説明

水素吸蔵合金活性化装置及び水素吸蔵合金活性化方法

【課題】水素吸蔵合金活性化装置及び水素吸蔵合金活性化方法に関し、水素吸蔵合金の活性化処理の際におけるコスト面を考慮した水素吸蔵合金活性化装置及び水素吸蔵合金活性化方法を提供する。
【解決手段】活性化装置10は、純度99.9999%(6N)の水素ガスが充填された水素タンク16と、純度99%(2N)の水素ガスが充填された水素タンク18とを備えている。貯蔵タンク14が活性化装置10に接続された場合、貯蔵タンク14の真空脱気を行い、その後、貯蔵タンク14内に水素タンク16の水素ガスを高圧供給する。水素吸蔵合金12の温度が所定温度以上となった場合に、切替弁20を切り替えて貯蔵タンク14内に水素タンク18の水素ガスを高圧供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、水素吸蔵合金活性化装置及び水素吸蔵合金活性化方法に関し、より詳細には、水素吸蔵合金に水素を供給するのに適した水素吸蔵合金活性装置及び水素吸蔵合金活性化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水素吸蔵合金は、水素の吸蔵及び放出が可能な特性を有する合金である。しかし、この特性は、水素吸蔵合金の製造直後から発揮される訳ではない。このため、一定の活性化処理を行う必要がある。この活性化処理に関し、例えば特許文献1には、水素吸蔵合金の試験サンプルを真空下160℃で脱気した後、純度99.999%の水素ガスを高圧供給したことが開示されている。このように、活性化処理は、真空高温下で合金中の不純ガスを除去し、その後、高純度の水素ガスを高圧で供給することが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公昭61−58545号公報
【特許文献2】特開2002−69502号公報
【特許文献3】特開2005−105329号公報
【特許文献4】特許第2966570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、水素吸蔵合金の実用化に際しては、上述した活性化処理が効率よく行われると共に低コストで行われることが望ましい。しかしながら、上記従来の活性化処理は、水素吸蔵合金の特性評価試験のための処理であり、実用化に対応したものではない。特に、真空脱気後の水素ガス供給は、高純度の水素ガスを水素吸蔵が略終了するまで加えているため、高純度水素ガスのコスト面を考慮するものではなかった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、水素吸蔵合金の活性化処理の際におけるコスト面を考慮した水素吸蔵合金活性化装置及び水素吸蔵合金活性化方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、上記の目的を達成するため、水素吸蔵合金活性化装置であって、
水素吸蔵合金を収納した容器内に高純度の水素ガスを供給する高純度水素供給手段と、
前記高純度水素ガスを供給している際に、前記水素吸蔵合金に関する所定の活性化条件の成否を判定する活性化条件判定手段と、
前記吸蔵条件が成立する場合に、前記収納容器内に前記高純度の水素ガスよりも低純度の低純度水素ガスを供給する低純度水素供給手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、第2の発明は、上記の目的を達成するため、水素吸蔵合金活性化装置であって、
高純度の水素ガスが充填された第1水素タンクと、
前記高純度の水素ガスよりも低純度の低純度水素ガスが充填された第2水素タンクと、
水素吸蔵合金を収納した容器に着脱可能な連結口と、
前記連結口と前記第1水素タンクとが接続される状態と、前記連結口と前記第2水素タンクとが接続される状態とを切り替える切替手段と、
前記連結口に水素吸蔵合金を収納した収納容器を連結した場合に、前記収納容器内に前記高純度水素ガスが供給されるように前記経路切替手段を制御する第1制御手段と、
前記経路切替手段を制御して前記高純度水素ガスを前記収納容器に供給した後に、前記水素吸蔵合金に関する所定の活性化条件の成否を判定する活性化条件判定手段と、
前記吸蔵条件が成立する場合に、前記収納容器内に前記低純度水素ガスが供給されるように前記経路切替手段を制御する第2制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記高純度水素ガスが純度99.999%以上の水素ガスであることを特徴とする。
【0009】
また、第4の発明は、第1乃至第3いずれか1つの発明において、
前記低純度水素ガスが純度99%以下の水素ガスであることを特徴とする。
【0010】
また、第5の発明は、第1乃至第4いずれか1つの発明において、
前記低純度水素ガスを供給している際に、前記水素吸蔵合金に関する所定の活性化完了条件の成否を判定する活性化完了条件判定手段を備えることを特徴とする。
【0011】
また、第6の発明は、第1乃至第5いずれか1つの発明において、
前記高純度水素ガス及び前記低純度水素ガスが、水素吸蔵合金を構成する原子の組成比に基づいて定められる所定の圧力以上で供給されることを特徴とする。
【0012】
また、第7の発明は、上記の目的を達成するため、水素吸蔵合金活性化方法であって、 水素吸蔵合金を収納した収納容器内に高純度の水素ガスを供給するステップと、
前記高純度水素ガスを供給している際に、前記水素吸蔵合金に関する所定の活性化条件の成否を判定するステップと、
前記吸蔵条件が成立する場合に、前記収納容器内に前記高純度の水素ガスよりも低い純度の低純度水素ガスを供給するステップと、を備えることを特徴とする。
【0013】
また、第8の発明は、第7の発明において、
前記高純度水素ガスが純度99.999%以上の水素ガスであることを特徴とする。
【0014】
また、第9の発明は、第7又は第8の発明において、
前記低純度水素ガスが純度99%以下の水素ガスであることを特徴とする。
【0015】
また、第10の発明は、第7乃至第9いずれか1つの発明において、
前記高純度水素ガス及び前記低純度水素ガスが、水素吸蔵合金を構成する原子の組成比に基づいて定められる所定の圧力以上で供給されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
第1、第2又は第7の発明によれば、高純度の水素ガスを先ず供給し、それよりも低い純度の水素ガスをその後に供給することができる。こうすることで、先に供給する高純度の水素ガスで活性化をほぼ完了させ、その活性化の連鎖性を利用して、低純度の水素ガスで活性を完了できる。また、高純度の水素ガスによれば、迅速に活性化を行うことができる。したがって、高純度の水素ガス、低純度の水素ガスの順に供給することで、活性化時間を短縮してコストを抑えることが可能となる。
【0017】
第3又は第8の発明によれば、純度99.999%以上の水素ガスで水素吸蔵合金を迅速かつ良好に活性化することができる。
【0018】
上述したように、高純度の水素ガスによれば、活性化をほぼ完了させることができる。その上で、第4又は第9の発明によれば、純度99%以下の水素ガスを用いることで、活性化時に用いられる水素ガスのコストを抑えることができる。
【0019】
第5の発明によれば、水素吸蔵金属の活性化の完了タイミングを適切に判断できる。
【0020】
第6又は第10の発明によれば、水素吸蔵合金の水素吸蔵能力に応じた十分な圧力で確実に活性化できる。また、活性化処理に要する時間を良好に短縮することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施の形態の活性化装置に水素吸蔵合金タンクを接続した状態を示す図である。
【図2】実施の形態において供給する水素ガスの圧力を説明する図である。
【図3】実施の形態における活性化処理ルーチンのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、同一または相当する部分には同一符号を付してその説明を簡略化ないし省略する。
【0023】
[水素吸蔵合金活性化装置の説明]
図1は、本実施の形態の活性化装置に水素吸蔵合金タンクを接続した状態を示す図である。本実施の形態の活性化装置10は、内部に水素吸蔵合金12を備える貯蔵タンク14と常温で接続されることにより特徴的な活性化処理(後述)を行うものである。
【0024】
活性化装置10は、純度の異なる2つの水素タンクを備えている。すなわち、活性化装置10は、純度99.9999%(6N)の水素ガスが充填された水素タンク16と、純度99%(2N)の水素ガスが充填された水素タンク18とを備えている。
【0025】
水素タンク16は、その内部で経路を切り替え可能な切替弁20と経路22を介して接続されている。同様に、水素タンク18は、切替弁20と経路24を介して接続されている。切替弁20は、その切り替えを制御することで、経路22又は経路24と、経路26とを連通可能にすることができる。切替弁20に接続されていない経路26の一端には、貯蔵タンク14に着脱可能な連結口が設けられているものとする。
【0026】
水素タンク16に近い経路22上には、経路22に流す水素ガスの圧力を調整可能な圧力調整弁28が設けられている。同様に、水素タンク18に近い経路24上には、経路24に流す水素ガスの圧力を調整可能な圧力調整弁30が設けられている。このため、貯蔵タンク14を接続した場合には、圧力を調整された異なる純度の水素ガスを経路22,26又は経路24,26を経由して供給することができる。
【0027】
経路26はその途中で経路32の一端に接続している。経路32の他端は、ターボ分子ポンプ34と接続されている。ターボ分子ポンプ34は、内部のロータが高速回転して気体分子を弾き飛ばすことによりガスを排気する真空ポンプである。経路32上には、開閉することにより経路26と経路32とを連通する真空弁36が設けられている。
【0028】
本実施の形態の活性化装置10は、制御装置50を備えている。制御装置50には、上述した切替弁20、圧力調整弁28,30、真空弁36や、ターボ分子ポンプ34が接続されている。
【0029】
以上、図1に示す活性化装置10の構成によれば、純度6Nの水素タンク16と、純度2Nの水素タンク18という純度の異なる2つの水素タンクを切り替えることが可能となる。このため、純度6Nの水素ガスで活性化を行い、その活性化の連鎖性を利用して、純度2Nの水素ガスで活性化を行うことが可能になる。
【0030】
[本実施の形態における活性化処理の特徴]
次に、本実施の形態の特徴的な活性化処理について説明する。本実施の形態の活性化処理は、2つの水素タンクを切り替えて行われるだけではなく、(1)平衡圧よりも高い圧力で水素ガスを供給するとともに、(2)2つの水素タンクを切り替えるタイミングを、水素吸蔵合金の温度で判断することをも特徴とする。
【0031】
まず、上記特徴(1)について図2を用いて説明する。図2は、水素吸蔵合金のP−C−T特性曲線と呼ばれるものであり、一定温度における水素吸蔵量(横軸)と水素圧力(縦軸)との関係として示される。このP−C−T特性曲線は、JISH7201「圧力−等温線(PCT線)の測定法」やこれに準じた方法によって求めることができる。
【0032】
図2に示すように、供給する水素圧力を変化させていくと、ある圧力付近で水素吸蔵合金中の水素吸蔵量が急激に変化する領域(プラトー領域)を有する。このプラトー領域に対応する圧力は、水素吸蔵合金を構成する原子の組成比に依存する。ここで、水素吸蔵合金を構成する原子の組成比は、例えばVTiCrMn合金の場合、バナジウム:チタン:クロム:マンガン=1:1:1:1と表すことができる。本実施の形態では、このプラトー領域に対応する圧力(平衡圧P)よりも高い圧力の水素ガスを水素タンク16,18から供給することとした(充填圧P)。こうすることで、十分な圧力で水素吸蔵合金を確実に活性化できる。更には、活性化処理に要する時間を短縮することもできる。なお、プラトー領域が緩やかな勾配を構成する場合には、プラトー領域の中心に対応する圧力をもって、上記平衡圧Pを求め、上記充填圧Pを決定することができる。
【0033】
プラトー領域に対応する平衡圧Pは、常温下、水素吸蔵合金を構成する原子の組成比毎にP−C−T特性曲線を作成することで予め求めておくことができる。したがって、水素吸蔵合金12の組成比と、水素ガスの充填圧Pとの関係を規定した特性マップを作成することができる。このように作成した特性マップは、制御装置50に備えられているものとする。
【0034】
次に、上記特徴(2)について説明する。一般に、水素ガスを吸蔵させると水素吸蔵合金が発熱するため合金温度も上昇する。このため、本実施の形態では、水素タンク16,18を切り替えるタイミングを、水素吸蔵合金12の温度に基づいて行うこととしている。具体的には、圧力調整弁28の圧力を上記充填圧Pとした後に、水素吸蔵合金12の温度が上昇すると貯蔵タンク14内部の圧力も高くなる。このため、貯蔵タンク14と連通する圧力調整弁28のゲージ圧が低下することになる。したがって、このゲージ圧の低下から水素吸蔵合金12の温度の上昇を推定し、水素タンク16,18を切り替える。
【0035】
なお、本実施の形態では、活性化処理の完了タイミングの判断も、上記切り替えタイミングの判断と同様、水素吸蔵合金12の温度に基づいて行うこととしている。具体的には、圧力調整弁30の圧力を上記充填圧Pとした後に、圧力調整弁30のゲージ圧の低下から水素吸蔵合金12の温度の上昇を推定し、活性化処理を完了する。
【0036】
このように、上記特徴(2)によれば、圧力調整弁28,30から水素タンクの切り替えタイミングや、活性化処理の完了タイミングを推定できるため、温度を取得するための装置等が不要となり、装置の簡略化を図ることができる。
【0037】
[実施の形態における具体的処理]
図3は、上記の機能を実現するために制御装置50が実行する活性化処理ルーチンのフローチャートである。本ルーチンは、活性化装置10に貯蔵タンク14を接続した後に実行されるものとする。なお、切替弁20は、本ルーチンの開始時には、経路22と経路26とを連通する状態にあるものとする。
【0038】
本ルーチンによれば、まず、脱気が開始される(ステップ100)。具体的には、ターボ分子ポンプ34を駆動し、その後に真空弁36を開く。これにより、貯蔵タンク14内の不純ガスがタンク外に排気される。
【0039】
続いて、真空弁36を開弁してからの時間、即ち脱気時間tvdが所定時間t以上経過しているか否かが判定される(ステップ102)。ここで、所定時間tは、貯蔵タンク14内の不純ガスを脱気するのに十分な時間として設定され、制御装置50に記憶されている時間である。所定時間tは、例えば、貯蔵タンク14の容量に応じて定めることができる。そして、脱気時間tvdが所定時間t以上経過していると判定された場合には、ステップ104に進む。そうでない場合には、ステップ100に戻る。
【0040】
ステップ104では、圧力調整弁28が開かれる。これにより、水素タンク16の水素が貯蔵タンク14内に充填圧Pで供給される。続いて、水素吸蔵合金12の温度Thsaが取得される(ステップ106)。上述したように、この温度Thsaは、圧力調整弁28のゲージ圧により推定された値である。
【0041】
続いて、水素吸蔵合金12の温度Thsaが所定温度T以上となったか否かが判定される(ステップ108)。ここで、所定温度Tは、水素吸蔵合金12が水素タンク16の水素でほぼ活性化したと判断できる十分な温度(例えば常温+1℃)以上に設定され、制御装置50に記憶されている温度である。そして、水素吸蔵合金12の温度Thsaが所定温度T以上となったと判定された場合には、圧力調整弁30が開かれ(ステップ110)、切替弁20が切り替えられる(ステップ112)。これにより、水素タンク18の水素が貯蔵タンク14内に充填圧Pで供給される。一方、水素吸蔵合金12の温度Thsaが所定温度T以上となったと判定されなかった場合には、ステップ106に戻り、再度、水素吸蔵合金12の温度Thsaが取得される。ステップ112に続いて、圧力調整弁28が閉じられる(ステップ114)。
【0042】
続いて、水素吸蔵合金12の温度Thsaが再び取得される(ステップ116)。上述したように、この温度Thsaは、圧力調整弁30のゲージ圧により推定された値である。続いて、水素吸蔵合金12の温度Thsaが所定温度T以上となったか否かが判定される(ステップ118)。ここで、所定温度Tは、水素吸蔵合金12が水素タンク18の水素で活性化が完了したと判断できる十分な温度(例えば所定温度T+0.1℃)以下に設定され、制御装置50に記憶されている温度である。そして、水素吸蔵合金12の温度Thsaが所定温度T以上となったと判定された場合には、圧力調整弁30が閉じられる(ステップ120)。これにより、活性化処理ルーチンを終了する。一方、水素吸蔵合金12の温度Thsaが所定温度T以上となったと判定されなかった場合には、ステップ116に戻り、再度、水素吸蔵合金12の温度Thsaが取得される。
【0043】
以上説明した図3のルーチンによれば、水素タンク16と水素タンク18との切り替えを適切なタイミングで行うことができる。したがって、水素タンク16の水素ガスを先に供給して活性化をほぼ完了させ、水素タンク18の水素ガスで補完的に活性化を完了できる。したがって、活性化時間を短縮することが可能となる。また、図3のルーチンによれば、水素吸蔵合金12の活性化完了のタイミングを適切に判断できる。
【0044】
なお、上述した実施の形態においては、純度6Nの高純度水素ガスと、純度2Nの低純度水素ガスとを併用したが、高純度水素ガスは、純度5N以上であればよく、低純度水素ガスは、純度5Nよりも低ければよい。高純度水素ガスと低純度水素ガスとの純度の組み合わせが純度5Nを境界とした上記のいずれかであれば、水素吸蔵合金を十分に活性化でき、活性化に要するコストを低減できる。
【0045】
また、上述した実施の形態においては、圧力調整弁28,30のゲージ圧から水素吸蔵合金12の温度を推定することとしたが、この温度の推定は、例えば水素ガスの供給時間から推定してもよい。また、熱電対や温度センサを用いて水素吸蔵合金12の温度を直接測定してもよい。
【0046】
なお、上述した実施の形態においては、制御装置50が図3のステップ104の処理を実行することにより前記第1の発明における「高純度水素供給手段」が、同ステップ108の処理を実行することで前記第1の発明における「活性化条件判定手段」が、同ステップ110の処理を実行することで前記第1の発明における「低純度水素供給手段」が、それぞれ実現されている。
【0047】
また、上述した実施の形態においては、切替弁20が前記第2の発明における「切替手段」に該当する。また、制御装置50が図3のステップ104の処理を実行することで前記第2の発明における「第1制御手段」が、同ステップ108の処理を実行することで前記第2の発明における「活性化条件判定手段」が、同ステップ110の処理を実行することで前記第2の発明における「第2制御手段」が、それぞれ実現されている。
【0048】
また、上述した実施の形態においては、制御装置50が図3のステップ118の処理を実行することで前記第5の発明における「活性化完了条件判定手段」が実現されている。
【符号の説明】
【0049】
10 活性化装置
12 水素吸蔵合金
14 貯蔵タンク
16,18 水素タンク
20 切替弁
22,24,26 経路
28,30 圧力調整弁
50 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素吸蔵合金を収納した容器内に高純度の水素ガスを供給する高純度水素供給手段と、
前記高純度水素ガスを供給している際に、前記水素吸蔵合金に関する所定の活性化条件の成否を判定する活性化条件判定手段と、
前記吸蔵条件が成立する場合に、前記収納容器内に前記高純度の水素ガスよりも低純度の低純度水素ガスを供給する低純度水素供給手段と、
を備えることを特徴とする水素吸蔵合金活性化装置。
【請求項2】
高純度の水素ガスが充填された第1水素タンクと、
前記高純度の水素ガスよりも低純度の低純度水素ガスが充填された第2水素タンクと、
水素吸蔵合金を収納した容器に着脱可能な連結口と、
前記連結口と前記第1水素タンクとが接続される状態と、前記連結口と前記第2水素タンクとが接続される状態とを切り替える切替手段と、
前記連結口に水素吸蔵合金を収納した収納容器を連結した場合に、前記収納容器内に前記高純度水素ガスが供給されるように前記経路切替手段を制御する第1制御手段と、
前記経路切替手段を制御して前記高純度水素ガスを前記収納容器に供給した後に、前記水素吸蔵合金に関する所定の活性化条件の成否を判定する活性化条件判定手段と、
前記吸蔵条件が成立する場合に、前記収納容器内に前記低純度水素ガスが供給されるように前記経路切替手段を制御する第2制御手段と、
を備えることを特徴とする水素吸蔵合金活性化装置。
【請求項3】
前記高純度水素ガスが純度99.999%以上の水素ガスであることを特徴とする請求項1又は2に記載の水素吸蔵合金活性化装置。
【請求項4】
前記低純度水素ガスが純度99%以下の水素ガスであることを特徴とする請求項1乃至3何れか1項に記載の水素吸蔵合金活性化装置。
【請求項5】
前記低純度水素ガスを供給している際に、前記水素吸蔵合金に関する所定の活性化完了条件の成否を判定する活性化完了条件判定手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4何れか1項に記載の水素吸蔵合金活性化装置。
【請求項6】
前記高純度水素ガス及び前記低純度水素ガスが、水素吸蔵合金を構成する原子の組成比に基づいて定められる所定の圧力以上で供給されることを特徴とする請求項1乃至5何れか1項に記載の水素吸蔵合金活性化装置。
【請求項7】
水素吸蔵合金を収納した収納容器内に高純度の水素ガスを供給するステップと、
前記高純度水素ガスを供給している際に、前記水素吸蔵合金に関する所定の活性化条件の成否を判定するステップと、
前記吸蔵条件が成立する場合に、前記収納容器内に前記高純度の水素ガスよりも低い純度の低純度水素ガスを供給するステップと、
を備えることを特徴とする水素吸蔵合金活性化方法。
【請求項8】
前記高純度水素ガスが純度99.999%以上の水素ガスであることを特徴とする請求項7に記載の水素吸蔵合金活性化方法。
【請求項9】
前記低純度水素ガスが純度99%以下の水素ガスであることを特徴とする請求項7又は8に記載の水素吸蔵合金活性化方法。
【請求項10】
前記高純度水素ガス及び前記低純度水素ガスが、水素吸蔵合金を構成する原子の組成比に基づいて定められる所定の圧力以上で供給されることを特徴とする請求項7乃至9何れか1項に記載の水素吸蔵合金活性化方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−222633(P2010−222633A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−70678(P2009−70678)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】