説明

毛髪手入れ剤

本発明は、活性物質:
(A) 少なくとも1つの水不溶性、揮発性シリコーン;
(B) 少なくとも1つのカチオン性ポリマー;および
(C) ビタミンおよび/またはプロビタミンおよび/またはカチオン性誘導体化タンパク質加水分解物から成る群から選択される少なくとも1つのさらなるヘアケア物質
の組合せを含んで成る、人毛を手入れ、特にケアするための化粧用製剤に関する。本発明の活性物質組合せを含有する適当な製剤で毛髪を手入れすると、向上した毛髪コンディショニング効果が得られ、このことはとりわけ、湿潤および乾燥時の櫛通りの改善ならびに枝毛の減少によって明らかになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性物質の特定の組合せに基づく美容毛髪手入れ剤、特にヘアケア剤、枝毛を減少させる方法、ならびに毛髪手入れ剤における該活性物質組合せの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ヒトの頭髪は、髪をつややかにし、櫛通りよくすることを意図した種々の美容調製物で処置されている。しかし、種々の頭髪処置、例えば、脱色、染色、着色およびセットは、頭髪組織にダメージを与えうる。頭髪組織へのダメージは、頭髪の湿潤時および乾燥時櫛通りの悪さ、静電気の増加、もろさの増加、最大引裂力および破断点伸びの減少、枝毛、および全体的に悪化した頭髪外観によって認識される。
【0003】
これらの不満を減らすことは、例えば、カチオン性ポリマーまたは水不溶性、非揮発性シリコーン油に基づく組成物での頭髪のアフターケアによって一般に可能である。
特に頭髪のしなやかさおよび湿潤時および乾燥時櫛通りに関して、カチオン性ポリマーだけでは、満足のいくコンディショニング効果が必ずしも得られない。
一方、不溶性、非揮発性シリコーン油は、ヘアケア剤における優れたコンディショナーとして広く使用されているが、頭髪に、劣った、重い、べとついた感触を残す場合が多い。
【0004】
これらの理由から、ヘアケア剤においてこれら両成分を組み合わせて、正の効果を加え、短所を除去することを目的として、先行技術において多くの試みがなされた。例えば、EP 892631 B1において、特定のカチオン性ポリマー、不溶性シリコーンおよび特定の界面活性剤の組合せを含んで成り、より優れた頭髪のコンディショニングを可能にするコンディショニングシャンプーが提案された。同様の結果が、WO 92/10162 A1、WO 94/031515 A1およびWO 95/22311 A1から既知である。
【0005】
EP 1080 714 A1において、「2イン1」組成物が提案され、該組成物は、水溶性シリコーン、少なくとも1つのカチオン性ポリマーおよび少なくとも1つの界面活性剤を含んで成り、特にしなやかさおよび湿潤時および乾燥時櫛通りに関して、より優れたコンディショニング効果を有していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それにもかかわらず、外部からの影響および攻撃的美容処置、例えば、脱色、染色またはセットによって生じる毛髪ダメージを防止または減少させる毛髪手入れ剤が現在も必要とされている。特に、枝毛を有意に減少させるかまたは予防することができる製剤の製造が必要とされている。それと同時に、湿潤時および乾燥時櫛通りも向上させるべきである。
【0007】
シリコーン油を使用する場合、蓄積作用、即ち永続的負荷を、毛髪に与えず、シリコーン油がどのような非揮発性成分も含有しないことが特に重要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
意外にも、これらの条件をかなりの程度まで満たす活性物質の組合せが見出された。
本発明は、下記の活性物質の組合せを含んで成る美容毛髪手入れ剤に関する:
(A) 少なくとも1つの水不溶性、揮発性シリコーン;
(B) 少なくとも1つのカチオン性ポリマー;および
(C) ビタミンおよび/またはプロビタミンおよび/またはカチオン性誘導体化タンパク質加水分解物から成る群から選択される少なくとも1つのさらなるヘアケア物質。
【0009】
本発明に関して、水不溶性シリコーンは、20℃の水に対する溶解度が最高で0.5%であるシリコーンを意味するものと理解される。
本発明に関して、揮発性シリコーンは、完全に蒸発し、基材にどのような残留物も残さないシリコーンを意味するものと理解される。ペトリ皿上で60℃において、120分以内に10g試料の5〜90%が蒸発するシリコーンが好ましい。このような条件下に、10〜50%が蒸発するシリコーンが特に好ましい。
【0010】
好ましい本発明のシリコーン化合物は、式(I)によって示される:
【化1】

[式中、
xは、1〜10の数値を表し;
yは、1〜10の数値を表し;
Rは、2〜10個のC原子を有するアルキル基を表す]。
【0011】
特に好ましいシリコーン化合物は、xおよびyが1の数値を表す式(I)の化合物である。
本発明に関して、特に好ましいシリコーン成分は、化合物ヘキシルメチコンおよびカプリリルメチコンであり、それらは、例えば、SilCare 41M10およびSilCare 41M15の商品名でClariantから商業的に入手可能である。
【0012】
シリコーン成分は、本発明の製剤中に通例、製剤の総重量に基づいて0.001〜20wt%、好ましくは0.1〜10wt%、特に0.5〜2wt%の量で使用される。
【0013】
本発明に関して、好ましいカチオン性ポリマーは、例えば、以下のものである:カチオン性セルロース誘導体、例えば、商品名Polymer JR(登録商標)400でAmercholから入手可能な四級化ヒドロキシエチルセルロース、カチオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドとのコポリマー、四級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、例えばLuviquat(登録商標)(BASF)、ポリグリコールとアミンとの縮合生成物、四級化コラーゲンポリペプチド、例えばラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(Lamequat(登録商標)L/Gruenau)、四級化小麦ポリペプチド、ポリエチレンイミン、カチオン性シリコーンポリマー、例えばアミドメチコン、アジピン酸とジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンとのコポリマー(Cartaretine(登録商標)/Sandoz)、アクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマー(Merquat(登録商標)550/Chemviron)、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー(Merquat(登録商標)100)、ポリアミノポリアミド(例えば、FR A 2252840に記載)ならびにそれらの架橋水溶性ポリマー、カチオン性キチン誘導体、例えば、任意に微結晶分散した四級化キトサン、ジハロアルキレン(例えばジブロモブタン)とビス−ジアルキルアミン(例えばビス−ジメチルアミノ−1,3−プロパン)との縮合生成物、カチオン性グアールガム、例えば、Celanese社のJaguar(登録商標)CBS、Jaguar(登録商標)C−17、Jaguar(登録商標)C−16、四級化アンモニウム塩のポリマー、例えば、Miranol社のMirapol(登録商標)A−15、Mirapol(登録商標)AD−1、Mirapol(登録商標)AZ-1。
【0014】
特に好ましいカチオン性ポリマーは、カチオン性グアール誘導体、カチオン性セルロース誘導体、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー、ならびにジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリルアミドとのコポリマーである。
【0015】
カチオン性ポリマーは、本発明の製剤中に通例、製剤の総重量に基づいて0.001〜20wt%、好ましくは0.01〜5wt%、特に0.1〜2wt%の量で使用される。
【0016】
本発明の第一の好ましい態様において、ビタミンおよび/またはプロビタミンおよび/またはこれらの物質の生理学的に許容される誘導体を、ヘアケア成分(C)として使用する。
【0017】
本発明によれば、A、B、C、E、FおよびH群に一般に分類されるビタミン、プロビタミンおよびビタミン先駆物質が好ましい。
【0018】
ビタミンAと称される物質群には、レチノール(ビタミンA1)ならびに3,4−ジデヒドロレチノール(ビタミンA2)が属する。β−カロテンは、レチノールのプロビタミンである。本発明による好適なビタミンA成分の例は、ビタミンA酸およびそのエステル、ビタミンAアルデヒド、およびビタミンAアルコールおよびそのエステル、例えばパルミチン酸エステルおよび酢酸エステルである。本発明に使用される製剤は、ビタミンA成分を、製剤全体に基づいて0.05〜1wt%の量で含有するのが好ましい。
【0019】
ビタミンB群またはビタミンB複合体は、下記のものを特に包含する:
ビタミンB1(チアミン);
ビタミンB2(リボフラビン);
ビタミンB3: 化合物ニコチン酸およびニコチンアミドは、この分類に含まれることが多い。本発明によれば、ニコチンアミドが好ましく、本発明に使用される製剤中に、製剤全体に基づいて0.05〜1wt%の量で含まれる;
ビタミンB5(パントテン酸、パンテノールおよびパントラクトン): この群に関して、パンテノールおよび/またはパントラクトンを使用するのが好ましい。本発明に使用可能なパンテノール誘導体は、特に、パンテノールのエステルおよびエーテル、ならびにカチオン性誘導体化パンテノールである。特定の例は、例えば、パンテノールトリアセテート、パンテノールモノエチルエーテルおよびそのモノアセテート、ならびにWO 92/13829に開示されているカチオン性パンテノール誘導体である。上記のビタミンB5型の化合物は、本発明に使用される製剤中に、製剤全体に基づいて0.05〜10wt%の量で含まれる。0.1〜5wt%の量が特に好ましい。
ビタミンB6(ピリドキシンならびにピリドキサミンおよびピリドキサル)。
【0020】
ビタミンC(アスコルビン酸): ビタミンCは、本発明に使用される製剤に、製剤全体に基づいて0.1〜3wt%の量で添加するのが好ましい。パルミチン酸エステル、グルコシドまたはホスフェートの形態での使用が好ましい。トコフェロールと組み合わせての使用が好ましい場合もある。
【0021】
ビタミンE(トコフェロール、特にα−トコフェロール): トコフェロールおよびその誘導体、特にエステル、例えば、酢酸エステル、ニコチン酸エステル、燐酸エステル、琥珀酸エステルを、本発明の製剤中に、製剤全体に基づいて好ましくは0.05〜1wt%の量で使用する。
【0022】
ビタミンF: 「ビタミンF」という用語は、必須脂肪酸、特に、リノール酸、リノレン酸およびアラキドン酸を一般に意味する。
【0023】
ビタミンH: 化合物(3aS,4S,6aR)−2−オキソヘキサヒドロチエノール[3,4−d]−イミダゾール−4−吉草酸は、ビタミンHを意味し、慣用名ビオチンが認められている。本発明に使用される製剤は、ビオチンを、0.0001〜1.0wt%、特に0.001〜0.01wt%の量で含有するのが好ましい。
【0024】
本発明に使用される製剤は、A、B、EおよびH群からのビタミン、プロビタミンおよびビタミン先駆物質を含んで成るのが好ましい。当然、複数のビタミンおよびビタミン先駆物質を同時に含んで成ってもよい。
パントラクトン、ピリドキシンおよびその誘導体ならびにニコチンアミドおよびビオチン、特にパンテノールおよびその生理学的に許容される誘導体が、特に好ましい。
【0025】
本発明の第二の好ましい態様によれば、カチオン性誘導体化タンパク質加水分解物を、ヘアケア成分(C)として使用する。
【0026】
本発明によれば、動物性の、例えばコラーゲン、ミルクまたはケラチン由来のタンパク質加水分解物、植物性の、例えば小麦、トウモロコシ、米、ポテト、ダイズまたはアーモンド由来のタンパク質加水分解物、海洋生物性の、例えば魚コラーゲンまたは藻類由来のタンパク質加水分解物、または生物工学的に得られるタンパク質加水分解物が考慮に入れられる。
【0027】
タンパク質加水分解物に基づく本発明のカチオン性誘導体は、化学的、特にアルカリまたは酸加水分解によって、酵素加水分解によって、および/または両加水分解の組合せによって、対応するタンパク質から得られる。タンパク質の加水分解は、分子量分布約100ダルトン〜数千ダルトンのタンパク質加水分解物を一般に生じる。分子量100〜25000ダルトン、好ましくは250〜5000ダルトンのタンパク質に基づくカチオン性タンパク質加水分解物が好ましい。さらに、カチオン性タンパク質加水分解物は、四級化アミノ酸およびそれらの混合物を包含するものと理解される。タンパク質加水分解物またはアミノ酸の四級化は、四級アンモニウム塩、例えば、N,N−ジメチル−N(n−アルキル)−N−(2−ヒドロキシ−3−クロロ−n−プロピル)アンモニウムハライドを使用して行なわれる場合が多い。さらに、カチオン性タンパク質加水分解物をさらに誘導体化することもできる。
【0028】
本発明のカチオン性タンパク質加水分解物および誘導体の一般的な例は、商業的に入手可能な生成物および「International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook」(第7版、1997、The Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association 1101 17th Street, N.W., Suite 300, Washinton, DC 20036−4702)に記載されている化合物である:
【0029】
ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解カゼイン、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解毛髪ケラチン、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解ケラチン、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解米タンパク質、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解絹、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解大豆タンパク質、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解小麦タンパク質、ココジモニウムヒドロキシプロピル絹アミノ酸、
【0030】
ヒドロキシプロピルアルギニンラウリル/ミリスチルエーテルHCl、ヒドロキシプロピルトリモニウムゼラチン、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解カゼイン、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解コラーゲン、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解コンキオリンタンパク質、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解ケラチン、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解米糠タンパク質、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解絹、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解大豆タンパク質、ヒドロキシプロピル加水分解植物性タンパク質、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解小麦タンパク質、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解小麦タンパク質/シロキシシリケート、
【0031】
ラウルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解大豆タンパク質、ラウルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解小麦タンパク質、ラウルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解小麦タンパク質/シロキシシリケート、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解カゼイン、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解ケラチン、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解絹、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解大豆タンパク質、
【0032】
ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解カゼイン、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解ケラチン、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解米タンパク質、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解絹、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解大豆タンパク質、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解植物性タンパク質、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解小麦タンパク質、ステアルトリモニウムヒドロキシエチル加水分解コラーゲン、
【0033】
クオタニウム−76加水分解コラーゲン、クオタニウム−79加水分解コラーゲン、クオタニウム−79加水分解ケラチン、クオタニウム−79加水分解ミルクタンパク質、クオタニウム−79加水分解絹、クオタニウム−79加水分解大豆タンパク質、クオタニウム−79加水分解小麦タンパク質。
【0034】
ケラチン、コラーゲン、エラスチン、大豆、ミルク、小麦、絹およびアーモンドのカチオン性タンパク質加水分解物および誘導体が極めて好ましく、例えば、商品名Gluadin WQでCognisから入手可能なヒドロキシプロピル加水分解小麦タンパク質が特に好ましい。
【0035】
本発明の製剤は、タンパク質加水分解物およびそれらの誘導体を、製剤全体に基づいて0.01〜10wt%の量で含有する。
0.1〜5wt%、特に0.1〜3wt%の量が特に好ましい。
【0036】
本発明の第三の好ましい態様において、ビタミンまたはプロビタミンおよびカチオン性誘導体化タンパク質加水分解物の混合物を成分(C)として使用する。
【0037】
本発明による特に好ましい成分(C)の混合物は、パンテノールまたは生理学的に許容されるパンテノール誘導体と、ヒドロキシプロピル加水分解小麦タンパク質との混合物である。
【0038】
本発明によれば、本発明の製剤中の成分(C)の総含有量は、製剤の総重量に基づいて0.01〜10wt%、特に0.1〜5wt%である。
【0039】
本発明によれば、本発明の活性物質組合せは、使用後に毛髪からすすぎ落とされる毛髪手入れ剤、および毛髪に残される毛髪手入れ剤の両方に使用することができる。
【0040】
使用後に毛髪からすすぎ落とされる例示的製剤は、シャンプー、リンスおよびコンディショナーならびにセット剤および染毛剤である。毛髪に残される例示的製品は、セットローション、ディープコンディショナーおよびヘアドライヤーウェービング製剤である。製剤の種類に応じて、本発明の必須成分の他に、特定用途用の好適な通常の添加剤および補助剤を使用することができる。
【0041】
本発明の好ましい態様において、活性物質の組合せを、シャンプーとして調合する。
水賦形剤に加えて、シャンプーは、通常のアニオン性、ノニオン性、カチオン性、両性および/または双性イオン性界面活性剤、真珠光沢剤、芳香成分、pH調節剤、色素、保存剤、任意の油ならびに粘度調整剤を含有する。
【0042】
本発明の製剤に好適なアニオン界面活性剤は、人体における使用に好適な全てのアニオン界面活性物質である。それらは、水可溶化アニオン基、例えば、カルボキシレート、スルフェート、スルホネートまたはホスフェート基、および約8〜30個のC原子を有する親油性アルキル基を特徴とする。それに加えて、分子は、グリコールまたはポリグリコールエーテル基、エステル、エーテルおよびアミド基ならびにヒドロキシル基も有しうる。例示的な好適アニオン界面活性剤は、それぞれ、ナトリウム、カリウムおよびアンモニウム塩ならびにアルカノール基に2〜4個のC原子を有するモノ、ジおよびトリアルカノールアンモニウム塩の形態である下記物質である:
【0043】
− 8〜30個のC原子を有する直鎖および分岐鎖脂肪酸(石鹸);
− 式R−O−(CH2−CH2O)x−CH2−COOH[式中、Rは8〜30個のC原子を有する直鎖アルキル基であり、xは0または1〜16である]で示されるエーテルカルボン酸;
− アシル基に8〜24個のC原子を有するアシルサルコシド;
− アシル基に8〜24個のC原子を有するアシルタウリド;
− アシル基に8〜24個のC原子を有するアシルイセチオネート;
− アルキル基に8〜24個のC原子を有するスルホ琥珀酸モノおよびジアルキルエステル、およびアルキル基に8〜24個のC原子を有し、1〜6個のオキシエチレン基を有するスルホ琥珀酸モノ−アルキルポリオキシエチルエステル;
− 8〜24個のC原子を有する直鎖アルカンスルホネート;
− 8〜24個のC原子を有する直鎖α−オレフィンスルホネート;
− 8〜30個のC原子を有する脂肪酸のα−スルホ脂肪酸メチルエステル;
【0044】
− 式R−(OCH2−CH2xOSO3H[式中、Rは、好ましくは、8〜30個のC原子を有する直鎖アルキル基であり、xは0または1〜12である]で示されるアルキルスルフェートおよびアルキルポリグリコールエーテルスルフェート;
− DE−A−3725030による界面活性ヒドロキシスルホネートの混合物;
− DE−A−3723354による硫酸化ヒドロキシアルキルポリエチレンおよび/またはヒドロキシアルキレンプロピレングリコールエーテル;
− DE−A−3926344による8〜24個のC原子および1〜6個の二重結合を有する硫酸化不飽和脂肪酸;
− 酒石酸およびクエン酸とアルコール(8〜22個のC原子を有する脂肪アルコールへの約2〜15分子のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの付加生成物である)とのエステル;
【0045】
− 式(II)で示されるアルキルおよび/またはアルケニルエーテルホスフェート:
【化2】

[式中、
R29は、好ましくは、8〜30個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基を表し;
R30は、水素、基(CH2CH2O)nR29またはXを表し;
nは、1〜10の数値を表し;
Xは、水素、アルカリまたはアルカリ土類金属またはNR31R32R33R34を表し、ここで、R31〜R34は、互いに独立して、C1〜C4炭化水素基を表す];
【0046】
− DE−OS 19736906.5に記載されているような、式(III)で示される硫酸化脂肪酸アルキレングリコールエステル:
R35CO(AlkO)nSO3M (III)
[式中、
R35COは、6〜22個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖、脂肪族、飽和および/または不飽和アシル基を表し;
Alkは、CH2CH2、CHCH3CH2および/またはCH2CHCH3を表し;
nは、0.5〜5を表し;
Mは、カチオンを表す];
【0047】
− 例えばEP−B1−0561825、EP−B1−0561999、DE−A1 4204700またはA.K. Biswasら、J. Am. Oil Chem. Soc. 37, 171(1960)およびF.U. Ahmed, J. Am. Oil. Chem. Soc. 67, 8(1990)に記載されている、式(IV)で示されるモノグリセリドスルフェートおよびモノグリセリドエーテルスルフェート:
【化3】

[式中、
R36COは、6〜22個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アシル基を表し;
x、yおよびzは、合計0であるか、または1〜30、好ましくは2〜10の数値を表し;
Xは、アルカリまたはアルカリ土類金属を表す]。
【0048】
本発明に関して、好適なモノグリセリド(エーテル)スルフェートの典型的な例は、ラウリン酸モノグリセリド、ココ脂肪酸モノグリセリド、パルミチン酸モノグリセリド、ステアリン酸モノグリセリド、オレイン酸モノグリセリドおよび獣脂脂肪酸モノグリセリドならびにそれらのエチレンオキシド付加物と、三酸化硫黄またはクロロスルホン酸との反応生成物で、ナトリウム塩の形態のものである。好ましくは、R36COが8〜18個の炭素原子を有する直鎖アシル基を表す式(IV)のモノグリセリドスルフェートを使用する。
【0049】
好ましいアニオン界面活性剤は、アルキル基に10〜18個のC原子および分子中に12個までのグリコールエーテル基を有する、アルキルスルフェート、アルキルポリグリコールエーテルスルフェートおよびエーテルカルボン酸;および、アルキル基に8〜18個のC原子を有するスルホ琥珀酸モノおよびジアルキルエステル;および、アルキル基に8〜18個のC原子を有し、1〜6個のオキシエチレン基を有するスルホ琥珀酸モノ−アルキルポリオキシエチルエステルである。
【0050】
双性イオン性界面活性剤は、分子中に少なくとも1個の四級アンモニウム基および少なくとも1個の−COO(−)または−SO3(−)基を有する界面活性化合物を意味する。特に好適な双性イオン性界面活性剤は、いわゆるベタイン、例えば、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、ココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N−アシルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、ココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート、および2−アルキル−3−カルボキシメチル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリン(それぞれ、アルキル基またはアシル基に8〜18個の炭素原子を有する)、ならびにココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。好ましい双性イオン性界面活性剤は、INCI名ココアミドプロピルベタインとして既知の脂肪酸アミド誘導体である。
【0051】
両性界面活性剤は、C8〜C24アルキルまたはアシル基に加えて、少なくとも1個の遊離アミノ基および少なくとも1個のCOOHまたはSO3H基を分子中に有し、分子内塩を形成することができる界面活性化合物を包含するものと理解される。好適な両性界面活性剤の例は、N−アルキルグリシン、N−アルキルプロピオン酸、N−アルキルアミノ酪酸、N−アルキルイミノジプロピオン酸、N−ヒドロキシエチル−N−アルキルアミドプロピルグリシン、N−アルキルタウリン、N−アルキルサルコシン、2−アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸(各アルキル基に約8〜24個のC原子を有する)である。特に好ましい両性界面活性剤は、N−ココアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネートおよびC12〜C18アシルサルコシンである。
【0052】
ノニオン界面活性剤は、例えば、ポリオール基、ポリアルキレングリコールエーテル基、またはポリオール基およびポリグリコールエーテル基の組合せを、親水基として有する。例示的化合物は、以下のものである:
【0053】
− 8〜30個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖脂肪アルコール、8〜30個の炭素原子を有する脂肪酸、およびアルキル基に8〜15個の炭素原子を有するアルキルフェノールへの、エチレンオキシド2〜50モルおよび/またはプロピレンオキシド0〜5モルの付加生成物;
− 8〜30個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖脂肪アルコール、8〜30個の炭素原子を有する脂肪酸、およびアルキル基に8〜15個の炭素原子を有するアルキルフェノールへの、エチレンオキシド2〜50モルおよび/またはプロピレンオキシド0〜5モルの付加生成物で、メチルまたはC2〜C6アルキル基で末端ブロックしたもの、例えば商業的に入手可能なDehydol(登録商標)LS、Dehydol(登録商標)LT(Cognis);
− グリセリンへのエチレンオキシド1〜30モルの付加生成物の、C12〜C30脂肪酸モノおよびジエステル;
− ヒマシ油および/または水素化ヒマシ油への、エチレンオキシド5〜60モルの付加生成物;
【0054】
− 脂肪酸のポリオールエステル、例えば、市販生成物Hydagen(登録商標)HSP(Cognis)またはSovermol種(Cognis);
− アルコキシル化トリグリセリド;
− 式(V)で示される脂肪酸のアルコキシル化アルキルエステル:
R37CO-(OCH2CH2R38)WOR39 (V)
[式中、
R37COは、6〜22個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖、脂肪族、飽和および/または不飽和アシル基を表し;
R38は、水素またはメチルを表し;
R39は、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル基を表し;
wは、1〜20の数値を表す];
【0055】
− アミンオキシド;
− 例えばDE−OS19738866に開示されているような、混合ヒドロキシエーテル;
− 脂肪酸のソルビトールエステル、および脂肪酸のソルビトールエステルへのエチレンオキシドの付加生成物、例えば、ポリソルベート;
− 脂肪酸の糖エステル、および脂肪酸の糖エステルへのエチレンオキシドの付加生成物;
− 脂肪酸アルカノールアミドおよび脂肪アミンへの、エチレンオキシドの付加生成物;
− 脂肪酸N−アルキルグルカミド;
【0056】
− 一般式RO−(Z)x[式中、Rはアルキルを表し、Zは糖を表し、xは糖単位の数を表す]で示されるアルキルポリグリコシド。本発明に使用されるアルキルポリグリコシドは、ある特定のアルキル基だけを有しうる。しかし、通常、これらの化合物は天然油脂または鉱油から製造される。その場合、アルキル基Rは、出発化合物または処理された各化合物に対応する混合物として存在する。
【0057】
Rが下記のものから成るアルキルポリグリコシドが特に好ましい:
− 基本的にC8〜C10アルキル基;
− 基本的にC12〜C14アルキル基;
− 基本的にC8〜C16アルキル基;
− 基本的にC12〜C16アルキル基;または
− 基本的にC16〜C18アルキル基。
【0058】
あらゆる単糖またはオリゴ糖を、糖構成ブロックとして使用できる。一般に、5または6個の炭素原子を有する糖、ならびに対応するオリゴ糖を使用する。そのような糖は、例えば、グルコース、フルクトース、ガラクトース、アラビノース、リボース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、マンノース、グロース、イドース、タロースおよびスクロースである。好ましい糖構成ブロックは、グルコース、フルクトース、ガラクトース、アラビノースおよびスクロースであり、グルコースが特に好ましい。
【0059】
本発明に使用されるアルキルポリグリコシドは、平均1.1〜5個の糖単位を有する。xの値が1.1〜2.0のアルキルポリグリコシドが好ましい。xの値が1.1〜1.8のアルキルポリグリコシドが特に好ましい。
【0060】
前記アルキルポリグリコシドのアルコキシル化同族体を本発明に使用することができる。これらの同族体は、アルキルグリコシド単位1個につき、平均10個までのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド単位を有することができる。
【0061】
脂肪アルコールまたは脂肪酸1モルにつきエチレンオキシド2〜30モルを有する、飽和直鎖脂肪アルコールおよび脂肪酸へのアルキレンオキシド付加生成物が、好ましいノニオン性界面活性剤であることがわかった。エトキシル化グリセリンの脂肪酸エステルをノニオン性界面活性剤として含有する場合も、優れた特性を有する製剤が得られる。
【0062】
これらの化合物は、下記のパラメーターによって特徴づけられる。アルキル基は6〜22個の炭素原子を有し、直鎖でも分岐鎖でもよい。第一級直鎖脂肪族基、および2位でメチル分岐している脂肪族基が好ましい。そのようなアルキル基は、例えば、1−オクチル、1−デシル、1−ラウリル、1−ミリスチル、1−セチルおよび1−ステアリルである。1−オクチル、1−デシル、1−ラウリル、1−ミリスチルが特に好ましい。いわゆる「オキソアルコール」を出発物質として使用する場合、アルキル鎖に奇数の炭素原子を有する化合物が主に生成する。
【0063】
界面活性剤として使用されるアルキル基を有する化合物に関して、それらはそれぞれ純粋物質であってよい。しかし、これらの物質の製造のために天然植物性または動物性原材料を出発物質とするのが一般に好ましく、その結果、各原材料に依存して種々のアルキル鎖長を有する物質の混合物が得られる。
【0064】
脂肪アルコールへのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの付加生成物、またはこれらの付加生成物の誘導体である物質に関して、「標準」同族体分布を有する生成物、および狭い同族体分布を有する生成物のいずれを使用してもよい。「標準」同族体分布という用語は、アルカリ金属、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属アルコラートを触媒として使用した、脂肪アルコールとアルキレンオキシドとの反応から得られる同族体の混合物を意味するものと理解される。これに対して、例えば、ハイドロタルサイト、エーテルカルボン酸のアルカリ土類金属塩、アルカリ土類金属酸化物、水酸化物またはアルコラートを触媒として使用した場合に、狭い同族体分布が得られる。狭い同族体分布を有する生成物を使用することが好ましい場合がある。
【0065】
界面活性剤は、製剤全体に基づいて0.1〜45wt%、好ましくは1〜30wt%、特に好ましくは1〜15wt%の量で使用される。
好ましい態様において、ノニオン性、双性イオン性および/または両性界面活性剤ならびにそれらの混合物を使用しうる。
【0066】
本発明によれば、四級アンモニウム化合物、エステルクアット(esterquat)およびアミドアミン型のカチオン性界面活性剤も好ましい。好ましい四級アンモニウム化合物は、アンモニウムハロゲン化物、特に塩化物および臭化物、例えば、アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリドおよびトリアルキルメチルアンモニウムクロリド、例えば、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリドおよびトリセチルメチルアンモニウムクロリド、ならびにINCI名クオタニウム−27およびクオタニウム−83として既知のイミダゾリウム化合物である。前記界面活性剤の長いアルキル鎖は、好ましくは10〜18個の炭素原子を有する。
【0067】
エステルクアットは、少なくとも1個のエステル官能基、および四級アンモニウム基の両方を構成成分として含んで成る既知の化合物である。好ましいエステルクアットは、脂肪酸とトリエタノールアミンとの四級化エステル塩、脂肪酸とジエタノールアルキルアミンとの四級化エステル塩、および脂肪酸と1,2−ジヒドロキシプロピルジアルキルアミンとの四級化エステル塩である。そのような生成物は、例えば、商品名Stepantex(登録商標)、Dehyquart(登録商標)およびArmocare(登録商標)で市販されている。Armocare(登録商標)VGH−70、N,N−ビス(2−パルミトイルオキシエチル)ジメチルアンモニウムクロリド、ならびにDehyquart(登録商標)F−75、Dehyquart(登録商標)C−4046、Dehyquart(登録商標)L80およびDehyquart(登録商標)AU35は、そのようなエステルクアットの例である。
【0068】
アルキルアミドアミンは、ジアルキルアミノアミンを使用する天然または合成脂肪酸および脂肪酸画分のアミド化によって一般に製造される。本発明によれば、この物質群の特に好適な化合物は、Tegoamid(登録商標)S 18の名称で商業的に入手可能なステアラミドプロピルジメチルアミンである。
【0069】
本発明に使用される製剤は、カチオン性界面活性剤を、製剤全体に基づいて0.05〜10wt%の量で含有するのが好ましい。0.1〜5wt%の量が特に好ましい。
【0070】
本発明のさらに好ましい態様において、本発明の有効成分の作用を乳化剤によって増強させることができる。例示的乳化剤は以下のものである:
− 8〜22個の炭素原子を有する直鎖脂肪アルコール、12〜22個の炭素原子を有する脂肪酸、およびアルキル基に8〜15個の炭素原子を有するアルキルフェノールへの、エチレンオキシド4〜30モルおよび/またはプロピレンオキシド0〜5モルの付加生成物;
− 3〜6個の炭素原子を有するポリオール、特にグリセリンへの、エチレンオキシド1〜30モルの付加生成物の、C12〜C22脂肪酸モノおよびジエステル;
− メチルグルコシド脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミドおよび脂肪酸グルカミドへの、エチレンオキシドおよびポリグリセリン付加生成物;
− オリゴマー化度が1.1〜5、特に1.2〜2.0であり、糖成分としてグルコースが好ましい、C8〜C22アルキルモノおよびオリゴグリコシドおよびそれらのエトキシル化類似体;
− アルキル(オリゴ)グルコシドと脂肪アルコールとの混合物、例えば、市販生成物Montanov(登録商標)68;
− ヒマシ油および水素化ヒマシ油へのエチレンオキシド5〜60モルの付加生成物;
− 3〜6個の炭素原子を有するポリオールと、8〜22個のC原子を有する飽和脂肪酸との部分エステル;
【0071】
− ステロール。ステロールは、ステロイド骨格の炭素原子3上にヒドロキシル基を有し、動物組織(動物ステロール)および植物脂肪(植物ステロール)の両方から分離される、ステロイドの群を意味するものと理解される。動物ステロールの例は、コレステロールおよびラノステロールである。好適な植物ステロールの例は、エルゴステロール、スチグマステロールおよびシトステロールである。真菌および酵母からもステロールが分離される(いわゆる菌類ステロール);
− 燐脂質。以下に、主としてグルコース−燐脂質は、例えばレシチンまたはホスファチジルコリンとして、例えば卵黄または植物種子(例えば大豆)から得られるものと理解される;
− 糖および糖アルコール、例えばソルビトール、ポリグリセリンおよびポリグリセリン誘導体の、脂肪酸エステル、例えば、ポリグリセリンポリ12−ヒドロキシステアレート(市販生成物Dehymuls(登録商標)PGPH);
− 8〜30個のC原子を有する直鎖および分岐鎖脂肪酸、およびそれらのNa、K、アンモニウム、Ca、MgおよびZn塩。
【0072】
本発明の製剤は、乳化剤を、製剤全体に基づいて0.1〜25wt%、特に0.5〜15wt%の量で含有するのが好ましい。
【0073】
例示的真珠光沢化ワックスは以下のものを包含する:アルキレングリコールエステル;脂肪酸アルカノールアミド;部分グリセリド;多官能性の、任意にヒドロキシ置換されたカルボン酸と、6〜22個の炭素原子を有する脂肪アルコールとのエステル;合計少なくとも24個の炭素原子を有する脂肪、例えば、脂肪アルコール、脂肪ケトン、脂肪アルデヒド、脂肪エーテルおよび脂肪カーボネート;12〜22個の炭素原子を有する脂肪アルコールおよび/または2〜15個の炭素原子および2〜10個のヒドロキシル基を有するポリオールによる、12〜22個の原子を有するオレフィンエポキシドの開環生成物、ならびにそれらの混合物。
【0074】
例示的油は以下のものを包含する:6〜18個、好ましくは8〜10個の炭素原子を有する脂肪アルコールに基づくゲルベアルコール、直鎖C6〜C22脂肪酸と直鎖アルコールとのエステル、分岐鎖C6〜C13カルボン酸と直鎖C6〜C22脂肪アルコールとのエステル、直鎖C6〜C22脂肪酸と分岐鎖アルコール、特に2−エチルヘキサノールとのエステル、直鎖および/または分岐鎖脂肪酸とポリヒドロキシアルコール(例えば、プロピレングリコール、ダイマージオールまたはトリマートリオール)および/またはゲルベアルコールとのエステル、C6〜C10脂肪酸に基づくトリグリセリド、C6〜C18脂肪酸に基づく液体モノ−/ジ−/トリグリセリド混合物、C6〜C22脂肪アルコールおよび/またはゲルベアルコールと芳香族カルボン酸、特に安息香酸とのエステル、植物油、分岐鎖第一級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖C6〜C22脂肪アルコールカーボネート、ゲルベカーボネート、安息香酸と直鎖および/または分岐鎖C6〜C22アルコールとのエステル(例えばFinsolv(登録商標)TN)、ジアルキルエーテル、エポキシ化脂肪酸エステルのポリオールによる開環生成物、シリコーン油および/または脂肪族もしくはナフテン系炭化水素。
【0075】
本発明の他の好ましい態様において、活性物質の組合せを、ヘアリンスとして製剤化する。
賦形剤の水に加えて、ヘアリンスは、四級アンモニウム化合物(先に記載)、脂肪アルコール、増粘剤、乳化剤、可溶化剤、粘度調整剤および香油を含んで成る。
【0076】
本発明のさらなる好ましい態様において、活性物質の組合せを、セットローションとして製剤化する。
賦形剤の水に加えて、セットローションは、低級アルコール、界面活性剤、好ましくはノニオン性界面活性剤(先に記載)、安定剤、カチオン性、ノニオン性および/またはアニオン性ポリマー、pH調節剤、ならびに、配合フォームセットローションの場合に発泡剤を含んで成る。
【0077】
本発明の活性物質組合せの作用を増強させることができるアニオン性ポリマーは、カルボキシレートおよび/またはスルホネート基を有するアニオン性ポリマーに対応する。そのようなポリマーを製造することができる例示的アニオン性モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、無水マレイン酸および2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸である。この場合、酸性基は、完全にまたは部分的に、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノまたはトリエタノールアンモニウム塩として存在しうる。好ましいモノマーは、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびアクリル酸である。
【0078】
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸だけか、またはそれをコモノマーとして含んで成るアニオン性ポリマーは、特に有効であることがわかった;スルホン酸基は、完全にまたは部分的に、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノまたはトリエタノールアンモニウム塩として存在しうる。
例えば商品名Rheothik(登録商標)11−80として商業的に入手可能な2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のホモポリマーが特に好ましい。
【0079】
この態様において、少なくとも1つのアニオン性モノマーと少なくとも1つのノニオン性モノマーとのコポリマーを使用することが好ましい場合がある。アニオン性モノマーに関しては、上記の物質が参照される。好ましいノニオン性モノマーは、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルピロリドン、ビニルエーテルおよびビニルエステルである。
【0080】
好ましいアニオン性コポリマーは、アクリル酸−アクリルアミドコポリマー、および特に、スルホン酸基を含有するモノマーとのポリアクリルアミドコポリマーである。特に好ましいアニオン性コポリマーは、70〜55mol%アクリルアミドおよび30〜45mol%2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸から成り、それにおいて、スルホン酸基は、完全にまたは部分的に、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノまたはトリエタノールアンモニウム塩として存在しうる。このコポリマーは架橋していてもよく、その場合、好ましい架橋剤は、ポリオレフィン性不飽和化合物、例えば、テトラアリルオキシエタン、アリルスクロース、アリルペンタエリトリトールおよびメチレンビスアクリルアミドを包含する。そのようなポリマーは、SEPPIC社の市販生成物Sepigel(登録商標)305に含まれている。ポリマー成分に加えて、炭化水素(C13〜C14イソパラフィン)とノニオン性乳化剤(ラウレス−7)の混合物を含んで成るこの配合物の使用は、本発明に特に有利であることがわかった。
【0081】
商品名Simulgel(登録商標)600で、イソヘキサデカンおよびポリソルベート80との配合物として市販されているナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマーも、本発明に特に有効であることがわかった。
【0082】
同じく好ましいアニオン性ホモポリマーは、非架橋および架橋ポリアクリル酸である。この場合、好ましい架橋剤は、ペンタエリトリトール、スクロースおよびプロピレンのアリルエーテルであってよい。そのような化合物は、例えばCarbopol(登録商標)の商品名で商業的に入手可能である。
【0083】
無水マレイン酸とメチルビニルエーテルとのコポリマー、特に架橋を有する該コポリマーは、色保存ポリマーでもある。1,9−デカジエンで架橋されたマレイン酸−メチルビニルエーテルコポリマーは、商品名Stabileze(登録商標)QMで商業的に入手可能である。
【0084】
さらに、両性ポリマーをポリマー成分として使用して、本発明の活性物質の作用を増加させることができる。両性ポリマーという用語は、その分子が遊離アミノ基および遊離−COOHまたはSO3H基の両方を有し、分子内塩を形成しうるポリマーだけでなく、その分子が四級アンモニウム基および−COOまたは−SO3基を有する双性イオン性ポリマー、および−COOHまたはSO3H基および四級アンモニウム基を含有するポリマーを包含する。
【0085】
本発明に使用しうる両性ポリマーの例は、商品名Amphomer(登録商標)で得られるアクリル樹脂であり、これは、tert−ブチルアミノエチルメタクリレート、N−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アクリルアミド、ならびにアクリル酸、メタクリル酸およびそれらの単純エステルから成る群からの2つまたはそれ以上のモノマーのコポリマーである。
【0086】
本発明に使用しうる他の両性ポリマーは、英国特許出願第2104091号、ヨーロッパ特許出願第47714号、ヨーロッパ特許出願第217274号、ヨーロッパ特許出願第283817号、およびドイツ特許公開第2817369号に記載されている化合物である。
【0087】
使用するのが好ましい両性ポリマーは、基本的に下記のものから構成されるポリマーである:
a) 一般式(VI)で示される四級アンモニウム基を有するモノマー:
R22-CH=CR23-CO-Z-(CnH2n)-N(+)R24R25R26A(-) (VI)
[式中、
R22およびR23は、互いに独立して、水素またはメチル基を表し;
R24、R25およびR26は、互いに独立して、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し;
Zは、NH−基または酸素原子を表し;
nは、2〜5の整数を表し;
A(−)は、有機または無機酸のアニオンである];および
b) 一般式(VII)で示されるカルボン酸のモノマー:
R2-CH=CR28-COOH (VII)
[式中、R27およびR28は、互いに独立して、水素またはメチル基を表す]。
【0088】
本発明によれば、これらの化合物は、そのままでも塩形態(例えばアルカリ水酸化物でのポリマーの中和によって得られる)でも使用することができる。これらのポリマーの製造の詳細については、ドイツ特許公開第3929973号の内容が特に参照される。特に好ましいのは、R24、R25およびR26がメチル基であり、ZがNH−基であり、A(−)がハロゲン化物、メトキシスルフェートまたはエトキシスルフェートイオンである(a)型のモノマーを組み込んでいるポリマーであり;アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドが特に好ましいモノマー(a)である。アクリル酸を、上記ポリマーにおけるモノマー(b)として使用するのが好ましい。
【0089】
第三の変化形において、本発明の製剤は、ノニオン性ポリマーをさらに含んで成ることができる。
【0090】
好適なノニオン性ポリマーは、例えば以下のものである:
− ビニルピロリドン−ビニルエステルコポリマー、例えば、BASFによって商品名Luviskol(登録商標)、Luviskol(登録商標)VA 64およびLuviskol(登録商標)VA 73で市販されているコポリマー(それぞれ、ビニルピロリドン−ビニルアセテートコポリマー)は、好ましいノニオン性ポリマーである;
− セルロースエーテル、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびメチルヒドロキシプロピルセルロース(例えば商品名Culminal(登録商標)およびBenecel(登録商標)(AQUALON)で市販);
− セラック;
− ポリビニルピロリドン(例えば商品名Luviskol(登録商標)(BASF)で市販);
【0091】
− シロキサン。シロキサンは、水溶性または水不溶性のいずれでもよい。揮発性および非揮発性シロキサンのいずれも好適であり、非揮発性シロキサンは、常圧で200℃より高い沸点を有する化合物を意味するものと理解される。好ましいシロキサンは、ポリジアルキルシロキサン、例えばポリジメチルシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、例えばポリフェニルメチルシロキサン、エトキシル化ポリジアルキルシロキサン、ならびにアミンおよび/またはヒドロキシル基を有するポリジアルキルシロキサンである;
− EP 0612759B1によるグリコシド置換されたシリコーン。
【0092】
本発明によれば、使用される製剤が、複数の(特に2種類の)同じ電荷のポリマー、および/またはイオン性ポリマーおよび両性および/またはノニオン性ポリマーを含んで成ることもできる。
【0093】
本発明に使用される製剤は、ポリマーを、製剤全体に基づいて0.01〜10wt%の量で含有するのが好ましい。0.1〜5wt%、特に0.1〜3wt%の量が、特に好ましい。
【0094】
本発明の他の好ましい態様において、活性物質の組合せを、染毛剤として製剤化する。
賦形剤の水に加えて、染毛剤は、直接染料および/または酸化染料先駆物質(カップリングおよび顕色成分)、界面活性剤、脂肪アルコールおよびpH調節剤を含んで成る。
【0095】
顕色成分は、一般に、パラまたはオルト位にさらなる遊離または置換ヒドロキシルまたはアミノ基を有する第一級芳香族アミン、ジアミノピリジン誘導体、複素環式ヒドラゾン、4−アミノピラゾール誘導体ならびに2,4,5,6−テトラアミノピリミジンおよびその誘導体である。
【0096】
特定の代表例は、以下のものである:p−フェニレンジアミン、p−トルイレンジアミン、2,4,5,6−テトラアミノピリミジン、p−アミノフェノール、N,N−ビス(2'−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、2(2',5'−ジアミノフェニル)エタノール、2(2',5'−ジアミノフェノキシ)エタノール、4−アミノ−3−メチルフェノール、2−アミノメチル−4−アミノフェノール、4−アミノ−2−ジエチルアミノメチルフェノール、2−ヒドロキシ−4,5,6−トリアミノピリミジン、2,4−ジヒドロキシ−5,6−ジアミノピリミジン、2,5,6−トリアミノ−4−ヒドロキシピリミジンおよびN,N'−ビス(2'−ヒドロキシエチル)−N,N'−ビス(4'−アミノフェニル)−1,3−ジアミノプロパン−2−オール。
【0097】
m−フェニレンジアミン誘導体、ナフトール、レゾルシノールおよびレゾルシノール誘導体、ピラゾロンおよびm−アミノフェノール誘導体は、カップリング成分として一般に使用される。特に好適なカップリング物質は、以下のものである:1−ナフトール、1,5−、2,7−および1,7−ジヒドロキシナフタレン、5−アミノ−2−メチルフェノール、m−アミノフェノール、レゾルシノール、レゾルシノールモノメチルエーテル、m−フェニレンジアミン、1−フェニル−3−メチルピラゾロン−5、2,4−ジクロロ−3−アミノフェノール、1,3−ビス(2',4'−ジアミノフェノキシ)プロパン、2−クロロレゾルシノール、4−クロロレゾルシノール、2−クロロ−6−メチル−3−アミノフェノール、2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン、2−メチルレゾルシノール、5−メチルレゾルシノールおよび2−メチル−4−クロロ−5−アミノフェノール。
【0098】
直接染料は、一般に、ニトロフェニレンジアミン類、ニトロアミノフェノール類、アゾ染料、アントラキノン類またはインドフェノール類である。好ましい直接染料は、以下の国際名または商品名で既知の化合物である:HCイエロー2、HCイエロー4、HCイエロー5、HCイエロー6、ベーシックイエロー57、HCオレンジ1、ディスパースオレンジ3、HCレッド1、HCレッド3、HCレッド13、HCレッドBN、ベーシックレッド76、HCブルー2、HCブルー12、ディスパースブルー3、ベーシックブルー7、ベーシックブルー26、ベーシックブルー99、HCバイオレット1、ディスパースバイオレット1、ディスパースバイオレット4、ベーシックバイオレット2、ベーシックバイオレット14、アシッドバイオレット43、ディスパースブラック9、アシッドブラック52、ベーシックブラウン16およびベーシックブラウン17、ならびに1,4−ビス(β−ヒドロキシエチル)アミノ−2−ニトロベンゼン、3−ニトロ−4(β−ヒドロキシエチル)アミノフェノール、4−アミノ−2−ニトロジフェニルアミン−2'−カルボン酸、6−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、ヒドロキシエチル−2−ニトロトルイジン、ピクラミン酸、2−アミノ−6−クロロ−4−ニトロフェノール、4−エチルアミノ−3−ニトロ安息香酸および2−クロロ−6−エチルアミノ−1−ヒドロキシ−4−ニトロベンゼン。この態様による本発明の製剤は、直接染料を、染毛剤全体に基づいて0.01〜20wt%の量で含有するのが好ましい。
【0099】
さらに、本発明の製剤は、ヘンナレッド、ヘンナニュートラル、ヘンナブラック、カモミルの葉、ビャクダン、紅茶、セイヨウイソノキの樹皮、セージ、ロッグウッド、アカネの根、カテキュー、セダーおよびアルカンナの根に含有される天然染料を含んで成ることもできる。
【0100】
本発明の染毛剤に含有されるさらなる染料成分は、インドール類およびインドリン類ならびにそれらの生理学的に許容される塩であってもよい。好ましい例は、以下のものである:5,6−ジヒドロキシインドール、N−メチル−5,6−ジヒドロキシインドール、N−エチル−5,6−ジヒドロキシインドール、N−プロピル−5,6−ジヒドロキシインドール、N−ブチル−5,6−ジヒドロキシインドール、5,6−ジヒドロキシインドール−2−カルボン酸、6−ヒドロキシインドール、6−アミノインドールおよび4−アミノインドール。以下のものも好ましい:5,6−ジヒドロキシインドリン、N−メチル−5,6−ジヒドロキシインドリン、N−エチル−5,6−ジヒドロキシインドリン、N−プロピル−5,6−ジヒドロキシインドリン、N−ブチル−5,6−ジヒドロキシインドリン、5,6−ジヒドロキシインドリン−2−カルボン酸、6−ヒドロキシインドリン、6−アミノインドリンおよび4−アミノインドリン。
【0101】
酸化染料先駆物質または直接染料は、それぞれ純粋化合物である必要はない。実際、本発明の染毛剤は、個々の染料の製造法に由来して、少量の他成分を、該成分が染色結果に不利な影響を与えないかまたは他の理由(例えば毒物学的理由)でそれらを除外する必要がない限り、含んで成ってよい。
【0102】
本発明の染毛剤および毛髪着色剤において使用可能な染料に関して、下記のものが特に参照される:Ch. Zviakのモノグラフ、The Science of Hair Care、第7章(p.248−250;直接染料)および第8章(p.264−267;酸化染料先駆物質)、「Dermatology」シリーズの第7巻として発行(編者:Ch. CulnanおよびH. Maibach)、Verlag Marcel Dekker Inc., New York, Basel, 1986、ならびに「Europaeische Inventar der Kosmetik-Rohstoffe」、European Union発行、Bundesverband Deutscher Industrie und Handelsunternehmen fuer Arzneimittel, Reformwaren und Koerperpflegemittel e.V., Mannheimからディスク形態で入手可能。
【0103】
本発明の他の好ましい態様において、活性物質の組合せを、ウェービング製剤として製剤化する。
ウェービング製剤は、還元剤(チオグリコール酸、チオ乳酸)に加えて、pH調節剤、界面活性剤、錯化剤、可溶化剤、脂肪アルコールおよび香油を一般に含んで成る。
【0104】
好ましい態様に含有させることができるさらなる活性物質、補助剤および添加剤の例は以下のものである:
− 増粘剤、例えば、寒天、グアールガム、アルギネート、キサンタンガム、アラビアゴム、カラヤゴム、イナゴマメ粉、アマニゴム、デキストラン、セルロース誘導体、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース、デンプンフラクションおよび誘導体、例えばアミロース、アミロペクチンおよびデキストリン、クレー、例えばベントナイト、または合成ヒドロコロイド、例えばポリビニルアルコール;
− ヘアコンディショニング化合物、例えば燐脂質、例えば、大豆レシチン、卵レシチンおよびセファリン、ならびにシリコーン油;
【0105】
− 香油、ジメチルイソソルビトールおよびシクロデキストリン;
− 溶媒および可溶化剤、例えば、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンおよびジエチレングリコール;
− 繊維構造改善剤、特に、単糖、二糖およびオリゴ糖、例えば、グルコース、ガラクトース、フルクトース、果糖およびラクトース;
− コンディショニング活性物質、例えば、パラフィン油、植物油、例えば、ヒマワリ油、オレンジ油、アーモンド油、麦芽油、桃仁油、ならびに四級化アミン、例えばメチル−1−アルキルアミドエチル−2−アルキルイミダゾリニウムメトスルフェート;
− 脱泡剤、例えばシリコーン;
− 製剤を着色する色素;
− フケ防止活性物質、例えば、ピロクトンオラミン、ジンクオマジンおよびクリムバゾール;
− 有効成分、例えば、アラントインおよびビサボロール、コレステロール;
【0106】
− 増粘剤、例えば、糖エステル、ポリオールエステルまたはポリオールアルキルエーテル;
− 脂肪および蝋、例えば、鯨蝋、蜜蝋、モンタン蝋およびパラフィン;
− 脂肪酸アルカノールアミド;
− キレート化剤、例えば、EDTA、NTA、β−アラニン二酢酸およびホスホン酸;
− 膨潤および浸透剤、例えば、第一級、第二級および第三級燐酸塩;
− 乳白剤、例えば、ラテックス、スチレン/PVPコポリマーおよびスチレン/アクリルアミドコポリマー;
− 真珠光沢剤、例えば、エチレングリコールモノおよびジステアレートならびにPEG−3−ジステアレート;
− 顔料;
− 発泡剤、例えば、プロパン−ブタン混合物、N2O、ジメチルエーテル、CO2および空気;
− 酸化防止剤。
【0107】
他の任意成分およびそれらの使用量については、当業者に知られている関連ハンドブック、例えば、K. Schraderによるモノグラフ、Grundlagen und Rezepturen der Kosmetika、第2版、Huethig Buch Verlag, Heidelberg, 1989が特に参照される。
【0108】
本発明は、枝毛を減少させる方法にも関し、該方法において、成分:
(A) 少なくとも1つの水不溶性、揮発性シリコーン;
(B) 少なくとも1つのカチオン性ポリマー;および
(C) ビタミンおよび/またはプロビタミンおよび/またはカチオン性誘導体化タンパク質加水分解物から成る群から選択される少なくとも1つのさらなるヘアケア物質
を含んで成る本発明の有効成分組合せを、適当に製剤化した形態で、乾燥または湿潤毛髪に適用し、ある接触時間後に要すればすすぎ落とす。
【0109】
本発明は、枝毛を減少させるヘアケア剤における本発明の有効成分組成物の使用にも関し、該組成物は下記の成分を含んで成る:
(A) 少なくとも1つの水不溶性、揮発性シリコーン;
(B) 少なくとも1つのカチオン性ポリマー;および
(C) ビタミンおよび/またはプロビタミンおよび/またはカチオン性誘導体化タンパク加水分解物から成る群から選択される少なくとも1つのさらなるヘアケア物質。
【0110】
下記の実施例は、本発明をより詳しく説明するものであり、本発明を限定するものではない(特に記載しなければ、全ての重量はwt%である)。
【0111】
1)シャンプー
【表1】

【0112】
美容室実験(即ち、予洗に製剤2gおよび主洗に製剤3gを使用し、次に、技術的調髪評価を行なう、いわゆるハーフサイド試験)において、本発明のシャンプーは、従来の競合製剤と比較して、湿潤時櫛通り、乾燥時櫛通りのパラメーターにおいて有意に優れていた。
【0113】
さらに、一般的な2イン1シャンプーと比較して、本発明のシャンプーの優れた湿潤時櫛通りを、生物物理学的測定値によって示した(測定基準:毛髪ストランドに櫛を通すのに必要とされる力の測定。Strands Alkinco 6634 ミディアムブロンド;1試料につき20ストランドの測定および平均値の算出)。
【表2】

【0114】
枝毛防止作用を、下記の手順によって測定した。
毛髪ストランドの前処置:
毛髪ストランドを、超音波浴において、10%アルカリ性ナトリウムラウレススルフェート溶液で15分間にわたって予め洗浄した。
【0115】
製剤適用:
1つの製剤および対照系につき9毛髪ストランドを処置した。毛髪ストランドを、水道水でぬらし、毛髪ストランド1gにつき製剤1gを擦り付けた。5分間の接触時間後、毛髪を冷たい水道水流で90秒間濯いだ。毛髪の前調整を、25℃、相対湿度40%で少なくとも12時間行なった。
【0116】
試験手順:
毛髪ストランドに、空調室(25℃、相対湿度40%)において、20000回櫛を通した。次に、微細篩(網目の大きさ200μm)によって、損傷毛髪と非損傷毛髪とを分け、それぞれ秤量した。
【0117】
従来の2イン1シャンプーと比較した結果:
【表3】

【0118】
2)リンス
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性物質:
(A) 少なくとも1つの水不溶性、揮発性シリコーン;
(B) 少なくとも1つのカチオン性ポリマー;および
(C) ビタミンおよび/またはプロビタミンおよび/またはカチオン性誘導体化タンパク質加水分解物から成る群から選択される少なくとも1つのさらなるヘアケア物質
の組合せを含んで成る、人毛を手入れ、特にケアするための化粧用製剤。
【請求項2】
成分(A)が、式(I):
【化1】

[式中、
xは、1〜10の数値を表し;
yは、1〜10の数値を表し;
Rは、2〜10個のC原子を有するアルキル基を表す]
で示される化合物から選択される請求項1に記載の化粧用製剤。
【請求項3】
xおよびyが1の数値を表す請求項1または2に記載の化粧用製剤。
【請求項4】
成分(A)がカプリリルメチコンである請求項1〜3のいずれかに記載の化粧用製剤。
【請求項5】
成分(A)が、製剤の総重量に基づいて0.001〜20wt%の量で使用される請求項1〜4のいずれかに記載の化粧用製剤。
【請求項6】
カチオン性ポリマー(B)が、カチオン性グアール誘導体、カチオン性セルロース誘導体、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー、またはジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリルアミドとのコポリマーから選択される請求項1〜5のいずれかに記載の化粧用製剤。
【請求項7】
カチオン性ポリマーが、製剤の総重量に基づいて0.001〜20wt%の量で使用される請求項1〜6のいずれかに記載の化粧用製剤。
【請求項8】
成分(C)が、パンテノールまたはその生理学的に許容される誘導体である請求項1〜7のいずれかに記載の化粧用製剤。
【請求項9】
成分(C)が、カチオン性誘導体化されたケラチン加水分解物、コラーゲン加水分解物、エラスチン加水分解物、ダイズタンパク質加水分解物、ミルクタンパク質加水分解物、小麦タンパク質加水分解物、絹タンパク質加水分解物およびアーモンドタンパク質加水分解物から選択される請求項1〜7のいずれかに記載の化粧用製剤。
【請求項10】
成分(C)が、ヒドロキシプロピル加水分解小麦タンパク質である請求項9に記載の化粧用製剤。
【請求項11】
ビタミンまたはプロビタミンおよびカチオン性誘導体化タンパク質加水分解物の混合物を成分(C)として使用する請求項1〜7のいずれかに記載の化粧用製剤。
【請求項12】
成分(C)の量が、製剤全体に基づいて0.01〜10wt%である請求項1〜11のいずれかに記載の化粧用製剤。
【請求項13】
枝毛を減少させる方法であって、活性物質:
(A) 少なくとも1つの水不溶性、揮発性シリコーン;
(B) 少なくとも1つのカチオン性ポリマー;および
(C) ビタミンおよび/またはプロビタミンおよび/またはカチオン性誘導体化タンパク質加水分解物から成る群から選択される少なくとも1つのさらなるスキンケアおよびヘアケア物質
の組合せを含有する化粧用製剤を、乾燥または湿潤毛髪に適用し、ある接触時間後に要すればすすぎ落とすことを含んで成る方法。
【請求項14】
枝毛を減少させる毛髪手入れ製剤における、活性物質:
(A) 少なくとも1つの水不溶性、揮発性シリコーン;
(B) 少なくとも1つのカチオン性ポリマー;および
(C) ビタミンおよび/またはプロビタミンおよび/またはカチオン性誘導体化タンパク加水分解物から成る群から選択される少なくとも1つのさらなるスキンケアおよびヘアケア物質
の組合せの使用。

【公表番号】特表2006−517936(P2006−517936A)
【公表日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501807(P2006−501807)
【出願日】平成16年2月11日(2004.2.11)
【国際出願番号】PCT/EP2004/001263
【国際公開番号】WO2004/073664
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(398038410)ハンス・シュヴァルツコプフ・ウント・ヘンケル・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディットゲゼルシャフト (2)
【氏名又は名称原語表記】Hans Schwarzkopf & Henkel GmbH & Co. KG
【Fターム(参考)】