説明

段ボールケースの不良排出装置

【課題】 製函機の高速運転中に未結束の積載シートの束を排出するのが好ましいが、そのためには揃った積載ケースを乱れさせないようにする必要があるし、高速連続不良排出を可能にする為には1束を排出するサイクルタイムを短くする必要がある。
【解決手段】 積載ケース3の側面を押板1が押し、未結束の積載ケースを乱れさせず傾けず、送りながら横出しできるように、押板1の中心の動線4の延長線が正三角形で、しかもその一辺がケースの流れに平行になるようにし、押板を動線に対し60度傾ける。そしてサイクルタイムを短縮すべく3枚の押板を等ピッチになるように配する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボールケースの不良排出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
段ボールケースには非常に多くの種類があるが、最も一般的なのがみかん箱のようなA式と呼ばれるものであるが、それらを製函する最近の製函機は最高350枚/分と高速で運転できる。 不良品が発生した場合1枚の不良品だけを排出するのがベストであるが、高速であることやスペースの点で実際には非常に困難であり、一定数積上げた後でその不良品が含まれた1束を排出し人が抜き出した後、良品は枚数を合わせてラインに戻している。 従来は運転速度が余り速くなかった為、振分コンベア上で横方向からエアシリンダ駆動のプッシャで押出したり、振分コンベアの送りローラの間から横方向に搬送できるコンベアを上昇させ横出ししていたが、未結束の積載ケースの束を上記のような従来の方法で高速で排出すると、きちんと積載したケースがばらばらになるため結束機で結束した後排出するが、その場合不良品を取出すために行なう結束紐を切る作業は時間的にも資源の点から言っても無駄である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
製函機の高速運転中に未結束の積載シートの束を排出するのが好ましいが、そのためには揃った積載ケースを乱れさせないようにする必要があるし、高速連続不良排出を可能にする為には1束を排出するサイクルタイムを短くする必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
図1の平面の概念図に基づき説明する。押板1の中心の動線4の延長線が正三角形で、しかもその一辺がケースの流れに平行になるようにし、さらに押板1を積載ケース3の流れ方向に平行になるように動線に対し60度傾ける。 そうすると搬入コンベア(5)を通過し振分コンベア2で増速し後ろの積載ケースと切り離された積載ケース3の側面を押板が押し、未結束の積載ケースを乱れさせず傾かず、送りながら横出しできる。 そして3枚の押板を等ピッチになるように配すると、1個の積載ケースが排出されると同時に次の押板が次の積載ケース束を処理すべく準備でき、最短のサイクルタイムが達成できる。
【発明の効果】
【0005】
本発明により製函機の高速運転時に未結束の積載ケースが問題なく排出できるので、不良品の処理作業が軽減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の詳細を実施例に基づき説明する。
【実施例1】
【0007】
段ボールケースは色々なタイプがあるが多いのがみかん箱のようなA式のものであり、通常フレキソフォルダグルアと呼ばれる製函機で製造されるが、最近は高速化されている。
段ボールシートは1枚ずつフレキソ印刷され、スリット、スロットされ箱の形になった後、糊付けし折り畳み、指定枚数積み上げた後積載ケースは搬入コンベア5で送られて来る。 特定された不良品は積み上げる前に排出できればいいが、現実的には高速な上に排出するスペースがないため積載された後積載ケースで良品とともに排出する。 振分コンベア2は搬入コンベア5より高速にして切り離す。 切り離された積載ケース3は図示しないセンサでタイミングをとり、押板1が側面の適当な位置を押し前方に送りながら横に排出する。 押板1を例えばアタッチメント付チェーンに取付けモータ駆動し、しかもその送り方向速度を振分コンベアの送り速度に同期させると、排出コンベア(6)を振分コンベア2の横に設備すれば、積載ケースはあたかも押板に押出されるかのように傾かず、乱れずに排出される。
【実施例2】
【0008】
実施例1は押板1の中心の動線4の延長線の正三角形を平面にしたが、流れ方向の長さが長くなり取付けスペースが広くなる。 この正三角形の積載ケース3を押す一辺を底辺とし垂直に立てると流れ方向の必要長さが実施例1の半分程度になり、据付面積が大略半減するので据付スペースが限られる場合には有効である。
【実施例3】
【0009】
実施例2では押板1の中心の動線4の延長線の正三角形を積載ケース3を押す辺を底辺とし垂直に立てたが、正三角形の頂角部分が高くなりしかも装置の真ん中になり、メンテナンスもしにくいので押板の中心の動線の総長さを変えず3枚の押板のピッチも同じで正三角形の底辺を一辺とし高さが底辺の約半分の長方形にすることも可能である。 そうすると正三角形に比べ高さが半分強になり、装置高さが大幅に低くなると同時に駆動部が両端になり、メンテナンスがしやすくなる。
【産業上の利用可能性】
【0010】
本発明の装置は製函工程で高速で製函する場合に不良品を未結束の積載ケースで排出できるので、不良品の処理作業の時間短縮や資源である結束紐の無駄使いがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】 本発明の平面の概念図である。
【符号の説明】
【0012】
1 押板
2 振分コンベア
3 積載ケース
4 動線
5 搬入コンベア
6 排出コンベア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
押板(1)を振分コンベア(2)上の積載ケース(3)の流れ方向に平行になるように押板の中心の動線(4)に対し60度傾け、押板の中心の動線4の延長線が正三角形で、しかもその一辺がケースの流れに平行になるように配し、さらに押板を3枚等ピッチに配した積載ケースの不良排出装置。

【図1】
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【公開番号】特開2007−196645(P2007−196645A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−47454(P2006−47454)
【出願日】平成18年1月27日(2006.1.27)
【出願人】(593155330)株式会社ホニック (8)
【Fターム(参考)】