説明

水溶性感圧接着剤

水溶性感圧接着剤は、(a)N−ビニルカプロラクタムホモポリマー、N−ビニルピロリドンコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーと、(b)親水性−親油性バランスが約2〜約10である一価又は多価アルコールを含む不揮発性可塑剤とを含む均質ブレンドを含む。このN−ビニルピロリドンコポリマーは、約60重量%以下のN−ビニルピロリドンを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば医療用テープ、絆創膏、創傷包帯、及び貼付剤構成体に有用な、水溶性感圧接着剤に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚に接着した絆創膏を除去するのは、非常に痛みを伴うことがある。加えて、皮膚が脆く若しくは鋭敏な人、又は慢性の創傷があり繰り返し包帯材を適用する必要がある人では、しばしば、皮膚の剥離及びその他の損傷が懸念される。
【0003】
絆創膏が固定された状態であり続けるための皮膚に対する高い粘着性の必要性と、皮膚が剥がれたり、毛髪が引っ張られたり、残留物が残ったりしないようにするための穏やかな除去の必要性との間の矛盾に対しては、さまざまな方法でアプローチされている。これらのアプローチには例えば、より少ない除去外傷を目的として良好な皮膚一体性を維持するために接着剤の通気性を改善する方法(例えば米国特許第5,614,310号を参照)、「ストレッチ剥離」技術(例えば米国特許第7,078,582号を参照)、絆創膏を貼付する前にフィルム形成ポリマーで皮膚を強化する方法(例えば米国特許第4,324,595号を参照)、及びボディローション又はヘキサメチルジシロキサンなどの結合抑制剤を、多孔質の裏材を通して皮膚/接着剤の界面へ移動させる方法(例えば米国特許第6,136,866号を参照)が挙げられる。しかしながら、これらのアプローチの多くは使用中の接着性を低下させ、またその他のものでは余分な工程を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの欠点のため、痛みのない絆創膏を製造するため、水中で容易に溶け去るような水溶性の感圧接着剤(PSA)を使用することに関心が向けられている。残念ながら、多くの水溶性PSAは湿気を吸収し、これにより貼着性強度が低減する。活性成分を送達するための、水溶性接着剤及び水溶性裏材を含む水溶性パッチは、米国特許出願公開第2002/0187181号に記述されている。これらのパッチは、例えば、高湿度環境において湿気を過剰に取り込むのを防ぐため、低湿度条件下で製造し、ホイルパッケージに個別包装する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記を考慮して、発明者らは、溶解による除去により、絆創膏除去に関する懸念(例えば、痛み、皮膚の剥がれ、及び残留物)を排除する、絆創膏に使用するための接着剤のニーズが当業界にあることを認識している。発明者らはまた、その絆創膏が従来のパッケージに適合し、長期装着により好適になるよう、現在利用できる水溶性接着剤よりも吸湿性の低い接着剤が有利となるであろうことを更に認識している。
【0006】
簡単には、一態様において、本発明は水溶性感圧接着剤(PSA)を提供する。このPSAは、(a)N−ビニルカプロラクタムホモポリマー、N−ビニルピロリドンコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーと、(b)親水性−親油性バランスが約2〜約10である一価又は多価アルコールを含む不揮発性可塑剤とを含む均質ブレンドを含む。N−ビニルピロリドンコポリマーは、約60重量%以下のN−ビニルピロリドンを含む。
【0007】
本明細書で使用されるとき、「水溶性」とは、ある材料が、約2分間の静かな攪拌のみを必要として、10倍過剰量の水に溶解できることを意味する。「感圧接着剤」又は「PSA」とは、軽い圧力(例えば指の圧力)で接着する、通常の粘着性接着剤を意味する。「均質」とは、PSAが裸眼で実質的に均質な外観を有していることを意味する(すなわち、液相がポリマーと融和性であり、本質的に相分離が裸眼で観察されない)。「不揮発性」とは、20℃で約1.0mm Hg(133.3Pa)未満(好ましくは20℃で約0.5mm Hg(66.7Pa)、より好ましくは20℃で約0.3mm Hg(40.0Pa)、最も好ましくは20℃で約0.1mm Hg(13.3Pa))の蒸気圧を有することを意味する。
【0008】
本発明のPSAは容易に水に溶け、驚くべきことに、低吸湿性も有する。例えば、本発明のPSAは、貼着性強度の低下なしに、相対湿度75%、40℃で2日経過後に重量増加が約15%未満(好ましくは、相対湿度75%、40℃で2日経過後に重量増加が約10%未満)である。
【0009】
別の一態様において、本発明は、可撓性裏材及び本発明の水溶性PSAを含む、皮膚接触用途のためのデバイス(例えばテープ、絆創膏、創傷包帯、又はパッチ)を提供する。いくつかの実施形態において、本発明のデバイスは、水溶性裏材及び所望による水溶性パッドを更に含む。これによりデバイス全体が容易に水に溶けて皮膚から除去することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、ポリマーと可塑剤との均質なブレンドを含み、このブレンドが裏材に塗布されると、その裏材の上に水溶性のPSAフィルムを作り出す。
【0011】
ポリマー
本発明のPSAは、N−ビニルカプロラクタム(NVC)ホモポリマー、N−ビニルピロリドン(NVP)コポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含む。NVPコポリマーは、約60重量%以下のNVP(好ましくは約50%以下、より好ましくは40%以下、最も好ましくは約30%以下)を含む。
【0012】
有用なNVPコポリマーには、NVC/NVPコポリマー及びビニルアセテート(VOAc)/NVPコポリマーが挙げられる。VOAc/NVPコポリマーは、典型的には、約20重量%以上のNVPを含む。NVCホモポリマー及びそのようなNVPコポリマーは、過剰な吸湿性を有することなしに水溶性及び接着性をもたらす。
【0013】
好ましいポリマーは、約30重量%〜約50重量%のN−ビニルピロリドンを含む、N−ビニルピロリドン及びビニルアセテートのコポリマーである。
【0014】
所望により、カルボン酸官能基又はテトラアルキルアンモニウム基を含んでいない限りにおいて、低濃度のコモノマーが最高約10重量%存在し得る。
【0015】
本発明のPSAに使用するのに好適なポリマーは、全体の数平均分子量が約10,000〜約100,000ダルトンの、無架橋ポリマー又はポリマーの混合物であり得る。そのようなポリマーは、貼着性強度と水溶性の良好なバランスを提供する。
【0016】
市販されている有用なコポリマー及びホモポリマーは、ISP Corp.(Wayne,NJ,United States)から、商品名Gaffix(商標)VC−713、Advantage(商標)HC−37、Advantage(商標)LC−A、Aquaflex(商標)SF−40、及びPVP/VA E−335、I−335、E−535、I−535、E−635、W−635、並びにBASF(Germany)から商品名Luviskol(商標)VA 37 E、37 I、55 I、64 W、64 P、及びLuviskol(商標)Plusとして販売されている。これらの市販製品におけるNVC/NVPコポリマーは、米国特許第5,637,296号及び同第4,521,404号に開示されているように、少量の第三級アミンコモノマーを含む。
【0017】
典型的に、合計のポリマー成分は、PSA製剤中、約35重量%〜約75重量%の範囲となる。この濃度のポリマーマトリックスを含む接着剤組成物は、タック、柔軟性、接着性、及び貼着強度の望ましいバランスを有する。
【0018】
可塑剤
本発明のPSAはまた、不揮発性可塑剤も含む。好適な可塑剤には、約2〜約10の範囲(好ましくは約3〜約9.5の範囲、最も好ましくは約4〜約9の範囲)の親水性−親油性バランス(HLB)算出値を有することによって表わされる親水性を備えた、一価アルコール類及び多価アルコール類が挙げられるが、これらに限定されない。そのような材料は弱い親水性を有し、多くの場合は低い水溶性を有する。HLBシステムは本来、界面活性剤、特に非イオン系界面活性剤を分類する手段として開発された。これは、例えばヒドロトロープなどの、小さすぎて自発的には凝集してミセルとならないような、親水性と疎水性を有する化合物を特徴付ける、より幅広い用途を有している。本明細書で使用される場合、所与の可塑剤の有用性は、Daviesによって開発された基寄与法を使用して算出されたHLBに基づく。
【0019】
不揮発性可塑剤は、20℃で約1.0mm Hg(133.3Pa)未満(好ましくは20℃で約0.5mm Hg(66.7Pa)、より好ましくは20℃で約0.3mm Hg(40.0Pa)、最も好ましくは20℃で約0.1mm Hg(13.3Pa))の蒸気圧を有する。
【0020】
いくつかの実施形態において、可塑剤の水溶性は約10g/100g未満(好ましくは約5g/100g未満)であり得る。あらゆる比率で水と完全に相溶性である可塑剤もまた有用である。
【0021】
PSAにおける可塑剤として有用な材料の分類には、炭素対酸素のモル比が約2.5対1よりも大きいポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、C5〜C10アルキルジオール類、プロピレングリコールのC4〜C10カルボキシレートモノエステル類、グリセリンのC4〜C10カルボキシレートモノエステル類及びジエステル類、プロピレングリコールのC4〜C10アルキルモノエーテル類、グリセリンのC4〜C10アルキルモノエーテル類及びジエーテル類、乳酸のC4〜C10アルキルエステル類、クエン酸のC2〜C4トリエステル類など、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0022】
有用なポリエーテルポリオール類の例には、ポリ(アルキレンオキシド)グリコール類が挙げられ、ここにおいてアルキレンユニットは2〜6個の炭素原子を有し、例えばポリ(1,2−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(1,3−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ペンタメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール及びポリ(1,2−ブチレンオキシド)グリコール;エチレンオキシドと1,2−プロピレンオキシドとのランダムコポリマー又はブロックコポリマー(グリコール中の炭素対酸素モル比が約2.5:1を超えるような比率で使用される)、並びにホルムアルデヒドをグリコール類(例えばペンタメチレングリコール)と反応させることにより調製されたポリホルマール類、あるいはグリコール類の混合物(例えばテトラメチレングリコールとペンタメチレングリコールとの混合物)が挙げられる。モノ又はジアルキルエーテル類と、そのようなポリオール類のエステル類も、分枝状ポリオール類として有用である。
【0023】
本発明のPSAには、液体及び固体両方の不揮発性可塑剤が使用できる。
【0024】
典型的には、可塑剤はPSAの約10重量%〜約75重量%を構成する。
【0025】
任意構成成分
本発明の水溶性PSAは、所望により、以下に詳述されるような1つ以上の活性剤、又は低濃度の相溶性アニオン性、カチオン性、非イオン性若しくは両性界面活性剤などの、添加剤を含むことができる。例えば、米国特許第6,121,508号に報告されているように、そのような界面活性剤の使用により、PSAに親油性特性をもたらすことによって、油性表面へのPSAの接着を向上させることができる。PSAと油性表面との間の相溶性は、界面活性剤をPSAに組み入れることによって改善される。この界面活性剤はまた、疎水性活性成分が、PSAとの相溶性がより高いものになるよう作用し得る。粘着付与材、酸化防止剤、充填材などを、PSAに追加することもまた本発明の範囲内である。
【0026】
皮膚接触用途のためのデバイス
皮膚に付着するPSAは、医療用及びスポーツ用の皮膚接触用途に広く使用されており、さまざまなデバイスを人体に短期的に固定する手段として、唯一ではないとしても最良の方法を提供している。Chapter 25,Hospital and First Aid Products,(by Donatas Satas and A.Maria Satas)(Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology,Second Edition,D.Satas編、1989)に記述されているように、PSAは不動化及び包帯、又は静脈内(IV)管固定のため、手術用ドレープ及び保護パッドの接着のため、並びに経皮的薬剤送達デバイス若しくは心電図検出デバイスにおいて、使用されている。これらPSAの役割は単純な接着(例えばテープ及び絆創膏において)であり得、又は接着を越えた利益(例えば皮膚へ若しくは皮膚を経由して送達される活性成分のリザーバの役割)をも提供することが可能である。本発明の水溶性PSAは、テープ、絆創膏、及び活性成分送達のためのパッチに特に好適である。
【0027】
本発明のデバイスは、水溶性PSAを冷水又は温水に溶かす(例えば浸す)ことにより、実質的に痛みなしに穏やかに除去することができる。加えて、このPSAは吸湿性が高くはないため、このデバイスを長期着用に好適なものにしている。これらは従来型の梱包に適合性がより高い(すなわち、個々のホイルパッケージを必要としない)。
【0028】
裏材
テープ、包帯、絆創膏、又はパッチとして提供されるとき、PSAは典型的には、当該技術分野において既知の方法を用いて、薄い可撓性の裏材上に提供される。有用な裏材には、不織布繊維ウェブ、織布繊維ウェブ、編地、フォーム、フィルムなどが挙げられる。またこの裏材は、患者の皮膚から放出される湿気に対して少なくとも部分的に透過性であることが望ましいが、これは必須ではない。例えば、裏材は24時間当たり約500g/mの湿気透過速度を有することが好ましい場合がある。場合によっては、裏材にたくさんの開口部を設けることによって、透過性を獲得及び/又は増大させることができる。そのような開口部は更に、水溶性PSAを溶かすための水溶液のアクセスを提供するものともなり、これにより、例えば絆創膏を、端からのみ水が浸透する場合に比べ、より素早くかつより均一に除去することができる。開口部は織布、編地、及び不織布の裏材においては本来存在するものであり、フィルム裏材においては機械的若しくは熱的手段を使用して開口部若しくは穿孔を生成することによって提供することができる。
【0029】
有用な裏材のその他の例としては、水溶性のフィルム及び布地が挙げられる。これらの裏材は、既知の天然又は合成の、水溶性又は水中分散性フィルムを形成するポリマー又はオリゴマーのうち任意のものから生成することができる。特定の実施形態において、この裏材は冷水に溶解性であるよう選択される。好適なポリマー及びオリゴマーには、例えばアルギン酸及びアルギン酸誘導体ポリマー、アラビノガラクタン、セルロース誘導体(ヒドロキシエチル及びヒドロキシプロピルセルロースを含むがこれらに限定されない)、デンプン及びデンプン誘導体などの植物性天然ポリマー;例えば多糖類、動物由来のポリマー(ゼラチン、コラーゲン、ムコ多糖類などを含む)などの微生物由来の天然ポリマー;ポリオキシアルキレン類;エチレン部(ethenically)が不飽和のモノマー(例えばビニルモノマーを含むがこれに限定されない)、アクリレート類及びメタクリレート類、アクリルアミド類及びメタクリルアミド類などから誘導されたポリマー及びコポリマー;ポリエチレンイミン類;並びに上記のうち1つ以上を含む混合物が挙げられるが、これらに限定されない。ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン、タンパク質(例えばゼラチン及びコラーゲン)並びにこれらの誘導体のポリマー、又は例えば、アラビノガラクタンなどの炭水化物は、特に有用性であることが認識されている。水溶性ポリビニルアルコールフィルムは、Aicello Chemical Company(Toyohashi,Japan)から商品名Solublonとして、及びMonosol LLC(Merrillville,IN)から市販されている。
【0030】
ポリビニルアルコール類のポリマーは、ポリビニルアセテートから調製することができ、これは市販されているさまざまな分子量及び加水分解レベルのものが入手できる。加水分解レベルは、そのポリマーが冷水に溶解性か又は温水に溶解性かどうかをある程度決定するものであり、加水分解が約87%を超えると、結晶質の高いポリマーが生じ、これによりポリマーを溶解するのにより高い温度が必要になる。ポリマー溶解の速度は、ポリマーの分子量と、可塑剤又は架橋材などの添加剤の存在とによって、ある程度決定される。特定の可塑化されたポリビニルアルコール樹脂は熱可塑性であり、溶融押し出し又は鋳型成形でフィルムにすることができる。
【0031】
可塑剤は、水溶性裏材の脆さを低減させるのに使用することができ、より丈夫で、より柔軟にすることができ、一般に取扱い特性を改善することができる。可塑剤として水だけを使用すると、周囲条件に曝されたときに、水分を急速に失いやすく、それと同時に、ガラス状又は脆い材料に変化する。よって、好適な可塑剤には一般に、アルコール類、アルコール類の混合物、及び水とアルコールとの混合物が挙げられる。本発明に使用するための好適な可塑剤には、例えばグリセリン、ポリグリセロール、アルキルポリグリコシド類、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのランダムコポリマー、エチレンオキシド/プロピレンオキシドのブロックコポリマー(例えばBASFからPluronicの商品名で販売されているもの)、プロピレングリコール、ソルビトール、ソルビトールエステル類、ブタンジオール、及びこれらのアルコキシレート誘導体などの多価アルコール類;例えば3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、アルキルエーテルエトキシレート類、アルキルエステルエトキシレート類、アリールエーテルエトキシレート類、アリールエステルエトキシレート類、アラルキルエーテルエトキシレート類、又はアラルキルエステルエトキシレート類などの一価アルコール類;尿素、ピロリドンカルボキシレート塩、トリエタノールアミン、エタノールアセトアミド、水、特定の活性物質(例えばビタミンE(α−トコフェロール))、及び多くの一般的な皮膚軟化剤;又は上記のうち1つ以上を含む任意の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。非極性活性剤は、可塑剤の一部又は全てとして、親水性−親油性バランス(「HLB」)値が少なくとも約8の非イオン性界面活性剤を含めることにより、裏材中に懸濁又は乳化させることができる。HLB値が少なくとも約12の非イオン性界面活性剤は、特に全体的に有用性であることが示されている。このHLB値は、「The Chemistry and Manufacture of Cosmetics」、Volume I,Third Edition,Mitchell L.Schlossman,Editor,Allured Publishing Corp.,Carol Stream,Ill.,2000に記述されているように、所与の界面活性剤が、油溶性対水溶性の乳化剤として作用する程度を示す。代表的な非イオン性界面活性剤には、C8〜C22アルキルエーテルエトキシレート類、C8〜C22アルキルエステルエトキシレート類、ソルビトールC8〜C22アルキルエステル類、ソルビトールC8〜C22アルキルエステルエトキシレート類、及び上記のうち1つ以上を含む混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
裏材中に存在する可塑剤の量は、とりわけ、裏材を形成するのに使用されるポリマー、及び裏材を構成し得る特定の活性剤(単数又は複数)によって異なり得る。少なくとも約5重量%の可塑剤を含み得る裏材もあるが、少なくとも約3重量%又は少なくとも約1重量%の可塑剤を含み得る裏材もある。最高で30重量%の可塑剤を含み得る裏材もあるが、その他の裏材は、最高で約40重量%又は最高で約50重量%の可塑剤を含み得る。特定の裏材は、約5重量%〜約30重量%の範囲の可塑剤を含み得る。そのような裏材は一般に、強度を低下させることなく、良好な可撓性をもたらす。
【0033】
水溶性裏材は、水又はその他の好適な溶媒中に、少なくとも1種のポリマー及び少なくとも1種の可塑剤を溶解させることによって調製することができる。この溶液を鋳型成形でフィルムにし、乾燥させることができる。ビタミンC、ヒドロキノン、及びサリチル酸などの水溶性材料を、このポリマー溶液に直接溶解させることができる。ビタミンE、過酸化ベンゾイル及びシリコーン流体などの非水溶性材料は、界面活性剤の追加によりポリマー溶液中に乳化させることができる。別の方法としては、裏材を鋳型成形して乾燥させた後、活性剤を塗布することができる。この場合、活性剤はフィルムの表面にコーティングされる。最終製品にある特徴が欲しい場合は、望ましい特徴を裏材に付与するために、追加の添加剤をポリマー溶液に混ぜ合わせることができる。例えば、シリコーン流体又はシリコーンコポリオールの低濃度添加により、裏材に滑らかな感触をもたらし、殺生物剤の添加により、貯蔵中に裏材にカビ又は細菌が繁殖するのを防ぎ、また粒子状物質(例えば塗料業界で使用されるつや消し剤など)の添加により、乾燥した裏材につや消しのマットな仕上がりをもたらすことができる。
【0034】
裏材として有用な布地は、織布、不織布、織地、又はその他のタイプの布地(連続気泡発泡体及び独立気泡発泡体を含む)を製造するあらゆる既知の技法によって構築することができる。不織布技法には、スパンボンディング、メルトブローン、ウェットレイド、水流交絡(例えば冷水を用いて、又は比較的高い塩濃度で、又はその両方で)、熱接着、又は上記の任意の組み合わせが挙げられる。この布地製造に有用なポリマー繊維は、市販されている。
【0035】
別の方法としては、フィルム又は布地は既知の技法を使用して、好適なポリマー組成物とともに融解加工することができる。例えば、特定の可塑化したポリビニルアルコール類は融解加工できる。熱安定性の活性剤をポリマー融解物に直接添加することができる。別の方法としては、米国特許第5,688,523号に報告されている技法を使用して、水溶性又は水分散性フィルム又は繊維に、活性剤をコーティングするか又は吸収させることができる。非水溶性の熱可塑性ポリマーをこの融解物に含めることによって、結果として得られる担体の溶解度、可撓性、強度、バリア性、又はその他の特性を変えることができる。
【0036】
具体的な裏材の形状、及び裏材を調製するのに使用される材料は、望ましい特徴を備えた裏材をもたらすように選択され得る。例えば、薄く透明なフィルム裏材は、デバイスが使用時にほぼ気付かれないような必要がある用途に望ましいことがある。織布又は不織布の裏材は、高い多孔性が必要な用途に望ましいことがある。フィルム又は大きな坪量の不織布は、より堅固なデバイスが望ましい場合に望ましいことがある。
【0037】
パッド
医療用粘着絆創膏などの皮膚に接触する用途のためのデバイスには、典型的に、裏材、吸収性パッド、及び医療用粘着絆創膏を定位置に保持するためのPSAが含まれる。このデバイスは典型的には、切り傷、かき傷その他の皮膚状態を覆うために使用されるが、また領域のクッションとなって保護するためにも使用され得る。パッドは、典型的には吸収性であり、織布又は不織布の木綿、レーヨン、不織布、ヒドロコロイド、フォーム、及びこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない数多くの材料から製造され得る。
【0038】
本発明の水溶性PSAを利用するデバイスには、例えばSheng Hung Industrial Co.(Taipei,Taiwan)からE−Texの商品名で市販されているポリビニルアルコール不織布などの、水溶性不織布パッドが挙げられ得る。パッドにはまた、抗菌剤、麻酔剤、かゆみ止め剤、経皮的薬物送達のための薬剤、患者のホルモン又はその他の物質をモニターするための化学的指示薬、これらの組み合わせなどを含む、数多くの物質が含まれ得る。
【0039】
支持層
本発明のPSAを利用するデバイスには、裏材、PSA、又はこれら両方に剥離可能に接着する1層以上の支持層が含まれ得る。この支持層は典型的には、治療が開始される時点前後に、裏材及びPSAから除去される。デバイスの裏材及び接着剤は薄く、可撓性かつ柔軟であり得るため、支持層を使用して、デバイスに構造的支持を提供し、これによりデバイスの取扱いを容易にする。支持層はまた、ユーザーがデバイスを治療のために局所的な体表面に貼付するよう準備するまでの間、PSAを覆うことができる。このようにして支持層は、望ましい治療のために選択された体表面以外の表面にPSA層が接触するのを防ぐことができる。これにより、治療前のデバイスの取扱いが改善され、混乱が低減される。第2の支持層を裏材に接着して、第1の支持層を接着剤から除去した後にデバイスに剛性をもたらすようにすることができる。これにより、デバイス自体がしわになったり巻き上がったりするのを防ぎ、スムーズかつ容易に皮膚に配置することが可能になる。望ましい体表面にデバイスが貼付された後は、この第2の支持層は除去することができる。そのような支持されたデバイスを製造する方法の1つが、米国特許第6,169,224号に報告されている。
【0040】
支持層に使用される材料には制限がない。支持層に使用するための好適な材料には、紙、ホイル、及びポリマーフィルム、並びにこれらの多層積層体が挙げられるがこれらに限定されない。支持層は裏材又は接着剤から容易に剥離でき、これによりデバイスは、治療を受ける体表面に貼付することができる。支持層のための材料はまた、支持層を容易に剥離可能にするよう設計された1つ以上の材料でコーティングされ得る。
【0041】
活性剤
本発明のデバイスは、例えば、特定の限定的な体表面に1つ以上の活性剤を送達するよう設計されたパッチ又はその他のデバイスであり得る。特定の実施形態について、送達される活性剤は送達部位に局所的に留まり得る。別の実施形態について、活性剤は、全身治療のために血流に入り得る。
【0042】
本発明の単独デバイスは、任意の数の活性剤を送達できる。各活性剤が互いに、他の活性剤のそれぞれに対して融和性である限り、複数の活性剤を混合して、同じデバイスから一緒に送達させることができる。別の方法としては、第2の活性剤と反応する活性剤を使用し、裏材、接着剤、又はこれら両方によって第2の活性剤から分離するようにデバイスを構成し、デバイスが湿潤によって活性化される際にのみ反応するようにすることができる。これは特に、例えば口腔ケアのために重曹と過酸化水素をその場で混合するために有用であり得る。
【0043】
本発明のデバイスによって、1つ以上の活性剤は、裏材、接着剤、又はその両方に関連して存在することによって、デバイスが望ましい体表面に貼付されたときに送達され得る。活性剤と裏材又は接着剤との間の関係には、コーティング、懸濁液、乳液、又は溶液が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0044】
本発明のデバイスは任意の多数かつ幅広い種類の治療に有用であってもよく、この一部を下記に述べる。本発明による可能な治療の説明は、本質的に例示のためのものであり、本発明の範囲をいかなる意味でも不当に制限するためのものではないことが理解されるべきである。当業者は、本明細書に開示されているデバイスを、記述されている治療又はその他の治療に使用するのに好適な特性を伴うよう設計することができよう。
【0045】
本発明のデバイスを使用して、幅広い組み合わせの活性剤を皮膚に送達することができる。出願されているデバイスは、可撓性かつ柔軟であり得、よってさまざまな皮膚形状に対して、このデバイスによる快適な治療を提供することができる。皮膚治療については、デバイスは乾燥した皮膚に接着できることが望ましいことがあるが、濡れた状態又はあらかじめ湿らせた皮膚への貼付も、出願されている本発明の範囲内である。乾燥した皮膚にデバイスを貼付することにより、デバイスは、長期使用が望ましいことがあるさまざまな用途に使用することが可能になる。例えば、このデバイスを使用して、皮膚の一晩治療のために活性剤を適用することができる。一実施形態において、このデバイスは乾燥した皮膚に貼付され、長期的な治療を提供し、次に、治療が完了した後は容易かつ素早く洗い流される。この方法で皮膚に送達され得る活性剤には、皮膚軟化剤、湿潤剤、コンディショナー、保湿剤、ビタミン、ハーブ抽出物、酸化防止剤、ステロイド剤又はその他の抗炎症剤、血管拡張薬、剥離剤(例えばα−ヒドロキシ酸又はβ−ヒドロキシ酸)、成長因子、酵素、漂白剤又は着色剤、抗真菌剤又は抗菌剤、(例えばポビドンヨード、グルコン酸クロルヘキシジン、トリクロサン、p−クロロ−m−キシレノール(xyenol)、グリセリン及びプロピレングリコールの脂肪酸モノエステル、過酸化ベンゾイル、過酸化水素、銀及び銀塩(例えば塩化銀、酸化銀、及びスルファジアジン銀を含むがこれらに限定されない)、フェノール類、ミコナゾール、クロトリマゾール、ケトコナゾール、エコナゾール、ウンデシレン酸など)、乳化剤、人工日焼け剤、日焼け促進剤、皮膚鎮静剤、皮膚引き締め剤、しわ防止剤、皮膚修復材、皮脂阻害剤、皮脂刺激剤、プロテアーゼ阻害剤、かゆみ止め成分、毛髪成長阻害剤、毛髪成長促進剤、皮膚感覚剤、抗ニキビ治療、除毛剤、収斂剤、毛髪除去、うおのめ、たこ若しくはいぼ除去剤が挙げられるが、これらに限定されない。装飾的又は飾りのデザイン、着色剤、刺青又は光輝剤も、この方法で皮膚に適用することができる。例えば、出願されているデバイスは、顔を含む皮膚の少なくとも一部を装飾するための、ファッション用水溶性マスクに使用することができる。
【0046】
別の方法としては、活性剤は、水又はその他の水分によって、デバイスの表面積の少なくとも一部を活性化させることにより、皮膚に送達することができる。この方法により、接着剤、単体、又はこれら両方のうち少なくとも一部が溶解又は分散される。一部の治療について、接着剤及び裏材を完全に溶解又は分散させることが望ましい場合があり、これにより活性剤の即座かつ完全な送達をもたらすことができる。別の方法としては、一部の治療について、裏材、接着剤、又はこれら両方の一部分だけを、溶解又は分散させることが望ましい場合がある。残った裏材又は接着剤は、活性剤とともに皮膚に擦り込むことができ、これにより活性剤のある程度の持続性と維持性を提供する結合剤として作用することが可能である。このようにして皮膚に送達され得る活性剤には、光輝剤、芳香剤(アロマセラピー剤を含む)、香水、日焼け止め剤、虫除け剤、防臭剤及び制汗剤が挙げられるがこれらに限定されない。
【0047】
このデバイスを使用して、手や足の爪のトリートメントを提供することもまたできる。皮膚及び毛髪に対する同様のトリートメントに関する上記のものと同様の方法で、出願されているデバイスを用いて、装飾的な着色又はアップリケを爪に送達することができる。抗真菌剤、抗菌剤、又はその他の医薬品も、このデバイスを用いて爪に送達することができる。
【0048】
本発明のデバイスは更に、創傷包帯、救急用絆創膏、又はスポーツ用テーピングとしての利用を有し得る。これらの医療用物品は、例えば抗菌剤、抗生物質、外用鎮痛剤、又は創傷治癒剤などを含むがこれらに限定されない活性剤を含み得る。これらの創傷包帯は、水溶性吸収剤を更に含み得る。
【0049】
本発明のデバイスを使用して、全身治療を提供する活性剤を送達することもまたできる。全身性活性剤の送達は、皮膚又は粘膜組織を介して行われ得る。そのような治療について、全身性活性剤を担持する本発明のデバイスは、局所的な体表面に貼付される。デバイスの貼付は長期間にわたることがあり、また別の方法としては、デバイス及び活性剤を、デバイスが貼付された皮膚又は粘膜組織に擦り込むことができる。活性剤は皮膚又は粘膜組織に吸収され、血流へと流れる。血流は活性剤を全身に運び、これにより活性剤は全身性治療をもたらすことができる。このようにして全身性治療を行うために送達される活性剤には、ホルモン、ビタミン、米国特許第6,019,997号に報告されているもののような薬剤、並びにこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。
【0050】
あらゆる治療について、活性剤は裏材、接着剤及び支持層と融和性でなければならない。活性剤、接着剤及び裏材はまた、それぞれが保管中に安定であり続けるよう好ましく選択すべきである。
【実施例】
【0051】
本発明の目的及び利点は、以下の実施例によって更に例示されるが、これらの実施例において列挙された特定の材料及びその量は、他の諸条件及び詳細と同様に本発明を過度に制限するものと解釈されるべきではない。
【0052】
試験方法
HLB
親水性−親油性バランス(HLB)は、DaviesのHLB法(Proc.2nd Inter.Congress of Surface Activity,1426(1957))を使用して算出した。
【0053】
粘着性
指の粘着性を評価し、0=粘着性なし、1=非常に粘着性が低い、2=粘着性が低い、3=中程度の粘着性、4=良好な粘着性、5=優れた粘着性、の評価点を与えた。
【0054】
水溶性
3/4インチ×2インチ(1.9×5.1cm)のストリップを、コーティングされたポリエステルフィルムのエッジに沿って切断した。このストリップはコーティングされたフィルムとコーティングされていないフィルムの両方を含んでいた。コーティングされていない端をつかみ、粘着性コーティングされた部分を、ビーカーに入った室温の水に浸しては引き上げることを20秒間に20回行った。濡れたフィルムを、粘着面を上にしてスライドガラス上に置き、指を長さ方向へそっと滑らせた。容易に水に溶けない接着剤は、貼着性フィルムを生じ、又はゴム質の高粘度の感触を生じた。貼着性フィルムがないか、あるいはぬるぬるした低粘度の感触は、容易に水に溶ける接着剤コーティングによるものと見なされた。
【0055】
水分吸収%
ポリマー/可塑剤ブレンドの水分吸収と貼着性が評価された。溶液(0.3〜0.6gの固体を含む)の一部を、秤量済み(A=空の重量)の直径6cmの円形アルミニウム製缶の底に広げた。80℃の強制空気のある炉で一晩乾燥させた後、この缶の重量を再び秤量し(B=缶プラス乾燥した接着剤)、次に相対湿度75%で40℃のチャンバに2日間置いた。取り出してすぐにこの缶を最終秤量し(C=缶プラス水和した接着剤)、次に水和した接着剤の粘着性を評価した。凝集破壊(接着剤が指に移動する)が見られ、水分吸収%が100×(C−B)/(B−A)の式を使用して算出された。
【0056】
サンプルの調製
実施例は、入手したポリマー溶液を、固体ベースで同様量の可塑剤と合わせることによって調製された。100%固体粉末として提供されたポリマーは、最初にエタノールに溶かして25%固体とし、次に可塑剤と4:1の比率で混ぜ合わせて、固体ベースで1:1のブレンドを得た。均質になるまで混合した後、一部を、1.2mil(30マイクロメートル)のポリエステルフィルム上に、乾燥コーティング厚さ1mil(0.001インチ(25マイクロメートル))でコーティングした。フィルムを80℃で8分間乾燥してから、室温まで冷まし、試験を行った。この接着剤組成物に利用したポリマーと可塑剤は、表1及び2にそれぞれ示されている。試験結果を表3に示す。
【0057】
【表1】


[a]化粧品成分の国際命名法
【0058】
【表2】


[a]化粧品成分の国際命名法
【0059】
【表3】


[a]−−=未試験
[b]PCT国際公開特許WO 95/05416号の実施例1の再現
[c]米国特許出願公開第2002/0187181号の実施例17の再現
[d]米国特許第4,331,576号の実施例3の再現−VP/VOAcコポリマーのモノマー比は指定なし
【0060】
本明細書中に引用される刊行物の完全な開示は、それぞれが個々に組み込まれたかのように、その全体が参照により組み込まれる。本発明の範囲及び趣旨から逸脱しない本発明のさまざまな変更や改変は、当業者には明らかとなるであろう。本発明は、本明細書で述べる例示的な実施形態及び実施例によって不当に限定されるものではないこと、また、こうした実施例及び実施形態は、本明細書において以下に記述する「特許請求の範囲」によってのみ限定されると意図する本発明の範囲に関する例示のためにのみ提示されることを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性の感圧接着剤であって、
(a)N−ビニルカプロラクタムホモポリマー、N−ビニルピロリドンコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーであって、前記N−ビニルピロリドンコポリマーが約60重量%以下のN−ビニルピロリドンを含む、ポリマーと、
(b)親水性−親油性バランスが約2〜約10である一価又は多価アルコールを含む不揮発性可塑剤とを含む均質ブレンドを含む、感圧接着剤。
【請求項2】
前記ポリマーが、感圧接着剤の約35重量%〜約75重量%含まれる、請求項1に記載の感圧接着剤。
【請求項3】
前記可塑剤が、感圧接着剤の約10重量%〜約80重量%含まれる、請求項1に記載の感圧接着剤。
【請求項4】
前記ポリマーが、N−ビニルカプロラクタムホモポリマーである、請求項1に記載の感圧接着剤。
【請求項5】
前記ポリマーが、N−ビニルピロリドンコポリマーである、請求項1に記載の感圧接着剤。
【請求項6】
前記ポリマーが、N−ビニルカプロラクタム/N−ビニルピロリドンコポリマー及びビニルアセテート/N−ビニルピロリドンコポリマーからなる群から選択され、該ビニルアセテート/N−ビニルピロリドンコポリマーが、約20重量%〜約60重量%のN−ビニルピロリドンを含む、請求項5に記載の感圧接着剤。
【請求項7】
前記ポリマーが、約30重量%〜約50重量%のN−ビニルピロリドンを含むN−ビニルピロリドン及びビニルアセテートのコポリマーである、請求項6に記載の感圧接着剤。
【請求項8】
前記N−ビニルピロリドンコポリマーが、約30重量%以下のN−ビニルピロリドンを含む、請求項1に記載の感圧接着剤。
【請求項9】
前記ポリマーが、約10,000ダルトン〜約100,000ダルトンの全体の数平均分子量を有する、請求項1に記載の感圧接着剤。
【請求項10】
前記ポリマーが、最高約10重量%のコモノマーを更に含み、該コモノマーが、カルボン酸基もテトラアルキルアンモニウム基も有さない、請求項1に記載の感圧接着剤。
【請求項11】
前記可塑剤が、20℃で約0.1mm Hg(13.3Pa)未満の蒸気圧を有する、請求項1に記載の感圧接着剤。
【請求項12】
前記可塑剤が、約5g/100g未満の水溶性を有する、請求項1に記載の感圧接着剤。
【請求項13】
前記可塑剤が、炭素対酸素のモル比が約2.5:1よりも大きいポリエーテルグリコール、ポリエステルポリオール、C5〜C10アルキルジオール、プロピレングリコールのC4〜C10カルボキシレートモノエステル、グリセリンのC4〜C10カルボキシレートモノエステル及びジエステル、プロピレングリコールのC4〜C10アルキルモノエーテル、グリセリンのC4〜C10アルキルモノエーテル及びジエーテル、乳酸のC4〜C10アルキルエステル、クエン酸のC2〜C4トリエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の感圧接着剤。
【請求項14】
前記可塑剤がポリエーテルポリオールである、請求項13に記載の感圧接着剤。
【請求項15】
前記可塑剤がポリプロピレングリコールである、請求項14に記載の感圧接着剤。
【請求項16】
相対湿度75%及び40℃で2日経過後に、重量増加が約15%未満である、請求項1に記載の感圧接着剤。
【請求項17】
相対湿度75%及び40℃で2日経過後に、重量増加が約10%未満である、請求項16に記載の感圧接着剤。
【請求項18】
可撓性裏材、及び請求項1に記載の感圧接着剤を該可撓性裏材の一方の面の少なくとも一部に含む、皮膚接触用途のためのデバイス。
【請求項19】
前記裏材が、24時間当たり少なくとも約500g/mの湿気透過速度を有する、請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記裏材が、複数の開口部又は孔を含む、請求項18に記載のデバイス。
【請求項21】
前記裏材が水溶性である、請求項18に記載のデバイス。
【請求項22】
吸収性パッドを更に含む、請求項18に記載のデバイス。
【請求項23】
前記吸収性パッドが水溶性である、請求項22に記載のデバイス。
【請求項24】
前記裏材、前記感圧接着剤、又はその両方に、剥離可能に接着されている支持層を更に含む、請求項18に記載のデバイス。
【請求項25】
テープ、絆創膏、創傷包帯、又はパッチである、請求項18に記載のデバイス。
【請求項26】
前記デバイスが、体表面に1つ以上の活性剤を送達するようデザインされたパッチであり、前記パッチが、前記裏材、前記感圧接着剤、又はその両方に関連して1つ以上の活性剤を含む、請求項18に記載のデバイス。

【公表番号】特表2012−525474(P2012−525474A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508550(P2012−508550)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/032230
【国際公開番号】WO2010/129199
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】