説明

水系ポリウレタンコーティング

水系ポリウレタンコーティング組成物が提供される。1つの例示的な水系コーティング組成物は、実質的に水を含まないベース成分および活性化因子成分を含む。上記実質的に水を含まないベース成分は、少なくとも親水性ポリオールを含み、上記活性化因子成分は、少なくとも疎水性イソシアネートを含む。本発明の特定の実施形態によれば、上記水系コーティング組成物は、以前の水系組成物より遙かに優れ、かつこれらの溶媒系対応物に匹敵する性能特徴を示す。さらに、本発明の水系コーティング組成物の特定の実施形態は、顕著に低下したVOCを有し、手動で混合され得、高剪断混合の必要性を排除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(連邦により後援された研究に関する申告)
本発明は、米国空軍により授与された契約番号No.FA8650−05−C−5010のもと政府の支援でなされた。米国政府は、本発明における特定の権利を有し得る。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、水系ポリウレタンコーティング組成物に関する。より具体的には、本発明は、とりわけ、航空宇宙用の適用における使用に適した、揮発性有機成分が減少した水系ポリウレタンコーティング組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
種々の物品(例えば、航空機および航空宇宙用輸送手段)は、しばしば、耐溶媒性、耐燃料性および耐液圧性、耐候性、耐摩耗性、硬度、および/もしくは審美性のような特性を達成するためにコーティングされる。そのために、ポリウレタンコーティングが使用されてきた。上記ポリウレタンコーティングは、一般に、活性化因子、ベース成分および希釈剤を含む。代表的には、上記活性化因子は、有機ポリイソシアネートであり、上記ベース成分は、ヒドロキシル含有ポリマー樹脂であり、上記希釈剤は、溶媒混合物である。例えば、航空宇宙用の適用に必要とされる高性能を達成するために、大量の溶媒が、フィルム特性と、外観および審美性とのバランスをとるために使用される。しかし、このような大量の溶媒の使用は、大量の揮発性有機成分(「VOC」)、すなわち、環境保護機関の計算法によれば、代表的な溶剤系処方物中に約420g/Lを生じる。これら処方物中で使用されるVOCの量を減らすことは、環境保護意識的かつ経済的理由で望ましく、同様に、常に変化している政治上の基準を満たすために望ましい。従って、溶剤系ポリウレタンコーティング組成物中の有機溶媒を水で置換する試みがなされてきた。
【0004】
ポリウレタンコーティング中のVOCの量を減らすために、水系ポリウレタンコーティングが開発されてきた。しかし、これまでは、水系ポリウレタンコーティングは、溶剤系コーティングの高性能に対抗することができなかった。水系ポリウレタンコーティングの性能には欠点がある。なぜなら、上記コーティングにおいて使用される水系ポリオール樹脂は、上記活性化因子と合わせる前に、貯蔵のために水中に分散されるからである。上記水系ポリオール樹脂はしばしば、低分子量および多くのエステル結合を有し、このことは、上記水系ポリオール樹脂を、時間を経て加水分解されやすくする。加水分解は、上記樹脂の全体的分子量を低くし、このことは、不十分な耐衝撃性、ポットライフ、光沢などを示す低分子量産物を生じる。さらに、上記加水分解速度は、バッチ番号、pH、および貯蔵時間のような異なる条件下で制御するのは困難であり、フィルム性能において顕著な変動を生じる。
【0005】
また、水系ポリウレタンコーティングはしばしば、水系ポリオール樹脂と、親水性イソシアネートとを高剪断混合することによって、調製される。高剪断エネルギーは、上記水性イソシアネートと上記ポリオール樹脂とを完全に混合するために必要とされる。上記ポリオール樹脂コロイドと、上記イソシアネートとの間の境界を克服するために、高剪断エネルギーが使用されて、上記イソシアネートを、上記ポリオール樹脂のミセルの中に移動しやすくする。従って、その硬化反応は、新たなミセルの内部で起こって、上記水系ポリウレタンコーティング組成物を形成する。しかし、高剪断混合は、上記イソシアネートおよびポリオール成分を完全に混合するために高圧および高剪断エネルギーを要する装置(例えば、ディゾルバーミキサー、およびジェット分散スプレーガン)を使用する。この装置は、多くの適用について利用可能ではない;例えば、上記装置は、例えば、自動車、ならびに航空機および航空宇宙用輸送手段の迅速な現場修復には利用可能でない。
【0006】
最終的に、従来の水系ポリウレタンコーティングの上記ポリオール成分は、水中のポリオールの分散物を含む。上記で議論したように、このような懸濁物は、不安定なポリオール成分を生じる。なぜなら、上記ポリオールは、低分子へと加水分解し得るからである。また、水中の上記ポリオールの分散物は、高剪断混合を要する。さらに、ポリオール成分は、しばしば、顔料および他の添加剤(例えば、アルミニウム粉末)を含み、これは、貯蔵条件下で水相において安定でない。これら顔料および添加剤は、水と反応し得、上記水系コーティングの開発を制限し、上記コーティングの性能に悪影響を与えている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
本発明は、水系ポリウレタンコーティング組成物を含み、上記組成物は、一実施形態において、実質的に水を含まないベース成分、活性化因子および水を含む。上記実質的に水を含まないベース成分は、ポリオール樹脂を含み、上記活性化因子は、イソシアネートを含む。イソシアネート成分とポリオール成分との組み合わせは、水相で分散され、耐水性のために安定な分散物を形成するに十分に、ちょうどよい親水性である。上記成分の親水性が過度であれば、上記硬化コーティングの耐水性は、非常に高く、高性能コーティング適用に関して不適切である。
【0008】
上記実質的に水を含まないベース成分は、少なくとも親水性ポリオール樹脂を含み、上記親水性ポリオール樹脂は、任意の親水性ポリオール樹脂であり得る。非限定的例としては、親水性ポリエステルポリオール、親水性ポリエーテルポリオール、親水性ポリウレタンポリオール、親水性アルキドポリオール、親水性カプロラクトンポリオール、および親水性アクリル性ポリオールが挙げられる。別の実施形態によれば、上記実質的に水を含まないベース成分は、疎水性ポリオール樹脂および親水性ポリオール樹脂の混合物を含む。この実施形態において上記親水性ポリオール樹脂は、上記ベース成分において、少なくとも約10重量%の量で存在し得る。
【0009】
上記活性化因子は、任意の適切なイソシアネートであり得る。例えば、一実施形態において、上記活性化因子は、少なくとも疎水性イソシアネート成分を含む。別の実施形態において、上記活性化因子は、疎水性イソシアネート成分および親水性イソシアネート成分の混合物を含む。疎水性イソシアネート成分および親水性イソシアネート成分の混合物が使用される場合、上記疎水性イソシアネート成分は、少なくとも約30重量%の量で存在する。
【0010】
本発明のコーティング組成物は、特定の実施形態において、3成分系であり、ここで上記実質的に水を含まないベース成分、活性化因子および水は、別個に貯蔵され、そして適用直前まで合わされない。上記ポリオールベース成分は、実質的に水非含有環境において貯蔵されるので、上記ポリオール樹脂は、加水分解せず、それによって、貯蔵安定性の時間を長くし、コーティング品質を改善する。このようなコーティング組成物を作り出すために、上記ポリオールベース成分は、最初に、上記活性化因子成分と混合される。水は、上記ベース成分および活性化因子成分とを完全に混合した後に添加されて、上記2成分の反応を促進する。上記ベース成分および活性化因子成分の完全な混合は、硬化およびフィルム形成を改善し、そして溶剤系ポリウレタンコーティング組成物に匹敵する性能特徴を付与する。
【0011】
上記水は、上記組成物を薄めるが、その主な目的は、上記ベース成分の上記ポリオールおよび上記活性化因子の上記イソシアネートを分散させて、これら成分の反応を促進することである。上記ベース成分、イソシアネートおよび水を混合した後に、さらなる希釈剤が添加されて、容易な適用を可能にするために上記コーティングの粘性を調節し得る。このさらなる希釈剤は、溶媒もしくはより多くの水であり得るが、溶媒が使用される場合、望ましくは、上記コーティング組成物中のVOCの含有量が低い(すなわち、一実施形態において、約100g/L未満、別の実施形態において、約70g/L未満、およびなお別の実施形態において約50g/L未満)ままである量までは、使用される。上記コーティング組成物中のVOCの量をさらに最小にするために、水は、上記希釈剤として使用され得る。
【0012】
本発明の特定の実施形態によれば、上記水系コーティング組成物は、以前の水系組成物より遙かに優れ、かつこれらの溶媒系対応物に匹敵する性能特徴を示す。さらに、本発明の水系コーティング組成物の特定の実施形態は、顕著に低下したVOCを有し、手動で混合され得、高剪断混合の必要性を排除する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(発明の詳細な説明)
例えば、航空用、航空宇宙用、自動車用、工業用、および建築用の適用に有用な水系ポリウレタンコーティング組成物が提供される。上記組成物は、VOCが低く、溶媒系ポリウレタンコーティング組成物の性能特徴に匹敵する性能特徴を示す。一実施形態において、水系ポリウレタンコーティング組成物は、実質的に水を含まないベース成分、活性化因子および水を含む、3成分系である。上記実質的に水を含まないベース成分は、ポリオール樹脂を含み、上記活性化因子成分は、イソシアネートを含む。一実施形態において、上記ポリオール樹脂は、実質的に無水であるが、代替の実施形態において、上記ポリオール樹脂は、完全に無水である。用語「実質的に水を含まない」とは、本明細書において使用される場合、上記ベース成分における成分が水に分散されないことを意味する。用語「3成分系」とは、当該分野で公知であり、適用前の、上記ベース成分および活性化因子の別個の貯蔵をいう。上記混合物の3成分は、適用の直前まで合わせられない。
【0014】
上記コーティングの上記実質的に水を含まないベース成分は、少なくとも親水性ポリオール樹脂を含む。しかし、代替の実施形態において、上記実質的に水を含まないベース成分は、親水性ポリオール樹脂の混合物、または親水性ポリオール樹脂および疎水性ポリオール樹脂の混合物を含む。上記実質的に水を含まないベース成分が、親水性ポリオール樹脂および疎水性ポリオール樹脂の混合物を含む場合、上記親水性ポリオール樹脂は、上記ベース成分の総重量に基づいて、上記ベース成分において、少なくとも約10重量%の量で存在し得る。例えば、一実施形態において、上記親水性ポリオール樹脂は、上記ベース成分の総重量に基づいて、約10〜80重量%の範囲に及ぶ量で存在し、上記疎水性ポリオール樹脂は、上記ベース成分の総重量に基づいて、約20〜90重量%の範囲に及ぶ量で存在する。
【0015】
一実施形態において、上記親水性ポリオールは、上記ポリオール樹脂を水分散性にすることができる親水性基を含む。このような親水性ポリオールは、当該分野で周知であり、上記親水性基は、イオン性の水分散性基もしくは非イオン性の水分散性基であり得る。上記イオン性の水分散性基は、アニオン性基、非イオン性基、もしくはアニオン性基と非イオン性基との組み合わせであり得る。カチオン性基はまた、いくつかの場合において使用され得る。適切なアニオン性の水分散性基の非限定的例としては、カルボキシル基、ホスホン基(phosphonic group)、スルホン酸基、およびこれらの組み合わせを含む。適切な非イオン性の水分散性基の非限定的例としては、ポリアルキレンオキシド基(例えば、ポリエチレンオキシド基)が挙げられる。1つの例示的な水溶性樹脂は、カルボキシル基を有するものであるが、このような基は、水溶性にするために、アルカリ塩へと中和されなければならない。アニオン性水分散性基および非イオン性の水分散性基の組み合わせが使用される場合、中和は、必要でないかも知れない。上記ポリオール樹脂は、上記オリゴマー自体を水分散性にするに十分な濃度の結合した親水性の水分散性基を含む。しかし、その最終コーティング生成物の水感受性に欠陥を生じさせるのを防ぐために、上記水分散性基の濃度は、上記オリゴマーが容認しがたい高い水溶性を有するレベルより下に維持する。
【0016】
上記親水性ポリオール樹脂は、任意の適切な親水性樹脂であり得、ヒドロキシル基およびカルボキシル基の両方を含む。適切な親水性ポリオール樹脂の非限定的例としては、ポリエステル、ポリエーテル、アルキド、ポリウレタン、カプロラクトンおよびアクリル性ポリオールが挙げられる。特定の実施形態において、上記親水性ポリオール樹脂は、サンプル1gあたり、約20〜120mgのKOH(例えば、サンプル1gあたり約30〜100mgのKOH)に及ぶ範囲のOH(ヒドロキシル)価を有する。また、上記親水性ポリオール樹脂は、特定の実施形態において、サンプル1gあたり、約10〜90mgのKOH(例えば、サンプル1gあたり約20〜80mgのKOH、またはいくつかの場合において、約30〜70mgのKOH/g)の範囲に及ぶ酸価を有する。
【0017】
特定の実施形態において、上記親水性ポリオールは、第1に、サンプル1gあたり、約50〜300mgのKOH(例えば、サンプル1gあたり約100〜250mgのKOH)の範囲に及ぶOH価を有する疎水性ヒドロキシル含有ポリオールを調製する工程を包含する、2工程プロセスによって調製される。上記疎水性ヒドロキシル含有ポリオールはまた、特定の実施形態において、サンプル1gあたり、約5mg未満のKOHの酸価を有する。上記疎水性ヒドロキシル含有ポリオールは、無水物と反応して、サンプル1gあたり約20〜120mgのKOHの範囲に及ぶOH価およびサンプル1gあたり約10〜90mgのKOHの範囲に及ぶ酸価を有する、所望の親水性ポリオールを生じる。上記無水物は、望ましい酸価を有するポリオールを生じるに十分な量で使用される。このような反応に通常使用される任意の無水物が、使用され得る。適切な無水物の非限定的例としては、ヘキサヒドロフタル酸無水物、トリメリット酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、琥珀酸無水物、およびこれらの混合物が挙げられる。一実施形態において、上記無水物は、シクロ脂肪族ポリカルボン酸の無水物(例えば、ヘキサヒドロフタル酸無水物)である。カルボン酸無水物と反応する代わりとして、上記酸基は、ジメチロールプロピオン酸などを使用して、上記ポリオール中に組み込まれ得る。
【0018】
使用される場合、上記疎水性ポリオール樹脂は、任意の適切な疎水性ポリオール樹脂であり得、その非限定的例としては、ヒドロキシル基および酸基を含む、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、アルキド樹脂、カプロラクトンならびにアクリル性ポリオールが挙げられる。特定の実施形態において、上記疎水性ポリオール樹脂は、サンプル1gあたり約50〜300mgのKOH(例えば、サンプル1gあたり約100〜200mgのKOH)の範囲に及ぶOH価を有する。また、上記疎水性ポリオール樹脂は、特定の実施形態において、サンプル1gあたり約0〜5mgのKOHの範囲に及ぶ酸価を有する。
【0019】
上記ベース成分の成分は、上記活性化因子成分と合わせる前に貯蔵される場合には、水中で分散されないが、上記ベース成分は、上記活性化因子と適切に反応して、コーティング組成物を形成するために、水分散性でなければならない。上記実質的に水を含まないベース成分を水に分散性にするために、上記親水性基は、三級アミン、無機塩基、もしくはアンモニアで中和される。適切な三級アミンの非限定的例としては、トリエチルアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリメチルアミン、およびN,N−ジメチルエタノールアミンが挙げられる。適切な無機塩基の非限定的例としては、アルカリ金属のヒドロキシドおよびアルキル金属のカーボネート(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、および炭酸水素ナトリウム)が挙げられる。
【0020】
疎水性ポリオール樹脂および親水性ポリオール樹脂の混合物が上記実質的に水を含まないベース成分として使用される場合、上記ベース成分は、上記疎水性ポリオール樹脂と、上記親水性樹脂とを混合して、所望のポリオール混合物を提供することによって、調製される。上記ポリオール結合剤に加えて、上記ベース成分は、溶媒、触媒、顔料、添加剤などをさらに含み得る。上記ベース成分に添加されることに加えて、溶媒は、以下でさらに議論されるように、上記活性化因子に添加され得る。
【0021】
溶媒が、上記ベース成分もしくは上記活性化因子のいずれかに添加される場合、比較的少量を使用するだけにして、得られたコーティング組成物におけるVOCを最小にすることは、しばしば望ましい。上記添加された溶媒は、しばしば、粘性を低下させ、フィルム形成を制御し、そして/または特定のフィルム欠陥を排除するように働く。例えば、上記添加された溶媒は、下塗り表面を濡らし得、上記コーティングの表面張力を低下させ得、上記コーティングの結合剤樹脂を溶解させ得、混合を容易にし得、フィルム形成を制御し得、上記硬化反応のための環境を提供し得、そして/または得られるコーティングの適用時間およびポットライフを調節し得る。適切な有機溶媒の非限定的例としては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ケトン、およびエステルが挙げられる。適切な脂肪族炭化水素の非限定的例としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどが挙げられる。適切な芳香族炭化水素の非限定的例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。適切なケトンの非限定的例としては、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルヘキシルケトン、エチルブチルケトンなどが挙げられる。適切なエステルの非限定的例としては、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、酢酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。溶媒の混合物は、コーティング特徴(例えば、接着および外見の特性)を最適化するために使用され得る。使用される場合、上記溶媒は、ときおり、上記コーティング組成物の総重量に基づいて、約1〜3重量%の範囲に及ぶ量(例えば、約1〜2重量%)で存在する。
【0022】
上記コーティング組成物は、コーティング組成物のための従来の添加剤(例えば、顔料、充填剤、UV吸収剤、流動補助物質(flow aid)、レオロジー制御剤、および上記硬化反応のための触媒)をさらに含み得る。触媒は、上記硬化反応を促進し、三級アミン触媒、金属化合物触媒、もしくはこれらの組み合わせであり得る。適切な三級アミン触媒の非限定的例としては、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、トリエチレンジアミン、ピリジン、ピコリンなどが挙げられる。適切な金属化合物触媒の非限定的例としては、鉛、亜鉛、コバルト、チタネート、鉄、銅、およびスズの化合物が挙げられる。例えば、上記金属化合物触媒は、鉛2−エチルヘキソエート、亜鉛2−エチルヘキソエート、ナフテン酸コバルト、テトライソプロピルチタネート、ナフテン酸鉄、ナフテン酸銅、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクテート、ジブチルスズジラウレートなどであり得る。
【0023】
使用される場合、上記触媒は、上記コーティング組成物中の上記樹脂固体の総重量に基づいて、約0.001〜0.05重量%の範囲に及ぶ総量で存在する。例えば、上記触媒は、上記コーティング組成物中の上記樹脂固体の総重量に基づいて、約0.005〜0.02重量%の範囲に及ぶ量で存在し得る。
【0024】
用語「顔料」とは、充填剤および増量剤、ならびに従来の顔料を含む。顔料は、上記最終コーティング組成物に色もしくは不透明度を付与する粒状物質である。増量剤および充填剤は、通常は、処方物のコストを低下させるか、またはその特性を改変するために使用され得る無機物質である。適切な顔料の非限定的例としては、カーボンブラック、二酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化鉄(III)、ケイ酸アルミニウム、硫酸バリウム、および着色顔料(color pigment)が挙げられる。使用される場合、上記顔料は、ときおり、上記コーティング組成物の総固体重量に基づいて、約10〜50重量%(例えば、約20〜40重量%)の範囲に及ぶ量で存在する。
【0025】
上記活性化因子は、少なくとも疎水性イソシアネートを含む。しかし、代替的実施形態において、上記活性化因子は、親水性イソシアネートおよび疎水性イソシアネートの混合物を含み得る。上記疎水性イソシアネートは、2個以上のイソシアネート基を有する。すなわち、上記イソシアネートは、ダイマー、トリマー、付加物、ポリマーイソシアネートおよびプレポリマーイソシアネートから選択され得る。上記疎水性イソシアネートは、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、もしくはこれらの組み合わせを含み得る。適切な芳香族イソシアネートの非限定的例としては、トルエン2,4−ジイソシアネート、トルエン2,6−ジイソシアネート、4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート、2,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート、ポリマーメチレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、ナフタレン1,5−ジイソシアネート、ナフタレン2,4−ジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネートなどが挙げられる。適切な脂肪族イソシアネートの非限定的例としては、イソホロンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。これらイソシアネートの多くは、Bayer Corporation、BASF、ICI、Dow、Huntsman、およびDegussaのような会社から市販されている。
【0026】
適切な水性イソシアネートの非限定的例としては、ポリエチレンオキシド機、スルホネート塩基などを含むイソシアネートが挙げられる。これらイソシアネートはまた、ダイマー、トリマー、付加物、ポリマーイソシアネートおよびプレポリマーイソシアネートから選択され得る。適切な水性イソシアネートは、Bayer Corporation、BASF、ICI、Dow、Huntsman、およびDegussaのような会社から市販されている。例えば、適切な市販の製品としては、Bahydur 302、XP7156、VPLS2319、VPLS2336、XP2570が挙げられ、これらは全て、Bayer Corporationから市販されている。
【0027】
上記のように、少量の有機溶媒は、上記活性化因子成分に添加されて、粘性を調節し得る。この目的で適切な溶媒は、上記ベース成分と関連して上記に列挙されたものと同じである。使用される場合、上記溶媒は、上記活性化因子成分において、一実施形態において、約100g/L未満、別の実施形態において、約70g/L未満、およびなお別の実施形態において、約50g/L未満のVOCの量を有するコーティング組成物を与えるために十分な量にまで、存在する。一実施形態において、例えば、上記溶媒は、上記ポリイソシアネートの総重量に基づいて、上記活性化因子成分において、約0.5〜1重量%の範囲に及ぶ量で存在し得る。
【0028】
上記コーティング組成物中の上記ベース成分および活性化因子成分の量は、イソシアネート基 対 ヒドロキシル基の比が、約3:1〜1:1(例えば、約2:1〜1:1)の範囲に及ぶように選択される。
【0029】
上記実質的に水を含まないベース成分および活性化因子成分に加えて、いくつかの実施形態において、上記水系ポリウレタンコーティングは、希釈剤をさらに含む。上記希釈剤は、適用粘性を調節するように働き、そしてフィルム形成および硬化のための環境を提供する。一実施形態において、上記希釈剤は、少なくともレオロジー制御添加剤を含む。しかし、望ましい場合、上記希釈剤はまた、補助物質および添加剤、1種以上のアクリル性ポリオールエマルジョン、および有機溶媒を含み得る。
【0030】
上記水系ポリウレタンコーティング組成物を調製するために、上記ベース成分および活性化因子成分、および使用される場合には、上記希釈剤は、単純な機械的混合プロセスもしくは手動混合によって混合される。上記個々の成分は、適用の直前まで、別個に維持される。上記活性化因子成分およびベース成分は、最初に混合され、次に、使用される場合には、上記希釈剤が添加され、イソシアネートおよびポリオールの両方を含むエマルジョンミセルが生じる。
【0031】
本発明のコーティング組成物は、任意の適切なコーティング法を使用して適用され得、そして任意の適切な乾燥フィルム厚に塗布され得る。
【0032】
例えば、特定の実施形態において、上記コーティング組成物は、約1ミル〜6ミルの範囲に及ぶ乾燥フィルム厚へと塗布される。一実施形態において、上記コーティング組成物は、約2ミル〜4ミルの範囲に及ぶ乾燥フィルム厚へと塗布される。
【0033】
本発明のコーティング組成物は、刷毛で塗る(brushing)、噴霧、浸漬、延ばす(rolling)、流しかける(flowing)などによって適用され得る。適用の際に、フィルム形成は、加熱ありもしくはなしで達成され得る。上記コーティング組成物は、周囲温度で少なくとも約1週間にわたって、もしくは60℃において約24時間にわたって、硬化させた後に、優れたフィルム性能を発揮する。特定の実施形態において、上記コーティング組成物は、約8〜24時間で乾燥からテープ状(tape)である。
【0034】
本発明のコーティング組成物は、任意の適切な基材、しばしば、下塗り上に適用され得、そしてトップコート、ベースコートもしくはクリアコートとして使用され得る。あるいは、上記コーティング組成物は、1回コーティングシステムとして使用され得、別のトップコート、ベースコートおよび/もしくはクリアコートの必要性を排除し得る。
【0035】
適切な基剤としえては、金属基材およびポリマー基材が挙げられるが、これらに限定されない。適切な金属基材としては、例えば、冷延鋼、ステンレス鋼および亜鉛金属、亜鉛化合物および亜鉛合金のいずれかで表面処理した鋼(電子亜鉛メッキ鋼、溶融亜鉛メッキ(hot−dipped galvanized)鋼、GALVANNEAL鋼、および亜鉛合金でメッキされた鋼を含む)、銅、マグネシウム、およびこれらの合金、アルミニウム合金、亜鉛−アルミニウム合金(例えば、GALFAN、GALVALUME、アルミニウムメッキ鋼)から構築されるホイル、シート、もしくは素材(workpiece)が挙げられるが、これらに限定されず、アルミニウム合金メッキ鋼基材もまた、使用され得る。また、適切な金属基材としては、銀、金、およびこれらの合金が挙げられる。
【0036】
適切なポリマー基材の例は、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、メラミン樹脂、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリビニルクロリド、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、ならびに対応するコポリマーおよびブロックコポリマー、生分解性ポリマーおよび天然ポリマー(例えば、ゼラチン)である。
【0037】
認識されるように、本発明はまた、本発明のコーティング組成物から被覆されたコーティングで少なくとも部分的にコーティングされた基材、ならびに本発明のコーティング組成物を利用して基材をコーティングするための関連方法に関する。
【実施例】
【0038】
以下の非限定的実施例は、本発明に従う水系ポリウレタンコーティング組成物の例示的組成を例示する。実施例および比較実施例において、以下の表1に列挙される原材料は、以下に示されるように記載され得る:
【0039】
【表1】

(比較実施例)
以下の比較実施例1および2に従う水系コーティング組成物を、上記ベース成分、上記活性化因子成分および上記希釈剤を別個に調製しかつ貯蔵することによって、調製した。上記コーティング組成物の適用直前に、上記ベース成分を、高剪断混合装置を使用して、上記活性化因子成分と混合した。次いで、上記希釈剤を添加し、上記混合物を再び混合した。得られた組成物を、例えば、HVLP(高容積低圧)スプレーガンを通して、PRC−DeSoto Int.,Inc.から市販されるCA7700下塗り剤でコーティングしたアルミニウム基材上に噴霧することによって適用した。
【0040】
(比較実施例1)
水系ポリウレタンコーティングを調製した。これは、表2に列挙される組成を有する。このコーティングは、VOCレベル99.66g/Lおよび不揮発性物質(「NVM」)レベル49.96%を有した。
【0041】
【表2】

(比較実施例2)
水系ポリウレタンコーティングを調製した。これは、表3に列挙される組成を有した。このコーティングは、VOCレベル24.46g/LおよびNVMレベル49.45%を有した。
【0042】
【表3】

(実施例)
以下の実施例1〜7に従う水系コーティング組成物を、上記ベース成分、上記活性化因子成分および上記希釈剤を別個に調製しかつ貯蔵することによって調製した。上記コーティング組成物を基材に適用する直前に、上記ベース成分を、例えば、スパチュラを使用して、上記活性化因子成分と手動で混合した。次いで、上記希釈剤を添加し、上記混合物を、再び手動で混合した。各得られた組成物を、例えば、HVLP(高容積定圧)スプレーガンを通して、PRC−DeSoto Int.,Inc.から市販されるCA7700下塗り剤でコーティングしたアルミニウム基材上に噴霧することによって適用した。次いで、上記適用されたコーティングを、周囲温度で約1週間にわたって硬化させた。
【0043】
(実施例1)
水系ポリウレタンコーティングを調製した。これは、表4に列挙される組成を有した。このコーティングは、VOCレベル43.50g/LおよびNVMレベル66.5%を有した。
【0044】
【表4】

(実施例2)
水系ポリウレタンコーティングを調製した。これは、表5に列挙される組成を有した。このコーティングは、VOCレベル69.60g/LおよびNVMレベル42.34%を有した。
【0045】
【表5】

(実施例3)
水系ポリウレタンコーティングを調製した。これは、表6に列挙される組成を有した。このコーティングは、VOCレベル50.42g/LおよびNVMレベル62.20%を有した。
【0046】
【表6】

(実施例4)
水系ポリウレタンコーティングを調製した。これは、表7に列挙される組成を有した。このコーティングは、VOCレベル50.44g/LおよびNVMレベル62.20%を有した。
【0047】
【表7】

(実施例5)
水系ポリウレタンコーティングを調製した。これは、表8に列挙される組成を有した。このコーティングは、VOCレベル49.59g/LおよびNVMレベル62.00%を有した。
【0048】
【表8】

(実施例6)
水系ポリウレタンコーティングを調製した。これは、表9に列挙される組成を有した。このコーティングは、VOCレベル70.80g/LおよびNVMレベル52.80%を有した。
【0049】
【表9】

(実施例7)
水系ポリウレタンコーティングを調製した。これは、表10に列挙される組成物を有した。このコーティングは、VOCレベル69.60g/LおよびNVMレベル47.89%を有した。
【0050】
【表10】

(試験および結果)
上記実施例に示されるように、上記得られたコーティング組成物のVOCレベルは、上記ベース成分、活性化因子成分および希釈剤の量および含有量を調節することによって制御され得る。従って、いくつかの実施形態において、上記コーティング組成物は、例えば、実施例6に示されるように、約100g/L未満のVOCレベルを有する。他の実施形態において、上記コーティング組成物は、例えば、実施例2、3、4および7に示されるように、約70g/L未満のVOCレベルを有する。なお別の実施形態において、上記コーティング組成物は、例えば、実施例1および5に示されるように、約50g/L未満のVOCレベルを有する。
【0051】
上記実施例および比較実施例を、種々の性能特徴(テープ接着、濁りおよび鏡面光沢度(20°および60°の入射角で測定した)、耐MEK(メチルエチルケトン)性、指触乾燥時間(set−to−touch time)、耐衝撃性、耐熱水性および耐skydrol性を含む)を確かめるために試験した。さらに、上記NVMパーセンテージおよびVOCレベル(g/L単位)を、各実施例および比較実施例について決定した。上記NVMパーセンテージを、ASTM D2369に従って決定し、上記VOCレベルを、ASTM D3960に従って決定した。上記実施例および比較実施例についてのNVMパーセンテージおよびVOCレベルを、上記で報告する。
【0052】
(テープ接着)
テープ接着を、ASTM D3359に従って決定した。結果を、表11に報告する。
【0053】
【表11】

(濁りおよび鏡面光沢度)
濁りおよび鏡面光沢度を、BYK−Gardner Haze−Glossを使用して、ASTM E430およびD523に従って決定した。その結果を、表12に報告する。
【0054】
【表12】

(耐MEK性)
耐MEK性を、200 MEK 2回摩擦(double rub)に対して、ASTM D5402に従って決定した。その結果を、表13に報告する。
【0055】
【表13】

(指触乾燥時間)
指触乾燥時間を、ASTM D1640に従って決定した。その結果を表14に報告する。
【0056】
【表14】

(耐衝撃性)
耐衝撃性を、BYK−Gardner Impact Testerを使用して、ASTM D2794に従って決定した。その結果を、表15に報告する。
【0057】
【表15】

(耐熱水性)
耐熱水性を、ASTM D870に従って決定した。各サンプルを、158°Fにおいて24時間にわたって脱イオン水に浸した。その結果を、表16に報告する。
【0058】
【表16】

(耐Skydrol性)
耐Skydrol性を、ASTM D870に従って決定した。各サンプルを、158°Fにおいて24時間にわたってSkydrol LD−4液圧用作動油(Solutia, Inc.から市販される)中に浸した。その結果を、表17に報告する。
【0059】
【表17】

上記試験結果から認められるように、水中に分散されたベース成分を含む比較実施例1と比較して、実施例1〜7に従う水系コーティング組成物は、VOCレベルを劇的に減少させた。さらに、実施例1〜7に従う水系組成物は、性能特性を顕著に改善した。例えば、実施例1〜7に従う水系組成物は、比較実施例1および2に従う組成物よりも、顕著に良好な耐衝撃性および鏡面光沢度を示した。また、比較実施例2に従う組成物は、より低いVOCレベルを有するが、比較実施例2に従う組成物は、実施例1〜7に従う組成物と比較して、遙かに不十分な性能特徴を示す。実施例1〜7に従う組成物は、非常に低いVOCレベルを優れた性能特性と一緒にすることができた。これは、水系コーティング組成物中で以前は達成できなかった偉業である。
【0060】
さらに、実施例1〜7に従う水系コーティング組成物は、従来の溶剤系コーティング組成物のものに類似の性能特徴を示す。特に、1つの市販の溶剤系コーティング組成物は、CA8000であり、これは、PRC−DeSoto Int.,Inc.から市販されている。この溶剤系コーティング組成物の10.5/83.6において上記濁りおよび20° 鏡面光沢度は、実施例1〜7に従う水系組成物について上記で報告される値に非常に類似している。また、100/100 インチポンドにおけるこの溶媒系組成物の耐衝撃性は、実施例1〜7に従う水系組成物について報告されるものと同じである。従って、本発明の水系組成物は、低下したVOCを有するのみならず、従来の水系組成物と比較して、劇的に改善した性能特徴をも有し、これは、それらの溶媒系対応物の性能を最後には匹敵し、例えば、航空宇宙産業の高性能要件を満たす。
【0061】
本発明は、例示的実施形態および局面に言及して記載されてきたが、それらに限定されない。当業者は、他の改変および適用が、本発明から重大に逸脱することなくなされ得ることを理解する。例えば、上記コーティング組成物は、単純な機械的混合プロセスによって、または手動の混合によって、混合されると記載される。しかし、他の混合プロセスがまた、本発明のコーティング組成物を混合するために使用され得ることが理解される。また、上記コーティング組成物は、航空宇宙産業用の適用に有用であると記載されているが、他の適用についても同様に有用であり得る。よって、前述の説明は、記載される正確な実施形態および局面に限定されるとして読まれるべきではないが、以下の特許請求の範囲と一貫しかつこれを裏付けるとして読まれるべきであり、以下の特許請求の範囲は、それらの最大のかつ最も公正な範囲を有するべきである。
【0062】
本文および特許請求の範囲全体を通して、数値に関連する用語「約」の使用は、記載される高値および低値の両方を修飾することが意図され、全て、本発明が属する技術分野の当業者によって理解されるように、測定、有効数字、および交換可能性と関連した変量の周辺部を反映する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水系コーティング組成物であって、
少なくとも親水性ポリオール樹脂を含む、実質的に水を含まないベース成分;
少なくとも疎水性ポリイソシアネートを含む、活性化因子成分;および
水、
を含む、組成物。
【請求項2】
前記水系コーティング組成物は、約100g/L未満の揮発性有機成分を含む、請求項1に記載の水系コーティング組成物。
【請求項3】
前記水系コーティング組成物は、約70g/L未満の揮発性有機成分を含む、請求項1に記載の水系コーティング組成物。
【請求項4】
前記水系コーティング組成物は、約50g/L未満の揮発性有機成分を含む、請求項1に記載の水系コーティング組成物。
【請求項5】
希釈剤をさらに含む、請求項1に記載の水系コーティング組成物。
【請求項6】
前記希釈剤は、水である、請求項5に記載の水系コーティング組成物。
【請求項7】
前記実質的に水を含まないベース成分は、疎水性ポリオール樹脂をさらに含む、請求項1に記載の水系コーティング組成物。
【請求項8】
前記実質的に水を含まないベース成分は、前記実質的に水を含まないベース成分の総重量に基づいて、少なくとも約10重量%の前記親水性ポリオール樹脂を含む、請求項7に記載の水系コーティング組成物。
【請求項9】
前記親水性ポリオール樹脂は、前記実質的に水を含まないベース成分の総重量に基づいて、該実質的に水を含まないベース成分において、約10〜80重量%の範囲に及ぶ量で存在し、前記疎水性ポリオール樹脂は、該実質的に水を含まないベース成分の総重量に基づいて、該実質的に水を含まないベース成分において、約20〜90重量%の範囲に及ぶ量で存在する、請求項7に記載の水系コーティング組成物。
【請求項10】
前記親水性ポリオール樹脂は、サンプル1gあたり約20〜120mgのKOHの範囲に及ぶOH価、およびサンプル1gあたり約10〜90mgのKOHの範囲に及ぶ酸価を含む、請求項1に記載の水系コーティング組成物。
【請求項11】
前記親水性ポリオール樹脂は、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、カプロラクトン、アルキド樹脂、アクリル性ポリオール、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載の水系コーティング組成物。
【請求項12】
前記疎水性ポリオール樹脂は、サンプル1gあたり約50〜300mgのKOHの範囲に及ぶOH価、およびサンプル1gあたり約0〜5mgのKOHの範囲に及ぶ酸価を含む、請求項7に記載の水系コーティング組成物。
【請求項13】
前記疎水性ポリオール樹脂は、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、カプロラクトン、アルキド樹脂、アクリル性ポリオール、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項7に記載の水系コーティング組成物。
【請求項14】
前記活性化因子成分は、親水性ポリイソシアネートをさらに含む、請求項1に記載の水系コーティング組成物。
【請求項15】
水系コーティング組成物であって、
少なくとも親水性ポリオール樹脂を含む、実質的に水を含まないベース成分;
少なくとも疎水性ポリイソシアネートを含む、活性化因子成分;および
水、
を含み、ここで該水系コーティング組成物は、約100g/L未満の量の揮発性有機成分を含む、組成物。
【請求項16】
前記水系コーティング組成物は、約70g/L未満の揮発性有機成分を含む、請求項15に記載の水系コーティング組成物。
【請求項17】
前記水系コーティング組成物は、約50g/L未満の揮発性有機成分を含む、請求項15に記載の水系コーティング組成物。
【請求項18】
前記実質的に水を含まないベース成分は、疎水性ポリオール樹脂をさらに含む、請求項15に記載の水系コーティング組成物。
【請求項19】
前記実質的に水を含まないベース成分は、該実質的に水を含まないベース成分の総重量に基づいて、少なくとも約10重量%の前記親水性ポリオール樹脂を含む、請求項18に記載の水系コーティング組成物。
【請求項20】
水系コーティング組成物であって、
少なくとも1種の親水性ポリオール樹脂および少なくとも1種の疎水性ポリオール樹脂を含む、実質的に水を含まないベース成分;
少なくとも疎水性ポリイソシアネートを含む、活性化因子成分;ならびに
水、
を含み、ここで該水系コーティング組成物は、約100g/L未満の量の揮発性有機成分を有する、組成物。
【請求項21】
前記水系コーティング組成物は、約70g/L未満の揮発性有機成分を含む、請求項20に記載の水系コーティング組成物。
【請求項22】
前記水系コーティング組成物は、約50g/L未満の揮発性有機成分を含む、請求項20に記載の水系コーティング組成物。
【請求項23】
前記実質的に水を含まないベース成分は、該実質的に水を含まないベース成分の総重量に基づいて、少なくとも約10重量%の前記親水性ポリオール樹脂を含む、請求項20に記載の水系コーティング組成物。
【請求項24】
前記活性化因子成分は、少なくとも1種の親水性ポリイソシアネートをさらに含む、請求項20に記載の水系コーティング組成物。

【公表番号】特表2011−500940(P2011−500940A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531091(P2010−531091)
【出願日】平成20年8月20日(2008.8.20)
【国際出願番号】PCT/US2008/073628
【国際公開番号】WO2009/055132
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(502328466)ピーアールシー−デソト インターナショナル,インコーポレイティド (29)
【Fターム(参考)】