形態を記載してきた。それにも関わらず、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の改変がなされ得ることが理解される。従って、他の実施形態は、添付の特許請求の範囲の範囲内であり、本発明の範囲を逸脱することなく、上記組成物、処方物、組合せおよび方法に対して種々の変化がなされ得、上記に含まれる全ての事項が限定的な意味ではなく、例示的な意味として解釈されることが意図される。本明細書中に列挙される全ての特許文献および参考文献が、参考として援用される。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】図1は、先行技術のゲルと比較した、本発明の治療歯科用ゲル組成物(BTG)の粘性(viscometric)特性を示すグラフである。
【図2】図2は、本発明の送達デバイスの一実施形態を示す。
【図3】図3は、本発明の治療歯科用組成物を投与するためのデバイスとして使用され得るフェルト先端のペンを示す。
【図4】図4は、本発明の治療歯科用組成物を投与するためのデバイスとして使用され得るブラシペンを示す。
【図5】図5は、水に希釈された、いくつかのゲル生成物の粘性を示すグラフである。
【図6】図6は、本発明の組成物を使用したA群被験体のくすみの変化を示す棒グラフである。
【図7】図7は、本発明の組成物を使用したB群被験体のくすみの変化を示す棒グラフである。
【図8】図8は、本発明の組成物を使用した患者によって報告された感受性を示す棒グラフである。
【図9】図9は、本発明の送達デバイスの一実施形態の部分断面図を示す。
【図10】図10は、本発明の送達デバイスの一実施形態の部分断面図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験体の歯を白色化する方法であって、該方法は、以下:
第1の歯の白色化組成物を該被験体の歯に所定の期間にわたって塗布する工程;および
第2の歯の白色化組成物を所定の間隔で該被験体の歯に塗布する工程;
を包含し、ここで、該1の歯の白色化組成物および第2の歯の白色化組成物のうちの少なくとも一方は、歯科用送達デバイスから分与される、方法。
【請求項2】
前記第1の歯の白色化組成物は、第1の酸化剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の酸化剤は、過酸化水素、過酸化カルバミド、アルカリ金属ペルオキシド、二酸化塩素、亜塩素酸ナトリウム、アルカリ金属ペルカーボネート、およびアルカリ金属ペルボレートからなる群より選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の酸化剤は、前記第1の歯の白色化組成物の約10.0%〜約36.0%(重量/重量)の量の過酸化水素を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の酸化剤は、前記第1の歯の白色化組成物の約15.0%(重量/重量)の量の過酸化水素を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の歯の白色化組成物は、第1の安定化剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の安定化剤は、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、スズ酸ナトリウム三水和物、酸性ピロリン酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DETPA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、アルカリ金属ピロホスフェートおよびアルカリ金属ポリホスフェートからなる群より選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記所定の期間は、約5分間〜約1時間の範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の歯の白色化組成物は、第2の酸化剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の酸化剤は、過酸化水素、過酸化カルバミド、アルカリ金属ペルオキシド、二酸化塩素、亜塩素酸ナトリウム、アルカリ金属ペルカーボネート、およびアルカリ金属ペルボレートからなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の酸化剤は、第2の歯の白色化組成物の約1.0%〜約10.0%(重量/重量)の量の過酸化水素を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の酸化剤は、第2の歯の白色化組成物の約5.0%(重量/重量)の量の過酸化水素を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の歯の白色化組成物は、第2の安定化剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の安定化剤は、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、スズ酸ナトリウム三水和物、酸性ピロリン酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DETPA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、アルカリ金属ピロホスフェートおよびアルカリ金属ポリホスフェートからなる群より選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記所定の間隔は、約1回/日〜約6回/日の範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
被験体の歯を白色化する方法であって、該方法は、以下:
第1の歯の白色化組成物を該被験体の歯に所定の期間にわたって塗布する工程;および
該被験体に第2の歯の白色化組成物を提供し、所定の間隔で該第2の歯の白色化組成物を塗布するように該被験体を指示する工程;
を包含し、ここで該第1の歯の白色化組成物および第2の歯の白色化組成物のうちの少なくとも一方は、歯科用送達デバイスから分与される、方法。
【請求項17】
前記第1の歯の白色化組成物は、第1の酸化剤を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の酸化剤は、過酸化水素、過酸化カルバミド、アルカリ金属ペルオキシド、二酸化塩素、亜塩素酸ナトリウム、アルカリ金属ペルカーボネート、およびアルカリ金属ペルボレートからなる群より選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の酸化剤は、前記第1の歯の白色化組成物の約10.0%〜約36.0%(重量/重量)の量の過酸化水素を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の酸化剤は、前記第1の歯の白色化組成物の約15.0%(重量/重量)の量の過酸化水素を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の歯の白色化組成物は、第1の安定化剤をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の安定化剤は、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、スズ酸ナトリウム三水和物、スズ酸カリウム三水和物、酸性ピロリン酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DETPA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、アルカリ金属ピロホスフェートおよびアルカリ金属ポリホスフェートからなる群より選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記所定の期間は、約5分間〜約1時間の範囲である、請求項16に記載の方法。
【請求項24】
前記第2の歯の白色化組成物は、第2の酸化剤を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項25】
前記第2の酸化剤は、過酸化水素、過酸化カルバミド、アルカリ金属ペルオキシド、二酸化塩素、亜塩素酸ナトリウム、アルカリ金属ペルカーボネート、およびアルカリ金属ペルボレートからなる群より選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第2の酸化剤は、前記第2の歯の白色化組成物の約1.0%〜約10.0%(重量/重量)の量の過酸化水素を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記第2の酸化剤は、前記第2の歯の白色化組成物の約5.0%(重量/重量)の量の過酸化水素を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記第2の歯の白色化組成物は、第2の安定化剤をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項29】
前記第2の安定化剤は、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、スズ酸ナトリウム三水和物、スズ酸カリウム三水和物、酸性ピロリン酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DETPA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、アルカリ金属ピロホスフェートおよびアルカリ金属ポリホスフェートからなる群より選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記所定の間隔は、約1回/日〜約6回/日の範囲である、請求項16に記載の方法。
【請求項31】
被験体の歯を白色化するためのキットであって、該キットは、以下:
第1の歯の白色化組成物であって、該第1の歯の白色化組成物の約10.0%〜約36.0%の過酸化水素(重量/重量)を含む、第1の歯の白色化組成物;
第2の歯の白色化組成物であって、該第2の歯の白色化組成物の約1.0%〜約10.0%の過酸化水素(重量/重量)を含む、第2の歯の白色化組成物;
該第2の歯の白色化組成物を分与するように構成された歯科用送達デバイス;および
指示書のセット、
を含む、キット。
【請求項32】
前記過酸化水素は、前記第1の歯の白色化組成物の約15.0%(重量/重量)の量で存在する、請求項31に記載のキット。
【請求項33】
前記第1の歯の白色化組成物は、第1の安定化剤をさらに含む、請求項31に記載のキット。
【請求項34】
前記第1の安定化剤は、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、スズ酸ナトリウム三水和物、スズ酸カリウム三水和物、酸性ピロリン酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DETPA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、アルカリ金属ピロホスフェートおよびアルカリ金属ポリホスフェートからなる群より選択される、請求項33に記載のキット。
【請求項35】
前記第1の歯の白色化組成物は、濃化剤をさらに含む、請求項31に記載のキット。
【請求項36】
前記濃化剤は、カルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸のポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースエーテル、ポリ(メチルビニルエーテル−コ−無水マレイン酸)の塩、ポリビニルピロリドン、ポリ(ビニルピロリドン−コ−ビニルアセテート)、二酸化ケイ素、ヒュームドシリカ、ならびにステアリン酸エステルからなる群より選択される、請求項35に記載のキット。
【請求項37】
前記第1の歯の白色化組成物は、第1のアルカリ性pH調節剤をさらに含む、請求項31に記載のキット。
【請求項38】
前記第1のアルカリ性pH調節剤は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム(二塩基性および三塩基性)、リン酸カリウム(二塩基性および三塩基性)、トリポリリン酸ナトリウム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、トリエタノールアミン、およびポリエチレンイミンからなる群より選択される、請求項37に記載のキット。
【請求項39】
前記第1の歯の白色化組成物は、第1の二次治療剤をさらに含み、該第1の二次治療剤は、抗菌剤、抗炎症剤、歯の減感作剤、抗う食剤、歯石コントロール剤、歯および歯肉の表面保護剤、歯の着色防止剤、ならびに歯苔、口臭、歯肉炎、歯周病、口部潰瘍および他の疾患、口腔の苦痛もしくは症状に対して有効な薬剤、からなる群より選択される、請求項31に記載のキット。
【請求項40】
前記過酸化水素は、前記第2の歯の白色化組成物の約5.0%(重量/重量)の量で存在する、請求項31に記載のキット。
【請求項41】
前記第2の歯の白色化組成物は、第2の安定化剤をさらに備える、請求項31に記載のキット。
【請求項42】
前記第2の安定化剤は、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、スズ酸ナトリウム三水和物、酸性ピロリン酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DETPA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、アルカリ金属ピロホスフェートおよびアルカリ金属ポリホスフェートからなる群より選択される、請求項41に記載のキット。
【請求項43】
前記第2の歯の白色化組成物は、第2のアルカリ性pH調節剤をさらに含む、請求項31に記載のキット。
【請求項44】
前記第2のアルカリ性pH調節剤は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム(二塩基性および三塩基性)、リン酸カリウム(二塩基性および三塩基性)、ナトリウムトリポリホスフェート、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、トリエタノールアミン、およびポリエチレンイミンからなる群より選択される、請求項43に記載のキット。
【請求項45】
前記第2の歯の白色化組成物は、第2の二次治療剤をさらに含み、該第2の二次治療剤は、抗菌剤、抗炎症剤、歯の減感作剤、抗う食剤、歯石コントロール剤、歯および歯肉の表面保護剤、歯の着色防止剤、ならびに歯苔、口臭、歯肉炎、歯周病、口部潰瘍および他の疾患、口腔の苦痛もしくは症状に対して有効な薬剤からなる群より選択される、請求項31に記載のキット。
【請求項46】
前記第2の歯の白色化組成物は、水分反応性ゲルキャリアをさらに含む、請求項31に記載のキット。
【請求項47】
前記水分反応性ゲルキャリアは、第2の歯の白色化組成物の約80.0%(w/w)〜約99.99%(w/w)を構成する、請求項46に記載のキット。
【請求項48】
前記水分反応性ゲルキャリアは、水分感受性ポリマー複合体、水、および水溶性塩を含む、請求項46に記載のキット。
【請求項49】
前記水分感受性ポリマー複合体は、カルボキシポリメチレンおよびポリビニルピロリドンを含む、請求項48に記載のキット。
【請求項50】
前記水溶性塩は、サッカリンナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、および塩化アンモニウムからなる群より選択される。請求項48に記載のキット。
【請求項51】
前記水分感受性ポリマー複合体は、前記組成物の約0.01%(w/w)〜約50.0%(w/w)の量で存在する、請求項48に記載のキット。
【請求項52】
前記水分感受性ポリマー複合体は、前記組成物の約0.01%(w/w)〜約10.0%(w/w)の量で存在する、請求項48に記載のキット。
【請求項53】
前記歯科用送達デバイスは、以下:
前記第1の歯の白色化組成物を前記歯の表面に塗布するためのアプリケーター;
アクチュエータ;および
該アプリケーターと該アクチュエータとの間に位置し、かつ該第1の歯の白色化組成物を入れておくために構成されたレザバ、
を備え、
ここで該アクチュエータは、該第1の歯の白色化組成物を該レザバから該アプリケーターに分与するように構成されている、
請求項31に記載のキット。
【請求項54】
前記歯科用送達デバイスは、以下:
前記第2の歯の白色化組成物を前記歯の表面に塗布するためのアプリケーター;
アクチュエータ;および
該アプリケーターと該アクチュエータとの間に位置し、かつ該第2の歯の白色化組成物を入れておくために構成されたレザバ、
を備え、
ここで該アクチュエータは、該第2の歯の白色化組成物を、該レザバから該アプリケーターに分与するために構成されている、請求項31に記載のキット。
【請求項55】
前記アプリケーターは、ブラシ、フェルトペン、ローラーボール、および不織パッドからなる群より選択される、請求項53または54に記載のキット。
【請求項56】
前記アクチュエータは、クリック機構、ねじりとラチェット機構、ならびにプッシュボタンからなる群より選択される、請求項53または54に記載のキット。
【請求項57】
前記アプリケーターはブラシを備え、前記アクチュエータはプッシュボタンを供え、ここで該プッシュボタンは、該ブラシアプリケーターに前記組成物を分与する、請求項53または54に記載のキット。
【請求項58】
前記アプリケーターはブラシを備え、前記アクチュエータはねじり機構を備え、ここで該ねじり機構は、前記組成物を該ブラシアプリケーターに分与する、請求項53または54に記載のキット。
【請求項59】
前記アプリケーターはフェルトペンを供え、前記アクチュエータはプッシュボタンを供え、ここで該プッシュボタンは、前記組成物を該フェルトペンアプリケーターに分与する、請求項53または54に記載のキット。
【請求項60】
前記アプリケーターはフェルトペンを備え、前記アクチュエータはねじり機構を備え、ここで該ねじり機構は、前記組成物を該フェルトペンアプリケーターに分与する、請求項53または54に記載のキット。
【請求項61】
2成分の歯の白色化システムであって、該システムは、以下:
以下を含む、第1の歯の白色化組成物:
該第1の歯の白色化組成物の約10.0%〜約36.0%の過酸化水素(重量/重量);および
該第1の歯の白色化組成物の約64.0%〜約90.0%のキャリア(重量/重量);ならびに
以下を含む、第2の歯の白色化組成物:
該第2の歯の白色化組成物の約1.0%〜約10.0%の過酸化水素(重量/重量);および
該第2の歯の白色化組成物の約90.0%〜約99.0%の水分反応性ゲルキャリア(重量/重量)、
を含む、システム。
【請求項62】
液体経口治療用歯科組成物であって、該組成物は、口腔表面に塗布した後に水分と接触すると粘性を増し、かつ該組成物は、以下:
水分感受性ポリマー複合体および水溶性塩を含む水分反応性ゲルキャリア;ならびに
該反応性ゲルキャリア中に分散されている治療剤、
を含む、組成物。
【請求項63】
前記水分反応性ゲルキャリアは、熱反応性ポリマーをさらに含む、請求項62に記載の組成物。
【請求項64】
前記水分反応性ゲルキャリアは、pH反応性ポリマーもしくは鉄反応性ポリマーをさらに含む、請求項62に記載の組成物。
【請求項65】
前記治療剤は、抗菌剤、歯の白色化剤、抗炎症剤、歯の脱感作剤、抗う食剤、歯石コントロール剤、歯および歯肉の表面保護剤、歯の着色防止剤、ならびに歯苔、口臭、歯肉炎、歯周病、口部潰瘍および他の疾患、口腔の苦痛もしくは症状に対して有効な薬剤からなる群より選択される、請求項62に記載の組成物。
【請求項66】
前記治療剤は、歯の白色化剤を含む、請求項62に記載の組成物。
【請求項67】
前記歯の白色化剤は、アルカリ金属ペルカーボネート、過酸化カルバミド、ナトリウムペルボレート、過硫酸カリウム、過酸化カルシウム、過酸化亜鉛、二酸化塩素、亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素錯体、過酸化水素およびこれらのいずれかの混合物からなる群より選択される、請求項66に記載の組成物。
【請求項68】
前記歯の白色化剤は、約0.01%(w/w)〜約20.0%(w/w)の過酸化水素を含む、請求項66に記載の組成物。
【請求項69】
前記歯の白色化剤は、約2.0%(w/w)〜約30.0%(w/w)の過酸化カルバミドを含む、請求項66に記載の組成物。
【請求項70】
前記組成物の約10.0%(w/w)〜約98.7%(w/w)の量で存在する水をさらに含む、請求項62に記載の組成物。
【請求項71】
前記水分反応性ゲルキャリアは、前記組成物の約80.0%(w/w)〜約99.99%(w/w)を構成する、請求項62に記載の組成物。
【請求項72】
前記水分感受性ポリマー複合体は、カルボキシポリメチレンおよびポリビニルピロリドンを含む、請求項62に記載の組成物。
【請求項73】
前記水溶性塩は、サッカリンナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、および塩化アンモニウムからなる群より選択される、請求項62に記載の組成物。
【請求項74】
前記温度感受性ポリマーは、メチルセルロースを含む、請求項63に記載の組成物。
【請求項75】
前記温度感受性ポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む、請求項63に記載の組成物。
【請求項76】
前記温度感受性ポリマーは、ポリ(オキシエチレン)−ポリ(オキシプロピレン)ブロックコポリマーを含む、請求項63に記載の組成物。
【請求項77】
前記水分感受性ポリマー複合体は、前記組成物の約0.01%(w/w)〜約50.0%(w/w)の量で存在する、請求項62に記載の組成物。
【請求項78】
前記水分感受性ポリマーは、前記組成物の約0.01%(w/w)〜約10.0%(w/w)の量で存在する、請求項62に記載の組成物。
【請求項79】
被験体の口腔中の状態を処置するための治療用歯科用送達デバイスであって、該デバイスは、以下:
液体経口治療用歯科組成物;
該口腔に該組成物を塗布するためのアプリケーター;
アクチュエータ;および
該アプリケーターと該アクチュエータとの間に位置し、かつ該組成物を入れておくように構成されたレザバ、
を備え、ここで該アクチュエータは、該組成物を該レザバから該アプリケーターに分与するために構成されている、デバイス。
【請求項80】
前記治療用歯科組成物は、水分反応性ゲルキャリアおよび該水分反応性ゲルキャリア中に分散されている治療剤を含む、請求項79に記載のデバイス。
【請求項81】
前記水分反応性ゲルキャリアは、水分感受性ポリマー複合体および水溶性塩を含む、請求項80に記載のデバイス。
【請求項82】
前記アプリケーターは、ブラシ、フェルトペン、ローラーボール、および不織パッドからなる群より選択される、請求項79に記載のデバイス。
【請求項83】
前記アクチュエータは、クリック機構、ねじりとラチェット機構、およびプッシュボタンからなる群より選択される、請求項79に記載のデバイス。
【請求項84】
前記アプリケーターはブラシを備え、前記アクチュエータはプッシュボタンを備え、ここで該プッシュボタンは、前記組成物を該ブラシアプリケーターに分与する、請求項79に記載のデバイス。
【請求項85】
前記アプリケーターはブラシを備え、前記アクチュエータはねじり機構を備え、ここで該ねじり機構は、前記組成物を該ブラシアプリケーターに分与する、請求項79に記載のデバイス。
【請求項86】
前記アプリケーターはフェルトペンを備え、前記アクチュエータはプッシュボタンを備え、ここで該プッシュボタンは、前記組成物を該フェルトペンアプリケーターに分与する、請求項79に記載のデバイス。
【請求項87】
前記アプリケーターはフェルトペンを備え、前記アクチュエータはねじり機構を備え、ここで該ねじり機構は、前記組成物を該フェルトペンアプリケーターに分与する、請求項79に記載のデバイス。
【請求項88】
前記水分感受性ポリマー複合体は、カルボキシポリメチレンおよびポリビニルピロリドンを含む、請求項81に記載のデバイス。
【請求項89】
前記治療剤は、ペルオキシドを含む、請求項80に記載のデバイス。
【請求項90】
前記治療剤は、過酸化水素を含む、請求項80に記載のデバイス。
【請求項91】
前記治療剤は、過酸化カルバミドを含む、請求項80に記載のデバイス。
【請求項92】
前記組成物は、約0.01ml〜1.0mlの量で存在する、請求項79に記載のデバイス。
【請求項93】
被験体の口腔中の状態を処置するための治療用歯科用ペンであって、該ペンは、以下:
水分反応性ゲルキャリアおよび該反応性ゲルキャリア中に分散されている治療剤を含む液体経口治療用歯科組成物であって、ここで該ゲルキャリアは、カルボキシポリメチレンおよびポリビニルピロリドンを含むポリマー複合体、ならびに水溶性塩を含むポリマー複合体を含む、液体経口治療用歯科組成物;
該口腔に該組成物を塗布するためのブラシが付いているアプリケーター;
プッシュボタン;および
該アプリケーターと該プッシュボタンとの間に位置し、かつ該組成物を入れておくために構成されたレザバ、
を備え、ここで該プッシュボタンは、該組成物を、該レザバから該アプリケーターに分与するために構成されている、ペン。
【請求項94】
前記治療剤は、ペルオキシドを含む、請求項93に記載のペン。
【請求項95】
前記治療剤は、過酸化水素を含む、請求項93に記載のペン。
【請求項96】
前記治療剤は、過酸化カルバミドを含む、請求項93に記載のペン。
【請求項97】
歯科治療用キットであって、以下:
水分反応性ゲルキャリアおよび治療剤を含む、液体経口治療用歯科組成物;
以下を備える送達デバイス:
該口腔に該組成物を塗布するためのアプリケーター;
アクチュエータ;および
該アプリケーターと該アクチュエータとの間に位置し、かつ該組成物を入れておくために構成されたレザバであって、ここで該アクチュエータが、該組成物を、該レザバから該アプリケーターに分与するために構成されている、レザバ;ならびに
指示書のセット、
を含む、歯科治療用キット。
【請求項98】
歯の白色化が必要な被験体の歯を白色化するための方法であって、該方法は、以下:
水分反応性ゲルキャリアおよび該反応性ゲルキャリア中に分散されている治療剤を含む治療用歯科組成物を提供する工程であって、ここで該ゲルキャリアは、カルボキシポリメチレンおよびポリビニルピロリドンを含むポリマー複合体、ならびに水溶性塩を含む、工程;ならびに
該組成物を該被験体の歯に塗布する工程、
を包含する、方法。
【請求項99】
被験体の歯を白色化する方法であって、該方法は、以下:
歯の白色化組成物を該被験体の歯に、以下:
該歯の白色化組成物を該口腔に塗布するためのアプリケーター;
アクチュエータ;および
該アプリケーターと該アクチュエータとの間に位置し、かつ該組成物を入れておくために構成されたレザバであって、ここで該アクチュエータは、該組成物を、該レザバから該アプリケーターに移動チャネルを通って分与するために構成されている、レザバ、
を備えるデバイスで塗布する工程、
を包含する、方法。
【請求項100】
前記デバイスはプラスチックを含む、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記歯の白色化組成物と接触している前記デバイスの構成要素は、プラスチックコーティングを含む、請求項99に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−515385(P2007−515385A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521979(P2006−521979)
【出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【国際出願番号】PCT/US2004/024070
【国際公開番号】WO2005/011582
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.POLAROID
【出願人】(504291672)ブライトスマイル ディベロップメント インコーポレイティッド (1)
【Fターム(参考)】