説明

毛髪化粧料

【課題】毛髪保護に効果的で毛髪に滑らかさ等を付与できる毛髪化粧料の提供。
【解決手段】(i)又は(ii)含有オルガノポリシロキサン。(i)式(1)


(X及びYは炭化水素、mは1〜4、Zは式(2))


(Raは炭化水素)(ii)式(1’)、(3)


(Xは炭化水素、Zは式(2))


(Raは炭化水素)


(X及びYは炭化水素、nは0〜4)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント等の毛髪化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、毛髪の表面に撥水性や潤滑性を付与したり、表面を保護するための基材としてオルガノポリシロキサンが用いられてきた。中でも、アミノ変性オルガノポリシロキサンは、分子内にアミノ基を有することにより、毛髪に吸着し、表面保護、柔軟性付与効果があることが知られている(特許文献1:特開平09−110653号公報、特許文献2:特開平01−190619号公報参照)。しかしながら、その効果は吸着力が弱いため、毛髪上に十分な量のオルガノポリシロキサン成分が残存せず、効果が十分ではなかった。
【0003】
一方、パーマ、脱色、染毛、着色等により、毛髪が損傷することが知られており、毛髪保護剤としてカルボキサミドポリシロキサンを毛髪化粧料に用いる方法が知られている(特許文献3:特開平10−158150号公報、特許文献4:特開2002−255752号公報参照)。しかしながら、毛髪に対する吸着力や毛髪に付与する滑らかさ、まとまりは不十分であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−110653号公報
【特許文献2】特開平01−190619号公報
【特許文献3】特開平10−158150号公報
【特許文献4】特開2002−255752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、優れた吸着力によって毛髪を保護し、滑らかさ、櫛通り、柔軟性、つや等のコンディショニング効果を付与する毛髪化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定の有機基を持つオルガノポリシロキサン、特に、アミド結合をスペーサーとして有し、2級アミノ基及びカルボキシル基を有する構造、又は一級アミノ基とアミドカルボン酸の両者を有する構造が毛髪、特に損傷毛髪への吸着力に優れ、毛髪保護に効果的であること、具体的には、湿潤時に、髪に滑らかさ、櫛通りの良さ、柔らかさを、乾燥後の髪に、滑らかさ、櫛通りの良さ、柔らかさ及び艶を与えることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0007】
従って、本発明は下記毛髪化粧料及びオルガノポリシロキサンの製造方法を提供する。
[1].下記(i)又は(ii)のオルガノポリシロキサンを含有する毛髪化粧料。
(i)主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも一つに、下記一般式(1)で表される置換基が結合してなるオルガノポリシロキサン
【化1】

(一般式(1)中、X及びYはそれぞれ独立に、炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、mは1〜4の整数であり、Zは下記一般式(2)で表される有機基を示す。)
【化2】

(一般式(2)中、Raは炭素数2〜12の2価の炭化水素基である。)
(ii)主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの別のケイ素原子に、下記一般式(1’)で表される置換基と、下記一般式(3)表される置換基とが、それぞれ結合してなるオルガノポリシロキサン
【化3】

(一般式(1’)中、Xはそれぞれ独立に、炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、Zは下記一般式(2)で表される有機基を示す。)
【化4】

(一般式(2)中、Raは炭素数2〜12の2価の炭化水素基である。)
【化5】

(一般式(3)中、X及びYはそれぞれ独立に、炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、nは0〜4の整数である。)
[2].アミノ基を有するオルガノポリシロキサンと、環状酸無水物とを反応させることを特徴とする上記(i)又は(ii)のオルガノポリシロキサンの製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の毛髪化粧料は毛髪保護に効果的であり、毛髪に滑らかさ等を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】調製例1で合成したオルガノポリシロキサンの赤外吸収スペクトルである。
【図2】調製例2で合成したオルガノポリシロキサンの赤外吸収スペクトルである。
【図3】調製例3で合成したオルガノポリシロキサンの赤外吸収スペクトルである。
【図4】調製例4で合成したオルガノポリシロキサンの赤外吸収スペクトルである。
【図5】比較調製例1で合成したオルガノポリシロキサンの赤外吸収スペクトルである。
【図6】比較調製例2で合成したオルガノポリシロキサンの赤外吸収スペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の化粧料は、下記(i)又は(ii)のオルガノポリシロキサンを含有する毛髪化粧料である。
(i)主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも一つに、下記一般式(1)で表される置換基が結合してなるオルガノポリシロキサン
(ii)主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの別のケイ素原子に、下記一般式(1’)表される置換基と、下記一般式(3)表される置換基とが、それぞれ結合してなるオルガノポリシロキサン
以下、(I)オルガノポリシロキサン、(II)オルガノポリシロキサンの製造方法、(III)毛髪化粧料の順に説明する。
【0011】
(I)オルガノポリシロキサン
(i)主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも一つに、下記一般式(1)で表される置換基が結合してなるオルガノポリシロキサン
【化6】

(一般式(1)中、X及びYはそれぞれ独立に、炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、mは1〜4の整数であり、Zは下記一般式(2)で表される有機基を示す。)
【化7】

(一般式(2)中、Raは炭素数2〜12の2価の炭化水素基である。)
【0012】
一般式(1)において、X及びYはそれぞれ独立に、炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖の2価脂肪族炭化水素基、又は炭素数6〜10の2価芳香族炭化水素基が好ましく、炭素数1〜10、さらに2〜6のアルキレン基もしくはアルケニレン基、又はフェニレン基がより好ましく、エチレン基、エチレニレン基、トリメチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ヘキサメチレン基、又はフェニレン基がさらに好ましい。mは1〜4の整数を示すが、1〜3がさらに好ましい。
【0013】
aは炭素数2〜12の2価の炭化水素基であり、直鎖又は分岐鎖の2価脂肪族炭化水素基、又は炭素数6〜10の2価芳香族炭化水素基が好ましく、炭素数1〜10、さらに2〜6のアルキレン基もしくはアルケニレン基、又はフェニレン基がより好ましく、エチレン基、エチレニレン基、トリメチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ヘキサメチレン基、又はフェニレン基がさらに好ましい。
【0014】
なお、(i)主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも一つに、一般式(1)で表される置換基が結合してなるオルガノポリシロキサンは、一般式(1)で表される置換基が結合してなるケイ素原子と異なるケイ素原子に、他の置換基、例えば、後述する一般式(3)表される置換基とが結合していてもよい。
【0015】
(ii)主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの別のケイ素原子に、下記一般式(1’)で表される置換基と、下記一般式(3)表される置換基とが、それぞれ結合してなるオルガノポリシロキサン
【化8】

(一般式(1’)中、Xはそれぞれ独立に、炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、Zは下記一般式(2)で表される有機基を示す。)
【化9】

(一般式(2)中、Raは炭素数2〜12の2価の炭化水素基である。)
【化10】

(一般式(3)中、X及びYはそれぞれ独立に、炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、nは0〜4の整数である。)
【0016】
一般式(1’)又は(2)中のX、Z及びRa等の例示及び好ましい範囲等は上記と同じである。
一般式(3)中、X及びYはそれぞれ独立に、炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖の2価脂肪族炭化水素基、又は炭素数6〜10の2価芳香族炭化水素基が好ましく、炭素数1〜10、さらに2〜6のアルキレン基もしくはアルケニレン基、又はフェニレン基がより好ましく、エチレン基、エチレニレン基、トリメチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキサメチレン基、又はフェニレン基がさらに好ましい。mは0〜4の整数を示すが、0〜2が好ましく、0がさらに好ましい。
【0017】
本発明の(i)オルガノポリシロキサンとしては、下記平均組成式(4)で表される化合物が挙げられる。
【化11】

【0018】
式(4)中、Rは互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のフロロアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、及び炭素数7〜30のアラルキル基から選択される基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ステアリル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基、トリフロロプロピル基、ヘプタデカフロロデシル基等のフロロアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基が挙げられる。中でも、炭素数1〜15のアルキル基及びフェニル基が好ましく、より好ましくはメチル基である。
【0019】
10は一般式(1)で表される置換基であり、R11はR10及びRから選択される有機基であり、Aは下記一般式(5)で表されるオルガノポリシロキサンセグメントである。
【化12】

(一般式(5)において、R及びR10は上記の通りであり、Qは酸素原子又は炭素数1〜3の2価の炭化水素基である。)
【0020】
式(4)及び一般式(5)において、a、b及びcは互いに独立に0〜3の整数であり、eは0〜100、好ましくは1〜50の整数であり、fは0〜5,000、好ましくは20〜200の整数であり、gは0又は1の整数であり、hは0又は1の整数であり、iは0〜100、好ましくは1〜50の整数であり、jは0〜5,000、好ましくは20〜2,000の整数であり、但し、R11がR10である場合、1≦a+b+c+e+g+iであり、R11がRである場合、1≦a+b+c+e+iである。)
【0021】
さらに、本発明の(ii)オルガノポリシロキサンとしては、下記平均組成式(4’)で表される化合物が挙げられる。
【化13】

(式(4’)中、Rは互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のフロロアルキル基、炭素数6〜30のアリール基及び炭素数7〜30のアラルキル基から選択される基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ステアリル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基、トリフロロプロピル基、ヘプタデカフロロデシル基等のフロロアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基が挙げられる。中でも、炭素数1〜15のアルキル基及びフェニル基が好ましく、より好ましくはメチル基である。
【0022】
20は一般式(1’)又は(3)で表される置換基であり(ただし、結合するケイ素原子は同じではない。)、R21はR20及びRから選択される有機基であり、R20の少なくとも一つは一般式(1’)で表される置換基であり、少なくとも一つは一般式(3)で表される置換基である。Aは下記一般式(5’)
【化14】

(一般式(5’)において、R及びR20は上記の通りであり、Qは酸素原子又は炭素数1〜3の2価の炭化水素基である。)
で表されるオルガノポリシロキサンセグメントであり、式(4’)及び一般式(5’)において、a、b及びcは互いに独立に0〜3の整数であり、eは0〜100、好ましくは2〜50の整数であり、fは0〜5,000、好ましくは20〜2,000の整数であり、gは0又は1の整数であり、hは0又は1の整数であり、iは0〜100、好ましくは1〜50の整数であり、jは0〜5,000、好ましくは20〜2,000の整数であり、但し、R21がR20である場合、2≦a+b+c+e+g+iであり、R21がRである場合、2≦a+b+c+e+iである。)
なお、式(4)、(5)、(4’)、(5’)のa〜jはそれぞれ独立である。
【0023】
本発明のオルガノポリシロキサンは赤外吸収(IR)スペクトル測定によって、酸無水物由来のピーク消失で反応完結を確認でき、また、ピークパターンから生成物の確認をすることができる。
【0024】
(II)オルガノポリシロキサンの製造方法
本発明のオルガノポリシロキサンは、アミノ基を有するオルガノポリシロキサンと環状酸無水物との反応させる方法により得られる。環状酸無水物としては無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸の中から選択される1種以上を用いることが好ましい。
【0025】
アミノ基を有するオルガノポリシロキサンと環状酸無水物との反応における溶剤は特に限定はされないが、無溶剤、ヘキサン、トルエン等の炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド及びN−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶剤、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶剤、2−プロパノール等のアルコール溶剤、酢酸ブチル等のエステル系溶剤が挙げられる。中でも、特にテトラヒドロフランや1,4−ジオキサンが好ましい。
【0026】
反応温度は30〜120℃が好ましく、より好ましくは60〜80℃である。反応温度が120℃を超えると、シロキサン鎖の切断や脱水反応等の副反応が起こるおそれがある。反応時間は特に限定されないが、1時間〜20時間が好ましく、より好ましくは2〜5時間である。
【0027】
(i)のオルガノポリシロキサンを調製する場合、使用するアミノ変性オルガノポリシロキサンは1級及び2級アミンを持つもの、例えば、主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも一つに、下記一般式(i)
【化15】

(一般式(i)中、X及びYはそれぞれ独立に、炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、mは1〜4の整数である。)
で表されるアミノ基が結合してなるアミノ変性オルガノポリシロキサンと、環状酸無水物との反応させる方法により得られる。この場合、1級アミンとのみ反応させるのに必要な量の環状酸無水物を用いる。1級アミンに対して環状酸無水物の使用量は1当量以下であり、好ましくは0.1〜1当量である。1級と2級アミンの反応性の違いにより、式(1)に示される置換基に変換される。例えば、平均組成で1分子内に5つの2−アミノエチルアミノプロピル基を持つジメチルポリシロキサンを原料として使用する場合、5つのアミノ基に対して5/5当量以下の環状酸無水物を用いる。
【0028】
(ii)のオルガノポリシロキサンを調製する場合、使用するアミノ変性オルガノポリシロキサンは1級アミンを持つもの、例えば、主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも一つに、下記一般式(ii)
【化16】

(一般式(ii)中、Xはそれぞれ独立に、炭素数1〜10の2価の炭化水素基である。)
で表されるアミノ基が結合してなるアミノ変性オルガノポリシロキサンと、環状酸無水物との反応させる方法により得られる。この場合、平均組成で1分子内に少なくともひとつの一般式(1’)及び(3)で表される置換基を有する構造にするために、使用するアミノ変性オルガノポリシロキサン中の少なくとも2つ以上の1級アミノ基のうち、少なくともひとつ以上を酸無水物と反応させることで、1分子内にカルボキシル、アミノ基両方を持つオルガノポリシロキサンが得られる。ただし、この際に1級アミノ基をひとつ以上残存させる。例えば、平均組成で1分子内に5つのアミノプロピル基を持つジメチルポリシロキサンを原料として使用する場合、5つのアミノ基に対して1/5当量〜4/5当量の環状酸無水物を用いる。20個のアミノプロピル基を持つジメチルポリシロキサンを原料として使用する場合、20個のアミノ基に対して1/20当量〜19/20当量の環状酸無水物を用いる。好ましくは全アミノ基に対して1/2当量以下の環状酸無水物を用いる。
【0029】
(III)毛髪化粧料
本発明の毛髪化粧料は、上記オルガノポリシロキサンを含有するものであり、上記製造方法により製造されたものをそのまま含有してもよい。
【0030】
本発明のオルガノポリシロキサンの含有量は、良好なコンディショニング効果とその持続性を得る観点から、毛髪化粧料中0.1〜20質量%(以下、単に%で示す)が好ましく、1〜10%がより好ましく、1〜5%がさらに好ましい。
【0031】
本発明の毛髪化粧料には、毛髪化粧料に配合する他の成分を1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。具体的には下記のものが挙げられる。
【0032】
油剤、特に毛髪に対してコンディショニング作用を有する油剤を配合してもよい。油剤としては、例えば、低級アルコール、炭素数12〜30の飽和又は不飽和アルコール;前記アルコールと多価アルコールとのエーテル;前記アルコールと炭素数1〜11の脂肪酸とのエステル;炭素数12〜30の飽和又は不飽和脂肪酸;前記脂肪酸と1価又は多価アルコールとのエステル;前記脂肪酸とアミンとのアミド;ステロール;スクアレン;リン脂質;糖脂質;動物性油脂;植物性油脂;本発明のオルガノポリシロキサン以外のシリコーン、例えば、環状、直鎖又は分岐鎖のジメチルポリシロキサン、メチルポリシロキサン、ポリシロキサン、アルキル変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン等のシリコーンが挙げられる。これらの油剤の含有量は、毛髪化粧料中0.01〜30%が好ましく、1〜25%がより好ましく、3〜20%がさらに好ましい。
【0033】
本発明の毛髪化粧料には本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じてヒドロキシエチルセルロース等の増粘剤、界面活性剤、アニオン性・両性・カチオン性・非イオン性重合物、香料、パール化剤、毛髪セット用ポリマー、色素、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤等を、さらに配合してもよい。
【0034】
界面活性剤としては、通常の毛髪化粧料に用いられるものであれば特に制限されず、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤のいずれをも好適に使用することができる。
【0035】
具体的には、アニオン性界面活性剤としては、例えば、以下に示すものが挙げられる。アルキルベンゼンスルホン酸塩、好ましくは平均炭素数10〜16のアルキル基を有する直鎖又は分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸塩。アルキルエーテル硫酸塩又はアルケニルエーテル硫酸塩、好ましくは平均炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有し、1分子内に平均0.5〜8モルのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドが0.1/9.9〜9.9/0.1のモル比で、あるいはエチレンオキサイドとブチレンオキサイドが0.1/9.9〜9.9/0.1のモル比で付加したアルキルエーテル硫酸塩又はアルケニルエーテル硫酸塩。アルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩、好ましくは平均炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩。オレフィンスルホン酸塩、好ましくは平均10〜20の炭素原子を1分子中に有するオレフィンスルホン酸塩。アルカンスルホン酸塩、好ましくは平均10〜20の炭素原子を1分子中に有するアルカンスルホン酸塩。高級脂肪酸塩、好ましくは平均10〜24の炭素原子を1分子中に有する飽和又は不飽和脂肪酸塩。(アミド)エーテルカルボン酸型界面活性剤。α−スルホ脂肪酸塩又はエステル、好ましくは平均10〜20の炭素原子から成るアルキル基又はアルケニル基を有するα−スルホ脂肪酸塩又はエステル。N−アシルアミノ酸型界面活性剤、好ましくは炭素数8〜24のアシル基及び遊離カルボン酸残基を有するN−アシルアミノ酸型界面活性剤(例えば、N−アシルザルコシネート、N−アシル−β−アラニン等)。リン酸エステル型界面活性剤、好ましくは炭素数8〜24のアルキル基もしくはアルケニル基又はそれらのアルキレンオキサイド付加物を有するリン酸モノ又はジエステル型界面活性剤。スルホコハク酸エステル型界面活性剤、好ましくは炭素数8〜22の高級アルコールもしくはそのエトキシレート等のスルホコハク酸エステル又は高級脂肪酸アミド由来のスルホコハク酸エステル。ポリオキシアルキレン脂肪酸アミドエーテル硫酸塩、好ましくは炭素数8〜24の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸モノエタノールアミド又はジエタノールアミドのエトキシレート等の硫酸塩。モノグリセライド硫酸エステル塩、好ましくは炭素数8〜24の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸基を有するモノグリセライド硫酸エステル塩。アシル化イセチオン酸塩、好ましくは炭素数8〜24の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸基を有するアシル化イセチオン酸塩。アルキルグリセリルエーテル硫酸塩又はアルキルグリセリルエーテルスルホン酸塩、好ましくは炭素数8〜24の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基もくしはアルケニル基もしくはそれらのアルキレンオキサイド付加物を有するアルキルグリセリルエーテル硫酸塩又はアルキルグリセリルエーテルスルホン酸塩。アルキル又はアルケニルアミドスルホネート、好ましくは炭素数8〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキル又はアルケニルアミドスルホネート。アルカノールアミドスルホコハク酸塩、好ましくは炭素数8〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有するアルカノールアミドスルホコハク酸塩。アルキルスルホアセテート、好ましくは炭素数8〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキルスルホアセテート。アシル化タウレート、好ましくは炭素数8〜24の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸基を有するアシルタウレート。N−アシル−N−カルボキシエチルグリシン塩、好ましくは炭素数6〜24のアシル基を有するN−アシル−N−カルボキシエチルグリシン塩。
【0036】
これらのアニオン性界面活性剤の塩、すなわちアニオン性残基の対イオンとしては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、炭素数2又は3のアルカノール基を1〜3個有するアルカノールアミン(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等)を挙げることができる。
【0037】
これらのアニオン性界面活性剤のうち、アルキルエーテル硫酸塩、特にポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩が好ましい。
【0038】
非イオン性界面活性剤としては、例えば平均炭素数10〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド又はブチレンオキサイドを付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンアルケニルエーテル;炭素数8〜20の脂肪酸のグリセリンエステル;炭素数8〜20の脂肪酸のグリコールエステル;炭素数8〜20の脂肪酸のモノグリセライドのアルキレンオキサイド付加物;炭素数8〜20の脂肪酸のショ糖エステル;炭素数8〜20の脂肪酸のソルビタンエステル;炭素数8〜20のアシル基を有するポリグリセリン脂肪酸エステル;炭素数8〜20の脂肪酸のモノエタノールアミド又はジエタノールアミド又はそれらのエトキシレート;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;炭素数8〜20のアシル基を有するポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル;炭素数8〜20のアシル基を有するポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル;炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アルケニル基又はアルキルフェニル基を有するアルキルサッカライド系界面活性剤;炭素数8〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アルケニル基を有するアルキルアミンオキサイド又はアルキルアミドアミンオキサイド;炭素数8〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する多価アルコールのエーテル化合物又はエステル化合物;ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン、ポリグリセリン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・フルオロアルキル共変性オルガノポリシロキサン、架橋型ポリオキシアルキレン・オルガノポリシロキサン、糖変性シリコーン、オキサゾリン変性シリコーン、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシアルキレンラノリンアルコール、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、プルロニック型ブロックポリマー、テトロニック型ブロックポリマー、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド、ポリオキシアルキレンアルキルアミド、ポリエチレンイミン誘導体等が挙げられる。
【0039】
両性界面活性剤としては、通常の毛髪化粧料に用いられるものであれば特に制限されず、例えば、アミドアミノ酸型、カルボベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、イミダゾリニウムベタイン型、アミノ酸型、ホスホベタイン型、リン酸エステル型等が挙げられる。
【0040】
カチオン性界面活性剤としては、第3級アミン、第4級アンモニウム塩、アミドアミン、エステルアミン等が挙げられる。例えば、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド(塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム)、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、N−ステアリル−N,N,N−トリ(ポリオキシエチレン)アンモニウムクロライド(エチレンオキサイド合計3モル付加)、セチルベンジルジメチルアンモニウムクロライド、セチルトリエチルアンモニウムブロマイド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド等のほか、2−デシルテトラデシルトリメチルアンモニウムクロライド、2−ドデシルヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ジ−2−ヘキシルデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジ−2−オクチルドデシルジメチルアンモニウムクロライド、ベヘニル第3級アミン、ステアリル第3級アミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン等を挙げることができる。
【0041】
界面活性剤の含有量は、毛髪化粧料中0.1〜50%好ましく、0.5〜40%がより好ましく、起泡性の点から1〜30%がさらに好ましい。
【0042】
本発明の毛髪化粧料の剤型が、ヘアセット剤、ヘアフォーム剤、ヘアスプレー剤等である場合は、以下に例示する化合物を毛髪セット用ポリマーとして配合することが好ましい。
【0043】
ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル/プロピオン酸ビニル架橋共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体。
メチルビニルエーテル/無水マレイン酸アルキルハーフエステル共重合体。
酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸/ネオデカン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸/プロピオン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/tert−ブチル安息香酸ビニル/クロトン酸共重合体。
(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸/アクリル酸アルキルエステル/アルキルアクリルアミド共重合体。
(メタ)アクリルエチルベタイン/(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムα−N−メチルカルボキシベタインと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体、アクリル酸アルキルエステル/メタクリル酸ブチルアミノエチル/アクリル酸オクチルアミド共重合体。
塩基性アクリル系高分子化合物。
セルロース骨格を有する化合物、カチオン性セルロース誘導体。
ヒドロキシプロピルキトサン、カルボキシメチルキチン、カルボキシメチルキトサン、キトサンとピロリドンカルボン酸、乳酸、グリコール酸等の一価酸、又はアジピン酸、コハク酸等の二価酸との塩。
水分散性ポリエステル。
【0044】
毛髪セット用ポリマーの含有量は、必要かつ十分なセット力を得る観点から、毛髪化粧料中0.1〜10%が好ましく、0.5〜6%がより好ましく、1〜4%がさらに好ましい。
【0045】
本発明の毛髪化粧料のpH(毛髪化粧料を水で20質量倍に希釈したときの25℃における値)は、その剤型によって適宜選定されるが、2.5〜9.0が好ましく、3.0〜5.5がより好ましい。
【0046】
本発明の毛髪化粧料としては、例えば浴室内で用いるようなヘアシャンプー、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナーや、浴室外で用いるヘアフォーム、ヘアスプレー、ヘアクリーム、ヘアワックス、ヘアジェル、更には、ヘアダイ、パーマ、ヘアマニキュア、ヘアブリーチ等、家庭や美容室での施術に用いられる剤等が挙げられ、本発明のオルガノポリシロキサン化合物はこれらのいずれにも配合できる。中でも、優れた毛髪保護効果を有するため、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナー等に好適であり、特にブリーチ等で損傷した毛髪に対して顕著な効果を有するため、損傷毛髪用として好適である。
【実施例】
【0047】
以下、調製例、比較調製例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、特に特記のない表中の各成分の量は純分換算した量である。
【0048】
[調製例1]
反応器に下記平均組成式
【化17】

で表される粘度320mm2/s(25℃)でアミン当量が1,470g/molのアミノ変性オルガノポリシロキサン500質量部、テトラヒドロフラン100質量部、無水コハク酸の粉末17質量部を50℃にて3時間撹拌した。得られた反応混合物を減圧下、90℃でストリップすることにより、溶剤を取り除き、無色透明でガム状液体[30%トルエン希釈時の粘度14Pa・s(25℃)]を得た。赤外吸収スペクトルの結果から、無水コハク酸由来の1788、1865cm-1の吸収が消失し、新たに1712cm-1に吸収が確認された。この生成物が、下記構造であることを確認した。赤外吸収スペクトルを図1に示す。
【化18】

【0049】
[調製例2]
反応器に下記平均組成式
【化19】

で表される粘度320mm2/s(25℃)でアミン当量が2,930g/molのアミノ変性オルガノポリシロキサン500質量部、テトラヒドロフラン100質量部、無水コハク酸の粉末8.5質量部を50℃にて3時間撹拌した。得られた反応混合物を減圧下、90℃でストリップすることにより、溶剤を取り除き、無色透明でガム状液体[30%トルエン希釈時の粘度7.3Pa・s(25℃)]を得た。赤外吸収スペクトルの結果から、無水コハク酸由来の1788、1865cm-1の吸収が消失し、新たに1642cm-1に吸収が確認された。この生成物が、下記構造であることを確認した。赤外吸収スペクトルを図2に示す。
【化20】

【0050】
[調製例3]
反応器に下記平均組成式
【化21】

で表される粘度60Pa・s(25℃)でアミン当量が6,300g/molのアミノ変性オルガノポリシロキサン300質量部、2−プロパノール40質量部、無水マレイン酸の粉末2.3質量部を60℃にて5時間撹拌した。得られた反応混合物を減圧下、90℃でストリップすることにより、溶剤を取り除き、淡黄色透明でガム状液体[30%トルエン希釈時の粘度72Pa・s(25℃)]を得た。赤外吸収スペクトルの結果から、無水マレイン酸由来の1780、1850cm-1付近の吸収が消失し、新たに1633cm-1に吸収が確認された。この生成物が、下記構造であることを確認した。赤外吸収スペクトルを図3に示す。
【化22】

【0051】
[調製例4]
反応器に下記平均組成式
【化23】

で表される粘度82Pa・s(25℃)でアミン当量が3,020g/molのアミノ変性オルガノポリシロキサン300質量部、無水フタル酸7.3質量部を80℃にて5時間撹拌し、淡黄色透明でガム状液体[30%トルエン希釈時の粘度75Pa・s(25℃)]を得た。赤外吸収スペクトルの結果から、無水フタル酸由来の1715〜1853cm-1付近の吸収が消失し、新たに1636cm-1に吸収が確認された。この生成物が、下記構造であることを確認した。赤外吸収スペクトルを図4に示す。Phはフェニル基を示す。
【化24】

【0052】
[比較調製例1]
反応器に調製例1で示したアミノ変性オルガノポリシロキサン500質量部、テトラヒドロフラン100質量部、無水コハク酸の粉末34質量部を50℃にて3時間撹拌した。得られた反応混合物を減圧下、90℃でストリップすることにより、溶剤を取り除き、淡黄色透明でガム状液体[30%トルエン希釈時の粘度4.0Pa・s(25℃)]を得た。赤外吸収スペクトルの結果から、無水コハク酸由来の吸収が消失し、新たに1630、1713cm-1に吸収が確認された。この生成物が、下記構造であることを確認した。赤外吸収スペクトルを図5に示す。
【化25】

【0053】
[比較調製例2]
反応器に調製例2で示したアミノ変性オルガノポリシロキサン500質量部、テトラヒドロフラン100質量部、無水コハク酸の粉末17質量部を50℃にて3時間撹拌した。得られた反応混合物を減圧下、90℃でストリップすることにより、溶剤を取り除き、無色透明でガム状液体[30%トルエン希釈時の粘度2.3Pa・s(25℃)]を得た。赤外吸収スペクトルの結果から、無水コハク酸由来の吸収が消失し、新たに1650、1716cm-1に吸収が確認された。この生成物が、下記構造であることを確認した。赤外吸収スペクトルを図6に示す。
【化26】

【0054】
[実施例1〜4及び比較例1〜5]
常法により、下記表に示す組成の本発明のヘアコンディショナーを調製した。
得られたヘアコンディショナーについて、下記方法で官能評価を行った。結果を下記表に示す。なお、pHは水で20質量倍に希釈したときの25℃における値を示す。
【0055】
[官能評価方法]
市販のブリーチ剤でブリーチ処理を行った日本人女性の毛髪束(20g、20cm)を、パネラー5名が次の方法で処理しながら官能評価を行った。下記組成の標準シャンプー3gを用いて洗浄した毛髪束に、表1に示すヘアコンディショナーを2g塗付し、毛髪全体に十分に馴染ませた後、およそ30秒間約40℃の流水下で湿潤時の評価を行った。次いで、タオルドライを行い、ドライヤーで乾燥させた後に乾燥後の評価を行った。湿潤時の髪の滑らかさ、櫛通り及び柔らかさ、ならびに乾燥時の髪の滑らかさ、櫛通り、柔らかさ及び艶の付与効果の有無について官能評価した。結果を「効果がある」と回答したパネラーの人数により、下記の評価基準で示す。
【0056】
標準シャンプーの処方(pH7.0)
25%ポリオキシエチレン(2.5)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム塩 62.0%
ラウリン酸ジエタノールアミド 2.3%
エデト酸二ナトリウム 0.15%
安息香酸ナトリウム 0.5%
塩化ナトリウム 0.8%
75%リン酸 適量
香料 適量
メチルパラベン 適量
精製水 残量
合計 100.0%
【0057】
[評価基準]
◎:4〜5人が効果あると回答
○:3人が効果あると回答
△:2人が効果あると回答
×:効果あると回答したのは1人又は0人
【0058】
【表1】


*1:KF−96H 100000cs(信越化学工業(株))
【0059】
[実施例5]
組成 %
オクタデシルオキシ(2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミン 0.5
ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド 2.0
ステアリルアルコール 5.0
ジプロピレングリコール 1.0
ベンジルアルコール 0.5
フェノキシエタノール 0.1
調製例1で得たオルガノポリシロキサン 2.5
高重合ジメチルポリシロキサン※2 0.5
グリセリン 5.0
ポリプロピレングリコール 2.5
ラノリン脂肪酸 0.5
ヒマワリ油 0.5
乳酸 1.5
香料 0.4
水酸化ナトリウム 適量
イオン交換水 残量
合計 100.0
※2 KF−96H 100000cs(信越化学工業(株))
【0060】
得られたヘアトリートメントは、濯ぎ時の滑らかさ、柔軟性、平滑性、及び乾燥後の滑らかさ、柔らか感、櫛通り感も良好であった。
【0061】
[実施例6]
下記組成のヘアトリートメント(pH4.0)を常法により調製した。
組成 %
ジメチルベヘンアミン 2.0
塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 0.3
ステアリルアルコール 4.5
ベヘニルアルコール 1.5
イソノナン酸イソノニル 0.5
調製例2で得られたオルガノポリシロキサン 2.0
高重合ジメチルポリシロキサン※2 1.0
アミノ変性オルガノポリシロキサン※3 0.5
グリコール酸 0.5
リンゴ酸 0.1
ジプロピレングリコール 3.0
ベンジルアルコール 0.3
アルギニン 0.2
パントテニルエチルエーテル 0.1
加水分解コンキオリン液(乾燥分3%) 0.05
オタネニンジンエキス(乾燥分3%) 0.05
ダイズエキス(乾燥分0.4%) 0.05
ユーカリエキス(乾燥分0.2%) 0.05
米胚芽油 0.05
香料 適量
メチルパラベン 適量
精製水 残量
合計 100.0
※2 KF−96H 100000cs(信越化学工業(株))
※3 KF−8004(信越化学工業(株))
【0062】
得られたヘアトリートメントは、濯ぎ時の滑らかさ、柔軟性、平滑性、及び乾燥後の滑らかさ、柔らか感、櫛通り感も良好であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(i)又は(ii)のオルガノポリシロキサンを含有する毛髪化粧料。
(i)主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも一つに、下記一般式(1)で表される置換基が結合してなるオルガノポリシロキサン
【化1】

(一般式(1)中、X及びYはそれぞれ独立に、炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、mは1〜4の整数であり、Zは下記一般式(2)で表される有機基を示す。)
【化2】

(一般式(2)中、Raは炭素数2〜12の2価の炭化水素基である。)
(ii)主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの別のケイ素原子に、下記一般式(1’)で表される置換基と、下記一般式(3)表される置換基とが、それぞれ結合してなるオルガノポリシロキサン
【化3】

(一般式(1’)中、Xはそれぞれ独立に、炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、Zは下記一般式(2)で表される有機基を示す。)
【化4】

(一般式(2)中、Raは炭素数2〜12の2価の炭化水素基である。)
【化5】

(一般式(3)中、X及びYはそれぞれ独立に、炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、nは0〜4の整数である。)
【請求項2】
オルガノポリシロキサンが上記(i)のオルガノポリシロキサンであり、下記平均組成式(4)で表される化合物である請求項1記載の毛髪化粧料。
【化6】

(式(4)中、Rは互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のフロロアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、及び炭素数7〜30のアラルキル基から選択される基であり、R10は請求項1に記載の一般式(1)で表される置換基であり、R11はR10及びRから選択される有機基であり、Aは下記一般式(5)
【化7】

(一般式(5)において、R及びR10は上記の通りであり、Qは酸素原子又は炭素数1〜3の2価の炭化水素基である。)
で表されるオルガノポリシロキサンセグメントであり、式(4)及び一般式(5)において、a、b及びcは互いに独立に0〜3の整数であり、eは0〜100の整数であり、fは0〜5,000の整数であり、gは0又は1の整数であり、hは0又は1の整数であり、iは0〜100の整数であり、jは0〜5,000の整数であり、但し、R11がR10である場合、1≦a+b+c+e+g+iであり、R11がRである場合、1≦a+b+c+e+iである。)
【請求項3】
オルガノポリシロキサンが上記(ii)のオルガノポリシロキサンであり、下記平均組成式(4’)で表される化合物である請求項2記載の毛髪化粧料。
【化8】

(式(4’)中、Rは互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のフロロアルキル基、炭素数6〜30のアリール基及び炭素数7〜30のアラルキル基から選択される基であり、R20は請求項1に記載の一般式(1’)又は(3)で表される置換基であり(ただし、結合するケイ素原子は同じではない。)、R21はR20及びRから選択される有機基であり、R20の少なくとも一つは一般式(1’)で表される置換基であり、少なくとも一つは一般式(3)で表される置換基である。Aは下記一般式(5’)
【化9】

(一般式(5’)において、R及びR20は上記の通りであり、Qは酸素原子又は炭素数1〜3の2価の炭化水素基である。)
で表されるオルガノポリシロキサンセグメントであり、式(4’)及び一般式(5’)において、a、b及びcは互いに独立に0〜3の整数であり、eは0〜100の整数であり、fは0〜5,000の整数であり、gは0又は1の整数であり、hは0又は1の整数であり、iは0〜100の整数であり、jは0〜5,000の整数であり、但し、R21がR20である場合、2≦a+b+c+e+g+iであり、R21がRである場合、2≦a+b+c+e+iである。)
【請求項4】
アミノ基を有するオルガノポリシロキサンと、環状酸無水物とを反応させることを特徴とする下記(i)又は(ii)のオルガノポリシロキサンの製造方法。
(i)主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも一つに、下記一般式(1)で表される置換基が結合してなるオルガノポリシロキサン
【化10】

(一般式(1)中、X及びYはそれぞれ独立に、炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、mは1〜4の整数であり、Zは下記一般式(2)で表される有機基を示す。)
【化11】

(一般式(2)中、Raは炭素数2〜12の2価の炭化水素基である。)
(ii)主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの別のケイ素原子に、下記一般式(1’)で表される置換基と、下記一般式(3)表される置換基とが、それぞれ結合してなるオルガノポリシロキサン
【化12】

(一般式(1’)中、Xはそれぞれ独立に、炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、Zは下記一般式(2)で表される有機基を示す。)
【化13】

(一般式(2)中、Raは炭素数2〜12の2価の炭化水素基である。)
【化14】

(一般式(3)中、X及びYはそれぞれ独立に、炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、nは0〜4の整数である。)

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−126648(P2012−126648A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−276572(P2010−276572)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】