説明

殺虫剤混合物



活性成分として、1) 式I[式中:R1は、CN、C(=O)C1〜C4-アルキル、またはC(=S)NH2であり;R2は、S(O)nR3であり;R3は、C1〜C6-アルキルであり;R4は、水素、ハロゲン、アミノ、C1〜C6-アルキルアミノ、ジ(C1〜C6-アルキル)アミノ、または4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジリデンアミノ)であり;Wは、NまたはCR5であり;R5、R6およびR7は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、またはC1〜C6-ハロアルキルであり;nは、0、1または2である]で表される1-アリールピラゾールもしくはその塩、および2) 式IIで表される化合物もしくはその塩を相乗効果的な量で含んでいる殺虫剤混合物;昆虫、クモ形類動物、または線虫を駆除するためのこの混合物の使用;これらの害虫からの植物の保護方法;およびこの混合物の殺虫剤としての有効量を温血動物または魚に経口的、局所的、または非経口的に投与または施与することを含んでなる、害虫による寄生または感染に対して温血動物または魚を治療、防除、予防、または保護するための方法;である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性成分として
1) 式I
【化1】

【0002】
[式中:
R1は、CN、C(=O)C1〜C4-アルキル、またはC(=S)NH2であり;
R2は、S(O)nR3であり;
R3は、C1〜C6-アルキルであり;
R4は、水素、ハロゲン、アミノ、C1〜C6-アルキルアミノ、ジ(C1〜C6-アルキル)アミノ、または4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジリデンアミノ)であり;
Wは、NまたはCR5であり;
R5、R6およびR7は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、またはC1〜C6-ハロアルキルであり;
nは、0、1または2である]
で表される1-アリールピラゾールもしくはその塩、および
2) 式II
【化2】

【0003】
で表される化合物もしくはその塩、
を相乗効果的な量で含んでいる殺虫剤混合物に関する。
【0004】
式IIで表される化合物の一般名はフロニカミドである。
【0005】
本発明は、化合物Iと化合物II(フロニカミド)との混合物を用いた害虫つまり昆虫、クモ形類動物または線虫による攻撃または寄生からの植物保護方法、化合物Iとフロニカミドとの混合物を用いた害虫つまり昆虫、クモ形類動物または線虫の防除方法、そのような混合物を調製するための化合物Iおよびフロニカミドの使用、およびこれらの混合物を含んでいる組成物にも関する。
【0006】
本発明の明細書では、植物という用語は、植物体全体、植物体の一部、または植物体の繁殖用部分特に種子を意味する。
【0007】
ほかにも、本発明は、本発明の混合物を用いて害虫による寄生または感染に対し温血動物または魚を治療、防除、予防または保護するための方法にも関する。
【背景技術】
【0008】
式Iで表される1-アリールピラゾール化合物、その調製、およびその節足動物に対する作用は公知である(例えば特許文献1;特許文献2;特許文献3)。
【0009】
フロニカミド、その調製、およびその害虫に対する作用も同様に文献(特許文献4)で公知である。
【0010】
害虫に対して活性である、フロニカミドまたはその誘導体、および各種の活性化合物なかでも1-アリールピラゾールであるアミノ-1-(2,6-ジクロロ-α,α,α-トリフルオロ-p-トリル)-4-トリフルオロメチルスルフィニルピラゾール-3-カルボニトリル(フィプロニル)の混合物は、特許文献4および特許文献5に一般的な書き方で記載されている。これらの混合物の好ましい相乗効果はその明細書では言及されておらず、本明細書で初めて記載されるのである。
【0011】
1-アリールピラゾールIとフロニカミドとの混合物はこれまで文献に記載されたことがない。
【0012】
本発明の殺虫剤混合物におけるその使用については、以下の1-アリールピラゾールIとフロニカミドとの混合物が特に好ましい:
5-アミノ-1-(2,6-ジクロロ-α,α,α-トリフルオロ-p-トリル)-4-エチルスルフィニルピラゾール-3-カルボニトリル(エチプロール)とフロニカミドの混合物;および
1-[5-アミノ-1-(2,6-ジクロロ-α,α,α-トリフルオロ-p-トリル)-4-(メチルスルフィニル)ピラゾール-3-イル]エタノン(アセトプロール)とフロニカミドの混合物。
【0013】
害虫防除の分野で起こるひとつの典型的な課題は、望ましくない環境への影響や毒性学上の影響が生じるのを減らすまたは防ぐために活性成分の薬量を減らしながらなお且つ効果的な害虫防除を可能にする必要性が存在することである。
【0014】
遭遇するもうひとつの課題は、広い範囲の害虫に対して効果のある害虫駆除剤を利用可能にしておく必要性に関わる。
【0015】
また、ノックダウン活性と長期防除性とを併せ持つ、つまり迅速な作用性と長期間にわたる持続活性とを併せ持つ害虫駆除剤に対するニーズも存在する。
【0016】
殺虫剤の使用に関してのもうひとつの難しさは、個々の殺虫剤化合物の繰り返してのまたそれのみの施用は、多くの場合、当該活性化合物に対して自然耐性や適応耐性を持つ害虫への迅速な選択をもたらすことである。したがって、耐性が生じるのを防ぐまたはそれに打ち勝つ上で役立つ害虫駆除剤に対するニーズが存在する。
【特許文献1】欧州特許出願公開第295117号明細書
【特許文献2】国際公開第97/22593号パンフレット
【特許文献3】国際公開第98/28277号パンフレット
【特許文献4】欧州特許出願公開第580374号明細書
【特許文献5】国際公開第02/37964号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって本発明の課題は、薬量を減らすことの課題および/または活性範囲を広げることの課題および/またはノックダウン活性と長期間防除性とを併せ持つことについての課題および/または耐性管理についての課題を解決する殺虫剤混合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明者は、この課題の一部または全部が、冒頭で定義した活性化合物を組み合わせることによって達成されることを見出した。さらに、本発明者は、化合物Iおよび化合物IIの同時の(すなわち一緒または別々の)施用もしくは化合物Iおよび化合物IIの連続した施用は、個々の化合物によって可能である防除率に比較して害虫防除の向上を可能にすることを見出した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
混合物を調製する場合、純粋な活性化合物IおよびIIを用いるのが好ましく、これに、有害菌に対してのさらなる活性化合物やその他の除草剤化合物または生長調節活性化合物あるいは肥料を同様に加えることができる。
【0020】
化合物IおよびIIの混合物、つまり同時に(すなわち一緒にまたは別々に)使用される化合物IおよびIIは、以下の害虫目に対して突出した作用を見せる。
【0021】
昆虫目
鱗翅類の昆虫(鱗翅目):例えばAgrotis ypsilon[タマナヤガ]、Agrotis segetum[カブラヤガ]、Alabama argillacea、Anticarsia gemmatalis、Argyresthia conjugella[リンゴヒメシンクイ]、Autographa gamma[ガンマキンウワバ]、Bupalus piniarius、Cacoecia murinana、Capua reticulana、Cheimatobia brumata、Choristoneura fumiferana[トウヒシントメハマキ]、Choristoneura occidentalis、Cirphis unipuncta[アワヨトウ]、Cydia pomonella[コドリンガ]、Dendrolimus pini、Diaphania nitidalis、Diatraea grandiosella、Earias insulana[ミスジアオリンガ]、Elasmopalpus lignosellus、Eupoecilia ambiguella[ブドウホソハマキ]、Evetria bouliana、Feltia subterranea、Galleria mellonella[ハチノスツヅリガ]、Grapholitha funebrana、Grapholithamolesta[ナシヒメシンクイ]、Heliothis armigera[オオタバコガ]、Heliothis virescens[害虫オオタバコガ]、Heliothis zea、Hellula undalis[ハイマダラノメイガ]、Hibernia defoliaria、Hyphantria cunea[アメリカシロヒトリ]、Hyponomeuta malinellus、Keiferia lycopersicella、Lambdina fiscellaria、Laphygma exigua[シロイチモンジヨトウ]、Leucoptera coffeella、Leucoptera scitella、Lithocolletis blancardella、Lobesia botrana[ホソバヒメハマキ]、Loxostege sticticalis、Lymantria dispar[マイマイガ]、Lymantria
monacha[ノンネマイマイ]、Lyonetia clerkella[モモハモグリガ]、Malacosoma neustria[オビカレハ]、Mamestra brassicae[ヨトウガ]、Orgyia pseudotsugata、Ostrinia nubilalis[ヨーロッパアワノメイガ]、Panolis flammea[マツキリガ]、Pectinophora gossypiella[ワタアカミムシ]、Peridroma saucia[ニセタマナヤガ]、Phalera bucephala]、Phthorimaea operculella[ジャガイモキバガ]、Phyllocnistis citrella[ミカンハモグリガ]、Pieris brassicae[オオモンシロチョウ]、Plathypena scabra、Plutella xylostella[コナガ]、Pseudoplusia includens、Rhyacionia frustrana、Scrobipalpula absoluta、Sitotroga cerealella[バクガ]、Sparganothis pilleriana[テングハマキ]、Spodoptera frugiperda、Spodoptera littoralis、Spodoptera litura[ハスモンヨトウ]、Thaumatopoea pityocampa、Tortrix viridana、Trichoplusia ni[イラクサギンウワバ]、およびゼZeiraphera canadensis;
【0022】
甲虫類(鞘翅目):例えばAgrilus sinuatus[アカバナガタマムシ]、Agriotes lineatus、Agriotes obscurus、Amphimallus solstitialis、Anisandrus dispar、Anthonomus grandis[ワタミハナゾウムシ]、Anthonomus pomorum[ナシハナゾウムシ]、Atomaria linearis、Blastophagus piniperda]、Blitophaga undata、Bruchus rufimanus[ソラマメゾウムシ]、Bruchus pisorum[エンドウゾウムシ]、Bruchus lentis、Byctiscus betulae[ドロハマキチョッキリ]、Cassida nebulosa[カメノコハムシ]、Cerotoma trifurcata、Ceuthorrhynchus assimilis、Ceuthorrhynchus napi、Chaetocnema tibialis、Conoderus vespertinus、Crioceris asparagi、Diabrotica longicornis、Diabrotica speciosa、Diabrotica 12-punctata、Diabrotica virgifera、Diloboderus abderus、Epilachna varivestis[インゲンテントウ]、Epitrix hirtipennis、Eutinobothrus brasiliensis、Hylobius abietis[マツアナアキゾウムシ]、Hypera brunneipennis、Hypera postica[アルファルファタコゾウムシ]、Ips typographus[ヤツバキクイムシ]、Lema bilineata、Lema melanopus、Leptinotarsa decemlineata[コロラドハムシ]、Limonius californicus、Lissorhoptrus oryzophilus[イネミズゾウムシ]、Melanotus communis、Meligethes aeneus、Melolontha hippocastani、Melolontha melolontha[ヨーロッパコフキコガネ]、Oulema oryzae[イネクビボソハムシ]、Ortiorrhynchus sulcatus、Oryazophagus oryzae、Otiorrhynchus ovatus、Phaedon cochleariae、Phyllotreta chrysocephala、Phyllophaga sp.、Phyllophaga cuyabana、Phyllophaga triticophaga、Phyllopertha horticola、Phyllotreta nemorum、Phyllotreta striolata[キスジノミハムシ]、Popillia japonica[マメコガネ]、Sitona lineatus、およびSitophilus granaria;
【0023】
双翅類の昆虫(双翅目):例えばAedes aegypti[ネッタイシマカ]、Aedes vexans[ヤブカ]、Anastrepha ludens、Anopheles maculipennis、Ceratitis capitata[チチュウカイミバエ]、Chrysomya bezziana[ラセンウジバエ]、Chrysomya hominivorax、Chrysomya macellaria、Contarinia sorghicola[ソルガムタマバエ]、Cordylobia anthropophaga、Culex pipiens[アカイエカ]、Dacus cucurbitae[ウリミバエ]、Dacus oleae[オリーブミバエ]、Dasineura brassicae、Fannia canicularis[ヒメイエバエ]、Gasterophilus intestinalis[ウマバエ]、Glossina morsitans[ツェツェバエ]、Haematobia irritans[ノサシバエ]、Haplodiplosis equestris、Hylemyia platura、Hypoderma lineata、Liriomyza sativae[トマトハモグリバエ]、Liriomyza trifolii[マメハモグリバエ]、Lucilia caprina、Lucilia cuprina[ヒツジキンバエ]、Lucilia sericata[ヒロズキンバエ]、Lycoria pectoralis、Mayetiola destructor[ヘシアンバエ]、Musca domestica[イエバエ]、Muscina stabulans[オオイエバエ]、Oestrus ovis[ヒツジバエ]、Oscinella frit、Pegomya hysocyami、Phorbia antiqua、Phorbia brassicae、Phorbia coarctata、Rhagoletis cerasi、Rhagoletis pomonella、Tabanus bovines、Tipula oleracea、およびTipula paludosa;
【0024】
アザミウマ類(総翅目):たとえばFrankliniella fusca、Frankliniella occidentalis[ミカンキイロアザミウマ]、Frankliniella tritici、Scirtothrips citri、Thrips oryzae、Thrips palmi[ミナミキイロアザミウマ]、およびThrips tabaci[ネギアザミウマ];
【0025】
膜翅類の昆虫(膜翅目):例えばAcromyrmex ambuguus、Acromyrmex crassispinus、Acromyrmex heiery、Acromyrmex landolti、Acromyrmex subterraneus、Athalia rosae[カブラハバチ]、Atta capiguara、Atta cephalotes、Atta laevigata、Atta robusta、Atta sexdens[チャイロハキリアリ]、Atta texana[ハキリアリ]、Hoplocampa minuta、Hoplocampa testudinea、Monomorium pharaonis[イエヒメアリ]、Solenopsis geminata[アカカミアリ]、Solenopsis invicta[アカミカミアリ];
【0026】
半翅目および同翅目:例えばAcrosternum hilare、Blissus leucopterus、Cyrtopeltis notatus、Diaphorina citri、Dysdercus cingulatus[アカホシカメムシ]、Dysdercus intermedius、Euchistos heros、Eurygaster integriceps、Euschistus impictiventris、Leptoglossus phyllopus、Lygus lineolaris、Lygus pratensis[ミドリメクラカメムシ]、Nezara viridula[ミナミアオカメムシ]、Piesma quadrata、Piezodorus guildini、Solubea insularis、Thyanta perditor、Acyrthosiphon onobrychis、Adelges laricis[カラマツカサアブラムシ]、Aphidula nasturtii、Aphis fabae[マメクロアブラムシ]、Aphis forbesi[イチゴネアブラムシ]、Aphis pomi[ナシアブラムシ]、Aphis gossypii[ワタアブラムシ]、Aphis grossulariae[ハエアブラムシ]、Aphis schneideri、Aphis spiraecola[ユキヤナギアブラムシ]、Aphis sambuci、Acyrthosiphon pisum[エンドウヒゲナガアブラムシ]、Aulacorthum solani[ジャガイモヒゲナガアブラムシ]、Brachycaudus cardui、Brachycaudus helichrysi[ムギワラギクオマルアブラムシ]、Brachycaudus persicae[モモアブラムシ]、Brachycaudus prunicola[ウメアブラムシ]、Brevicoryne brassicae[ダイコンアブラムシ]、Capitophorus horni[ホップアブラムシ]、Cerosipha gossypii、Chaetosiphon fragaefolii、Cryptomyzus ribis、Dreyfusia nordmannianae、Dreyfusia piceae、Dysaphis radicola、Dysaulacorthum pseudosolani、Dysaphis plantaginea、Dysaphis pyri、Empoasca fabae[ジャガイモヒメヨコバイ]、Hyalopterus pruni[モモコナフキアブラムシ]、Hyperomyzus lactucae[チシャミドリアブラムシ]、Macrosiphum avenae[ムギヒゲナガアブラムシ]、Macrosiphum euphorbiae[チュウリップヒゲナガアブラムシ]、Macrosiphon rosae、Megoura viciae、Melanaphis pyrarius[ススキアブラムシ]、Metopolophium dirhodum[ムギウスイロアブラムシ]、Myzodes persicae、Myzus ascalonicus、Myzus cerasi、Myzus varians[カワリコブアブラムシ]、Nasonovia ribisnigri[レタスアブラムシ]、Nilaparvata lugens[トビイロウンカ]、Pemphigus bursarius[レタス根アブラムシ]、Perkinsiella saccharicida[クロツノウンカ]、Phorodon humuli[ホップイボアブラムシ]、Psylla mali[ワタキジラミ]、Psylla piri[ナシキジラミ]、Rhopalomyzus ascalonicus、Rhopalosiphum maidis[トウモロコシアブラムシ]、Rhopalosiphum padi[ムギクビレアブラムシ]、Rhopalosiphum insertum[リンゴクビレアブラムシ]、Sappaphis mala[ハナマルアブラムシ]、Sappaphis mali[リンゴマルアブラムシ]、Schizaphis graminum[ムギミドリアブラムシ]、Schizoneura lanuginosa、Sitobion avenae[オートムギアブラムシ]、Trialeurodes vaporariorum[オンシツコナジラミ]、Toxoptera aurantii[ダイダイクロアブラムシ]、Viteus vitifolii[ブドウネアブラムシ]、Cimex lectularius[トコジラミ]、Cimex hemipterus[ネッタイトコジラミ]、Reduvius senilis[ケジロサシガメ]、Triatoma spp.[種サシガメ]、およびArilus cristatus[オオトビサシガメ];
【0027】
シロアリ類(等翅目):たとえばCalotermes flavicollis、Cornitermes cumulans、Heterotermes tenuis、Leucotermes flavipes、Neocapritemes opacus、Procornitermes triacifer;Reticulitermes lucifugus、Syntermes molestus、およびTermes natalensis;
【0028】
直翅類の昆虫(直翅目):例えばAcheta domestica[ヨーロッパイエコオロギ]、Blatta orientalis[トウヨウゴキブリ]、Blattella germanica[チャバネゴキブリ]、Forficula auricularia[ヨーロッパクギヌキハサミムシ]、Gryllotalpa gryllotalpa、Locusta migratoria[トノサマバッタ]、Melanoplus bivittatus、Melanoplus femur-rubrum、Melanoplus mexicanus、Melanoplus sanguinipse、Melanoplus spretus、Nomadacris septemfasciata[アカトビバッタ]、Periplaneta americana[ワモンゴキブリ]、Schistocerca americana[アメリカイナゴ]、Schistocerca peregrina、Stauronotus maroccanus、およびTachycines asynamorus;
【0029】
無翅クモ形綱の節足動物(例えばArgasidae[ヒメダニ]科、Ixodidae[マダニ]科およびSarcoptidae[ヒゼンダニ]科のクモ形類動物):例えばAmblyomma americanum、Amblyomma variegatum[マダニ]、Argas persicus、Boophilus annulatus、Boophilus decoloratus、Boophilus microplus[オウシマダニ]、Dermacentor silvarum、Hyalomma truncatum、Ixodes ricinus、Ixodes rubicundus、Ornithodorus moubata、Otobius megnini、Dermanyssus gallinae[ワクモ]、Psoroptes ovis[ヒツジキュウセンヒゼンダニ]、Rhipicephalus appendiculatus、Rhipicephalus evertsi、Sarcoptes scabiei[ヒゼンダニ]、ならびにEriophyidae spp.[フシダニ種のダニ]例えばAculus schlechtendali[リンゴサビダニ]、Phyllocoptrata oleivora[オレンジサビダニ]およびEriophyes sheldoni[アオケシサビダニ];Tarsonemidae spp. [ホコリダニ種のダニ]例えばPhytonemus pallidus[シクラメンホコリダニ]およびPolyphagotarsonemus latus[チャノホコリダニ];Tenuipalpidae spp.[ヒメハダニ種のダニ]例えばBrevipalpus phoenicis[ミナミヒメハダニ];Tetranychidae spp.[ハダニ種のダニ]例えばTetranychus cinnabarinus[ニセナミハダニ]、Tetranychus kanzawai[カンザワハダニ]、Tetranychus pacificus[オウトウハダニ]、Tetranychus telarius[ダイズハダニ];ならびにTetranychus urticae[ナミハダニ]、Panonychus ulmi[リンゴハダニ]、Panonychus citri[ミカンハダニ]、およびOligonychus pratensis[ドテシバハダニ]。
【0030】
特に、本発明の混合物は、鞘翅目、双翅目、鱗翅目、総翅目、同翅目、半翅目、等翅目、および直翅目の害虫を防除するのに適している。
【0031】
本発明の混合物は植物体全組織への作用があるので、その結果土系害虫からの種子および根の保護のみならず葉系害虫からの植物体地上部分の保護にも使用することができる。
【0032】
このように、本発明の混合物は、シード・トリートメント(種子処理)に使用することができる。「シード・トリートメント」という用語には、シード・ドレッシング、シード・コーティング、シード・ダスティング、シード・ソーキングおよびシード・ペレッティングなどの当技術分野で知られているすべての適したシード・トリートメント技術が含まれる。
【0033】
「種子」という用語には植物のあらゆる種類の繁殖用産物、例えば限定するものではないが真正種子、種子断片、吸枝、球茎、球根、果実、塊茎、穀粒、挿し木、切断新芽[cut shoots]などのあらゆる種類の種子および植物珠芽が包含され、好ましい実施形態では真正種子を意味する。
【0034】
種子の保護が好ましい実施形態である。特に好ましいのは、穀類(例えば、コムギ、オオムギ、ライムギ)、トウモロコシ、モロコシ、ヒマワリ、ワタ、イネ、エンドウ、セイヨウアブラナ、ジャガイモからなる群からの種子、およびイネ、コムギ、オオムギ、またはライムギのような農場作物の保護である。
【0035】
さらに、本発明の混合物は、好ましくは、ワタ、白インゲンマメ、野菜、ダイズ、コムギ、サトウキビ、および果物における害虫を防除するのに用いることができる。
【0036】
加えて、本発明の混合物は、品種改良法や遺伝子工学法の利用で除草剤や殺菌剤または殺虫剤の作用に耐性のある植物の種子の処理にも用いることができる。
【0037】
例えば、本発明の混合物は、スルホニル尿素系、イミダゾリノン系、アンモニウムグルフォシネート系またはイソプロピルアンモニウムグルホセート系の除草剤からなる群から選ばれる除草剤ならびに類似の活性物質(例えば、欧州特許出願公開第0242236号明細書、欧州特許出願公開第242246号明細書を参照されたい)(国際公開第92/00377号パンフレット)(欧州特許出願公開第0257993号明細書、米国特許5,013,659号明細書)に対して耐性がある植物の種子の処理や、植物を特定の害虫に対して耐性にするバチルス・チューリンゲンシス・トキシン(Btトキシン)を産生する能力をもつ遺伝子組み換え作物植物(例えばワタ)(欧州特許出願公開第0142924号明細書、欧州特許出願公開第0193259号明細書)に用いることができる。
【0038】
さらに、本発明の混合物は、例えば伝統的な品種改良法および/または突然変異体作出によって作出することができる、および/または組み換え法によって作出することができる、既存植物構成体と比較した場合改変されている特質をもつ植物からの種子を処理するのにも用いることができる。これまでに多くのケースが文献に記載されており、例えば植物体中で合成されるデンプンを改変する目的のための作物植物の組み換え型の改変(例えば、国際公開第92/11376号パンフレット、国際公開第92/14827号パンフレット、国際公開第91/19806号パンフレット)や改変脂肪酸組成をもつ遺伝子組み換え作物植物(国際公開第91/13972号パンフレット)が記載されている。
【0039】
化合物Iおよび化合物IIは同時に(すなわち一緒にまたは別々に)または連続で施用することができ、別々に施用する場合その順序は、普通、その防除処理の結果に対して何ら悪影響はない。
【0040】
本発明の混合物または該混合物の組成物は昆虫、クモ形類動物または線虫による攻撃または寄生から植物を保護するのに用いることができその方法は植物またはその植物が生育している土壌または水域にそれらを接触させることを含む。
【0041】
化合物Iおよび化合物IIは、通常、重量比100:1〜1:100、好ましくは20:1〜1:50、特には5:1〜1:20で施用される。
【0042】
本発明による混合物の施用量は、所望の効果にもよるが、1g/ha〜2000g/ha、好ましくは5g/ha〜2000g/ha、より好ましくは50〜1500g/ha、特には50〜750g/haである。
【0043】
種子の処理では、本混合物の施用量は、通常、0.1〜10kg/種子100kg、好ましくは1g〜1kg/種子100kg、特には2g〜0.5kg/種子100kgである。
【0044】
害虫の防除では、化合物IおよびII、もしくは化合物IおよびIIの混合物の別々または一緒の施用は、種子、苗木、植物、あるいは播種前または播種後の、または発芽前または発芽後の土壌に噴霧または散粉することによって行われる。
【0045】
標準的なシード・トリートメントの製剤については、本明細書中、後に述べる。
【0046】
ひとつの変形実施形態によれば、本発明のさらなる主題は、2つの活性成分を組み合せでまたは組成物として含有している粒状製剤かまたは2つの粒状製剤のそれぞれが2つの活性成分のひとつを含有している該2つの粒状製剤の混合物を場合によっては1種以上の農業上許容される固体または液体担体および/または場合によっては1種以上の農業上許容される界面活性剤と一緒に特にシード・ドリルの中に施用することによって土壌を処理する方法である。この方法は、穀類、トウモロコシ、ワタおよびヒマワリの苗床において好ましく用いられる。穀類およびトウモロコシに対しては、フロニカミドについての施用量は50〜500g/haであり、化合物I(好ましくはエチプロールまたはアセトプロール)の施用量は50〜200g/haである。
【0047】
本発明の混合物および方法は、害虫の駆除に特に有用である。本発明の混合物は、線虫、昆虫、およびクモ形類動物を効率よく防除するのに適している。それらは、卵、幼虫、蛹、成虫などのすべての成育段階に対して施用することができる。
【0048】
害虫の防除は、標的害虫、その餌供給源、その生息環境、その繁殖地、あるいはその所在場所に、殺虫剤として有効な量の本発明の混合物または該混合物を含んでいる組成物を接触させることで行うことができる。
【0049】
本発明はまた、上記で定義した2つの活性成分の混合物または該混合物を含有している組成物、または2つの組成物のそれぞれが上記2つの活性成分のひとつを提供している該2つの組成物の混合物、を含む、つまりそれらでコーティングされている、および/またはそれらを含有している植物体繁殖産物、特に種子(真正種子)関するものである。種子は、好ましくは、化合物I(好ましくはエチプロールまたはアセトプロール)を含んでいる組成物で処理しその後フロニカミドを含んでいる組成物で処理するか、またはその逆で処理するか、または該2つの活性成分を含有している組成物で処理することができることは容易に理解されると思われる。
【0050】
「〜でコーティングされている、および/または〜を含有している」という用語は、一般には、活性成分は、その大部分は、施用の時点では繁殖産物の表面に在ることを意味するが、該成分のいくらかの部分は、施用の方法にもよるが、該産物の中に浸透していくことが考えられる。そのような繁殖産物が再び植えられると、それは該活性成分を吸収する。実際、商業目的に対しては、活性成分の大半は、大半の時間、表面に存在していると言うことができる。
【0051】
種子は、本発明の混合物を、0.1g〜10kg/種子100kgの量で含む。
【0052】
本発明の目的は、害虫による攻撃および寄生に対して、ヒトなどの温血動物および魚を治療、防除、予防および保護するのに適した混合物を提供することでもあった。動物および/またはヒト上のまたはそれらの中の害虫駆除で遭遇し得る問題は、冒頭で述べた問題と同じような問題である。すなわち薬量を減らすこと、および/または活性範囲を広げること、および/またはノックダウン活性と長期防除性を組み合せること、および/または耐性を管理することについての必要性である。
【0053】
本発明はまた、ノミ目、膜翅目、半翅目、直翅目、ダニ目、シラミ目、および双翅目の害虫による寄生および感染に対してヒトなどの温血動物および魚を治療、防除、予防および保護するための方法を提供するものであり、該方法は、そのような動物に、本発明による混合物の殺虫剤として有効な量を、経口的に、局所的に、あるいは非経口的に投与または施与することを含んでなる。
【0054】
本発明はまた、ノミ目、膜翅目、半翅目、直翅目、ダニ目、シラミ目、および双翅目の害虫による寄生または感染に対して温血動物または魚を治療、防除、予防または保護するための本発明による混合物の殺虫剤として有効な量を含む組成物の調製方法を提供するものである。
【0055】
上記方法は、ウシ、ヒツジ、ブタ、ラクダ、シカ、ウマ、ニワトリ、ヤギ、イヌやネコならびにヒトなどの温血動物における寄生および感染を防除および予防するうえで特に有用である。
【0056】
本発明の混合物によって、限定するものではないが、シラミ、ハジラミ、ダニ、ハナウマバエ幼虫、ヒツジシラミバエ、アブ、ニクバエ、ハエ、ウシバエ幼虫、ツツガムシ、ブヨ、カ、ノミなどの、温血動物および魚における寄生を防除、予防または除去することができる。
【0057】
本発明の混合物およびそれを含んでいる組成物は、以下に記載されている害虫を効率的に駆除するのに特に適している:
【0058】
ノミ類(隠翅目):例えばCtenocephalidea felis[ネコノミ]、C. canis[イヌノミ]、Xenopsylla cheopsis[ケオプスネズミノミ]、Pulex irritans[ヒトノミ]、Tunga penetrans[スナノミ]、およびNosopsyllus fasciatus[ヨーロッパネズミノミ];
【0059】
アリ類、スズメバチ類、ハバチ類(膜翅目):例えばAthalia rosae[カブラハバチ]、Atta cephalotes、Atta sexdens[チャイロハキリアリ]、Atta texana[ハキリアリ]、Crematogaster spp.[クレマトガスター種のアリ;シロアゲアリの一種]、Hoplocampa minuta、Hoplocampa testudinea、Monomorium pharaonis[イエヒメアリ]、Solenopsis geminata[アカカミアリ]、Solenopsis invicta[アカミカミアリ]、S. richteri[カミアリの一種]、S. xyloni[カミアリの一種]、Pogonomyrmex barbatus[アカシュウカクアリ]、Pogonomyrmex californicus[シュウカクアリの一種]、Dasymutilla occidentalis[アリモドキバチの一種]、Bombus spp.[ボンバス種のアリ、オオマルハナバチの一種]、Vespula squamosa[スズメバチの一種]、Paravespula vulgaris[スズメバチの一種]、P. pennsylvanica[スズメバチの一種]、P. germanica[スズメバチの一種]、Dolichovespula maculata[カオシロムラスズメバチの一種]、Vespa crabro[モンスズメバチ]、Polistes rubiginosa[バラアシナガバチ]、Camponotus floridanus、およびLinepitheum humile[アルゼンチンアリ];
【0060】
コオロギ類、バッタ類、イナゴ類(直翅目):例えばAcheta domestica[ヨーロッパイエコオロギ]、Forficula auricularia[ヨーロッパクギヌキハサミムシ]、Gryllotalpa gryllotalpa、Locusta migratoria[トノサマバッタ]、Melanoplus bivittatus、Melanoplus femur-rubrum、Melanoplus mexicanus、Melanoplus sanguinipes、Melanoplus spretus、Nomadacris septemfasciata[アカトビバッタ]、Schistocerca americana[アメリカイナゴ]、Schistocerca peregrina、Stauronotus maroccanus、およびTachycines asynamorus;
【0061】
ダニ目:例えばマダニ類(マダニ科)、例えばPhipicephalus sanguineus、あるいはダニ類、例えば中気門亜目、例えばOrnithonyssus bacoti[イエダニ]およびDermanyssus gallinae[ワクモ]、前気門類、例えばPymotes tritici、あるいはコナダニ亜目、例えばAcarus siro[アシブトコナダニ];
【0062】
シラミ類(シラミ目):例えばPediculus humanus capitis[アタマシラミ]、Pediculus humanus corporis[コロモジラミ]、Pythirus pubis[ケジラミ]、Haematopinus eurysternus[ウシジラミ]、Haematopinus suis[ブタジラミ]、Linognathus vituli[ウシホソジラミ]、およびSolenopotes capillatus;
【0063】
ハエ類、カ類(双翅目):例えばAedes aegypti[ネッタイシマカ]、Aedes albopictus[ヒトスジシマカ]、Aedes vexans[ヤブカ]、Anastrepha ludens[メキシコミバエ]、Anopheles maculipennis[ハマダラカの一種]、Anopheles crucinas、An. albimanus、An. Gambiae、An. freeborni、An. leucosphyrus、An. minimus、An. quadrimaculatus、Calliphora vicina[ホホグロオビキンバエ]、Ceratitis capitata[チチュウカイミバエ]、Chrysomya bezziana[ラセンウジバエ]、Chrysomya hominivorax、Chrysomya macellaria、Chrysops discalis[サシバエ]、C. silacea、C. atlanticus、Cochliomyia hominivorax[ラセンムシハエ]、Contarinia sorghicola[ソルガムタマバエ]、Cordylobia anthropophaga[ヒトクイバエ]、Culicoides furens、Culex pipiens[アカイエカ]、Culex nigripalpus、C. quinquefasciatus、C. tarsalis、Culiseta inornata、C. melanura、Dacus cucurbitae[ウリミバエ]、Dacus oleae[オリーブミバエ]、Dasineura brassicae、Dermatobia hominis、Fannia canicularis[ヒメイエバエ]、Gasterophilus intestinalis[ウマバエ]、Glossina morsitans[ツェツェバエ]、Glossina palpalis、G. fuscipes、G. tachinoides、Haematobia irritans[ノサシバエ]、Haplodiplosis equestris、Hippelates spp.、Hylemyia platura[タマネギバエ]、Hypoderma lineata[ウシバエ]、Leptoconops torrens、
Liriomyza sativae[トマトハモグリバエ]、Liriomyza trifolii[マメハモグリバエ]、Lucilia caprina、Lucilia cuprina[ヒツジキンバエ]、Lucilia sericata[ヒロズキンバエ]、Lycoria pectoralis、Mansonia titillanus、Mayetiola destructor[ヘシアンバエ]、Musca domestica[イエバエ]、Muscina stabulans[オオイエバエ]、Oestrus ovis[ヒツジバエ]、Oscinella frit、Pegomya hysocyami、Phorbia antiqua、Phorbia brassicae、Phorbia coarctata、Phlebotomus argentipes[サシチョウバエ]、Psorophora columbiae、P. discolor、Prosimuliim mixtum、Rhagoletis cerasi[ミバエ]、Rhagoletis pomonella[リンゴミバエ]、Sarcophaga haemorrhoidalis[ニクバエの一種]、Sarcophaga sp.、Simuliim vittatum、Stomoxys calcitrans[サシバエ]、Tabanus bovinus、Tabanus atratus[ウシアブの一種]、T. lineola、T. similis、Tipula oleracea[ガガンボの一種]、およびTipula paludosa;
【0064】
ナンキンムシ類(半翅目):例えばAcrosternum hilare[カメムシの一種]、Blissus leucopterus[アメリカコバネナガカメムシ]、Cyrtopeltis notatus、Dysdercus cingulatus[アカホシカメムシ]、Dysdercus intermedius[ホシカメムシ]、Eurygaster integriceps[ムギチャイロカメムシ]、Euschistus impictiventris、Leptoglossus phyllopus[ヘリカメムシの一種]、Lygus lineolaris[メクラカメムシの一種]、Lygus pratensis[ミドリメクラカメムシ]、Nezara viridula[ミナミアオカメムシ]、Piesma quadrata、Solubea insularis、Thyanta perditor、Acyrthosiphon onobrychis、Adelges laricis[カラマツカサアブラムシ]、Aphidula nasturtii、Aphis fabae[マメクロアブラムシ]、Aphis forbesi[イチゴネアブラムシ]、Aphis pomi[ナシアブラムシ]、Aphis gossypii[ワタアブラムシ]、Aphis grossulariae[ハエアブラムシ]、Aphis schneideri、Aphis spiraecola[ユキヤナギアブラムシ]、Aphis sambuci[ニワトコアブラムシ]、Acyrthosiphon pisum[エンドウヒゲナガアブラムシ]、Aulacorthum solani[ジャガイモヒゲナガアブラムシ]、Brachycaudus cardui、Brachycaudus helichrysi[ムギワラギクオマルアブラムシ]、Brachycaudus persicae[モモアブラムシ]、Brachycaudus prunicola[ウメアブラムシ]、Brevicoryne brassicae[ダイコンアブラムシ]、Capitophorus horni[ホップアブラムシ]、Cerosipha gossypii、Chaetosiphon fragaefolii[イチゴケナガアブラムシ]、Cryptomyzus ribis、Dreyfusia nordmannianae、Dreyfusia piceae、Dysaphis radicola[ギシギシネアブラムシ]、Dysaulacorthum pseudosolani、Dysaphis plantaginea[オオバコアブラムシ]、Dysaphis pyri、Empoasca fabae[ジャガイモヒメヨコバイ]、Hyalopterus pruni[モモコフキアブラムシ]、Hyperomyzus lactucae[チシャミドリアブラムシ]、Macrosiphum avenae[ムギヒゲナガアブラムシ]、Macrosiphum euphorbiae[チューリップヒゲナガアブラムシ]、Macrosiphon rosae、Megoura viciae、Melanaphis pyrarius、Metopolophium dirhodum[ムギウスイロアブラムシ]、Myzodes persicae、Myzus ascalonicus、Myzus cerasi[ホップイボアブラムシ]、Myzus varians[カワリコブアブラムシ]、Nasonovia ribisnigri[レタスアブラムシ]、Nilaparvata lugens[トビイロウンカ]、Pemphigus bursarius[レタス根アブラムシ]、Perkinsiella saccharicida[クロツノウンカ]、Phorodon humuli[ホップイボアブラムシ]、Psylla mali[ワタキジラミ]、Psylla piri[ナシキジラミ]、Rhopalomyzus ascalonicus、Rhopalosiphum maidis[トウモロコシアブラムシ]、Rhopalosiphum padi[ムギクビレアブラムシ]、Rhopalosiphum insertum[リンゴクビレアブラムシ]、Sappaphis mala[ハナマルアブラムシ]、Sappaphis mali[リンゴマルアブラムシ]、Schizaphis graminum[ムギミドリアブラムシ]、Schizoneura lanuginosa、Sitobion avenae[オートムギアブラムシ]、Trialeurodes vaporariorum[オンシツコナジラミ]、Toxoptera aurantiiand[ダイダイクロアブラムシ]、Viteus vitifolii[ブドウネアブラムシ]、Cimex lectularius[トコジラミ]、C. hemipterus[ネッタイトコジラミ]、Reduvius senilis[クビアカサシガメ]、Triatoma spp.[種サシガメ]、およびArilus critatus。
【0065】
温血動物への経口投与については、本発明の混合物は、動物飼料、動物飼料プレミックス、動物飼料コンセントレート、丸剤、溶液剤、ペースト剤、懸濁液剤、ドレンチ剤、ジェル剤、タブレット剤、ボーラス剤、およびカプセル剤として製剤化することができる。加えて、本発明の混合物は、動物の飲用水の中に入れて動物に投与することもできる。経口投与に対しては、選択された剤形は、動物の体重1kgあたり1日0.01mg/kg〜100mg/kgで動物に提供するべきである。
【0066】
別の方法として、本発明の混合物は、動物に非経口的に、例えば胃内投与、筋肉内投与、静脈内投与、あるいは皮下投与により投与することができる。皮下注射用には、本発明の混合物は、生理学的に許容される担体に分散または溶解させることができる。別の実施形態として、本発明の混合物は、皮下投与用のインプラントに製剤化することもできる。加えて、本発明の混合物は、経皮的に動物に投与することもできる。非経口投与については、選択された剤形は、動物の体重1kgあたり1日0.01mg/kg〜100mg/kgの本混合物を動物に提供するべきである。
【0067】
本発明の混合物はまた、ディップ剤、ダスト剤、粉剤、首輪式薬剤、メダル式薬剤、スプレー剤、局所注液式製剤[spot-on and pour-on formulations]の形態で動物に局所的に施用することもできる。局所的な施用については、ディップ剤およびスプレー剤は、通常、式Iの化合物を0.5ppm〜5,000ppm、好ましくは1ppm〜3,000ppm含有している。加えて、本発明の混合物は、動物、特にウシやヒツジなどの四足動物用の耳タッグとして製剤化することもできる。
【0068】
本発明の混合物つまり化合物IおよびIIは、慣用の製剤、例えば溶液剤、乳液剤、懸濁液剤、ダスト剤、粉剤、ペースト剤、および顆粒剤に変換することができる。施用剤形は、その特定の目的によって決まるものであり、それぞれの場合、本発明の化合物の細かくて均一な分散が確実なものになっているべきである。
【0069】
製剤は、公知の方法(例えば、概説についての米国特許第3,060,084号明細書、欧州特許出願公開第707445号明細書(液体コンセントレートについて)、Browning, "Agglomeration", Chemical Engineering, Dec. 4, 1967, 147-48、Perry's Chemical Engineer's Handbook, 4th Ed., McGraw-Hill, New York, 1963, pages 8-57を参照されたい。また国際公開第91/13546号パンフレット、米国特許第4,172,714号明細書、米国特許第4,144,050号明細書、米国特許第3,920,442号明細書、米国特許第5,180,587号明細書、米国特許第5,232,701号明細書、米国特許第5,208,030号明細書、英国特許第2,095,558号明細書、米国特許第3,299,566号明細書、Klingman, Weed Control as a Science, John Wiley and Sons, Inc., New York, 1961、Hance et al., Weed Control Handbook, 8th Ed., Blackwell Scientific Publications, Oxford, 1989、ならびにMollet, H., Grubemann, A., Formulation technology, Wiley VCH Verlag GmbH, Weinheim (Germany), 2001, 2、D. A. Knowles, Chemistry and Technology of Agrochemical Formulations, Kluwer Academic Publishers, Dordrecht, 1998 (ISBN 0-7514-0443-8)も参照されたい)で調製され、例えば本活性化合物を溶媒および/または担体と、所望の場合は乳化剤や分散剤と一緒にして調製される。好適である溶媒/助剤としては、以下が挙げられる:
【0070】
・水、芳香族溶媒(例えばSolvessoの製品であるキシレン)、パラフィン類(例えば石油留分)、アルコール類(例えばメタノール、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール)、ケトン類(例えば、シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン)、ピロリドン類(NMP、NOP)、酢酸エステル類(二酢酸グリコール)、グリコール類、脂肪酸ジメチルアミド類、脂肪酸類、および脂肪酸エステル類。基本的には、溶媒混合物も用いることができる。
【0071】
・担体としては粉砕天然鉱物(例えば、カオリン、クレイ、タルク、チョーク)や粉砕合成鉱物(例えば高度分散シリカ、シリケート);乳化剤としては非イオン性乳化剤や陰イオン性乳化剤(例えば、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、アルキルスルホネート、およびアリールスルホネート)、および分散剤としてはリグノ亜硫酸廃液やメチルセルロース。
【0072】
好適な界面活性剤は:リグノスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、およびアンモニウム塩;アルキルアリールスルホネート、硫酸アルキル、スルホン酸アルキル、硫酸脂肪アルコール;脂肪酸;および硫酸化脂肪アルコールグリコールエーテル;さらにはスルホン化ナフタレンおよびナフタレン誘導体とホルムアルデヒドの縮合物、ナフタレンまたはナフタレンスルホン酸とフェノールおよびホルムアルデヒドの縮合物;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル;エトキシル化イソオクチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール;アルキルフェニルポリグリコールエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、トリステアリルフェニルポリグリコールエーテル;アルキルアリールポリエーテルアルコール;アルコールと脂肪アルコール/エチレンオキシドの縮合物;エトキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エトキシル化ポリオキシプロピレン、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセタール、ソルビトールエステル、リグニン亜硫酸廃液、およびメチルセルロース;である。
【0073】
直接散布可能な溶液剤、乳液剤、ペースト剤、またはオイル分散液剤を調製するのに適している材料は:中〜高沸点の石油留分例えばケロシンおよびディーゼル油さらにはコールタール油ならびに植物または動物由来の油;脂肪族、環状および芳香族炭化水素例えばトルエン、キシレン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレンまたはその誘導体;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、イソホロン、強極性溶剤例えばジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、および水;である。
【0074】
粉剤、広域散布用製剤および散粉可能製剤は、本活性物質と固形担体を混ぜるまたは同時に粉砕することによって調製することができる。
【0075】
粒剤、例えば被覆粒剤[coated granule]、含浸粒剤[impregnated granule]および均質粒剤[homogeneous granule]は、本活性化合物を固体担体に結合させることにより調製することができる。固体担体の例は、鉱物質土類(例えばシリカゲル、シリケート、タルク、カオリン、アタクレー[attaclay]、石灰石、石灰、チョーク、膠灰粘土、黄土、粘土、ドロマイト、ケイ藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、粉砕合成物質など)、肥料(例えば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素など)、栽培植物由来産物(例えば、穀粉、樹皮粉、木粉および堅果殻粉)、セルロース粉末、およびその他の固体担体である。
【0076】
種子処理用の製剤はさらに結合剤および場合によっては着色剤を含んでいてもよく、ジェル製剤についてはジェル化剤を含んでいてもよい。
【0077】
本活性物質の種子への処理後の接着力を良くするためにはバインダーを加えてもよい。バインダーとしては、EO/POブロックコポリマー界面活性剤だけでなくポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリスチレン、ポリエチレンアミン、ポリエチレンアミド、ポリエチレンイミン(Lupasol[登録商標]、Polymin[登録商標])、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリビニルアセテート、チローゼならびにこれらのポリマーから誘導されるコポリマーも好適である。
【0078】
場合によっては、製剤には着色剤を入れることもできる。種子処理用の製剤のための好適な着色剤または染料は、Rhodamin B、C.I. Pigment Red 112、C.I. Solvent Red 1、pigment blue 15:4、pigment blue 15:3、pigment blue 15:2、pigment blue 15:1、pigment blue 80、pigment yellow 1、pigment yellow 13、pigment red 112、pigment red 48:2、pigment red 48:1、pigment red 57:1、pigment red 53:1、pigment orange 43、pigment orange 34、pigment orange 5、pigment green 36、pigment green 7、pigment white 6、pigment brown 25、basic violet 10、basic violet 49、acid red 51、acid red 52、acid red 14、acid blue 9、acid yellow 23、basic red 10、basic red 108である。
【0079】
ジェル化剤の例は、カラギーン(Satiagel[登録商標])である。
【0080】
通常、本製剤には、本活性化合物が0.01〜95重量%、好ましくは0.1〜90重量%含まれている。本活性化合物は、純度90%〜100%、好ましくは95%〜100%(NMRスペクトルによる)で用いる。
【0081】
種子処理の目的のためには、それぞれの製剤を0〜10倍に希釈して、使用できる状態の調製物中、活性化合物の濃度を0.01〜95重量%、好ましくは0.1〜40重量%にすることができる。
【0082】
以下は製剤の例である:
【0083】
1.水で希釈される製剤(種子処理の目的用には、このような製剤は希釈してまたは希釈せずに種子に施用することができる)
【0084】
A) 液剤(SL、LS)
本活性化合物10重量部を、水または水溶性溶媒に溶解させる。場合によっては、湿潤剤またはその他の助剤を加える。本活性化合物は、水での希釈と同時に溶解する。
【0085】
B) 分散製剤(DC、DS)
本活性化合物20重量部を、分散剤(例えば、ポリビニルピロリドン)を用いてシクロヘキサノンに溶解させる。水で希釈することにより、分散液が得られる。
【0086】
C) 乳剤(EC)
本活性化合物15重量部を、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムおよびエトキシル化ヒマシ油を用いて(各場合5%濃度で)キシレンに溶解させる。水で希釈することにより、乳液が得られる。
【0087】
D) エマルジョン製剤(EW、EO、ES)
本活性化合物40重量部を、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムおよびエトキシル化ヒマシ油を用いて(各場合5%濃度で)キシレンに溶解させる。この混合物を、乳化剤(Ultraturax)を用いて水に混ぜ、均質なエマルジョンにする。水で希釈することにより、エマルジョンが得られる。
【0088】
E) 懸濁製剤(SC、OD、FS)
撹拌ボールミル中で、本活性化合物20重量部を、分散剤、湿潤剤および水または有機溶媒を加えて細かく砕くことにより、活性化合物の微細懸濁液が得られる。水で希釈することにより、本活性化合物の安定な懸濁液が得られる。
【0089】
F) 水分散性粒剤および水溶性粒剤(WG、SG)
本活性化合物50重量部を、分散剤および湿潤剤を加えて細かく粉砕し、専用の機械(例えば、押出機、噴霧塔、流動床)を用いて水分散性粒剤または水溶性粒剤にする。水で希釈することにより、本活性化合物の安定な分散液または溶液が得られる。
【0090】
G) 水分散性粉剤および水溶性粉剤(WP、SP、WS、SS)
本活性化合物75重量部を、分散剤、湿潤剤およびシリカゲルを加えてローター・ステーターミル中で粉砕する。水で希釈することにより、本活性化合物の安定な分散液または溶液が得られる。
【0091】
ジェル製剤(GF)(種子処理の目的専用)
撹拌ボールミル中で、本活性化合物(1種または複数種)20重量部を、分散剤10重量部、ジェル化剤である湿潤剤1重量部、および水または有機溶媒70重量部を加えて細かく砕くことにより、微細な活性化合物(1種または複数種)懸濁液を得る。水で希釈することにより安定な本活性化合物(1種または複数種)の懸濁液が得られ、これにより活性化合物(1種または複数種)が20%(重量/重量)の製剤が得られる。
【0092】
2. 希釈せずに施用される製剤(種子処理の目的用には、このような製剤は希釈せずに種子に施用することができる)
【0093】
H) 散粉可能な粉剤(DP、DS)
本活性化合物5重量部を細かく粉砕し、微粉砕カオリン95%と緊密に混合する。これにより散粉可能製剤が得られる。
【0094】
I) 粒剤(GR、FG、GG、MG)
本活性化合物0.5重量部を細かく粉砕し、担体95.5%と組み合わせる。現行の手法は、押出、噴霧乾燥、または流動床である。これにより、希釈せずに施用される粒剤が得られる。
【0095】
J) ULV溶液(UL)
本活性化合物10重量部を、有機溶媒、例えばキシレンに溶解させる。これにより、希釈せずに施用される製剤が得られる。
【0096】
本活性化合物は、その製剤の剤形で、あるいはその製剤から調製された使用剤形で、例えば直接散布可能な溶液、粉末、懸濁液または分散液、乳液、油性分散液、ペースト、散粉可能製剤、広域散布用製剤、あるいは粒剤の剤形で、散布、噴霧、散粉、広域散布、または注液によって用いることができる。使用剤形は、全く、その意図される目的によって決まるものである。それぞれのケースにおいては、本発明の活性化合物の可能な限りの微細な分配が確実に行われることが意図される。
【0097】
水性の使用剤形は、乳剤、ペースト剤または水和性粉末(散布可能粉末、油性分散物)から、水を加えることにより調製することができる。エマルジョン、ペースト、または油性分散物を調製するには、本活性物質をそのまま、または油または溶媒に溶解したものを、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤、または乳化剤を用いることによって、水に均質化することができる。別の形態として、活性物質、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤、または乳化剤、および適切であれば溶媒または油から構成される濃縮物を調製することも可能で、このような濃縮物は、水で希釈するのに適している。
【0098】
標準的な種子処理の製剤としては、例えば、流動性製剤FS、液剤LS、乾燥処理用粉剤DS、スラリー処理のための水分散性粉剤WS、水溶性粉剤SS、およびエマルジョンESおよびEC、ならびにジェル製剤GFが挙げられる。これらの製剤は、種子に、希釈して、または希釈せずに施用することができる。種子への施用は、播種前に、直接種子に対して行うことができる。
【0099】
好ましい実施形態では、種子処理にはFS製剤が使用される。典型的には、FS製剤は、活性成分1〜800g/L、界面活性剤1〜200g/L、凍結防止剤0〜200g/L、バインダー0〜400g/L、顔料0〜200g/L、および1リットルまでの溶媒好ましくは水を含んでいる。
【0100】
使用できる状態での調製物中における本活性化合物の濃度は、比較的広い範囲内で変り得る。通常、それらは、0.0001〜10%、好ましくは0.01〜1%である。
【0101】
本活性化合物は、超微量法(ultra-low volume process)[ULV]でも旨く用いることができ、活性化合物95重量%超を含んでいる製剤あるいは添加物なしの活性化合物そのものでさえ施用することができる。
【0102】
本活性化合物には、各種の油、湿潤剤、アジュバント、除草剤、殺真菌剤、他の殺虫剤、または殺細菌剤を、適切であれば使用直前に加えることができる(タンクミックス)。これらの物質は、本発明による物質と、1:10〜10:1の重量比で混ぜることができる。
【実施例】
【0103】
本発明の化合物ならびにその混合物の殺虫作用は、以下に示す実験によって説明することができる。
【0104】
2つの本活性化合物を、水中アセトン15%およびTween 20(商標)(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリエート)0.05%から構成される溶媒/界面活性剤からなる担体に、別々におよび一緒に製剤化した。
【0105】
ワタアブラムシ種子処理アッセイ
作物:ワタ「Suregrow 747」
害虫:ワタアブラムシ、Aphis gossypii
【0106】
25個のワタの種子を、ガラス製バイアル中で本化合物調製物150μLと一緒にボルテックスすることで処理し、乾燥させた。種子を植え、水をやって生育させた。子葉期且つ第一本葉期において、苗のサブセットにアブラムシを寄生させた。各苗に寄生したアブラムシの数をカウントした(前カウント数)。寄生4日後、苗についているアブラムシの数をカウントした(後カウント数)。
【0107】
薬効(E)を、アブラムシ母集団の減少パーセンテージとして以下のとおり計算した。
アブラムシ増加率を各苗に対して決定した:
増加率 = 後カウント数 / 前カウント数
予想終点アブラムシカウント数を、溶媒ブランクコントロールの平均増加率を用いて各苗に対して決定した:
予想終点カウント数 = 前カウント数×溶媒ブランク平均増加率
その後、母集団減少パーセンテージを各苗に対して決定した:
母集団減少パーセンテージ =
[(予想終点カウント数 - 後カウント数) / (予想終点カウント数)]×100
【0108】
各処理に対して母集団減少パーセンテージの平均値が決定され、昆虫防除効果(E)の尺度として用いた。
【0109】
薬効(E)値の解釈
E(母集団減少パーセンテージ)= 0またはそれ以下:処理母集団増加率はコントロールの増加率と等しいまたはそれよりも大きかった。したがって、その処理は昆虫防除活性を示さなかった。
【0110】
E > 0(最大値100%):処理のアブラムシ母集団は、コントロールの増加率に基づく予想よりも少なかった。したがって、その処理は昆虫防除活性を示したということ。E(母集団減少)100%の処理は、100%の昆虫防除を与えたということ。
【0111】
コーンルートワーム種子処理アッセイ
作物:コーン「ruckers Favorite」
害虫:サザンコーンルートワーム、Diabrotica undecimpunctata howardi
【0112】
50個のコーン種子をガラス製ジャー中で本化合物調製物450μLと一緒に震盪することで処理し、乾燥させた。種子を、容器のキャップに空気穴が付いている120mL容器中の砂質ロームに容器ひとつあたり1個植えた。10匹のサザンコーンルートワーム幼虫を各容器に入れた。羽化パーセンテージを決定した。幼虫の死亡率および根と新芽の食害を、種蒔き7日後に評価した。
【0113】
薬効(E)を、以下のとおり、昆虫死亡率パーセンテージとして計算した。
【0114】
評価においては、死亡した昆虫をカウントし、各処理に対して死亡昆虫の平均数を決定した。
【0115】
各処理についての昆虫死亡率パーセンテージとしての薬効(E)を、溶媒ブランクコントロールにおける死亡率に対して補正することで計算した:
昆虫死亡率パーセンテージとしての薬効(E)=
[(処理平均死亡昆虫カウント数 - コントロール平均死亡昆虫カウント数) /
(スタート時点の昆虫数 - コントロール平均死亡昆虫カウント数)]×100
【0116】
薬効(E)値の解釈
E(昆虫死亡率パーセンテージ)= 0:処理された植物体における生存昆虫数が溶媒ブランクコントロールにおける生存昆虫数に一致したということ。したがって、その処理は、昆虫防除活性を示さなかったということ。
【0117】
E > 0(最大値100%):処理によって引き起こされた昆虫死亡率はコントロールにおける昆虫死亡率よりも大きかったということ。したがって、その処理は昆虫防除活性を示したということ。E(昆虫死亡率)100%の処理は、100%の昆虫防除を与えたということ。
【0118】
この試験の結果により、本発明による混合物は、単独の活性に基づいて計算される予想の合計した統合活性に比較して、相乗効果を意味する著しい活性の向上を示すことが明らかとなった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性成分として、
1) 式I
【化1】

[式中:
R1は、CN、C(=O)C1〜C4-アルキル、またはC(=S)NH2であり;
R2は、S(O)nR3であり;
R3は、C1〜C6-アルキルであり;
R4は、水素、ハロゲン、アミノ、C1〜C6-アルキルアミノ、ジ(C1〜C6-アルキル)アミノ、または4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジリデンアミノ)であり;
Wは、NまたはCR5であり;
R5、R6およびR7は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、またはC1〜C6-ハロアルキルであり;
nは、0、1または2である]
で表される1-アリールピラゾールもしくはその塩、および
2) 式II
【化2】

で表される化合物もしくはその塩、
を相乗効果的な量で含んでいる殺虫剤混合物。
【請求項2】
前記式Iの化合物が5-アミノ-1-(2,6-ジクロロ-α,α,α-トリフルオロ-p-トリル)-4-エチルスルフィニルピラゾール-3-カルボニトリル(エチプロール)である請求項1に記載の殺虫剤混合物。
【請求項3】
前記式Iの化合物が1-[5-アミノ-1-(2,6-ジクロロ-α,α,α-トリフルオロ-p-トリル)-4-(メチルスルフィニル)ピラゾール-3-イル]エタノン(アセトプロール)である請求項1に記載の殺虫剤混合物。
【請求項4】
前記式Iの化合物および前記式IIの化合物を100:1〜1:100の重量比で含んでいる請求項1、2もしくは3に記載の殺虫剤混合物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の混合物、および液体または固体担体を含んでいる殺虫剤組成物。
【請求項6】
昆虫、クモ形類動物、または線虫を防除するための請求項1〜4のいずれか一項に記載の混合物の使用。
【請求項7】
植物、または植物が生育している土壌または水域と、請求項1〜4のいずれか一項に記載の殺虫剤として有効な量の混合物とを接触させることを含んでなる昆虫、クモ形類動物または線虫による攻撃または寄生からの植物保護方法。
【請求項8】
昆虫、クモ形類動物または線虫、もしくはその餌供給源、生息環境、繁殖地、またはその所在場所と、請求項1〜4のいずれか一項に記載の殺虫剤として有効な量の混合物とを接触させることを含んでなる昆虫、クモ形類動物または線虫の防除方法。
【請求項9】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の混合物が1g/ha〜2000g/haの量で施用される請求項6もしくは7に記載の方法。
【請求項10】
種子を保護するための請求項1〜4のいずれか一項に記載の混合物の使用。
【請求項11】
播種前および/または前発芽後の種子と、殺虫剤として有効な量の請求項1〜4のいずれか一項に記載の混合物とを接触させることを含んでなる種子の保護方法。
【請求項12】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の混合物が種子100kgあたり0.1g〜10kgの量で施用される請求項11に記載の方法。
【請求項13】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の混合物が種子100kgあたり1g〜1kgの量で施用される請求項11もしくは12に記載の方法。
【請求項14】
請求項1〜4に記載の混合物を種子100kgあたり0.1g〜10kgの量で含んでいる種子。
【請求項15】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物IおよびIIが同時に(すなわち一緒にまたは別々に)または連続で施用される請求項7、8、9、12もしくは13に記載の方法。
【請求項16】
温血動物または魚に殺虫剤として有効な量の請求項1〜4のいずれか一項に記載の混合物を経口的、局所的または非経口的に投与または施用することを含んでなる、害虫による寄生または感染に対して温血動物または魚を治療、防除、予防または保護するための方法。
【請求項17】
殺虫剤として有効な量の請求項1〜4のいずれか一項に記載の混合物を含む、害虫による寄生または感染に対して温血動物または魚を治療、防除、予防または保護するための組成物の調製方法。
【請求項18】
鞘翅目、双翅目、鱗翅目、総翅目、同翅目、半翅目、等翅目、および直翅目の害虫を防除するのに適した組成物を調製するための請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物IおよびIIの使用。

【公表番号】特表2008−517025(P2008−517025A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−537210(P2007−537210)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【国際出願番号】PCT/EP2005/011280
【国際公開番号】WO2006/045522
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】