水素精製装置および構成部材ならびにこれらを備えてなる燃料処理システム
本発明は、水素精製装置、その構成部材、それらを備えた燃料処理装置、および、それらを備えた燃料電池システム、に関するものである。水素精製装置は、例えば圧力容器といったような容器を具備している。容器は、分離アセンブリを収容している。分離アセンブリは、水素ガスおよび他のガスを含有した混合ガス流を受領し得るよう構成されているとともに、その混合ガス流から、少なくとも実質的に純粋な水素ガスを含有してなる水素リッチな透過物流を生成し得るよう構成されている。いくつかの実施形態においては、容器は、ガスケットなしでシールされる。分離アセンブリは、少なくとも1つの水素透過性のおよび/または水素選択的なメンブランを備えている。いくつかの実施形態においては、水素選択性メンブランは、容器に対して恒久的にかつ直接的に固定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に水素ガスの精製に関するものであり、より詳細には、水素精製装置、構成部材、および、これらを備えてなる燃料処理システムおよび燃料電池システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
精製された水素は、金属、食用脂および油、および、半導体とマイクロエレクトロニクスを含む多くの製品の製造で使用される。精製された水素は、多くのエネルギー変換装置のための重要な燃料源である。例えば、燃料電池は、電気的ポテンシャルを作り出すために精製された水素およびオキシダントを使用する。様々なプロセスおよび装置は、燃料電池によって消費される水素ガスを作り出すために使用し得る。しかしながら、水素ガスを含む混合ガス流と呼称し得る、多数の水素生成プロセスが不純な水素流を作り出す。この流れを燃料電池または燃料電池のスタックに運ぶ前に、この混合流は望ましくない不純物を取除くように精製し得る。
【特許文献1】米国特許第6,152,995号明細書
【特許文献2】米国特許第6,221,117号明細書
【特許文献3】米国特許第6,319,306号明細書
【特許文献4】米国特許第6,569,227号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、水素精製装置、水素精製装置の構成部材、および、水素精製装置を備えた燃料処理および燃料電池システム、に関するものである。水素精製装置は、圧力容器を形成する容器を具備している。容器は、分離アセンブリを収容している。分離アセンブリは、水素ガスおよび他のガスを含有した混合ガス流を受領し得るよう構成されているとともに、その混合ガス流から、少なくとも実質的に純粋な水素ガスを含有してなる水素リッチな透過物流を生成し得るよう構成されている。いくつかの実施形態においては、容器は、ガスケットなしでシールされる。分離アセンブリは、少なくとも1つの水素透過性のおよび/または水素選択的なメンブランを備えている。いくつかの実施形態においては、水素選択性メンブランは、容器に対して恒久的にかつ直接的に固定される。いくつかの実施形態においては、メンブランは、容器に対して直接的に、溶接される、あるいは、拡散結合される、あるいは、ろう付けされる。いくつかの実施形態においては、水素選択性メンブランの一部は、シール容器の一部を形成し、そして、いくつかの実施形態においては、水素選択性メンブランのうちの消費された部分と、容器のうちの消費された部分と、からインターフェースが形成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0004】
本発明の他の多くの特徴点は、添付図面を参照しつつ、本発明を何ら限定するものではなく単なる例示としての好ましい実施形態に関する以下の詳細な説明を読むことにより、当業者には、明瞭となるであろう。
【0005】
水素精製装置は、図1において、全体的に符号10によって示されている。装置10は、ボディすなわち容器12を備えている。容器12は、内部隔室18を形成している。内部隔室18内には、分離アセンブリ20が配置されている。水素ガス26と他のガス28とを含有している混合ガス流24が、内部隔室に対して加圧状態で供給される。より詳細には、混合ガス流は、内部隔室の混合ガス領域30に対して供給され、そして、分離アセンブリ20に対して接触する。分離アセンブリ20は、水素選択的なおよび/または水素透過性の少なくとも1つのメンブラン46を備えている。メンブラン46は、加圧状態で混合ガス流を受領した際には、混合ガスから、混合ガス流と比較して水素ガスをより多量に含有している透過物流すなわち水素リッチ流34と、残りのガス成分を含有してなる副生成物流36と、を生成し得るよう構成されている。流れ34は、典型的には、純粋な、あるいは少なくとも実質的に純粋な、水素ガスを含有している。しかしながら、流れ34が、少なくとも初期的に、キャリアガス成分すなわちスイープガス成分を(透過物領域内に少なくとも1つの入力ポートを、スイープガス用に設けることによって)含有し得ることは、本発明の範囲内である。
【0006】
図示の例においては、混合ガス流のうちの、分離アセンブリを通過した第1部分は、内部隔室の透過物領域32に入る。混合ガス流のこの部分は、水素リッチな透過物流34を形成する。そして、混合ガス流のうちの、分離アセンブリを通過しない第2部分は、副生成物流36を形成する。副生成物流36は、他のガスからなる成分を含有している。副生成物流内において個別的にあるいは集合的に存在し得るようなこれら『他のガス』の例としては、二酸化炭素や、一酸化炭素や、混合ガス流を形成していた供給原料のうちの未反応のものや、水や、窒素や、あるいは、メタン、がある。これらの例は、すべての混合ガス流に関して必要であるわけではない。なぜなら、特定の混合ガス流内に存在する『他のガス』の組成が、例えば混合ガス流が形成されたプロセスや混合ガス流が形成された反応物質や混合ガス流の形成時の動作状態等といったような様々な要因によって変更されるからである。副生成物流36は、典型的には、混合ガス流内に存在している水素ガスの一部を含有している。また、分離アセンブリが、他のガスの実質的な部分をトラップし得るようにあるいは少なくとも保持し得るように構成されていることは本発明の範囲内である。この場合には、そのような他のガスは、分離アセンブリの交換や再生や再装着の際には副生成物流として除去される。
【0007】
図1においては、流れ24,34,36は、流れ24,34,36の各々が装置10内外にわたって流出入する1つの実際の流れよりも多くの流れを包含し得るものとして概略的に図示されることを、意味している。例えば、装置10は、複数の供給流24を受領することができる、あるいは、分離アセンブリ20に対して接触する前に複数の流れへと分割される単一の流れ24を受領することができる、あるいは、隔室18内へと供給される単一の流れを単に受領することができる。同様に、透過物流34および混合ガス流36は、それぞれ、単一の流れとして、あるいは、2つ以上の流れとして、吸引することができる。
【0008】
装置10は、典型的には、高温下で、および/または、高圧下で、動作する。例えば、装置10は、雰囲気温度から、最大で700℃まで、といったような範囲の(選択された)温度で動作することができる。多くの実施形態においては、選択された温度は、200℃〜500℃という範囲とされる。他の実施形態においては、選択された温度は、250℃〜400℃という範囲とされる。さらに他の実施形態においては、選択された温度は、400℃±25℃、あるいは、400℃±50℃、あるいは、400℃±75℃、とされる。装置10は、345kPa(50psi)や、690kPa(1000psi)や、あるいは、それ以上の範囲という(選択された)圧力で動作することができる。多くの実施形態においては、選択された圧力は、345kPa(50psi)〜1725kPa(250psi)、あるいは、345kPa(50psi)〜3450kPa(500psi)という範囲とされる。他の実施形態においては、選択された圧力は、2070kPa(300psi)よりも小さいものとされる、あるいは、1725kPa(250psi)よりも小さいものとされる。さらに他の実施形態においては、選択された圧力は、1207.5kPa(175psi)±172.5kPa(25psi)、あるいは、1207.5kPa(175psi)±345kPa(50psi)、あるいは、1207.5kPa(175psi)±517.5kPa(75psi)、とされる。
【0009】
その結果、容器12は、典型的には、上述したような高温および/または高圧に耐え得るように構成された圧力容器である。加えて、容器は、水素精製装置の適切な動作のために、十分にシールされなければならない。容器に関して本明細書において使用された際には、『シールされている』という用語は、容器が気密的であることを意味している、すなわち、容器がガス流を保持し得ることを意味している、すなわち、後述するような導入ポート64や製品ポート66や副生成物ポート68といったような意図したポート以外を通しては、一切のガス流が容器に対して流出入し得ないことを意味している、ことは理解されるであろう。さらに、温度または圧力といったような動作パラメータに関して本明細書において使用された際には、『選択された』という用語は、装置10があるいは関連する構成部材が動作し得るものとして決定されたあるいは予め決定されたされたしきい値またはしきい値範囲を意味していることは、理解されるであろう。これらの選択された動作パラメータは、例えば、使用している対応構造の特定の用途や、内部に存在している流体流れの組成や、対応装置の構造および構成部材や、使用者の好みや、法的要求事項や、安全面からの要求事項、等といったような要因に応じて、決定することができるあるいは予め決定することができる。さらなる例示として、選択された動作温度は、特定の温度に対して、特定の温度だけ上下の温度とすることができる、すなわち、特定温度の例えば5%や10%等以内といったような所定の許容範囲内の温度とすることができる。
【0010】
高温で動作するような水素精製装置10の実施形態においては、選択された動作温度にまで装置を加熱し得るようおよび/または選択された温度にまたは選択された温度範囲内に装置を維持し得るよう、装置に対して熱を印加する必要がある。例えば、この熱は、任意の適切な加熱アセンブリ42によって供給することができる。加熱アセンブリ42の一例は、図1において概略的に図示されている。アセンブリ42を、混合ガス流24自体も含めて任意の適切な態様のものとし得ることは、理解されるであろう。他の適切な加熱アセンブリの例には、抵抗ヒータや、バーナーや、加熱された排気流を生成するような他の燃焼領域や、混合ガス流24以外の加熱された流体流れを有した熱交換器や、電気ヒータ(カートリッジ、バンド、その他)、がある。バーナーまたは他の燃焼チャンバが使用される場合には、燃料流が消費される。副生成物流36は、この燃料流の全部または一部を形成することができる。例えば、水素精製装置は、水素ガスをできるだけ少量だけ含有するような副生成物流を生成するように構成することができる。これにより、精製された水素ガスの収率を最大化することができる。水素精製装置は、これに加えてあるいはこれに代えて、水素精製装置を所望の動作温度に維持する目的でバーナーアセンブリに対して必要な燃料を提供し得るよう、十分な水素ガスを含有している副生成物流を生成するように構成することができる。
【0011】
図1における符号42’は、容器内へと延在する流れによって、あるいは、容器内の通路を通過する流れによって、あるいは、例えば電気加熱ヒータを使用した伝導によって、あるいは、放射を行う他のデバイスによる伝導によって、あるいは、電気的に生成された熱を伝導する他のデバイスによる伝導によって、容器を取り囲んでいるあるいは容器の少なくとも一部を取り囲んでいるジャケット内へといったようにして、装置10の外面に対して、加熱された熱流を供給することができる。必要な加熱は、単一の加熱アセンブリによって、あるいは、2つ以上の加熱源の組合せによって、提供することができる。
【0012】
上述したように、分離アセンブリ20は、水素透過性のおよび/または水素選択性の1つまたは複数のメンブラン46を備えている。メンブランは、精製装置10の動作に関する動作環境および動作パラメータでの使用に適しているような、なおかつ、混合ガス流内の水素ガス以外の成分を通過させることなく水素ガスだけを通過させ得るような、任意の材料から形成することができる。言い換えれば、メンブランは、特に、混合ガス流や製品流や副生成物流に対して曝される際には、および/または、高温/高圧の使用状態と非加熱/非加圧の非使用状態との間にわたってサイクル的に使用される際には、装置10が経験する動作温度および動作圧力において化学的かつ熱的に安定しているような材料から形成されるべきである。
【0013】
メンブラン46のための適切な材料の例には、パラジウムと、パラジウム合金と、特に、そのような金属および金属合金からなる薄膜、がある。40重量%の銅を含有するメンブランのような、特に35重量%〜45重量%の銅を含有するパラジウム合金も特に有用であることが判明している。これらのメンブランは、通常、約0.0254mm(0.001インチ)の厚さである薄いフォイルから構成される。しかしながら、上述した以外の金属および金属合金、並びに非金属材料および成分を含む、他の水素浸透性および/または水素選択性材料からメンブランを形成し得ること、しかもメンブランが上述したものより厚いかまたは薄い厚さを有し得ることは、本発明の範囲内にある。例えば、メンブランは水素の流れに対応して増加するにつれて、薄くし得る。メンブランの厚さを減じるための適切な機構の例には、ローリングや、スパッタリングや、エッチング、がある。適切なエッチングプロセスは、上記特許文献1に開示されている。この文献の記載内容は、参考のため、その全体がここに組み込まれる。同じものを準備するための種々のメンブラン、メンブラン形状構成および方法の例は、上記特許文献2,3に開示されている。これら文献の記載内容は、参考のため、ここに組み込まれる。
【0014】
図2には、メンブラン46に適切な形状構成の例示的実例が示されている。図示するように、メンブラン46は、混合ガス流24によって接触するために配向される混合ガス表面48、および、表面48に全体的に対向する透過表面50を含む。参照符号46’によって、メンブラン46は、フォイルまたはフィルムとして図示されている。参照符号46”によって、メンブランは、メッシュまたはエキスパンデッドメタルスクリーン、あるいはセラミックまたは多孔質材料のような下に横たわる支持層54によって支持される。参照符号46''' によって、メンブランは、多孔質部材56上に被覆または形成されるか、さもなくば多孔質部材56に接合される。上述したメンブラン形状構成が、図2においては概略的に図示されていること、および、それらによって本発明の範囲内のすべての可能な形状構成を示し尽くされているわけではないことは、理解されるであろう。
【0015】
例えば、メンブラン46は、図2には平坦な形状構成を有するものとして図示されているが、メンブラン46が、また、非平面形状構成を有し得ることは本発明の範囲内である。例えば、メンブランの形状は、メンブランが支持および/または形成される支持層54または部材56の形状によって少なくとも部分的に規定し得る。そのため、装置10が高圧で動作している場合、メンブラン46は凹状、凸状または他の非平面形状構成を有し得る。別の例として、メンブラン46は、図3および図4に示すようなチューブ状の形状構成を有し得る。
【0016】
上述したように、容器12は、分離アセンブリ20が配置される内部隔室18を形成する。図2に示す実施形態においては、容器12は、周縁シェル62によって結合される一対の端部プレート60を含む。外形、形状および寸法に限定する意図なく、装置の全体的な構成要素の代表的実例を示すために、装置10が図2において概略的に図示されていることは、理解されるであろう。例えば、端部プレート60は、典型的には、周縁シェル62の壁より厚いがこれは必ずしも必要ではない。同様に、端部プレートの厚さは、両端部プレート間の距離より大きいか、小さいか、あるいは同じとし得る。さらなる実例として、メンブラン46の厚さは、説明目的のために誇張されている。
【0017】
図2においては、混合ガス流24が、導入ポート64を通して隔室18に対して供給されること、また、水素リッチな(あるいは、透過物の)流れ34が、1つ以上の導出ポートすなわち製品ポート66を通して装置10から導出されること、さらに、副生成物流が、1つ以上の副生成物ポート68を通して装置10から導出されること、がわかる。各ポートは、そこからガス流れが供給されまた装置10から導出される容器12上の特定位置を変更し得ることを説明するために、両端部プレートの種々のものを貫通して延在して示されている。1つ以上の流れを、シェル62を介して導出入し得ること、および/または、端部プレートの周縁エッジを介して導出入し得ること、もまた本発明の範囲内である。
【0018】
さらに、ポート64、66,68に対して、流れ制御構造および/またはカップリング構造を付設し得ることも、本発明の範囲内にある。これらの構造の例には、バルブや、流れ調整装置や、圧力調整装置や、コネクタや、他の取付具や、および/または、上流および下流の構成要素と装置10を恒久的または選択的に互いに連結するように構成されるマニホールドアセンブリ、がある。例示の目的のために、これらの流れ調整装置および/またはカップリング構造は、図2において参照符号20によって全体的に示されている。簡潔さのために、構造70は、あらゆる実施形態で図示されているわけではない。代わりに、装置10の特定の実施形態のためのポートの幾つかまたは全てがこれらの構造の何れかまたは全てを含み得ること、各ポートは、たとえあるとしても、同じ構造70を有する必要がないこと、しかも2つ以上のポートは幾つかの実施形態では、共通の収集または放出マニホールド、圧力解放弁、流体弁等のような構造70を分配または集合的に利用し得ることは、理解されるであろう。
【0019】
メンブラン46は、任意の適切な手法によって、隔室18内において、取り付けたり支持したり固定したりおよび/または配置したり、することができる。例えば、図3においては、装置10の容器12は、供給側の端部プレート59と、透過側の端部プレート61と、を備えている。この例示の構成は、図3〜図11において例として使用されている。しかしながら、容器が、本発明による圧力駆動型の分離プロセスのために集合的に圧力容器を形成するような任意の適切な数の構成部材から形成し得ることは、本発明の範囲内である。図3に示すように、各々の端部プレートは、内周縁部72と、外周縁部74と、内周縁部と外周縁部との間にわたって延在するシール領域76と、を備えている。図示のように、シール領域は、内周縁部と外周縁部との間にわたって直線的に延在している。本発明の範囲から逸脱することなく、他の構成を使用することができる。シール領域76は、メンブラン46と端部プレート59,61との間のシールに関し、潜在的なすなわち可能な位置を提供している。容器に関して本明細書において使用された際には、『シール』という用語が、容器の構成部材どうしの間におけるおよび/または容器とメンブランとの間における潜在的ガス漏洩経路を防ぐための構造を意味していることは、理解されるであろう。
【0020】
端部プレート59は、導入ポート64と、副生成物ポート68と、を備えている。一方、端部プレート61は、導出ポートすなわち製品ポート66を備えている。上述したように、各ポートに関する図示の向きおよび位置は必須ではなく、本発明の範囲内において様々に変更することができる。図示の端部プレート59は、チャンバすなわち凹所84を備えている。チャンバすなわち凹所84は、混合ガス流24をメンブラン46の混合ガス表面48に対して曝し得るとともに混合ガス流24をその混合ガス表面48に沿って流し得るようなガス流経路を形成している。これにより、混合ガス流を、メンブランに対してより多く露出させることができ、これにより、混合ガス流内のより多くの水素ガスを、容器の透過物領域に対して通過させることができる。図示の実施形態においては、端部プレート61は、チャンバすなわち凹所86を備えている。チャンバすなわち凹所86は、メンブラン支持体54を受領し得るよう構成されているとともに、混合ガス流のうちの、メンブランを透過する部分に対するガス流経路を提供し得るように構成されている。図6に示すように、端部プレート61は、さらに、第2チャンバすなわち第2凹所90を備えることができる。第2チャンバすなわち第2凹所90は、後述するように、少なくとも1つのメンブランパッド94を受領し得るよう構成されている。これらチャンバは、すべての実施形態において必須というわけではない。しかしながら、容器の透過物領域は、好ましくは、メンブランに対する適切な支持体と、透過した水素ガスをメンブランから離間する向きに流して導出し得るような適切なガス流経路とを、形成しているかあるいは備えている。同様に、容器の混合ガス領域は、好ましくは、混合ガス流のうちの、メンブランを透過した部分のための適切なガス流経路を備えている。これにより、透過物は、例えば製品ポート66を通してといったようにして、収集して容器から導出することができる。
【0021】
以下の説明においては、容器12は、端部プレート59,61から形成されているものとして、例示されており、各端部プレートは、メンブラン46が設けられたチャンバまたはガスフロー領域を備えている。言い換えれば、メンブランは、少なくとも一方の端部プレートに対してのまたは容器の他の部分に対しての気密シールを起点として延在しており、これにより、容器を、透過物領域と、混合ガス領域と、に分割している。容器の透過物領域およびと混合ガス領域を、個別的に形成された周縁シェルが連結されて延在しているような端部プレートから形成し得ることは、本発明の範囲内である。この場合、このシェルは、容器のそれぞれ対応する側のガスフロー領域の一部を形成する。個別的な周縁シェルを必要としない端部プレートから容器を形成することの利点は、容器に関して、ガス漏洩を防止し得るようシールしなければならないインターフェース(インターフェースは、容器上において互いに当接している部材どうしの間に形成される)の数を、少ないものとし得ることである。容器12は、端部プレート59,61も含めて、特に、長期にわたって使用される場合には、および/または、加熱冷却サイクルが繰り返される場合には、
装置10に関する高温/高圧という動作条件下において化学的かつ熱的に安定しているような任意の適切な材料から形成することができる。例えば、端部プレートは、ステンレススチールや、モネル(登録商標)合金や、 Incoloy(登録商標)合金、等から形成することができる。他の適切な材料および構成は、上記特許文献4に開示されている。この文献の記載内容は、参考のため、その全体がここに組み込まれる。
【0022】
メンブランが、容器の内部隔室の中において全体的に配置されて支持されているような従来の水素精製装置とは異なり、本発明による装置10は、容器に対して恒久的になおかつ直接的に取り付けられておりこれにより例えば端部プレート59,61の間にわたって少なくとも延在するといったような態様によって容器との間に気密シールを形成するような、少なくとも1つのメンブラン46を備えている。この構成の実例は、図3および図5に概略的に図示されている。メンブラン46は、中央領域80と、外周縁部領域82と、を備えている。中央領域は、水素透過領域とも称することができ、水素選択性メンブランのうちの、端部プレートの内周縁よりも内側に延在する部分として、また、容器の内部隔室を透過物領域および混合ガス領域へと分割する部分として、参照することができる。好ましくは、メンブランの中央領域の、必ずしもすべてではなくとも、少なくとも実質的な部分は、水素精製装置の使用時には、混合ガス流に曝されて、混合ガス流を、製品流と副生成物流とに分離することを補助し得るよう構成されている。
【0023】
メンブラン46の外周縁領域82は、メンブランのうちの、端部プレートの内周縁部を超えて外側へと延在する部分として、参照される。上述したように、外周縁領域は、端部プレート(または周縁シェル)の内周縁部から延出しており、端部プレートの外周縁部に向けて延在している。言い換えれば、メンブランの断面積(その長手方向軸線に対して平行な平面のところにおける断面積)は、隔室の断面積(同じ平面に沿った断面積)よりも大きい。図3および図5の例においては、メンブラン46の外周縁領域は、端部プレートの外周縁部にまで延在している。この場合、メンブランは、端部プレートの外周縁部にまで延在する外周縁またはエッジを備えている。エッジは、おそらく、図4および図6で最も明瞭に見られる。エッジは、符号83によって示されている。メンブラン46の外周縁部領域が、端部プレートの内周縁部と外周縁部との間の通路だけにわたって(すなわち、シール領域だけを部分的に横断して)延在し得ることは、本発明の範囲内である。また、メンブランの外周縁部領域が、端部プレートの外周縁部を超えて(すなわち容器の外側へと)延在し得ることは、本発明の範囲内である。言い換えれば、メンブランの断面積は、メンブランがなす平面内においてメンブランの表面に沿って測定した際には、メンブランが延在している内部隔室の断面積を超えるものである。
【0024】
上述したように、装置10においては、1つまたは複数のメンブラン46を使用することにより、圧力駆動型の分離プロセスによって、混合ガス流を、製品流および副生成物流へと分離することができる。よって、混合ガス流は、製品流が容器から導出される圧力と比較して、より大きな圧力でもって、メンブランの透過表面に対して接触するようにして供給される傾向がある。非常に薄いものとされる傾向があるメンブランを支持する必要があり、典型的には、例えば支持体による圧力といったような圧力に対して、透過表面上において、支持する必要がある。図示のメンブラン支持体は、図3〜図6において、符号54によって概略的に図示されている。
【0025】
メンブラン支持体は、メンブランの中央領域のすべてとはいわないまでも実質的な部分にわたって延在するべきであり、メンブランを通過するすべてのガスを例えば製品ポート66といったようなものへと流し得るような多孔性構造あるいはガス透過性構造から形成されるべきである。好ましくは、ガスは、支持体を通して、平行な方向と横断方向との双方にわたって流れることができる。例えば、支持体54は、メッシュや、セラミックや、エキスパンディッドメタル材料、から形成することができる。実験例においては、2つ以上のスクリーンを備えているスクリーンアセンブリを備えた支持体が、効果的であることが判明している。2つ以上のスクリーンは、例えば(必須ではなく)、焼結したりあるいは互いに固定したり、することができる。例えば、微細なメッシュのスクリーンまたはエキスパンディッドメタルスクリーンを配置することができる。これにより、メンブランを、1つまたは複数のより粗いスクリーンによって支持されているこのスクリーンに対して、直接的に接触させることができる。
【0026】
図3においては、メンブラン支持体54は、端部プレート61の凹所またはチャンバ86内へと受領されるものとして、図示されている。チャンバ86は、端部プレートのシール領域76とメンブラン支持体のメンブラン係合表面87が、全体的に互いで同一平面状であるようにして、メンブラン支持体を受領して位置決めし得るよう構成されている。この構成は、図4に概略的に図示されている。図示の通り、メンブラン支持体の外側エッジまたは外周縁88が、端部プレートの内周縁部72に対して、対向している。これら周縁部どうしを互いに直接的に当接させ得ること、および/または、端部プレート(または周縁シェル)の内周縁部とメンブラン支持体の外周縁部との間に、ギャップを、典型的には小さなギャップを、設け得ることは、本発明の範囲内である。端部プレートが、支持体を受領し得るようなサイズとされたチャンバを備えているかどうかに関係なく、メンブラン支持体は、容器の内部隔室の中に配置されることとなる。したがって、メンブラン支持体は、容器の端部プレート(または周縁シェル)の内周縁部の近傍に対して当接するあるいは延在する外周縁部を備えることとなる。
【0027】
端部プレート61のシール領域76とメンブラン支持体54のメンブラン接触表面87とが、好ましくは、全体的にあるいは完全に同一平面的な関係で配置されることにより、シームやギャップやあるいは他の移行やあるいは移行領域92が、メンブラン支持体の外周縁部と端部プレートの内周縁部との間に形成される。図4に示すように、メンブランは、この移行領域にわたって延在している。水素精製装置の動作時には、そしておそらく、より深刻なことに、装置の熱サイクルおよび圧力サイクル時には、これら部分の偏向および/または係合は、例えばメンブランの穿孔や皺形成や脆弱化やその他のメンブランの損傷によって、メンブランにリークをもたらし得る。メンブランに穴や切れ目やあるいは他の開口があれば、他のガスがメンブランを通過することができ、それにより、製品水素流の純度が低下してしまうことは、理解されるであろう。したがって、この移行領域は、好ましくは、メンブランの損傷可能性を低減し得るよう、できるだけ円滑なものかつできるだけ小さいものとされる。
【0028】
図5および図6は、本発明による水素精製装置10が(必須ではないものの)、メンブランが移行領域に対して直接的に係合するのを防止する目的で、移行領域とメンブランとの間に延在し得るよう構成された少なくとも1つのメンブランパッド94を備え得ることを、示している。よって、パッド94は、メンブランの透過表面50に対して接触しつつ延在するものとして説明することができる。パッド94は、さらに、メンブラン支持体と、透過側の端部プレートのシール領域との双方に対して接触しつつ延在している。パッド94は、メンブラン支持体の一部にわたって延在しているものとして、また、透過側の端部プレートのシール領域の一部にわたって延在しているものとして、説明することができる。
【0029】
パッド94は、容器とメンブラン支持体との間における移行領域にわたって延在し得るよう構成されているような、なおかつ、メンブランの透過表面を移行領域に対して係合させないよう構成されているような、任意の適切な構造を備えることができる。例えば、おそらく図6において最も明瞭に示すように、パッド94を使用することにより、移行領域92にわたって『軟化』させ得るとともに、メンブラン46が移行領域に対してのを防ぐことができる。パッド94は、水素精製装置が曝されるであろう動作環境下において熱的にかつ化学的に安定しているような任意の適切な材料から形成することができる。これにより、メンブランの皺形成や穿孔や移行領域との接触に基づく他の損傷といったようなものが起こる可能性を、低減することができる。
【0030】
従来のガス精製装置で使用されるような、メンブランと隣接構造との間において気密性のかつガス不透過性のシールを形成する必要があるようなガスケットまたは他の構造とは異なり、パッド94の場合には、そのようなシールを形成する必要がない。実際、装置10の動作は、パッド94が、メンブランと容器または支持体との間において気密シールを形成する態様がどうであろうと、影響を受けるべきものではない。したがって、パッドが、メンブラン46と容器12または支持体54との間においてガス不透過性シールを形成しないことも、本発明の範囲内である。よって、パッド94は、圧縮性材料から形成する必要はない。あるいは、圧縮性材料から形成されている場合であっても、パッド94は、大きな圧縮を受ける必要はない。
【0031】
例えば、パッド94は、ガス透過性材料からでも、また、ガス不透過性材料からでも、形成することができる。パッドは、したがって、水素選択性または水素透過性という特性を有するものであってもまた有していないものであっても良い。他の例として、パッドは、例えば20%以下の圧縮といったような軽い圧縮しか受けていないガスケットから形成することができる(典型的な圧縮性ガスケットは、ガス不透過性シールの形成のためには、少なくとも30%の圧縮を必要とし、好ましくは、60%に近い圧縮を必要とする)。パッド94のために使用するされるそのようなガスケットの排他的ではない実例は、
GRAFOIL(登録商標)という商品名でユニオンカーバイト社によって販売されているようなグラファイトガスケットである。実際的な例としては、0.127mm(5mil、5ミリインチ)の GRAFOIL(登録商標)ガスケットが使用され、0.1016mm(4mil、4ミリインチ)にまで圧縮された際には、たとえこの圧縮度合いが気密シールを提供するには不十分でものであったとしても、メンブランに対する所望の保護を提供する。さらなる例としては、パッド94は、金属から、および/または、剛直な材料から、および/または、非圧縮性材料(すなわち、装置内に組み込まれた際に、可能であったとしてもわずかしか厚さを低減し得ない材料)から、形成することができる。金属製パッドが使用される場合には、適切な材料の(非限定的な)例には、アルミニウム、銅、および/または、スチール、がある。
【0032】
図6においては、パッド94は、凹所またはチャンバ90内に配置されたものとして図示されている。凹所またはチャンバ90は、パッドを受領して位置決めし得るようなサイズとされている。これにより、移行領域をカバーし得るとともに、パッドのメンブラン係合表面95を、透過側の端部プレートのシール領域76に対して、同一平面的な位置関係に位置決めすることができる。このような構成においては、パッドの設置によって、メンブラン支持体のメンブラン係合表面と透過側の端部プレートのシール領域との間の同一平面的位置決めをオフセットすることとなることは、理解されるであろう。パッド94および/または隔室90は、本発明におけるすべての装置10において必須ではない。
【0033】
パッド94は、任意の適切な構成および厚さを有することができる。図示の例においては、パッドは、移行領域をカバーしているものの、メンブランの中央部分の大部分に沿って延在しているわけではない。装置10の使用時には、メンブランがメンブラン支持体に向けて付勢されそうであることにより、パッド94は、好ましくは、使用時にメンブランが曲げられる部分周辺に尖鋭エッジを有することがないよう、比較的薄いものであるべきである。たとえパッドが気密シールを形成するようにして圧縮されていないとしても、メンブランによるパッドの係合は、圧縮性パッドの使用を促進することができる。さらなる例として、パッドは、例えば図7に示すように、テーパー形状のあるいは傾斜付きの、内周縁部96を備えることができる。このテーパー形状という構成は、例えば装置の加圧時や減圧時といったような際に、パッドに対しての(繰返し的な)係合によってメンブランが皺形成を起こしたりあるいは損傷を受けたりするという可能性を、低減させることができる。
【0034】
メンブラン46は、任意の適切な方法および/または構造によって、容器12に対して固定することができる。例えば、メンブラン46は、例えば端部プレート59,61の一方または双方に対してといったようにして、容器12に対して、恒久的にかつ直接的に固定することができる。メンブランの取付に関して本明細書において使用された際には、『恒久的に』という用語は、適切な方法を使用することによる容器に対してのメンブランの取付が、メンブランの取付後においては、容器からメンブランを取り外すためには、メンブランまたは容器の少なくとも一部をカットしたり除去したりあるいは損傷したりする必要があるようにして行われていることを、意味している。加えて、メンブランの取付に関して本明細書において使用された際には、『直接的に』という用語は、容器に対してのメンブランの取付が、メンブランと容器とを相互接続する中間構造体を使用することなく、行われていることを、意味している。例えば、容器の内部隔室内において支持されているフレームに対して取り付けられているメンブランは、容器に対して、直接的には取り付けられていない。より直接的な例として、本発明に基づいて恒久的にかつ直接的に取り付けられたメンブランは、容器12の内部隔室18を、混合ガス領域30と透過物領域32とに分離する。この場合、内部隔室18は、水素精製装置の一次圧力容器をなす。詳細に上述したように、メンブランは、容器に対して直接的に関連している。これにより、メンブランは、シールを形成するためのガスケットや他の圧縮性シール部材を使用する必要なく、容器に対しての気密シールを提供することができる。
【0035】
メンブラン46は、メンブランと容器との間の気密シールを有したインターフェースの形成を行うことによって、容器に対して直接的にかつ恒久的に固定される。インターフェースは、メンブラン46を、容器に対して、恒久的にかつ直接的に取り付けるとともに、メンブランと容器との間に気密シールを提供する。『気密』という用語は、混合ガス流が、容器の内部隔室の混合ガス領域から、透過側の端部プレートの所定のポートを通して以外には容器の外側へと出ることができないものとされていること、および/または、水素選択性メンブラン自体を通過することによって以外には内部隔室の透過物領域へと通過し得ないものとされていること、を意味している。言い換えれば、取付プロセスにより、好ましくは、メンブランと容器との間にシールが確立され、このシールが、容器の混合ガス領域と透過物領域との間におけるリーク経路の形成を防止しており、なおかつ、これら領域と容器外部との間におけるリーク経路の形成を防止している。
【0036】
容器に対して1つまたは複数のメンブラン46を恒久的にかつ直接的に取り付けるための適切なプロセスの非限定的な例は、破壊的な結合プロセスである。この場合、メンブランと容器との少なくとも一方の一部が消費され、これにより、メンブランと容器との間における気密シールが形成される。気密シールに関して本明細書において使用された際には、『消費される』という用語は、メンブランと容器との間におけるシールを確立し得るように、メンブランおよび容器の1つまたは複数の物理的なおよび/または化学的な特性を変更することを意味している。このような消費には、メンブランおよび/または容器の消費された部分から合金を形成すること、および/または、メンブランと容器との間にわたって原子を相互に拡散させること、がある。破壊的な結合プロセスの例には、溶接や、拡散結合、がある。適切な取付方法の他の例においては、メンブランと容器とは、ろう付けによって気密シールを形成するようにして、互いに恒久的にかつ直接的に固定される。これらの例の各々については、詳細に後述するとともに、図8〜図10において概略的に図示されている。容器12に対してメンブラン46を恒久的にかつ直接的に取り付けるための他の適切な方法の例には、レーザー溶接や、半田付けや、低温ろう付け、等、がある。
【0037】
図8においては、インターフェース100は、例えば端部プレート59,61のシール領域といったような容器のシール領域に対して、メンブラン46を溶接することによって、形成されている。溶接プロセスは、図8においていくぶん概略的に図示されているように、メンブラン46の消費された部分102と、端部プレート59,61の消費された部分104,106と、の間においてシール108を形成する。溶接プロセスにおいては、メンブランおよび端部プレートのそれぞれの消費された部分から、合金109が形成される。任意の適切な溶接プロセスを使用することにより、端部プレート59,61に対してメンブラン46を溶接することができる(あるいは、容器の1つまたは複数の他の部分に対してメンブラン46を溶接することができる)。必須ではないけれども、溶接プロセスにおいて、合金109内へと、少なくとも1つの付加的な金属または他の成分を導入し得ることは、本発明の範囲内である。例えば、タングステン不活性ガス(TIG)溶接を使用することができる。TIGプロセスにおいては、ワイヤ(例えば、ニクロムワイヤおよび/またはモネル(登録商標)ワイヤ)を、グルーブ内へと、すなわち、溶接ジョイント57内へと、導入する。溶接プロセス時には、ワイヤから、また、メンブランおよび容器の一部から、液相が形成される。さらなる成分の導入は、ワイヤとメンブランと容器とからなる固化物質の適合性および安定性を向上させる。インターフェース100は、メンブラン46および容器12の外周縁部領域の近傍のものとして図示されているけれども、インターフェースを、シール領域76の1つまたは複数の部分に沿って、および/または、メンブランと容器との間にシールまたは結合を確立し得るような他の任意の適切な場所に沿って、メンブラン46および容器12の近傍に延在させ得ることは、本発明の範囲内である。言い換えれば、インターフェースは、典型的には、例えば端部プレート59,61といったような容器の溶接部分の外周縁部と内周縁部との間において、少なくとも部分的に延在する。必須ではないけれども、溶接プロセスによって確立されたインターフェースは、好ましくは、容器の内周縁部に到達する前に、終端する(すなわち、内部隔室の中へと達しない)。
【0038】
図9においては、インターフェース110は、端部プレート59,61に対してメンブラン46を拡散結合することによって、形成されている。拡散結合により、メンブラン46の消費された部分112と、端部プレート59,61の消費された部分114,116と、の間において、これら部分からなる液相を形成することなく、シール118が形成されている。メンブランに関して本明細書において使用された際には、『拡散結合』という用語は、結合対象をなす複数の材料の原子および/または原子の相互拡散が存在するプロセスを意味している。インターフェース110が、シール領域76の全部ではないにしてもシール領域76の少なくとも実質的な部分に沿って形成されているけれども、インターフェースを、メンブランおよび容器の外周縁部領域どうしの間において、および/または、メンブラン46と容器12との間にシールまたは結合を確立するのに適した他の任意の場所において、シール領域76の1つまたは複数の任意の部分に沿って形成し得ることは、本発明の範囲内である。拡散結合および溶接の双方により、破壊的結合プロセスの前に存在していなかったような合金または他の組成を得ることができる。
【0039】
図10においては、ろう付けプロセスによるメンブラン46と容器12との間における気密シールの形成を図示している。ろう付けプロセスにおいては、容器もメンブランも、消費されない。その代わりに、ろう付け材料126が、液相を形成する。この液相の固化によって、メンブランと容器との間において、例えば端部プレート59,61のシール領域どうしの間といったようなところにおいて、気密シール128が形成される。本明細書において使用された際には、『ろう付け』という用語は、部材どうしの間にろう付け材料を流すことによってそれら部材どうしを結合することを意味している。任意の適切なろう付け材料を使用することができる。しかしながら、好ましくは、そのろう付け材料は、メンブランおよび端部プレートと比較して、より低温で液相へと変化するものとされる。ろう付け材料は、メンブラン46と、端部プレート59,61(または容器の他の部分)と、の間において、気密シール128を形成する。シール128は、メンブランおよび容器の外周縁部領域どうしの間のものとして図示されているけれども、シール128を、シール領域76の1つまたは複数の任意の部分に沿って、また、メンブランと容器と間においてシールまたは結合を確立し得るような他の任意の適切な場所に沿って、配置し得ることは、本発明の範囲内である。
【0040】
図8〜図10における図示は、メンブラン46自身がシール容器の一部を形成しているような、メンブラン46の例を提供するものと考えることができる。このことは、シール容器(圧力容器)の内部隔室の中においてメンブランがただ単に支持されているのではなく、圧力容器が、メンブランによって部分的に形成されていることを意味している。この関係を言い換えるならば、メンブランが、シール容器の気密シールの一部を形成しているということである。
【0041】
上述した様々なシールは、メンブラン46(例えば、外周縁部領域82)と容器12との間における連続的なシールとして図示されているけれども、2つあるいはそれ以上の個別的なまたは不連続的なシールを使用し得ることは、本発明の範囲内である。例えば、第1気密シールを、メンブラン46と、例えば端部プレート59,61のうちの第1部分といったような容器の第1部分と、の間に形成することができる。その後、第2気密シールを、端部プレート59,61の第2部分と、メンブランおよび/または端部プレートの第1部分と、の間に形成することができる。例えば、メンブラン46を、両端部プレートのうちの一方のシール領域に対しておよび/または容器の内表面に対して恒久的にかつ直接的に取り付けることができ、そしてその後、容器の端部プレートどうしをまたは容器の他の部分どうしを、互いに固定することができ、これにより、圧力容器をシールすることができる。しかしながら、好ましくは、メンブランと容器との間の気密シールは、単一ステップにおいて形成される。その単一ステップにおいては、メンブランが、容器に対して恒久的にかつ直接的に取り付けられ、これにより、上述したような気密シールが形成される。
【0042】
上記の様々な例においては、メンブランは、端部プレート59,61のシール領域の外周縁部にまで延在しているけれども、あるいは、そのような外周縁部を超えて延在しているけれども、メンブランは、シール領域にわたって完全に延在している必要はない。メンブランの恒久的なかつ直接的な取付対象をなす容器の一部のシール領域の外周縁部にまで延在しているような、あるいは、そのような外周縁部を超えてさえ延在しているようなメンブランの利点は、シールが典型的には容器の内部に向けて少なくとも部分的に延在しているようにして、容器の外側部分から、シールを確立し得ることである。
【0043】
図11は、容器12を備えた水素精製装置10の一例を詳細に図示している。容器12は、圧力容器を形成しているとともに、内部隔室18を備えている。内部隔室18は、内部隔室18にわたって延在しているとともに容器に対して直接的にかつ恒久的に固定されていて容器に対して気密シールを形成している少なくとも1つの水素選択性メンブラン54によって、混合ガス領域30と透過領域32とに分離されている。本発明による装置10内に設け得るものとして上述した様々な構成部材も、また、図11に示されている。図11に示す実施形態は、本発明の範囲から逸脱することなく、上述したような任意の変形例および/または任意の付加的構造を備えることができる。
【0044】
上記において説明されさらに概略的に図示されたような水素精製装置の様々な構成例や各構成部材の例は、本発明の範囲を限定するものではない。同様に、メンブランや、支持物や、容器、等に関して図示された厚さおよび他の寸法は、説明の目的のために誇張されたものであって、これら構成部材の相対的なサイズを正確な表現したものではない。例えば、メンブランの厚さは、誇張されている。同様に、端部プレートの形状および相対的な寸法は、図示の目的のために単純化されている。詳細に上述したように、端部プレートの外周縁部は、例えばシール領域76の近傍のところといったようなところは、テーパー形状としたり、また、気密シールの形成を助長し得るような形状としたり、することができる。例えば、端部プレートは、例えば図8〜図10に示すように、テーパー形状あるいはグルーブを備えることができる。この付加的な領域は、溶接またはろう付けによってメンブラン46を容器12に対して固定する際に強力なシールの形成を容易なものとし得るような任意の適切な形状を有することができる。
【0045】
本発明に基づいて構成された水素精製装置10のさらなる例は、図12および図13において、全体的に符号210によって示されている。特に明記しない限り、装置210は、上述した様々な装置の場合と同様であるような任意の様々な構成部材を選択的に備えることができる。上述したそれら様々な構成部材の(非限定的な)例が、図12および図13に示されている。上述した例と同様に、装置210は、内部隔室18を有した圧力容器として形成された容器12を備えている。内部隔室18は、容器に対して直接的にかつ恒久的に固定されていて容器に対して気密シールを形成している少なくとも1つの水素選択性メンブラン46によって、混合ガス領域30と透過領域32とに分離されている。
【0046】
容器12に関する図示の例は、一対をなす端部プレート59,61と、周縁シェルすなわち周縁シェル部分214と、を備えている。周縁シェル214は、双方の端部プレートどうしの間に延在しているとともに、双方の端部プレートと一緒に、容器の内部隔室18を形成している。周縁シェルは、また、容器がなす圧力容器部分を形成するフレームと称することもできる。図示の例においては、メンブラン46は、周縁シェルに対して恒久的にかつ直接的に取り付けられている。周縁シェルは、容器の隣接部分に対して、例えば端部プレート59,61といったようなものに対して、恒久的にかつ直接的に取り付けられている。気密シールを形成するための上述した破壊的プロセスや他のプロセスを使用することにより、メンブランを周縁シェルに対して、また、周縁シェルを端部プレートに対して、固定することができる。したがって、例えば上記の破壊的な結合プロセスといったようなプロセスによって、メンブランと周縁シェルおよび/または端部プレートとの間において、および、シェルと端部プレートとの間において、気密シールが形成される。これらのシールは、図12において全体的に符号218によって示されている。
【0047】
図12および図13においては、メンブラン46は、周縁シェルの透過表面216に対して恒久的にかつ直接的に取り付けられている。メンブランは、メンブラン支持体54によって、透過表面50上において支持されている。メンブラン54を、シェルの混合ガス表面に対しておよび/または容器の他の部分に対して、恒久的にかつ直接的に固定し得ることは、本発明の範囲内である。また、2つ以上の周縁シェルを使用し得ることも、本発明の範囲内である。周縁シェル214は、水素精製装置が使用される動作環境において安定であるような任意の適切な材料から形成することができる。シェル214は、必須ではないものの、容器の残部と同じ材料から形成することができる。したがって、シェル214は、これに代えて、端部プレートとは異なる材料から形成することができる。
【0048】
周縁シェル部分214は、端部プレートどうしを互いに離間させており、これにより、容器がなす圧力容器の少なくとも一部と内部隔室とを形成している。図12に示す例においては、周縁シェル部分すなわちフレーム214は、一方の端部プレートの内周縁よりも容器の内部隔室内へと突出するような(図13)、あるいは、双方の端部プレートの内周縁よりも容器の内部隔室内へと突出するような(図12)、内周縁すなわち内表面222を備えている。図示の双方の例においては、周縁シェルの内周縁222は、メンブラン支持体の外周縁すなわちエッジ88よりも小さい。言い換えれば、周縁シェル部分は、メンブラン支持体54に対してオーバーラップしている。この構成は、ガスケット無しタイプの水素精製装置(すなわち、容器の内部隔室を混合ガス領域と透過物領域とに分離する目的でメンブランと容器との間にシールを形成するための圧縮可能等という性質を有したガスケットを必要としないような、水素精製装置)の他の例を提供するだけでなく、容器と、メンブランによって直接的に係合されたメンブラン支持体と、の間に移行領域が存在しない構成をも提供する。
【0049】
周縁シェルを使用することの潜在的利点は、少なくとも一方の端部プレートが(必須ではないものの)端部プレートがなす平面の方向においてガスの横断流のためのチャンバまたは凹所を構成することなく形成し得るということである。その代わりに、周縁シェル部分が、容器の内部隔室の透過物領域または混合ガス領域の、すべてではないものの、少なくとも実質的な部分を形成している。したがって、周縁シェル214の厚さ(端部プレートどうしの間の距離として測った厚さ)を、例えば混合ガス領域30または透過物領域32といったようなものに関して、選択されたまたは所望のガス流領域を提供し得るようなものとすること、あるいは、そのような厚さに選択することは、本発明の範囲内である。図13は、周縁シェル部分の厚さ(すなわち、周縁シェル部分の混合ガス表面と透過表面の間の距離)の増大化が、例えば混合ガス領域に関して図示されているように、容器のガスフロー経路またはガスフロー領域のうちの一方のサイズを増大化させることを、概略的に示している。すなわち、少なくとも一方の端部プレートの内部にこのチャンバすなわちガス流通経路を形成する必要がないという潜在的な製造上の利点は、周縁シェル部分の存在のために容器のための外部シールの数を増やすという事実に対して、トレードオフの関係にある。より詳細には、周縁シェルの存在により、2つの外部シールが必要とされる。第1の外部シールは、シェルと一方の端部プレートとの間に必要とされ、第2の外部シールは、シェルと他方の端部プレートとの間に必要とされる。どのようなシールの場合でもガス漏洩経路ができてしまうという可能性を有していることのために、各シールがガス漏れ経路を起こさないように注意する必要がある。
【0050】
上述したように、水素精製装置10は、典型的には、高温および高圧で動作する。このような高圧のために、容器を、容器をなす各構成部材を典型的には数百ポンドという力でもって引き離そうとする力に耐え得るような耐圧容器とする必要がある。容器は、また、使用時に加熱および加圧されることと不使用時に冷却および圧力解除されることとが繰り返されることのために、容器が受ける熱サイクルおよび圧力サイクルに対して耐え得るものでなければならない。
【0051】
上述したように、水素精製装置を高温にまで加熱することが所望された場合には、
様々な加熱アセンブリを使用することができる。必須ではないけれども、例えば加熱効率を高め得るよう、および/または、容器の外表面に対して接触しないようにして操作者や隣接構造を保護し得るよう、装置を絶縁することが望ましい。図14は、本発明による容器12を備えた水素精製装置10と一緒に使用し得る絶縁された加熱アセンブリ300の一例を図示している。本明細書において使用された際には、『水素精製アセンブリ』という用語は、限定するものではないけれども図14に図示されて説明される絶縁された加熱アセンブリ300といったような加熱アセンブリ42と組み合わせて、ここに図示されて説明される水素精製装置10のうちの1つを意味するものとして、使用される。また、後述するような絶縁された加熱アセンブリ300を使用することなく、水素精製装置10および/または容器12を使用し得ることは、本発明の範囲内である。
【0052】
図示のように、水素精製装置10は、一対をなす加熱アセンブリ42の間に配置される。加熱アセンブリ42は、符号322によって詳細に示されているとともに、熱伝導構造323を備えている。熱伝導構造323は、熱を適切に伝導し得るような材料から形成されているとともに、熱源324を受領し得るように構成されている。熱源324は、例えば電気ヒータ326といったようなものとされ、材料内のキャビティ328内に受領される。図示の電気ヒータに代えて、あるいは、図示の電気ヒータに加えて、他の熱源を使用することができる。加熱構造は、水素精製装置の容器12のうちの対向した外表面すなわち表面330に対して、熱を供給する。熱伝導構造は、例えば容器およびその内容物を所望の動作温度にまで加熱するのに使用される高温といったような容器12の動作環境において熱的にかつ化学的に安定な任意の適切な熱伝導材料から形成することができる。適切な材料の例は、アルミニウムである。しかしながら、他の材料を使用することもできる。
【0053】
図示の例においては、面330と、熱伝導構造の対応する表面332とは、平面状の構成を有している。これにより、これらの構造は、オーバーラップ表面の少なくとも実質的な部分にわたって互いに直接的に当接することができる。熱伝導構造、および/または、端部プレートの外面を、これら両部材を互いに位置決めし得るようなおよび/またはそれら両部材を互いに向けて付勢し得るような適切なマウントを備えたものとし得ることは、あるいは、そのような適切なマウントに対して結合させ得ることは、本発明の範囲内である。
【0054】
図14には、さらに、装置10と加熱アセンブリ322(存在する場合)とを受領し得るようなサイズとして構成された絶縁シュラウドまたはハウジング350が、図示されている。ハウジング350は、例えば耐火性セラミックといったような任意の適切な絶縁材料から形成し得るとともに、好ましくは、水素精製装置と、付加的には1つまたは複数の加熱アセンブリ(例えば、アセンブリ42または322)の少なくとも一部と、を取り囲んでいる。これにより、所望の温度に維持するための加熱要求を低減させている(すなわち、熱損失を低減させている)とともに、より低温であるような、好ましくは、接触するものを損傷させないような温度であるような、外表面352を提供する。図示の例においては、ハウジング350は、2つの半体352から形成されている。半体は、装置10とアセンブリ322とを受領する内部隔室354を備えている。他の構成を使用することもできる。例えば、3つ以上の構成部材を備えている構成や、キャストされてなる単一構造や、水素精製装置の周囲に形成された構造や、様々なサイズの構成部材、等といったような様々な他の構成を使用することができる。
【0055】
図14は、さらに、付加的な保持器360の一例を図示している。保持器360は、水素精製装置と加熱アセンブリ322とハウジング350とがシール状態となるように互いに付勢し得るよう構成されている。図示の通り、保持器360は、プレート362を備えている。プレート362どうしは、任意の適切なコネクタによって、好ましくはスプリングによってあるいは両プレートを互いに向けて付勢し得るような他のコネクタによって、互いに近接する向きに付勢されている。水素精製装置が、容器を分離させたりあるいは容器を開けたりするような内部力に対してそれ自体が抗し得るように構成されたシール構造を備えていることにより、コネクタは、ただ単に、それら構造が互いに物理的に接触するようにして、それら構造どうしを付勢するだけでよい。
【0056】
本発明に基づいて構成された水素精製装置10は、不純であるような任意の水素ガス源に対して、接続することができるあるいは流体連通することができる。それら水素ガス源の例には、例えばハイドライドベッドや加圧タンクといったようなガス貯蔵装置がある。他の水素ガス源は、水素ガスを回収し得るような排ガス流を生成する装置である。さらに他の水素ガス源は、燃料処理装置である。本明細書においては、『燃料処理装置』とは、供給原料を含有している少なくとも1つの供給ガス流から水素ガスを含有した混合ガス流を生成し得るような任意の装置を意味している。典型的には、水素ガスは、燃料処理装置によって生成された混合ガス流のうちの、大部分または少なくとも実質的な部分を構成することとなる。
【0057】
燃料処理装置は、様々な機構によって、混合ガス流24を生成することができる。適切な機構の例には、改質触媒が炭素含有供給材料および水を含む材料流れから水素ガスを作り出すために使用される、蒸気改質および自動熱改質を含む。水素ガスを作り出すための他の適切な機構は、送給流れが水を含まない場合の、カーボン含有供給材料の熱分解および触媒部分的酸化を含む。供給材料が水である場合の、水素ガスを作り出すための適切な機構は電気分解である。供給材料を含む適切なカーボンの実例は、少なくとも1つの炭化水素またはアルコールを含む。適切な炭化水素の実例は、メタン、プロパン、天然ガス、ディーゼル、灯油、ガソリン等を含む。適切なアルコールの実例は、エチレングリコールとプロピレングリコールのような、メタノール、エタノールおよび多価アルコールを含む。
【0058】
燃料処理装置から混合ガス流れ24を受容するように構成される水素精製装置10は、図15に概略的に示されている。図示するように、燃料処理装置は、参照符号400で全体的に示され、および、燃料処理装置と水素精製装置の組合せは、燃料処理システム402として呼称し得る。上述したように、装置10に熱を供給しかつ様々な形態を取り得る、加熱アセンブリも参照符号42で点線で示されている。燃料処理装置400は、上述した形態の何れかを取り得る。本発明による水素精製装置が燃料処理装置400以外の源から混合ガス流れ24も受容し得ることを図的に説明するために、ガス貯蔵装置は参照符号406で概略図示され、異なる製品流れ408を作り出す間に廃棄物または副生成物流れとして混合ガス流れ24を作り出す装置が参照符号410で示されている。燃料処理装置400の概略的表示は、何れかの関連する加熱アセンブリ、供給材料運搬システム、空中運搬システム、送給流れ源または供給源等を含むことを意味している。
【0059】
燃料処理装置は、高温および/または圧力でしばしば動作する。その結果、外部流体輸送導管によって連結される装置10および燃料処理装置400を有することに対立するものとして、燃料処理装置400と共に水素精製装置10を少なくとも部分的に一体化することは望ましいものとし得る。こうした形状構成の実例は図17に示されており、燃料処理装置はシェルまたはハウジング412を含み、この装置10は内部の一部を構成するかおよび/または少なくとも部分的に内部に延在する。こうした形状構成では、燃料処理装置400は、装置10を含むものとして説明し得る。燃料処理装置または混合ガス流れ24の他の源の水素精製装置10と一体化は、装置を、ユニットとして容易に移動可能にする。それは、装置10を含む、燃料装置の構成部材を、共通の加熱アセンブリによって加熱可能にもしおよび/または装置10の加熱要求の全てではないが少なくとも幾つかを処理装置400によって生成された熱によって満足可能にもする。
【0060】
上述したように、燃料処理装置400は、水素ガスを含有する混合ガス流れ、および好ましくは多数の水素ガスを含有する混合ガス流れを作り出す何れかの適切な装置である。説明目的のために、以下の説明は、図17に示すように、カーボン含有供給材料418および水420を含む送給流れ416を受容するように構成される燃料処理装置400を説明する。しかしながら、上述したように、燃料処理装置400が他の形態を取り得ること、しかも送給流れ416がカーボン含有供給材料または水だけを含むような他の構成を有し得ることは本発明の範囲内である。
【0061】
送給流れ416は、任意の適切な機構によって処理装置400に伝え得る。単一の材料流れ416は、図17に示されているが、1つより多い流れ416は使用し得るものでありかつこれらの流れが同じまたは異なる構成部材を含み得ることを理解すべきである。カーボンを含有する供給材料418が水と混和する時、供給材料は、例えば、図17に示すように、送給流れ416も水組成に典型的に伝えられる。カーボンを含有する供給材料が水と混ざらないかまたは水と僅かに混和する時、これらの成分は、通常、図17に点線で示すような独立した流れで処理装置400に伝えられる。図17では、送給流れ416は、送給流れ運搬システム417によって燃料処理装置400に伝えられることが示されている。運搬システム417は、処理装置400に送給流れを伝える何れかの適切な機構、装置あるいはこれらの組合せも含む。例えば、運搬システムは、供給源から流れ416の成分を伝える1つ以上のポンプを含み得る。これに加えてあるいはこれに代えて、システム417は、加圧された供給源からの成分の流れを制御するように構成されるバルブアセンブリを含み得る。供給源は、燃料電池システムの外部に配置し得るか、あるいはこのシステム内または該システムに隣接して含み得る。
【0062】
図17で参照符号412で全体的に示すように、燃料処理装置400は、混合ガス流れ24が送給流れ416から作り出される水素生成領域を含む。上述したように、様々に異なるプロセスは水素生成領域432で利用し得る。こうしたプロセスの例は、領域412が内部に蒸気改質触媒434を含む、蒸気改質である。これに代えて、領域432は、自動熱改質によって流れ24を作り出し得る。この場合、領域432は、適切な自動熱改質触媒を備え、燃料処理装置は、自動熱改質に適した温度および圧力で動作する。蒸気または自動熱改質の情況では、混合ガス流れ24も改質蒸気として呼称し得る。好ましくは、燃料処理装置は、実質的に純粋な水素ガスを作り出すように構成される。また、さらにより好ましくは、燃料処理装置は純粋な水素ガスを作り出すように構成される。本発明の目的のために、実質的に純粋な水素ガスは好ましくは90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上、そしてさらにより好ましくは99.5%純粋以上である。適切な燃料処理装置の例は、上記特許文献2、2001年3月8日に出願されかつ“Fuel Processor and Systems and Devices Containing the Same ”と題する係属中の米国特許出願第09/802,361号明細書、および、2001年3月19日に出願されかつ“Hydrogen-Selective Metal Membrane Modules and Method of Forming the Same”と題する上記特許文献3に開示されている。これら文献の記載内容は、参考のため、ここに組み込まれる。
【0063】
燃料処理装置400は、必須ではないが、図17に点線で示すような研磨領域448を更に備えることができる。研磨領域448は、装置10から水素に富んだ(あるいは、水素リッチな)流れ34を受容しかつ選択された成分の濃度を減少させるか、または取り除くことによって流れを更に浄化する。図17では、生じる流れは、参照符号414で示されかつ製品水素流れまたは浄化された水素流れとして呼称し得る。燃料処理装置400が研磨領域448を含まない時、水素に富んだ流れ34は、製品水素流れ414を構成する。例えば、流れ34が燃料電池スタックに使用するように構成される時、必要ならば、一酸化炭素と二酸化炭素のような燃料電池スタックを破損し得る構成は、水素に富んだ流れから取り除き得る。制御システムが燃料電池スタックを分離するのを防ぐために、一酸化炭素の濃度は、10ppm(100万の1部)より小さくすべきである。好ましくは、システムは、一酸化炭素の濃度を5ppm以下に制限し、そしてさらに好ましくは1ppmより小さく制限する。二酸化炭素の濃度は、一酸化炭素の濃度より大きくなり得る。例えば、25%未満の二酸化炭素の濃度は許容し得る。好ましくは、濃度は10%未満、さらにより好ましくは1%未満である。特に好ましい濃度は、50ppm未満である。本明細書に提示された許容可能な最小の濃度は、一例であり、本明細書に示したもの以外の濃度は、本発明の範囲内にあり得る。例えば、特定の使用者または製造業者は、本明細書で識別されたものと異なる最小または最大の濃度レベルを要求し得る。
【0064】
領域448は、流れ34の選択された成分の濃度の削除または減少させる何れか適切な構造も含む。例えば、製品流れがプロトン交換メンブラン(PEM)燃料電池スタックまたは、流れが一酸化炭または二酸化炭素の決められた濃度以上を含有する場合に損傷される他の装置を使用するように構成される時、少なくとも1つのメタン生成触媒ベッド450を含むことは望ましいものとなり得る。ベッド450は、一酸化炭素と二酸化炭素を、共にPEM燃料電池スタックを破損しない、メタンと水に変換する。研磨領域448は、何れかの反応しない供給材料を水素ガスに変換するために別の改質触媒ベッドのような別の水素生成領域452を含み得る。こうした実施形態では、第2改質触媒ベッドがメタン生成触媒ベッドの下流に二酸化炭素または一酸化炭素を再導入しないようにメタン生成触媒ベッドから上流であることが望ましい。
【0065】
蒸気改質装置は、典型的には、200℃〜700℃という温度範囲で、および、3450kPa(50psi)〜6900kPa(1000psi)という圧力範囲で、動作する。しかしながら、この範囲以外の温度であっても、使用される燃料処理装置の特定のタイプおよび形状構成に応じて、本発明の範囲内である。何れの適切な加熱装置または装置も、こうしたヒータ、バーナー、燃焼触媒等または同種のもののようなこの熱を提供するのに使用し得る。加熱アセンブリは、燃料処理装置の外部にあるものとし得るか、あるいは、燃料処理装置の一部を構成する燃焼チャンバを構成し得る。加熱アセンブリの燃料は、燃料処理または燃料電池システムによって、あるいは、外部の供給源によって、あるいは、これら双方によって、提供し得る。
【0066】
図17では、燃料処理装置400は、上記成分が含まれるシェル412を含んで示されている。ハウジングとして参照し得る、シェル412は、燃料処理装置の成分を1ユニットとして移動可能にする。それは、また、保護容器の提供により損傷から燃料処理装置の構成部材を保護し、燃料処理装置の構成部材を1ユニットとして加熱し得るため、燃料処理装置の加熱要求を減じる。必須ではないが、シェル412は、固体絶縁材料のような絶縁材料433、ブランケット絶縁材料、あるいは空気充填キャビティを含む。しかしながら、燃料処理装置を、ハウジング又シェル無しで構成し得ることは本発明の範囲内にある。燃料処理装置400が絶縁材料433を含む時、絶縁材料は、シェル内部、シェル外部、あるいは両方にあり得る。絶縁材料が上述した改質、分離および/または研磨領域を含むシェルの外部にある時、燃料処理装置は、外筒または絶縁材料の外部のジャケットを更に含み得る。
【0067】
燃料処理装置400の構成部材の1つ以上がシェルを超えて延在するかまたは少なくともシェル412の外部に設置し得ることは更に本発明の範囲内である。例えば、図16に示すように、装置10は、シェル412を超えて少なくとも部分的に延在し得る。別の例として、および図17に概略的に図示するように、研磨領域448はシェル412の外部にあるかおよび/または水素生成領域432(1つ以上の改質触媒ベッドの部分のような)の一部はシェルを超えて延在し得る。
【0068】
上に示したように、燃料処理装置400は、そこから電気を生成する少なくとも1つの燃料電池スタックに水素に富んだ流れ34またはプロダクト水素流れ414を伝えるように構成し得る。こうした形状構成では、燃料処理装置および燃料電池スタックは燃料電池システムとして呼称し得る。こうしたシステムの例は、燃料電池スタックが参照符号422で全体的に示されている図18に概略的に図示されている。燃料電池スタックは、それに伝えられたプロダクト水素流れ414の部分から電流を作るように構成される。図示した実施形態では、単一の燃料処理装置400および単一の燃料電池422は図示され説明されている。しかしながら、これらの構成部材の何れかまたは両方の1つ以上を使用し得ることを理解すべきである。これらの構成部材が概略的に図示されており、しかも燃料電池システムが、送給ポンプ、空中輸送システム、熱交換器、加熱熱アセンブリ等のような図面に特に図示されていない更なる構成部材を含み得ることはさらに理解すべきである。
【0069】
燃料電池422は、少なくとも1つの、そして典型的には多数の燃料電池を含み、これらの電池は、これに伝えられたプロダクト水素414の部分から電流を生産するように構成される。この電流は関連するエネルギー消費装置425のエネルギー需要または適用ロードを満たすために使用し得る。必ずしも限定されるものではないが、装置425の例示的実例は、自動車、レクリエーショナル・ビークル、ボート、工具、照明または照明アセンブリ、器具(世帯または他の器具のような)、世帯、信号、通信設備等を含む。装置425が図18に概略的に図示されかつ燃料電池システムから電流を取り出すように構成される1つ以上の装置または装置の集合体を示すことを意味していることを理解すべきである。燃料電池スタックは、典型的には、共通の端部プレート423間で互いに結合された多数の燃料電池を含む。これらの電池は流体伝達/削除導管(図示せず)を含む。適切な燃料電池の例は、プロトン交換メンブラン(PEM)燃料電池およびアルカリ型燃料電池を含む。燃料電池スタック422はプロダクト水素流れ414を全て受容し得る。流れ414のうちの幾つかまたは全ては、さらに、または別様に燃料または熱のために燃えて、別の水素消費プロセスで使用するために適切な導管によって伝え得るか、あるいは後の使用のために格納し得る。
【0070】
『産業的な応用可能性』
本発明による水素精製装置、構成部材および燃料処理システムおよび燃料電池システムは、水素ガスが生産および/または利用される燃料処理や燃料電池や他の産業に応用可能である。
【0071】
上述した開示事項は独立ユーティリティーを備えた多数の別個の発明を包含するものと確信する。これらの各発明はその好ましい形態で開示されてきたが、本願明細書に開示しかつ図示したような特定実施形態は可能な限りの多数の変形が限定的意味合いで考慮されない。本発明の主題は、種々の構成部材の全ての新規且つ自明でない組合せおよび副組合せ、特徴、機能および/または本願明細書に開示された特性を含む。同様に、特許請求の範囲の請求項が「1つ」または「第1」、あるいはこれに等価に記載すると、こうした請求項は1つ以上のこうした部材の組み入れを含み、2つ以上のこうした部材を排他するものではないことを理解すべきである。
【0072】
以下の請求項は、開示された発明の1つに向けられかつ新規且つ非明白な或る組合せおよび副組合せを特に指摘するものと信じる。特徴、機能部材および/または特性の他の組合せおよび副組合せで具現化された発明は、現在の特許請求の範囲の請求項の補正または本願または関連出願での新たな請求項の提示によって請求し得る。こうした補正または新たな請求項は、これらが異なる発明に向けられているか、あるいは同じ発明に向けられているか、出願当初の特許請求の範囲の請求項に対して範囲が異なるか、より広いか、より狭いか、あるいは等しいかに拘わらず、本願明細書の開示事項の本発明の主題内に含まれるものとみなされる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】水素精製装置を概略的に示す図である。
【図2】水素精製装置を概略的に示す断面図であって、水素選択性メンブランを備えた分離アセンブリの例を示している。
【図3】本発明に基づいて構成された水素精製装置を概略的に示す断面図である。
【図4】図3の装置における、水素選択性メンブランと、メンブラン支持体と、透過液側の端部プレートと、を拡大して示す図である。
【図5】本発明に基づいて構成された他の水素精製装置を概略的に示す断面図である。
【図6】図5の装置における、水素選択性メンブランと、メンブラン支持体と、メンブランパッドと、透過液側の端部プレートと、を拡大して示す図である。
【図7】図6のメンブランの変形例を備えてなる水素精製装置の一部を拡大して示す図である。
【図8】水素精製装置の容器に対してメンブランを溶接することによって形成された周縁シールを拡大して示す図である。
【図9】水素精製装置の容器に対してメンブランを拡散接合することによって形成されたシールを拡大して示す図である。
【図10】水素精製装置の構成部材ならびにこれらを備えてなるに対してメンブランを半田付けすることによって形成されたシールを拡大して示す図である。
【図11】本発明に基づいて構成された他の水素精製装置を示す分解斜視図である。
【図12】本発明に基づいて構成された他の水素精製装置を概略的に示す断面図である。
【図13】本発明に基づいて構成された他の水素精製装置を概略的に示す断面図である。
【図14】本発明に基づいて構成された水素精製装置を示す分解斜視図であって、絶縁された加熱アセンブリを備えている。
【図15】燃料処理装置と本発明に基づいて構成された水素精製装置とを備えてなる燃料処理システムを概略的に示す図である。
【図16】本発明に基づいて構成された水素精製装置に対して一体化された燃料処理装置を備えてなる燃料処理システムを概略的に示す図である。
【図17】本発明に基づいて構成された一体型水素精製装置を備えている他の燃料処理装置を概略的に示す図である。
【図18】本発明に基づいて構成された水素精製装置を備えている燃料電池システムを概略的に示す図である。
【符号の説明】
【0074】
10 水素精製装置
12 容器
18 内部隔室
20 分離アセンブリ
24 混合ガス流
30 混合ガス領域
32 透過物領域
34 透過物流、水素リッチ流
36 副生成物流
46 水素選択性メンブラン
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に水素ガスの精製に関するものであり、より詳細には、水素精製装置、構成部材、および、これらを備えてなる燃料処理システムおよび燃料電池システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
精製された水素は、金属、食用脂および油、および、半導体とマイクロエレクトロニクスを含む多くの製品の製造で使用される。精製された水素は、多くのエネルギー変換装置のための重要な燃料源である。例えば、燃料電池は、電気的ポテンシャルを作り出すために精製された水素およびオキシダントを使用する。様々なプロセスおよび装置は、燃料電池によって消費される水素ガスを作り出すために使用し得る。しかしながら、水素ガスを含む混合ガス流と呼称し得る、多数の水素生成プロセスが不純な水素流を作り出す。この流れを燃料電池または燃料電池のスタックに運ぶ前に、この混合流は望ましくない不純物を取除くように精製し得る。
【特許文献1】米国特許第6,152,995号明細書
【特許文献2】米国特許第6,221,117号明細書
【特許文献3】米国特許第6,319,306号明細書
【特許文献4】米国特許第6,569,227号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、水素精製装置、水素精製装置の構成部材、および、水素精製装置を備えた燃料処理および燃料電池システム、に関するものである。水素精製装置は、圧力容器を形成する容器を具備している。容器は、分離アセンブリを収容している。分離アセンブリは、水素ガスおよび他のガスを含有した混合ガス流を受領し得るよう構成されているとともに、その混合ガス流から、少なくとも実質的に純粋な水素ガスを含有してなる水素リッチな透過物流を生成し得るよう構成されている。いくつかの実施形態においては、容器は、ガスケットなしでシールされる。分離アセンブリは、少なくとも1つの水素透過性のおよび/または水素選択的なメンブランを備えている。いくつかの実施形態においては、水素選択性メンブランは、容器に対して恒久的にかつ直接的に固定される。いくつかの実施形態においては、メンブランは、容器に対して直接的に、溶接される、あるいは、拡散結合される、あるいは、ろう付けされる。いくつかの実施形態においては、水素選択性メンブランの一部は、シール容器の一部を形成し、そして、いくつかの実施形態においては、水素選択性メンブランのうちの消費された部分と、容器のうちの消費された部分と、からインターフェースが形成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0004】
本発明の他の多くの特徴点は、添付図面を参照しつつ、本発明を何ら限定するものではなく単なる例示としての好ましい実施形態に関する以下の詳細な説明を読むことにより、当業者には、明瞭となるであろう。
【0005】
水素精製装置は、図1において、全体的に符号10によって示されている。装置10は、ボディすなわち容器12を備えている。容器12は、内部隔室18を形成している。内部隔室18内には、分離アセンブリ20が配置されている。水素ガス26と他のガス28とを含有している混合ガス流24が、内部隔室に対して加圧状態で供給される。より詳細には、混合ガス流は、内部隔室の混合ガス領域30に対して供給され、そして、分離アセンブリ20に対して接触する。分離アセンブリ20は、水素選択的なおよび/または水素透過性の少なくとも1つのメンブラン46を備えている。メンブラン46は、加圧状態で混合ガス流を受領した際には、混合ガスから、混合ガス流と比較して水素ガスをより多量に含有している透過物流すなわち水素リッチ流34と、残りのガス成分を含有してなる副生成物流36と、を生成し得るよう構成されている。流れ34は、典型的には、純粋な、あるいは少なくとも実質的に純粋な、水素ガスを含有している。しかしながら、流れ34が、少なくとも初期的に、キャリアガス成分すなわちスイープガス成分を(透過物領域内に少なくとも1つの入力ポートを、スイープガス用に設けることによって)含有し得ることは、本発明の範囲内である。
【0006】
図示の例においては、混合ガス流のうちの、分離アセンブリを通過した第1部分は、内部隔室の透過物領域32に入る。混合ガス流のこの部分は、水素リッチな透過物流34を形成する。そして、混合ガス流のうちの、分離アセンブリを通過しない第2部分は、副生成物流36を形成する。副生成物流36は、他のガスからなる成分を含有している。副生成物流内において個別的にあるいは集合的に存在し得るようなこれら『他のガス』の例としては、二酸化炭素や、一酸化炭素や、混合ガス流を形成していた供給原料のうちの未反応のものや、水や、窒素や、あるいは、メタン、がある。これらの例は、すべての混合ガス流に関して必要であるわけではない。なぜなら、特定の混合ガス流内に存在する『他のガス』の組成が、例えば混合ガス流が形成されたプロセスや混合ガス流が形成された反応物質や混合ガス流の形成時の動作状態等といったような様々な要因によって変更されるからである。副生成物流36は、典型的には、混合ガス流内に存在している水素ガスの一部を含有している。また、分離アセンブリが、他のガスの実質的な部分をトラップし得るようにあるいは少なくとも保持し得るように構成されていることは本発明の範囲内である。この場合には、そのような他のガスは、分離アセンブリの交換や再生や再装着の際には副生成物流として除去される。
【0007】
図1においては、流れ24,34,36は、流れ24,34,36の各々が装置10内外にわたって流出入する1つの実際の流れよりも多くの流れを包含し得るものとして概略的に図示されることを、意味している。例えば、装置10は、複数の供給流24を受領することができる、あるいは、分離アセンブリ20に対して接触する前に複数の流れへと分割される単一の流れ24を受領することができる、あるいは、隔室18内へと供給される単一の流れを単に受領することができる。同様に、透過物流34および混合ガス流36は、それぞれ、単一の流れとして、あるいは、2つ以上の流れとして、吸引することができる。
【0008】
装置10は、典型的には、高温下で、および/または、高圧下で、動作する。例えば、装置10は、雰囲気温度から、最大で700℃まで、といったような範囲の(選択された)温度で動作することができる。多くの実施形態においては、選択された温度は、200℃〜500℃という範囲とされる。他の実施形態においては、選択された温度は、250℃〜400℃という範囲とされる。さらに他の実施形態においては、選択された温度は、400℃±25℃、あるいは、400℃±50℃、あるいは、400℃±75℃、とされる。装置10は、345kPa(50psi)や、690kPa(1000psi)や、あるいは、それ以上の範囲という(選択された)圧力で動作することができる。多くの実施形態においては、選択された圧力は、345kPa(50psi)〜1725kPa(250psi)、あるいは、345kPa(50psi)〜3450kPa(500psi)という範囲とされる。他の実施形態においては、選択された圧力は、2070kPa(300psi)よりも小さいものとされる、あるいは、1725kPa(250psi)よりも小さいものとされる。さらに他の実施形態においては、選択された圧力は、1207.5kPa(175psi)±172.5kPa(25psi)、あるいは、1207.5kPa(175psi)±345kPa(50psi)、あるいは、1207.5kPa(175psi)±517.5kPa(75psi)、とされる。
【0009】
その結果、容器12は、典型的には、上述したような高温および/または高圧に耐え得るように構成された圧力容器である。加えて、容器は、水素精製装置の適切な動作のために、十分にシールされなければならない。容器に関して本明細書において使用された際には、『シールされている』という用語は、容器が気密的であることを意味している、すなわち、容器がガス流を保持し得ることを意味している、すなわち、後述するような導入ポート64や製品ポート66や副生成物ポート68といったような意図したポート以外を通しては、一切のガス流が容器に対して流出入し得ないことを意味している、ことは理解されるであろう。さらに、温度または圧力といったような動作パラメータに関して本明細書において使用された際には、『選択された』という用語は、装置10があるいは関連する構成部材が動作し得るものとして決定されたあるいは予め決定されたされたしきい値またはしきい値範囲を意味していることは、理解されるであろう。これらの選択された動作パラメータは、例えば、使用している対応構造の特定の用途や、内部に存在している流体流れの組成や、対応装置の構造および構成部材や、使用者の好みや、法的要求事項や、安全面からの要求事項、等といったような要因に応じて、決定することができるあるいは予め決定することができる。さらなる例示として、選択された動作温度は、特定の温度に対して、特定の温度だけ上下の温度とすることができる、すなわち、特定温度の例えば5%や10%等以内といったような所定の許容範囲内の温度とすることができる。
【0010】
高温で動作するような水素精製装置10の実施形態においては、選択された動作温度にまで装置を加熱し得るようおよび/または選択された温度にまたは選択された温度範囲内に装置を維持し得るよう、装置に対して熱を印加する必要がある。例えば、この熱は、任意の適切な加熱アセンブリ42によって供給することができる。加熱アセンブリ42の一例は、図1において概略的に図示されている。アセンブリ42を、混合ガス流24自体も含めて任意の適切な態様のものとし得ることは、理解されるであろう。他の適切な加熱アセンブリの例には、抵抗ヒータや、バーナーや、加熱された排気流を生成するような他の燃焼領域や、混合ガス流24以外の加熱された流体流れを有した熱交換器や、電気ヒータ(カートリッジ、バンド、その他)、がある。バーナーまたは他の燃焼チャンバが使用される場合には、燃料流が消費される。副生成物流36は、この燃料流の全部または一部を形成することができる。例えば、水素精製装置は、水素ガスをできるだけ少量だけ含有するような副生成物流を生成するように構成することができる。これにより、精製された水素ガスの収率を最大化することができる。水素精製装置は、これに加えてあるいはこれに代えて、水素精製装置を所望の動作温度に維持する目的でバーナーアセンブリに対して必要な燃料を提供し得るよう、十分な水素ガスを含有している副生成物流を生成するように構成することができる。
【0011】
図1における符号42’は、容器内へと延在する流れによって、あるいは、容器内の通路を通過する流れによって、あるいは、例えば電気加熱ヒータを使用した伝導によって、あるいは、放射を行う他のデバイスによる伝導によって、あるいは、電気的に生成された熱を伝導する他のデバイスによる伝導によって、容器を取り囲んでいるあるいは容器の少なくとも一部を取り囲んでいるジャケット内へといったようにして、装置10の外面に対して、加熱された熱流を供給することができる。必要な加熱は、単一の加熱アセンブリによって、あるいは、2つ以上の加熱源の組合せによって、提供することができる。
【0012】
上述したように、分離アセンブリ20は、水素透過性のおよび/または水素選択性の1つまたは複数のメンブラン46を備えている。メンブランは、精製装置10の動作に関する動作環境および動作パラメータでの使用に適しているような、なおかつ、混合ガス流内の水素ガス以外の成分を通過させることなく水素ガスだけを通過させ得るような、任意の材料から形成することができる。言い換えれば、メンブランは、特に、混合ガス流や製品流や副生成物流に対して曝される際には、および/または、高温/高圧の使用状態と非加熱/非加圧の非使用状態との間にわたってサイクル的に使用される際には、装置10が経験する動作温度および動作圧力において化学的かつ熱的に安定しているような材料から形成されるべきである。
【0013】
メンブラン46のための適切な材料の例には、パラジウムと、パラジウム合金と、特に、そのような金属および金属合金からなる薄膜、がある。40重量%の銅を含有するメンブランのような、特に35重量%〜45重量%の銅を含有するパラジウム合金も特に有用であることが判明している。これらのメンブランは、通常、約0.0254mm(0.001インチ)の厚さである薄いフォイルから構成される。しかしながら、上述した以外の金属および金属合金、並びに非金属材料および成分を含む、他の水素浸透性および/または水素選択性材料からメンブランを形成し得ること、しかもメンブランが上述したものより厚いかまたは薄い厚さを有し得ることは、本発明の範囲内にある。例えば、メンブランは水素の流れに対応して増加するにつれて、薄くし得る。メンブランの厚さを減じるための適切な機構の例には、ローリングや、スパッタリングや、エッチング、がある。適切なエッチングプロセスは、上記特許文献1に開示されている。この文献の記載内容は、参考のため、その全体がここに組み込まれる。同じものを準備するための種々のメンブラン、メンブラン形状構成および方法の例は、上記特許文献2,3に開示されている。これら文献の記載内容は、参考のため、ここに組み込まれる。
【0014】
図2には、メンブラン46に適切な形状構成の例示的実例が示されている。図示するように、メンブラン46は、混合ガス流24によって接触するために配向される混合ガス表面48、および、表面48に全体的に対向する透過表面50を含む。参照符号46’によって、メンブラン46は、フォイルまたはフィルムとして図示されている。参照符号46”によって、メンブランは、メッシュまたはエキスパンデッドメタルスクリーン、あるいはセラミックまたは多孔質材料のような下に横たわる支持層54によって支持される。参照符号46''' によって、メンブランは、多孔質部材56上に被覆または形成されるか、さもなくば多孔質部材56に接合される。上述したメンブラン形状構成が、図2においては概略的に図示されていること、および、それらによって本発明の範囲内のすべての可能な形状構成を示し尽くされているわけではないことは、理解されるであろう。
【0015】
例えば、メンブラン46は、図2には平坦な形状構成を有するものとして図示されているが、メンブラン46が、また、非平面形状構成を有し得ることは本発明の範囲内である。例えば、メンブランの形状は、メンブランが支持および/または形成される支持層54または部材56の形状によって少なくとも部分的に規定し得る。そのため、装置10が高圧で動作している場合、メンブラン46は凹状、凸状または他の非平面形状構成を有し得る。別の例として、メンブラン46は、図3および図4に示すようなチューブ状の形状構成を有し得る。
【0016】
上述したように、容器12は、分離アセンブリ20が配置される内部隔室18を形成する。図2に示す実施形態においては、容器12は、周縁シェル62によって結合される一対の端部プレート60を含む。外形、形状および寸法に限定する意図なく、装置の全体的な構成要素の代表的実例を示すために、装置10が図2において概略的に図示されていることは、理解されるであろう。例えば、端部プレート60は、典型的には、周縁シェル62の壁より厚いがこれは必ずしも必要ではない。同様に、端部プレートの厚さは、両端部プレート間の距離より大きいか、小さいか、あるいは同じとし得る。さらなる実例として、メンブラン46の厚さは、説明目的のために誇張されている。
【0017】
図2においては、混合ガス流24が、導入ポート64を通して隔室18に対して供給されること、また、水素リッチな(あるいは、透過物の)流れ34が、1つ以上の導出ポートすなわち製品ポート66を通して装置10から導出されること、さらに、副生成物流が、1つ以上の副生成物ポート68を通して装置10から導出されること、がわかる。各ポートは、そこからガス流れが供給されまた装置10から導出される容器12上の特定位置を変更し得ることを説明するために、両端部プレートの種々のものを貫通して延在して示されている。1つ以上の流れを、シェル62を介して導出入し得ること、および/または、端部プレートの周縁エッジを介して導出入し得ること、もまた本発明の範囲内である。
【0018】
さらに、ポート64、66,68に対して、流れ制御構造および/またはカップリング構造を付設し得ることも、本発明の範囲内にある。これらの構造の例には、バルブや、流れ調整装置や、圧力調整装置や、コネクタや、他の取付具や、および/または、上流および下流の構成要素と装置10を恒久的または選択的に互いに連結するように構成されるマニホールドアセンブリ、がある。例示の目的のために、これらの流れ調整装置および/またはカップリング構造は、図2において参照符号20によって全体的に示されている。簡潔さのために、構造70は、あらゆる実施形態で図示されているわけではない。代わりに、装置10の特定の実施形態のためのポートの幾つかまたは全てがこれらの構造の何れかまたは全てを含み得ること、各ポートは、たとえあるとしても、同じ構造70を有する必要がないこと、しかも2つ以上のポートは幾つかの実施形態では、共通の収集または放出マニホールド、圧力解放弁、流体弁等のような構造70を分配または集合的に利用し得ることは、理解されるであろう。
【0019】
メンブラン46は、任意の適切な手法によって、隔室18内において、取り付けたり支持したり固定したりおよび/または配置したり、することができる。例えば、図3においては、装置10の容器12は、供給側の端部プレート59と、透過側の端部プレート61と、を備えている。この例示の構成は、図3〜図11において例として使用されている。しかしながら、容器が、本発明による圧力駆動型の分離プロセスのために集合的に圧力容器を形成するような任意の適切な数の構成部材から形成し得ることは、本発明の範囲内である。図3に示すように、各々の端部プレートは、内周縁部72と、外周縁部74と、内周縁部と外周縁部との間にわたって延在するシール領域76と、を備えている。図示のように、シール領域は、内周縁部と外周縁部との間にわたって直線的に延在している。本発明の範囲から逸脱することなく、他の構成を使用することができる。シール領域76は、メンブラン46と端部プレート59,61との間のシールに関し、潜在的なすなわち可能な位置を提供している。容器に関して本明細書において使用された際には、『シール』という用語が、容器の構成部材どうしの間におけるおよび/または容器とメンブランとの間における潜在的ガス漏洩経路を防ぐための構造を意味していることは、理解されるであろう。
【0020】
端部プレート59は、導入ポート64と、副生成物ポート68と、を備えている。一方、端部プレート61は、導出ポートすなわち製品ポート66を備えている。上述したように、各ポートに関する図示の向きおよび位置は必須ではなく、本発明の範囲内において様々に変更することができる。図示の端部プレート59は、チャンバすなわち凹所84を備えている。チャンバすなわち凹所84は、混合ガス流24をメンブラン46の混合ガス表面48に対して曝し得るとともに混合ガス流24をその混合ガス表面48に沿って流し得るようなガス流経路を形成している。これにより、混合ガス流を、メンブランに対してより多く露出させることができ、これにより、混合ガス流内のより多くの水素ガスを、容器の透過物領域に対して通過させることができる。図示の実施形態においては、端部プレート61は、チャンバすなわち凹所86を備えている。チャンバすなわち凹所86は、メンブラン支持体54を受領し得るよう構成されているとともに、混合ガス流のうちの、メンブランを透過する部分に対するガス流経路を提供し得るように構成されている。図6に示すように、端部プレート61は、さらに、第2チャンバすなわち第2凹所90を備えることができる。第2チャンバすなわち第2凹所90は、後述するように、少なくとも1つのメンブランパッド94を受領し得るよう構成されている。これらチャンバは、すべての実施形態において必須というわけではない。しかしながら、容器の透過物領域は、好ましくは、メンブランに対する適切な支持体と、透過した水素ガスをメンブランから離間する向きに流して導出し得るような適切なガス流経路とを、形成しているかあるいは備えている。同様に、容器の混合ガス領域は、好ましくは、混合ガス流のうちの、メンブランを透過した部分のための適切なガス流経路を備えている。これにより、透過物は、例えば製品ポート66を通してといったようにして、収集して容器から導出することができる。
【0021】
以下の説明においては、容器12は、端部プレート59,61から形成されているものとして、例示されており、各端部プレートは、メンブラン46が設けられたチャンバまたはガスフロー領域を備えている。言い換えれば、メンブランは、少なくとも一方の端部プレートに対してのまたは容器の他の部分に対しての気密シールを起点として延在しており、これにより、容器を、透過物領域と、混合ガス領域と、に分割している。容器の透過物領域およびと混合ガス領域を、個別的に形成された周縁シェルが連結されて延在しているような端部プレートから形成し得ることは、本発明の範囲内である。この場合、このシェルは、容器のそれぞれ対応する側のガスフロー領域の一部を形成する。個別的な周縁シェルを必要としない端部プレートから容器を形成することの利点は、容器に関して、ガス漏洩を防止し得るようシールしなければならないインターフェース(インターフェースは、容器上において互いに当接している部材どうしの間に形成される)の数を、少ないものとし得ることである。容器12は、端部プレート59,61も含めて、特に、長期にわたって使用される場合には、および/または、加熱冷却サイクルが繰り返される場合には、
装置10に関する高温/高圧という動作条件下において化学的かつ熱的に安定しているような任意の適切な材料から形成することができる。例えば、端部プレートは、ステンレススチールや、モネル(登録商標)合金や、 Incoloy(登録商標)合金、等から形成することができる。他の適切な材料および構成は、上記特許文献4に開示されている。この文献の記載内容は、参考のため、その全体がここに組み込まれる。
【0022】
メンブランが、容器の内部隔室の中において全体的に配置されて支持されているような従来の水素精製装置とは異なり、本発明による装置10は、容器に対して恒久的になおかつ直接的に取り付けられておりこれにより例えば端部プレート59,61の間にわたって少なくとも延在するといったような態様によって容器との間に気密シールを形成するような、少なくとも1つのメンブラン46を備えている。この構成の実例は、図3および図5に概略的に図示されている。メンブラン46は、中央領域80と、外周縁部領域82と、を備えている。中央領域は、水素透過領域とも称することができ、水素選択性メンブランのうちの、端部プレートの内周縁よりも内側に延在する部分として、また、容器の内部隔室を透過物領域および混合ガス領域へと分割する部分として、参照することができる。好ましくは、メンブランの中央領域の、必ずしもすべてではなくとも、少なくとも実質的な部分は、水素精製装置の使用時には、混合ガス流に曝されて、混合ガス流を、製品流と副生成物流とに分離することを補助し得るよう構成されている。
【0023】
メンブラン46の外周縁領域82は、メンブランのうちの、端部プレートの内周縁部を超えて外側へと延在する部分として、参照される。上述したように、外周縁領域は、端部プレート(または周縁シェル)の内周縁部から延出しており、端部プレートの外周縁部に向けて延在している。言い換えれば、メンブランの断面積(その長手方向軸線に対して平行な平面のところにおける断面積)は、隔室の断面積(同じ平面に沿った断面積)よりも大きい。図3および図5の例においては、メンブラン46の外周縁領域は、端部プレートの外周縁部にまで延在している。この場合、メンブランは、端部プレートの外周縁部にまで延在する外周縁またはエッジを備えている。エッジは、おそらく、図4および図6で最も明瞭に見られる。エッジは、符号83によって示されている。メンブラン46の外周縁部領域が、端部プレートの内周縁部と外周縁部との間の通路だけにわたって(すなわち、シール領域だけを部分的に横断して)延在し得ることは、本発明の範囲内である。また、メンブランの外周縁部領域が、端部プレートの外周縁部を超えて(すなわち容器の外側へと)延在し得ることは、本発明の範囲内である。言い換えれば、メンブランの断面積は、メンブランがなす平面内においてメンブランの表面に沿って測定した際には、メンブランが延在している内部隔室の断面積を超えるものである。
【0024】
上述したように、装置10においては、1つまたは複数のメンブラン46を使用することにより、圧力駆動型の分離プロセスによって、混合ガス流を、製品流および副生成物流へと分離することができる。よって、混合ガス流は、製品流が容器から導出される圧力と比較して、より大きな圧力でもって、メンブランの透過表面に対して接触するようにして供給される傾向がある。非常に薄いものとされる傾向があるメンブランを支持する必要があり、典型的には、例えば支持体による圧力といったような圧力に対して、透過表面上において、支持する必要がある。図示のメンブラン支持体は、図3〜図6において、符号54によって概略的に図示されている。
【0025】
メンブラン支持体は、メンブランの中央領域のすべてとはいわないまでも実質的な部分にわたって延在するべきであり、メンブランを通過するすべてのガスを例えば製品ポート66といったようなものへと流し得るような多孔性構造あるいはガス透過性構造から形成されるべきである。好ましくは、ガスは、支持体を通して、平行な方向と横断方向との双方にわたって流れることができる。例えば、支持体54は、メッシュや、セラミックや、エキスパンディッドメタル材料、から形成することができる。実験例においては、2つ以上のスクリーンを備えているスクリーンアセンブリを備えた支持体が、効果的であることが判明している。2つ以上のスクリーンは、例えば(必須ではなく)、焼結したりあるいは互いに固定したり、することができる。例えば、微細なメッシュのスクリーンまたはエキスパンディッドメタルスクリーンを配置することができる。これにより、メンブランを、1つまたは複数のより粗いスクリーンによって支持されているこのスクリーンに対して、直接的に接触させることができる。
【0026】
図3においては、メンブラン支持体54は、端部プレート61の凹所またはチャンバ86内へと受領されるものとして、図示されている。チャンバ86は、端部プレートのシール領域76とメンブラン支持体のメンブラン係合表面87が、全体的に互いで同一平面状であるようにして、メンブラン支持体を受領して位置決めし得るよう構成されている。この構成は、図4に概略的に図示されている。図示の通り、メンブラン支持体の外側エッジまたは外周縁88が、端部プレートの内周縁部72に対して、対向している。これら周縁部どうしを互いに直接的に当接させ得ること、および/または、端部プレート(または周縁シェル)の内周縁部とメンブラン支持体の外周縁部との間に、ギャップを、典型的には小さなギャップを、設け得ることは、本発明の範囲内である。端部プレートが、支持体を受領し得るようなサイズとされたチャンバを備えているかどうかに関係なく、メンブラン支持体は、容器の内部隔室の中に配置されることとなる。したがって、メンブラン支持体は、容器の端部プレート(または周縁シェル)の内周縁部の近傍に対して当接するあるいは延在する外周縁部を備えることとなる。
【0027】
端部プレート61のシール領域76とメンブラン支持体54のメンブラン接触表面87とが、好ましくは、全体的にあるいは完全に同一平面的な関係で配置されることにより、シームやギャップやあるいは他の移行やあるいは移行領域92が、メンブラン支持体の外周縁部と端部プレートの内周縁部との間に形成される。図4に示すように、メンブランは、この移行領域にわたって延在している。水素精製装置の動作時には、そしておそらく、より深刻なことに、装置の熱サイクルおよび圧力サイクル時には、これら部分の偏向および/または係合は、例えばメンブランの穿孔や皺形成や脆弱化やその他のメンブランの損傷によって、メンブランにリークをもたらし得る。メンブランに穴や切れ目やあるいは他の開口があれば、他のガスがメンブランを通過することができ、それにより、製品水素流の純度が低下してしまうことは、理解されるであろう。したがって、この移行領域は、好ましくは、メンブランの損傷可能性を低減し得るよう、できるだけ円滑なものかつできるだけ小さいものとされる。
【0028】
図5および図6は、本発明による水素精製装置10が(必須ではないものの)、メンブランが移行領域に対して直接的に係合するのを防止する目的で、移行領域とメンブランとの間に延在し得るよう構成された少なくとも1つのメンブランパッド94を備え得ることを、示している。よって、パッド94は、メンブランの透過表面50に対して接触しつつ延在するものとして説明することができる。パッド94は、さらに、メンブラン支持体と、透過側の端部プレートのシール領域との双方に対して接触しつつ延在している。パッド94は、メンブラン支持体の一部にわたって延在しているものとして、また、透過側の端部プレートのシール領域の一部にわたって延在しているものとして、説明することができる。
【0029】
パッド94は、容器とメンブラン支持体との間における移行領域にわたって延在し得るよう構成されているような、なおかつ、メンブランの透過表面を移行領域に対して係合させないよう構成されているような、任意の適切な構造を備えることができる。例えば、おそらく図6において最も明瞭に示すように、パッド94を使用することにより、移行領域92にわたって『軟化』させ得るとともに、メンブラン46が移行領域に対してのを防ぐことができる。パッド94は、水素精製装置が曝されるであろう動作環境下において熱的にかつ化学的に安定しているような任意の適切な材料から形成することができる。これにより、メンブランの皺形成や穿孔や移行領域との接触に基づく他の損傷といったようなものが起こる可能性を、低減することができる。
【0030】
従来のガス精製装置で使用されるような、メンブランと隣接構造との間において気密性のかつガス不透過性のシールを形成する必要があるようなガスケットまたは他の構造とは異なり、パッド94の場合には、そのようなシールを形成する必要がない。実際、装置10の動作は、パッド94が、メンブランと容器または支持体との間において気密シールを形成する態様がどうであろうと、影響を受けるべきものではない。したがって、パッドが、メンブラン46と容器12または支持体54との間においてガス不透過性シールを形成しないことも、本発明の範囲内である。よって、パッド94は、圧縮性材料から形成する必要はない。あるいは、圧縮性材料から形成されている場合であっても、パッド94は、大きな圧縮を受ける必要はない。
【0031】
例えば、パッド94は、ガス透過性材料からでも、また、ガス不透過性材料からでも、形成することができる。パッドは、したがって、水素選択性または水素透過性という特性を有するものであってもまた有していないものであっても良い。他の例として、パッドは、例えば20%以下の圧縮といったような軽い圧縮しか受けていないガスケットから形成することができる(典型的な圧縮性ガスケットは、ガス不透過性シールの形成のためには、少なくとも30%の圧縮を必要とし、好ましくは、60%に近い圧縮を必要とする)。パッド94のために使用するされるそのようなガスケットの排他的ではない実例は、
GRAFOIL(登録商標)という商品名でユニオンカーバイト社によって販売されているようなグラファイトガスケットである。実際的な例としては、0.127mm(5mil、5ミリインチ)の GRAFOIL(登録商標)ガスケットが使用され、0.1016mm(4mil、4ミリインチ)にまで圧縮された際には、たとえこの圧縮度合いが気密シールを提供するには不十分でものであったとしても、メンブランに対する所望の保護を提供する。さらなる例としては、パッド94は、金属から、および/または、剛直な材料から、および/または、非圧縮性材料(すなわち、装置内に組み込まれた際に、可能であったとしてもわずかしか厚さを低減し得ない材料)から、形成することができる。金属製パッドが使用される場合には、適切な材料の(非限定的な)例には、アルミニウム、銅、および/または、スチール、がある。
【0032】
図6においては、パッド94は、凹所またはチャンバ90内に配置されたものとして図示されている。凹所またはチャンバ90は、パッドを受領して位置決めし得るようなサイズとされている。これにより、移行領域をカバーし得るとともに、パッドのメンブラン係合表面95を、透過側の端部プレートのシール領域76に対して、同一平面的な位置関係に位置決めすることができる。このような構成においては、パッドの設置によって、メンブラン支持体のメンブラン係合表面と透過側の端部プレートのシール領域との間の同一平面的位置決めをオフセットすることとなることは、理解されるであろう。パッド94および/または隔室90は、本発明におけるすべての装置10において必須ではない。
【0033】
パッド94は、任意の適切な構成および厚さを有することができる。図示の例においては、パッドは、移行領域をカバーしているものの、メンブランの中央部分の大部分に沿って延在しているわけではない。装置10の使用時には、メンブランがメンブラン支持体に向けて付勢されそうであることにより、パッド94は、好ましくは、使用時にメンブランが曲げられる部分周辺に尖鋭エッジを有することがないよう、比較的薄いものであるべきである。たとえパッドが気密シールを形成するようにして圧縮されていないとしても、メンブランによるパッドの係合は、圧縮性パッドの使用を促進することができる。さらなる例として、パッドは、例えば図7に示すように、テーパー形状のあるいは傾斜付きの、内周縁部96を備えることができる。このテーパー形状という構成は、例えば装置の加圧時や減圧時といったような際に、パッドに対しての(繰返し的な)係合によってメンブランが皺形成を起こしたりあるいは損傷を受けたりするという可能性を、低減させることができる。
【0034】
メンブラン46は、任意の適切な方法および/または構造によって、容器12に対して固定することができる。例えば、メンブラン46は、例えば端部プレート59,61の一方または双方に対してといったようにして、容器12に対して、恒久的にかつ直接的に固定することができる。メンブランの取付に関して本明細書において使用された際には、『恒久的に』という用語は、適切な方法を使用することによる容器に対してのメンブランの取付が、メンブランの取付後においては、容器からメンブランを取り外すためには、メンブランまたは容器の少なくとも一部をカットしたり除去したりあるいは損傷したりする必要があるようにして行われていることを、意味している。加えて、メンブランの取付に関して本明細書において使用された際には、『直接的に』という用語は、容器に対してのメンブランの取付が、メンブランと容器とを相互接続する中間構造体を使用することなく、行われていることを、意味している。例えば、容器の内部隔室内において支持されているフレームに対して取り付けられているメンブランは、容器に対して、直接的には取り付けられていない。より直接的な例として、本発明に基づいて恒久的にかつ直接的に取り付けられたメンブランは、容器12の内部隔室18を、混合ガス領域30と透過物領域32とに分離する。この場合、内部隔室18は、水素精製装置の一次圧力容器をなす。詳細に上述したように、メンブランは、容器に対して直接的に関連している。これにより、メンブランは、シールを形成するためのガスケットや他の圧縮性シール部材を使用する必要なく、容器に対しての気密シールを提供することができる。
【0035】
メンブラン46は、メンブランと容器との間の気密シールを有したインターフェースの形成を行うことによって、容器に対して直接的にかつ恒久的に固定される。インターフェースは、メンブラン46を、容器に対して、恒久的にかつ直接的に取り付けるとともに、メンブランと容器との間に気密シールを提供する。『気密』という用語は、混合ガス流が、容器の内部隔室の混合ガス領域から、透過側の端部プレートの所定のポートを通して以外には容器の外側へと出ることができないものとされていること、および/または、水素選択性メンブラン自体を通過することによって以外には内部隔室の透過物領域へと通過し得ないものとされていること、を意味している。言い換えれば、取付プロセスにより、好ましくは、メンブランと容器との間にシールが確立され、このシールが、容器の混合ガス領域と透過物領域との間におけるリーク経路の形成を防止しており、なおかつ、これら領域と容器外部との間におけるリーク経路の形成を防止している。
【0036】
容器に対して1つまたは複数のメンブラン46を恒久的にかつ直接的に取り付けるための適切なプロセスの非限定的な例は、破壊的な結合プロセスである。この場合、メンブランと容器との少なくとも一方の一部が消費され、これにより、メンブランと容器との間における気密シールが形成される。気密シールに関して本明細書において使用された際には、『消費される』という用語は、メンブランと容器との間におけるシールを確立し得るように、メンブランおよび容器の1つまたは複数の物理的なおよび/または化学的な特性を変更することを意味している。このような消費には、メンブランおよび/または容器の消費された部分から合金を形成すること、および/または、メンブランと容器との間にわたって原子を相互に拡散させること、がある。破壊的な結合プロセスの例には、溶接や、拡散結合、がある。適切な取付方法の他の例においては、メンブランと容器とは、ろう付けによって気密シールを形成するようにして、互いに恒久的にかつ直接的に固定される。これらの例の各々については、詳細に後述するとともに、図8〜図10において概略的に図示されている。容器12に対してメンブラン46を恒久的にかつ直接的に取り付けるための他の適切な方法の例には、レーザー溶接や、半田付けや、低温ろう付け、等、がある。
【0037】
図8においては、インターフェース100は、例えば端部プレート59,61のシール領域といったような容器のシール領域に対して、メンブラン46を溶接することによって、形成されている。溶接プロセスは、図8においていくぶん概略的に図示されているように、メンブラン46の消費された部分102と、端部プレート59,61の消費された部分104,106と、の間においてシール108を形成する。溶接プロセスにおいては、メンブランおよび端部プレートのそれぞれの消費された部分から、合金109が形成される。任意の適切な溶接プロセスを使用することにより、端部プレート59,61に対してメンブラン46を溶接することができる(あるいは、容器の1つまたは複数の他の部分に対してメンブラン46を溶接することができる)。必須ではないけれども、溶接プロセスにおいて、合金109内へと、少なくとも1つの付加的な金属または他の成分を導入し得ることは、本発明の範囲内である。例えば、タングステン不活性ガス(TIG)溶接を使用することができる。TIGプロセスにおいては、ワイヤ(例えば、ニクロムワイヤおよび/またはモネル(登録商標)ワイヤ)を、グルーブ内へと、すなわち、溶接ジョイント57内へと、導入する。溶接プロセス時には、ワイヤから、また、メンブランおよび容器の一部から、液相が形成される。さらなる成分の導入は、ワイヤとメンブランと容器とからなる固化物質の適合性および安定性を向上させる。インターフェース100は、メンブラン46および容器12の外周縁部領域の近傍のものとして図示されているけれども、インターフェースを、シール領域76の1つまたは複数の部分に沿って、および/または、メンブランと容器との間にシールまたは結合を確立し得るような他の任意の適切な場所に沿って、メンブラン46および容器12の近傍に延在させ得ることは、本発明の範囲内である。言い換えれば、インターフェースは、典型的には、例えば端部プレート59,61といったような容器の溶接部分の外周縁部と内周縁部との間において、少なくとも部分的に延在する。必須ではないけれども、溶接プロセスによって確立されたインターフェースは、好ましくは、容器の内周縁部に到達する前に、終端する(すなわち、内部隔室の中へと達しない)。
【0038】
図9においては、インターフェース110は、端部プレート59,61に対してメンブラン46を拡散結合することによって、形成されている。拡散結合により、メンブラン46の消費された部分112と、端部プレート59,61の消費された部分114,116と、の間において、これら部分からなる液相を形成することなく、シール118が形成されている。メンブランに関して本明細書において使用された際には、『拡散結合』という用語は、結合対象をなす複数の材料の原子および/または原子の相互拡散が存在するプロセスを意味している。インターフェース110が、シール領域76の全部ではないにしてもシール領域76の少なくとも実質的な部分に沿って形成されているけれども、インターフェースを、メンブランおよび容器の外周縁部領域どうしの間において、および/または、メンブラン46と容器12との間にシールまたは結合を確立するのに適した他の任意の場所において、シール領域76の1つまたは複数の任意の部分に沿って形成し得ることは、本発明の範囲内である。拡散結合および溶接の双方により、破壊的結合プロセスの前に存在していなかったような合金または他の組成を得ることができる。
【0039】
図10においては、ろう付けプロセスによるメンブラン46と容器12との間における気密シールの形成を図示している。ろう付けプロセスにおいては、容器もメンブランも、消費されない。その代わりに、ろう付け材料126が、液相を形成する。この液相の固化によって、メンブランと容器との間において、例えば端部プレート59,61のシール領域どうしの間といったようなところにおいて、気密シール128が形成される。本明細書において使用された際には、『ろう付け』という用語は、部材どうしの間にろう付け材料を流すことによってそれら部材どうしを結合することを意味している。任意の適切なろう付け材料を使用することができる。しかしながら、好ましくは、そのろう付け材料は、メンブランおよび端部プレートと比較して、より低温で液相へと変化するものとされる。ろう付け材料は、メンブラン46と、端部プレート59,61(または容器の他の部分)と、の間において、気密シール128を形成する。シール128は、メンブランおよび容器の外周縁部領域どうしの間のものとして図示されているけれども、シール128を、シール領域76の1つまたは複数の任意の部分に沿って、また、メンブランと容器と間においてシールまたは結合を確立し得るような他の任意の適切な場所に沿って、配置し得ることは、本発明の範囲内である。
【0040】
図8〜図10における図示は、メンブラン46自身がシール容器の一部を形成しているような、メンブラン46の例を提供するものと考えることができる。このことは、シール容器(圧力容器)の内部隔室の中においてメンブランがただ単に支持されているのではなく、圧力容器が、メンブランによって部分的に形成されていることを意味している。この関係を言い換えるならば、メンブランが、シール容器の気密シールの一部を形成しているということである。
【0041】
上述した様々なシールは、メンブラン46(例えば、外周縁部領域82)と容器12との間における連続的なシールとして図示されているけれども、2つあるいはそれ以上の個別的なまたは不連続的なシールを使用し得ることは、本発明の範囲内である。例えば、第1気密シールを、メンブラン46と、例えば端部プレート59,61のうちの第1部分といったような容器の第1部分と、の間に形成することができる。その後、第2気密シールを、端部プレート59,61の第2部分と、メンブランおよび/または端部プレートの第1部分と、の間に形成することができる。例えば、メンブラン46を、両端部プレートのうちの一方のシール領域に対しておよび/または容器の内表面に対して恒久的にかつ直接的に取り付けることができ、そしてその後、容器の端部プレートどうしをまたは容器の他の部分どうしを、互いに固定することができ、これにより、圧力容器をシールすることができる。しかしながら、好ましくは、メンブランと容器との間の気密シールは、単一ステップにおいて形成される。その単一ステップにおいては、メンブランが、容器に対して恒久的にかつ直接的に取り付けられ、これにより、上述したような気密シールが形成される。
【0042】
上記の様々な例においては、メンブランは、端部プレート59,61のシール領域の外周縁部にまで延在しているけれども、あるいは、そのような外周縁部を超えて延在しているけれども、メンブランは、シール領域にわたって完全に延在している必要はない。メンブランの恒久的なかつ直接的な取付対象をなす容器の一部のシール領域の外周縁部にまで延在しているような、あるいは、そのような外周縁部を超えてさえ延在しているようなメンブランの利点は、シールが典型的には容器の内部に向けて少なくとも部分的に延在しているようにして、容器の外側部分から、シールを確立し得ることである。
【0043】
図11は、容器12を備えた水素精製装置10の一例を詳細に図示している。容器12は、圧力容器を形成しているとともに、内部隔室18を備えている。内部隔室18は、内部隔室18にわたって延在しているとともに容器に対して直接的にかつ恒久的に固定されていて容器に対して気密シールを形成している少なくとも1つの水素選択性メンブラン54によって、混合ガス領域30と透過領域32とに分離されている。本発明による装置10内に設け得るものとして上述した様々な構成部材も、また、図11に示されている。図11に示す実施形態は、本発明の範囲から逸脱することなく、上述したような任意の変形例および/または任意の付加的構造を備えることができる。
【0044】
上記において説明されさらに概略的に図示されたような水素精製装置の様々な構成例や各構成部材の例は、本発明の範囲を限定するものではない。同様に、メンブランや、支持物や、容器、等に関して図示された厚さおよび他の寸法は、説明の目的のために誇張されたものであって、これら構成部材の相対的なサイズを正確な表現したものではない。例えば、メンブランの厚さは、誇張されている。同様に、端部プレートの形状および相対的な寸法は、図示の目的のために単純化されている。詳細に上述したように、端部プレートの外周縁部は、例えばシール領域76の近傍のところといったようなところは、テーパー形状としたり、また、気密シールの形成を助長し得るような形状としたり、することができる。例えば、端部プレートは、例えば図8〜図10に示すように、テーパー形状あるいはグルーブを備えることができる。この付加的な領域は、溶接またはろう付けによってメンブラン46を容器12に対して固定する際に強力なシールの形成を容易なものとし得るような任意の適切な形状を有することができる。
【0045】
本発明に基づいて構成された水素精製装置10のさらなる例は、図12および図13において、全体的に符号210によって示されている。特に明記しない限り、装置210は、上述した様々な装置の場合と同様であるような任意の様々な構成部材を選択的に備えることができる。上述したそれら様々な構成部材の(非限定的な)例が、図12および図13に示されている。上述した例と同様に、装置210は、内部隔室18を有した圧力容器として形成された容器12を備えている。内部隔室18は、容器に対して直接的にかつ恒久的に固定されていて容器に対して気密シールを形成している少なくとも1つの水素選択性メンブラン46によって、混合ガス領域30と透過領域32とに分離されている。
【0046】
容器12に関する図示の例は、一対をなす端部プレート59,61と、周縁シェルすなわち周縁シェル部分214と、を備えている。周縁シェル214は、双方の端部プレートどうしの間に延在しているとともに、双方の端部プレートと一緒に、容器の内部隔室18を形成している。周縁シェルは、また、容器がなす圧力容器部分を形成するフレームと称することもできる。図示の例においては、メンブラン46は、周縁シェルに対して恒久的にかつ直接的に取り付けられている。周縁シェルは、容器の隣接部分に対して、例えば端部プレート59,61といったようなものに対して、恒久的にかつ直接的に取り付けられている。気密シールを形成するための上述した破壊的プロセスや他のプロセスを使用することにより、メンブランを周縁シェルに対して、また、周縁シェルを端部プレートに対して、固定することができる。したがって、例えば上記の破壊的な結合プロセスといったようなプロセスによって、メンブランと周縁シェルおよび/または端部プレートとの間において、および、シェルと端部プレートとの間において、気密シールが形成される。これらのシールは、図12において全体的に符号218によって示されている。
【0047】
図12および図13においては、メンブラン46は、周縁シェルの透過表面216に対して恒久的にかつ直接的に取り付けられている。メンブランは、メンブラン支持体54によって、透過表面50上において支持されている。メンブラン54を、シェルの混合ガス表面に対しておよび/または容器の他の部分に対して、恒久的にかつ直接的に固定し得ることは、本発明の範囲内である。また、2つ以上の周縁シェルを使用し得ることも、本発明の範囲内である。周縁シェル214は、水素精製装置が使用される動作環境において安定であるような任意の適切な材料から形成することができる。シェル214は、必須ではないものの、容器の残部と同じ材料から形成することができる。したがって、シェル214は、これに代えて、端部プレートとは異なる材料から形成することができる。
【0048】
周縁シェル部分214は、端部プレートどうしを互いに離間させており、これにより、容器がなす圧力容器の少なくとも一部と内部隔室とを形成している。図12に示す例においては、周縁シェル部分すなわちフレーム214は、一方の端部プレートの内周縁よりも容器の内部隔室内へと突出するような(図13)、あるいは、双方の端部プレートの内周縁よりも容器の内部隔室内へと突出するような(図12)、内周縁すなわち内表面222を備えている。図示の双方の例においては、周縁シェルの内周縁222は、メンブラン支持体の外周縁すなわちエッジ88よりも小さい。言い換えれば、周縁シェル部分は、メンブラン支持体54に対してオーバーラップしている。この構成は、ガスケット無しタイプの水素精製装置(すなわち、容器の内部隔室を混合ガス領域と透過物領域とに分離する目的でメンブランと容器との間にシールを形成するための圧縮可能等という性質を有したガスケットを必要としないような、水素精製装置)の他の例を提供するだけでなく、容器と、メンブランによって直接的に係合されたメンブラン支持体と、の間に移行領域が存在しない構成をも提供する。
【0049】
周縁シェルを使用することの潜在的利点は、少なくとも一方の端部プレートが(必須ではないものの)端部プレートがなす平面の方向においてガスの横断流のためのチャンバまたは凹所を構成することなく形成し得るということである。その代わりに、周縁シェル部分が、容器の内部隔室の透過物領域または混合ガス領域の、すべてではないものの、少なくとも実質的な部分を形成している。したがって、周縁シェル214の厚さ(端部プレートどうしの間の距離として測った厚さ)を、例えば混合ガス領域30または透過物領域32といったようなものに関して、選択されたまたは所望のガス流領域を提供し得るようなものとすること、あるいは、そのような厚さに選択することは、本発明の範囲内である。図13は、周縁シェル部分の厚さ(すなわち、周縁シェル部分の混合ガス表面と透過表面の間の距離)の増大化が、例えば混合ガス領域に関して図示されているように、容器のガスフロー経路またはガスフロー領域のうちの一方のサイズを増大化させることを、概略的に示している。すなわち、少なくとも一方の端部プレートの内部にこのチャンバすなわちガス流通経路を形成する必要がないという潜在的な製造上の利点は、周縁シェル部分の存在のために容器のための外部シールの数を増やすという事実に対して、トレードオフの関係にある。より詳細には、周縁シェルの存在により、2つの外部シールが必要とされる。第1の外部シールは、シェルと一方の端部プレートとの間に必要とされ、第2の外部シールは、シェルと他方の端部プレートとの間に必要とされる。どのようなシールの場合でもガス漏洩経路ができてしまうという可能性を有していることのために、各シールがガス漏れ経路を起こさないように注意する必要がある。
【0050】
上述したように、水素精製装置10は、典型的には、高温および高圧で動作する。このような高圧のために、容器を、容器をなす各構成部材を典型的には数百ポンドという力でもって引き離そうとする力に耐え得るような耐圧容器とする必要がある。容器は、また、使用時に加熱および加圧されることと不使用時に冷却および圧力解除されることとが繰り返されることのために、容器が受ける熱サイクルおよび圧力サイクルに対して耐え得るものでなければならない。
【0051】
上述したように、水素精製装置を高温にまで加熱することが所望された場合には、
様々な加熱アセンブリを使用することができる。必須ではないけれども、例えば加熱効率を高め得るよう、および/または、容器の外表面に対して接触しないようにして操作者や隣接構造を保護し得るよう、装置を絶縁することが望ましい。図14は、本発明による容器12を備えた水素精製装置10と一緒に使用し得る絶縁された加熱アセンブリ300の一例を図示している。本明細書において使用された際には、『水素精製アセンブリ』という用語は、限定するものではないけれども図14に図示されて説明される絶縁された加熱アセンブリ300といったような加熱アセンブリ42と組み合わせて、ここに図示されて説明される水素精製装置10のうちの1つを意味するものとして、使用される。また、後述するような絶縁された加熱アセンブリ300を使用することなく、水素精製装置10および/または容器12を使用し得ることは、本発明の範囲内である。
【0052】
図示のように、水素精製装置10は、一対をなす加熱アセンブリ42の間に配置される。加熱アセンブリ42は、符号322によって詳細に示されているとともに、熱伝導構造323を備えている。熱伝導構造323は、熱を適切に伝導し得るような材料から形成されているとともに、熱源324を受領し得るように構成されている。熱源324は、例えば電気ヒータ326といったようなものとされ、材料内のキャビティ328内に受領される。図示の電気ヒータに代えて、あるいは、図示の電気ヒータに加えて、他の熱源を使用することができる。加熱構造は、水素精製装置の容器12のうちの対向した外表面すなわち表面330に対して、熱を供給する。熱伝導構造は、例えば容器およびその内容物を所望の動作温度にまで加熱するのに使用される高温といったような容器12の動作環境において熱的にかつ化学的に安定な任意の適切な熱伝導材料から形成することができる。適切な材料の例は、アルミニウムである。しかしながら、他の材料を使用することもできる。
【0053】
図示の例においては、面330と、熱伝導構造の対応する表面332とは、平面状の構成を有している。これにより、これらの構造は、オーバーラップ表面の少なくとも実質的な部分にわたって互いに直接的に当接することができる。熱伝導構造、および/または、端部プレートの外面を、これら両部材を互いに位置決めし得るようなおよび/またはそれら両部材を互いに向けて付勢し得るような適切なマウントを備えたものとし得ることは、あるいは、そのような適切なマウントに対して結合させ得ることは、本発明の範囲内である。
【0054】
図14には、さらに、装置10と加熱アセンブリ322(存在する場合)とを受領し得るようなサイズとして構成された絶縁シュラウドまたはハウジング350が、図示されている。ハウジング350は、例えば耐火性セラミックといったような任意の適切な絶縁材料から形成し得るとともに、好ましくは、水素精製装置と、付加的には1つまたは複数の加熱アセンブリ(例えば、アセンブリ42または322)の少なくとも一部と、を取り囲んでいる。これにより、所望の温度に維持するための加熱要求を低減させている(すなわち、熱損失を低減させている)とともに、より低温であるような、好ましくは、接触するものを損傷させないような温度であるような、外表面352を提供する。図示の例においては、ハウジング350は、2つの半体352から形成されている。半体は、装置10とアセンブリ322とを受領する内部隔室354を備えている。他の構成を使用することもできる。例えば、3つ以上の構成部材を備えている構成や、キャストされてなる単一構造や、水素精製装置の周囲に形成された構造や、様々なサイズの構成部材、等といったような様々な他の構成を使用することができる。
【0055】
図14は、さらに、付加的な保持器360の一例を図示している。保持器360は、水素精製装置と加熱アセンブリ322とハウジング350とがシール状態となるように互いに付勢し得るよう構成されている。図示の通り、保持器360は、プレート362を備えている。プレート362どうしは、任意の適切なコネクタによって、好ましくはスプリングによってあるいは両プレートを互いに向けて付勢し得るような他のコネクタによって、互いに近接する向きに付勢されている。水素精製装置が、容器を分離させたりあるいは容器を開けたりするような内部力に対してそれ自体が抗し得るように構成されたシール構造を備えていることにより、コネクタは、ただ単に、それら構造が互いに物理的に接触するようにして、それら構造どうしを付勢するだけでよい。
【0056】
本発明に基づいて構成された水素精製装置10は、不純であるような任意の水素ガス源に対して、接続することができるあるいは流体連通することができる。それら水素ガス源の例には、例えばハイドライドベッドや加圧タンクといったようなガス貯蔵装置がある。他の水素ガス源は、水素ガスを回収し得るような排ガス流を生成する装置である。さらに他の水素ガス源は、燃料処理装置である。本明細書においては、『燃料処理装置』とは、供給原料を含有している少なくとも1つの供給ガス流から水素ガスを含有した混合ガス流を生成し得るような任意の装置を意味している。典型的には、水素ガスは、燃料処理装置によって生成された混合ガス流のうちの、大部分または少なくとも実質的な部分を構成することとなる。
【0057】
燃料処理装置は、様々な機構によって、混合ガス流24を生成することができる。適切な機構の例には、改質触媒が炭素含有供給材料および水を含む材料流れから水素ガスを作り出すために使用される、蒸気改質および自動熱改質を含む。水素ガスを作り出すための他の適切な機構は、送給流れが水を含まない場合の、カーボン含有供給材料の熱分解および触媒部分的酸化を含む。供給材料が水である場合の、水素ガスを作り出すための適切な機構は電気分解である。供給材料を含む適切なカーボンの実例は、少なくとも1つの炭化水素またはアルコールを含む。適切な炭化水素の実例は、メタン、プロパン、天然ガス、ディーゼル、灯油、ガソリン等を含む。適切なアルコールの実例は、エチレングリコールとプロピレングリコールのような、メタノール、エタノールおよび多価アルコールを含む。
【0058】
燃料処理装置から混合ガス流れ24を受容するように構成される水素精製装置10は、図15に概略的に示されている。図示するように、燃料処理装置は、参照符号400で全体的に示され、および、燃料処理装置と水素精製装置の組合せは、燃料処理システム402として呼称し得る。上述したように、装置10に熱を供給しかつ様々な形態を取り得る、加熱アセンブリも参照符号42で点線で示されている。燃料処理装置400は、上述した形態の何れかを取り得る。本発明による水素精製装置が燃料処理装置400以外の源から混合ガス流れ24も受容し得ることを図的に説明するために、ガス貯蔵装置は参照符号406で概略図示され、異なる製品流れ408を作り出す間に廃棄物または副生成物流れとして混合ガス流れ24を作り出す装置が参照符号410で示されている。燃料処理装置400の概略的表示は、何れかの関連する加熱アセンブリ、供給材料運搬システム、空中運搬システム、送給流れ源または供給源等を含むことを意味している。
【0059】
燃料処理装置は、高温および/または圧力でしばしば動作する。その結果、外部流体輸送導管によって連結される装置10および燃料処理装置400を有することに対立するものとして、燃料処理装置400と共に水素精製装置10を少なくとも部分的に一体化することは望ましいものとし得る。こうした形状構成の実例は図17に示されており、燃料処理装置はシェルまたはハウジング412を含み、この装置10は内部の一部を構成するかおよび/または少なくとも部分的に内部に延在する。こうした形状構成では、燃料処理装置400は、装置10を含むものとして説明し得る。燃料処理装置または混合ガス流れ24の他の源の水素精製装置10と一体化は、装置を、ユニットとして容易に移動可能にする。それは、装置10を含む、燃料装置の構成部材を、共通の加熱アセンブリによって加熱可能にもしおよび/または装置10の加熱要求の全てではないが少なくとも幾つかを処理装置400によって生成された熱によって満足可能にもする。
【0060】
上述したように、燃料処理装置400は、水素ガスを含有する混合ガス流れ、および好ましくは多数の水素ガスを含有する混合ガス流れを作り出す何れかの適切な装置である。説明目的のために、以下の説明は、図17に示すように、カーボン含有供給材料418および水420を含む送給流れ416を受容するように構成される燃料処理装置400を説明する。しかしながら、上述したように、燃料処理装置400が他の形態を取り得ること、しかも送給流れ416がカーボン含有供給材料または水だけを含むような他の構成を有し得ることは本発明の範囲内である。
【0061】
送給流れ416は、任意の適切な機構によって処理装置400に伝え得る。単一の材料流れ416は、図17に示されているが、1つより多い流れ416は使用し得るものでありかつこれらの流れが同じまたは異なる構成部材を含み得ることを理解すべきである。カーボンを含有する供給材料418が水と混和する時、供給材料は、例えば、図17に示すように、送給流れ416も水組成に典型的に伝えられる。カーボンを含有する供給材料が水と混ざらないかまたは水と僅かに混和する時、これらの成分は、通常、図17に点線で示すような独立した流れで処理装置400に伝えられる。図17では、送給流れ416は、送給流れ運搬システム417によって燃料処理装置400に伝えられることが示されている。運搬システム417は、処理装置400に送給流れを伝える何れかの適切な機構、装置あるいはこれらの組合せも含む。例えば、運搬システムは、供給源から流れ416の成分を伝える1つ以上のポンプを含み得る。これに加えてあるいはこれに代えて、システム417は、加圧された供給源からの成分の流れを制御するように構成されるバルブアセンブリを含み得る。供給源は、燃料電池システムの外部に配置し得るか、あるいはこのシステム内または該システムに隣接して含み得る。
【0062】
図17で参照符号412で全体的に示すように、燃料処理装置400は、混合ガス流れ24が送給流れ416から作り出される水素生成領域を含む。上述したように、様々に異なるプロセスは水素生成領域432で利用し得る。こうしたプロセスの例は、領域412が内部に蒸気改質触媒434を含む、蒸気改質である。これに代えて、領域432は、自動熱改質によって流れ24を作り出し得る。この場合、領域432は、適切な自動熱改質触媒を備え、燃料処理装置は、自動熱改質に適した温度および圧力で動作する。蒸気または自動熱改質の情況では、混合ガス流れ24も改質蒸気として呼称し得る。好ましくは、燃料処理装置は、実質的に純粋な水素ガスを作り出すように構成される。また、さらにより好ましくは、燃料処理装置は純粋な水素ガスを作り出すように構成される。本発明の目的のために、実質的に純粋な水素ガスは好ましくは90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上、そしてさらにより好ましくは99.5%純粋以上である。適切な燃料処理装置の例は、上記特許文献2、2001年3月8日に出願されかつ“Fuel Processor and Systems and Devices Containing the Same ”と題する係属中の米国特許出願第09/802,361号明細書、および、2001年3月19日に出願されかつ“Hydrogen-Selective Metal Membrane Modules and Method of Forming the Same”と題する上記特許文献3に開示されている。これら文献の記載内容は、参考のため、ここに組み込まれる。
【0063】
燃料処理装置400は、必須ではないが、図17に点線で示すような研磨領域448を更に備えることができる。研磨領域448は、装置10から水素に富んだ(あるいは、水素リッチな)流れ34を受容しかつ選択された成分の濃度を減少させるか、または取り除くことによって流れを更に浄化する。図17では、生じる流れは、参照符号414で示されかつ製品水素流れまたは浄化された水素流れとして呼称し得る。燃料処理装置400が研磨領域448を含まない時、水素に富んだ流れ34は、製品水素流れ414を構成する。例えば、流れ34が燃料電池スタックに使用するように構成される時、必要ならば、一酸化炭素と二酸化炭素のような燃料電池スタックを破損し得る構成は、水素に富んだ流れから取り除き得る。制御システムが燃料電池スタックを分離するのを防ぐために、一酸化炭素の濃度は、10ppm(100万の1部)より小さくすべきである。好ましくは、システムは、一酸化炭素の濃度を5ppm以下に制限し、そしてさらに好ましくは1ppmより小さく制限する。二酸化炭素の濃度は、一酸化炭素の濃度より大きくなり得る。例えば、25%未満の二酸化炭素の濃度は許容し得る。好ましくは、濃度は10%未満、さらにより好ましくは1%未満である。特に好ましい濃度は、50ppm未満である。本明細書に提示された許容可能な最小の濃度は、一例であり、本明細書に示したもの以外の濃度は、本発明の範囲内にあり得る。例えば、特定の使用者または製造業者は、本明細書で識別されたものと異なる最小または最大の濃度レベルを要求し得る。
【0064】
領域448は、流れ34の選択された成分の濃度の削除または減少させる何れか適切な構造も含む。例えば、製品流れがプロトン交換メンブラン(PEM)燃料電池スタックまたは、流れが一酸化炭または二酸化炭素の決められた濃度以上を含有する場合に損傷される他の装置を使用するように構成される時、少なくとも1つのメタン生成触媒ベッド450を含むことは望ましいものとなり得る。ベッド450は、一酸化炭素と二酸化炭素を、共にPEM燃料電池スタックを破損しない、メタンと水に変換する。研磨領域448は、何れかの反応しない供給材料を水素ガスに変換するために別の改質触媒ベッドのような別の水素生成領域452を含み得る。こうした実施形態では、第2改質触媒ベッドがメタン生成触媒ベッドの下流に二酸化炭素または一酸化炭素を再導入しないようにメタン生成触媒ベッドから上流であることが望ましい。
【0065】
蒸気改質装置は、典型的には、200℃〜700℃という温度範囲で、および、3450kPa(50psi)〜6900kPa(1000psi)という圧力範囲で、動作する。しかしながら、この範囲以外の温度であっても、使用される燃料処理装置の特定のタイプおよび形状構成に応じて、本発明の範囲内である。何れの適切な加熱装置または装置も、こうしたヒータ、バーナー、燃焼触媒等または同種のもののようなこの熱を提供するのに使用し得る。加熱アセンブリは、燃料処理装置の外部にあるものとし得るか、あるいは、燃料処理装置の一部を構成する燃焼チャンバを構成し得る。加熱アセンブリの燃料は、燃料処理または燃料電池システムによって、あるいは、外部の供給源によって、あるいは、これら双方によって、提供し得る。
【0066】
図17では、燃料処理装置400は、上記成分が含まれるシェル412を含んで示されている。ハウジングとして参照し得る、シェル412は、燃料処理装置の成分を1ユニットとして移動可能にする。それは、また、保護容器の提供により損傷から燃料処理装置の構成部材を保護し、燃料処理装置の構成部材を1ユニットとして加熱し得るため、燃料処理装置の加熱要求を減じる。必須ではないが、シェル412は、固体絶縁材料のような絶縁材料433、ブランケット絶縁材料、あるいは空気充填キャビティを含む。しかしながら、燃料処理装置を、ハウジング又シェル無しで構成し得ることは本発明の範囲内にある。燃料処理装置400が絶縁材料433を含む時、絶縁材料は、シェル内部、シェル外部、あるいは両方にあり得る。絶縁材料が上述した改質、分離および/または研磨領域を含むシェルの外部にある時、燃料処理装置は、外筒または絶縁材料の外部のジャケットを更に含み得る。
【0067】
燃料処理装置400の構成部材の1つ以上がシェルを超えて延在するかまたは少なくともシェル412の外部に設置し得ることは更に本発明の範囲内である。例えば、図16に示すように、装置10は、シェル412を超えて少なくとも部分的に延在し得る。別の例として、および図17に概略的に図示するように、研磨領域448はシェル412の外部にあるかおよび/または水素生成領域432(1つ以上の改質触媒ベッドの部分のような)の一部はシェルを超えて延在し得る。
【0068】
上に示したように、燃料処理装置400は、そこから電気を生成する少なくとも1つの燃料電池スタックに水素に富んだ流れ34またはプロダクト水素流れ414を伝えるように構成し得る。こうした形状構成では、燃料処理装置および燃料電池スタックは燃料電池システムとして呼称し得る。こうしたシステムの例は、燃料電池スタックが参照符号422で全体的に示されている図18に概略的に図示されている。燃料電池スタックは、それに伝えられたプロダクト水素流れ414の部分から電流を作るように構成される。図示した実施形態では、単一の燃料処理装置400および単一の燃料電池422は図示され説明されている。しかしながら、これらの構成部材の何れかまたは両方の1つ以上を使用し得ることを理解すべきである。これらの構成部材が概略的に図示されており、しかも燃料電池システムが、送給ポンプ、空中輸送システム、熱交換器、加熱熱アセンブリ等のような図面に特に図示されていない更なる構成部材を含み得ることはさらに理解すべきである。
【0069】
燃料電池422は、少なくとも1つの、そして典型的には多数の燃料電池を含み、これらの電池は、これに伝えられたプロダクト水素414の部分から電流を生産するように構成される。この電流は関連するエネルギー消費装置425のエネルギー需要または適用ロードを満たすために使用し得る。必ずしも限定されるものではないが、装置425の例示的実例は、自動車、レクリエーショナル・ビークル、ボート、工具、照明または照明アセンブリ、器具(世帯または他の器具のような)、世帯、信号、通信設備等を含む。装置425が図18に概略的に図示されかつ燃料電池システムから電流を取り出すように構成される1つ以上の装置または装置の集合体を示すことを意味していることを理解すべきである。燃料電池スタックは、典型的には、共通の端部プレート423間で互いに結合された多数の燃料電池を含む。これらの電池は流体伝達/削除導管(図示せず)を含む。適切な燃料電池の例は、プロトン交換メンブラン(PEM)燃料電池およびアルカリ型燃料電池を含む。燃料電池スタック422はプロダクト水素流れ414を全て受容し得る。流れ414のうちの幾つかまたは全ては、さらに、または別様に燃料または熱のために燃えて、別の水素消費プロセスで使用するために適切な導管によって伝え得るか、あるいは後の使用のために格納し得る。
【0070】
『産業的な応用可能性』
本発明による水素精製装置、構成部材および燃料処理システムおよび燃料電池システムは、水素ガスが生産および/または利用される燃料処理や燃料電池や他の産業に応用可能である。
【0071】
上述した開示事項は独立ユーティリティーを備えた多数の別個の発明を包含するものと確信する。これらの各発明はその好ましい形態で開示されてきたが、本願明細書に開示しかつ図示したような特定実施形態は可能な限りの多数の変形が限定的意味合いで考慮されない。本発明の主題は、種々の構成部材の全ての新規且つ自明でない組合せおよび副組合せ、特徴、機能および/または本願明細書に開示された特性を含む。同様に、特許請求の範囲の請求項が「1つ」または「第1」、あるいはこれに等価に記載すると、こうした請求項は1つ以上のこうした部材の組み入れを含み、2つ以上のこうした部材を排他するものではないことを理解すべきである。
【0072】
以下の請求項は、開示された発明の1つに向けられかつ新規且つ非明白な或る組合せおよび副組合せを特に指摘するものと信じる。特徴、機能部材および/または特性の他の組合せおよび副組合せで具現化された発明は、現在の特許請求の範囲の請求項の補正または本願または関連出願での新たな請求項の提示によって請求し得る。こうした補正または新たな請求項は、これらが異なる発明に向けられているか、あるいは同じ発明に向けられているか、出願当初の特許請求の範囲の請求項に対して範囲が異なるか、より広いか、より狭いか、あるいは等しいかに拘わらず、本願明細書の開示事項の本発明の主題内に含まれるものとみなされる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】水素精製装置を概略的に示す図である。
【図2】水素精製装置を概略的に示す断面図であって、水素選択性メンブランを備えた分離アセンブリの例を示している。
【図3】本発明に基づいて構成された水素精製装置を概略的に示す断面図である。
【図4】図3の装置における、水素選択性メンブランと、メンブラン支持体と、透過液側の端部プレートと、を拡大して示す図である。
【図5】本発明に基づいて構成された他の水素精製装置を概略的に示す断面図である。
【図6】図5の装置における、水素選択性メンブランと、メンブラン支持体と、メンブランパッドと、透過液側の端部プレートと、を拡大して示す図である。
【図7】図6のメンブランの変形例を備えてなる水素精製装置の一部を拡大して示す図である。
【図8】水素精製装置の容器に対してメンブランを溶接することによって形成された周縁シールを拡大して示す図である。
【図9】水素精製装置の容器に対してメンブランを拡散接合することによって形成されたシールを拡大して示す図である。
【図10】水素精製装置の構成部材ならびにこれらを備えてなるに対してメンブランを半田付けすることによって形成されたシールを拡大して示す図である。
【図11】本発明に基づいて構成された他の水素精製装置を示す分解斜視図である。
【図12】本発明に基づいて構成された他の水素精製装置を概略的に示す断面図である。
【図13】本発明に基づいて構成された他の水素精製装置を概略的に示す断面図である。
【図14】本発明に基づいて構成された水素精製装置を示す分解斜視図であって、絶縁された加熱アセンブリを備えている。
【図15】燃料処理装置と本発明に基づいて構成された水素精製装置とを備えてなる燃料処理システムを概略的に示す図である。
【図16】本発明に基づいて構成された水素精製装置に対して一体化された燃料処理装置を備えてなる燃料処理システムを概略的に示す図である。
【図17】本発明に基づいて構成された一体型水素精製装置を備えている他の燃料処理装置を概略的に示す図である。
【図18】本発明に基づいて構成された水素精製装置を備えている燃料電池システムを概略的に示す図である。
【符号の説明】
【0074】
10 水素精製装置
12 容器
18 内部隔室
20 分離アセンブリ
24 混合ガス流
30 混合ガス領域
32 透過物領域
34 透過物流、水素リッチ流
36 副生成物流
46 水素選択性メンブラン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素精製装置であって、
この装置が、内部隔室を有した圧力容器を形成するシール容器を具備し、
前記装置が、前記隔室内へと、水素ガスおよび他のガスを含有した混合ガス流を受領し得るよう構成されているとともに、前記混合ガス流から、少なくとも実質的に純粋な水素ガスを含有してなる水素リッチな透過物流と、少なくとも実質的に前記他のガスを含有してなる副生成物流と、を生成し得るよう構成され、
前記装置が、さらに、水素選択性メンブランを具備し、
この水素選択性メンブランが、前記隔室内において延在するとともに、前記容器と協働してシールを形成し得るよう前記容器に対して恒久的にかつ直接的に固定され、これにより、前記水素選択性メンブランが、前記隔室を、混合ガス領域と透過物領域とに分離しており、
前記メンブランが、前記混合ガス流に対して接触し得るよう構成された混合ガス面と、この混合ガス面に対する裏面をなす透過面と、を備え、
前記メンブランが、前記混合ガス流の第1部分を前記混合ガス領域から前記透過物領域にまで前記メンブランを通して選択的に通過させ得るよう構成されているとともに、前記混合ガス流の第2部分に関しては前記混合ガス領域から前記透過物領域へと前記メンブランを通して選択的に通過させ得ないように構成され、
前記透過物流が、前記混合ガス流の前記第1部分から形成され、
前記副生成物流が、前記混合ガス流の前記第2部分から形成されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、
さらに、前記水素選択性メンブランのうちの消費された部分と、前記容器のうちの消費された部分と、から形成されてなるインターフェースを具備していることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項2記載の装置において、
前記水素選択性メンブランの前記消費された部分が、前記容器の前記消費された部分と一緒に、合金を形成していることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項3記載の装置において、
前記水素選択性メンブランが、前記容器に対して溶接され、
これにより、前記メンブランと前記容器との間にシールが形成されていることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1記載の装置において、
前記水素選択性メンブランの一部が、前記容器に対してろう付けされ、
これにより、前記メンブランと前記容器との間にシールが形成されていることを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項2記載の装置において、
前記水素選択性メンブランが、前記容器に対して拡散結合され、
これにより、前記メンブランと前記容器との間にシールが形成されていることを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項1記載の装置において、
前記装置が、前記容器の前記透過物領域の中にメンブラン支持体を具備し、
このメンブラン支持体が、前記水素選択性メンブランの前記透過表面を支持し得るよう構成されていることを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項7記載の装置において、
前記容器が、前記透過物領域の中に第1チャンバを備え、
この第1チャンバが、前記メンブラン支持体を受領し得るよう構成されていることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項7記載の装置において、
前記メンブラン支持体が、前記水素選択性メンブランを通過した前記混合ガス流の前記第1部分を、前記メンブラン支持体自体を通して流し得るよう構成されていることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項7記載の装置において、
前記容器と前記メンブラン支持体とが、これらの間に移行領域を形成し、
前記装置が、前記移行領域にわたって延在する少なくとも1つのパッドを具備し、
この少なくとも1つのパッドが、前記水素選択性メンブランの前記透過表面が前記移行領域に対して係合することを防止していることを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項10記載の装置において、
前記少なくとも1つのパッドが、前記水素選択性メンブランと前記容器との間においてガス不透過性シールを形成しないものとされていることを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項10記載の装置において、
前記少なくとも1つのパッドが、30%未満という圧縮状態のガスケットを備えていることを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項10記載の装置において、
前記少なくとも1つのパッドが、前記装置の使用時に前記メンブランの皺形成を最小化し得るよう構成されたテーパー形状の内周縁部領域を備えていることを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項1記載の装置において、
前記容器が、前記水素選択性メンブランが溶接される一対をなす端部プレートを備えていることを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項1記載の装置において、
前記容器が、一対をなす端部プレートを備え、
これら端部プレートの各々が、外周縁部と、内周縁部と、これら外周縁部および内周縁部の間に延在しているシール領域と、を備え、
前記水素選択性メンブランが、前記内部隔室から前記端部プレートの前記シール領域を少なくとも部分的に横断して延在していることを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項15記載の装置において、
前記水素選択性メンブランが、外周縁部領域を備え、
この外周縁部領域が、少なくとも前記端部プレートの前記外周縁部にまで延在していることを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項1記載の装置において、
前記水素選択性メンブランが、外周縁部領域を備え、
前記装置が、前記外周縁部領域と前記容器との間において連続的なシールを具備していることを特徴とする装置。
【請求項18】
請求項1記載の装置において、
前記水素選択性メンブランが、全体的に平面状をなすメンブランとされ、
このメンブランが、前記容器内にわたって延在するに際して前記容器との交差箇所として内周縁部を形成し、
前記メンブランの面積が、前記内周縁部が形成する面積よりも大きいものとされていることを特徴とする装置。
【請求項19】
請求項1記載の装置において、
前記容器が、前記隔室を形成する内周縁部を備え、
前記水素選択性メンブランが、前記容器の前記内周縁部よりも外側に延在する外周縁部領域を備えていることを特徴とする装置。
【請求項20】
請求項19記載の装置において、
前記水素選択性メンブランの前記外周縁部領域が、前記容器よりも外側に延在していることを特徴とする装置。
【請求項21】
請求項1記載の装置において、
前記容器が、一対をなす端部プレートと、周縁シェルと、を備え、
前記水素選択性メンブランが、前記周縁シェルに対して恒久的にかつ直接的に固定され、これにより、前記メンブランと前記周縁シェルとの間に気密シールが形成され、
前記周縁シェルが、前記一対をなす端部プレートに対して恒久的にかつ直接的に固定されていることを特徴とする装置。
【請求項22】
請求項21記載の装置において、
前記周縁シェルが、前記一対をなす端部プレートとは別部材として形成されていることを特徴とする装置。
【請求項23】
請求項21記載の装置において、
前記装置が、前記水素選択性メンブランのうちの消費された部分と、前記周縁シェルのうちの消費された部分と、から形成されてなるインターフェースを具備していることを特徴とする装置。
【請求項24】
請求項23記載の装置において、
前記水素選択性メンブランの前記消費された部分が、前記周縁シェルの前記消費された部分と一緒に、合金を形成していることを特徴とする装置。
【請求項25】
請求項24記載の装置において、
前記水素選択性メンブランが、前記周縁シェルに対して、溶接されているあるいは拡散結合されていることを特徴とする装置。
【請求項26】
請求項21記載の装置において、
前記水素選択性メンブランの一部が、前記周縁シェルに対してろう付けされ、
これにより、前記メンブランと前記周縁シェルとの間にシールが形成されていることを特徴とする装置。
【請求項27】
請求項21記載の装置において、
前記装置が、メンブラン支持体を具備し、
このメンブラン支持体が、前記水素選択性メンブランの前記透過表面を支持し得るよう構成されていることを特徴とする装置。
【請求項28】
請求項27記載の装置において、
前記メンブラン支持体が、外周縁部を備え、
前記周縁シェルが、前記メンブラン支持体に対してオーバーラップしており、
これにより、前記メンブランの前記透過表面が前記メンブラン支持体の前記外周縁部に対して接触することが防止されていることを特徴とする装置。
【請求項29】
水素精製装置であって、
この装置が、内部隔室を有した圧力容器を形成するシール容器を具備し、
このシール容器が、ガスケットを有さないタイプのものとされ、
前記装置が、前記隔室内へと、水素ガスおよび他のガスを含有した混合ガス流を受領し得るよう構成されているとともに、前記混合ガス流から、少なくとも実質的に純粋な水素ガスを含有してなる水素リッチな透過物流と、少なくとも実質的に前記他のガスを含有してなる副生成物流と、を生成し得るよう構成され、
前記装置が、さらに、前記隔室内に配置された水素選択性メンブランを具備し、
この水素選択性メンブランが、前記容器と協働して気密シールを形成し、これにより、前記水素選択性メンブランが、前記隔室を、混合ガス領域と透過物領域とに分離しており、
前記気密シールが、圧縮性ガスケットを使用することなく形成され、
前記水素選択性メンブランが、前記混合ガス流に対して接触し得るよう構成された混合ガス面と、この混合ガス面に対する裏面をなす透過面と、を備え、
前記透過物流が、前記混合ガス流のうちの、前記透過面にまで前記水素選択性メンブランを通過した部分から形成され、
前記副生成物流が、前記混合ガス流のうちの、前記水素選択性メンブランを通過しなかった部分から形成され、
前記水素選択性メンブランの一部が、前記シール容器の一部を構成していることを特徴とする装置。
【請求項30】
請求項29記載の装置において、
前記水素選択性メンブランの一部が、前記シールの一部を形成していることを特徴とする装置。
【請求項31】
請求項30記載の装置において、
前記水素選択性メンブランが、外周縁部領域を備え、
この外周縁部領域が、前記シールの一部を形成していることを特徴とする装置。
【請求項32】
請求項30記載の装置において、
前記シールが、全体的に金属から形成されていることを特徴とする装置。
【請求項33】
請求項30記載の装置において、
前記水素選択性メンブランの一部が、前記メンブランのうちの消費された部分であることを特徴とする装置。
【請求項34】
請求項33記載の装置において、
前記水素選択性メンブランの前記消費された部分が、前記容器のうちの消費された部分と一緒に、合金を形成していることを特徴とする装置。
【請求項35】
請求項34記載の装置において、
前記水素選択性メンブランが、前記容器に対して溶接され、
これにより、前記シールが形成されていることを特徴とする装置。
【請求項36】
請求項33記載の装置において、
前記水素選択性メンブランが、前記容器に対して拡散結合され、
これにより、前記シールの一部が形成されていることを特徴とする装置。
【請求項37】
請求項30記載の装置において、
前記水素選択性メンブランの一部が、前記容器に対してろう付けされ、
これにより、前記シールの一部が形成されていることを特徴とする装置。
【請求項38】
請求項30記載の装置において、
前記容器が、シール領域を備えている少なくとも2つの構成部材から形成され、
前記少なくとも2つの構成部材が、前記シール領域のところにおいて互いに固定され、これにより、前記水素選択性メンブランと協働して前記シールを形成していることを特徴とする装置。
【請求項39】
請求項38記載の装置において、
前記水素選択性メンブランが、前記シール領域の少なくとも一部にわたって延在する外周縁部領域を備えていることを特徴とする装置。
【請求項40】
請求項39記載の装置において、
前記水素選択性メンブランの前記外周縁部領域が、前記容器の外側に延在していることを特徴とする装置。
【請求項41】
請求項29記載の装置において、
前記装置が、前記容器の前記透過物領域の中にメンブラン支持体を具備し、
このメンブラン支持体が、前記水素選択性メンブランの前記透過表面を支持し得るよう構成されていることを特徴とする装置。
【請求項42】
請求項41記載の装置において、
前記メンブラン支持体が、前記水素選択性メンブランを通過した前記混合ガス流の一部を、前記メンブラン支持体自体を通して流し得るよう構成されていることを特徴とする装置。
【請求項43】
請求項41記載の装置において、
前記容器と前記メンブラン支持体とが、これらの間に移行領域を形成し、
前記装置が、前記移行領域にわたって延在する少なくとも1つのパッドを具備し、
この少なくとも1つのパッドが、前記水素選択性メンブランの前記透過表面が前記移行領域に対して係合することを防止していることを特徴とする装置。
【請求項44】
請求項43記載の装置において、
前記少なくとも1つのパッドが、前記水素選択性メンブランと前記容器との間においてガス不透過性シールを形成しないものとされていることを特徴とする装置。
【請求項45】
請求項44記載の装置において、
前記少なくとも1つのパッドが、30%未満という圧縮状態のガスケットを備えていることを特徴とする装置。
【請求項46】
請求項43記載の装置において、
前記少なくとも1つのパッドが、前記装置の使用時に前記メンブランの皺形成を最小化し得るよう構成されたテーパー形状の内周縁部領域を備えていることを特徴とする装置。
【請求項47】
請求項29記載の装置において、
前記容器が、一対をなす端部プレートを備え、
前記装置が、前記一対をなす端部プレートと前記水素選択性メンブランとの間に、シールを備えていることを特徴とする装置。
【請求項48】
請求項47記載の装置において、
前記メンブランの一部と前記容器の一部が消費されることにより、前記シールが形成されていることを特徴とする装置。
【請求項49】
請求項29記載の装置において、
前記容器が、フレームを具備し、
前記水素選択性メンブランが、このフレームに対して、圧縮性ガスケットを使用することなく、恒久的にかつ直接的に固定され、
これにより、前記水素選択性メンブランと前記フレームとの間に、気密シールが形成されていることを特徴とする装置。
【請求項50】
請求項49記載の装置において、
前記容器が、さらに、前記フレームを固定するための一対をなす端部プレートを備えていることを特徴とする装置。
【請求項51】
水素精製装置であって、
この装置が、内部隔室を有した圧力容器を形成するシール容器を具備し、
このシール容器が、一対をなす端部プレートを備え、
前記装置が、前記隔室内へと、水素ガスおよび他のガスを含有した混合ガス流を受領し得るよう構成されているとともに、前記混合ガス流から、少なくとも実質的に純粋な水素ガスを含有してなる水素リッチな透過物流と、少なくとも実質的に前記他のガスを含有してなる副生成物流と、を生成し得るよう構成され、
前記装置が、さらに、前記隔室内において支持された水素選択性メンブランを具備し、
前記水素選択性メンブランが、前記混合ガス流に対して接触し得るよう構成された混合ガス面と、この混合ガス面に対する裏面をなす透過面と、を備え、
前記透過物流が、前記混合ガス流のうちの、前記透過面にまで前記水素選択性メンブランを通過した部分から形成され、
前記副生成物流が、前記混合ガス流のうちの、前記水素選択性メンブランを通過しなかった部分から形成され、
前記容器が、前記メンブランの一部と前記一対をなす端部プレートの一部とから形成されてなるインターフェースを備え、これにより、前記メンブランと前記一対をなす端部プレートとが、互いに恒久的にかつ直接的に固定されるとともに、シールを形成していることを特徴とする装置。
【請求項52】
請求項51記載の装置において、
前記一対をなす端部プレートの各々が、内周縁部と、外周縁部と、これら内周縁部および外周縁部の間に延在しているシール領域と、を備え、
前記メンブランの少なくとも一部が、前記隔室内から前記一対をなす前記端部プレートの前記内周縁部を超えて延在しているとともに、前記一対をなす端部プレートの前記シール領域どうしの間に延在していることを特徴とする装置。
【請求項53】
請求項52記載の装置において、
前記メンブランの少なくとも一部が、前記容器よりも外側に延在していることを特徴とする装置。
【請求項54】
請求項51記載の装置において、
前記メンブランが、溶接によってまたは拡散結合によって、前記端部プレートに対して固定されていることを特徴とする装置。
【請求項55】
請求項51記載の装置において、
前記装置が、メンブラン支持体を具備し、
このメンブラン支持体が、前記水素選択性メンブランの前記透過表面を支持し得るよう構成されていることを特徴とする装置。
【請求項56】
請求項55記載の装置において、
前記メンブラン支持体が、外周縁部を備え、
前記装置が、少なくとも1つのパッドを具備し、
この少なくとも1つのパッドが、前記メンブラン支持体の前記外周縁部に対してオーバーラップし得るよう構成され、
これにより、前記水素選択性メンブランの前記透過表面が前記メンブラン支持体の前記外周縁部に対して係合することが防止されていることを特徴とする装置。
【請求項57】
請求項56記載の装置において、
前記少なくとも1つのパッドが、前記メンブランと第2端部プレートとの間においてガス不透過性シールを形成していない少なくとも1つのガスケットを備え、
このガスケットが、30%未満の圧縮状態とされるとともに、ガス透過性材料から形成されていることを特徴とする装置。
【請求項1】
水素精製装置であって、
この装置が、内部隔室を有した圧力容器を形成するシール容器を具備し、
前記装置が、前記隔室内へと、水素ガスおよび他のガスを含有した混合ガス流を受領し得るよう構成されているとともに、前記混合ガス流から、少なくとも実質的に純粋な水素ガスを含有してなる水素リッチな透過物流と、少なくとも実質的に前記他のガスを含有してなる副生成物流と、を生成し得るよう構成され、
前記装置が、さらに、水素選択性メンブランを具備し、
この水素選択性メンブランが、前記隔室内において延在するとともに、前記容器と協働してシールを形成し得るよう前記容器に対して恒久的にかつ直接的に固定され、これにより、前記水素選択性メンブランが、前記隔室を、混合ガス領域と透過物領域とに分離しており、
前記メンブランが、前記混合ガス流に対して接触し得るよう構成された混合ガス面と、この混合ガス面に対する裏面をなす透過面と、を備え、
前記メンブランが、前記混合ガス流の第1部分を前記混合ガス領域から前記透過物領域にまで前記メンブランを通して選択的に通過させ得るよう構成されているとともに、前記混合ガス流の第2部分に関しては前記混合ガス領域から前記透過物領域へと前記メンブランを通して選択的に通過させ得ないように構成され、
前記透過物流が、前記混合ガス流の前記第1部分から形成され、
前記副生成物流が、前記混合ガス流の前記第2部分から形成されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、
さらに、前記水素選択性メンブランのうちの消費された部分と、前記容器のうちの消費された部分と、から形成されてなるインターフェースを具備していることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項2記載の装置において、
前記水素選択性メンブランの前記消費された部分が、前記容器の前記消費された部分と一緒に、合金を形成していることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項3記載の装置において、
前記水素選択性メンブランが、前記容器に対して溶接され、
これにより、前記メンブランと前記容器との間にシールが形成されていることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1記載の装置において、
前記水素選択性メンブランの一部が、前記容器に対してろう付けされ、
これにより、前記メンブランと前記容器との間にシールが形成されていることを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項2記載の装置において、
前記水素選択性メンブランが、前記容器に対して拡散結合され、
これにより、前記メンブランと前記容器との間にシールが形成されていることを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項1記載の装置において、
前記装置が、前記容器の前記透過物領域の中にメンブラン支持体を具備し、
このメンブラン支持体が、前記水素選択性メンブランの前記透過表面を支持し得るよう構成されていることを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項7記載の装置において、
前記容器が、前記透過物領域の中に第1チャンバを備え、
この第1チャンバが、前記メンブラン支持体を受領し得るよう構成されていることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項7記載の装置において、
前記メンブラン支持体が、前記水素選択性メンブランを通過した前記混合ガス流の前記第1部分を、前記メンブラン支持体自体を通して流し得るよう構成されていることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項7記載の装置において、
前記容器と前記メンブラン支持体とが、これらの間に移行領域を形成し、
前記装置が、前記移行領域にわたって延在する少なくとも1つのパッドを具備し、
この少なくとも1つのパッドが、前記水素選択性メンブランの前記透過表面が前記移行領域に対して係合することを防止していることを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項10記載の装置において、
前記少なくとも1つのパッドが、前記水素選択性メンブランと前記容器との間においてガス不透過性シールを形成しないものとされていることを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項10記載の装置において、
前記少なくとも1つのパッドが、30%未満という圧縮状態のガスケットを備えていることを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項10記載の装置において、
前記少なくとも1つのパッドが、前記装置の使用時に前記メンブランの皺形成を最小化し得るよう構成されたテーパー形状の内周縁部領域を備えていることを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項1記載の装置において、
前記容器が、前記水素選択性メンブランが溶接される一対をなす端部プレートを備えていることを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項1記載の装置において、
前記容器が、一対をなす端部プレートを備え、
これら端部プレートの各々が、外周縁部と、内周縁部と、これら外周縁部および内周縁部の間に延在しているシール領域と、を備え、
前記水素選択性メンブランが、前記内部隔室から前記端部プレートの前記シール領域を少なくとも部分的に横断して延在していることを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項15記載の装置において、
前記水素選択性メンブランが、外周縁部領域を備え、
この外周縁部領域が、少なくとも前記端部プレートの前記外周縁部にまで延在していることを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項1記載の装置において、
前記水素選択性メンブランが、外周縁部領域を備え、
前記装置が、前記外周縁部領域と前記容器との間において連続的なシールを具備していることを特徴とする装置。
【請求項18】
請求項1記載の装置において、
前記水素選択性メンブランが、全体的に平面状をなすメンブランとされ、
このメンブランが、前記容器内にわたって延在するに際して前記容器との交差箇所として内周縁部を形成し、
前記メンブランの面積が、前記内周縁部が形成する面積よりも大きいものとされていることを特徴とする装置。
【請求項19】
請求項1記載の装置において、
前記容器が、前記隔室を形成する内周縁部を備え、
前記水素選択性メンブランが、前記容器の前記内周縁部よりも外側に延在する外周縁部領域を備えていることを特徴とする装置。
【請求項20】
請求項19記載の装置において、
前記水素選択性メンブランの前記外周縁部領域が、前記容器よりも外側に延在していることを特徴とする装置。
【請求項21】
請求項1記載の装置において、
前記容器が、一対をなす端部プレートと、周縁シェルと、を備え、
前記水素選択性メンブランが、前記周縁シェルに対して恒久的にかつ直接的に固定され、これにより、前記メンブランと前記周縁シェルとの間に気密シールが形成され、
前記周縁シェルが、前記一対をなす端部プレートに対して恒久的にかつ直接的に固定されていることを特徴とする装置。
【請求項22】
請求項21記載の装置において、
前記周縁シェルが、前記一対をなす端部プレートとは別部材として形成されていることを特徴とする装置。
【請求項23】
請求項21記載の装置において、
前記装置が、前記水素選択性メンブランのうちの消費された部分と、前記周縁シェルのうちの消費された部分と、から形成されてなるインターフェースを具備していることを特徴とする装置。
【請求項24】
請求項23記載の装置において、
前記水素選択性メンブランの前記消費された部分が、前記周縁シェルの前記消費された部分と一緒に、合金を形成していることを特徴とする装置。
【請求項25】
請求項24記載の装置において、
前記水素選択性メンブランが、前記周縁シェルに対して、溶接されているあるいは拡散結合されていることを特徴とする装置。
【請求項26】
請求項21記載の装置において、
前記水素選択性メンブランの一部が、前記周縁シェルに対してろう付けされ、
これにより、前記メンブランと前記周縁シェルとの間にシールが形成されていることを特徴とする装置。
【請求項27】
請求項21記載の装置において、
前記装置が、メンブラン支持体を具備し、
このメンブラン支持体が、前記水素選択性メンブランの前記透過表面を支持し得るよう構成されていることを特徴とする装置。
【請求項28】
請求項27記載の装置において、
前記メンブラン支持体が、外周縁部を備え、
前記周縁シェルが、前記メンブラン支持体に対してオーバーラップしており、
これにより、前記メンブランの前記透過表面が前記メンブラン支持体の前記外周縁部に対して接触することが防止されていることを特徴とする装置。
【請求項29】
水素精製装置であって、
この装置が、内部隔室を有した圧力容器を形成するシール容器を具備し、
このシール容器が、ガスケットを有さないタイプのものとされ、
前記装置が、前記隔室内へと、水素ガスおよび他のガスを含有した混合ガス流を受領し得るよう構成されているとともに、前記混合ガス流から、少なくとも実質的に純粋な水素ガスを含有してなる水素リッチな透過物流と、少なくとも実質的に前記他のガスを含有してなる副生成物流と、を生成し得るよう構成され、
前記装置が、さらに、前記隔室内に配置された水素選択性メンブランを具備し、
この水素選択性メンブランが、前記容器と協働して気密シールを形成し、これにより、前記水素選択性メンブランが、前記隔室を、混合ガス領域と透過物領域とに分離しており、
前記気密シールが、圧縮性ガスケットを使用することなく形成され、
前記水素選択性メンブランが、前記混合ガス流に対して接触し得るよう構成された混合ガス面と、この混合ガス面に対する裏面をなす透過面と、を備え、
前記透過物流が、前記混合ガス流のうちの、前記透過面にまで前記水素選択性メンブランを通過した部分から形成され、
前記副生成物流が、前記混合ガス流のうちの、前記水素選択性メンブランを通過しなかった部分から形成され、
前記水素選択性メンブランの一部が、前記シール容器の一部を構成していることを特徴とする装置。
【請求項30】
請求項29記載の装置において、
前記水素選択性メンブランの一部が、前記シールの一部を形成していることを特徴とする装置。
【請求項31】
請求項30記載の装置において、
前記水素選択性メンブランが、外周縁部領域を備え、
この外周縁部領域が、前記シールの一部を形成していることを特徴とする装置。
【請求項32】
請求項30記載の装置において、
前記シールが、全体的に金属から形成されていることを特徴とする装置。
【請求項33】
請求項30記載の装置において、
前記水素選択性メンブランの一部が、前記メンブランのうちの消費された部分であることを特徴とする装置。
【請求項34】
請求項33記載の装置において、
前記水素選択性メンブランの前記消費された部分が、前記容器のうちの消費された部分と一緒に、合金を形成していることを特徴とする装置。
【請求項35】
請求項34記載の装置において、
前記水素選択性メンブランが、前記容器に対して溶接され、
これにより、前記シールが形成されていることを特徴とする装置。
【請求項36】
請求項33記載の装置において、
前記水素選択性メンブランが、前記容器に対して拡散結合され、
これにより、前記シールの一部が形成されていることを特徴とする装置。
【請求項37】
請求項30記載の装置において、
前記水素選択性メンブランの一部が、前記容器に対してろう付けされ、
これにより、前記シールの一部が形成されていることを特徴とする装置。
【請求項38】
請求項30記載の装置において、
前記容器が、シール領域を備えている少なくとも2つの構成部材から形成され、
前記少なくとも2つの構成部材が、前記シール領域のところにおいて互いに固定され、これにより、前記水素選択性メンブランと協働して前記シールを形成していることを特徴とする装置。
【請求項39】
請求項38記載の装置において、
前記水素選択性メンブランが、前記シール領域の少なくとも一部にわたって延在する外周縁部領域を備えていることを特徴とする装置。
【請求項40】
請求項39記載の装置において、
前記水素選択性メンブランの前記外周縁部領域が、前記容器の外側に延在していることを特徴とする装置。
【請求項41】
請求項29記載の装置において、
前記装置が、前記容器の前記透過物領域の中にメンブラン支持体を具備し、
このメンブラン支持体が、前記水素選択性メンブランの前記透過表面を支持し得るよう構成されていることを特徴とする装置。
【請求項42】
請求項41記載の装置において、
前記メンブラン支持体が、前記水素選択性メンブランを通過した前記混合ガス流の一部を、前記メンブラン支持体自体を通して流し得るよう構成されていることを特徴とする装置。
【請求項43】
請求項41記載の装置において、
前記容器と前記メンブラン支持体とが、これらの間に移行領域を形成し、
前記装置が、前記移行領域にわたって延在する少なくとも1つのパッドを具備し、
この少なくとも1つのパッドが、前記水素選択性メンブランの前記透過表面が前記移行領域に対して係合することを防止していることを特徴とする装置。
【請求項44】
請求項43記載の装置において、
前記少なくとも1つのパッドが、前記水素選択性メンブランと前記容器との間においてガス不透過性シールを形成しないものとされていることを特徴とする装置。
【請求項45】
請求項44記載の装置において、
前記少なくとも1つのパッドが、30%未満という圧縮状態のガスケットを備えていることを特徴とする装置。
【請求項46】
請求項43記載の装置において、
前記少なくとも1つのパッドが、前記装置の使用時に前記メンブランの皺形成を最小化し得るよう構成されたテーパー形状の内周縁部領域を備えていることを特徴とする装置。
【請求項47】
請求項29記載の装置において、
前記容器が、一対をなす端部プレートを備え、
前記装置が、前記一対をなす端部プレートと前記水素選択性メンブランとの間に、シールを備えていることを特徴とする装置。
【請求項48】
請求項47記載の装置において、
前記メンブランの一部と前記容器の一部が消費されることにより、前記シールが形成されていることを特徴とする装置。
【請求項49】
請求項29記載の装置において、
前記容器が、フレームを具備し、
前記水素選択性メンブランが、このフレームに対して、圧縮性ガスケットを使用することなく、恒久的にかつ直接的に固定され、
これにより、前記水素選択性メンブランと前記フレームとの間に、気密シールが形成されていることを特徴とする装置。
【請求項50】
請求項49記載の装置において、
前記容器が、さらに、前記フレームを固定するための一対をなす端部プレートを備えていることを特徴とする装置。
【請求項51】
水素精製装置であって、
この装置が、内部隔室を有した圧力容器を形成するシール容器を具備し、
このシール容器が、一対をなす端部プレートを備え、
前記装置が、前記隔室内へと、水素ガスおよび他のガスを含有した混合ガス流を受領し得るよう構成されているとともに、前記混合ガス流から、少なくとも実質的に純粋な水素ガスを含有してなる水素リッチな透過物流と、少なくとも実質的に前記他のガスを含有してなる副生成物流と、を生成し得るよう構成され、
前記装置が、さらに、前記隔室内において支持された水素選択性メンブランを具備し、
前記水素選択性メンブランが、前記混合ガス流に対して接触し得るよう構成された混合ガス面と、この混合ガス面に対する裏面をなす透過面と、を備え、
前記透過物流が、前記混合ガス流のうちの、前記透過面にまで前記水素選択性メンブランを通過した部分から形成され、
前記副生成物流が、前記混合ガス流のうちの、前記水素選択性メンブランを通過しなかった部分から形成され、
前記容器が、前記メンブランの一部と前記一対をなす端部プレートの一部とから形成されてなるインターフェースを備え、これにより、前記メンブランと前記一対をなす端部プレートとが、互いに恒久的にかつ直接的に固定されるとともに、シールを形成していることを特徴とする装置。
【請求項52】
請求項51記載の装置において、
前記一対をなす端部プレートの各々が、内周縁部と、外周縁部と、これら内周縁部および外周縁部の間に延在しているシール領域と、を備え、
前記メンブランの少なくとも一部が、前記隔室内から前記一対をなす前記端部プレートの前記内周縁部を超えて延在しているとともに、前記一対をなす端部プレートの前記シール領域どうしの間に延在していることを特徴とする装置。
【請求項53】
請求項52記載の装置において、
前記メンブランの少なくとも一部が、前記容器よりも外側に延在していることを特徴とする装置。
【請求項54】
請求項51記載の装置において、
前記メンブランが、溶接によってまたは拡散結合によって、前記端部プレートに対して固定されていることを特徴とする装置。
【請求項55】
請求項51記載の装置において、
前記装置が、メンブラン支持体を具備し、
このメンブラン支持体が、前記水素選択性メンブランの前記透過表面を支持し得るよう構成されていることを特徴とする装置。
【請求項56】
請求項55記載の装置において、
前記メンブラン支持体が、外周縁部を備え、
前記装置が、少なくとも1つのパッドを具備し、
この少なくとも1つのパッドが、前記メンブラン支持体の前記外周縁部に対してオーバーラップし得るよう構成され、
これにより、前記水素選択性メンブランの前記透過表面が前記メンブラン支持体の前記外周縁部に対して係合することが防止されていることを特徴とする装置。
【請求項57】
請求項56記載の装置において、
前記少なくとも1つのパッドが、前記メンブランと第2端部プレートとの間においてガス不透過性シールを形成していない少なくとも1つのガスケットを備え、
このガスケットが、30%未満の圧縮状態とされるとともに、ガス透過性材料から形成されていることを特徴とする装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2008−513334(P2008−513334A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−532350(P2007−532350)
【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【国際出願番号】PCT/US2005/030431
【国際公開番号】WO2006/033773
【国際公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(502235463)アイダテック, エル.エル.シー. (10)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【国際出願番号】PCT/US2005/030431
【国際公開番号】WO2006/033773
【国際公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(502235463)アイダテック, エル.エル.シー. (10)
【Fターム(参考)】
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