説明

殆どが産業廃棄物となるおからの保存有効活用方法

【課題】殆どが産業廃棄物になる豆腐より栄養価のあるおからを、肥料、飼料としないで、100%人間の食料として用い、産廃を出さない、大豆資源の有効利用、焼却処分をしない、大気汚染、環境浄化、もったいない運動に等に大きく貢献する。
【解決手段】豆腐を製造する工程で副生物おからを、加塩処理し常温保存し、醤油の残渣味とともに、味噌又は、味噌化合物として、100%食料として、再利用することで、おから及び醤油粕の、産業廃棄物を出さない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腐敗する時間が非常に早く、食品としての再利用率が、副生物全体の割合から比較すると非常に少ない、豆腐を製造する最終工程で副生される豆腐の絞り粕(以下、おからという)を、廃棄する事無く保存、より詳しくは腐敗しやすい豆腐の副生物を、化学薬品、PH調整剤等を、使用する事無く、常温保存を可能にし、味噌又は調味料等に転化するおからの、保存有効活用方法である。
【背景技術】
【0002】
従来の豆腐とその副産物であるおからは、大豆を柔らかくし微粉砕をして、加熱し濾し袋に入れ濾して、豆乳と絞りかすに分け、豆乳に、にがりをいれ固まった物が豆腐、絞り粕がおからである。
【0003】
ところで、豆腐や味噌の生産時に派生する副産物、例えば豆腐製造工場では、豆乳を搾り取った後の残りとして、副生されるおからや、醤油工場では、醤油を製造する最終工程で副生される、醤油粕である。前記豆腐製造に伴い発生するおからの排出量も、年間80〜100万トンと大量で、傷みが早いこともあり大部分が、廃棄されているのが実状である.おからは,栄養学的にみて、炭水化物、蛋白質、油脂等を含有し、且つ炭水化物中の、九割以上が食物繊維であるため、生理機能的に優れている。前記醤油工場で排出される醤油粕は、全国で年間十数万トンにもなり、大部分は焼却、埋め立て処分されており、その一部が飼料、肥料に利用されているに過ぎず、そこに含まれている高い塩分濃度や、独特の臭気に起因している。しかし、醤油粕には、粗蛋白,粗繊維等豊富に含んでおり、豆腐粕や、醤油粕を、無駄な産業廃棄物にする事無く、食べ物として再利用することが、大いに期待されている。
【0004】
前記おからや、醤油粕の廃棄処理には、多大のエネルギーを要し、コストがかかり、しかも熱処理を行うと、炭酸ガスを発生し、ダイオキシンを排出する可能性もあるといわれており、環境保護の面から見ても問題がある。そこで、おから、醤油粕を100%食用に転化し、おから、醤油粕を出さず、炭酸ガス、ダイオキシンを出さず、又、もともと味噌は大豆か麦で作るものであれば、成分は同じであり、おからには、炭水化物、高蛋白質、植物繊維、油脂等を、豊富に含んでおり、飼料や、肥料にすることより、人間が食べられる、ロスの無い方向に転換し、引いては限られた大豆の資源を、大幅に軽減し、目に見える形の、大豆の有効利用及び、資源確保、環境浄化、もったいない運動を実践する、エコ活動に、大きく貢献できることが期待できる。
【0005】
おからを利用する食品は、お菓子、飲料、調味料と多岐にわたり種々知られているが、例えば、味噌の製造方法に、大豆に代えておからを用いる技術 (例えば、特許文献1及び2参照)が知られている。
【0006】
又、微細化した湿潤おからを掻き取り式交換機に供給し120℃以上に過熱して冷却したものを無菌的に充填密封することを特徴とするおからの製造方法。(特許文献参照3)
【0007】
又、無処理おからをノンバインダーで成型後多段式熱風乾燥機により、高熱殺菌処理をした安全な固形食品を得る (例えば、特許技術4)や、おからの物質変化を伴わない乾燥、殺菌方法、75%〜85%の水分を含むおからに一定条件のマイクロ波を照射することにより、おからの温度が上昇し水分が蒸発すると共に、殺菌効果を得て物質変化を発生させない方法。(例えば、特許文献5)がある。
【0008】
さらに、おからや醤油残渣等を含んだ食材 (例えば、特許文献参照6)や、おからや醤油粕等を含む混合物を発酵させてなる健康食品及び着け床 (例えば、特許文献参照7)や、丸大豆を温水で浸漬したものを使用し、糖質を抽出して厭味な成分を除き、次に特定の粒度に微細化し、さらにデカンターで遠心分離して得られた残渣おからを包材中に密封充填した後、レトルト加熱殺菌を行い、目的のおからを得る(例えば、特許文献参照8)
【0009】
一方、腐敗しやすく大部分が産業廃棄物になるおからに、化学薬品や、PH調整する事無く塩分を浸透させて常温保存をし、味噌や調味料に転化する技術は、産業廃棄物であるおからに、塩分を加えるということは余計に、塩害、ダイオキシン等の公害になるという、考え方が一般的であり、本発明のようにそれを逆手に取り、食用に転化する方法は知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平6−105664号公報
【特許文献2】特開2006−345730号公報
【特許文献3】特開2001−145468号公報
【特許文献4】特開2003−180281号公報
【特許文献5】特開2004−81185号公報
【特許文献6】特開平8−33457号公報
【特許文献7】特開2003−38124号公報
【特許文献8】特開2002−199853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、豆腐製造時に派生する副産物であるおからを、防腐剤PH調整剤等の化学薬品を使用する事無く,加塩処理を施したおからを、そのまま、又は乾燥、又は、圧縮し、常温保存をし、おから特有の栄養成分を活かし、風味に優れ、食感が良好な味噌、とりわけエコロジー(環境にやさしく、かつ経済的)な味噌を製造する方法、前記エコロジーな味噌を加工処理した万能味噌ルー、及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は、食用油脂に関連した種々の問題点の改善、或いは植物の成分に関する研究に従事し、葉緑素入りラー油(特許第3924000号)や、植物、きのこの有効成分の抽出方法(特許第3638594号)について発明し、これらの特許を得た。本発明者は、薬草研究家であり、調理師であり、又環境技術情報顧問の立場から、地域振興活性化アドバイザーでもある。この立場から見て、人間を取り巻く環境の悪化を、食生活と結び付けて少しでも改善すべく、食品工場から派生する大量の副産物であるおからや醤油粕(これらは殆どが廃棄、焼却されている)に有用な多種の成分を含むことに着目し、単に廃棄せず種々の食品等に利用すべく鋭意検討した結果、おからは、原料〔大豆〕、製造方法(発酵)等から見て味噌と近縁であり、味噌原料の一部に適用できるのではないかと予測して、大豆処理物の変わりにおからや、醤油粕を用いて、所定の製造工程を得て製造したところ、風味に優れ、食感が良好なエコロジー味噌を得ることでき、前記味噌をさらに加工して味噌ルーにしたり、あるいは顆粒やフリーズドライに加工して、万能味噌を得ることができることを確認し、本発明を完成することに至った。
【0013】
すなわち本発明は、(1)豆腐を製造される工程の最後に副生される豆腐の絞り粕(以下、おからという)に、加塩して、醤油を製造する最終工程で副生される醤油の絞りかす(以下、醤油粕と言う)を細かく微粉砕又は、水分含量20質量以下に乾燥した醤油粕乾燥物とを、主成分に用いることを特徴とするエコロジーな味噌の製造方法や、(2)大豆として、次のa)大豆を水洗いする工程;b)水洗いした大豆を一晩水に浸し水分を含ませる工程;c)水を含んだ大豆を加圧加熱する工程;d)加圧加熱した大豆を、大豆とゆで汁に分離する工程;e)ゆで汁と分離した大豆を磨砕する工程;f)の工程により順次処理して得られる大豆磨砕物及び大豆の煮汁と,麹、塩(調整用)との混合物を用いることを特徴とする前記(1)記戴のエコロジーな味噌の製造方法や、(3)醤油粕、醤油粕乾燥物等と、麹と、豆乳と、塩(調整用)と、おからとの混合物を用いることを、特徴とする前記(1)記戴のエコロジーな味噌の製造方法や、(4)醤油粕を微粉砕して用いることを特徴とする前記(1)〜(3)の、いずれか記戴のエコロジーな味噌の製造方法や,(5)加塩おからを5〜95質量%を含み、耳たぶよりヤヤ硬めに均一に練り合わせて、味噌の素を製造し、次いで、前記味噌の素を隙間無く樽に詰め、発酵、熟成させることを特徴とする前記(4)記戴のエコロジーな味噌に関する。
【0014】
また本発明は、(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記戴の製造方法により得られたエコロジーな味噌20質量部に対し、水17〜20質量部、砂糖7〜13質量部加えたものをベースにし、醤油、ニンニクルー、香辛料を適宣加え、滑らかになるまで攪拌.混合する、攪拌混合工程と、前記味噌混合物を、沸騰するまで加熱する加熱工程と、沸騰した味噌混合物を煮詰める濃縮工程と、濃縮された味噌混合物に食用油2.7〜3.3質量部を添加して混練する混練工程とを順次備えたことを特徴とするエコロジーな味噌を用いる万能味噌ルーの製造方法や、(7)ニンニクルーは、加熱したフライパンに食用油を入れ、小麦粉と下しニンニクを入れ焦がさないように中火から弱火で小麦粉がほんのり色付くまで炒めることを特徴とする前記(6)記戴のエコロジーな味噌を用いる万能味噌ルーの製造方法や(8)糖類として、砂糖、水飴を用いることを特徴とする前記(6)又は(7)記戴のエコロジーな味噌を用いる万能味噌ルーの製造方法や、(9)微塵切りや下ろしたニンニクを食用油で弱火で炒め水分を飛ばし飛ばしたニンニクと、オイルを混練工程で入れることを特徴とする前記(6)〜(8)のいずれか記戴のエコロジーな味噌を用いる万能味噌の製造方法に関する。
【0015】
さらに本発明は、(10)前記(6)〜(9)のいずれか記戴の方法で得られる、万能味噌ルーをそのまま、もしくは顆粒状又は粉末状に加工することを特徴とするエコロジーな味噌を用いる万能味噌ルー又はその加工品に関する。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、その殆どが廃棄されているおからや、醤油粕を有効利用し、経済的に安価な味噌の、元資や、味噌を製造でき、また、大豆を由来とするため、配合する味噌とは成分的に同種であるため、違和感が無く豆腐残渣には大豆全体の80%近い栄養成分が残され、醤油残渣にもそれに近い栄養成分と、醤油成分が有する旨味、独特の風味を活かし、旨み、風味、食感が良好な、環境にやさしい味噌や、このようなエコロジーな味噌を加工処理した万能味噌ルーを得ることができる。 他方、廃棄物の軽量化、廃棄物処理中の、炭酸ガスや、ダイオキシン等の排気ガスの減量化に、大きく寄与し、また、おからや、醤油粕を使用することにより、この使用量が、通常の味噌製造における大豆原料の減少化につながり、また味噌を、二次加工することで付加価値をつけ、目に見える形の大幅な経済効果をもたらすことができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明のおからの保存有効活用は、豆腐の絞り粕として日々大量に福生される、おからを、化学薬品、PH調整剤等を使用する事無く保存を可能にし、味噌及びその関連調味料、醤油等に、特化することを目的として発明された製造方法である。おから又は乾燥おからと塩を主原料として用いる方法であれば、特に制限されるものではないが、脱水乾燥処理をしていない通常のおからであれば、腐敗速度が非常に速いので夏日であれば、4時間以内できれば、おから排出直後暖かいうち加塩するのが望ましい。また、通常のおからは水分80%以上含み、菌が繁殖し易いため、排出後早いうちに乾燥するのが好ましい。おからの乾燥方法として、熱風乾燥法、ドラム乾燥法、遠赤外線乾燥法、フリーズドライ、これらの組み合わせによる乾燥方法があり、いずれの乾燥方法でもよく、焦げない程度に含水率10%程度の乾燥することが望ましい。
【0018】
本発明のおからの保存有効活用方法は、排出されたおからに対し、加塩5〜95質量%含み、おから、または、麹、醤油残渣等を加え、その後味噌及び味噌加工調味料等を製造する時、おからの使用量に応じて加減し、通常の味噌の製造方法に即して製造する。加塩質量が5質量%以下だと、防腐効果が薄く、腐敗しやすく、また95質量%を超える量で含有すると、塩分濃度が濃すぎて、おからを大量消費する、エコロジー効果が望めない。好ましくは5〜45質量%、より好ましくは、10〜30質量%である。加塩したおからを、防カビ、防虫、防塵のため、密封容器に詰め、好ましくは真空パック処理が望ましい。
【0019】
本発明において、乾燥おからを用いる場合には、塩分の付着により機械を傷めるので、おから乾燥後に、加塩処理を施すほうが、乾燥前に加塩処理を施すより、より好ましい。こうして製造された加塩おからに対し、醤油の残渣を微粉末に処理し、おから又は醤油の残渣の余剰具合により、おから5〜95%質量に対して、醤油残渣95〜5%質量加えることにより、麹を加え味噌を造る、一歩手前の段階に処理して保存することも可能である。
【0020】
上記本発明を用いた、味噌の具体的な製造方法を具体的に説明すると、加塩処理されたおから5〜95質量%に対し、米麹又は麦麹95〜5質量%、より好ましくはおから40〜60質量%、米麹又は麦麹60〜40%質量を合わせ、実施例では加塩おから3kg米麹3kg.を混合し、麹を加えた分、水分及び塩分の調整を行い、塩分濃度10〜20%位にし、よく攪拌練り合わせ耳たぶくらいの硬さに調整し味噌たる又は容器に空気が入り込まないよう詰め、蓋をして重石を乗せ、麹を発酵最適温度30℃前後で、2〜3ヶ月間発酵、熟成をさせ本発明を用いたエコ味噌を得た。
【0021】
本発明において、処理して得られたおからを用いて、具体的なエコロジーの味噌の製造方法は、味噌を造る混合段階で行われる、加塩作業をすでに施されており、また塩を加えることにより、大豆酵母が熟成され麹を入れるだけでよく、こうして得られたおからを使用することにより、味噌の熟成期間が、通常の味噌製造方法より、短縮されるという利点がある。
【0022】
本発明により製造されたエコロジーな味噌(以下、「エコ味噌」という場合がある)二次加工し、万能味噌ルーの製造方法としては、前記の製造方法として得られたエコ味噌20質量部に対し、水17〜23質量部、糖類7〜13質量部加えたものをベースにし、醤油、ニンニクルー、香辛料等を適量加え、滑らかになるまで攪拌.混合する、攪拌.混合工程と、前記味噌混合物を沸騰するまで加熱する加熱工程と、沸騰した味噌混合物を煮詰める濃縮工程と、濃縮された味噌混合物に食用油2.7〜3.3質量部を添加して混練する混練工程とを、順次備えた方法であれば、特に制限される物ではない。
【0023】
本発明により得られた万能味噌ルートは、日本料理、西洋料理、中国料理と幅広く用いる事ができる味噌であり,何の料理対しても相性が非常に良い。
【0024】
本発明の万能味噌ルーの製造方法においては、先ず、本発明のエコ味噌20質量部に対し、水、17〜23容量部、糖類7〜13質量部加えるが、この割合で配合することにより、味噌の風味と、糖類の甘味が融合し、また、水の量は、後の工程において濃縮され、より滑らかな状態とすることができる。好ましくは、エコ味噌20質量部に対し、水19〜21容量部、糖類9〜11質量部、より好ましくは、エコ味噌20質量部に対し、水約20質量部、糖類として砂糖を約10質量部用いる。
【0025】
本発明で用いる糖類としては、上白糖、中白糖、三温糖、グラニュー糖、白ザラ糖、中ザラ糖、粉砂糖、角砂糖などをはじめとする砂糖、無水結晶ぶどう糖、含水結晶ぶどう糖、精製ぶどう糖、普通ぶどう糖、水飴、粉末水飴が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いる事ができる。このうち、砂糖を使用すると良好な甘味を得ることができ、砂糖と水飴を用いることが特に好ましい。香辛料として,おろしニンニク、胡椒,唐辛子等を用いることができるが、本発明の調味味噌を、食品によっては、香辛料の量を控え目にし、風呂吹き大根、さばの味噌に等に応用することができる。
【0026】
本発明の攪拌.混合工程は、エコ味噌、水、糖類をベース年、醤油、香辛料を加え、全体が良く混合しやすいようにするためであり、食品等に用いられる通常の攪拌.混合装置を用いることができる。この攪拌混合工程において水を用いるのは、エコ味噌、糖類、醤油、香辛料、ニンニクルーを均一に混合するためであり、均一に混合した後,呈味を薄くする水は後工程である濃縮工程であらかた除去される。前記人にクルーは、加熱したフライパンに食用油を入れ、小麦粉と下ろしニンニクをいれ焦がさないように中火から弱火で、小麦粉がほんのり色付くまで炒めることにより得られる。
【0027】
全体が滑らかになったら、加熱装置を備えた容器に移し、又は予め加熱装置を備えた攪拌.混合装置であればそのまま沸騰するまで加熱する〔加工工程〕。その後、弱火で時々攪拌し、煮詰める濃縮工程に移る。濃縮工程では、最初の量の約1/2になるまで煮詰める。この水分存在下加熱工程や濃縮工程においては、味噌や醤油中のアミノ酸と糖類とがメイラード反応を生起し、独特の風味が形成される。また、濃縮工程により当初の半分程度の量に煮詰めると、より滑らかで味噌と糖類及び醤油、香辛料が融和し、煮詰めた後の年度は、その後食品に用いる際、食品とよく混合でき、また、舌触りも非常に良いものとなる。
【0028】
最後の攪拌工程で、食用油を添加して混練する。食用湯は全体的に馴染むものの一部は表層として分離した状態になり、保存時における乾燥やカビの発生を防ぐことができるが、使用に関してはよく攪拌して用いることが好ましい。ここで用いる食用油は、市販のサラダオイル等植物オイルを用いることができる。
【0029】
本発明の製造法において、多めの食用油でみじん切りしたニンニクを弱火で炒め、キツネ色になるまで水分を完全に飛ばしたニンニクを最後の工程である混練工程の後、表面に分離した食用油からなる油層に、適量添加することが好ましくこれによって乾燥やカビの発生が防ぐことができ、製造された調味味噌の保存期間を延長することができる。また、多めの食用油で微塵切りしたニンニクを弱火で炒め、キツネ色になるまで水分を完全に飛ばしたニンニクを、予め前記食用油を混練工程で使用することもできる。
【0030】
本発明の製造方法で得られるエコ味噌は、万能味噌ルーをそのまま、もしくは顆粒状又は粉末状に加工し、インスタント調味料として応用することができる。顆粒状又は粉末状に加工する技術は、この種調味料おける顆粒化技術又は粉末技術を応用して製造する。
本発明の万能味噌ルーを、焼そば、焼うどん、焼スパゲッティの調味にもちいられ、調理後の焼そば、焼うどん、焼スパゲッティを皿に移して、キュウリと白髪葱を散らすと北京ダック風味の、焼そば、焼きうどん、焼スパゲッティを得る事が出来るが,本発明の技術的範囲は、これらの例示に限定される物ではない。
【実施例1】
【0031】
大部分が産業廃棄物になる、豆腐の副生物として排出されたおからに対し、32%の、加塩処理を行い、常温で1週間保存したおから2kg質量に、大部分がこれまた産業廃棄物になる醤油残渣を、乾燥粉末したもの2kg.質量に対し、沸騰消毒した水2.2kg.容量を加え、加熱沸騰攪拌したものを常温まで冷まし、米麹2kgをよく練り合わせ、隙間無く樽に詰め麹菌がいちばんよく発酵する、30℃前後に保ち、3ヶ月熟成させエコロジーな味噌約8kg.を完成させた。
【実施例2】
【0032】
上記実施例1とは別に、粉末乾燥したおからに1kg質量に、480g質量の加塩処理を施したおからと、攪拌した醤油残渣2kg質量を混合し、米麹2kg質量、沸騰消毒した水。3.2kg.容量を加えよく練り合わせ、隙間無く樽につめ3ヶ月発酵熟成させ、エコロジーな味噌約8.5キロを得た。
【実施例3】
【0033】
上記実施例は1例であり、通常の加塩おから+乾燥した醤油残渣をあわせて保存し、味噌を作る直前に麹を合わせる方法。乾燥した加塩おからと、乾燥粉末にした醤油残渣を攪拌し保存し,味噌を造る直前に、麹と水を混ぜて造る方法など、その製法はこれらの例示に限られた物ではない。
【実施例4】
【0034】
本発明により製造されたエコロジーな味噌(以下、「エコ味噌」という場合もある)を二次加工した、万能味噌ルーの製造方法としては、前記製造方法で得られたエコ味噌2kg.質量部に対し、水2kg.容量部、糖類1kg.質量加えたものをベースにし、醤油、ニンニクルー、香辛料を適量加え、滑らかになるまで攪拌、混合する、攪拌、混合工程と、前記味噌混合物を沸騰するまで加熱する、加熱工程と、沸騰した味噌混合物を煮詰める濃縮工程と、膿縮された味噌混合物に食用油200g質量部を添加して、混練する混練混練工程とを経て、3kg.質量の万能味噌ルーを得た。製法については、順次備えた方法であれば、特に制限される物ではない。
【実施例5】
【0035】
豚肉の細切れ50g、キャベツ2枚を一口大の大きさに切り、きゅうり1/2は千切りにし、長ネギは芯の部分は取り除き白髪葱を作っておく。鍋を熱してから、大匙3杯の油を入れ、豚肉、キャベツ、余った葱の芯を入れ炒め、半分ほど火が通ったら、うどん2玉を入れ、ほぐれるまで炒める.うどんがほぐれたら、実施例3で得られた万能味噌のルーを.大匙3倍杯入れ1分ほど炒め、味がまんべんなく廻ったら皿に移して、きゅうりと、白髪葱とを散らして、新感覚の北京ダック風味噌焼うどん(2人前)を得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
豆腐を製造する最終工程で副生される大豆の絞り粕(以下、おからという)を加塩処理、保存し、味噌及びその加工食品に転化する、殆どが産業廃棄物になるおからの保存有効活用方法。
【請求項2】
加塩おからと、麹、豆乳、塩、醤油残渣、水等、複数組み合わせた混合物を用いることを特徴とする、請求項1記戴の、殆どが産業廃棄物になるおからの保存有効活用方法。
【請求項3】
醤油残渣、及び、醤油乾燥物としてミルサー又は破砕機にかけて微粉末にされたものを用いることを特徴とする請求項1〜2記戴の、殆どが産業廃棄物になるおからの保存有効方法。
【請求項4】
おからに、塩5〜95質量%を含ませた、加塩おから5〜95質量%と醤油残渣95〜5質量%を、耳たぶよりやや固めに均一に練り合わせて味噌の素を製造し、次いで、前記味噌の素を隙間無く樽に詰め、発酵熟成することを特徴とする、前記請求項1〜3記戴の、殆どが産業廃棄物になるおからの有効保存方法。
【請求項5】
請求項1〜4何れかに記載の製造方法により得られた加塩おから混合物を、常温で保存する、殆どが産業廃棄物になるおからの保存有効方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか記載の製造方法により得られたエコロジーな味噌20質量部に対し、水17〜23容量部加えたものをベースにし、醤油、ニンニクルー、香辛料を適量加え、滑らかになるまで攪拌.混合する攪拌.混合工程と、前記味噌混合物を沸騰するまで加熱する加熱工程と沸騰した味噌混合物を煮詰める濃縮工程と、濃縮された味噌混合物に食用油2.7〜3.3質量部を添加して混練する混練工程とを、順次備えたことを特徴とする、殆どが産業廃棄物になるおからの保存有効利用方法。
【請求項7】
ニンニクルーを、加熱したフライパンに食用油をいれ、小麦粉と下ろしニンニクを入れ焦がさないように中火から弱火で小麦粉がほんのり色付くまでいためることを特徴とする請求項6記戴のエコロジーな味噌を用いる万能味噌ルーの製造方法。
【請求項8】
糖類として、砂糖及び水飴を用いることを特徴とする請求項6又は7記戴のエコロジーな味噌を用いる万能味噌ルーの製造方法。
【請求項9】
微塵切りしたニンニクを食用油で弱火にして炒め、水分を完全に飛ばしたニンニクを、混練工程のあとで添加することを特徴とする請求項6〜8のいずれか記戴のエコロジーな味噌を用いる万能味噌ルーの製造方法。
【請求項10】
前記請求項6〜9のいずれか記戴のせいほうで得られる、万能味噌ルーをそのまま、もしくは顆粒状又は粉末に加工することを特徴とするエコロジーな味噌を用いる万能味噌ルー、又はその加工品。

【公開番号】特開2011−172552(P2011−172552A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−58328(P2010−58328)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(393009253)
【Fターム(参考)】