説明

歯の脱灰抑制剤及び口腔用組成物

【解決手段】(A)アラビトールと、(B)イソプロピルメチルフェノールとからなり、(A)/(B)の質量比が10〜700であることを特徴とする歯の脱灰抑制剤、及びこの歯の脱灰抑制剤を含有してなることを特徴とする口腔用組成物。
【効果】本発明の歯の脱灰抑制剤は、う蝕原性菌によるバイオフィルムからの酸産生を抑制する効果が高く、バイオフィルムが形成されていてもう蝕原性菌による歯の脱灰を大幅に抑制することができる。本発明の歯の脱灰抑制剤を配合した口腔用組成物は、歯の脱灰抑制効果に優れ、製剤安定性も良好であり、う蝕の発症及び進行を効果的に予防するのに有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、う蝕原性菌によるバイオフィルムからの酸産生量を抑制し、歯の脱灰を著しく抑制できる歯の脱灰抑制剤、及び歯の脱灰抑制効果に優れ、製剤安定性も良好であり、歯質の耐酸性能を改善してう蝕の発症と進行を効果的に予防することができる口腔用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
歯のエナメル質や象牙質は、口腔内細菌により産生された酸に晒されるとミネラル成分を失い、う蝕が発症又は進行する。しかし、う蝕表層に明確な欠損がなく、う蝕内部のミネラルイオンのみが溶出した初期う蝕の状態であれば、適切な口腔ケアによって初期う蝕内部にミネラルイオンが供給され、再石灰化と呼ばれる反応によって元の状態に改善することが知られている。
【0003】
従って、う蝕の発症又は進行を予防するために歯質の耐酸性能をより向上させることが望まれており、従来技術として、歯質の耐酸性効果を高める成分を活用した技術や、酸を産生するう蝕原生細菌の殺菌剤の開発が行われている。
【0004】
このような技術として、例えば、リン酸エステル又はポリマーによる歯面コーティング技術(特許文献1,2;特開平05−320032号公報、特開2005−200345号公報)、アルミニウムとフッ化物による歯質保護技術(特許文献3,4;特開平05−155746号公報、特開平06−298632号公報)等が提案されているが、これらは歯面への吸着力や長時間保持の制御が困難であるという課題がある。また、茶抽出物による歯質強化技術(特許文献5;特開2005−29496号公報)や亜鉛による耐酸性技術(特許文献6;特開平11−228368号公報)等が提案されているが、この技術では、う蝕の発生する部位にはバイオフィルムが存在するために十分な薬剤が歯面に到達されない。
【0005】
一方、口腔内細菌のバイオフィルムの殺菌という観点では、トリクロサンを配合した技術(特許文献7,8;特開平06−287120号公報、特開平02−001402号公報)や塩化ベンザルコニウムを配合した技術(特許文献9;特開平11−246314号公報)、クロロヘキシジンを配合した技術(特許文献10;特開平20−023337号公報)等が提案されているが、これらは特に浮遊菌に対して効果が高いものの、バイオフィルム中の細菌への十分な殺菌力が発揮されるとは言えない。殺菌活性を高める技術(特許文献11〜13;特許第3717960号公報、特許第3803695号公報、特許第3968131号公報)や口腔内への殺菌剤の滞留性を高める技術(特許文献14;特許第3429065号公報)も提案されているが、生育したバイオフィルムへの薬効については示されていない。バイオフィルム内に浸透して殺菌することが知られるイソプロピルメチルフェノールは、歯周原性菌に対しては殺菌効果が高いが、う蝕原性菌に対しては効果が十分でなく、酸産生能を満足に抑制することは難しい。
【0006】
従って、う蝕原性菌によるバイオフィルムから産生される酸を抑制し、う蝕の発症又は進行を予防できる新たな技術が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平05−320032号公報
【特許文献2】特開2005−200345号公報
【特許文献3】特開平05−155746号公報
【特許文献4】特開平06−298632号公報
【特許文献5】特開2005−29496号公報
【特許文献6】特開平11−228368号公報
【特許文献7】特開平06−287120号公報
【特許文献8】特開平02−001402号公報
【特許文献9】特開平11−246314号公報
【特許文献10】特開平20−023337号公報
【特許文献11】特許第3717960号公報
【特許文献12】特許第3803695号公報
【特許文献13】特許第3968131号公報
【特許文献14】特許第3429065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、口腔内のう蝕原生菌のバイオフィルムから産生される酸を効果的に抑制し、歯の脱灰の抑制効果に優れた歯の脱灰抑制剤、及び優れた歯の脱灰抑制効果を有し、製剤安定性も良好であり、歯質の耐酸性能を改善してう蝕の発症又は進行を予防することができる口腔用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、(A)アラビトールと、(B)イソプロピルメチルフェノールとを特定の比率で組み合わせることによって、う蝕原性菌のバイオフィルムから産生される酸産生量を抑え、酸による歯の脱灰を大幅に抑制できる優れた歯の脱灰抑制剤が得られること、更に、この脱灰抑制剤を配合した口腔用組成物は、う蝕原性菌のバイオフィルムから産生される酸による歯の脱灰抑制効果に優れ、保存安定性も良好となることを見出し、本発明をなすに至った。
【0010】
本発明では、イソプロピルメチルフェノールにアラビトールを適切な割合で組み合わせて配合することによって、これら成分が相乗的に作用し、意外にもイソプロピルメチルフェノール由来の殺菌効果が格段に向上してう蝕原性菌への高い殺菌効果が発揮され、う蝕原性菌によるバイオフィルムが形成されていても、その薬剤バリア機能が低下してう蝕原性菌から産生される酸産生量を抑制する高い効果が発揮される。更に、本発明の歯の脱灰抑制剤を液体口腔用組成物に配合すること、更に好ましくは界面活性剤を配合することにより、歯の脱灰抑制効果に優れ、かつ長期保存しても変色や白濁が生じることがない良好な保存安定性が得られることを見出し、本発明をなすに至った。このような本発明の格別な作用効果は、後述の実施例の実験結果からも明確であり、イソプロピルメチルフェノールとアラビトールのいずれかの成分を欠いたり、アラビトールの代わりに他の糖アルコールのキシリトールやソルビトールなどを配合した場合、あるいは両成分の配合比が不適切な場合は、いずれかの効果に劣り、本発明の目的を達成することはできない。
【0011】
従って、本発明は、(A)アラビトールと、(B)イソプロピルメチルフェノールとからなり、(A)/(B)の質量比が10〜700であることを特徴とする歯の脱灰抑制剤、及び上記の歯の脱灰抑制剤を含有してなることを特徴とする口腔用組成物を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の歯の脱灰抑制剤は、う蝕原性菌によるバイオフィルムからの酸産生を抑制する効果が高く、バイオフィルムが形成されていてもう蝕原性菌による歯の脱灰を大幅に抑制することができる。本発明の歯の脱灰抑制剤を配合した口腔用組成物は、歯の脱灰抑制効果に優れ、製剤安定性も良好であり、う蝕の発症及び進行を効果的に予防するのに有効である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の歯の脱灰抑制剤は、(A)アラビトールと、(B)イソプロピルメチルフェノールとからなることを特徴とする。
【0014】
アラビトールは、D−アラビノース及びL−リキソースを還元して得られる糖アルコールである。アラビトールには、D(+)−アラビトール及びL(−)−アラビトールがあるが、それぞれを単独で使用しても、2種を組み合わせて使用してもよい。
アラビトールとしては、市販品の和光純薬工業社製、関東化学社製、シグマ社製のD(+)−アラビトール及びL(−)−アラビトールを使用できる。
【0015】
イソプロピルメチルフェノールとしては、例えば大阪化成社等から市販されているイソプロピルメチルフェノールなどを使用できる。
【0016】
(A)成分のアラビトールと、(B)イソプロピルメチルフェノールとの配合比(質量比)は、(A)/(B)が10〜700であり、特に50〜400が好ましい。(A)/(B)が10未満では、う蝕バイオフィルムへの殺菌効果が低下して脱灰が進行し、700を超えると、イソプロピルメチルフェノールの殺菌活性が低下し、脱灰抑制効果に劣る。
【0017】
本発明の口腔用組成物は、上記した歯の脱灰抑制剤を配合してなるものである。
ここで、(A)成分のアラビトールの含有量は、組成物全体の1〜30%(質量%、以下同様)、特に2.5〜30%が好ましく、とりわけ歯の脱灰抑制効果が高い点で4〜20%がより好ましい。配合量が1%未満では、歯の脱灰抑制効果が十分に発揮されないことがあり、30%を超えると、イソプロピルメチルフェノールの殺菌活性が低下したり、保存後に着色し良好な保存安定性が得られない場合がある。
【0018】
(B)成分のイソプロピルメチルフェノールの配合量は、組成物全体の0.01〜0.2%、特に脱灰抑制効果と溶解性の点で0.03〜0.1%が好ましい。配合量が0.01%未満では、う蝕原生菌の殺菌が十分でないため歯の脱灰が進行することがあり、0.2%を超えると溶解性の低下により組成物中にオリが発生する場合がある。
【0019】
本発明組成物には、更に、(C)界面活性剤を配合することが好ましい。
(C)成分の界面活性剤としては、通常口腔用組成物に配合されるものであれば特に制限なく使用でき、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられるが、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤を好適に配合できる。
【0020】
界面活性剤としては、例えばN−アシルアミノ酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、グリセリン脂肪酸エステルの硫酸塩などのアニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキロールアミドなどのノニオン界面活性剤などを使用できる。これら界面活性剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0021】
アニオン界面活性剤としては、特に汎用性の点で、N−アシルアミノ酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩などが好適に用いられる。具体的には、発泡性・耐硬水性の点で、ラウロイルサルコシンナトリウム、アルキル鎖の炭素数が10〜16のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムなどを使用できる。
【0022】
ノニオン界面活性剤としては、特に汎用性の点で、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキロールアミド、ソルビタン脂肪酸エステルなどが好適に用いられる。具体的には、アルキル鎖の炭素数が14〜18、エチレンオキサイド平均付加モル数が15〜30のポリオキシエチレンアルキルエーテル、エチレンオキサイド平均付加モル数が40〜100のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキル鎖の炭素数が12〜14のアルキロールアミド、脂肪酸の炭素数が12〜18のソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸の炭素数が16〜18で、エチレンオキサイド平均付加モル数が10〜40のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等を使用できる。
【0023】
(C)成分の界面活性剤の配合量は、組成物全体の0.05〜2%、特に脱灰抑制効果と溶解性を両立させる点で0.2〜1%が好ましい。配合量が0.05%未満では、イソプロピルメチルフェノールが不溶化してしまうことがあり、2%を超えるとイソプロピルメチルフェノールの殺菌活性が低下し、満足な脱灰抑制効果が発揮されない場合がある。
【0024】
本発明の液体口腔用組成物には、更にフッ化物、特にフッ化ナトリウム及び/又はモノフルオロリン酸ナトリウムを配合することが好ましい。本発明では、アラビトールとイソプロピルメチルフェノールとの併用効果によりバイオフィルムの薬剤バリア機能が低下することによって、う蝕予防成分であるフッ化物がバイオフィルム内により浸透しやすくなり、フッ化物の併用によって歯の脱灰を抑制する効果がより向上する。
【0025】
フッ化物の配合量は、特に誤嚥の可能性のある乳幼児や永久歯エナメル質の成熟が進んでいない小児にも使用でき汎用である点から、フッ素として組成物全体の100〜500ppmが好ましい。100ppm未満の場合は脱灰抑制効果の向上が認められない場合があり、500ppmを超えると歯科専門家による推奨濃度でなくなる。
【0026】
本発明の口腔用組成物は、有効性及び安全性の観点から液体製剤に調製することが好ましく、洗口剤、液体歯磨等の歯磨剤、塗布剤等の剤型に調製できるが、特に洗口剤として好適に調製される。
【0027】
本発明の口腔用組成物には、上記各成分に加えて、組成物の剤型に応じて、必要により公知の成分を本発明の効果を妨げない範囲で配合することができる。任意成分としては、例えば、粘結剤、粘稠剤、甘味剤、防腐剤、香料、薬用成分、水等の溶媒などを本発明の効果を損なわない範囲で配合し得る。以下に任意成分の具体例を示すが、本発明の組成物に配合可能な成分はこれらに制限されるものではない。
【0028】
粘結剤としては、例えば、プルラン、ゼラチン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アラビアガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられ、通常、製剤全体に対して0.01〜2%配合することができる。
【0029】
粘稠剤としては、多価アルコールなどが配合され、アラビトールの効果を損ねない範囲内で、アラビトール以外の糖アルコールを配合してもよい。例えばソルビット、70%ソルビット、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等が挙げられる。上記粘稠剤は、通常製剤全体に対して1〜50%配合できる。なお、糖アルコールの配合量は、(A)成分のアラビトールとの合計が1〜60%、特に5〜40%の範囲内が好ましい。
【0030】
甘味剤としては、例えばサッカリンナトリウム、ステビオサイド、ネオヘスペリジンヒドロカルコン、グリチルリチン、ペリラルチン、p−メトキシシンナミックアルデヒド、ソーマチン、パラチノース、エリスリトール、マルチトール、キシリトール等が挙げられる。
【0031】
防腐剤としては、例えばメチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル、安息香酸又はその塩(ナトリウム塩等)、エチレンジアミン四酢酸塩、塩化ベンザルコニウムなどが挙げられる。
【0032】
香料としては、例えば、ペパーミント、スペアミント等の精油、レモン、ストロベリー等のフルーツ系のエッセンス、l−メントール、カルボン、オイゲノール、アネトール、リナロール、リモネン、オシメン、シネオール、n−デシルアルコール、シトロネロール、ワニリン、α−テルピネオール、サリチル酸メチル、チモール、ローズマリー油、セージ油、シソ油、レモン油、オレンジ油等の香料素材が好適である。
【0033】
更に、有効成分として、イソプロピルメチルフェノール、更にはフッ化物に加えて他の薬用成分、具体的にはクロロヘキシジン、トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、グルコン酸亜鉛、クエン酸亜鉛等の殺菌又は抗菌剤、縮合リン酸塩、エタンヒドロキシジホスフォネート等の歯石予防剤、トラネキサム酸、グリチルリチン2カリウム塩等の抗炎症剤、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド等のコーティング剤、デキストラナーゼ、ムタナーゼ等の酵素剤、塩化ナトリウム、乳酸アルミニウム等の収斂剤、硝酸カリウム等の知覚過敏抑制剤などを、薬剤学的に許容できる範囲で使用することができる。
【0034】
本発明組成物には、溶剤として水や、エタノール、プロパノール等の炭素数3以下の低級アルコールなどを配合し得る。溶剤の含有量は、通常30〜95%であり、50〜90%がより好ましい。低級アルコールの含有量は、0〜50%の範囲であり、0〜10%がより好ましい。
【0035】
本発明の口腔用組成物のpHは5〜8であることが好ましく、必要に応じてpH調整剤を使用してpH調整することができる。pH調整剤としては、リン酸又はその塩(リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウムなど)、クエン酸又はその塩(クエン酸ナトリウムなど)、リンゴ酸又はその塩、グルコン酸又はその塩、マレイン酸又はその塩、コハク酸又はその塩、グルタミン酸又はその塩、乳酸、塩酸、酢酸、硝酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。
【実施例】
【0036】
以下、実験例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。下記例中の%はいずれも質量百分率を示す。
【0037】
なお、使用した主原料は、D(+)−アラビトール(和光純薬工業社製、シグマ社製)、L(−)−アラビトール(関東化学社製、純正化学社製)、キシリトール(ロケット・フルーレ社製)、パラチニット(三井製糖社製)、エリスリトール(三菱化学フーズ社製)、ソルビトール(東和化成工業社製)、イソプロピルメチルフェノール(大阪化成社製)、フッ化ナトリウム(ステラケミファ社製)、モノフルオロリン酸ナトリウム(ローディア日華社製)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40)(HCO40;日光ケミカルズ社製)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60)(HCO60;日光ケミカルズ社製)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(80)(RCW80;青木油脂工業社製)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(100)(HCO100;日光ケミカルズ社製)、ポリオキシエチレンセチルエーテル(20)(EMALEX120;日本エマルジョン社製)、ポリオキシエチレンステアリルエーテル(30)(EMALEX630;日本エマルジョン社製)、グリセリン(85%、阪本薬品工業社製)、プロピレングリコール(旭硝子社製)、エタノール(日本アルコール販売社製)である。
【0038】
〔実験例1〕 保存安定性試験
下記に示す組成の液体口腔用組成物(実施例及び比較例の洗口剤)を常法により調製後、PET製の容器に注入した。組成物を恒温室(50℃)で1ヶ月静置した後の安定性を目視で観察し、下記基準で評価した。
【0039】
外観安定性評価基準;
○: 初期品と比較してほとんど変化が認められない
△: 着色(黄色)の程度が増加した
×: 白濁又は沈殿物が認められた
【0040】
〔実験例2〕 バイオフィルム下のヒトエナメル質サンプルにおける脱灰抑制評価
ヒトエナメル質サンプルの調製;
カーボランダム(HP13;(株)松風製)、ペーパーコーン(SHARP−MINI;大木化学工業(株)製)で研磨したヒト抜去歯のエナメル部分を約5mm角に切断した。2×2mmのウィンドウ部を除いてマニキュアで被覆し、ヒトエナメル質サンプルとした。
【0041】
ヒトエナメル質サンプル上でのバイオフィルム作成及び薬剤処置;
ライオン(株)オーラルケア研究所において継代保存(凍結保存)されているストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)ATCC25175株の菌液40μLを、121℃で15分間オートクレーブ滅菌した3質量%のトッドヘーウィットブロース(Becton & Dickinson社製)培養液(THB)4mLに添加し、37℃で一晩嫌気培養(80vol%窒素、10vol%二酸化炭素、10vol%水素)した。培養後、菌液から300μLを採取し、30mLのTHB培地に添加して更に一晩培養した。
再培養後、菌液を遠心分離(10,000rpm、10min)し、上清を廃棄した。沈渣(細菌)に対して、THB培地を添加・再懸濁した後、液量が300mLに保たれた培養槽A(直径90mm×高さ190mm)に、菌数が1×107個/mLになるように懸濁液を接種し、スターラーで撹拌(約100rpmで回転)しながら、37℃、嫌気条件下(95vol%窒素、5vol%二酸化炭素)で一晩培養した。その後、0.5%シュークロースを含有するTHB培養液1,000mLを入れた培養槽Bから、100mL/hの速度で培養槽Aに培養液を供給するとともに、同速度で培養槽Aから培養液を排出した。この工程は連続的に行った。培養槽A内の回転盤(約80rpmで回転)には、ウィンドウ部が上面になるようにヒトエナメル質サンプルを装着し、ウィンドウ部にバイオフィルムを形成させた。
【0042】
上記方法による培養は7日間行い、後半の5日間は以下に示す薬剤処置を行った。即ち、1日2回、バイオフィルムが付着したヒトエナメル質サンプルを培養槽から取り出し、シャーレ(直径35mm×高さ14mm)に移し、液体口腔用組成物5g(下記に示す実施例及び比較例の液体口腔用組成物の調製直後品と50℃で1ヶ月(1M)保存品をサンプルとして使用)に20秒間浸漬した。その後、生理食塩水(大塚製薬社製)5gで1回洗浄後、再び培養槽内に戻した。同操作は、総計10回実施した。
【0043】
ヒトエナメル質サンプルの脱灰抑制評価;
培養終了後、ヒトエナメル質サンプルを十分量のアセトンに浸漬し、バイオフィルム及びサンプルを被覆したマニキュアを除去した。歯の蛍光強度変化を測定することにより初期う蝕の定量が可能なQLF(Quantitative Light−induced Fluorescence;Inspektor Research Systems BV)システムを用いて、ウィンドウ部のΔF値(健全部と比較した時の平均蛍光強度変化量でここでは正の値で示す)を測定し、脱灰の程度を数値化した。各例n=3の平均値を算出し、下記基準で評価した。ΔF値の数値が大きいほど脱灰が進行しているもので、ΔF値が小さいほど脱灰抑制効果が高いことを示す。
【0044】
脱灰程度の評価基準;
ΔF値; 10%未満 A
10%以上 15%未満 B
15%以上 20%未満 C
20%以上 25%未満 D
25%以上 30%未満 E
30%以上、又はう窩が発生 F
【0045】
〔実施例1〕
D(+)−アラビトール(和光純薬工業社製) 4.2
イソプロピルメチルフェノール 0.01
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40) 0.05
ポリオキシエチレンステアリルエーテル(30) 0.2
プロピレングリコール 5.0
サッカリンナトリウム 0.5
リン酸二水素ナトリウム 0.5
香料 0.1
メチルパラベン 0.3
水酸化ナトリウム 適量
蒸留水 残
合計 100%
pH 5.8
【0046】
〔実施例2〕
D(+)−アラビトール(シグマ社製) 4.0
イソプロピルメチルフェノール 0.05
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60) 0.2
プロピレングリコール 3.0
グリセリン 10.0
サッカリンナトリウム 0.3
リン酸二水素ナトリウム 0.6
香料 0.2
メチルパラベン 0.3
エタノール 5.0
水酸化ナトリウム 適量
蒸留水 残
合計 100%
pH 7.1
【0047】
〔実施例3〕
L(−)−アラビトール(関東化学社製) 2.5
イソプロピルメチルフェノール 0.15
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(100) 2.0
プロピレングリコール 2.0
グリセリン 8.0
サッカリンナトリウム 0.6
リン酸一水素ナトリウム 0.4
香料 0.2
メチルパラベン 0.3
エタノール 5.0
塩酸 適量
蒸留水 残
合計 100%
pH 7.7
【0048】
〔実施例4〕
D(+)−アラビトール(シグマ社製) 10.0
イソプロピルメチルフェノール 0.02
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20) 0.3
プロピレングリコール 3.0
グリセリン 5.0
サッカリンナトリウム 0.4
リン酸一水素ナトリウム 0.6
香料 0.2
メチルパラベン 0.3
塩酸 適量
蒸留水 残
合計 100%
pH 6.7
【0049】
〔実施例5〕
D(+)−アラビトール(シグマ社製) 15.0
イソプロピルメチルフェノール 0.05
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60) 0.3
プロピレングリコール 5.0
グリセリン 8.0
サッカリンナトリウム 0.5
リン酸二水素ナトリウム 0.5
香料 0.4
メチルパラベン 0.4
エタノール 5.0
水酸化ナトリウム 適量
蒸留水 残
合計 100%
pH 6.3
【0050】
〔実施例6〕
D(+)−アラビトール(和光純薬工業社製) 5.0
イソプロピルメチルフェノール 0.15
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60) 1.0
プロピレングリコール 3.0
グリセリン 12.0
サッカリンナトリウム 0.5
リン酸二水素ナトリウム 0.5
香料 0.3
メチルパラベン 0.4
エタノール 7.0
水酸化ナトリウム 適量
蒸留水 残
合計 100%
pH 6.0
【0051】
〔実施例7〕
D(+)−アラビトール(和光純薬工業社製) 20.0
イソプロピルメチルフェノール 0.03
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(80) 0.1
プロピレングリコール 3.0
グリセリン 7.0
サッカリンナトリウム 0.5
リン酸二水素ナトリウム 0.5
香料 0.4
メチルパラベン 0.4
水酸化ナトリウム 適量
蒸留水 残
合計 100%
pH 7.5
【0052】
〔実施例8〕
D(+)−アラビトール(シグマ社製) 30.0
イソプロピルメチルフェノール 0.08
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60) 0.5
プロピレングリコール 5.0
グリセリン 10.0
サッカリンナトリウム 0.7
リン酸一水素ナトリウム 0.7
香料 0.4
メチルパラベン 0.4
エタノール 5.0
塩酸 適量
蒸留水 残
合計 100%
pH 6.0
【0053】
〔実施例9〕
L(−)−アラビトール(純正化学社製) 25.0
イソプロピルメチルフェノール 0.2
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(80) 2.0
プロピレングリコール 3.0
グリセリン 8.0
サッカリンナトリウム 0.5
リン酸二水素ナトリウム 0.5
香料 0.4
メチルパラベン 0.4
エタノール 5.0
水酸化ナトリウム 適量
蒸留水 残
合計 100%
pH 5.5
【0054】
〔実施例10〕
D(+)−アラビトール(和光純薬工業社製) 10.0
イソプロピルメチルフェノール 0.05
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60) 0.5
プロピレングリコール 3.0
サッカリンナトリウム 0.5
リン酸二水素ナトリウム 0.5
香料 0.1
メチルパラベン 0.3
エタノール 5.0
水酸化ナトリウム 適量
蒸留水 残
合計 100%
pH 6.4
【0055】
〔実施例11〕
D(+)−アラビトール(和光純薬工業社製) 4.2
イソプロピルメチルフェノール 0.01
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40) 0.05
ポリオキシエチレンステアリルエーテル(30) 0.2
フッ化ナトリウム 0.025
プロピレングリコール 5.0
サッカリンナトリウム 0.5
リン酸二水素ナトリウム 0.5
香料 0.1
メチルパラベン 0.3
水酸化ナトリウム 適量
蒸留水 残
合計 100%
pH 5.8
【0056】
〔実施例12〕
D(+)−アラビトール(シグマ社製) 4.0
イソプロピルメチルフェノール 0.05
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60) 0.2
フッ化ナトリウム 0.05
プロピレングリコール 3.0
グリセリン 10.0
サッカリンナトリウム 0.3
リン酸二水素ナトリウム 0.6
香料 0.2
メチルパラベン 0.3
エタノール 5.0
水酸化ナトリウム 適量
蒸留水 残
合計 100%
pH 7.1
【0057】
〔実施例13〕
L(−)−アラビトール(関東化学社製) 2.5
イソプロピルメチルフェノール 0.15
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(100) 2.0
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.38
プロピレングリコール 2.0
グリセリン 8.0
サッカリンナトリウム 0.6
リン酸一水素ナトリウム 0.4
香料 0.2
メチルパラベン 0.3
エタノール 5.0
塩酸 適量
蒸留水 残
合計 100%
pH 7.7
【0058】
〔実施例14〕
D(+)−アラビトール(シグマ社製) 10.0
イソプロピルメチルフェノール 0.02
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20) 0.3
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.19
プロピレングリコール 3.0
グリセリン 5.0
サッカリンナトリウム 0.4
リン酸一水素ナトリウム 0.6
香料 0.2
メチルパラベン 0.3
塩酸 適量
蒸留水 残
合計 100%
pH 6.7
【0059】
〔実施例15〕
D(+)−アラビトール(シグマ社製) 15.0
イソプロピルメチルフェノール 0.05
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60) 0.3
フッ化ナトリウム 0.05
プロピレングリコール 5.0
グリセリン 8.0
サッカリンナトリウム 0.5
リン酸二水素ナトリウム 0.5
香料 0.4
メチルパラベン 0.4
エタノール 5.0
水酸化ナトリウム 適量
蒸留水 残
合計 100%
pH 6.3
【0060】
〔実施例16〕
D(+)−アラビトール(和光純薬工業社製) 5.0
イソプロピルメチルフェノール 0.15
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60) 1.0
フッ化ナトリウム 0.1
プロピレングリコール 3.0
グリセリン 12.0
サッカリンナトリウム 0.5
リン酸二水素ナトリウム 0.5
香料 0.3
メチルパラベン 0.4
エタノール 7.0
水酸化ナトリウム 適量
蒸留水 残
合計 100%
pH 6.0
【0061】
〔実施例17〕
D(+)−アラビトール(和光純薬工業社製) 20.0
イソプロピルメチルフェノール 0.03
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(80) 0.1
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.08
プロピレングリコール 3.0
グリセリン 7.0
サッカリンナトリウム 0.5
リン酸二水素ナトリウム 0.5
香料 0.4
メチルパラベン 0.4
水酸化ナトリウム 適量
蒸留水 残
合計 100%
pH 7.5
【0062】
〔実施例18〕
D(+)−アラビトール(シグマ社製) 30.0
イソプロピルメチルフェノール 0.08
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60) 0.5
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.15
プロピレングリコール 5.0
グリセリン 10.0
サッカリンナトリウム 0.7
リン酸一水素ナトリウム 0.7
香料 0.4
メチルパラベン 0.4
エタノール 5.0
塩酸 適量
蒸留水 残
合計 100%
pH 6.0
【0063】
〔実施例19〕
L(−)−アラビトール(純正化学社製) 25.0
イソプロピルメチルフェノール 0.2
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(80) 2.0
フッ化ナトリウム 0.025
プロピレングリコール 3.0
グリセリン 8.0
サッカリンナトリウム 0.5
リン酸二水素ナトリウム 0.5
香料 0.4
メチルパラベン 0.4
エタノール 5.0
水酸化ナトリウム 適量
蒸留水 残
合計 100%
pH 5.5
【0064】
〔比較例1〕
D(+)−アラビトール(シグマ社製) 0.4
イソプロピルメチルフェノール 0.1
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60) 0.5
プロピレングリコール 5.0
グリセリン 10.0
サッカリンナトリウム 0.5
リン酸二水素ナトリウム 0.5
香料 0.4
メチルパラベン 0.4
エタノール 5.0
水酸化ナトリウム 適量
蒸留水 残
合計 100%
pH 6.3
【0065】
〔比較例2〕
D(+)−アラビトール(シグマ社製) 30.0
イソプロピルメチルフェノール 0.035
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60) 0.5
プロピレングリコール 5.0
グリセリン 10.0
サッカリンナトリウム 0.5
リン酸二水素ナトリウム 0.5
香料 0.4
メチルパラベン 0.4
エタノール 5.0
水酸化ナトリウム 適量
蒸留水 残
合計 100%
pH 6.3
【0066】
〔比較例3〕
イソプロピルメチルフェノール 0.2
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60) 0.5
プロピレングリコール 5.0
グリセリン 10.0
サッカリンナトリウム 0.5
リン酸二水素ナトリウム 0.5
香料 0.4
メチルパラベン 0.4
エタノール 5.0
水酸化ナトリウム 適量
蒸留水 残
合計 100%
pH 6.3
【0067】
〔比較例4〕
D(+)−アラビトール(シグマ社製) 10.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60) 0.5
プロピレングリコール 5.0
グリセリン 10.0
サッカリンナトリウム 0.5
リン酸二水素ナトリウム 0.5
香料 0.4
メチルパラベン 0.4
エタノール 5.0
水酸化ナトリウム 適量
蒸留水 残
合計 100%
pH 6.3
【0068】
〔比較例5〕
L(−)−アラビトール(純正化学社製) 10.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60) 0.5
プロピレングリコール 5.0
グリセリン 10.0
サッカリンナトリウム 0.5
リン酸二水素ナトリウム 0.5
香料 0.4
メチルパラベン 0.4
エタノール 5.0
水酸化ナトリウム 適量
蒸留水 残
合計 100%
pH 6.3
【0069】
〔比較例6〕
キシリトール 10.0
イソプロピルメチルフェノール 0.05
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60) 0.5
プロピレングリコール 5.0
グリセリン 10.0
サッカリンナトリウム 0.5
リン酸二水素ナトリウム 0.5
香料 0.4
メチルパラベン 0.4
エタノール 5.0
水酸化ナトリウム 適量
蒸留水 残
合計 100%
pH 6.3
【0070】
〔比較例7〕
パラチニット 10.0
イソプロピルメチルフェノール 0.05
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60) 0.5
プロピレングリコール 5.0
グリセリン 10.0
サッカリンナトリウム 0.5
リン酸二水素ナトリウム 0.5
香料 0.4
メチルパラベン 0.4
エタノール 5.0
水酸化ナトリウム 適量
蒸留水 残
合計 100%
pH 6.3
【0071】
〔比較例8〕
エリスリトール 10.0
イソプロピルメチルフェノール 0.05
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60) 0.5
プロピレングリコール 5.0
グリセリン 10.0
サッカリンナトリウム 0.5
リン酸二水素ナトリウム 0.5
香料 0.4
メチルパラベン 0.4
エタノール 5.0
水酸化ナトリウム 適量
蒸留水 残
合計 100%
pH 6.3
【0072】
〔比較例9〕
ソルビトール 10.0
イソプロピルメチルフェノール 0.05
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60) 0.5
プロピレングリコール 5.0
グリセリン 10.0
サッカリンナトリウム 0.5
リン酸二水素ナトリウム 0.5
香料 0.4
メチルパラベン 0.4
エタノール 5.0
水酸化ナトリウム 適量
蒸留水 残
合計 100%
pH 6.3
【0073】
これら実施例及び比較例の組成及び評価結果を表1〜4にまとめて示す。なお、表中のIPMPはイソプロピルメチルフェノール、POEはポリオキシエチレンの略であり、NaFはフッ化ナトリウム、MFPはモノフルオロリン酸ナトリウムを示す。(C)成分中の( )内の数値はエチレンオキサイドの平均付加モル数を示す。
【0074】
【表1】

【0075】
【表2】

【0076】
【表3】

【0077】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)アラビトールと、(B)イソプロピルメチルフェノールとからなり、(A)/(B)の質量比が10〜700であることを特徴とする歯の脱灰抑制剤。
【請求項2】
請求項1記載の歯の脱灰抑制剤を含有してなることを特徴とする口腔用組成物。
【請求項3】
更に、(C)界面活性剤を含有することを特徴とする請求項2記載の口腔用組成物。
【請求項4】
(A)アラビトールの含有量が1〜30質量%、(B)イソプロピルメチルフェノールの含有量が0.01〜0.2質量%、(C)界面活性剤の含有量が0.05〜2質量%であることを特徴とする請求項3記載の口腔用組成物。
【請求項5】
更に、フッ化物を含有することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項記載の口腔用組成物。
【請求項6】
液体製剤として調製される請求項2乃至5のいずれか1項記載の口腔用組成物。

【公開番号】特開2010−215558(P2010−215558A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64112(P2009−64112)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】