説明

水電池

【課題】従来の技術における水電池の改良であって、微量の水分の供給によって所定の起電力を発生させることのできる比較的に薄型で小型の水電池。
【解決手段】正極電極板12と負極電極板13の両外面が外包シート11によって被包されており、正極電極板12と負極電極板13との間に電気絶縁体の層が介在されており、負極電極板12の枠状本体部40がその内周縁40aに囲まれた配置スペース42を有し、正極電極板12の本体部36が配置スペース42に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水を注入することによって発電する水電池、特に、比較的に薄型の水電池に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水を注入することによって発電する水電池は公知である。例えば、特許文献1には、水電池の外形を形成する、金属製の負極外筒体と、活性炭からなる正極活物質と、正極活物質に差し込まれたロッド状の正極集電体と、水を正極活物質に供給するための吸水部材とを含む水電池が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3112869号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された水電池では、円筒状の負極外筒体の底面に形成された注水口から負極外筒体の内部に注入された水が吸収部材を介して正極活物質に浸透し、両電極間に起電力を生じさせることによって、一定時間所要の電流を発電することができる。
【0005】
本発明の課題は、従来の技術における水電池の改良であって、微量の水分の供給によって所定の起電力を発生させることのできる比較的に薄型かつ小型の水電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明が対象とするのは、縦方向及び横方向と、正極端子を有する正極電極板と、負極端子を有する負極電極板と、前記正極電極板及び前記負極電極板と直接的又は間接的に当接する正極活物質とを含む水電池である。
【0007】
本発明が特徴とするところは、電気絶縁性及び透水性の外包シートをさらに含み、前記正極電極板と前記負極電極板の両外面が前記外包シートによって被包されており、前記正極電極板と前記負極電極板との間に電気絶縁体の層が介在されており、前記正極電極板が前記正極端子と連なる本体部を有し、前記負極電極板が前記負極電極端子と連なる枠状本体部を有しており、前記負極電極板の前記枠状本体部が、その内周縁に囲まれた配置スペースを有し、前記正極電極板の前記本体部が前記配置スペースに配置されている。
【0008】
本発明における他の実施態様の一つは、前記負極電極板が切欠を有し、前記切欠から前記正極電極板の前記正極端子が前記縦方向へ延出している。
【0009】
本発明における他の実施態様の一つは、前記負極電極板の前記切欠を形成し、かつ、前記横方向において互いに離間対向する一対の内端部が、前記正極電極板の前記本体部と前記縦方向において離間対向している。
【0010】
本発明における他の実施態様の一つは、前記外包シートが第1面及びそれに対向する第2面を有し、前記正極電極板、前記負極電極板及び前記正極活物質がそれぞれ前記横方向に所与寸法離間して前記外包シートの前記第1面に配置されており、前記外包シートにおける前記縦方向へ延びる複数の折曲線に沿って前記外包シートを折り曲げることによって、前記正極電極板と前記正極活物質とが互いに当接して重なり合い、かつ、前記正極活物質と前記負極電極板とが前記外包シートの一部を介して重なり合っており、前記正極電極板と前記負極電極板とが厚さ方向において互いに重なり合うことなく前記外包シートに被包されている。
【0011】
本発明における他の実施態様の一つは、前記負極電極板の前記枠状本体部が略円形のリング状であって、前記枠状本体部の内周縁によって画成された前記配置スペースに、前記正極電極板の略円形状を有する前記本体部が配置されており、前記負極電極板と前記正極電極板の両外面が略円形状の前記外包シートによって被包されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る水電池によれば、外包シート内において、負極電極板と正極電極板とが互いに重なることなく被包されているので、両電極板がほぼ同一平面状に位置し、それらを互いに重ねて積層した場合に比して、より薄型にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態における水電池の斜視図。
【図2】図1の水電池の展開図。
【図3】正極電極板と負極電極板との配置関係を示す平面図。
【図4】図1のIV−IV線断面図。
【図5】図1のV−V線断面図。
【図6】本発明の第2実施形態における水電池の一部破断平面図。
【図7】第2実施形態における正極電極と負極電極との配置関係を示す平面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
<第1実施形態>
図1及び2に示すとおり、水電池10は、縦方向Y及び横方向Xと、外包シート11と、外包シート11に被包された電荷を集めるための正極電極板12と、負極電極板13と、外包シート11内において正極電極板12と当接する正極活物質14とを含む。図4、5に示すとおり、正極電極板12と、負極電極板13および正極活物質14は、外包シート11に積層された状態で被包されている。
【0015】
水電池10は、縦方向Yへ互いに並行に延びる第1及び第2側縁部16,17と、縦方向Yにおいて離間対向して位置する第1及び第2開口端部18,19とによって画成された矩形であって、第1開口端部18の横方向Xの略中央部から正極電極板12の正極端子12aが縦方向Yの外方に突出し、また、第1開口端部18の第1側縁部16側から負極電極板13の負極端子13aが縦方向Yの外方向へ突出している。なお、第1及び第2開口端部18,19は、外包シート11から発電に要する所定の水分が吸収される限りにおいて、接着剤またはヒートシール加工によって封止されていてもよく、外包シート11に被包された各構成部材の脱落を防止するためには、第1及び第2開口端部18,19のうちの少なくともいずれか一方が封止されていることが好ましい。また、本実施形態では、正極端子12aと負極端子13aとは、縦方向Yの外方へ凸となる形状を有しているが、全体が外包シート11内に位置する形状であってもよいし、外包シート11内に位置する正極電極板12の本体と負極電極板13の本体とがそれぞれ正負極端子12a,13aの役割を有していてもよい。
【0016】
外包シート11は、電気絶縁性及び透液性のシート材料から作られており、たとえば、透水性の繊維不織布、多孔質のプラスチックフィルムなどから形成されている。外包シート11は、発電に要する水分を吸収するとともに、正極電極板12と負極電極板13との接触を避けるためのセパレータとしての役割を果たしている。
【0017】
また、外包シート11は、図2に示すとおり、その展開状態において、第1面21A及び第2面21Bと、横方向Xにおいて互いに離間対向して縦方向Yへ延びる第1及び第2端縁22,23と、縦方向Yにおいて互いに離間対向して横方向Xへ延びる第1及び第2側縁24,25とによって画成された略長方形状であって、第1端縁22と第2端縁23との間には、縦方向Yへ延びる第1〜3折曲線26,27,28が形成されている。
【0018】
外包シート11は、第1及び第2端縁22,23と、第1〜第3折曲線26,27,28とによってその横方向Xにおいて4つの区域に区分されている。具体的には、第1端縁22と第1折曲線26との間に画成された第1区域30と、第1折曲線26と第2折曲線27との間に画成された第2区域31と、第2折曲線27と第3折曲線28との間に画成された第3区域32と、第3折曲線28と第2側縁23との間に画成された第4区域34とに区分されている。第1〜第3区域30,31,32は、横方向Xにおいてほぼ均等の幅寸法を有している。第4区域34は、第1〜第3区域30,31、32に比して横方向Xの幅寸法の小さい幅狭であって、その第1面21Aには、縦方向Yに延びる、接着剤を間欠的に塗布してなる接着域35が形成されている。なお、水電池10内部に水分が浸透するのを阻害しない限りにおいて、接着域35は、接着剤ではなく、ヒートシール加工によって接合されていてもよい。
【0019】
図2及び3に示すとおり、正極電極板12は、外包シート11の第1区域30に配置された凸状の薄板であって、比較的に導電性が強くイオン化傾向の小さい、電気化学的に比較的安定な、例えば、ニッケル、銅、銀等の金属またはこれらの金属を主体とする合金から作られている。また、正極電極板12は、本体部36と、本体部36よりも幅狭であって、かつ、本体部36から縦方向Yの外方へ延びる正極端子12aとを有する。本体部36と正極端子12aとの間には、段差37が形成されている。
【0020】
負極電極板13は、外包シート11の第3区域32に配置された、凹状の薄板であって、イオン化および/または酸化傾向が比較的に大きな電極活物質、例えば、金属マグネシウム、アルミニウム、亜鉛などまたはそれらを少なくとも2種以上含む合金作られている。負極電極板13は、第1側縁24側に位置する切欠39を有する枠状本体部40と、枠状本体部40と連なり第1側縁24から縦方向Yの外方向へ延びる負極端子13aとを有する。枠状本体部40の切欠39は、横方向Xにおいて互いに離間する一対の内端部41a,41bによって形成されており、また、枠状本体部40の中央部には、その内側縁40aに囲まれた略矩形の配置スペース42が画成されている。また、負極電極板13は、所要の酸化還元反応を生じさせるべく、正極電極板12よりも厚みがあり、具体的には、正極電極板12の約1.1〜1.5倍の厚さを有している。
【0021】
正極活物質14は、外包シート11の第2区域31の第1面21Aにスプレー状に塗布された接着剤を介して固定された粉末状であって、比較的に酸化力が強い酸化物質、例えば、活性炭、二酸化マンガン、酸化鉄、結晶性の酸化銀などの混合物から作られており、混合物の種類や混合比率は、所要の酸化力に応じて自由に設定することができる。また、全体として比較的に薄型の水電池10を形成するために、少ない量で所要の起電力の発生を可能とすべく、活性炭に用いる材料の種類を複数使用したり、加工処理したものを用いることもできる。なお、本発明では、正極活物質14は、粉末状であるが、活性炭などの各種粉末をシート状に成形して、第2区域31に接着剤を介して固定してもよい。
【0022】
図3に示すとおり、水電池10の組立状態において、正極電極板12は、外包シート11を介して負極電極板13に囲堯された状態で配置されている。具体的には、正極電極板12の本体部36は負極電極板13の枠状本体部40の内側縁40aによって画成された配置スペース42に配置されており、枠状本体部40の切欠39から正極電極板12の正極端子12aが負極電極板13の負極端子13aと横方向Xにおいてほぼ並ぶように突出している。かかる態様では、図4に示すとおり、正極電極板12と負極電極板13とが水電池の厚さ方向において互いに重なり合うことがないので、いわば、正極電極板12と負極電極板13とがほぼ同一平面上に位置し、より薄型の水電池10を得ることができる。
【0023】
また、負極電極板13の枠状本体部40の内端部41a,41bと正極電極板12の段差37とは、ほぼ同一の平面上において縦方向Yに互いに離間対向している。したがって、第2開口端部19が封止されている状態において、正極電極板12が第1開口端部18側へ位置ずれをしても、その移動が枠状本体部40によって規制されるので、正極電極板12が外包シート11内において大きく位置ずれして負極電極板13に上にせり上がったり、本体部36が外包シート11の外部に露出するおそれはない。
【0024】
<水電池10の組立手順>
水電池10を図2に示した展開状態から図1の組み立て状態とするためには、まず、第1折曲線26に沿って外包シート11の第1区域30を(正極電極板12が第1区域30に固定されていない場合には、組立者が外包シート11と正極電極板12とを指で抑えながら)第2区域31の第1面21Aに向かって折り曲げて、第2区域31の第1面21Aに固定された正極活物質14と正極電極板12とを当接させた状態で重ね合わせる。
【0025】
次に、第2折曲線27に沿って第3区域32を第2区域31と折り重ねられた状態における第1区域30の第2面21Bに向かって折り曲げて、第3区域32の第1面21Aと第1区域30の第2面21Bとを互いに当接した状態で重ねあわせる。最後に、第3折曲線28に沿って第4区域34の第1面21Aを第2区域31の第2面21Bに向かって折り曲げて、接着域35を介して固定させることによって、水電池10を組み立てることができる。なお、かかる組立操作を容易にするために、正極電極板12を予め正極活物質14上の所要の位置に直接配置させた状態で第1区域30と折り重ねてもよいし、正極電極板12と負極電極板13との位置ずれを防止するために、それらの全体または一部を間欠的に塗布した接着剤を介して固定してもよい。
【0026】
このように組み立てられた水電池10では、図4及び5に示すとおり、その内部において、正極電極板12と正極物質14とは当接した状態であって、正極活物質14は、それが固定された外包シート11を介して負極電極板13と間接的に当接している。かかる態様を有する水電池10において、外包シート11の第2面21B及び/または第1及び第2開口端部18,19からその内部に水分が浸透したときには、外包シート11の第1区域30を画成する部位を介して正極活物質14に水分が拡散され、拡散された水分が酸化反応触媒として作用して両電極板12,13間にイオン化反応が生じることによって、起電力が発生する。
【0027】
本発明にかかる水電池10は、外包シート11によって各構成材料が積層された状態で被包されているので、従来の筒状の水電池に比べて薄く、かつ、軽量で小型である。また、水電池10に微量の水分のみが供給された場合であっても、各構成材料間に介在された外包シート11を通じて正極活物質14に水分を供給して拡散させることができ、所要の起電力を速やかに生じさせることができる。
【0028】
以下に本発明の実施例を説明する。なお、本実施例は、あくまでも発明の理解を容易にするためのものであり、各種条件は実施例に制限されるものではない。
【実施例】
【0029】
本実施例の水電池10は、その縦方向Yの寸法、すなわち、第1及び第2側縁部16,17の縦方向Yの長さ寸法が約15mm,第1及び第2開口端部18,19の横方向Xにおける長さ寸法が約10mm、また、その厚さが約0.4mmである。さらに、表面積が約30mmの正極電極板12と、表面積が約55mmの負極電極板13と、活性炭等を所定比率で混同してなる約0.05gの正極活物質14とを使用した。
【0030】
かかる条件において、外包シート11の第2面21Bに約100mgの水分を浸透させたところ、正極端子12aと負極端子13aとの間に約15mAの電流が15秒間流れた。なお、正極電極板12と負極電極板13とは、正極活物質14を0.05g以上用いる場合には、その表面積が50mm程度であることが好ましい。また、所要の大きさの電流を生じさせるために、正極電極板12と負極電極板13との表面積の大きさ、形状は種々変更することができる。特に、5mA以下の電流を生じさせる場合には、正極電極板12と負極電極板13との表面積をさらに小さくすることができ、水電池10全体の大きさをより小さくすることによってさらに小型化することができる。
【0031】
なお、本実施形態のほかに、正極電極板12、正極活物質14及び負極電極板13を積層した状態で、正極活物質14と負極電極板13との間に外包シート11とは別体のシート部材からなる電気絶縁体の層を介在させて、外包シート11でそれらを被包した態様、すなわち、図4で示す断面構造を有するものであれば、一枚の外包シート11を折り曲げて形成したものでなくともよい。
【0032】
<第2実施形態>
図6は、本発明の第2実施形態における水電池10の一部破断平面図、図7は、第2実施形態における、正極電極板12と負極電極板13との配置関係を示す平面図である。本実施形態における水電池10の基本的構成は、第1実施形態とほぼ同様であるので、相違する点についてのみ以下に説明する。
【0033】
本実施形態における水電池10は、略円形状を有しており、その外形をなす円形状の外包シート11と、外包シート11の一部又はそれとは別体の透液性及び電気絶縁性のシート部材からなるセパレータ45を介して外包シート11内に積層された正極電極板12と負極電極板13とを含む。
【0034】
正極電極板12は、本体部36が略円形であって、本体部36から延出する正極端子12aが外包シート11の開口端部18から縦方向Yの外方へ延出している。また、正極電極板12と対向する外包シート11の内面には接着剤を介して固定された正極活物質14が配置されている。
【0035】
負極電極板13は、正極電極板12を取り囲むように配置された略円形のリング状であって、負極端子13aが正極端子12aの側方から縦方向Yの外方へ延出しており、また、枠状本体部40の内周縁40a内に画成された配置スペース42には、正極電極板12の本体部36が配置されている。
【0036】
本実施形態における水電池10では、第1実施形態と同様に、正極電極板12と負極電極板13とがほぼ同一の平面状に位置することから、それらを水電池10の厚さ方向に重ねた状態で外包シート11に被包させる場合に比してより薄型にすることができる。また、正極電極板12の本体部36全体が負極電極板13の枠状本体部40に囲まれていることから、その移動が規制されて、水電池の搬送中又は使用中に、正極電極板12が大きく位置ずれをするおそれはない。
【0037】
さらに、水電池10が円形状であるので、固定テープなどを介して使用者の肌に当接させた状態で使用する場合であっても、肌を妄りに刺激したり、不快感を与えるおそれはない。すなわち、本発明の水電池10は、その機能が発揮される限りにおいて様々な分野に用いることができるが、例えば、使い捨ておむつの内部にセンサ機能を有する超小型機器とともに水電池10を配置し、排出された尿が外包シート11に浸透することによって水電池10が発電してセンサ機能を作動させたり、湿度の変化する限られた空間に水電池を配置し、該空間が所定以上の湿度に達したときに、発生した水分を吸収して水電池が発電し、センサ機能を作動させたりすることなどに用いることができる。さらに、医療現場等において、点滴時の点滴液の漏れや採血時の血液の漏出を早期に感知するために、水電池10を医療用の固定テープや絆創膏の内面又は外面に配置して、漏出するそれらの液体を触媒として発電させ、その起電力を利用して付随するセンサ機器によって信号を発信することによって、それらの医療事故を未然に防ぐためのツールとしても活用できる。
【0038】
なお、水電池10を構成する各部材としては、前記の材料以外に、この種の物品に用いられる材料を制限なく用いることができる。また、水電池10の形状は、第1及び第2実施形態の形状に限定されるものではなく、所要の起電力を生じる限りにおいて、扁平状、楕円形状などの各種公知の形状を有していてもよい。また、図示していないが、本発明に係る水電池10を複数個並列に積層させることによって、1つの水電池10による起電力よりも数倍〜数百倍の起電力を生じさせることもできる。
【符号の説明】
【0039】
10 水電池
11 外包シート
12 正極電極板
12a 正極端子
13 負極電極板
13a 負極端子
14 正極活物質
21A 外包シートの第1面
21B 外包シートの第2面
16 第1側縁
17 第2側縁
26 第1折曲線
27 第2折曲線
36 正極電極板の本体部
39 切欠
40 負極電極板の枠状本体部
40a 内周縁
41a,41b 内端部
42 配置スペース
X 横方向
Y 縦方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦方向及び横方向と、正極端子を有する正極電極板と、負極端子を有する負極電極板と、前記正極電極板及び前記負極電極板と直接的又は間接的に当接する正極活物質とを含む水電池において、
電気絶縁性及び透水性の外包シートをさらに含み、
前記正極電極板と前記負極電極板の両外面が前記外包シートによって被包されており、
前記正極電極板と前記負極電極板との間に電気絶縁体の層が介在されており、
前記正極電極板が前記正極端子と連なる本体部を有し、前記負極電極板が前記負極電極端子と連なる枠状本体部を有しており、
前記負極電極板の前記枠状本体部が、その内周縁に囲まれた配置スペースを有し、前記正極電極板の前記本体部が前記配置スペースに配置されている前記水電池。
【請求項2】
前記負極電極板が切欠を有し、前記切欠から前記正極電極板の前記正極端子が前記縦方向へ延出している請求項1記載の水電池。
【請求項3】
前記負極電極板の前記切欠を形成し、かつ、前記横方向において互いに離間対向する一対の内端部が、前記正極電極板の前記本体部と前記縦方向において離間対向している請求項1又は2記載の水電池。
【請求項4】
前記外包シートが第1面及びそれに対向する第2面を有し、前記正極電極板、前記負極電極板及び前記正極活物質がそれぞれ前記横方向に所与寸法離間して前記外包シートの前記第1面に配置されており、前記外包シートにおける前記縦方向へ延びる複数の折曲線に沿って前記外包シートを折り曲げることによって、前記正極電極板と前記正極活物質とが互いに当接して重なり合い、かつ、前記正極活物質と前記負極電極板とが前記外包シートの一部を介して重なり合っており、前記正極電極板と前記負極電極板とが厚さ方向において互いに重なり合うことなく前記外包シートに被包されている請求項1〜3のいずれかに記載の水電池。
【請求項5】
前記負極電極板の前記枠状本体部が略円形のリング状であって、前記枠状本体部の内周縁によって画成された前記配置スペースに、前記正極電極板の略円形状を有する前記本体部が配置されており、前記負極電極板と前記正極電極板の両外面が略円形状の前記外包シートによって被包されている請求項1〜4のいずれかに記載の水電池。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−22898(P2012−22898A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−160132(P2010−160132)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(508346505)日本協能電子株式会社 (3)
【Fターム(参考)】