説明

殺菌水の製造装置および製造方法

【課題】殺菌水の製造装置および製造方法を提供すること。
【解決手段】有効塩素含有水を、吸水口11からエジェクター14へと供給し、気体と混合する。混合された気体は、スタティックミキサー17内で渦の剪断力によって気泡が破細され、さらに一部の気体は、有効塩素含有水に溶解する。その後、絞り弁18を通過する際に、溶液は大気圧へと解放され、過飽和状態となった気体をマイクロバブルとして再気泡化させ、排水口12から排出し、超音波発生槽10の超音波エネルギーを供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有効塩素を含有した殺菌水の製造装置、製造方法および殺菌水に関し、より詳細には、有効塩素含有水に微細気泡を分散させた殺菌水を製造するための装置、製造方法および殺菌水に関する。
【背景技術】
【0002】
有効塩素を含有する水(以下、有効塩素含有水として参照する。)は、微酸性次亜塩素酸水をはじめ、塩素ガス溶液、次亜塩素酸ナトリウム溶液、二酸化塩素溶液、強酸性次亜塩素酸水、弱酸性次亜塩素酸水、次亜塩素酸ナトリウム溶液に酸を混合した液などがあり、何れも殺菌、脱臭、漂白などの目的に利用されている。
【0003】
なかでも、希塩酸を無隔膜電解漕で電解し、水で希釈することによって得られる微酸性次亜塩素酸水(特許文献1)は、殆どの微生物に対する殺滅の効果があり、食品添加物にも指定された安全な殺菌料である。しかも、殺菌対象や環境に対する影響も軽微なため、利用上の制約がほとんど無い。そのため、利用分野は食品製造流通、医療介護、プール温泉等の保養遊戯施設、飼育動物管理、酪農、農業、漁業、リネンサプライ、クリーニング、学校、家庭、他のサービス業等、多岐に亘っている。
【0004】
しかしながら、有効塩素含有水は、物理的には水道水など普通の水と殆ど同じ性質であり、なかでも表面張力は水と同じく高い値を持っているため、殺菌対象の表面が細毛や油脂、ワックスなどで覆われている場合や、微細構造の多孔質や複雑な凹凸がある場合、表面全体を満遍なく濡らすことが困難で、殺菌不良になる場合がある。また、表面からの浸透距離も短く、表面直下に侵入した汚染菌に対する殺菌効果も十分ではない。この性質は食品などのように表面が複雑な構造を持つものに対する殺菌効果の不十分さの原因となっている。
【0005】
これらを改善するために、水の表面張力を低下させる界面活性剤を混合する方法も試みられているが、界面活性剤自体が有効塩素成分と反応してしまうため、有効塩素含有水の殺菌力の低下につながり、また、望まない物質が食品に添加されるといった新たな問題が生じてしまう。
【0006】
また、有効塩素含有水は反応性が高いために、たんぱく質、アミノ酸、脂肪酸など酸化されやすい有機物と反応し、すぐに効果が減衰するため、有機物の塊である食品の殺菌では、多量の有効塩素含有水で洗い流すような使い方が一般的であり、水の消費量が多いのも欠点である。
【0007】
さらに、有効塩素含有水の殺菌力の保持期間について言えば、強酸性次亜塩素酸水を除くと比較的安定であるため、微酸性次亜塩素酸水は遮光密閉であれば数ヶ月間実用的な殺菌力を維持するものの、殺菌用の水として水そのものを流通するには十分な保持期間ではなく、利用する場合は生成装置の購入が前提となり、大きな出費が利用拡大の障碍となっていた。
【0008】
ところで、これまで微細気泡を分散した水も知られており、分散した気泡の大きさで、気泡径が主に1〜100μmオーダーの比較的大きな気泡を含むものは、マイクロバブル水、径が1μm以下の気泡が主流のものはナノバブル水と呼ばれている。
【0009】
水中に気泡を分散させることによって水に気泡を含有させる方法は、これまで主として、加圧減圧法と、気液剪断法という、2つの方法が知られている。加圧減圧法は、水と気体が接触した状態で加圧し、気体の過飽和状態を作った後、減圧し、微細な泡を発生させる方法であり、これを連続的に行うために、加圧状態にした管の中に水と気体の混合物を流し、出口で解放減圧する方法である。
【0010】
もう1つの気液剪断法は、気体と水の二相流を旋回させてできた渦の剪断力で泡を破細する方法である。ナノバブル水の生成方法は、マイクロバブル水を放置し自然に生成させる方法や、マイクロバブル水に撹拌などの物理刺激を与える方法や超音波振動を与える方法などが報告されている。
【0011】
上記のように生成されるマイクロバブル水やナノバブル水は、微細気泡が持つ自己加圧効果、表面電位特性、自己圧壊などの特殊な性質により、各方面で機能研究が進められており、近年興味が持たれている組成物である。
【0012】
ところで、本発明者は、有効塩素を含有し、pH5.0〜6.5のいわゆる微酸性電解水の製造装置および殺菌性の検討を行ってきており、例えば、国際出願(国際出願番号PCT/JP2010/003928)、特許第4712915号(特願2011−504069)(特許文献2)には、微酸性電解水の製造装置およびそのために使用することができる電解槽が記載されている。なお、本明細書において、用語「微酸性電解水」とは、食品添加物対応、2002年6月10日、官報 第3378号に規定されるように、pH:5.0〜6.5、有効塩素濃度:10〜30mg/Lの範囲の水溶液を意味する。
【0013】
図6には、特許文献2に記載された電解槽600の概略図を示す。微酸性電解水を製造するために最も重要な構成要素は、電極スタック101であり、(1)できるだけ低い温度で、できるだけ低い電圧で電解することができ、(2)高濃度の電解液が長い時間保持されないようにすること、(3)希釈水の逆流防止や電解槽内の電界の偏り、圧力変動による電極変形などの防止による安定操業の確保を行う必要がある。
【0014】
図6に示された電解槽600は、平行に配置された電極板101aの間に、電極スタック101の上部および下部に形成された細孔を通して希塩酸が流される。電極スタック101は、希釈水を流す容器102の中に設置され、電極スタック101の周りには、希釈水の入口103から電解生成物を希釈するための希釈水(水道水)が供給され、電極板101aなどの冷却を行っている。希塩酸は、下部開口から流入し、電極板101aの間で電解された後、上部の細孔から排出され、電極スタック101の周囲を流れている水道水といった希釈水で希釈された後、微酸性電解水として出口104から排出される。
【0015】
電気分解のための電流値は、3〜9A程度とすることができ、電極スタック101の上部および下部に形成された細孔は、電解液の整流機能・希釈水の逆流防止や電解槽内の電解の偏り、および電解槽内の圧力変動を防ぐことなどを考慮して、それぞれ総面積が約0.8mm〜10mm程度の範囲で、圧力変動、圧力損失、希釈水の逆流などの影響を最適化させるように、単一の開口または複数の開口の組み合わせから選択されて、最適化設計されていている。 図6に示した電極スタック101は、pH5.0〜pH6.5の微酸性電解水を、基本構成を変えることなく、処理能力300L/hr〜10t/hrの能力で微酸性電解水を製造することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2009−136814号公報
【特許文献2】PCT/JP2010/003928
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、上記従来技術における課題に鑑みてなされたものであり、本発明は、有効塩素含有水の表面張力を低下させることによって、表面が細毛や油脂、ワックスなどで覆われている対象や、細孔多孔質や複雑な凹凸がある対象でも効率的に殺菌でき、また、殺菌対象への浸透力を増大させることによって、表面直下の菌に対しても効果的に多量の水を使用することなく殺菌でき、さらには、長期保存が可能で流通に適した殺菌水を製造するための装置、方法および殺菌水を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明者は、鋭意検討した結果、マイクロバブルやナノバブルといった通常の気泡とは異なった特性を有する微細気泡を有効塩素含有水中に分散混合することにより、従来の有効塩素含有水の問題点を改善することができることを見出し、本発明に至ったのである。
【0019】
すなわち、本発明では、希塩酸を無隔膜法により電気分解し、生成した次亜塩素酸を希釈水で希釈して有効塩素を含有するpH5.0〜6.5程度の水溶液とした後、生成した水溶液に対して気泡を分散させる処理を適用し、微酸性電解水とする。
この目的を達成するために、本発明では、有効塩素を含有する殺菌水を気体に接触させ、加圧減圧法や気液剪断法などの方法を用いて殺菌水中に気泡を生成させた後、気泡の粒径を制御する目的で、気泡生成後の前記殺菌水に対して分散処理を適用することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明により生成された微酸性電解水は、気泡分散処理を適用しない微酸性電解水と比較して殺菌対象への浸透力を増大させることが可能となる。また、従来よりも少量の微酸性電解水で、効率的な殺菌が可能、すなわち殺菌力を高めることができる。さらに、本発明によると、有効塩素含有水中に微細気泡を分散させる処理を適用することにより、殺菌力が遮光密閉状態で1年以上保持され、殺菌水そのものの流通を可能とする、微酸性電解水が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】微細気泡の回分式生成装置100の概略図。
【図2】微酸性電解水に微細気泡を生成させる装置200の概略図。
【図3】微細気泡含有水から微酸性電解水を生成する装置300の概略図。
【図4】微酸性電解水に微細気泡を生成させる装置400の概略図。
【図5】脱脂粉乳混合後の残留塩素濃度の経時変化を示したグラフ。
【図6】微酸性電解水を生成するための従来の電解槽600の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施形態をもって説明するが、本発明は、後述する実施形態に限定されるものではない。図1は微細気泡の回分式生成装置100の概略図である。微細気泡の回分式生成装置100は、超音波発生槽10に貯留された有効塩素を含有する被処理水を吸水口11から吸い上げ、排水口12へと排出する。吸水口11と排水口12の間には、循環加圧ポンプ13と、エジェクター14と、スタティックミキサー17と、絞り弁18とが設けられている。
【0023】
超音波発生槽10に貯留された被処理水は、循環加圧ポンプ13により吸引され、吸水口11からエジェクター14へと供給される。エジェクター14には、吸気管15と調節弁16が備えられ、調節弁16によって調節された流量の気体が吸気管15から吸入される。被処理水は、エジェクター14によって吸気管15から吸入された気体と混合される。混合された気体は、下流側に配置されたスタティックミキサー17内で渦の剪断力によって気泡が破細され、被処理水は、ナノ〜マイクロサイズの気泡を分散することになる。
【0024】
なお、被処理水としては、次亜塩素酸ナトリウム水溶液をpH5.0〜6.5に塩酸で中和したものを用いてもよいし、例えば微酸性電解水研究所が製造販売する微酸性電解水製造装置を使用して製造されたpH5.0〜6.5の微酸性電解水を使用することもできる。
【0025】
さらに、スタティックミキサー17を通過した被処理水は、その過程で気体の一部を溶解しているため、下流側に設置された絞り弁18を通過し、大気圧へと解放される際に過飽和状態となり、溶解していた気体がマイクロバブルとして再気泡化する。そのため、排水口12から超音波発生槽10へと循環排出される被処理水中には、より多くのナノ〜マイクロサイズのバブルが含まれることになる。バブルを含んだ被処理水は、超音波発生槽10の超音波エネルギーで処理され、バブルの均一化および分散化が行われる。この際、マイクロバブルの一部はさらに縮小してナノバブルとなり、ナノバブルを含んだ溶液が生成されるものと推定される。
【0026】
本実施形態では、例えば、循環加圧ポンプ13としてSanta Ana社製、Model03526−144、エジェクター14としてIBS社製、Model384、超音波発生槽10として東京硝子器械社製の超音波洗浄器、LEO−80などを使用することができる。
【0027】
図2は、微細気泡の生成処理を適用するフロー型の微酸性電解水製造装置200の概略図である。微酸性電解水製造装置200は、微酸性電解水生成部20と、微酸性電解水生成部20の下流側に設置された気泡生成部50とを含んでいる。微酸性電解水生成部20としては、微酸性電解水研究所社製の、市販のHOCL0.36tを使用することができる。微酸性電解水生成部20は、図6で示した電解槽23と、スタティックミキサー28とを含んでいて、微酸性電解水の原料である6%(w/w)の希塩酸が電解槽23で電解された後、スタティックミキサー28で希釈水と混合されることによって、いわゆる微酸性電解水が生成される。微酸性電解水とは、上述したように、有効塩素を含有し、pH5.0〜6.5の範囲の殺菌性を有する水性組成物であって、殺菌水として参照することもできる。
【0028】
希塩酸は、原料ポンプ22によって希塩酸タンク21から電解槽23に送液される。電解槽23内には複数の電極板が組み込まれており、直流電流の印加により希塩酸が電気分解される。電気分解された後の電解液は、電解液排出管路24を経て、スタティックミキサー28へと送液される。一方、希釈水は、給水口25から供給され、電磁弁26、定流量弁27を経由し、スタティックミキサー28へと送液される。電磁弁26は、希釈水の供給制御のために使用され、定流量弁27は、微酸性電解水の生成量および有効塩素濃度を一定に保つ目的で希釈水の流量制御のために使用される。電気分解後の電解水および希釈水は、スタティックミキサー28で均一に混合され、pH5.0〜6.5の範囲の有効塩素を含有する電解水として微酸性電解水生成部20から主管路30を経て気泡生成部50へと送液される。
【0029】
気泡生成部50は、上流側からエジェクター31と、加圧ポンプ34と、スタティックミキサー35とが設けられている。エジェクター31は、図1のエジェクター14と同様に、吸気管32と、調節弁33とを備え、微酸性電解水生成部20で生成された微酸性電解水に対して気泡を混入する。その後、微酸性電解水は、下流側に設置された加圧ポンプ34によって加圧された後、加圧下でより多くの気体(空気)を溶解させる目的でスタティックミキサー35で撹拌される。
【0030】
気泡生成部50は、さらに減圧チャンバー兼超音波処理槽36と、超音波発生装置37とを備えており、加圧下で平衡となった濃度の気体が溶解した微酸性電解水は、減圧チャンバー兼超音波処理槽36へ排出される。この際、加圧された微酸性電解水は、加圧状態から解放され、微酸性電解水に溶解する空気が過飽和状態となる。微酸性電解水中に存在する気体(空気)が過飽和状態となったことに対応して、それまで溶解していた気体(空気)は、バブルとして再気泡化する。そして、生成したバブルは、超音波発生装置37の超音波エネルギーにより、バブルの一部については、マイクロメータサイズのマイクロバブルからさらに縮小されたナノバブルとされ、この結果、マイクロバブル〜ナノバブルを含んだ微酸性電解水が気泡生成部50の排出口38から排出され、本実施形態の微酸性電解水が生成される。
【0031】
本実施形態では、例えば、加圧ポンプ34としてSanta Ana社製、Model03526−144、超音波発生装置37としてSMT社製、UH−50などを使用することができ、エジェクター31は、図1のエジェクター14と同様のものを使用することができる。
【0032】
図3は、微酸性電解水を生成するための希釈水を、予め気泡を溶解させて気泡含有水として調整し、微酸性電解水生成部20で電解水を希釈するために使用する実施形態の微酸性電解水製造装置300を示す。なお、各構成要素は、図1および図2で説明したと同様の機能を提供するため詳細な機能については説明を省略する。
【0033】
図3に示す微酸性電解水製造装置300は、気泡生成部50と、微酸性電解水生成装置20とを含んでいる。給水口25から供給された希釈水として利用される水道水は、電磁弁26および定流量弁27を経て一定流量に調整され、エジェクター31、加圧ポンプ34、スタティックミキサー35、減圧チャンバー兼超音波処理槽36を通過する過程で、図2で説明した気泡生成部50と同様の処理が行われ、希釈水にバブルが導入される。バブルを含む希釈水は、微酸性電解水の希釈水として、図2で説明した微酸性電解水生成部20と同様の処理によって希塩酸から生成された電解水と混合・希釈され、バブルを含んだ微酸性電解水が微酸性電解水生成部20の排出口38から排出されて、本実施形態の微酸性電解水を提供している。
【0034】
図4は、他の実施形態として、微酸性電解水に対して気泡を含有させる構成を変えた微酸性電解水製造装置400の概略図である。微酸性電解水製造装置400は、微酸性電解水生成部20と、気泡生成部50とからなり、スタティックミキサー35までの処理は、図2と同様に行われる。スタティックミキサー35から排出される空気といった気体を溶解した微酸性電解水は、絞り弁39を通過する際に加圧状態から解放される。このとき、微酸性電解水中に溶存した気体は、急激に過飽和状態となり、この結果バブルとして微酸性電解水中に再気泡化される。バブルを含んだ微酸性電解水は、撹拌剪断ポンプ40へと送液され、生成したバブルがさらに微細化された後、本実施形態の微酸性電解水として排出口38から排出されている。
【0035】
本実施形態では、撹拌剪断ポンプ40として渦巻き式ポンプなどを使用することができるが、同様な機能を提供することができる限り、スタティックミキサーや超音波分散装置も使用することができる。
【0036】
本発明によれば、後述する実施例で実証するように、従来の微酸性電解水に比較しても、殺菌性・浸透性・保存性が改善された殺菌水が製造できる。この理由は、定かではない部分もあるものの、本発明者は、有効塩素を含有する殺菌水の中に微細気泡を分散させることにより、有効塩素含有水の表面張力が低下し、さらに、微細気泡は水中での表面積が大きく、殺菌水中に存在するイオン成分をその表面に拘束することで、有効塩素含有水の殺菌成分である分子状次亜塩素酸や次亜塩素酸イオン等を気泡表面に偏在させ、さらに、生きた微生物も表面に電荷を持っているために気泡と会合させやすくすることができることが、本発明の作用効果を生じさせる一因と推定している。
【0037】
このため、殺菌成分と、微生物との接触確率が増加し、また接触面積も増加できるので、殺菌水中に分散した有機物分子/オリゴマーなどとの反応よりも、微生物との反応が優勢となるものと推定している。さらに本発明では、ナノバブルやマイクロバブルが消滅する時に発生する衝撃波によってフリーラジカルが生成し、このフリーラジカルが殺菌効果をより強めることもその要因のうちの1つとなっているものと推定している。
【0038】
以上、本発明を実施形態をもって説明してきたが、以下、本発明について、実施例をもってより具体的に説明する。なお、本発明は後述する実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0039】
I. 微酸性電解水物性
1.バブル生成による物性制御
まず、実施形態によって実際に気泡が生成されていることを確認するため、図1に示した装置を用いて処理を行った溶液について、液滴重量法を用いて、表面張力を測定した。表面張力γは、一滴の質量をm、重力加速度をg、ガラス管の外半径をrとすると、数1に示した式により求められる。
【0040】
【数1】

【0041】
図1の装置の超音波発生槽は、東京硝子器械社製の超音波洗浄器、LEO−80、循環加圧ポンプはSanta Ana社製、Model03526−144、エジェクターはIBS社製、Model384を使用した。1.5Lの溶液を超音波発生槽に貯留し、循環加圧ポンプで0.2MPaの圧力を与え、流量を1.5L/min、吸気量を2.0L/minとして、溶液を空気と混合し、減圧することによってナノ〜マイクロサイズのバブルを発生させた。
【0042】
溶液は、試料A、BおよびCを用いた。試料Aは、微酸性電解水生成装置(微酸性電解水研究所社製、HOCL0.36t)を使用して生成した微酸性電解水であり、有効塩素濃度21ppm、pH6.0であった。試料Bは、市販の次亜塩素酸ナトリウムを水道水で希釈した溶液であり、有効塩素濃度50ppm、pH8.1であった。試料Cは、試料Bを10%塩酸で中和した溶液であり、有効塩素濃度49ppm、pH6.0であった。
【0043】
まず、上記の通り調整を行った試料A、BおよびCそれぞれの溶液についての表面張力の測定結果(比較例1)、および、図1の装置の超音波発生槽を稼動させずに処理を行った後の表面張力の測定結果(実施例1)を表1に示す。処理は、室温25℃で2min行った。
【0044】
【表1】

【0045】
表1に示されるように、試料A、BおよびCすべての溶液について、図1の装置での処理前に比べ、処理後で表面張力が低下していることが認められる。これは、図1の装置での処理により、試料溶液中に微細気泡が存在しているためと考えられる。
【0046】
次に、超音波発生槽の効果の確認のため、試料Aについて図1の装置を用いて処理を行い、超音波発生槽を稼動させない場合(比較例2)とさせた場合(実施例2)を比較する実験を行った。表2には、同一の試料Aについての超音波処理の影響について、表面張力の測定結果を表2に示す。なお。処理は、室温25℃で2min行った。
【0047】
【表2】

【0048】
表2に示す結果では、表1の同一の試料Aの表面張力について比較すると、同一の試料Aについて、超音波発生槽を稼動させない場合、させた場合共に表面張力の低下が認められる。しかしながら、超音波発生槽を稼動させて超音波処理を適用した場合、さらに顕著な表面張力の低下が認められた。これは、あくまで推定の域を超えた物ではないが、本発明者は、試料A中に存在するマイクロバブルの一部が超音波処理の結果、より微細なナノバブルへと縮小したためと推定している。以上のように、マイクロバブル発生後の溶液に超音波エネルギーを付与することが、微酸性電解水の物性に対して大きな影響を与えることが示された。
【0049】
本発明の図1〜4に示される実施形態を用いて製造される殺菌水について、以下の実験を行った。
【0050】
2.殺菌性能の安定性の検討
さらに、本発明により生成された微酸性電解水の安定性について検討を加えた。本安定性の検討は、図2に示した装置を用い、微細気泡含有微酸性電解水と微細気泡を含有しない微酸性電解水へ有機物を混合し、残留塩素濃度を経時的に測定することによって、これらの溶液の殺菌力の持続性を検討した。
【0051】
図2の微酸性電解水製造装置200で、エジェクター31としてIBS社製、Model384、加圧ポンプ34としてSanta Ana社製、Model03526−144、超音波発生装置37としてSMT社製、UH−50を使用した。スタティックミキサー17は、ラシヒリング充填塔式のものを作製し、減圧チャンバー兼超音波処理槽36は、塩化ビニル管を使用し、内部が大気圧となり、内部の溶液に超音波エネルギーを与えられるようにしたものを作製し使用した。流量1.0L/minに調整した微酸性電解水に対してエジェクター31から吸気量1.5L/minに調整した空気を混合して微酸性電解水を約0.2MPaに加圧した後、スタティックミキサー35で撹拌し、超音波発生装置37で減圧と同時に1min超音波エネルギーを与えた。
【0052】
試料D(実施例3)は、上記のように生成した気泡含有の微酸性電解水であり、有効塩素濃度21ppm、pH6.1であった。なお、微酸性電解水の透明度などから、ほとんどの気泡が、可視光以下のサイズを有しているものと判断された。試料E(比較例3)は、微細気泡を含有していない微酸性電解水であり、有効塩素濃度21ppm、pH6.1であった。
【0053】
これらの試料溶液500mLに、別途調製した10%(w/w)の脱脂粉乳水溶液を5mL添加し、混合した。その後、溶液を1、5、10、15、30min放置し、ヨウ素滴定法(JIS K0102.33.3)により残留塩素濃度(ppm)を測定した。結果を表3および図5のグラフに示す。
【0054】
【表3】

【0055】
表3および図5に示されるように、試料D(実施例3)は、試料E(比較例3)に比較し、残留塩素濃度の減少速度が遅いことが示された。本実験により、微酸性電解水に気泡を含有させる処理を適用することによって、有効塩素の有機物に対する安定性が増し、殺菌力が持続することが示された。
【0056】
3.殺菌力の持続性:安定性の検討
図2に示した装置を用い、実施例3と同様の条件で生成した気泡含有処理を適用した微酸性電解水(試料D)および気泡含有処理を適用しない微酸性電解水(試料E)を200mLのPET製容器に満水充填し蓋を閉め、室温暗所に保存し、殺菌力の持続性について検討した。
【0057】
それぞれの試料溶液につき、試料Dを実施例4、試料Eを比較例4として保存開始時、1月後、2月後の有効塩素濃度(ppm)をヨウ素滴定法(JIS K0102.33.3)により測定した結果を表4に示す。
【0058】
【表4】

【0059】
表4に示されるように、試料D(実施例4)は、試料E(比較例4)よりも有効塩素濃度の減少速度が明らかに遅く、微酸性電解水に微細気泡を含有させる処理を適用することによって、長期間の保存によっても殺菌力が持続することが示された。
【0060】
II.殺菌力の比較検討
以下の実施例では、本実施形態に従い製造された微細気泡を含有させる処理を適用した微酸性電解水を、便宜上、気泡含有微酸性電解水として参照し、微細気泡を含有させる処理を適用しない微酸性電解水を、単に微酸性電解水として参照する。有効塩素を含有する水性組成物に対する微細気泡生成処理の殺菌力への影響を、従来の微酸性電解を使用したことを除き同様に調整した検体を対照群とし、検体に発生する菌の培養試験を行うことにより検討した。使用した食品は、レタス、イチゴ、および鶏肉とした。以下、各検体についての試験の条件を説明する。
【0061】
1.レタス
気泡含有微酸性電解水は、図2に示した装置を用い、実施例3と同様の条件で製造し、微酸性電解水は、微酸性電解水研究所社製のHOCL0.36tをそのまま使用して製造した。気泡含有微酸性電解水および微酸性電解水は、ともに有効塩素濃度21ppm、pH6.2であった。試料となるレタスの搾汁を、以下の手順で作成した。
【0062】
まず、市販の玉レタスの外葉を3枚取り除き、約5cm四方に裁断した。裁断したレタスを、10Lの気泡含有微酸性電解水を充填したステンレス製バットに200g投入し、撹拌棒で緩やかに撹拌しながら10min浸漬し、殺菌処理を行った。その後、水切りしたレタスを無菌ポリエチレン袋に100g秤取し、無菌生理食塩水50mLを加えて揉み解した搾汁を、細菌検査の試料とした(実施例5)。
【0063】
殺菌処理を行うために利用した気泡含有微酸性電解水に代えて従来の微酸性電解水を使用して殺菌処理を行ったことを除き、その他を同一の条件としてレタスの細菌検査の第1対照群試料とした(比較例5)。また、気泡含有微酸性電解水および微酸性電解水による殺菌処理をまったく行っていないレタスの搾汁を作成し、これを第2対照群とした(比較例6)。
【0064】
レタス試料、第1対照群試料、および第2対照群を、一般生菌用の微生物検出用シート状培地(チッソ社製、サニ太くん一般生菌用、製品コード2583801、ロット番号090203TC)にそれぞれ1mL添加し、30℃の恒温槽で48時間培養した。細菌数は、コロニー法により計測し、レタス1gあたりに換算して表5に示す値を得た。なお、表5中の試料番号は、それぞれ異なる玉レタスから採取した葉であることを識別するために付した。なお、表5には、実施例5について得られたコロニー数で第1対照群(比較例5)について得られたコロニー数を除算することにより、気泡含有微酸性電解水の殺菌力向上を示す指標を計算し、これを殺菌力比として記載する。
【0065】
【表5】

【0066】
表5に示すように、気泡含有微酸性電解水および微酸性電解水は、それぞれの有効塩素濃度およびpHが同一であるにもかかわらず、微細気泡を生成させる処理を適用した気泡含有微酸性電解水は、有意なレベルで高い殺菌効果を発揮することが示された。
【0067】
2.イチゴ
検体をイチゴ搾汁とし、殺菌処理に用いる殺菌水を、次亜塩素酸ナトリウム(関東科学社製)溶液を塩酸(高杉製薬社製)で微酸性電解水と同程度のpHに中和することによって製造した。試料となるイチゴ搾汁は、以下の手順で作成した。へたを取り除いた市販のイチゴを、気泡含有処理を適用した殺菌水1Lに5個ずつ投入し、撹拌棒で緩やかに撹拌しながら10min浸漬し、殺菌処理を行った。その後、水切りしたイチゴを無菌ポリエチレン袋に移し、無菌生理食塩水を充分に加えて揉み解した搾汁を、細菌検査の試料とした。
【0068】
図1に示した装置で、流量1.0L/minとした微酸性電解水に対して吸気量1.5L/minに調整した空気を混合し、5min処理を行い殺菌水中に微細気泡を含有させた溶液を使用して殺菌処理を施した試料を実施例6、気泡含有処理を適用しない中和溶液を使用して殺菌処理を施した試料を第1対照群(比較例7)とし、レタス検体について説明したと同一のコロニー法を使用して殺菌力を評価した。また、いずれの殺菌水でも処理しないイチゴ搾汁について、同様のコロニー法による試験を行い、これを第2対照群(比較例8)とした。結果を、イチゴ1gあたりのコロニー数に換算した値として、表6に示す。
【0069】
【表6】

【0070】
表6に示した結果から、微酸性電解水以外の有効塩素含有水についても、気泡含有によって有効塩素成分の殺菌性を向上させることができることが示された。
【0071】
3.鶏肉
検体を鶏皮の搾汁とし、微細気泡含有微酸性電解水および微細気泡を含有しない微酸性電解水について、野菜検体と同様に、一般生菌および大腸菌群に対する殺菌力を検討した。気泡含有微酸性電解水は、図2に示した装置を使用し、気泡生成部50では、流量1.0L/minとした微酸性電解水に対して吸気量1.5L/minに調整した空気を混合し、0.1MPaに加圧した後、5min超音波エネルギーを与えて気泡生成処理を行った。気泡含有微酸性電解水および微細気泡を含有しない微酸性電解水は、ともに、有効塩素濃度が25ppm、pH6.1であった。
【0072】
試料となる搾汁は、以下の手順で作成した。皮・骨付の市販の丸鶏の皮をはがし、皮を約1cm四方の大きさに裁断した。裁断した鶏皮を50gずつ200mLの容器に入れ、気泡含有微酸性電解水を400mL/minの流速で注入し、オーバーフローさせながら10min殺菌処理を行った。その後、水切りした鶏皮を無菌ポリエチレン袋に移し、無菌生理食塩水を充分な量で加えて揉み解して得た搾汁を、細菌検査のための検体とした(実施例7)。実施例7で使用した気泡含有微酸性電解水に代えて通常の微酸性電解水を使用して同様に鶏肉を処理して得た搾汁を第1対照群(比較例9)とした。
【0073】
一般生菌数の測定は実施例4と同様に行い、コロニー数を、鶏皮1gあたりに換算して値とした。大腸菌群検査には、大腸菌群用の微生物検出用シート状培地(チッソ社製、サニ太くん大腸菌群用、製品コード2583801、ロット番号090203TC)を使用し、搾汁の添加後、35℃で48時間培養し、大腸菌群の有無の判定を行った。結果を表7に示した。なお、殺菌処理をまったく行わなかったことを除き同様に得た搾汁を検体として同様の試験を行い、これを第2対照群(比較例10)とし、表7中に記載した。なお、表7には、実施例7について得られたコロニー数で第1対照群(比較例9)について得られたコロニー数を除算することにより、気泡含有微酸性電解水の殺菌力向上を示す指標を計算し、これを殺菌力比として記載する。
【0074】
【表7】

【0075】
表7に示した結果から、深い毛穴にもぐりこんだ微細物の殺菌が困難であった鶏皮であっても、微先気泡を生成させる処理を適用した気泡含有微酸性電解水は、従来の微酸性電解水に比較しても、はるかに高い殺菌力を有していることが実証され、本発明が、一般生菌のみならず、大腸菌群に対しても充分な殺菌効果を発揮することが示された。
【0076】
III.脱臭力
微細気泡含有微酸性電解水および微細気泡を含有しない微酸性電解水で、醤油に浸した食品工業用配管パッキンを洗浄し、洗浄後の脱臭力の比較を行った。気泡含有微酸性電解水は、図3に示した装置を用い、エジェクター31、加圧ポンプ34、スタティックミキサー35、減圧チャンバー兼超音波処理槽36および超音波発生装置37については、実施例3で使用したものと同様のものを使用し、流量1.0L/minとした水道水に対して吸気量1.5L/minに調整した空気を混合し、0.1MPaに加圧した後、5min超音波エネルギーを与えて気泡生成を行った水道水を使用して製造した。気泡含有微酸性電解水および微細気泡を含有しない微酸性電解水は、ともに、有効塩素濃度25ppm、pH5.9であった。
【0077】
食品工業用配管パッキン(ニチアス社製、1.5インチステンレス配管用)は、エチレンプロピレンゴム製のものを使用し、5本ずつ密閉可能なガラスジャーに入れ、市販の醤油を満水状態に注ぎ密閉した。室温で1週間放置した後、水道水でジャーおよびパッキンを洗浄した。洗浄したパッキンをジャーに戻し、気泡含有微酸性電解水で満たし、15min浸漬して脱臭処理をした(実施例8)。その後、水道水で内部を濯ぎ、密閉した。実施例8で使用した気泡含有微酸性電解水に代えて通常の微酸性電解水を使用したことを除き同様の処理を適用したパッキンを比較例11とした。
【0078】
30min後、ジャー内部の臭気を、臭気測定装置(エムケー・サイエンティフィック社製、においモニターGT300−VOC)を用い、電気的に測定した。また、上述した脱臭処理をまったく行っていないパッキンを試料として、測定した結果を、比較例12として表8に示す。
【0079】
【表8】

【0080】
表8に示されるように、微酸性電解水に気泡を含有させる処理を適用することによって、ゴムを劣化させることなく、効率の良い脱臭処理が可能となることが示された。
【産業上の利用可能性】
【0081】
以上、説明したように、本発明によれば、有効塩素含有水に微細気泡を分散させることによって、表面張力が低下し、また有機物との反応も緩和されるため、さまざまな表面構造をもった対象を多量の水を使用することなく効率よく殺菌、脱臭でき、保存性の優れた殺菌水を製造するための装置、製造方法および殺菌水が提供される。
【符号の説明】
【0082】
10‥超音波発生槽、11‥吸水口、12‥排水口、13‥循環加圧ポンプ、14、31‥エジェクター、15、32‥吸気管、16、33‥調節弁、17、28、35‥スタティックミキサー、18‥絞り弁、20‥微酸性電解水生成部、21‥希塩酸タンク、22‥原料ポンプ、23‥電解槽、24‥電解液排出管路、25‥給水口、26‥電磁弁、27‥定流量弁、30‥主管路、34‥加圧ポンプ、36‥減圧チャンバー兼超音波処理槽、37‥超音波発生装置、38‥排出口、39‥絞り弁、40‥撹拌剪断ポンプ、50…気泡生成部、101‥電極スタック、101a‥電極板、102‥容器、103‥入口、104‥出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効塩素を含有する殺菌水を加圧した気体に接触させる手段と、
前記殺菌水を前記加圧した気体で飽和させる手段と、
前記加圧した気体で飽和させた前記殺菌水を大気圧に解放し、前記気体を前記殺菌水中で過飽和状態とし、前記殺菌水中で過剰となった前記気体を気液分離させる手段と、
気液分離後の前記殺菌水に対して分散処理を適用する手段と
を含む、殺菌水の製造装置。
【請求項2】
前記殺菌水は、希塩酸を無隔膜電解槽で電解し、電解液を希釈することによって得られる、pH5.0〜6.5の次亜塩素酸水である、請求項1に記載の製造装置。
【請求項3】
有効塩素を含有する殺菌水を加圧した気体に接触させる工程と、
前記殺菌水を前記加圧した気体で飽和させる工程と、
前記加圧した気体で飽和させた前記殺菌水を大気圧に解放し、前記気体を前記殺菌水中で過飽和状態とし、前記殺菌水中で過剰となった前記気体を気液分離させる工程と、
気液分離後の前記殺菌水に対して分散処理を適用する工程と
を含む、殺菌水の製造方法。
【請求項4】
前記殺菌水は、希塩酸を無隔膜電解槽で電解し、電解液を希釈することによって得られるpH5.0〜6.5の次亜塩素酸水であり、前記分散処理を提供する工程は、ナノバブルおよびマイクロバブルとして気体を分散させる工程を含む、請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
有効塩素を含有する殺菌水に気体を混合分散させる手段と、
前記殺菌水に対して超音波分散処理または物理的破裁処理を適用する手段と
を含む、殺菌水の製造装置。
【請求項6】
有効塩素を含有する殺菌水に気体を混合分散させる工程と、
前記殺菌水に対して超音波分散処理または物理的破裁処理を適用する工程と
を含む、殺菌水の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−17963(P2013−17963A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153979(P2011−153979)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(509266789)株式会社微酸性電解水研究所 (7)
【Fターム(参考)】