説明

水素製造方法及び水素製造システム

【課題】変動の大きな排熱を熱源として利用する場合であっても、DMEの水蒸気改質反応により高品質の水素を安定して継続的に製造することができる水素製造方法及び水素製造システムを提供する。
【解決手段】DME改質反応器3と、DME改質反応器3に水蒸気を供給する水蒸発器10と、DME改質反応器3にDMEを供給するDME気化器6と、水蒸発器10により供給される水蒸気の流量を調整する調整弁11と、水素の生成量を測定する水素流量計31とを備え、水素流量計31による測定結果に基づき、調整弁11による水蒸気の流量の調整を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排熱を熱源として利用してジメチルエーテル(略称DME)を水蒸気改質することにより水素を製造する水素製造方法及び水素製造システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、工場から排出される排ガス等の排熱を有効に利用することが、エネルギーの効率的利用、環境負荷の低減等の観点から大きな課題となっている。工場からの排熱は、業種等によって比較的回収の容易な高温排熱から比較的回収が困難な低温排熱まで多岐にわたっている。このため、排熱の温度域に応じた利用方法の確立が求められている。
例えば、鉄鋼関連等の工場においては、レキュペレータ方式やリジェネバーナー方式等に代表される加熱炉が、250〜400℃の比較的低温の排ガス温度で運用される。このように比較的低温の排ガスは、ボイラーに利用するには温度が低く、また、気化器に利用するには温度が高いという問題がある。
【0003】
上記のように比較的低温の排ガスを利用して排熱の回収を行うシステムとしては、例えば、廃熱(排熱)を熱源として利用してDMEを改質することにより水素を製造する低質廃熱回収システムが知られている(特許文献1参照)。
図3は、特許文献1に開示された低質廃熱回収システムの一例を示す概略図である。図示するように、低温廃熱回収システムは、廃熱ガスを通流させる低質廃熱ガス順路系101と、この低質廃熱ガス順路系101と別経路で、原料ガス(DMEと水)を輸送し、DMEを改質した改質ガスから水素ガスを精製する水素精製系102aとを備えている。低質廃熱ガス順路系101は、廃熱ガス温度の高い方から低い方に向かって順に、改質器102、蒸発器103、再生器104、DME気化器105を備えている。また、水素精製系102aは、改質ガス温度の高い方から低い方に向かって順に、一酸化炭素変成器106、冷却器107、二酸化炭素吸収器108、水素粗精製回収器109、高純度二酸化炭素回収器110を備えている。二酸化炭素吸収器108と再生器104との間には、二酸化炭素吸収器108の吸収剤を循環する二酸化炭素循環系113が設けられている。
【0004】
次に、上記システムの動作について説明する。DME気化器105は、廃熱ガスを熱源として液相のDMEを気化させ、DMEガスにする。一方、蒸発器103は、廃熱ガスを熱源として水を気化させ、DME気化器105から供給されるDMEガスとともに改質器102へと送る。改質器102ではDMEガスを水蒸気改質させ、水素リッチな改質ガスを生成する。また、改質器102で反応が充分に行われなかった残りの一酸化炭素(CO)は一酸化炭素変成器106で発熱反応させ、水素、二酸化炭素(CO)ガスを生成する。改質ガスの発熱反応後に生成されたCOは、冷却器107で冷却させて二酸化炭素吸収器108で二酸化炭素吸収剤により吸収される。改質ガスの内、二酸化炭素吸収器108でCOを吸収させ、残りの粗精製水素ガスを水素粗精製回収器109に回収させる。他方、二酸化炭素吸収器108の吸収剤で吸収させたCOは再生器104に供給され、ここで廃熱ガスを熱源として高純度のCOが生成され、高純度二酸化炭素回収器110に回収させる。
【0005】
このように、特許文献1に開示された低質廃熱回収システムは、産業用機器やごみ焼却施設から排出される低質な廃熱ガスをカスケード的に利用することにより、水素製造及び二酸化炭素の分離を行うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−31255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように有効利用が課題とされる排熱は、排熱源である工場の稼働状況等によって温度や排出量が変動することがある。温度等の変動の大きな排熱を熱源としてDMEの水蒸気改質を行う場合、供給熱量が変動して改質反応器における反応温度が変動する。反応温度が変動すると触媒による改質反応が安定せず、さらには反応温度が過度に高温になると触媒上への炭素析出が頻発になり、改質性能が劣化する。このため、劣化した触媒の再生等の対策が必要とされている。
【0008】
また、DMEの水蒸気改質反応により生成される改質ガスには、目的生成物である水素のほか、未反応のDME、副生するCO、CO等が含まれるので、目的生成物である水素を使用する際に、改質ガスから未反応のDME、CO、CO等を分離する。
しかしながら、改質ガスに含まれる水素の濃度は、水蒸気改質反応の状態に依存するため、温度等の変動の大きな排熱を利用するシステムでは、上記のように反応温度が変動して反応が安定せず、生成される水素の濃度も変動する。このような水素濃度の変動に応じて改質ガスから未反応のDME、CO、CO等を分離しようとすると、これを実現する制御システムが複雑なものとなり高価なものにならざるを得ない。このため、温度等の変動の大きな工場排熱を熱源としてDMEの水蒸気改質を行う従来のシステムは、廉価に構成することが困難である。
【0009】
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、変動の大きな排熱を熱源として利用する場合であっても、DMEの水蒸気改質反応により高品質の水素を安定して継続的に製造することができる水素製造方法及び水素製造システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、本発明の水素製造方法は、排熱を熱源として利用してジメチルエーテルを水蒸気改質することにより、水素を含む改質ガスを生成する水蒸気改質反応において、前記改質ガスの生成量の変動又は前記水素の生成量の変動に応じて、前記水蒸気改質反応に供する水の単位時間当たりの供給量を調整することを特徴とする。
また、本発明の水素製造システムは、排熱を熱源として利用してジメチルエーテルを水蒸気改質することにより、水素を含む改質ガスを生成する改質反応器と、前記改質反応器に水を供給する水供給部と、前記改質反応器にジメチルエーテルを供給するジメチルエーテル供給部と、前記水供給部による前記水の単位時間当たりの供給量を調整する水供給量調整部と、前記改質ガスの生成量又は前記水素の生成量を測定する生成量測定部と、前記生成量測定部による測定結果に基づき、前記水供給量調整部による単位時間当たりの供給量の調整を制御する制御部とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、水蒸気改質反応により生成される改質ガスの生成量の変動又は水素の生成量の変動に応じて、水蒸気改質反応に供する水(水蒸気)の単位時間当たりの供給量が調整される。これにより、温度等の変動の大きな排熱を水蒸気改質反応の熱源に利用した場合であっても、DMEの熱分解反応が生じるのを防止することができる。したがって、本発明によれば、触媒上への炭素の析出による改質性能の低下を抑制し、DMEの水蒸気改質反応を安定して継続的に行うことができる。
【0012】
DMEの水蒸気改質反応により生成される改質ガス又は水素の生成量は、熱源として利用する排熱の温度に依存して変動する。排熱の温度が上昇すると、これに応じて、DMEの転化率が上昇して、所定の温度までは改質ガス又は水素の生成量も増加する。さらに温度が上昇すると、DMEの転化率上昇による水素生成量の増加は飽和するもののDMEの熱分解反応によっても水素が発生するようになり水素の生成量が増加する。しかしながら、排熱の温度が所定の温度を超えて上昇すると、DMEの熱分解により生じる炭素が増加し、その結果、水蒸気改質反応に用いられる触媒上に析出する炭素の量が増加する。炭素が生成される反応では水素生成量が減少し転化率が低下する。この状態が継続すると、触媒活性が次第に低下し、改質ガス又は水素の単位時間当たりの生成量が更に減少するとともに、安定して継続的に水蒸気改質反応を行うことが困難となる。
【0013】
そこで、本発明では、改質ガスの生成量の変動又は水素の生成量の変動に応じて、水蒸気改質反応に供する水の単位時間当たりの供給量を調整する。
具体的には、例えば、改質ガス又は水素の単位時間当たりの生成量が減少して所定の閾値を下回った場合には、水蒸気改質反応に供する水の単位時間当たりの供給量を増加させる。これにより、DMEの熱分解反応を防止することができる。したがって、触媒上への炭素の析出を抑制して触媒活性の低下を抑制することができる。また、水蒸気改質反応に供する水の単位時間当たりの供給量を増加させることにより、触媒の温度が低下するため、触媒表面の剥離等の熱による触媒の劣化を抑制して触媒性能を長期にわたり維持することができる。
なお、DMEの熱分解反応が顕著になると、一旦は水素生成量が増加するため、水素生成量が所定値を越えた時点で異常と判定し、水の供給量を増やす制御を行うことも可能である。
【0014】
なお、水の単位時間当たりの供給量の調整は、改質反応器に供給する水(水蒸気とする前の水または水蒸気)の流量を調整することにより行うことができる。水の供給量を調整する供給量調整部としては、調整弁を用いることができる。
上記供給量調整部による供給量の調整は、改質ガス又は水素の生成量の測定結果に基づいて、操作者が行うことも可能であるが、測定結果を受信する制御部において、測定結果に基づいて、上記調整を自動的に行うことができる。改質ガス又は水素の生成量を測定する生成量測定部としては、供給管等を流れる改質ガス又は水素の流量を常時又は適宜測定する流量計を用いることができる。また、生成量測定部としては、積算流量計による計測を用いたものであってもよい。
【0015】
DMEの水蒸気改質反応により生成された改質ガスには、目的生成物である水素のほか、未反応のDMEが含まれている。改質ガスに含まれる未反応のDMEは、改質ガスから分離回収することができる。分離回収したDMEは再び水蒸気改質反応に供したり、燃料として利用したりすることが可能であり、DMEの利用効率を高めることができる。分離回収した未反応のDMEを再び水蒸気改質反応に供することにより、高い転化率でDMEの水蒸気改質反応を行うことができ、DMEの転化率を実質的に100%とすることもできる。
改質ガスから未反応のDMEを分離回収する方法としては、改質ガスを加圧してこれに含まれる未反応のDMEを液化し、液化された未反応のDMEを残余の改質ガスから分離回収する方法が挙げられる。
未反応のDMEを分離回収するジメチルエーテル分離回収部としては、改質ガスを加圧するガス圧縮機と、ガス圧縮機が改質ガスを加圧することにより液化された未反応のDMEを回収する回収部とを有するものを用いることができる。なお、ガス圧縮機による改質ガスの加圧は、気体DMEが液化する5気圧以上とするのが望ましい。気体DMEは、0〜20℃においてDME蒸気圧曲線から明らかなように5気圧以上で液体となる。20℃以上でも、約40℃までであれば10気圧以下で液体状態になる。なお、本発明としては、DMEの分離方法が上記に限定されるものではなく、既知の種々の方法を用いることができる。また、ジメチルエーテル分離回収部は、回収した未反応のDMEを水蒸気改質反応における反応排熱により加熱する熱交換部を更に有するものであってもよい。水蒸気改質反応における反応排熱は、以下に述べる高温の改質ガスの熱を用いることができる。
【0016】
未反応のDMEを再び水蒸気改質反応に供する場合、上記ジメチルエーテル分離回収部により分離回収された未反応のDMEを、水蒸気改質反応を行う改質反応器に還流させるDME還流部を水素製造システムが有するように構成すればよい。
【0017】
また、未反応のDMEが分離回収される前の改質ガスの熱により、分離回収された未反応のDMEを加熱するようにしてもよい。水蒸気改質反応によって高温となった改質ガスで未反応のDMEを加熱することにより、エネルギー効率の向上が図れる。
上記改質ガスの熱による未反応のDMEの加熱は、ジメチルエーテル分離回収部の熱交換部において、ジメチルエーテル分離回収部により未反応のジメチルエーテルが分離回収される前の改質ガスと、ジメチルエーテル分離回収部の回収部により回収された未反応のDMEとを熱交換することにより行うことができる。なお、未反応DMEの加熱は、排熱ガスと熱交換した熱媒によって加熱することも可能である。
【0018】
また、DMEの水蒸気改質反応により生成された改質ガスには、目的生成物である水素及び上記未反応のDMEのほか、未反応の水(水蒸気)及び副生物であるメタノールが含まれている。改質ガスに含まれる未反応の水及び副生物であるメタノールも、改質ガスから分離することが望ましい。
改質ガスから未反応の水及び副生物であるメタノールを分離する方法としては、改質ガスを冷却してこれに含まれる未反応の水及び副生物であるメタノールを液化する方法が挙げられる。
なお、改質ガスからの未反応の水及び副生物であるメタノールの分離は、改質ガスから上記未反応のDMEを分離回収する前に行うことが望ましい。これは、水及びメタノールはDMEよりも沸点が高く、水及びメタノールの分離に先立ってDMEの分離回収を行うことは困難なためである。この場合、上記ジメチルエーテル分離回収部の前段に、改質ガスから未反応の水及び副生物であるメタノールを分離する水及びメタノール分離部を水素製造システムが有するように構成すればよい。
上記のように、水及びメタノールを分離し、更にDMEを分離することで、その後純度の高い高品質の水素を分離回収することができる。
【0019】
DMEの水蒸気改質反応の熱源として利用する排熱は、加熱炉等から排ガスの形で排出される工場排熱等であり、例えば200〜500℃の中温の排熱を用いることができる。但し、本発明としては排熱の温度がこの範囲に限定されるものではない。
また、水蒸気改質反応の熱源として利用する排熱は、水蒸気改質反応に供する水の加熱と、水蒸気改質反応に供するDMEの加熱とに利用することができる。この場合、上記水蒸気改質反応の熱源として利用した後の排熱を水蒸気改質反応に供する水の加熱に利用し、その後、水蒸気改質反応に供する水の加熱に利用した後の排熱を水蒸気改質反応に供するDMEの加熱に利用することができる。
【0020】
また、DMEの水蒸気改質反応により生成された改質ガスから水素を精製する方法としては、膜分離法を用いることができる。また、圧力スイング吸着(PSA)法、冷却法(深冷分離法)等を用いることもできる。
膜分離法により水素を精製する場合、上記ジメチルエーテル分離回収部が有するガス圧縮機の、加圧された前記改質ガスの排出側に、水素分離膜により改質ガスを水素と他のガスとに分離する水素分離部を接続し、水素分離部の、他のガスの排出側に背圧弁を設けることができる。背圧弁により、ガス圧縮機により加圧される水素分離膜の一次側の圧力を一定の圧力に維持することができ、水素分離膜により安定して水素を分離することができる。なお、上記ガス圧縮機は、水素分離膜が安定して動作する10気圧以下に改質ガスを加圧することが望ましい。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明によれば、排熱を熱源として利用したDMEの水蒸気改質反応において、改質ガスの生成量の変動又は水素の生成量の変動に応じて、水蒸気改質反応に供する水の単位時間当たりの供給量を調整するので、変動の大きな排熱を熱源として利用する場合であっても、水蒸気改質反応により高品質の水素を安定して継続的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態の水素製造システムを示す概略図である。
【図2】同じく、水の流量調整の制御手順を示すフローチャートである。
【図3】従来の低質排熱回収システムを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明の一実施形態の水素製造システムについて図1を用いて説明する。
図1に示すように、該水素製造システムでは、DMEの水蒸気改質を行うDME改質反応器3と、DMEを気化して前記DME改質反応器3に供給するDME気化器6と、水を蒸発させて前記DME改質反応器3に供給する水蒸発器10とを備えている。DME改質反応器3は、本発明の改質反応器に相当し、DME改質反応器3内部には、水蒸気改質触媒が収容される。水蒸気改質触媒としては、銅、亜鉛などを触媒とし、アルミナ、シリカ、ゼオライトなどを担体としたもの等を好適に用いることができるが、本発明としては水蒸気改質触媒の種別が特定のものに限定されるものではない。
DME改質反応器3には、工場等の排熱源1に接続された排熱ガス移送管2aが熱交換可能に接続されている。排熱ガス移送管2aは、DME改質反応器3の下流側で排熱ガス移送管2bに接続されており、該排熱ガス移送管2bは、水蒸発器10に熱交換可能に接続されている。排熱ガス移送管2bは、水蒸発器10の下流側で排熱ガス移送管2cに接続されており、該排熱ガス移送管2cは、DME気化器6に熱交換可能に接続されている。
排熱ガス移送管2cは、DME気化器6の下流側で排熱ガス排出管2dに接続されており、排熱ガス排出管2dは、熱交換された排熱を系外に排出する。
【0024】
DME気化器6には、DME気化器6内にDMEを導入する側に、DME供給源8が接続され、DME気化器6内で気化したDMEを排出する側に、気体DME供給管5が接続されている。気体DME供給管5には、気体DME供給管5内を流れる気体DMEの流量を調整するマスフローコントローラー(以下MFCという)7が介設されている。
水蒸発器10には、水蒸発器10内に水を導入する側に、水供給源12が接続され、水蒸発器10内で蒸発した水蒸気を排出する側に、水蒸気供給管9が接続されている。水蒸気供給管9には、水蒸気供給管9内を流れる水蒸気の流量を調整する調整弁11が介設されている。
気体DME供給管5と水蒸気供給管9とは下流側で合流して、混合原材料供給管4に接続されており、混合原材料供給管4の下流端は、前記DME改質反応器3に接続されている。
前記DME供給源8、DME気化器6、気体DME供給管5、及び混合原材料供給管4は、本発明のジメチルエーテル供給部を構成する。
水供給源12、水蒸発器10、水蒸気供給管9、及び混合原材料供給管4は、本発明の水供給部を構成する。調整弁11は、本発明の水供給量調整部に相当する。
【0025】
前記MFC7及び調整弁11は、それぞれ制御部13に接続されており、制御部13によって、MFC7における流量調整、調整弁11における流量調整がそれぞれ制御される。制御部13は、CPUとこれを動作させるプログラムとを主構成とし、その他に、RAMやROM、MFC7、調整弁11の動作パラメータ等を格納した不揮発のメモリ等を備えている。
【0026】
さらにDME改質反応器3には、DME改質反応器3内で生成された改質ガスを排出する改質ガス排出管14が接続されており、該改質ガス排出管14の下流端はCO変成器15のガス導入側に接続されている。CO変成器15は、改質ガスに含まれるCOをCOに変成する。
【0027】
CO変成器15のガス排出側には、CO変成器15内でCOから変成されたCOを含む改質ガスを排出する改質ガス排出管16が接続されており、改質ガス排出管16の下流側はDME気化器23aに熱交換可能に接続されている。改質ガス排出管16はDME気化器23aの下流側で改質ガス排出管17に接続されている。
改質ガス排出管17の下流端には、冷却器18のガス導入側が接続されている。冷却器18は、改質ガスに含まれる水及びメタノールを液化して分離するものであり、冷却器18の排出側には、冷却によって液化した水及びメタノールを排出する水・メタノール排出管19bと、水及びメタノールを分離した改質ガスを排出する改質ガス排出管19aとが接続されている。水・メタノール排出管19bの下流端は、水・メタノール回収器20に接続され、改質ガス排出管19aの下流端は、ガス圧縮機21のガス導入側に接続されている。
冷却器18、水・メタノール排出管19b、及び水・メタノール回収器20は、本発明の水及びメタノール分離部を構成する。
【0028】
前記ガス圧縮機21のガス排出側には、ガス圧縮機21内で加圧圧縮された改質ガスを排出する改質ガス排出管22が接続されている。改質ガス排出管22の下流端はDME回収器23の導入側に接続されている。DME回収器23は、DMEが分離されたガスの排出側に改質ガス移送管24が接続され、分離された液体DMEの排出側にDME気化器23aが接続されている。DME気化器23aは、気化された気体DMEの排出側にDME排出管33が接続されている。ガス圧縮機21、DME回収器23及びDME気化器23aは、本発明のジメチルエーテル分離回収部を構成する。
DME気化器23aでは、改質ガス排出管16により供給される改質ガスとの熱交換により、回収された未反応のDMEが加熱される。すなわち、DME気化器23aは、本発明の熱交換部としての機能を有している。
【0029】
前記改質ガス移送管24の下流端は水素分離部25に接続されている。水素分離部25は、水素分離膜により改質ガスを水素と水素以外の排ガスとに分離する。水素分離部25は、本発明の水素分離部に相当する。なお、水素分離部25は、水素分離膜を用いた膜分離法によるもののほか、PSA法、深冷分離法等によるものであってもよい。
【0030】
水素分離部25の排ガス排出側には、排ガス移送管26が接続されており、排ガス移送管26には背圧弁27が介設されている。背圧弁27により、水素分離部25の改質ガス導入側の圧力が一定の圧力に維持される。
【0031】
排ガス移送管26の下流端はCO吸収・貯蔵部28に接続されている。該CO吸収・貯蔵部28は排ガスに含まれるCOを吸収して貯蔵する。CO吸収・貯蔵部28には副生ガス排出管29が接続されている。
【0032】
水素分離部25の水素排出側には、水素を移送する水素移送管30が接続されている。水素移送管30には、水素移送管30内を流れる水素の流量を測定する水素流量計31が介設されている。水素流量計31は、本発明の生成量測定部に相当する。水素移送管30の下流側には、燃料電池の燃料等として水素を利用する水素利用部(図示しない)が設置されている。
水素流量計31は、その測定結果が前記制御部13に送信されるように、該制御部13に電気的に接続されている。制御部13は、水素流量計31から伝達される水素の流量の測定結果に基づき、前記したように調整弁11による水蒸気の流量の調整を制御する。該制御においては、予め水素の流量に対する水蒸気の供給量の関係を定めておき、測定された水素の流量に応じて水蒸気の供給量を設定することができる。予め定めた上記関係は制御部13の不揮発メモリに格納しておき、適宜読み出すことができる。また、制御部13は、MFC7に流量設定指示を行い、気体DME供給管5を流れる気体DMEの流量を所定の値に設定する。
【0033】
DME気化器23aの気体DMEの排出側に接続されたDME移送管33は、DME還流管33aとDME移送管33bとに分岐している。
DME還流管33a、DME移送管33bには、それぞれ気体DMEの移送を制御する制御弁34a、34bが介設されている。
DME還流管33aの下流端は、MFC7の上流側で気体DME供給管5に合流している。すなわち、DME移送管33、DME環流管33a、気体DME供給管5、及び混合原材料供給管4は、本発明のジメチルエーテル還流部を構成している。
DME移送管33bの下流側には、燃料としてDMEを利用する燃料DME利用部(図示しない)が設置されている。
【0034】
次に、上記水素製造システムの動作について説明する。
工場等の排熱源1において発生した排熱ガスは、排熱ガス移送管2aを通して該システムに導入され、順次、DME改質反応器3、水蒸発器10、及びDME気化器6の熱交換に供される。排熱源1において発生する排熱ガスは、200〜500℃程度の中温の排熱ガスであり、排熱ガスの温度は、排熱源1である工場等の稼働状況等により変動する。
排熱源1において発生した排熱ガスは、排熱ガス移送管2aによりDME改質反応器3側に移送され、熱交換によってDME改質反応器3内を加熱する。DME改質反応器3で熱交換が行われた排熱ガスは、100℃以上の温度を有しており、排熱ガス移送管2bにより水蒸発器10側に移送されて熱交換によって水蒸発器10内を加熱する。水蒸発器10で熱交換が行われた排熱ガスは、排熱ガス移送管2cによりDME気化器6側に移送され、熱交換器によってDME気化器6内を加熱する。DME気化器6で熱交換された排熱ガスは、排熱ガス排出管2dにより排出される。
【0035】
上記のように排熱ガスが各機器に移送されている状態で、DME供給源8から液体DMEがDME気化器6に供給され、水供給源12から水が水蒸発器10に供給される。水蒸発器10では、前記排熱ガスとの熱交換により水が加熱されて蒸発し、水蒸気が生成される。また、DME気化器8では、前記排熱ガスとの熱交換により液体DMEが加熱されて気化し、気体DMEが生成される。液体DMEは、沸点が−23.6℃と低いため、DME改質反応器3及び水蒸発器10における熱交換を順次経た比較的低温の排熱ガスによっても容易に気化する。
【0036】
水蒸発器10において生成された水蒸気は、水蒸気供給管9により混合原材料供給管4に供給される。該水蒸気供給管9における水蒸気の流量は調整弁11により調整される。
DME気化器6において生成された気体DMEは、気体DME供給管5により混合原材料供給管4に供給される。気体DME供給管5における気体DMEの流量はMFC7により調整される。
混合原材料供給管4に供給された水蒸気と気体DMEとは、混合されてDME改質反応器3に供給される。
【0037】
DME改質反応器3では、水蒸気改質触媒の存在下、前記排熱ガスとの熱交換により水蒸気及び気体DMEが加熱され、下記反応式に従ってDMEの水蒸気改質反応が進行する。改質ガスには、水素のほか、条件により未反応の気体DME及び水(水蒸気)、並びに副生するCO、CO、メタノール、及びメタン等の低級炭化水素が含まれている。
CHOCH+HO→2CHOH
CHOH+HO→3H+CO
【0038】
DME改質反応器3において生成された改質ガスは、改質ガス排出管14によりCO変成器15に供給される。
CO変成器15では、改質ガスに含まれるCOがCOに変成される。COの変成には、COと水蒸気とからCOと水素とを生成する水性ガスシフト反応が用いられる。CO変成器15でCOから変成されたCOを含む改質ガスは、改質ガス排出管16によりDME気化器23a側に移送される。DME気化器23aでは、改質ガス排出管16により移送される改質ガスとの熱交換によって、DME気化器23a内の未反応のDMEが反応排熱により加熱される。
【0039】
DME気化器23aでの熱交換によって温度低下した改質ガスは、改質ガス排出管17によって冷却器18に移送され、改質ガスが0〜10℃に冷却される。改質ガスの冷却によって、改質ガスに含まれる未反応の水と副生物であるメタノールとが冷却器18内で液化されて残余の改質ガスから分離される。分離された水とメタノールとは、水・メタノール排出管19bを介して水・メタノール回収器20に回収される。
【0040】
冷却器18で水とメタノールが分離された残余の改質ガスは、改質ガス排出管19aによってガス圧縮機21に移送され、加圧圧縮される。冷却器18により0〜10℃に冷却された改質ガスは、気体DMEが20℃において液化する5気圧以上、水素分離部25における水素分離膜が効率よく動作する10気圧以下に加圧圧縮する。水素分離部25では、排ガス移送管26に介設された背圧弁27により、水素分離部25における水素分離膜のガス導入側の圧力が一定の圧力に維持される。
【0041】
ガス圧縮機21で改質ガスが加圧圧縮されることで、改質ガスに含まれる未反応のDMEは液化されて液体DMEとなり、液体DMEは、改質ガスとともに改質ガス移送管22によりDME回収器23に移送される。DME回収器23では、液体DMEが分離して回収され、DME気化器23aに移送される。
【0042】
未反応のDMEが分離された改質ガスは、DME回収器23から改質ガス移送管24により水素分離部25に移送される。水素分離部25では、改質ガスに含まれる水素が水素分離膜を選択的に透過して水素以外の排ガスから分離される。上述のように水素分離部25のガス導入側の圧力が背圧弁27により一定の圧力に維持されているため、水素分離膜により安定して水素を分離することができる。
水素分離膜により分離された水素は、水素分離部25の水素排出側から排出され、水素移送管30により水素利用部(図示しない)に供給されて利用される。
【0043】
水素移送管30で移送される水素量は、水素流量計31によって測定され、測定の結果は、制御部13に送信されている。制御部13は、水素流量の測定結果に基づき、水蒸気供給管9を流れる水蒸気の流量を調整する。該流量調整は、前記したように調整弁11の動作制御によって行う。
【0044】
また、水素以外の排ガスは、水素分離部25の排ガス排出側から排出され、排ガス移送管26によりCO吸収・貯蔵部28に供給される。CO吸収・貯蔵部28では、排ガスに含まれるCOが吸収されて貯蔵される。COが除去された残余のガスは、メタンを主成分とする低級炭化水素であり、副生ガスとして副生ガス排出管29から系外に排出される。副生ガスは補助燃料としても利用可能である。
【0045】
他方、DME回収器23に回収されたDMEは、DME気化器23aにより気化された後、DMEの水蒸気改質を行うDME改質側又はDMEを燃料として利用する燃料DME利用側に供給される。
DME気化器23aで気化したDMEをDME改質側に還流する場合、制御弁34aを開放状態とし、制御弁34bは閉止状態とする。DME気化器23a内の気体DMEは、DME移送管33、DME還流管33aを通して気体DME供給管5に供給される。還流された気体DMEは、DME気化器6から供給される気体DMEとともに、混合原材料供給管4を経てDME改質反応器3に供給される。未反応のDMEを再び水蒸気改質反応に供することで、高い転化率でDMEの水蒸気改質を行うことができ、DMEの転化率を実質的に100%にすることもできる。
【0046】
また、DME気化器23aで気化したDMEを燃料DME利用側に供給する場合、制御弁34aを閉止状態にし、制御弁34bを開放状態とする。DME気化器23a内の液体DMEは、DME移送管33、33bにより燃料DME利用部(図示しない)に供給される。
また、DME気化器23a内のDMEをDME改質側及び燃料DME利用側の両側に同時に供給してもよい。この場合には、制御弁34a、34bをともに開放状態とすればよい。
【0047】
以下、調整弁11による流量調整の制御手順について図2のフローチャートを参照しつつ説明する。該手順は、制御部13によって実行される。
DME改質反応器3への気体DME及び水蒸気の供給を開始するに先立ち、気体DME供給管5を流れる気体DMEの流量および水蒸気供給管9を流れる水蒸気の流量の初期設定が行われる(ステップs1)。該初期設定では、水蒸気供給量とDME供給量とが所定の比率となるように設定するのが望ましい。これらの初期設定は、排熱源1からDME改質反応器3等に移送される排熱ガスの温度及び供給量、要求される水素生成量等の諸条件に応じて良好な転化率が得られるように適切に設定されている。該初期設定に従って、MFC7及び調整弁11では、制御部13による指令によって動作設定がなされる。
【0048】
初期設定に従って、DME改質反応器3に対する気体DME及び水蒸気の供給が開始されると、DME改質反応器3では、DMEの水蒸気改質反応が進行して水素を含む改質ガスが生成される(ステップs2)。改質ガスに含まれる水素は、上述のように水素分離部25により水素以外の改質ガスから分離され、水素流量計31によって生成量が測定される(ステップs3)。水素流量の測定結果は、水素流量計31から制御部13に送信される。
【0049】
制御部13は、水素流量の測定結果に基づき、測定水素流量が所定の閾値を下回るか否かを判定する(ステップs4)。ここで、水素の流量の閾値としては、例えば、炭素が析出していない初期の触媒の各反応温度での一定原料DMEを供給したときの水素製造量をシミュレーションにより又は実験的に把握しておき、その製造量を原料DMEの供給量で割った係数の80%以下となった場合等における水素流量の値を使用することが可能である。
【0050】
水素の流量が所定の閾値以上の場合(ステップs4、No)、DME改質反応器3では、終了に至らなければ(ステップs6、No)、DMEの水蒸気改質反応を継続する(ステップs2へ)。
他方、水素の流量が所定の閾値を下回る場合(ステップs4、Yes)、制御部13では、予め定めた動作パラメータに従って、調整弁11の開度を制御して水蒸気供給管9を流れる水蒸気の流量を増加させる(ステップs5)。上記水蒸気の流量調整によってDME改質反応器3における水蒸気改質触媒上への炭素の析出を抑制し、水蒸気改質触媒の活性の低下を抑制する。
上記流量調整後、DME改質反応器3では、終了に至らなければ(ステップs6、No)、DMEの水蒸気改質処理を継続する(ステップs2へ)。
水素製造システムによる水素の製造を終了する場合(ステップs6、Yes)、DME改質反応器3への気体DME及び水蒸気の供給等の停止を行う。
【0051】
以上のようにして、水蒸気改質反応により生成される水素の生成量の変動に応じて、水蒸気改質反応に供する水蒸気(水)の単位時間当たりの供給量が調整される。これにより、排熱源1において発生する排熱ガスの温度等の変動が大きな場合であっても、水蒸気改質触媒の活性の低下を抑制しつつ好適な条件でDMEの水蒸気改質反応を継続することができ、安定して継続的に水素を製造することができる。
【0052】
なお、上記では、水素流量計31より測定される水素の流量の変動に応じて、調整弁11による水蒸気の流量の調整を制御部13により制御する場合について説明したが、改質ガスの流量の変動に応じて、水蒸気の流量の調整を制御部13により制御するようにしてもよい。この場合、改質ガス移送管14、16、17、22、24などのいずれかに流量計を介設し、この流量計により測定される改質ガスの流量の変動に応じて、調整弁11による水蒸気の流量の調整を制御部13により制御する。
【0053】
以上、本発明について上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明としては、上記説明の内容に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りは適宜の変更が可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 排熱源
3 DME改質反応器
4 混合原材料供給管
5 気体DME供給管
6 DME気化器
7 MFC
9 水蒸気供給管
10 水蒸発器
11 調整弁
13 制御部
18 冷却器
20 水・メタノール回収器
21 ガス圧縮機
23 DME回収器
23a DME気化器
25 水素分離部
27 背圧弁
31 水素流量計
33 DME移送管
33a DME還流管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排熱を熱源として利用してジメチルエーテルを水蒸気改質することにより、水素を含む改質ガスを生成する水蒸気改質反応において、前記改質ガスの生成量の変動又は前記水素の生成量の変動に応じて、前記水蒸気改質反応に供する水の単位時間当たりの供給量を調整することを特徴とする水素製造方法。
【請求項2】
前記改質ガスから未反応のジメチルエーテルを分離回収することを特徴とする請求項1記載の水素製造方法。
【請求項3】
前記改質ガスを加圧して該改質ガスに含まれる前記未反応のジメチルエーテルを液化し、液化された前記未反応のジメチルエーテルを残余の前記改質ガスから分離回収することを特徴とする請求項2記載の水素製造方法。
【請求項4】
分離回収された前記未反応のジメチルエーテルを前記水蒸気改質反応に供することを特徴とする請求項2又は3に記載の水素製造方法。
【請求項5】
前記未反応のジメチルエーテルが分離回収される前の前記改質ガスの熱により、分離回収された前記未反応のジメチルエーテルを加熱することを特徴とする請求項4記載の水素製造方法。
【請求項6】
前記未反応のジメチルエーテルが分離回収される前の前記改質ガスから未反応の水及び副生成物であるメタノールを分離することを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の水素製造方法。
【請求項7】
同一の排熱源からの排熱を、前記水蒸気改質反応と、前記水蒸気改質反応に供する水の加熱と、前記水蒸気改質反応に供するジメチルエーテルの加熱とに利用することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の水素製造方法。
【請求項8】
前記排熱として、200〜500℃の工場排熱を利用することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の水素製造方法。
【請求項9】
膜分離法、圧力スイング吸着法、又は深冷分離法により、前記改質ガスから前記水素を分離することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の水素製造方法。
【請求項10】
排熱を熱源として利用してジメチルエーテルを水蒸気改質することにより、水素を含む改質ガスを生成する改質反応器と、
前記改質反応器に水を供給する水供給部と、
前記改質反応器にジメチルエーテルを供給するジメチルエーテル供給部と、
前記水供給部による前記水の単位時間当たりの供給量を調整する水供給量調整部と、
前記改質ガスの生成量又は前記水素の生成量を測定する生成量測定部と、
前記生成量測定部による測定結果に基づき、前記水供給量調整部による単位時間当たりの供給量の調整を制御する制御部とを有することを特徴とする水素製造システム。
【請求項11】
前記改質反応器で生成された前記改質ガスから未反応のジメチルエーテルを分離回収するジメチルエーテル分離回収部を有することを特徴とする請求項10記載の水素製造システム。
【請求項12】
前記ジメチルエーテル分離回収部が、前記改質ガスを加圧するガス圧縮機と、前記ガス圧縮機が前記改質ガスを加圧することにより液化された前記未反応のジメチルエーテルを回収する回収部と、回収した前記未反応のジメチルエーテルを前記水蒸気改質反応における反応排熱により加熱する熱交換部とを有することを特徴とする請求項11記載の水素製造システム。
【請求項13】
前記熱交換部が、前記ジメチルエーテル分離回収部により前記未反応のジメチルエーテルを分離回収する前の前記改質ガスと、前記回収部により回収した前記未反応のジメチルエーテルとを熱交換するものであることを特徴とする請求項12記載の水素製造システム。
【請求項14】
前記ガス圧縮機の、加圧された前記改質ガスの排出側に接続され、水素分離膜により前記改質ガスを前記水素と他のガスとに分離する水素分離部と、
前記水素分離部の、前記他のガスの排出側に設けられた背圧弁とを有することを特徴とする請求項12又は13記載の水素製造システム。
【請求項15】
前記ジメチルエーテル分離回収部により分離回収された前記未反応のジメチルエーテルを前記改質反応器に還流させるジメチルエーテル還流部を有することを特徴とする請求項11〜14のいずれかに記載の水素製造システム。
【請求項16】
前記ジメチルエーテル分離回収部の前段に設けられ、前記改質反応器で生成された前記改質ガスから未反応の水及び副生成物であるメタノールを分離する水及びメタノール分離部を有することを特徴とする請求項11〜15のいずれかに記載の水素製造システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−188298(P2012−188298A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50541(P2011−50541)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(000004215)株式会社日本製鋼所 (840)
【Fターム(参考)】