説明

民生用電子装置のユーザインターフェースを修正する方法、対応する装置、信号及び、データキャリア

【課題】 所定の基本UI機能性を更新する又は、分離された、専用のUIサブ範囲を一時的に実行するのに使用される、民生用電子装置のユーザインターフェースを修正する方法を提供することである。
【解決手段】 本発明に従って、民生用電子装置のユーザインターフェースは修正され、これは、例えば、所定の基本UI機能性を更新する又は、分離された、専用のUIサブ範囲を一時的に実行するに使用される。この目的のために、ユーザインターフェースを制御するサイド情報成分を有するサイド情報と、サイド情報成分の有効性開始及び/又終了時間を定義する有効性情報が受信される。サイド情報成分と有効性情報は蓄積され(9)、そして、ユーザインターフェースは、前記蓄積されたサイド情報成分を使用して修正される(10)。ユーザインターフェース修正の開示時間及び/又は終了時間は、前記蓄積された有効性情報により制御される(11)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、民生用電子装置のユーザインターフェースを修正する方法に関連する。本発明は、更に、民生用電子装置のユーザインターフェースを修正する方法が使用される装置及び、対応する信号及びデータキャリアに関連する。
【背景技術】
【0002】
一般的な用語では、ユーザインターフェース(UI)は、装置又はプログラムの全ての特徴を含み、これらは、ユーザとの相互動作に使用される。これは、コマンドと機構を含み、ユーザは、それを、装置又はプログラムの動作を制御し且つデータを入力するのに使用するが、しかし、装置又はプログラムにより出力もされ、それらはユーザにより見られ又は聴かれ又はそうでなければ知覚されることができる。
【0003】
特に、民生用電子装置とコンピュータシステムに関しては、広範囲なユーザインターフェースが開発され且つ利用されている。非常に単純なそして今日の多くの領域での時代遅れのユーザインターフェースは、ユーザがキーボードでテキストコマンドをタイプすることを要求し、そして、出力として単一のテキストのストリームを発生する。さらに快適なのは、グラフィックユーザインターフェースであり、これは、出力に、表示されるウインドウ、画像又は、アイコンを使用し、そして、入力とディスプレイをわたって移動するカーソルの制御に、”アップ”及び、”ダウン”キー又は、マウス、トラックボール又はタッチパッドのようなポインティング装置を使用する。更に高度なものは、音声認識に基づいた音声制御されたユーザインターフェースである。しかしながら、これらのインターエースの欠点は、一旦それぞれの装置が工場に置かれると、それらは定義され且つ固定され、これは拡張又は補正が可能でないことを意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の1つの目的は、例えば、所定の基本UI機能性を更新する又は、分離された、専用のUIサブ範囲を一時的に実行するのに使用される、民生用電子装置のユーザインターフェースを修正する方法を開示することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1に記載されている方法により達成される。
【0006】
本発明に従った方法は、
前記ユーザインターフェースを制御するサイド情報成分を有するサイド情報と、前記サイド情報成分の有効性を定義する有効性情報を受信し、
前記サイド情報成分と前記有効性情報を蓄積し、
前記ユーザインターフェースを、前記蓄積されたサイド情報成分を使用して修正し、
前記蓄積された有効性情報により、前記ユーザインターフェース修正の開示時間及び/又は終了時間を制御する。
【0007】
これは、可変の継続期間で、サイド情報を使用して装置自身のUIを修正することを可能とする。
【0008】
本発明の方法を実行する対応する装置は、請求項11に規定されている。対応する信号と信号を含むデータキャリアは、それぞれ請求項14に規定されている。
【0009】
本発明の優位な追加の実施例は、それぞれの従属請求項に開示されている。
【0010】
本発明の特徴と優位点は、図面と共に、以下の本発明の詳細な説明を読めば、更に明らかとなろう。
【発明の効果】
【0011】
所定の基本UI機能性を更新する又は、分離された、専用のUIサブ範囲を一時的に実行するのに使用される、民生用電子装置のユーザインターフェースを修正する方法、対応する装置、信号及び、データキャリアを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例のブロック図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の実施例のブロック図を示す。主データと埋め込まれたサイド情報よりなる受信された信号は、抽出器1に供給される。主データは、AVデータ又は純粋なビデオ又はオーディオデータであり、アナログ又は、例えば、MPEG−2規格に従って圧縮された、ディジタル形式のいずれかである。アナログTV信号の場合には、サイド情報は垂直ブランキング期間内に埋め込まれて受信されそして、適するデータスライサーで分離され、これは、テレテキスト、VPS又はクローズドキャプションのようなVBIデータの分離にも使用され得る。ディジタルTV信号に対しては、サイド情報は対応するデータチャネル内に埋め込まれ、例えば、ユーザデータは使用されず、そして、適するデマルチプレクサにより分離され得る。主データからサイド情報が分離された後に、主データは、例えば、MPEG−2復号器のような適する処理手段2へ転送され、そして、最後に、ディスプレイ3及び/又は1つ又はそれ以上のラウドスピーカ4を使用して再生される。
【0014】
ユーザインターフェースユニット5は、例えば、マウス制御のカーソルを使用してユーザによりグラフィックUIの表示とコマンドの入力のような、ユーザと装置の間の相互動作を制御する。ユーザインターフェースユニット5は、ユーザ入力を受信するコマンド入力手段6、UIのコマンドと機構を扱う処理ユニット7及び、変更されずに保持されるUI部分に対するパラメータの恒久的な蓄積のための第1のバッファ8を有する。更に、第2のバッファ9、修正ユニット10及び、制御ユニット11が、本発明に従ったUIを修正する目的で用いられる。第2のバッファ9は、抽出器1から、ユーザインターフェースを制御するサイド情報成分を含むサイド情報と、前記サイド情報成分の有効性開始及び/又は終了時間を定義する有効性情報を受信し、この両方はバッファ9に蓄積される。サイド情報成分と有効性情報は修正ユニット10に送られ、修正ユニット10は、これらのデータを処理し、そして、制御ユニット11により、おそらく処理ユニット7と共に、それぞれのサイド情報の開始時間が合図されたときに、UIを修正する。サイド情報成分の終了時間に達したときに、これは、制御ユニット11により合図され、そして、修正は逆にされる。
【0015】
更なる実施例では、サイド情報は第1のバッファ8に書きこまれそして、第2のバッファ9へサイド情報を書きこむ代わりに、そこで、UI修正の継続時間の間保持される。このように、追加のバッファ9に対するコストが節約できる。
【0016】
カーソルを使用する入力又は視覚的メニューからのボタン選択のかわりに又はそれに加えて、UIは音声により要求を行う可能性も提供する。
【0017】
サイド情報は、例えば、新たな機能を有する追加のボタンを挿入する又は、追加のコマンドで新たなサブディレクトリを形成するというような、UIの視覚的な外観を修正するのに使用され得る。音声制御の場合には、追加のユーザコマンドは音声認識アルゴリズムにより認識される新たなキーワードであり、これは、PCM波形の一部分又は、時間パラメータ範囲内に蓄積され得る。また、音声合成を含むユーザインターフェースに対しては、サイド情報を、例えば、新たな音声キーワードを追加する又は、音声の音を変更するために、音声合成のためのパラメータセットを変更するのに使用できる。
【0018】
サイド情報は、AVデータと共に特にAVデータに埋め込まれ、放送局から受信される。しかしながら、AVデータとサイド情報は、例えば、DVDディスクのような光蓄積ディスクのような、データキャリアにより供給されることも可能である。さらにその上、サイド情報は、例えば、電話線のような別の入力チャネルで受信されることも可能である。
【0019】
ユーザインターフェースは、実行されそして動作されている民生用電子装置自身で表示されることができるが、しかし、例えば、ディジタルホームネットワークを介して、制御された装置に接続された更なる装置で実行もできる。
【0020】
本発明関する多くの可能な応用がある。以下は、テレビジョンゲームショーを見ているユーザに対する、これらの例示的な1つを示す。ゲームショーでは、幾つかのチーム又は候補者が競争する。候補者により幾つかのタスクが解決された後に、テレビジョン視聴者は、ゲームショーの勝者を決定するために投票が求められる。この目的のために、例えば、”青チーム”、”赤チーム”及び、”黄色チーム”のような、それぞれの候補者に割当てられキーワードが、サイド情報として伝送される。これらのキーワードは、投票時間中に有効に設定されそして、ユーザの呼出せるメニュー内のテーブルとして現れ又は、音声認識ユニットの語彙に加えられることが可能である。そして、ユーザは、表示されたボタンを押すことにより又は、それぞれのキーワードを話すことにより、1つのチームを選択する。ユーザによりなされた選択は、検出され、そして、ユーザの投票は、計数と評価のためにバックチャネルを介して放送局に伝送される。
【0021】
本発明は、例えば、電子番組案内又は、民生用電子装置の任意の他のユーザインターフェースに、使用できるがしかし、どのような他の装置のユーザインターフェースにも使用できる。
【符号の説明】
【0022】
1 抽出器
2 処理手段
3 ディスプレイ
4 ラウドスピーカ
5 ユーザインターフェースユニット
6 コマンド入力手段
7 処理ユニット
8 第1のバッファ
9 第2のバッファ
10 修正ユニット
11 制御ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
民生用電子装置のユーザインターフェースを修正する方法であって、
前記ユーザインターフェースはテキスト、音声認識及びグラフィカルユーザインターフェースのうち少なくとも1つを有し及びユーザと前記民生用電子装置との間の相互動作を制御し、
前記方法は、
−前記ユーザインターフェースの機能の修正の指示を有するサイド情報成分を有するサイド情報と、前記サイド情報成分の有効性を定義する有効性情報を受信し、
−前記サイド情報成分と前記有効性情報を蓄積し、
−前記蓄積されたサイド情報成分により示された前記ユーザインターフェースの機能の修正の指示に基づき、前記ユーザインターフェースの代わりに又は前記ユーザインターフェースに追加して前記ユーザインターフェースのうちの別の1つを提供し、
−前記蓄積された有効性情報により、前記修正されるユーザインターフェースの機能の開始時間及び/又は終了時間を制御する、
方法。
【請求項2】
前記修正されるユーザインターフェースの機能は、カーソルの使用又は視覚的メニューからのボタン選択による入力の代わりに又はそれらに追加して音声により要求を行う可能性を提供する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記有効性情報は、前記サイド情報成分の有効性開始及び/又は終了時間を定義し、
前記サイド情報成分の蓄積時間は、前記有効性情報により前記サイド情報成分に対して、個々に制御される、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザインターフェースは前記の音声認識ユーザインターフェースであり、前記ユーザインターフェースの機能を修正することは、前記サイド情報成分を用い、前記開始時間から前記終了時間まで、PCM波形の一部分として又は時間パラメータ範囲に蓄積された新たな音声キーワードにより音声認識の語彙を変更するか又は該新たな音声キーワードを該音声認識の語彙に追加するために、前記音声認識ユーザインターフェースにより認識されるべき前記新たな音声キーワードである追加コマンドを作成することを含む、
請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記サイド情報は、主AVデータに埋め込まれて受信され、受信後に前記主AVデータから抽出される、
請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記主AVデータは、アナログ又はディジタルTV信号であり、前記サイド情報成分は、アナログTV信号の垂直ブランキング期間内に又はディジタルTV信号の対応するデータチャネル内に埋め込まれて受信される、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記サイド情報は、例えば電話線のような別の入力チャネルで受信される、
請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記有効性情報は、どのプログラムの前記サイド情報が有効にされるべきかを限定するプログラム識別情報を含む、
請求項1乃至7のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記サイド情報成分は、ユーザの要求に際して受信される、
請求項1乃至8のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記サイド情報成分は、サービスプロバイダの要求に際して受信される、
請求項1乃至9のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
ユーザコマンド入力手段を備えたユーザインターフェースを有する民生用電子装置あって、
前記ユーザインターフェースはテキスト、音声認識及びグラフィカルユーザインターフェースのうち少なくとも1つを有し及びユーザと前記民生用電子装置との間の相互動作を制御し、
前記民生用電子装置は、
前記ユーザインターフェースの機能の修正の指示を有するサイド情報成分を有するサイド情報と、前記サイド情報成分の有効性を定義する有効性情報を受信する受信手段と、
前記サイド情報成分と前記有効性情報を蓄積する蓄積手段と
前記蓄積されたサイド情報成分により示された前記ユーザインターフェースの機能の修正の指示に基づき、前記ユーザインターフェースの代わりに又は前記ユーザインターフェースに追加して前記ユーザインターフェースのうちの別の1つを提供する修正手段と、
前記蓄積された有効性情報により、前記修正されるユーザインターフェースの機能の開始時間及び/又は終了時間を制御する制御手段、
を有する民生用電子装置。
【請求項12】
前記ユーザインターフェースは、音声制御ユニットを有し、
前記ユーザインターフェースの機能を修正することは、前記サイド情報成分を用い、前記音声制御ユニットの音声認識ユニットにより識別されるべき新たな音声キーワードである追加コマンドを作成することを含み、前記開始時間から前記終了時間まで、PCM波形の一部分として又は時間パラメータ範囲に蓄積された前記新たな音声キーワードにより前記音声認識ユニットの語彙を変更するか又は該新たな音声キーワードを該音声認識ユニットの語彙に追加する、
請求項11に記載の民生用電子装置。
【請求項13】
受信手段は、受信後に、主AVデータから前記サイド情報を抽出するための手段を有する、
請求項11或は12に記載の民生用電子装置。
【請求項14】
AVデータ及びサイド情報を有するデータ担体であって、
前記サイド情報はサイド情報成分及び有効性情報を有し
前記サイド情報成分は、ユーザインターフェースの機能の修正の指示を有し、
前記ユーザインターフェースは、テキスト、音声認識及びグラフィカルユーザインターフェースのうち少なくとも1つを有し、及び
前記有効性情報は、前記サイド情報成分の有効性を定義し、前記修正されるユーザインターフェースの機能の開始時間及び/又は終了時間を制御することを可能にする、
データ担体。

【図1】
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【公開番号】特開2010−44776(P2010−44776A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−230325(P2009−230325)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【分割の表示】特願2002−139040(P2002−139040)の分割
【原出願日】平成14年5月14日(2002.5.14)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】1−5, rue Jeanne d’Arc, 92130 ISSY LES MOULINEAUX, France
【Fターム(参考)】