説明

歯科用修復要素を製造するためのシステムと装置、及びかかる要素

【課題】 歯科技師及び/または歯科医による最小限の仕上げを必要とするだけの歯冠の製造を可能とし、かつ単一供給者が歯冠に対しことごとく責任を持つことにより高品質を維持できる歯冠の製造のためのシステムを提供する。
【解決手段】 このシステムは識別装置、模型製作装置、注文装置、及び自動製造装置を含み、注文装置により第一情報項目が発生され、その関数として自動製造装置が歯冠のプレスによる製造を実現し、この歯冠が二層からなり、その第一層が歯冠の外部形状を形成する磁器材料からなり、その第二層が磁器材料とは異なる材料、例えば酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等からなりかつキャップを形成し、このキャップが磁器材料内にインレイされることからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は個々に形造られた歯科用修復要素を製造するためのシステムに関する。このシステムは治療場所を識別するための識別装置、模型製作装置、及び一つまたはそれ以上の第一情報項目が識別装置及び/または模型製作装置からまたはそれらの助けにより得られた一つまたはそれ以上の第二情報項目の関数として発生されることができる注文装置を含む。加えて、このシステムは少なくとも実質的に全自動化された製造装置を含み、それはPROCERA(登録商標)形式のものであることができ、第一情報項目を受け、かつ第一情報の関数として少なくとも大部分の歯科用修復要素を実現するように設計されている。
【0002】
本発明はまた、歯冠の形の歯科用修復要素、及び歯科用修復要素の構築の予備段階のための装置に関する。
【背景技術】
【0003】
歯科用製品の製造のための実質的に全自動化された装置/システムは既知であり、この関係で特にPROCERA(登録商標)システムが参照される。また、本特許出願の出願人により得られた特許及び提出された特許出願、特にEP490848及びEP634150も参照される。
【0004】
実質的に全自動化されたシステムの助けにより鋳金、磁器、チタンから歯冠を製造することもまた既知である。SE0203496−5参照。
【0005】
緻密に焼結された酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムのキャップを形成すること及び磁器から鋳造歯冠を形成することもまたそれ自体既知である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
歯科技師(歯科実験室)及び/または歯科医/歯科外科医による最小限の仕上げを必要とするだけの歯冠の製造を可能とする少なからぬ要求がある。これに関連して、通例の仕事、慣例、ノウハウ等に対しかなりの変更をなす必要なしに良く確立された材料及び既知のかつ良く確立された技術及び製造器具が用いられることができることが重要である。製造された歯冠は希望の色を選択されることができなければならない。本発明は特にこれらの問題を解決することを目的とする。
【0007】
歯冠の製造に関して、完成した歯冠の高品質を維持することに対する少なからぬ要求がある。本発明はこの問題も歯冠の及びそれらの部品の単一供給者が歯冠に対しことごとく責任を持つことを提案することにより解決する。例えば仕上げ、精度、意匠等に関しての小さな変更は達成されることができるであろうし、製造される歯冠は均一な制御を受けることができるであろう。この方式での均一制御は、幾つかの当事者が関与し、かつ歯冠製造チェーン内へのそれらのそれぞれの入力に対し責任を持つ場合に比べて実行するのがより容易であるであろう。本発明はこれらの問題も解決する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるシステムを主として特徴付けるものとして考えられる特徴は、導入部に述べた第一情報項目(単数または複数)の関数として、製造装置が一つまたはそれ以上の歯冠の形の一体化された歯科修復要素のプレスまたは加圧鋳造による製造を実現するように設計されており、各歯冠が二層から作られており、その第一層(それもまた幾つかの部分的層から作られることができる)は歯冠の外形または外形の殆どを形成する磁器材料を含むかまたはそれからなり、かつ第二層は磁器材料とは異なる材料、例えば酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等からなるかまたはそれを含み、この材料が磁器材料にインレイされ、かつ高い精度、例えば0.02−0.1mmの精度を持って治療場所の外部形状(例えば歯根の)と合致する内部形状を持つキャップを形成することである。加えて、このシステムはこのようにして製造装置で製造された歯冠が治療場所を処置する及び/またはそれに関連する施設での最終試験及び付与のために移送されることを意図され、このシステムは歯冠の可能な仕上げのため及び適合のための器具へのアクセス手段を所有する。
【0009】
本発明の概念の更なる展開において、特に歯冠に関する上述の第一情報項目(単数または複数)、例えばその外部形状及び内部形状、色等は電子形態で存在すること、及びこのようにして得られた電子情報はデータ通信及び/または通信リンク、例えば公衆網を介して移送されることができることが提案される。一実施態様において、識別装置は実際の歯科場所を記録することができる。その場所に対し設計された歯冠構造はそのときコンピュータ装置の使用者との相互作用で歯冠構造を視覚的に提供することを意図されるコンピュータ装置により発生されることができる。これに代えて、またはコンピュータ装置と組み合わせて、歯冠構築は通常のワックス処理技術により開始されることができる。本発明によるシステムの更なる実施態様は本システムに関する添付従属請求項に記載されている。
【0010】
歯冠の形の歯科修復要素を特徴付けるものとして主として考えられることができる特徴は、歯冠が二層の一体化されたユニットであり、第一層が歯冠の外部形状または外部形状の殆どを形成するかまたはそれに含まれる磁器材料を含むかまたはそれからなり、第二層が磁器材料とは異なる材料、例えば緻密に焼結された酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等からなるかまたはそれを含み、この材料は磁器材料内に置かれかつ非常に高い精度、例えば0.02−0.1mmで治療場所のまたは患者の口内の外部形状(例えば歯根の)と合致する内部形状を持つキャップを形成することである。
【0011】
歯科修復要素の製造の予備段階のための装置を特徴付けるものとして主として考えられることができる特徴は、修復要素が一体化された外部及び内部層を持つ歯冠からなり、外部層は歯冠の外部形状を形成することを意図され、かつ磁器材料からなるかまたはそれを含み、内部層は歯冠/磁器材料の内部キャップを形成することを意図されていることである。減圧下かつ高温度でキャップに対してプレスされることができる磁器材料から作られた円筒状ユニット(パック)の鋳造器具での付与を持つ鋳造工程により磁器材料はキャップの材料と一体化される。
【0012】
上に提案されたものによって、ここまで歯冠の製造のための工程に関与した当事者は市場で協力することができるが、当事者間で実施される種々の方策は広く分布されていない。実質的に全自動化された製造装置は原則として注文及び内部分配に対し同じ日常業務で操作することができる。関連する歯冠の二層はそれ自身既知の通常のキャップ製造及び通常の走査及び鋳造技術に基づくことができる。最終結果において、製造された歯冠は鋳造通路を備えることができ、それはまた、もし適切なら仕上げを提供することができる歯科技師により除去される。患者の口内の付与状態での最終円滑化は歯科医/歯科外科医の仕事である。
【0013】
本発明によるシステム、歯科修復要素及び装置の現在提案される実施態様が添付図面に関して以下に述べられるであろう。
【0014】
図1は読み取り、歯冠の視覚的表示、歯科実験室、及び歯冠のための全自動製造装置のためのシステムを示す概略図であり、
【0015】
図2は図1によるシステムにより製造されかつ患者の顎骨の歯根上の位置に付与された歯冠を示す垂直断面であり、
【0016】
図3は第一実施態様による歯冠のための鋳型の製造の連続段階での製造を示す概略図であり、
【0017】
図4は図3による実施態様とは異なる第二実施態様による段階での鋳型の製造を示す概略図であり、
【0018】
図5は歯冠の形成のためのキャップを作るための外部層の鋳造の三つの異なる段階を示す概略図であり、そして
【0019】
図6は鋳造歯冠の脱型、検査及び顧客による仕上げ作業を三段階で示す概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1において、患者は1により示されている。個々に形造られる歯冠が製造され、患者の口1a内に適合される。このシステムは患者の口1a内の治療場所を識別するために設計された識別装置2を含む。識別装置はそれ自体知られた形式のものであることができ、印象採得等の形で患者の口内のカメラ機能、記録機能により操作することができる。これに代えて、記録は治療を提供する3の記号を付された施設または個人によるワックス鋳造の助けにより既知の態様でなされることができる。治療はそれ自体知られた器具を用いてかつ歯科医/歯科外科医のようなそれ自体知られた個人により実行されることができる。装置2,3は原則として共通設備または施設4に属すると考えられることができる。装置2または3または全体としての設備の助けにより開始される一つまたはそれ以上の第一情報項目5の助けにより、6の記号を付されたコンピュータ装置は支援される。通信リンクは7及び8により示され、一方向または二方向に配置されることができる。図1はまた、装置または施設3が歯科技師(歯科技師実験室)9の形の個人と通信することができることを示す。ユニット3と9の間の連結10は一方向または二方向であることができる。一実施態様において、装置または施設9はコンピュータ装置6に連結されることができ、またはコンピュータ装置を持つことができる。これは連結11の記号を付され、再度一方向または二方向であることができる(矢印12参照)。一実施態様において、コンピュータ装置は装置4内に含まれるかまたは装置4に属することができる。コンピュータ装置はスクリーン6a及び例えばキーボード6bの形の作動部材を備えている。使用者13との相互作用により、コンピュータ装置は、受けた情報5の関数として、患者1の治療場所に対し適したまたは製造された歯冠14のスクリーン6a上への視覚的表示を可能とすることができる。識別装置2及びコンピュータ装置6はそれ自体知られた形式のものであることができ、コンピュータ装置は通常のプログラム及びファイル管理、例えば既知のCADファイルにより作動することができる。コンピュータ装置は情報項目(単数または複数)15を歯科製品のための実質的に全自動の製造装置16に送るように配置されている。かかる装置の例として、PROCERA(登録商標)に言及することができる。情報項目(単数または複数)15(ここでは第一情報項目(単数または複数)と呼ばれる)は17の記号を付されたデータ通信及び/または通信リンクを介して移送されることができる。コンピュータ装置6とシステム16の間の連結はこれに代えて完全にまたは部分的に無線であることもできる。有線連結は18により示され、無線連結は19により示される。情報項目(単数または複数)5は第二情報項目(単数または複数)と呼ばれる。
【0021】
このようにして、コンピュータ装置6の助けにより、注文が発送され、装置16に登録されることができる。この装置は前記連結システム17への連結部材20を伴って設計されている。この連結21はまた、有線及び/または無線であることができる。第一情報項目(単数または複数)15の受領により、注文は登録され、その後装置はデータを調製し、これをその内部製造システムに、この場合歯冠の製造のために使用される装置内のユニットに送る。注文は内部及び外部表面の形状、色、材料の選択、希望の配送時間等を含むことができる。もしそのように希望するなら、歯冠は、二方向形式のものであることができる連結22を介して装置16に連結された歯科実験室9と協力して製造されることができる。製造された個々に形造られた歯冠は施設9に移送されることができ、かかる歯冠は23により示されている。これに代えて、完成した個々に形造られた歯冠は患者1の口内に歯冠を適合しかつその最終形状を患者1の口内に与えることを意図された施設3に直接配送されることができる。かかる歯冠は24により示される。もし装置16が歯冠23を施設9に移送するなら、そのときそれは歯冠に最終仕上げを与えることができ、例えば前記歯冠は後で施設3に送られる。かかる移送されかつ完成した歯冠は25により示される。歯冠25の最終的な形状付与及び平滑化は施設3により実行される。
【0022】
図2は装置16で製造されかつ適合された歯冠26を示す。それは患者1の顎骨27に適合されることができる。図2では、歯肉は27aにより示され、象牙質は27bにより示される。歯冠は歯根またはすり減らした歯28上に適合される。歯冠26は磁器の外部層26aと磁器材料内に配置されたキャップ形状部26bを含む。装置16内での製造時、キャップ26bは歯の外部表面28aに対応する内部表面26b′を持って形造られている。
【0023】
図3は第一代替例による鋳型製造を示す。原則として、問題の鋳型は九つの異なる段階で製造されることができる。第一段階29で、注文が上記に従って製造ユニット16に置かれる。データが調製され、ユニット/装置16内の内部製造システムに送られる。第二段階30で、キャップ31が製造される。この製造はそれ自体既知の態様で実現されることができ、キャップは例えば酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムから作られる。次の段階32で、埋め込みコンパウンドはそれがキャップ31の内部形状31aに対応する外部形状33aを与えられるように形状付与される。埋め込みコンパウンドは34の記号を付されたフライス器具の助けにより形状付与される。段階35で、キャップは例えばダイ33の形状付与された外部表面33aに接着剤36を塗布することにより固定される。段階37で、キャップ31はダイ33上に取り付けられ、38により示された場所を与える。次の段階39で、前記キャップ31を備えたダイの外部表面31aは走査されることができる。走査はダイがその縦軸42の周りに矢印43の方向(反時計方向)に回転されるのと同時に針または記録部材40によりそれ自体既知の態様で走査針の垂直変位によりなされることができる。次の段階44で、キャップとダイは浴46中に設けられた溶融ワックスまたは均等物45内に浸漬される。浸漬の方向は矢印により示される。段階46で、硬化した溶融ワックス45に希望の外部形状がフライス加工される。フライス器具は48の記号を付されている。最終段階49で、鋳造通路50はフライス加工された鋳型47に付与される。これに代えて、鋳造通路はまた、硬化した材料からフライス加工されることができる。
【0024】
図4による鋳型製造のための代替実施態様において、図3による実施態様の段階29と30に対応する二つの段階51と52が使用される。第三段階53はダイ54のフライス加工を含み、それはキャップの外部形状に対応する。ダイの材料は黒鉛、石膏、テフロン(登録商標)、アルミニウム等であることができる。次の段階55で、ダイ54は溶融ワックス56中に浸漬され、次の段階57で、ワックスが硬化したとき、それは歯冠の外部形状58が得られるようにフライス加工される。フライス器具は59により示される。次の段階60で、ワックス鋳型56はダイ54から矢印61と62の方向に分離される。段階63で、キャップ64(段階52参照)はワックス鋳型56と一緒に結合され段階65により示されるように組み立てられた形状を与え、そこで鋳造通路が付与もしくはフライス加工される。
【0025】
図3及び4でこのようにして形成された鋳型は図5に従ってキュベット67内で使用されることができる。段階68で、埋め込みコンパウンド69はキュベット内に置かれる。鋳型は前記埋め込みコンパウンド中で70により示されている。次の段階71で、ワックスはキュベットから焼き尽くされ、従って鋳型空間72が磁器材料のための空間を形成する。焼き尽くされたワックスを持つ鋳造鋳型67は磁器材料のパック形状のユニットが予熱されるように予熱されることができる。Procera AllCeram形式のキャップのための予熱温度は750−900℃の温度範囲内で選ばれることができる。Procera AllZirkon形式のキャップの場合、550−750℃の予熱温度が選ばれることができる。30分から6時間の予熱時間が使用されることができる。段階71で、キャップは73により示されている。
【0026】
段階74で、前記円筒状磁器材料75は段階71で得られた凹所76を介して付与される。磁器材料は矢印77の方向にプレスされる。加熱された磁器円筒または磁器パックは減圧下かつ高温で鋳造鋳型中にプレスされる。この後、室温に冷却される。プレス時間は40分迄でありうる。50hPaの減圧を付与することが考えられる。Procera AllCeram形式のキャップに対するプレス温度は850−1200℃であることができる。Procera AllZirkon形式のキャップに対するプレス温度は700−1000℃の範囲内で選ばれることができる。
【0027】
図5による鋳造に続いて脱型及び検査が行われる。段階78は例えば埋め込みコンパウンドのブラスティングによる脱型を含む。埋め込みコンパウンドは79により示されている。歯冠81の形状は段階80で表れる。この状態81で、歯冠は顧客に配送されることができる(図1の23,24参照)。鋳造通路83は顧客により切り離されることができる。歯冠は施設4,9により作られた顎模型に適合されることができる。この後、もし適切であるなら、図1による歯科実験室または施設9でなされることが好ましい着色及び研磨が行われる。
【0028】
このようにして、歯冠または歯科ブリッジの形の歯科修復要素が得られ、それは二つの層84,85を持つ一体化されたユニットを形成する(図6参照)。第一層84は磁器材料からなるかまたはそれを含み、磁器材料は歯冠(患者の口内の最終形状付与前の)の外部形状または外部形状の殆どを形成するかまたはそれに含まれる。第二層は磁器材料とは異なる材料85からなるかまたはそれを含み、キャップを形成する。精度はかなりのものであり、例えば0.02−0.1mmである。
【0029】
上記の説明はまた、図6の歯科修復要素81の構築の予備段階のための装置を示す。修復要素は一体化された外部及び内部層84,85を持つ歯冠からなり、外部層は歯冠の外部形状を形成することを意図され、かつ磁器材料からなり、内部層は歯冠/磁器材料内のキャップを形成することを意図されている。これらの層は加熱可能な円筒状ユニットの助けにより一体化される(図5の75参照)。円筒状ユニットまたはパックは減圧下かつ高温度でキャップに対してプレスされることができる。
【0030】
本発明は例としての上記記載の実施態様に限定されず、代わりにそれは添付特許請求の範囲の範囲内及び本発明の概念内で修正されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】読み取り、歯冠の視覚的表示、歯科実験室、及び歯冠のための全自動製造装置のためのシステムを示す概略図である。
【図2】図1によるシステムにより製造されかつ患者の顎骨の歯根上の位置に付与された歯冠を示す垂直断面である。
【図3】第一実施態様による歯冠のための鋳型の製造の連続段階での製造を示す概略図である。
【図4】図3による実施態様とは異なる第二実施態様による段階での鋳型の製造を示す概略図である。
【図5】歯冠の形成のためのキャップを作るための外部層の鋳造の三つの異なる段階を示す概略図である。
【図6】鋳造歯冠の脱型、検査及び顧客による仕上げ作業を三段階で示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科修復要素の製造のためのシステムであって、治療場所を識別するための識別装置(2)、模型製作装置(9)、一つまたはそれ以上の第一情報項目(15)が識別装置(2)及び/または模型製作装置から得られるかまたはそれらの助けにより得られた一つまたはそれ以上の第二情報項目(5)の関数として発生されることができる注文装置、及び第一情報項目(15)を受け、かつ第一情報項目(15)の関数として、歯科修復要素の少なくとも大部分を実現するように設計された例えばPROCERA(登録商標)形式の少なくとも実質的に全自動化された製造装置(16)を含むものにおいて、第一情報項目(単数または複数)(15)の関数として製造装置(16)が一つまたはそれ以上の歯冠(23,24)の形の一体化された歯科修復要素のプレスまたは加圧鋳造による製造を実現するように設計されており、各歯冠が二層(26a,26b)から作られており、第一層が歯冠の外部形状または実質的に外部形状を形成する磁器材料を含むかまたはそれからなり、第二層が磁器材料とは異なる緻密に焼結された材料、例えば酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等からなるかまたはそれを含み、この材料が磁器材料内にインレイされ、かつ高い精度、例えば0.02−0.1mmを持って治療場所の外部形状(例えば歯根の)に合致する内部形状を持つキャップを形成することを特徴とするシステム。
【請求項2】
歯冠に関する第一情報項目(単数または複数)(15)、例えばその外部及び内部形状、色等が電子形態で提供されることを意図されていること、及びこのようにして得られた電子第一情報項目(15)がデータ通信及び/または通信リンク(17)、例えば公衆網を介して移送されることができることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
識別装置(2)が実際の歯科場所を記録すること、及びその場所のために意図された歯冠構造が、コンピュータ装置の使用者(13)との相互作用で歯冠構造を視覚的に提供するように設計されたコンピュータ装置(6)により、及び/または通常のワックス処理技術(9)により、実現されることができることを特徴とする請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
製造装置での第一情報項目(単数または複数)(15)の受領により、製造装置が、製造データを調製し、かつ、装置(16)において、データを装置内の適切な製造ユニットに送るように設計されていることを特徴とする請求項1,2または3に記載のシステム。
【請求項5】
製造装置が、キャップ(31)、キャップの内部形状(33a)を持つ埋め込みコンパウンド内のダイ(33)を製造し、内部形状(33a)に接着剤を塗布し、ダイ上にキャップを取り付け、キャップ及びダイを走査し、キャップとダイを溶融ワックスに浸漬し、硬化した溶融ワックス(45)から歯冠の外部形状(47)をフライス加工し、かつ形状付与された溶融ワックスに鋳造通路(50)を付与するように設計されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
製造装置(16)が、キャップを製造し、キャップの外部形状に対応するダイをフライス加工し、フライス加工されたダイを溶融ワックスに浸漬し、硬化したワックスに歯冠の外部形状をフライス加工し、ワックス鋳型とダイを分離し、ワックス鋳型とキャップを一緒に取り付け、かつ鋳造通路をワックス鋳型に付与するように設計されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
製造システムが鋳造工程を実施するように設計され、その工程では埋め込みコンパウンドがキュベット内に付与され、ワックスが焼き尽くされ、かつ磁器材料の円筒状ユニット(パック)が減圧下かつ高温度で鋳造鋳型中にプレスされ、続いて室温への冷却が遂行されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
製造装置(16)が埋め込みコンパウンドのブラスティングの助けによる脱型、検査、及び顧客(4及び/または9)への配送のための包装を遂行するように設計されていることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
製造装置に対し外部の施設(3または9)が鋳造通路の切り離し、歯冠の顎模型への適合及び/または着色及び研磨に対し責任を果たすことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
歯冠(23,24)の形の歯科修復要素において、歯冠が二層(26a,26b)の一体化されたユニットであり、第一層が歯冠の外部形状または外部形状の殆どを形成するかまたはそれに含まれる磁器材料を含むかまたはそれからなり、第二層が磁器材料とは異なる材料、例えば酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等からなるかまたはそれを含み、この材料が磁器材料内に置かれ、かつ高い精度、例えば0.02−0.1mmの精度を持って治療場所の外部形状(例えば歯根28の)に合致する内部表面を持つキャップを形成することを特徴とする歯科修復要素。
【請求項11】
歯科修復要素の製造の予備段階のための装置において、修復要素が一体化された外部及び内部層を持つ歯冠からなり、外部層が歯冠の外部形状を形成することを意図され、かつ磁器材料からなるかまたはそれを含み、内部層が歯冠/磁器材料内のキャップを形成することを意図されていること、及び磁器材料が、減圧下かつ高温度でキャップに対してプレスされることができる磁器材料からなる円筒状ユニット(75)(パック)の鋳造器具での付与を通してキャップの材料と一体化されることができることを特徴とする装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−510494(P2007−510494A)
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539429(P2006−539429)
【出願日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【国際出願番号】PCT/SE2004/001597
【国際公開番号】WO2005/046502
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(500030910)ノベル バイオケアー アーベー (パブル) (17)
【Fターム(参考)】