説明

歯車装置

【課題】キャリアの基部における相手部材への取付面においてネジ穴を形成する領域が制限されている場合でも、おねじ部材の軸力を確保することが可能な歯車装置を提供する。
【解決手段】歯車装置1は、内歯を有する外筒2と、偏心部8aを有するクランク軸8と、偏心部8aの偏心回転により内歯に噛み合いながら揺動回転する揺動歯車10と、クランク軸8を回転自在に収納する空間部を含む基部13を有し、外筒2に対して相対回転するキャリア4とを備える。キャリア4の基部13における旋回体51への取付面13cには、キャリア4の基部13を旋回体51に締結する並目ねじが締結可能な形状を有する第1ボルト穴31と、キャリア4の外筒2に対する回転中心に対して第1ボルト穴31よりも内径側に配置され、キャリア4の基部13を旋回体51に締結する細目ねじが締結可能な形状を有する第2ボルト穴32とが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリアの基部に相手部材がボルトなどで締結可能な歯車装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
歯車装置は、相対的に回転駆動される一対の部材の間にボルトなどのおねじ部材を用いて締結されることが多い。特許文献1に開示されている歯車装置は、産業用ロボットの可動側のアームおよび固定側のベースに対して、それぞれボルトによって固定されている。
【0003】
特許文献1記載の歯車装置101は、図7(a)、(b)および図8に示されるように、内面に複数の内歯103が設けられた外筒102と、その外筒102内において回転自在に設けられ、偏心部108aを有するクランク軸108と、偏心部108aに取り付けられ、偏心部108aの偏心回転に連動して内歯103に噛み合いながら揺動回転する揺動歯車110と、クランク軸108が回転自在に取り付けられた基部113を有するキャリア104とを備えている。キャリア104は、外筒102に対して相対的に回転可能に外筒102の内部に収容されている。
【0004】
この歯車装置101では、キャリア104の基部113がロボットのアーム151に並目ねじからなるボルト111、112で締結され、外筒102がロボットのベース152にボルト133で締結されている。
【0005】
キャリア104の基部113におけるアーム151への取付面113cには、複数のボルト穴131、132が形成されている。ボルト111、112がアーム151を貫通して基部113の取付面113cのボルト穴131、132にねじ込まれことによって、キャリア104がアーム151に締結される。
【0006】
この取付面113cには、クランク軸108を駆動するための平歯車107およびモータMの駆動ギヤDが収容される開口部120が形成されている。そのため、ボルト穴131、132は、開口部120を避けた場所に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−312957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
キャリア104の基部113とアーム151などの相手部材との間は、相対的にずれないようにボルト111、112の軸力を上げて互いに強固に締結することが望ましい。しかし、上記のような特許文献1記載の歯車装置では、キャリア104の基部113におけるアーム151への取付面113cには、平歯車107および駆動ギヤDが収容される開口部120が形成されているので、かかる取付面113cでは、ボルト穴131、132を形成する領域が制限され、とくにキャリア4の回転中心Oに近い側、すなわち内径側になるほどボルト穴132を形成する領域が制限される。そのため、基部113の取付面113cの内径側には、多数のボルト穴132を形成する領域が得られないため、内径側のボルト112として、軸力を確保するためにおねじの外径が大きいボルトを採用せざるを得ない。
【0009】
そのため、基部113の取付面113cに大きなおねじ径のボルト112を配置するために、歯車装置の小型化が困難になっている。
【0010】
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、キャリアの基部における相手部材への取付面においてネジ穴を形成する領域が制限されている場合でも、おねじ部材の軸力を確保することが可能な歯車装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の歯車装置は、内面に複数の内歯が設けられた外筒と、前記外筒内において回転自在に設けられ、偏心部を有するクランク部材と、前記偏心部に取り付けられ、前記偏心部の偏心回転に連動して前記内歯に噛み合いながら揺動回転する外歯歯車と、前記クランク部材を回転自在に収納する空間部を含む基部を有しており、前記外筒に対して相対的に回転可能に当該外筒の内部に収容されているキャリアとを備えており、前記キャリアの基部における相手部材への取付面には、前記キャリアの基部を相手部材に締結する並目ねじが締結可能な形状を有する第1めねじ穴と、前記キャリアの前記外筒に対する回転中心に対して前記第1めねじ穴よりも内径側に配置され、前記キャリアの基部を前記相手部材に締結する細目ねじが締結可能な形状を有する第2めねじ穴とが形成されていることを特徴とするものである。
【0012】
かかる構成によれば、キャリアの基部における相手部材への取付面には、前記キャリアの前記外筒に対する回転中心からみて、外径側に並目ねじが締結可能な第1めねじ穴が形成され、内径側に細目ねじが締結可能な第2めねじ穴が形成されている。そのため、第1めねじ穴に並目ねじが締結され、かつ、第2めねじ穴に細目ねじが締結された場合には、内径側の細目ねじは並目ねじよりも大きい軸力で基部と相手部材との間を締結することが可能である。そのため、取付面の内径側でめねじ穴を形成する領域が制限されている場合でも、内径側の細目ねじによって軸力を確保することが可能である。これによって、内径側の第2めねじ穴を大きくする必要が無く、歯車装置の小型化が容易になる。
【0013】
また、前記歯車装置は、ロボットの旋回体をベースに対して相対的に回転駆動させる駆動部に適用され、並目ねじからなる第1のおねじ部材と、細目ねじからなる第2のおねじ部材とをさらに備えており、前記相手部材は、前記ロボットの前記旋回体またはベースのいずれか一方の部材であり、前記第1のおねじ部材が前記旋回体またはベースを貫通して前記第1めねじ穴にねじ込まれ、かつ、前記第2のおねじ部材が前記旋回体またはベースを貫通して前記第2めねじ穴にねじ込まれることにより、前記旋回体またはベースは、前記基部に対して締結されてもよい。
【0014】
かかる構成によれば、並目ねじからなる第1のおねじ部材がロボットの旋回体またはベースを貫通して第1めねじ穴にねじ込まれ、かつ、細目ねじからなる第2のおねじ部材が旋回またはベース体を貫通して第2めねじ穴にねじ込まれることにより、旋回体またはベースがキャリアの基部に対して締結されるので、取付面にめねじ穴を形成する領域が制限された場合でも、内径側の細目ねじによって並目ねじよりも大きい軸力で旋回体またはベースを基部に締結することが可能である。そのため、旋回体またはベースが基部に対してずれるおそれが低くなる。また、旋回体またはベースに対して外力によるモーメントが作用したときには、そのモーメントを外径側に位置する並目ねじからなる第1おねじ部材で受けるので、外径側の第1おねじ部材の軸力のみが増大するが、内径側の細目ねじからなる第2おねじ部材の軸力はほとんど増大しない。そのため、内径側の第2おねじ部材の軸力を引張強度の限界近くまで上げるように第2おねじ部材を締め付けておいても、外力によるモーメントが作用したときに第2おねじ部材が破断する可能性が低い。
【0015】
さらに、並目ねじからなる第1のおねじ部材と、細目ねじからなる第2のおねじ部材とをさらに備えており、前記キャリアは、前記基部における当該キャリアの回転軸方向を向く端面に配置された端板部をさらに備えており、前記相手部材は、前記端板部であり、前記第1のおねじ部材が前記端板部を貫通して前記第1めねじ穴にねじ込まれ、かつ、前記第2のおねじ部材が前記端板部を貫通して前記第2めねじ穴にねじ込まれることにより、前記端板部は、前記基部に対して締結されてもよい。
【0016】
かかる構成によれば、並目ねじからなる第1のおねじ部材がキャリアの端板部を貫通して第1めねじ穴にねじ込まれ、かつ、細目ねじからなる第2のおねじ部材が端板部を貫通して第2めねじ穴にねじ込まれることにより、キャリアの端板部が基部に対して締結されるので、取付面にめねじ穴を形成する領域が制限された場合でも、内径側の細目ねじによって並目ねじよりも大きい軸力で端板部を基部に締結することが可能である。そのため、端板部が基部に対してずれるおそれが低くなる。また、端板部または基部に対して外力によるモーメントが作用したときには、そのモーメントを外径側に位置する並目ねじからなる第1おねじ部材で受けるので、外径側の第1おねじ部材の軸力のみが増大するが、内径側の細目ねじからなる第2おねじ部材の軸力はほとんど増大しない。そのため、内径側の第2おねじ部材の軸力を引張強度の限界近くまで上げるように第2おねじ部材を締め付けておいても、外力によるモーメントが作用したときに第2おねじ部材が破断する可能性が低い。
【0017】
前記第2のおねじ部材は、前記第1のおねじ部材と呼び径が同じであるのが好ましい。
【0018】
かかる構成によれば、細目ねじからなる第2のおねじ部材が並目ねじからなる第1のおねじ部材と呼び径が同じであるので、これらのおねじ部材を共通の締付工具で締め付けることが可能である。しかも、並目ねじと細目ねじを同じ締付トルクで締め付けた場合、内径側の細目ねじの軸力を外径側の並目ねじの軸力よりも大きくすることが可能である。そのため、第1および第2おねじ部材を締結する作業では、工具や締付トルクを変える必要が無いので、作業性が良い。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明によれば、キャリアの基部における相手部材への取付面においてネジ穴を形成する領域が制限されている場合でも、おねじ部材の軸力を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る歯車装置にロボットの旋回体が締結された状態を示す図であり、(a)は歯車装置の断面図、(b)は(a)のキャリアの基部を回転軸方向から見た平面図である。
【図2】図1(a)の歯車装置の左側面図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る歯車装置を示す断面図である。
【図4】図3の歯車装置の右側面図である。
【図5】本発明の歯車装置におけるモーメント荷重と軸力の関係を示すグラフである。
【図6】従来考えられていた歯車装置におけるモーメント荷重と軸力の関係を示すグラフである。
【図7】従来の歯車装置の歯車装置にロボットのアームが締結された状態を示す図であり、(a)は歯車装置の断面図、(b)は(a)のキャリアの基部を回転軸方向から見た平面図である。
【図8】図7(a)の歯車装置の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態に係る歯車装置の連結構造について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
(第1実施形態)
第1実施形態に係る歯車装置は、例えばロボットの旋回胴や腕関節等の旋回部または各種工作機械の旋回部に減速機として適用される歯車装置である。以下の本実施形態の説明では、ロボットのアームなどの旋回体に歯車装置を適用した例について説明する。
【0023】
第1実施形態に係わる歯車装置1は、図1(a)に示すように旋回体51とベース52との間で所定の減速比で回転力を伝達するものである。旋回体51は、本発明の相手部材の概念に含まれるものである。本実施形態の歯車装置1は、外筒2と、内歯ピン3と、キャリア4と、主軸受6と、クランク軸歯車7と、クランク軸8と、クランク軸受9と、揺動歯車10と、第1ボルト11と、第2ボルト12とを備えている。
【0024】
外筒2は、略円筒状に形成され、歯車装置の外面を構成するケースとして機能する。外筒2は、例えばロボットのベース52にボルトで締結される。外筒2の内面には、多数の内歯ピン3が周方向に等間隔で配設されている。内歯ピン3は、外歯歯車からなる揺動歯車10が噛み合う内歯として機能する。揺動歯車10の歯数は、内歯ピン3の数よりも若干少なくなっている。本実施形態では揺動歯車10を2個(複数)使用している。
【0025】
キャリア4は、軸方向に離間して一対に設けられた主軸受6により外筒2に対して相対回転可能に支持されている。そして、キャリア4は、基部13と、端板部14とを備えている。基部13と端板部14との間には、外筒2とキャリア4との間における回転力の伝達をする伝達部材である揺動歯車10が配置されている。
【0026】
基部13は、外筒2内においてその外筒2の端部近傍に配置される基板部13aと、その基板部13aから端板部14に向かって軸方向に延びるシャフト部13bとを有する。
【0027】
端板部14は、基部13のシャフト部13bの先端面13dに配置されている。端板部14は、ボルト15によってシャフト部13bに締結されている。それによって、基部13と端板部14とが一体化されている。
【0028】
図1(a)、(b)に示されるように、基部13は、端板部14が配置された先端面13dに対して反対側の部位において、旋回体51への取付面13cを有している。取付面13cには、3枚のクランク軸歯車7が収容される開口部20が形成されている。開口部20は、基部13の内部のクランク軸8を収納する空間部にそれぞれ連通している。そして、取付面13cにおける開口部20の周囲の領域には、複数の第1ボルト穴31および第2ボルト穴32が形成されている。
【0029】
第1ボルト穴31は、基部13を旋回体51に締結する並目ねじからなる第1ボルト11が締結可能なめねじ形状を有する。第1ボルト穴31は、取付面13cの外周縁に沿って、5個単位で3箇所に分散して配置されている。それぞれの第1ボルト穴31は、回転中心Oから等距離に配置されている。
【0030】
第2ボルト穴32は、キャリア4の外筒2に対する回転中心Oに対して第1ボルト穴31よりも内径側(すなわち、回転中心Oに対して第1ボルト穴31よりも近い側)に配置されている。第2ボルト穴32は、基部13を旋回体51に締結する細目ねじからなる第2ボルト12が締結可能なめねじ形状を有する。第2ボルト穴32は、第1ボルト穴31の形成されている場所に対して内径側の位置に、それぞれ2個ずつ配置されている。それぞれの第2ボルト穴32は、回転中心Oから等距離に配置されている。
【0031】
第1ボルト穴31および第2ボルト穴32の内径は同じであり、同じ呼び径のボルトがねじ込まれることが可能である。
【0032】
キャリア4は、第1ボルト11および第2ボルト12によって旋回体51に締結される。キャリア4が外筒2に対して相対回転すると、旋回体51は、ベース52に対して旋回する。
【0033】
第1ボルト11は、キャリア4の基部13を旋回体51に締結する並目ねじからなり、本発明の第1のおねじ部材に含まれる概念である。
【0034】
第2ボルト12は、キャリア4の基部13を旋回体51に締結する細目ねじからなる第2のおねじ部材に含まれる概念である。
【0035】
第1実施形態では、細目ねじからなる第2ボルト12は、並目ねじからなる第1ボルト11と呼び径が同じである。すなわち、第1ボルト11と第2ボルト12とは、おねじ部分の外径が同じであり、各ボルト頭部の形状は共通しており、共通の工具で締め付けることが可能である。
【0036】
なお、本実施形態ではキャリア4を旋回体51に締結して旋回するようにし、外筒2をベース52に固定して不動にしているが、外筒2を旋回体51に締結し、キャリア4の基部13をベース52に締結して使用することも勿論可能である。
【0037】
クランク軸8は、複数(図1(b)では3本)設けられており、各クランク軸8はモータMの駆動ギヤDの周囲に周方向に等間隔に配置されている。その各クランク軸8の端部には、クランク軸歯車7がそれぞれ取り付けられている。各クランク軸歯車7は、モータMの駆動ギヤDとそれぞれ噛み合っている。この各クランク軸歯車7は、駆動ギヤDの回転をそのクランク軸歯車7が取り付けられたクランク軸8に伝達する。そして、各クランク軸8は、一対のクランク軸受9を介してキャリア4にその軸回りに回転自在に取り付けられている。すなわち、クランク軸8は、キャリア4に回転自在に支持されている。
【0038】
クランク軸8は、複数(図1(a)では2個)の偏心部8aを有している。この複数の偏心部8aは、一対のクランク軸受9の間の位置で軸方向に並ぶように配置されている。各偏心部8aは、それぞれクランク軸8の軸心から所定の偏心量で偏心した円柱状に形成されている。そして、各偏心部8aは、互いに所定角度の位相差を有するようにクランク軸8に形成されている。
【0039】
2枚の揺動歯車10は、クランク軸8の各偏心部8aにそれぞれころ軸受18を介して取り付けられている。揺動歯車10は、外筒2の内径よりも少し小さく形成されており、クランク軸8が回転するときに偏心部8aの偏心回転に連動して外筒2内面の内歯ピン3に噛み合いながら揺動回転する。
【0040】
揺動歯車10は、中央部貫通孔10bと、複数の偏心部挿通孔10cと、複数のシャフト部挿通孔10dとを有する。モータMの駆動軸DSは、中央部貫通孔10bに遊びを有した状態で挿通されている。
【0041】
偏心部挿通孔10cは、揺動歯車10において中央部貫通孔10bの周囲に周方向に等間隔で設けられている。各偏心部挿通孔10cには、ころ軸受18を介装した状態で各クランク軸8の偏心部8aがそれぞれ挿通されている。
【0042】
シャフト部挿通孔10dは、揺動歯車10において中央部貫通孔10bの周囲に周方向に等間隔で設けられている。各シャフト部挿通孔10dは、周方向において偏心部挿通孔10c間の位置にそれぞれ配設されている。各シャフト部挿通孔10dには、キャリア4の各シャフト部13bが遊びを有した状態で挿通されている。
【0043】
次に、本実施形態による歯車装置1の動作について説明する。
【0044】
モータMで発生した駆動ギヤDの回転駆動力は、各クランク軸歯車7に直接伝達される。これにより、各クランク軸8は、それぞれの軸回りに回転する。
【0045】
そして、各クランク軸8の回転に伴って、そのクランク軸8の偏心部8aが偏心回転する。これにより、揺動歯車10は、偏心部8aの偏心回転に連動して外筒2の内面の内歯ピン3に噛み合いながら揺動回転する。揺動歯車10の揺動回転は、各クランク軸8を通じてキャリア4に伝達される。本実施形態では、外筒2はベース52に固定されて不動であるので、それによって、キャリア4および旋回体51は、入力された回転から減速された回転数で外筒2及びベース52に対して相対回転する。
【0046】
(第1実施形態の特徴)
(1)
第1実施形態の歯車装置1では、図1(a)、(b)ならびに図2に示されるように、キャリア4の基部13における旋回体51への取付面13cには、キャリア4の外筒2に対する回転中心Oからみて、外径側に並目ねじが締結可能な第1ボルト穴31が形成され、内径側に細目ねじが締結可能な第2ボルト穴32が形成されている。そのため、第1ボルト穴31に並目ねじからなる第1ボルト11が締結され、かつ、第2ボルト穴32にその第1ボルト11と同じ外径の細目ねじからなる第2ボルト12が当該第1ボルト11の締付トルクと同じ締付トルクで締結された場合には、内径側の第2ボルト12(細目ねじ)は第1ボルト11(並目ねじ)よりも大きい軸力で基部13と旋回体51との間を締結することが可能である。そのため、取付面13cの内径側で第1ボルト穴31および第2ボルト穴32を形成する領域が制限されている場合でも、内径側の第2ボルト12によって軸力を確保することが可能である。これによって、内径側の第2ボルト穴32を大きくする必要が無く、歯車装置の小型化が容易になる。
【0047】
(2)
第1実施形態の歯車装置1では、キャリア4の基部13に旋回体51を取り付ける場合、基部13の取付面13cに旋回体51を当接した状態で、並目ねじからなる第1ボルト11が旋回体51を貫通して基部13における外径側の第1ボルト穴31にねじ込まれるとともに、細目ねじからなる第2ボルト12が旋回体51を貫通して基部13における内径側の第2ボルト穴32にねじ込まれている。これにより、取付面13cに第1ボルト穴31および第2ボルト穴32を形成する領域が制限された場合でも、内径側の第2ボルト12(細目ねじ)によって第1ボルト11(並目ねじ)よりも大きい軸力で旋回体51を基部13に締結することが可能である。そのため、旋回体51が基部13に対してずれるおそれが低くなる。
【0048】
(3)
また、第1実施形態では、細目ねじからなる第2ボルト12が並目ねじからなる第1ボルト11と呼び径が同じであるので、これらの第1ボルト11および第2ボルト12を共通の締付工具(トルクレンチなど)で締め付けることが可能である。しかも、並目ねじからなる第1ボルト11と細目ねじからなる第2ボルト12を同じ締付トルクで締め付けた場合、内径側の第2ボルト12(細目ねじ)の軸力を外径側の第1ボルト11(並目ねじ)の軸力よりも大きくすることが可能である。そのため、第1ボルト11および第2ボルト12を締結する作業では、工具や締付トルクを変える必要が無いので、作業性が良い。
【0049】
(4)
また、旋回体51に対して外力によるモーメントが作用したときには、そのモーメントを外径側の第1ボルト11(並目ねじ)で受けるので、外径側の第1ボルト11の軸力のみが増大するが、内径側の第2ボルト12(細目ねじ)の軸力はほとんど増大しない。そのため、内径側の第2ボルト12の軸力を引張強度の限界(例えば、降伏点)近くまで上げるように第2ボルト12を締め付けておいても、外力によるモーメントが作用したときに第2ボルト12が破断する可能性が低い。
【0050】
ここで、外力によるモーメントとボルトの軸力との関係について説明する。
【0051】
産業用ロボットに組み込まれた歯車装置1では、キャリア4の基部13と旋回体51との間の第1ボルト11および第2ボルト12による締結部分に対して、モータMの駆動によって発生するトルクが作用するだけでなく、旋回体51を介して伝達される外力などによるモーメントも作用する場合がある。従来では、外力によって大きなモーメントがこの締結部分に作用すると、外径側および内径側に配置されているすべてのボルトに関して、ボルトの軸力が増加すると考えられていた。
【0052】
例えば、図6に示されるように、キャリア4の回転中心Oから等距離に設けられたボルトによってキャリア4の基部13と旋回体51との間を締め付けた場合、締付け後の初期状態では、ボルトの軸力がボルトの降伏限界を示す120kNの横線L2maxを下回る100.0kNであっても、旋回体51に作用する外力などによるモーメント荷重が増加すれば、それにともなってボルトの軸力も破線L20のように増加するので、2倍のモーメント荷重のときには、L20は線L2maxを超えてボルトが破断または損傷するおそれがある。このため、従来では、外力によるモーメントが作用してボルトの軸力が増加しても、ボルトの軸力が当該ボルトの降伏限界値L2maxに達しないように、外径側および内径側に配置されているすべてのボルトについて初期状態の軸力を80.0kNまであらかじめ低く設定しておき、実線L21のように2倍のモーメント荷重のときに横線L2maxを超えてボルトが破断または損傷しないようにしていた。
【0053】
このような状況を考慮して、本発明者らは、キャリア4の回転中心Oからの距離が異なる外径側の第1ボルト11と内径側の第2ボルト12についてのそれぞれのボルトの軸力と外力によるモーメント荷重との関係について実験等鋭意検討を重ね、その結果、図5のグラフに示されるような実験結果を得た。
【0054】
図5に示されるように、初期状態では、外径側に配置された第1ボルト11および内径側の第2ボルト12は、それぞれボルトの軸力が80kNになるようにキャリア4の基部13と旋回体51を締め付けている。旋回体51に作用するモーメント荷重(すなわち、運転時に作用する外力によるモーメントの倍率)が増加したとき、外径側の第1ボルト11については、それにともなって第1ボルト11の軸力も実線L11のように増加する。そのため、外径側の第1ボルト11については、破線L10のようにあらかじめ高めにボルトの軸力を設定すれば、2倍のモーメント荷重のときに降伏限界値を示す横線L1maxを超えるおそれがある。
【0055】
一方、内径側の第2ボルト12については、旋回体51に作用するモーメント荷重が増加しても、第2ボルト12の軸力は一点鎖線L12のように増加しないで初期値をほぼ維持していることが実験結果によってわかった。これは、外径側の第1ボルト11がモーメント荷重を受けるので、内径側の第2ボルト12にはモーメント荷重による影響が及ぼさないためと考えられる。
【0056】
そこで、本実施形態では、内径側の第2ボルト12の軸力を実線L13のように降伏限界値を示す横線L1maxの直近になるように設定している。これにより、旋回体51と基部13との間はボルトの軸力を上げて互いに強固に締結することが可能であり、それにより、旋回体51と基部13とのずれをさらに抑制することが可能になる。
【0057】
(第2実施形態)
上記の第1実施形態では、キャリア4の基部13に締結される相手部材としてロボットの旋回体51である例をあげて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、キャリア4の基部13にボルトなどのおねじ部材で締結される相手部材であれば、他の部材を締結してもよい。例えば、キャリアの基部に対して端板部を上記のように並目ねじからなる第1ボルトと細目ねじからなる第2ボルトを用いて強固に締結するようにしてもよい。
【0058】
具体的には、図3〜4に示されるように、第2実施形態の歯車装置61は、外筒62と、内歯ピン63と、キャリア64と、主軸受66と、クランク軸歯車67と、クランク軸68と、クランク軸受69と、揺動歯車70と、第1ボルト71と、第2ボルト72とを備えている。
【0059】
外筒62は、略円筒状に形成され、歯車装置の外面を構成するケースとして機能する。外筒62の内面には、多数の内歯ピン63が周方向に等間隔で配設されている。内歯ピン63は、外歯歯車からなる揺動歯車70が噛み合う内歯として機能する。
【0060】
キャリア64は、軸方向に離間して一対に設けられた主軸受66により外筒62に対して相対回転可能に支持されている。そして、キャリア64は、基部73と、端板部74とを備えている。基部73と端板部74との間には、外筒62とキャリア64との間における回転力の伝達をする伝達部材である揺動歯車70が配置されている。
【0061】
基部73は、外筒62内においてその外筒62の端部近傍に配置される基板部73aと、その基板部73aから端板部74に向かって軸方向に延びる複数のシャフト部73bとを有する。基部73は、クランク軸68を収納する空間部を有する。
【0062】
端板部74は、基部73におけるキャリア64の回転軸Oの方向を向くシャフト部73bの先端面73dに配置されている。シャフト部73bは、その先端面73dにおいて、第1ボルト71および第2ボルト72によって端板部74に締結されている。それによって、基部73と端板部74とが一体化されている。
【0063】
図3〜4に示されるように、基部73は、シャフト部73bの先端面73dという狭い領域において、複数の第1ボルト穴91および第2ボルト穴92が形成されている。
【0064】
第1ボルト穴91は、基部73を端板部74に締結する並目ねじからなる第1ボルト71が締結可能なめねじ形状を有する。第1ボルト穴91は、シャフト部73bの先端面73dの外周縁に沿って、2個単位で3箇所に分散して配置されている。それぞれの第1ボルト穴91は、回転中心Oから等距離に配置されている。
【0065】
第2ボルト穴92は、キャリア64の外筒62に対する回転中心Oに対して第1ボルト穴91よりも内径側に配置されている。第2ボルト穴92は、基部73を端板部74に締結する細目ねじからなる第2ボルト72が締結可能なめめじ形状を有する、第2ボルト穴92は、第1ボルト穴91の形成されている場所に対して内径側の位置に、それぞれ1個ずつ配置されている。それぞれの第2ボルト穴92は、回転中心Oから等距離に配置されている。
【0066】
第1ボルト穴91および第2ボルト穴92の内径は同じであり、同じ呼び径のボルトがねじ込まれることが可能である。
【0067】
第1ボルト71は、キャリア64の基部73を端板部74に締結する並目ねじからなり、本発明の第1のおねじ部材に含まれる概念である。
【0068】
第2ボルト72は、キャリア64の基部73を端板部74に締結する細目ねじからなる第2のおねじ部材に含まれる概念である。
【0069】
第1実施形態では、細目ねじからなる第2ボルト72は、並目ねじからなる第1ボルト71と呼び径が同じである。すなわち、第1ボルト71と第2ボルト72とは、おねじ部分の外径が同じであり、各ボルト頭部の形状は共通しており、共通の工具で締め付けることが可能である。
【0070】
クランク軸68は、複数(図4では3本)設けられており、各クランク軸68はモータMの駆動ギヤDの周囲に周方向に等間隔に配置されている。その各クランク軸68の端部には、クランク軸歯車67がそれぞれ取り付けられている。各クランク軸歯車67は、モータMの駆動ギヤDとそれぞれ噛み合っている。この各クランク軸歯車67は、駆動ギヤDの回転をそのクランク軸歯車67が取り付けられたクランク軸68に伝達する。そして、各クランク軸68は、一対のクランク軸受69を介してキャリア64にその軸回りに回転自在に取り付けられている。すなわち、クランク軸68は、キャリア64に回転自在に支持されている。
【0071】
クランク軸68は、複数(図3では2個)の偏心部68aを有している。この複数の偏心部68aは、一対のクランク軸受69の間の位置で軸方向に並ぶように配置されている。各偏心部68aは、それぞれクランク軸68の軸心から所定の偏心量で偏心した円柱状に形成されている。そして、各偏心部68aは、互いに所定角度の位相差を有するようにクランク軸68に形成されている。
【0072】
2枚の揺動歯車70は、クランク軸68の各偏心部68aに取り付けられている。揺動歯車70は、外筒62の内径よりも少し小さく形成されており、クランク軸68が回転するときに偏心部68aの偏心回転に連動して外筒62内面の内歯ピン63に噛み合いながら揺動回転する。
【0073】
揺動歯車70は、中央部貫通孔70bと、複数の偏心部挿通孔70cと、複数のシャフト部挿通孔70dとを有する。駆動ギヤDを回転駆動する駆動軸Sは、中央部貫通孔70bに遊びを有した状態で挿通されている。
【0074】
偏心部挿通孔70cは、揺動歯車70において中央部貫通孔70bの周囲に周方向に等間隔で設けられている。各偏心部挿通孔70cには、ころ軸受78を介装した状態で各クランク軸68の偏心部68aがそれぞれ挿通されている。
【0075】
シャフト部挿通孔70dは、揺動歯車70において中央部貫通孔70bの周囲に周方向に等間隔で設けられている。各シャフト部挿通孔70dは、周方向において偏心部挿通孔70c間の位置にそれぞれ配設されている。各シャフト部挿通孔70dには、キャリア64の各シャフト部73bが遊びを有した状態で挿通されている。
【0076】
(第2実施形態の特徴)
(1)
図3および図4に示されるように、第2実施形態の歯車装置61では、キャリア64の基部73におけるシャフト部73bの先端面73dの狭い領域には、キャリア64の外筒62に対する回転中心Oからみて、外径側に並目ねじが締結可能な第1ボルト穴91が形成され、内径側に細目ねじが締結可能な第2ボルト穴92が形成されている。そのため、第1ボルト穴91に並目ねじからなる第1ボルト71が締結され、かつ、第2ボルト穴92にその第1ボルト71と同じ外径の細目ねじからなる第2ボルト72が当該第1ボルト71の締付トルクと同じ締付トルクで締結された場合には、内径側の第2ボルト72(細目ねじ)は第1ボルト71(並目ねじ)よりも大きい軸力で基部73と端板部74との間を締結することが可能である。そのため、シャフト部73bの先端面73dの内径側で第1ボルト穴91および第2ボルト穴92を形成する領域が制限されている場合でも、内径側の第2ボルト72(細目ねじ)によって軸力を確保することが可能である。これによって、内径側の第2ボルト穴92を大きくする必要が無く、歯車装置61の小型化が容易になる。
【0077】
(2)
第2実施形態の歯車装置61では、キャリア64の基部73に端板部74を取り付ける場合、基部73のシャフト部73bの先端面73dに端板部74を当接した状態で、並目ねじからなる第1ボルト71が端板部74を貫通して基部73における外径側の第1ボルト穴91にねじ込まれるとともに、細目ねじからなる第2ボルト72が端板部74を貫通して基部73における内径側の第2ボルト穴92にねじ込まれる。これにより、シャフト部73bの先端面73dに第1ボルト穴91および第2ボルト穴92を形成する領域が制限された場合でも、内径側の第2ボルト72(細目ねじ)によって第1ボルト71(並目ねじ)よりも大きい軸力で端板部74を基部73に締結することが可能である。そのため、端板部74が基部73に対してずれるおそれが低くなる。
【0078】
(3)
また、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、細目ねじからなる第2ボルト72が並目ねじからなる第1ボルト71と呼び径が同じであるので、これらの第1ボルト71および第2ボルト72を共通の締付工具(トルクレンチなど)で締め付けることが可能である。しかも、並目ねじからなる第1ボルト71と細目ねじからなる第2ボルト72を同じ締付トルクで締め付けた場合、内径側の第2ボルト72(細目ねじ)の軸力を外径側の第1ボルト71(並目ねじ)の軸力よりも大きくすることが可能である。そのため、第1ボルト71および第2ボルト72を締結する作業では、工具や締付トルクを変える必要が無いので、作業性が良い。
【0079】
(4)
また、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、端板部74または基部73に対して外力によるモーメントが作用したときには、そのモーメントを外径側の第1ボルト71(並目ねじ)で受けるので、外径側の第1ボルト71の軸力のみが増大するが、内径側の第2ボルト72(細目ねじ)の軸力はほとんど増大しない。そのため、内径側の第2ボルト72の軸力を降伏点近くまで上げるように第2ボルト72を締め付けておいても、外力によるモーメントが作用したときに第2ボルト72が破断または損傷する可能性が低い。
【0080】
なお、今回開示された上記の第1および第2実施形態は、すべての点で本発明の例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0081】
例えば、上記実施形態のように2個の揺動歯車10を有する歯車装置のみならず、1個の揺動歯車、あるいは3個の揺動歯車を有する歯車装置においても本発明を適用することが可能である。
【0082】
また、前記実施形態では、クランク軸8が周方向に複数配置される構成としたが、クランク軸8がキャリア4の軸心上に1つだけ設けられる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1、61 歯車装置
2、62 外筒
3、63 内歯ピン
4、64 キャリア
8、68 クランク軸
8a、68a 偏心部
10、70 揺動歯車
11、71 第1ボルト
12、72 第2ボルト
13、73 基部
13b、73bシャフト部
13c 取付面
13d、73d 先端面
14、74 端板部
31、91 第1ねじ穴
32、92 第2ねじ穴
51 旋回体
52 ベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内面に複数の内歯が設けられた外筒と、
前記外筒内において回転自在に設けられ、偏心部を有するクランク部材と、
前記偏心部に取り付けられ、前記偏心部の偏心回転に連動して前記内歯に噛み合いながら揺動回転する外歯歯車と、
前記クランク部材を回転自在に収納する空間部を含む基部を有しており、前記外筒に対して相対的に回転可能に当該外筒の内部に収容されているキャリアと
を備えており、
前記キャリアの基部における相手部材への取付面には、
前記キャリアの基部を相手部材に締結する並目ねじが締結可能な形状を有する第1めねじ穴と、
前記キャリアの前記外筒に対する回転中心に対して前記第1めねじ穴よりも内径側に配置され、前記キャリアの基部を前記相手部材に締結する細目ねじが締結可能な形状を有する第2めねじ穴と
が形成されていることを特徴とする
歯車装置。
【請求項2】
前記歯車装置は、ロボットの旋回体をベースに対して相対的に回転駆動させる駆動部に適用され、
並目ねじからなる第1のおねじ部材と、
細目ねじからなる第2のおねじ部材と
をさらに備えており、
前記相手部材は、前記ロボットの前記旋回体またはベースのいずれか一方の部材であり、
前記第1のおねじ部材が前記旋回体またはベースを貫通して前記第1めねじ穴にねじ込まれ、かつ、前記第2のおねじ部材が前記旋回体またはベースを貫通して前記第2めねじ穴にねじ込まれることにより、前記旋回体またはベースは、前記基部に対して締結されている、
請求項1に記載の歯車装置。
【請求項3】
並目ねじからなる第1のおねじ部材と、
細目ねじからなる第2のおねじ部材と
をさらに備えており、
前記キャリアは、前記基部における当該キャリアの回転軸方向を向く端面に配置された端板部をさらに備えており、
前記相手部材は、前記端板部であり、
前記第1のおねじ部材が前記端板部を貫通して前記第1めねじ穴にねじ込まれ、かつ、前記第2のおねじ部材が前記端板部を貫通して前記第2めねじ穴にねじ込まれることにより、前記端板部は、前記基部に対して締結される、
請求項1に記載の歯車装置。
【請求項4】
前記第2のおねじ部材は、前記第1のおねじ部材と呼び径が同じである、
請求項2から3のいずれかに記載の歯車装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−189126(P2012−189126A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52383(P2011−52383)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(503405689)ナブテスコ株式会社 (737)
【Fターム(参考)】