説明

水性分散液として、好ましくはベンゾフェノン含有の(メタ)アクリレートポリマーを、このポリマーとは異なる(メタ)アクリレートポリマーとの混合物において含む組成物並びに前記組成物の使用

本発明は、水性分散液としてA)100質量部までの、1種もしくは複数種の(メタ)アクリレートポリマー;B)1〜400質量部の、1種もしくは複数種の(メタ)アクリレートポリマーであって、式(I)の重合導入された化合物を含む前記ポリマーを有する組成物において、前記(メタ)アクリレートポリマーB)は、前記A)で挙げた(メタ)アクリレートポリマーとは異なり、かつ前記(メタ)アクリレートポリマーB)は、a)0.1〜99.9質量%の、一般式(I)の少なくとも1種の化合物、好ましくはベンゾフェノン(メタ)アクリレート(式中の基は明細書中に示される意味を取る)及びb)99.9〜0.1質量%の、前記a)とは異なり前記a)と共重合可能な1種もしくは複数種のエチレン性不飽和モノマーを有する混合物の乳化重合によって得られ、その際、成分a)及びb)は、一緒になって、混合物の重合可能な成分の100質量%であり、かつ前記A)及びB)の質量部は、水性分散液中のポリマーA)又はB)の固体割合に対するものである前記組成物を記載している。かかる分散液は紫外線硬化性であり、あらゆる種類の被覆の製造のために、特に無機基材、例えばコンクリートの被覆のために極めて適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性分散液としてA)1種もしくは複数種の(メタ)アクリレートポリマーを、B)前記A)とは異なる1種もしくは複数種の、好ましくはベンゾフェノン含有の(メタ)アクリレートポリマーとの混合物において有する組成物に関する。本発明は、前記の水性分散液の使用にも関する。
【0002】
ポリアクリレート分散液は基本的に公知である。既にしばらく前から、かかる分散液は、様々な種類の基材の被覆のために、該基材を封止しかつ保護するために使用される。例示される用途は、無機基材、例えば石材、コンクリート、コンクリートタイル、商慣習上のレンガなど(それについてはUS−PS4,511,699号並びにGB−PS1411268号を参照)の封止に関する。
【0003】
屋外での被覆の場合には、被覆された基材の形の材料の風化に焦点が絞られ、前記基材は、風化して風解するという影響を受ける傾向にあり、これは、大抵は白いぼつぼつの形成物の形で生じ、そして次第に該無機基材に損傷がもたらされる。一方で、屋内での被覆の場合にはしばしば被覆された基材上の塗膜の不十分な硬度に焦点が絞られる。しかし、前記被覆の硬度と耐久性は、石材又はコンクリートなどの無機材料からなる床の被覆の品質のためにまさに特に重要である。
【0004】
EP0355028号A1からは、基材の表面をポリアクリレート水性分散液で被覆し、その被覆を引き続き高められた温度で乾燥させる方法が知られている。この場合に、前記被覆のために、
A)20〜65質量%の、−30〜+30℃の最低皮膜形成温度を有する、以下のa)〜c)からの共重合体の水性分散液と、
a)共重合体の質量の20〜70%の、3〜20個の炭素原子を有する第三級CH基を有するアルカノールの(メタ)アクリルエステル、
b)共重合体の質量の30〜60%の、スチレン、α−メチルスチレン、メタクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸−t−ブチルエステル及び/又は(メタ)アクリルニトリル、及び
c)共重合体の質量の0.2〜7%の、3〜5個の炭素原子を有するモノカルボン酸及び/又はジカルボン酸及び/又はそれらの、場合により窒素原子で1〜4個の炭素原子を有するアルキル基によって置換されたアミド、
B)成分(A)中に含まれる共重合体の量に対して0.1〜5質量%の、芳香族ケトンと、
からなる混合物が使用される。
【0005】
該混合物は、次いで、硬化のために、乾燥の前又はその後で紫外光で照射される。
【0006】
芳香族ケトンとしては、EP0355028号A1によれば、とりわけ例えばベンゾフェノン及びベンゾフェノン誘導体、例えば3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、3−及び4−ヒドロキシベンゾフェノン、ベンゾフェノン−2−カルボン酸、ベンゾフェノン−3−カルボン酸、ベンゾフェノン−4−カルボン酸など並びに2−、3−及び4−フェニルベンゾフェノン、アルキル基中に1〜10個の炭素原子を有する2−、3−及び4−アルキルベンゾフェノン、例えば2−、3−及び4−メチルベンゾフェノン、2−、3−、4−ノニルベンゾフェノン、ジアルキルベンゾフェノン並びにまたオレフィン性不飽和の並びに水溶性のベンゾフェノン誘導体が該当する。
【0007】
EP0355028号A1の被覆から既に前記塗膜の満足のいく耐久性が察せられるにもかかわらず、前記被覆は、それでも更に改善を必要とする、特に、とりわけ風化に対する、溶剤に対する、有機及び無機の化学物質に対する耐久性などの特性に関して、かつ塗膜の硬度などの特性、被覆の乾燥速度などに関して改善を必要とする。
【0008】
ベンゾフェノン及び低分子量のベンゾフェノン誘導体は、自体広く知られた光開始剤である。照射に際して、エチレン性不飽和モノマーの重合又は架橋をもたらしうるラジカルが形成される。
【0009】
Carlini他は、Polymer,1983,Vol.24,May,第599頁以降において、側鎖にベンゾフェノン発色団を含むポリマー及びその高効率的な光開始剤としての使用について報告している。アクリルオキシベンゾフェノンと、メンチルアクリレート、メチルアクリレート又は1−アクリルオキシ−2−エトキシエタンとのコポリマーが開示されている。記載されるコポリマーは、約10〜90モル%のアクリルオキシベンゾフェノン単位を有し、それは重合の光開始のために適している。想定される光開始剤の分子量の厳密な特定は、前記の公開公報では行われていない。
【0010】
US5,900,472号Aは、共重合可能なベンゾフェノン型の光開始剤を記載している。2個〜4個の(メタ)アクリレート基を有するベンゾフェノン誘導体が示され、並びに、多価のベンゾフェノン誘導体と(メタ)アクリレートとの反応により照射作用下で得られる紫外線硬化性の塗膜が考えられる。US5,900,472号Aによれば、多価のベンゾフェノンを使用して得られる塗膜は、それが"ブリード"(マイグレーション)の傾向をあまり示さない限りは、そのときまで知られていた公知の光開始剤を有する塗膜を凌駕する。今日まで、消費されない光開始剤は、この現象の傾向にあり、これは、その使用をわずかな可能性に限定する。
【0011】
冒頭に挙げた議論された先行技術に鑑み、本発明の課題は、あらゆる基材の被覆のための新規の組成物を挙げることであった。
【0012】
その際、被覆のための組成物の成分は、できる限りたやすく手に入るべきであり、又はできる限り簡単な原料から容易に標準的方法により製造できるべきである。
【0013】
該組成物自体は、できる限り容易にかつできる限り多様に使用でき又は利用できるべきである。その際、前記組成物は、あらゆる加工技術的仕様を満たし、とりわけ健康上にもできる限り心配がないべきである。この関連で、該組成物のVOC不含(揮発性有機化合物がないこと)にも着目されるべきである。
【0014】
しかし、該組成物は、できる限り容易に得られかつ使用できるべきであるだけでなく、できる限り良好な特性を有するできる限り広く多岐にわたる様々な種類の基材上に塗膜を設けることも可能にするべきである。
【0015】
その他に、該塗膜はできる限り迅速にかつできる限り完全に硬化及び/又は乾燥すべきである。
【0016】
更に、該塗膜及び被覆は、改善された耐久性を有するべきである。このために、できる限り良好な、つまり完全な及び強力な被覆の架橋が硬化に際して達成できるべきである。
【0017】
更に、本発明による組成物から得られる塗膜は、できる限り僅かにしか"ブリード"(マイグレーション)せず、そのため物質が全く又はできる限り僅かな物質しか環境に放出されない。該塗膜は、従って時間の経過において、できるだけ変化しないことが望ましく、又は非常に僅かしか変化しない。
【0018】
更に、得られる被覆及び塗膜は、有機溶剤についてのできる限り僅かな吸収能を有するべきである。特に、該塗膜は、MEK(メチルエチルケトン)によるできる限り僅かな膨潤を有するべきであり、これは、被覆の高い架橋度(高い硬度)についての指標として評価できる。
【0019】
最後に、本発明の組成物から得られる被覆及び塗膜は、改善された耐久性と組み合わされた高い硬度を有するべきである。
【0020】
更に、本発明による被覆及び塗膜は、できる限り汎用的に公知の分散液を用いて被覆のために使用でき、公知の分散液の特性を狙い通りに調整し、かつそれに影響を及ぼすことができる(すなわち公知の分散液の向上のためのブレンド)。
【0021】
本発明の課題又は本発明の課題の1つもしくは複数の部分態様は、水性分散液として
A)100質量部までの、1種もしくは複数種の(メタ)アクリレートポリマー;
B)1〜400質量部の、1種もしくは複数種の(メタ)アクリレートポリマーであって、式(I)の1種もしくは複数種の化合物を重合導入されて含む前記ポリマー
を有する組成物において、前記(メタ)アクリレートポリマーB)は、前記A)で挙げた(メタ)アクリレートポリマーとは異なり、かつ前記(メタ)アクリレートポリマーB)は、以下のa)及びb)
a)0.1〜99.9質量%の、一般式(I)の少なくとも1種の化合物、好ましくはベンゾフェノン(メタ)アクリレート、
【化1】

[式中、
1は、水素又はメチルを意味し、
2は、酸素又はNHを表し、
3は、一般式II
【化2】

の基を表し、前記式中、
7、R8、R9は、互いに独立して、水素又はメチルであり、
nは、0から200までの整数であり、
o及びpは、互いに独立して、0から2までの整数であり、その際、nとoとpとの合計が0である場合については、R3は、結合であり、
4は、結合、酸素、NH、O−CO−O、NH−CO−O、NH−CO−NH又は硫黄であり、
5は、水素、ハロゲン又は1から20個の炭素原子を有する基を表し、前記基は、場合により酸素、窒素及び/又は硫黄で置換されており、その際、mは、1から5までの整数を表し、かつ
6は、アリール基又はヘテロシクリル基を表す]、及び
b)99.9〜0.1質量%の、前記a)とは異なり前記a)と共重合可能な1種もしくは複数種のエチレン性不飽和モノマー、
を有する混合物の乳化重合によって得られ、その際、成分a)及びb)は、一緒になって、混合物の重合可能な成分の100質量%であり、かつ前記A)及びB)の質量部は、水性分散液中のポリマーA)又はB)の固体割合に対するものである前記組成物によって解決される。
【0022】
かかる組成物は、容易に予見できないように、ポリマーに結合された紫外線硬化性の(メタ)アクリレートポリマーを自体公知のアクリレート分散液中に導入して、被覆又は塗膜を、特に極めて好ましい特性を有する無機基材上に設けることを可能にする。
【0023】
本発明による組成物の系の特定の利点は、紫外線硬化のために付加的な光開始剤も必要とせずに、紫外線活性な部分のマイグレーションも想定されないことにある。それというのも、紫外線活性な物質は、重合導入されるモノマーとして相応の被覆中に組み込まれるからである。
【0024】
更に、本発明による組成物に含まれる、好ましくはベンゾフェノン含有の化合物は、まず第一に、分散液において紫外線架橋により硬化をもたらすモノマーであって、ポリマー型の光開始剤ではないことが重要である。それは、公知の従来技術との本質的な相違点である。
【0025】
本発明の組成物は、水性分散液中に成分A)を有する。それは、(メタ)アクリレートポリマー又は2種もしくは複数種の互いに異なる(メタ)アクリレートポリマーの混合物である。(メタ)アクリレートという表記は、本発明の意味においては、アクリレート及び/又はメタクリレートを表す。
【0026】
(メタ)アクリレートポリマーA)は、単独重合体又は共重合体である。単独重合体としては、モノマーの重合によって得られる(メタ)アクリレートポリマーである。該当するモノマーとしては、とりわけかつ好ましくは、1〜24個の炭素原子、特に1〜12個の炭素原子を有するアルカノールのアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル、例えばメチル−、エチル、プロピル、i−アミル、i−オクチル−、n−、イソ−及びt−ブチル−、シクロヘキシル−、2−エチルヘキシル−、デシル−、ラウリル−及び更にステアリルアクリレート及び/又は−メタクリレートが挙げられる。
【0027】
共重合体は、主モノマーとして、一般に十分な割合の、大抵50〜99.99質量%の、好ましくは70〜97.5質量%の、単独重合体で挙げられた、1〜24個の炭素原子を有するアルカノールのアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルを含む。コモノマーとしては、例えば1〜20個の、特に2〜3個の炭素原子を有する飽和カルボン酸のビニルエステル、例えばビニルホルミエート、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート及び更にビニルラウレート及びビニルステアレート、更に3〜22個の炭素原子を有するビニルエーテル、例えばメチル−、エチル−、ブチル−、ヘキシル−、オクタデシルビニルエーテル、8〜12個の炭素原子を有するビニル芳香族化合物、特にスチレン又は更にU−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン及びハロゲンスチレン、2〜20個の炭素原子を有するオレフィン、例えば特にエチレン、プロピレン及び更にn−及びイソ−ブチレン、ジイソブテン、トリイソブテン及びオリゴプロピレン及び/又はビニルハロゲン化物、例えば特に塩化ビニル及び塩化ビニリデン並びにアルキルエーテル又はアリルエステルが該当する。特に関心が持たれているのは、また、コモノマーとして、他のアクリルエステル及びメタクリルエステルに加えて、共重合体に対して0.5〜20質量%の、好ましくは2〜10質量%のテトラヒドロフルフリル−2−アクリレート又は−メタクリレート及び/又はアルコキシ基を有するモノマー、例えば3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド及び/又はN−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミドを重合導入されて含む共重合体であり、その際、テトラヒドロフルフリル−2−アクリレート及び−メタクリレート及び3−メトキシブチルアクリレート及び−メタクリレートが好ましい。
【0028】
特に好ましくは、該共重合体は、付加的に、0.1〜10質量%の、好ましくは0.5〜4質量%の、3〜5個の炭素原子を含むα,β−モノオレフィン性不飽和のモノカルボン酸及び/又はジカルボン酸及び/又はそれらのアミド又は場合によりジカルボン酸のモノアルキルエステルもしくは無水物を重合導入されて含む。
【0029】
このための例は、とりわけアクリル酸及びメタクリル酸及びイタコン酸並びに更にクロトン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、n−ブチル−マレイン酸モノエステル、フマル酸モノエチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル及びマレイン酸モノメチルエステルである。かかるカルボン酸のアミドのうち、特にアクリルアミド及びメタクリルアミドに関心が持たれている。適しているのは、更にN−メチルアクリルアミド及び−メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド及び−メタクリルアミド、マレイン酸モノアミド及びジアミド、イタコン酸モノアミド及び−ジアミド並びにフマル酸モノアミド及び−ジアミドである。多くの場合に、共重合体に対して0.1〜5質量%の量で、ビニルスルホン酸又は更にビニルホスホン酸も該当する。
【0030】
コモノマーとしては、30質量%までの量で、好ましくは0.5〜5質量%までの量で、オレフィン性不飽和の第三級アミノ化合物、例えばN,N−ジメチル−、N,N−ジエチルアミノ−エチル(メタ)−、N,N−ジイソプロピル(メタ)−、N,N−ジブチル(メタ)アクリルアミド及び−(メタ)アクリレート、ジメチル−及びジエチルアミノエチルビニルエーテル、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルイミダゾリン、ビニルピリジン、ジアルキル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、p−ヒドロキシ(メタ)アクリル酸アニリド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−(1−メチルウンデシル)(メタ)アクリルアミド、N−イソボルニル(メタ)アクリルアミド、N−アダマンチル−(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、N−4−メチルフェニル−、メチル−(メタ)アクリルアミド、N−ジフェニルメチルアクリルアミド、フタルイミドメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドヒドロキシ酢酸、(メタ)アクリルアミド酢酸、(メタ)アクリルアミド酢酸エステル、例えば(メタ)アクリルアミド酢酸メチルエステル、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチル−酪酸、N−(2,2,2−トリクロロ−1−ヒドロキシ)エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(2−シアノエチル)メタクリルアミド、N−(1,1,1−トリスヒドロキシメチル)、メチル(メタ)アクリルアミド及びN−(3−ヒドロキシ−2,2−ジ−メチルプロピル)−(メタ)アクリルアミドも該当する。挙げられるのは、更に、2−ヒドロキシ−3−[N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)]−プロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシ−3−[N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−[N−ヒドロキシエチル−N−アルキル]−プロピル(メタ)アクリレート及び/又は2−ヒドロキシ−3−[N,N−ジアルキル]−プロピル(メタ)アクリレートであってアルキル基中に1〜10個の炭素原子を有するもの、例えば2−ヒドロキシ−3−[N−ヒドロキシエチル−N−メチル]プロピル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシ−3−[N−エチル−N−メチル−プロピル−メタクリレートである。
【0031】
最後に、さらにまた、30質量%までの量で、好ましくは0.1〜25質量%の、特に好ましくは0.5〜20質量%のモノオレフィン性不飽和の3−シクロヘキシルプロピル−1−(メタ)アクリレート、シクロヘキシル−(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−N−モルホリノエチル(メタ)アクリレート、2−N−モルホリノ−N−ヘキシル(メタ)アクリレート及びフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、N−シクロヘキシル(メタ)アクリレート及びN−イソボルニル(メタ)アクリレートの種類のモノマーが該当する。
【0032】
更に、前記共重合体は、なおも官能基を有する更なるモノマーを、例えばヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えば2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート並びにグリシジルアクリレート及び−メタクリレートを、その質量の20質量%までの量で重合導入されて含んでよい。また、ポリエーテルオール又はプロポキシル化脂肪アルコールの、例えば200〜10000の分子量のものの又はポリエトキシル化アルコール及び/又はフェノールのモノアクリル酸エステル及びモノメタクリル酸エステルは、0.5〜10質量%の量で多くの場合にコモノマーとして好ましいことがある。
【0033】
特に関心が持たれる組成物は、例えば(メタ)アクリレートポリマーA)が、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート及びメタクリル酸又は上述の成分の2種又は全ての3種を含む混合物から選択されることを特徴とする。殊に適切な組成物は、成分A)として、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート及びメタクリル酸を含み、特に上述のA)の3種の成分の質量の合計に対して55:44:1〜45:54:1の比率で100質量%まで含む。
【0034】
(メタ)アクリルエステル−(共)重合体は、モノマー成分の(共)重合によって、慣用の重合開始剤並びに場合により調節剤を使用して製造でき、その際、通常の温度で、塊状で、エマルジョン中で、例えば水もしくは液状炭化水素中で又は溶液中で重合される。好ましくは、重合体A)は、乳化重合によって得られる。水性エマルジョン中の重合体は、次いで直接的にコンフェクションのために更に加工することができる。重合体A)が塊状又は溶液で製造される場合に、該重合体は単離され、次いで場合により引き続いての精製の後にコンフェクションされて水性分散液となる。
【0035】
成分A)の製造のために溶液重合が使用される場合に、特に50〜150℃の、好ましくは60〜120℃の沸点範囲の溶剤中で、モノマーの全質量に対して一般に0.01〜10質量%で、特に0.1〜4質量%で存在する慣用量の重合開始剤を使用して重合させることが好ましいことがある。溶剤としては、特に、60〜120℃の沸点範囲のアルコール、例えばメタノール、エタノール、n−及びイソ−プロパノール、n−及びイソ−ブタノール、好ましくはイソプロパノール及び/又はイソブタノール並びに炭化水素、例えばトルエン及び特にベンジンが該当する。更に、ケトン、例えばアセトン、エチルエチルケトン及びエステル、例えば酢酸エチルエステル並びに上述の種類の溶剤の混合物を使用でき、その際、イソプロパノール及び/又はイソブタノールを、使用される溶剤混合物に対して5〜95質量%の、特に10〜80質量%の、好ましくは25〜60質量%の量で含む混合物が好ましい。
【0036】
重合開始剤としては、溶液重合の場合には、例えば2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、アシルペルオキシド、例えばベンゾイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド及びイソノナノイルペルオキシド、アルキルペルエステル、例えばt−ブチルペルピバレート、t−ブチル−ペル−2−エチルヘキサノエート、t−ブチル−ペル−マレイネート、t−ブチルペル−イソノナノエート及びt−ブチルペルベンゾエート、ジアルキルペルオキシド、例えばジクミルペルオキシド、t−ブチルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド及びペルオキシジカーボネート、例えばジミリストリル−ペルオキシジカーボネート、ビセチルペルオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチル−シクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジシクロヘキシルペルオキシジカーボネート及びジ−2−エチルヘキシル−ペルオキシジカーボネート、ヒドロペルオキシド、例えばクメンヒドロペルオキシド及びt−ブチルヒドロペルオキシド及び重合開始剤、例えば3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン及び2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタンが該当する。重合開始剤として特に好ましいのは、ケトンペルオキシド、例えばメチルエチルケトンペルオキシド、アセチルアセトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド及びメチルイソブチルケトンペルオキシドである。
【0037】
溶液中での重合の後に、溶剤は、場合により減圧下で分離除去してよく、その際、高められた温度で、例えば100〜150℃の範囲の温度で作業される。重合体及び共重合体は、その際、溶剤不含状態で水中に分散させることができる。
【0038】
多くの場合に、重合体及び共重合体を、塊状重合によって、すなわち溶剤を併用せずに製造することも好ましく、その際、チャージ式に又は連続式に、例えばUS−PS4042768号の指示に従って作業することができる。
【0039】
既に挙げたように、本発明のために特に好ましくは、重合体及び共重合体は、直接的に水性分散液中で乳化重合によって製造される。
【0040】
乳化重合での措置は、当業者には基本的に知られている。まず、乳化剤を水中に溶かす。規定の濃度(KMK 臨界ミセル濃度)の乳化剤の場合に、後にポリマー鎖を成長しうるミセルを形成する。次いでさらにモノマーを添加し、そして最後に反応性ラジカルを生成する。それは、熱的に分解するラジカル形成剤(大抵はペルオキシド又はアゾ化合物)を添加し、その混合物をその分解温度を上回って加温することによって行うことができる。選択的に、ラジカルは、また光化学的な分解により熱的誘発なくして(例えばアゾビスイソブチロニトリル AIBN)又は好適なレドックス反応(例えばペルオキシ二硫酸アンモニウム及びアスコルビン酸の間で)によって生成することができる。まず、少ないポリマーラジカルが水相中に形成され、それは難水溶性のモノマーの幾つかの付加反応の後に、疎水性のミセル内部に対する親和性を発生させ、その中に拡散し、こうして該反応は次いでそこで進行する。また、最初に生成されたポリマー粒子は乳化剤を付加することができ、こうしてその周りにミセルを形成することができる。該ミセル中にその際、いわゆるラテックス粒子が形成される。乳化剤からなるミセル壁は、原則的に膜と同様に作用するため、他のモノマーは、ミセル中に拡散でき、それにより重合は更に進行する。更なる乳化剤分子は、そこに達し、ミセル壁を同様に共に成長させる。開始剤が過剰に存在するという前提のもとに、重合は、モノマーが完全に消費された場合に初めて停止する。
【0041】
成分A)の乳化重合に際して、また慣用の調節剤は、通常の量で、例えばモノマーに対して0.1〜15質量%の量で、好ましくは2〜10質量%の量で併用することもできる。かかる調節剤は、例えばメルカプト化合物、例えば2−メルカプトエタノール、3−メルカプトプロピオン酸メチルエステル、3−メルカプトプロピオン酸、1,6−ジメルカプトヘキサン、1,9−ジメルカプトノナン、炭化水素、例えばクメン、アルコール、例えばイソプロパノール、イソブタノール又はハロゲン化炭化水素、例えば四塩化炭素、テトラブロモメタノール、クロロホルム又はブロモホルムである。調節剤としては、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、2−メルカプトエタノール、グリセリン及びジ−及びトリグリセリドなどの化合物が好ましい。更に、エーテル、例えばジオキサン及びテトラヒドロフランも、調節剤として使用することができる。
【0042】
本発明の組成物は、100部(質量)までの成分A) 1〜400部(質量)の成分B)を有する。
【0043】
成分B)は、必須のモノマー成分として、1種もしくは複数種の一般式(I)の化合物a)を含むモノマー混合物の重合によって得られる共重合体である。成分B)を得るためのモノマー混合物の化合物a)の割合は、成分B)のための重合性成分の全質量(a)とb)との合計)に対して、0.1〜99.9質量%の範囲にある。
【0044】
適宜、式(I)のモノマーは、それぞれ重合性成分の全質量(a)とb)との合計)に対して、0.5〜50質量%の範囲で、特に2.0〜35.0質量%の範囲の量で、殊に好ましくは5.0〜30.0質量%の量でモノマー混合物中に存在する。
【0045】
モノマーa)は、一般式
【化3】

[式中、
1は、水素又はメチルを意味し、
2は、酸素又はNHを表し、
3は、一般式II
【化4】

の基を表し、前記式中、
7、R8、R9は、互いに独立して、水素又はメチルであり、
nは、0から200までの整数であり、
o及びpは、互いに独立して、0から2の整数であり、その際、nとoとpとの合計が0である場合について、R3は結合であり、
4は、結合、酸素、NH、O−CO−O、NH−CO−O、HN−CO−NH又は硫黄であり、
5は、水素、ハロゲン又は1から20個の炭素原子を有する基を表し、前記基は場合により酸素、窒素及び/又は硫黄で置換されており、その際、mは、1から5までの整数を表し、かつ
6は、アリール基又はヘテロシクリル基を表し、前記基は適宜隣接するカルボニル基と結合して配置されている]の少なくとも1種の化合物である。
【0046】
本発明の方法の適切な一別形においては、基R1は、メチル基を表す。
【0047】
特に好ましい更なる一変法においては、式(I)で示され、基R2が酸素を表す化合物が使用される。
【0048】
特に適切には、また、式(I)で示され、R1がメチル基を表し、かつR2が酸素を表す化合物である。前記の組み合わせにおいて、メタクリロイル基が該当する。
【0049】
この例で示されるように、更なる詳細な説明の過程でも、好ましい又は適切な変法の組み合わせ及び並べ替えは、特に式(I)で示され、特に好ましい基及び/又は適切な基を有する化合物の使用に関して、ともに本発明に属し、開示されているものと見なされるべきである。
【0050】
本発明による方法の更なる適切な一別形において、式(I)で示され、式中、R3及び/又はR4が、重合性のエチレン性不飽和官能基のスペーサーを介した結合がエチレンオキシド基もしくはプロピレンオキシド基の形で行われるように選択される。この目的のためには、基R3を、指数n+o+pの合計が0超であるように選択することが好ましい。特に適切には、o及びpは0が選択される一方で、nは0より大きい整数であり、特に適切には5より大きく、なおもより好ましくは10より大きい。
【0051】
基R7〜R9は、適切な一別形において、それが全体として水素であるように選択される。
【0052】
しかし大きな関心が持たれているのは、また、式(I)で示され、基R7〜R9が全体としてメチルを表す化合物である。
【0053】
特に良好な一変法は、式(I)で示され、その式中、R1がメチルを表し、R2が酸素を表し、R4が結合を表し、p及びoが0であり、R7が水素を表し、かつ指数nが1〜50の範囲の、特に好ましくは2〜20の、なおもより好ましくは5〜10の範囲の整数を意味する化合物の使用に際して達成される。
【0054】
5は、水素、ハロゲン又は1から20個の炭素原子を有する基であり、前記基は、場合により酸素、窒素及び/又は硫黄で置換されており、その際、mは、1〜4を表す。
【0055】
本発明の特に適切な変法は、式(I)で示され、全ての4つのR5が水素を表す化合物を使用する。
【0056】
基R6は、アリール基又はヘテロシクリル基である。特に適切には、R6は、アリール基である。特に好ましくは、R6は、フェニル基である。
【0057】
基の断片−R4−R3−R2−と芳香族化合物との結合は、該芳香族化合物上のカルボニル官能基に対してo位、m位又はp位で行うことができる。好ましくはパラ結合、従って1−4結合である。
【0058】
本発明の特に適切な一別形において、モノマーa)は、一般式(I′)
【化5】

[式中、R1、R3及びR5並びにmは、式(I)で上述した意味を採りうる]の少なくとも1種のベンゾフェノン(メタ)アクリレートである。
【0059】
10は、R5とは独立して、R5の意味を取りうる。すなわち、R10は、水素、ハロゲン又は1〜20個の炭素原子を有する基を表し、前記基は、場合により酸素、窒素及び/又は硫黄で置換されており、その際、qは、1〜5を表す。
【0060】
殊に好ましい本発明の一実施態様は、化合物a)として、一般式(I′′)の化合物に相当する化合物が使用される方法に向けられる。その際、モノマーa)は、一般式I′′
【化6】

[式中、R1、R5及びR10並びにm及びqは、既に式(I)及び(I′)で示した意味を有する]の少なくとも1種のベンゾフェノン(メタ)アクリレートである。
【0061】
ハロゲンとは、式及び基に関連して、本願では並びに特に記載がない限りは、発明の詳細な説明全体において、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素の残基を表す。
【0062】
1〜20個の炭素原子を有する基には、排他的でないリストにおいて、とりわけ、C1〜C20−アルキル、C2〜C20−アルケニル、C2〜C20−アルキニル、アリール又はヘテロシクリルが該当し、その際、前記アリール基もしくはヘテロシクリル基は、非置換であるか又は3個までの、フッ素の場合にはまた同一もしくは異なる基の最大数まで備えられていてよく、かつ上述のアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基においては、1もしくは複数の、好ましくは3個までの隣接していない飽和炭素単位が、ヘテロ原子単位、例えば酸素又は硫黄によって置き換えられていてよく、かつその際、更に3〜6個の、場合により上述のように変性された炭化水素基は、環を形成してよく、かつこれらの炭化水素基は、示された選択肢で又はそれをなくして、場合により1もしくは複数の、好ましくは3個までの、ハロゲンの場合には、同一もしくは異なる基の最大数までで一連のハロゲン、好ましくはフッ素、アリール、アリールオキシ、アリールチオ、C3〜C8−シクロアルコキシ、C3〜C8−シクロアルキルチオ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ又はC1〜C2−アルコキシカルボニルで置換されていてよく、その際、脂環式の、芳香族の又は複素環式の環系は、同様に挙げられる置換基のもとで非置換であるか、又は3個までの、フッ素の場合にはまた同一もしくは異なる置換基の最大数までが備えられていてよい。
【0063】
表現"C1〜C20−アルキル"とは、1〜20個の炭素原子を有する非分枝鎖状もしくは分枝鎖状の炭化水素基を表し、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、2−メチルプロピル基又はt−ブチル基並びに例えばペンチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基又は1,1,3,3−テトラメチルブチル基並びに例えばノニル基、1−デシル基、2−デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ペンタデシル基もしくはエイコシル基を表す;
表現"C2〜C20−アルケニル"とは、例えばビニル基、アリル基、2−メチル−2−プロペニル基又は2−ブテニル基並びに例えば2−ペンテニル基、2−デセニル基又は2−エイコセニル基を表す;
表現"C2〜C20−アルキニル"とは、例えばエチニル基、プロパルギル基、2−メチル−2−プロピニル基又は2−ブチニル基並びに例えば2−ペンチニル基又は2−デシニル基を表す;
表現"アリール"とは、好ましくは6〜14個の、特に6〜12個の炭素原子を有する同素環式の芳香族基、例えばフェニル、ナフチル又はビフェニリル、好ましくはフェニルを表す。
【0064】
表現"アリールオキシ"とは、例えばフェノキシ基又は1−もしくは2−ナフチルオキシ基を表す;
表現"アリールチオ"とは、例えばフェニルチオ基又は1−もしくは2−ナフチルチオ基を表す;
表現"C3〜C8−シクロアルコキシ"とは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基又はシクロオクチル基であって、酸素を介して結合されている基を表す;
表現"C3〜C8−シクロアルキルチオ"とは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基又はシクロオクチル基であって、硫黄原子を介して結合されている基を表す。
【0065】
表現"ヘテロシクリル"とは、複素芳香族又は複素脂肪族の環系を表し、その際、"複素芳香族の環系"とは、アリール基であって、少なくとも1つのCH基がNによって置き換えられており、かつ/又は少なくとも2つの隣接したCH基がS、NHもしくはOによって置き換えられている基を表し、例えばチオフェン、フラン、ピロール、チアゾール、オキサゾール、イミダゾール、イソチアゾール、イソキサゾール、ピラゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,3,4−トリアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,3,4−テトラゾール、ベンゾ[b]チオフェン、ベンゾ[b]フラン、インドール、ベンゾ[c]チオフェン、ベンゾ[c]フラン、イソインドール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾイソキサゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾピラゾール、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルバゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,4,5−トリアジン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、1,8−ナフチリジン、1,5−ナフチリジン、1,6−ナフチリジン、フタラジン、ピリドピリミジン、プリン、プテリジン又は4H−キノリジンの基を表す;表現"複素脂肪族の環系"とは、シクロアルキル基であって、少なくとも1つの炭素単位がO、S又は基NR′′によって置き換えられており、かつR′′が水素、C1〜C4−アルキル又はアリールを意味する基を表す;
表現"ヘテロシクリルオキシ"とは、上述の複素環式の基であって、酸素原子を介して結合されている基を表す;
1〜C2−アルコキシカルボニルとは、メトキシカルボニル基又はエトキシカルボニル基を表す。
【0066】
既に挙げられるように、本発明の好ましい実施態様において、該組成物は、R1がメチルであることを特徴とする。
【0067】
特に関心が持たれているのは、また、R2が酸素である組成物である。
【0068】
特に関心が持たれているのは、また、R4が結合である組成物である。
【0069】
特に関心が持たれているのは、また、p=o=0であり、かつnが1から20の間の整数である組成物である。前記の場合については、R7が水素である場合に特に適切である。
【0070】
選択的には、また、p=o=n=0である場合が特に好ましい。
【0071】
特に関心が持たれているのは、また、全てのR5が水素である組成物である。
【0072】
特に関心が持たれているのは、また、R6がフェニルである組成物である。
【0073】
殊に適切には、成分a)として、本発明による組成物のためのポリマーB)の作成のためにメタクリロイルオキシベンゾフェノン又はベンゾフェノンメタクリレートが使用される。
【0074】
式(I)、(I′)及び(I′′)の化合物は、購入できるか、又は文献公知の方法により製造される。製造のための考えられる方法には、例えば(メタ)アクリレートと、相応のアルコール又はアルコール前駆体化合物との反応が該当する。
【0075】
成分B)のためのモノマー組成物は、更に、a)と共重合できるが、これとは異なる1種もしくは複数種のエチレン性不飽和のコモノマーb)を含む。該コモノマーの割合は、重合可能な成分の質量(a)+b)の質量の合計)に対して、99.9〜0.01質量%、特に50.0〜99.5質量%、適切には65.0〜98.0質量%、特に好ましくは70.0〜35.0質量%の範囲にある。
【0076】
この関連で好適なコモノマーb)は、例えば式(III)
【化7】

[式中、R1*及びR2*は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、CN、1〜20個の、好ましくは1〜6個の、特に好ましくは1〜4個の炭素原子を有し、それが1〜(2n+1)個のハロゲン原子で置換されていてよく、nがアルキル基の炭素原子の数である直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基(例えばCF3)、2〜10個の、好ましくは2〜6個の、特に好ましくは2〜4個の炭素原子を有し、それが1〜(2n−1)個のハロゲン原子、好ましくは塩素で置換されていてよく、nがアルキル基の炭素原子の数であるα,β−不飽和の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルケニル基もしくはアルキニル基(例えばCH2=CCl−)、3〜8個の炭素原子を有し、それが1〜(2n−1)個のハロゲン原子、好ましくは塩素で置換されていてよく、nがシクロアルキル基の炭素原子の数であるシクロアルキル基、6〜24個の炭素原子を有し、それが1〜(2n−1)個のハロゲン原子、好ましくは塩素及び/又は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基で置換されていてよく、nがアリール基の炭素原子の数であるアリール基、C(=Y*)R5*、C(=Y*)NR6*7*、Y*C(=Y*)R5*、SOR5*、SO25*、OSO25*、NR8*SO25*、PR5*2、P(=Y*)R5*2、Y*PR5*2、Y*P(=Y*)R5*2、NR8*2であって追加のR8*基、アリール基もしくはヘテロシクリル基で第四級化されていてよいものからなる群から選択され、その際、Y*は、NR8*、SもしくはO、好ましくはOであってよく、R5*は、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、1〜20個の炭素原子を有するアルキルチオ、OR15(R15は、水素又はアルカリ金属である)、1〜20個の炭素原子を有するアルコキシ、アリールオキシ又はヘテロシクリルオキシであり、R6*及びR7*は、独立して、水素又は1〜20個の炭素原子を有するアルキル基であるか、又はR6*及びR7*は、一緒になって、2〜7個の、好ましくは2〜5個の炭素原子を有するアルキレン基を形成してよく、その際、それらは3〜8員の、好ましくは3〜6員の環を形成し、かつR8*は、水素、1〜20個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基もしくはアリール基であり、その際、R3*及びR4*は、独立して、水素、ハロゲン(好ましくはフッ素もしくは塩素)、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基及びCOOR9*からなる群から選択され、その際、R9*は、水素、アルカリ金属又は1〜40個の炭素原子を有するアルキル基であり、又はR1*及びR3*は、一緒になって、式(CH2n'の基(前記基は、1〜2n′個のハロゲン原子又はC1〜C4−アルキル基で置換されていてよい)又は式C(=O)−Y*−C(=O)の基を形成してよく、その際、n′は、2〜6、好ましくは3又は4であり、かつY*は、上記定義の通りであり、かつ基R1*、R2*、R3*及びR4*の少なくとも2個は、水素又はハロゲンである]に相当する。
【0077】
これには、とりわけ、アリール(メタ)アクリレート、例えばベンジルメタクリレート、又はフェニルメタクリレート(その際、前記アリール基は、それぞれ非置換もしくは4置換までされていてよい);ハロゲン化されたアルコールのメタクリレート、例えば2,3−ジブロモプロピルメタクリレート、4−ブロモフェニルメタクリレート、1,3−ジクロロ−2−プロピルメタクリレート、2−ブロモエチルメタクリレート、2−ヨードエチルメタクリレート、クロロメチルメタクリレート;ビニルハロゲン化物、例えば塩化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン及びフッ化ビニリデン;ビニルエステル、例えば酢酸ビニル;スチレン、側鎖中でアルキル置換基で置換されたスチレン、例えばα−メチルスチレン及びα−エチルスチレン、環上でアルキル置換基で置換されたスチレン、例えばビニルトルエン及びp−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン、例えばモノクロロスチレン、ジクロロスチレン、トリブロモスチレン及びテトラブロモスチレン;複素環式のビニル化合物、例えば2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン、3−エチル−4−ビニルピリジン、2,3−ジメチル−5−ビニルピリジン、ビニルピリミジン、ビニルピペリジン、9−ビニルカルバゾール、3−ビニルカルバゾール、4−ビニルカルバゾール、1−ビニルイミダゾール、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、N−ビニルピロリドン、2−ビニルピロリドン、N−ビニルピロリジン、3−ビニルピロリジン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルブチロラクタム、ビニルオキソラン、ビニルフラン、ビニルチオフェン、ビニルチオラン、ビニルチアゾール及び水素化ビニルチアゾール、ビニルオキサゾール及び水素化ビニルオキサゾール;ビニルエーテル及びイソプレニルエーテル;マレイン酸及びマレイン酸誘導体、例えばマレイン酸無水物、メチルマレイン酸無水物、マレインイミド、メチルマレインイミド;フマル酸及びフマル酸誘導体;アクリル酸及び(メタ)アクリル酸;ジエン、例えばジビニルベンゼン、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えば3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3,4−ジヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2,5−ジメチル−1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオール(メタ)アクリレート;カルボニル含有メタクリレート、例えば2−カルボキシエチルメタクリレート、カルボキシメチルメタクリレート、オキサゾリジニルエチルメタクリレート、N−(メタクリロイルオキシ)ホルムアミド、アセトニルメタクリレート、N−メタクリロイルモルホリン、N−メタクリロイル−2−ピロリジノン、N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−ピロリジノン、N−(3−メタクリロイルオキシプロピル)−2−ピロリジノン、N−(2−メタクリロイルオキシペンタデシル)−2−ピロリジノン、N−(3−メタクリロイルオキシヘプタデシル)−2−ピロリジノン;グリコールジメタクリレート、例えば1,4−ブタンジオールメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエトキシメチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート;エーテルアルコールのメタクリレート、例えばテトラヒドロフルフリルメタクリレート、ビニルオキシエトキシエチルメタクリレート、メトキシエトキシエチルメタクリレート、1−ブトキシプロピルメタクリレート、1−メチル−(2−ビニルオキシ)エチルメタクリレート、シクロヘキシルオキシメチルメタクリレート、メトキシメトキシエチルメタクリレート、ベンジルオキシメチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエトキシメチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、アリルオキシメチルメタクリレート、1−エトキシブチルメタクリレート、メトキシメチルメタクリレート、1−エトキシエチルメタクリレート、エトキシメチルメタクリレート及びエトキシ化(メタ)アクリレートであって、好ましくは1〜20個の、特に2〜8個のエトキシ基を有するもの;アミノアルキル(メタ)アクリレート及びアミノアルキル(メタ)アクリレートアミド、例えばN−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、3−ジエチルアミノペンチルメタクリレート、3−ジブチルアミノヘキサデシル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸のニトリル及び別の窒素含有のメタクリレート、例えばN−(メタクリロイルオキシエチル)ジイソブチルケチミン、N−(メタクリロイルオキシエチル)ジヘキサデシルケチミン、メタクリロイルアミドアセトニトリル、2−メタクリロイルオキシエチルメタクリルシアナミド、シアノメチルメタクリレート;複素環式の(メタ)アクリレート、例えば2−(1−イミダゾリル)エチル(メタ)アクリレート、2−(4−モルホリニル)エチル(メタ)アクリレート及び1−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−ピロリドン;オキシラニルメタクリレート、例えば2,3−エポキシブチルメタクリレート、3,4−エポキシブチルメタクリレート、10,11−エポキシウンデシルメタクリレート、2,3−エポキシシクロヘキシルメタクリレート、10,11−エポキシヘキサデシルメタクリレート;並びにグリシジルメタクリレートが該当する。
【0078】
特に適したコモノマーb)には、とりわけ、メタクリレート、アクリレート、スチレン及び上述の群の2種以上の成分を含む混合物が該当する。(メタ)アクリレートのための例は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メチル−もしくはエチルトリグリコールメタクリレート、ブチルジグリコールメタクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート並びにジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びその高級同族体、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート及びその高級同族体、1,3−及び1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、3〜10モルのエチレンオキシドを有するエトキシ化トリメチロールプロパンのトリ(メタ)アクリレート、2〜20モルのエチレンオキシド、好ましくは2〜10モルのエチレンオキシドを有するエトキシ化ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート及び/又は1〜15個のエチレンオキシド単位を有するポリエチレングリコールジメタクリレート及びアリル(メタ)アクリレートである。他の例は、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、マレイン酸及びコハク酸とヒドロキシエチルメタクリレートとのモノエステル並びにヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのリン酸エステルであり、その割合は大抵は副次的なものである。
【0079】
更に、重合体B)の作成のために、複数種のモノマーb)を使用できることは自明である。例えば、成分B)は、互いに異なる種類b)のモノマーの2種以上の重合によっても得ることができる。
【0080】
本発明にとって特に関心が持たれるのは、成分b)が(メタ)アクリレートモノマーから選択される場合である。この場合に、成分b)がメチルメタクリレートであることが殊に好ましい。
【0081】
更なる一実施態様においては、成分b)がn−ブチルメタクリレートを有することが好ましい。
【0082】
特定の本発明によるポリマーは、また、3〜5個の炭素原子をエステル基中に有する(メタ)アクリレートから選択される成分b)を使用しても得られる。これには、とりわけプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート及びn−ペンチルメタクリレートが該当する。上述のモノマーのうち、n−ブチルメタクリレートが特に好ましい。
【0083】
特定の本発明によるポリマーは、同様に、b)がメチルメタクリレート及びn−ブチルメタクリレートを有するモノマーの混合物であることによって優れている。
【0084】
本発明の殊に好ましい組成物は、成分b)が、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート及びメタクリル酸又は上述の成分の2種又は全ての3種を含む混合物から選択されることを特徴とする。
【0085】
なおもより好ましい組成物は、b)が、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート及びメタクリル酸を含む場合には、特に適切には、上述の3種のb)の成分の質量の合計に対して55:44:1〜45:54:1の比率で100質量%まで生ずる。
【0086】
本発明による組成物中に含まれるポリマーB)は、一般に、重合体A)とも同様にラジカル重合によって得られる。慣用のフリーラジカル重合は、とりわけ、ウールマンの工業化学事典、第6版(Ullmanns′Encyclopedia of Industrial Chemistry,Sixth Edition)に詳細に説明されている。
【0087】
本発明の範囲において、重合は、ラジカル重合のための少なくとも1種の重合開始剤を使用して開始される。それには、とりわけ、当業界で広く知られるアゾ開始剤、例えば2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)及び1,1−アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、有機ペルオキシド、例えばジクミルペルオキシド、ジアシルペルオキシド、例えばジラウロイルペルオキシド、ペルオキシジカーボネート、例えばジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ペルエステル、例えばt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエートなどが該当する。
【0088】
本発明の目的のために殊に適した重合開始剤は、特に以下の化合物:メチルエチルケトンペルオキシド、アセチルアセトンペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、t−ブチルペル−2−エチルヘキサノエート、ケトンペルオキシド、t−ブチルペルオクトエート、メチルイソブチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ビス(2−エチルヘキサノイル−ペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、ジクミルペルオキシド、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、クミルヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)−ペルオキシジカーボネート、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1−アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、t−アミルペルオキシピバレート、ジ−(2,4−ジクロロベンゾイル)ペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、ジ(3,5,5−トリメチル−ヘキサノイル)ペルオキシド、ジオクタノイルペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチルアミジン)、ジ(2−メチルベンゾイル)ペルオキシド、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレート、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサン、4,4′−アゾビス(シアノペンタン酸)、ジ(4−メチルベンゾイル)ペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、t−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ−イソブチレート並びに上述の重合開始剤の混合物である。
【0089】
本発明によるポリマーは、塊状でも又は溶液中でも得ることができる。しかしながら、成分A)に関して既に十分に詳細に上記した乳化重合による重合によってそれを得ることが好ましい。
【0090】
ポリマーB)の製造のための重合は、連鎖移動剤の存在もしくは不在のいずれにおいても実施することができる。好ましくは、重合は、連鎖移動剤の存在下で、又はここで挙げられる調節剤の存在下で実施される。連鎖移動剤としては、ラジカル重合について説明される典型的な種、例えば既に十分に上記したものを使用してよい。
【0091】
特に、メルカプタン、例えばn−ブチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、2−エチルヘキシルチオグリコレート又はペンタエリトリットテトラチオグリコレートの使用が推奨され、その際、該連鎖移動剤は、それぞれエチレン性不飽和化合物の全質量に対して、好ましくは0.05〜5.0質量%の量で、有利には0.1〜2.0質量%の量で、特に有利には0.2〜1.0質量%の量で使用される。この関連で、当業者は、専門文献、特に刊行物のH.Rausch−Puntigam、T.Voelkerによる"アクリル化合物及びメタクリル化合物(Acryl− und Methacrylverbindungen)" Springer,Heidelberg,1967;Houben−Weylの"有機化学の手法(Methoden der organischen Chemie)"XIV/1巻,第66頁以降,Georg Thieme,Heidelberg,1961及びKirk−Othmerの"化学技術事典(Encyclopedia of Chemical Technology)" 第1巻,第296頁以降,J.Wiley,New York,1978を参照することができる。本発明の範囲において、2−エチルヘキシルチオグリコレート又はペンタエリトリットテトラチオグリコレートを、連鎖移動剤又は調節剤として使用することは殊に好ましい。これらは、好ましい一実施態様においては、成分a)及びb)の全質量に対して、0.05〜5質量%の量で使用される。
【0092】
種類B)のベンゾフェノン(メタ)アクリレート含有のコポリマーの分子量は、広範にわたり様々であってよい。本発明の範囲において、モノマー、重合開始剤、連鎖移動剤及び場合により溶剤の量は、好ましくは、分子量の質量平均が、103から106g/モルまでの範囲、有利には104から106g/モル未満までの範囲で、適切には2×104から106g/モル未満までの範囲で、特に5×104から106g/モル未満までの範囲で得られるように選択される。特に好ましくは、分子量は、105から106g/モルまでの範囲にある。前記値は、それぞれ分子量の質量平均(Mw)に対するものである。
【0093】
分子量は、公知の方法に従って測定することができる。例えば、ゲル透過クロマトグラフィー、また"サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)"としても知られるものを使用できる。同様に、浸透圧式方法、例えば"蒸気相浸透圧法(Vapour Phase Osmometry)"が分子量の測定のために使用できる。上述の方法は、例えばP.J.Floryによる"ポリマー化学の原理(Principles of Polymer Chemistry)"Cornell University Press(1953),第VII章,266−316並びに"マクロ分子、ポリマー科学への導入(Macromeolecules,an Introduction to Polymer Science)",F.A.Bovey and F.H.Winslow,Editors,Academic Press(1979),296−312並びにW.W.Yau、J.J.Kirkland及びD.D.Blyによる"最近のサイズ排除液体クロマトグラフィー(Modern Size Exclusion Liquid Chromatography)",John Wiley and Sons,New York,1979に記載されている。好ましくは、本願で紹介されたポリマーの分子量の測定のためには、ゲル透過クロマトグラフィーが使用される。好ましくは、ポリメチルアクリレート標準又はポリアクリレート標準に対して測定されるべきである。
【0094】
本発明によるポリマーを得るための重合は、常圧で、減圧で又は過圧で実施できる。また重合温度は重要ではない。しかしながら一般に、その温度は、−20℃〜200℃の範囲、好ましくは0℃〜180℃の範囲、より好ましくは50℃〜180℃の範囲、特に好ましくは50℃〜130℃の範囲、特に60℃〜120℃の範囲にある。
【0095】
重合は、好ましくは一定の反応温度で実施され、それは、重合反応全体の間に、好ましくは±20℃未満だけ、特に好ましくは±10℃未満だけ、特に±5℃未満だけ、望ましい温度だけ変動する。
【0096】
このために、重合容器は、好ましくは生ずる重合熱ができる限り迅速かつ良好に排出できる媒体で取り囲まれる。温度変動を更に低下させるためには、温度上昇のために、重合開始剤の添加速度を短時間高め、そして温度低下のために、重合開始剤の添加速度を短時間低めることで、重合容器中の温度を重合開始剤の添加速度によって制御することがとても適切と見なされている。
【0097】
更に、適切には、エチレン性不飽和化合物を含む反応混合物を反応容器中に初充填し、該反応混合物を好適な反応媒体を使用しつつ望ましい重合温度で、反応混合物が所望の重合温度を有するまで温度調節し、重合を重合開始剤の添加もしくは配量によって開始させ、そして重合開始剤の添加直後にもしくは重合開始剤の配量の開始直後に、温度調節媒体の温度を、予め調節された温度に対して、好ましくは2〜10℃だけ、特に5〜10℃だけ低下させるように実施される。
【0098】
本発明による組成物は、使用分野に応じて、重合体A)の100質量部に対して約1〜400質量部の重合体B)を有し、その際、量の表示は、分散液の固体含有率に対するものである。100部のA)に対して約100部〜350部(質量/質量)の成分B)を含有する組成物が特に好ましい。これらは、無機基材用の保護塗膜として極めて適している。100部のA)に対して約200〜300部のB)を有する組成物が殊に適切である。
【0099】
本発明の組成物は、慣用のコンフェクション又は変性によって、更に種々の使用分野に適合できる。例えば、通常の粘着化樹脂、例えば炭化水素樹脂、場合により変性されたコロホニウム樹脂、テルペンフェノール樹脂、ケトン樹脂、アルデヒド樹脂又は単独重合体、例えばポリ−2−エチルヘキシルアクリレート及びポリ−n−ブチルアクリレート、更に可塑剤、例えばモノエステル化合物、ジエステル化合物もしくはポリエステル化合物、ポリクロロ化炭化水素もしくはパラフィン油を基礎とする可塑剤、着色剤及び顔料又は安定化剤もしくはゴム弾性物質、例えば天然ゴムもしくは合成ゴム、ポリビニルエーテル並びに更にポリブタンジオールを添加してよい。変性のためには、また、オレフィン性に一不飽和もしくは多不飽和のより高分子の化合物、アクリル酸でエステル化されたポリエステルオール及びポリエーテルオール、例えばトリプロピレングリコールアクリレート、テトラエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート及びポリテトラヒドロフランが該当する。更に、最大250〜2000の分子量(数平均)を有するポリテトラヒドロフランのジアクリレート及びジメタクリレートが適している。かかる少なくともジオレフィン性不飽和の化合物は、好ましくは、組成物の固体含有率の質量に対して0.1〜10質量%の量で使用してよく、その際、この種の分子量(数平均)少なくとも500を有するジオレフィン性不飽和化合物に特に関心が持たれている。
【0100】
該組成物は、特に水性分散液の形で、塗膜、被覆及び含浸物の製造のために、例えばまた感圧式接着剤、感圧式接着シート及び感圧式接着ラベル並びにエンボスラベル製造装置用シート(Praegezangenfolie)の作成のためにも適している。しかしながら特に好ましい使用分野は、無機基材、例えばコンクリート、特に床の被覆である。その際、該組成物は自体慣用のように、塗被、吹き付け、ローラ塗り、ブレード塗布もしくは流し塗りによって、場合により高められた温度で、大抵は20〜150℃の温度範囲において、慣用の基材上に、例えばガラス、コンクリート、レンガ、石材、紙、厚紙、木材、金属及びプラスチックシート、例えば可塑化されたPVC、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエチレングリコールテレフタレート又はアルミニウム並びにポリプロピレンからなるプラスチックシート上に塗布することができる。
【0101】
水性分散液中に含まれる水は、塗膜から容易に、場合により室温で又は殆ど高められていない温度で、一般に20〜150℃の温度で、好ましくは50〜80℃の温度で蒸発でき、その際、自体慣用のように加熱放射器又は熱気ローラ装置が使用される。場合により乾燥された又は予備乾燥された塗装は、引き続き紫外光での照射によって架橋させることができ、その際、良好に付着する塗膜が得られ、それは優れた耐劣化性で、高い粘着力と良好な剥離強さを有する。その際、不活性ガス雰囲気下で照射する必要がなく、むしろ空気中で作業できる。紫外線照射器としては、慣用の照射器、例えば水銀蒸気の低圧ランプ、中圧ランプ及び高圧ランプが使用でき、それらは例えば80〜160ワット/cmの出力を有してよい。その際、より高い出力を有するランプは、一般により迅速な架橋を可能にする。
【0102】
多くの場合に、架橋させる照射に際して同時に、ランプの赤外成分によって残りの溶剤又は水を除去することができる。
【0103】
殊に、本発明による組成物を、紫外線硬化性の塗膜、被覆及び含浸物の製造のために、特に無機機材の被覆のために、この場合に殊に適切にはコンクリート、とりわけコンクリート床の被覆のために使用することが好ましい。本発明の更なる一実施形態においては、特に、前記混合物と固体が本発明による分散液とは異なる別の分散液との混合物が適切である。この場合に、好ましくは、公知の分散液の特性は、例えば機械的耐久性などに関する特性は、向上される。分散液中の固体割合に対して量比(質量/質量)1:99〜99:1である分散液の混合物が特に適切である。
【0104】
本発明による分散液(ベンゾフェノン分散液)を、一成分系の脂肪族のポリウレタン分散液、変性アクリレートコポリマー(部分的にアニオン性及びカチオン性の官能基を有する)を有する水性分散液及び/又はワックスエマルジョン(例えばエチレン−コポリマー−エマルジョン)と混合して使用する場合に、特に好ましい混合物が得られる。あらゆる場合に、既に、本発明による分散液を少量で添加することで、例えば分散液の固体含有率に対して、同様に本発明による分散液とは異なる分散液の固体含有率に対して、1〜50質量部の範囲で添加して100質量部とすることで、別の分散液の機械的特性を劇的に向上させることに成功する。特に、添加量が2〜50質量部である使用が適切である。さらにより好ましくは、3〜30質量部で混加される。4〜25質量部、さらにより好ましくは5〜20質量部の範囲の量で使用することが殊に好ましい。
【0105】
以下の実施例及び比較例を、本発明の更なる説明のために用いる。
【0106】
乳化重合体の製造
全ての乳化重合体は、供給法で製造した。
【0107】
実施例1
まず、PE製ビーカーにおいて、468.3gのブチルアクリレート(BA)、490.0gのメチルメタクリレート(MMA)、32.75gのメタクリロイルオキシベンゾフェノン、10gのメタクリル酸(MAS)、1.8gのアンモニウムペルオキソ二硫酸塩(APS)、6.67gのDisponil FES 32(30%)及び613.2gの水を、Ultra−Turraxを用いて4000回転毎分で3分間にわたり乳化させた。
【0108】
水浴で温度調節が可能でブレード型撹拌機を備えたガラス反応器中で、390gの水及び0.833gのDisponil FES 32(30%)を初充填し、80℃に加熱し、そして10gの水中に溶かした0.2gのアンモニウムペルオキソ二硫酸塩(APS)を加えた。APSを添加した5分後に、そこに予め製造されたエマルジョンを、240分以内(間隔:3分の供給、4分の停止、237分の残余供給)で計量供給した。
【0109】
供給が完了した後に、80℃で1時間にわたり後撹拌した。次いで、室温に冷却し、そして分散液を0.09mmのメッシュ幅を有するVA−スクリーンクロスを介して濾別した。
【0110】
製造されたエマルジョンは、固体含有率50±1%、pH値3、粘度300mPas及びrN5値69nmを有していた。供給が完了した後に、2.2gの25%のアンモニア溶液で中和し、42.86gの70%のトライトンX305水溶液で引き続き安定化させた。最終中和を、5.73gの25%のアンモニア溶液を用いて行った。
【0111】
粒子径の測定は、PCS(光子相関分光学)によって実施され、その際、示されるデータは、r50値に対するものである(粒子の50%がより小さく、50%がより大きい)。このために、Beckman社のCoulter N5 サブミクロン粒径アナライザ(Submicron Particle Size Analyzer)を使用した。
【0112】
こうして得られた被覆剤の特性を、種々の方法をもとに調査した。このために、乾燥させた皮膜で、耐溶剤性及び硬度のための試験を実施した。
【0113】
耐溶剤性の測定は、メチルイソブチルケトン(MIBK)を使用して行った。その際、サンプルをMIBKで室温において4時間かけて膨潤させた。引き続き、そのサンプルを溶剤から取り出し、そして過剰の溶剤を除去した。引き続き、そのサンプルを約140℃で1時間乾燥させた。その質量損失から、溶剤によって除去されたサンプルの割合が算出される。
【0114】
得られた結果を、第1表に挙げる。
【0115】
比較のために、紫外線下で架橋するモノマーを含有しないアクリル分散液を調査した。得られた結果を、第1表に示す。
【0116】
比較例1
まず、PE製ビーカーにおいて、432gのブチルアクリレート(BA)、360gのメチルメタクリレート(MMA)、8gのメタクリル酸(MAS)、2.4gのアンモニウムペルオキソ二硫酸塩(APS)、24.0gのDisponil FES 32(30%)及び718.4gの水を、Ultra−Turraxを用いて4000回転毎分で3分間にわたり乳化させた。
【0117】
水浴で温度調節が可能でブレード型撹拌機を備えたガラス反応器中で、470gの水及び0.6gのDisponil FES 32(30%)を初充填し、80℃に加熱し、そして10gの水中に溶かした0.6gのアンモニウムペルオキソ二硫酸塩(APS)を加えた。APSを添加した5分後に、そこに予め製造されたエマルジョンを、240分以内(間隔:3分の供給、4分の停止、237分の残余供給)で計量供給した。
【0118】
供給が完了した後に、80℃で1時間にわたり後撹拌した。次いで、室温に冷却し、そして分散液を0.09mmのメッシュ幅を有するVA−スクリーンクロスを介して濾別した。
【0119】
製造されたエマルジョンは、固体含有率40±1%、pH値8.3(4gの25%アンモニア溶液での中和後)、粘度13mPas及びrN5値97nmを有していた。
【0120】
乾燥させた皮膜で、耐溶剤性及び機械的安定性のための試験を実施した。
【0121】
比較例2
まず、PE製ビーカーにおいて、352gのブチルアクリレート(BA)、440gのメチルメタクリレート(MMA)、8gのメタクリル酸(MAS)、2.4gのアンモニウムペルオキソ二硫酸塩(APS)、24.0gのDisponil FES 32(30%)及び718.4gの水を、Ultra−Turraxを用いて4000回転毎分で3分間にわたり乳化させた。
【0122】
水浴で温度調節が可能でブレード型撹拌機を備えたガラス反応器中で、470gの水及び0.6gのDisponil FES 32(30%)を初充填し、80℃に加熱し、そして10gの水中に溶かした0.6gのアンモニウムペルオキソ二硫酸塩(APS)を加えた。APSを添加した5分後に、そこに予め製造されたエマルジョンを、240分以内(間隔:3分の供給、4分の停止、237分の残余供給)で計量供給した。
【0123】
供給が完了した後に、80℃で1時間にわたり後撹拌した。次いで、室温に冷却し、そして分散液を0.09mmのメッシュ幅を有するVA−スクリーンクロスを介して濾別した。
【0124】
製造されたエマルジョンは、固体含有率40±1%、pH値8.6(4gの25%アンモニア溶液での中和後)、粘度11mPas及びrN5値90nmを有していた。
【0125】
乾燥させた皮膜で、耐溶剤性及び機械的安定性のための試験を実施した。
【0126】
実施例2
比較例1及び2に挙げられるアクリレート分散液を、水で固体含有率40%にまで希釈し、そして引き続き実施例1に挙げられる紫外線硬化性の分散液と種々の比率で混合した:
2a 比較例1と実施例1 25/75
2b 比較例1と実施例1 50/50
2c 比較例1と実施例1 75/25
2d 比較例2と実施例1 25/75
2e 比較例2と実施例1 50/50
2f 比較例2と実施例1 75/25
【0127】
分散液の皮膜を、Philips社製の紫外線ランプ(強度0.9〜1mW/cm2)を用いて照射し、それぞれ0.5時間、4時間及び24時間後に、サンプルを取り出し、調査し、そしてゼロ値と比較する。
【0128】
第1表.24時間の紫外線照射後の被覆の特性
【表1】

【0129】
得られた結果から、MIBK及びエタノール中での溶剤吸収性も、引張強さも、純粋なアクリル分散液と比較して明らかに向上することが認められる。
【0130】
また、床被覆用に設計された完成した分散液は、1種もしくは複数種の式(I)の化合物、好ましくは1種もしくは複数種のベンゾフェノン(メタ)アクリレートを含有する本発明による分散液との混合において混合でき、そのブレンドは、純粋な混合されていない分散液に対して明らかに利点を示すことに特に関心が持たれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性分散液中に、
A)100質量部までの、1種もしくは複数種の(メタ)アクリレートポリマー;
B)1〜400質量部の、1種もしくは複数種の(メタ)アクリレートポリマーであって、一般式(I)の1種もしくは複数種の化合物を重合導入されて含む前記ポリマー
を有する組成物において、前記(メタ)アクリレートポリマーB)は、前記A)で挙げた(メタ)アクリレートポリマーとは異なり、かつ前記(メタ)アクリレートポリマーB)は、以下のa)及びb)
a)0.1〜99.9質量%の、一般式(I)
【化1】

[式中、
1は、水素又はメチルを意味し、
2は、酸素又はNHを表し、
3は、一般式II
【化2】

の基を表し、前記式中、
7、R8、R9は、互いに独立して、水素又はメチルであり、
nは、0から200までの整数であり、
o及びpは、互いに独立して、0から2までの整数であり、その際、nとoとpとの合計が0である場合については、R3は、結合であり、
4は、結合、酸素、NH、O−CO−O、NH−CO−O、NH−CO−NH又は硫黄であり、
5は、水素、ハロゲン又は1から20個の炭素原子を有する基を表し、前記基は、場合により酸素、窒素及び/又は硫黄で置換されており、その際、mは、1から5までの整数を表し、かつ
6は、アリール基又はヘテロシクリル基を表す]の少なくとも1種の化合物、及び
b)99.9〜0.1質量%の、前記a)とは異なり前記a)と共重合可能な1種もしくは複数種のエチレン性不飽和モノマー、
を有する混合物の乳化重合によって得られ、その際、成分a)及びb)は、一緒になって、混合物の重合可能な成分の100質量%であり、かつ前記A)及びB)の質量部は、水性分散液中のポリマーA)又はB)の固体割合に対するものである前記組成物。
【請求項2】
1がメチルであることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
2が酸素であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
4が結合を表すことを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
p=o=ゼロであり、かつnが1と20との間の整数であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
7が水素であることを特徴とする、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
p=o=n=ゼロであることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
全てのR5が水素であることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
6がフェニルであることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
成分b)が(メタ)アクリレートモノマーから選択されることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
成分b)が、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート及びメタクリル酸又は上述の成分の2種又は全ての3種を含む混合物から選択されることを特徴とする、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
成分b)が、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート及びメタクリル酸を、上述の3種のb)の成分の質量の合計に対して55:44:1〜45:54:1の比率で100質量%まで含むことを特徴とする、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
(メタ)アクリレートポリマーA)が、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート及びメタクリル酸又は上述の成分の2種又は全ての3種を含む混合物から選択されるモノマーの共重合によって得られることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
成分A)が、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート及びメタクリル酸を、上述のA)の3種の成分の質量の合計に対して55:44:1〜45:54:1の比率で100質量%まで含むことを特徴とする、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
請求項1から14までのいずれか1項に記載の組成物を、紫外線硬化性の塗膜、被覆及び含浸物の製造のために用いる使用。
【請求項16】
請求項1から14までのいずれか1項に記載の組成物を、無機基材の被覆のために用いる使用。
【請求項17】
コンクリートの被覆のための、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
請求項1から14までのいずれか1項に記載の組成物とは異なる分散液との混合物における、請求項15から17までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項19】
請求項1から14までのいずれか1項に記載の分散液並びに該分散液とは異なる分散液の乾燥分の質量に対してそれぞれ1:99〜99:1の量比(質量/質量)における、請求項18に記載の使用。

【公表番号】特表2012−521456(P2012−521456A)
【公表日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−501224(P2012−501224)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【国際出願番号】PCT/EP2010/052575
【国際公開番号】WO2010/108762
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(390009128)エボニック レーム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (293)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Roehm GmbH
【住所又は居所原語表記】Kirschenallee, D−64293 Darmstadt, Germany
【Fターム(参考)】