説明

毛髪脱色・脱染剤

【課題】毛髪脱色・脱染性を向上させるとともに、毛髪処理後の感触を向上させることができる毛髪脱色・脱染剤を提供する。
【解決手段】(A)過硫酸塩、(B)セルロース系カチオン性ポリマー、(C)アニオン性ポリマー、及び(D)酸化剤を含有する毛髪脱色・脱染剤において、前記(C)アニオン性ポリマーの含有量に対する(B)セルロース系カチオン性ポリマーの含有量の質量比は、0.2〜1.9であり、前記(B)セルロース系カチオン性ポリマーの含有量に対する(A)過硫酸塩の含有量の質量比は、15〜50であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過硫酸塩を含有する毛髪脱色・脱染剤に関し、さらに詳しくは、脱色・脱染性及び毛髪の感触を向上させることができる毛髪脱色・脱染剤に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、毛髪化粧料組成物として、例えばアルカリ剤及び酸化剤等を含有する毛髪脱色・脱染剤が知られている。酸化剤は、毛髪中のメラニンを脱色する。アルカリ剤は、酸化剤の作用を促進することにより脱色後の毛髪の明度を向上させる。また、毛髪の脱色性又は脱染性を向上させるために、さらに酸化助剤として粉末状の過硫酸塩を含有する毛髪脱色・脱染剤が知られている。しかしながら、酸化助剤として過硫酸塩を含有する毛髪脱色・脱染剤は、脱色・脱染処理後に毛髪の感触が低下する場合があるという問題があった。
【0003】
そこで、従来より、特許文献1,2に開示される毛髪脱色・脱染剤が知られている。特許文献1は、過硫酸塩及び酸化剤を含有する毛髪脱色剤において、アニオン性ポリマーとしてのキサンタンガムを配合する構成について開示する。特許文献2は、過硫酸塩等を含有するとともに、使用時に酸化剤と混合して使用される粉末活性化剤中にノニオン性ポリマーとしてのヒドロキシエチルセルロースを配合する構成について開示する(段落0038等参照)。特許文献1,2の毛髪脱色・脱染剤は、水溶性高分子ポリマーを配合したことにより、毛髪処理後の損傷を抑制し、毛髪の感触の低下を防止する効果を向上させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−67235号公報
【特許文献2】特開2002−104943号公報(段落0038)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1,2に開示される毛髪脱色・脱染剤は、施術後の毛髪の脱色・脱染性が低下するという問題があった。本発明は、本発明者らの鋭意研究の結果、水溶性高分子ポリマーとしてセルロース系カチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーを使用するとともに、毛髪脱色・脱染剤中における各成分の配合比率を所定範囲に規定することにより、上記問題が解決されることを見出したことによりなされたものである。本発明の目的とするところは、毛髪脱色・脱染性を向上させるとともに、毛髪処理後の感触を向上させることができる毛髪脱色・脱染剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の毛髪脱色・脱染剤は、(A)過硫酸塩、(B)セルロース系カチオン性ポリマー、(C)アニオン性ポリマー、及び(D)酸化剤を含有する毛髪脱色・脱染剤において、前記(C)アニオン性ポリマーの含有量に対する(B)セルロース系カチオン性ポリマーの含有量の質量比は、0.2〜1.9であり、前記(B)セルロース系カチオン性ポリマーの含有量に対する(A)過硫酸塩の含有量の質量比は、15〜50であることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の毛髪脱色・脱染剤において、さらに、(E)キレート化剤を含有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の毛髪脱色・脱染剤において、さらに、(F)アミノ酸を含有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、毛髪脱色・脱染剤において、毛髪脱色・脱染性を向上させるとともに、毛髪処理後の感触を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る毛髪脱色・脱染剤を具体化した実施形態について説明する。毛髪脱色・脱染剤は2剤式の毛髪脱色・脱染剤として、毛髪の脱色及び脱染に使用される。また、毛髪脱色・脱染剤は、3剤式の脱色・脱染剤としても使用される。さらに、1剤式の毛髪脱色剤として毛髪の脱色にも使用される。
【0010】
<2剤式の毛髪脱色・脱染剤>
2剤式の毛髪脱色・脱染剤は、例えばアルカリ剤等を含有する第1剤と、酸化剤等を含有する第2剤から構成される。この第1剤と第2剤とが混合された後、毛髪の脱色及び脱染に使用される。
【0011】
<第1剤>
第1剤は、アルカリ剤に加え、さらに、例えば(A)過硫酸塩、(B)セルロース系カチオン性ポリマー、(C)アニオン性ポリマーを含有しており、さらに(E)キレート化剤及び(F)アミノ酸を含有してもよい。第1剤は、(A)過硫酸塩を固体状に保存するため、固体状に構成される。
【0012】
(A)過硫酸塩は、酸化助剤として配合される。過硫酸塩としては、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウムが挙げられる。毛髪脱色・脱染剤中(第1剤と第2剤が混合された混合物中、以下同じ)における(A)過硫酸塩の含有量は、好ましくは0.1〜25質量%、より好ましくは1〜23質量%、さらに好ましくは3〜20質量%である。(A)過硫酸塩の含有量が0.1質量%未満であると、毛髪脱色・脱染性を十分に発揮することができない場合がある。(A)過硫酸塩の含有量が25質量%を超えて配合しても、それ以上の毛髪脱色・脱染性の向上効果は得られず、使用後の毛髪の感触が低下するおそれがある。
【0013】
(B)セルロース系カチオン性ポリマーは、毛髪の感触を向上させるために配合される。セルロース系カチオン性ポリマーとしては、例えばヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル、塩化o−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、及びヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリドが挙げられる。塩化o−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースの市販品としては、例えばライオン社製のレオガード(商品名)G、同GP、ユニオンカーバイド社製のポリマーJR−125、同JR−400、同JR−30M、同LR−400、及び同LR−30Mが挙げられる。ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリドの市販品としては、例えばナショナルスターチアンドケミカル社製のセルコート(商品名)H−100、及び同L−200が挙げられる。
【0014】
毛髪脱色・脱染剤中における(B)セルロース系カチオン性ポリマーの含有量は、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜2.5質量%である。(B)セルロース系カチオン性ポリマーの含有量が0.01質量%未満であると、毛髪の感触を十分に向上することができない場合がある。(B)セルロース系カチオン性ポリマーの含有量が10質量%を超えて配合しても、それ以上の毛髪の感触を向上させる効果は得られず、また、毛髪脱色・脱染性が低下するおそれがある。
【0015】
(C)アニオン性ポリマーは、濯ぎ時の毛髪の感触を向上させるため、及び毛髪の脱色・脱染性を向上させるために配合される。アニオン性ポリマーとしては、天然ポリマー、半合成ポリマー又は合成ポリマーを用いることができる。天然のアニオン性ポリマーの具体例としては、例えばキサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、ファーセラン、アラビアガム、ガッチガム、カラヤガム、トラガントガム、及びカンテン粉末が挙げられる。半合成ポリマーとしては、例えばセルロースをカルボキシメチル化したカルボキシメチルセルロースが挙げられる。
【0016】
また、合成のアニオン性ポリマーは、例えば酸性ビニル単量体又はその塩を重合することによって得られる重合体又は共重合体を挙げることができる。酸性ビニル単量体の具体的として、酸性基、例えばカルボキシル基、スルホン酸基、及びリン酸基と、重合可能なビニル基とを有する化合物が挙げられる。かかる化合物として、例えば不飽和一塩基酸、不飽和二塩基酸、及びこれらのモノエステルを挙げることができる。不飽和一塩基酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ビニル安息香酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、及び3−メタクリルプロパンスルホン酸を挙げることができる。不飽和二塩基酸としては、例えばイタコン酸、マレイン酸、及びフマル酸を挙げることができる。酸性ビニル単量体以外に、酸性ビニル単量体と共重合可能な他のビニル単量体を任意成分として共重合することもできる。この他のビニル単量体の割合は、全単量体に対して60モル%以下に抑えることが好ましい。
【0017】
更に、その他のビニル単量体は、ラジカル重合開始剤により重合可能なモノビニル化合物であって、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル類、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン化合物、アクリルアミド、メタアクリルアミド、ビニールエーテル、及び酢酸ビニル等が挙げられる。
【0018】
毛髪脱色・脱染剤中における(C)アニオン性ポリマーの含有量は、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%である。(C)アニオン性ポリマーの含有量が0.01質量%未満であると、濯ぎ時の毛髪の感触を十分に向上することができない場合がある。また、毛髪の脱色・脱染性が低下するおそれがある。(C)アニオン性ポリマーの含有量が10質量%を超えて配合しても、それ以上の濯ぎ時の毛髪の感触を向上させる効果は得られず、また、毛髪脱色・脱染性が低下するおそれがある。
【0019】
毛髪脱色・脱染剤中における(C)アニオン性ポリマーの含有量に対する(B)セルロース系カチオン性ポリマーの含有量の質量比(B/C)は、0.2〜1.9、好ましくは0.4〜1.5、より好ましくは0.5〜1.0に規定される。この質量比の範囲内の場合、毛髪脱色・脱染性を向上させるとともに、毛髪処理後の感触を向上させることができる。
【0020】
毛髪脱色・脱染剤中における(B)セルロース系カチオン性ポリマーの含有量に対する(A)過硫酸塩の含有量の質量比(A/B)は、15〜50、好ましくは18〜40、より好ましくは25〜35に規定される。この質量比の範囲内の場合、毛髪脱色・脱染性を向上させるとともに、毛髪処理後の感触を向上させることができる。
【0021】
(E)キレート化剤は、毛髪脱色・脱染性を向上させる。そのため、毛髪脱色・脱染剤は、好ましくは(E)キレート化剤を含有する。キレート化剤としては、例えば、エデト酸(エチレンジアミン四酢酸(EDTA))、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸、1,3−プロパンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、L−アスパラギン酸−N,N−二酢酸、アミノトリメチレンホスホン酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、それらの塩、それらの誘導体、及びそれらの誘導体の塩が挙げられる。これらは単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
【0022】
毛髪脱色・脱染剤中における(E)キレート化剤の含有量は、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜1.5質量%、さらに好ましくは0.4〜1.5質量%である。(E)キレート化剤の含有量が0.01質量%未満であると、毛髪脱色・脱染性を十分に向上することができない場合がある。(E)キレート化剤の含有量が10質量%を超えて配合しても、それ以上の毛髪脱色・脱染性を向上させる効果は得られない。
【0023】
(F)アミノ酸は、毛髪処理後の感触を向上させる。そのため、毛髪脱色・脱染剤は、好ましくは(F)アミノ酸を含有する。アミノ酸としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リシン、ヒスチジン、トリプトファン、システイン、メチオニン、アスパラギン、グルタミン、及びそれらの塩が挙げられる。
【0024】
毛髪脱色・脱染剤中における(F)アミノ酸の含有量は、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.05〜1.5質量%、さらに好ましくは0.15〜1.5である。(F)アミノ酸の含有量が0.01質量%未満であると、毛髪処理後の感触を十分に向上することができない場合がある。(F)アミノ酸の含有量が5質量%を超えて配合しても、それ以上の毛髪の感触を向上させる効果は得られない。
【0025】
アルカリ剤は、第2剤に含有される(D)酸化剤の作用を促進することにより、毛髪の脱色性又は脱染性を向上させる。アルカリ剤は、本実施形態においては25℃(常温)で固体状のものが使用され、例えばケイ酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、メタケイ酸塩、硫酸塩、塩化物、及びリン酸塩が挙げられる。ケイ酸塩としては、例えばケイ酸ナトリウム、及びケイ酸カリウムが挙げられる。炭酸塩としては、例えば炭酸ナトリウム、及び炭酸アンモニウムが挙げられる。炭酸水素塩としては、例えば炭酸水素ナトリウム、及び炭酸水素アンモニウムが挙げられる。メタケイ酸塩としては、例えばメタケイ酸ナトリウム、及びメタケイ酸カリウムが挙げられる。硫酸塩としては、例えば硫酸アンモニウムが挙げられる。塩化物としては、例えば塩化アンモニウムが挙げられる。リン酸塩としては、例えばリン酸第1アンモニウム、及びリン酸第2アンモニウムが挙げられる。
【0026】
2剤式の毛髪脱色・脱染剤を2剤式の脱染剤として使用し、染料の脱染性のみを強調して発現させる場合、アルカリ剤は、好ましくはアンモニウム塩以外のアルカリ剤が用いられる。アンモニウム塩以外のアルカリ剤を使用することにより、メラニンの脱色性が低下するため、染料の脱染性を強調して発現させることができる。
【0027】
毛髪脱色・脱染剤中におけるアルカリ剤の含有量は、所望の毛髪脱色・脱染性の観点から適宜設定されるが、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%である。アルカリ剤の含有量が0.1質量%未満であると、毛髪脱色・脱染性を十分に向上することができない場合がある。アルカリ剤の含有量が10質量%を超えて配合しても、それ以上の毛髪脱色・脱染性の向上効果は得られず、使用後の毛髪の感触が低下するおそれがある。
【0028】
第1剤は、必要に応じて、前述した成分以外の成分、例えば上記以外の水溶性ポリマー、油性成分、多価アルコール、界面活性剤、糖、防腐剤、安定剤、pH調整剤、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン、香料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、賦形剤、及び分散剤を含有してもよい。
【0029】
水溶性ポリマーとしては、上記以外のカチオン性ポリマー、非イオン性ポリマー、及び両性の天然又は合成ポリマーが挙げられる。
油性成分は、毛髪にうるおい感を付与する。そのため、好ましくは油性成分を含有する。油性成分としては、例えば油脂、ロウ、高級アルコール、炭化水素、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、エステル、及びシリコーンが挙げられる。
【0030】
油脂としては、例えばラノリン、オリーブ油、ツバキ油、シア脂、アーモンド油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、アボカド油、マカダミアナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油、及び月見草油が挙げられる。ロウとしては、例えばミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、及びラノリンが挙げられる。高級アルコールとしては、例えばセチルアルコール(セタノール)、2−ヘキシルデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−オクチルドデカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、デシルテトラデカノール、及びラノリンアルコールが挙げられる。
【0031】
炭化水素としては、例えばパラフィン、オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ミネラルオイル、スクワラン、ポリブテン、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、及びワセリンが挙げられる。高級脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、及びラノリン脂肪酸が挙げられる。アルキルグリセリルエーテルとしては、例えばバチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、及びイソステアリルグリセリルエーテルが挙げられる。
【0032】
エステルとしては、例えばアジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸2−エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、10〜30の炭素数を有する脂肪酸コレステリル/ラノステリル、乳酸セチル、酢酸ラノリン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ジオクチル、及び2−エチルヘキサン酸セチルが挙げられる。
【0033】
シリコーンとしては、例えばジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、末端水酸基変性ジメチルポリシロキサン、650〜10000の平均重合度を有する高重合シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン(例えば、(PEG/PPG/ブチレン/ジメチコン)コポリマー)、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、及びフッ素変性シリコーンが挙げられる。これらのシリコーンのうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
【0034】
多価アルコールとしては、例えばグリコール、及びグリセリンが挙げられる。グリコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、及び1,3−ブチレングリコールが挙げられる。グリセリンとしては、例えばグリセリン、ジグリセリン、及びポリグリセリンが挙げられる。
【0035】
界面活性剤は、乳化剤又は各成分の可溶化剤として毛髪脱色・脱染剤を乳化又は可溶化し、粘度を調整したり粘度安定性を向上させたりする。界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びノニオン性界面活性剤が挙げられる。
【0036】
アニオン性界面活性剤としては、例えばアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α−スルホン脂肪酸塩、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、及びスルホコハク酸エステルが挙げられる。これらの界面活性剤のアニオン基の対イオンとしては、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、及びトリエタノールアミンが挙げられる。アルキル硫酸塩としては、例えばラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。
【0037】
カチオン性界面活性剤としては、例えば塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、及びメチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウムが挙げられる。
【0038】
両性界面活性剤としては、例えばココベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、及びラウリルベタイン(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)が挙げられる。
【0039】
非イオン性界面活性剤の具体例としては、例えばエーテル型非イオン性界面活性剤、及びエステル型非イオン性界面活性剤が挙げられる。エーテル型非イオン性界面活性剤の具体例としては、例えばポリオキシエチレン(以下、POEという。)セチルエーテル(セテス)、POEステアリルエーテル(ステアレス)、POEベヘニルエーテル、POEオレイルエーテル(オレス)、POEラウリルエーテル(ラウレス)、POEオクチルドデシルエーテル、POEヘキシルデシルエーテル、POEイソステアリルエーテル、POEノニルフェニルエーテル、及びPOEオクチルフェニルエーテルが挙げられる。
【0040】
エステル型非イオン性界面活性剤の具体例としては、例えばモノオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、モノパルミチン酸POEソルビタン、モノラウリン酸POEソルビタン、トリオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEグリセリン、モノミリスチン酸POEグリセリン、テトラオレイン酸POEソルビット、ヘキサステアリン酸POEソルビット、モノラウリン酸POEソルビット、POEソルビットミツロウ、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、親油型モノオレイン酸グリセリン、親油型モノステアリン酸グリセリン、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ショ糖脂肪酸エステル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、及びモノミリスチン酸デカグリセリルが挙げられる。これらの界面活性剤の具体例の内、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
【0041】
糖としては、例えばソルビトール、及びマルトースが挙げられる。防腐剤としては、例えばパラベンが挙げられる。安定剤としては、例えばフェナセチン、8−ヒドロキシキノリン、アセトアニリド、ピロリン酸ナトリウム、バルビツール酸、尿酸、及びタンニン酸が挙げられる。pH調整剤としては、例えばクエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、ピロリン酸、グルコン酸、グルクロン酸、安息香酸、及び2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールが挙げられる。酸化防止剤としては、例えばアスコルビン酸及び亜硫酸塩が挙げられる。賦形剤としては、例えば硫酸ナトリウムが挙げられる。分散剤としては、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等のステアリン酸金属塩、タルク、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリン、及びデンプンが挙げられる。
【0042】
第1剤の剤型は、(A)過硫酸塩を固体状に保存するため、固体状に構成される。固体状としては、例えば粉末状及び粒子状が挙げられる。
<第2剤>
第2剤は、(D)酸化剤を含有する。(D)酸化剤は、毛髪に含まれるメラニンを脱色する。酸化剤としては、例えば過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、及びピロリン酸塩の過酸化水素付加物が挙げられる。第2剤中における酸化剤の含有量は、好ましくは0.1〜15.0質量%であり、より好ましくは2.0〜9.0質量%であり、最も好ましくは3.0〜6.0質量%である。酸化剤の含有量が0.1質量%未満では、メラニンを十分に脱色することができない場合がある。酸化剤の含有量が15.0質量%を超えると、毛髪に損傷等が発生するおそれがある。
【0043】
酸化剤として過酸化水素を第2剤に配合する場合、過酸化水素の安定性を向上させるために、好ましくは、第2剤は、安定化剤、例えばエチレングリコールフェニルエーテル(フェノキシエタノール)、ヒドロキシエタンジホスホン酸及びその塩を含有する。ヒドロキシエタンジホスホン酸塩としては、例えばヒドロキシエタンジホスホン酸四ナトリウム、及びヒドロキシエタンジホスホン酸二ナトリウムが挙げられる。第2剤は、毛髪脱色・脱染剤に一般的に含有され、且つ前述した各成分の作用を阻害しない各成分を含有してもよい。例えば、前述した第1剤に含有される、過硫酸塩及びアルカリ剤以外の成分を本発明の効果を阻害ない範囲内において適宜含有してもよい。
【0044】
第2剤の剤型は特に限定されず、具体例として、例えば固体状(酸化剤が常温で液体の場合は除く)、液状、ゲル状、フォーム状、及びクリーム状が挙げられる。固体状としては、例えば粉末状及び粒子状が挙げられる。液状としては、例えば乳化液が挙げられる。尚、第2剤が固体状の場合、使用時に溶媒をさらに添加する必要がある。溶媒としては、例えば水、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、γ−フェニルプロピルアルコール、ケイ皮アルコール、アニスアルコール、p−メチルベンジルアルコール、α−ジメチルフェネチルアルコール、α−フェニルエタノール、フェノキシエタノール、フェノキシイソプロパノール、2−ベンジルオキシエタノール、N−アルキルピロリドン、炭酸アルキレン、及びアルキルエーテルが挙げられる。これらの中で、各成分の溶解性が優れる観点から水が好ましい。なお、溶媒として水が用いられる場合、第1剤と第2剤とが混合された混合物中における水の含有量(使用時の含有量)は、好ましくは40質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上である。
【0045】
毛髪脱色・脱染剤は、使用時に第1剤及び第2剤を混合することにより混合物が調製される。混合物の剤型は特に限定されず、液状、ゲル状、フォーム状、及びクリーム状のいずれであってもよい。次いで、必要量の混合物が薄手の手袋をした手、コーム(櫛)又は刷毛に付着されて毛髪に塗布される。
【0046】
<3剤式の毛髪脱色・脱染剤>
3剤式の毛髪脱色・脱染剤は、例えばアルカリ剤を含有する第1剤、2剤式の毛髪脱色・脱染剤に係る第2剤と同じ第2剤、及び2剤式の毛髪脱色・脱染剤に係る第1剤のアルカリ剤以外の成分を含有する第3剤から構成される。この第1剤〜第3剤は、全て混合された後、毛髪の脱色又は脱染に使用される。
【0047】
第1剤としては、2剤式の毛髪脱色・脱染剤の第1剤から(A)〜(C)、(E)及び(F)成分が除かれた薬剤が挙げられる。第3剤としては、前述した2剤式の脱色・脱染剤における粉末状又はクリーム状を有する第1剤が挙げられる。3剤式の毛髪脱色・脱染剤と構成することにより、配合成分の保存安定性を向上させることができる。
【0048】
<1剤式の毛髪脱色剤>
1剤式の毛髪脱色剤では、粉末状の各成分、つまり(A)〜(D)成分を含有し、好ましくは(E)キレート化剤、(F)アミノ酸、及びアルカリ剤を含有する。1剤式の毛髪脱色剤は、粉末状の剤型として構成されるため、アルカリ剤及び(D)酸化剤は、好ましくは粉末状のものが用いられる。1剤式の毛髪脱色剤は、毛髪脱色剤に一般的に含有され、且つ前述した各成分の作用を阻害しない各成分を含有してもよい。1剤式の毛髪脱色剤は、使用時に上述した溶媒に溶解させることにより使用される。
【0049】
本実施形態に係る毛髪脱色・脱染剤は以下の利点を有する。
(1)本実施形態に係る毛髪脱色・脱染剤は、(A)過硫酸塩、(B)セルロース系カチオン性ポリマー、(C)アニオン性ポリマー、及び(D)酸化剤を含有する毛髪脱色・脱染剤において、(C)アニオン性ポリマーの含有量に対する(B)セルロース系カチオン性ポリマーの含有量の質量比を0.2〜1.9に規定するとともに、(B)セルロース系カチオン性ポリマーの含有量に対する(A)過硫酸塩の含有量の質量比を15〜50に規定した。したがって、毛髪脱色・脱染性を向上させるとともに、毛髪処理後の感触を向上させることができる。また、毛髪脱色・脱染処理における濯ぎ時の毛髪の感触(指通り)を向上させることができる。
【0050】
通常、過硫酸塩を含有する毛髪脱色・脱染剤は、脱色・脱染処理時において、過硫酸塩から生じるアニオン性ラジカル(サルフェートアニオンラジカル)が毛髪内に入り、メラニン及び染料を破壊する。それにより、毛髪が脱色・脱染され、明度が上昇する。しかしながら、毛髪の感触向上のために配合されるカチオン性ポリマーのカチオン部分がアニオン性ラジカルをトラップし、アニオン性ラジカルの毛髪内部への進入を妨げる場合がある。それにより、毛髪脱色・脱染力が低下すると考えられる。本願発明は、それを防ぐために、アニオン性ポリマーを配合したことにより、カチオン性ポリマーのカチオン性を毛髪処理時に消失させることができると考えられる。また、アニオン性ポリマーはプラスとマイナスで引き合って毛髪に付着しているため、毛髪脱色・脱染剤を水で毛髪から洗い流す際、アニオン性ポリマーも洗い流され、濯ぎ時の感触の向上にも寄与していると考えられる。また、カチオン性ポリマーは特に毛髪のダメージ部分に付着しやすいため、脱色・脱染処理後の毛髪にカチオン性ポリマーが残存し、仕上がりの感触向上に寄与すると考えられる。
【0051】
(2)好ましくは、さらに(E)キレート化剤を含有する。この場合、毛髪脱色・脱染性をより向上させる。
(3)好ましくは、さらに(F)アミノ酸を含有する。この場合、毛髪処理後の感触をより向上させる。
【0052】
前記実施形態は以下のように変更されてもよい。
・前記実施形態の毛髪脱色・脱染剤では、第1剤を固体状の(A)過硫酸塩を含有するため固体状に構成した。しかしながら、固体状の(A)過硫酸塩を別剤として保存すれば、第1剤は、固体状のみならず、例えばゲル状、フォーム状、及びクリーム状に構成することもできる。第1剤の剤型がゲル状、フォーム状、及びクリーム状の場合、アルカリ剤として、25℃で液状のアルカリ剤、例えばアンモニア、及びアルカノールアミンを用いてもよい。尚、毛髪脱色・脱染剤を脱染剤として使用し、染料の脱染性のみを強調して発現させる場合、アルカリ剤は、好ましくはアンモニア以外のアルカリ剤が用いられる。アンモニア以外のアルカリ剤を使用することにより、メラニンの脱色性が低下するため、染料の脱染性を強調して発現させることができる。
【実施例】
【0053】
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態を更に具体的に説明する。
表1〜3に示す各成分を含有する毛髪脱色剤の粉末状の第1剤及び乳液状の第2剤を調製した。表1〜3における各成分を示す欄中の数値は当該欄の成分の含有量を示し、その単位は質量%である。そして、第1剤と第2剤とを1:4の質量比で混合して、攪拌棒で攪拌することにより毛髪脱色剤を調製した。得られた毛髪脱色剤を、黒毛の人毛毛束(以下、単に毛束という。)に刷毛を用いて塗布し、室温(25℃)にて30分間放置した。次に、毛束に付着した毛髪脱色剤を水で洗い流した後、毛束にシャンプーを2回、及びリンスを1回施した。続いて、毛束を温風で乾燥した後、一日間放置することにより各例の脱色処理毛束を得た。脱色処理が施された毛束について、下記に示す方法に従い脱色性及び感触の評価を行った。また、脱色処理時における濯ぎ時の毛髪の感触の評価を行った。結果を表1,2に示す。
【0054】
表中の各成分欄におけるA〜Fの表記は、本願請求項記載の各成分に対応する化合物を示す。一方、表中の各成分欄におけるb,cの表記は、各比較例における本願請求項記載の成分の対比化合物を示す。
【0055】
表中「(B)セルロース系カチオン性ポリマーの質量比」は、使用時における(C)アニオン性ポリマーの含有量に対する(B)セルロース系カチオン性ポリマーの含有量の質量比(B/C)を示す。
【0056】
表中「(A)過硫酸塩の質量比」は、使用時における(B)セルロース系カチオン性ポリマーの含有量に対する(A)過硫酸塩の含有量の質量比(A/B)を示す。
<脱色性>
10名のパネラーが脱色処理後の毛束の脱色性を標準光源下で目視にて観察し、優れる(5点)、良好(4点)、可(3点)、やや不良(2点)及び不良(1点)の5段階で採点した。各パネラーの採点結果について平均値を算出し、平均値が4.6点以上を「優れる:5」、3.6点以上4.6点未満を「良好:4」、2.6点以上3.6点未満を「可:3」、1.6点以上2.6点未満を「やや不良:2」及び1点以上1.6点未満を「不良:1」とし、評価結果とした。
【0057】
<脱色処理時における濯ぎ時の感触>
未処理の毛束と、脱色処理した毛束について、パネラー10名が濯ぎ時に毛束に指を通した感触を比較し、脱色処理した毛束の濯ぎ時の感触が良いか否か評価した。“優れる:5”は、パネラー10人中「良い」と答えた人が9人以上であることを示し、“良い:4”は、パネラー10人中「良い」と答えた人が7〜8人であることを示し、“可:3”は、パネラー10人中「良い」と答えた人が5〜6人であることを示し、“やや悪い:2”は、パネラー10人中「良い」と答えた人が3〜4人であることを示し、“悪い:1”は、パネラー10人中「良い」と答えた人が2人以下であることを示す。
【0058】
<脱色処理後の感触>
未処理の毛束と、脱色処理が施された毛束とをパネラー10名が毛束に指を通した感触を比較し、脱色処理毛束の感触が良いか否か評価した。“優れる:5”は、パネラー10人中「良い」と答えた人が9人以上であることを示し、“良い:4”は、パネラー10人中「良い」と答えた人が7〜8人であることを示し、“可:3”は、パネラー10人中「良い」と答えた人が5〜6人であることを示し、“やや悪い:2”は、パネラー10人中「良い」と答えた人が3〜4人であることを示し、“悪い:1”は、パネラー10人中「良い」と答えた人が2人以下であることを示す。
【0059】
【表1】

【0060】
【表2】

【0061】
【表3】

表1,2に示されるように、各実施例に係る脱色剤は、全ての評価項目における評価が3以上であることが分かった。(E)キレート化剤を含有する実施例1〜3及び5〜10は、特に脱色性がより優れることが分かった。(F)アミノ酸を含有する実施例1〜5及び7〜10は、特に脱色処理後の毛髪の感触がより優れることが分かった。
【0062】
脱色剤中に(A)過硫酸塩を含有しない比較例1は、各実施例に対し、脱色性の評価が低いことが分かった。染毛剤中に(B)セルロース系カチオン性ポリマーを含有しない比較例2及び(B)セルロース系カチオン性ポリマーの代わりに塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体(マーコート295)を含有する比較例3は、各実施例に対し、特に脱色処理後の毛髪の感触の評価が低いことが分かった。
【0063】
染毛剤中に(C)アニオン性ポリマーを含有しない比較例4及び(C)アニオン性ポリマーの代わりにヒドロキシエチルセルロースを含有する比較例5は、各実施例に対し、脱色性及び濯ぎ時の感触の評価が低いことが分かった。
【0064】
使用時における(C)アニオン性ポリマーの含有量に対する(B)セルロース系カチオン性ポリマーの含有量の質量比(B/C)が0.2未満である比較例6は、特に脱色処理後の毛髪の感触の評価が低いことが分かった。使用時における(C)アニオン性ポリマーの含有量に対する(B)セルロース系カチオン性ポリマーの含有量の質量比(B/C)が1.9を超える比較例7は、特に脱色性の評価が低いことが分かった。
【0065】
使用時における(B)セルロース系カチオン性ポリマーの含有量に対する(A)過硫酸塩の含有量の質量比(A/B)が15未満である比較例8は、脱色性及び脱色処理後の毛髪の感触の評価が低いことが分かった。使用時における(B)セルロース系カチオン性ポリマーの含有量に対する(A)過硫酸塩の含有量の質量比(A/B)が50を超える比較例9は、脱色処理後の毛髪の感触の評価が低いことが分かった。
【0066】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下に追記する。
(イ)前記毛髪脱色・脱染剤中における(E)キレート化剤の含有量は、0.01〜10質量%であることを特徴とする前記毛髪脱色・脱染剤。
【0067】
(ロ)さらに、アルカリ剤としてメタケイ酸塩を含有することを特徴とする前記毛髪脱色・脱染剤。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)過硫酸塩、(B)セルロース系カチオン性ポリマー、(C)アニオン性ポリマー、及び(D)酸化剤を含有する毛髪脱色・脱染剤において、
前記(C)アニオン性ポリマーの含有量に対する(B)セルロース系カチオン性ポリマーの含有量の質量比は、0.2〜1.9であり、
前記(B)セルロース系カチオン性ポリマーの含有量に対する(A)過硫酸塩の含有量の質量比は、15〜50であることを特徴とする毛髪脱色・脱染剤。
【請求項2】
さらに、(E)キレート化剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の毛髪脱色・脱染剤。
【請求項3】
さらに、(F)アミノ酸を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の毛髪脱色・脱染剤。

【公開番号】特開2011−162505(P2011−162505A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−28962(P2010−28962)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(000113274)ホーユー株式会社 (278)
【Fターム(参考)】