説明

水性PU分散体から製造されたフォームの乾燥方法

本発明は、フォームを水性ポリウレタン分散体(PU分散体)から得る、マイクロ波放射によるフォームの乾燥に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォーム、好ましくは水性PU分散体から得られたフォームのマイクロ波乾燥に関する。
【背景技術】
【0002】
基材の被覆には、水性バインダー、特にポリウレタン分散体がますます使用されている。
【0003】
ポリウレタン分散体は優れた発泡性を有し、それから製造されたフォームおよび被膜は、良好な耐摩耗性、耐引掻性、耐座屈性および耐加水分解性のような優れた特性を有するので、カバー付家具、オペレーターの保護および自動車内装設備の分野における用途に特に適している。例えば、比較的厚い層厚さを有するフォームカバーを1回の操作だけで製造することができる。このフォームカバーは、別の方法では、溶媒含有ハイソリッド被覆組成物を用いる場合しか得ることができない(DE 10 2004 060 139)。
【0004】
水性ポリウレタン分散体に基づくフォームは更に、有機溶媒およびイソシアネートモノマーを実質的には含有しないので、更なる前処理または精製を実施することなく、化粧用途および医療用途に使用することもできる。
【0005】
水性PU分散体から製造されたフォームは、典型的には、発泡、裏材料へのフォームの適用、および後の物理的乾燥によって製造される。乾燥を促進するため、温風を通常使用する。しかしながら、この乾燥技術は、乾燥させる湿潤フォーム下層に基づいて最大3mmのフォーム厚さにしか適さない。より厚い下層で生じる問題は、フォームが表面的かつ部分的にしか乾燥されず、多量の水分が内部から徐々に抜け得ることである。このことは、不均一であり、時として深刻な遅延を伴う、乾燥挙動をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】DE 10 2004 060 139
【特許文献2】EP−A 880 001
【特許文献3】DE−A 4 121 203
【特許文献4】US 2004/0253452
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、3mmを超える湿潤フォーム厚さでさえ、適当な期間内にフォーム構造を保持しながら均一な、即ちフォーム断面全体にわたって均一な乾燥フォームをもたらすといった、水性PU分散体から製造されたフォームの乾燥方法に対する要求が存在する。
【0008】
水性被覆剤、特に水性ポリウレタン分散体に基づく被覆剤のマイクロ波放射による乾燥は、例として、EP−A 880 001、DE−A 4 121 203またはUS 2004/0253452に開示されている。しかしながら、これら特許公報には、層厚さが最大100μmである被覆剤のフィルムが通常含まれており、該フィルムは通常気泡を含有しない、即ち如何なるフォーム構造も有さない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
意外にも、マイクロ波放射が、水性PU分散体から製造されたフォームを、そのフォーム構造を保持したまま乾燥する場合にも適しており、フォーム断面全体にわたってフォームを同時に乾燥できることが見出された。
【0010】
従って、本発明は、湿潤フォーム、好ましくは水性PU分散体および適切な場合には更なる成分から発泡により得た湿潤フォームの乾燥方法であって、湿潤フォームをマイクロ波放射に付す方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、層厚さの関数として、時間に対してプロットしたマイクロ波による乾燥中の重量損失を示す。
【図2】図2は、層厚さの関数として、時間に対してプロットした対流式オーブンによる乾燥中の重量損失を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の目的にとって、「乾燥」とは、乾燥させるフォームの含水量を低下させることを意味する。
【0013】
本発明において、「湿潤」とは、フォーム全体に基づいて、少なくとも10重量%、好ましくは15〜60重量%、特に好ましくは35〜60重量%の含水量を意味する。
【0014】
本発明の目的にとって、「マイクロ波放射」とは、300MHz〜300GHzの波長範囲での電磁波放射を意味する。2.0〜3.0GHzおよび0.8〜1.5GHzの周波数範囲での放射が好ましい。特に好ましい周波数は、2.2〜2.6GHzおよび0.85〜1.0GHzである。2.45GHz(±0.1GHz)および0.915GHz(±0.05GHz)の周波数がとりわけ好ましい。
【0015】
乾燥させるフォームの基となる適当な水性PU分散体は、当業者にそれ自体知られている分散体のいずれかであり、水性液中のポリウレタンおよび/またはポリウレタン−ポリウレアを包含する。
【0016】
ポリウレタン−ポリウレア分散体が好ましい。
【0017】
PU分散体の固形分は、好ましくは40〜63重量%である。
【0018】
これらのPU分散体は、好ましくは、
A)a1)脂肪族ポリイソシアネートまたは脂環式ポリイソシアネート、
a2)400〜8000g/molの数平均モル質量および1.5〜6のOH官能価を有する高分子ポリオール、
a3)適切な場合には、イオン性または潜在イオン性および/または非イオン性のヒドロキシ官能性親水化剤
からなるイソシアネート官能性プレポリマーを調製し、
B)次いで、その遊離NCO基と
b1)32〜400g/molのモル質量を有するアミノ官能性化合物および/または
b2)イオン性または潜在イオン性のアミノ官能性親水化剤
とを連鎖延長させながら完全にまたは部分的に反応させ、工程B)の前または後に、該プレポリマーを水に分散させる
ことによって得ることができ、適切な場合には、存在する潜在イオン性基を中和剤で部分的にまたは完全に反応させることによりイオン状態に転化させてよい。
【0019】
イソシアネート反応性基の例は、アミノ基、ヒドロキシ基またはチオール基である。
【0020】
成分a1)に典型的に使用される物質は、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、異性体ビス(4,4’−イソシアナトシクロヘキシル)メタンおよびそれらの混合物である。
【0021】
ウレトジオン、イソシアヌレート、ウレタン、アロファネート、ビウレット、イミノオキサジアジンジオンおよび/またはオキサジアジントリオン構造を含有する変性ジイソシアネートを使用することも同様に可能である。また、1分子あたり3個以上のNCO基を含有する未変性ポリイソシアネートを使用することも可能であり、その例は、4−イソシアナトメチル−1,8−オクタンジイソシアネート(ノナントリイソシアネート)またはトリフェニルメタン−4,4’,4’−トリイソシアネートである。
【0022】
成分a1)の化合物は、特に好ましくは、脂肪族的および/または脂環式的結合イソシアネート基しか含有せず、2〜4、好ましくは2〜2.6、特に好ましくは2〜2.4の化合物の平均NCO官能価を有する、前記タイプのポリイソシアネートまたはポリイソシアネート混合物である。
【0023】
成分a2)として使用される成分は、数平均モル質量が400〜6000g/mol、特に好ましくは600〜3000g/molである高分子ポリオールである。それらは、好ましくは1.8〜3、特に好ましくは1.9〜2.1のOH官能価を有する。
【0024】
ポリウレタン被覆技術でそれ自体知られている該高分子ポリオールは、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリエステルポリカーボネートポリオール、およびポリエーテルカーボネートポリオールである。成分a2)として、これらを個々にまたは互いの所望の混合物として使用できる。
【0025】
前記タイプの使用される高分子ポリオールは、好ましくは、基礎となる脂肪族骨格を有する高分子ポリオールである。脂肪族のポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、またはそれらの所望の混合物を使用することが好ましい。
【0026】
好ましく使用されるPU分散体の好ましい態様は、成分a2)として、ポリカーボネートポリオールおよびポリテトラメチレングリコールポリオールからなる混合物を含んでなる。該混合物中のポリテトラメチレングリコールポリオールの割合は35〜70重量%であり、ポリカーボネートポリオールの割合は30〜65重量%であり、ポリカーボネートポリオールとポリテトラメチレングリコールポリオールの重量パーセントの合計は100重量%である。
【0027】
イオン性または潜在イオン性のヒドロキシ官能性親水化剤a3)は、少なくとも1個のイソシアネート反応性ヒドロキシ基と、−COOY、−SOY、−PO(OY)(Yの例はH、NH、金属カチオン)、−NR、−NR(R=H、アルキル、アリール)のような少なくとも1個の官能基とを含有する化合物を意味する。これらは、水性液との相互作用時にpH依存性の解離平衡をもたらす。従って、負電荷または正電荷を有することもあるし或いは電荷を有さないこともある。
【0028】
成分a3)の定義に対応する適当なイオン性または潜在イオン性の親水化化合物の例は、以下である:モノヒドロキシカルボン酸およびジヒドロキシカルボン酸、モノヒドロキシスルホン酸およびジヒドロキシスルホン酸、並びにモノヒドロキシホスホン酸およびジヒドロキシホスホン酸、およびそれらの塩、例えば、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ヒドロキシピバリン酸、マレイン酸、クエン酸、グリコール酸、乳酸、例えばDE−A 2 446 440(第5〜9頁、式I〜III)に記載されている2−ブテンジオールおよびNaHSOからなるプロポキシル化付加生成物、並びにカチオン性基に転化できる単位(例えばアミンベース単位)を親水性構造成分として含有する化合物、例えばN−メチルジエタノールアミン。
【0029】
成分a3)の好ましいイオン性または潜在イオン性の親水化剤は、その親水化作用がアニオン性、好ましくはカルボキシ基またはカルボキシレート基および/またはスルホネート基によってアニオン性である、前記タイプの親水化剤である。
【0030】
特に好ましいイオン性または潜在イオン性の親水化剤は、アニオン性基または潜在アニオン性基としてカルボキシ基および/またはスルホネート基を含有するものであり、その例は、ジメチロールプロピオン酸の塩またはジメチロール酪酸の塩である。
【0031】
成分a3)の適当な非イオン性親水化化合物の例は、イソシアネート反応性基として少なくとも1個のヒドロキシ基を含有するポリオキシアルキレンエーテルである。
【0032】
その例は、統計的に平均して一分子あたり5〜70個、好ましくは7〜55個のエチレンオキシド単位を含有し、適当なスターター分子をアルコキシル化することによりそれ自体既知の方法(例えば、Ullmanns Encyclopaedie der technischen Chemie [Ullmann's Encyclopaedia of Industrial Chemistry], 第4版、第19巻、Verlag Chemie, ヴァインハイム、第31〜38頁)で得られる、モノヒドロキシ官能性ポリアルキレンオキシドポリエーテルアルコールである。
【0033】
それらは、純粋なポリエチレンオキシドエーテルであるか、または混合ポリアルキレンオキシドエーテルである。混合ポリアルキレンオキシドエーテルは、存在するアルキレンオキシド単位の全てに基づいて少なくとも30mol%、好ましくは少なくとも40mol%のエチレンオキシド単位を含有する。
【0034】
特に好ましい非イオン性化合物は、40〜100mol%のエチレンオキシド単位と0〜60mol%のプロピレンオキシド単位とを含有する単官能性混合ポリアルキレンオキシドポリエーテルである。
【0035】
これら非イオン性親水化剤に適したスターター分子は、以下である:飽和モノアルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、ペンタノール(各異性体)、ヘキサノール(各異性体)、オクタノール(各異性体)およびノナノール(各異性体)、n−デカノール、n−ドデカノール、n−テトラデカノール、n−ヘキサデカノール、n−オクタデカノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール(各異性体)、またはヒドロキシメチルシクロヘキサン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンまたはテトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、例えばジエチレングリコールモノブチルエーテル、不飽和アルコール、例えば、アリルアルコール、1,1−ジメチルアリルアルコールまたはオレインアルコール、芳香族アルコール、例えば、フェノール、クレゾール(各異性体)、またはメトキシフェノール(各異性体)、芳香脂肪族アルコール、例えば、ベンジルアルコール、アニスアルコール、またはシンナミルアルコール、第二級モノアミン、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ビス(2−エチルヘキシル)アミン、N−メチルシクロヘキシルアミンまたはN−メチルジシクロヘキシルアミンおよびN−エチルシクロヘキシルアミンまたはN−エチルジシクロヘキシルアミン、および複素環式第二級アミン、例えば、モルホリン、ピロリジン、ピペリジンまたは1H−ピラゾール。好ましいスターター分子は、前記タイプの飽和モノアルコールである。スターター分子として、ジエチレングリコールモノブチルエーテルまたはn−ブタノールを使用することが特に好ましい。
【0036】
アルコキシル化反応に特に適したアルキレンオキシドは、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドであり、それらをアルコキシル化反応の際に所望の順でまたは混合物として使用できる。
【0037】
使用される成分b1)は、以下を包含できる:ジアミンまたはポリアミン、例えば、1,2−エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパンおよび1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、イソホロンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンおよび2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンの異性体混合物、2−メチルペンタメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、および4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタンおよび/またはジメチルエチレンジアミン。
【0038】
使用される成分b1)は更に、第一級アミノ基だけでなく第二級アミノ基も含有する化合物、或いはアミノ基(第一級または第二級)だけでなくOH基も含有する化合物を包含することもできる。本発明におけるその例は、第一級/第二級アミン、例えば、ジエタノールアミン、3−アミノ−1−メチルアミノプロパン、3−アミノ−1−エチルアミノプロパン、3−アミノ−1−シクロヘキシルアミノプロパン、3−アミノ−1−メチルアミノブタン、およびアルカノールアミン、例えば、N−アミノエチルエタノールアミン、エタノールアミン、3−アミノプロパノール、ネオペンタノールアミンである。
【0039】
使用される成分b1)は更に、単官能性アミン化合物、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、イソノニルオキシプロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、N−メチルアミノプロピルアミン、ジエチル(メチル)アミノプロピルアミン、モルホリン、ピペリジン、およびそれらの適当な置換誘導体、ジ第一級アミンおよびモノカルボン酸からなるアミドアミン、ジ第一級アミンのモノケチム、並びに第一級/第三級アミン、例えばN,N−ジメチルアミノプロピルアミンを包含することもできる。
【0040】
1,2−エチレンジアミン、1,4−ジアミノブタン、イソホロンジアミンおよびジエチレントリアミンを使用することが好ましい。
【0041】
成分b2)の用語「イオン性または潜在イオン性の親水化化合物」は、少なくとも1個のイソシアネート反応性アミノ基と、−COOY、−SOY、−PO(OY)(Yの例はH、NH、金属カチオン)のような少なくとも1個の官能基とを含有する化合物を意味する。これらは、水性液との相互作用時にpH依存性の解離平衡をもたらす。従って、負電荷または正電荷を有することもあるし電荷を有さないこともある。
【0042】
適当なイオン性または潜在イオン性の親水化化合物の例は、モノアミノカルボン酸およびジアミノカルボン酸、モノアミノスルホン酸およびジアミノスルホン酸、モノアミノホスホン酸およびジアミノホスホン酸、並びにそれらの塩である。これらのイオン性または潜在イオン性の親水化剤の例は、N−(2−アミノエチル)−β−アラニン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタンスルホン酸、エチレンジアミノプロピルスルホン酸またはエチレンジアミノブチルスルホン酸、1,2−プロピレンジアミン−β−エチルスルホン酸、1,3−プロピレンジアミン−β−エチルスルホン酸、グリシン、アラニン、タウリン、リジン、3,5−ジアミノ安息香酸、並びにIPDIおよびアクリル酸の付加生成物(EP−A 0 916 647、実施例1)である。アニオン性または潜在アニオン性の親水化剤として、WO−A 01/88006からのシクロヘキシルアミノプロパンスルホン酸(CAPS)を使用することもできる。
【0043】
好ましいイオン性または潜在イオン性の親水化剤b2)は、アニオン性基または潜在アニオン性基として、カルボキシル基および/またはスルホネート基を含有するものである。その例は、N−(2−アミノエチル)−β−アラニンの塩、2−(2−アミノエチルアミノ)エタンスルホン酸の塩、またはIPDIおよびアクリル酸の付加生成物(EP−A 0 916 647、実施例1)の塩である。
【0044】
親水化工程には、アニオン性または潜在アニオン性の親水化剤および非イオン性親水化剤からなる混合物を使用することが好ましい。
【0045】
NCO官能性プレポリマーを調製する際、成分a)の化合物のNCO基と、成分a2)〜a3)のNCO反応性基との比は、1.2〜3.0、好ましくは1.3〜2.5である。
【0046】
工程B)におけるアミノ官能性化合物の使用量は、プレポリマーの遊離イソシアネート基に対する該アミノ官能性化合物のイソシアネート反応性アミノ基の当量比が、50〜125%、好ましくは60〜120%となるような量である。
【0047】
好ましい態様の1つは、下記量の成分a1)〜a3)およびb1)〜b2)を調製に使用した、アニオン的かつ非イオン的親水化ポリウレタン分散体を使用する:
10〜30重量%の成分a1)、
65〜85重量%の成分a2)、
0.5〜14重量%の成分b1)
0.1〜13.5重量%の、成分a3)およびb2)の全体。ここで、個々の量は合計で100重量%であり、成分a1)〜a3)の総量に基づいて0.5〜3.0重量%のアニオン性または潜在アニオン性の親水化剤を使用する。
【0048】
ポリウレタン分散体(I)の特に好ましい態様は、ポリカーボネートポリオールおよびポリテトラメチレングリコールポリオールからなる混合物である成分a2)と組み合わせて、成分a1)として、イソホロンジイソシアネートおよび/または1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートおよび/または異性体ビス(4,4’−イソシアナトシクロヘキシル)メタンを含んでなる。
【0049】
ポリウレタン分散体は、均一相において1段階以上で、または多段階反応の場合は分散相である程度まで調製され得る。成分a1)〜a3)を含む重付加を完全にまたは部分的に実施した後、分散、乳化または溶解工程を実施する。次いで、適当な場合には、分散相において更なる重付加または変性を実施する。
【0050】
本発明では、従来技術から既知の方法のいずれも使用でき、その例は、プレポリマー混合法、アセトン法または溶融分散法である。アセトン法が好ましい。
【0051】
アセトン法による調製において、通常の方法では、イソシアネート官能性ポリウレタンプレポリマーを調製するためのポリイソシアネート成分a1)と、第一級アミノ基も第二級アミノ基も含有すべきでない成分a2)〜a3)との一部または全てを初期導入物として使用し、適当な場合には、水と混和性であるがイソシアネート基に対して不活性である溶媒で希釈し、そして50〜120℃の範囲の温度まで加熱する。イソシアネート付加反応を促進するため、ポリウレタン化学で知られている触媒を使用してよい。
【0052】
適当な溶媒は、常套の脂肪族ケト官能性溶媒、例えば、アセトンまたは2−ブタノンであり、これらは、調製の開始時だけでなく、適切な場合には開始後に少しずつ添加してもよい。アセトンおよび2−ブタノンが好ましい。
【0053】
次いで、反応の開始時に添加しなかった成分a1)〜a3)を計量添加する。
【0054】
成分a1)〜a3)の反応を部分的にまたは完全に実施し、プレポリマーを得るが、好ましくは反応を完了させる。この反応により、バルクまたは溶液で、遊離イソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーを得る。
【0055】
次いで、方法の更なる工程では、溶解がまだ実施されていないかまたはある程度までしか実施されていないならば、得られたプレポリマーを、アセトンまたは2−ブタノンのような脂肪族ケトンを用いて溶解させる。
【0056】
アミン成分b1)およびb2)は、適切な場合には、本発明の方法において水希釈状態または溶媒希釈状態で、個々にまたは混合物として使用され得る。本発明では、基本的に、いずれの添加順序も可能である。
【0057】
希釈剤として水または有機溶媒を併用するならば、連鎖延長のための工程B)で使用される成分中の希釈剤含有量は、好ましくは30〜95重量%である。
【0058】
分散は、好ましくは連鎖延長の後に実施する。このために、溶解および連鎖延長されたポリウレタンポリマーを、強い剪断をかけながら(例えば激しく撹拌しながら)分散水に導入するか、または分散水を連鎖延長されたポリウレタンポリマー溶液に撹拌しながら添加することによる逆の方法を用いる。溶解および連鎖延長されたポリウレタンポリマーに水を添加することが好ましい。
【0059】
次いで、分散工程後に分散体中に保持されている溶媒を、通常、蒸留により除去する。分散工程が完了する前に、除去を実施することもできる。
【0060】
本発明にとって重量である分散体中の有機溶媒の残留含有量は、典型的には、分散体全体に基づいて1.0重量%未満、好ましくは0.3重量%未満である。
【0061】
本発明にとって重要である分散体のpHは、典型的には、9.0未満、好ましくは8.0未満である。
【0062】
乾燥させるフォームの製造には、PU分散体と一緒に、発泡助剤(II)、増粘剤(III)、他の助剤および添加剤(IV)を併用してもよい。
【0063】
適当な発泡助剤(II)は、市販の安定剤、例えば、水溶性脂肪酸アミド、スルホスクシンアミド、炭化水素スルホネート、炭化水素スルフェートまたは脂肪酸塩(ここで、親油性基は好ましくは12〜24個の炭素原子を含有する)、アルキルポリグリコシドなどである。好ましい発泡助剤(II)は、各々の場合に炭化水素基に12〜22個の炭素原子を含有するアルカルスルホネートまたはアルカンスルフェート、各々の場合に炭化水素基に14〜24個の炭素原子を含有するアルキルベンゼンスルホネートまたはアルキルベンゼンスルフェート、または12〜24個の炭素原子を含有する脂肪酸アミドまたは脂肪酸塩である。
【0064】
前記脂肪酸アミドは、好ましくは、モノ(C2〜3アルカノール)アミンの脂肪酸アミドまたはジ(C2〜3アルカノール)アミンの脂肪酸アミドである。脂肪酸塩は、例えば、アルカリ金属塩、アミン塩、または未置換アンモニウム塩であり得る。
【0065】
これらの脂肪酸誘導体は、典型的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リシノール酸、ベヘン酸またはアラキン酸、ヤシ脂肪酸、獣脂脂肪酸、大豆脂肪酸のような脂肪酸、およびそれらの水素化生成物に基づく。
【0066】
特に好ましい発泡助剤(II)は、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホスクシンアミドおよびステアリン酸アンモニウム、並びにそれらの混合物である。
【0067】
本発明のために、増粘剤(III)は、本発明のフォームの製造および加工にとっての利点を結果として生じる、成分(I)〜(IV)から得られた混合物の粘度を調整できる化合物である。適当な増粘剤は、市販の増粘剤、例として、天然有機増粘剤(例えば、デキストリンまたはデンプン)、有機変性天然物質(例えば、セルロースエーテルまたはヒドロキシエチルセルロース)、有機合成によって完全に調製された増粘剤(例えば、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドンまたはポリ(メタ)アクリル酸化合物、或いはポリウレタン(会合増粘剤))、および無機増粘剤(例えば、ベントナイトまたはシリカ)である。有機合成によって完全に調製された増粘剤を使用することが好ましい。適切な場合には添加前に更に水で希釈された、アクリレート増粘剤を使用することが特に好ましい。好ましい市販の増粘剤の例は、Mirox(登録商標)AM(BGB Stockhausen GmbH(ドイツ国クレーフェルト在))、Walocel(登録商標)MT 6000 PV(Wolff Cellulosics GmbH & Co KG(ドイツ国ヴァルスローデ在))、Rheolate(登録商標)255(Elementies Specialities(ベルギー国ゲント在))、Collacral(登録商標)VL(BASF AG(ドイツ国ルートヴィヒスハーフェン在))、Aristoflex(登録商標)AVL(Clariant(ドイツ国スルツバッハ在))である。
【0068】
成分(IV)として存在する助剤および添加剤は、例えば、界面活性剤、研磨ワックス、内部用離型剤、充填剤、染料、顔料、難燃剤、加水分解安定剤、殺菌剤、流れ助剤、酸化防止剤、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール型の紫外線吸収剤、または窒素原子上が未置換であるかまたは置換されているHALS化合物型の光安定剤、例えばTinuvin(登録商標)292およびTinuvin(登録商標)770 DF(Ciba Spezialitaeten GmbH(ドイツ国ランペルトハイム在))、或いは例えば "Lichtschutzmittel fuer Lacke" [Light stabilizers for coatings](A. Valet, Vincentz Verlag, Hanover, 1996年)および "Stabilization of Polymeric Materials"(H. Zweifel, Springer Verlag, Berlin, 1997年、付録3、第181〜213頁)に記載されているような他の市販の安定剤、或いはこれらの化合物の混合物であり得る。
【0069】
フォームの製造には、通常、80〜99.5重量%のPU分散体、0〜10重量%の成分(II)、および0〜10重量%の成分(III)を使用する。示した量は、対応する無水の成分(I)〜(III)に基づき、無水の各成分の合計は100重量%である。
【0070】
フォームの製造には、通常、80〜99.5重量%のPU分散体、0.1〜10重量%の成分(II)、および0.1〜10重量%の成分(III)を使用する。示した量は、対応する無水の成分(I)〜(III)に基づき、無水の各成分の合計は100重量%である。
【0071】
フォームは、空気の導入によりおよび/または適当な剪断エネルギー(例えば機械的撹拌)を付与して或いは市販の発泡剤により製造され得る。適当な剪断エネルギーを付与しながら空気を導入することが好ましい。
【0072】
発泡された組成物は、様々な方法で、様々な表面または型に適用され得る。その例は、流延、ナイフ塗布、ロール塗り、引き塗り、射出または噴霧であり、押出法による成形も同様に可能である。
【0073】
発泡された材料の好ましい乾燥前フォーム密度は、200〜900g/リットル、特に250〜600g/リットルであり、乾燥後に得られたフォームの密度は、好ましくは50〜700g/リットル、特に好ましくは200〜550g/リットルである。
【0074】
実際の乾燥は、前記した周波数範囲内のマイクロ波放射への暴露により実施する。
【0075】
前記した周波数で導入される出力は、乾燥させるフォーム1kgあたり好ましくは250〜6000W、特に好ましくは50〜4000Wである。
【0076】
更に、マイクロ波放射の使用に加えて、乾燥させるフォームを加熱するための赤外線放射および/または熱風を使用することによる、マイクロ波放射と常套の熱乾燥との組み合わせを使用することもできる。本発明では、2種類の乾燥を互いに並行して使用するのか或いは逐次使用するのかは重要ではない。マイクロ波放射および熱処理による逐次乾燥の場合は、最初にマイクロ波放射による乾燥を実施し、その後に熱処理を実施することが好ましい。
【0077】
本発明の方法は、高さ50mmまでのフォームを均一に乾燥できる。ここで、用語「高さ」は、フォームが最小寸法を有する空間方向に関する。
【0078】
本発明の方法の好ましい態様の1つは、流延法により製造され得る高さ30mmまでのフォームシートを乾燥する。
【0079】
好ましくは押出法により得られた、フォームストランドを乾燥することも同様に好ましい。ここで、ストランドの高さおよび幅が1〜30mmの場合、5〜30mmの高さおよび1〜30mmの幅が好ましい。
【0080】
更に、型注型法により得られるフォームを乾燥することも好ましい。ここで、高さ、幅および長さに関するフォームの寸法は、1〜30mmである。
【0081】
本発明のフォームは、例えば特に高さのあるフォームカバーを製造するため、多種多様な基材に複数の層として適用することもでき、或いは型に流し込むこともできる。
【0082】
本発明の発泡された組成物は、更に、例えば従来の適用法(例えば塗布)によって、他の裏材料(例えば基布、紙など)と組み合わせて使用することもできる。
【0083】
最良の乾燥結果は、乾燥に使用されるフォームが1〜30mm、好ましくは1〜20mmの高さを有する場合に達成され、そのようなフォームの例は、ナイフ塗布、流延または押出によって製造され得るフォームである。
【0084】
本発明の方法は、複数の新規な適用法への接近手段を提供する。その例は、成形のための注型法、および適切な場合は切断が続く押出の使用である。また、特に良好なフォームは、未乾燥フォームをパウダーモールド、例えばデンプンまたはシリカ、に流し込み、次いでマイクロ波で乾燥することにより得られる。
【0085】
比較的高さのあるフォーム厚さを生じるため、多種多様な基材に複数の層としてフォームを適用することもでき、或いは型にフォームを流し込むこともできる。
【実施例】
【0086】
特に記載のない限り、全てのパーセントは重量に基づく。
固形分は、DIN−EN ISO 3251に従って測定した。
特に記載のない限り、NCO含有量は、DIN−EN ISO 11909に従って容量分析で測定した。
【0087】
使用した材料および略語
ジアミンスルホネート:NH2-CH2CH2-NH-CH2CH2-SO3Na(45%水溶液)
Desmophen(登録商標)C2200:ポリカーボネートポリオール、56mgKOH/gのOH価、2000g/molの数平均モル質量(Bayer MaterialScience AG(ドイツ国レーフエルクーゼン在))
PolyTHF(登録商標)2000:ポリテトラメチレングリコールポリオール、56mgKOH/gのOH価、2000g/molの数平均モル質量(BASF AG(ドイツ国ルートヴィヒスハーフェン在))
PolyTHF(登録商標)1000:ポリテトラメチレングリコールポリオール、112mgKOH/gのOH価、1000g/molの数平均モル質量(BASF AG(ドイツ国ルートヴィヒスハーフェン在))
Polyether LB 25:エチレンオキシド/プロピレンオキシドに基づく単官能性ポリエーテル、2250g/molの数平均モル質量、25mgKOH/gのOH価(Bayer MaterialScience AG(ドイツ国レーフエルクーゼン在))
Stokal(登録商標)STA:ステアリン酸アンモニウムの30%水溶液、気泡安定剤(Bozzetto GmbH(ドイツ国クレーフェルト在))
Aristoflex AVL:ポリマースルホン酸および乳化剤のカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド中分散体(Clariant(スイス国ムッテンツ在))
Loxanol K12P:ラウリル硫酸ナトリウム(Cognis(ドイツ国デュッセルドルフ在))
【0088】
PU分散体の平均粒度(示した値は数平均値である)は、レーザー相関分光法(装置:Malvern Zetasizer 1000, Malvern Inst. Limited)によって測定した。
【0089】
実施例1:PU分散体(成分I)
761.3gのDesmophen(登録商標)C2200、987.0gのPolyTHF(登録商標)2000、375.4gのPolyTHF(登録商標)1000、および53.2gのPolyether LB 25を、70℃まで加熱した。次いで、237.0gのヘキサメチレンジイソシアネートおよび313.2gのイソホロンジイソシアネートからなる混合物を、70℃で5分以内に添加し、理論NCO値に達するまで還流しながら混合物を撹拌した。得られたプレポリマーを50℃で4850gのアセトンに溶解し、続いて、1.8g25.1gのエチレンジアミン、61.7gのジアミノスルホネート、116.5gのイソホロンジアミン、および1030gの水からなる溶液を、10分以内に計量添加した。10分間撹拌した。その後、1061gの水を添加することにより分散を達成した。続いて、真空蒸留により溶媒を除去し、固形分60%である貯蔵安定な分散体を得た。
【0090】
実施例2〜7:本発明のフォームの製造
実施例1から得た10000gの分散体(I)を、90gのLoxanol K12P(II)、150gのStokal STA(II)、および150gのAristoflex AVL(III)と混合し、次いで、Hansamixer Top-Mix-K(Hansa Industrie Mixer GmbH(ドイツ国ハイリゲンローデ在))を用いて空気を導入することにより発泡させた。得られたフォームの密度は500g/リットルであった。フォームを剥離紙(VEZ Mat, Sappi(ベルギー国ブリュッセル在))に幅15cmで、3mm、5mm、8mm、10mm、13mmおよび15mmの層に適用した。最後に、得られたフォームを多孔性の布地(Sefar Propyltex 05-1000/45mmメッシュ幅、Sefar GmbH(ドイツ国ヴァッサーブルク在))に適用し、EL-A Verfahrenstechnik(ドイツ国ハイデルベルク在)社製の標準サイズ実験用マイクロ波システムMWT k/1,2-3 LKの基部より5cm上方に置き、出力レベル30%で30分間乾燥した(最大出力3.6kW)。
【0091】
図1は、乾燥させたフォームが、層厚さに関係なく30分後に一定重量を有すると見出されたことを示す。湿潤フォーム材料と比較してこのとき生じた重量損失は、存在する水に基づいて予想された値に相当した。
【0092】
実施例8〜13:比較例
実施例1から得た10000gの分散体(I)を、90gのLoxanol K12P(II)、150gのStokal STA(III)、および150gのAristoflex AVL(IV)と混合し、次いで、Hansamixer Top-Mix-K(Hansa Industrie Mixer GmbH(ドイツ国ハイリゲンローデ在))を用いて空気を導入することにより発泡させた。得られたフォームの密度は500g/リットルであった。フォームを剥離紙(VEZ Mat, Sappi(ベルギー国ブリュッセル在))に幅15cmで、3mm、5mm、8mm、10mm、13mmおよび15mmの層に適用した。続いて、材料を、60℃(30分)、90℃(30分)および110℃(15分)の温度プロファイルを用いて対流式オーブンで乾燥した。
【0093】
図2からわかるように、層厚さ3mmを除いて、75分後、乾燥した材料を得ることは全く不可能であった。層厚さ3mm以外の全ての場合において、75分は、一定重量、即ち含水量に基づいて予想される最終乾燥フォーム重量を得るには不十分であった。乾燥の程度に関係なく、フォームの全ては不規則なフォーム構造(例えば巣および気泡)を有していた。
【0094】
実施例14:本発明の実施例(押出)
実施例1から得た10000gの分散体(I)を、90gのLoxanol K12P(III)、150gのStokal STA(III)、および150gのAristoflex AVL(IV)と混合し、次いで、Hansamixer Top-Mix-K(Hansa Industrie Mixer GmbH(ドイツ国ハイリゲンローデ在))を用いて空気を導入することにより発泡させた。得られたフォームの密度は500g/リットルであった。続いて、470gの発泡されたペーストを、直径15mmの管を介して細長く剥離紙(VEZ Mat, Sappi(ベルギー国ブリュッセル在))に適用し、その後、多孔性の布地(Sefar Propyltex 05-1000/45mmメッシュ幅、Sefar GmbH(ドイツ国ヴァッサーブルク在))に適用し、EL-A Verfahrenstechnik(ドイツ国ハイデルベルク在)社製の標準サイズ実験用マイクロ波システムMWT k/1,2-3 LKの基部より5cm上方に置き、出力レベル30%で30分間乾燥した(最大出力3.6kW)。
【0095】
このとき測定された重量損失は188g(40重量%)であり、フォーム中に初めから存在していた水の量に相当する。フォームは、細かい均一構造を有していた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湿潤フォームをマイクロ波放射に付す、フォームの乾燥方法。
【請求項2】
乾燥させる湿潤フォームの含水量が15〜60重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
使用するマイクロ波放射が、周波数が2.0〜3.0GHzまたは0.8〜1.5GHzの範囲である電磁波放射を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
マイクロ波放射による乾燥と同時、乾燥前または乾燥後に、熱乾燥を付加的に実施することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
乾燥させる湿潤フォームが、水性PU分散体および適切な場合には更なる成分から、発泡により得られることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
PU分散体が、40〜63重量%の固形分を有する、ポリウレタン分散体またはポリウレタン−ポリウレア分散体であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
A)a1)脂肪族ポリイソシアネートまたは脂環式ポリイソシアネート、
a2)400〜8000g/molの数平均モル質量および1.5〜6のOH官能価を有する高分子ポリオール、
a3)適切な場合には、イオン性または潜在イオン性および/または非イオン性のヒドロキシ官能性親水化剤
からなるイソシアネート官能性プレポリマーを調製し、
B)次いで、その遊離NCO基と
b1)32〜400g/molのモル質量を有するアミノ官能性化合物および/または
b2)イオン性または潜在イオン性のアミノ官能性親水化剤
とを連鎖延長させながら完全にまたは部分的に反応させ、工程B)の前または後に、該プレポリマーを水に分散させる
ことによってPU分散体を得ることを特徴とし、適切な場合には、存在する潜在イオン性基を中和剤で部分的にまたは完全に反応させることによりイオン状態に転化させてよい、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
PU分散体の調製において、ポリカーボネートポリオールおよびポリテトラメチレングリコールポリオールからなる混合物である成分a2)と組み合わせて、イソホロンジイソシアネートおよび/または1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートおよび/または異性体ビス(4,4’−イソシアナトシクロヘキシル)メタンである成分a1)を使用することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
乾燥前の湿潤フォームのフォーム密度が250〜600g/リットルであり、乾燥後のフォーム密度が200〜550g/リットルであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
湿潤フォームが、高さが最大30mmであるフォームシート、高さが5〜30mmであり幅が1〜30mmであるフォームストランド、または長さ、幅および高さの各々に関する寸法が1〜30mmである成形品であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−532798(P2010−532798A)
【公表日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515383(P2010−515383)
【出願日】平成20年7月1日(2008.7.1)
【国際出願番号】PCT/EP2008/005350
【国際公開番号】WO2009/007037
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】