説明

歯科補綴物パターン製作用光重合レジン組成物

【課題】 重合前の粘性が適正で、操作性、成形性に優れ、更には重合後の靭性が高く、石膏模型からの着脱の際に破折しない歯科補綴物(例えば、クラスプ)パターン製作用光重合レジン組成物を提供する。
【解決手段】 a)1分子中にカプロラクトン単位を少なくとも1個有する不飽和単量体を3重量%以上含む重合性不飽和単量体100重量部、b)有機質充填材50〜400重量部、c)光重合開始剤0.001〜5重量部、d)還元剤0.01〜10重量部を含有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科補綴物パターン製作用光重合レジン組成物に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、例えば、部分床義歯を製作するに当たり、義歯の把持(側方運動に対する抵抗)と維持(着脱に対する抵抗)と、支持(咬合圧に対する抵抗)とを授ける金属構成部分である鋳造クラスプをロストワックス法にて製作する際に、維持力、耐久性などに対する理論的な形状を示す鋳造クラスプの原型即ちクラスプパターンを造るのに好適な光重合レジン組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
部分床義歯の主及び間接維持装置としては、その90%以上にクラスプが用いられている。しかし、特に鋳造クラスプではその製作方法が煩雑であって、その維持力や適合精度、与えられたアーム部の形態など必ずしも満足なものではないのが現状である。
従来の鋳造クラスプの製作方法は、先ず第一に患者の口腔内の顎印象を採取し、超硬石膏などで作業模型を造る。次に維持装置となるクラスプの設計を行うために、この作業模型上の維持歯部分にサーベイングを行う。ここでのサーベイングは模型上の残存歯や顎堤の最大豊隆部を求めると同時に、相互の平行関係などを調べるために行う作業で、義歯着脱方向の決定、維持歯の決定、ブロックアウト部の明示、アンダーカット量の測定、クラスプ位置の決定等義歯製作上極めて重要な作業である。
【0003】
クラスプの維持力を左右する重要な因子としては、クラスプアームの長さ、太さ、断面形態、使用合金のヤング率、設定されたアンダーカット量、維持歯面の曲率等が挙げられる。鋳造クラスプをパラフィン系のワックスパターンを利用して製作する場合、クラスプの維持力は、利用するアンダーカット量、パターンの太さ、異種断面形態の選択によりコントロールすることが可能であり、サーベイング時及び義歯設計時は維持歯周組織の状態に対応したクラスプの設計が要求されることになる。
作業模型に対する設計・ブロックアウトが終了すると次にクラスプのワックスパターンを製作するために設計に従ってブロックアウトされた維持歯部分を再度印象採取(複印象)し、作業模型を模型用埋没材に置き換える。次にクラスプの維持力を正確にコントロールすることを考慮した上でパラフィン系ワックスのクラスプパターンを手指で曲げながら接着剤を用いて模型用埋没材に貼り付け、レスト部、脚部の成形を行い、スプルーの植立を行う。次にこのパラフィン系ワックスのクラスプパターンを模型用埋没材から取り外ずさずに模型用埋没材ごと鋳造用埋没材で埋没し、埋没材が硬化した後、パラフィン系のクラスプパターンをファーネスで加熱焼却し、その後に出来たクラクスプパターンの鋳型に溶けた金属を流し込み冷却後、割り出し研磨を行ってクラスプを完成させる。(以後、この方法を「型ごと埋没法」と称す。)
【0004】
このように鋳造クラスプの製作方法、クラスプパターンを作る材質がパラフィン系ワックスであるため次の様な問題点を含んでいる。
(イ)パラフィン系ワックスは、全く弾性変形出来ず可塑変形するため、作業模型上の維持歯のアンダーカット部から最大豊隆部を通って取り外すことが出来ない。
無理に取り外すと永久変形を生じ正確な適応が得られない。このため維持力のコントロールされた正確なクラスプを造ることが出来ない。従って、パラフィン系ワックスのクラスプパターンは、必ず作業模型を複印象し、模型用埋没材に置き換えて模型用埋没材にクラスプパターンを成形し、模型用埋没材ごと鋳造用埋没材で埋没する所謂「型ごと埋没法」を行わなければならない。このためクラスプ製作工程が煩雑で長い時間を要し、材料コストも多大なものとなる。
【0005】
(ロ)パラフィン系ワックスのクラスプパターンは、模型用埋没材や石膏と接着しないため、必ず専用の接着剤を使用しなければならない。従って接着剤の厚みが約50μmの誤差を有するクラスプとなり、適合の良いクラスプを得ることが出来ない。
【0006】
(ハ)パラフィン系ワックスのクラスプパターンは、接着剤を使用して手指で圧接し模型用埋没材に接着させるが、その時その埋没材の強度が低いため埋没材の粒子が剥がれ落ち、維持歯の形態及び表面性状が悪くなる。またこの埋没材の剥がれ落ちた粒子がパラフィン系ワックスのクラスプパターンに付着し、表面性状の良い鋳造クラスプを得ることが出来ない。
【0007】
(ニ)クラスプパターンに用いるパラフィン系ワックスは、結晶性が高く比較的分子量の低いポリマーであり、ガラス転移温度Tgと融点Tmが非常に近く、融点とガラス転移点が等しい金属の様な物質であるため、ワックスを加熱焼却時にその温度上昇速度が大き過ぎると融けたワックスが沸騰し、気体となったワックスが膨張するので急加圧され、埋没材に亀裂が発生したり埋没材内面の荒れが生じたりする。
【0008】
パラフィン系ワックスに代え、光重合樹脂を使用した歯科用材料をクラスプのパターンの製作に用いることが提案され、実用に供されてもいる。例えば、本出願人の出願である常温で固体の不飽和単量体を使用したクラスプパターン製作用光重合レジンに関するもの(特許文献1)、同様のパターンを製作する材料でウレタンアクリレート樹脂液にポリスチロール等の高分子粉末を混合したもの(特許文献2)、ポリエチレングリコールジメタクリレートの樹脂液にポリメチルメタクリレートマクロモノマー等を混合したもの(特許文献3)等が提案されているが、強度及び耐久性の面で不満が残るものであった。また、ポリエチレングリコールジメタクリレート等の樹脂液にポリカプロラクトンの高分子粉末を混合したもの(特許文献4)等が提案されているが、ポリカプロラクトン粉末は、不飽和単量体と化学的な結合可能な官能基を有していないことより、石膏模型からの着脱時の応力による変形や破折に不安が残るものであった。
【0009】
【特許文献1】特開平1−110609号公報
【特許文献2】特開昭62−115013号公報
【特許文献3】特開平5−132408号公報
【特許文献4】特開平8−119823号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明者等は、従来の技術に鑑み、鋭意研究した結果、本発明を完成したものであり、本発明は、重合前の粘性が適正で、操作性、成形性に優れ、重合後の靭性が高く、石膏模型からの着脱が安定して行え、然も、破折しない歯科補綴物パターン製作用の光重合レジン組成物を提供すること、さらに詳しくは、重合前の操作性等は、従来よりこの種の材料として使用されているパラフィン系ワックスに等しく、重合後は十分な靭性を有し、石膏模型からの着脱が安定して行え、破折せず、強度及び耐久性に優れた歯科補綴物パターン製作用の光重合レジン組成物を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の歯科補綴物パターン製作用光重合レジン組成物は、a)1分子中にカプロラクトン単位を少なくとも1個有する不飽和単量体を3重量%以上含む重合性不飽和単量体100重量部、b)有機質充填材50〜400重量部、c)光重合開始剤0.001〜5重量部、d)還元剤0.01〜10重量部を含有することを特徴とする。
【0012】
歯科補綴物パターン製作用光重合レジン組成物は、クラスプパターン、インレーパターン、アンレーパターン、リンガルバーパターン、パラタルバーパターン、スケルトンパターン、鋳造床パターン、クラウンブリッジパターン、その他の歯科補綴物の鋳造用パターンの製作に使用する。以下、クラスプパターンの製作に使用する場合について、説明する。
この光重合レジン組成物は、重合前は、従来より使用されているクラスプパターン製作用のパラフィン系ワックスと同様の粘性、操作性、成形性を有していることから、石膏模型(作業模型)上でクラスプパターンを成形し、重合用の光を照射することで硬化させることができる。なお、重合前に必要とされる適度な粘性、操作性、成形性のうち、適度な粘性は、主として石膏模型からクラスプパターンが剥離したり落下したりしない程度に貼り付いているために必要であり、操作性、成形性は、主として石膏模型上でのクラスプパターンの成形等のために必要な特性である。このクラスプパターン製作用光重合レジン組成物が重合したものは、十分な靱性(破壊に至るまでのエネルギー値)を有するものであって、このクラスプパターン硬化物を石膏模型のアンダーカット部から最大隆豊部を越して広げ、石膏模型から取り外しても、破折等することなく、然も元の形に正確に戻り安定した操作を行えることになる。石膏模型から取り外されたクラスプパターン硬化物は、スプルーを形成し、鋳造用埋没材で埋没し、埋没材の硬化後、クラスプパターン硬化物を焼却し、その後、埋没材に形成されたクラスプパターンの陰型空洞に溶融金属を流し込み、冷却後、取り出し、研磨等することで金属クラスプを得ることができる。
クラスプパターン以外の歯科補綴物パターンの製作については、前記したことに準じて行えばよい。
【0013】
そして、前記重合性不飽和単量体は、前記1分子中にカプロラクトン単位を少なくとも1個有する不飽和単量体を5〜20重量%含むことが好ましい。
【0014】
また、前記1分子中にカプロラクトン単位を少なくとも1個有する不飽和単量体のカプロラクトン単位の繰り返し単位数が、1〜10個の範囲にあることが好ましい。
【0015】
また、光重合開始剤が、α−ジケトン系化合物、ケタール系化合物、アントラキノン系化合物、チオキサントン系化合物、ベンゾインアルキルエーテル系化合物、及びこれらの誘導体の1種以上であることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
すなわち、重合前の粘性が適正で、操作性、成形性に優れ、更には重合後の靭性(破壊に至るまでのエネルギー値)が高く、石膏模型からの着脱の際には、破折せず、強度、耐久性に優れ、然も元の形に正確に戻り安定した操作が行える歯科補綴物パターン製作用光重合レジン組成物を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、発明を実施するための最良の形態を示し、さらに詳しくこの発明について説明する。もちろんこの発明は以下の実施の形態によって限定されるものではない。
本発明で使用される1分子中にカプロラクトン単位を少なくとも1個有する不飽和単量体とは重合後の硬化体に高い靭性を発現させる重合性不飽和単量体であり、下記一般式(1)で表されるポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレートであり、具体例としては、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0018】
【化1】

【0019】
これらの1分子中にカプロラクトン単位を少なくとも1個有する不飽和単量体のカプロラクトン単位の繰り返し数mとしては、1〜25が採用できる。カプロラクトン単位の繰り返し数mが25を超えると、分子鎖が長くなり重合後の架橋密度の低下につながり、強度及び耐久性に劣ることになり好ましくない。このうち、1〜10が好ましい。
これらの1分子中にカプロラクトン単位を少なくとも1個有する不飽和単量体のメチレンの繰り返し数nとしては、1〜10が採用できる。メチレンの繰り返し数が10を超えると、分子鎖が長くなり重合後の架橋密度の低下につながり、強度及び耐久性に劣ることになり好ましくない。このうち、2〜4が好ましい。
また、有機イソシアネートと前記ポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレートとを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートも挙げられる。
これらの1分子中にカプロラクトン単位を少なくとも1個有する不飽和単量体は単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
【0020】
1分子中にカプロラクトン単位を少なくとも1個有する不飽和単量体と併用して用いられる重合性不飽和単量体としては、通常歯科用光重合レジンに用いられる重合性不飽和単量体を用いればよく、単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレートが例示できる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、メチルメタクリレート(MMA)、エチルメタクリレート(EMA)、イソプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、およびこれらのアクリレートを挙げることができる。
【0021】
多官能(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、2,2−ビス(メタクリロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロポキシ)フェニル]プロパン、ビスフェノールA型エポキシジアクリレート、ビスフェノールA型エポキシジメタクリレート、フェノールA(PO)(EO)変性ジアクリレート、フェノールA(PO)(EO)変性ジメタクリレート、(EO)変性エチレングリコールジアクリレート、(EO)変性エチレングリコールジメタリレート、1,4−ブタジオールジグリシジルエーテルジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジアクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジアクリレート、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテルジアクリレート、トリグリセロールジアクリレート、グリセロールジメタクリレート、グリセロールアクリレート/メタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールメタントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジ−2−メタクリロキシエチル−2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジカルバメート及びこれらのアクリレート、また分子中にウレタン結合を有するメタクリレート及びアクリレートを挙げることができる。上記多官能(メタ)アクリレートにおいて、(EO)はエチレンオキサイド、(PO)はプロピレンオキサイドを意味する。
【0022】
なお、前記した1分子中にカプロラクトン単位を少なくとも1個有する不飽和単量体と併用して用いられる重合性不飽和単量体は、(メタ)アクリル酸エステル誘導体、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、アルキルジ(メタ)アクリレート類、ビスフェノールA−アルキルジ(メタ)アクリレート類、ウレタンジ(メタ)アクリレート類、ウレタントリ(メタ)アクリレート類、ウレタンテトラ(メタ)アクリレート類、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類等として分類するすることもできる。
【0023】
これらの重合性不飽和単量体は、1分子中にカプロラクトン単位を少なくとも1個有する不飽和単量体と相溶し得るように混合して用いられる。これらの重合性不飽和単量体は単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。なお、これらの重合性不飽和単量体は、1分子中にカプロラクトン単位を少なくとも1個有する不飽和単量体と相溶し得るもので、常温で液体状であることが好ましいが、常温で固体であっても使用できないものではない。常温で固体の場合は、例えば、加温雰囲気中で液体状態となるようにして使用すればよい。
そして、これらの重合性不飽和単量体と1分子中にカプロラクトン単位を少なくとも1個有する不飽和単量体は、事前に混合物の状態としたものを使用して、歯科補綴物パターン製作用光重合レジン組成物(例えば、クラスプ用であれば、クラスプパターン製作用光重合レジン組成物。以下同様)を調製してもよいし、混合物としてではなく、それぞれを歯科補綴物パターン製作用光重合レジン組成物を調製する際に混合するように使用してもよい。
【0024】
これらの1分子中にカプロラクトン単位を少なくとも1個有する不飽和単量体の含有量は、全重合性不飽和単量体に対して3重量%以上必要である。3重量%より少ないと、重合後の硬化体の靭性が低く、石膏模型より取り外す際に破折しやすくなる。また、1分子中にカプロラクトン単位を少なくとも1個有する不飽和単量体の含有量があまりに多くなると、光照射の際の重合度が低下し、硬化体表面に未重合部分が多く残ることがあり、1分子中にカプロラクトン単位を少なくとも1個有する不飽和単量体の含有量は、好ましくは、3〜30重量%、より好ましくは、5〜20重量%である。
【0025】
本発明で使用される有機質充填材としては、ポリオレフィンパウダー(ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー等)、ポリエチレン−ポリ酢酸ビニルパウダー、ポリアクリル酸エステルパウダー(ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等)、ポリメタクリル酸エステルパウダー(ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等)、メタクリル酸エステル共重合体パウダー(ポリメタクリル酸メチルとポリメタクリル酸エチルとの共重合体等)、アクリル酸エステル共重合体パウダー(ポリアクリル酸メチルとポリアクリル酸エチルとの共重合体等)、架橋型メタクリル酸エステルパウダー(トリメチロールプロパントリメタクリレートで架橋したポリメタクリル酸メチル等)、スチレン−ブタジエン共重合体パウダー、アクリロニトリル−スチレン共重合体パウダー、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体パウダー、ナイロンパウダー等があり、これらは単独で、又は2種以上を混合して使用しても良い。その添加量は重合性不飽和単量体100重量部に対し50〜400重量部が好ましい。有機質充填材は、主として、歯科補綴物パターン製作用光重合レジン組成物の重合前での成形操作性を確保するために使用されるものであって、この範囲であれば、パラフィン系ワックスと同様な粘性、保形性、指で変形できる程度の可塑性等が得られる。有機質充填材が重合性不飽和単量体100重量部に対し50未満では、重合前での歯科補綴物パターン製作用光重合レジン組成物が柔らかすぎるとともに粘着性が強く、石膏模型上での歯科補綴物パターン(例えば、クラスプパターン。以下同様)の成形が困難となり好ましくなく、400重量部を超えると、歯科補綴物パターン製作用光重合レジン組成物が硬くなり、石膏模型上での歯科補綴物パターンの成形性が悪く、ひびが入ったりすることになり、また、石膏模型に貼り付かず、剥離したり落下することにもなり好ましくない。
【0026】
本発明で使用される光重合開始剤としては、α−ジケトン系化合物、ケタール系化合物、アントラキノン系化合物、チオキサントン系化合物、ベンゾインアルキルエーテル系化合物が有効であり、具体的には、α−ジケトン系化合物としてはd,lカンファーキノン、ベンジル、ジアセチル、アセナフテンキノン、9,10−フェナントレンキノン等が効果的である。これらの中でd,lカンファーキノン、ベンジルが特に好ましい。ケタール系化合物としてはベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ベンジルジプロピルケタール、ベンジルジ(β−フェニルエチル)ケタール、ベンジルジ(2−メトキシエチル)ケタール、ベンジルジ(2−エトキシエチル)ケタール、ベンジルジ(2−メトキシエトキシエチル)ケタール、ベンジルジ(2−エトキシエトキシエチル)ケタール、4,4′−ジメチルベンジルジメチルケタール、2,2−ジメトキシベンジルジエチルケタール、4,4′−ジクロロベンジル−ジエチルケタール、4,4′−ジクロロベンジルジプロピルケタール等が効果的である。之等の中でベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ベンジルジ(2−メトキシエチル)ケタール、4,4′−ジクロロベンジルジメチルケタールが特に好ましい。
【0027】
アントラキノン系化合物としてはアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、1−ヒドロキシアントラキノン、1−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1−ブロモアントラキノン等が効果的である。これらの中でアントラキノン、1−クロロアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノンが特に好ましい。チオキサントン系化合物としてはチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−ニトロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−イソプロピルチオキサントン、2−クロロ−7−トリフルオロメチルチオキサントン、チオキサントン−10,10−ジオキサイド、チオキサントン−10−オキサイド等が効果的である。これらの中でチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンが特に好ましい。
ベンゾインアルキルエーテル系化合物としてはベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル等が効果的である。これらの中でベンゾインブチルエーテルが特に好ましい。
【0028】
以上の光重合開始剤は単独で、又は2種以上混合しても使用しても良い。これらの光重合開始剤の配合量は1分子中にカプロラクトン単位を少なくとも1個有する不飽和単量体を3重量%以上含む重合性不飽和単100重量部に対して0.001〜5重量部であることが好ましい。配合量が0.001重量部未満であると反応性に乏しくて硬化時間が長くなり、また硬化深度が小さくなる。また配合量が5重量部を超えると余剰触媒が可塑剤の働きをするので硬化物の強度を低下させる。
【0029】
本発明に使用される還元剤としては逆増感剤が励起状態にあるときは光増感剤を還元するけれども、光増感剤が活性エネルギー線によって励起されていないときは光増感剤を還元出来ない様な還元能力を持つものが用いられる。還元剤の例としては、プロピルアミン、n−ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジペンチルアミン、2−ジメチルアミノエタノール、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリペンチルアミン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、トリエタノールアミン及び長鎖脂肪族アミンがある。
芳香族基を含む還元剤の例にはN,N′−ジメチルアニリン、N,N′−ジメチル−p−トルイジン、p−トリルジエタノールアミン、m−トリルジエタノールアミン、N−メチルジフェニルアミン、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等がある。
【0030】
これらの還元剤の添加量は1分子中にカプロラクトン単位を少なくとも1個有する不飽和単量体を3重量%以上含む重合性不飽和単100重量部に対して0.01〜10重量部であることが好ましい。添加量が0.01重量部未満であると反応性に乏しく硬化時間が長くなり、また硬化深度が小さくなる。また添加量が10重量部を超えると保存安定性が悪くなり、通常の室内照明での技工操作余裕時間が非常に短くなる。
【0031】
また、本発明の組成物には、所望により、重合禁止剤、着色剤、紫外線吸収剤等を添加することができる
【0032】
この歯科補綴物パターン製作用光重合レジン組成物を、クラスプパターンを製作するのに使用する場合は、予めクラスプパターンを造るのに適した形状に成形した既製品を揃えて提供することが望ましく、表1にその形状の例を示す。
【0033】
【表1】

【0034】
これらの形状は、部分床義歯着脱時や咀嚼時の維持力をコントロールする際に重要となるものであるが、表1に示された形状のものに限定されるものではない。
【実施例】
【0035】
次に、実施例を比較例とともに示しさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
【0036】
(実施例1)
1分子中にカプロラクトン単位を1個有する不飽和単量体として、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレートのカプロラクトン1mol付加品)を使用した。これに併用する重合性不飽和単量体として、ポリエチレングリコールジメタクリレート、グリセロールジメタクリレートを90:10の重量比の配合物したものを使用した。
この配合物にポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリレートが5重量%となるように調製した混合物100重量部に、光重合開始剤としてd,lカンファーキノン0.5重量部、還元剤としてp−トリルジエタノールアミン0.5重量部を添加溶解して液体成分を調製した。
該液体成分に、有機質充填材として、ポリメチルメタクリレート粉末150重量部とポリエチレン−ポリ酢酸ビニル共重合体粉末25重量部を添加して攪拌混合し、更に真空脱泡機に入れ気泡を取り除き、光重合レジン組成物を調製した。
【0037】
得られた光重合レジン組成物について、以下の評価法に従って、曲げ強度、歪みエネルギー値、表面未重合を評価した。結果は、表2に示すとおりである。なお、重合前の光重合レジン組成物の粘性、操作性、成形性を指で確認したところ、べたつきがなく、可塑性に富み、パラフィン系のワックスパターンと同等であった。
【0038】
(1)曲げ強度、歪エネルギー値
厚さ2mmのステンレス板に幅2mm、長さ25mmの穴を穿設した金型を用い、得られた光重合レジン組成物を充填し、上下からポリエチレンフィルムを介してガラス板を圧接した状態で、可視光線照射器ラボライト−LVII(GC社製)にて、上下両面より、各々5分間光照射を行った。金型より離型し試験片とした。得られた試験片をオートグラフ試験機(MODEL AGF−500D:島津製作所社製)を用い、クロスヘッドスピード1.0mm/min、支点間距離20mmで測定を行った。
得られた最大荷重より曲げ強度、破壊に至るまでに要するエネルギーより歪エネルギー値を算出した。
【0039】
(2)表面未重合
得られた光重合レジン組成物約1gをガラス板上に採取し、プラスチック製スパチュラを用いて直径約10mmの円盤に形を整えた後、可視光線照射器ラボライト−LVII(GC社製)にて5分間光照射を行った。硬化体の光照射面を上記スパチュラにて引っ掻いた時の状況を評価した。以下の基準により評価した。
○:表面に傷が付くことが無く、未重合層がほとんど無い
△:表面に傷が付くが、未重合層が少ない(微かな傷)
×:表面に傷が付き、未重合層が多い(約1mm程度の深さの傷)
【0040】
(実施例2、3)
実施例2は、実施例1におけるポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリレートが10重量%となるように調製した混合物100重量部を使用した以外は、実施例1と同様であり、実施例3は、実施例1におけるポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリレートが20重量%となるように調製した混合物100重量部を使用した以外は、実施例1と同様である。
【0041】
得られた光重合レジン組成物について、実施例1に記載の評価法に従って曲げ強度、歪みエネルギー値、表面未重合を評価した。結果は、表2の実施例2、実施例3に示すとおりである。
また、実施例2、実施例3として得られた光重合レジン組成物の重合前の粘性、操作性、成形性を指で確認したところ、いずれもべたつきがなく、可塑性に富み、パラフィン系のワックスパターンと同等であった。
【0042】
(比較例1、2)
比較例1は、実施例1におけるポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリレートが1重量%となるように調製した混合物100重量部を使用した以外は、実施例1と同様であり、比較例2は、実施例1におけるポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリレートを使用しないで調製した混合物100重量部を使用した以外は、実施例1と同様である。
【0043】
得られた光重合レジン組成物について、実施例1に記載の評価法に従って曲げ強度、歪みエネルギー値、表面未重合を評価した。結果は、表2の比較例1、比較例2に示すとおりである。
また、比較例1、比較例2として得られた光重合レジン組成物の重合前の粘性、操作性、成形性を指で確認したところ、いずれもべたつきがなく、可塑性に富み、パラフィン系のワックスパターンと同等ではあった。
【0044】
【表2】

【0045】
表2によると、1分子中にカプロラクトン単位を有する不飽和単量体を使用しないか、または、使用量が少ないと、歪みエネルギー値が明らかに低下することが分かる。
【0046】
(実施例4)
1分子中にカプロラクトン単位を5個有する不飽和単量体として、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMAのカプロラクトン5mol付加品)使用した。これに併用する重合性不飽和単量体として、ポリエチレングリコールジメタクリレート、グリセロールジメタクリレートを90:10の重量比の配合物したものを使用した。
この配合物にポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリレートが5重量%となるように調製した混合物100重量部に、光重合開始剤としてd,lカンファーキノン0.5重量部、還元剤としてp−トリルジエタノールアミン0.5重量部を添加溶解して液体成分を調製した。
該液体成分に、有機質充填材として、ポリメチルメタクリレート粉末250重量部とポリエチレン−ポリ酢酸ビニル共重合体粉末10重量部を添加して攪拌混合し、更に真空脱泡機に入れ気泡を取り除き、光重合レジン組成物を調製した。
【0047】
得られた光重合レジン組成物について、実施例1に記載の評価法に従って曲げ強度、歪みエネルギー値、表面未重合を評価した。結果は、表3の実施例4に示すとおりである。
また、得られた光重合レジン組成物の重合前の粘性、操作性、成形性を指で確認したところ、べたつきがなく、可塑性に富み、パラフィン系のワックスパターンと同等であった。
【0048】
(実施例5、6)
実施例5は、実施例4におけるポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリレートが10重量%となるように調製した混合物100重量部を使用した以外は、実施例4と同様であり、実施例6は、実施例4におけるポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリレートが20重量%となるように調製した混合物100重量部を使用した以外は、実施例4と同様である。
【0049】
得られた光重合レジン組成物について、実施例1に記載の評価法に従って曲げ強度、歪みエネルギー値、表面未重合を評価した。結果は、表3の実施例5、実施例6に示すとおりである。
また、実施例5、実施例6として得られた光重合レジン組成物の重合前の粘性、操作性、成形性を指で確認したところ、いずれもべたつきがなく、可塑性に富み、パラフィン系のワックスパターンと同等であった。
【0050】
(比較例3)
実施例4におけるポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリレートが31重量%となるように調製した混合物100重量部を使用した以外は、実施例4と同様である。
得られた光重合レジン組成物について、実施例1に記載の評価法に従って曲げ強度、歪みエネルギー値、表面未重合を評価した。結果は、表3の比較例3に示すとおりである。
なお、得られた光重合レジン組成物の重合前の粘性、操作性、成形性を指で確認したところ、べたつきがなく、可塑性に富み、パラフィン系のワックスパターンと同等ではあった。
【0051】
【表3】

【0052】
表3によると、カプロラクトン単位を有する不飽和単量体の使用量が多くなると、光照射による重合が低下し、硬化体表面に表面未重合部分が多くなり、曲げ強度が低下することが分かる。
【0053】
(実施例7)
1分子中にカプロラクトン単位を10個有する不飽和単量体として、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMAのカプロラクトン10mol付加品)使用した。これに併用する重合性不飽和単量体として、ポリエチレングリコールジメタクリレート、グリセロールジメタクリレートを90:10の重量比の配合物したものを使用した。
この配合物にポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリレートが3重量%となるように調製した混合物100重量部に、光重合開始剤としてd,lカンファーキノン0.5重量部、還元剤としてp−トリルジエタノールアミン0.5重量部を添加溶解して液体成分を調製した。
該液体成分に、有機質充填材として、ポリメチルメタクリレート粉末400重量部を添加して攪拌混合し、更に真空脱泡機に入れ気泡を取り除き、光重合レジン組成物を調製した。
【0054】
得られた光重合レジン組成物について、実施例1に記載の評価法に従って曲げ強度、歪みエネルギー値、表面未重合を評価した。結果は、表4の実施例7に示すとおりである。
また、得られた光重合レジン組成物の重合前の粘性、操作性、成形性を指で確認したところ、べたつきがなく、可塑性に富み、パラフィン系のワックスパターンと同等であった。
【0055】
(実施例8、9)
実施例8は、実施例7におけるポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリレートが5重量%となるように調製した混合物100重量部を使用した以外は、実施例7と同様であり、実施例9は、実施例7におけるポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリレートが10重量%となるように調製した混合物100重量部を使用した以外は、実施例7と同様である。
【0056】
得られた光重合レジン組成物について、実施例1に記載の評価法に従って曲げ強度、歪みエネルギー値、表面未重合を評価した。結果は、表4の実施例8、実施例9に示すとおりである。
また、実施例8、実施例9として得られた光重合レジン組成物の重合前の粘性、操作性、成形性を指で確認したところ、いずれもべたつきがなく、可塑性に富み、パラフィン系のワックスパターンと同等であった。
【0057】
(比較例4)
実施例7におけるポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリレートが31重量%となるように調製した混合物100重量部を使用した以外は、実施例7と同様である。
得られた光重合レジン組成物について、実施例1に記載の評価法に従って曲げ強度、歪みエネルギー値、表面未重合を評価した。結果は、表4の比較例4に示すとおりである。
なお、得られた光重合レジン組成物の重合前の粘性、操作性、成形性を指で確認したところ、べたつきがなく、可塑性に富み、パラフィン系のワックスパターンと同等ではあった。
【0058】
【表4】

【0059】
表4によると、カプロラクトン単位を有する不飽和単量体の使用量が多くなると、光照射による重合が低下し、硬化体表面に表面未重合部分がやや多くなり、曲げ強度が低下することが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)1分子中にカプロラクトン単位を少なくとも1個有する不飽和単量体を3重量%以上含む重合性不飽和単量体100重量部、
b)有機質充填材50〜400重量部、
c)光重合開始剤0.001〜5重量部、
d)還元剤0.01〜10重量部
を含有することを特徴とする歯科補綴物パターン製作用光重合レジン組成物。
【請求項2】
前記重合性不飽和単量体は、前記1分子中にカプロラクトン単位を少なくとも1個有する不飽和単量体を5〜20重量%含むことを特徴とする請求項1記載の歯科補綴物パターン製作用光重合レジン組成物。
【請求項3】
前記1分子中にカプロラクトン単位を少なくとも1個有する不飽和単量体のカプロラクトン単位の繰り返し単位数が、1〜10個の範囲にあることを特徴とする請求項1または2記載の歯科補綴物パターン製作用光重合レジン組成物。
【請求項4】
光重合開始剤が、α−ジケトン系化合物、ケタール系化合物、アントラキノン系化合物、チオキサントン系化合物、ベンゾインアルキルエーテル系化合物、及びこれらの誘導体の1種以上であることを特徴とする請求項1、2または3記載の歯科補綴物パターン製作用光重合レジン組成物。
【請求項5】
クラスプパターン製作用であることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の歯科補綴物パターン製作用光重合レジン組成物

【公開番号】特開2008−81446(P2008−81446A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−263444(P2006−263444)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【出願人】(000181228)株式会社ジーシーデンタルプロダクツ (15)
【Fターム(参考)】