説明

段ボ−ルシ−トの自動回転、横出し装置

【課題】 搬送と横出しコンベアを別個の電動ローラとし、さらに横出しロール全体の昇降装置まで必要とするため構造が複雑で、昇降および回転装置を設けた枠装置3の下の限られたスペースで交錯しているので、できるだけシンプルな構造にしたい。
【解決手段】 従来のように昇降および回転装置を設けた枠装置3の下に、搬送と横出しを共通の1式の電動ローラ2で行なうべく90度回転させて使い分ける回転装置5を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボ−ルシ−ト束の自動回転、横出し装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
段ボ−ル製造工場の製函工程の中に平抜き(通常プラテンと呼ばれており本書類でも以後はプラテンと呼ぶ)の工程がある場合が多いが、ロ−タリダイカッタと比べ高品質、高精度であり、缶ビ−ルや清涼飲料水等の箱の製造に多く使用されている。 高速運転が構造上困難であるため、生産効率を上げるために1枚の段ボ−ルシ−トから出来るだけ多くの丁取り数を取ることが実際行なわれており、プラテンで抜かれたシ−トは数十枚を積載し1バッチとして排出される。 分割装置で分割後あるいはプラテンで既に分割された状態で排出されたシート束1は1束づつにした後、後工程でロボットパレタイザで積載したり手動でパレットに積むが、ロボットパレタイザは1束づつしか処理できないため、多くの場合分割後回転させる必要が生ずる。 自動回転装置としては種々の方式があるが、実案文献1で1台で横出しも可能な装置を考案したが、搬送と横出しに別々の駆動コンベアが必要で、しかも横出しコンベアには昇降装置も必要であった。
【0003】
【実案文献1】
登録実用新案第3070007号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実案文献1の図1のように、現在の装置は回転と横出しを1台で行なうが、搬送と横出しコンベアは別個の電動ローラとし、さらに横出しローラ全体の昇降装置まで必要とするため構造が複雑で、昇降および回転装置を設けた枠装置3の下の限られたスペースで交錯している。 メンテ作業も狭くて大変なのでできるだけコンパクトでシンプルにしたい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
図1および図2に概念的な図を示す。 本発明は、枠昇降装置(6)および枠回転装置(7)を設け、ローラ2が突出可能な小さな円形の開口部4を多数持った円形の枠装置3の下に、90度回転させて搬送と横出しを共通の1組の電動ローラで行なうべくローラ回転装置(5)を設ける。
【発明の効果】
【0006】
本発明の装置にすると、搬送および横出しを1式のコンベアを中心で回転させることにより使い分けるので、構造がシンプルになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
一般的にはプラテン出口に分割装置を設け、その後本装置で一列で排出できるように回転させるが、不都合な製品を横出ししたり、手動パレタイズする場合には横出しする。
【0008】
実施例1
本発明を図1および2の概念図にもとづいて説明する。 ここで説明しやすいように、上流にプラテン、分割装置があり、直進して下流側にロボットパレタイザがあり、横出しし手動パレタイズすると仮定する。 プラテンから排出され、分割装置で分割あるいは通過した段ボールシート束1は本装置に入り、図1のような電動ローラ2の方向で搬送する。
たとえば図1のように巾方向2分割で直進してきて、ロボットパレタイザで自動積載する場合を考えると、シート束1は中心で停止した後円形の枠装置3が上昇しシート束1を持上げ、90度回転し下降する。 それによりシート束1は進行方向に一列に並び、ローラ2の上に乗る。 そこでローラを駆動させシート束を排出する。 また横出しする場合にはシート束1を中心で停止させた後枠装置3上昇させシート束を持上げた後ローラ2を90度回転した後、枠装置3を下降させてローラ2を駆動するとシート束1は一列に並んで横出しできる。 横出し完了後、枠装置3を上昇しローラ2を90度回転させて戻し、枠装置3を下降させると、次のシート束1が搬入できる。
【産業上の利用可能性】
【0009】
この発明の装置は、通常のレイアウトで多い、直進しパレタイズする場合には特に有効で、コストも安価でシンプルな装置が提供できるのでプラテン出口以降の自動化の推進に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】 本発明の概念的な平面図である。
【図2】 本発明の概念的な正面図である。
【符号の説明】
【0011】
1 段ボ−ルシ−ト束
2 ロ−ラコンベア
3 枠装置
4 開口部
5 ローラ回転装置
6 枠昇降装置
7 枠回転装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
段ボ−ルシ−ト束(1)の搬送および横出しのために電動のロ−ラ(2)の列を複数設けしかも水平面で回転可能とする一方、シート束1を水平面で回転させるべく昇降および回転可能で外形が円形かつローラ2が突出可能な小さな円形の開口部(4)を多数持った枠装置(3)を設けた、段ボ−ルシ−ト束の自動回転、横出し装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−303064(P2008−303064A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−179024(P2007−179024)
【出願日】平成19年6月11日(2007.6.11)
【出願人】(594087115)富士キネティックス株式会社 (26)
【Fターム(参考)】