説明

水性流体中でのヘテロ芳香族ニトリルの加水分解法

本発明は、式
【化1】


で示されるニトリル、または式
【化2】


で示されるアミド(式中、Rは水素またはC1-20アルキルである)を、対応するアミドおよび/または酸、あるいは対応する酸に加水分解する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は、高圧条件下で、水性流体中で、式:
【化1】

【0002】
(式中、Rは水素またはC1-20アルキルである)の化合物を加水分解する方法に関する。
【0003】
式IおよびIIのヘテロ芳香族ニトリル、特にニコチン酸ニトリル(NSN)は、とりわけニコチン酸アミド(NSA)およびニコチン酸(NS)等のいわゆるニコチネートを製造するために重要な中間体である。NSAおよびNSは、例えばビタミンとして食品に添加されまたは医薬的に有効な化合物を製造するための成分として使用される。
【0004】
式IないしIIIの化合物は段階的に、式:
【化2】

【0005】
(式中、Rは前記の定義と同様である)の酸アミドを経て、式:
【化3】

【0006】
(式中、Rは前記での定義と同様である)の酸に加水分解され得ることが知られている。
【0007】
NSNからNSAおよびNSを製造する既知の方法では、製造工程で尚も高い塩が生成し、そのためその受け入れの問題が一層大きくなる。いつからか、生産工程で塩を減少させる要求が高まり、その際に生じる廃水の処理、例えば焼却または廃棄が益々重要となっている。さらに、これらの塩は費用がかっても、前記生成物を塩の形で一部除去することができる。特にNSAおよびNSの場合、これら塩は、食品または飼料として使用されると問題を生じる。高温下で加水分解速度は非常に上昇するが、高温下でのNSAおよびNSは分解して対応するピリジン類を生成する。これらのピリジン類は不快な悪臭によって、生じる酸およびアミドの使用は飼料産業においても制限される。
【0008】
US5756750によれば、NSNの加水分解は、低い水酸化ナトリウム濃度(100部のNSNに対して14部の塩基)ではNSAへと進行し、等モルの水酸化ナトリウム濃度ではNSへと進行し得る。HClで中和した後、2部のNS当たり約1部のNaClが副生成物として生じる。NSNからNS製造の更なる可能性は、酵素による加水分解である。その際に使用されるニトリラーゼ類はほとんどの場合、複雑な溶媒組成物を必要とする。さらに、これらの酵素によると空時収率が低下し、NSの塩析を必要とし、それによって一定収量の塩が得られる(「Process Biochemistry 2006, 41(9), 2078-2081」および「JP 2005176639」)。さらに酵素を用いた方法では、酵素の失活がしばしば認められる(「Journal of Molecular Catalysis B: Enzymatic 2006, 39(1-4), 55-58」)。
【0009】
従って、本発明の課題は、高い空時収率(Raum-Zeit-Ausbeuten)をともない、塩の著しい低下を特徴とする方法を開発することであった。さらにそこでは、生成物はピリジン誘導体が大幅に除かれねばならない。
【0010】
前記の課題は、請求項1に従い解決された。
【0011】
水性流体中で、少なくとも100℃、好ましくは少なくとも150℃、特に好ましくは少なくとも200℃の温度、および少なくとも10MPa、好ましくは少なくとも15MPa、特に好ましくは少なくとも20MPaの圧力下で、場合によっては酸または塩基触媒の存在下、式:
【化4】

【0012】
(式中、Rは水素またはC1-20アルキルである)の化合物を、対応するアミドおよび/または酸に加水分解する方法が特許請求される。
【0013】
なお、反応様式に従って、異なる組成の混合物が得られる。
【0014】
ニトリルの加水分解である第1段階は、本発明の条件下でアミドの加水分解である第2段階より速く進行する。適切な反応制御下では、加水分解を専ら式IVないしVIで示されるアミドの段階で停止させるかまたは次の、式VIIないしIXで示される対応の酸の段階まで継続させることができる。後述の実施例において、適切なパラメータ(温度、圧力、触媒の種類および量)を選択することによって、幅広い範囲にて生成物の組成を調節できることが示されている。このことは、食品および飼料の分野において混合物として使用可能である化合物NSAおよびNSにとって特に重要であり、それによって生成物(場合に応じて使用される溶剤および触媒の分離後)を直接再使用することができる。
【0015】
式IVないしIXで示される化合物の好ましい製造のための本発明の方法において、温度は、最高280℃の、好ましくは最高270℃の、特に好ましくは最高250℃の温度を越えないことが有効である。400℃を越えると、式VIIないしIXの酸が対応のピリジン誘導体へほぼ定量的に脱カルボキシル化されることが認められる。
【0016】
本方法の好ましい一変形例において、反応は少なくとも1つの反応ゾーンを有する流通反応器(Stroemungsreaktor)中で連続的に行われる。
【0017】
適切な反応器は、例えば、スタティックミキサーを有するか有しない流通反応器であるか、または分離した混合領域を有するか有しない耐圧マイクロリアクターである。均質な混合物の導入に際し、特別な混合機器を必要としなくてもよい。出発物質と水相を別々に導入する際には、混合装置が有効である。マイクロリアクターの中でも、迅速かつ正確に温度調節を可能とする金属製のものが特に適している。必要に応じて、好適な流通反応器は反応ゾーンに沿った触媒の供給のための追加の入口を含む。この追加の供給は、塩基性反応条件下でガス状アンモニアを導入するために特に有効である。
【0018】
適切な流通反応器は、場合によっては、1または複数の後続反応ゾーンを有する。
【0019】
スタティックミキサーにおいて、反応ゾーンでの滞留時間は、好ましくは0.1〜7000秒、特に好ましくは30〜6000秒である。
【0020】
水性流体とは、本方法おいて、水を含む溶媒、特には水性液体を意味し、ここで、他の溶媒成分は、出発化合物および生成物に対して不活性であり、反応条件下では分解しないものである。溶媒成分としては、水のほかに、C1-10アルコール、C1-10カルボン酸、これらのアルコールおよびカルボン酸のエステル、メチルtert−ブチルケトンおよびパラフィン系などの有機化合物も想定される。ここで、前記カルボン酸は、特に高い反応温度で、同時に溶媒としても触媒としても作用し得る。好ましくは、前記流体は主に水からなる。
【0021】
本方法の好ましい変形例において、水性流体は、反応開始時に、式I、IIまたはIIIのニトリルを0.05ないし30重量%、特に好ましくは10ないし20重量%の量で含む。
【0022】
さらなる好ましい変形例において、本方法は、少なくとも10MPa、好ましくは20ないし60MPa、特に好ましくは20ないし35MPaの範囲の加圧下で実施される。
【0023】
一般に、温度の上昇または反応器中での滞留時間の上昇に伴って、式VIIないしIXの酸の生成は、式IVないしVIのアミドの生成を上回る。本方法を所定pH値以外の水性流体中(酸または塩基を添加しない)で実施すると、アミドに対する酸の生成比は、温度および圧力により広範囲に調節することができる。それでもこれらの条件下での反応時間は比較的長く、生成したニコチン酸の、対応するピリジン誘導体への脱カルボキシル化を促進する。
【0024】
反応速度を上昇させ、選択率をさらに制御するために、本発明の方法において好ましくは塩基または酸触媒を添加することができる。塩基および酸触媒は、また、副生成物の生成を減少させ得る。触媒としては、反応混合物中に少なくとも一部溶解する酸および塩基と同様に、不均一系酸および塩基も好適である。
【0025】
酸触媒を使用すると、反応速度の一般的な上昇に加えて、不所望の脱カルボキシル化されたピリジン類の生成が優位になる。
【0026】
塩基触媒を使用すると、反応速度の一般的な上昇に加えて、式VIIないしIXの酸の生成についての選択率が改善される。匹敵する温度および反応時間において、塩基触媒の使用は、酸触媒の使用下または触媒の不存在下での方法に対して、脱カルボキシル化の減少という更なる利点をもたらす。
【0027】
特に好ましくは、触媒は少なくとも0.3mol/Lの量で使用される。
【0028】
特に好ましい方法の変形例では、触媒は酸触媒である。
【0029】
酸触媒としては、特に、例えば直鎖もしくは分枝C1-6カルボン酸のような低分子量の有機酸、あるいは例えば酸化性もしくは非酸化性プロトン酸またはルイス酸のような無機酸、およびポリ酸ならびにヘテロポリ酸のような無機固体酸が適している。
【0030】
無機酸は、好ましくは、ハロゲン化水素酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、ルイス酸、ポリリン酸およびポリタングテン酸、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される。
【0031】
代替の方法の変形例において、前記触媒は、塩基触媒、特に有機または無機の塩基である。
【0032】
塩基触媒としては、特に、第1主族(Hauptgruppe)および第2主族の金属の水酸化物および酸化物からなる群から選択される無機塩基が適している。さらに、アンモニア、トリエチルアミン、トリメチルアミン、およびこれらの塩基の混合物も好適である。特には、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属の酸化物、ならびにアンモニアが好適である。
【0033】
塩基触媒の場合、触媒作用は、出発物質を基準として濃度100ppm(g/g)から既に現れる。塩基触媒を用いた好ましい態様において、pHは>7である。塩基触媒は適切ないかなる濃度でも使用可能であるが、ここでも少なくとも0.3mol/Lの濃度が好都合である。特に0.3mol/L未満の濃度では、ピリジン誘導体へ向かうNSの脱カルボキシル化傾向が高まる。
【0034】
反応は加圧下で生じるので、アンモニアまたはトリメチルアミンなどのガス状の塩基を加圧下に添加することができる。特に好ましくは、ガス状の塩基としてアンモニアが用いられる。最も好ましい態様においては、塩基触媒の存在下に、ガス状アンモニアが加圧下でさらに導入される。アンモニアは、例えば真空下で生成物から容易に除去することができ中和を必要としないので、塩基触媒としてはアンモニアが特に好ましい。
【0035】
ニトリルの、対応する酸アミドを経ての酸への二段階加水分解では、第2段階が律速する。実施例1ないし4に示されるように、ニトリル濃度は、特に触媒の存在下で、酸濃度の上昇に比べていっそう顕著に低下する。加水分解速度の差異に基づき、酸に対するアミドの比率は、反応パラメータに依存して、広範に制御することができる。その際、ニトリルのアミドへの加水分解は完結するまで、かつ、反応条件下で不可逆的に進行する一方で、アミドから対応する酸への加水分解は、特に塩基触媒としてアンモニアを使用する場合、反応の平衡に基づいている。さらに、アミドが別法で合成されるかまたは別にニトリルが別法で加水分解される場合でも、本発明の条件でアミドの加水分解が起こり得る。アミドは、例えばニトリルから標準圧力および標準温度で化学的に得られる。アミドはまた、例えばWO−A 99/05306に開示されているように、酵素を用いたニトリルの加水分解により生化学的に得られる。
【0036】
本発明の第1段階、すなわちニトリルのアミドへの加水分解は、また、圧力をかけないかまたは追加の加圧をせずに行うこともできる。
【0037】
従って、本発明の更なる側面は、少なくとも100℃、好ましくは少なくとも150℃、特に好ましくは少なくとも200℃の温度、および少なくとも10MPa、好ましくは少なくとも15MPa、特に好ましくは少なくとも20MPaの圧力下、場合によっては酸または塩基触媒の存在下で、式:
【化5】

【0038】
で示されるアミド(式中、Rは水素またはC1-20アルキルである)を対応する酸へ加水分解することである。
【0039】
アミドの加水分解のためには、280℃の、好ましくは270℃の、特に好ましくは250℃の温度を超えないことが有効である。
【0040】
好ましい方法の変形例では、この反応は流通反応器中で連続的に行われる。適切な反応器は、例えば、スタティックミキサーを有するか有しない流通反応器であるか、または分離した混合領域を有するか有しない耐圧マイクロリアクターである。均質な混合物の導入に際し、特別な混合機器を必要としなくてもよい。出発物質と水相を別々に導入する際には、混合装置が有効である。マイクロリアクターの中でも、迅速かつ正確に温度調節を可能とする金属製のものが特に適している。必要に応じて、好適な流通反応器は反応ゾーンに沿った触媒の供給のための追加の入口を含む。この追加の供給は、塩基性反応条件下でガス状アンモニアを導入するために特に有利である。
【0041】
適切な流通反応器は、少なくとも1つの反応ゾーン、および場合によっては1または複数の後続反応ゾーンを有する。
【0042】
スタティックミキサーにおいて、反応ゾーンでの滞留時間は、好ましくは10〜7000秒、特に好ましくは30〜6000秒である。
【0043】
水性流体とは、本方法おいて、水を含む溶媒、特には水性液体を意味し、ここで、他の溶媒成分は、出発化合物および生成物に対して不活性であり、反応条件下では分解しないものである。溶媒成分としては、水のほかに、C1-10アルコール、C1-10カルボン酸、これらのアルコールおよびカルボン酸のエステル、メチルtert−ブチルケトンおよびパラフィン系などの有機化合物も想定される。ここで、前記カルボン酸は、特に高い反応温度で、同時に溶媒としても触媒としても作用し得る。好ましくは、前記流体は主に水からなる。
【0044】
好ましい方法の変形例において水性流体は、反応の開始時点で、式IV、VまたはVIのアミドを0.05ないし30重量%、特に好ましくは10ないし20重量%の量で含む。
【0045】
さらなる好ましい変形例では、本方法は、少なくとも10で、最高60MPaまで、好ましくは20ないし60MPa、特に好ましくは20ないし35MPaの圧力範囲で実施される。
【0046】
反応速度を上昇させ、選択率を制御するために、本発明の方法において、好ましくは、塩基または酸触媒を添加することができる。塩基および酸触媒は、また、副生成物の生成を減少させ得る。触媒としては、反応混合物中に少なくとも一部溶解する酸および塩基と同様に、不均一系酸および塩基も好適である。
【0047】
酸触媒の使用は、触媒なしの方法に比べて、反応速度の一般的な上昇をもたらす。しかしながら、場合によっては、それ自体望ましくない脱カルボキシル化されたピリジン類の生成も促進される。
【0048】
塩基触媒の使用は、反応速度の一般的な上昇増大をもたらす。匹敵する温度および反応時間において、塩基触媒の使用は、酸触媒の使用下または触媒の不存在下での方法に比べて、脱カルボキシル化の減少という更なる利点を有する。
【0049】
好ましくは、触媒は少なくとも0.3mol/Lの量で使用される。
【0050】
特に好ましい方法の変形例において、触媒は酸触媒である。
【0051】
酸触媒としては、特に、例えば直鎖もしくは分枝C1-6カルボン酸のような低分子量の有機酸、あるいは例えば酸化性もしくは非酸化性プロトン酸またはルイス酸のような無機酸、ならびにポリ酸およびヘテロポリ酸のような無機固体酸が適している。
【0052】
無機酸は、好ましくは、ハロゲン化水素酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、¥ルイス酸、¥ポリリン酸ならびにポリタングテン酸、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0053】
代替となる方法の変形例において、触媒は、塩基触媒、特に有機または無機の塩基である。
【0054】
塩基触媒としては、特に、第1主族および第2主族の金属の水酸化物および酸化物からなる群から選択される塩基、アンモニア、トリエチルアミン、トリメチルアミン、およびこれらの混合物が好ましい。アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属の酸化物、ならびにアンモニアが特に好適である。
【0055】
塩基触媒の場合に、触媒作用は出発物質を基準として濃度100ppm(g/g)から既に現れる。塩基触媒を用いた好ましい態様において、pHは>7である。塩基触媒は任意の量で使用可能である。
【0056】
反応は加圧下で生じるので、アンモニアまたはトリメチルアミンなどのガス状の塩基を加圧下に添加してもよい。特に好ましくは、ガス状の塩基としてアンモニアが用いられる。最も好ましい態様においては、塩基触媒の存在下に、さらにガス状アンモニアが加圧下で導入される。アンモニアは、例えば真空下で生成物から容易に除去することができ中和を必要としないので、塩基触媒としてはアンモニアが特に好ましい。
【0057】
実施例
以下の実施例により発明の実施を明示するが、それによって制限が加えられるものではない。
【0058】
実施例1〜4の結果を表に示すが、各列における値は、反応時間τを[s]で、種々の反応時間におけるニトリル濃度cCNを[mM]で、種々の反応時間で生成した塩の濃度cCOOHを[mM]で、種々の反応時間で生成したアミドの濃度cCONH2を[mM]で、ニトリルの転化率UCNを[%]で、生成した酸の面積割合(Flaechenanteil)ACOOHを[%]で、生成したアミドの面積割合ACONH2を%で、生成した酸の選択率SCOOHを[%]で、および生成したアミドの選択率ACONH2を[%]で示している。実施例5ないし8および比較例1ないし3においては、これとは異なり、添加されたアミドの濃度cCONH2を[M]で、得られた酸の濃度cCOOHを[M]で、ならびにピリジンの選択率SPyを[%]で示す。
【0059】
n.b.=不検出。
【0060】
実施例1:(表1および2)純水中における0.5重量%ニコチン酸ニトリルの加水分解
実施例2:(表3および4)10mmol硫酸中における0.5重量%ニコチン酸ニトリルの加水分解
実施例3:(表5ないし10)種々の濃度のアンモニア溶液中における0.5重量%ニコチン酸ニトリルの加水分解
実施例4:(表11ないし14)濃アンモニア(14.7M、25%)中における、5、10および15重量%ニコチン酸ニトリルの加水分解。
【0061】
実施例1:純水中における0.5%ニコチノニトリルの加水分解
【表1】

【表2】

【0062】
実施例2:硫酸による0.5重量%ニコチン酸ニトリルの加水分解
【表3】

【表4】

【0063】
実施例3:種々の濃度のアンモニア溶液中における0.5重量%ニコチン酸ニトリルの加水分解
【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【0064】
実施例4:濃アンモニア(14.7M、25%)中における5、10および15重量%ニコチン酸ニトリルの加水分解
【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【0065】
加圧下および温度280℃以下で行った実施例1ないし4の全反応、並びに以下の実施例5ないし8において、反応終了時で生成物中にピリジン類は全く認められなかった。
【0066】
実施例5ないし8および比較例は、管型反応装置中で、出発化合物としてニコチンアミドを用いて行った。
【表15】

【表16】

【表17】

【表18】

【0067】
ここでの比較例では、二段階反応の動力学を調べるためにニコチン酸アミドを反応させた。生成したピリジン類の選択率は、出発物質および生成した酸に対してモル%で表わされている。
【表19】

【表20】

【表21】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性流体中で、式:
【化1】

(式中、Rは水素またはC1-20アルキルである)の化合物を、対応するアミドおよび/または酸に加水分解する方法であって、反応を少なくとも100℃の温度、および少なくとも10MPa、好ましくは少なくとも15MPa、特に好ましくは少なくとも20MPaの圧力下で、場合によっては酸または塩基触媒の存在下で行うことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記反応を、少なくとも1つの反応ゾーンを有する流通反応器中で連続的に行うことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記水性流体は、反応開始時に、式I、IIまたはIIIのニトリルを0.05ないし30重量%の濃度で含むことを特徴とする請求項1または2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
触媒が少なくとも0.3mol/Lの濃度で使用されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記触媒は、有機または無機の塩基であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記触媒は、第1主族および第2主族の金属の水酸化物および酸化物、アンモニア、トリエチルアミン、トリメチルアミン、並びにこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記塩基触媒は、アンモニアであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
水性流体中で、式:
【化2】

で示されるアミド(式中、Rは水素またはC1-20アルキルである)を、対応する酸へ加水分解するための方法であって、反応を少なくとも100℃の温度、および少なくとも10MPa、好ましくは少なくとも15MPa、特に好ましくは少なくとも20MPaの圧力下で、場合によっては酸または塩基触媒の存在下で行うことを特徴とする加水分解法。
【請求項9】
前記反応を、少なくとも1つの反応ゾーンを有する流通反応器中で連続的に行うことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記水性流体は、反応開始時に、式IV、VまたはVIのアミドを0.05ないし30重量%の濃度で含むことを特徴とする請求項8または9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
触媒が0.3mol/Lの量で使用されることを特徴とする請求項8ないし10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記触媒は、有機または無機の塩基であることを特徴とする請求項8ないし12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記触媒は、第1主族および第2主族の金属の水酸化物および酸化物、アンモニア、トリエチルアミン、トリメチルアミン、並びにこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項8ないし12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記塩基触媒は、アンモニアであることを特徴とする請求項8ないし13のいずれか一項に記載の方法。

【公表番号】特表2010−524877(P2010−524877A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503423(P2010−503423)
【出願日】平成20年4月21日(2008.4.21)
【国際出願番号】PCT/EP2008/003186
【国際公開番号】WO2008/128744
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(398075600)ロンザ アーゲー (58)
【Fターム(参考)】