説明

段差の緩和構造、段差の緩和方法、段差緩和用ブロック

【課題】圧縮方向に軸力を伝達させるアーチ効果により一定の曲げ耐力を得ることができ、不同沈下等による段差の発生を抑制するとともに、不同沈下に対して車両等が通行可能なようになだらかに追従し、不同沈下等による段差の緩和が可能である、段差の緩和構造、段差の緩和方法、段差緩和用ブロックを提供すること。
【解決手段】複数のブロック3が隙間15を設けて並べられた第1のブロック群5、第2のブロック群7が、それぞれ面状材11、面状材13で結合され、ブロック群5とブロック群7との境界近傍に位置するブロック3a、ブロック3bの両面に面状材11と面状材13とがそれぞれ結合された段差緩和用ブロック1を、地表面に段差の発生が予想される箇所の地中に埋設する。地盤に段差が生じると、隙間15が閉じてアーチが形成され、段差緩和用ブロック1がなだらかに段差に追従する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤や道路等を対象とした、段差の緩和構造、段差の緩和方法、段差緩和用ブロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
構造物とその周辺地盤では、例えば地震時にその挙動の違いから、不同沈下や隆起により段差が生じることがある。地震時に道路に段差が生じると、復旧するまでの長時間にわたって車両の走行が不可能となり、災害への対処に支障が生じる。
【0003】
従来、構造物の周辺地盤における不同沈下や隆起に対する対策として、(1)コンクリートマットで構造物と地盤との境界部を補強する方法があった。近年は、(2)ジオテキスタイルやジオグリッド等のジオシンセティックスを構造物と地盤との境界部の盛土に敷設する方法が検討されてきた(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
また、従来、急勾配の盛土・切土の法面を覆工するために、複数のブロックを取り付けたネットやシートを法面の表面に固定する方法が用いられてきた(例えば、特許文献1参照)。また、軟弱地盤を安定化させるために、(3)突状に形成された先端部と平らな天面とを有する複数のブロックの天面にシートを取り付けた補強用マットを軟弱地盤の表層に敷設する方法があった(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】ジオテキスタイルを用いた震災道路段差軽減工法(ジオブリッジ工法)の開発(第44回地盤工学研究発表会講演集、pp.1351−1352)
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−49237号公報
【特許文献2】特開2009−108660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、(1)の方法は、剛体であるため、コンクリートマットが変位に追従せずにコンクリートマットの端部における地盤との境界部で段差が形成される恐れがあった。また、構造物との境界部分で応力が集中し、コンクリートマットが破壊するという問題点があった。
【0008】
(2)の方法は、シート材の引張力により抵抗モーメントを増大させる引張補強効果、シート材で土中の集中応力を分散低減する荷重分散効果、シート材で周辺地盤を一体化させてせん断抵抗を増大させる効果により、段差の緩和を図るものであった。但し、当該シート材は、引張補強効果はあるが、曲げ補強効果は期待できなかった。仮にこのようなシート材を地盤に用いたとしても、シート材は不同沈下に応じて追従し、段差を形成するため、段差の形成を防止することはできなかった。したがって、そもそも地盤の不同沈下による段差形成の対策として効率的に用いられるものではなかった。
【0009】
また、(3)の方法で用いられてきたシートは、軟弱地盤の表面を補強するものであり、地震等によって生じる不同沈下に対して地盤表面の段差の発生を防止するものではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とすることは、圧縮方向に軸力を伝達させるアーチ効果により一定の曲げ耐力を得ることができ、不同沈下による段差の発生を抑制するとともに、不同沈下に対して車両等が通行可能なようになだらかに追従し、不同沈下による段差の緩和が可能である、段差の緩和構造、段差の緩和方法、段差緩和用ブロックを提供することである。
【0011】
前述した目的を達成するために、第1の発明は、段差の緩和構造であって、複数のブロックが隙間を設けて並べられた第1のブロック群と、前記第1のブロック群の各ブロックの一面を結合する第1の連結材と、を具備する段差緩和用ブロックを用い、前記段差緩和用ブロックが、地表面に段差の発生が予想される箇所の地中に埋設され、地盤に段差が生じると、前記隙間の間隔が変化し、前記第1のブロック群の少なくとも一部がアーチを形成することで、前記段差緩和用ブロックがなだらかに前記段差に追従することが可能であることを特徴とする。
【0012】
地表面に段差の発生が予想される箇所とは、例えば、地震時に不同沈下や隆起の生じる部位であり、具体的には、構造物(例えばカルバートなどの地中構造物)と地盤の境界、道路下の埋設構造物と周辺埋戻し地盤との境界、硬質地盤と軟質地盤の境界などである。第1のブロック群を構成する複数のブロックは、例えば、コンクリート製、樹脂製、木製、金属製または中空金属製等とする。第1の連結材は、面状、帯状、あるいは線(紐)状であり、例えば、樹脂、繊維、金属などの材質の部材である。
【0013】
本発明の段差の緩和構造では、不同沈下等により地盤に段差が生じる際に、第1の連結材に結合されたブロックによりアーチが形成され、段差緩和用ブロックがなだらかに段差に追従する。これにより、不同沈下等による段差の発生を抑制し、道路などの地表面をなだらかに段差に追従させることができる。また、段差緩和用ブロックを地中に埋設するため、上方からの力を確実にアーチ全体に分散させることができる。
【0014】
また、第1のブロック群を構成する複数のブロックは、断面が台形状であり、底辺側の面が連続するように並べられ、底辺側の面が第1の連結材に結合されることが望ましい。底辺側の面とは、断面が台形状のブロックの平行な2面のうち、幅が広い方の面である。
【0015】
こうすることで、不同沈下等が生じた際に、第1の連結材に結合された断面が台形状のブロック同士の隙間が閉じてアーチが形成され、段差緩和用ブロックがなだらかに段差に追従する。これにより、不同沈下等による段差の発生を抑制し、道路などの地表面をなだらかに段差に追従させることができる。また、ブロック同士のアーチ効果によって、ブロック群自身の曲げに対する抵抗力も発揮されるため、段差を抑制することに加えて、車両の通行等に耐えることが可能である。
【0016】
また、段差緩和用ブロックは、第1のブロック群に連続するように複数のブロックが隙間を設けて並べられた第2のブロック群と、第2のブロック群の各ブロックの一面を結合する第2の連結材とをさらに具備してもよい。この場合、第1の連結材と第2の連結材とは、第1のブロック群および第2のブロック群の互いに対向する面(反対側の面)にそれぞれ設けられる。また、第1のブロック群と第2のブロック群の境界近傍に位置するブロックには、第1の連結材と第2の連結材とが両面にそれぞれ結合される。
【0017】
第2のブロック群を構成する複数のブロックは、例えば、コンクリート製、樹脂製、木製、金属製または中空金属製等とする。第2の連結材は、面状、帯状、あるいは線(紐)状であり、例えば、樹脂、繊維、金属などの材質の部材である。
【0018】
また、第2のブロック群を構成する複数のブロックは、断面が第1のブロック群を構成する複数のブロックと上下反転した台形状であり、底辺側の面が連続するように並べられ、底辺側の面が第2の連結材に結合されてもよい。
【0019】
第2のブロック群を具備すれば、不同沈下等が生じた際には、第1の連結材や第2の連結材に結合されたブロック同士の隙間が狭まりアーチが形成され、段差緩和用ブロックがなだらかに段差に追従する。これにより、不同沈下等による段差の発生を抑制し、道路などの地表面をなだらかに段差に追従させることができる。
【0020】
また、段差緩和用ブロックは、第1のブロック群と第2のブロック群の境界近傍に位置するブロックの代わりに、第1のブロック群と第2のブロック群との間に隙間なく並べられた断面が矩形の複数のブロックからなる第3のブロック群をさらに具備してもよい。この場合、第3のブロック群を構成する複数のブロックは、第1の連結材と第2の連結材とが両面にそれぞれ結合される。
【0021】
また、第1のブロック群は、第1の連結材の上面側に結合された上面ブロック群と、第1の連結材の下面側に結合された下面ブロック群と、からなるものとしてもよい。この場合、上面ブロック群のブロックの底辺側の面と、下面ブロック群のブロックの底辺側の面とが、第1の連結材を挟んで対向する位置に設けられる。
【0022】
このように、ブロック群を第1の連結材の上下に組み合わせて敷設することにより、上面ブロック群および下面ブロック群のアーチ効果により、不同沈下等による段差の発生の抑制が可能となる。
【0023】
また、前記段差緩和用ブロックを構成するブロック同士の隙間のうち、土砂の流入が予想される箇所に土砂侵入防止材を設けてもよい。但し、土砂侵入防止材が段差緩和用ブロックの可撓性を阻害しない構造とする。なお、土砂侵入防止材としては、板部材や繊維シートなどを用いることができる。こうすることで、土砂侵入防止材により、ブロック同士の隙間への土砂の流入が防止できる。
【0024】
第2の発明は、段差の緩和方法であって、複数のブロックが隙間を設けられて並べられた第1のブロック群と、前記第1のブロック群に連続するように複数のブロックが隙間を設けて並べられた第2のブロック群と、前記第1のブロック群の各ブロックの一面を結合する第1の連結材と、前記第2のブロック群の各ブロックの一面を結合する第2の連結材と、を具備し、前記第1の連結材と前記第2の連結材とは、前記第1のブロック群および前記第2のブロック群の互いに対向する面にそれぞれ設けられ、前記第1のブロック群と前記第2のブロック群との境界近傍に位置するブロックには、前記第1の連結材と前記第2の連結材とが両面にそれぞれ結合される段差緩和用ブロックを用い、前記段差緩和用ブロックを、地表面に段差の発生が予想される箇所の地中に埋設し、地盤に段差が生じる際に、前記隙間の間隔を変化させ、前記第1のブロック群および前記第2のブロック群の少なくとも一部にアーチを形成させることで、前記段差緩和用ブロックをなだらかに段差に追従させることを特徴とする。
【0025】
地表面に段差の発生が予想される箇所とは、例えば、地震時に不同沈下や隆起の生じる部位であり、具体的には、構造物(例えばカルバートなどの地中構造物)と地盤の境界、道路下の埋設構造物と周辺埋戻し地盤との境界、硬質地盤と軟質地盤の境界などである。第1のブロック群、第2のブロック群を構成する複数のブロックは、例えば、コンクリート製、樹脂製、木製、金属製または中空金属製等とする。第1の連結材、第2の連結材は、面状、帯状、あるいは線(紐)状であり、例えば、樹脂、繊維、金属などの材質の部材である。
【0026】
第2の発明では、不同沈下等が生じた際に、第1の連結材や第2の連結材に結合されたブロック同士の隙間が閉じてアーチが形成され、段差緩和用ブロックがなだらかに段差に追従する。これにより、不同沈下等による段差の発生を抑制し、道路などの地表面をなだらかに段差に追従させることができる。また、ブロック同士のアーチ効果によって、ブロック群自身の曲げに対する抵抗力も発揮されるため、段差を抑制することに加えて、車両の通行等に耐えることが可能である。
【0027】
第3の発明は、段差緩和用ブロックであって、複数のブロックが隙間を設けて並べられた第1のブロック群と、前記第1のブロック群の各ブロックの一面を結合する第1の連結材と、を具備することを特徴とする。
【0028】
段差緩和用ブロックは、第1のブロック群に連続するように複数のブロックが隙間を設けて並べられた第2のブロック群と、第2のブロック群の各ブロックの一面を結合する第2の連結材と、をさらに具備する場合もある。この場合、第1の連結材と第2の連結材とは、第1のブロック群および第2のブロック群の互いに対向する面にそれぞれ設けられ、第1のブロック群と第2のブロック群との境界近傍に位置するブロックには、第1の連結材と第2の連結材とが両面にそれぞれ結合される。
【0029】
第1のブロック群、第2のブロック群を構成する複数のブロックは、例えば、コンクリート製、樹脂製、木製、金属製または中空金属製等とする。第1の連結材、第2の連結材は、面状、帯状、あるいは線(紐)状であり、例えば、樹脂、繊維、金属などの材質の部材である。
【0030】
第3の発明の段差緩和用ブロックは、第1の連結材や第2の連結材に結合されたブロック同士の隙間の間隔を変化させることにより、形状を変化させることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、圧縮方向に軸力を伝達させるアーチ効果により一定の曲げ耐力を得ることができ、不同沈下等による段差の発生を抑制するとともに、不同沈下に対して車両等が通行可能なようになだらかに追従し、不同沈下等による段差の緩和が可能である、段差の緩和構造、段差の緩和方法、段差緩和用ブロックを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】段差緩和用ブロック1の斜視図
【図2】段差緩和用ブロック1を、地中構造物27と地盤25との境界部に設置した例を示す図
【図3】段差緩和用ブロック1が段差37に追従した状態を示す図
【図4】地中構造物27と地盤25との境界部に他の段差緩和用ブロックを埋設した例を示す図
【図5】段差緩和用ブロック41を示す図
【図6】段差緩和用ブロック61を示す図
【図7】硬質地盤77と軟質地盤79との境界に段差緩和用ブロックを設置した例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面に基づいて、本発明の第1の実施の形態について詳細に説明する。図1は、段差緩和用ブロック1の斜視図である。図1に示すように、段差緩和用ブロック1は、ブロック群5、ブロック群7、面状材11、面状材13、ブロック4等からなる。
【0034】
第1のブロック群5は、複数のブロック3で構成される。第2のブロック群7も、複数のブロック3で構成される。ブロック3は、断面が台形状である。ブロック3は、台形状の2つの端面、全体が傾斜面である2つの側面、上辺側の面(平行な2面のうち幅が狭い方の面)、底辺側の面(断面が台形のブロック3の平行な2面のうち幅が広い方の面)を有する。
【0035】
複数のブロック3は、上辺側の面同士の間に隙間15を設け、底辺側の面同士が連続するように並べられる。ブロック群5を構成する複数のブロック3と、ブロック群7を構成する複数のブロック3とは、上下反転して配置される。ブロック群5の最もブロック群7側のブロック3aと、ブロック群7の最もブロック群5側のブロック3bとは、隙間なく並べられる。ブロック3は、例えば、コンクリート製、樹脂製、木製、金属製または中空金属製等とする。
【0036】
面状材11は、第1の連結材であり、第1のブロック群5の各ブロック3を結合する。面状材13は、第2の連結材であり、第2のブロック群7の各ブロック3を結合する。面状材11は、下面18に、ブロック群5の各ブロック3の底辺側の面(上面17)が結合される。面状材13は、上面20に、ブロック群7の各ブロック3の底辺側の面(下面21)が結合される。
【0037】
面状材11と面状材13とは、ブロック群5およびブロック群7の互いに対向する面にそれぞれ設けられる。ブロック群5とブロック群7との境界近傍に位置するブロック3a、ブロック3bには、面状材11と面状材13とが両面にそれぞれ結合される。ブロック3aは、上面17に面状材11が、下面19に面状材13が結合される。ブロック3bは、下面21に面状材13が、上面23に面状材11が結合される。面状材11、面状材13は、例えば、樹脂、繊維、金属などの材質の部材である。
【0038】
ブロック4は、ブロック群5の端部のブロック3cに隣接して、隙間なく配置される。ブロック4は、上面31が面状材11の下面18に結合される。ブロック4は、ブロック3と同様に、コンクリート製、樹脂製、木製、金属製または中空金属製等とする。
【0039】
図2は、段差緩和用ブロック1を、地中構造物27と地盤25との境界部に設置した例を示す図である。地中構造物27は道路面9下の埋設構造物、地盤25はその周辺の埋戻し地盤であり、その境界部は、地震時に不同沈下や隆起が生じ、道路面9に段差の発生が予想される。
【0040】
図2に示すように、段差緩和用ブロック1は、ブロック群5に連続して設けられたブロック4の下面29が、アンカ31により地中構造物27に固定される。ブロック群7の各ブロック3の上面23および側面同士の土砂の流入が予想される隙間には、土砂侵入防止材である板部材33が設けられる。但し、板部材33は、段差緩和用ブロック1の可撓性を阻害しないように設置される。なお、土砂侵入防止材としては、板部材33の他に繊維シートなどを用いてもよい。
【0041】
次に、段差緩和用ブロック1を用いた段差の緩和方法について説明する。図2に示す、道路面9下の埋設構造物である地中構造物27とその周辺の埋戻し地盤である地盤25との境界部は、地震時に不同沈下や隆起が生じ、道路面9に段差の発生が予想される。
【0042】
この段差を緩和するには、掘削した地盤25に、段差緩和用ブロック1を略水平に敷設する。そして、段差緩和用ブロック1の端部のブロック4を、アンカ31を用いて地中構造物27に固定する。その後、地盤25を埋め戻す。
【0043】
図3は、段差緩和用ブロック1が段差37に追従した状態を示す図である。図3に示すように、地震による不同沈下等が発生し、地盤25に段差37が生じた際に、段差緩和用ブロック1では、ブロック3同士の隙間15(図1、図2)が閉じてアーチが形成される。このとき、上述したように、板部材33は、段差緩和用ブロック1のアーチ形成を阻害しない。段差緩和用ブロック1は、地中構造物27の側方に空洞35を形成しつつ、なだらかに段差37に追従する。そして、道路面9は、なだらかに段差37に追従する。
【0044】
ブロック3の側面の傾斜角度θは、2.5〜12.5°程度とする。このとき、ブロック3の底辺側の面の幅Lが250〜1500mmであれば、ブロック3同士の隙間15が閉じて形成されるアーチの径は、500〜20000mm程度となる。
【0045】
ブロック3の側面の傾斜角度θや底辺側の面の幅Lは、地盤25の土質材料の粒径等を考慮して決定されるが、望ましくは、ブロック3の側面の傾斜角度θを、5.0〜10.0°とし、ブロック3の底辺側の面の幅Lを、500〜1000mmとする。この場合、ブロック3同士の隙間15が閉じて形成されるアーチの径は、1400〜5700mm程度となる。
【0046】
なお、ブロック3の厚さは、形成されるアーチの径には関係しない。ブロック3の厚さは、ブロック3の材質、埋め戻す土の厚さ、土の重量や上部に加わると想定される荷重等を考慮して決定される。通常の場合、ブロック3の底辺側の面の幅Lが、L≦900mmであれば、ブロック3の厚さは、例えば900mm以下とする。また、ブロック3の底辺側の面の幅Lが、L>900mmであれば、ブロック3の厚さは、例えば底辺側の面の幅Lの1倍以下とする。
【0047】
また、ブロック3の厚さは、埋め戻す土が薄く、土の重量や上部に加わると想定する荷重が小さい場合には、通常の場合より薄くできる。この場合、ブロック3の底辺側の面の幅Lが、L≦900mmであれば、ブロック3の厚さは、例えば600mm以下とする。また、ブロック3の底辺側の面の幅Lが、L>900mmであれば、ブロック3の厚さは、例えば底辺側の面の幅Lの2/3以下とする。
さらに、ブロック3の強度を大きくすることにより、ブロック3の厚みも更に薄くすることができる。この場合、ブロック3の底辺側の面の幅Lが、L≦900mmであれば、ブロック3の厚さは、例えば450mm以下とする。また、ブロック3の底辺側の面の幅Lが、L>900mmであれば、ブロック3の厚さは、例えば底辺側の面の幅Lの1/2以下とする。
【0048】
第1の実施の形態では、地盤25に段差37が生じると、段差緩和用ブロック1がアーチを形成してなだらかに段差37に追従することにより、道路面9などの地表面をなだらかに段差37に追従させることができる。第1の実施の形態では、段差緩和用ブロック1を地盤25に埋設するため、上方からの力を確実にアーチ全体に分散させることができる。このブロック3同士のアーチ効果によって、ブロック群5およびブロック群7自身の曲げに対する抵抗力が発揮されるため、段差37を抑制することに加えて、道路面9(図2)の車両の通行等に耐えることが可能となる。
【0049】
なお、第1の実施の形態では、第1のブロック軍5と第2のブロック群7との境界部付近に、断面が台形のブロック3a、ブロック3bを設けたが、境界部付近のブロックの形状は、台形に限らず、矩形や平行四辺形でもよい。また、境界部付近のブロック3aとブロック3bとは、一体化してもよい。
【0050】
次に、第2の実施の形態について説明する。図4は、地中構造物27と地盤25との境界部に他の段差緩和用ブロックを埋設した例を示す図である。
【0051】
図4の(a)図は、段差緩和用ブロック1aを埋設した例を示す。段差緩和用ブロック1aは、ブロック群5a、ブロック群7a、ブロック群81a、面状材11a、面状材13a、ブロック4等からなる。
【0052】
ブロック群5aは、第1のブロック群であり、複数の台形のブロック3で構成される。ブロック群7aは、第2のブロック群であり、複数の台形のブロック3で構成される。ブロック群5aを構成する複数のブロック3と、ブロック群7aを構成する複数のブロック3とは、上下反転して配置される。複数のブロック3は、段差緩和用ブロック1aがアーチを形成しない状態において、上辺側の面同士の間に隙間(図示せず)を設け、底辺側の面同士が連続するように並べられる。ブロック3は、例えば、コンクリート製、樹脂製、木製、金属製または中空金属製等とする。
【0053】
ブロック群81aは、第3のブロック群であり、断面が矩形の複数の矩形ブロック83からなる。ブロック群81aを構成する複数の矩形ブロック83は、段差緩和用ブロック1aがアーチを形成しない状態において、ブロック群5aとブロック群7aとの間に隙間なく並べられる。矩形ブロック83は、例えば、コンクリート製、樹脂製、木製、金属製または中空金属製等とする。なお、段差緩和用ブロック1aでは、第1の実施の形態の段差緩和用ブロック1におけるブロック群5とブロック群7との境界部のブロック3a、ブロック3bに相当するブロックは設けられない。
【0054】
面状材11aは、第1の連結材であり、第1のブロック群5aの各ブロック3を結合する。面状材13aは、第2の連結材であり、第2のブロック群7aの各ブロック3を結合する。ブロック群81aを構成する複数の矩形ブロック83の互いに対向する面には、面状材11a、面状材13aが、それぞれ結合される。面状材11a、面状材13aは、例えば、樹脂、繊維、金属などの材質の部材である。
【0055】
ブロック4は、ブロック群5aの端部のブロック3に隣接して、隙間なく配置される。ブロック4は、上面が面状材11aに結合される。ブロック4は、ブロック3、矩形ブロック83と同様に、コンクリート製、樹脂製、木製、金属製または中空金属製等とする。
【0056】
次に、段差緩和用ブロック1aを用いた段差の緩和方法について説明する。図4の(a)図では、第1の実施の形態の段差緩和用ブロック1のかわりに、段差緩和用ブロック1aを、地中構造物27と地盤25との境界部に設置し、ブロック4を、アンカ31により地中構造物27に固定する。その後、地盤25を埋め戻す。
【0057】
地震による不同沈下等が発生し、地盤25に段差37aが生じた際に、段差緩和用ブロック1aは、ブロック3同士の隙間が閉じてアーチを形成し、なだらかに段差37aに追従する。そして、道路面9は、なだらかに段差37aに追従する。
【0058】
図4の(b)図は、段差緩和用ブロック1bを埋設した例を示す。段差緩和用ブロック1bは、ブロック群5b、ブロック群7b、ブロック群81b、面状材11b、面状材13b、ブロック4等からなる。
【0059】
ブロック群5bは、第1のブロック群であり、複数の台形のブロック3で構成される。ブロック群7bは、第2のブロック群であり、複数の台形のブロック3で構成される。ブロック群5bを構成する複数のブロック3と、ブロック群7bを構成する複数のブロック3とは、上下反転して配置される。複数のブロック3は、段差緩和用ブロック1bがアーチを形成しない状態において、上辺側の面同士の間に隙間(図示せず)を設け、底辺側の面同士が連続するように並べられる。ブロック3は、例えば、コンクリート製、樹脂製、木製、金属製または中空金属製等とする。
【0060】
ブロック群81bは、第3のブロック群であり、断面が矩形の複数の矩形ブロック83a、矩形ブロック83bからなる。矩形ブロック83a、矩形ブロック83bは、幅の異なる矩形ブロックである。ブロック群81bを構成する複数の矩形ブロック83a、矩形ブロック83bは、段差緩和用ブロック1bがアーチを形成しない状態において、ブロック群5bとブロック群7bとの間に隙間なく並べられる。矩形ブロック83a、矩形ブロック83bは、例えば、コンクリート製、樹脂製、木製、金属製または中空金属製等とする。なお、段差緩和用ブロック1bでは、第1の実施の形態の段差緩和用ブロック1におけるブロック群5とブロック群7との境界部のブロック3a、ブロック3bに相当するブロックは不要である。
【0061】
面状材11bは、第1の連結材であり、第1のブロック群5bの各ブロック3を結合する。面状材13bは、第2の連結材であり、第2のブロック群7bの各ブロック3を結合する。ブロック群81bを構成する複数の矩形ブロック83a、矩形ブロック83bの互いに対向する面には、面状材11b、面状材13bが、それぞれ結合される。面状材11b、面状材13bは、例えば、樹脂、繊維、金属などの材質の部材である。
【0062】
ブロック4は、ブロック群5bの端部のブロック3に隣接して、隙間なく配置される。ブロック4は、上面が面状材11bに結合される。ブロック4は、ブロック3、矩形ブロック83a、矩形ブロック83bと同様に、コンクリート製、樹脂製、木製、金属製または中空金属製等とする。
【0063】
次に、段差緩和用ブロック1bを用いた段差の緩和方法について説明する。図4の(b)図では、第1の実施の形態の段差緩和用ブロック1のかわりに、段差緩和用ブロック1bを、地中構造物27と地盤25との境界部に設置し、ブロック4を、アンカ31により地中構造物27に固定する。その後、地盤25を埋め戻す。
【0064】
地震による不同沈下等が発生し、地盤25に段差37bが生じた際に、段差緩和用ブロック1bは、ブロック3同士の隙間が閉じてアーチを形成し、なだらかに段差37bに追従する。そして、道路面9は、なだらかに段差37bに追従する。
【0065】
第2の実施の形態においても、ブロック3の側面の傾斜角度θは、2.5〜12.5°程度とする。このとき、ブロック3の底辺側の面の幅Lが250〜1500mmであれば、ブロック3同士の隙間15が閉じて形成されるアーチの径は、500〜20000mm程度となる。
【0066】
ブロック3の側面の傾斜角度θや底辺側の面の幅Lは、地盤25の土質材料の粒径等を考慮して決定されるが、望ましくは、ブロック3の側面の傾斜角度θを、5.0〜10.0°とし、ブロック3の底辺側の面の幅Lを、500〜1000mmとする。この場合、ブロック3同士の隙間15が閉じて形成されるアーチの径は、1400〜5700mm程度となる。
【0067】
第2の実施の形態においても、地盤に段差が生じると、段差緩和用ブロックがなだらかに段差に追従することにより、道路面などの地表面をなだらかに段差に追従させることができる。第2の実施の形態においても、段差緩和用ブロックを地盤に埋設するため、上方からの力を確実にアーチ全体に分散させることができる。このブロック同士のアーチ効果によって、ブロック群自身の曲げに対する抵抗力が発揮されるため、段差を抑制することに加えて、道路面の車両の通行等に耐えることが可能となる。
【0068】
次に、第3の実施の形態について説明する。図5は、段差緩和用ブロック41を示す図である。図5の(a)図は、アーチを形成していない状態の段差緩和用ブロック41を示す図である。段差緩和用ブロック41は、ブロック43、面状材47等からなる。
【0069】
図5の(a)図に示すように、ブロック43は、断面が矩形のブロックである。第1のブロック群は、複数のブロック43で構成される。複数のブロック43は、隙間49を設けて並べられる。ブロック43は、例えば、コンクリート製、樹脂製、木製、金属製または中空金属製等とする。
【0070】
面状材47は、第1の連結材であり、第1のブロック群の各ブロック43を結合する。面状材47の下面51には、ブロック43の上面45が結合される。面状材47は、例えば、樹脂、繊維、金属などの材質の部材である。
【0071】
次に、段差緩和用ブロック41を用いた段差の緩和方法について説明する。図5の(b)図は、アーチを形成した状態の段差緩和用ブロック41を示す図である。段差緩和用ブロック41は、地表面に段差の発生が予想される箇所、例えば、道路下の埋設構造物と周辺埋戻し地盤との境界に埋設される。
【0072】
道路下の埋設構造物と周辺埋戻し地盤との境界などに埋設された段差緩和用ブロック41は、不同沈下等により地盤に段差が生じる際に、図5の(b)図に示すように、面状材47に結合されたブロック43の隙間49(図5の(a)図)の間隔が変化し、アーチが形成される。ブロック43の上面45側には、空間48が形成される。
【0073】
第3の実施の形態においても、地盤に段差が生じると、段差緩和用ブロック41がアーチを形成し、なだらかに段差に追従する。これにより、不同沈下等による段差の発生を抑制し、道路などの地表面をなだらかに段差に追従させることができる。
【0074】
次に、第4の実施の形態について説明する。図6は、段差緩和用ブロック61を示す図である。図6の(a)図は、アーチを形成していない状態の段差緩和用ブロック61を示す図である。段差緩和用ブロック61は、上面ブロック群65、下面ブロック群67、面状材73等からなる。
【0075】
図6の(a)図に示すように、ブロック63は、断面が台形状である。上面ブロック群65、下面ブロック群67は、それぞれ複数のブロック63で構成される。ブロック63は、上辺側の面同士の間に隙間75を設け、底辺側の面同士が連続するように並べられる。ブロック63は、例えば、コンクリート製、樹脂製、木製、金属製または中空金属製等とする。
【0076】
面状材73は、第1の連結材であり、上面ブロック群65、下面ブロック群67の各ブロック63を結合する。上面ブロック群65を構成する各ブロック63は、面状材73の上面69に結合される。下面ブロック群67を構成する各ブロック63は、面状材73の下面71に結合される。面状材73は、例えば、樹脂、繊維、金属などの材質の部材である。
【0077】
次に、段差緩和用ブロック61を用いた段差の緩和方法について説明する。図6の(b)図は、アーチを形成した状態の段差緩和用ブロック61を示す図である。段差緩和用ブロック61は、地表面に段差の発生が予想される箇所、例えば、道路下の埋設構造物と周辺埋戻し地盤との境界に埋設される。
【0078】
道路下の埋設構造物と周辺埋戻し地盤との境界などに埋設された段差緩和用ブロック61は、不同沈下等により地盤に段差が生じる際に、図6の(b)図に示すように、面状材73に結合されたブロック63の隙間75(図6の(a)図)の間隔が変化し、アーチが形成される。
【0079】
第4の実施の形態においても、地盤に段差が生じると、段差緩和用ブロック61がアーチを形成し、なだらかに段差に追従する。これにより、不同沈下等による段差の発生を抑制し、道路などの地表面をなだらかに段差に追従させることができる。
【0080】
なお、第1から第4の実施の形態では、連結材を面状材としたが、連結材は、面状の他、帯状、あるいは線(紐)状の、樹脂、繊維、金属などの材質の部材でもよい。
【0081】
また、第1、第2の実施の形態では、第1のブロック群を構成するブロックおよび第2のブロック群を構成するブロックの断面を台形状としたが、これらのブロックの断面形状は台形状に限らない。例えば、第1のブロック群を構成するブロック、第2のブロック群を構成するブロックのいずれか一方または両方を矩形ブロックとしてもよい。第4の実施の形態においても、例えば、上面ブロック群、下面ブロック群のいずれか一方または両方を、矩形ブロック等としてもよい。
【0082】
さらに、第1から第4の実施の形態では、段差緩和用ブロックを道路下の地中構造物と周辺地盤との境界部に埋設したが、段差緩和用ブロックの設置位置はこれに限らない。段差緩和用ブロックは、地表面に段差の発生が予想される箇所に埋設される。地表面に段差の発生が予想される箇所とは、例えば、地震時に不同沈下や隆起の生じる部位であり、道路下の埋設構造物と周辺埋戻し地盤との境界の他に、構造物(例えばカルバートなどの地中構造物)と地盤の境界、硬質地盤と軟質地盤の境界などである。
【0083】
図7は、硬質地盤77と軟質地盤79との境界に段差緩和用ブロックを設置した例を示す。図7に示す段差緩和用ブロック1cは、第1の実施の形態で用いた段差緩和用ブロック1と略同様の構成であるが、端部にブロック4のかわりにブロック群44を有する。図7に示す例では、地盤25の所定の箇所を掘り起こし、段差緩和用ブロック1cを略水平に敷設する。そして、地盤を埋め戻す。段差緩和用ブロック1の端部のブロック群44の下面29は、覆土の自重により、硬質地盤77に定着される。
【0084】
図7に示す例においても、硬質地盤77と軟質地盤79との境界に段差が生じると、段差緩和用ブロック1cのブロック3同士の隙間15が閉じてアーチが形成され、段差緩和用ブロック1cがなだらかに段差に追従する。そして、道路面9が段差緩和用ブロック81aに追従する。これにより、不同沈下等による段差の発生を抑制し、道路などの地表面をなだらかに段差に追従させることができる。
【0085】
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0086】
1、1a、1b、1c、41、61………段差緩和用ブロック
3、3a、3b、3c、4、43、63………ブロック
5、7、5a、5b、7a、7b、44、81a、81b………ブロック群
9………道路面
11、11a、11b、13、13a、13b、47、73………面状材
15、49、75………隙間
25………地盤
27………地中構造物
33………板部材
37、37a、37b………段差
77………硬質地盤
79………軟質地盤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のブロックが隙間を設けて並べられた第1のブロック群と、
前記第1のブロック群の各ブロックの一面を結合する第1の連結材と、を具備する段差緩和用ブロックを用い、
前記段差緩和用ブロックが、地表面に段差の発生が予想される箇所の地中に埋設され、
地盤に段差が生じると、前記隙間の間隔が変化し、前記第1のブロック群の少なくとも一部がアーチを形成することで、前記段差緩和用ブロックがなだらかに前記段差に追従することが可能であることを特徴とする段差の緩和構造。
【請求項2】
前記第1のブロック群を構成する複数のブロックは、断面が台形状であり、底辺側の面が連続するように並べられ、前記底辺側の面が前記第1の連結材に結合されたことを特徴とする請求項1記載の段差の緩和構造。
【請求項3】
前記段差緩和用ブロックは、
前記第1のブロック群に連続するように複数のブロックが隙間を設けて並べられた第2のブロック群と、
前記第2のブロック群の各ブロックの一面を結合する第2の連結材と、
をさらに具備し、
前記第1の連結材と前記第2の連結材とは、前記第1のブロック群および前記第2のブロック群の互いに対向する面にそれぞれ設けられ、
前記第1のブロック群と前記第2のブロック群の境界近傍に位置するブロックには、前記第1の連結材と前記第2の連結材とが両面にそれぞれ結合されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の段差の緩和構造。
【請求項4】
前記第2のブロック群を構成する複数のブロックは、断面が前記第1のブロック群を構成する複数のブロックと上下反転した台形状であり、底辺側の面が連続するように並べられ、前記底辺側の面が前記第2の連結材に結合されたことを特徴とする請求項3記載の段差の緩和構造。
【請求項5】
前記段差緩和用ブロックは、
前記第1のブロック群と前記第2のブロック群の境界近傍に位置するブロックの代わりに、前記第1のブロック群と前記第2のブロック群との間に隙間なく並べられた断面が矩形の複数のブロックからなる第3のブロック群をさらに具備し、
前記第3のブロック群を構成する複数のブロックは、前記第1の連結材と前記第2の連結材とが両面にそれぞれ結合されることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の段差の緩和構造。
【請求項6】
前記第1のブロック群は、
前記第1の連結材の上面側に結合された上面ブロック群と、
前記第1の連結材の下面側に結合された下面ブロック群と、
からなり、
前記上面ブロック群のブロックの下面と、前記下面ブロック群のブロックの上面とが、前記第1の連結材を挟んで対向する位置に設けられることを特徴とする請求項1または請求項2記載の段差の緩和構造。
【請求項7】
前記段差緩和用ブロックを構成するブロック同士の隙間のうち、土砂の流入が予想される箇所に土砂侵入防止材が張り付けられることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の段差の緩和構造。
【請求項8】
複数のブロックが隙間を設けられて並べられた第1のブロック群と、
前記第1のブロック群に連続するように複数のブロックが隙間を設けて並べられた第2のブロック群と、
前記第1のブロック群の各ブロックの一面を結合する第1の連結材と、
前記第2のブロック群の各ブロックの一面を結合する第2の連結材と、を具備し、
前記第1の連結材と前記第2の連結材とは、前記第1のブロック群および前記第2のブロック群の互いに対向する面にそれぞれ設けられ、
前記第1のブロック群と前記第2のブロック群との境界近傍に位置するブロックには、前記第1の連結材と前記第2の連結材とが両面にそれぞれ結合される段差緩和用ブロックを用い、
前記段差緩和用ブロックを、地表面に段差の発生が予想される箇所の地中に埋設し、
地盤に段差が生じる際に、前記隙間の間隔を変化させ、前記第1のブロック群および前記第2のブロック群の少なくとも一部にアーチを形成させることで、前記段差緩和用ブロックをなだらかに段差に追従させることを特徴とする段差の緩和方法。
【請求項9】
複数のブロックが隙間を設けて並べられた第1のブロック群と、
前記第1のブロック群の各ブロックの一面を結合する第1の連結材と、を具備することを特徴とする段差緩和用ブロック。
【請求項10】
前記第1のブロック群に連続するように複数のブロックが隙間を設けて並べられた第2のブロック群と、
前記第2のブロック群の各ブロックの一面を結合する第2の連結材と、をさらに具備し、
前記第1の連結材と前記第2の連結材とは、前記第1のブロック群および前記第2のブロック群の互いに対向する面にそれぞれ設けられ、
前記第1のブロック群と前記第2のブロック群との境界近傍に位置するブロックには、前記第1の連結材と前記第2の連結材とが両面にそれぞれ結合されることを特徴とする請求項9記載の段差緩和用ブロック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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