説明

段ボール製受け台

【課題】載置される物品を確実に支持することができるとともに、物品が底側に露出することを防止することができる段ボール製受け台を提供する。
【解決手段】段ボール製受け台1は、支持部材2を有する底組箱3と、支持部材を補強する補強片5とを備える。底組箱3は、水平にされた第1底片35及び第2底片39により平面視角枠状をなす底面45が形成され、起立された第1折返し片36及び第2折返し片40により平面視井桁状をなす支持部材2が形成されている。補強片5は、第3折返し片53の先端縁に設けられた第2舌片55を、第1底片35及び第1折返し片36に亘って形成された挿入孔37に挿入することにより、底面45により囲まれた開口部46が底板52にて塞がれるとともに底板52の両隅部52aが第1底片35の中央部35bに重合され、第3折返し片53が第1折返し片35に係合して起立されるとともに第2折返し片39に重合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボール箱内に収納される物品を載置するための段ボール製受け台であって、特に物品の底部に突起部分を有するシャワートイレ等の支持に適した段ボール製受け台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の段ボール製受け台としては、上に載置される物品を支持する支持部材を有する底組箱と、支持部材を補強する補強片とを備えるものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
図6に示す段ボール製受け台101は、平面視井桁状の支持部材102を有する平面視平面視角枠状の底組箱103と、断面視逆U字状の補強片104とで構成されている。
【0004】
底組箱103は、角筒状の胴部105の底縁に連設され互いに対向する1対の第1底フラップを、胴部105の内側に水平に折り曲げて第1底面を形成し、さらに折り返して起立させることにより第1支持部材102aを形成するとともに、胴部105の底縁に連設され第1底フラップに隣り合って互いに対向する1対の第2底フラップを、同様に折り返して第2底面を形成し、第1支持部材102aに係合させて起立させることにより第2支持部材102bを形成したものである。これにより、底組箱103には、第1底面及び第2底面からなり平面視角枠状をなす底面が形成され、起立された第1支持部材102a及び第2支持部材102bからなる支持部材102が形成されている。
【0005】
一方、補強片104は、第1支持部材102aに相当する長さを有する1対の起立片106と、1対の起立片106をその天縁の両端部に跨って連結させる1対の連結片107とで構成されている。補強片104は、第2支持部材102の天縁に形成された第1切込み108に、起立片106の底縁に形成された第2切込み109を係合させることにより、底組箱103に組み付けられている。
【0006】
しかしながら、前記段ボール製受け台101は、底組箱103の平面視角枠状をなす底面により囲まれた開口部110が形成されており、支持部材102上に載置された物品が開口部110から露出するという不都合がある。また、前記段ボール製受け台101では、補強片104が起立片106を第2支持部材102bに直交させて組み付けられているので、第2支持部材102bをその全長に亘って補強することができないという不都合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−119366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上の点に鑑み、載置される物品を確実に支持することができるとともに、物品が底側に露出することを防止することができる段ボール製受け台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するために、本発明は、物品を収容する際に上に載置される物品を支持する支持部材を有する底組箱と、支持部材を補強する補強片とを備える段ボール製受け台において、底組箱は、互いに対向する1対の第1側壁、及び、第1側壁に隣り合って互いに対向する1対の第2側壁により形成された角筒状の胴部と、第1側壁の底縁に折目線を介して連設された第1底片と、第1底片の先端縁に折目線を介して連設された第1折返し片と、第2側壁の底縁に折目線を介して連設された第2底片と、第2底片の先端縁に折目線を介して連設された第2折返し片とを備え、第1底片を折目線に沿って水平に折り曲げ、第1折返し片を折目線に沿って折り曲げることにより、第1折返し片が起立され、第2底片を折目線に沿って水平に折り曲げ、第2折返し片を折目線に沿って折り曲げるとともに、第2折返し片の先端縁に設けられた2条の第1切込みにより形成された1対の第1舌片を、第1底片及び第1折返し片に亘って形成された1対の挿入孔に挿入することにより、第2底片の両隅部が第1底片の両隅部に重合されるとともに、第2折返し片が第1折返し片に係合して起立され、水平にされた第1底片及び第2底片により平面視角枠状をなす底面が形成され、起立された第1折返し片及び第2折返し片により平面視井桁状をなす支持部材が形成され、補強片は、第2側壁に相当する長さを有する底板と、底板の両端縁に折目線を介して連設された1対の第3折返し片とを備え、第3折返し片を折目線に沿って折り曲げるとともに、第3折返し片の先端縁に設けられた2条の第2切込みにより形成された1対の第2舌片を、前記1対の挿入孔に挿入することにより、底面により囲まれた開口部が底板にて塞がれるとともに底板の両隅部が第1底片の中央部に重合され、第3折返し片が第1折返し片に係合して起立されるとともに第2折返し片に重合されることを特徴とする。
【0010】
本発明の段ボール製受け台において、まず、底組箱について、第1底片を折目線に沿って水平に折り曲げ、第1折返し片を折目線に沿って折り曲げることにより、第1折返し片が起立される。次に、第2底片を折目線に沿って水平に折り曲げ、第2折返し片を折目線に沿って折り曲げるとともに、第2折返し片の先端縁に形成された1対の第1舌片を、第1底片及び第1折返し片に亘って形成された1対の挿入孔に挿入する。これにより、第2底片の両隅部が第1底片の両隅部に重合されるとともに、第2折返し片が第1折返し片に係合して起立される。
【0011】
以上により、底組箱において、水平にされた第1底片及び第2底片により平面視角枠状をなす底面が形成され、起立された第1折返し片及び第2折返し片により平面視井桁状をなす支持部材が形成される。また、底組箱には、平面視角枠状の底面により囲まれた開口部が形成される。
【0012】
次に、補強片について、第3折返し片を折目線に沿って折り曲げるとともに、第3折返し片の先端縁に形成された1対の第2舌片を、前記1対の挿入孔に挿入する。これにより、補強片の底板にて底組箱の開口部が塞がれるとともに底板の両隅部が第1底片の中央部に重合され、第3折返し片が第1折返し片に係合して起立されるとともに第2折返し片に重合される。以上により、補強片が底組箱に組み付けられ、段ボール製受け台が形成される。
【0013】
本発明の段ボール製受け台によれば、底組箱の支持部材は、第2折返し片が補強片の第3折返し片と重合されて、大きな強度を得ることができることにより、上に載置される物品を確実に支持することができる。
【0014】
また、本発明の段ボール製受け台によれば、補強片の底板にて底組箱の開口部が塞がれることにより、支持部材の上に載置される物品が底側に露出することを防止することができる。
【0015】
さらに、本発明の段ボール製受け台は、前記各折返し片は、先端縁に前記物品の形状に合致する凹部を備えることが好ましい。前記構成によれば、凹部に物品が納まることにより、支持部材に対する物品の座りを良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態の段ボール製受け台を示す斜視図である。
【図2】図1に示す段ボール製受け台に係る底組箱及び補強片の展開図である。
【図3】図1に示す段ボール製受け台の組立図である。
【図4】図1に示す段ボール製受け台の組立図である。
【図5】図1に示す段ボール製受け台の底部を示す斜視図である。
【図6】従来技術における段ボール製受け台を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図1に示す本実施形態の段ボール製受け台1は、段ボール箱(図示せず)内に収納される物品、特に底部に突起部分を有するシャワートイレ等の物品(図示せず)を載置するためのものであり、上に載置される該物品を支持する支持部材2を有する底組箱3と、支持部材2を補強する補強片5とで構成されている。
【0018】
底組箱3は、図2(a)に展開して示すように、打ち抜いて形成された1枚の第1段ボール板紙31を折り曲げることにより組み立てられる。第1段ボール板紙31では、1対の第1側壁32と1対の第2側壁33とが横方向に交互に折目線Laを介して連設され、一方の側端に位置する第2側壁33の側縁には折目線Lbを介して接着片34が連設されている。
【0019】
第1側壁32の底縁には折目線Lcを介して第1底片35が連設され、第1底片35の先端縁には折目線Ldを介して第1折返し片36が連設されている。第1底片35及び第1折返し片36には1対の挿入孔37が両者に亘って形成されている。第1折返し片36の先端縁には前記物品の形状に合致する第1凹部38が形成されている。
【0020】
一方、第2側壁33の底縁には折目線Leを介して第2底片39が連設され、第2底片39の先端縁には折目線Lfを介して第2折返し片40が連設されている。第2折返し片40には先端縁に設けられた2条の第1切込み41により1対の第1舌片42が形成されている。一方の第2折返し片40の先端縁には前記物品の形状に合致する第2凹部43が形成されている。
【0021】
補強片5は、図2(b)に展開して示すように、打ち抜いて形成された1枚の第2段ボール板紙51を折り曲げることにより組み立てられる。第2段ボール板紙51では、第2側壁33に相当する長さを有する底板52の両端縁に、折目線Lgを介して1対の第3折返し片53が連設されている。第3折返し片53の先端縁には2条の第2切込み54により1対の第2舌片55が形成されている。一方の第3折返し片53の先端縁には第2凹部43の形状に合致すると第3凹部56が形成されている。
【0022】
次に、段ボール製受け台1の組立について説明する。まず、図2(a)に示す第1段ボール板紙31を折目線Laに沿って折り曲げ、接着片34を折目線Lbに沿って折り曲げ反対側の第1側壁32の側端部内面に接着することにより、図3(a)に示す角筒状の胴部44を形成する。次に、第1底片35を折目線Lcに沿って水平に折り曲げ、第1折返し片36を折目線Ldに沿って折り曲げることにより、図3(b)に示すように第1折返し片36を起立させる。
【0023】
次に、第2底片39を折目線Leに沿って水平に折り曲げ、第2折返し片40を折目線Lfに沿って折り曲げるとともに、第2折返し片40に形成された第1舌片42を、第1底片35及び第1折返し片36に形成された挿入孔37に挿入する。これにより、第2底片39の両隅部39aを第1底片35の両隅部35aに重合させる(図5参照)とともに、第2折返し片40を第1折返し片36に係合して起立させる。
【0024】
以上により、図4(a),(b)に示す底組箱3が組み立てられ、水平となった第1底片35及び第2底片39により平面視角枠状をなす底面45が形成され、起立する第1折返し片36及び第2折返し片40により平面視井桁状をなす支持部材2が形成される。また、底組箱3には、平面視角枠状の底面45により囲まれた開口部46が形成される。
【0025】
次に、図2(b)に示す第2段ボール板紙51の第3折返し片53を折目線Lgに沿って折り曲げて図4(a)に示す補強片5とし、第3折返し片53の先端縁に形成された第2舌片55を底組箱3の挿入孔37に挿入する。これにより、図5に示すように、底組箱3の底面45により囲まれた開口部46が補強片5の底板52にて塞がれる。同時に、底板52の両隅部52aが第1底片35の中央部35bに重合され、第3折返し片53が第1折返し片36に係合して第2折返し片40に重合される。以上により、補強片5が底組箱3に組み付けられ、図1に示す段ボール製受け台1が完成する。
【0026】
本実施形態の段ボール製受け台1によれば、底組箱3の支持部材2は、第2折返し片40が補強片5の第3折返し片53と重合されて、大きな強度を得ることができることにより、上に載置される物品を確実に支持することができる。
【0027】
また、本実施形態の段ボール製受け台1によれば、補強片5の底板52にて底組箱3の開口部46が塞がれることにより、支持部材2の上に載置される物品が底側に露出することを防止することができる。
【0028】
また、本実施形態の段ボール製受け台1によれば、底組箱3の第1底片35の両隅部35aには補強片5の第2底片39の両隅部39aが重合される一方、底組箱3の第1底片35の中央部35bには底板52の両隅部52aが重合される。これにより、胴部4の底縁に段差が形成されることがなく、床面等に置かれた際の段ボール製受け台1の座りを良くすることができる。
【0029】
さらに、本発明の段ボール製受け台1は、前記各折返し片36,40,53は、先端縁に物品の形状に合致する凹部38,43,56を備えることにより、各凹部38,43,56に物品が納まって支持部材2に対する物品の座りを良くすることができる。
【符号の説明】
【0030】
1…段ボール製受け台、 2…支持部材、 3…底組箱、 5…補強片、 32…第1側壁、 33…第2側壁、 35…第1底片、 35a…第1底片の両隅部、 35b…第1底片の中央部、 36…第1折返し片、 37…挿入孔、 38…第1折返し片の凹部、 39…第2底片、 39a…第2底片の両隅部、 40…第2折返し片、 41…第1切込み、 42…第1舌片、 43…第2折返し片の凹部、 44…胴部、 45…底面、 46…開口部、 52…底板、 52a…底板の両隅部、 53…第3折返し片、 54…第2切込み、 55…第2舌片、 56…第3折返し片の凹部、 Lc,Ld,Le,Lf,Lg…折目線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収容する際に上に載置される物品を支持する支持部材を有する底組箱と、支持部材を補強する補強片とを備える段ボール製受け台において、
底組箱は、
互いに対向する1対の第1側壁、及び、第1側壁に隣り合って互いに対向する1対の第2側壁により形成された角筒状の胴部と、
第1側壁の底縁に折目線を介して連設された第1底片と、
第1底片の先端縁に折目線を介して連設された第1折返し片と、
第2側壁の底縁に折目線を介して連設された第2底片と、
第2底片の先端縁に折目線を介して連設された第2折返し片とを備え、
第1底片を折目線に沿って水平に折り曲げ、第1折返し片を折目線に沿って折り曲げることにより、第1折返し片が起立され、
第2底片を折目線に沿って水平に折り曲げ、第2折返し片を折目線に沿って折り曲げるとともに、第2折返し片の先端縁に設けられた2条の第1切込みにより形成された1対の第1舌片を、第1底片及び第1折返し片に亘って形成された1対の挿入孔に挿入することにより、第2底片の両隅部が第1底片の両隅部に重合されるとともに、第2折返し片が第1折返し片に係合して起立され、
水平にされた第1底片及び第2底片により平面視角枠状をなす底面が形成され、起立された第1折返し片及び第2折返し片により平面視井桁状をなす支持部材が形成され、
補強片は、
第2側壁に相当する長さを有する底板と、
底板の両端縁に折目線を介して連設された1対の第3折返し片とを備え、
第3折返し片を折目線に沿って折り曲げるとともに、第3折返し片の先端縁に設けられた2条の第2切込みにより形成された1対の第2舌片を、前記1対の挿入孔に挿入することにより、底面により囲まれた開口部が底板にて塞がれるとともに底板の両隅部が第1底片の中央部に重合され、第3折返し片が第1折返し片に係合して起立されるとともに第2折返し片に重合されることを特徴とする段ボール製受け台。
【請求項2】
前記各折返し片は、先端縁に前記物品の形状に合致する凹部を備えることを特徴とする請求項1記載の段ボール製受け台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−163168(P2010−163168A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−4275(P2009−4275)
【出願日】平成21年1月13日(2009.1.13)
【出願人】(390022895)株式会社トーモク (45)
【Fターム(参考)】