説明

水噴霧自動弁点検システム

【課題】自動弁に設けた圧力検出部の点検あるいは校正を簡単且つ容易にできるようにする。
【解決手段】点検時に、マスタ圧力センサが検出している給水圧力を基準スパン圧力として測定すると共に、遠隔三方切替弁50の第1位置で自動弁圧力センサ52が検出する2次側開放圧となる零点圧力、及び遠隔三方切替弁50の第2位置に切り替えにより給水圧力を導入して自動弁圧力センサ50が検出するスパン圧力を測定し、各測定値から自動弁圧力センサ50の状態を判定する。また自動弁圧力センサ50の零点及びスパンをマスタ圧力センサの零点及びスパンに校正するための零点補正定数及びスパン補正係数を導出する。校正終了後は、自動弁圧力センサ50で検出された圧力を、零点補正定数およびスパン補正係数に基づいて補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル内に設置された水噴霧ノズルに消火用水を供給して散布させる水噴霧自動弁に設けた圧力検出部を点検する水噴霧自動弁点検システムに関する。

【背景技術】
【0002】
従来、自動車専用道路のトンネルには、トンネル内で発生する火災事故から人身及び車両を守るため、非常用設備が設置されている。このような非常用設備としては、火災の監視と通報のため火災検知器や非常電話が設けられ、火災の消火や延焼防止のために消火栓装置やトンネル防護のための水噴霧ヘッドから水を散布させる水噴霧自動弁装置が設けられる。
【0003】
水噴霧自動弁装置は消火栓装置と同様に50メートル間隔で設置され、1台の水噴霧自動弁装置は5メートル間隔に配置した複数の水噴霧ヘッドから散水させる。
【0004】
またトンネル内の非常用設備は、半年又は1年に一度、定期点検が実施される。その中で水噴霧自動弁装置については、トンネル内の通行を規制して実放水を行い、動作性能を確認している。動作性能の確認には自動弁の2次側に試験用の圧力計を取り付け、手動起動弁の開操作により自動弁を起動し、圧力調整弁による放水圧力の調整状態を圧力計で確認するようにしている。
【0005】
このように自動弁を定期点検する際に圧力計を取り付けて実放水による動作性能を確認する方法は、実放水終了後に圧力計を取り外す作業を必要とし、点検に手間と時間がかかることから、自動弁装置に圧力計を常時設置しておくことが考えられる。
【0006】
しかし、定期点検の際に実放水による動作性能の確認は、トンネル内の通行規制を必要とする問題があることから、自動弁の2次側にテスト制水弁を設け、定期点検の際にはテスト制水弁を閉じてテスト放水弁を開放し、手動起動弁の開操作により自動弁を起動して排水側に消火用水を流し、圧力調整弁による放水圧力の調整状態を圧力計で確認するようにしている。
【0007】
またテスト放水弁を遠隔操作弁とし、圧力計に代えて圧力センサを設け、センタ側からの遠隔制御指示でテスト放水弁と遠隔起動弁を開くことで自動弁から排水側に消火用水を流し、このときの放水圧力を圧力センサで検出した圧力から動作性能を確認する方法も考えられている。

【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−319140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、このような水噴霧自動弁装置に圧力センサを設けて自動点検を行うようした場合、自動点検に先立って圧力センサの信頼性を確保するため、現場に出向いて圧力センサを校正する作業を必要とし、圧力センサの校正に手間と時間がかかるという問題がある。
【0010】
同様の問題は、自動弁装置に圧力計を常時設置した手動点検にあっても、点検に先立って圧力計の信頼性を確保するため、現場に出向いて圧力計を点検する作業を必要とする。圧力計の点検は、圧力計を取り外して圧力試験装置に接続して正しく表示するか否か確認する作業を必要とし、圧力計の点検に手間と時間がかかるという問題がある。
【0011】
本発明は、圧力センサや圧力計等の圧力検出部の点検あるいは校正を簡単且つ容易にできるようにする水噴霧自動弁点検システムを提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、水噴霧自動弁点検システムに於いて、
トンネル内に設置され、水噴霧ノズルに消火用水を供給して散水させる自動弁装置と、
自動弁装置に加圧水を供給する給水配管に設けられた給水圧力を検出するマスタ圧力検出部と、
自動弁装置の2次側圧力を表示する自動弁圧力検出部と、
点検時に、自動弁装置の2次側を自動弁圧力検出部に連通する通常位置から自動弁装置の1次側を自動弁圧力検出部に連通する点検位置に切り替えて自動弁圧力検出部に前記マスタ圧力検出部の給水圧力を導入する切替部と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
また本発明は更に、マスタ圧力検出部が検出している給水圧力を基準スパン圧力として測定すると共に、切替部の前記通常位置での自動弁圧力検出部が検出する零点圧力、及び切替部の点検位置への切り替えにより自動弁圧力検出部が検出するスパン圧力を測定し、自動弁圧力検出部の状態を判定する判定部とを備えるようにしてもよい。
【0014】
また本発明は更に、マスタ圧力検出部が検出している給水圧力を基準スパン圧力として測定すると共に、切替部の前記通常位置での自動弁圧力検出部が検出する零点圧力、及び切替部の点検位置への切り替えにより自動弁圧力検出部が検出するスパン圧力を測定し、自動弁圧力検出部の零点及びスパンをマスタ圧力検出部の零点及びスパンに校正するための零点補正定数及びスパン補正係数を導出する校正処理部と、
校正終了後に、自動弁圧力検出部で検出された圧力値を、零点補正定数およびスパン補正係数に基づいて補正する圧力補正部とを備える。
ここで、圧力校正部は、測定した基準スパン圧力をPm、零点圧力をPa及びスパン圧をPbとした場合、
零点補正定数を零点圧力Paとし、
スパン補正係数Kを
K=Pm/(Pb−Pa)とし、
圧力補正部は、自動弁圧力検出部で検出された圧力Pyを、零点補正定数Paおよびスパン補正係数Kに基づいて
Py=K(Py−Pa)
として補正する。
【0015】
校正処理部は前記マスタ圧力検出部で検出している基準スパン圧力を、自動弁装置に対する給水配管に水の流れのない静圧状態で測定する。
校正処理部及び圧力補正部を、センタ側の装置に設け、遠隔測定により前記マスタ圧力検出部及び自動弁圧力検出部で検出した圧力を取得する。

【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、切替部を点検(校正)位置に切り替えて給水圧力を圧力検出部に導入させることで、基準となるマスタ圧力検出部の値との比較で自動弁側の圧力検出部が正常状態か否かの確認ができ、自動弁装置に設けた圧力検出部の点検作業を簡単且つ容易に行うことができる。水噴霧ヘッドから消火用水を散水することなく、また自動弁圧力検出部を取り外すことなく点検を行うことができる。
【0017】
また、給水配管に接続している基準となるマスタ圧力検出部と同じ検出特性、即ち零点とスパンをもつように、マスタ圧力検出部が検出している給水圧力を基準スパン圧力Pmとして測定すると共に、切替部の通常位置で自動弁圧力検出部が検出する2次側開放圧となる零点圧力Pa、及び切替部の点検(校正)位置への切り替えにより給水圧力を導入して自動弁圧力検出部が検出するスパン圧力Pbを測定し、自動弁圧力検出部の零点Pa及びスパンPbをマスタ圧力検出部の零点及び基準スパン圧力Pmに校正するための零点補正定数及びスパン補正係数を導出し、校正終了後は、自動弁圧力検出部で検出された圧力を、零点補正定数およびスパン補正係数に基づいてセンタ側で補正するようにしたため、校正に必要な圧力をセンタ側の遠隔測定で取得して校正に必要なパラメータを求めることができ、自動弁装置に設けている圧力検出部の校正が簡単且つ容易にできる。各自動弁装置の現場に行かなくても点検や校正を行うこともできる。

【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明による水噴霧自動弁点検システムの実施形態を示した説明図
【図2】図1に設けた自動弁装置の配管系と制御系の実施形態を示した説明図
【図3】図1のセンタ装置と自動弁装置に設けた端末ユニットの詳細を示したブロック図
【図4】図3の圧力校正部によりマスタ圧力センサの検出特性に自動弁圧力センサの検出特性を校正するためのグラフを示した説明図
【図5】図3の圧力校正部と圧力補正部による圧力校正処理を示したフローチャート
【図6】図1に設けた自動弁装置の配管系と制御系の他の実施形態を示した説明図
【図7】圧力計を点検するための自動弁装置の配管系と制御系の他の実施形態を示した説明図
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は本発明による水噴霧自動弁点検システムの実施形態を示した説明図である。図1において、自動弁装置10はトンネル側壁のコンクリート枠体に対し枠抜きされたスペースに50メートル間隔で設置されている。自動弁装置10の1次側には給水配管26が接続され、給水配管26には所定圧力の加圧消火用水が充填されている。自動弁装置10の2次側にはヘッド配管14が設けられ、ヘッド配管14はコンクリート側壁に沿って立ち上がった後に長手方向に分岐され、このヘッド配管14に所定間隔で複数の水噴霧ヘッド16が接続されている。
【0020】
自動弁装置10には端末ユニット12が設けられ、伝送路20を介してセンタ装置18に接続されている。端末ユニット12はセンタ装置18からの自動弁起動コマンドを含む電文を受信して自動弁装置10を起動し、起動後に、後の説明で明らかにする自動弁圧力センサで検出した放水圧力を含む電文をセンタ装置18に伝送し、センタ装置18側で自動弁装置10の動作を表示する。
【0021】
またセンタ装置18は自動弁装置10に自動点検のための遠隔テストコマンドを含む電文を送信し、これを受けて端末ユニット12は自動弁装置10の自動点検動作を行う。この自動弁装置10の自動点検動作に先立ち、自動弁装置10に設けている自動弁圧力センサの点検処理を行うことになる。
【0022】
センタ装置18に対してはポンプ制御盤22と防災受信盤24が設けられている。ポンプ制御盤22は、センタ装置18からの自動弁装置の起動または遠隔テストに伴うポンプ起動信号を受けてポンプ設備を運転し、給水配管26に加圧した消火用水を供給する。
【0023】
防災受信盤24は図示しないトンネル内に設置された火災検知装置からの火災検知信号を受信して火災警報を行うもので、火災警報に連動してセンタ装置18に火災移報信号を出力して、火災発生地区に対応した自動弁装置10の遠隔起動を行わせる。
【0024】
更に本実施形態にあっては、ポンプ制御盤22から自動弁装置10に消火用水を供給する給水配管26にマスタ圧力センサ28を設けている。マスタ圧力センサ28は、通常監視状態で給水配管26に充填している消火用水の圧力を検出してセンタ装置18に送り、センタ装置18における自動弁装置10に設けている自動弁圧力センサの校正処理の際に、マスタ圧力センサ28で検出した圧力を基準スパン圧力として使用するようにしている。
【0025】
本実施形態にあっては、給水配管26に設けたマスタ圧力センサ28の検出特性に一致するように、自動弁装置10のそれぞれに設けている自動弁圧力センサの検出特性を校正する処理を行う。自動弁圧力センサを校正するための基準となるマスタ圧力センサ28については、点検に先立って、予め作業員がマスタ圧力センサ28の校正作業を現場で行い、校正が済んだマスタ圧力センサ28を前提に、センタ装置18からの電文により自動弁装置10に対する自動弁圧力センサの校正処理を順次実行することになる。
【0026】
マスタ圧力センサ28は例えば4〜20mA又は1〜5Vを出力し、零点が例えば4mA、スパンが20mAであり、校正時には大気圧開放で零点を示す4mA、最大検出圧力でスパン20mAが得られるように調整する。
【0027】
このようにマスタ圧力センサ28は点検の際に現場での校正作業を必要とすることから、給水配管26におけるなるべくセンタ装置18を設置している監視員センタなどに近いポンプ制御盤22の校正作業が行い易い場所に設置することが望ましい。
【0028】
図2は図1に設けた自動弁装置の配管系と制御系の実施形態を示した説明図である。図2において、自動弁30に対しては、制御系機器として止め弁35、遠隔起動弁(電動弁)34、手動起動弁36、圧力調整弁38、自動排水弁40、テスト放水弁42、三方切替弁50及び圧力センサ52を設けている。
【0029】
自動弁30の1次側には給水配管26が接続され、給水配管26には所定圧力の加圧消火用水が充填されており、この給水配管26の圧力は図1に示したマスタ圧力センサ28により検出されている。
【0030】
自動弁30の2次側にはテスト制水弁32が設けられ、その2次側にヘッド配管14を介して複数の水噴霧ヘッド16が接続されている。テスト制水弁32は、通常時は開放としており、点検時に水噴霧ヘッド16から実際に消火用水を散水することなく、テスト作動させる際に閉鎖する。テスト制水弁32は手動弁でも電動弁でも良いが、水噴霧状態の試験を遠隔的に行う場合は電動弁とした方がテストを行いやすい。
【0031】
自動弁30はシリンダ室44にピストン46を摺動自在に入れたアクチュエータが設けられており、ピストン46の移動で弁体48を移動して弁を開放するようにしている。
【0032】
自動弁30の開放動作は、通常監視時は遠隔起動弁34により行われる。遠隔起動弁34としては電動弁を使用しており、図1のセンタ装置18でトンネル内での車両火災が防災受信盤24からの火災移報信号により確認されたとき、担当者の散水起動操作に基づく起動電文を端末ユニット12で受け、これに基づいて出力される起動信号により遠隔起動弁34が開動作する。
【0033】
遠隔起動弁34が開くと、1次側の加圧水が止め弁35、遠隔起動弁34及び圧力調整弁38を介してシリンダ室44に供給され、ピストン46を左側にストロークして、弁体48を弁座からリフトして開放し、2次側に加圧消火用水を供給し、水噴霧ヘッド16からトンネル内に散水させる。
【0034】
自動弁30に対しては遠隔三方切替弁50を介して圧力センサ52が設けられている。遠隔三方切替弁50は、ポートaを自動弁30の2次側に接続し、またポートbを自動弁30の1次側に接続しており、ポートcに圧力センサ52を接続している。通常監視状態にあっては、遠隔三方切替弁50はポートaとポートcを連通する右側に取り出して示す通常位置50aにあり、このため自動弁30の2次側を圧力センサ52に連通し、水噴霧ヘッド16は開放ヘッドであり二次側配管14には消火用水がないことから、自動弁圧力センサ52の導入圧力は大気開放圧となっている。
【0035】
また本実施形態による自動弁圧力センサ52の校正処理の際には、遠隔三方切替弁50をポートbとポートcを連通する右側に取り出して示す校正位置50bに切り替え、これによって自動弁30の1次側の給水配管26の圧力を自動弁圧力センサ52に導入し、図1に示したマスタ圧力センサ28と同じ給水配管26の圧力を検出できるようにしている。
【0036】
遠隔起動弁34の開放に伴う自動弁30の開放により、水噴霧ヘッド16から消火用水が放水されたとき、通常位置50aにある遠隔三方切替弁50を介して2次側の放水圧力が自動弁圧力センサ52に導入され、自動弁圧力センサ52は水噴霧ヘッドからの放水圧力を検出し、端末ユニット12を介してセンタ装置18に放水圧力の検出情報を含む電文を送信する。これを受けてセンタ装置18にあっては、自動弁圧力センサ52で検出した放水圧力に基づき放水動作確認表示を行うことになる。
【0037】
自動弁30の開放による水噴霧ヘッド16からの散水停止は、センタ装置18から端末ユニット12に対し散水停止のコマンドを含む電文を送り、これに基づき端末ユニット12は遠隔起動弁34に制御信号を出力して閉動作を行わせる。遠隔起動弁34が閉じると、圧力調整弁38を経由したシリンダ室44に対する1次側からの加圧消火用水の供給が停止する。
【0038】
自動弁30の2次側と遠隔三方切替弁50を接続する配管とドレインとの間には、自動排水弁40と遠隔テスト放水弁42が並列接続されている。自動排水弁40は、所定圧を超える圧力が加わると閉じ、圧力が所定値を下回ると開く弁である。このため圧力調整弁38を経由して自動排水弁40に加わる加圧消火用水の圧力が低下し、所定圧以下に低下すると、自動排水弁40が開放し、シリンダ室44の加圧消火用水は圧力調整弁34及び自動排水弁40を介してドレインに流れ、ピストン46がスプリングの力で右にストロークし、弁体48を弁座に戻し、自動弁30を閉鎖状態とする。自動弁30は手動起動弁36の現場操作によっても開放させることができる。
【0039】
またセンタ装置18からの遠隔制御により水噴霧ヘッド16から散水することなく動作試験を行う場合には、テスト制水弁32を閉鎖した状態で、センタ装置18からテスト放水コマンドを含む電文を端末ユニット12で受信して遠隔テスト放水弁42を開き、更に遠隔起動弁34を開くことで自動弁30を開放させ、遠隔テスト放水弁42を経由してドレイン側に加圧消火用水を流すことで、動作試験を行うことができる。
【0040】
動作試験のために開放した自動弁30の閉鎖は、センタ装置18からのテスト放水コマンドを含む電文を端末ユニット12で受信して遠隔起動弁34を閉じる。このとき遠隔テスト放水弁42は開いているため、自動排水弁40の開放動作を待つことなく、自動弁30を直ちに閉鎖させることができる。
【0041】
もちろん、センタ装置18からの放水停止コマンドにより端末ユニット12からの制御信号で遠隔起動弁34と遠隔テスト放水弁42の両方を閉じ、これにより自動排水弁40による自動排水を伴って自動弁30を通常の放水動作時と同様に閉じることで、テスト放水を終了させるようにしてもよい。
【0042】
図3は図1のセンタ装置と自動弁装置に設けた端末ユニットの詳細を示したブロック図である。図3において、自動弁装置側の端末ユニット12には端末伝送部54と端末処理部56が設けられ、端末処理部56に対しては制御負荷として遠隔起動弁34、遠隔テスト放水弁42及び遠隔三方切替弁50が設けられ、またセンサとして自動弁圧力センサ52が設けられている。
【0043】
一方、センタ装置18にはセンタ伝送部58とセンタ処理部60が設けられ、センタ処理部60に対しては表示部68、操作部70、警報部72、更に記憶部74が接続されている。センタ処理部60にはコンピュータのCPUによるプログラムの実行で実現される機能として、自動弁制御部62、校正処理部64及び圧力補正部66が設けられている。更にセンタ伝送部58には、自動弁装置に対する給水配管に設けたマスタ圧力センサ28からの伝送線が接続されている。
【0044】
センタ処理部60に設けた自動弁制御部62は、防災受信盤24から火災移報信号を受けて表示部68に火災地区表示を行い、且つ警報部72から火災警報を出した際に、この火災警報内容を確認した担当員が、操作部70により火災発報地区に対応した自動弁装置を指定した自動弁起動操作を行った際に、自動弁起動コマンドを含む電文を作成し、この電文をセンタ伝送部58から伝送路20により自動弁装置10側の端末ユニット12に伝送する。
【0045】
センタ伝送部58からの電文には伝送先を示す端末アドレスと制御内容を示す制御コマンドが含まれており、端末伝送部54は受信電文から取得したアドレスが自己アドレスに一致することを判別したときに有効な電文として電文内容を解析し、例えば自動弁起動コマンドであった場合には、端末処理部56により遠隔起動弁34に制御信号を出力して開動作を行わせることで自動弁の開放を行わせる。
【0046】
自動弁開放後に火災が鎮火して放水を停止する際にも、操作部70による自動弁停止操作に基づき、自動弁制御部62は放水停止コマンドを含む電文を生成してセンタ伝送部58から伝送し、この電文を端末伝送部54で受信して、端末処理部56により遠隔起動弁34に制御信号を出力して閉動作を行わせることで散水を停止させる。
【0047】
校正処理部64及び圧力補正部66は、図2に示した自動弁30に対し設けている自動弁圧力センサ52を校正して正しい自動弁30の放水圧力を検出するための補正処理を行う。この自動弁圧力センサの校正処理は、遠隔テスト放水弁42の遠隔制御による自動弁30の遠隔テスト放水の動作試験を行う際に先立って行われることになる。
【0048】
校正処理部64は操作部70の操作により自動弁圧力センサの校正要求を行った校正時に動作し、まず給水配管に設けているマスタ圧力センサ28で検出している給水圧力を基準スパン圧力Pmとして測定する。
【0049】
次に校正処理部64は、端末ユニット12に対し自動弁圧力センサ52の通常監視状態での検出圧力の測定を指示する測定コマンドを含む電文を送信する。この測定コマンドを含む電文を受けた端末伝送部54は、端末処理部56により、そのとき自動弁圧力センサ52で検出しているヘッド側の大気開放圧を読み込み、自動弁圧力センサの零点圧力Paとしてセンタ装置18に伝送する。これによって校正処理部64は、自動弁圧力計52が通常監視状態で連通している2次側の大気開放圧、即ち零点圧力Paを取得することができる。
【0050】
続いて校正処理部64は、端末ユニット12に対し遠隔三方切替弁50の切替制御コマンドを含む電文を送信する。この電文を受けて端末ユニット12の端末処理部56は、図2に示した遠隔三方切替弁50をポートaとポートcを連通する通常位置50aから、ポートbとポートcを連通する校正位置50bに切り替え、これによって自動弁30の1次側の圧力即ちマスタ圧力センサ28に導入していると同じ給水配管26の圧力を導入し、このとき得られる自動弁圧力センサ52の検出圧力をスパン圧力Pbとして検出し、測定応答電文によりセンタ装置18に伝送し、校正処理部64に取り込む。
【0051】
これによって校正処理部64は、マスタ圧力センサ28で検出した給水圧力となる基準スパン圧力Pm、校正対象とする自動弁圧力センサ52の零点圧力Pa、及び自動弁圧力センサ52で検出したマスタ圧力センサ28と同じ給水圧力に基づくスパン圧力Pbを取得する。
【0052】
続いて校正処理部64は、自動弁圧力センサ52の零点及びスパンを、基準となるマスタ圧力センサ28の零点及びスパンに校正するための零点補正定数及びスパン補正係数を求める。
【0053】
図4は図3の校正処理部64によりマスタ圧力センサの検出特性に自動弁圧力センサの検出特性を校正するためのグラフを示した説明図である。図4において、横軸はマスタ圧力センサ値Px、縦軸は自動弁圧力センサ値Pyを示しており、マスタ圧力センサ28からは給水圧力に対応した基準スパン圧力Pmが測定されており、マスタ圧力センサ28に一致するように自動弁圧力センサ52を校正した結果は、Px=Py=0の零点と、Px=Py=PmとなるD点(Pm,Pm)を結んだ直線76で与えられる。
【0054】
しかしながら、自動弁圧力センサは、校正前にあってはマスタ圧力センサ28の零点及び基準スパン圧力Pmからずれている。例えば自動圧力センサ52の零点圧力はA点の零点圧力Paであり、またマスタ圧力センサと同じ給水圧力を導入して測定したときのスパン圧力は例えばB点のPbであったとする。このため自動弁圧力センサ52の検出特性はA点(0,Pa)とスパンを決めるB点(Pm,Pb)を結んだ直線78の検出特性となっている。
【0055】
そこで自動弁圧力センサ52の検出特性となる直線78の特性を、マスタ圧力センサの特性に一致する直線76の特性に一致させるため、零点補正定数とスパン補正係数を求める。まず零点補正定数は直線78の零点となるA点を直線76の原点となる零点に移動させればよいことから、零点補正定数はPaとし、この零点補正定数Paを、測定した自動弁圧力センサの圧力Pyから減算すればよい。この零点補正定数Paの減算により、自動弁圧力センサ52の特性となる直線78は、平行移動した直線80の特性に校正される。
【0056】
このようにして直線80に校正することで零点調整が済んだならば、次にスパンを決めるC点を、基準特性となる直線76のスパンを決めるD点に校正するためのスパン補正係数Kを求める。ここでC点の座標は(Pm,Pc)であることから、C点をY軸方向でD点に校正するためのスパン補正係数Kは
K=Pm/Pc=Pm/(Pb−Pa) (1)
として与えられる。したがって、測定された自動弁圧力センサの測定値Pyをマスタ圧力センサと同じ検出特性の圧力に補正するための補正式は
Py=K(Py−Pa) (2)
となる。
【0057】
なお図4にあっては、自動弁圧力センサの零点圧力Paがプラス側にずれている場合を例に取っているが、マイナス側にずれている場合についても、−Paを使用することで前記(1)(2)式をそのまま適用できる。
【0058】
このように本実施形態における自動弁圧力センサの校正は、自動弁圧力センサそのものの校正ではなく、予め校正しているマスタ圧力センサの検出特性に一致するように、測定された自動弁圧力センサの測定値を校正することで、正しい圧力が得られるようにしている。
【0059】
再び図3を参照するに、センタ処理部60に設けた圧力補正部66は、校正処理部64による校正処理で零点補正定数Pa及びスパン補正係数Kが得られた後、自動弁圧力センサ52から測定された測定圧力Pyを前記(2)式に従って補正し、この補正結果を例えば表示部68に表示したり、補正済みの圧力から自動弁圧力センサの放水動作を判別して放水動作表示などを行うことになる。
【0060】
なお、マスタ圧力センサ28が検出した基準スパン圧力Pmと、自動弁圧力センサ52が検出したスパン圧力Pbとの差異が予め定めた所定値以上である場合は、自動弁圧力センサ52がもはや校正することができないような故障状態であると判断して、自動弁圧力センサ52の異常をセンタ装置18にて表示して交換を促す。これは大気開放時の零点圧力Paを測定したときも同様に、零点圧力Paが大気開放圧もしくは施工時に測定した初期検出値と大幅に異なる値を示した場合は、自動弁圧力センサの故障と判断して校正を行わずに自動弁圧力センサの交換を促す。
【0061】
図5は図3の圧力校正部と圧力補正部による圧力校正処理を示したフローチャートであり、コンピュータのCPUによるプログラムの実行で実現される処理フローとなる。
【0062】
図5の圧力校正処理において、まずステップS1で操作員などによる操作部70を用いた圧力校正要求の有無を判別しており、圧力校正要求を判別すると、ステップS2に進み、1次側の給水配管26に流水のない静圧状態を確認する。この静圧状態の確認は、センタ装置18の表示部68を見て動作している自動弁装置がないことを確認すればよく、これは人為的に行ってもよいし、センタ処理部60の処理機能として行ってもよい。なお圧力校正の実施タイミングは定期的に自動で行っても良く、火災検出時においては行わない。もし手動操作で校正処理を行う場合は、事前に動作チェックをおこない校正されたマスタ圧力センサ28を配管26に取り付けておく。
【0063】
この自動弁1次側に流水のない静圧状態の確認は、もし流水があるとマスタ圧力センサ28を設置した給水配管26の位置での給水圧力と、実際に点検を行う自動弁圧力センサ52の給水配管26の位置とでは、給水圧力に相違が出ることから、これを回避するために静圧状態を確認して校正処理を行う。
【0064】
続いてステップS3でマスタ圧力センサ28の圧力Pmを基準スパン圧力として測定する。次にステップS4で自動弁圧力センサの零点圧力Paを測定する。このとき図2に示すように、遠隔三方切替弁50は通常位置50aにあり、ポートaとポートcを連通して自動弁30の大気開放された2次側開放圧力を自動弁圧力センサ52に導入した状態で測定している。
【0065】
続いてステップS5で遠隔三方切替弁50を図2のポートbとポートcを連通する校正位置50bに切り替え、1次側の給水配管26の給水圧力を自動弁圧力センサ52に導入する。この状態で、ステップS6において自動弁圧力センサ52により給水圧力Pbをスパン圧力として測定する。
【0066】
続いてステップS7で遠隔三方切替弁50を元の通常位置に戻した後、ステップS8で基準スパン圧力Pm、零点圧力Pa及びスパン圧力Pbに基づき、零点補正定数Paとスパン補正係数Kを計算する。この補正係数Kの測定の際に、零点圧力Paが初期値(もしくは大気圧)よりも大幅に異なる値を示した場合、あるいは基準スパン圧力Pmとスパン圧力Pbの値の差異が予め定めた故障判定閾値を超える場合は、自動弁圧力センサの故障と判断し異常表示を行う。
【0067】
続いてステップS9〜S12は、図3の圧力補正部66の処理となる。ステップS9にあっては、自動弁圧力センサ52の測定要求の有無を判別しており、遠隔テスト放水などに伴い自動弁圧力センサ52の測定要求を判別すると、ステップS10に進み、自動弁圧力センサ52の圧力Pyを測定し、続いてステップS11で前記(2)式に基づき補正計算を実行し、ステップS12で補正圧力Pyを出力することになる。
【0068】
図6は、図1に設けた自動弁装置の配管系と制御系の他の実施形態を示した説明図であり、放水圧力センサを水噴霧ヘッド側に設置したことを特徴とする。
【0069】
図6に於いて、自動弁50に対する配水系統及び制御系統は図2の実施形態と同じであることから、同一符号で示している。本実施形態において、圧力センサは放水圧力センサ152として水噴霧ヘッド16に対するヘッド配管14の先端側に、遠隔三方切替弁50を介して接続されている。遠隔三方切替弁50は図2の実施形態と同じものであり、通常監視状態ではポートaをポートbに連通し、自動弁の一次側に接続されたポートcを切り離した通常位置にあり、放水圧力計152に大気開放圧を導入している。また自動弁50を開制御した時には、水噴霧ヘッド16の放水圧力を検出することになる。
【0070】
また遠隔三方切替弁50は点検に先立つ放水圧力計152の校正時には、センタ装置18からの電文による指示で、ポートaを切り離し、ポートcをポートbに連通する校正位置に切替えられ、マスタ圧力センサ28と同じ給水配管26の給水圧力を導入し、校正のためのスパン圧力として検出する。遠隔三方切替弁50を校正位置に切替えて行う放水圧力センサの校正処理も、図3〜図5に示した図2の自動弁圧力センサ52の場合と同じになる。
【0071】
図7は自動弁装置の配管系と制御系の他の実施形態を示した説明図であり、自動弁装置に放水圧力をアナログ的に針で表示する圧力計を常時設置した場合で、圧力計を手動点検するための実施形態である。図7において、自動弁30に対する配管系としては、1次側に給水配管26を接続し、2次側にはテスト制水弁32を介してヘッド配管14を接続し、ヘッド配管14の分岐先に複数の水噴霧ヘッド16を接続している。
【0072】
自動弁30の制御系としては、止め弁35、遠隔起動弁34、手動起動弁36、圧力調整弁38、自動排水弁40を設けており、この点は図2の実施形態と同じであるが、現場でのテスト放水を行うことから、この実施形態にあっては、自動排水弁40と並列に手動開放を行うテスト放水弁142を接続している。
【0073】
自動弁30の2次側には、水噴霧ヘッド16からの放水圧力を表示するため、三方切替弁150を介して自動弁圧力検出部としての自動弁圧力計84が接続され、同時に並列に圧力スイッチ86を接続している。
【0074】
三方切替弁150は、ポートa、b、cを持ち、通常監視状態にあっては、ポートaとポートcを連通する下側に取り出して示す通常位置50aにあり、これによって自動弁30の2次側を自動弁圧力計84及び圧力スイッチ86に連通し、自動弁30を開いた場合には放水圧力を表示し、また放水圧力が所定圧に上昇したときに圧力スイッチ86をオンして圧力検出信号を出力できるようにしている。
【0075】
三方切替弁150のポートbは自動弁30の1次側が接続されている。本実施形態において、自動弁圧力計84の表示を確認する点検の際には、三方切替弁150を通常位置50aからポートbとポートcを連通する下側に取り出して示す校正位置50bに切り替えて、給水配管26の給水圧力を、三方切替弁150を介して自動弁圧力計84に導入して表示させる。
【0076】
一方、自動弁30の1次側となる給水配管26には、図1の実施形態と同様なセンタ側に近い位置に圧力表示の基準となるマスタ圧力計128を接続している。
【0077】
図7の実施形態における自動弁圧力計84の点検は現場に出向いて行われる。点検に際しては、まず圧力試験装置などを使用して給水配管26に接続しているマスタ圧力計182の零点及びスパンを正しい値に調整する校正を行い、マスタ圧力計128が正しく圧力を表示できる状態とし、校正の済んだマスタ圧力計128で表示している給水圧力Pmを読み取って記録しておく。
【0078】
その後、自動弁装置30に出向いて、自動弁圧力計84の点検を行う。自動弁圧力計84の点検は、通常監視状態における三方切替弁150の通常位置50aで自動弁圧力計84を見て大気開放圧による零点を確認した後、三方切替弁150をポートbとポートcを連通する校正位置50bに切り替え、1次側の給水配管26の給水圧力を自動弁圧力計84に導入する。
【0079】
このとき自動弁圧力計84が正常であれば、その圧力表示は既に基準として測定したマスタ圧力計128と同じ圧力Pmの表示となり、自動弁圧力計84は正常と確認することができる。これに対し、自動弁圧力計84の給水圧力の表示がマスタ圧力計82の表示圧力Pmから無視できない程度の大きな誤差を持って表示されている場合には、自動弁圧力計84は正しい圧力を表示しておらず、信頼できないことから、この場合には自動弁圧力計84を調整済の新品の圧力計に交換する。
【0080】
三方切替弁150の切替による給水圧力の導入による自動弁圧力計84の点検時には、同時に圧力スイッチ86に対しても給水圧力が導入され、圧力スイッチ86が動作して放水確認信号をセンタ側に出力する。したがって、これによって圧力スイッチ86の動作確認も同時に行うことができる。
【0081】
このような図2、図6及び図7の実施形態においては、三方切替弁50、150を操作して自動弁の一次側に接続するだけで、圧力センサ52、152や自動弁圧力計84のテストを容易に行うことができ、水噴霧ヘッド16から消火用水を散水することなく圧力検出部のテストを行うことができる。
なお、図2及び図6の遠隔点検を可能とする自動弁装置の実施形態にあっては、遠隔点検のために自動弁圧力センサ52または放水圧力センサ152のみを設けているが、必要に応じて現場での圧力確認も必要であることから、圧力センサと並列に圧力計を接続するようにしてもよい。
【0082】
また上記の実施形態は、自動弁装置のテスト放水に先立って自動弁圧力センサまたは放水圧力センサの校正を行う場合を例に取っているが、自動弁圧力センサまたは放水圧力センサの校正は必要に応じて適宜のタイミングで行うようにしてもよい。
【0083】
水噴霧自動弁はトンネル内に複数設置されているため、図2や図6の圧力センサの遠隔点検は順番に行っても良いし、遠隔三方切替弁50の切り換え制御は複数個分を一斉に制御しても良い。
【0084】
図2の実施形態においては、各圧力センサの検出値を測定して、検出値の補正処理を行うようにしているが、これに限らず、補正処理を行うことなく、零点圧力Paが大気開放圧力を示すかどうか、またスパン圧力Pbが基準スパン圧力Pmに近似するかをセンタ装置18で判定して、圧力センサ52が正常か異常かを表示する判定部を備えるようにしてもよい。この判定部、あるいは上記実施形態の校正処理部、圧力補正部はセンタ装置に備える構成以外に、各端末ユニットに備えて、各端末ユニットが自己に接続された圧力センサの校正等の処理をおこなうようにしてもよい。
【0085】
圧力センサ52及び圧力計84を自動弁の二次側と一次側に切り替えて接続する部として上記実施形態においては遠隔三方切替弁50や三方切替弁150を使用しているが、一次側または二次側に切り替えることができる切替部であれば特に構成は限定されない。
【0086】
また上記の実施形態におけるフローチャートの処理は概略例を説明したもので、処理の順番などは、これに限定されない。また各処理や、処理と処理の間に必要に応じて遅延時間を設けたり、他の判定を導入するなど、適宜の形態をとることができる。
【0087】
また本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。

【符号の説明】
【0088】
10:水噴霧自動弁装置
14:ヘッド配管
16:水噴霧ヘッド
18:センタ装置
20:伝送路
22:ポンプ制御盤
24:防災受信盤
26:給水配管
28:マスタ圧力センサ
30:自動弁
32:テスト制水弁
34:遠隔起動弁
36:手動起動弁
40:自動排水弁
42:遠隔テスト放水弁
50:遠隔三方切替弁
52:自動弁圧力センサ
54:端末伝送部
56:端末処理部
62:自動弁制御部
64:校正処理部
66:圧力補正部
82:マスタ圧力計
84:自動弁圧力計
86:圧力スイッチ
142:テスト放水弁
150:三方切替弁
152:放水圧力センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル内に設置され、水噴霧ノズルに消火用水を供給して散水させる自動弁装置と、
前記自動弁装置に加圧水を供給する給水配管に設けられた給水圧力を検出するマスタ圧力検出部と、
前記自動弁装置の2次側圧力を表示する自動弁圧力検出部と、
点検時に、前記自動弁装置の2次側を前記自動弁圧力検出部に連通する通常位置から前記自動弁装置の1次側を前記自動弁圧力検出部に連通する点検位置に切り替えて前記自動弁圧力検出部に前記マスタ圧力検出部の給水圧力を導入する切替部と、
を備えたことを特徴とする水噴霧自動弁点検システム。

【請求項2】
請求項1記載の水噴霧自動弁点検システムに於いて、
更に、前記マスタ圧力検出部が検出している給水圧力を基準スパン圧力として測定すると共に、前記切替部の前記通常位置での前記自動弁圧力検出部が検出する零点圧力、及び前記切替部の点検位置への切り替えにより前記自動弁圧力検出部が検出するスパン圧力を測定し、前記自動弁圧力検出部の状態を判定する判定部と、
を備えたことを特徴とする水噴霧自動弁点検システム。

【請求項3】
請求項1記載の水噴霧自動弁点検システムに於いて、
更に、前記マスタ圧力検出部が検出している給水圧力を基準スパン圧力として測定すると共に、前記切替部の前記通常位置での前記自動弁圧力検出部が検出する零点圧力、及び前記切替部の点検位置への切り替えにより前記自動弁圧力検出部が検出するスパン圧力を測定し、前記自動弁圧力検出部の零点及びスパンを前記マスタ圧力検出部の零点及びスパンに校正するための零点補正定数及びスパン補正係数を導出する校正処理部と、
校正終了後に、前記自動弁圧力検出部で検出された圧力値を、前記零点補正定数およびスパン補正係数に基づいて補正する圧力補正部と、
を備えたことを特徴とする水噴霧自動弁点検システム。

【請求項4】
請求項3記載の水噴霧自動弁点検システムに於いて、
前記圧力校正部は、測定した前記基準スパン圧力をPm、零点圧力をPa及びスパン圧をPbとした場合、
零点補正定数を零点圧力Paとし、
スパン補正係数Kを
K=Pm/(Pb−Pa)
とし、
前記圧力補正部は、前記自動弁圧力検出部で検出された圧力Pyを、前記零点補正定数Paおよびスパン補正係数Kに基づいて
Py=K(Py−Pa)
として補正することを特徴とする水噴霧自動弁点検システム。

【請求項5】
請求項3記載の水噴霧自動弁点検システムに於いて、前記校正処理部は前記マスタ圧力検出部で検出している基準スパン圧力を、前記自動弁装置に対する給水配管に水の流れのない静圧状態で測定することを特徴とする水噴霧自動弁点検システム。

【請求項6】
請求項3記載の水噴霧自動弁点検システムに於いて、前記校正処理部及び圧力補正部を、センタ側の装置に設け、遠隔測定により前記マスタ圧力検出部及び自動弁圧力検出部で検出した圧力を取得することを特徴とする水噴霧自動弁点検システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−110318(P2011−110318A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271274(P2009−271274)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【Fターム(参考)】