説明

水位温度測定装置

【課題】従来よりも信頼度が高い水位および温度の検出および測定結果を得ることが可能な水位温度測定装置を提供する。
【解決手段】水位温度測定装置10は、個々が熱電対とヒータ線とを備える複数n個の水位温度検出装置11からn個の水位情報とn個の温度情報とを受け取り、n個の水位および温度を測定する手段と、個々の熱電対およびヒータ線から取得した電気的な物理量に基づいて水位および温度の検出機能を喪失しているか否かを判断する手段と、n個の水位測定結果および温度測定結果、水位検出機能喪失の判断結果および温度検出機能喪失の判断結果を用いて、少なくとも、1個の水位測定結果と、1個の温度測定結果を得る演算処理を行う手段を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水位および温度を測定する水位温度測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水位温度測定装置は、色々な分野で適用されているが、適用する分野に応じて種々の制約があり、当該制約を考慮した様々な構成が考えられている。例えば、原子力発電所における使用済み燃料を保管する使用済み燃料貯蔵プール内のプール水の水位および温度の測定に用いられる水位温度測定装置は適用環境上の制約がある。
【0003】
原子力発電所における使用済み燃料を保管する使用済み燃料貯蔵プールは、その上部に燃料交換用のクレーンが配置され、上面全体を移動するために、水位計および温度計の設置スペースが非常に限られている。また、プール水の漏えい防止の観点から、プール壁面部に貫通孔を設けることができず、水位計として一般的に採用される差圧式水位計測方式を採用することができない。さらに、燃料貯蔵プール内に異物が落下すると取り出しが困難であるため、プール内への異物混入防止対策も考慮しなければならない。
【0004】
このような事情の下、例えば、特開平10−153681号公報(特許文献1)に記載されるように、温度計(アルメル−クロメル熱電対)の測温部の近傍にヒータを配置し、このヒータを発熱させて温度計測することにより、使用済み燃料貯蔵プール内に貯えられるプール水の水位および温度を検出する水位温度検出装置が提案されている。上記特許文献1に記載される水位温度検出装置等の従来の水位温度検出装置は、通常水位付近を測定可能な水位計および温度計が1系統(1チャンネル)設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−153681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
昨今、使用済み燃料貯蔵プールの監視性強化が望まれており、監視系の重要度の認識が高まっている。ところが、上記特許文献1に記載される水位温度検出装置等の従来の水位温度検出装置では、1チャンネルの単一故障によってプール水の水位および温度の測定が行えず、プール水の水位および温度を監視する監視機能が完全に喪失してしまうため、使用済み燃料貯蔵プールの監視性強化の要請に応えるものではなかった。
【0007】
使用済み燃料貯蔵プールの水位および温度計装の重要性に鑑みれば、1チャンネルの単一故障があったとしても、プール水の温度および水位を監視する監視機能が完全に喪失する事態を回避できるようにすべきである。プール水の温度および水位を監視する監視機能が完全に喪失する事態を回避する方法の1つとしては、システム構成を多重化することが考えられる。
【0008】
しかしながら、原子力発電所の使用済み燃料貯蔵プールの水位計および温度計では、多重化する場合のシステム構成、チャンネル故障によるシステムへの影響などが考慮されていないため、単純なシステム多重化では、運転員が現状を誤認識し、プラントの運転に悪い影響を及ぼす可能性も否定できない。従って、故障したチャンネルの検出と当該チャンネル信号の除外等を的確に実施し、運転員の誤認識を確実に回避するよう配慮する必要がある。
【0009】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたものであり、従来よりも信頼度が高い水位および温度の検出および測定結果を得ることが可能な水位温度測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態に係る水位温度測定装置は、上述した課題を解決するため、水位を検出する水位検出手段と温度を検出する温度検出手段とが、それぞれ、複数であるn個のチャンネルを有し、個々のチャンネルが熱電対とヒータ線とを備えた水位温度測定装置であり、複数であるn個のチャンネルを有する前記水位検出手段から各チャンネルで検出したn個の水位情報と、n個のチャンネルを有する前記温度検出手段から各チャンネルで検出したn個の温度情報とをチャンネル毎に受け取り、チャンネル毎にn個の水位とn個の温度とを測定する手段と、前記水位検出手段の各チャンネルおよび当該温度検出手段の各チャンネルの前記熱電対と前記ヒータ線から電気的な物理量を取得し、取得した電気的な物理量に基づいて当該水位検出手段の各チャンネルおよび当該温度検出手段の各チャンネルが検出機能を喪失しているか否かを判断する手段と、n個の水位測定結果、n個の温度測定結果、前記水位検出手段のチャンネル毎の検出機能喪失判断結果、および、前記温度検出手段のチャンネル毎の検出機能喪失判断結果を用いて、少なくとも1個以上の水位測定結果と少なくとも1個以上の温度測定結果とを得る演算処理を行う手段と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、従来よりも、使用済み燃料貯蔵プールの水位および温度を監視する信頼度が高い水位温度測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る水位温度測定装置の適用例を示す概略図。
【図2】本発明の実施形態に係る水位温度測定装置で用いられる水位温度検出装置の断面図であり、(A)は部分縦断面図、(B)は水平断面図。
【図3】本発明の実施形態に係る水位温度測定装置で用いられる水位温度検出装置の収容管先端近傍の拡大断面図であり、(A)は部分縦断面図、(B)は水平断面図。
【図4】本発明の実施形態に係る水位温度測定装置のシステム構成例を示す概略図。
【図5】本発明の実施形態に係る水位温度測定装置で実行される水位温度検出装置故障判定処理手順の処理ステップを示した処理フロー図である。
【図6】本発明の実施形態に係る水位温度測定装置で実行される第1の水位温度検出正常異常判定処理手順(水位)における処理ステップを示す処理フロー図。
【図7】本発明の実施形態に係る水位温度測定装置で実行される第1の水位温度検出正常異常判定処理手順(温度)における処理ステップを示す処理フロー図。
【図8】本発明の実施形態に係る水位温度測定装置で実行される第2の水位温度検出正常異常判定処理手順(水位)における処理ステップを示す処理フロー図。
【図9】本発明の実施形態に係る水位温度測定装置で実行される第3の水位温度検出正常異常判定処理手順(水位)における処理ステップを示す処理フロー図。
【図10】本発明の実施形態に係る水位温度測定装置で実行される第4の水位温度検出正常異常判定処理手順(水位)における処理ステップを示す処理フロー図。
【図11】本発明の実施形態に係る水位温度測定装置で実行される第5の水位温度検出正常異常判定処理手順(水位)における処理ステップを示す処理フロー図。
【図12】本発明の実施形態に係る水位温度測定装置で実行される第6の水位温度検出正常異常判定処理手順(水位)における処理ステップを示す処理フロー図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態に係る水位温度測定装置について、添付の図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る水位温度測定装置の一例である水位温度測定装置10の適用例を示す概略図である。
【0015】
水位温度測定装置10は、例えば、原子力発電設備内の原子炉建屋に設置される使用済み燃料貯蔵プール1に貯えられるプール水2の水位および温度を監視する場合等、水位と温度の監視を行う場合に適用される。例えば、使用済み燃料貯蔵プール1の四隅には、それぞれ独立した4つ等の複数チャンネルの水位温度検出装置11(111,112,113,114)が取り付けられる。
【0016】
ここで、符号3は使用済み燃料集合体を収納したラックである。また、符号H,H,・・・,Hj−1,H(jは2以上の整数)は、それぞれ、プール水2の水位を検出する検出点(水位検出点)であり、使用済み燃料貯蔵プール1の底面からの高さを示す。水位温度測定装置10では、最も低い位置(底面に近い位置)に設定される水位検出点Hは使用済み燃料貯蔵プール1の底面からラック3の上面までの高さaよりも底面に近い位置、すなわち、a>Hとなるように設定される。
【0017】
水位温度検出装置11(111,112,113,114)は、水位の検出機能と、温度の検出機能を有する装置である。水位の検出方法および温度の検出方法は様々あるが、図1および後述する図2,3に一例として示したものは、熱電対を用いた水位温度検出装置である。熱電対を用いた水位温度検出装置11は、1つの装置で水位と温度の両方を検出できる利点がある。また、シース付きの熱電対については、その材料特性から高温、高湿度、高放射線場での耐性に優れており、事故時環境下での使用に適しているという利点もある。
【0018】
使用済み燃料貯蔵プール1等の現場側に取り付けられた各チャンネルの水位温度検出装置111,112,113,114は、例えば中央制御室等の現場から遠隔にある監視側に設置されたチャンネル毎の監視装置12(121,122,123,124)とそれぞれ情報伝送可能に接続される。燃料使用済み燃料貯蔵プール1およびその近傍は、環境が苛酷なため、水位温度検出装置111,112,113,114と監視装置121,122,123,124とは、例えば、MI(Mineral Insulation)ケーブルなどの耐環境性能に優れたケーブル等を使用して情報を伝送可能に接続される。
【0019】
このように構成される水位温度測定装置10では、水位温度検出装置11(111,112,113,114)で検出した情報が、それぞれ、各チャンネルに対応したチャンネル毎の監視装置12(121,122,123,124)に与えられる。すなわち、第1チャンネルの水位温度検出装置(以下、「第1の水位温度検出装置」と称する。)111で検出された情報は第1チャンネルの監視装置(以下、「第1の監視装置」と称する。)121へ与えられ、これと同様に、第2,3,4チャンネルの水位温度検出装置(以下、それぞれ、「第2の水位温度検出装置」、「第3の水位温度検出装置」および「第4の水位温度検出装置」と称する。)112,113,114は、それぞれ、第2,3,4チャンネルの監視装置(以下、それぞれ、「第2の監視装置」、「第3の監視装置」および「第3の監視装置」と称する。)122,123,124へ与えられる。
【0020】
また、監視装置121,122,123,124は、各チャンネルの監視装置121,122,123,124から情報を受け取り、監視対象の正常異常を判定する判定演算処理を実行する演算処理装置13と接続されており、演算処理装置13は、演算処理装置13の演算結果を表示する表示装置14と接続される。
【0021】
また、水位温度測定装置10では、各チャンネルの監視装置121,122,123,124には、それぞれ、第1の電源装置151、第2の電源装置152、第3の電源装置153、第4の電源装置154が接続されており、チャンネル毎に1つの電源が確保されている。このように、各チャンネルに対応させて独立に電源装置15(151,152,153,154)を設けて、電源供給ストップに伴う監視機能の全喪失の回避を図っている。
【0022】
なお、演算処理装置13と表示装置14は、必ずしも図1に示されるように独立した装置として構成される場合に限定されない。例えば、単一のコンピュータ等を用いて一体的に構成される場合もある。
【0023】
図2は、水位温度測定装置10で用いられる水位温度検出装置11の断面図であり、図2(A)が部分縦断面図、図2(B)が水平断面図である。
【0024】
水位温度検出装置11は、水位および温度を検出する検出部20を備える。検出部20は、例えば、銅−コンスタンタン熱電対等の熱電対をシース管に収納して構成されるシース熱電対21と、このシース熱電対21の測温接点22の周辺温度を可変する熱源としてのヒータ線23と、このシース熱電対21およびヒータ線23を収容する収容管24と、を有する。測温接点22は、例えば、銅の素線とコンスタンタンの素線とを溶接によって接合することによって設けられる接点である。
【0025】
ここで、符号26は開口部、符号27は保護管、符号28は支持部材、および、符号29は孔部である。開口部26は、図1に示される水位検出点と対応する高さH,H,・・・,Hj−1,Hにそれぞれ設けられている。
【0026】
このように検出部20が構成されることにより、シース熱電対21は、プール水2の温度情報を検出する温度情報検出手段として機能する。さらに、シース熱電対21に熱源であるヒータ線23により測温接点22の周辺に温熱又は冷熱を投入し、そのときのシース熱電対21の検出温度の変化を導くことで、シース熱電対21は、その周辺が気体であるか水であるかを判別して水の有無を検出する水位情報検出手段として機能する。この判別法は、気体および水の熱伝導率が異なることに起因して、ヒータ線23から投入された熱による周辺温度の変化に違いが生じることを原理としている。
【0027】
すなわち、検出部20は、温度情報検出手段としてのシース熱電対21に、熱源としてのヒータ線23からの熱を投入することで、温度情報検出手段としてのシース熱電対21を水位情報検出手段として機能させ、水位検出機能を実現する。
【0028】
なお、検出部20の温度情報検出手段として採用される熱電対は、必ずしも銅−コンスタンタン熱電対である必要はなく、例えば、クロメルアルメル熱電対等の他の種類の熱電対を採用することもできる。また、必ずしもシース熱電対21に限定されない。
【0029】
しかしながら、水位温度測定装置10における検出部20の温度情報検出手段として採用される熱電対は、銅−コンスタンタン熱電対が好ましく、また、シース管に収納して構成されるシース熱電対が好ましい。さらに、銅−コンスタンタン熱電対をシース管に収納して構成されるシース熱電対がより好ましい。
【0030】
これは、水位温度測定装置10では、燃料プール1の深い位置においてプール水2の水位を検出可能とする観点から、熱電対の素線31を長い状態で施設するためである。すなわち、熱電対の素線31が長くなれば、長くなる程に、検出される熱起電力のノイズも大きくなるために、S/N比(Signal-to-Noise Ratio)を稼ぐために熱起電力が大きい熱電対の方が好ましいためである。また、熱電対の素線31が長くなる程、熱電対の素線31に大きな負荷がかかるため、機械的特性に優れている熱電対の方が好ましいためである。
【0031】
図3は、水位温度測定装置10で用いられる水位温度検出装置11の収容管24の先端近傍の拡大断面図であり、図3(A)が部分縦断面図、図3(B)が水平断面図である。
【0032】
収容管24は、内部にシース熱電対21およびヒータ線23を収容し、さらに熱伝導度が高い絶縁体である酸化マグネシウム(MgO)で充填され、外側はプール水や大気に接する。シース熱電対21は、この収容管24および酸化マグネシウムを介してプール水や大気の温度を計測し、ヒータ線23から投入された熱(温熱,冷熱)は、この酸化マグネシウムおよび収容管24を通過してプール水や大気に放出される。
【0033】
図4は、本発明の実施形態に係る水位温度測定装置の一例である水位温度測定装置10のシステム構成例を示す概略図である。
【0034】
なお、図4に示される第nの検出装置11n、第nの監視装置12nおよび第nの電源装置15nは、それぞれ、第nチャンネルの検出装置、監視装置および電源装置である。以下、チャンネルを区別して検出装置、監視装置および電源装置を説明する必要がある場合には、第nチャンネルの検出装置、監視装置および電源装置を、それぞれ、第nの検出装置11n、第nの監視装置12nおよび第nの電源装置15nと称して説明する。
【0035】
水位温度測定装置10は、それぞれ独立したnチャンネル(nは2以上の整数)の監視装置12(121,・・・,12n)と、個々の監視装置121,・・・,12nからプール水の水位測定結果(水位測定値)と温度測定結果(温度測定値)とを含む監視対象測定結果情報と、水位温度検出装置11(111,・・・,11n)が故障(水位および温度の検出機能の少なくとも一方を喪失)しているか否かを判断する際に必要となる故障判定基礎情報とを受け取り、得られた水位および温度の測定結果が測定装置として適正な値(正常値)を得ているか否かおよび水位温度検出装置11(111,・・・,11n)が故障しているか否かを判断する演算処理を実行する演算処理装置13と、演算処理装置13の演算結果を表示する表示装置14と、を具備する。
【0036】
水位温度検出装置11(111,・・・,11n)は、監視対象情報を検出する機能と、自装置の故障判定基礎情報を検出する機能とを有する。監視対象情報検出手段としての水位温度検出装置11(111,・・・,11n)は、検出した水位および温度等の監視対象情報を、それぞれ、対応するチャンネルの監視装置12(121,・・・,12n)に与える。また、故障判定基礎情報検出手段としての水位温度検出装置11(111,・・・,11n)は、故障判定基礎情報を、それぞれ、対応するチャンネルの監視装置12(121,・・・,12n)に与える。
【0037】
ここで、故障判定基礎情報の一例としては、水位温度検出装置11(111,・・・,11n)に用いられるヒータ線の抵抗値情報と、シース熱電対21の素線間(例えば、素線が銅とコンスタンタンであれば、銅線とコンスタンタン線と間)の電位差情報とがある。ヒータ線の抵抗値情報はヒータ線の状態、すなわち、正常に水位を検出できるか否かを判断するために使用される。また、シース熱電対21の素線間の電位差情報は、銅−コンスタンタン熱電対の状態、すなわち、正常に温度および水位を検出できるか否かを判断するために使用される。
【0038】
ヒータ線の抵抗値が無限大(∞)となる場合には、ヒータ線が断線していると判断できるので、ヒータ線の抵抗値が無限大となる水位温度検出装置111,・・・,11nは、当該水位温度検出装置の故障(より詳細には水位検出機能の喪失)と判断できる。また、ヒータ線の抵抗値が無限大とはならないまでもヒータ線の抵抗値が、温度の上昇がほとんどないにもかかわらず上昇しており正常動作時に想定される上限(閾値)を超えた異常値を示した場合には、ヒータ線の劣化が進展(断線の予兆現象)している可能性があると判断できる。このような劣化が進展しているヒータ線は、温度測定中に断線する可能性も否定できない。
【0039】
そこで、水位温度測定装置10では、ヒータ線の抵抗値が無限大であるか否かを問わず、所定値を超えた場合(異常値を示した場合)、異常値を示したヒータ線を備える水位温度検出装置111,・・・,11nは、水位検出機能が喪失した健全でない状態、すなわち、故障状態であると判断する。
【0040】
なお、ヒータ線の抵抗値が無限大の場合と無限大ではないが予め設定した上限値を超えた異常値を示した場合とを区別して判断するようにしても構わない。例えば、ヒータ線の抵抗値が無限大の場合は故障状態と判断し、故障と判断した水位温度検出装置111,・・・,11nは温度測定に使用する温度検出手段から除外するが、ヒータ線の抵抗値が無限大ではない異常値の場合は故障予備状態と判断し、監視装置121,・・・,12nへの警報(通知)にとどめるようにしても良い。
【0041】
一方、シース熱電対の素線間に電位差が生じていない場合には、シース熱電対を構成する2つ素線が接触していないと判断できる。水位温度測定装置10では、シース熱電対の素線間に電位差が生じていない場合、電位差を生じていないシース熱電対を備える水位温度検出装置111,・・・,11nは、温度計測機能および水位検出機能が喪失した故障状態であると判断する。
【0042】
このように、水位温度測定装置10では、水位および温度測定時に水位温度検出装置111,・・・,11nの故障の有無を判断する機能を有するので、水位および温度測定時に使用する水位情報検出手段および温度情報検出手段として故障状態にあると判断された水位温度検出装置111,・・・,11nを用いることなく、水位情報検出手段および温度情報検出手段として故障状態にない正常な水位温度検出装置111,・・・,11nを選択して使用することができる。
【0043】
監視装置12(121,・・・,12n)は、各水位温度検出装置11(111,・・・,11n)からチャンネル毎に取得する水位情報に基づいて水位を測定する機能と、取得する温度情報に基づいて温度を測定する機能と、故障判定基礎情報に基づいて水位温度検出装置11(111,・・・,11n)が故障しているか否かを判断する機能と、を有する。
【0044】
監視装置121,・・・,12nは、それぞれ、水位温度検出装置111,・・・,11nと接続されており、第1の監視装置12は、第1の水位温度検出装置111で取得した水位情報および温度情報に基づいて水位および温度をそれぞれ測定するとともに第1の水位温度検出装置111が故障しているか否かを判断する。他の監視装置についても第1の監視装置121と同様であり、第nの監視装置12nは、第nの水位温度検出装置11nで取得した水位情報および温度情報に基づいて水位および温度をそれぞれ測定するとともに第nの水位温度検出装置11nが故障しているか否かを判断する。
【0045】
また、監視装置121,・・・,12nは、水位および温度の測定結果、得られた測定結果が正常値であるか否かの判定結果および自らの監視装置12(121,・・・,12n)と接続される水位温度検出装置11(111,・・・,11n)が故障しているか否(健全である)かの判断結果の情報を演算処理装置13へ与える。
【0046】
さらに、監視装置12(121,・・・,12n)は、任意の構成要素として、監視上の利便性等の向上の観点から情報を表示する表示部(図において省略)を備える。当該表示部を備える監視装置12(121,・・・,12n)では、水位および温度の測定結果、得られた測定結果が正常値であるか否かの判定結果および自らの監視装置12(121,・・・,12n)と接続される水位温度検出装置11(111,・・・,11n)が故障しているか否かの判断結果を当該表示部に表示できる。このように監視装置12(121,・・・,12n)が個々のチャンネルでの計測結果を表示できる表示部を備えていると、それぞれ独立したチャンネルを個別に監視でき、監視の利便性等が向上する。
【0047】
演算処理装置13は、各チャンネルの監視装置121,・・・,12nから受け取る水位温度検出装置11(111,・・・,11n)が故障しているか否かの判断結果の情報に基づいて、何れの水位温度検出装置11(111,・・・,11n)が故障しているかを判断する。そして、演算処理装置13は、各チャンネルの監視装置121,・・・,12nから受け取った水位および温度の測定結果の情報と何れの水位温度検出装置11(111,・・・,11n)が故障しているかの判断結果の情報とに基づいて、得られた測定結果が正常値であるか否かを判定し、水位温度検出装置11(111,・・・,11n)が水位情報検出手段として適正(正常)であるか、および、温度情報検出手段として適正(正常)であるかを判断する。
【0048】
また、演算処理装置13は、監視装置12(121,・・・,12n)から受け取った情報、および、演算処理装置13内で演算処理した結果を、装置内または接続された外部装置内の所定の記憶領域に格納したり、接続された他装置へ伝送したり、例えば、表示装置14等の表示機能を有する要素に表示させたりすることができる。さらに、演算処理装置13は、適正でない(異常)旨の判断した場合にはその旨を発報したり、表示装置14に表示したりすることができる。
【0049】
さらに、表示等される情報は、必ずしも全てが表示等されるわけではなく、必要に応じて選択することができる。例えば、測定結果を表示部または表示装置14に表示する場合、測定値が適正(正常)と判断したチャンネルの測定値のみを抽出して表示することもできるし、適正でない(異常)と判断したチャンネルの測定値のみを抽出して表示することもできるし、全ての測定値を測定の判断結果とともに表示することもできる。
【0050】
表示装置14は、監視装置12(121,・・・,12n)から受け取った情報、および、演算処理装置13内で演算処理した結果を表示する。水位温度測定装置10では、例えば、第1チャンネルから第nチャンネルまでの水位測定値とこれら測定値が適正(正常)か否かの判定結果、第1チャンネルから第nチャンネルまでの温度測定値とこれら測定値が適正(正常)か否かの判定結果、および、水位温度検出装置11(111,・・・,11n)が故障しているかの判断結果が表示装置14に表示される。
【0051】
ところで、水位温度測定装置10では、各チャンネルの監視装置121,・・・,12nには、それぞれ、電源装置151,・・・,15nが接続される。ここで、各符号11,12,15の末尾(一番右の桁)に付された1〜nの数字は、チャンネルに対応する。すなわち、末尾が1ならば第1チャンネルであり、末尾がn(nは2以上の整数)ならば、第nチャンネルである。以下の説明において、第nチャンネルの検出装置、監視装置および電源を、それぞれ、第nの検出装置11n、第nの監視装置12nおよび第nの電源15nと称する。
【0052】
このように、水位温度測定装置10では、各チャンネルの監視装置121,・・・,12nに対して、各チャンネルに対応させたn個の独立した電源装置15(151,・・・,15n)を設けて1つの監視装置に対して1つの電源を確保している。これにより、1つの電源から電源供給がストップしたとしても、電源供給ストップに伴う監視機能の全喪失の回避することができる。すなわち、ある1つのチャンネルで電源供給がストップしたとしても、残りのチャンネルでは電源供給を継続することができる。
【0053】
また、水位温度測定装置10は、監視対象情報および故障判定基礎情報を水位温度検出装置11(111,・・・,11n)から取得して、水位温度検出装置11(111,・・・,11n)が健全であるか否かを判断する機能と、水位温度検出装置11(111,・・・,11n)で検出される水位情報に基づいて測定される水位測定値および温度情報に基づいて測定される温度測定値が適正な測定値(正常値)であるか否(異常値)であるかを判断する機能とを有し、水位情報および温度情報の検出が適切になされているか、および、測定結果が適切かを判断して適切な測定結果を選定してユーザへ提供することができる。
【0054】
すなわち、水位温度測定装置10によれば、水位情報および温度情報の検出が適切になされていないチャンネルの水位情報検出手段および温度情報検出手段の検出と、当該チャンネルから与えられる水位情報および温度情報を除外することによって、ユーザの確実な誤認識回避を図ることができる。
【0055】
なお、水位温度測定装置10において、監視装置12(121,・・・,12n)は、位温度検出装置11(111,・・・,11n)が故障しているか否かを判断し、その判断結果を演算処理装置13へ与えると説明したが、各位温度検出装置11(111,・・・,11n)から取得した故障判定基礎情報をそのまま判断を演算処理装置13へ与えても良い。この場合、各位温度検出装置11(111,・・・,11n)が故障しているか否かの判断を演算処理装置13でも行う。
【0056】
また、上述の説明では、水位温度測定装置10について、表示装置14を具備する例を説明したが、水位温度測定装置10は必ずしも表示装置14を具備している必要はない。表示装置14を具備するのは、監視性の面では複数チャンネルの水位測定装置の測定結果を一度に確認できる方が好ましいためである。
【0057】
続いて、水位温度検出装置11(111,・・・,11n)が故障状態にあるか否(健全状態にある)かを判定する水位温度検出装置故障判定処理手順について説明する。
【0058】
図5は、水位温度検出装置故障判定処理手順の処理ステップを示した処理フロー図である。
【0059】
水位温度検出装置故障判定処理手順は、監視対象情報として水位情報および温度情報を検出する水位温度検出装置11(111,・・・,11n)から直接的または間接的に監視対象情報を取得する装置、すなわち、監視装置12(121,・・・,12n)および演算処理装置13の少なくとも一方で行われる。
【0060】
水位温度測定装置10において、水位温度検出装置故障判定処理手順を実行する装置の一例である各監視装置121,・・・,12nに水位温度検出装置故障判定処理手順の実行開始要求を受け取ると、各監視装置121,・・・,12nは水位温度検出装置故障判定処理手順の実行を開始し(START)、ステップS1において、自監視装置が監視を担当する水位温度検出装置111,・・・,11n内のシース熱電対における素線間の電位差と、ヒータ線の抵抗値とがそれぞれ計測される。
【0061】
計測の結果、シース熱電対の素線間に電位差が生じており(ステップS2でYESの場合)、かつ、ヒータ線の抵抗値が設定値以下である場合(ステップS3でYESの場合)には、当該水位温度検出装置111,・・・,11nは正常(故障なし)と判断する(ステップS4)。
【0062】
一方、計測の結果、シース熱電対の素線間に電位差が生じていない場合(ステップS2でNOの場合)には、水位検出機能および温度検出機能が喪失していると判断し、その旨を演算処理装置13へ通知するとともに、自らの監視装置121,・・・,12nの表示部に表示する(ステップS5)。また、シース熱電対の素線間に電位差が生じているものの(ステップS2でYESの場合)、ヒータ線の抵抗値が設定値を超えている場合(ステップS3でNOの場合)には、水位検出機能が喪失していると判断し、その旨を演算処理装置13へ通知するとともに、自らの監視装置121,・・・,12nの表示部に表示する(ステップS6)。
【0063】
水位温度検出装置故障判定処理手順において、ステップS4,S5,S6の何れかの処理ステップが完了すると、水位温度検出装置故障判定処理手順の全処理ステップを完了し、水位温度検出装置故障判定処理手順の実行は終了する(END)。
【0064】
続いて、水位温度検出装置11(111,・・・,11n)が水位情報検出手段および温度情報検出手段として、それぞれ、適正(正常)であるか否(異常)かを判断する、すなわち、水位温度測定装置10の各チャンネルの水位検出機能および温度検出機能が適正であるかを判断する水位温度検出正常異常判定処理手順について説明する。
【0065】
水位温度検出正常異常判定処理手順は、演算処理装置13が各チャンネルの監視装置121,・・・,12nから受け取った水位および温度の測定結果の情報と何れの水位温度検出装置11(111,・・・,11n)が故障しているかの判断結果の情報とに基づいて行う処理手順である。水位温度測定装置10で実行される水位温度検出正常異常判定処理手順には、後述する図6〜12に示されるように、幾つかの判定手法(ロジック)がある。
【0066】
[第1の水位温度検出正常異常判定処理手順]
図6および図7は、第1の水位温度検出正常異常判定処理手順における処理ステップを示す処理フロー図である。
【0067】
なお、実質的に同じ処理内容の処理ステップであるが、水位検出に関する処理ステップと温度検出に関する処理ステップとを区別する必要がある処理ステップについては、水位検出に関する処理ステップのステップ番号の末尾に“a”を、温度検出に関する処理ステップのステップ番号の末尾に“b”を付して区別する。この区別は後述する他の水位温度検出正常異常判定処理手順においても同様である。
【0068】
第1の水位温度検出正常異常判定処理手順(S11〜S16)のうち、水位検出に関する処理ステップ(図6)は、ステップS11,S12a,S13a,S14a,S15a,S16aである。第1の水位温度検出正常異常判定処理手順は、次の処理ステップS11〜S16aを実行して、水位情報検出手段としての水位温度検出装置11(111,・・・,11n)が適正(正常)であるか否(異常)かを判断する。
【0069】
演算処理装置13は、水位温度検出正常異常判定処理手順の実行開始要求を受け取ると、水位温度検出正常異常判定処理手順の実行を開始し(START)、ステップS11で水位温度検出装置故障判定処理手順を実行し、水位温度検出装置111,・・・,11nのうち故障状態にある装置を特定する(ステップS11)。
【0070】
故障状態にある水位温度検出装置11が特定されると、続いて、演算処理装置13は、故障していないk個(チャンネル)の水位温度検出装置11が検出した水位情報に基づいて測定された水位測定結果の情報としての水位測定値Sを取得し(ステップS12a)、取得したk個の水位測定値を用いて水位測定値Sの平均値Aを算出する(ステップS13a)。ここで、kは1≦k≦nを満たす整数である。
【0071】
続いて、平均値Aと水位測定値Sとを比較し、平均値Aと水位測定値Sとの差の絶対値が予め設定した判定用閾値(ここでは任意の値α)以下の場合、すなわち、|A−S|≦αの場合(ステップS14aでYESの場合)には、その水位測定値Sを与える監視装置12が取得した水位情報は適切であると判断し、当該監視装置12が監視を担当する水位温度検出装置11は水位情報検出手段として正常と判断する(ステップS15a)。
【0072】
また、平均値Aと水位測定値Sとの差の絶対値が予め設定した判定用閾値αを超える場合、すなわち、|A−S|>αの場合(ステップS14aでNOの場合)には、その水位測定値Sを与える監視装置12が取得した水位情報は不適切であると判断し、当該監視装置12が監視を担当する水位温度検出装置11は水位情報検出手段として異常(正常ではない)と判断する(ステップS16a)。
【0073】
ステップS14a,S15a,S16aは、k個の水位測定値S,・・・,Sの各々についてそれぞれ実行され、k個の水位測定値S,・・・,S全てに対してステップS15aまたはステップS16aの処理ステップが完了すると、水位温度検出正常異常判定処理手順の水位検出に関する全処理ステップを完了し、水位温度検出正常異常判定処理手順(水位のみ)の実行は終了する(END)。
【0074】
なお、水位温度検出正常異常判定処理手順の処理ステップにおいて用いられるα等の判定用閾値は、ユーザが任意に設定することができるものであり、必要に応じて、設定し直す(可変する)ことができる。また、予め複数個の判定用閾値を設定しておき、処理実行前にそのうちの1つの閾値を選択するようにしても良い。また、判定用閾値は、演算処理装置13内のメモリや演算処理装置13がアクセス可能な記憶領域に保持させておく。
【0075】
一方、第1の水位温度検出正常異常判定処理手順(S11〜S16)のうち、温度検出に関する処理ステップ(図7)は、ステップS11,S12b,S13b,S14b,S15b,S16bである。温度検出に関する処理ステップは、水位検出に関する処理ステップに対して、S12a〜S16aの代わりにS12b〜S16bを備える点、より具体的には、水位測定値Sの代わりに温度測定値Tを用いている点で相違する。
【0076】
換言すれば、温度検出に関する処理ステップ(図7)は、水位検出に関する処理ステップ(図6)において、水位測定値Sを温度測定値T、水位測定値Sの平均値を示すAを温度測定値Tの平均値を示すA、水位検出の正常異常を判定する閾値αを温度検出の正常異常を判定する閾値βに読み替えればよい。
【0077】
なお、第1の水位温度検出正常異常判定処理手順において、水位温度検出装置故障判定処理手順(ステップS11)を具備すると説明しているが、必ずしも、第1の水位温度検出正常異常判定処理手順の中で実行しなくても良い。水位温度検出装置故障判定処理手順(ステップS11)の代わりに、事前に水位温度検出装置故障判定処理手順を実行した結果をステップS12の前に読み出すステップを実行するようにすることができる。
【0078】
また、第1の水位温度検出正常異常判定処理手順について、水位検出に関する処理ステップと温度検出に関する処理ステップとを別々に説明したが、これらの処理ステップを並行して実行すること(マルチタスク処理)を排除するものではない。
【0079】
[第2の水位温度検出正常異常判定処理手順]
図8は、第2の水位温度検出正常異常判定処理手順(水位)における処理ステップを示す処理フロー図である。
【0080】
第2の水位温度検出正常異常判定処理手順は、第1の水位温度検出正常異常判定処理手順に対して、取得したk個の測定値のうち最大値および最小値となる2つの測定値を除外するステップをさらに具備し、最大値および最小値となる2つの測定値を除外したk−2個の測定値を用いて平均値を求める点で相違するが、その他の処理ステップについては、実質的に相違しない。そこで、実質的に相違しない処理ステップについては、同じステップ番号を付して説明を省略する。
【0081】
また、第2の水位温度検出正常異常判定処理手順以降の説明では、温度検出に関する処理ステップと水位検出に関する処理ステップとは、水位測定値Sと温度測定値T、水位測定値Sの平均値Aと温度測定値Tの平均値A、および、閾値αと閾値βを、それぞれ、相互に読み替えればよい関係にある点を考慮して、水位検出に関する処理ステップのみを説明し、温度検出に関する処理ステップについては、上記のように水位検出に関する処理ステップを読み替えて省略する。
【0082】
第2の水位温度検出正常異常判定処理手順では、第1の水位温度検出正常異常判定処理手順と同様に、ステップS11およびステップS12aが実行され、k個の水位測定値Sが取得されると、演算処理装置13は、ステップS12aに続くステップS21aにおいて、取得したk個の水位測定値S,・・・,Sのうち、最大値となる水位測定値と最小値となる水位測定値の2つの水位測定値を除外する(ステップS21a)。
【0083】
2つの水位測定値を除外した後は、除外した残りのk−2個の水位測定値を用いてステップS13aと同様の平均値算出処理ステップを実行して、k−2個の水位測定値に対する平均値Aを求める(ステップS22a)。ステップS22aの処理ステップが完了すると、ステップS14aに進む。ステップS14a以降の処理ステップは、第1の水位温度検出正常異常判定処理手順と同様である。
【0084】
第2の水位温度検出正常異常判定処理手順のように、測定値の最大値と最小値を演算から除くのは、断線等の理由による信号の低下や、短絡等による信号の増加に起因する異常な測定結果が含まれていた場合でも、より信頼度の高い水位温度検出正常異常判定が可能となるからである。
【0085】
また、ステップS14aにおいて、除外した水位測定値を含むk個の水位測定値を含めて演算処理を実行しているのは、先に除外した最大値および最小値について異常値でない可能性もあり得ることから、改めて判定を行うものである。
【0086】
[第3の水位温度検出正常異常判定処理手順]
図9は、第3の水位温度検出正常異常判定処理手順(水位)における処理ステップを示す処理フロー図である。
【0087】
第3の水位温度検出正常異常判定処理手順は、第1の水位温度検出正常異常判定処理手順に対して、取得したk個の測定値の演算処理方法、より詳細には、ステップS13〜ステップS16(図6に示されるステップS13a〜ステップS16aと、図7に示されるステップS13b〜ステップS16bとの両方)の処理ステップの代わりに、ステップS23〜ステップS26(図9に示されるステップS23a〜ステップS26aと、図9を読み替えて省略するステップS23b〜ステップS26bとの両方)の処理ステップを行う点で相違するが、その他の処理ステップについては、実質的に相違しない。そこで、実質的に相違しない処理ステップについては、同じステップ番号を付して説明を省略する。
【0088】
第3の水位温度検出正常異常判定処理手順では、第1の水位温度検出正常異常判定処理手順と同様に、ステップS11およびステップS12aが実行され、k個の水位測定値Sが取得されると、ステップS12aに続くステップS23aにおいて、演算処理装置13は、取得したk個の水位測定値S,・・・,Sから任意の2つの測定値を抽出して測定値の組み合わせ(測定値のペア)を全ての組み合わせについて作成し、作成した個々の測定値の組み合わせに係る2つの測定値の差の絶対値を算出する(ステップS23a)。
【0089】
k個ある測定値から2つの測定値を抽出する組み合わせの数をXとすると、X=である。ここで、ステップS23aで得られるX個の2つの測定値の差の絶対値をd=d,・・・,dとする。なお、mは1≦m≦Xを満たす整数である。
【0090】
X個の2つの測定値の差の絶対値d(=d,・・・,d)が得られると、続いて、演算処理装置13は、個々の絶対値d,・・・,dと設定される判定用閾値γと比較し、dがγ以下である場合(ステップS24aでYESの場合)には、その組み合わせに係る2つの水位測定値を与える監視装置12が取得した水位情報は適切であると判断し、当該監視装置12が監視を担当する水位温度検出装置11は水位情報検出手段として正常と判断する(ステップS25a)。
【0091】
一方、個々の絶対値d,・・・,dと設定される判定用閾値γと比較し、dがγを超える場合(ステップS24aでNOの場合)には、その組み合わせに係る2つの水位測定値を与える監視装置12が取得した水位情報は不適切であると判断し、当該監視装置12が監視を担当する水位温度検出装置11は水位情報検出手段として異常(正常ではない)と判断する(ステップS26a)。
【0092】
第3の水位温度検出正常異常判定処理手順のように、測定値の組み合わせを取って、個々の組み合わせに係る測定値の差の絶対値が所定範囲内にあるか否かを判定することによって、第2の水位温度検出正常異常判定処理手順と同様に、断線等の理由による信号の低下や、短絡等による信号の増加に起因する異常な測定結果が含まれていた場合でも、より信頼度の高い水位温度検出正常異常判定が可能となるからである。第3の水位温度検出正常異常判定処理手順は、第2の水位温度検出正常異常判定処理手順よりも、異常な測定結果が3つ以上含まれる場合に有効である。
【0093】
[第4の水位温度検出正常異常判定処理手順]
図10は、第4の水位温度検出正常異常判定処理手順(水位)における処理ステップを示す処理フロー図である。
【0094】
第4の水位温度検出正常異常判定処理手順は、第3の水位温度検出正常異常判定処理手順に対して、取得した2つの測定値の差の絶対値d,・・・,dの演算処理方法、より詳細には、ステップS24〜ステップS26(図9に示されるステップS24a〜ステップS26aと、図9を読み替えて省略するステップS24b〜ステップS26bとの両方)の処理ステップの代わりに、ステップS28およびステップS29(図10に示されるステップS28aおよびステップS29aと、図10を読み替えて省略するステップS28bおよびステップS29bとの両方)の処理ステップを行う点で相違するが、その他の処理ステップについては、実質的に相違しない。そこで、実質的に相違しない処理ステップについては、同じステップ番号を付して説明を省略する。
【0095】
第4の水位温度検出正常異常判定処理手順では、第3の水位温度検出正常異常判定処理手順と同様に、ステップS11〜ステップS23aが実行され、2つの測定値の差の絶対値d(=d,・・・,d)が得られると、演算処理装置13は、ステップS23aに続くステップS28aにおいて、d,・・・,dのうち、最小値となるものを特定し、当該最小値に係る2つの水位測定値を抽出する。そして、抽出した水位測定値のうち、小さい水位測定値を水位測定値として採用する(ステップS29a)。
【0096】
第4の水位温度検出正常異常判定処理手順のように、2つの測定値の差の絶対値が最小値となる2つの測定値を特定するのは、この組み合わせが常値を含む可能性が最も低い測定値の組み合わせと考えられるためである。また、得られた2つの測定値のうち何れを採用するかは任意であるが、監視対象に対して安全側となる方を採用するのが好ましい。
【0097】
例えば、水位温度測定装置10が使用済み燃料貯蔵プールに貯えられるプール水の水位および温度の測定で使用され、当該測定値に基づいて監視がなされる場合には、プール水の水位低下および水温上昇をより早い段階で検出したいため、水位については低い側の測定値を、温度については高い側の測定値を採用することが好ましい。
【0098】
[第5の水位温度検出正常異常判定処理手順]
図11は、第5の水位温度検出正常異常判定処理手順(水位)における処理ステップを示す処理フロー図である。
【0099】
第5の水位温度検出正常異常判定処理手順は、第1の水位温度検出正常異常判定処理手順に対して、取得したk個の測定値の平均値と個々の測定値とを比較する処理ステップ(ステップS13およびステップS14:図6に示されるステップS13aおよびステップS14aと、図7に示されるステップS13bおよびステップS14bとの両方)の代わりに、前回の測定値と今回の測定値とを比較する処理ステップ(図11に示されるステップS31aおよびステップS32aと、図11を読み替えて省略するステップS31bおよびステップS32bとの両方)を行う点で相違するが、その他の処理ステップについては、実質的に相違しない。そこで、実質的に相違しない処理ステップについては、同じステップ番号を付して説明を省略する。
【0100】
第5の水位温度検出正常異常判定処理手順では、演算処理装置13が、第1の水位温度検出正常異常判定処理手順と同様に、ステップS11およびステップS12aを実行し、k個の水位測定値Sを取得する一方、ステップS31aにおいて、前回の測定値S11,・・・,S1kのデータである前回測定データ35から前回の測定値S11,・・・,S1kを取得する。前回測定データ35は、演算処理装置13内のメモリや演算処理装置13がアクセス可能な記憶領域に保持させておく。
【0101】
ステップS12aとステップS31aの両処理ステップが完了し、演算処理装置13が今回の測定値S,・・・,Sと前回の測定値S11,・・・,S1kとを取得すると、同じチャンネルの前回測定値と今回測定値との差の絶対値、すなわち、D=|S1k−S|(1≦k≦nを満たす整数)を計算する(ステップS32a)。そして、ステップS32aで得られたk個の前回測定値と今回測定値との差の絶対値D,・・・,Dの各々と予め設定した判定用閾値(ここでは任意の値δ)以下の場合(ステップS33aでYESの場合)には、その水位測定値Sを与える監視装置12が取得した水位情報は適切であると判断し、当該監視装置12が監視を担当する水位温度検出装置11は水位情報検出手段として正常と判断する(ステップS15a)。
【0102】
一方、D=|S1k−S|と予め設定した判定用閾値(ここでは任意の値δ)とを比較し、|S1k−S|がδよりも大きい場合、すなわち、|S1k−S|>δの場合(ステップS33aでNOの場合)には、その水位測定値Sを与える監視装置12が取得した水位情報は不適切であると判断し、当該監視装置12が監視を担当する水位温度検出装置11は水位情報検出手段として異常(正常ではない)と判断する(ステップS16a)。
【0103】
第5の水位温度検出正常異常判定処理手順のように、前回の測定値と今回の測定値とを比較することによって実施回間の測定値のばらつきの有無を発見できるので、今回の測定値の全てが一様に異常値側にシフトしている様な場合であっても、異常または異常の予兆を発見でき、より信頼度の高い水位温度検出正常異常判定が可能となる。
【0104】
[第6の水位温度検出正常異常判定処理手順]
図12は、第6の水位温度検出正常異常判定処理手順(水位)における処理ステップを示す処理フロー図である。
【0105】
第6の水位温度検出正常異常判定処理手順は、第5の水位温度検出正常異常判定処理手順に対して、同じチャンネルの前回測定値と今回測定値との差の絶対値Dの演算処理方法、より詳細には、ステップS33(図11に示されるステップS33aと、図11を読み替えて省略するステップS33bとの両方)の処理ステップの代わりに、ステップS34およびステップS35(図12に示されるステップS34aおよびステップS35aと、図12を読み替えて省略するステップステップS34bおよびステップS35bとの両方)の処理ステップを行う点で相違するが、その他の処理ステップについては、実質的に相違しない。そこで、実質的に相違しない処理ステップについては、同じステップ番号を付して説明を省略する。
【0106】
第6の水位温度検出正常異常判定処理手順では、演算処理装置13が、第5の水位温度検出正常異常判定処理手順と同様に、ステップS11〜ステップS32aを実行し、同じチャンネルの前回測定値と今回測定値との差の絶対値D(1≦k≦nを満たす整数)の値を取得する。続いて、演算処理装置13は、ステップS32aで得られたk個の前回測定値と今回測定値との差の絶対値D,・・・,Dの平均値Aを計算する(ステップS35a)。
【0107】
続いて、平均値Aと前回測定値と今回測定値との差の絶対値D,・・・,Dの各々とを比較し、平均値Aと前回測定値と今回測定値との差の絶対値D,・・・,Dの各々との差の絶対値が予め設定した判定用閾値(ここでは任意の値ε)以下の場合、すなわち、|A−D|≦εの場合(ステップS36aでYESの場合)には、ステップS15aに進む。ステップS15a以降の処理ステップは、第5の水位温度検出正常異常判定処理手順等と同様である。
【0108】
一方、平均値Aと前回測定値と今回測定値との差の絶対値D,・・・,Dの各々とを比較し、平均値Aと前回測定値と今回測定値との差の絶対値D,・・・,Dの各々との差の絶対値が予め設定した判定用閾値(ここでは任意の値ε)よりも大きい場合、すなわち、|A−D|>εの場合(ステップS36aでNOの場合)には、ステップS16aに進む。ステップS16a以降の処理ステップは、第5の水位温度検出正常異常判定処理手順等と同様である。
【0109】
第6の水位温度検出正常異常判定処理手順のように、前回の測定値と今回の測定値とを比較し、さらに、前回の測定値と今回の測定値との差の絶対値とその平均値との比較も行うことで、実施回間の測定値のばらつきの有無のみならず、チャンネル間の測定値のばらつきの有無も発見できるので、さらに信頼度の高い水位温度検出正常異常判定が可能となる。
【0110】
以上、水位温度測定装置10によれば、水位温度測定装置10が水位情報検出手段および温度情報検出手段としての水位温度検出装置11が多重化(冗長化)されるとともに各水位温度検出装置11が健全であるか否かを判定する機能を持たせたことで、従来よりも水位温度測定装置全体として水位検出機能を喪失する確率および温度検出機能を喪失する確率を低下させることができるだけでなく、異常が検知された水位情報検出手段および温度情報検出手段で取得した水位情報および温度情報を排除することができる。すなわち、動作信頼度が従来よりも高いだけでなく、水位および温度の検出および測定の信頼度が従来よりも高い測定装置を得ることができる。
【0111】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階では、上述した実施例以外にも様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、追加、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0112】
10 水位温度測定装置
11(111,・・・,11n) 水位温度検出装置
12(121,・・・,12n) 監視装置
13 演算処理装置
14 表示装置
15(151,・・・,15n) 電源装置
20 検出部
21 シース熱電対
22 測温接点
23 ヒータ線
24 収容管
26 開口部
27 保護管
28 支持部材
29 孔部
31 素線
35 前回測定データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水位を検出する水位検出手段と温度を検出する温度検出手段とが、それぞれ、複数であるn個のチャンネルを有し、個々のチャンネルが熱電対とヒータ線とを備える水位温度測定装置であり、
複数であるn個のチャンネルを有する前記水位検出手段から各チャンネルで検出したn個の水位情報と、n個のチャンネルを有する前記温度検出手段から各チャンネルで検出したn個の温度情報とをチャンネル毎に受け取り、チャンネル毎にn個の水位とn個の温度とを測定する手段と、
前記水位検出手段の各チャンネルおよび当該温度検出手段の各チャンネルの前記熱電対と前記ヒータ線から電気的な物理量を取得し、取得した電気的な物理量に基づいて当該水位検出手段の各チャンネルおよび当該温度検出手段の各チャンネルが検出機能を喪失しているか否かを判断する手段と、
n個の水位測定結果、n個の温度測定結果、前記水位検出手段のチャンネル毎の検出機能喪失判断結果、および、前記温度検出手段のチャンネル毎の検出機能喪失判断結果を用いて、少なくとも1個以上の水位測定結果と少なくとも1個以上の温度測定結果とを得る演算処理を行う手段と、を具備することを特徴とする水位温度測定装置。
【請求項2】
前記1個以上の水位測定結果は、前記n個の水位測定結果から検出機能を喪失していると判断した前記水位検出手段のチャンネルから取得した水位情報に基づいて得られる水位測定結果を除外した残りの水位測定結果から選択され、
前記1個以上の温度測定結果は、前記n個の温度測定結果から検出機能を喪失していると判断した前記温度検出手段のチャンネルから取得した温度情報に基づいて得られる温度測定結果を除外した残りの水位測定結果から選択されることを特徴とする請求項1記載の水位温度測定装置。
【請求項3】
前記1個以上の水位測定結果は、前記除外した残りの水位測定結果の各々と前記除外した残りの水位測定結果の平均との差の絶対値が設定値以下となる水位測定結果から選択され、
前記1個以上の温度測定結果は、前記除外した残りの温度測定結果の各々と前記除外した残りの温度測定結果の平均との差の絶対値が設定値以下となる温度測定結果から選択されることを特徴とする請求項2記載の水位温度測定装置。
【請求項4】
前記nは3以上であり、
前記1個以上の水位測定結果は、前記除外した残りの水位測定結果の各々と前記除外した残りの水位測定結果の平均との差の絶対値が設定値以下となる水位測定結果のうち最大および最小となる水位測定結果をさらに除外した残りの水位測定結果から選択され、
前記1個以上の温度測定結果は、前記除外した残りの温度測定結果の各々と前記除外した残りの温度測定結果の平均との差の絶対値が設定値以下となる温度測定結果のうち最大および最小となる水位測定結果をさらに除外した残りの水位測定結果から選択されることを特徴とする請求項3記載の水位温度測定装置。
【請求項5】
前記1個以上の水位測定結果は、前記除外した残りの水位測定結果から2つの水位測定結果を選択する全ての組み合わせに対して、2つの水位測定結果の差を演算し、当該演算の結果得られる差が設定値以下となる組み合わせを与える水位測定結果から選択され、
前記1個以上の温度測定結果は、前記除外した残りの温度測定結果2つの温度測定結果を選択する全ての組み合わせに対して、2つの温度測定結果の差を演算し、当該演算の結果得られる差が設定値以下となる組み合わせを与える温度測定結果から選択されることを特徴とする請求項2記載の水位温度測定装置。
【請求項6】
前記1個以上の水位測定結果は、前記除外した残りの水位測定結果から2つの水位測定結果を選択する全ての組み合わせに対して、2つの水位測定結果の差を演算し、当該演算の結果得られる差が最小となる組み合わせを与える2つの水位測定結果のうち、小さい側の水位測定結果であり、
前記1個以上の温度測定結果は、前記除外した残りの温度測定結果2つの温度測定結果を選択する全ての組み合わせに対して、2つの温度測定結果の差を演算し、当該演算の結果得られる差が最小となる組み合わせを与える2つの温度測定結果のうち、大きい側の温度測定結果であることを特徴とする請求項2記載の水位温度測定装置。
【請求項7】
前記1個以上の水位測定結果および前記1個以上の温度測定結果は、前回測定を行ったn個の水位測定結果および前回測定を行ったn個の温度測定結果を取得し、取得したn個の前回の水位測定結果およびn個の前回の温度測定結果をさらに用いて選択され、
前記1個以上の水位測定結果は、同じチャンネルについて、今回測定を行ったn個の水位測定結果と前記前回測定を行ったn個の水位測定結果との差の絶対値の各々が設定値以下となるチャンネルの水位測定結果から選択され、
前記1個以上の温度測定結果は、同じチャンネルについて、今回測定を行ったn個の温度測定結果と前記前回測定を行ったn個の温度測定結果との差の絶対値の各々が設定値以下となるチャンネルの温度測定結果から選択されることを特徴とする請求項1記載の水位温度測定装置。
【請求項8】
前記1個以上の水位測定結果は、前記同じチャンネルについて、前記今回測定を行ったn個の水位測定結果と前記前回測定を行ったn個の水位測定結果との差の絶対値の各々と、前記同じチャンネルについて、前記今回測定を行ったn個の水位測定結果と前記前回測定を行ったn個の水位測定結果との差の絶対値の平均との差の絶対値が設定値以下となるチャンネルの水位測定結果から選択され、
前記1個以上の温度測定結果は、前記同じチャンネルについて、前記今回測定を行ったn個の温度測定結果と前記前回測定を行ったn個の温度測定結果との差の絶対値の各々と、前記同じチャンネルについて、前記今回測定を行ったn個の温度測定結果と前記前回測定を行ったn個の温度測定結果との差の絶対値の平均との差の絶対値が設定値以下となるチャンネルの温度測定結果から選択されることを特徴とする請求項7記載の水位温度測定装置。
【請求項9】
水位を検出する水位検出手段と温度を検出する温度検出手段とが、それぞれ、複数であるn個のチャンネルを有し、個々のチャンネルが熱電対とヒータ線とを備える水位温度測定装置であり、前記水位検出手段の各チャンネルおよび当該温度検出手段の各チャンネルの前記熱電対と前記ヒータ線から電気的な物理量を取得し、取得した電気的な物理量に基づいて当該水位検出手段の各チャンネルおよび当該温度検出手段の各チャンネルが検出機能を喪失しているか否かを判断する手段を具備することを特徴とする水位温度測定装置。
【請求項10】
前記熱電対から取得する電気的な物理量は、前記熱電対を構成する二つの素線間の電位差であり、前記ヒータ線から取得する電気的な物理量は前記ヒータ線の抵抗値であることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の水位温度測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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