水性植物飼育装置
【課題】 水槽中の水性植物に光を照射する光源を小さくすることが出来、」また、水性植物の水槽からの撤去、再配置を取扱簡単ならしめる安価な水性植物飼育装置を提供することである。
【解決手段】 水性植物を植えた容器を光源に対して回転させるようにする。また回転に際しては外部動力装置との間を動力軸レスで間接的に動力伝達を行うように構成してある。
【解決手段】 水性植物を植えた容器を光源に対して回転させるようにする。また回転に際しては外部動力装置との間を動力軸レスで間接的に動力伝達を行うように構成してある。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はLED照明等の光源を備えた水生植物飼育用の水槽であって、水生植物に照射する光が水生植物に対して均一に当たるようにするものである。特に、試験栽培に適すよう設置、撤去が極めて簡単に出来るようにしたことを特徴とする水生植物飼育装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水生植物、中でも海に生息する植物において、浅瀬に生息するウミヒルモやアマモなどの海草藻類は藻場を形成し、小魚や小エビなど多様な生物の生活圏・生息場所を提供し、海洋環境には重要な役目を果たしているが近年、この藻場が激減、消滅の危機にさらされており中でもウミヒルモは準絶滅危惧種として環境省のレッドデータブック(2000)に記載されている。
【0003】
環境保護、保全や回復の観点からはウミヒルモやアマモなどの海草藻類を人工的に増殖させることが望ましいのであるが、残念なことにいまだこれらの海草藻類を自然環境下で人口増殖させることには十分に成功しておらず、ウミホルモやアマモの生態を解明するための観察や実験は重要な研究テーマになっている。
【0004】
ウミヒルモやアマモの人工飼育には現在水槽が使用されるのであるが、根茎植物であるために水槽底部に栽培土を敷詰め、その上に飼育用の藻類を植え付けて人工栽培を開始する。栽培土を水槽に直接敷詰めるということは、水生植物と光源との関係を静的に捕らえて均一照射を考えると光源からの照射光の照射面積が大きくなることであり、このことは光源装置の大型化を招き、発熱が水温に与える影響や光源の高価を招聘し水槽システム全体の価格上昇につながると言う不具合があった。
【0005】
また、水生植物と光源との関係を動的に捕らえると、光源側を可動させるか、または逆に植物側を稼動させるかでしか均一照射は実現できないことになる。光源側の可動の場合は電源のリード線の断線に配慮する必要が出てくるし、もし植物側の回転可動をさせるとなると水槽底部での水槽と回転軸との間のシール作業などで高度な技術を必要とすることとなる。この場合もまた前記静的関係と同じように水槽システムの価格アップを招来することとなり不都合であった。
【0006】
さらに、回転軸を水槽に固定的に設置するということは清掃やテスト条件の変更等に際し回転軸の撤去、再設置に多くの費用を必要とすることとなってしまう不具合が出てくる。藻試験栽培で特に必要とされるテスト条件の変更対応に不便さが残るという不具合も解消されない。
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は上記のとうりの不具合を解消するためになされたものであり、光源が小さく出来るとともに、植物回転装置の撤去、再設置を極めて簡単に行えるようにした水生植物飼育装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は水槽上部に固定配置の光源と、水槽内部に位置して水生植物を栽培土中に植えつけた容器とを相対向配置し、容器つまり植物側を回転させることにより光源からの均一照射を受けられるように構成してある。
【0009】
請求項2に記載の発明は水生植物が光源に対して回転する力は、外部から回転磁力を容器に与え、容器の回転のための回転軸を不要とし、簡単な構造を実現できるようにしてある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下本発明の構成と実施例を図1〜図13に基づいて説明する。図1は本発明に係る水生植物飼育装置の主要部である水槽部の一部縦断面図である。図1において1は海水もしくは人工的に海水に近い成分にした水17を入れた透明ガラス製の角型水槽であり、水槽上部に配置した取付枠2にLED光源3、水位レベルセンサ4、水質センサ5、ヒータ6を取り付けてある。
【0011】
また、水槽内底部には水槽底面と当接するローラ7を持つことで底面を移動しやすくしたプランター載置台8を設置してある。この載置台8の上には図7で示すように水生植物9を栽培土15で地植えしたプラランター10を載せてある。
さらに載置台8の下方には永久磁石(以下マグネットと称す)を埋め込んだ内部マグネット板11を取り付けてある。一方水槽1外部には水槽底面ガラスを挟んで内部マグネット板11と対向させてなる外部マグネット板12を配置してあり、この外部マグネット板12を外力としてのモータ13で回転させる構造を採っている。
【0012】
上記の各部位を他の図を使いながら詳述する。まずマグネット板であるが、図2に外部マグネット板12の縦断面図、図3に同マグネット板12の平面図、図4に内部マグネット板11の縦断面図、図5に同マグネット板11の平面図を示している。
【0013】
具体的に詳述すると、各マグネット板11、12にはN極マグネット141、142、143、144を、またこのN極に隣接してS極マグネット146、147、148、149をそれぞれ埋め込んである。モータが回転してなく静止状態にあるときは図3と図5との図示する位置関係に見られるように同極同士が対向しているので載置台8は水中で浮力を受ける方向に作用し、水生植物の重量を軽減する力を生み出している。このことは載置台8の下部ローラ7が水槽底面で移動しやすく作用されていることとなる。
この位置関係からモータ13が回転すると回転方向の如何を問わず、90度回転位置では外部マグネット板12のN極141、142は内部マグネット板11のS極148、149と対向するようになり、(移動後のマグネットの位置関係は図示せず)またS極146、147もN極143、144と対向するような位置関係へと変化が出る。この位置関係は吸引力が作用する関係となるためモータ13が更に回転していくと内部マグネット板11は外部マグネット板12の回転に従属して回転を行うようになる。図6には載置台8を底面から見たときのローラの配置が図示してあり回転運動が出来やすくなる構造としてある。
前述の吸引関係で回転したマグネット板11であるが、常時吸引関係を維持できるのではなく、90度から180度に移行する途中で吸引関係は引きちぎられて180度の位置では再び反発関係となり初期状態と同じ状態に戻る。以降は先述のとうりモータ13の回転に同期して内部マグネット板11は回転運動を行う。
内部マグネット板11に与えられる回転は載置台8、プランター10を回転させることとなる。
【0014】
このようにして水生植物9が回転するということはLED光源3からの光をプランター10のいずれか1点に照射するようにしておけば回転運動につれて植物9は順次光を受けるようになる。このことは図7のようなプランター直接の地植えでなく、図8のポット16(161〜168の8個のポット)栽培で考えるとその効果が考え易くなる。
【0015】
LED光源3の光はスポット光源的にポット161を照射するようにしておけば、もしモータ13が反時計方向回転の場合は、その回転につれて162、163・・・・168、そして再び161と順次エンドレスで照射光を受け続けることとなる。
【0016】
図9は水槽1の中の水17を循環させる循環系統の1実施例を図示したものである。配管途中のバルブは特に図示せず説明を加えると、濾過器18、メインポンプ19、フィルタ20、紫外線殺菌灯21、クーラ22、多分岐バルブ23を経由して水槽に戻るように循環系統が作られている。更に自動制御用に必要となる機器として前述のクーラ22、海水を充填している補給タンク24、補給タンク用ポンプ25、純水タンク26、同ポンプ27を多分岐バルブ23に接続してある。
上記のように水の循環だけでなく、水槽中の水の状態を検出している水質センサ5、水位レベルを検地するレベルセンサ4からの電気信号で後述する自動制御を行って水生植物9の生育を順調ならしめるようにしている。
【0017】
図10は水質データに基づいた制御の態様をブロック線図で示している。水質センサ5からは温度、Ph、塩分濃度の各信号が発せられる。まず温度においては管理設定温度よりも水温が上昇してくればクーラ22を起動して冷却し、水温が管理設定温度より低下すればヒータ6に通電して水温を上昇させ、管理設定温度を維持するように制御されている。水質の今ひとつは塩分濃度であり、濃度が上がればポンプ27を駆動して純水タンク26からの純水を水槽中に投入して塩分濃度を保持する。通常この種水槽では塩分濃度が下がることはありえないので濃度が上がったときだけの制御となっている。
水生植物飼育においては、自然界と極力同じ条件を作り出すようにしておく必要があり、潮の干満もそのひとつである。
【0018】
図11に潮の干満制御の態様をブロック線図で示している。毎月の干満データを潮位コントローラ35に記憶させておく。タイマからの時刻信号出力でポンプ25の開度を制御して干満を作り出していく。干潮から満潮に向かわせるときはコントローラ35からの出力はポンプ25を吐出側に開いて補給タンク24からの水を水槽の方へ加水するように働いて水槽レベルを上昇させるように作用する。逆に満潮から干潮に向かわせるときはポンプ25を吸引側に向かわせて水槽を循環している水を補給タンク24に戻して水槽の水を下げていくように作用する。具体例で説明を加える。レベルセンサ4は水槽の水位に応じたレベル信号をコントローラ35に連続的に送出している。タイマ28からの時刻信号がコントローラ35に印加されると(例えば2時間に1回づつ)、コントローラ35は指令時刻信号に対応した予め記憶している所定制御出力信号を送出しポンプ25の開度を制御する。コントローラ35はレベルセンサ4からのレベル信号を監視しながら所定レベルに到達したことを確認した時点でポンプ25の運転を停止し、次の指の指令時刻信号が来るまでその水位を保つこととなる。
【0019】
なを、図示はしてないが自然界の条件に近くする点では水流を作り出すことが必要となる。この実施例ではプランターが回転するときに水を切って回るため水流が生成されていて、水生植物がゆらぐ姿が実現できている。水流発生をさせるような装置を別個に独立して設けなくとも副次的に水流発生が出来るようになっている。
【0020】
図12、図13にはLED光源3を一定点灯だけでなく自動制御する態様を示してある。近時白色のLEDが実用化されてきたため本実施例ではLED光源は白色、青色、赤色の3色で構成しこの3色の光量、波長を制御することで生育に最も好適な照度や波長成分を与えることが出来るか研究している。図12では朝30、昼31、夜32の3時間帯で最も好適な照度を与えられるようにタイマ29から信号を送出し照度コントローラ33に入力する。コントローラ33から時間帯に応じた出力信号が送出されるのでLED光源の点灯条件が変化することとなる。図13では水生植物9の品種に応じて生育上好適な波長がデータとしてあるので、品種選択スイッチSW1〜SWnが選択されることに応じて波長コントローラ34がLED光源3に対して必要な波長信号を送出する。
【0021】
なお、光源は発熱や波長制御の観点からLEDが好ましい光源であることは確認しているが、ハロゲン電球であっても本発明の効果を阻害するものにはならないので、使い分けが可能である。以上のように、構成しているので、試験研究用水槽などを安価で、取扱簡単構造で提供できる効果がある。
【発明の効果】
【0022】
請求項1の発明では、固定配置の光源に対して水生植物側で光源に対して回転動作をするようにしたため、スポット光源のような限りなく小さな光源であっても均一な光照射を与えられるようになるので光源が安価に製作できる。しかも発熱を抑制できるため水の温度制御も簡単になり水生植物飼育装置をトータルで安価に提供できる効果がある。また請求項2の発明では、水生植物の水槽内での回転は磁力の吸引力で行うようにしたので動力装置の回転軸が水槽底部を貫通する必要がなくなる。これにより水槽の防水シールをすることなく、また水槽内部回転体の撤去、再設置に際してはネジを外すなどの作業は必要なく、置いてあるものを単純に拾い上げるだけで済むため撤去、再設置が頻繁に行われる場合に特に好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明における藻類飼育の実施例における水槽の一部縦断面図である。
【図2】この発明の外部マグネット板の断面図である。
【図3】この発明の外部マグネット板の平面図である。
【図4】この発明の内部マグネット板の断面図である。
【図5】この発明の内部マグネット板の平面図である。
【図6】この発明の載置台裏面のローラ配置図である。
【図7】この発明のプランター直植えの時のプランター断面図である。
【図8】この発明のポット栽培のときの載置台上のポット配置例図である。
【図9】この発明の水槽の水の循環系統および自動制御系統の経路図である。
【図10】この発明の水質センサの信号での自動制御ブロック線図である。
【図11】この発明の干満制御の電気ブロック線図である。
【図12】この発明のLED光源の照度コントロールの電気ブロック線図である。
【図13】この発明のLED光源の波長コントロールの電気ブロック線図である。
【符号の説明】
1 水槽
4 LED光源
9 藻類水性植物
10 プランター
11 内部マグネット板
12 外部マグネット板
13 モータ
141〜149 マグネット
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はLED照明等の光源を備えた水生植物飼育用の水槽であって、水生植物に照射する光が水生植物に対して均一に当たるようにするものである。特に、試験栽培に適すよう設置、撤去が極めて簡単に出来るようにしたことを特徴とする水生植物飼育装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水生植物、中でも海に生息する植物において、浅瀬に生息するウミヒルモやアマモなどの海草藻類は藻場を形成し、小魚や小エビなど多様な生物の生活圏・生息場所を提供し、海洋環境には重要な役目を果たしているが近年、この藻場が激減、消滅の危機にさらされており中でもウミヒルモは準絶滅危惧種として環境省のレッドデータブック(2000)に記載されている。
【0003】
環境保護、保全や回復の観点からはウミヒルモやアマモなどの海草藻類を人工的に増殖させることが望ましいのであるが、残念なことにいまだこれらの海草藻類を自然環境下で人口増殖させることには十分に成功しておらず、ウミホルモやアマモの生態を解明するための観察や実験は重要な研究テーマになっている。
【0004】
ウミヒルモやアマモの人工飼育には現在水槽が使用されるのであるが、根茎植物であるために水槽底部に栽培土を敷詰め、その上に飼育用の藻類を植え付けて人工栽培を開始する。栽培土を水槽に直接敷詰めるということは、水生植物と光源との関係を静的に捕らえて均一照射を考えると光源からの照射光の照射面積が大きくなることであり、このことは光源装置の大型化を招き、発熱が水温に与える影響や光源の高価を招聘し水槽システム全体の価格上昇につながると言う不具合があった。
【0005】
また、水生植物と光源との関係を動的に捕らえると、光源側を可動させるか、または逆に植物側を稼動させるかでしか均一照射は実現できないことになる。光源側の可動の場合は電源のリード線の断線に配慮する必要が出てくるし、もし植物側の回転可動をさせるとなると水槽底部での水槽と回転軸との間のシール作業などで高度な技術を必要とすることとなる。この場合もまた前記静的関係と同じように水槽システムの価格アップを招来することとなり不都合であった。
【0006】
さらに、回転軸を水槽に固定的に設置するということは清掃やテスト条件の変更等に際し回転軸の撤去、再設置に多くの費用を必要とすることとなってしまう不具合が出てくる。藻試験栽培で特に必要とされるテスト条件の変更対応に不便さが残るという不具合も解消されない。
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は上記のとうりの不具合を解消するためになされたものであり、光源が小さく出来るとともに、植物回転装置の撤去、再設置を極めて簡単に行えるようにした水生植物飼育装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は水槽上部に固定配置の光源と、水槽内部に位置して水生植物を栽培土中に植えつけた容器とを相対向配置し、容器つまり植物側を回転させることにより光源からの均一照射を受けられるように構成してある。
【0009】
請求項2に記載の発明は水生植物が光源に対して回転する力は、外部から回転磁力を容器に与え、容器の回転のための回転軸を不要とし、簡単な構造を実現できるようにしてある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下本発明の構成と実施例を図1〜図13に基づいて説明する。図1は本発明に係る水生植物飼育装置の主要部である水槽部の一部縦断面図である。図1において1は海水もしくは人工的に海水に近い成分にした水17を入れた透明ガラス製の角型水槽であり、水槽上部に配置した取付枠2にLED光源3、水位レベルセンサ4、水質センサ5、ヒータ6を取り付けてある。
【0011】
また、水槽内底部には水槽底面と当接するローラ7を持つことで底面を移動しやすくしたプランター載置台8を設置してある。この載置台8の上には図7で示すように水生植物9を栽培土15で地植えしたプラランター10を載せてある。
さらに載置台8の下方には永久磁石(以下マグネットと称す)を埋め込んだ内部マグネット板11を取り付けてある。一方水槽1外部には水槽底面ガラスを挟んで内部マグネット板11と対向させてなる外部マグネット板12を配置してあり、この外部マグネット板12を外力としてのモータ13で回転させる構造を採っている。
【0012】
上記の各部位を他の図を使いながら詳述する。まずマグネット板であるが、図2に外部マグネット板12の縦断面図、図3に同マグネット板12の平面図、図4に内部マグネット板11の縦断面図、図5に同マグネット板11の平面図を示している。
【0013】
具体的に詳述すると、各マグネット板11、12にはN極マグネット141、142、143、144を、またこのN極に隣接してS極マグネット146、147、148、149をそれぞれ埋め込んである。モータが回転してなく静止状態にあるときは図3と図5との図示する位置関係に見られるように同極同士が対向しているので載置台8は水中で浮力を受ける方向に作用し、水生植物の重量を軽減する力を生み出している。このことは載置台8の下部ローラ7が水槽底面で移動しやすく作用されていることとなる。
この位置関係からモータ13が回転すると回転方向の如何を問わず、90度回転位置では外部マグネット板12のN極141、142は内部マグネット板11のS極148、149と対向するようになり、(移動後のマグネットの位置関係は図示せず)またS極146、147もN極143、144と対向するような位置関係へと変化が出る。この位置関係は吸引力が作用する関係となるためモータ13が更に回転していくと内部マグネット板11は外部マグネット板12の回転に従属して回転を行うようになる。図6には載置台8を底面から見たときのローラの配置が図示してあり回転運動が出来やすくなる構造としてある。
前述の吸引関係で回転したマグネット板11であるが、常時吸引関係を維持できるのではなく、90度から180度に移行する途中で吸引関係は引きちぎられて180度の位置では再び反発関係となり初期状態と同じ状態に戻る。以降は先述のとうりモータ13の回転に同期して内部マグネット板11は回転運動を行う。
内部マグネット板11に与えられる回転は載置台8、プランター10を回転させることとなる。
【0014】
このようにして水生植物9が回転するということはLED光源3からの光をプランター10のいずれか1点に照射するようにしておけば回転運動につれて植物9は順次光を受けるようになる。このことは図7のようなプランター直接の地植えでなく、図8のポット16(161〜168の8個のポット)栽培で考えるとその効果が考え易くなる。
【0015】
LED光源3の光はスポット光源的にポット161を照射するようにしておけば、もしモータ13が反時計方向回転の場合は、その回転につれて162、163・・・・168、そして再び161と順次エンドレスで照射光を受け続けることとなる。
【0016】
図9は水槽1の中の水17を循環させる循環系統の1実施例を図示したものである。配管途中のバルブは特に図示せず説明を加えると、濾過器18、メインポンプ19、フィルタ20、紫外線殺菌灯21、クーラ22、多分岐バルブ23を経由して水槽に戻るように循環系統が作られている。更に自動制御用に必要となる機器として前述のクーラ22、海水を充填している補給タンク24、補給タンク用ポンプ25、純水タンク26、同ポンプ27を多分岐バルブ23に接続してある。
上記のように水の循環だけでなく、水槽中の水の状態を検出している水質センサ5、水位レベルを検地するレベルセンサ4からの電気信号で後述する自動制御を行って水生植物9の生育を順調ならしめるようにしている。
【0017】
図10は水質データに基づいた制御の態様をブロック線図で示している。水質センサ5からは温度、Ph、塩分濃度の各信号が発せられる。まず温度においては管理設定温度よりも水温が上昇してくればクーラ22を起動して冷却し、水温が管理設定温度より低下すればヒータ6に通電して水温を上昇させ、管理設定温度を維持するように制御されている。水質の今ひとつは塩分濃度であり、濃度が上がればポンプ27を駆動して純水タンク26からの純水を水槽中に投入して塩分濃度を保持する。通常この種水槽では塩分濃度が下がることはありえないので濃度が上がったときだけの制御となっている。
水生植物飼育においては、自然界と極力同じ条件を作り出すようにしておく必要があり、潮の干満もそのひとつである。
【0018】
図11に潮の干満制御の態様をブロック線図で示している。毎月の干満データを潮位コントローラ35に記憶させておく。タイマからの時刻信号出力でポンプ25の開度を制御して干満を作り出していく。干潮から満潮に向かわせるときはコントローラ35からの出力はポンプ25を吐出側に開いて補給タンク24からの水を水槽の方へ加水するように働いて水槽レベルを上昇させるように作用する。逆に満潮から干潮に向かわせるときはポンプ25を吸引側に向かわせて水槽を循環している水を補給タンク24に戻して水槽の水を下げていくように作用する。具体例で説明を加える。レベルセンサ4は水槽の水位に応じたレベル信号をコントローラ35に連続的に送出している。タイマ28からの時刻信号がコントローラ35に印加されると(例えば2時間に1回づつ)、コントローラ35は指令時刻信号に対応した予め記憶している所定制御出力信号を送出しポンプ25の開度を制御する。コントローラ35はレベルセンサ4からのレベル信号を監視しながら所定レベルに到達したことを確認した時点でポンプ25の運転を停止し、次の指の指令時刻信号が来るまでその水位を保つこととなる。
【0019】
なを、図示はしてないが自然界の条件に近くする点では水流を作り出すことが必要となる。この実施例ではプランターが回転するときに水を切って回るため水流が生成されていて、水生植物がゆらぐ姿が実現できている。水流発生をさせるような装置を別個に独立して設けなくとも副次的に水流発生が出来るようになっている。
【0020】
図12、図13にはLED光源3を一定点灯だけでなく自動制御する態様を示してある。近時白色のLEDが実用化されてきたため本実施例ではLED光源は白色、青色、赤色の3色で構成しこの3色の光量、波長を制御することで生育に最も好適な照度や波長成分を与えることが出来るか研究している。図12では朝30、昼31、夜32の3時間帯で最も好適な照度を与えられるようにタイマ29から信号を送出し照度コントローラ33に入力する。コントローラ33から時間帯に応じた出力信号が送出されるのでLED光源の点灯条件が変化することとなる。図13では水生植物9の品種に応じて生育上好適な波長がデータとしてあるので、品種選択スイッチSW1〜SWnが選択されることに応じて波長コントローラ34がLED光源3に対して必要な波長信号を送出する。
【0021】
なお、光源は発熱や波長制御の観点からLEDが好ましい光源であることは確認しているが、ハロゲン電球であっても本発明の効果を阻害するものにはならないので、使い分けが可能である。以上のように、構成しているので、試験研究用水槽などを安価で、取扱簡単構造で提供できる効果がある。
【発明の効果】
【0022】
請求項1の発明では、固定配置の光源に対して水生植物側で光源に対して回転動作をするようにしたため、スポット光源のような限りなく小さな光源であっても均一な光照射を与えられるようになるので光源が安価に製作できる。しかも発熱を抑制できるため水の温度制御も簡単になり水生植物飼育装置をトータルで安価に提供できる効果がある。また請求項2の発明では、水生植物の水槽内での回転は磁力の吸引力で行うようにしたので動力装置の回転軸が水槽底部を貫通する必要がなくなる。これにより水槽の防水シールをすることなく、また水槽内部回転体の撤去、再設置に際してはネジを外すなどの作業は必要なく、置いてあるものを単純に拾い上げるだけで済むため撤去、再設置が頻繁に行われる場合に特に好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明における藻類飼育の実施例における水槽の一部縦断面図である。
【図2】この発明の外部マグネット板の断面図である。
【図3】この発明の外部マグネット板の平面図である。
【図4】この発明の内部マグネット板の断面図である。
【図5】この発明の内部マグネット板の平面図である。
【図6】この発明の載置台裏面のローラ配置図である。
【図7】この発明のプランター直植えの時のプランター断面図である。
【図8】この発明のポット栽培のときの載置台上のポット配置例図である。
【図9】この発明の水槽の水の循環系統および自動制御系統の経路図である。
【図10】この発明の水質センサの信号での自動制御ブロック線図である。
【図11】この発明の干満制御の電気ブロック線図である。
【図12】この発明のLED光源の照度コントロールの電気ブロック線図である。
【図13】この発明のLED光源の波長コントロールの電気ブロック線図である。
【符号の説明】
1 水槽
4 LED光源
9 藻類水性植物
10 プランター
11 内部マグネット板
12 外部マグネット板
13 モータ
141〜149 マグネット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽上部に位置する光源と、水槽内部に位置して栽培土中に水生植物を植えつけた容器とを相対向させて配置し、固定配置の光源からの照射光を受ける容器が光源に対して回転するように構成したことを特徴とする水性植物飼育装置。
【請求項2】
前記容器が光源に対して回転する力は外部からの回転磁力によって受けるようにしたことを特徴とする請求項1項記載の水性植物飼育装置。
【請求項1】
水槽上部に位置する光源と、水槽内部に位置して栽培土中に水生植物を植えつけた容器とを相対向させて配置し、固定配置の光源からの照射光を受ける容器が光源に対して回転するように構成したことを特徴とする水性植物飼育装置。
【請求項2】
前記容器が光源に対して回転する力は外部からの回転磁力によって受けるようにしたことを特徴とする請求項1項記載の水性植物飼育装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−79595(P2008−79595A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−290522(P2006−290522)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【出願人】(502453643)水口電装株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【出願人】(502453643)水口電装株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
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