説明

残留物回収システムおよび残留物回収方法

【課題】貯蔵タンク内(その内部のバレル内を含む)に収容された液体(たとえば液化ガス)内に存在する残留物を効率的に回収することのできる、残留物回収システムと回収方法を提供することを提供する。
【解決手段】液化ガスLGが貯蔵されている貯蔵タンク1内に配設され、密閉姿勢と密閉解除姿勢を選択自在なバレル2と、バレル2内に設置されて、貯蔵タンク内もしくはバレル2内の残留物Zを回収する回収装置5と、密閉姿勢であって貯蔵タンク1内の液化ガスと流体連通しているバレル2内にガスを提供し、該バレル2内を加圧してその内部の液化ガスをバレル2外に送り出す制御、および、ガスの提供を停止し、密閉解除姿勢のバレル2内に液化ガスを導入する制御、を実行するガス制御機構3と、を少なくとも有する残留物回収システム100である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LNG(液化天然ガス)やLPG(液化石油ガス)等の液化ガスをはじめ、各種の液体を貯蔵する貯蔵タンク内、もしくは、該貯蔵タンク内に配されて液体(液化ガスなど)を払い出すためのポンプを収容するバレル内に存在している、残留物(異物)を回収するためのシステムおよび方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
LNG貯蔵タンク内に貯蔵されているLNG(液化天然ガス)は、常圧、−162℃にて気液平衡状態となっているが、このタンクは断熱構造となっているものの、少なからず自然入熱等が作用することでBOG(ボイルオフガス)が発生し、タンク内に充満している。
【0003】
ところで、LNG貯蔵タンクからのLNGの払い出し機構は二種に大別することができ、その一つは、メンテナンス容易性等の観点から、払い出しポンプが貯蔵タンク外に設置され、この外部のポンプにて貯蔵タンク内の液化ガスを払い出す形態であり、一般に、アウトタンク型の払い出し機構と称することができる。
【0004】
これに対して他の一つの機構は、貯蔵タンク内の液化ガスを吸い込むためのフート弁等を有したバレルが貯蔵タンク内に収容され、このバレルの底部に払い出しポンプが収容されており、ポンプの動力により、フート弁等を介してバレル内に吸い込まれた液化ガスを払い出しラインを通じて貯槽タンク外へ払い出す形態であり、一般に、インタンク型の払い出し機構と称することができる。
【0005】
このインタンク型の払い出し機構においては、複数本のバレルとその内部に収容されたポンプが貯蔵タンク内に設けてあり、所望する液化ガスの払い出し量に応じてその使用基数が適宜調整でき、さらには、任意のポンプが故障した場合でも、他のポンプを稼動させることでLNGの継続的な払い出しが保障されるものである。なお、このようなバレル(ポンプバレル)が貯蔵タンク内に収容された構成が、特許文献1に開示されている。
【0006】
上記するいずれの形態の払い出し機構においても、貯蔵タンク内で発生するBOGを再利用するべく、LNGの払い出しラインとは別途のBOG払い出し用のラインを併設しておき、たとえば、双方のラインを熱交換器に通してBOGをLNGの冷熱にて該熱交換器内で液化させ(再液化)、さらに昇圧してLNGの払い出しラインに合流させて気化器へ送り、気化器を介してLNGを気化させて都市ガスとする、LNG(液化ガス)の払い出しシステムが構成される。
【0007】
現在、上記するインタンク型の払い出し機構を有するLNGの払い出しシステムは、世界的にその建設が進められており、そのより一層の普及に伴って、システム内で生じ得る各種の故障に如何に対処できるかが、ガス関連企業等各社で鋭意検討されているところである。
【0008】
この故障に関し、その一つとして、バレル内に収容される払い出しポンプの一部が破損し、これがバレルに設けられたフート弁等を閉塞してしまう、といった故障に本発明者等は注目し、このようなポンプの破損片等を効率よく回収できるシステムや方法の発案に至っている。なお、このポンプの破損片以外にも、LNG搬送船の貯蔵タンク内に存在していた異物がLNGとともに地上のLNG貯蔵タンク内に送り込まれてしまい、これが貯蔵タンクのバレルのフート弁等を閉塞することも十分に考えられる。このように、本願発明は、貯蔵タンク内に存在する液化ガス以外の残留物(異物、残渣)の全般を、その回収対象とするものである。
【0009】
なお、従来の公開技術に目を転じても、貯蔵タンク内の残留物を効率的に回収できるような技術が一切存在していないことをここに付言しておく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平6−137495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、貯蔵タンク内(その内部のバレル内を含む)に収容された液体、たとえばLNGやLPG等の液化ガス内に存在する残留物を効率的に回収することのできる、残留物回収システムと回収方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成すべく、本発明による残留物回収システムは、液体が貯蔵されている貯蔵タンク内に配設され、密閉姿勢と密閉解除姿勢を選択自在なバレルと、前記バレル内に設置されて、前記貯蔵タンク内もしくは前記バレル内の残留物を回収する回収装置と、密閉姿勢であって貯蔵タンク内の液体と流体連通しているバレル内にガスを提供し、該バレル内を加圧してその内部の液体をバレル外に送り出す制御、および、ガスの提供を停止し、密閉解除姿勢のバレル内に液体を導入する制御、を実行するガス制御機構と、を少なくとも有すものである。
【0013】
本発明の回収システムが回収対象とする残留物は、既述する、ポンプが破損した残渣(破損片)、LNG搬送船内に存在していた異物が貯蔵タンク内に入り込んだもの、などをはじめとして、任意の液体を貯蔵するタンク内に存在しているあらゆる異物をその対象としたものであり、さらには、貯蔵タンクの液体内(もしくは液化ガス内)に浮遊する残留物、貯蔵タンクの底面に沈積した残留物、バレル内に残っていた残留物、など、本来的に貯蔵されるべき液体(もしくは液化ガス)以外の全般を指称するものである。また、ここでいう「液体」とは、水、オイルなどの液体全般を指称するものであり、この液体に含まれる「液化ガス」とは、LNG,LPG、液化窒素、液化水素などを指称するものである。
【0014】
また、貯蔵タンク内に配設されたバレルは、たとえば、その上端が貯蔵タンクの屋根から吊り持され、その側面が貯蔵タンクの側面から内部に突出する適宜の係止部材にてぶれ防止が図られた姿勢で係止され、貯蔵タンク内における安定姿勢が保持されている。また、配設されるバレルは、1本であっても複数本であってもよいが、少なくとも、密閉姿勢と密閉解除姿勢を選択自在となっているものであり、その一部に払い出しポンプが収容されるもの、その全部に払い出しポンプが収容されるものなど、その基数や使用態様は様々である。
【0015】
ここで、「密閉姿勢」とは、バレルの底部開口が、バレル外の液体と流体連通した状態で該液体にて閉塞されており、バレルの上部開口が、木製もしくは金属製の適宜の閉塞蓋等で閉塞されている状態を意味している。一方、「密閉解除姿勢」とは、バレルの底部開口が同様に液体で閉塞されているものの、その上部開口が解放されている状態を意味している。すなわち、バレルが「密閉姿勢」の場合には、その内部に圧力流体が提供されることで、この圧力流体の圧力によってバレル内の液体が押し下げられ、該バレル内が圧力流体で満たされた状態が形成できる。なお、この「密閉姿勢」や「密閉解除姿勢」の姿勢変更は、作業員による手動にて、閉塞蓋を設置したり、該閉塞蓋を取り外す方法のほか、該閉塞蓋がサーボモータ等を介して自動開閉自在となっており、管理者による外部指令に応じてその開閉姿勢変更が自動制御されるものなどがある。
【0016】
そして、本発明の回収システムを構成するガス制御機構により、バレルを「密閉姿勢」とした状態で、たとえば上記する圧力流体の一つである窒素ガスや、貯蔵タンク内で発生するBOG(液体がLNGの場合)などをバレル内に提供することにより、常時のバレル内において、バレル外側(貯蔵タンク内)の液体と略同レベルで存在する液体の液面を、提供されたガスの圧力によってバレル下方にまで低下させることができる。次に、バレル内へのガスの提供を停止させ、バレルを「密閉解除姿勢」とすることで、バレル内外の液体の差圧により、外部から液体がバレル内に導入される。
【0017】
このバレル内への液体の導入の際に、バレル下方に存在する、もしくはバレル外側の貯蔵タンク内に存在する残留物が、液体とともにバレル内に導入されることになる。
【0018】
ここで、バレルのたとえば下方には上記する回収装置が配されており、バレル内に導入された残留物は、同時に導入された液体の流速に乗ってこの回収装置内に効率的に回収されることとなる。
【0019】
このガス制御機構を構成するガス提供手段の一実施の形態としては、LNG工場内に存在する、ユーティリティ用の圧力配管と、気化器と、から構成されるもの(既存の施設をそのまま使用する形態)や、低温窒素を気化器にて気化させ、気化された圧力窒素ガスを所望のタイミングでバレル内に提供する形態(このシステムに固有のガス提供手段)を挙げることができる。さらに別の形態として、昇圧ポンプやコンプレッサなどで圧力ガスを生成し、これをバレル内に提供する形態などであってもよい。
【0020】
本発明による残留物回収システムは、上記するように、液体の貯蔵タンク内に配設された従来一般のバレルを有効利用し、その内部に回収装置を配し、バレル内の液体に流速を生じさせ、この流速を利用して残留物を該回収装置にて回収するものであり、そのシステムの稼動に際して、熟練した技術を何等要するものではないし、システム全体の製造コストも何等高価なものとはならない。
【0021】
なお、実際に本システムを稼動させる際には、バレル内に収容されていた払い出しポンプを該バレルから取り出し、次いで、回収装置をバレルのたとえば底部に配した後に、ガス制御機構によるバレル内外への液体の出入り制御が実行されることとなる。また、残留物回収のタイミングは任意であり、該回収システムを稼動させて年に一度のメンテナンスをおこなってもよいし、たとえばバレルが異常振動を生じている際に、その一部に残留物が詰っていると判断し、その際にシステムの稼動を実行してもよい。
【0022】
また、前記残留物回収システムの一つの実施の形態として、前記バレルは、その下方位置に、前記回収装置が着座する被着座部と、該バレルにおける液体の出入りを許容するフート弁と、を有しており、前記回収装置は、前記被着座部に着座して該被着座部との密着姿勢を形成する着座体と、前記着座体上に立設して、その一部に第1の孔を有する主函体と、前記着座体上であって前記主函体の内側に立設し、その一方端に前記フート弁と流体連通する端部開口を有し、その側面に第2の孔を有する副函体と、を少なくとも備えている形態を挙げることができる。
【0023】
この実施の形態において、上記する副函体は、その他方端に開閉自在の蓋をさらに有しており、該蓋は、上記するガス制御機構によってバレル内にガスが提供されている際の閉じた姿勢と、バレル内へのガス提供が停止されている際の開いた姿勢と、を形成するものであってもよい。この姿勢変更は、バレル内に圧力流体が提供されて内部の液体の液面レベルが低下している際には閉じており、バレルの下方から貯蔵タンク内の液体が導入されて該バレルの上方へ液化ガスが流れる際に、その流体圧によって蓋が上方に開くような極めて簡易な姿勢変更を意味しており、蓋の開閉姿勢変更のための特別な機構を設ける必要は一切ない。
【0024】
また、バレルに設けられた被着座部において、ガス制御機構の一連の稼動過程で、回収装置が常に安定姿勢でその着座体と被着座部の密着姿勢を担保するべく、回収装置は自身が所望の重量体であるのがよい。なお、回収装置にさらにその質量を増加させるための錘体を付加した形態を適用することもできる。
【0025】
また、回収装置もしくはバレルのいずれか一方に係合部材が備えてあり、該回収装置が該バレルの被着座部と密着した際に、該係合部材が回収装置の一部と機械的に係合するようになっていて、該回収装置と被着座部との密着姿勢が確保されるようになっていてもよい。このように、係合部材(フック材)にて回収装置の浮き上がり等が抑止される形態においては、回収装置の重量を勘案する必要は必ずしもない。
【0026】
また、上記する第1の孔や第2の孔は、それらのいずれか一方もしくは双方が、金網から形成されていてもよいし、それらの表面に金網が設けられたものであってもよい。
【0027】
ここで、前記ガス制御機構によるバレル内へのガス提供制御により、バレル内に存在する液体が、前記主函体の第1の孔を介し、前記副函体の第2の孔および端部開口を介してフート弁からバレル外へ流れるようになっており、前記ガス制御機構によるガス提供停止制御により、バレル外の液体が、フート弁を介し、前記端部開口を介し、前記第2の孔および第1の孔を介してバレル内へ流れるようになっており、前記第2の孔を介して、主函体と副函体と着座部とで画成された空間に前記残留物が収容される形態であってもよい。
【0028】
第1の孔、第2の孔の寸法を調整したり、上記する金網の網構造の開口寸法を調整するに際し、たとえば、金網の開口寸法に関して言えば、副函体の第2の孔に設けられた金網、および、主函体の第1の孔に設けられた金網ともに、上記残留物の大きさよりも小さな開口寸法を有するものであることで、液体の上方への流れに乗って運ばれた残留物を、たとえば副函体の上端開口を介して、主函体と副函体の間の空間に収容することができ、かつ、この空間に捕捉された残留物を副函体の内側および主函体の外側へ逃がさないようにすることができる。
【0029】
なお、副函体が上端開口を有していない形態(上端が完全に閉じている形態)の場合には、副函体の第2の孔に設けられた金網を、想定される残留物の大きさよりも大きな開口寸法のものとしておくことで、残留物を、副函体の第2の孔を介して、主函体と副函体の間の空間に収容することができる。
【0030】
一方、前記ガス制御機構によるバレル内へのガス提供制御により、バレル内に存在する液体が、前記主函体の第1の孔を介し、前記副函体の第2の孔および端部開口を介してフート弁からバレル外へ流れるようになっており、前記ガス制御機構によるガス提供停止制御により、バレル外の液体が、フート弁を介し、前記端部開口を介し、前記第2の孔および第1の孔および前記蓋が開いてなる開口を介してバレル内へ流れるようになっており、前記蓋が開いてなる開口を介して、主函体と副函体と着座部とで画成された空間に前記残留物が収容される形態であってもよい。
【0031】
この形態では、主として、副函体に設けられた蓋が開いて、該副函体および主函体の間に残留物を回収するものである。流れ込んでくる液体の流速圧によって該蓋は容易に開くことができ、副函体の上端開口は比較的大きな寸法を有することから、残留物の大きさに左右されることなく、この上端開口を介して回収装置内に効果的に残留物を捕捉することが可能となる。
【0032】
なお、上記する回収装置を構成する、着座体、主函体、副函体、蓋等はいずれも、その溶接等を含む加工の容易性、ガス制御機構の一連の稼動過程における安定姿勢の確保(すなわち、所望の重量を有していること)等の観点から、ステンレスから形成されるのが好ましいが、そのほか、適宜の金属素材、セラミックスを含む樹脂素材から形成されるものであってもよい。
【0033】
また、本発明による残留物回収方法は、液体が貯蔵されている貯蔵タンク内、もしくは、該貯蔵タンク内に配設されたバレル内の残留物を回収する、残留物回収方法であって、前記バレル内に配設されている液体払い出し用ポンプを該バレル外に取り出す第1のステップ、前記バレル内に残留物を回収する回収装置を載置し、該バレルを密閉姿勢に保持するとともに、貯蔵タンク内の液体と流体連通しているバレル内にガスを提供してバレル内を加圧し、該バレル内の液体をバレル外に送り出す第2のステップ、前記バレル内へのガスの提供を停止するとともにバレルの密閉姿勢を解除し、貯蔵タンク内であってバレル外の液体をバレル内に導入し、この液体の導入の際に残留物を前記回収装置で回収する第3のステップ、を少なくとも有すものである。
【0034】
上記する本発明の残留物回収システムと同様に、この残留物回収方法を適用することで、バレルの下方位置やバレル外部の貯蔵タンク内に堆積したり、浮遊している残留物を、効果的に回収装置にて回収することができる。
【0035】
しかも、この回収方法では、窒素ガス等の圧力流体をバレル内に提供すること、次いでガス提供を停止してバレル内に液体を導入すること、という内容構成であることから、何等の熟練技術も、高度な制御も一切必要なく、しかも短時間で残留物を回収し、バレル内および貯蔵タンク内のメンテナンスをおこなうことができるものである。なお、この残留物回収方法においても、その貯蔵タンク内に貯蔵されている液体は、水、オイル、液化ガスなどの液体全般を指称するものであり、この「液化ガス」には、LNG,LPG、液化窒素、液化水素などが含まれるものである。
【発明の効果】
【0036】
以上の説明から理解できるように、本発明による残留物回収システムおよび残留物回収方法によれば、一般に用いられている、払い出しポンプを収容するためのバレルを有効に利用し、その内部に液体を出入りさせ、該内部へ液体が導入された際に残留物を同時にバレル内に取り込み、さらに該バレル内に配された回収装置にて取り込まれた残留物を捕捉するものであることから、システム構成も簡易であり、その製作コストも廉価であって、かつ、その方法も高度な制御を要するものでない。したがって、その建設が世界的に広がりつつある、インタンク型の払い出し機構を有するLNG払い出しシステムにとって、極めて有効なメンテナンス技術の一翼を担うものとなり得る。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の残留物回収システムを説明した模式図である。
【図2】残留物回収システムが形成される前のバレル内の状況を説明した模式図である。
【図3】回収装置が配される前のバレル下端の構造を説明した縦断面図である。
【図4】回収装置が配された後のバレル下端の構造を、回収装置の一実施の形態の構造とともに説明した縦断面図である。
【図5】図4におけるV−V矢視図である。
【図6】回収装置を係合する係合部材(係合機構)の他の実施の形態を説明した図である。
【図7】(a)、(b)の順に、本発明の残留物回収方法を説明したフロー図である。
【図8】図7に続いて、(a)、(b)の順に、本発明の残留物回収方法を説明したフロー図である。
【図9】図8に続いて、(a)、(b)の順に、本発明の残留物回収方法を説明したフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、図面を参照して本発明の残留物回収システムおよび残留物回収方法の実施の形態を説明する。なお、図示例は、説明を容易とするために、貯蔵タンク内に1基のバレルが配された形態を示しているが、バレルの基数は2以上であってもよいことは勿論のことである。また、図示する貯蔵タンク内には液化ガスが収容されているが、貯蔵タンク内に収容される液体が液化ガスに限定されるものでないことは勿論のことである。
【0039】
図1は、本発明の残留物回収システムを説明した模式図であり、残留物を回収する際の構成態様を示したものである。この残留物回収システム100は、液化ガス(たとえばLNG)が収容され、その上方にボイルオフガスBOGが充満している貯蔵タンク1と、該貯蔵タンク1内に収容されてその上端が屋根から外部へ突出し、さらに型鋼等からなる懸架材12にて屋根から吊り持されたバレル2と、バレル2の下端に配された回収装置5と、バレル2内に通じる圧力配管32、該圧力配管32に連通する気化器31、気化器31を稼動させて所望のタイミングで圧力流体を発生させたり、その発生を停止する制御コンピュータ33からなるガス制御機構3と、から大略構成されている。ここで、制御コンピュータ33に関しては、圧力ガス量の調整、バレル内への圧力ガスの提供とその停止を実行制御するものであるため、バレル内の圧力をセンシングする圧力センサ等を管理者が管理しながら、圧力ガスの提供やその停止をおこなう場合には、必ずしも必要とするものではない。
【0040】
なお、図2は、一般的なLNG等を払い出す際の構成態様を説明したものであり、バレル2の下端には払い出しポンプPが配され、この払い出しポンプPもしくはバレル2に通じる払い出しラインL1を介して、LNGがたとえば不図示の熱交換器に払い出され、熱交換器を通過したLNGはさらに不図示の気化器に送られ、需要者へのガス提供がおこなわれることになる。なお、図示例は、バレル2に通じる払い出しラインL1の途中に圧力配管32が通じており、圧力配管32から圧力ガスをバレル2内へ提供する際には、圧力配管32側のバルブv2が開制御され、払い出しラインL1側のバルブv1が閉制御されるようになっており、通常の液化ガスの払い出しの際には、その逆の制御が実行されるようになっている。
【0041】
なお、不図示で別途の貯蔵タンクからのLPGが気化器の上流側もしくは下流側にあるLNGに提供され、LNGの熱量調整が実施された後に需要者へのガス提供がおこなわれるものであってもよく、この熱量調整のためのLPG用の貯蔵タンク内に、図1で示す本発明のシステムが形成されるものであってもよい。
【0042】
一方、貯蔵タンク1内で充満しているBOGは、別途の払い出しラインL2を介して不図示の熱交換器に払い出され、熱交換器にてLNGの冷熱を受けて再液化し、この再液化ボイルオフガスがLNGに提供されるようになっている。なお、BOGを再液化する機構を具備しないLNG施設であってもよいことは勿論のことである。
【0043】
残留物を回収するメンテナンスの際には、図2で示すような、通常のLNGを需要者へ提供する貯蔵タンク1の状態から、上蓋25を開放し、払い出しポンプPを屋根上に装着された巻上げ機4にて巻上げることでバレル2外へ取り出し、次いで、この巻上げ機4を使用して回収装置5をバレル2内に吊り下げていき、上蓋25に吊りワイヤ26を介して回収装置5を吊り持させた姿勢で、この上蓋25を閉じてバレル2内を密閉空間とし、図1のようなメンテナンス姿勢を形成する。
【0044】
図1に戻り、バレル2はその上端および下端が開口を有しており、残留物回収システムを稼動する際には、その上端開口が上蓋25にて外部と遮断されるとともに、その下端開口は貯蔵タンク1内の液化ガスLGが流体連通した状態となり、したがって、バレル2の上方空間(バレル2内の液化ガス上の空間)は密閉空間を形成することとなる。
【0045】
なお、貯蔵タンク1の側面からその内部に突出するぶれ防止材11により、屋根から懸架材12を介して吊り持されたバレル2のぶれ防止が図られ、その安定姿勢が確保される。
【0046】
次に、図3〜図5を参照して、バレル下端の構造と回収装置の一実施の形態の構造を説明する。なお、図3は、回収装置が配される前のバレル下端の構造を説明した縦断面図であり、図4は、回収装置が配された後のバレル下端の構造を、回収装置の一実施の形態の構造とともに説明した縦断面図であり、図5は、図4におけるV−V矢視図である。
【0047】
図3より、バレル2は、貯蔵タンク1の略下端から屋根の外側まで延びる本体21と、この本体21とボルトや溶接等で接合された脚材22と、この脚材22のさらに下方に配されて、コイルばね等のフート弁調整機構24を介して脚材22との間で昇降自在な底皿23と、から構成されている。
【0048】
一方、回収装置5は、バレル2内に載置された姿勢において、その底皿23上に載置される着座体53と、この着座体53上で立設する主函体51と、同様に着座体53上に立設するとともに主函体51の内部に位置する副函体52と、回収装置5の全体重量を増加させるための錘体54と、から構成されるものである。なお、この回収装置5の各構成部材はいずれも、加工容易性と、所与の重量を得るためにステンレスから形成されるのがよい。
【0049】
回収装置5の載置姿勢において、着座体53に形成されたすり鉢状の底面53aと、バレル2の脚材22に形成された被着座部22aとが相互に密着するようになっている。なお、脚材22には、図3,4にて鎖線で示すごときフック材27がコイルバネ等とともに回動自在に設けてあり、脚材22上に回収装置5が載置された際に、このフック材27が回動し、回収装置5の着座体53等を機械的に係止して、該回収装置5の浮き上がり等を防止するものであってもよく、この形態では、回収装置5の重量を増加させる等の措置は必ずしも必要ない。
【0050】
回収装置5が載置されると、バレル2を構成するフート弁調整機構24のばねが伸び(底皿23が下方へ降下し(降下量:δ))、その脚材22と底皿23の間に開口を形成し、これがバレル2とその外周の貯蔵タンク1内の間で流体連通を可能とするフート弁FVを形成する(開口高さ:tはたとえば30mm程度)。そして、脚材22には回り止め材22bが設けてあり、着座体53の底面53aとバレル2の被着座部22aとが密着した姿勢で、この底面53aが回り止め材22bにて回転不可状態で係止されるようになっている。
【0051】
主函体51は、筒状の本体51aと、その上端開口を形成する天端金網51b(第1の孔)を有しており、この本体51aが吊りワイヤ26で吊り下げられている。なお、回収装置5をバレル2内に吊り下げ、これが所定位置に載置されたことは、吊りワイヤ26の長さ管理と、吊りワイヤ26に作用する張力管理をおこなうことで確認することができる。
【0052】
一方、副函体52は、筒状の本体52aと、その上端開口を開閉自在とする開閉蓋52bと、フート弁FVに流体連通する下部開口52cと、本体52aに開設された第2の孔52dと、から構成されている。
【0053】
このような回収装置5の構成を前提として、バレル2内からその外側の貯蔵タンク1内への液化ガスの流れと、その逆の流れ、すなわち、貯蔵タンク1内からバレル2内への液化ガスの流れを説明する。
【0054】
後述するように、バレル2内に窒素ガス等の圧力流体を提供していくと、バレル2の内外で同レベルであった液化ガスの液面が低下し、液面低下によって減少した液化ガスは、主函体51の天端金網51bを介し、副函体52の第2の孔および端部開口52cを介し、フート弁FVを介してバレル2外へ排出される(図4における矢印X1の流れ)。なお、この液化ガスの流れの際には、副函体52の開閉蓋52bは閉じた状態となっている。
【0055】
一方、バレル2内の液化ガスがたとえば完全に排出され、次いで、圧力流体の提供が停止されて、バレル2外の液化ガスがバレル2内に導入される際には、フート弁FVを介し、端部開口52cを介して液化ガスがバレル2内に入り込み、この上昇する液化ガスの流速圧によって副函体52の開閉蓋52bが開かれる。なお、バレル2内の液化ガスは、圧力流体の提供によってその全部が必ずしもバレル2外へ排出される必要はなく、その一部がバレル2外へ排出されることによってバレル2内外の液化ガスのレベルが変化され、生じた差圧により、バレル2外から流れ込む液化ガスの所望の流速圧が奏されるものであればよい。
【0056】
導入された液化ガスは、この開いた上部開口や第2の孔52dを介し、主函体51の天端金網51bを介してバレル2内に入り込むが、この過程で、フート弁FVの周辺等に沈積していた残留物Zも、このバレル2内に導入された液化ガスの流れに乗って、端部開口52cを介し、開閉蓋52bが開いてなる副函体52の上部開口を介して、主函体51と副函体52、着座体53で画成された空間に捕捉される。
【0057】
ここで、天端金網51bの網構造をなす開口寸法や、副函体52の第2の開口52dの開口寸法を、想定される残留物Zの寸法よりも小さく調整しておくことで、主函体51と副函体52、着座体53で画成された空間に捕捉された残留物Zは、該空間内に留めることができる。
【0058】
バレル2内への液化ガスの出入りを1回、もしくは複数回実施して残留物Zを回収装置5にて回収したら、吊りワイヤ26を貯蔵タンク1の天井の巻上げ機4にて巻き上げて回収装置5の回収をおこなうことで、貯蔵タンク1内もしくはバレル2内に沈積等している残留物を効果的かつ効率的に回収することができる。
【0059】
なお、錘体を具備しない回収装置5Aをバレル内に安定姿勢で係合させる他の係合機構として、図6で示すごとく、該回収装置5Aがパンタグラフ式のリンク機構6を具備している実施の形態であってもよい。
【0060】
このリンク機構6は、各種流体圧力によって作動する、ジャッキやサーボモータ等からなる駆動機構61を外部から駆動制御することにより、たとえばリンク機構6の一部62をスライド自在な支点としながら、パッド63をバレルの本体21に押し付け、回収装置5Aをバレル内に係合させるものである。
【0061】
次に、図7〜図9を参照して、本発明の残留物回収方法を概説する。ここで、図7a,b、図8a,b、図9a,bは、この順に回収方法のフロー図となっている。
【0062】
まず、図7aで示すように、貯蔵タンク1の屋根から突出するバレル2の上端開口を閉塞している上蓋25を取り外す等して、その上端開口を開放し、この上端開口を介して、屋根上に装着された巻上げ機4にてバレル2内の払い出しポンプPを吊り上げ、回収する(第1のステップ)。
【0063】
次いで、図7bで示すように、回収装置5をバレル2内で吊り下げてその下端に設置し、バレル2の上端に上蓋25を設置する。この状態において、バレル2の上端開口は閉塞され、下端はフート弁FVを介してバレル外に連通する液化ガスにて閉塞されている。したがって、バレル2の内部、特にその液化ガス上方の空間は完全に密閉状態となっている。
【0064】
バレル2の内部を密閉状態としたら、図8aで示すように、ガス制御機構を稼動させて、圧力流体である窒素ガスを圧力配管32を介してバレル2内に提供し、この流体圧:pにより、バレル2内の液化ガスをバレル外へ押出し(X1方向)、その液面を下げていく。図8bで示すように、バレル2内の液化ガスが完全にバレル2外へ押出されるまで、もしくは、その一部の所望量が押出されるまで、バレル2内への圧力ガスの提供が続行される(第2のステップ)。
【0065】
バレル2内の液化ガスの一部もしくは全部がバレル2外に押出されたら、今度は、図9aで示すように、ガス制御機構による圧力ガスのバレル2内への提供を停止し、バレル2上端の上蓋25を解放して該バレル2の密閉姿勢を解除する。なお、この上蓋25の解放は、該上蓋25が自動開閉自在の場合には管理者による自動制御によって解放され、作業員の手動による場合は手動解放がおこなわれる。
【0066】
圧力ガスの提供が停止され、バレル2内の密閉姿勢が解除されると、バレル2内外の液化ガスの差圧によって貯蔵タンク1内の液化ガスがバレル2内に導入され(図9aのX2方向)、この過程で、貯蔵タンク1内やバレル2の下方等に沈積、浮遊していた残留物が回収装置5にて捕捉される。
【0067】
図8a、b、図9aまでのフローを一回、もしくは2回以上実施し、残留物を完全に捕捉した段階で、回収装置5を巻上げ機4にて回収する。
【0068】
残留物が回収され、メンテナンスが終了したら、払い出しポンプPを再度バレル2内に戻して、通常のLNGの払い出し制御(払い出しラインL1を使用)が実行されることとなる。なお、BOGの払い出し(払い出しラインL2)とその再液化等の実行も同時におこなわれることは既述の通りである。
【0069】
上記する本発明の残留物回収システム100を使用し、もしくは残留物回収方法を適用することで、貯蔵タンク1内もしくはバレル2内に存在しているポンプの破損片等の残留物を、精緻な制御を要することなく、効果的に実行することができる。
【0070】
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0071】
1…貯蔵タンク、11…ぶれ防止材、12…懸架材、2…バレル、21…本体、22…脚材、22a…被着座部、22b…回り止め材、23…底皿、24…フート弁調整機構、25…上蓋、26…吊りワイヤ、3…ガス制御機構、31…気化器、32…圧力配管、33…制御コンピュータ、4…巻上げ機、5…回収装置、51…主函体,51a…本体、51b…天端金網(第1の孔)、52…副函体、52a…本体、52b…開閉蓋、52c…端部開口、52d…第2の孔、53…着座体、55…錘体、6…パンタグラフ式のリンク機構(係合部材)、100…残留物回収システム、LG…液化ガス(LNG,LPG)、BOG…ボイルオフガス、Z…残留物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が貯蔵されている貯蔵タンク内に配設され、密閉姿勢と密閉解除姿勢を選択自在なバレルと、
前記バレル内に設置されて、前記貯蔵タンク内もしくは前記バレル内の残留物を回収する回収装置と、
密閉姿勢であって貯蔵タンク内の液体と流体連通しているバレル内にガスを提供し、該バレル内を加圧してその内部の液体をバレル外に送り出す制御、および、ガスの提供を停止し、密閉解除姿勢のバレル内に液体を導入する制御、を実行するガス制御機構と、を少なくとも有する、残留物回収システム。
【請求項2】
前記バレルは、その下方位置に、前記回収装置が着座する被着座部と、該バレルにおける液体の出入りを許容するフート弁と、を有しており、
前記回収装置は、
前記被着座部に着座して該被着座部との密着姿勢を形成する着座体と、
前記着座体上に立設して、その一部に第1の孔を有する主函体と、
前記着座体上であって前記主函体の内側に立設し、その一方端に前記フート弁と流体連通する端部開口を有し、その側面に第2の孔を有する副函体と、を少なくとも備えている、請求項1に記載の残留物回収システム。
【請求項3】
前記副函体は、その他方端に開閉自在の蓋をさらに有しており、
該蓋は、前記ガス制御機構によってバレル内にガスが提供されている際の閉じた姿勢と、バレル内へのガス提供が停止されている際の開いた姿勢と、を形成するものである、請求項2に記載の残留物回収システム。
【請求項4】
前記回収装置は、その質量を増加させるための錘体をさらに備えている、請求項2または3に記載の残留物回収システム。
【請求項5】
前記回収装置もしくは前記バレルのいずれか一方には係合部材が備えてあり、該回収装置が該バレルの被着座部と密着した際に、該係合部材にて該回収装置と被着座部との密着姿勢が確保されるようになっている、請求項2または3に記載の残留物回収システム。
【請求項6】
前記第1の孔、前記第2の孔、のいずれか一方もしくは双方が、金網から形成されている、もしくは、それらの表面に金網が設けられたものである、請求項1〜5のいずれかに記載の残留物回収システム。
【請求項7】
前記ガス制御機構によるバレル内へのガス提供制御により、バレル内に存在する液体が、前記主函体の第1の孔を介し、前記副函体の第2の孔および端部開口を介してフート弁からバレル外へ流れるようになっており、
前記ガス制御機構によるガス提供停止制御により、バレル外の液体が、フート弁を介し、前記端部開口を介し、前記第2の孔および第1の孔を介してバレル内へ流れるようになっており、
前記第2の孔を介して、主函体と副函体と着座部とで画成された空間に前記残留物が収容される、請求項2〜6のいずれかに記載の残留物回収システム。
【請求項8】
前記ガス制御機構によるバレル内へのガス提供制御により、バレル内に存在する液体が、前記主函体の第1の孔を介し、前記副函体の第2の孔および端部開口を介してフート弁からバレル外へ流れるようになっており、
前記ガス制御機構によるガス提供停止制御により、バレル外の液化ガスが、フート弁を介し、前記端部開口を介し、前記第2の孔および第1の孔および前記蓋が開いてなる開口を介してバレル内へ流れるようになっており、
前記蓋が開いてなる開口を介して、主函体と副函体と着座部とで画成された空間に前記残留物が収容される、請求項3〜6のいずれかに記載の残留物回収システム。
【請求項9】
前記液体が液化ガスである、請求項1〜8のいずれかに記載の残留物回収システム。
【請求項10】
前記液化ガスが、液化天然ガス(LNG)もしくは液化石油ガス(LPG)のいずれか一方である、請求項9に記載の残留物回収システム。
【請求項11】
液体が貯蔵されている貯蔵タンク内、もしくは、該貯蔵タンク内に配設されたバレル内の残留物を回収する、残留物回収方法であって、
前記バレル内に配設されている液体払い出し用ポンプを該バレル外に取り出す第1のステップ、
前記バレル内に残留物を回収する回収装置を載置し、該バレルを密閉姿勢に保持するとともに、貯蔵タンク内の液体と流体連通しているバレル内にガスを提供してバレル内を加圧し、該バレル内の液体をバレル外に送り出す第2のステップ、
前記バレル内へのガスの提供を停止するとともにバレルの密閉姿勢を解除し、貯蔵タンク内であってバレル外の液体をバレル内に導入し、この液体の導入の際に残留物を前記回収装置で回収する第3のステップ、を少なくとも有する、残留物回収方法。
【請求項12】
前記液体が液化ガスである、請求項11に記載の残留物回収方法。
【請求項13】
前記液化ガスが、液化天然ガス(LNG)もしくは液化石油ガス(LPG)のいずれか一方である、請求項12に記載の残留物回収方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−27228(P2011−27228A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−175717(P2009−175717)
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)
【Fターム(参考)】