説明

殺微生物性デンドリマー組成物のデリバリーシステム

本発明は、1個以上の式IV:


の界面基を含有するデンドリマーを含有する殺微生物性化合物、その殺微生物的に活性な誘導体、またはそれらの医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物;および、担体、賦形剤、または希釈剤、を含有する殺微生物性組成物、および予防学的なデバイス、を含有する、殺微生物性デリバリーシステムであって、該殺微生物性組成物は該予防学的なデバイスの表面上で運搬され、そして該デバイスと適合し得る、該殺微生物性デリバリーシステム、を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、性行為感染症の予防および治療に関し、特にナフチルジスルホネート末端基を有するデンドリマーを運搬するコンドームの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヘルペスウイルス(HSV)、並びに他のウイルスおよび微生物病原体が原因の性行為感染症(STIs)の罹病率および死亡率の世界的な発生率は、世界中で数億人と見積もられている。STIsの感染をコントロールする1方法は、局所的に使用される、関連病原体を失活する女性/男性の徐放性の膣または直腸の殺微生物性薬の使用である。
【0003】
更に、洗浄剤をベースとする殺微生物性薬(例えば、ノノキシノール−9(N−9))の使用により、HSV−2またはHIVの予防において有害な影響を有し得ることが見出されている。そういった洗浄剤はHSV膜およびHIV膜を破壊することによって作用する一方で、それらはまた天然の膣バリヤーを損ない、そして感染症に対する感受性を有意に増大し得る。
【0004】
本出願人による国際特許出願番号PCT/AU02/00407(WO 02/079299)(この内容は引用によって本明細書中に取り込む)は、1クラスのデンドリマー(ポリアニオン性またはカチオン性の界面基の限定されたエンベロープを有する非常に枝分かれした巨大分子)(これは、最小の毒性を伴って広範囲の抗ウイルス活性および抗菌活性を示すことが分かっている)を開示する。
【0005】
抗ウイルス性および抗菌性の試験において、これらデンドリマー構造の部分集合は、性行為感染症に関連する広いスペクトルの微生物に対する例外的な活性を予想外に示しており、このことにより、それらは性行為感染症の治療または予防のための膣または直腸の殺微生物性薬の開発に選ばれる薬物となる。
【0006】
1化合物、特にSPL7013、式I:
【化1】

[式中、Rは式IV:
【化2】

の基である]
の化合物、またはその医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物は、例えば様々な性行為感染症に対する活性を有することを見出した。
【0007】
SPL7013は、32個のナフチルジスルホン酸基からなる活性な界面基を有するポリリシンデンドリマー骨格からなる。該ナフチルジスルホネート界面基の各々は、該32個の末端基へのアミド−メチレンオキシ連結基で該枝分れデンドリマー骨格と結合する。
【0008】
性行為感染症の治療または予防において、例えば式Iによって示される化合物タイプまたはその医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物の投与についての多数の選択肢(例えば、局所投与)が存在する。様々な局所投与経路が利用可能である。選ばれる様式は当然に、処置する疾患および予防的な効力のために必要とされる用量に依存する。該投与の様式は、膣、直腸、経口および経皮の経路を含む。局所(特に、膣または直腸)投与に適当な製剤は、液剤、懸濁剤、ゲル剤、ローション剤、発泡剤、フィルム剤、ゼリー、およびクリーム剤、並びに分離単位(例えば、坐剤およびマイクロカプセル化懸濁剤)を含む。他のデリバリーシステムは、徐放性デリバリーシステム(これは、本発明の活性成分の緩除放出を供し得る)を含み得て、例えば徐放性のゲル剤、クリーム剤、坐剤およびカプセル剤を含む。
【0009】
しかしながら、投与の局所様式のいくつかは、いくつかの欠点を有し得る。例えば、膣または直腸の坐剤は、それらの形状および/またはユーザーによる該膣または直腸中の設置により、完全な膣または直腸への薬物療法を供し得ない。加えて、該坐剤によって供される薬物療法は、膣または直腸から外にかなり速く排出され得て、従って該薬物療法の潜在的な有効性を低下させる。同様に、発泡剤、ゼリー、クリーム剤、またはフィルム剤の形態での局所用製剤の使用法、および該製剤の有効性は、膣または直腸からの該製剤のドレナージにより低下し得る。
【0010】
バリヤー方法(例えば、コンドーム)はまた、性行為感染症を予防するのに使用される。しかしながら、コンドームは、例えば伸張したりまたは正しくない使用が原因の緊張によって破裂することが知られる。コンドームはまた微視的な漏洩を発生し得て、あるいは小さい穿孔を含み得て、これにより、該バリヤーを横切る体液の移動を生じ得て、これは感染症の危険を導く。
【0011】
従って、本発明の目的は、従来技術に関する1個以上の困難さおよび欠点を克服するかまたは少なくとも軽減することである。
【発明の開示】
【0012】
(発明の概要)
本発明の第1の態様において、1個以上の式IV:
【化3】

の界面基を含有するデンドリマーを含有する殺微生物性化合物、その殺微生物的に活性な誘導体、またはそれらの医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物;および、担体、賦形剤、または希釈剤、を含有する殺微生物性組成物、および
予防学的なデバイス
を含有する、殺微生物性デリバリーシステムであって、
該殺微生物性組成物は、該予防学的なデバイスの表面上で運搬され、そして該デバイスと適合し得る、該殺微生物性デリバリーシステム、を提供する。
【0013】
(詳細な記載)
本明細書および特許請求の範囲で使用する、単数形「訳さず(a)」、「訳さず(an)」および「該(the)」とは、特に内容をそれ以外であると明確に断らない限り、複数の対象を含む。従って、例えば「巨大分子(a macromolecule)」についての言及は、1個以上の該巨大分子を含む。
【0014】
本明細書および特許請求の範囲で使用する用語「含有する」(または、その文法上の改変)とは、用語「含む」と等価であり、そしてこれは、他の要素および特徴の存在を排除するものと解釈すべきではない。
【0015】
本明細書および特許請求の範囲で使用する用語「予防学的なデバイスの表面」とは、該デバイスの内側表面もしくは外側表面またはその両方のいずれかを意味する。
【0016】
驚くべきことに、該殺微生物性組成物の効力は、性行為に随伴する感染の潜在的な部位への該組成物のデリバリーによって増大することができることを見出した。
【0017】
更に、該予防学的なデバイスの一部の欠点の潜在的な有害な結果は、上記のとおり、該殺微生物性組成物の含有により実質的に低下することができる。
【0018】
本発明の態様によれば該デリバリーシステムはまた、洗浄剤ベースの殺微生物剤に関連する有害な副作用を減少しまたは排除し得て、これにより、HSV−2またはHIVによる感染症に対する罹患率を有意に低下することができる。
【0019】
該殺微生物性化合物は、SPL7013(以下の式Iによって示される)、SPL7304(以下の式IIによって示される)、SPL7320(以下の式IIIによって示される)(ここで、各場合におけるRは式IVの基によって示される);その殺微生物的に活性な誘導体、およびそれらの医薬的に許容し得る塩または溶媒和物の1個以上から選ばれることが好ましい。
【化4】

【化5】

(式中、Rは式IVの基である)
【化6】

【0020】
これらの化合物の構造は、それぞれナトリウム塩としての32個のナフチルジスルホン酸基からなる活性な界面基を有する、ポリリシンデンドリマー、ポリプロピレンイミンデンドリマー、ポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマーの骨格からなる。該ナフチルジスルホネート官能界面基の各々は、32個の末端基へのアミド−メチレンオキシ連結で該枝分かれデンドリマーと結合する。化合物SPL7013が好ましい。
【0021】
上記の通り、化合物:SPL7013、SPL7304、およびSPL7320は本発明の好ましい化合物であり、そしてこれらは、有意な抗ウイルス活性(特に、ほとんどの通常の性行為感染症のウイルスおよび微生物のベクターに対する活性)を示すことを見出した。通常の性行為感染症としては例えば、パピローマウイルス、トラコーマクラミジア、カンジダ・アルビカンス、腟トリコモナス 、単純ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス(Cyclomegalovirus)、ナイセリア・ゴノレア、ヒト免疫不全ウイルス、梅毒トレポネ−マ、B型およびC型肝炎ウイルス、鼡径部肉芽腫(Calymmato bacterium granulomatis)、ヘモフィルス・デュクレイ、ヒゼンダニ、ケジラミ、マイコプラズマ、ガードネレラ・バギナリスを含むが、これらに限定されない。
【0022】
SPL7013は、いくつかの最も重要な膣または直腸の性行為感染症のベクターに対する、高い効力および最小の細胞または動物の毒性を有する、広範囲の抗ウイルス活性を示す。高活性を、インビトロ細胞試験および動物(マウス)モデルでのインビボ試験の両方で性器ヘルペスウイルス−2(HSV−2)について、およびインビトロ細胞試験でヘルペスウイルス−1(HSV−1)およびヒト免疫不全ウイルス(HIV−1およびHIV−2)について測定した。そのものはまた、性器疣贅、ヒトパピローマウイルス(HPV)の原因物質に対して、および非特異的な尿道炎の細菌ベクター、トラコーマクラミジアに対して活性であることを示した。細胞試験において、SPL7013はまた、ヘルペスウイルス−2(これは、現在使用されている改変ヌクレオシドベースの抗ウイルス剤に対して耐性である)のウイルス菌株に対する活性を示した。加えて、SPL7304およびSPL7320は、HSV−1、HSV−2、HIV−1およびHIV−2に対する高い活性を示す。更に、SPL7013、SPL7304およびSPL7320は、CD−4依存性およびCD−4非依存性のHIV感染アッセイにおいて活性であり、そしてこれらはHIV−1の付着および融合を防止する際に有効である。全ての化合物は、有益なラクトバチルスの様々な種類の増殖を抑制しないことが分かった。加えて、SPL7013、SPL7304、およびSPL7320は、HIV−1 RoJoまたはSIV 89.6pdのいずれかによるヒト末梢血単核球(PBMCs)の感染の予防において有効であることが分かった。
【0023】
該医薬的に許容し得る塩または溶媒和物はいずれかの適当なタイプであり得る。適当な塩の例としては例えば、金属塩(例えば、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、および亜鉛の塩)、有機塩(例えば、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、シクロヘキシルアミン、メグルミン、(N−メチルグルカミン)、およびプロカイン)、第4級アミン(例えば、コリン)、スルホニウム塩、およびホスホニウム塩を含むが、これらに限定されない。
【0024】
該殺微生物性組成物は、該予防学的なデバイスと長時間接触させ、そして接触時に該予防学的なデバイスから流れ出さないような、粘性を有することが好ましい。
【0025】
上述の通り、本発明のこの実施態様の該殺微生物性組成物は、担体、賦形剤、または希釈剤を含む。該殺微生物性組成物は、液剤、懸濁剤、ローション剤、フィルム剤、ゼリー、発泡剤、クリーム剤、およびその他の形態で供し得る。該担体、賦形剤、または希釈剤は、いずれかのおよび全ての通常の溶媒、分散媒質、充填剤、固体担体、水性液剤、コーティング剤、粘性改変剤、抗菌剤および抗真菌剤、等張性および吸収性の増大または遅延薬剤、活性を増大しまたは遅延する薬剤、およびその他の1個以上を含み得る。医薬的に活性な物質のための該媒質および剤の使用は当該分野においてよく知られ、そしてそのことは、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences, 18版, Mack Publishing Company, Pennsylvania, USA中に記載されている。いずれかの通常の担体および/または希釈剤が活性成分と不適合である限りを除いて、本発明の該殺微生物性組成物の使用を企図する。
【0026】
局所投与に適当なビヒクルは、水中油滴および油中水滴の乳剤、白色ワセリン、親水ワセリン、ラノリン乳剤、ポリエチレングリコール、カカオバター、緩衝化剤(例えば、カルボポール 971P)、皮膚軟化薬油状物(例えば、ポリエチレングリコールを含有する水溶性油状物)、滑沢ゲル剤(例えば、水、プロピレングリコール、ヒドロキシエチルセルロース、安息香酸、および水酸化ナトリウムを含む)、水溶性油状物(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ポリクオタニウム5番、メチルパラベン、およびプロピルパラベン)、クリーム剤(例えば、ベンジルアルコール、セタリルアルコール、セチルエステル、ワックス、オクチルドデカノール、ポリソルベート60、精製水、およびソルビタンモノステアレート)およびその他を含む。
【0027】
該担体、賦形剤、および/または希釈剤は、水酸化ナトリウム、水溶性油状物、緩衝化剤、プロピレングリコール、グリセリン、および水からなる群から選ばれる1個以上を含むことが好ましい。該担体、賦形剤、および/または希釈剤は、水酸化ナトリウム、エデト酸ジナトリウムジ水和物、メチルパラベン、プロピルパラベン、カルボポール971P、プロピレングリコール、グリセリン、純粋、およびそれらの組合せを含むことがより好ましい。
【0028】
該殺微生物性組成物は、更に第2の医薬的に活性な化合物を含み得る。
【0029】
従って、本発明の更なる実施態様において、1個以上の式IV:
【化7】

の界面基を含有するデンドリマーを含有する殺微生物性化合物、その殺微生物的に活性な誘導体、またはそれらの医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物;
第2の医薬的に活性な化合物、および、
担体、賦形剤、または希釈剤
を含有する殺微生物性組成物、を提供する。
【0030】
該第2の医薬的に活性な成分は、以下の表中のものからなる群から選ばれる化合物の1個以上によって例示され得るが、これらに限定され得ない。
【表1】

【0031】
該第2の医薬的に活性な化合物は、避妊薬または性行為感染症に対して活性な薬物が好ましい。該第2の医薬的に活性な化合物は避妊薬がより好ましく、殺精子薬が最も好ましい。避妊薬および性行為感染症に対して活性な薬物の例としては、ポドフィリン、テトラサイクリン、ナイスタチン(nyastatin)、フルコナゾール、メトロニダゾール、アシクロビル、ペニシリン、セフォタキシム、スペクチノマイシン(spectinomycin)、レトロビル、エリスロマイシン、セフトリアキソン、コトリモキサゾール、安息香酸ベンジル、マラチオン、ノノキシノール−9、オクトキシノール−9、メンフェゴール、プロゲスチン、エストロゲン、およびエストラジオールを含むが、これらに限定されない。避妊薬または性行為感染症に対して活性な薬物である他の適当な第2の医薬的に活性な成分は当該分野における当業者にとってよく知られるであろう。
【0032】
該殺微生物性組成物は、いずれの適当な様式で該予防学的なデバイス上で運搬され得る。例えば、該予防学的なデバイスの表面(例えば、該デバイスの内側表面、外側表面、またはその両方の表面)上で運搬され、該予防学的なデバイス中に含浸され、該予防学的なデバイスの表面と共有結合した、組成物などを含むが、これらに限定されない。
【0033】
該予防学的なデバイスは、いずれかの適当なタイプであり得て、コンドーム、頸管キャップ(cervical cap)、避妊用隔膜、膣スポンジ、ペッサリー、またはその他を使用し得る。コンドームが好ましい。
【0034】
該予防学的なデバイスおよび殺微生物性組成物は、それらの間の適合性を保証するために選択することができる。
【0035】
コンドームを予防学的なデバイスとして使用する場合に、該殺微生物性組成物を該コンドームの外側表面および/または内側表面上で運搬し得る。該殺微生物性組成物は、該コンドームの外側表面および/または内側表面の少なくとも実質的な部分を覆うことが好ましい。
【0036】
本発明のこの実施態様の好ましい態様において、式I:
【化8】

[式中、
Rは、式IV:
【化9】

の基である]
の殺微生物性化合物、および担体、賦形剤、または希釈剤;および、
コンドーム
を含有する、殺微生物性デリバリーシステムであって、
該殺微生物性組成物は該コンドームの表面上で運搬され、そして該コンドームと適合し得る、該殺微生物性デリバリーシステム、を提供する。
【0037】
本発明の更なる実施態様において、1個以上の式IV:
【化10】

の界面基を含有するデンドリマーを含有する殺微生物性化合物、その殺微生物的に活性な誘導体、またはそれらの医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物;第2の医薬的に活性な化合物;および、担体、賦形剤、または希釈剤、を含有する殺微生物性組成物、および
予防学的なデバイス
を含有する、殺微生物性デリバリーシステムであって、
該殺微生物性組成物は、該予防学的なデバイスの表面上で運搬され、そして該デバイスと適合し得る、該殺微生物性デリバリーシステム、を提供する。
【0038】
該第2の医薬的に活性な化合物は性行為感染症に対して活性な薬物であることが好ましい。
【0039】
本発明の別の実施態様において、1個以上の式IV:
【化11】

の界面基を含有するデンドリマーを含有する殺微生物性化合物、その殺微生物的に活性な誘導体、またはそれらの医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物;および、担体、賦形剤、または希釈剤、を含有する殺微生物性組成物(ここで、該殺微生物性組成物は、該予防学的なデバイスの表面上で運搬され、そして該デバイスと適合し得る)、および
予防学的なデバイス
を含有する、殺微生物性デリバリーシステムを供することを含む、ヒト患者における性行為感染症の予防のための方法、を提供する。
【0040】
該殺微生物性化合物は、いずれかの適当な量で存在し得る。殺微生物性組成物の量は、性行為感染症の軽減または予防に十分であるべきである。この量は、予防することが求められる特定の性行為感染症、および個々の患者のパラメータ(例えば、年齢、身体的な状態、サイズ、体重、および併用処置を含む)に依存し得る。これらの因子は、当該分野における当業者によって十分に知られ、そしてこれは、通常の実験法程度で取り組むことができる。
【0041】
本発明に記載する殺微生物性組成物中に含まれる殺微生物性化合物の重量%は、約0.5重量%〜約20重量%の範囲であり得て、約1重量%〜約18重量%の範囲がより好ましく、約2重量%〜15重量%の範囲が最も好ましい。
【0042】
本発明に記載する殺微生物性組成物は、性行為感染症の予防に十分な量で投与し得る。この量は、予防することが求められている特定の性行為感染症、および個々の患者のパラメータ(例えば、年齢、身体状態、サイズ、体重、および併用処置を含む)に依存し得る。これらの因子は当該分野における当業者にとってよく知られ、そしてこれは、通常の実験法程度で取り組むことができる。
【0043】
本発明に記載する殺微生物性デリバリーシステム中に含まれる殺微生物性組成物の量は、0.25g〜2gの範囲であり得る。該殺微生物性組成物を該予防学的なデバイスの外側表面に適用する場合には、殺微生物性組成物の量は約0.25g〜約2.0gの間が好ましく、約0.75g〜約1.75gの間がより好ましく、約1.0g〜約1.5gの間が最も好ましい。該殺微生物性組成物を該予防学的なデバイスの内側に適用する場合には、該殺微生物性組成物の量は約0.1g〜約1.0gの間が好ましく、約0.15g〜約1.0gの間がより好ましく、約0.25g〜約0.65gの間が最も好ましい。
【0044】
本発明の更なる特徴は、以下の実施例(これは、本発明の例示によって含まれるが、本発明を限定するものではない)から明らかである。
【実施例】
【0045】
実施例1:殺微生物性組成物の製造(3%活性成分)
【表2】

【0046】
プロトコール
i.該装置は、製造するまえに、衛生化し(sanitised)、そしてすすぐ。
ii.ステンレススチール瓶中で、水酸化ナトリウム、NFを精製水に溶解する。
iii.ステンレススチール容器中で、エデト酸ジナトリウムジ水和物、USPを精製水に加え、そして溶解するまで高いせん断ミキサーを用いて撹拌する。
iv.メチル−およびプロピル−パラベン、NFを1回で加え、そして十分に分散するまで混合する。
v.カルボポール971P、NFをゆっくりと加え、そして該カルボポール971P、NFが十分に分散するまで混合し、そして滑らかなゲルを得る。
vi.プロピレングリコール、USPおよびグリセリン、USPを該容器に加え、そして該溶液を内容物が十分に分散するまで混合する。
vii.工程ii由来の水酸化ナトリウム溶液をpHが4.5になるまで加える。
viii.pH測定後、精製水をかたまりに加え、そして全ての成分が分散し、そして均一なゲルが得られるまで該溶液を混合する。
ix.該バルク収率を測定する。
【0047】
実施例2:カルボポールゲル中に1%、3%、および5%活性成分のコンドーム安定性の研究
個別にペッケージした男性用コンドームを天然ゴムラテックスから製造し、そしてこれは、ASTM Designation: D 3492-97(米国材料試験協会、ゴム避妊薬 男性コンドームの標準規格(Standard Specification for Rubber Contraceptives Male Condoms)試験方法において具体的に示されている最少用件を満たす単独使用を意図する。該試験方法は、コンドームが一定の質であることを保証するように設計されている。膣製剤中でのある成分は、コンドームの整合性を損ない得る。この方法を用いて、コンドーム上の膣製剤の効果を測定した。以下のパラメータを処理したおよび未処理のコンドームについて測定した;破裂時の圧力、破裂時の容量、長さ、厚さ、および幅。該製剤が該コンドームを損なう場合には、破裂時の圧力および容量は低いと予想される。該コンドームの長さも、同様に影響を及ぼし得る。
【0048】
ゲルの4.0g試料を7.5cm×410cmのアルミニウム箔上に広げ、そしてこれをコンドームの周りにラップした。該コンドームをポリプレピレンだぼ(dowel)上に置き、そしてだぼを該被験物品を含有するアルミニウム箔で覆った。30分後に、該アルミニウム箔を除き、そして該コンドームを接着用ゲルなしでブロットした。該処理したコンドームの破裂時の長さ、幅、容量、および圧力を測定した。
【0049】
空気破裂の性質(破裂時の圧力および容量)
1.25±5℃で試験を実施する。
2.該コンドームを伸展せずに該マウント上に広げる。処理したコンドームの長さは150±3mm(非膨張)であるべきである。
3.該コンドームを空気注入式のゴム輪を用いて該システムに封する(このゴム輪は該コンドームの一定の長さをクランプオフ(clamps off)する)。
4.空気が、膨張の間、該シールを通してまたはシステムから漏洩し得ないことを保証する。
5.該コンドームへの空気を調節するための弁を解放し、そして同時に該チャート記録計を開始する。
6.0.4〜0.5L/秒(24〜30L/分)の一定の速度で該コンドームを膨張する。該流速を記録する。
7.該コンドームが破裂するまで、圧力を時間関数として記録する。圧力の即時の増大が観察され、これを開始時間とする。破裂後に、圧力は0に戻る。
8.破裂圧力(ほとんど0.1キロパスカル((kPa))を記録し、そして破裂容量(ほとんど0.5L)を算出する。破裂時の圧力を該チャート記録紙上の該記録から読み取ることができる。破裂時の容量を、以下の式を用いて算出する。
破裂時の容量(L)=流速 × 研究の開始から破裂までの時間
【0050】
本実験についてのデータを表2に提示する。
【表3】

【0051】
長さの測定
1.該コンドームを広げ、そして該しわを伸ばしてなくす(これは、処理したコンドームの場合には不要である)。
2.該コンドームをマンドレル上に置き、そしてこのものを自由に垂れ下げ、それ自身の重さによってのみ伸展する。
3.該コンドームの開口端の外側にスケールで示す通り、該コンドームの長さを、ほぼミリメートル近くまで書き留める。
【0052】
幅の測定
1.該コンドームを広げ、そして該しわを伸ばしてなくす(これは、処理したコンドームの場合には不要である)。
2.該コンドームを平らな表面上に置く。
3.該開口端から30±5mmの距離での平らに横たえた該コンドームの幅をほぼ0.5mm近くまで測定する。
【0053】
これらのアッセイからのデータを表3に提示する。
【表4】

【0054】
参考文献
1.ASTM Designation: D 3492-97, Standard Specification for Rubber Contraceptives (Male Condoms)。
2.Condom Burst Test on a Placebo and Active Gel Formulation, CDDR-R4316-0600-NL-3, 106 of 108 and 107 of 108, June 26, 2000。
【0055】
実施例3:コンドームにおける該殺微生物性組成物の効果の評価
この研究は、70℃で7日間エージングする前および後の、本発明に記載する雑菌性組成物を用いて潤滑させたコンドームのコンドーム強度を評価する(破裂試験を使用)。
【0056】
試験したコンドームはDF 53 N 薄さ(Thin)、バッチ番号:0509052516であり、次いで該試験をS & T,Shah Alam中で行なった。
【0057】
方法
1.該活性成分の3%(重量比)を含有する該殺微生物性組成物の0.5gを、該コンドームの外側および内側の表面上に薬物投与し(総計:1.0g)、そしてこのものをアルミニウム箔(56mm×56mm)中に封した。
2.該コンドームの160pcsを調製し、促進された有効期間の研究の場合には80pcsを70℃で7日間オーブン中に保ち(エージング試料)、そして該釣り合う80pcsをエージングなしで試験した(非エージング試料)。
3.該非エージングおよびエージングの試料の全てを破裂性質について試験した。
【0058】
結果
【表5】

該破裂試験の結果は、該活性成分の3%(重量比)を含有する該殺微生物性組成物は平均容量および平均圧においてそれぞれ14.0%および8.6%の有意な低下を生じたが、しかし、平均容量および平均圧は共に許容される基準(破裂容量:18リットル。破裂圧:1kPa)を十分に超えていた。従って、本発明者は、例え該活性成分の3%(重量比)を含有する該殺微生物性組成物が該コンドーム(DF 53薄さ)の該破裂容量および圧力を有意に低下するとしても、該効果はなお許容し得るものであると結論付ける。
【0059】
実施例4:該活性成分の3%(重量比)を含有する該殺微生物性組成物についての移動試験
試料:バルクコンドーム DF 53N薄さ、該活性成分の3%(重量比)を含有する該殺微生物性組成物
用量:1.内側および外側のコンドームの0.5g;
2.外側のみの0.5g。
【0060】
結果
コンドームを上記の実施例3に従って調製し、このものを室温で保ち、そして7週間毎週、滑沢剤の移動について試験した。該コンドームを注意深く広げ、そしてこのものを1枚のクリーンペーパー上に置いた。該コンドームの処理由来の該滑沢剤によって移動する距離を定規によって測定した。
【表6】

【0061】
実施例5:HSV−2感受性における、本発明に記載する殺微生物性組成物の効果を評価するための研究
背景技術
該研究は、単純ヘルペスウイルスタイプ2(HSV−2)(該ウイルスは、最もよくある原因の性器ヘルペスである)による感染に対するマウスの感受性を測定することによって、本発明に記載する殺微生物性組成物の潜在的な有害性の影響を測定するために実施した。
【0062】
該マウスHSV−2膣感染モデルは、病原体(例えば、HSV−2)に対する感受性を生じ得る殺微生物薬に関連する毒性を評価するのに、ジョンホプキンス大学(ベルチモア、米国)のリチャードコーン(Richard Cone)によって使用されている。
【0063】
方法
マウスモデル:
該感受性の評価の前に、6〜8週齢の雌性CF−1マウス(ハーラン(Harlan)、インディアナポリス、IN、米国)を、プロゲスチン(デポ プロヴェラ(Depo Provera)(登録商標)、メドキシプロゲステロンアセテート)処理してHSV−2感受性を増大させ、そして該マウスを発情サイクルの異なるステージにあるマウスよりも感受性の観点でより均一とした。
【0064】
ウイルス接種:
HSV−2の系統G、5×10 TCID50/mL
【0065】
方法:
本発明に記載する殺微生物性組成物の20μLを、バルテルズ(Bartels)媒質(10μL)中に送達された、HSV−2(0.1 ID50)の低用量接種の投与による12時間後に、膣に投与した。コントロール動物に該被験物の代わりに20μLのPBSを与えた。
【0066】
該接種を該被験物の適用後の12時間送達させる。その理由は、予備実験により、この時間がノノキシノール−9の投与後にHSV−2感染症に対するピーク感受性を生じる時であることを示すからである。
【0067】
この研究において、総計40マウスに本発明に記載する殺微生物性組成物を与え、そして総計40マウスにPBSを与えた。
【0068】
結果
本発明に記載する殺微生物性組成物を用いて処理した該40マウスのうちの1匹だけがHSV−2に感染した。対照的に、コントロール群においては40マウスの7匹が感染した。言い換えれば、本発明に記載する殺微生物性組成物の投与後に感受性は全く増大しなかった。
【0069】
予備研究において、ノノキシノール−9を用いて処理した42動物のうちの29匹、殺微生物薬成分1を用いて処理した30動物のうちの20匹、および殺微生物性成分2を用いて処理した41動物のうちの25匹が感染した。
【0070】
予備研究において該マウスの相対的な感受性を測定するために、コントロールマウスの2群を、被験物を用いて処理したマウスの各群についてPBSを用いて処理した。1コントール群は0.1 ID50で接種し、一方で他方は10 ID50で接種した。次いで、各コントロール群において感染した動物のフラクションを使用して、用量応答グラフ(これは、低いおよび高い用量点の間の線形補間を描く)を構築した(感染フラクション 対 log ID)。次いで、該被験群において感染したマウスのフラクションをこのグラフ上にプロットして、この被験群における低用量接種の有効なIDを決定した。相対的な感受性は、有効なID(被験マウスに送達される低用量接種をコントロール動物に送達されるIDによって割ったもの)として定義した。
【0071】
ノノキシノール−9を用いて処理した動物は、コントロール動物よりもHSV−2感染症に対して29.7倍以上感受性であり(P<0.001、フィッシャーの直接両側t検定)、一方で、殺微生物性成分1および2を用いて処理した動物はそれぞれ、29.1(P<0.001)および17.5(P<0.001)倍以上感受性であった。
【0072】
結論
本発明に記載する殺微生物性組成物は、HSV−2感染症のマウスモデルにおいて感受性の増大を生じない。ノノキシノール−9および他の洗浄剤の殺微生物剤は、感受性の増大を生じ得る。
【0073】
参照文献
Cone RA, Hoen TE, Wang XX & Moench TR. Microbicidal Detergents Increase HSV susceptibility in Mice Without Causing Visible Epithelial Defects. Abstract 02421番, 「Microbicides 2004」 Conference, London, 英国; 2004, 3月。
【0074】
本発明の精神および範囲から逸脱することがなく、具体的に記載するもの以外に本明細書中に広く記載されているとして、改変および修飾を本発明に対して行なうことができると認められる。本発明は全ての改変および修飾を含むように拡がると理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1個以上の式IV:
【化1】

の界面基を含有するデンドリマーを含有する殺微生物性化合物、その殺微生物的に活性な誘導体、またはそれらの医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物;および、担体、賦形剤、または希釈剤、を含有する殺微生物性組成物、および
予防学的なデバイス
を含有する、殺微生物性デリバリーシステムであって、
ここで、該殺微生物性組成物は、該予防学的なデバイスの表面上で運搬され、そして該デバイスと適合し得る、該殺微生物性デリバリーシステム。
【請求項2】
該殺微生物性化合物は、1個以上の式I、II、またはIII:
【化2】

【化3】

[式中、
Rは、式IV:
【化4】

の基である]
の化合物から選ばれる、請求項1記載の殺微生物性デリバリーシステム。
【請求項3】
該殺微生物性化合物は式Iの化合物である、請求項2記載の殺微生物性デリバリーシステム。
【請求項4】
該殺微生物性化合物は式I、II、またはIIIの化合物の医薬的に許容し得る塩である、請求項2記載の殺微生物性デリバリーシステム。
【請求項5】
該塩は、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、および亜鉛の塩の1個以上からなる群から選ばれる金属塩である、請求項4記載の殺微生物性デリバリーシステム。
【請求項6】
該塩は、N,N'−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、シクロヘキシルアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)、およびプロカインの1個以上からなる群から選ばれる有機塩である、請求項4記載の殺微生物性デリバリーシステム。
【請求項7】
該塩は、第4級アミン、スルホニウム塩、およびホスホニウム塩の1個以上からなる群の1個以上から選ばれる、請求項4記載の殺微生物性デリバリーシステム。
【請求項8】
該担体、賦形剤、または希釈剤は、水酸化ナトリウム、水溶性油状物、緩衝化剤、プロピレングリコール、グリセリン、および水からなる群の1個以上を含む、請求項1記載の殺微生物性デリバリーシステム。
【請求項9】
該殺微生物性化合物は、約0.5重量%〜20重量%の量で該殺微生物性組成物中に存在する、請求項1記載の殺微生物性デリバリーシステム。
【請求項10】
該殺微生物性化合物は、約2重量%〜15重量%の量で該殺微生物性組成物中に存在する、請求項9記載の殺微生物性デリバリーシステム。
【請求項11】
該殺微生物性組成物は約0.25〜2gの量で存在する、請求項1記載の殺微生物性デリバリーシステム。
【請求項12】
該殺微生物性組成物は更に、避妊薬または性行為感染症に対して活性な薬物である第2の医薬的に有効な化合物を含む、請求項1記載の殺微生物性デリバリーシステム。
【請求項13】
第2の医薬的に有効な化合物は避妊薬である、請求項12記載の殺微生物性デリバリーシステム。
【請求項14】
第2の医薬的に有効な化合物は殺精子薬である、請求項13記載の殺微生物性デリバリーシステム。
【請求項15】
第2の医薬的に有効な化合物は、ポドフィリン、テトラサイクリン、ニスタチン、フルコナゾール、メトロニダゾール、アシクロビル、ペニシリン、セフォタキシム、スペシノマイシン、レトロビル、エリスロマイシン、セフトリアキソン、コトリモキサゾール、コトリモキサゾール、安息香酸ベンジル、マラチオン、ノノキシノール−9、オクトキシノール−9、メンフェゴール、プロゲスチン、エストロゲン、およびエストラジオールからなる群の1個以上から選ばれる、請求項12記載の殺微生物性デリバリーシステム。
【請求項16】
予防学的なデバイスは、コンドーム、頸管キャップ、避妊用隔膜、膣スポンジ、およびペッサリーからなる群から選ばれる請求項1記載の殺微生物性デリバリーシステム。
【請求項17】
該予防学的なデバイスはコンドームである、請求項16記載の殺微生物性デリバリーシステム。
【請求項18】
該殺微生物性組成物は該予防学的なデバイスの外側表面上で運搬される、請求項1記載の殺微生物性デリバリーシステム。
【請求項19】
該殺微生物性組成物は該予防学的なデバイス中に含浸される、請求項1記載の殺微生物性デリバリーシステム。
【請求項20】
該殺微生物性組成物は該予防学的なデバイスの表面に共有結合する、請求項1記載の殺微生物性デリバリーシステム。
【請求項21】
式I:
【化5】

[式中、
Rは、式IV:
【化6】

の基である]
の殺微生物性化合物、および担体、賦形剤、または希釈剤;および、
コンドーム
を含有する、殺微生物性デリバリーシステムであって、
ここで、該殺微生物性組成物は該コンドームの表面上で運搬され、そして該コンドームと適合し得る、該殺微生物性デリバリーシステム。
【請求項22】
該殺微生物性組成物は、該コンドームの外側表面、および/または内側表面上で運搬される、請求項21記載の殺微生物性デリバリーシステム。
【請求項23】
該殺微生物性組成物は、該コンドームの外側表面および/または内側表面の少なくとも実質的な部分を覆う、請求項22記載の殺微生物性デリバリーシステム。
【請求項24】
1個以上の式IV:
【化7】

の界面基を含有するデンドリマーを含有する殺微生物性化合物、その殺微生物的に活性な誘導体、またはそれらの医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物;および、
第2の医薬的に活性な組成物
を含有する、殺微生物性組成物。
【請求項25】
該殺微生物性化合物は、式I、II、またはIII:
【化8】

【化9】

[式中、
Rは、式IV:
【化10】

の基である]
の化合物の1個以上から選ばれる、請求項24記載の殺微生物性組成物。
【請求項26】
該殺微生物性化合物は、約0.5重量%〜20重量%の量で該殺微生物性組成物中に存在する、請求項24記載の殺微生物性組成物。
【請求項27】
該殺微生物性化合物は、約2重量%〜15重量%の量で該殺微生物性組成物中に存在する、請求項26記載の殺微生物性組成物。
【請求項28】
該殺微生物性化合物は、約0.25g〜2gの量で存在する、請求項24記載の殺微生物性組成物。
【請求項29】
第2の医薬的に有効な化合物は、避妊薬または性行為感染症に対して活性な薬物である、請求項24記載の殺微生物性組成物。
【請求項30】
請求項1記載の殺微生物性デリバリーシステムを供することを含む、ヒト患者における性行為感染症の予防のための方法。
【請求項31】
該疾患は、HSV−1、HSV−2、HIV−1、HIV−2、およびHPV感染症、並びにトラコーマクラミジア感染症からなる群の1個以上から選ばれる、膣で、直腸で、または経口で伝達される性行為感染症である、請求項30記載の方法。
【請求項32】
ヒト患者における性行為感染症の予防のための殺微生物性デリバリーシステムの製造における、請求項1記載の殺微生物性化合物、その殺微生物的に活性な誘導体、またはそれらの医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物の使用。
【請求項33】
ヒト患者における性行為感染症の予防のための殺微生物性デリバリーシステムの製造における、請求項2記載の式I、IIもしくはIIIの化合物、その殺微生物的に活性な誘導体、またはそれらの医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物の使用。
【請求項34】
疾患は、HSV−1、HSV−2、HIV−1、HIV−2、およびHPV感染症、並びにトラコーマクラミジア感染症から選ばれる、膣で、直腸で、または経口で伝達される性行為感染症である、請求項32記載の使用。

【公表番号】特表2009−511608(P2009−511608A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535836(P2008−535836)
【出願日】平成18年2月1日(2006.2.1)
【国際出願番号】PCT/AU2006/000120
【国際公開番号】WO2007/045009
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(501102564)スターファーマ・プロプライエタリー・リミテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】STARPHARMA PTY LTD
【Fターム(参考)】